【実施例】
【0036】
以下、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
なお、今回の実施例では「ある時間」としての移動時間をユーザにより指定される構成としているが、これに限ることなく、ユーザからの移動時間の指定がない場合には、予め設定した初期値を移動時間として以降の演算を実行するなどの変形も可能である。
【0037】
(第1の実施例)
第1の実施例では、ユーザが設置したい施設を物流拠点として候補位置及び移動時間を指定し、道路の法定速度に基づいて候補位置から移動時間内に車両が移動可能な範囲を特定し、移動可能な範囲の居住者の数に基づき候補位置の指標値を算出する例について説明する。このため、施設を物流拠点と、移動体を車両と、所定の目的対象の数を配送先である居住者の数と適宜読み替えて説明する。
【0038】
(候補位置評価装置)
<候補位置評価装置のハードウェア構成>
図1は、第1の実施例における候補位置評価装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、候補位置評価装置100は以下の各部を有する。各部は、バス107を介してそれぞれ接続されている。
【0039】
CPU(Central Processing Unit)101は、種々の制御や演算を行なう処理装置である。CPU101は、主記憶装置102などが記憶するOS(Operating System)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU101は、本実施例では、候補位置評価プログラムを実行することにより、後述する制御部140として機能する。
候補位置評価プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置102、補助記憶装置103などに記憶されていなくともよい。また、インターネットなどを介して候補位置評価装置100に接続される他の情報処理装置などに候補位置評価プログラムを記憶させ、候補位置評価装置100がこれらから候補位置評価プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【0040】
また、CPU101は、候補位置評価装置100全体の動作を制御する。なお、本実施例では、候補位置評価装置100全体の動作を制御する装置をCPU101としたが、これに限ることなく、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などとしてもよい。
【0041】
主記憶装置102は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置102は、図示しない、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。
ROMは、BIOS(Basic Input/Output System)等の各種プログラムなどを記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU101により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
【0042】
補助記憶装置103としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置103は、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)ドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
【0043】
通信インターフェイス104は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
【0044】
入力装置105は、候補位置評価装置100に対する各種要求を受け付けることができれば特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0045】
出力装置106は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、ディスプレイ、スピーカーなどが挙げられる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが挙げられる。
【0046】
なお、候補位置評価装置100は、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
【0047】
<候補位置評価装置の機能構成>
