特許第6982218号(P6982218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982218
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】PVDF超音波検出器を有する介入装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   A61B8/00
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-503878(P2021-503878)
(86)(22)【出願日】2019年8月2日
(65)【公表番号】特表2021-524354(P2021-524354A)
(43)【公表日】2021年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2019070885
(87)【国際公開番号】WO2020030546
(87)【国際公開日】20200213
【審査請求日】2021年1月22日
(31)【優先権主張番号】62/716,131
(32)【優先日】2018年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】18198769.4
(32)【優先日】2018年10月5日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ パス ステファン
(72)【発明者】
【氏名】デ ワイス ウィレム−ヤン アレンド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッサー コルネルス ジェラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】ボークホーヴェン レナーテ ウィルヘルミナ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン アメート クマール
(72)【発明者】
【氏名】エルカンプ レイモン クイード
(72)【発明者】
【氏名】ヴィニョン フランソワ ギー ジェラルド マリー
【審査官】 後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/116114(WO,A1)
【文献】 国際公開第2018/060499(WO,A1)
【文献】 国際公開第2018/095793(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00−8/15
A61B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を有する細長いシャフトと、
超音波検出器と、
を有する介入装置において、
前記超音波検出器は、ポリフッ化ビニリデンPVDFホモポリマ箔ストリップを有し、
前記箔ストリップは、前記長手方向軸に沿った軸方向長さを有するバンドを提供するために、前記細長いシャフトの前記長手方向軸の周りに巻き付けられ、
前記軸方向長さは、80乃至120ミクロンの範囲内である、
介入装置。
【請求項2】
前記箔ストリップは、8.5乃至9.5ミクロンの範囲内の厚さを有する、請求項1に記載の介入装置。
【請求項3】
前記細長いシャフトは、22乃至20の範囲内のバーミンガムワイヤゲージを有する、請求項1に記載の介入装置。
【請求項4】
前記箔ストリップが、第1の表面及び第2の表面を含み、
前記超音波検出器は、第1の電気導体及び第2の電気導体を更に有し、
前記第1の電気導体は、前記箔ストリップの前記第1の表面と電気的に接触し、
前記第2の電気導体は、前記箔ストリップの前記第2の表面と電気的に接触し、
前記第1の電気導体及び前記第2の電気導体は、それぞれ、前記超音波検出器に対して前記細長いシャフトに沿った軸方向に分離された位置において前記超音波検出器と電気的に接触させるために前記細長いシャフトに沿って延在する、
請求項1に記載の介入装置。
【請求項5】
前記超音波検出器が、第1のポリマ層及び第2のポリマ層を更に有し、前記箔ストリップ並びに前記第1の電気導体及び前記第2の電気導体が、前記第1のポリマ層と前記第2のポリマ層との間に挟まれている、請求項4に記載の介入装置。
【請求項6】
前記超音波検出器は、電気シールド層を更に有し、
前記電気シールド層は、少なくとも前記バンドの軸方向長さに沿って、前記電気シールドが前記箔ストリップを囲むように、前記第1のポリマ層及び前記第2のポリマ層の前記長手方向軸に対して半径方向外側に配置される、
請求項5に記載の介入装置。
【請求項7】
前記電気シールド層は、前記細長いシャフトの少なくとも一部に沿って延在し、
前記細長いシャフトの前記少なくとも部分に沿って、前記第1の電気導体及び前記第2の電気導体を電気的にシールドするために、前記電気シールド層は、前記第1の電気導体及び前記第2の電気導体を囲む、
請求項6に記載の介入装置。
【請求項8】
前記超音波検出器は、前記長手方向軸に対して半径方向において10乃至100ミクロンの範囲内の厚さを有する、請求項7に記載の介入装置。
【請求項9】
前記超音波検出器は、細長いスタックによって提供され、前記細長いスタックは、
前記箔ストリップと、
