特許第6982112号(P6982112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローリー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000002
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000003
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000004
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000005
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000006
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000007
  • 特許6982112-貨幣処理装置および貨幣処理システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982112
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】貨幣処理装置および貨幣処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/20 20190101AFI20211206BHJP
   G07D 11/14 20190101ALI20211206BHJP
【FI】
   G07D11/20
   G07D11/14
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-27505(P2020-27505)
(22)【出願日】2020年2月20日
(62)【分割の表示】特願2016-136902(P2016-136902)の分割
【原出願日】2016年7月11日
(65)【公開番号】特開2020-80176(P2020-80176A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 幹久
(72)【発明者】
【氏名】吉本 謙三
(72)【発明者】
【氏名】向田 雅幸
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/095235(WO,A1)
【文献】 特開2015−041133(JP,A)
【文献】 特開2010−009256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を収納するための収納部と、
前記収納部の貨幣が出金される出金部と、
前記出金部の貨幣を取り出すための取出口と、
前記取出口を開放する開位置と、前記取出口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部であって、前記開位置および前記閉位置のどちらかに待機位置を選択できる開閉部と、
前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、
前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記開閉部の待機位置を前記開位置および前記閉位置のどちらにするかの設定を受け付けて、待機位置の設定内容を前記記憶手段に記憶させ
前記制御手段は、前記収納部内の貨幣の金種および収納枚数を確認する精査処理を実行し、前記精査処理では前記開閉部を前記閉位置にする、貨幣処理装置。
【請求項2】
入金口と、
前記入金口から貨幣が入金される入金部と、
前記入金口を開放する開位置と、前記入金口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部であって、前記開位置および前記閉位置のどちらかに待機位置を選択できる開閉部と、
前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、
前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記開閉部の待機位置を前記開位置および前記閉位置のどちらにするかの設定を受け付けて、待機位置の設定内容を前記記憶手段に記憶させ
前記制御手段は、貨幣を収納するための収納部内の貨幣の金種および収納枚数を確認する精査処理を実行し、前記精査処理では前記開閉部を前記閉位置にする、貨幣処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記待機位置を前記開位置および前記閉位置の一方から他方に切り替える、請求項1または2に記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、所定期間における貨幣処理の実行履歴を記憶し、
前記制御手段は、前記実行履歴における前記貨幣処理の実行頻度に基いて前記待機位置を切り替える、請求項3に記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記待機位置を切り替えるタイミングを設定する設定手段を含み、