図2は、第1の実施例における候補位置評価装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、候補位置評価装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、制御部140と、を有する。
【0048】
通信部110は、制御部140の指示に基づき、通信インターフェイス104を用いて各種データを他の通信可能な情報処理装置から受信する。
【0049】
記憶部120は、補助記憶装置103に、道路地図データベース121と、最遠位置データベース122と、人口データベース123と、を有する。以下、「データベース」を「DB」と称することもある。
【0050】
図3は、道路地
図DB121に予め保存されている道路地図データにおけるノードのデータの一例を示す図である。
図3に示すように、道路地図データにおける交差点や分岐点等を示すノードのデータは、本実施例では、「ノード番号」、「ノード位置(緯度、経度)」のデータ項目を含む。
「ノード番号」のデータ項目は、本実施例では、ノードを識別するための番号である。
「ノード位置(緯度、経度)」のデータ項目は、本実施例では、ノードの位置を示す緯度経度である。
【0051】
図4は、道路地
図DB121に予め保存されている道路地図データにおけるリンクのデータの一例を示す図である。
図4に示すように、道路地図データにおける道路区間としてのリンクのデータは、本実施例では、「リンク番号」、「リンク位置」、「リンク長」のデータ項目を含む。
「リンク番号」のデータ項目は、本実施例では、リンクを識別するための番号である。
「リンク位置」のデータ項目は、本実施例では、リンクの両端の位置を示す。本実施例では、リンクの両端の位置は、リンクの両端のノードの位置(緯度、経度)として示す。また、リンクの形状が直線ではない場合には、リンクの両端のノードの位置の他に、変曲点としての補完点の位置(緯度、経度)を示す。なお、本実施例では、
図4に示すように、1つの補完点を記載するようにしたが、複数の補完点を記載するようにしてもよい。
「リンク長」のデータ項目は、本実施例では、リンクの一端から他端までの距離を示す。
【0052】
図5は、最遠位置DB122に保存される最遠位置データの一例を示す図である。
図5に示すように、最遠位置データは、本実施例では、一のルートにおいて特定した最遠位置のデータであり、「ルート番号」、「最遠位置(経度、緯度)」、「候補位置からの距離」、「候補位置からの角度」のデータ項目を含む。
「ルート番号」のデータ項目は、本実施例では、ルートを識別するための番号である。
「最遠位置(緯度、経路)」のデータ項目は、本実施例では、特定した最遠位置を緯度及び経度で示す。
「候補位置からの距離」のデータ項目は、本実施例では、候補位置から最遠位置までの距離である。
「候補位置からの角度」のデータ項目は、本実施例では、道路地図において候補位置を中心として東方向を0°とした場合の候補位置から最遠位置をみたときの角度である。
【0053】
図6は、人口DB123に予め保存されている人口データの一例を示す図である。
図6に示すように、人口データは、本実施例では、市区町村の行政区域ごとの人口及び面積のデータであり、「行政区域名」、「人口」、「面積」のデータ項目を含む。
「行政区域名」のデータ項目は、本実施例では、市区町村単位の行政区域の名称で示す。
「人口」のデータ項目は、本実施例では、市区町村単位の人口である。
「面積」のデータ項目は、本実施例では、市区町村単位の面積である。
【0054】
図2に戻り、入力部130は、ユーザから候補位置を受け付けるほか、「ある時間」としての移動時間や候補位置評価装置100に対する各種指示を受け付ける。
【0055】
<<制御部>>
制御部140は、特定部141と、算出部142と、を有する。
特定部141は、道路地図データに基づき、車両が移動時間内で候補位置から移動可能な範囲を特定する。
算出部142は、移動可能な範囲における居住者の数に基づき、候補位置の指標値を算出する。
具体的な特定部141及び算出部142の動作については、以下のフローチャートの説明で後述する。
【0056】
次に、本実施例で用いる画面ユーザインターフェイスについて説明するとともに、候補位置の指標値を算出する方法についても説明する。
図7は、候補位置評価装置100における画面500の一例を示す説明図である。
図7に示すように、画面500には、地図表示領域501と、登録名入力欄502と、候補位置表示欄503と、移動時間指定欄504と、目的対象指定欄505と、データ種別指定欄506と、詳細条件指定欄507と、が設けられている。更に、画面500には、指標値表示欄508と、実行ボタン509と、履歴表示ボタン510とが設けられている。なお、詳細条件指定欄507における、月日・時間帯指定欄507a、曜日指定欄507b、及び天候指定欄507cの説明については後述する。
