(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートに挟まれた吸収性コアを含む吸収性物品であって、ここで、前記物品は、縦軸y1方向、及び前記縦軸に垂直方向に延びる横軸x1方向に配置され、かつ、前部、後部、及びクロッチ部を特定し、ここで、前記吸収性コアは、上面と下面を備えるコアカバーで囲まれた吸収性部材と、前記上面と前記下面を接合する密封部アレンジメントを備え、前記密封部アレンジメントは、前記コアの縦軸y1方向に2つの側縁に沿って延びる2つの側部シームを備え、前記密封部アレンジメントは、さらに、少なくとも1つの横方向に配向する連結密封部を備え、前記連結密封部は、前記側部シームを接合し、ここで、前記密封部アレンジメントは、さらに、溶接スポットを備え、ここで、前記溶接スポットの面積の和は横軸x1の方向に沿って一定である、物品。
物品は、第1連結密封部及び第2連結密封部を備え、前記第1連結密封部は前部で側部シームを接合し、かつ、前記第2連結密封部は後部で側部シームを接合する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
少なくとも1の連結密封部は、吸収性部材の輪郭に概ね従い、少なくとも1の連結密封部は、吸収性部材の形状から外れている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された物品は、液体の取扱い及びフィット感に関する特定の要件を満たすものの、さらなる改良が必要である。
【0008】
本開示は、吸収性物品、例えばおむつ等の、着用時の濡れた状態でのたるみを回避する機能が、当該物品の特定の特徴に影響されうるという洞察に基づく。
【0009】
本開示によれば、請求項1記載の吸収体、及び請求項16記載の方法が提供される。
【0010】
液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートに挟まれた吸収性コアを含む吸収性物品であって、ここで、前記物品は、縦軸y1方向、及び前記縦軸に垂直方向に延びる横軸x1方向に配置され、かつ、前部、後部、及びクロッチ部
を特定し、ここで、前記吸収性コアは、上面と下面を備えるコアカバーで囲まれた吸収性部材と、前記上面と前記下面を接合する密封部アレンジメントを備え、前記密封部アレンジメントは、前記コアの縦軸y1方向に2つの側縁に沿って延びる2つの側部シーム
を備え、前記密封部アレンジメントは、さらに、少なくとも1つの横方向に配向する連結密封部
を備え、前記連結密封部は、前記側部シームを接合
し、ここで、前記密封部アレンジメントは、さらに、溶接スポットを備え、
ここで、前記溶接スポットの面積の和は横軸x1の方向に沿って一定である、物品が提供される。
【0011】
さらに、前記密封部アレンジメントは、クロッチ部にて縦軸y1方向に延びる、2つのチャネル密封部を備えてよい。
【0012】
前記吸収性部材は、密封部アレンジメントまでは延びなくてよい。
【0013】
前記物品は、第1連結密封部及び第2連結密封部を備えてよく、前記第1連結密封部は前記前部で側部シームを接合し、かつ、前記第2連結密封部は前記後部で側部シームを接合してよい。
【0014】
横軸方向x1に沿った前記溶接スポット量の和が一定であってよい。
【0015】
少なくとも1の前記連結密封部は、縦軸y1に関して対称に配置されてよい。
【0016】
さらに、縦軸y1と第1連結密封部との間の角度が90°未満であってよく、かつ、縦軸y1と第2連結密封部との間の角度が90°以上であってよい。
【0017】
第1連結密封部における横方向の溶接スポット間の距離は、第2連結密封部における溶接スポット間の距離とは異なってよい。
【0018】
密封部アレンジメントは、前記密封部アレンジメントの少なくとも1の部分における吸収性部材の輪郭に概ね従ってよい。
【0019】
少なくとも1の連結密封部は、吸収性部材の輪郭に概ね従ってよく、少なくとも1の連結密封部は、吸収性部材の形状から外れてよい。
【0020】
第1連結密封部の縦方向の最大長は、第2連結密封部の縦方向の最大長とは異なってよい。第1連結密封部の縦方向の最大長は、第2連結密封部の縦方向の最大長よりも長くてよい。
【0021】
少なくとも1の連結密封部は概ねV字形であってよい。前記第1連結密封部は、中央横軸に向かってV字状に形成されてよく、前記第2連結密封部は、前記中央横軸に向かってV字状に形成されてよい。
【0022】
さらに、溶接スポットは、円形、長方形、楕円形、又は長円形であってよい。さらに、縦方向に沿った溶接スポット量の合計が、2〜20の範囲内、4〜8の範囲内であってよい。連結密封部は、超音波溶接等の熱的及び/又は機械的溶接プロセスにより密封されてよい。
【0023】
縦軸y1方向、及び前記縦軸に垂直方向に延びる横軸x1方向を備え、かつ、前部、後部、及びクロッチ部を備える、吸収性物品の製造方法であって、以下の工程:
吸収性部材を備える吸収性コアを形成し、前記吸収性部材を上面と下面を備えるコアカバーで囲む工程;
2つの側部シーム、及び前記上部コアカバー及び下部コアカバーを接合する少なくとも1つの連結密封部を提供する工程;
前記吸収性コアを液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートで挟む工程、
を含み、ここで前記方法は、さらに、以下の工程;
前記2つの側部シーム及び少なくとも1の連結密封部を、複数の溶接スポットを縦軸y1方向に沿って溶接することを含む、熱的及び/又は機械的溶接プロセスにより形成する工程、であって、ここで、前記溶接スポットの面積の合計は、横軸x1方向に沿って一定である、
