(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
<写真シール作成装置の外観構成>
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0017】
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済み画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信することで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や女子大生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
【0018】
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0019】
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
【0020】
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
【0021】
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(
図2)により構成される。
【0022】
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(
図2)から構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル52Bは、背面パネル51の左端に取り付けられる。
【0023】
側面パネル42Aと側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
【0024】
側面パネル42Bと側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた金属製の部材(図示せず)によって連結される。
【0025】
側面パネル42A、連結部31A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口もまた、撮影空間の出入り口となる。
【0026】
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成される。その開口には、その一部を覆うように天井ストロボユニット32が設けられる。天井ストロボユニット32の一端は連結部31Aに固定され、他端は連結部31Bに固定される。
【0027】
天井ストロボユニット32は、撮影空間内に向けて光を照射するストロボ発光管を内蔵する。天井ストロボユニット32の内部には、ストロボ発光管の他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット32は、撮影空間の照明としても機能する。
【0028】
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
【0029】
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集を行うことができる。
【0030】
編集ユニット12の正面側は、面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。面12Aは、床面に対して垂直であり、撮影部21の側面パネル42Aとほぼ平行な面である。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。
【0031】
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71A(
図5)が設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71Bが設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテンレール75を支持する支持部74が設けられる。
【0032】
編集ユニット12の上方にはカーテンレール75が取り付けられる。カーテンレール75は、3本のレール75A乃至75Cが組み合わされて構成される。3本のレール75A乃至75Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わされる。平行に設けられるレール75Aとレール75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、レール75Aとレール75Bの他端は、レール75Cの両端にそれぞれ接合される。
【0033】
カーテンレール75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
【0034】
また、後述するが、編集ユニット12の右側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
【0035】
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
【0036】
図2は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
【0037】
まず、利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。
【0038】
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
【0039】
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
【0040】
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
【0041】
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了するのを待つ間、例えば、サーバに送信する画像の選択や、利用者が持つ携帯端末のメールアドレスの入力を事後選択作業として行う。
【0042】
印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
【0044】
<撮影部の構成>
図3は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bに囲まれるようにして構成される。
【0045】
