特許第6982224号(P6982224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982224発光素子アレイおよびこれを備える光プリントヘッドならびに画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6982224
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】発光素子アレイおよびこれを備える光プリントヘッドならびに画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/447 20060101AFI20211206BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20211206BHJP
   G03G 15/041 20060101ALI20211206BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20211206BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20211206BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20211206BHJP
【FI】
   B41J2/447 101A
   B41J2/45
   G03G15/041
   H01L33/48
   H01L33/08
   H01L33/38
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-533674(P2021-533674)
(86)(22)【出願日】2021年3月3日
(86)【国際出願番号】JP2021008100
【審査請求日】2021年6月11日
(31)【優先権主張番号】特願2020-49512(P2020-49512)
(32)【優先日】2020年3月19日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡部 高範
(72)【発明者】
【氏名】竹内 太郎
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−349343(JP,A)
【文献】 特開平11−235843(JP,A)
【文献】 特開2020−163601(JP,A)
【文献】 特開平05−031955(JP,A)
【文献】 米国特許第04951098(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/041
H01L 33/48
H01L 33/08
H01L 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の半導体基板と、
該半導体基板に第1の長辺に沿って列状に配置された複数の発光素子と、
前記半導体基板に第2の長辺に沿って複数の列状に配置された、複数の前記発光素子のそれぞれに対応する複数の電極パッドと、
前記半導体基板に配置された、互いに対応する前記発光素子と前記電極パッドとを接続する複数の配線とを備え、
複数の列状に配置された複数の前記電極パッドのうち、前記第2の長辺に最も近い列に位置する第1電極パッドは、他の列に位置する第2電極パッドよりも面積が大きく、前記半導体基板の第1の短辺または第2の短辺に最も近い端部に位置する第3電極パッドは、前記第2電極パッドよりも面積が大きい、発光素子アレイ。
【請求項2】
前記第1電極パッドは、前記第2の長辺に沿った方向の幅が、前記第2電極パッドの前記第2の長辺に沿った方向の幅以上であり、前記第2電極パッドの前記第2の長辺に直交する方向の長さよりも大きい、請求項1に記載の発光素子アレイ。
【請求項3】
前記第1電極パッドは、前記第2の長辺に直交する方向の長さが、前記第2電極パッドの前記第2の長辺に直交する方向の長さ以上であり、前記第1電極パッドの前記第2の長辺に沿った方向の幅よりも大きい、請求項1に記載の発光素子アレイ。
【請求項4】
前記第3電極パッドは、前記第2の長辺に沿った方向の幅が、前記第2電極パッドの前記第2の長辺に沿った方向の幅以上であり、前記第2電極パッドの前記第1の短辺または前記第2の短辺に沿った方向の長さよりも大きい、請求項に記載の発光素子アレイ。
【請求項5】
前記第3電極パッドは、前記第1の短辺または前記第2の短辺に沿った方向の長さが、前記第2電極パッドの前記第2の長辺に直交する方向の長さ以上であり、前記第3電極パッドの前記第2の長辺に沿った方向の幅よりも大きい、請求項に記載の発光素子アレイ。
【請求項6】
前記第1電極パッドは、前記第2電極パッドよりも厚さが大きい、請求項1に記載の発光素子アレイ。
【請求項7】