前記制御手段は、前記設定手段によって設定されたタイミングに前記待機位置を切り替える、請求項3に記載の貨幣処理装置。
【請求項6】
貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置と通信可能な操作端末とを含む貨幣処理システムであって、
貨幣を収納するための収納部と、
前記収納部の貨幣が出金される出金部と、
前記出金部の貨幣を取り出すための取出口と、
前記取出口を開放する開位置と、前記取出口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部であって、前記開位置および前記閉位置のどちらかに待機位置を選択できる開閉部と、
前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、
前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記開閉部の待機位置を前記開位置および前記閉位置のどちらにするかの設定を受け付けて、待機位置の設定内容を前記記憶手段に記憶させ
前記制御手段は、前記収納部内の貨幣の金種および収納枚数を確認する精査処理を実行し、前記精査処理では前記開閉部を前記閉位置にする、貨幣処理システム。
【請求項7】
貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置と通信可能な操作端末とを含む貨幣処理システムであって、
入金口と、
前記入金口から貨幣が入金される入金部と、
前記入金口を開放する開位置と、前記入金口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部であって、前記開位置および前記閉位置のどちらかに待機位置を選択できる開閉部と、
前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、
前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記開閉部の待機位置を前記開位置および前記閉位置のどちらにするかの設定を受け付けて、待機位置の設定内容を前記記憶手段に記憶させ
前記制御手段は、貨幣を収納するための収納部内の貨幣の金種および収納枚数を確認する精査処理を実行し、前記精査処理では前記開閉部を前記閉位置にする、貨幣処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貨幣処理装置および貨幣処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1の紙幣処理装置は、バラ紙幣の処理を行うバラ紙幣処理部を備え、バラ紙幣処理部は、入金部とカセットと入金リジェクト部とを備えている。入金部は、紙幣投入口と、紙幣投入口を開閉するバラシャッタとによって構成されている。入金処理では、紙幣投入口から投入されたバラ紙幣のうち、所定の要件を満たす紙幣は、カセットに収納され、異常があると判断された紙幣は、入金リジェクト部に搬送される。出金処理では、カセットから繰り出されたバラ紙幣が、紙幣投入口へと払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5723102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の紙幣処理装置には、入金リジェクト部から紙幣を取り出すための取出口が形成されていることが想定される。取出口が常に開放されている場合には、紙幣処理装置内部の作動音が取出口から外部に漏れることによって紙幣処理装置の周囲がうるさくなる虞がある。これでは、静粛性が求められる設置環境では好ましくない。かといって、取出口を開閉するためのシャッタを設けて取出口を閉じておくと、例えば入金処理の実行頻度が高い、つまり入金リジェクト部に紙幣がリジェクトされる頻度が高い運用形態では、入金リジェクト部から紙幣を取り出すために毎回シャッタを開く必要があり、これでは、入金リジェクト部から紙幣を取り出すための操作性が低下する。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとにおいてなされたものであり、貨幣を取り出すための取出口等に関して設置環境や運用形態に適した貨幣処理装置および貨幣処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、貨幣を収納するための収納部と、前記収納部の貨幣が出金される出金部と、前記出金部の貨幣を取り出すための取出口と、前記取出口を開放する開位置と、前記取出口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部と、前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含む、貨幣処理装置である。
【0007】
また、本発明は、入金口と、前記入金口から貨幣が入金される入金部と、前記入金口を開放する開位置と、前記入金口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部と、前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含む、貨幣処理装置である。
【0008】