正面パネル41のほぼ中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91、正面ストロボユニット92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
【0046】
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
【0047】
正面ストロボユニット92は、カメラ91の上方に設けられる。正面ストロボユニット92は、他のストロボユニットと同様にカメラ91による撮影に合わせて発光する。正面ストロボユニット92は、被写体としての利用者の顔付近に、その正面から光を照射する。
【0048】
タッチパネルモニタ93は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ93は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIパーツを表示することで、利用者の選択操作を受け付ける機能とを備える。タッチパネルモニタ93には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
【0049】
正面パネル41において、カメラユニット81の上方には上ストロボユニット82が設置される。また、カメラユニット81の左方には左ストロボユニット83が設置され、カメラユニット81の右方には右ストロボユニット84が設置される。さらに、カメラユニット81の下方には箱状の足元ストロボユニット85が設置される。
【0050】
上ストロボユニット82は、前方上側から利用者に光を照射する。左ストロボユニット83は、前方左側から利用者に光を照射する。右ストロボユニット84は、前方右側から利用者に光を照射する。足元ストロボユニット85は、利用者の足元に光を照射する。
【0051】
上ストロボユニット82、左ストロボユニット83、右ストロボユニット84、および足元ストロボユニット85の内部には蛍光灯が設けられる。これらの蛍光灯は、天井ストロボユニット32内部の蛍光灯とあわせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光する蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間A1内の明るさが適宜調整される。
【0052】
足元ストロボユニット85の右側および左側には、足元ストロボユニット85より高さの低い箱状部86A,86Bが設けられる。箱状部86A,86Bそれぞれの上面は、利用者が手荷物などを置くための荷物置き場となる。
【0053】
さらに、箱状部86Aには、利用者が硬貨を投入する硬貨投入口87が設けられる。
【0054】
また、図示はしないが、正面パネル41の例えば天井付近にはスピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影作業に関する案内音声、BGM、効果音などを出力する。
【0055】
<背景部の構成>
図4は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
【0056】
背面パネル51の上方中央には背面上ストロボユニット121が設けられる。また、背面パネル51の上方右側(図中、左側)には背面右ストロボユニット122が設けられ、背面パネル51の上方左側(図中、右側)には背面左ストロボユニット123が設けられる。
【0057】
背面上ストロボユニット121は、後方上側から利用者に光を照射する。背面右ストロボユニット122は、後方右側から利用者に光を照射する。背面左ストロボユニット123は、後方左側から利用者に光を照射する。
【0058】
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、背面カーテン124が貼り付けられる。背面カーテン124の色は、例えば緑色とされる。また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側にも、背面カーテン124と同様の側面カーテンが貼り付けられる。側面カーテンの色は、背面カーテン124の色と同一とする。
【0059】
これらのカーテンはクロマキー用のカーテンとして用いられる。これにより、撮影画像に対してクロマキー処理を施し、利用者が所望する背景画像を、撮影画像の背景部分に合成することができる。なお、これらのカーテンの色は、クロマキー処理を行うことができる色であればよく、青色など、その他の色であってもよい。
【0060】
<編集ユニットの構成>
図5は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
【0061】
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
【0062】
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットがディスプレイを露出するように設けられることによって構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
【0063】
図6は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
【0064】
編集ユニット12の右側面の一部を構成するパネル72には、タブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141には、事後選択作業に用いられる画面が表示される。
【0065】
編集ユニット12の右側面の下部には、シール紙排出口142が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウト(以下、シールレイアウトという)でシール紙に印刷され、シール紙排出口142から排出される。
【0066】
タブレット内蔵モニタ141の下方には、スピーカ143が設けられる。スピーカ143は、事後選択作業に関する案内音声、BGM、効果音等などを出力する。
【0067】
<写真シール作成装置の内部構成>
図7は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。
図7において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0068】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209A,209B、および事後選択部210の各構成も接続される。