【0057】
地図表示領域501は、道路地図を表示する領域であり、本実施例では、マウスポインタpにより候補位置を受け付け、特定した移動可能な範囲などを表示する領域である。また、地図表示領域501には、表示された道路地図を拡大縮小させる拡大縮小表示ボタンが設けられている。
候補位置評価装置100は、ユーザが地図表示領域501をドラッグ操作すると、地図表示領域501に表示する道路地図の範囲を適宜変更する。また、候補位置評価装置100は、ユーザが地図表示領域501をクリックすると、候補位置を受け付ける。
なお、候補位置評価装置100は、地図表示領域501に道路地図のほかにも、例えば、道路周辺施設、信号などの情報を目的に応じて適宜表示してもよい。
【0058】
登録名入力欄502は、ユーザが登録名を入力する欄である。ユーザが登録名を入力し、候補位置評価装置100が履歴の登録名を表示すると、ユーザが過去の評価条件を呼び出すことが容易になる。
なお、
図7では、ユーザが登録名を「調査1」と入力した例を示す。
【0059】
候補位置表示欄503は、ユーザが地図表示領域501をクリックした候補位置の住所、緯度経度、名称などを表示する欄である。なお、候補位置表示欄503には、候補位置の住所、緯度経度、名称などをユーザがキーボードなどで入力するようにしてもよい。
【0060】
移動時間指定欄504は、地図表示領域501に表示させる移動可能な範囲における移動時間を指定する欄である。本実施例では、移動時間指定欄504には、移動時間を15分間、30分間、及び45分間の少なくともいずれかを選択するチェックボックスが設けられている。
【0061】
目的対象指定欄505は、指標値を算出する際に、移動可能な範囲でカウントする所定の目的対象を指定する欄である。本実施例では、目的対象指定欄505には、居住者及び臨海部大型物流拠点の少なくともいずれかを選択できるチェックボックスが設けられている。
【0062】
データ種別指定欄506は、移動可能な範囲を特定する際、即ち指標値を算出する際に用いるデータの種別を指定する欄である。本実施例では、データ種別指定欄506には、「法定速度」及び「走行履歴データ」のいずれかを選択できるチェックボックスが設けられており、「法定速度」にチェックが入っている。なお、「走行履歴データ」にチェックが入っている場合については後述する。
【0063】
指標値表示欄508は、算出した指標値を表示する欄である。
【0064】
実行ボタン509は、ユーザにより押下されると、候補位置評価装置100が上記の欄等で設定した条件で指標値を算出する処理を実行する。
【0065】
履歴表示ボタン510は、ユーザにより押下されると、ユーザが過去に指定した候補位置における住所や緯度経度の位置情報を画面500に表示する。
【0066】
図8は、
図7において、マウスポインタpにより地図表示領域501をクリックして候補位置Pを指定した画面の一例を示す図である。
図8に示すように、候補位置評価装置100は、マウスポインタpにより候補位置Pが指定されると、道路地
図DB121が保存する道路地図データに基づき、候補位置Pの住所及び座標を候補位置表示欄503に表示する。また、
図9又は
図10に示すように、指定した候補位置Pの住所及び経度緯度のデータの履歴を記憶部120に保存し、ユーザが履歴表示ボタン510をクリックした際に住所及び座標のデータの履歴を表示する。
【0067】
図11は、移動時間が「15分間」の代表最遠位置Oを特定した結果を表示した画面の一例を示す図である。
図12は、
図11の代表最遠位置Oを線で結び、「15分間」で移動可能な範囲600aを表示した画面の一例を示す図である。
図13は、
図11及び
図12において「15分間」で移動可能な範囲600aを表示したように、更に「30分間」で移動可能な範囲600b、及び「45分間」で移動可能な範囲600cを表示した画面の一例を示す図である。
【0068】
図14は、行政区域の人口データに基づき、
図13で示した「45分間」で移動可能な範囲内の人口を算出する一例を示す表である。
図14に示すように、移動可能な範囲の面積及び居住者の数を人口データから読み出し、区と移動可能な範囲との重なり率から移動可能な範囲内の人口、即ち移動可能な範囲の居住者の数を算出する。
なお、重なり率の算出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、地図上のポリゴンのオーバーレイ解析による方法などが挙げられる。
【0069】
図15は、
図14で示した他に、移動時間内で移動可能な範囲の面積及び居住者の数を算出した結果を示す表である。
図14において「45分間」で移動可能な範囲の面積及び居住者の数を算出して示したように、