を含む、方法もまた、提供される。
【0024】
本開示のさらなる利点及び有利な特徴は、以下の説明及び従属項に開示される。
【0025】
本開示は、添付の図面に示されている図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の様々な態様は、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。しかしながら、本明細書に開示された実施形態は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載された態様に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0028】
図1には、ベビー用オムツの形態の吸収性物品1の上方から見た図が示される。
図1では、吸収性物品1は、折り畳まれていない平らな状態で示される。また、吸収性物品1は、着用者の体液を吸収する吸収性構造に基づき、着用者にドライで快適なフィット感を提供する。
【0029】
図1に示すように、吸収性物品1は、液体透過性トップシート3と、液体不透過性バックシート4と、トップシート3とバックシート4との間に挟まれた吸収性コア5とを備える。トップシート3は、物品1の表面、すなわち、着用者に面する側に配置され、バックシート4は、物品1の下側に配置される。さらに、トップシート3とバックシート4はともに、物品1の全周に沿って、吸収性コア5の外側に横方向に延びる。
【0030】
図1に示す吸収性コアのデザインは略長方形である。しかしながら、本開示は、当該デザインに限定されるものではなく、本開示の範囲内の一般的ないかなる幾何学的形態でも形成されることができる。
【0031】
トップシート3、バックシート4、及び吸収性コア5は、以下にさらに詳細に説明するように、各々の目的に適したいかなる材料から構成されてよい。
【0032】
図1に示すように、吸収性物品1には、縦軸y1方向の縦延伸部と、縦軸y1に垂直な横軸x1方向の横延伸部とがある。さらに、吸収性物品1を、前部6、後部7、及びクロッチ部8に分割して画定しうる。前部6及び後部7は各々ウエスト端2を備える。前部6は、物品1の装着時に着用者の前腹方向に面するように意図される。
【0033】
さらに、
図1及び
図2を参照すると、
図2は、横軸x1方向の吸収性物品1の断面図であり、吸収性コア5には、上部11と下部12を含むコアカバーに囲まれた、吸収性部材5a、5b、5cがあり、上部11を下部12に接合するように構成された、2つの縦方向に延びる略直線状のチャネル密封部9、10で構成され、特に
図2では、吸収性コア5は、上部コアカバー11と下部コアカバー12との間に挟まれていることに留意されたい。
図1及び
図2によれば、コアカバーは1の上部コアカバー層と異なる下部コアカバー層により形成されてもよい。しかしながら、本開示は、2つの別個の材料層を備えるコアカバーに限定されない。当該コアカバーは、単一の材料層であってもよい。当該吸収性部材5a、5b、5cは、2つに折り畳まれた1つのコアカバー層によって囲まれてもよく、又は連続したコアカバーシートによって囲まれてもよく、それにより、吸収性部材を包む上部及び下部コアカバー側面が提供される。
【0034】
上部コアカバー11及び下部コアカバー12は、例えば、熱密封又は超音波溶接等の熱的及び/又は機械的接合により、互いに接着される。当該接合はまた、接着剤、縫合等、又はそれらの組み合わせであってよい。
図1及び
図2に示す実施形態によれば、上部側面11と下部側面12とが超音波溶接によって互いに接着される。
【0035】
密封部9、10は、吸収性材料が充填されていない吸収性コア5の部分を構成する2つの対応するチャネル13、14に沿って配置される。これは、マット形成プロセスを含む吸収性コア5を製造することによって得られ、その間、吸収性材料は、チャネル13、14に対応する領域から省略される。このようにして、チャネル13、14には、すなわちチャネル密封部9、10が配置された場合、吸収性材料は存在しない。
【0036】
図1及び2に示すように、吸収性コア5は、クロッチ部8内で、中央セグメント5a及び二つの側部セグメント5b、5cに分割することができる。したがって、上記2つのチャネル13、14、及びチャネル密封部9、10は、クロッチ部8に沿って3つのセグメント5a、5b、5cを互いに離間するように構成される。また、各チャネル密封部9、10の長さl1は、クロッチ部8の長さに対応することができ、各チャネル13、14の長さよりもわずかに短くてもよい。
【0037】
吸収性コア5は、略長方形であってよく、前記縦軸y1に略平行で、第1チャネル密封部幅w1及び第2チャネル密封部幅w2を備える、2つの略直線状のチャネル密封部9、10を備える。本開示は、長方形コア5及び略直線状のチャネル密封部9、10に限定されず、すなわち、他の幾何学的形態であってよい。チャネル密封部9、10は各々、第1チャネル13及び第2チャネル14内に配置され、上部コアカバー11を下部コアカバー12に取り付けるように構成される。
【0038】
さらに、中央セグメント5aは、コア5のチャネル密封部9、10の間に画定される。また、2つの側部セグメント5b、5cは、コア5の各チャネル密封部9、10の外側に画定される。より具体的には、第1側部セグメント5bは、第1チャネル密封部9と第1側部シーム15との間に配置され、第2側部セグメント5cは、第2チャネル密封部10と第2側部シーム16との間に配置される。側部シーム15、16は、上部コアカバー11を下部コアカバー12に、好ましくは、チャネル密封部9、10に関して、超音波溶接又は上記の他の関連技術により接合されて構成される。さらに、側部シーム15、16は、吸収性コア5の第1側縁17及び第2側縁18方向に、吸収性コア5の各側面に延伸する。