【0069】
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
【0070】
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
【0071】
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
【0072】
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
【0073】
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部208は、硬貨処理部221、照明装置222、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ223から構成される。
【0074】
硬貨処理部221は、硬貨投入口87への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
【0075】
照明装置222は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
【0076】
カメラ91は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
【0077】
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部209Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部209A,209Bを特に区別しない場合には、単に、編集部209という。
【0078】
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
【0079】
事後選択部210は、印刷待ち空間A3にいる利用者を対象とした事後選択処理を実現する。事後選択処理は、事後選択作業を利用者に行わせるための処理である。事後選択部210は、タブレット内蔵モニタ141、スピーカ143、およびプリンタ241から構成される。プリンタ241にはシール紙ユニット242が装着される。
【0080】
タブレット内蔵モニタ141は、制御部201による制御に従って各種の選択画面等を表示し、その画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
【0081】
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のシールレイアウトで印刷したシール紙を、シール紙排出口142に排出する。
【0082】
<制御部の構成>
図8は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。
図8に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
【0083】
制御部201は、撮影処理部301、編集処理部302、印刷処理部303、および事後選択処理部304から構成される。
【0084】
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御することで、撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209の各部を制御することで、編集処理を行う。印刷処理部303は、事後選択部210のプリンタ241を制御することで、印刷処理を行う。事後選択処理部304は、事後選択部210のタブレット内蔵モニタ141を制御することで、事後選択処理を行う。
【0085】
<編集処理部の構成例>
図9は、編集処理部302の機能構成例を示すブロック図である。
【0086】
編集処理部302は、表示制御部321および編集制御部322から構成される。
【0087】
表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。例えば、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に、撮影画像に施される画像処理の内容を選択するための選択画面や、撮影画像を対象とした編集作業のための編集画面を表示させる。
【0088】
編集制御部322は、編集画面に対する利用者の操作に応じて、撮影画像に編集を施す。具体的には、編集制御部322は、編集画面において利用者により選択された合成用画像を、撮影画像の所定の位置に合成する。
【0089】
また、編集制御部322は、領域特定部331、色情報取得部332、および色情報変更部333を有する。これらは、編集対象となる撮影画像(編集対象画像)において特定された領域の色を抽出し、その色を編集対象画像において利用者の操作により指定された領域に反映させる「スポイト機能」を実現する。
【0090】
具体的には、領域特定部331は、編集対象画像における所定の領域を、色情報の取得対象領域として特定する。ここで、取得対象領域が特定される画像は、編集対象画像に限らず、任意の画像とすることもできる。色情報取得部332は、領域特定部331により特定された取得対象領域の色情報を取得する。色情報変更部333は、編集対象画像において利用者の操作により指定された領域の色情報を、色情報取得部332により取得された色情報に変更する。
【0091】
なお、色情報は、色空間における座標で示される。例えば、色空間がRGB色空間である場合、色情報は、赤、緑、青の各成分(各色)の座標を表す0乃至255の値で示される。また、色空間がHSV色空間である場合、色情報は、色相、彩度、明度の各成分の座標を表す0乃至255の値で示される。
【0092】
<写真シール作成装置の動作>
ここで、
図10のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
図10の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口87に投入されたときに開始される。
【0093】
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影部208を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部301は、カメラ91に取り込まれた被写体のライブビュー画像をタッチパネルモニタ93に表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
【0094】