図15では、更に「15分間」及び「30分間」で移動可能な範囲の面積及び居住者の数を算出した結果を示す。
【0070】
図16は、
図15で示した移動可能な範囲の面積及び居住者の数から算出した指標値を表示した画面を示す図である。
図16で表示した指標値は、本実施例では、各移動時間において移動可能な範囲の面積(km
2)と居住者の数(万人)をそれぞれ乗算し、その和を指標値とした。具体的には、指標値は、
図15に示した値に基づき、次式、{38.6(km
2)×35.91(万人)}+{72.8(km
2)×65.32(万人)}+{108.2(km
2)×92.99(万人)}=16,203により算出した。
【0071】
次に、候補位置及び移動時間を受け付けて最遠位置を特定する処理、移動時間内で移動可能な範囲を特定する処理、及び候補位置の指標値を算出する処理の流れについて説明する。
【0072】
図17は、候補位置及び移動時間を受け付けて最遠位置を特定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、道路地図データに基づき、移動時間内で移動可能なルートごとに最遠位置を特定する流れを、
図17に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0073】
ステップS101では、制御部140は、本実施例では、ユーザから入力部130により登録名、候補位置及び移動時間を受け付け、処理をS102に移行する。
また、本実施例では、ユーザにより設定された移動時間が15分間、30分間、及び45分間であるため、制御部140は、それぞれ設定された移動時間においてS102からS108までのループ1の処理を行う。
【0074】
ステップS102では、制御部140は、候補位置の最寄りのリンク(以下、「候補リンク」と称することがある)を道路地
図DB121に保存されている道路地図データから特定し、処理をS103に移行する。
【0075】
ステップS103では、制御部140は、S102又はS108から移行した場合には、リンクの旅行時間を算出する処理対象を候補リンクに隣接するリンクにし、処理をS104に移行する。制御部140は、S105から移行した場合には、リンクの旅行時間を算出する処理対象を処理中のリンクに隣接するリンクにし、処理をS104に移行する。
【0076】
ステップS104では、制御部140は、処理対象のリンクにおけるリンク長及び法定速度を、道路地
図DB121に保存されている道路地図データから読み込み、リンクの旅行時間を算出して累積加算し、処理をS105に移行する。
【0077】
ステップS105では、制御部140は、累積加算した旅行時間が設定された移動時間以上であるか否かを判定する。制御部140は、累積加算した旅行時間が設定された移動時間以上であると判定すると処理をS106に移行し、累積加算した旅行時間が設定された移動時間未満であると判定すると処理をS103に戻す。
【0078】
ステップS106では、制御部140は、累積加算した旅行時間が移動時間以上であると判定したリンクよりも手前のリンクまでのルートにおいて、候補リンクからの最遠位置を特定して最遠位置DB122に保存すると、処理をS107に移行する。
【0079】
ステップS107では、制御部140は、候補位置からのルートが他にもあるか否かを判定する。制御部140は、候補位置からのルートが他にもあると判定すると処理をS108に移行する。制御部140は、候補位置からのルートが他にないと判定すると、ループ1の処理が終了していなければ処理をS102に戻し、ループ1の処理が終了すると本処理を終了する。
【0080】
ステップS108では、制御部140は、処理を候補リンクに戻し、処理をS103に移行する。
【0081】
これにより、制御部140は、道路地図データに基づき、移動時間内で移動可能なルートごとに最遠位置を特定する。
【0082】
図18は、移動時間内で移動可能な範囲を特定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、各ルートの最遠位置から角度別範囲の代表最遠位置を特定し、移動時間内で移動可能な範囲を特定する流れを、
図18に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、本実施例では、制御部140は、ユーザにより設定された移動時間が15分間、30分間、及び45分間であるため、設定された移動時間においてS201からS206までのループ2の処理を行う。
【0083】
ステップS201では、制御部140は、各ルートの最遠位置において、候補位置からの距離及び角度を算出して最遠位置DB122に保存し、処理をS202に移行する。