【0039】
吸収性コア5は、側部シームを接合する、少なくとも1の連結密封部27,28を備えてよく、当該少なくとも1の連結密封部27、28は、縦軸y1を横切る横向きに指向してよい。
図1に示すように、吸収性コア5は、第1連結密封部27及び第2連結密封部28を備えてよい。第1及び第2の連結密封部27、28は、物品1の前部6及び後部7に、各々あってよい。連結密封部27、28の数は、限定されないが、2つの連結密封部27、28未満でありえ、2つの連結密封部27、28より多くありうる。さらに、当該連結密封部27、28はまた、クロッチ部8にあってよい。当該連結密封部27、28は、側部シーム15、16を接合するように構成される。
図1に開示されるように、ある当該連結密封部27、28、すなわち、側部シーム15、16の端部を接合する、吸収性物品1の前部6にある1の連結密封部27、側部シーム15、16の端部を接合する、吸収性物品1の後部7にある1の連結密封部28、を備えることにより、当該側部シーム15、16及び当該連結密封部27,28を、閉鎖構造として形成しうる。このような構造はまた、密封部アレンジメント15、16、27、28といってよい。当該密封部アレンジメント15、16、27、28は、溶接スポット23により上部及び下部のコアカバーの接合手段として画定しうる。吸収性部材5a、5b、5cは、当該側部シーム15、16を超えて、かつ、少なくとも1の連結密封部27、28に延伸しない。当該閉鎖構造形態により、上部及び下部のコアカバー11、12の接合を改良することができ、閉鎖の程度はより剛性が強くなる。さらに、当該閉鎖構造形態により、吸収性コア5内部の膨潤可能な構成要素が、開放構造形態と比較してより広い範囲で閉鎖構造形態内に留まることができ、これにより、吸収性物品1のフィット感と閉鎖性が改善されうる。当該吸収性物品の少なくとも前部に連結密封部27,28を備えることで、吸収性物品の着用者のへそ方向への圧力を低減しうる。
【0040】
連結密封部27,28は、密封部アレンジメント15,16,27,28の少なくとも1つの部分において、吸収性部材の輪郭に概ね沿ってよい。当該連結密封部27,28の少なくとも1つは、吸収性部材の輪郭から外れてよい。
図1に開示されているように、第1連結密封部27は、前部6において吸収性部材の外形に概ね沿ってよく、第2連結密封部28は、後部7において吸収性部材の輪郭から外れてよい。さらに、側部シーム15,16は、吸収性部材の輪郭に沿ってよい。
図1において、第1連結密封部27は、吸収性部材5a,5b,5cの輪郭に沿って矢印形に形成される。さらに、後部7では、第2連結密封部28も矢印形であるが、吸収性部材5a,5b,5cの輪郭は、当該連結密封部28の形状から外れた直線状の横線であり、第1連結密封部27は、吸収性部材5a,5b,5cの外形に沿った矢印形の形状である。
【0041】
吸収性物品1は、前部6又は後部7のいずれかに配置された単一の連結密封部27,28を備えてよく、当該連結密封部27,28の構造は、吸収性物品1の単一部分の剛性を向上させる目的の製品について有益でありうる。換言すれば、密封部アレンジメント15、16、連結密封部27、28は、吸収性部材5a、5b、5cを完全に包み込まないように開示されてよい。さらに、密封部アレンジメント15、16、27、28は、チャネル密封部9、10を備えてよい。
【0042】
クロッチ部8の長さl1は、チャネル密封部9、10の長さと等しくてよく、すなわち、チャネル密封部9、10は、クロッチ部8に沿ってのみ延伸できる。しかしながら、側部シーム15、16は、クロッチ部8に沿って位置決めされるだけでなく、前部6及び後部7に沿って延伸することもできる。これについては、以下に詳述する。
吸収性コア5は、2つのチャネル密封部9,10と、2つの側部シーム15,16と、少なくとも1つの連結密封部27,28とによって構成されてよい密封部アレンジメントで形成されてよい。密封部アレンジメント5、16、27、28は、吸収性コア5が、中央セグメント5aと2つの側部セグメント5b、5cとに分割されるように構成されてよい。より具体的には、
図2に示すように、中央セグメント5aは第1幅a1を備え、各側部セグメント5b、5cは第2幅a2を備える。また、第3幅b1が、2つのチャネル密封部9、10の間に画定される。さらに、第4幅b2が、第1チャネル密封部9と第1側部シーム15との間、及び第2チャネル密封部10と第2側部シーム16との間に画定される。
【0043】
図1及び
図2によれば、吸収性部材5a、5b、5cは、吸収性材料の質量に基づいて、中央セグメント5aの吸収性材料の質量が、側部セグメント5b、5c各々の吸収性材料の総量と概ね等しいか、それより多くなるように構成される。以下により詳細に説明するように、吸収性材料は、パルプ材料と超吸収性材料との混合物を含んでもよい。また、第1幅a1と第3幅b1との比率は、第2幅a2と第4幅b2との比率よりも大きい。実際、これは、特に、吸収性物品1の着用中、中央セグメント5aで膨張する吸収性材料の利用可能な空間が、対応する各側部セグメント5b、5cの利用可能な空間よりも小さくてよいことを意味する。これにより、中央セグメント5aの剛性は、(湿潤時に)側部セグメント5b、5cの剛性より高くなる。これは、吸収性物品1のクロッチ部8のいかなるたるみ傾向も、特に湿潤時に、軽減されることを意味する。
【0044】
中央セグメント5aの吸収性材料量を、側部セグメント5b、5cと比較して記載するために用いる、上記表現「概ね等しい」は、吸収性材料量が、いかなるクロッチ部8の部分でも、約±5%は変動しうるように解釈されるべきである。