前記第3電極パッドは、前記第2電極パッドよりも厚さが大きい、請求項に記載の発光素子アレイ。
【請求項8】
請求項1〜のいずれかに記載の発光素子アレイと、
該発光素子アレイに電気的に接続されて前記発光素子を駆動する駆動用回路と、
前記発光素子アレイに光学的に結合されたレンズ部材とを備える、光プリントヘッド。
【請求項9】
請求項に記載の光プリントヘッドと、
前記駆動用回路に電気的に接続されて前記発光素子を駆動する駆動用電源と、
前記光プリントヘッドによって、帯電した表面が露光される電子写真感光体とを備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真式プリンタ等の画像形成装置において露光手段として用いられる光プリントヘッドに用いられる発光素子アレイおよびこれを備える光プリントヘッドならびに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の光プリンタなどの画像形成装置においては、露光手段として複数の発光ダイオード素子を有する発光素子アレイを主走査方向に配列した光プリントヘッドを採用するものがある。
【0003】
光プリントヘッドを備えた画像形成装置では、画像データに基づいて発光素子アレイにおいて発光ダイオード素子を選択的に発光させるとともに、その光が光プリントヘッドのレンズアレイを介して電子写真感光体に照射されることによって、一様に帯電した電子写真感光体(以下、感光体ともいう)の表面が露光される。露光された感光体の表面には、静電潜像が形成される。感光体に形成された静電潜像は、トナーによる現像等のプロセスを経てトナー像とされ、このトナー像を記録紙に転写して定着することによって画像が記録される。
【0004】
このような光プリントヘッドとしては、それぞれ複数の発光ダイオード素子を有する複数の発光素子アレイを主走査方向に沿って列状に搭載したものが使用されている。
【0005】
光プリントヘッドに用いられる発光素子アレイに対しては、高画質化のために高分解能化すなわち発光素子の高密度化が求められている。また、発光素子の高密度化に対応して、各発光素子に駆動電力を供給するための配線および電極パッドについても高密度化が進められている。
【0006】
そして、電極パッドの高密度化によってその電極パッドへのワイヤボンディングの信頼性が影響を受けることとなることから、信頼性の高いワイヤボンディングが可能な発光素子アレイを提供することが提案されている(例えば特開平11−235843号公報を参照)。
【発明の概要】
【0007】
本開示の発光素子アレイは、矩形状の半導体基板と、該半導体基板に第1の長辺に沿って列状に配置された複数の発光素子と、前記半導体基板に第2の長辺に沿って複数の列状に配置された、複数の前記発光素子のそれぞれに対応する複数の電極パッドと、前記半導体基板に配置された、互いに対応する前記発光素子と前記電極パッドとを接続する複数の配線とを備える。本開示の発光素子アレイにおいて、複数の列状に配置された複数の前記電極パッドのうち、前記第2の長辺に最も近い列に位置する第1電極パッドは、他の列に位置する第2電極パッドよりも面積が大きく、前記半導体基板の第1の短辺または第2の短辺に最も近い端部に位置する第3電極パッドは、前記第2電極パッドよりも面積が大きい。
【0008】
本開示の光プリントヘッドは、上記の本開示の発光素子アレイと、該発光素子アレイに電気的に接続されて前記発光素子を駆動する駆動用回路と、前記発光素子アレイに光学的に結合されたレンズ部材とを備える。
【0009】
本開示の画像形成装置は、上記の本開示の光プリントヘッドと、前記駆動用回路に電気的に接続されて前記発光素子を駆動する駆動用電源と、前記光プリントヘッドによって、帯電した表面が露光される電子写真感光体とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の発光素子アレイの実施形態の第1の例の概略構成を示す平面図である。
図2】本開示の発光素子アレイの実施形態の第2の例の概略構成を示す平面図である。
図3】本開示の発光素子アレイの実施形態の第3の例の概略構成を示す平面図である。
図4】(a)および(b)はそれぞれ本開示の発光素子アレイの実施形態における電極パッドの例の概略構成を示す断面図である。
図5】本開示の光プリントヘッドの実施形態の一例の概略構成を示す平面図である。
図6】本開示の画像形成装置の実施形態の一例の概略構成を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発光素子アレイにおいて高密度に配置された発光素子に駆動電力を供給するために、対応する電極パッドについても高密度化が進められている。発光素子アレイには、矩形状の半導体基板を用いて、その第1の長辺に沿って多数の発光素子が例えば1列に配置され、第2の長辺に沿って同じく多数の電極パッドが配置される。その際、発光素子に比べて面積が大きい電極パッドを高密度に配置するために、特開平11−235843号公報にも開示されているように、電極パッドを2列または3列の複数列に配置することが行なわれている。