前記第1の電気導体と、
前記第2の電気導体と、
前記第1のポリマ層と、
前記第2のポリマ層と、
を有し、
前記細長いスタックは、第1の縁部及び対向する第2の縁部を有し、前記第1の縁部及び前記第2の縁部は、幅寸法によって分離され、前記第1の縁部及び前記第2の縁部は、それぞれ、前記細長いスタックの長さ方向に沿って延在し、前記箔ストリップは、前記細長いスタックの前記長さ方向に対して鋭角を形成する検出器方向に沿って延在し、
前記細長いスタックは、前記箔ストリップが前記バンドを提供するように、前記細長いシャフトの周りに螺旋の形で巻かれる、
請求項5乃至8のいずれか1項に記載の介入装置。
【請求項10】
請求項1に記載の介入装置と、
超音波フィールドを生成するように構成されたビーム形成超音波撮像プローブと、
前記ビーム形成超音波撮像プローブの前記超音波フィールドに対応する再構成された超音波画像を提供するように構成された画像再構成ユニットと、
前記ビーム形成超音波撮像プローブと前記超音波検出器との間で送信される超音波信号に基づいて前記超音波フィールドに対する前記介入装置の前記超音波検出器の位置を計算し、前記超音波検出器の前記計算された位置に基づいて前記再構成された超音波画像内にアイコンを提供するように構成された位置決定ユニットと、
を有する超音波ベースの位置決定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフッ化ビニリデン、すなわちPVDF超音波検出器を有する介入装置に関する。超音波検出器は、位置追跡を含む医療分野における種々の感知用途において使用され得る。1つの例示的な用途では、PVDF超音波検出器は、ビーム形成超音波撮像プローブの超音波フィールドに対する介入装置の位置を追跡するために使用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
医療分野における介入処置は、患者の生体構造に関するより多くの情報を得るために超音波検出器を使用することが増えている。この点に関して、超音波装置は、位置追跡及び血流感知などの感知用途において超音波検出器を備えられてもよい。
【0003】
文献[1]「Huanxiang Lu、Junbo Li、Qiang Lu、Shyam Bharat、Ramon Erkamp、Bin Chen、Jeremy Drysdale、Francois Vignon、and Ameet Jain; P. Golland 他 (編)による"A New Sensor Technology for 2D Ultrasound-Guided Needle Tracking" MICCAI 2014, Part II, LNCS 8674, pp. 389-396, 2014に詳述されている1つの例示的な用途において、超音波センサは、ビーム形成超音波撮像プローブに対する針の位置を追跡するために医療針に取り付けられている。浸漬被覆ポリ(フッ化ビニリデン(VDF)‐トリフルオロエチレン(TrFE))コポリマ、及びジルコン酸チタン酸鉛、すなわちPZTの2つの異なる材料の性能結果が、開示されている。
【0004】
文献US2017/172618A1は、表面を含む導電性本体と、表面上に共形に形成され、表面の一部の周りに形成され、表面の輪郭に従う圧電ポリマを含むセンサとを含む医療装置を開示する。圧電性ポリマは、超音波エネルギを生成又は受信するように構成される。電気接続は、表面に適合し、圧電ポリマと接触する電極に接続される。電気接続は、圧電ポリマへの接続を提供し、表面の一部にわたって導電性本体から電気的に絶縁される。
【0005】
別の文献US5070882Aは、スパイラルリングに形成され、カテーテル先端付近の支持構造上に接着剤で取り付けられた圧電ポリマフィルムの薄いストリップを有するカテーテル先端用の超音波トランスデューサを開示している。フィルムの裏面と支持構造負極との間の電気的接続は、容量結合を介している。フィルムの前面への接続は、カテーテルの正極に接続されたワイヤを介している。針トランスデューサに適した更なる実施形態は、実際のトランスデューサを形成するためにPVDFコポリマの溶液で先端をコーティングすることによって形成される。
【0006】
別の文献WO2017/102338A1は、超音波分野における介入装置の回転を決定することに関する。介入装置に取り付けられた超音波受信器によって検出される、ビーム形成超音波撮像システムからの送信された超音波信号を、超音波信号のビーム形成ビームシーケンスと相関させることによって、ビーム形成超音波撮像システムの超音波ビーム内で追跡されるのに適した介入装置が、提供される。介入装置は、複数の超音波受信器を有する長手方向軸の第1の線形センサアレイを含み、各超音波受信器は、長さ及び幅を有し、アレイは、幅方向に沿って延在する。更に、第1の線形センサアレイは、各超音波受信器の長さが軸に対して長さ方向に配置されるように、軸に関して介入装置の周囲に円周方向に巻き付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この進歩にもかかわらず、この及び他の医療応用分野において、改善された超音波検出器を有する介入装置を提供する余地が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、改良された超音波検出器を有する介入装置を提供することを目的とする。それに対して、介入装置及び超音波ベースの位置決定システムが、提供される。介入装置は、長手方向軸を有する細長いシャフトを有する。介入装置は、ポリフッ化ビニリデン、PVDF、ホモポリマ箔ストリップを含む超音波検出器を有する。箔ストリップは、長手方向軸に沿った軸方向長さを有するバンドを提供するために、細長いシャフトの長手方向軸に巻き付けられる。軸方向長さは、80乃至120ミクロンの範囲内である。