また、本発明は、前記制御手段は、前記待機位置を前記開位置および前記閉位置の一方から他方に切り替えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記記憶手段は、所定期間における貨幣処理の実行履歴を記憶し、前記制御手段は、前記実行履歴における前記貨幣処理の実行頻度に基いて前記待機位置を切り替えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記待機位置を切り替えるタイミングを設定する設定手段を含み、前記制御手段は、前記設定手段によって設定されたタイミングに前記待機位置を切り替えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置と通信可能な操作端末とを含む貨幣処理システムであって、貨幣を収納するための収納部と、前記収納部の貨幣が出金される出金部と、前記出金部の貨幣を取り出すための取出口と、前記取出口を開放する開位置と、前記取出口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部と、前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含む、貨幣処理システムである。
【0012】
また、本発明は、貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置と通信可能な操作端末とを含む貨幣処理システムであって、入金口と、前記入金口から貨幣が入金される入金部と、前記入金口を開放する開位置と、前記入金口を閉鎖する閉位置との間において開閉される開閉部と、前記開閉部の待機位置が前記開位置および前記閉位置のどちらであるかを記憶する記憶手段と、前記開閉部の待機位置が、前記記憶手段に記憶された待機位置と一致するように前記開閉部の開閉を制御する制御手段とを含む、貨幣処理システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、設置環境や運用形態に応じて開閉部の待機位置を開位置および閉位置のどちらにも設定できるので、開閉部によって開閉される取出口や入金口に関して設置環境や運用形態に適した貨幣処理装置および貨幣処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る貨幣処理システムの斜視図である。
図2図2は、貨幣処理システムにおける紙幣入出金機の模式的な縦断面右側面図である。
図3図3は、紙幣入出金機の電気的構成を示すブロック図である。
図4図4は、貨幣処理システムの端末装置における表示内容の一例を示す図である。
図5図5は、端末装置における表示内容の一例を示す図である。
図6図6は、紙幣入出金機の内部構成の概要を示す模式図である。
図7図7は、変形例に係る紙幣入出金機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る貨幣処理システム1を正面側から見た斜視図である。貨幣処理システム1は、銀行等の金融機関に設置される。貨幣処理システム1は、貨幣処理装置2と、操作端末3と、プリンタ4とを含む。貨幣処理装置2は、貨幣のうちの紙幣の入金処理および出金処理を行うための紙幣入出金機2Aと、貨幣のうちの硬貨の入金処理および出金処理を行うための硬貨入出金機2Bとを含む。紙幣入出金機2Aと硬貨入出金機2Bと操作端末3とプリンタ4とは、通信可能に接続されている。操作端末3には、タッチパネルディスプレイ等によって構成された表示操作部3Aが設けられ、表示操作部3Aには、各貨幣処理装置2の動作に関する様々な情報が表示される。プリンタ4は、各貨幣処理装置2において実行された処理の内容を記したレシートを発行する。なお、操作端末3およびプリンタ4は、貨幣処理装置2の一部として貨幣処理装置2に組み込まれてもよい。
【0016】
次に、紙幣入出金機2Aに着目して貨幣処理装置2について詳しく説明する。紙幣入出金機2Aは、例えば縦長のボックス状の装置本体10を含む。装置本体10において利用者に臨む前面部10Aの略上半分には、払出口11と、入金口12と、取出口13とが、上側からこの順番に設けられている。例えば100枚といった所定数毎にまとまった状態において帯封された紙幣によって構成された束紙幣が、払出口11から払い出される。入金口12に関連して、装置本体10には、入金口12から装置本体10内へ窪んだ凹状の入金部14が設けられている。入金処理の際に、入金用のバラ紙幣が利用者によって入金口12から入金部14に入金される。取出口13に関連して、装置本体10には、取出口13から装置本体10内へ窪んだ凹状の出金部15が設けられている。出金処理の際に、出金用のバラ紙幣が装置本体10内から出金部15に出金されるので、利用者は、出金部15の紙幣を取出口13から取り出すことができる。
【0017】
装置本体10には、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて払出口11を開閉するシャッタ16と、別の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて取出口13を開閉する開閉部の一例としてのシャッタ17とが設けられている。なお、入金口12および入金部14は、常に機外に露出されているが、入金口12を開閉するシャッタを設けても構わない。装置本体10の前面部10Aの略下半分は、扉18を構成している。