【0012】
しかしながら、高密度に配置された電極パッドは次第に面積が小さくなる傾向にあり、その電極パッドにワイヤボンディングされるワイヤも、例えば径が30μm以下程度の細いものが使用されるようになっている。細いワイヤは電極パッドに対する接合強度が低下する傾向にある。また、ワイヤボンディングには超音波による接合が利用されるものの、半導体基板に対しては基板の端部に近くなるほど超音波の伝導が弱くなり、そのためにワイヤの接合強度が低下する傾向にある。
【0013】
そこで、発光素子アレイにおいて、高密度化した電極パッドに対して、ワイヤボンディングについて良好な接合強度が得られるものが求められている。
【0014】
本開示の発光素子アレイによれば、複数の列状に配置された複数の前極パッドのうち、矩形状の半導体基板における第2の長辺に最も近い列に位置する第1電極パッドは、他の列に位置する第2電極パッドよりも面積が大きい。このことによって、基板の端部に近い第1電極パッドに対してワイヤボンディング時に伝導させる超音波の強度を向上させることができる。また、第2電極パッドに対するよりも太い径のワイヤを使用することができるため、第1電極パッドにおいてより高い接合強度を得ることができる。その結果、高密度化した電極パッドに対して、ワイヤボンディングについて良好な接合強度を有する発光素子アレイを提供することができる。
【0015】
以下、本開示の発光素子アレイおよびこれを備える光プリントヘッドならびに画像形成装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本開示の発光素子アレイの実施形態の第1の例の概略構成を示す平面図である。図1に示す発光素子アレイ1は、半導体基板2と、複数の発光素子3と、複数の電極パッド4と、複数の配線5とを備えている。なお、図1においては、図示が煩雑になるのを避けるために、電極パッド4および配線5の繰り返しは点線で省略するとともに、開示内容の理解に必要でない部分は波線を用いて図示を省略するなど、簡略化して示している。
【0017】
半導体基板2は、平面視で矩形状の形状であり、第1の長辺2aおよび第2の長辺2bを有している。複数の発光素子3は、半導体基板2の第1の長辺2aに沿って列状に配置されている。複数の電極パッド4は、複数の発光素子3のそれぞれに対応するものであり、半導体基板2の第2の長辺2bに沿って複数の列状に配置されている。本例では、複数の電極パッド4は3列の列状に配置されている。複数の電極パッド4は、2列の列状に配置されていても、4列の列状に配置されていてもよい。複数の配線5は、互いに対応する発光素子3と電極パッド4とを電気的に接続するものであり、半導体基板2の表面において発光素子3と電極パッド4との間の領域に配置されている。
【0018】
そして、本開示の発光素子アレイ1においては、複数の列状に配置された複数の電極パッド4のうち、半導体基板2の第2の長辺2bに最も近い列に位置する第1電極パッド4aは、他の列に位置する第2電極パッド4bよりも面積が大きい。これにより、半導体基板2の端部に近い位置にある電極パッド4ではワイヤボンディング時に超音波の伝導が低下する傾向にあるのに対して、第1電極パッド4aに対する超音波の強度を高くして良好な接合強度を確保することができる。あるいは、第1電極パッド4aに対して第2電極パッド4bに比べてより太い径のワイヤを使用することができるので、それによって良好な接合強度を確保することができる。例えば、高密度配置のために第2電極パッド4bに対して使用するワイヤの径が20μmである場合に、第1電極パッド4aに対して使用するワイヤの径を25μmと太くすることができる。この場合にはワイヤの断面積は約1.56倍になるので、断面積の増加に応じて接合強度も向上させることができる。その結果、第1電極パッド4aに対するワイヤボンディングの接合強度が向上し、ワイヤボンディングの信頼性を向上させることができる。従って、この発光素子アレイ1を用いた光プリントヘッドの信頼性および品質を向上させることができる。
【0019】
第1電極パッド4aの面積を第2電極パッド4bの面積よりも大きくする場合には、図1に示す例のように、第1電極パッド4aの長さ(第1の長辺2aと第2の長辺2bとの間の大きさ)および幅(第2の長辺2bに沿った大きさ)の両方を大きくしてもよい。第1電極パッド4aの幅を大きくすることによって、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤを使用するのに好適となる。第2電極パッド4bの長さを大きくすることによって、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤを使用するのに好適となるとともに、第2の長辺2bからわずかでも離れた位置でワイヤボンディングを行なうことができる。その結果、ワイヤ接合時の超音波の伝導をより良くして強度を高くするのに好適となる。