【0045】
クロッチ部の吸収性部材5a、5b、5cは、吸収性材料の33〜41質量%が中央セグメント5aに、25〜33質量%が側部セグメント5b、5c各々にあるように構成されてよい。このように、中央セグメント5aの所望の剛性を得ることができる。
【0046】
要約すると、吸収性コア5は、吸収性物品1の上記3つのセグメント5a、5b、5cを含む、吸収性部材を含む。クロッチ部8の吸収性部材5a、5b、5cは、パルプ状の吸収性材料と超吸収性材料で構成されてよい。パルプ材料の坪量は、50〜400g/m
2の範囲であり、超吸収性材料の坪量は、100〜900g/m
2の範囲であってよい。しかしながら、選択された秤量の±5%の偏差は許容される。
【0047】
吸収性物品1には様々な材料が用いられてよい。トップシート3は、吸収性物品1の装着時に着用者に面するように配置される。トップシート3は、熱可塑性合成繊維で作製された液体透過性不織布又はフィルムにより構成されてよい。トップシート3は、排出体液がトップシート3の厚さを貫通するのに十分な液体透過性を備えてよい。また、トップシート3は、好ましくは、着用者の肌にフィットしてソフトな感触を付与する材料で作製されることができる。トップシート3は、単層で構成されてもよく、又は複数層、例えば、2又はそれ以上の層を含む積層構造であってもよい。これらの層は、同一材料で作製されてよく、又は、部分、若しくは全ての層が、異なる材料で作製されてもよい。
【0048】
トップシート3の層、又は積層構造の場合には、トップシートの1、部分、又は全ての層は、単一材料で作製されてよく、又は、例えば、着用者に面するトップシートの表面の異なる部分内に、異なる材料で作製された部分が複数あってよい。トップシート3の層、又は積層構造の場合には、トップシートの1、部分、又は全ての層は、不織布材料、多孔プラスチックフィルム、プラスチック又は織物のメッシュ、又は液体透過性発泡層であってよい。
【0049】
トップシート3の層、又は積層構造の場合には、トップシートの1、部分、又は全ての層は、例えば、親水性の不開口不織布材料ウェブ、綿又はパルプ繊維等の天然繊維、ポリエステル又はポリプロピレン繊維等の合成繊維、又はこれらの繊維の組み合わせであってよい。
【0050】
トップシートの坪量は、8〜40g/m
2の範囲であってよい。しかしながら、本明細書の開示は、秤量が上記のトップシートにのみ限定されない。
【0051】
さらに、バックシート4は、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのフィルム等のポリマーフィルム等の、液体不透過性かつ通気性の層により構成されてよい。さらなる実施形態では、バックシート4で用いられうる材料としては、薄くて柔軟な液体不透過性プラスチックフィルム、又は液体不透過性不織布材料、液体不透過性フォーム、及び液体不透過性積層体があげられる。
【0052】
バックシート4は、単一層で構成されてよいが、積層構造、すなわち、少なくとも1つの層が液体不透過性である積層体により構成されてよい。さらに、バックシート4は、いかなる方向に弾性があってもよい。
【0053】
さらに、バックシート4には、液体不透過性と不織布層が互いに重なり合って配置される(図面には詳細には示さず)積層構造があってよく、不織布層は、装着時に吸収性物品1の着用者から離れた外側に配置される。不織布層は、熱可塑性ポリマー材料繊維又はフィラメントで作製されることができる。不織布層は、スパンボンド法、エアレイ法、メルトブロー法、又はボンデッドカードウェブ形成法等の様々な方法で作製できる。不織布層は、ポリプロピレンのSMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)又はSS(スパンボンド/スパンボンド)の不織布材料、又はポリプロピレン及びポリエチレンの二成分繊維、又はこれらの材料の組み合わせから作製することができる。不織布層の坪量は、5〜40g/m
2の範囲であってよい。
【0054】
液体不透過性シートは、プラスチック材料、例えば、熱可塑性フィルム材料、及び/又は不織布材料で作製されてよい。例えば、液体不透過性シートは、特に、熱可塑性層等のプラスチック層、又は例えば、熱可塑性フィルム等のプラスチックフィルムとして作製しうる。熱可塑性フィルム材料等のプラスチック材料で液体不透過性シートを作製すると、液体不透過性シートの印刷性が特に良好になる。液体不透過性シートはまた、紙繊維を含んでもよい。液体不透過性シートは、液体不透過性、通気性、又は非通気性層であってよい。液体不透過性シートは、単一層、又は複数層、例えば、2層以上、3層以上、又は4層以上の積層構造で作製されてよい。液体不透過性シートの層は、例えば、熱密封、超音波溶接、1又は複数の接着剤、縫合等の超音波接合等の熱的−機械的接合により、互いに積層、接着又は取り付けられる。液体不透過性シートは、通気性微小多孔質フィルムであってよい。微孔性フィルムは、少なくとも2つの基本成分、すなわち熱可塑性エラストマーポリオレフィンポリマー及び充填剤を含む材料で作製しうる。これらの構成要素、及びいくつかの実施形態では、さらなる他の構成要素とともに混合され、加熱された後、鋳造エンボス加工、冷却及び平坦鋳造、及びブローフィルム加工等の様々なフィルム製造方法のいずれか1つを用いて、単層又は多層フィルムに押出されることができる。
【0055】
吸収性物品中の様々な層の材料の選択に関して、連結密封部27、28、チャネル密封部9、10及び側部シーム15,16を形成する結合方法用材料が選択されてもよい。例えば、上部コアカバー11と下部コアカバー12を接合するのに超音波溶接が選択される場合、コアカバー用に選択された材料は、超音波溶接中に接合を確実にするように適合されうる。