【0009】
本発明者らは、この範囲内のPVDFホモポリマ箔ストリップの軸方向長さが、方位角に対して低い感度変動を有する超音波検出器を提供することを見出した。更に、このような軸方向長さは、小さな方位角においても高感度をもたらす。一般に、このようなバンドの形態の超音波検出器は、0°及び180°の方位角において、すなわち、細長シャフトの長手方向軸に平行な場合、無視できる感度を有し、90°の方位角において、すなわち、細長シャフトに垂直な場合、最大感度を有することが期待され得る。一般に、このようなバンドの形態の超音波検出器の絶対感度は、バンドの軸方向長さに対して直線的にスケールしうると期待されてもよい。驚くべきことに、本発明者らは、80乃至120ミクロンの範囲内の軸方向長さが、小さい方位角における高い感度、及び方位角に対する低い感度変動の両方を示すことを見出した。更に、80乃至120ミクロンの範囲内の軸方向長さは、超音波に対して適切な感度を提供することが見出されている。
【0010】
一態様によれば、箔ストリップは、8.5乃至9.5ミクロンの範囲内の厚さを有する。このような厚さは、高度な可撓性を有する超音波検出器を提供し、バンドが細長いシャフトの長手方向軸の周りに巻き付けられることを可能にする。更に、このような厚さは、欠陥なく確実に製造されることができる。
【0011】
一態様によれば、細長いシャフトは、22乃至20の範囲内のバーミンガムワイヤゲージを有する。超音波検出器バンドは、この範囲内のゲージで針の直径の周りに巻きつけられるのに十分に可撓性である。
【0012】
一態様によれば、超音波ベースの位置決定システムは、介入装置を含む。
【0013】
更なる態様は、添付の特許請求の範囲を参照して説明される。記載された本発明からの更なる利点も、当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】PVDFホモポリマ箔ストリップ103を含む超音波検出器102を有する介入装置100の直交する図を示す。
図1B】PVDFホモポリマ箔ストリップ103を含む超音波検出器102を有する介入装置100の直交する図を示す。
図2】それぞれが100ミクロンの軸方向長さLを有するバンドの形態のPVDFホモポリマ箔ストリップを有する3つの介入装置100、C100‐1、C100‐2、C100‐3、及びそれぞれが300ミクロンの軸方向長さLを有するバンドの形態のPVDFホモポリマ箔ストリップを有する3つの介入装置100、C300‐1、C300‐2、C300‐3に対する、挿入角度90°‐方位角(φ)に対する、検出器感度の測定された変化、Signalを示す。
図3A】電気シールド層105及びPVDFから形成されたホモポリマ箔ストリップ103を含む超音波検出器102を有する介入装置300の直交する図を示す。
図3B】電気シールド層105及びPVDFから形成されたホモポリマ箔ストリップ103を含む超音波検出器102を有する介入装置300の直交する図を示す。
図4A】第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1の電極113及び第2の電極114を含む細長いスタック430の様々なビューを示す。
図4B】第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1の電極113及び第2の電極114を含む細長いスタック430の様々なビューを示す。
図4C】第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1の電極113及び第2の電極114を含む細長いスタック430の様々なビューを示す。
図4D】第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1の電極113及び第2の電極114を含む細長いスタック430の様々なビューを示す。
図4E】第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1の電極113及び第2の電極114を含む細長いスタック430の様々なビューを示す。
図5A】超音波検出器102が介入装置100の細長いシャフト101の周りに螺旋状に巻かれた細長いスタック430によって提供される、介入装置100の直交する図を示す。
図5B】超音波検出器102が介入装置100の細長いシャフト101の周りに螺旋状に巻かれた細長いスタック430によって提供される、介入装置100の直交する図を示す。
図6】介入装置100を含む例示的な超音波ベースの位置決定システム600を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の原理を説明するために、医療用針の形態の介入装置は、針上の超音波検出器の位置が、ビーム形成超音波撮像プローブの超音波フィールドに対して決定される、例示的な位置追跡用途を特に参照して説明される。