【0084】
ステップS202では、制御部140は、候補位置を中心に1°間隔で全方位を区分けした角度別範囲ごとにおいて、最遠位置のうち最も遠い代表最遠位置を特定して最遠位置DB122に保存し、処理をS203に移行する。
【0085】
ステップS203では、制御部140は、処理中の角度別範囲の最大角度から+1°以内に代表最遠位置が存在するか否かを判定する。制御部140は、処理中の角度別範囲の最大角度から+1°以内に代表最遠位置が存在すると判定すると処理をS204に移行し、処理中の角度別範囲の最大角度から+1°以内に代表最遠位置が存在しないと判定すると処理をS205に移行する。
また、全方位の角度別範囲で、S203からS204又はS205までのループ3の処理を行い、代表最遠位置を線で順次結ぶ処理を行う。
【0086】
ステップS204では、制御部140は、処理中の角度別範囲の代表最遠位置と、処理中の角度別範囲の最大角度から+1°以内の代表最遠位置とを線で結ぶ。ここで、ループ3の処理が終了しなければ処理をS203に戻し、ループ3の処理が終了すれば処理をS206に移行する。
【0087】
ステップS205では、制御部140は、処理中の角度別範囲の代表最遠位置と、候補位置とを線で結ぶ。ここで、ループ3の処理が終了しなければ処理をS203に戻し、ループ3の処理が終了すれば処理をS206に移行する。
【0088】
ステップS206では、制御部140は、代表最遠位置と隣接する代表最遠位置とを、あるいは代表最遠位置と候補位置とを線で結び、線で結んだ範囲を移動可能な範囲として特定して、処理をS202に移行する。ここで、ループ2の処理、即ち移動時間の設定数の処理が終了しなければ処理をS201に戻し、ループ2の処理が終了すれば本処理を終了する。
【0089】
このように、制御部140は、各ルートの最遠位置のうち角度別範囲で最も遠い代表最遠位置を求め、隣接する代表最遠位置を線で結ぶことにより、移動可能な範囲を特定できる。
【0090】
図19は、移動可能な範囲に基づいて候補位置の指標値を算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、候補位置評価装置100が移動可能な範囲の面積及び居住者の数に基づき、候補位置の指標値を算出する流れを、
図19に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0091】
ステップS301では、制御部140は、移動可能な範囲の面積及び居住者の数を算出すると、処理をS302に移行する。
また、本実施例では、制御部140は、ユーザにより設定された移動時間が15分間、30分間、及び45分間であるため、それぞれ設定された移動時間ごとにS301を行うループ4の処理を行う。
【0092】
ステップS302では、制御部140は、移動可能な範囲の面積及び居住者の数に基づいて候補位置の指標値を算出すると、処理をS303に移行する。
【0093】
ステップS303では、制御部140は、候補位置の指標値を表示すると、本処理を終了する。
【0094】
このように、候補位置評価装置は、候補位置から移動時間内で移動体が移動可能な範囲を特定し、移動可能な範囲における所定の目的対象の数に基づいて候補位置の指標値を算出することにより、ユーザによる施設設置地点の選択を容易することができる。
【0095】
なお、本実施例では、物流拠点から配送する対象を居住者としたが、これに限ることなく、
図20及び
図21に示すように、物流拠点から配送する対象を企業などの事業所Cとし、所定の目的対象の数を事業所Cの数として指標値を算出してもよい。
【0096】
(第2の実施例)
第1の実施例では、候補位置評価装置100は、移動体の速度を法定速度として旅行時間を算出して累積加算し、移動時間内で移動可能なルートを求めてルート内の最遠位置を特定するようにした。第2の実施例では、候補位置評価装置100は、移動体の速度を走行履歴データの速度として平均旅行時間を算出して累積加算し、移動時間内で移動可能なルートを求めてルート内の最遠位置を特定する。
これにより、第2の実施例の候補位置評価装置100は、移動体が実際に移動した実績に基づいて最遠位置を特定することで、移動可能な範囲をより正確に特定でき、指標値をより正確に算出できる。
以下では、第1の実施例と異なる点である、走行履歴データ、及び走行履歴データに基づく最遠位置の特定について説明する。
【0097】
図22は、候補位置評価装置100を含み、走行履歴データを取得できるシステム10の構成を示すブロック図である。
図22に示すように、システム10は、本発明の候補位置評価装置100と、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・を有し、ネットワーク300を介してそれぞれ通信可能に接続されている。
