(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のいくつかの実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係るフレーム部品、テンプル、およびフレームが組み込まれるアイウェアの代表例として、電気的制御により光学特性が変化する電気活性領域を含むレンズを有する電子メガネについて説明する。
【0016】
[実施形態1]
(電子メガネの構成)
図1は、本実施形態に係る電子メガネ100の構成の一例を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る電子メガネ100の内部回路を示すブロック図である。電子メガネ100は、一対のレンズ110、フレーム120、制御部160(
図2参照)、および電源170を有する。
【0017】
フレーム120は、フロント130、および一対のテンプル140(フレーム部品ともいう。)を有する。なお、以下、フロント130が配置される部分を電子メガネ100の正面(前方)として説明する。
【0018】
また、以下の説明において特に断ることなく、「前後方向」、「幅方向」、および「上下方向」といった場合には、ユーザがメガネとして装着できる展開状態(
図1に示す状態)における電子メガネ100の各方向をいう。
【0019】
一例として、電子メガネ100の前後方向とは、装着時におけるユーザの前後方向である。また、電子メガネ100の幅方向とは、装着時におけるユーザの左右方向である。さらに、電子メガネ100の上下方向とは、装着時におけるユーザの天地方向である。
【0020】
(レンズについて)
図3は、
図1のA−A線における断面図であって、レンズ110の構成の一例を説明するための断面模式図である。なお、
図3において、レンズ110の曲率は、ゼロである。
【0021】
一対のレンズ110は、電子メガネ100を正面視したときに、左右対称となるように形成されており、互いに同一の構成要素を有する。そこで、以下の説明では、電子メガネ100の右目用のレンズ110について説明し、左目用のレンズ110の構成要素については、その説明を省略する。
【0022】
レンズ110は、電圧によりその焦点距離(度数)を切替え可能な第一領域1101(電気活性領域ともいう。)、および第一領域1101以外の領域に配置される第二領域1102を有する。レンズ110は、球面レンズであってもよいし、非球面レンズであってもよい。レンズ110の形状は、所期の光学パワーに応じて適宜調整されうる。
【0023】
第一領域1101の形状、大きさおよび位置は、レンズ110の大きさやレンズ110の用途などに応じて適宜設計されうる。レンズ110の用途の例には、遠近両用レンズ、中近両用レンズ、および近々両用レンズが含まれる。第一領域1101の形状の例には、円形状および楕円形状が含まれる。
【0024】
本実施形態では、第一領域1101の形状は、電子メガネ100の左右方向(幅方向ともいう。)を長軸とする楕円形状である。また、第一領域1101は、
図1に示されるように、レンズ110を正面視したときに、レンズ110の中央部より下側に配置される。
【0025】
図3に示されるように、第一領域1101は、後方側(
図3の下側)から順に、第一基板111、第一電極112、液晶層113、第二電極114、および第二基板115を有する。
【0026】
第二領域1102は、後方側から順に、第一基板111、第一電極112、接着層116、第二電極114、および第二基板115を有する。各構成要素は、可視光に対して透光性を有する。
【0027】
第一基板111は、電子メガネ100において、レンズ110の後方側(ユーザ側)に配置される。第一基板111は、電子メガネ100の前方側に向かって凸状となるように湾曲する。第一基板111の曲率および形状は、所期の光学パワーに応じて適宜調整されうる。
【0028】
第一基板111は、第一領域1101に対応する領域に配置される回折領域117を含む。回折領域117には、第一基板111の一方の面(前方側の面)において、中央部分に配置される半球状の凸部1171と、凸部1171の外側に配置される複数の円環状の第一凸条1172とが形成される。
【0029】
凸部1171および第一凸条1172の形状は、電子メガネ100の前方から入射した光を回折するときの、所期の光学パワーに応じて適宜調整されうる。凸部1171および第一凸条1172の形状の例には、フレネルレンズ形状が含まれる。
【0030】
凸部1171および第一凸条1172の一部がフレネルレンズ形状であってもよいし、凸部1171および第一凸条1172の全部がフレネルレンズ形状であってもよい。
【0031】
第一基板111の材料は、透光性を有していれば特に限定されない。たとえば、第一基板111の材料としては、レンズの材料として使用されうる公知の材料が使用されうる。第一基板111の材料の例には、ガラスおよび樹脂が含まれる。
【0032】
当該樹脂の具体例には、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートおよびポリスチレンが含まれる。
【0033】
第一電極112および第二電極114は、透光性を有する一対の透明電極である。第一電極112は、第一基板111と液晶層113との間に配置される。第二電極114は、液晶層113と第二基板115との間に配置される。
【0034】
第一電極112および第二電極114は、少なくとも液晶層113に電圧を印加しうる範囲(第一領域1101)に亘って配置されていればよい。
【0035】
第一電極112および第二電極114の材料は、所期の透光性および導電性を有していれば特に限定されない。第一電極112および第二電極114の材料の例には、酸化インジウムスズ(ITO)および酸化亜鉛(ZnO)が含まれる。第一電極112および第二電極114の材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0036】
液晶層113は、第一電極112と第二電極114との間に配置される。液晶層113は、電圧の印加の有無に応じて、その屈折率が変化するように構成される。例えば、液晶層113の屈折率は、液晶層113に電圧が印加されていない状態において、第一基板111の屈折率および第二基板115の屈折率とほぼ同じであるように調整される。一方、液晶層113の屈折率は、液晶層113に電圧が印加されている状態において、第一基板111の屈折率および第二基板115の屈折率と異なるように調整される。
【0037】
液晶層113は、液晶材料を含有する。電圧が印加されているときの当該液晶材料の配向状態と、電圧が印加されていないときの当該液晶材料の配向状態とは、互いに異なる。液晶材料は、第一基板111の屈折率および第二基板115の屈折率に応じて、適宜選択されうる。たとえば、液晶材料は、コレステリック液晶やネマチック液晶などにより構成されうる。
【0038】
第二基板115は、電子メガネ100において、レンズ110の前方側に配置される。第二基板115も、電子メガネ100の前方側に向かって凸状となるように湾曲する。第二基板115の曲率は、第一基板111の曲率に対応する。第二基板115の材料の例は、第一基板111の材料と同じである。
【0039】
接着層116は、第二領域1102において、第一基板111と第二基板115との間に配置されており、第一基板111と第二基板115とを接着する。第一電極112および第二電極114が、第二領域1102にも配置される場合には、接着層116は、第一電極112と第二電極114との間に配置される。また、接着層116は、液晶層113を構成する液晶材料を封止する機能も有する。
【0040】
接着層116は、接着剤の硬化物により構成される。当該接着剤の材料は、所期の透光性を有し、かつ第一基板111と第二基板115とを適切に接着することができれば特に限定されない。レンズ110の光学パワーを調整する観点から、所期の屈折率を有する接着剤が選択されうる。
【0041】
レンズ110は、必要に応じて、透光性を有する他の構成要素をさらに有してもよい。当該他の構成要素の例には、絶縁層および配向膜が含まれる。
【0042】
絶縁層は、第一電極112と第二電極114との間の導通を防止する。たとえば、絶縁層は、第一電極112と液晶層113との間と、液晶層113と第二電極114との間とにそれぞれ配置される。絶縁層の材料としては、透光性を有する絶縁層として使用されうる公知の材料が使用されうる。絶縁層の材料の例には、二酸化ケイ素が含まれる。
【0043】