【0016】
しかしながら、本発明は、血流感知のような超音波検出器を使用する他の医療応用分野にも使用されうることを理解されたい。また、本発明は、一般に、カテーテル、ガイドワイヤ、生検装置、ガイドワイヤ、ペースメーカリード、静脈ライン、又は外科用器具を含むが、これらに限定されない、医療用針以外の他の介入装置にも用途を見つける。介入装置は、例えば、局所麻酔のための日常的な針挿入から、癌の生検及び経皮的アブレーション、及びより進んだ介入処置まで、多種多様な又は医療処置において使用され得る。
【0017】
図1は、PVDFホモポリマ箔ストリップ103を含む超音波検出器102を有する介入装置100の直交する図を示す。介入装置100は、長手方向軸(A‐A')を有する細長いシャフト101と、超音波検出器102とを含む。超音波検出器102は、PVDFホモポリマ箔ストリップ103を含む。箔ストリップ103は、長手方向軸A‐A'に沿った軸方向長さLを有するバンドを提供するために、細長いシャフト101の長手方向軸A‐A'に巻き付けられる。バンドは、長手方向軸A‐A'に対して垂直な平面内にある。更に、軸方向長さ(L)は、好ましくは80乃至120ミクロンの範囲内である。
【0018】
上述のように、この範囲内のPVDFホモポリマ箔ストリップの軸方向長さは、方位角に対して低い感度変動を有する超音波検出器を提供することが見出された。高性能は、また、80乃至110ミクロン、又は90乃至120ミクロン、又は90乃至110ミクロンのより狭い範囲内でも見出される。更に、このような軸方向長さは、小さな方位角においても高感度をもたらす。両方の結果は、異なる材料、すなわちPVDFコポリマ及びPZTから作製され、異なる構造タイプ、すなわち浸漬コーティングを使用した超音波検出器について[1]で報告された高度に可変の感度性能結果を考慮すると、幾分驚くべきことである。
【0019】
図2は、それぞれが100ミクロンの軸方向長さLを有するバンドの形態のPVDFホモポリマ箔ストリップを有する3つの介入装置100、C100‐1、C100‐2、C100‐3、及びそれぞれが300ミクロンの軸方向長さLを有するバンドの形態のPVDFホモポリマ箔ストリップを有する3つの介入装置100、C300‐1、C300‐2、C300‐3について、挿入角度90°‐方位角(φ)に対する検出器感度の測定された変化、Signalを示す。本明細書で定義される方位角φは、天頂、すなわち、長手方向軸A‐A'に平行であり、介入装置の遠位端の方向を指す線と、超音波源OUSの原点との間に形成される角度として図1に示され、この角度は、PVDF箔バンドの中心に配置される頂点を有する。挿入角θは、図1に示されるようにθ=90‐φと定義される。パラメータSignalは、方位角90°における値に対して正規化された検出信号を表す。
【0020】
一般に、このようなバンドの形態の超音波検出器は、方位角0°及び180°において、すなわち、細長シャフト101の長手軸A‐A'に平行な場合、無視できる感度を有し、方位角90°において、すなわち、細長シャフトに垂直な場合、最大感度を有することが期待され得る。一般に、このようなバンドの形態の超音波検出器の絶対感度は、バンドの軸方向長さに対して線形にスケールしうることが期待されてもよい。
【0021】
上記の3つの傾向は、図2の測定結果において実際に観察される。最大信号は、挿入角度0°又は方位角度90°において測定され、信号は、75°より大きい入射角度、すなわち15°より小さい方位角度においてゼロに向かう傾向がある。更に、300ミクロンの軸方向長さの装置、C300−1、C300−2、C300−3に対する最大信号は、100ミクロンの軸方向長さの装置、C100−1、C100−2、C100−3の約3倍である。
【0022】
驚いたことに、図2に示されるように、100ミクロンの軸方向長さの装置についての測定は、小さな方位角、特に、50°乃至70°の挿入角における高い感度と、方位角に対する低い感度変動との両方を示す。実際、100ミクロンの軸方向長さの装置C100−1、C100−2、C100−3は、300ミクロンの軸方向長さの装置C300−1、C300−2、C300−3よりも、50°乃至70°の挿入角度において、更に高い感度を示す。約1.5倍の100ミクロンの軸方向長さの装置C100−1、C100−2、C100−3に対する方位角による変動は、約0°乃至70°の挿入角度範囲内で、約5.4倍の300ミクロンの軸方向長さの装置C300−1、C300−2、C300−3に対する方位角による変動よりも大幅に小さい。
【0023】
この発見は、このようなバンドに形成されたPVDF検出器にとって非常に重要である。方位角による感度の変動が小さいことは、一様な信号対雑音比性能を提供し、検出された信号レベル又は方位角に依存する調節可能な利得を介してこれを提供するために、さもなければ必要となり得る切り替え可能な増幅器の必要性を排除し得る。更に、範囲などのセンサパラメータを決定するために検出された信号強度を使用する用途は、図2に示される100ミクロンの装置の大幅に平坦な感度プロファイルから利益を得ることができる。更に、100ミクロンの軸方向長さを有するバンドは、超音波に対して適切な感度を提供することが見出されている。これよりも著しく短い軸方向長さを持つバンドは、貧弱な信号対雑音比の結果になりうる。