【0018】
紙幣入出金機2Aの模式的な縦断面右側面図である図2を参照して、装置本体10内には、バラ紙幣処理部20と、バラ紙幣処理部20の上側に位置する束紙幣処理部21とが設けられている。図2では、バラ紙幣処理部20と束紙幣処理部21との境界線が、1点鎖線によって示されている。バラ紙幣処理部20は、前述した入金部14、出金部15およびシャッタ17の他に、出金リジェクト部24、収納部25、環状搬送路26、取込搬送路27、取出搬送路28、識別部29、反転部30および供給路31を含む。
【0019】
前述したシャッタ17は、取出口13を閉鎖して機外から遮断する閉位置(実線のシャッタ17を参照)と、閉位置から上側にずれて取出口13を機外に向けて開放する開位置(破線のシャッタ17を参照)との間において開閉される。出金リジェクト部24は、例えば出金部15の真下に配置された空間である。
【0020】
収納部25は、箱状に形成され、複数(ここでは5つ)存在し、前後(図2では左右)に並んで配置されている。これらの収納部25は、扉18とともにスライドすることによって、装置本体10から前側(図2では左側)へ引き出し可能である。5つ並んだ収納部25のうち、前後に隣り合って並んだ3つの収納部25は、バラ紙幣が金種毎に積層状態にて収納される金種別収納部25Aである。別の1つの収納部25は、複数金種のバラ紙幣が混合状態にて一括収納されたり、他の収納部25に収納しきれないオーバーフロー紙幣が収納されたりする一括収納部25Bであり、残りの1つの収納部25は、入金されたバラ紙幣を一時的に収納する一時保留部25Cである。金種別収納部25A、一括収納部25Bおよび一時保留部25Cは、後側(図2では右側)からこの順番にて並んでいる。各収納部25内には、水平な板状のステージ34が配置され、積層状態にて収納されたバラ紙幣は、ステージ34上に配置される。ステージ34は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて昇降する。
【0021】
環状搬送路26は、上下に扁平なループ状をなしている。環状搬送路26内のバラ紙幣は、5つの収納部25の上方において、図2における時計回りおよび反時計回りのどちらかに循環するように搬送される。環状搬送路26の下側部分には、分岐路35、36、37、38、39および40の各一端が、環状搬送路26内におけるバラ紙幣の搬送方向に沿って、この順番にて接続されている。分岐路35、36および37の各他端は、3つの金種別収納部25Aのそれぞれに1つずつ上側からつながっている。分岐路38の他端は、一括収納部25Bに上側からつながっている。分岐路39の他端は、一時保留部25Cに上側からつながっている。分岐路40の他端は、出金リジェクト部24につながっている。取込搬送路27は、入金部14に入金されたバラ紙幣を1枚ずつ取り込み、環状搬送路26へ送るための搬送路である。取出搬送路28は、環状搬送路26内のバラ紙幣を出金部15に送るための搬送路である。
【0022】
識別部29は、環状搬送路26の上側部分の途中領域、詳しくは、環状搬送路26において取込搬送路27に接続された部分と分岐路35に接続された部分との間の領域に配置されている。識別部29は、環状搬送路26において搬送されるバラ紙幣の金種、正損、真偽、表裏等を識別する一般的なセンサである。損傷のあるバラ紙幣や偽のバラ紙幣は、リジェクト紙幣であると識別部29によって識別される。また、識別部29は、バラ紙幣を1枚ずつ識別することによって計数することもできる。
【0023】
反転部30は、反転路45と分岐爪46とを含む。反転路45は、略V字に折れ曲がっていて、環状搬送路26から一旦分岐した後に環状搬送路26に合流するように環状搬送路26に対して並列的に接続されている。詳しくは、反転路45は、環状搬送路26において識別部29が設けられた部分と分岐路35に接続された部分との間の領域に対して接続されている。分岐爪46は、反転路45において環状搬送路26から分岐した分岐位置45Aに設けられている。分岐爪46の向きは、ソレノイド等の駆動部(図示せず)の作動に応じて切り換わる。これによって、環状搬送路26内において分岐位置45Aに到達したバラ紙幣を、引き続き環状搬送路26内において搬送したり、反転路45へ搬送したりすることができる。表裏が逆であると識別部29によって識別されたバラ紙幣は、反転路45においてスイッチバックされて表裏が直されてから、環状搬送路26に合流する。供給路31は、環状搬送路26において反転路45が接続された部分と分岐路35に接続された部分との間の領域から分岐して束紙幣処理部21まで延びている。
【0024】
環状搬送路26、取込搬送路27、取出搬送路28、供給路31、分岐路35、36、37、38、39および40ならびに反転路45といった搬送路には、バラ紙幣を搬送するために回転する搬送ローラ(図示せず)や周回移動する搬送ベルト(図示せず)が設けられている。モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて、搬送ローラが回転したり搬送ベルトが周回移動したりする。この搬送ローラは、搬送ローラ47として各収納部25にも設けられ、分岐路35〜39において対応する分岐路からのバラ紙幣を収納部25内に取り込んだり、収納部25内のバラ紙幣を当該分岐路へ送り出したりする。