配向膜は、液晶層113における液晶材料の配向状態を制御する。たとえば、配向膜は、第一電極112と液晶層113との間と、液晶層113と第二電極114との間とにそれぞれ配置される。配向膜の材料としては、液晶材料の配向膜として使用されうる公知の材料が使用されうる。配向膜の材料の例には、ポリイミドが含まれる。
【0044】
レンズ110は、例えば、下記の製造方法により製造されうる。まず、第一基板111および第二基板115を準備する。第一基板111および第二基板115は、例えば、射出成形により製造されうる。
【0045】
つぎに、第一基板111上に第一電極112を形成し、第二基板115上に第二電極114を形成する。第一基板111上に第一電極112を形成する方法と、第二基板115上に第二電極114を形成する方法の例には、真空蒸着法およびスパッタリングが含まれる。
【0046】
つぎに、第一電極112が形成された第一基板111の回折領域117上に液晶材料を提供するとともに、第一基板111の、回折領域117以外の部分に接着剤を提供する。液晶材料および接着剤が第一基板111上に配置される状態で、第二電極114が形成された第二基板115を、第一基板111上に配置する。最後に、接着剤を硬化させることによってレンズ110を製造できる。
【0047】
(フロントについて)
図1に示されるように、フロント130は、一対のレンズ110を保持する。フロント130は、一対のレンズ110をそれぞれ支持する一対のリム131、および一対のリム131を互いに幅方向に接続するブリッジ132を有する。リム131の形状は、レンズ110の形状に対応する形状である。
【0048】
ブリッジ132は、ユーザの鼻に接触しうる一対の鼻パッド133を有する。特に図示しないが、フロント130の内部には、レンズ110の第一電極112と後述の制御部160とを電気的に接続する配線、およびレンズ110の第二電極114と制御部160とを電気的に接続する配線が配置される。
【0049】
フロント130の材料は、特に限定されない。フロント130の材料としては、メガネのフロントの材料として使用される公知の材料が使用されうる。フロント130の材料の例には、ポリアミド、アセテート、カーボン、セルロイド、ポリエーテルイミド、およびウレタンが含まれる。
【0050】
(テンプルについて)
以下、
図4〜
図16Bを参照して、テンプル140について説明する。なお、以下、テンプル140およびテンプル140を構成する各部材の説明において、電子メガネ100の幅方向における外側面を、単に「外側面」という。一方、テンプル140およびテンプル140を構成する各部材の説明において、電子メガネ100の幅方向における内側面を、単に「内側面」という。また、テンプル140における幅方向は、テンプル140における厚さ方向でもある。したがって、テンプル140の厚さ寸法は、テンプル140の幅方向における寸法でもある。また、テンプル140における上下方向は、テンプル140における高さ方向でもある。したがって、テンプル140の高さ寸法は、テンプル140の上下方向における寸法でもある。
【0051】
以下、一対のテンプル140のうち、右側用の(装着状態においてユーザの右側に配置される)テンプル140について説明する。左側用の(装着状態においてユーザの左側に配置される)テンプル140の構成要素については、右側用のテンプル140と同様(つまり、左右対称)であってもよいし、異なっていてもよい。
【0052】
左側用のテンプル140の構成要素において、左側用のテンプル140の構成要素と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下で説明する右側用のテンプル140の構成は、左側用のテンプル140に適宜適用できる。
【0053】
図1に示されるように、テンプル140は、前端部においてフロント130に接続される。たとえば、テンプル140は、所定方向(たとえば、上下方向)の軸を中心とした回転可能に、フロント130のリム131に係合される。
【0054】
まず、本実施形態に係るテンプル140の概要について、
図10を参照して説明する。本実施形態に係るテンプル140(フレーム部品ともいう。)は、アイウェアのフレームを構成する。このようなテンプル140は、外側凹部141f(第一凹部ともいう。)が形成された外側面(第一面ともいう。)、および外側凹部141fに開口する外側貫通孔141g(第一孔ともいう。)を有する筐体141と、外側凹部141fに配置された被接触部142(第一デバイスともいう。)と、外側貫通孔141gに挿通され、被接触部142を筐体141に固定する接続部材101(締結部材ともいう。)と、を備える。
【0055】
このようなテンプル140は、具体的には、
図8〜
図11に示すように、筐体141、被接触部142、検出部145、光源102、導光部材103、側部カバー104、接着部材105、および前端部カバー146を有する。以下、テンプル140を構成する各部材について説明する。
【0056】
(筐体について)
筐体141は、
図4に示すように、テンプル140の外形を構成する。筐体141は、検出部145を収容する収容空間141e(
図10参照)を有する。筐体141は、一方向(具体的には、前後方向)に沿って延在する。収容空間141eは、収容部の一例に該当する。
【0057】
筐体141は、前端部に、第一開口部1413(
図11参照)を有する。一方、筐体141は、後端部に、第二開口部(不図示)を有する。当該第二開口部には、電源170が着脱可能に配置される(
図1参照)。
【0058】
以上のような筐体141は、幅方向における外側に設けられた外側壁部141a(
図8参照)、および外側壁部141aよりも幅方向における内側(
図10の下側)に設けられた内側壁部141bを有する。外側壁部141aと内側壁部141bとは、幅方向に対向する。
【0059】
本実施形態では、筐体141の外側壁部141aの外側面には、筐体141の長手方向に沿って延在する第二凸条1411が形成される(
図5A参照)。また、外側壁部141aの外側面の短手方向(上下方向ともいう。)における中央部は、第二凸条1411の稜線上に位置する。一方、内側壁部141bの内側面は、平坦面である。
【0060】
外側壁部141aの上端部と内側壁部141bの上端部とは、上側壁部141c(
図6Aおよび
図6B参照)により幅方向に連続される。一方、外側壁部141aの下端部と内側壁部141bの下端部とは、下側壁部141d(
図6Aおよび
図6B参照)により幅方向に連続される。上側壁部141cと下側壁部141dとは、上下方向(厚さ方向)に対向する。外側壁部141a、内側壁部141b、上側壁部141c、および下側壁部141dにより囲まれる空間が、筐体141の収容空間141eである。
【0061】
外側壁部141aは、外側面(第一面ともいう。)に、外側凹部141f(第一凹部ともいう。
図8参照)を有する。外側凹部141fは、幅方向における外側から見た形状が略六角形である。外側凹部141fは、底部に、外側貫通孔141g(第一孔ともいう。)を有する。外側貫通孔141gは、外側凹部141fの底部から外側壁部141aの内側面へと貫通する。このような外側貫通孔141gには、後述する接続部材101の外側接続部材101Aが挿通される。
【0062】
内側壁部141bは、内側面(第二面ともいう。)に、内側凹部141h(第二凹部ともいう。)を有する。内側凹部141hは、幅方向における内側から見た形状が、筐体141の長手方向(前後方向ともいう。)に長い長円形である。
【0063】
このような内側凹部141hは、少なくとも一部において、外側壁部141aの外側凹部141fと幅方向(厚さ方向)に重なる(対向する)。本実施形態の場合、内側凹部141hの前後方向における長さは、外側凹部141fの前後方向における長さよりも長い。
【0064】
内側凹部141hは、底部に、第一内側貫通孔141i(保持部ともいう。)を有する。第一内側貫通孔141iは、内側凹部141hの底部から内側壁部141bの外側面(
図10の上面)へと貫通する。このような第一内側貫通孔141iには、後述する導光部材103の導光本体部103aの一部が挿入される。
【0065】
内側凹部141hは、第一内側貫通孔141iから離れた位置に、第二内側貫通孔141j(第二孔ともいう。)を有する。第二内側貫通孔141jは、内側凹部141hの底部から内側壁部141bの外側面(
図10の上面)へと貫通する。第二内側貫通孔141jは、少なくとも一部において、外側壁部141aの外側貫通孔141gと幅方向に重なる。本実施形態では、第二内側貫通孔141jの中心軸は、外側貫通孔141gの中心軸と一致する。
【0066】