【0056】
さらに、トップシート3とバックシート4との間には、トップシート3を通過した尿や他の体液等の液体を吸収する吸収性コア5が設けられる。吸収性コア5は、セルロースフラッフパルプ及び超吸収性材料の1のみの、又はそれ以上の層で作製されてよい。吸収性コア5は、適当量の超吸収性物品を含んでよい。当該超吸収性材料は、吸収性物品業界で周知であり、ヒドロゲルの形成時に大量の液体を吸収しうる水膨張性かつ水不溶性の材料で構成される。吸収性コア5は、吸収性ポリマー材料の繊維又は粒子の形態の超吸収性材料を含んでよい。例えば、超吸収性材料は、表面架橋され、部分的に中和されたポリアクリレートであってよい。
【0057】
超吸収性材料、例えば超吸収性繊維又は粒子は、セルロースフラッフパルプ等の他の吸収性又は液体吸収性材料と混合されてよく、及び/又は吸収性コア5内のポケット又は層に配置されてもよい。吸収性コア5中の超吸収性材料及びパルプの比率は、0〜50質量%のパルプ繊維及び50〜100質量%の超吸収性材料、又は0〜30質量%のパルプ繊維及び70〜100質量%の超吸収性材料とすることができる。
【0058】
吸収性コア5は、吸収性コア5の特性を改善する成分をさらに含んでよい。例えば、吸収性コア5は、バインダー繊維等の1又はそれ以上のバインダーを含んでもよい。
【0059】
コアカバー11、12は、各々独立した上部コアカバー11層と下部コアカバー12層とから構成されてよい。しかしながら、本開示は、2つの異なるコアカバー層を含むコアカバー11、12に限定されない。また、コアカバー11、12は、単一材料層であってよい。吸収性部材は、2つに折り畳まれる1つのコアカバー11、12層によって囲まれるか、又は連続するコアカバーシートで囲まれることができ、それにより吸収性部材を包む上部コアカバー及び下部コアカバーの側面が提供される。コアカバー11,12は、熱可塑性ポリマー材料で作製しうる。コアカバー11、12は、不織布材料で作られてよい。不織布層は、スパンボンド法、エアレイ法、メルトブロー法、又はボンデッドカードウェブ形成法等の様々な方法で作製しうる。不織布層は、ポリプロピレンのSMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)又はSS(スパンボンド/スパンボンド)の不織布材料、又はポリプロピレン及びポリエチレンの二成分繊維、又はこれらの材料の組み合わせで作製することができる。コアカバー11,12材料の坪量は、5〜20g/m
2である。
【0060】
さらに、当業者に公知であるように、吸収性物品1の様々な層は、接着材料を用いて接着されてよい。このような接着剤は図面には示されない。
【0061】
吸収性物品1内には、1又はそれ以上のさらなる層を設けることができる。例えば、吸収性コア5とトップシート3との間に、捕捉層を配置することができる。このようなさらなる層は、例えば、エアレイド層、スパンレース層、高ロフト、発泡体、又は液体獲得及び吸収層として作用するために吸収性物品中で使用されうるいかなる他のタイプの材料層の形態であってもよい。取得層は、吸収性コアに吸収される前に、排出された液体を迅速に受け入れ、一時的に貯蔵するように構成される。このような捕捉層は、例えば、エアレイド不織布、スパンレース不織布、ハイロフト不織布又は発泡体材料で作製されてよい。エアレイド不織布は、毛羽、木材パルプで製造することができ、ここで毛羽繊維は、高速移動する空気流中に分散され、加圧及び真空により移動するスクリーン上に凝縮される。
【0062】
一実施形態では、中央セグメント5aの第1幅a1と第3幅b1、すなわち、チャネル密封部9、10間の距離の比率(すなわち、a1/b1)は、0.75〜0.91、例えば0.80〜0.86の範囲である。さらに、各側部セグメント5b、5cの第2幅a2と第4幅b2の比率、すなわち、各チャネル密封部9、10と、その対応する隣接する側部シーム11、12との間の距離(すなわち、a2/b2)は、0.57〜0.71、例えば、0.62〜0.66の範囲である。このように、中央セグメント5aに必要な剛性を獲得しうる。
【0063】
一般に、物品1は、第1幅a1と第3幅b1との比率が、第2幅a2と第4幅b2との比率よりも大きくなるよう配置されるが、これはすなわち、
(a1/b1)>(a2/b2)
である。
【0064】
さらに、第1幅a1、第2幅a2、第3幅b1及び第4幅b2は各々、以下:
b1<b2*2 及びa1<a2*2
のように構成することができる。
【0065】
吸収性物品1は、上記第1幅a1、第2幅a2、第3幅b1及び第4幅b2の配置、及び、吸収性コア5における吸収性材料の上記配置により、中央セグメント5a及び吸収性物品1全体に所望の剛性を提供するように配置される。これは、湿潤状態の中央セグメント5aの剛性が、各側部セグメント5b、5cの剛性よりも高くなるよう構成されていることを意味する。これはまた、中央セグメント5a及び側部セグメント5b、5cからなる吸収性部材に湿潤時膨張能があり、乾燥時を第1体積、完全に膨張した湿潤状態を第2体積と示す場合、第2体積が第1体積より大きくなるように構成されうることを意味する。
【0066】
図1より、各チャネル密封部9、10の、クロッチ部8の縦延伸部に対応する長さはl1でありうることに留意されたい。チャネル密封部9、10の長さl1は各々、吸収性物品1の全長lの5〜50%、例えば、10〜50%、例えば、28〜38%の範囲であってよい。さらに、各チャネル密封部9、10の長さl1は、吸収性コア5の長さの10〜60%、例えば20〜60%、例えば30〜50%の範囲であってよい。