ステップS2において、編集処理部302は、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部302は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
【0095】
ステップS3において、印刷処理部303は、プリンタ241を制御することで、印刷処理を開始する。具体的には、印刷処理部303は、編集処理により得られた編集画像を、プリンタ241に出力してシール紙に印刷させる。なお、撮影処理により得られた撮影画像が、シール紙に印刷されるようにしてもよい。
【0096】
ステップS4において、事後選択処理部304は、タブレット内蔵モニタ141を制御することで、事後選択処理を行う。具体的には、事後選択処理部304は、印刷が終わるのを待っている利用者に事後選択作業を行わせ、選択された撮影画像や編集画像を利用者の携帯端末に送信するために、その画像をサーバに送信する。
【0097】
印刷が終了すると、ステップS5において、プリンタ241は、印刷済みのシール紙である写真シールをシール紙排出口142に排出し、処理を終了させる。
【0098】
<編集処理の詳細>
次に、
図11のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS2の編集処理の詳細について説明する。
【0099】
編集処理が開始されると、ステップS51において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131にレタッチガイダンス画面を表示させる。
【0100】
レタッチガイダンス画面は、後述するフェイスラインや、目の大きさおよび肌の明るさを選択できることを利用者に案内するための画面である。
【0101】
レタッチガイダンス画面が所定時間表示された後、処理はステップS52に進む。
【0102】
ステップS52において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131にフェイスライン選択画面を表示させる。
【0103】
フェイスライン選択画面は、撮影画像に写る利用者のフェイスライン、すなわち顔の輪郭の形状の選択に用いられる画面である。フェイスライン選択画面には、3種類の顔の輪郭の形状それぞれを選択するための3つのボタンが表示される。
【0104】
フェイスライン選択画面において、顔の輪郭の形状を選択するためのボタンのいずれかが選択されると、処理はステップS53に進む。
【0105】
ステップS53において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に目の大きさ・明るさ選択画面を表示させる。
【0106】
目の大きさ・明るさ選択画面は、撮影画像に写る利用者の目の大きさおよび肌の明るさの選択に用いられる画面である。目の大きさ・明るさ選択画面には、5種類の目の大きさそれぞれを選択するための5つのボタンと、5種類の肌の明るさそれぞれを選択するための5つのボタンとが表示される。
【0107】
目の大きさ・明るさ選択画面において、目の大きさを選択するためのボタンのいずれかと、肌の明るさを選択するためのボタンのいずれかが選択されると、処理はステップS54に進む。
【0108】
ステップS54において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に背景選択画面を表示させる。
【0109】
背景選択画面は、撮影により得られた撮影画像の背景となる背景画像の選択に用いられる画面である。背景選択画面には、背景画像が複数枚表示される。利用者は、その複数枚の背景画像の中から、撮影処理において行われる撮影により得られた撮影画像の枚数と同じ数の背景画像を選択することができる。
【0110】
本実施の形態の撮影処理においては、合計6回の撮影が行われる。1乃至6回目の撮影のうち、1乃至5回目の撮影として、アップ撮影が行われ、6回目の撮影として、全身撮影が行われる。アップ撮影は、主に利用者の顔および上半身を撮影するための撮影とされ、全身撮影は、利用者の全身を撮影するための撮影とされる。全身撮影としては、利用者の全身を利用者の正面から撮影する正面全身撮影が行われるものとするが、利用者の全身を利用者の斜め上から撮影する上から全身撮影が行われるようにしてもよい。なお、6回目の撮影(全身撮影)により得られた撮影画像は、シール紙には印刷されず、携帯端末に送信されるのみの画像となる。
【0111】
そして、利用者は、背景選択画面に表示される複数枚の背景画像の中から、1乃至5回目の撮影(アップ撮影)により得られた5枚の撮影画像に対応する5枚の背景画像を選択することができる。なお、利用者が、背景選択画面において、5枚の背景画像がセットになったセット背景を選択することで、5枚の撮影画像についての背景画像が一括して選択されるようにしてもよい。
【0112】
背景選択画面において、5枚の背景画像が選択されると、処理はステップS55に進む。
【0113】
ステップS55において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に名前入力画面を表示させる。
【0114】
名前入力画面は、利用者による名前の入力に用いられる画面である。名前入力画面には、名前の入力に用いることが可能なひらがなを選択するためのボタンと、選択されたボタンに対応する文字列が表示されるテキストボックスが表示される。
【0115】
名前入力画面において、名前の入力が終了すると、処理はステップS56に進む。
【0116】
ステップS56において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に編集画面を表示させる。
【0117】
編集画面は、編集対象となる撮影画像の編集に用いられる画面である。編集画面には、編集対象となる撮影画像と、編集に用いられるスタンプ画像やペン画像などの各種の編集ツール(合成用画像)が表示される。
【0118】
利用者は、タッチペン132A,132Bを用いて、スタンプ画像やペン画像などを編集対象となる撮影画像上の所定の位置へ重畳することで、編集対象となる撮影画像に対する合成用画像の合成が行われる。
【0119】
すなわち、ステップS57において、編集制御部322は、利用者の操作に応じて、編集対象となる撮影画像に編集を施す。
【0120】
編集作業が終了すると、ステップS58において、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に分割数選択画面を表示させる。
【0121】