【0024】
上述のように、箔ストリップ103は、PVDFホモポリマから作られる。本明細書で使用されるPVDFホモポリマという用語は、ポリマ全体を形成するように、単一のモノマ、特にビニルジフルオリド、すなわちVDFが繰り返される、ポリマを指す。この用語は、ポリマを形成する2つのモノマが存在する、コポリマと区別するために使用される。この用語は、また、2つの異なるホモポリマが溶融物中で混合される、ポリマブレンドという用語と区別するために使用される。PVDFホモポリマ箔の1つの例示的な供給者は、英国のグッドフェロー・ケンブリッジである。他の同様のPVDFホモポリマ箔は、箔ストリップ103を提供するために同様に使用されてもよい。箔ストリップ103は、オプションとして、8.5乃至9.5ミクロンの範囲内の厚さを有してもよい。このような薄層は、特に細長いシャフト101の周りのバンドとしての箔ストリップ103の巻き付けを可能にする高い可撓性と、適切な信号強度との間のバランスを提供する。より薄い層は、信頼できる形で製造するのに扱いにくい可能性がある。更に、箔ストリップ103は、広範囲の細長いシャフト直径で使用されうるが、好ましくは、細長いシャフト101は、22乃至20の範囲のバーミンガムワイヤゲージに対応する直径、すなわち、0.7176ミリメートル乃至0.9081ミリメートルの公称外径を有する。
【0025】
図3は、電気シールド層105及びPVDFから形成されたホモポリマ箔ストリップ103を含む超音波検出器102を有する介入装置300の直交する図を示す。図1と同じ参照符号を有する図3の特徴は、同じ特徴を指す。電気シールド層105は、超音波検出器102及び/又は細長いシャフト101に沿って延在し、それによって電気シールドを提供しうる、図3Aに示されていない、任意の電気導体を取り囲んでもよい。電気シールド層105に適した材料は、銅、金などの金属を含む。電気絶縁体層104は、図3に示されるように、箔ストリップ103と電気シールド層105との間に配置されてもよい。電気絶縁体層104は、一部の実装において、箔ストリップ103を電気シールド層105から電気的に絶縁するために使用されてもよい。電気絶縁体層104は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、PET、ポリイミド、PI、又はポリアミド、PAに対して、ポリマのような絶縁体から形成されてもよい。
【0026】
図3は、また、オプションの保護チューブ106を含む。保護チューブ106は、滅菌可能な外側コーティングを提供し、及び/又は超音波検出器への水分の侵入を低減し得る。保護チューブ106は、また、超音波検出器上に滑らかなトポロジを提供してもよく、それによって、身体内への介入装置の滑らかな導入を提供してもよい。保護チューブ106として使用するために、種々の材料が考えられる。熱収縮材料は、低減された製造の複雑さの利点の観点から好ましい。PVDF、HDPE、LDPE、EMAを含むポリオレフィン及びフルオロポリマが、企図される材料の中にある。保護チューブ106のための適切なポリエステルPET材料の供給業者は、米国コロラド州のノードソンメディカル及び米国のレイケム社を含む。
【0027】
細長いシャフト101上に箔ストリップ103を設けるために、様々な技術が考えられる。これらは、バンドを提供するために細長いシャフト101の周りに箔ストリップ103を巻き付けること、細長いシャフト101上に層のスタックをアセンブルすること、又は事前にアセンブルされた層のスタックを提供し、このスタックをシャフトに取り付けることを含む。電気導体は、その後、箔ストリップに接続されてもよく、又はこれらは、層内に組み込まれてもよい。例示的な事前にアセンブルされたスタック構成に関して、図4は、第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1の電極113、及び第2の電極114を含む細長いスタック430の様々な図を示す。超音波検出器102が介入装置100の細長いシャフト101の周りに螺旋状に巻かれた細長いスタック430によって提供される、介入装置100の直交する図を示す図5を参照すると、細長いスタック430は、介入装置100を提供するために細長いシャフト101に取り付けられてもよい。細長いシャフトは、例えば、図5に示されるような医療針のシャフトであってもよく、又は実際に別の医療装置のシャフトであってもよい。図4Aにおいて、箔ストリップ103は、細長い軸102に巻き付けられる場合に、超音波検出器102が、図5に示されるように、長手方向軸A−A'に垂直な平面内に存在するバンドの形態で提供されるように、ストリップに対して傾斜されることに留意されたい。代替の取り付け技術では、箔ストリップ103は、細長いスタック430が、長手軸A−A'に沿って平行な電気導体111、112と共に長手方向軸A−A'に沿って長さ方向に取り付けられる場合に、超音波検出器102が、再びバンドの形態で提供されるように、ストリップに対して垂直に配置されてもよい。
【0028】