【0067】
さらなるパラメーターは、吸収性物品1のチャネル密封部9、10の縦方向の位置である。当該位置は、物品1の前縁部19と各チャネル密封部9、10の前縁部20との間の距離l2を適当な値を選択して決めることができる。これは、明らかに、前記距離l2を短くすると物品1の後縁21とチャネル密封部9、10の後縁22との間の距離l3が長くなり、その逆も同様であることを意味する。
【0068】
吸収性物品1の縦方向におけるチャネル密封部9、10の位置は、物品1の前縁部17と各チャネル密封部9、10の前縁部18との間の距離l2が、物品1の全長lの15〜40%の範囲、例えば22〜25%の範囲であるように選択されうる。
【0069】
上記のように、吸収性部材5a、5b、5cは、上部コアカバー11と下部コアカバー12との間に挟まれている。吸収性コア5は、吸収性物品1の作製中にトップシート3とバックシート4との間に配置され、不織布に包まれた単一層として作製することができる。
【0070】
さらに、トップシート3は、側部セグメント5b、5cの表面に、スキンケア組成物等の少なくとも1つの添加剤材料を含んでよい。側部セグメント5b、5cが、吸収性物品1の着用者の身体に最も近いからである添加剤は、側部セグメント5b、5cを覆うトップシートの部分に配置されてよい。
【0071】
当業者に公知のように、吸収性物品1にはさらに、例えばベビー用おむつや失禁用衣類等の吸収性物品に一般に用いられる締め付けタブ、弾性要素、及び他の要素等のさらなる構成要素を備えてよい。このような追加の構成要素は、本明細書では詳細に説明されない。
【0072】
図1を参照すると、吸収性コア5は密封部アレンジメント9、10、15、16、27、28すなわち、上記チャネル密封部9、10と側部シーム15、16及び連結密封部27、28を備える。
図1に示すように、側部シーム15、16は、コアの側縁17、18に沿って延伸し、当該連結密封部27、28は側部シーム15、16を接合する。
【0073】
側部シーム15、16は、吸収性物品1のクロッチ部8方向に、第1側部シーム幅w3及び第2側部シーム幅w4をそれぞれ備えることができる。
【0074】
図1及び3に示すように、チャネル密封部9、10は、略直線状であり、縦軸x1に略平行である。また、側部シーム15、16は、縦軸x1に対して略直線状であってよい。
【0075】
図3、4及び5を参照して、密封部アレンジメント15、16、27、28は、熱的及び/又は機械的溶接、例えば超音波溶接で作製された溶接パターン23によって構成されてよい。溶接パターン23は、密封部アレンジメント15、16、27、28を形成する異なる形状に配置された溶接スポット24を含んでよい。溶接パターン23の部分は、第1軸25に沿って配置される第1縦列23aに配置される溶接スポット24を含んでよい。また、さらなる数の溶接スポット24が、溶接スポット24が第2軸26に沿って延びる第2列23bに配置される。さらに、第1軸25及び第2軸26は、互いに第1角度α1を備えるように延伸する。このように、吸収性コア5は、密封強度が縦方向及び横方向でも確実に、高いレベルになるように製造することができる。密封部アレンジメント15、16、27、28作製用溶接プロセスにより提供される密封強度は、溶接パターン23の上記構成を用いて最適化することができる。
【0076】
溶接スポット24の面積の和は、横軸x1の方向に沿って一定である。
図1に開示されているように、横軸x1は吸収性物品1の幅に沿って延びており、溶接スポット24の面積の和はこの方向に沿って一定である。
図1に開示されているように、横軸x1の方向に沿った各列には6つの溶接スポット24があり、したがって、
図1の横軸x1の方向に沿った溶接スポット24の面積の和は、横軸x1の方向に沿った1列にある6つの溶接スポット24のそれぞれの面積の和である。
図5は、3つの異なる行x2、x3、x4上の3つの横軸を開示し、各軸は、6つの溶接スポット24を横切る。したがって、各横軸x2、x3、x4における溶接スポット24の面積の和は、すべて互いに等しい。製造工程では、溶接スポット24は、吸収性物品1の縦軸y1の方向に一定のエネルギー移動で溶接され、溶接スポット24の面積の和は、各横方向の列に沿って一定の面積を獲得しうる。
図1に開示されているように、吸収性物品1は、2つの連結密封部27,28を備えてよく、ここで、連結密封部27,28は、縦軸方向の側部シーム15,16の長さを超えてはみ出すことはない。
【0077】
吸収性物品の横方向の列に沿った個々の溶接スポットの面積は異なってよい。また、横方向に沿った溶接スポット24の数も多様でよい。したがって、第1横方向行の個々の溶接スポット24は第1面積であってよく、第2横方向行の個々の溶接スポット24は第2面積であってよく、その場合であっても横方向の溶接スポット24の面積の和は各行について等しい。
【0078】
製造工程中、溶接スポット24は、溶接スポット24の面積の和が横軸方向に沿って一定であり、かつ横軸方向x1に沿った溶接スポット24の量の和が一定となるように溶接されてよい。換言すれば、横軸方向に沿った溶接スポット24の面積及び溶接スポット24の量の和は一定であってよい。また、横軸方向に沿った溶接スポット24の総和は、2〜20の範囲内、例えば、4〜8の範囲内であってよい。
【0079】
図1及び5に開示されているように、溶接スポット24は、異なる配置で構成されてよい。密封部アレンジメント15、16、27、28の各隣接する溶接スポット間の最小距離は、異なってよい。第1連結密封部27の各隣接する溶接スポット間の最小距離は、第2連結密封部28の各隣接する溶接スポット間の最小距離よりも大きくても、小さくてもよい。さらに、第1連結密封部27における各隣接する溶接スポット間の最小距離は、側部シーム15、16又はチャネル密封部9、10における各隣接する溶接スポット間の最小距離よりも大きくても、又は小さくてもよい。