分割数選択画面は、最終的に出力される写真シールの分割数やシールレイアウトの選択に用いられる画面である。シールレイアウトは、1枚の写真シールに配置される編集画像(撮影画像)の枚数や位置、大きさを決定するレイアウト(配置パターン)である。ここで、利用者により選択されたシールレイアウトに従って編集画像が配置されてなる画像をレイアウト画像という。
【0122】
したがって、分割数選択画面には、1乃至5回目の撮影により得られた5枚の撮影画像それぞれに編集が施された編集画像が、異なるシールレイアウトで配置されたレイアウト画像が複数表示される。
【0123】
分割数選択画面において、レイアウト画像のいずれかが選択されると、処理はステップS59に進む。
【0124】
ステップS59において、編集処理部302は、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、編集部209のタブレット内蔵モニタ131に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
【0125】
以上のようにして、編集処理が行われる。
<編集画面の例>
ここで、
図12を参照して、上述した編集処理のステップS56において表示される編集画面について説明する。
【0126】
編集画面は、基本的に、主な構成が左右対称に設けられることによって構成される。左半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられる領域である。右半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる領域である。このような編集画面の構成により、主に2人の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
【0127】
図12においては、編集画面の左半分の領域(左半分領域)が示されている。
【0128】
左半分領域の中央上部には、サムネイル表示領域411が設けられる。サムネイル表示領域411は、撮影画像を表すサムネイル画像の表示領域である。利用者は、サムネイル表示領域411に表示されているサムネイル画像を選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択する。
【0129】
図12の例では、6枚の撮影画像を表すサムネイル画像がサムネイル表示領域411に並んで表示されている。
【0130】
左半分領域の略中央には、編集領域412が設けられる。編集領域412は、編集対象として選択された撮影画像の表示領域である。利用者は、タッチペン132Aを用いて編集ツールを選択し、編集領域412に表示された撮影画像の編集を行う。
【0131】
左半分領域の下部には、編集パレット413が表示される。編集パレット413は、ペン画像、スタンプ画像などの各種の編集ツール(合成用画像)の選択に用いられる。
【0132】
編集パレット413においては、タブ毎に各編集ツールが用意されている。利用者は、それぞれのタブを選択することによって、編集パレット413に表示される編集ツールを切り替える。例えば、「スタンプ」の名前が付されたタブは、スタンプ画像を選択するときに操作されるタブであり、「ペン」の名前が付されたタブは、ペン画像を選択するときに操作されるタブである。
【0133】
編集領域412の左方には、メイクパレット414が表示される。
【0134】
メイクパレット414は、メイクツールを選択するためのアイコンの表示領域である。メイクツールは、撮影画像に写る利用者の顔を、化粧(メイク)を施したような顔にする画像処理を実行するための編集ツールである。メイクツールが選択されることで、撮影画像における顔に対して、選択されたメイクツールに対応する画像処理が施される。
【0135】
図12の例では、メイクツールとして、唇の色を変えることができる「リップ」、頬の色を変えることができる「チーク」、目の形を変えることができる「目のかたち」、および、まつ毛のボリュームを変えることができる「マスカラ」の4種類が用意されている。なお、メイクツールに対応する画像処理は、メイクパレット414に対する利用者の選択操作(具体的には、メイクパレット414に設けられる「2人同時」ボタンまたは「1人ずつ」ボタンの押下)により、撮影画像に写る利用者それぞれに同時に施されるようにもできるし、利用者毎に施されるようにもできる。
【0136】
編集領域412の右方には、修正ツール選択領域415が設けられる。修正ツール選択領域415には、消しゴム機能を利用するための消しゴムボタン、編集が施された撮影画像を1つ前の状態に戻すための戻るボタン、逆に、1つ先の状態に進めるための進むボタン、撮影画像をいずれの編集や画像処理も施されていない状態に戻すための最初からボタンなどの修正ツールが表示される。
【0137】
<色変更処理について>
上述したように、本実施の形態の写真シール作成装置1は、編集画面の編集領域412に表示される編集対象画像に対して、スポイト機能を実現することができる。
【0138】
ここで、
図13のフローチャートを参照して、スポイト機能を実現するために実行される色変更処理について説明する。
【0139】
ステップS71において、領域特定部331は、編集画面の編集領域412に表示されている編集対象画像における所定の領域を、色情報の取得対象領域として特定する。
【0140】
例えば、編集画面(タブレット内蔵モニタ131)の編集領域412に表示される編集対象画像において、利用者が操作するタッチペン132A(132B)によりタッチされた点(例えば1画素の領域)が、取得対象領域として特定される。なお、タッチペン132A(132B)に代えて、利用者の指でタッチされた点が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0141】
ここで、タブレット内蔵モニタ131およびタッチペン132A,132Bは、静電容量方式のものであってもよいし、抵抗膜方式のものであってもよいし、さらには、電磁誘導方式のものであってもよい。
【0142】
ステップS72において、色情報取得部332は、領域特定部331により特定された取得対象領域の色情報を取得し、その色情報を保持する。
【0143】
その後、ステップS73において、利用者の操作により、取得した色(色情報)の反映先となる領域(反映先領域)が指定されたか否かが判定される。反映先領域は、取得対象領域とは異なり、点ではなく所定の面積を有する領域(複数画素の領域)とされる。
【0144】