【0020】
ここで、ワイヤボンディングによってワイヤが接合される電極パッド4の大きさは、ワイヤボンディングパッドとして必要な大きさに設定すればよいため、複数の発光素子3の配置密度に対応して変更する必要はない。しかし、発光素子3の配置密度が例えば300dpiから600dpiへと、さらに600dpiから1200dpiへと高密度になると、電極パッド4の個数はそれぞれ2倍に増えることになる。そのため、半導体基板2の第2の長辺2bに沿って電極パッド4を列状に配置する場合に、電極パッド4の大きさを調整しても1列には並びきらないようになってくる。このような場合は、電極パッド4を第2の長辺2bに沿って、2列〜4列に、例えば図1に示す例のように3列に配置して、発光素子3の配置密度に対応して高密度になるように配置すればよい。
【0021】
通常の電極パッド4(第2電極パッド4b)の大きさとしては、例えば幅が60μm程度で、長さが100μm程度とされる。なお、図1に示す例では電極パッド4の形状は矩形の四隅を切り欠いた八角形状であるが、矩形状の形状であってもよく、いずれの場合も同程度の幅および長さに設定される。
【0022】
これに対して、発光素子アレイ1においては、半導体基板2の第2の長辺2bに最も近い列に位置する第1電極パッド4aの大きさについて、例えば幅を65〜85μmとし、長さを100〜140μmとして、他の列に位置する第2電極パッド4bよりも面積を大きくしている。
【0023】
次に、本開示の発光素子アレイ1において、図2図1と同様の平面図で示すように、複数の列状に配置された複数の電極パッド4のうち、半導体基板2の第1の短辺2cまたは第2の短辺(符号なし)に最も近い端部に位置する第3電極パッド4c(第2の短辺側については図示を省略している。)は、第2電極パッド4bよりも面積が大きいことが好ましい。図2は、本開示の発光素子アレイの実施形態の第2の例の概略構成を示す平面図である。図2において、図1と同様の構成および機能を有する部分に同じ符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0024】
複数の電極パッド4のうち半導体基板2の第1の短辺2cまたは第2の短辺に最も近い電極パッド4(第3電極パッド4c)においても、第2の長辺2bに最も近い列に位置する第1電極パッド4aと同様に、半導体基板2の端部に近いため超音波の伝導が弱くなり、ワイヤの接合強度が低下する傾向にある。これに対して、第1の短辺2cまたは第2の短辺に最も近い端部に位置する第3電極パッド4cの面積が、第2電極パッド4bの面積よりも大きいことによって、第3電極パッド4cに対する超音波の強度を高くして良好な接合強度を確保することができる。あるいは、第3電極パッド4cに対して第2電極パッド4bに比べてより太い径のワイヤを使用することができるので、それにより良好な接合強度を確保することができる。
【0025】
なお、半導体基板2において第2の短辺は第1の短辺2cと反対側の短辺であり、図2においては図の右側に現れている短辺であるが、短辺について左右の位置を区別する必要はないので、図2に示した2cを第2の短辺と見ても構わない。
【0026】
次に、本開示の発光素子アレイ1において、図3図1および図2と同様の平面図で示すように、複数の列状に配置された複数の電極パッド4のうち、半導体基板2の第2の長辺2bに最も近い列に位置する第1電極パッド4aと、第1の短辺2cまたは第2の短辺に最も近い端部に位置する第3電極パッド4cとの間に位置する第4電極パッド4dについても、第2電極パッド4bよりも面積が大きいことが好ましい。図3は、本開示の発光素子アレイの実施形態の第3の例の概略構成を示す平面図である。図3において、図1および図2と同様の構成および機能を有する部分に同じ符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0027】
複数の電極パッド4のうち、半導体基板2の第2の長辺2bに最も近い列に位置する第1電極パッド4aと、第1の短辺2cまたは第2の短辺に最も近い端部に位置する第3電極パッド4cとの間に位置する第4電極パッド4dにおいても、第1電極パッド4aおよび第3電極パッド4cに比べればその影響は減少するものの、半導体基板2の端部に近いため超音波の伝導が弱くなり、ワイヤの接合強度が低下する傾向にある。これに対して、複数の電極パッド4の列の端部に位置する第4電極パッド4dの面積が、第2電極パッド4bの面積よりも大きいことによって、第4電極パッド4dに対する超音波の強度を高くして良好な接合強度を確保することができる。あるいは、第4電極パッド4dに対して第2電極パッド4bに比べてより太い径のワイヤを使用することができるので、それにより良好な接合強度を確保することができる。