図4を参照すると、細長いスタック430は、図4Aにおいて平面図で示され、図4B及び図4CにおいてB−B'及びC−C'を通るセクションとして示され、図4D及び図4EにおいてB−B'及びC−C'を通る分解セクションとして示される。細長いスタック430は、箔ストリップ103、第1の電気導体111、第2の電気導体112、第1のポリマ層117、及び第2のポリマ層118を含む。
【0029】
ポリマ層117、118は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、PET、ポリイミド、PI、又はポリアミド、PAなどの材料から形成されてもよい。更に、ポリマ層117、118は、それらの表面の一方又は両方に、接着剤コーティング、オプションとして感圧接着剤コーティングを含んでもよく、これらは、図4において接着剤層116、120、115、119として示されている。接着剤は、層の各々を一緒に結合するように作用する。感圧接着剤は、圧力を加えると接着結合を形成する材料のクラスである。感圧接着剤の適切な供給業者は、3M社(米国)を含む。PSA被覆ポリマシート、すなわち箔が、特に使用されてもよい。片面又は両面にPSAを有するポリマ層が、使用されてもよい。PSA被覆ポリマシートは、典型的には、除去可能な剥離層を設けられ、この剥離層は、接着剤コーティングを露わにするように剥がされ、それによって、その接着特性が必要とされるまで接着剤層を保護する。箔は、様々なポリマ材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート、PET、ポリイミド、PI、又はポリアミド、PAから形成されてもよい。典型的には、箔は、電気絶縁材料から形成される。
【0030】
オプションとして、細長いスタック430は、上述のように、超音波検出器102及び/又は電気導体111、112に電気シールドを提供する電気シールド層105を含んでもよい。
【0031】
細長いスタック430は、第1の縁部107及び反対の第2の縁部108を有し、第1の縁部107及び第2の縁部108は、幅寸法Wだけ分離されている。第1の縁部107及び第2の縁部108は、それぞれ、細長いスタック430の長さ方向109に沿って延在する。箔ストリップ103は、細長いスタック430の長さ方向109に対して鋭角αを形成する検出器方向110に沿って延在する。
【0032】
オプションとして、図4の幅寸法Wは、螺旋の連続するターンの隣接する第1及び第2の縁部107、108が、隣接する又は互いに重複する、又はギャップによって分離されるように、規定されてもよい。
【0033】
螺旋の連続するターンが互いに隣接する、すなわち、ちょうど接触するためには、以下の式が、満たされるべきである。
W=π・D・Sin(α) 式1
【0034】
ここで、αは、長さ方向109に対して検出器方向110によって規定される鋭角であり、Dは、細長いシャフト101の直径である。Wが上記の値を超えるように構成することによって、螺旋の連続するターンは、互いに重複する。同様に、Wがこの値未満であるように構成することによって、ギャップが、螺旋の連続する巻ターンの間に設けられてもよい。
【0035】
上述したように、この実施において、細長いスタック430は、箔ストリップ103がバンドを提供するように、細長いシャフト101の周りに螺旋の形で巻かれる。
【0036】
図4の細長いスタック430に対する図5の螺旋巻き付けは、超音波検出器102を細長いシャフト101に取り付ける便利な方法を提供する。介入装置は、例えば、細長いスタック430にわたって巻かれ、接着層119を用いて介入装置に取り付けられてもよい。隣接するターン又は重複する隣接ターンは、それぞれ、介入装置110に滑らかな外面を提供し、それによって、体内への挿入に対する抵抗を低下させ、巻かれた細長いスタック430の下にある材料の露出を回避するように作用する。
【0037】
特に図4Cを更に参照すると、細長いシャフト101に取り付けられ得る箔ストリップ103は、第1の表面及び第2の表面を含む。超音波検出器102は、第1の電気導体111及び第2の電気導体112を更に有する。第1の電気導体111は、箔ストリップ103の第1の表面に電気的に接触し、第2の電気導体112は、箔ストリップ103の第2の表面に電気的に接触する。更に、図5に示されるように、細長いシャフト101に取り付けられる場合に、第1の導体111及び第2の導体112は、それぞれ、超音波検出器102に対して細長いシャフト101に沿った軸方向に分離された位置で超音波検出器102と電気的に接触するために、細長いシャフト101に沿って延在する。
【0038】
図4Cの超音波検出器102は、また、第1のポリマ層117及び第2のポリマ層118を含む。箔ストリップ103及び第1の電気導体111及び第2の電気導体112は、第1のポリマ層117と第2のポリマ層118との間に挟まれている。
【0039】
図4Cの超音波検出器102は、また、オプションの電気シールド層105を含んでもよい。電気シールド層105は、図3Aに示されるように、少なくともバンドの軸方向長さLに沿って、電気シールドが箔ストリップ103を囲むように、第1のポリマ層117及び第2のポリマ層118の長手方向軸A−A'に対して半径方向外側に配置される。結果として、電気シールド層105は、細長いシャフト101の少なくとも一部に沿って延在する。更に、図3に示されるように、細長いシャフト101の少なくとも一部に沿って、電気シールド層105は、第1の電気導体111及び第2の電気導体112を電気的にシールドするために、第1の電気導体111及び第2の電気導体112を囲んでもよい。図3Aでは、電気導体111、112は、細長いシャフト101の長さの実質的な部分に対して電気シールド105によってこのように囲まれているが、このような電気シールドには電気導体との外部電気接触を行うためのギャップが存在してもよいことに留意されたい。