第二内側貫通孔141jは、接続部材101の少なくとも一部(具体的には、内側接続部材101B)を筐体141の収容空間141eに配置するための孔である。また、第二内側貫通孔141jは、接続部材101の外側接続部材101Aに対して内側接続部材101Bを係合する作業を行うための孔でもある。
【0067】
具体的には、第二内側貫通孔141jは、後述する接続部材101の内側接続部材101Bが、幅方向内側から幅方向外側(
図10の下方から上方)へ通過可能な内径を有する。また、第二内側貫通孔141jは、接続部材101の外側接続部材101Aに対して内側接続部材101Bを係合(本実施形態では螺合)させる工具180(
図12B参照)を挿通可能な内径を有する。このような第二内側貫通孔141jには、組付状態において、後述する導光部材103の位置決め凸部103fが、配置される。
【0068】
筐体141は、内面に、第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141m(
図6A、
図6B、および
図15A参照)を有する。第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mは、後述する基板151を筐体141の収容空間141eに配置する際のガイドである。
【0069】
具体的には、筐体141は、上側壁部141cの内面(下側面ともいう。)に第一ガイド溝141kを、下側壁部141dの内面(上側面ともいう。)に第二ガイド溝141mを、それぞれ有する。
【0070】
第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mはそれぞれ、前後方向に延在し、前端が開口する。第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mの前後方向における長さは、後述する基板151の前後方向における長さよりも短い。
【0071】
第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mの後端部の幅は、前端部の幅よりも狭い。具体的には、第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mは、前後方向において幅が変化しない平行溝部141n(
図15A参照)、および平行溝部141nよりも後方に設けられた傾斜溝部141p(
図15A参照)を有する。
【0072】
傾斜溝部141pは、後方に向かうほど幅が狭くなる。このような第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mは、基板151の短手方向(上下方向ともいう。)端部と上下方向に係合することにより、基板151の長手方向(前後方向ともいう。)への変位をガイドする。
【0073】
筐体141の材料は、特に限定されない。筐体141の材料としては、メガネのテンプルの材料として使用される公知の材料が使用されうる。筐体141の材料の例は、フロント130の材料の例と同じである。ただし、筐体141に金属材料を用いる場合、筐体141の一部分であって、後述の被接触部142の周囲に位置し、被接触部142と接する(あるいは、接し得る)部分は、樹脂などの非金属材料で構成される。
【0074】
(被接触部について)
被接触部142(第一デバイスともいう。)は、たとえば、タッチセンサの一部を構成する部材であって、電子メガネ100のユーザの指などの対象物が接触しうる部分である。このため、被接触部142の少なくとも一部は、筐体141の外部に露出するように配置される。
【0075】
被接触部142の材料の例には、金、銀、銅、アルミニウム、鉄またはこれらの合金など導電性を有する金属材料が含まれる。導電体である対象物の被接触部142への接触は、後述する検出部145に電気的に伝達される。なお、当該接触が伝達される経路については、後述する。
【0076】
本実施形態では、被接触部142は、外側凹部141fに配置される。この状態において、被接触部142の外側面が、ユーザの指が接触可能な状態で筐体141の外部に露出する。
【0077】
具体的には、被接触部142は、幅方向における外側から見た形状が、同方向から見た場合の外側凹部141fの外縁形状よりもわずかに小さい略六角形である。被接触部142は、外側面における筐体141の短手方向の中央部に、筐体141の長手方向に延在する被接触部側凸条142a(
図5A参照)を有する。本実施形態において、被接触部側凸条142aは、第二凸条1411の稜線の延長線上に配置される。
【0078】
このような被接触部142の外側面は、筐体141の外側面において外側凹部141fの周囲に存在する部分と同一面上に存在する。ただし、被接触部142の外側面は、筐体141(具体的には、外側壁部141a)の外側面において外側凹部141fの周囲に存在する部分よりも幅方向における外側に突出していてもよい。被接触部142の内側面は、外側凹部141fの底部に当接する。
【0079】
被接触部142の外側面は、被接触部側凸条142aから筐体141の短手方向両側(
図5Aの上下方向)に向かうほど幅方向における内側(
図5Aの裏方向)に向かうように傾斜する。被接触部142の内側面には、後述する接続部材101の外側接続部材101Aが被接触部142と一体に設けられる。
【0080】
被接触部142の位置は、電子メガネ100のユーザが被接触部142を触りやすい位置であることが好ましい。このような観点から、被接触部142は、筐体141の長手方向における中点より前方側に配置されることが好ましく、筐体141を長手方向において三等分したときの、最も前方側の部分に配置されることがより好ましい。
【0081】
(検出部について)
図14は、検出部145の構成について説明するための模式図である。検出部145は、筐体141の収容空間141eに配置され、被接触部142と電気的に接続される。検出部145では、対象物と被接触部142との接触に起因する静電容量の変化が生じる。
【0082】
検出部145は、外側面から内側面へと貫通する貫通孔157A(
図10参照)を有する。本実施形態では、貫通孔157Aの中心軸は、第二内側貫通孔141jおよび外側貫通孔141gの中心軸と一致する。また、検出部145は、貫通孔157Aの内周面に、外側面から内側面にかけて電気的に導通する導通部158A(
図10参照)を有する。
【0083】
具体的には、検出部145は、
図14に示されるように、複数の層が重なる積層構造を有する。具体的には、検出部145は、幅方向における外側(
図14の上側)から順に、外側板状部材155、絶縁層156a、基板151(外側基板151a、絶縁層156b、内側基板151b)、絶縁層156c、第二接地部152、絶縁層156d、検出パッド153、絶縁層156e、および導電板148を有する。
【0084】
なお、本実施形態では、外側板状部材155、絶縁層156a、外側基板151a、絶縁層156b、内側基板151b、絶縁層156c、第二接地部152、絶縁層156d、および検出パッド153が、検出用積層体150を構成する。検出用積層体150は、対象物と被接触部142との接触によって生じる静電容量の変化を検出する。
【0085】
外側板状部材155は、たとえば、金属、セラミックス、合成樹脂などからなる板状部材である。外側板状部材155は、外側面から内側面へと貫通する貫通孔要素157aを有する。外側板状部材155は、貫通孔要素157aの周縁に、当該周縁に沿う円環状の導通部158aを有する。導通部158aは、たとえば、金、銀、銅などの導電性を有する金属により構成される。
【0086】
導通部158aは、外側板状部材155の外側面に配置される外側導通部155a(
図14参照)を有する。外側導通部155aは、後述する外側接続部材101Aの先端面(幅方向における内端面)と当接する。本実施形態では、外側導通部155aの外径は、外側接続部材101Aの先端面の外径よりも大きい。
【0087】
このような構成により、外側接続部材101Aの先端面は、外側導通部155aに確実に当接する。この結果、外側接続部材101Aと導通部158aとが、電気的に確実に接続される。一方、導通部158aにおいて、外側板状部材155の内側面に配置される部分は、絶縁層156aの導通部158bに連続する。
【0088】
絶縁層156a〜156eはそれぞれ、絶縁体により構成される。絶縁層156a〜156eは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。絶縁層156a〜156eの材料として、たとえば、二酸化ケイ素、窒化シリコンが挙げられる。絶縁層156a〜156eはそれぞれ、幅方向に貫通する貫通孔要素157b〜157fを有する。
【0089】