【0025】
環状搬送路26と分岐路35〜40のそれぞれとの接続位置には、前述した分岐爪46と同様の分岐爪(図示せず)が設けられており、各分岐爪の向きは、ソレノイド等の駆動部(図示せず)の作動に応じて切り換わる。これによって、環状搬送路26内の紙幣を分岐路35〜40へ搬送することができる。この分岐爪は、取出搬送路28および供給路31のそれぞれと環状搬送路26との接続位置にも設けられていて、この分岐爪の向きが切り換わることによって、環状搬送路26内の紙幣を取出搬送路28や供給路31へ搬送することができる。
【0026】
束紙幣処理部21は、前述したシャッタ16の他に、集積部50と、帯封機構51と、縦搬送路52と、リフト53と、横搬送路54と、搬送機構55と、収納部56とを含む。集積部50は、箱状に形成され、複数(ここでは2つ)存在し、上下に並んで配置されている。環状搬送路26から分岐した供給路31は、各集積部50に接続されている。
【0027】
帯封機構51は、供給路31を経由してバラ紙幣処理部20から集積部50まで搬送されてきたバラ紙幣のまとまりを受け取って帯封することによって束紙幣を作成するためのものであって、帯封機構51の構成として、公知の構成を用いることができる。縦搬送路52は、帯封機構51から上側へ垂直に延びる空間であって、前述した払出口11が縦搬送路52に前側から連通している。リフト53は、水平な板状に形成されて縦搬送路52内に配置されていて、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて昇降する。
【0028】
横搬送路54は、縦搬送路52の上端から後側へ水平に延びる空間である。搬送機構55は、上下に扁平な無端状のベルト57と、ベルト57を周回移動させるモータ等の駆動部(図示せず)とを含む。ベルト57は、図2における時計回りおよび反時計回りのどちらにも周回移動できる。ベルト57の外周面には、複数の突起57Aが設けられている。複数の突起57Aは、ベルト57の周回移動方向において等間隔にて配置されている。
【0029】
収納部56は、箱状に形成され、複数(ここでは4つ)存在し、ベルト57の下側において前後に並んで配置されている。各収納部56の上面には、出入口56Aが形成されているとともに、シャッタ58が設けられている。シャッタ58は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて出入口56Aを開閉する。各収納部56には、束紙幣が金種毎に積層状態にて収納される。各収納部56内には、水平な板状のステージ59が配置され、積層状態にて収納された束紙幣は、ステージ59上に配置される。ステージ59は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて昇降する。これらの収納部56の上面とベルト57とによって上下から挟まれた空間が、横搬送路54である。
【0030】
次に、図3のブロック図を参照して、紙幣入出金機2Aの電気的構成について説明する。紙幣入出金機2Aは、制御手段および設定手段の一例としての制御部65と、通信I/F部66と、記憶手段の一例としての記憶部67とを含む。制御部65は、例えばマイクロコンピュータによって構成されている。制御部65には、通信I/F部66および記憶部67のそれぞれと、前述したバラ紙幣処理部20および束紙幣処理部21のそれぞれとが電気的に接続されている。
【0031】
制御部65は、通信I/F部66を介して、硬貨入出金機2B、操作端末3およびプリンタ4や他の外部機器と通信することができる。そのため、制御部65は、利用者による操作端末3の表示操作部3A(図1参照)の操作を受け付けたり、表示操作部3Aの表示を制御したりする。また、制御部65は、プリンタ4によってレシートを発行する。
【0032】
制御部65は、バラ紙幣処理部20における前述した駆動部(図示せず)を制御する。これにより、図2を参照して、制御部65は、各収納部25と、入金部14、出金部15、出金リジェクト部24および集積部50のそれぞれとの間においてバラ紙幣を移動させたり、収納部25同士の間においてバラ紙幣を移動させたり、シャッタ17を開閉させたり、反転部30においてバラ紙幣の表裏を反転させたりする。識別部29による紙幣の識別結果は、制御部65に入力される。制御部65は、識別部29によるバラ紙幣の計数結果に基いて各収納部25におけるバラ紙幣の金種および収納枚数を把握する。
【0033】
制御部65は、束紙幣処理部21における前述した駆動部(図示せず)や帯封機構51を制御する。これにより、制御部65は、集積部50に集積されたバラ紙幣を帯封機構51によって束紙幣にしたり、この束紙幣が載せられたリフト53を昇降させることによって束紙幣を縦搬送路52内において垂直移動させたりする。また、制御部65は、リフト53が上限まで昇降した状態において搬送機構55のベルト57を反時計回りに周回移動させることによって、リフト53上の束紙幣をベルト57の突起57Aによって引っ掛けて横搬送路54内において水平移動させる。制御部65は、横搬送路54内の束紙幣が収納先の収納部56の真上まで到達するとベルト57を停止させて、この収納部56のシャッタ58を開く。すると、束紙幣が、収納先の収納部56の上面の出入口56Aから落下して収納部56内に収納される。