例えば、利用者が操作するタッチペン132A(132B)によりタッチされた点を基準とした領域が、反映先領域に指定される。なお、タッチペン132A(132B)に代えて、利用者の指でタッチされた点を基準とした領域が、反映先領域に指定されるようにしてもよい。
【0145】
ステップS73の処理は、反映先領域が指定されるまで繰り返され、反映先領域が指定されると、処理はステップS74に進む。
【0146】
ステップS74において、色情報変更部333は、編集対象画像において利用者の操作により指定された反映先領域の色情報を、色情報取得部332により取得された色情報に変更する。
【0147】
以上の処理によれば、撮影画像の中から所望の色を抽出することができるので、あらかじめ用意された複数色の中から所望の色を見つけるまで、何度も選択し直すことなく、所望の領域に反映させることができ、利用者は、より簡単に所望する画像を取得することが可能となる。
【0148】
<色変更処理の具体例>
ここで、上述した色変更処理の具体例について説明する。
【0149】
(第1の例)
図14は、色変更処理の第1の例について説明する図である。
図14の例は、スポイト機能により、編集対象画像における人物の顔にある黒子(ほくろ)を消去する例である。なお、ここでは、編集対象画像に写る人物の顔に含まれる領域のみが、色情報の取得対象領域として特定され、反映先領域として指定されるものとする。
【0150】
まず、
図14Aの矢印D11で示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、編集対象画像に写る人物421の顔の右頬部分の領域R11が、色情報の取得対象領域として特定される。
【0151】
次に、
図14Aの矢印D12で示されるように、領域R11の色情報C11が取得される。
【0152】
その後、
図14Aの矢印D13で示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、編集対象画像に写る人物421の顔の左頬部分にある黒子を含む領域R12が、色情報C11の反映先領域に指定される。
【0153】
反映先領域が指定されると、
図14Aの矢印D14で示されるように、領域R12の色情報が、領域R11から取得された色情報C11に変更される。
【0154】
その結果、領域R12の色は、領域R11と同じ色となり、
図14Bに示されるように、人物421の顔の左頬部分にあった黒子は消去されるようになる。
【0155】
また、
図14の例と同様にして、色変更処理(スポイト機能)により、編集対象画像における人物の顔にあるにきびなど、利用者が気にする部分を消去することができる。
【0156】
(第2の例)
図15は、色変更処理の第2の例について説明する図である。
図15の例は、スポイト機能により、編集対象画像における人物の目、鼻、口などの顔パーツの1つである眉毛の色を揃える(均一にする)例である。なお、ここでは、編集対象画像に写る人物の顔パーツに含まれる領域のみが、取得対象領域として特定され、反映先領域として指定されるものとする。
【0157】
まず、
図15Aの矢印D21で示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、編集対象画像に写る人物の眉毛431において色の濃い図中左端部分の領域R21が、色情報の取得対象領域として特定される。
【0158】
次に、
図15Aの矢印D22で示されるように、領域R21の色情報C21が取得される。
【0159】
その後、
図15Aの矢印D23で示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、編集対象画像に写る人物の眉毛431全体の領域R22が、色情報C21の反映先領域に指定される。
【0160】
反映先領域が指定されると、
図15Aの矢印D24で示されるように、領域R22の色情報が、領域R21から取得された色情報C21に変更される。
【0161】
その結果、領域R22全体の色は、眉毛431において色の薄い図中右側部分を含め、領域R21と同じ色となり、
図15Bに示されるように、眉毛431の色が揃えられる(均一になる)ようになる。
【0162】
なお、
図16に示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、眉毛431において色の薄い部分の領域R23のみが、色情報C21の反映先領域に指定されるようにしてもよい。
【0163】
また、
図15の例と同様にして、色変更処理(スポイト機能)により、編集対象画像における人物の顔パーツとして、例えば、髪の領域を反映先領域に指定することで、黒髪に混じった白髪や、明るい色に染髪された黒髪の根元など、利用者が気にする部分のある領域全体の色を揃える(均一にする)ことができる。
【0164】
また、編集対象画像における人物の顔(例えば顎の部分など)にできる影の領域を反映先領域に指定することで、その影を消去することができる。
【0165】
さらに、その他の例として、肌の白い人物と、肌の黒い人物の2人が写る編集対象画像において、肌の白い人物の顔の領域を取得対象領域として特定し、肌の黒い人物の顔の領域全体を反映先領域として指定することで、肌の黒い人物の顔を白くすることができる。
【0166】
また、色情報の取得対象領域が特定される画像と、色情報の反映先領域が指定される画像とを異なる画像とすることもできる。
【0167】
例えば、冬場にゲームをプレイした利用者が、日焼けした夏場に再度ゲームをプレイする場合、冬場にプレイした際の撮影画像に写る利用者の顔の領域を取得対象領域として特定し、今回、夏場にプレイすることで得られた撮影画像に写る利用者の顔の領域全体を反映先領域として指定することで、日焼けした顔の色を、日焼けしていない冬場の顔の色にすることができる。
【0168】
この場合、取得対象領域が特定される人物と、反映先領域が指定される人物とが同一人物である必要があるため、写真シール作成装置1が、人物の認証処理を行うようにする。
【0169】
さらに、色情報の取得対象領域が特定される画像として、芸能人やモデルが写るモデル画像が用意されるようにしてもよい。
【0170】
この場合、モデル画像に写るモデルの頬や髪の領域を取得対象領域として特定し、今回プレイすることで得られた撮影画像に写る利用者の頬や髪の領域を反映先領域として指定することで、利用者自身の頬や髪の色を、モデルの頬や髪の色と同じ色にすることができる。
【0171】
<取得対象領域の特定について>
以上においては、利用者が操作するタッチペンによりタッチされた点(1画素)が、取得対象領域として特定されるものとしたが、利用者の操作に応じて、複数画素からなる所定長さの線や所定形状の領域が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0172】