絶縁層156a〜156eは、貫通孔要素157b〜157fの周縁に、当該周縁に沿う円環状の導通部158b〜158fを有する。導通部158b〜158fは、たとえば、金、銀、銅などの導電性を有する金属により構成される。
【0090】
基板151は、幅方向における外側から順に、外側基板151a、絶縁層156b、および内側基板151bを有する。このような基板151は、検出部145を構成する各要素を支持する。基板151は、たとえば、制御部160(
図2参照)が実装されたプリント基板である。なお、本実施形態の場合も、制御部160は、検出パッド153における静電容量の変化についての検出結果を受信しうるように、検出パッド153に接続される。
【0091】
本実施形態では、基板151は、検出部145において、導電板148、絶縁層156e、および検出パッド153よりも幅方向における外側(
図14の上側)に配置される。
【0092】
外側基板151aおよび内側基板151bはそれぞれ、幅方向に貫通する貫通孔要素157g、157hを有する。外側基板151aの貫通孔要素157g、内側基板151bの貫通孔要素157h、および絶縁層156bの貫通孔要素157cの組み合わせが、基板側貫通孔である。
【0093】
外側基板151aおよび内側基板151bはそれぞれ、貫通孔要素157g、157hの周縁に、当該周縁に沿う円環状の導通部158g、158hを有する。導通部158g、158hはそれぞれ、たとえば、金、銀、銅などの導電性を有する金属により構成される。
【0094】
第二接地部152は、基板151と検出パッド153との間に、絶縁層156c、156dを介して配置される。第二接地部152は、ノイズから検出パッド153をガードする。これにより、意図しない静電容量の変化が、抑制されうる。本実施形態の場合も、検出パッド153と第二接地部152との間の寄生容量を低減する観点から、第二接地部152の形状は、メッシュ形状であることが好ましい。
【0095】
第二接地部152は、幅方向に貫通する貫通孔要素157iを有する。第二接地部152は、貫通孔要素157iの周縁に、当該周縁に沿う円環状の導通部158iを有する。導通部158iは、たとえば、金、銀、銅などの導電性を有する金属により構成される。
【0096】
検出パッド153は、対象物と被接触部142との接触に起因する静電容量の変化を検出する静電容量方式の検出パッドである。検出パッド153としては、タッチセンサとして使用されうる公知の検出パッドが使用されうる。
【0097】
検出パッド153は、幅方向に貫通する貫通孔要素157jを有する。検出パッド153は、貫通孔要素157jの周縁に、当該周縁に沿う円環状の導通部158jを有する。導通部158jは、たとえば、金、銀、銅などの導電性を有する金属により構成される。導通部158jは、検出パッド153において導通部158jの周囲に存在する検出領域153a(
図14参照)と接続されていない。
【0098】
導電板148は、絶縁層156eの幅方向における内側面に配置される。具体的には、導電板148は、絶縁層156eを挟んで、検出パッド153の検出領域153aに対向するように配置される。本実施形態では、導電板148は、検出用積層体150(具体的には、検出パッド153)よりも被接触部142から遠い位置に配置される。
【0099】
導電板148は、幅方向に貫通する貫通孔要素157kを有する。導電板148は、貫通孔要素157kの周縁に、当該周縁に沿う円環状の導通部158kを有する。導通部158kは、たとえば、金、銀、銅などの導電性を有する金属により構成される。
【0100】
導通部158kは、導電板148の幅方向における内側面に配置される内側導通部148a(
図14参照)を有する。内側導通部148aは、内側接続部材101Bの頭部101bと当接する。
【0101】
本実施形態では、内側導通部148aの外径は、内側接続部材101Bの頭部101bの外径よりも大きい。この構成により、内側接続部材101Bの頭部101bが、内側導通部148aに確実に当接する。この結果、内側接続部材101Bと導通部158kとが、電気的に確実に接続される。
【0102】
以上のような検出部145を構成する各部材が、幅方向に積層された状態において、貫通孔要素157a〜157kの中心軸はそれぞれ、同軸上に位置する。貫通孔要素157a〜157kは、検出部145の貫通孔157Aを構成する。
【0103】
このような貫通孔157Aは、検出部145の外側面から、検出部145の内側面へと貫通する。なお、本実施形態において、検出部145の外側面は、外側板状部材155の外側面である。一方、検出部145の内側面は、導電板148の内側面である。
【0104】
また、導通部158a〜158kのうち幅方向に隣り合う導通部同士は、電気的に接続される。このようにして、幅方向において最も外側に配置される導通部158aと、幅方向において最も内側に配置される導通部158kとが、電気的に接続される。導通部158a〜158kは、検出部145の導通部158Aを構成する。
【0105】
(接続部材について)
接続部材101(締結部材ともいう。)は、導電性を有し、被接触部142と検出部145とを電気的に接続する。また、接続部材101は、被接触部142と検出部145の基板151とを固定する。このようにして接続部材101は、被接触部142を、筐体141に対して固定する。本実施形態では、被接触部142と検出部145とは、後述する第一導通路および第二導通路を介して電気的に接続される。
【0106】
具体的には、接続部材101は、外側接続部材101Aおよび内側接続部材101Bを有する。外側接続部材101Aは、ナットなどの締結部材であって、被接触部142の内側面に設けられる。外側接続部材101Aは、先端側(
図10の下端側)が開口する筒状部材であって、内周面の少なくとも一部に、外側係合部101a(
図10参照)を有する。
【0107】
外側接続部材101Aの基端(
図10の上端)は、被接触部142の内側面に一体に固定される。このような外側接続部材101Aは、幅方向における外側から筐体141の外側貫通孔141gに挿通される。
【0108】
この状態において、外側接続部材101Aの先端面は、検出部145の導通部158Aの第一端部(幅方向における外端部であって、
図10の上端部)に当接する。具体的には、外側接続部材101Aの先端面は、検出部145における外側板状部材155の外側導通部155aに当接する。
【0109】
内側接続部材101Bは、ビスやボルトなどの締結部材である。内側接続部材101Bは、少なくとも一部に(本実施形態の場合、全長にわたり)第二内側貫通孔141jに挿通可能な外径を有する。このような内側接続部材101Bは、幅方向内側から幅方向外側(
図10の下方から上方)に第二内側貫通孔141jを通過することにより、筐体141の収容空間141eに配置される。
【0110】
内側接続部材101Bは、頭部101bおよび軸部101cを有する。頭部101bは、軸方向における一端面(
図10の下端面)に、ドライバや六角レンチなどの工具180(
図12B参照)が係合可能な係合部101dを有する。
【0111】
頭部101bの外形は、たとえば、円形である。なお、頭部101bの外形は、たとえば六角形などの多角形であってもよい。この場合には、頭部101bの係合部101dは、省略されてもよい。
【0112】
軸部101cは、中実の軸部材であって、外周面に内側係合部101e(
図10参照)を有する。軸部101cは、検出部145の貫通孔157A(基板151の)に挿通可能な外径を有する。このような軸部101cは、幅方向における内側から検出部145の貫通孔157Aに挿通される。
【0113】
この状態において、軸部101cの内側係合部101eは、外側接続部材101Aの外側係合部101aに係合する。これにより外側接続部材101Aと内側接続部材101Bとが締結し、電気的に接続される。
【0114】
外側接続部材101Aと内側接続部材101Bとが締結した状態において、内側接続部材101Bの頭部101bは、検出部145の導通部158Aの第二端部(幅方向における内端部であって、
図10の下端部)に当接する。具体的には、内側接続部材101Bの頭部101bは、検出部145における導電板148の内側導通部148a(
図14参照)に、幅方向における内側から当接する。
【0115】
以上のように、外側接続部材101Aが、検出部145における導通部158Aの第一端部に、内側接続部材101Bが検出部145における導通部158Aの第二端部に、それぞれ当接することにより、被接触部142と検出部145の導電板148とが、以下の第一導通路および第二導通路により導通される。
【0116】
本実施形態では、導電板148は、外側面側において、第一導通路を介して被接触部142と電気的に接続する。一方、導電板148は、内側面側において、第二導通路を介して被接触部142と電気的に接続する。