【0034】
一方、制御部65は、出金したい束紙幣を収納した収納部56においてステージ59を上昇させてシャッタ58を開き、ベルト57を時計回りに周回移動させる。これにより、収納部56内の束紙幣が、最上位のものから順に、ベルト57の突起57Aによって引っ掛けられて横搬送路54内を水平移動し、縦搬送路52のリフト53に受け渡される。その後、制御部65は、リフト53上の束紙幣が払出口11と上下において一致するまでリフト53を下降させてから、シャッタ16を開く。これにより、利用者は、払出口11から束紙幣を取り出すことができる。
【0035】
図3を参照して、記憶部67は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されていて、紙幣入出金機2Aに関する様々な情報を記憶している。特に、記憶部67は、出金部15の取出口13を開閉するシャッタ17の待機位置が開位置(図2の破線参照)および閉位置(図2の実線参照)のどちらであるかを少なくとも記憶している。また、記憶部67は、各収納部25におけるバラ紙幣の金種および収納枚数も記憶している。制御部65は、記憶部67に記憶された情報を参照したり、記憶部67に記憶された情報を書き換えたり、新たな情報を記憶部67に記憶させたりする。
【0036】
紙幣入出金機2Aでは、シャッタ17の待機位置を開位置および閉位置のどちらかに設定することができる。利用者、厳密には紙幣入出金機2Aを管理する係員が表示操作部3Aに操作することによってログインすると、制御部65は、図4に示すメニュー画面70を表示操作部3Aに表示する。メニュー画面70には、複数のタッチキー71が並んで表示されている。係員が、これらのタッチキー71のうち「メンテナンス」という文字が記されたタッチキー71Aにタッチすると、制御部65は、表示操作部3Aに、図5に示す設定画面72を表示する。設定画面72には、「シャッタの待機位置を選択して下さい」という見出しの下の領域に、「開位置」という文字が記されたタッチキー73と、「閉位置」という文字が記されたタッチキー74とが並んで表示されている。
【0037】
係員は、シャッタ17の待機位置を開位置に設定したい場合には、タッチキー73にタッチした後に、例えば設定画面72の右下において「確定」という文字が記されたタッチキー75にタッチする。すると、制御部65は、シャッタ17の待機位置が開位置であることを記憶部67に記憶させる。係員は、シャッタ17の待機位置を閉位置に設定したい場合には、タッチキー74および75にタッチする。すると、制御部65は、シャッタ17の待機位置が閉位置であることを記憶部67に記憶させる。なお、係員が、例えば設定画面72の左下において「戻る」という文字が記されたタッチキー76にタッチすれば、制御部65は、表示操作部3Aの表示内容を設定画面72からメニュー画面70(図4参照)に切り替える。
【0038】
制御部65は、シャッタ17の実際の待機位置が、記憶部67に記憶された待機位置と一致するようにシャッタ17の開閉を制御する。図6の模式図を参照して、バラ紙幣について収納部56が実行する出金処理および入金処理について、この順番に説明するとともに、シャッタ17の開閉についても説明する。
【0039】
制御部65は、利用者による操作端末3の表示操作部3Aの操作によって、出金処理の指示を受け付ける。シャッタ17の待機位置が閉位置(図6における実線のシャッタ17を参照)である場合には、制御部65は、出金処理の開始前も開始時(つまり出金処理の際)もシャッタ17を閉位置に維持するが、シャッタ17の待機位置が開位置(図6における破線のシャッタ17を参照)である場合には、制御部65は、出金処理の開始時にシャッタ17を一旦閉位置まで閉じる。次に、制御部65は、出金対象のバラ紙幣を収納した金種別収納部25Aから必要枚数のバラ紙幣を取り出して、環状搬送路26において反時計回りに搬送し(実線の矢印Y1を参照)、取出搬送路28から出金部15に出金する。なお、制御部65は、環状搬送路26内において搬送されるバラ紙幣のうち、リジェクト紙幣であると識別部29によって識別されたもの(2枚送り紙幣や金種間違い紙幣等も含む)を、分岐路40から出金リジェクト部24にリジェクトする。なお、出金リジェクト部24のリジェクト紙幣は、例えば金融機関の営業時間後に回収される。
【0040】
シャッタ17の待機位置が閉位置および開位置のいずれである場合にも、出金対象のバラ紙幣が全て出金部15に出金されると、制御部65は、シャッタ17を今までの閉位置から開位置まで開く。そのため、利用者は、開放された取出口13から出金部15のバラ紙幣を取り出すことができる。シャッタ17の待機位置が閉位置である場合には、バラ紙幣が取り出されてから制御部65がシャッタ17を閉位置まで閉じると、出金処理が終了するが、シャッタ17の待機位置が開位置である場合には、バラ紙幣が取り出されると、シャッタ17が開位置にある状態のまま出金処理が終了する。なお、制御部65は、出金部15への出金後にシャッタ17を開いてから所定時間が経過しても出金部15からバラ紙幣が取り出されない場合には、シャッタ17を強制的に閉じて利用者や係員に報知してもよい。この場合、紙幣入出金機2Aには、出金部15におけるバラ紙幣の有無を検知するセンサ(図示せず)とブザーとを含み、制御部65はタイマー機能を有する。