【0028】
本開示の発光素子アレイ1において、第1電極パッド4aは、第2の長辺2bに沿った方向の幅が、第2電極パッド4bの第2の長辺2bに沿った方向の幅以上であり、第2電極パッド4bの第2の長辺2bに直交する方向の長さよりも大きいことが好ましい。この場合には、第1電極パッド4aに対して、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤの使用について有利となるとともに、第1電極パッド4aと第2の長辺2bとの距離が近い場合に第1電極パッド4aの面積を大きく確保するのに有利となる。
【0029】
また、本開示の発光素子アレイ1において、第1電極パッド4aは、第2の長辺2bに直交する方向の長さが、第2電極パッド4bの第2の長辺2bに直交する方向の長さ以上であり、第1電極パッド4aの第2の長辺2bに沿った方向の幅よりも大きいことが好ましい。この形態は、図1図3に示した例における第1電極パッド4aと第2電極パッド4bとの関係であると言える。この場合には、第1電極パッド4aに対して、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤの使用について有利となるとともに、隣り合う第1電極パッド4a同士の間隔を広く確保できない場合であっても、面積が大きい第1電極パッド4aを限られたスペースに効率よく配置するのに有利となる。
【0030】
また、本開示の発光素子アレイ1において、第3電極パッド4cは、第2の長辺2bに沿った方向の幅が、第2電極パッド4bの第2の長辺2bに沿った方向の幅以上であり、第2電極パッド4bの第1の短辺2cまたは第2の短辺に沿った方向の長さよりも大きいことが好ましい。この場合には、第3電極パッド4cに対して、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤの使用について有利となるとともに、第3電極パッド4cと第1の短辺2cまたは第2の短辺との距離が近い場合であっても第3電極パッド4cに対して印加する超音波について十分な強度を確保するのに有利となる。
【0031】
また、本開示の発光素子アレイ1においては、第3電極パッド4cは、第1の短辺2cまたは第2の短辺に沿った方向の長さが、第2電極パッド4bの第2の長辺2bに直交する方向の長さ以上であり、第3電極パッド4cの第2の長辺2bに沿った方向の幅よりも大きいことが好ましい。この形態は、図2および図3に示した例における第3電極パッド4cと第2電極パッド4bとの関係であると言える。この場合には、第3電極パッド4cに対して、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤの使用について有利となるとともに、第3電極パッド4cと第1の短辺2cまたは第2の短辺との距離が近い場合に第3電極パッド4cの面積を大きく確保するのに有利となる。
【0032】
以上のような第1電極パッド4aについての第2電極パッド4bに対する大きさの関係、および第3電極パッド4cについての第2電極パッド4bに対する大きさの関係は、第4電極パッド4dについても同様のことが言える。その結果、複数の列状に配置された電極パッド4のうち、第2の長辺2bに最も近い列に位置する第1電極パッド4a、および第1の短辺2cまたは第2の短辺に最も近い端部に位置する第3電極パッド4c、ならびにそれらの間に位置して第1の短辺2cまたは第2の短辺に近い端部に位置する第4電極パッド4dについて、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤを使用して、あるいは第2電極パッド4bに対するよりも高い強度で超音波を印加して、良好な接合強度でワイヤボンディングを行なうことができるという点で有利となる。
【0033】
次に、本開示の発光素子アレイ1において、第1電極パッド4aは、第2電極パッド4bよりも厚さが大きいことが、すなわち厚いことが好ましい。また、第3電極パッド4cは、第2電極パッド4bよりも厚さが大きいことが好ましい。さらに、第4電極パッド4dも、第2電極パッド4bよりも厚さが大きいことが好ましい。これにより、第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dに対して、第2電極パッド4bに対するよりも太い径のワイヤを用いて、あるいは第2電極パッド4bに対するよりも高い強度の超音波を印加してワイヤボンディングを行なう際に、より厳しい接合条件に対しても耐久性が向上することとなり、良好な接合強度でのワイヤボンディングを安定して行なうことができる点で有利となる。
【0034】