【0117】
第一導通路は、被接触部142と検出部145の導電板148とを、貫通孔157Aを介して接続する経路である。具体的には、第一導通路は、被接触部142 → 外側接続部材101A → 検出部145の導通部158A → 導電板148の順に構成される。
【0118】
一方、第二導通路は、被接触部142と検出部145の導電板148とを、接続部材101(具体的には、外側接続部材101Aと内側接続部材101Bとの係合部)を介して接続する経路である。具体的には、第二導通路は、被接触部142 → 外側接続部材101A → 内側接続部材101B → 導電板148の順に構成される。
【0119】
(光源について)
光源102(
図10参照)は、電子メガネ100の状態に応じた発光パターンで発光する。光源102は、たとえば、電子メガネ100が動作している状態(オン状態)で発光(点灯)し、動作していない状態(オフ状態)で消灯する。光源102は、第一光源と称されてよい。
【0120】
光源102は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)である。このような光源102は、基板151に支持される。具体的には、本実施形態では、光源102は、基板151の内側面(
図10の下面)において、筐体141の第一内側貫通孔141iと幅方向に重なる位置に設けられる。光源102が射出した光は、後述する導光部材103の導光本体部103aを介して筐体141の外部に導光される。
【0121】
なお、光源102とは別の光源102a(
図12A参照)が、基板151に設けられてもよい。このような光源102aは、射出する光が後述する導光部材103の支持部103bを介して、筐体141の外部に導光される位置に設けられる。光源102aは、第二光源と称されてよい。
【0122】
具体的には、光源102aが射出した光は、後述する導光部材103の位置決め凸部103fの先端面から入り、支持部103bを通って導光本体部103aの第一端面(
図12Aの下端面)から筐体141の外部に出る。光源102が射出する光の色と、光源102aが射出する光の色は同じであってもよいし、異なってもよい。
【0123】
本実施形態において、光源102および光源102aは、筐体141の収容空間141eに配置される。ただし、光源102や光源102aを収容する収容部は、収容空間141eとは別の空間であってもよい。光源102と光源102aとは、互いに仕切られた収容部に配置されてもよい。
【0124】
(導光部材について)
導光部材103(第二デバイスともいう。)は、光透過性を有し、光源102からの光を筐体141の外部に導光する。ユーザなどは、光源102からの光を、導光部材103を介して外部から視認できる。このような導光部材103は、光源102からの光を導光可能な導光体からなる。導光体として、たとえば、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、またはこれらの複合材などの樹脂が挙げられる。導光部材103は、導光部の一例に該当する。
【0125】
具体的には、導光部材103は、
図10、
図13A、および
図13Bに示すように、導光本体部103a、支持部103b、および位置決め凸部103fを有する。導光本体部103aは、中実の円柱状であって、光源102からの光を筐体141の外部に導光する。導光本体部103aは、自身の軸方向が、展開状態(
図1に示す状態)における電子メガネ100の幅方向に一致する。
【0126】
導光本体部103aの第一端部(
図10の下端部であって、軸方向における一端部ともいう。)は、側部カバー104の露出用貫通孔104aに配置される。本実施形態において、導光本体部103aの第一端部は、導光部材103の第一凸部に相当する。導光本体部103aの第一端面(
図10の下端面)は、後述する側部カバー104の露出用貫通孔104aから外部に露出する。
【0127】
一方、導光本体部103aの第二端部(
図10の上端部であって、軸方向における他端部ともいう。)は、筐体141における内側凹部141hの第一内側貫通孔141iに挿通される(換言すれば、保持される)。本実施形態において、導光本体部103aの第二端部は、導光部材103の第二凸部に相当する。
【0128】
この状態で、導光本体部103aの第二端面(
図10の上端面)は、光源102と対向する。光源102からの光は、導光本体部103aの第二端面から導光本体部103aに入り、導光本体部103aの第一端面から外部に出る。
【0129】
支持部103bは、導光本体部103aを筐体141に対して支持する。支持部103bは、板状部材であって、導光本体部103aの外周面に設けられる。このような支持部103bは、筐体141の内側凹部141hの底部と後述する側部カバー104との間に配置される。具体的には、支持部103bは、第一覆い部103c、第二覆い部103d、および連続部103eを有する。
【0130】
第一覆い部103cは、導光本体部103aの外周面から、導光本体部103aの径方向における外側に延在する。具体的には、第一覆い部103cは、円輪状の板部材であって、第一内側貫通孔141iの外径よりも大きい外径を有する。第一覆い部103cの内周縁は、導光本体部103aの外周面に一体に固定される。
【0131】
このような第一覆い部103cは、内側凹部141hの底部における第一内側貫通孔141iの周囲に当接する。この状態で、第一覆い部103cは、第一内側貫通孔141iの内周面と導光本体部103aの外周面との間の隙間(具体的には、円筒状の隙間)の第一開口部(
図10の下側の開口部)の全体を塞ぐ。これにより水など液体が、第一内側貫通孔141iに浸入しにくくなる。
【0132】
第二覆い部103dは、連続部103eを介して第一覆い部103cに連続する。第二覆い部103dは、円板状の板部材であって、第二内側貫通孔141jの外径よりも大きい外径を有する。
【0133】
このような第二覆い部103dは、内側凹部141hの底部における第二内側貫通孔141jの周囲に当接する。この状態で、第二内側貫通孔141jの第一開口部(
図10の下側の開口部)の全体を塞ぐ。これにより水などの液体が、第二内側貫通孔141jに浸入しにくくなる。
【0134】
位置決め凸部103fは、第二覆い部103dの外側面(
図10の上面)に一体に設けられる。位置決め凸部103fは、中実の円柱状部材であって、第二覆い部103dの外側面から突出する。
【0135】
位置決め凸部103fは、第二内側貫通孔141jの内径よりもわずかに小さい内径を有する。このような位置決め凸部103fは、第二内側貫通孔141jに挿入される。位置決め凸部103fと第二内側貫通孔141jとの係合により、導光部材103の回り止めが図られる。
【0136】
(側部カバーについて)
側部カバー104(第三デバイスともいう。)は、遮光性を有する板状部材である。側部カバー104は、導光本体部103aの第一端面(
図10の下端面)を外部に露出させる露出用貫通孔104a(透光部ともいう。)を有する。
【0137】
露出用貫通孔104aは、筐体141において第一内側貫通孔141iと幅方向に重なる位置に設けられる。なお、透光部は、導光部材103により導光された光が通過可能であれば、本実施形態の貫通孔に限定されない。たとえば、透光部は、側部カバー104の一部に設けた透光性を有する部材(たとえば、透光性を有する樹脂部材)であってもよい。
【0138】
このような側部カバー104は、筐体141の内側凹部141hにおいて導光部材103の支持部103bよりも幅方向における内側(
図10の下側)に配置される。側部カバー104は、後述する接着部材105により筐体141の内側凹部141hに固定される。
【0139】
この状態で、露出用貫通孔104aに、導光本体部103aの第一端部(
図10の下端部)が挿入される。このようにして導光本体部103aの第一端面が、露出用貫通孔104aを介して外部に露出する。
【0140】
側部カバー104は、内側面に、たとえば、ロゴマークなどの識別情報104b(
図4、
図5B参照)が付される。識別情報104bは、たとえば、レーザ加工、刻印、印刷などにより側部カバー104の内側面に形成される。側部カバー104の内側面は、筐体141(具体的には、内側壁部141b)の内側面と、同一面上にある。
【0141】
(接着部材について)
接着部材105は、筐体141の内側凹部141hの底部と側部カバー104との間に配置されて、側部カバー104を内側凹部141hの底部に固定する。接着部材105は、たとえば、両面テープであって、導光部材103の支持部103bを配置可能な収容孔105a(