例えば、
図17に示されるように、利用者が操作するタッチペンによりタッチされた点としての画素p11を基準とした、所定方向にある所定画素数の領域(線)が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
図17の例では、画素p11および画素p11の右方向7画素の領域(線)が、取得対象領域として特定されている。
【0173】
画素p11を基準とした方向や画素数は、あらかじめ決められたものであってもよいし、画素p11の色情報と同一または近似した色情報を有する画素が配置されている方向にある画素の領域(線)が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0174】
また、
図18に示されるように、利用者が操作するタッチペンによりタッチされた点としての画素p21を基準とした、所定画素数、所定形状の領域が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
図18の例では、画素p21を基準として、画素p21および画素p21を中心とした周囲24画素の矩形領域が、取得対象領域として特定されている。
【0175】
画素p21を基準とした画素数や形状は、あらかじめ決められたものであってもよいし、画素p21の色情報と同一または近似した色情報を有する画素が配置されている画素の領域が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0176】
もちろん、利用者が操作するタッチペンにより描画された線や、図形で囲まれる領域が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0177】
さらに、クロマキー処理や顔認識処理により特定された人物領域や顔領域、さらには顔パーツ領域が、取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0178】
例えば、顔認識処理により唇領域が認識されている場合、利用者が操作するタッチペンにより唇領域内の1点がタッチされることで、唇領域全体が取得対象領域として特定されるようにする。
【0179】
また例えば、顔認識処理により唇領域が認識されている場合であれば、利用者が操作するタッチペンにより唇領域内にタッチされることなく、すなわち自動的に、唇領域全体が取得対象領域として特定されるようにしてもよい。
【0180】
なお、上述したように、複数画素の領域が取得対象領域として特定された場合、複数画素それぞれの色情報の平均値が、取得対象領域の色情報として取得されるようにしてもよいし、複数画素それぞれの色情報の中央値や最頻値が、取得対象領域の色情報として取得されるようにしてもよい。
【0181】
<反映先領域の指定について>
反映先領域を指定する手法としては、上述した複数画素の領域を取得対象領域として特定する手法と同様の手法をとることができる。
【0182】
また、反映先領域として、取得対象領域として特定された領域が指定されるようにしてもよい。この場合、取得対象領域と反映先領域とで色情報は同一であるので、反映先領域の色情報として、反映先となる取得対象領域から取得した色情報の値に、反映先領域として特定された回数に1を加えた値を乗じた値を、反映先領域の色情報とするようにしてもよい。例えば、取得対象領域として特定された領域が、反映先領域として1回指定された場合、その領域の色情報は、元の色情報を2倍した値の色情報に変更される。
【0183】
<色情報の表示について>
スポイト機能により抽出された色(スポイト機能により取得された色情報で示される色)が、編集画面上の所定の領域に表示されるようにしてもよい。
【0184】
例えば、
図12に示される編集画面のメイクパレット414において、「2人同時」ボタンおよび「1人ずつ」ボタンの下方に設けられるカラーパレットに、スポイト機能により抽出された色が表示されるようにしてもよい。ここでは、抽出された色が1色のみ表示されるようにしてもよいし、複数色表示されるようにしてもよい。後者の場合、抽出された複数色の中から、編集対象画像の反映先領域に反映させる色としてより好適な色を、利用者に選択させることができる。
【0185】
また、
図19に示されるように、編集パレット413に設けられる、ペン画像の色を選択するためのカラーパレット441上に、スポイトカラー表示領域451を設けるようにしてもよい。
【0186】
スポイトカラー表示領域451には、スポイト機能により抽出された色が、円形の図形として表示される。利用者は、スポイトカラー表示領域451を確認することにより、スポイト機能により抽出された色を把握することができる。スポイトカラー表示領域451に表示された色は、色情報取得部332によって、編集対象画像として選択された撮影画像毎に保持されるものとする。
【0187】
なお、ある撮影画像について保持された色が、編集対象画像として選択された他の撮影画像に用いられるようにしてもよい。これにより、スポイト機能により色を抽出した撮影画像以外の撮影画像に対して、その色を反映されることができる。
【0188】
また、スポイト機能により抽出された色を、1色に限らず、複数色としてもよい。この場合、
図20に示されるように、スポイトカラー表示領域452には、スポイト機能により抽出された複数の色(
図20の例では3色)が、円形の図形として表示される。
【0189】
この場合、スポイト機能により抽出された複数の色を混ぜた色が、編集対象画像の反映先領域に反映されるようにしてもよい。これにより、利用者は様々な色をつくり出すことができるので、編集対象画像をオリジナリティのある画像にすることができる。
【0190】
さらに、スポイト機能により抽出された色を示す色情報を、利用者が調整できるようにしてもよい。
【0191】
例えば、
図21に示されるように、スポイトカラー表示領域451に表示された色を示す色情報を調整するためのスライダ453を設けるようにする。スライダ453が操作されることにより、色情報を示す成分のうちの1つとして、例えば、HSV色空間の明度が調整される。この場合、利用者は、スポイト機能により抽出された色の明るさを調整することができるようになる。
【0192】
なお、色情報の成分のうちの2つを利用者が調整できるようにしてもよい。この場合、図示はしないが、スライダ453に代えて、2軸の座標系からなる選択領域を設けるようにする。選択領域上の所定の点(位置)が選択されることにより、色情報の2成分が、その点で示される値に調整される。