候補位置評価装置100は、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・から、走行履歴データをそれぞれ取得して格納する。
なお、候補位置評価装置100のハードウェア構成は、第1の実施例と同様であるため説明を省略する。
【0098】
端末装置200a、200b、200c、・・・は、装置の構成についてそれぞれ同様であることから、以下では「端末装置200」と称してまとめて説明する。
また、端末装置200は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタルタコグラフや、カーナビゲーションシステムの車載装置などが挙げられる。
【0099】
(候補位置評価装置)
<候補位置評価装置の機能構成>
図23は、第2の実施例における候補位置評価装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図23に示すように、第1の実施例と同様に、候補位置評価装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、制御部140と、を有する。
【0100】
通信部110は、制御部140の指示に基づき、通信インターフェイス104を用いて走行履歴データを各端末装置200から受信する。
【0101】
記憶部120は、第1の実施例と同様に、道路地
図DB121と、最遠位置DB122と、人口DB123と、を有し、第2の実施例では、更に走行履歴DB124を有する。なお、走行履歴DB124は、第2の実施例では記憶部120が有するとしたが、これに限ることなく、他の通信可能な情報処理装置の記憶部にあってもよい。
走行履歴DB124は、通信部110が受信した走行履歴データを走行履歴データ群として記憶する。
【0102】
図24は、走行履歴データのデータ構成の一例を示す図である。
図24に示すように、走行履歴データは、本実施例では「車両ID、トリップID、取得日時、位置(経度、緯度)、速度、出発日時、出発地(経度、緯度)、到着日時、目的対象(経度、緯度)」のデータ項目を含む。
【0103】
「車両ID」のデータ項目は、本実施例では、端末装置200が搭載されている当該車両を識別するためのデータであり、予め設定される。
「トリップID」のデータ項目は、本実施例では、目的をもってある出発地からある到着地へ移動する単位であるトリップを識別するためのデータである。
「取得日時」及び「位置情報(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、端末装置200に搭載されているGPS(Global Positioning System)ユニットにより取得される。
「速度」のデータ項目は、本実施例では、GPSユニットと同期させ、端末装置200が有する速度センサを用いて車両の車軸から計測した結果である。
「出発日時」及び「出発地(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、当該トリップの出発日時及び出発地の経度緯度である。
「到着日時」及び「目的対象(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、当該トリップの到着日時及び目的対象の経度緯度である。
【0104】
図23に戻り、入力部130は、ユーザから、候補位置及び移動時間を受け付けるほか、候補位置評価装置100に対する各種指示を受け付ける。
入力する各種指示としては、走行履歴データを抽出する際の抽出条件を含めることができる。抽出条件としては、車両の種類や時間的要素を挙げることができる。車両の種類としては、例えば、商用車、一般車、或いは、大型車、中型車、普通車などが挙げられる。時間的要素としては、例えば、年月日、曜日、及び時間帯の少なくともいずれかに対応した情報、或いは、直近の所定の時間範囲などが挙げられる。
【0105】
<<制御部>>
制御部140は、第1の実施例と同様に、特定部141と、算出部142と、を有し、第2の実施例では、更に抽出部143を有する。
【0106】
抽出部143は、走行履歴データ群から、車両が候補位置を通過した走行履歴データを抽出する。
ここで、車両が候補位置を通過した走行履歴データとは、所定の時間間隔で順次取得した走行履歴データの一点一点を順に結んだ線の線上あるいは近傍に候補位置が存在する走行履歴データを意味する。移動体が候補位置を通過したか否かを判定する方法としては、例えば、所定の時間間隔で順次取得した走行履歴データの一点一点を順に結んだ線から候補位置までの距離により判定する方法などが挙げられる。