図4、
図10参照)を有する。このような接着部材105の外側面は、内側凹部141hの底部に接着される。一方、接着部材105の内側面は、側部カバー104の外側面に接着される。
【0142】
具体的には、接着部材105は、外側面(第一面ともいう。)、および内側面(第二面ともいう。)を有する。接着部材105の外側面は、内側凹部141hの底部に接着される。一方、接着部材105の内側面は、側部カバー104の外側面に接着される。この状態において、接着部材105は、第一内側貫通孔141iの周囲を全周にわたり囲んでいる。
【0143】
本実施形態では、収容孔105aは、貫通孔である。収容孔105aは、幅方向から見た場合に、収容孔105aの外周縁の内側に、筐体141の第一内側貫通孔141i、筐体141の第二内側貫通孔141j、および側部カバー104の露出用貫通孔104aが入る大きさを有する。
【0144】
換言すれば、収容孔105aは、幅方向において、第二内側貫通孔141j、第一内側貫通孔141i、および露出用貫通孔104aのそれぞれと重なる。また、第一内側貫通孔141i、露出用貫通孔104a、および収容孔105aは、幅方向において互いに重なる。
【0145】
収容孔105aの形状は、導光部材103の支持部103bを配置可能な形状であれば特に限定されない。このような収容孔105aには、導光部材103の支持部103bが配置される。
【0146】
なお、接着部材105は、側部カバー104を内側凹部141hの底部に固定できれば、本実施形態の場合に限定されない。たとえば、接着部材105は、接着剤であってもよい。
【0147】
また、接着部材105は省略されてもよい。接着部材105を省略した場合には、側部カバー104は、圧入などにより内側凹部141hに固定される。
【0148】
(前端部カバーについて)
前端部カバー146(
図4、
図7参照)は、テンプル140の前端部において、テンプル140の第一開口部1413を覆うように配置される。このような前端部カバー146は、後端側が開口した箱状部材である。
【0149】
具体的には、前端部カバー146は、断面矩形の筒状部146A、および筒状部146Aの前側開口部を塞ぐ前壁部146eを有する。筒状部146Aは、幅方向に対向する第1壁部146a、第2壁部146b、および上下方向に対向する第3壁部146c、第4壁部146dからなる。
【0150】
第3壁部146cおよび第4壁部146dはそれぞれ、後端面に、幅方向における内側(
図7、
図9の下側)から順に、位置決め凹部146f、位置決め段部146g、および位置決め凸部146hを有する。
【0151】
筒状部146Aは、組付状態(
図9、
図10に示す状態)において、テンプル140の第一開口部1413に挿入される。この状態において、位置決め凹部146fおよび位置決め段部146gには、基板151の前端部が当接する。
【0152】
このようにして基板151の前方(
図9の左側)および幅方向における外方(
図9の上側)への位置決めが図られる。なお、基板151の後方(
図9の右側)への位置決めは、基板151の後端部と筐体141の内面との係合により図られる。また、基板151の幅方向における内方(
図9の下側)への位置決めは、基板151に接続部材101を介して固定された被接触部142と、筐体141の外側凹部141fとの係合により図られる。
【0153】
前壁部146eは、筒状部146A(具体的には、第2壁部146b)よりも幅方向における内側に延在した位置決め鍔部146iを有する。このような位置決め鍔部146iは、筐体141の内側壁部141bにおける前端部に当接する。
【0154】
これにより前端部カバー146の、筐体141に対する後方への位置決めが図られる。なお、前端部カバー146の、幅方向および上下方向に関する位置決めは、筒状部146Aと筐体141の内面との係合により図られる。
【0155】
前壁部146eは、基板151に接続されるFPC107(
図4、
図7参照)を挿通可能なFPC用貫通孔146jを有する。また、前壁部146eは、前側面に、幅方向における外側から内側に向かうほど後方に向かう方向に滑らかに傾斜したガイド面146kを有する。
【0156】
ガイド面146kは、テンプル140がフロント130の幅方向両端部に対して滑らかに回動するようにガイドする。ガイド面146kは、曲線や直線の組み合わせにより構成される。このようなガイド面146kの形状は、フロント130の幅方向両端部の形状に合わせて適宜決定される。
【0157】
(制御部について)
制御部160は、検出部145の検出パッド153、レンズ110の電極(第一電極112および第二電極114)に電気的に接続される。制御部160は、入力された操作信号に応じて、一対のレンズ110に電圧を印加するか、または一対のレンズ110への電圧の印加を停止して、一対のレンズ110の第一領域1101(電気活性領域)の光学特性を切替える。
【0158】
具体的には、制御部160は、検出部145が対象物および被接触部142の接触を検出したときに、一対のレンズ110に電圧を印加するか、または一対のレンズ110に対する電圧の印加を停止して、第一領域1101の焦点距離(度数)を切替える(
図2参照)。
【0159】
制御部160は、例えば、検出パッド153の駆動と、検出パッド153における静電容量の変化の検出と、レンズ110の第一領域1101への電圧の印加とを制御するための制御回路を有する。制御部160は、たとえば、検出部145の基板151上に実装される。
【0160】
(電源について)
電源170は、検出部145および制御部160に電力を供給する(
図2参照)。本実施形態では、電源170は、テンプル140の他端部(後端部に設けられた第2開口部)に着脱可能に保持される充電式のバッテリーパックである。電源170の例には、ニッケル水素充電池が含まれる。
【0161】
(テンプルの組み立て方法について)
以下、テンプル140の組み立て手順について説明する。まず、
図15Aに示すように、基板151を、筐体141の第一開口部1413から収容空間141eに挿入する。この際、基板151の短手方向端部(具体的には、上下方向端部)を、筐体141の第一ガイド溝141kおよび第二ガイド溝141mに係合することにより、基板151の挿入をガイドする。
【0162】
つぎに、被接触部142を、筐体141の外側凹部141fに配置する。この際、被接触部142に一体に設けられた外側接続部材101Aを、筐体141の外側貫通孔141gに挿通する。つぎに、内側接続部材101Bを、筐体141の第二内側貫通孔141jから収容空間141eに進入させる。
【0163】
つぎに、内側接続部材101Bの軸部101cを、検出部145の貫通孔157Aに挿通する。そして、内側接続部材101Bの内側係合部101eを、外側接続部材101Aの外側係合部101aに係合(螺合)する。この際、筐体141の第二内側貫通孔141jから収容空間141eに進入させたドライバなどの工具180(
図12B参照)により、内側接続部材101Bを回転させる。
【0164】
つぎに、導光部材103の導光本体部103aを、筐体141の第一内側貫通孔141iに挿入するとともに、導光部材103の位置決め凸部103fを筐体141の第二内側貫通孔141jに挿入する。この状態において、導光部材103の第一覆い部103cが、筐体141の第一内側貫通孔141iの内周面と導光本体部103aの外周面との間の隙間の第一開口部(
図10の下方の開口部)の全体を塞ぐ。
【0165】
一方、上述の状態において、導光部材103の第二覆い部103dが、第二内側貫通孔141jの第一開口部(
図10の下方の開口部)の全体を塞ぐ。つぎに、接着部材105を、筐体141の内側凹部141hの底部に接着する。この状態(
図16Aに示す状態)において、導光部材103の支持部103bが、接着部材105の収容孔105aに挿入される。
【0166】
そして、側部カバー104を、筐体141の内側凹部141hに配置されるように、接着部材105に接着する。この状態(
図16Bに示す状態)において、側部カバー104の露出用貫通孔104aに、導光本体部103aの軸方向における第一端面(
図10の下端面)が配置される。
【0167】
(電子メガネの動作について)
つぎに、電子メガネ100の動作の一例について説明する。まず、電子メガネ100の液晶層113に電圧が印加されていない状態(オフ状態)について説明する。オフ状態では、レンズ110の第一領域1101において、液晶層113の屈折率と、第一基板111および第二基板115の屈折率とが、ほぼ同じとなる。
【0168】
このため、液晶層113に起因するレンズ効果は生じない。したがって、レンズ110において、第一領域1101の焦点距離(度数)と、第二領域1102の焦点距離(度数)とは、互いにほぼ同じとなる。