このように第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dの厚さを第2電極パッド4bの厚さよりも大きく(厚く)する場合の実施形態の例を図4に示す。図4(a)および図4(b)は、それぞれ本開示の発光素子アレイの実施形態における電極パッドの例の概略構成を示す断面図である。図4(a)は第2電極パッド4bについての概略構成を示している。図4(b)は第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dについての概略構成を示している。
【0035】
図4(a)に示す電極パッド4(第2電極パッド4b)は、例えばシリコン(Si)あるいはガリウム砒素(GaAs)またはアルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)などの半導体材料からなる半導体基板2の上面に、例えば窒化珪素(SiN)などからなる絶縁層7(第1絶縁層7a)を介して、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)などの導電材料からなる導体層6(第1導体層6a)が配置されている。この導体層6が、第2電極パッド4bのパッド面に相当する部分である。この導体層6の周囲は、保護層として機能する、例えば窒化珪素などからなる絶縁層7(第2絶縁層7b)が配置されており、その開口部から第2電極パッド4bのパッド面として使用される部分が露出している。この第2電極パッド4bの厚さは、導体層6(第1導体層6a)の厚さにほぼ相当する。
【0036】
これに対して、図4(b)に示す電極パッド4(第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4d)においては、図4(a)に示す第2電極パッド4bと同じく、半導体基板2の上面に、絶縁層7(第1絶縁層7a)を介して、導体層6(第1導体層6a)が配置されており、この導体層6の周囲に、パッド面として使用される部分を露出させる開口部を有する絶縁層7(第2絶縁層7b)が配置されている。そして、その第1導体層6aの上に、開口部を介して、パッド面として使用される部分である導体層6(第2導体層6b)が積層されている。この第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dの厚さは、積層された第1導体層6aと第2導体層6bとの合計の厚さにほぼ相当する。このようにして、第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dの厚さを、第2電極パッド4bの厚さよりも大きくすることができ、ワイヤボンディングに対する耐久性を向上させ、接合強度を向上させることができる。
【0037】
図4(a)および図4(b)に示すような電極パッド4は、いずれもフォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。また、第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dについて、第1導体層6aの厚さを第2電極パッド4bにおけるよりも厚く形成して、第2電極パッド4bと同じ構成で厚さを大きくすることもできる。この場合もフォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0038】
電極パッド4の厚さについては、発光素子3に供給する駆動電力、導体層6の材質、接合するワイヤの材質および径、ワイヤボンディングの接合条件などに応じて適宜設定すればよい。一例として、第2電極パッド4bの厚さを例えば0.7μm程度にした場合に、第1電極パッド4a、第3電極パッド4cまたは第4電極パッド4dの厚さは例えば1.5μm程度に大きくするとよい。これによって、第2電極パッド4bに対するのに比べて太い径のワイヤ、およびより強い接合条件でのワイヤボンディングについても耐久性が向上し、接合強度が向上したワイヤボンディングを安定して行なうことができる。
【0039】
次に、図5に、本開示の発光素子アレイ1を備える光プリントヘッドの実施形態の一例の概略構成を平面図で示す。この光プリントヘッド10の回路基板11には、複数の発光素子アレイ1が列状に搭載されている。これら複数の発光素子アレイ1は、発光素子3が1列に並ぶように、主走査方向に2列に互い違いに対向するようにして、いわゆる千鳥状に配置されている。駆動用回路13は、複数の発光素子アレイ1における発光素子3の発光を制御する各種駆動信号を供給するものであり、定電流電源としての機能を有している。ここで、駆動用回路13と発光素子アレイ1とを電気的に接続する配線は図示を省略している。なお、これらの配線と発光素子アレイ1の電極パッド4とがワイヤボンディングで接続される。あるいは、発光素子アレイ1のそれぞれに近接して駆動用ICを配置し、その駆動用ICの電極パッドと発光素子アレイ1の対応する電極パッド4とがワイヤボンディングで接続される場合もある。
【0040】