図5に開示されているように、溶接スポット24は、2つの対に配置されてよく、溶接スポット24の対の各個別の溶接スポット間の最小距離は、溶接スポット24の2つの隣接する対の溶接スポット間の最小距離よりも小さくてよい。密封部アレンジメント15、16、27、28における溶接スポット24の間の距離が多様でありうることにより、溶接パターン23における溶接スポット24の構成が多様でありうる。これにより、密封部アレンジメント15、16、27、28の形状及び/又は構造を変えて、吸収性物品の構造を最適化しうる。いくつかの構成は、吸収性物品1のフィット感にとってより有利でありえ、いくつかの構成は、吸収性物品1の剛性にとってより有利でありうる。さらに、溶接パターン23は、吸収性物品の他の要素の形状に適合するように、又は概ね従うように変更されてよく、当該要素は、吸収性部材5a、5b、5c又は吸収性コア5等の輪郭であってよい。用語「最小距離」とは、1つの溶接スポットの端部から隣接する溶接スポットの最も近い端部までの最小距離を意味する。この距離は、0.001mm〜40mmの範囲内であってよい。
【0080】
図1及び5に開示されているように、少なくとも1つの連結密封部27、28は、一方の側部シーム15に隣接する第1点Aと、他方の側部シーム16に隣接する第2点Bと、縦軸y1に沿って配置された第3点Cを備えてよい。当該3点A、B、Cは、三角形の形状を形成してよい。点A及びBは、三角形の基部を形成する横軸x1の方向に沿って延びる長さが第1長である第1線を形成してよく、点Cは頂点を形成してよい。さらに、点Cは、Cから縦軸y1に沿って三角形の基部まで延びる長さが第2長さである第2線を形成してよい。換言すれば、第1及び第2の連結密封部27,28は、三角形の形状を形成する3点A,B,Cを備えてよく、点Cは頂点を画定し、点A〜Bは基部を形成し、ここで、三角形の頂点から基部までの縦方向の距離は異なってよい。また、三角形の頂点から三角形の基部までの距離は、少なくとも1つの連結密封部27,28の「最大長」といってよい。第1連結密封部27の最大長と第2連結密封部28の最大長は異なってよい。第1連結密封部27の縦方向の最大長は、第2連結密封部28の縦方向の最大長より長くてよい。
【0081】
連結密封部27,28は、概ねV字形又は矢印形であってよく、ここで、V字形又は矢印形の先端は点Cであってよく、少なくとも1つの連結密封部27,28のV字形又は矢印形の形状は、横軸x1に向かって内向きであり、及び/又は横軸x1から離れて外向きであってよい。少なくとも1つの連結密封部27、28の当該形状により、製造プロセスがより効率的になる。製造は、一定のエネルギー移動を伴うので、一定のエネルギープロセスで連結密封部27、28及び側部シーム15、16を形成する課題が生じる可能性があり、それゆえ、V字形は、密封部アレンジメント15、16、27、28を当該方法で製造しうる解決策である。さらにそれにより、コアの噛合が改善されうる。密封部アレンジメント15、16、27、28は、第1及び第2の連結密封部27、28を備えてよく、第1及び第2の連結密封部27、28は、互いに向かってV字形である。
【0082】
上記のように、少なくとも1つの連結密封部27、28の点は三角形を形成してよく、当該三角形の高さは「最大長」及び「第2長」という。
【0083】
図1及び5に示すように、第1連結密封部27及び第2連結密封部28の第2長は多様でよい。第2長が短いほど、隣接する溶接スポット24及び/又は隣接する溶接スポット対の間の最小距離は長くてよい。吸収性物品1は、吸収性部材15a、15b、15cが前部6の吸収性部材15a、15b、15cよりも少ないように構成されてよく、その結果、第2長は、第1連結密封部27の方が長くてよい。さらに、少なくとも1つの連結密封部27,28の第2長は、各々連結密封部27,28における溶接スポット24及び/又は一対の溶接スポット24の間の最小距離がより短くなるように変化しうる。最小距離が短ければ、溶接スポット24又は一対の溶接スポット24の間の長さが短くなるために、溶接の剛性が向上しうる。
図1では、前部6における連結密封部27の第2長は、後部7における連結密封部28の第2長より長い。
【0084】
図1に開示されているように、少なくとも1つの連結密封部27,28は、縦軸y1に関して対称に配置されてよい。
【0085】
さらに、第1連結密封部27は、縦軸y1に対して角度を形成してもよい。この角度は、90°と等しいか、又は90°以下であってもよい。第2連結密封部28もまた、縦軸y1に対して角度を形成してよく、
図1には、この角度が、90°未満であり、第1連結密封部27が90°未満であり、第2連結密封部28の角度が90°以上である図が開示される。角度は、連結密封部27,28の溶接スポット24を直線で接続し、その直線と点Cの縦軸y1との間の角度をさらに測定することで測定しうる。
【0086】
各溶接スポットの長さと幅について、長さは幅の少なくとも1.1倍又は1.2倍であってよい。各溶接スポットの長さは、1〜6mmであってよく、1.5〜4.5mmであってよい。各溶接スポットの幅は、0.5〜3.0mm、又は0.8〜1.2mmであってよい。溶接スポット24の形状は、概ね円形、長方形、楕円形又は長方形の形状でありうる。物品の縦軸に隣接する2つの溶接スポット24の間の距離は、各溶接スポットの中心点から測定して1〜5mmであってよい。
【0087】