【0169】
被接触部142が、導電体である対象物(たとえばユーザの指)により接触されると、当該接触に基づく静電容量の変化が、検出部145の検出パッド153によって検出される。この接触の検出結果は、制御部160に送信される。制御部160は、オフ状態において被接触部142が接触されたことを検知すると、レンズ110の第一領域1101に電圧を印加する。
【0170】
これにより、液晶層113における液晶材料の配向が変化して、液晶層113の屈折率が変化する(オン状態)。これにより、オン状態では、液晶層113の屈折率と、第一基板111および第二基板115の屈折率とが、互いに異なる。このため、第一領域1101において液晶層113に起因するレンズ効果が生じる。したがって、第一領域1101の焦点距離(度数)を変えることができる。
【0171】
オン状態において、被接触部142が対象物により接触されると、上記と同様に、接触の検出結果が制御部160に送信される。制御部160は、オン状態において被接触部142が接触されたことを検知すると、レンズ110の第一領域1101に対する電圧の印加を停止する。これにより、液晶層113における液晶材料の配向が、電圧印可前の状態に戻って、液晶層113の屈折率も電圧印可前の状態に戻る(オフ状態)。
【0172】
以上のように、本実施形態に係る電子メガネ100では、被接触部142が対象物により接触されることにより、レンズ110の第一領域1101の焦点距離を切替えることができる。
【0173】
(作用・効果)
以上のような構成を有する本実施形態によれば、電子メガネ100のテンプル140において第一デバイスである被接触部142および第二デバイスである導光部材103が設けられた部分の寸法(本実施形態の場合には、厚さ寸法)を小さくできる。すなわち、本実施形態の場合、テンプル140の内側凹部141hに導光部材103が配置されるとともに、外側凹部141fに被接触部142が配置される。このため、内側凹部141hおよび外側凹部141fを設けていない構造と比べて、テンプル140の幅方向における寸法(厚さ寸法)を小さくして、テンプル140の薄型化を図れる。この結果、ユーザの頭部や耳への負担軽減、ユーザの装着感の向上を図れる。
【0174】
また、本実施形態の場合、内側凹部141hに設けた第二内側貫通孔141jを介して、工具180(
図12B参照)を収容空間141eに進入させて、内側接続部材101Bを外側接続部材101Aに係合させることができる。
【0175】
また、本実施形態の場合、第二内側貫通孔141jが設けられた内側凹部141hは、側部カバー104により覆われる。このため、第二内側貫通孔141jは、外部に露出しない(つまり、外部から視認できない)。この結果、テンプル140の意匠性の向上を図れる。また、第二内側貫通孔141jを塞ぐための他の部材を設ける必要がないため、部品点数が削減される。
【0176】
さらに、以上のような構成を有する本実施形態によれば、光源102が配置された筐体141の収容空間141eへの水などの液体の浸入を低減しうる。すなわち、本実施形態の場合、テンプル140の内側凹部141hに配置された導光部材103が、幅方向における外側から側部カバー104により覆われている。このような側部カバー104は、水などの液体が内側凹部141hに浸入することを防ぐのに効果的である。この結果、液体が、導光部材103の導光本体部103aの外周面と、筐体141の第一内側貫通孔141iの内周面との間の隙間を通って、収容空間141eに浸入することを防止できる。
【0177】
特に、本実施形態の場合、導光部材103の第一覆い部103cが、第一内側貫通孔141iの内周面と導光本体部103aの外周面との間の隙間の第一開口部(
図10の下側の開口部)の全体を塞いでいる。このような構成も、液体が収容空間141eに浸入することを防ぐのに効果的である。
【0178】
また、第一覆い部103cは、側部カバー104の露出用貫通孔104aから第一内側貫通孔141iまでの水の浸入経路を長くするとともに、屈折させることができる。このような構成も、液体が収容空間141eに浸入することを防ぐのに効果的である。
【0179】
また、本実施形態の場合、接着部材105が、第一内側貫通孔141iの周囲を全周にわたり囲むとともに、内側凹部141hの底部と側部カバー104の外側面に接着されている。このような接着部材105は、側部カバー104の周囲から内側凹部141hに進入した液体が、第一内側貫通孔141iに浸入することを防ぐのに効果的である。
【0180】
また、導光部材103の第二覆い部103dが、第二内側貫通孔141jの内周面と位置決め凸部103fの外周面との間の隙間の第一開口部(
図10の下側の開口部)の全体を塞いでいる。このような構成も、液体が収容空間141eに浸入することを防ぐのに効果的である。
【0181】
また、本実施形態の場合、導光部材103は、筐体141の内側凹部141hの底部と側部カバー104とで、導光部材103の支持部103bを挟むことにより、筐体141に支持されている。このため、導光部材103を筐体141に固定するための固定手段(たとえば、接着、締結部材による固定など)が不要となる。この結果、導光部材103の組み付け作業が容易となる。さらに、このような構成は、テンプル140の構成部品の数を減らせるため、テンプル140の軽量化を図ることができる。
【0182】
[実施形態2]
図17を参照して、本発明に係る実施形態2の電子メガネについて説明する。なお、実施形態2に係る電子メガネおよびフレームでは、テンプル240の構成が実施形態1に係るテンプル140と異なる。そこで、以下、テンプル240についてのみ説明し、実施形態1に係る電子メガネ100およびフレーム120の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0183】
図17は、実施形態2に係る電子メガネのテンプル240における部分断面模式図である。本実施形態の場合、テンプル240の接続部材201の構造が、前述の実施形態1と異なる。具体的には、本実施形態の場合、接続部材201の内側接続部材201Bは、導光部材203における位置決め凸部203fの先端部(
図17の上端部)に、位置決め凸部203fと一体に設けられる。
【0184】
このような内側接続部材201Bは、先端部に、後述する外側係合部201aと係合可能な内側係合部201eを有する。内側係合部201eは、たとえば、雌ねじ部、雄ねじ部、凸部、凹部などである。なお、内側接続部材201Bは、導光部材203と別体の締結部材であってもよい。
【0185】
また、本実施形態の場合も、接続部材201の外側接続部材201Aは、被接触部142の内側面に、被接触部142と一体に設けられる。ただし、外側接続部材201Aの長さは、前述した実施形態1の外側接続部材101Aの長さよりも長い。
【0186】
外側接続部材201Aは、先端部に、内側係合部201eと係合可能な外側係合部201aを有する。外側係合部201aは、たとえば、雌ねじ部、雄ねじ部、凸部、凹部などである。このような外側接続部材201Aは、幅方向における外側から筐体141の外側貫通孔141g、および検出部145の貫通孔157Aに挿通される。なお、外側接続部材201Aは、被接触部142と別体の締結部材であってもよい。
【0187】
この状態において、内側接続部材201Bの内側係合部201eと、外側接続部材101Aの外側係合部201aとが係合する。なお、内側係合部201eと外側係合部201aとの係合は、内側係合部201eおよび外側係合部201aの構造に応じた各種の係合(たとえば、圧入、ねじ係合、キー係合など)であってよい。
【0188】
上述のような内側係合部201eと外側係合部201aとの係合により、第一デバイスである被接触部142と、第二デバイスである導光部材203とが、接続部材201を介して固定される。これにより導光部材203および被接触部142が、接続部材201を介して筐体141に固定される。
【0189】
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態の場合も、被接触部142と検出部145とを電気的に接続するための接続手段が、被接触部142と検出部145との間に設けられる。その他の構造および作用・効果は、前述した実施形態1の場合と同様である。
【0190】
[実施形態3]
図18を参照して、本発明に係る実施形態3の電子メガネについて説明する。なお、実施形態3に係る電子メガネおよびフレームでは、テンプル340の構成が実施形態1に係るテンプル140と異なる。そこで、以下、テンプル340についてのみ説明し、実施形態1に係る電子メガネ100およびフレーム120の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0191】