また、これら複数の発光素子アレイ1の上方(図5においては手前側に相当する)には、一点鎖線で示したレンズ部材14が配置される。レンズ部材14は、発光素子アレイ1に光学的に結合されて、発光素子アレイ1の発光素子3から出射される光を、画像形成装置における電子写真感光体の表面に導くものであり、図示しない部材を介して発光素子アレイ1に対向するように保持されている。レンズ部材14には、例えば複数のロッドレンズを有するロッドレンズアレイなどが用いられる。ロッドレンズは、屈折率分布型の棒状レンズであり、入射した光を電子写真感光体の表面などの照射面に等倍で照射して結像させる正立等倍型の光学系として機能するものである。レンズ部材14は、複数の発光素子アレイ1の発光素子3における発光ダイオード素子群に対応するように、その略直上において主走査方向に列状に並ぶように、例えば1列の直線状に、あるいは2列の千鳥状に配列される。
【0041】
光プリントヘッド10は、これらに加えて外装および外部の制御回路との接続ケーブルなどの部材を適宜備えて構成される。このような本開示の光プリントヘッド10によれば、本開示の発光素子アレイ1を備えることから、良好な接合強度のワイヤボンディングによって発光素子アレイ1の信頼性に優れているので、信頼性の高い光プリントヘッド10を提供することができる。
【0042】
次に、図6は、本開示の画像形成装置の実施形態の一例の概略構成を表す模式的断面図である。本例の画像形成装置100は、画像形成方式として電子写真方式のカールソン法を採用したものであり、図6に示すように、電子写真感光体(感光体)20,帯電器21,露光器としての光プリントヘッド10,現像器23,転写器24,定着器25,クリーニング器26および除電器27を備えている。
【0043】
帯電器21は、図6中に矢印Aで示す方向に回転する感光体20の表面を正極性または負極性に帯電する役割を担うものである。帯電電圧は、負帯電であれば、例えば−1000V以上−200V以下に設定される。本例における帯電器21には、例えば芯金を導電性ゴムおよびポリフッ化ビニリデンによって被覆して構成される接触型帯電器が採用される。帯電器21には、これに代えて、放電ワイヤを備える非接触型帯電器(例えばコロナ帯電器)を採用してもよい。
【0044】
光プリントヘッド10は、帯電した感光体20の表面に露光して、感光体20に静電潜像を形成する役割を担うものである。具体的には、光プリントヘッド10は、画像信号に応じて感光体20の感光層によって十分に吸収される波長λ(感光層が非晶質珪素材料を含むものからなる場合であれば、例えば650nmなど)の露光を、一様に帯電した感光体20の表面に照射することにより、帯電状態にある感光体20の露光部分の電位を減衰させて静電潜像を形成する。この露光の波長λは、感光体20の光感度にもよるが、例えば400〜680nmが好適である。
【0045】
また、光プリントヘッド10には、駆動用回路13を介して複数の電極パッド4の各々に電気的に接続されて複数の発光素子3を駆動し発光させるための、駆動電力を供給する定電流電源(図示せず)が接続されている。さらに、光プリントヘッド10には、形成する画像のパターンに応じて複数の発光素子3を駆動するための駆動信号(制御信号)を供給する制御回路が、駆動用回路13に電気的に接続されている。
【0046】
現像器23は、感光体20の静電潜像を現像してトナー像を形成する役割を担うものである。本例における現像器23は、乾式現像方式であり、現像剤(トナー)Tを磁気的に保持する磁気ローラ23Aを備えている。
【0047】
現像剤Tは、感光体20の表面上に形成されるトナー像を構成するものであり、現像器23において摩擦帯電させる。現像剤Tとしては、例えば磁性キャリアおよび絶縁性トナーを含んでなる2成分系現像剤と、磁性トナーを含んでなる1成分系現像剤とが挙げられる。
【0048】
磁気ローラ23Aは、感光体20の表面(現像領域)に現像剤Tを搬送する役割を担うものである。磁気ローラ23Aは、現像器23において摩擦帯電した現像剤Tを一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送する。この搬送された現像剤Tは、感光体20の現像領域において、静電潜像の静電引力によって感光体20の表面に付着してトナー像を形成し、静電潜像を可視化する。トナー像の帯電極性は、正規現像によって画像形成を行なう場合には感光体20の表面の帯電極性と逆極性とされ、反転現像によって画像形成を行なう場合には感光体20の表面の帯電極性と同極性とされる。
【0049】
また、現像器23には液体現像方式の現像器を用いてもよい。液体現像方式の現像器は、トナーを含有する液体現像剤を貯溜する液体現像剤タンクをその外部に備える。液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体であるキャリア液とからなる。キャリア液はシリコーンオイル等の非極性、すなわち電気的に中性の溶媒であり、その中にトナー粒子が高濃度で分散するように調整されている。トナー粒子は、エポキシ等のバインダー樹脂、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料などから構成されている。