【0193】
以上においては、スポイト機能により抽出された色は、編集パレット413やメイクパレット414など、編集画面の左右それぞれに設けられる領域に表示されるものとしたが、編集画面の中央の領域に表示されるようにしてもよい。これにより、タブレット内蔵モニタ131に向かう2人の利用者それぞれがスポイト機能により抽出した色を、2人の利用者が互いに、編集対象画像の反映先領域に反映させる色として共有することができる。
【0194】
<特定された領域画像の抽出>
以上においては、特定された領域の色を抽出し、編集対象画像の反映先領域に反映させる例について説明したが、以下においては、特定された領域の画像を抽出し、編集対象画像において利用者により指定された領域に合成する例について説明する。
【0195】
この例では、クロマキー処理や顔認識処理により特定された人物領域や顔領域、顔パーツ領域が、取得対象領域として特定されるようにする。
【0196】
図22は、顔領域が特定された場合の例について説明する図である。
【0197】
まず、
図22Aの矢印D31で示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、編集対象画像461に写る2人のうちの左側の人物の顔領域R31が特定される。
【0198】
次に、
図22Aの矢印D32で示されるように、顔領域R31の領域画像P31が取得される。
【0199】
その後、
図22Aの矢印D33で示されるように、利用者が操作するタッチペンにより、編集対象画像の右上部分の領域R32が、領域画像P31を合成する領域(合成領域)に指定される。
【0200】
合成領域が指定されると、
図22Aの矢印D34で示されるように、領域R32に、顔領域R31から取得された領域画像P31が合成される。
【0201】
その結果、
図22Bに示されるように、編集対象画像461の右上部分に、左側の人物の顔画像(領域画像P31)が合成されるようになる。
【0202】
図22の例では、顔の領域が抽出されて合成されるものとしたが、人物領域全体や、目、鼻、口などの顔パーツの領域が抽出されて合成されるようにしてもよい。
【0203】
なお、抽出された領域の領域画像は、その領域画像を抽出した撮影画像以外の撮影画像に合成されるようにしてもよい。例えば、1枚目の撮影画像において抽出された顔の領域画像が、2枚目の撮影画像に合成されるようにしてもよい。この場合、2枚目の撮影画像において、顔の領域が抽出された人物に対応する人物の顔の部分に、顔の領域画像が合成されることで、2枚目に写る人物の顔が1枚目に写るその人物の顔に置き換わるようにしてもよい。これにより、利用者は、自分が気に入った顔を、他の撮影画像それぞれに反映させることができるので、撮影画像それぞれに対する満足度を高めることができる。
【0204】
さらに、顔パーツの領域が抽出された場合には、顔パーツの領域が抽出された人物に対応する人物の顔の部分にのみ、顔パーツの領域画像が合成されるように制限してもよい。
【0205】
また、例えば2人の人物が写る編集対象画像において、2人の人物の間で顔パーツが入れ替わるようにしてもよい。具体的には、一方の人物の顔パーツの領域が抽出され、他方の人物の顔の部分に合成された場合、他方の人物において対応する顔パーツの領域が抽出され、一方の人物の顔の部分に合成されるようにする。
【0206】
さらに、複数の撮影画像において、それぞれ異なる顔パーツの領域が抽出されるようにし、それらを組み合わせることで、新たな顔画像が生成されるようにしてもよい。これにより、利用者は、それぞれの撮影画像において気に入った顔パーツを選択して、1つの顔画像をつくり出すことができる。この顔画像は、全ての撮影画像における顔の部分に合成されるようにしてもよいし、新たな撮影画像として提供されるようにしてもよい。
【0207】
<その他の例>
以下においては、その他の例について説明する。
【0208】
(例1)
分割数選択画面を、編集画面が表示されるより前に表示するようにし、分割数選択画面に表示されるレイアウト画像の全体またはその一部の領域が抽出されるようにしてもよい。この場合、抽出された領域の領域画像が、編集画面においてスタンプ画像として選択されるようにする。また、この領域画像を所定の記録媒体などに保持するようにすることで、年賀はがきやネットプリントサービスの出力物など、シール紙以外の出力物に合成されるようにしてもよい。
【0209】
(例2)
撮影画像に対して、画像全体のコントラスト、カラーバランス、トーンカーブ、彩度、透明度、テクスチャ、シャープネスなどの各パラメータを補正する複数の画像処理の組み合わせによって決まる加工が施されるようにしてもよい。この場合、加工が施されている撮影画像から、施されている加工の内容が抽出されるようにしてもよい。抽出された内容の加工は、例えば、利用者により指定された他の撮影画像に施されるようにする。
【0210】
(例3)
ライブビュー画像などの動画像において、所定の領域の色が抽出されるようにしてもよい。この場合、動画像を構成する所定フレームにおいて、取得対象領域が特定され、その領域の色情報が取得されるようにする。
【0211】
(例4)
撮影範囲(アップ画像であるか全身画像であるか)に応じて、色が抽出される領域が限定されるようにしてもよい。例えば、編集対象画像がアップ画像の場合、人物の顔領域のみが、取得対象領域として特定されるようにし、編集対象画像が全身画像の場合、人物領域全体が、取得対象領域として特定されるようにする。
【0212】
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
【0213】
すなわち、本技術は、撮影画像や編集画像がシール紙に印刷された写真シールを作成する写真シール作成装置に限らず、単に、撮影画像や編集画像を作成するゲームを提供する写真作成ゲーム機に適用することができる。
【0214】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0215】
この記録媒体は、例えば、
図7に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0216】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0217】
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
【0218】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。