図18は、実施形態3に係る電子メガネのテンプル340における部分断面模式図である。本実施形態の場合、テンプル340の接続部材301および導光部材303の構造が、前述の実施形態1と異なる。
【0192】
具体的には、本実施形態の場合、導光部材303は、前述の実施形態1の導光部材103が備える位置決め凸部103fを具備しない。その代わりに、導光部材303は、支持部303bの第二覆い部303dに、後述する外側係合部301aと係合可能な内側係合部303gを有する。内側係合部303gは、たとえば、内周面が円筒面の貫通孔、内周面に雌ねじ部が形成されたねじ孔などである。
【0193】
接続部材301は、内側接続部材を具備しない。一方、本実施形態の場合も、接続部材301の外側接続部材301Aは、被接触部142の内側面に、被接触部142と一体に設けられる。ただし、外側接続部材301Aの長さは、前述した実施形態1の外側接続部材101Aの長さよりも長い。外側接続部材301Aは、先端部に、内側係合部303gと係合可能な外側係合部301aを有する。外側係合部301aは、たとえば、雄ねじ部、凸部などである。
【0194】
このような外側接続部材301Aは、幅方向における外側から筐体141の外側貫通孔141g、検出部145の貫通孔157A、および筐体141の第二内側貫通孔141jに挿通される。この状態において、外側接続部材301Aの外側係合部301aと、導光部材303の内側係合部303gとが係合する。本実施形態の場合、外側係合部301aが、導光部材303の位置決め凸部として機能する。
【0195】
以上のような外側係合部301aと内側係合部303gとの係合により、第一デバイスである被接触部142と、第二デバイスである導光部材303とが、接続部材301を介して固定される。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態の場合も、被接触部142と検出部145とを電気的に接続するための接続手段が、被接触部142と検出部145との間に設けられる。なお、外側接続部材301Aは、被接触部142と別体の締結部材であってもよい。その他の構造および作用・効果は、前述した実施形態1の場合と同様である。
【0196】
[実施形態4]
図19を参照して、本発明に係る実施形態4の電子メガネについて説明する。なお、実施形態4に係る電子メガネおよびフレームでは、テンプル440の構成が実施形態1に係るテンプル140と異なる。そこで、以下、テンプル440についてのみ説明し、実施形態1に係る電子メガネ100およびフレーム120の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0197】
図19は、実施形態4に係る電子メガネのテンプル440における部分断面模式図である。本実施形態の場合、テンプル440の導光部材403および接続部材401の構造が、前述の実施形態1と異なる。
【0198】
具体的には、本実施形態の場合、導光部材403は、支持部403bの第二覆い部403dに、段付き孔403hを有する。段付き孔403hは、幅方向における内側半部(
図19の下側半部)の内径が、幅方向における外側半部(
図19の上側半部)の内径よりも大きい。
【0199】
接続部材401の内側接続部材401Bは、たとえば、ビスやボルトなどの締結部材である。内側接続部材401Bは、後述する外側係合部401aと係合可能な内側係合部401eを有する。内側係合部401eは、たとえば、外周面に形成された雄ねじ部である。このような内側接続部材401Bは、幅方向における内側から、段付き孔403h、および筐体141の第二内側貫通孔141jに挿通される。
【0200】
また、本実施形態の場合も、接続部材401の外側接続部材401Aは、被接触部142の内側面に、被接触部142と一体に設けられる。ただし、外側接続部材401Aの長さは、前述した実施形態1の外側接続部材101Aの長さよりも長い。
【0201】
外側接続部材401Aは、内側係合部401eと係合可能な外側係合部401aを有する。外側係合部401aは、たとえば、筒状の先端部の内周面に形成された雌ねじ部である。このような外側接続部材401Aは、幅方向における外側から筐体141の外側貫通孔141g、および検出部145の貫通孔157Aに挿通される。なお、外側接続部材401Aは、被接触部142と別体の締結部材であってもよい。
【0202】
この状態において、内側接続部材401Bの内側係合部401eと、外側接続部材401Aの外側係合部401aとが係合する。なお、内側係合部401eと外側係合部401aとの係合は、内側係合部401eおよび外側係合部401aの構造に応じた各種の係合(たとえば、圧入、ねじ係合、キー係合など)であってよい。
【0203】
上述のような内側係合部401eと外側係合部401aとの係合により、第一デバイスである被接触部142と、第二デバイスである導光部材403とが、接続部材401を介して固定される。これにより導光部材403および被接触部142が、接続部材401を介して筐体141に固定される。
【0204】
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態の場合も、被接触部142と検出部145とを電気的に接続するための接続手段が、被接触部142と検出部145との間に設けられる。その他の構造および作用・効果は、前述した実施形態1の場合と同様である。
【0205】
(付記)
前述した各実施形態では、テンプルの内側面を第一面として、テンプルの外側面を第二面とした例について説明した。ただし、テンプルの外側面を第一面として、テンプルの内側面を第二面としてもよい。この場合には、テンプルの外側面に設けた外側凹部141fに配置されるデバイス(たとえば、被接触部142)が第一デバイスであり、テンプルの内側面に設けた内側凹部141hに配置されるデバイス(導光部材403)が第二デバイスである。また、外側凹部141fの外側貫通孔141gが第一孔である。このような構成を採用した場合には、締結部材として、少なくとも一部が外側貫通孔141gに挿通可能であって、導光部材403を筐体に対して固定可能なものを採用する。
【0206】
また、テンプルの上側面および下側面の何れか一方の面を第一面とし、他方の面を第二面としてもよい。この場合には、第一面の第一凹部と少なくとも一部と、第二面の第二凹部の少なくとも一部同士が、上下方向(高さ方向)に対面する。このような構成によれば、電子メガネ100のテンプル140において第一デバイスである被接触部142および第二デバイスである導光部材103が設けられた部分の上下方向における寸法(高さ寸法)を小さくできる。
【0207】
また、前述した各実施形態は、第一デバイスが被接触部142であり、第二デバイスが導光部材103である場合について説明した。ただし、第一デバイスおよび第二デバイスは、前述の実施形態の場合に限定されない。たとえば、第一デバイスおよび第二デバイスは、音響装置、映像装置、発光装置、およびセンサ装置から選択される少なくとも1種類の装置により構成できる。具体的には、外側凹部141fに配置されるデバイスを第一デバイスとした場合には、第一デバイスとして、たとえば、カメラ、ディスプレイ、タッチセンサなどが挙げられる。一方、内側凹部141hに配置されるデバイスを第二デバイスとした場合には、第二デバイスとして、たとえば、発光装置、スピーカ、マイク、プロジェクタなどが挙げられる。なお、発光装置には、前述の各実施形態における導光部材103〜403のように光源102と組み合わされることにより発光装置を構成するような部材も含まれる。
【0208】
また、一対のテンプルを左右対称の構成とする場合には、左側用のテンプルは、前述した各実施形態における右側用のテンプル140と左右対称の構成とする。一対のテンプルのうち何れか一方を前述の各実施形態に係るテンプル140の構成とし、他方を筐体のみにより構成してもよい。
【0209】
さらに、前述の各実施形態では、アイウェアとして、電子メガネについて説明したが、本発明に係るアイウェアは、電子メガネに限定されない。アイウェアの他の例として、たとえば、サングラス、ゴーグル、ヘッドマウントディスプレイなどが挙げられる。
【0210】
2017年9月25日出願の特願2017−183305、および、2017年9月25日出願の特願2017−183307の日本出願に含まれる明細書、図面、および、要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。