【0041】
シャッタ17の待機位置が開位置および閉位置のいずれである場合にも、出金処理の際には、出金対象のバラ紙幣が全て出金部15に出金されるまではシャッタ17が閉位置まで閉じた状態にあり、出金対象のバラ紙幣が全て出金部15に出金されるとシャッタ17が開位置まで開く。そのため、出金対象のバラ紙幣が全て出金部15に揃っていない途中の段階においてバラ紙幣が取出口13から取り出されることを抑制できる。
【0042】
制御部65は、利用者による表示操作部3Aの操作や入金部14への紙幣のセットによって入金処理の指示を受け付ける。制御部65が入金部14への紙幣のセットによって入金処理の指示を受け付ける場合、紙幣入出金機2Aには、入金部14におけるバラ紙幣の有無を検知するセンサ(図示せず)を含む。シャッタ17の待機位置が開位置である場合には、制御部65は、入金処理の開始前も入金処理中もシャッタ17を開位置に維持するが、シャッタ17の待機位置が閉位置である場合には、制御部65は、入金処理の開始時にシャッタ17を開位置まで開き、入金処理の開始後もシャッタ17を開位置に維持する。
【0043】
次に、制御部65は、利用者によって入金部14に入金されたバラ紙幣を環状搬送路26において時計回りに搬送する(破線の矢印Y2を参照)。その際、制御部65は、環状搬送路26内において搬送されるバラ紙幣のうち、リジェクト紙幣であると識別部29によって識別されたもの(2枚送り紙幣や識別不能紙幣等も含む)を、取出搬送路28から出金部15にリジェクトする。つまり、入金処理の際には、出金部15は、入金部14に入金されたバラ紙幣のうち入金対象外のリジェクト紙幣のリジェクト先、いわゆる入金リジェクト部となる。出金部15のリジェクト紙幣は、開位置のシャッタ17によって開放された取出口13から利用者に随時返却され、入金部14に再セットされたり、再セットされずに別保管されたりする。このように出金部15が入金リジェクト部を兼ねるので、出金部15および入金リジェクト部を別々に設ける場合と比べて、省スペース化や省コスト化を図れる。
【0044】
一方、制御部65は、入金部14に入金されて環状搬送路26内において搬送されるバラ紙幣のうち、リジェクト紙幣以外の紙幣、つまり入金対象のバラ紙幣を、一時保留部25Cに収納する。そして、全てのバラ紙幣が入金部14から繰り出されて出金部15または一時保留部25Cに振り分けられ、出金部15のリジェクト紙幣が利用者によって取り出されると、シャッタ17の待機位置が閉位置である場合には制御部65はシャッタ17を閉位置まで閉じ、シャッタ17の待機位置が開位置である場合には制御部65はシャッタ17を開位置のままにする。
【0045】
そして、係員による表示操作部3Aに対する入金処理の承認操作があると、制御部65は、一時保留部25Cのバラ紙幣を、再び識別部29を経由するように環状搬送路26において時計回りに搬送してから、いずれかの金種別収納部25Aまたは一括収納部25Bに金種毎に振り分ける。これにより、入金対象のバラ紙幣は、対応する金種の金種別収納部25Aまたは一括収納部25Bに収納されて、入金処理が終了する。なお、一時保留部25Cのバラ紙幣を金種別収納部25Aや一括収納部25Bに振り分ける前の段階では、利用者による操作端末3の操作等によって今回の入金処理をキャンセルすることができる。入金処理がキャンセルされた場合には、利用者が扉18(図2参照)を開くと、一時保留部25Cが機外に露出されるので、返却処理として、一時保留部25Cに残った紙幣を手作業によって取り出すことができる。返却処理中のシャッタ17は開位置にあってもよい。
【0046】
例えば静粛性が求められる設置環境や、出金処理の実行頻度が高い運用形態では、シャッタ17の待機位置を閉位置に設定しておけば、入金処理のタイミング以外や、出金処理において出金対象の貨幣が全て出金部15に出金されたタイミング以外ではシャッタ17が閉位置にあるので、貨幣処理装置2内部の作動音が取出口13から外部に漏れることを抑制できる。一方、例えば入金処理の実行頻度が高い運用形態、つまり出金部15を入金リジェクト部として使用する頻度が高い運用形態では、シャッタ17の待機位置を開位置に設定しておけば、シャッタ17を開く動作がなくても、入金処理においてリジェクトされる貨幣を取出口13からスムーズに取り出すことができるし、シャッタ17の動作回数の削減によって処理時間の短縮を図ることもできる。つまり、設置環境や運用形態に応じてシャッタ17の待機位置を開位置および閉位置のどちらにも設定できるので、シャッタ17によって開閉される取出口13に関して設置環境や運用形態に適した貨幣処理装置2および貨幣処理システム1を提供できる。
【0047】
設置環境や運用形態の変化に応じて、変化後の設置環境や運用形態に適するように、制御部65は、前述した係員による表示操作部3Aでの設定(図5参照)によって、記憶部67におけるシャッタ17の待機位置を開位置および閉位置の一方から他方に切り替えることができる。表示操作部3Aでの設定以外に、所定条件に応じてシャッタ17の待機位置を切り替えてもよい。
【0048】