第1角度α1は、45〜130°であってよく、45〜100°であってよく、45〜70°であってよい。また、
図3及び
図4に示すように、前記第1角度α1は、90°であってよい。
【0088】
また、
図3及び
図4に示すように、第1軸25は、縦軸y1を基準とした角度α2を画定してよく、当該角度α2は、30〜60°であってよい。
【0089】
図4では、各側部シーム15,16の溶接スポット24の1列23cをクロッチ部8に沿って教示し、各側部シーム15,16の溶接スポット24の3列23c,23d,23eを前部6及び後部7に沿って教示するが、これに限定されず、各側部シーム15,16の溶接スポット24の3列23c,23d,23eを前部6及び後部7に沿って教示してもよい。また、各側部シーム15,16は、各々前部6及び後部7に沿って第5側部シーム幅w5及び第6側部シーム幅w6を画定してよい。
【0090】
このように超音波溶接パターン23を用いることにより、その縦方向及び横方向ともに密封強度が高い吸収性物品1が提供される。このように、当該吸収性物品1の装着時及び取り扱い時の高い要求を満たすことができ、密封強度は湿潤時でも十分である。
【0091】
図3及び4に示すように、第1列23a及び第2列23bの幅w2は、第1列23aにおける溶接スポット24の有効幅w2aと、第2列23bにおける溶接スポット24の有効幅w2bとの和に等しいという意味で、「有効」幅として定義されてよい。各「有効幅」は、
図4に示すように、物品1の横方向における溶接スポット24の長さとして定義しうる。同様に、溶接スポット24の第3列23cの有効幅w4c、w6cもまた、
図4に示される。クロッチ部8の第3列目23cの有効幅は、
図4に示すように、溶接スポット24の横方向の長さw4cである。また、クロッチ部8の外側の側部シーム16の有効幅(
図1にも示されている)、すなわち側部シーム16を形成する3列目23c,23d,23eの有効幅の合計は、
図4に示されているように、横方向の長さw6c,w6d,w6eの合計である。
【0092】
物品1の横方向の有効幅の和は、コア5の縦軸長に沿って概ね一定でありうる。これは、連結密封部27,28のチャネル密封部9,10及び側部シーム15,16の超音波溶着を含む製造工程において、コア5の縦軸に沿ってチャネル密封部9,10及び側部シーム15,16の超音波溶着が生成されるにつれて、概ね一定のエネルギー伝達が必要になるように配置しうるため、有利である。
【0093】
縦軸y1方向、及び前記縦軸に垂直方向に延びる横軸x1方向を備え、かつ、前部6、後部7、及びクロッチ部8を備える、吸収性物品1の製造方法もまた提供される。当該方法は、以下の工程:
吸収性部材5a、5b、5cを備える吸収性コア5を形成し、前記吸収性部材5a、5b、5cを上面11と下面12を備えるコアカバーで囲む工程;
2つの側部シーム15、16、及び前記上部コアカバー11及び下部コアカバー12を接合する少なくとも1つの連結密封部27、28を提供する工程;
前記吸収性コア5を液体透過性トップシート3と液体不透過性バックシート4で挟む工程、を含む。さらに、前記方法は、
前記2つの側部シーム15、16及び少なくとも1の連結密封部27,28を、複数の溶接スポット24を縦軸y1方向に沿って溶接することを含む、熱的及び/又は機械的溶接プロセスにより形成する工程、であって、ここで、前記溶接スポット24の面積の合計は、横軸x1方向に沿って一定である、工程を含む。
【0094】
吸収性コア5は、上部コアカバー側面11と下部コアカバー側面12との間に、吸収性部材5a,5b,5cを囲むことで吸収性コア5を画定する、前記吸収性部材5a,5b,5cが形成される。次に、側部シーム15,16は、上部カバー側面11と下部カバー側面12とを接合するように形成される。なお、密封部は、超音波溶着により形成されてよい。
【0095】
従って、吸収性コア5は、コアカバー11,12と、少なくとも1つの連結密封部27,28と側部シーム15,16を備える密封部アレンジメント9,10,15,16とで囲まれた吸収性部材5a,5b,5cとで形成されてよい上部コアカバー側面11と下部コアカバー側面12は、密封部アレンジメント15,16,27,28を画定するように接合される。
【0096】
物品1(
図1参照)は、液体透過性トップシート3と液体不透過性バックシート4との間に吸収性コア5を挟み込むことにより形成される。物品1は、上記のように、縦軸y1と横軸x1とを画定する。また、物品1は、前部6と、後部7と、クロッチ部8とを画定する。
【0097】
また、吸収性部材5は、中央セグメント5aの吸収性材料の総量が、各側部セグメント5b,5cの吸収性材料の総量と概ね等しくなるように形成されてよく、側部セグメント5b,5cの吸収性材料の総量よりも重くてよい。さらに、製造方法は、第1幅a1と第3幅b1との比率が、第2幅a2と第4幅b2との比よりも大きくなるように、吸収性コア5が形成されるように構成されてよい。これは、
図1及び
図2を参照した上記説明に対応する。
【0098】
少なくとも1つの連結密封部27,28及び側部シーム15,16は、溶接装置が、吸収性物品1の前部6又は後部7から出発して縦軸線y1に沿って吸収性物品に沿って走行し、吸収性物品1の全長にわたってその走行中に溶接工程を行うように溶接されてもよい。本開示は、添付の特許請求の範囲の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記のように、吸収性物品1を構成する異なる層に用いられる材料及び寸法を変えてよい。吸収性物品は、当業者に公知のように、意図される吸収性物品に応じて、脚弾性体、直立ギャザー、クロッチ及びウエスト弾性体、サイドパネル、締結システム等をさらに含んでよい。