【0040】
オプションとして、低い挿入抵抗を維持するために、好ましくは、図4Cの超音波検出器102は、10乃至100ミクロンの範囲内の厚さを有し、これは、細長いシャフト101の長手方向軸A−A'に対して半径方向に測定される。10乃至80ミクロンの範囲内の厚さは、改善された性能を提供する。10ミクロンよりもかなり薄い超音波検出器は、ますます製造しにくくなる。
【0041】
上述のように、1つの例示的な実施では、本明細書に記載される介入装置が、超音波ベースの追跡用途で使用されてもよい。この実施において、超音波検出器102は、ビーム形成超音波撮像プローブによって放射される超音波信号を検出するように構成されてもよく、超音波検出器の位置は、検出された超音波信号に基づいて決定されてもよい。それに対して、図6は、介入装置100を含む例示的な超音波ベースの位置決定システム600を示す。
【0042】
図6を参照すると、超音波ベースの位置決定システム600は、介入装置100、ビーム形成超音波撮像プローブ640、画像再構成ユニット642、及び位置決定ユニット643を含む。ディスプレイ644、撮像システムインタフェース645、及び撮像システムプロセッサ646も、オプションとして含まれてもよい。ビーム形成超音波撮像プローブ640は、超音波フィールド641を生成するように構成される。画像再構成ユニット642は、ビーム形成超音波撮像プローブ640の超音波フィールド641に対応する再構成超音波画像を提供するように構成される。位置決定ユニット643は、ビーム形成超音波撮像プローブ640と超音波検出器102との間で送信される超音波信号に基づいて、超音波フィールド641に対する介入装置100の超音波検出器102の位置を計算し、超音波検出器102の計算された位置に基づいて、再構成された超音波画像内のアイコンを提供するように構成される。撮像システムプロセッサ646、撮像システムインタフェース645、及びディスプレイ644も、図6に示されている。様々なユニット間のリンクは、それぞれの通信リンクを示す。
【0043】
ユニット640、642、644、645、及び646は、一緒に、従来の超音波撮像システムを形成する。ユニット642、644、645及び646は、従来、ビーム形成超音波撮像プローブ640と有線又は無線通信するコンソール内に配置される。ユニット642、644、645及び646のいくつかは、代わりに、例えばフィリップスのルミファイ超音波撮像システムのように、ビーム形成超音波撮像プローブ640内に組み込まれてもよい。ビーム形成超音波撮像プローブ640は、超音波フィールド641を生成する。図6において、関心領域ROIをインターセプトする超音波フィールド641内で超音波エネルギを送受信する線形超音波トランシーバアレイを含む2Dビーム受信超音波撮像プローブ640が、図示されている。超音波フィールドは、図6では扇形であり、図示された像平面を一緒に提供する多数の超音波ビームB1..kを含む。図6は、扇形ビームを示しているが、本発明は、特定の形状の超音波フィールドでの使用、又は実際には平面超音波フィールドに限定されないことに留意されたい。ビーム形成超音波撮像プローブ640は、また、超音波ビームB1..kにおいて超音波信号を生成及び検出するために、送信又は受信する信号の位相を増幅及び/又は調整するように構成された、図示されていない、電子ドライバ及び受信器回路を含んでもよい。
【0044】
使用時には、上述した従来の超音波撮像システムが、以下のように動作する。オペレータは、撮像システムインタフェース645を介して超音波処置を計画してもよい。一度動作手順が選択されると、撮像システムインタフェース645は、撮像システムプロセッサ646をトリガして、ビーム形成超音波撮像プローブ640に送信される信号を生成し、これによって検出された信号を解釈するアプリケーション特有のプログラムを実行する。図示されないメモリは、このようなプログラムを記憶するために使用されてもよい。メモリは、例えば、ビーム形成超音波撮像プローブ640によって送信及び/又は受信される超音波信号のシーケンスを制御するように構成された超音波ビーム制御ソフトウェアを記憶してもよい。画像再構成ユニット642は、ビーム形成超音波撮像プローブ640の超音波フィールド641に対応する再構成超音波画像を提供する。したがって、画像再構成ユニット642は、超音波フィールド641によって規定され、関心領域ROIをインターセプトする画像平面に対応する画像を提供する。画像再構成ユニット642の機能は、代替的に、撮像システムプロセッサ646によって実行されてもよい。画像は、その後、ディスプレイ644上に表示されてもよい。再構成された画像は、例えば、「2Dモード」画像、「Cモード」画像又はドップラモード画像、又は実際には任意の超音波画像として他の方法で知られている超音波輝度モード「Bモード」画像であってもよい。