例えば、記憶部67が、例えば1ヶ月や1週間といった所定期間における入金処理および出金処理のそれぞれの実行履歴を記憶していて、制御部65は、この実行履歴における入金処理および出金処理のそれぞれの実行頻度に基いて待機位置を切り替えてもよい。この場合、例えば利用者が多い等によって入金処理の実行頻度が高ければ、入金処理においてリジェクト紙幣を取出口13から取り出すための操作性を優先するために待機位置を開位置に切り替えてもよい。一方、出金処理の実行頻度が高ければ、静粛性を優先するために待機位置を閉位置に切り替えてもよい。
【0049】
また、制御部65は、待機位置を切り替えるタイミングを設定してもよく、そのタイミングに待機位置を切り替えてもよい。この場合、制御部65は、カレンダー機能やタイマー機能を有し、シャッタ17の待機位置を時間帯や曜日等のタイミングと対応づけて記憶部67に記憶している。例えば、利用者が少ないタイミングになると、静粛性を重視するために、制御部65は、待機位置を閉位置に設定する。逆に、利用者による入金処理が多いタイミングになると、リジェクト紙幣の発生を想定して、制御部65は、待機位置を開位置に設定する。このように運用形態が変化するタイミングにおいて、変化後の運用形態に適するようにシャッタ17の待機位置を切り替えることができる。
【0050】
入金処理および出金処理の実行履歴に基いて待機位置を切り替える場合、および、タイミングに応じて待機位置を切り替える場合のいずれにおいても、待機位置の切り替えは、自動によって行われてもよい。または、例えば紙幣入出金機2Aの起動時等において制御部65が最適な待機位置を操作端末3の表示操作部3Aにて推奨して、係員による承認を得られた場合に、待機位置が切り替えられてもよい。
【0051】
なお、制御部65が実行する処理には、前述した入金処理および出金処理以外に、例えば、第1帯封処理、第2帯封処理および精査処理が挙げられる。第1帯封処理として、制御部65は、機外から入金部14に入金されたバラ紙幣を集積部50に直接送り込んで帯封機構51によって束紙幣にして収納部56に収納する。係員による操作端末3での指示があったり、収納部25におけるバラ紙幣の収納枚数が所定数に達したりすると、第2帯封処理として、制御部65は、収納部25のバラ紙幣を帯封機構51によって束紙幣にして収納部56に収納し、当該収納部25に、新たなバラ紙幣を収納するための空きを作る。
【0052】
精査処理として、制御部65は、一時保留部25C以外の各収納部25について、収納部25内の全てのバラ紙幣を一時保留部25Cに移し替えてから元の収納部25に戻し、その際に、識別部29によってバラ紙幣を識別することによって収納部25内のバラ紙幣の金種および収納枚数を確認する。第1帯封処理では、機外から入金部14への入金があるので、出金部15へのバラ紙幣のリジェクトを想定して、シャッタ17の待機位置を開位置に設定することが好ましい。ただし、第2帯封処理および精査処理では、入金部14への入金や出金部15への出金がない状態において、バラ紙幣処理部20や束紙幣処理部21といった装置本体10の内部機構が駆動されるので、静粛性のために、シャッタ17を閉位置にすることが好ましい。
【0053】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、紙幣入出金機2Aとして、図7に示す変形例が挙げられる。なお、変形例に係る紙幣入出金機2Aの説明に際し、これまでの説明した紙幣入出金機2Aと対応する部品には、同一の符号を付して説明を省略する。変形例に係る紙幣入出金機2Aには、前述した入金リジェクト部が、入金リジェクト部80として、出金部15とは別に設けられ、さらに、入金リジェクト部80からリジェクト紙幣を取り出すための取出口81を開閉するシャッタ82と、入金部14の入金口12を開閉するシャッタ83とが追加されている。変形例に係る紙幣入出金機2Aでは、前述したシャッタ17だけでなく、シャッタ82および83のそれぞれの待機位置が開位置および閉位置のどちらであるかが記憶部67によって記憶されていて、シャッタ17、82および83のそれぞれの待機位置が、記憶部67に記憶された待機位置と一致するように、各シャッタの開閉が制御部65によって制御される。
【0055】
また、紙幣入出金機2Aに着目して貨幣処理装置2について説明したが、出金部15およびシャッタ17に相当する構成が硬貨入出金機2B(図1参照)に設けられている場合には、紙幣入出金機2Aにおいて出金部15およびシャッタ17に関する構成は、硬貨入出金機2Bにも適用できる。また、貨幣処理システム1において、紙幣入出金機2Aにおける制御部65や記憶部67(図3参照)は、紙幣入出金機2Aでなく、硬貨入出金機2Bや操作端末3に設けられてもよい。
【0056】
また、貨幣処理システム1は、複数の貨幣処理装置2を統括する管理装置(図示せず)を含んでもよく、この管理装置が、シャッタの待機位置の設定情報を複数の貨幣処理装置2に一括送信し、この設定情報が各貨幣処理装置2の記憶部67に記憶されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 貨幣処理システム
2 貨幣処理装置
3 操作端末
13 取出口
14 入金部
15 出金部
17 シャッタ
25 収納部
65 制御部
67 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7