【0050】
液体現像方式の現像器の内部には、現像ローラに液体現像剤を供給する機構を有しており、液体現像剤を供給された現像ローラが感光体20の表面に当接して、感光体20の表面に液体現像剤を供給する。そして、液体現像剤を、現像剤担持体としての現像ローラから、静電潜像が形成された感光体20に供給することにより、感光体20上にトナー像を形成することができる。
【0051】
転写器24は、感光体20と転写器24との間の転写領域に供給された、例えば紙などの記録媒体22に、感光体20のトナー像を転写する役割を担うものである。本例における転写器24は、転写用放電器24Aおよび分離用放電器24Bを備えている。転写器24では、転写用放電器24Aによって記録媒体22の背面(非記録面)がトナー像とは逆極性に帯電し、この帯電電荷とトナー像との静電引力によって記録媒体22上にトナー像が転写される。また、転写器24では、トナー像の転写と同時的に分離用放電器24Bにおいて、記録媒体22の背面における帯電が交流放電によって消去され、記録媒体22が感光体20の表面から速やかに分離される。
【0052】
また、転写器24としては、感光体20の回転に従動し、かつ感光体20とは微小間隙(通常は0.5mm以下)を介して配置された転写ローラを用いることも可能である。転写ローラは、例えば直流電源を用いて、感光体20上のトナー像を記録媒体22上に引き付けるような転写電圧を印加するように構成される。転写ローラを用いる場合には、分離用放電器24Bのような転写分離装置は省略することができる。
【0053】
定着器25は、記録媒体22に転写されたトナー像を記録媒体22に定着させる役割を担うものであり、一対の定着ローラ25A,25Bを備えている。定着ローラ25A,25Bは、例えば金属ローラ上をポリテトラフルオロエチレンなどで表面被覆したものが用いられる。定着器25では、一対の定着ローラ25A,25Bの間を通過させる記録媒体22に対して熱および圧力などを作用させることにより、記録媒体22にトナー像を定着させることができる。
【0054】
クリーニング器26は、転写後に感光体20の表面に残存するトナーを除去する役割を担うものである。本例のクリーニング器26はクリーニングブレード26Aを備えている。クリーニングブレード26Aは、感光体20の表面から残留トナーを掻き取る役割を担うものである。クリーニングブレード26Aは、例えばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料で形成されている。
【0055】
除電器27は、静電潜像として残っている感光体20の表面電荷を除去する役割を担うものである。本例の除電器27は感光体20への露光によって除電を行なうものであり、特定波長(例えば780nm以上)の光を出射可能なものが使用される。除電器27は、例えば発光ダイオードなどの光源を用いて感光体20の表面の軸方向全体に光照射することにより、感光体20の表面電荷(残余の静電潜像)を除去するように構成されている。
【0056】
本開示の画像形成装置100によれば、本開示の光プリントヘッド10を備えることから、良好な接合強度のワイヤボンディングによって発光素子アレイ1の信頼性に優れているので、高画質の画像を得ることができるとともに信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0057】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…発光素子アレイ
2…半導体基板
2a…第1の長辺
2b…第2の長辺
2c…第1の短辺
3…発光素子
4…電極パッド
4a…第1電極パッド
4b…第2電極パッド
4c…第3電極パッド
4d…第4電極パッド
5…配線
6…導体層
6a…第1導体層
6b…第2導体層
7…絶縁層
7a…第1絶縁層
7b…第2絶縁層
10…光プリントヘッド
11…回路基板
13…駆動用回路
14…レンズ部材
20…電子写真感光体(感光体)
100…画像形成装置
【要約】
本開示の発光素子アレイは、矩形状の半導体基板と、半導体基板に第1の長辺に沿って列状に配置された複数の発光素子と、半導体基板に第2の長辺に沿って複数の列状に配置された複数の電極パッドと、半導体基板に配置された、発光素子と電極パッドとを接続する複数の配線とを備える。複数の列状に配置された複数の電極パッドのうち、第2の長辺に最も近い列に位置する第1電極パッドは、他の列に位置する第2電極パッドよりも面積が大きい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6