【0045】
また、図6に示されるのは、超音波検出器102を含む医療用針によって例示される介入装置100である。この例示的な用途では、介入装置102、又はより具体的にはその上に配置された超音波検出器102は、位置決定ユニット643によって提供される信号に基づいて、それぞれの超音波フィールド641に対して追跡されてもよい。位置決定ユニットは、ユニット640、642、644、645、646、すなわち、相互接続リンクによって示されるような従来の超音波撮像システムと通信する。位置決定ユニット643は、また、超音波検出器102と通信し、この通信は、例えば、有線又は無線であり得る。位置決定ユニット643の機能は、いくつかの実装形態では、従来の超音波撮像システムのプロセッサによって実行され得る。
【0046】
使用中、超音波検出器102の位置は、ビーム形成超音波撮像プローブ640と超音波検出器102との間で送信される超音波信号に基づいて、位置決定ユニット643によって超音波フィールド641に対して計算される。超音波検出器102は、ビームB1..kに対応する超音波信号を検出する。位置決定ユニット643は、i)超音波検出器102によって検出される各ビームB1..kに対応する超音波信号の振幅に基づいて、及びii)各ビームB1..kの放出と超音波検出器102によるその検出との間の時間遅延、すなわち飛行時間に基づいて、超音波検出器102の位置を識別する。位置決定ユニット643は、この後に、超音波検出器102の計算された位置に基づいて、再構成された超音波画像内にアイコンを提供する。アイコンは、例えば、超音波検出器102の計算された位置を示してもよい。アイコンは、オプションとして、介入装置の一部、例えばその遠位端が位置し得る位置の範囲を示してもよい。より具体的には、位置は、検出された超音波信号に基づいて、超音波フィールド731に対する超音波検出器102の最良適合位置を見つけることによって計算される。
【0047】
これは、以下のように例示されてもよい。超音波検出器102が超音波フィールド641の近傍にある場合、ビームB1..kのうち検出器に最も近いビームからの超音波信号は、比較的大きな振幅で検出され、一方、より遠いビームは、比較的小さな振幅で検出される。典型的には、最大の振幅で検出されるビームが、超音波検出器102に最も近いものとして識別される。このビームは、ビーム形成超音波撮像プローブ640と超音波検出器102との間の面内角θIPAを規定する。対応する範囲は、最大振幅のビームB1..kの放出とその後の検出との間の時間遅延、すなわち飛行時間に依存する。したがって、所望であれば、範囲は、時間遅延に超音波伝播速度を乗算することによって決定されてもよい。したがって、最大の振幅で検出されたビームの飛行時間及び対応する面内角θIPAは、超音波フィールド641に対する超音波検出器102の最良適合位置を識別するのに使用されることができる。
【0048】
上述の超音波ベースの位置決定システム640では、超音波検出器102の感度プロファイルの依存性、又はより具体的には、その絶対値及び/又は介入装置の方位角への依存性が、超音波フィールド641に対する計算された位置に影響を与え得る。それに対して、上述の介入装置の使用は、改善された信頼性及び感度という利点を有する。実際、このような用途で使用する場合、介入装置の挿入角度は、しばしば、約50°以上である。ビーム形成超音波撮像プローブは、身体の表面上に配置されるそのような用途にあり、超音波検出器を支持する針は、しばしば、撮像プローブの位置から側面に、そして撮像平面内に挿入される。図2に表される超音波検出器のより平坦な感度曲線、及びこれらの挿入角度におけるPVDFホモポリマ箔ストリップによって提供されるその高い値は、したがって、システム640において著しい性能上の利点を提供する。
【0049】
上で平面超音波撮像プローブが参照されているが、例示のビーム形成超音波撮像プローブ640は、介入装置100が使用され得るビーム形成超音波撮像プローブの1つの例に過ぎないと理解されるべきである。また、介入装置100は、他のタイプの2D又は3Dビーム形成超音波撮像プローブを含む超音波ベースの位置決定システムにも適用される。これらは、例えば、「TRUS」経直腸超音波検査プローブ、「IVUS」血管内超音波プローブ、「TEE」経食道プローブ、「TTE」経胸腔プローブ、「TNE」経鼻プローブ、「ICE」心臓内プローブを含んでもよい。更に、介入装置100は、位置追跡を超えて医療分野における他の超音波感知用途にも適用されることを理解されたい。
【0050】
要約すると、細長いシャフトと超音波検出器102とを含む介入装置が、記載されている。細長いシャフトは、長手方向軸を有する。超音波検出器は、PVDFホモポリマ箔ストリップを含む。箔ストリップは、長手方向軸に沿った軸方向長さを有するバンドを提供するために、細長いシャフトの長手方向軸の周りに巻き付けられる。軸方向の長さは、80乃至120ミクロンの範囲内である。
【0051】
様々な実施形態及びオプションが、介入装置に関連して記載されており、様々な実施形態は、更なる有利な効果を達成するために組み合わされてもよいことに留意されたい。請求項におけるいかなる参照符号も、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6