抽出する処理としては、データの母集団から所定の条件に合致したデータを抜き出す処理、又は抜き出して加工する処理であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0107】
また、
図25A〜
図25D及び
図26に示すように、ユーザに指定される時間帯によっては移動可能な範囲が収縮拡大する。
図25Aには7時台、
図25Bには8時台、
図25Cには9時台、
図25Dには23時台の移動可能な範囲を示し、
図26には移動可能な範囲の面積及び居住者の数を示す。
このように、時間帯によって移動可能な範囲が収縮拡大するため、取得時刻を含む移動履歴データから、ユーザが指定した時間帯に対応する走行履歴データを抽出部143が抽出し、特定部141が時間帯に対応する移動可能な範囲を特定できる。
【0108】
特定部141は、第1の実施例では道路地図データに基づいて移動可能な範囲を特定するが、第2の実施例では、走行履歴データに基づいて車両が移動時間内で候補位置から移動可能な範囲を特定する。
【0109】
算出部142は、第1の実施例では法定速度から旅行時間を算出するが、第2の実施例では抽出した走行履歴データに含まれる車両の速度から平均旅行時間を算出する。なお、平均旅行時間とは、抽出した移動履歴データに基づき、所定区間の一端から他端までを移動体が移動するのにかかった平均の時間を意味する。
また、第2の実施例の算出部142は、走行履歴データを用いて特定した移動可能な範囲の面積及び居住者の数に基づき、候補位置の指標値を算出する。
【0110】
次に、
図7に戻り、第2の実施例で用いる画面ユーザインターフェイスについて説明する。なお、画面500〜データ種別指定欄506、及び、指標値表示欄508〜履歴表示ボタン510については、第1の実施例と同様であるため説明を省略する。
【0111】
詳細条件指定欄507は、走行履歴データを用いる際に、日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかをユーザが指定できる欄である。
【0112】
月日・時間帯指定欄507aは、最遠位置を特定する際に用いる走行履歴データの取得月日及び時間帯をユーザが指定できる欄である。本実施例では、月日・時間帯指定欄507aには、月日及び時間帯を選択できるプルダウンボックスが設けられている。
【0113】
曜日指定欄507bは、最遠位置を特定する際に用いる走行履歴データの取得曜日をユーザが指定できる欄である。本実施例では、曜日指定欄507bには、曜日を選択できるプルダウンボックスが設けられている。
【0114】
天候指定欄507cは、最遠位置を特定する際に用いる走行履歴データを取得したときの天候をユーザが指定できる欄である。本実施例では、天候指定欄507cには、天候を選択できるプルダウンボックスが設けられている。
【0115】
このように、候補位置評価装置100は、取得した日時、曜日、天候などの情報を含む走行履歴データを用いて移動可能な範囲を特定することにより、候補位置の指標値を精度よく算出することができる。
【0116】
次に、
図22に戻り、候補位置評価装置100にネットワーク300を介して接続されている端末装置200について説明する。
【0117】
端末装置200は、GPSユニット、速度センサ、加速度センサなどを有する。端末装置200は、GPSユニット及び速度センサを同期させて取得した走行時の車両の位置及び速度を、同期させた時刻と対応づけて走行履歴データを取得する。取得した走行履歴データを、端末装置200は、ネットワーク300を介して候補位置評価装置100に送信する。
【0118】
図27は、走行履歴データに基づき最遠位置を特定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、走行履歴データに基づき、移動時間内で移動可能なルートごとに最遠位置を特定する流れを、
図27に示すフローチャートにしたがって説明する。
なお、S401及びS402は、
図17のS101及びS102と同様であるため、説明を省略する。また、本実施例では、ユーザにより設定された移動時間が15分間、30分間、及び45分間であるため、制御部140は、それぞれ設定された移動時間においてS402からS414までのループ5の処理を行う。
【0119】
ステップS403では、候補リンクを特定した制御部140は、候補リンクを通過した車両の走行履歴データを抽出し、処理をS404に移行する。
【0120】
ステップS404では、制御部140は、抽出した走行履歴データの数が所定の数以上か否かを判定する。制御部140は、抽出した走行履歴データの数が所定の数以上であると判定すると、処理をS409に移行する。制御部140は、抽出した走行履歴データの数が所定の数以上ではないと判定すると、処理をS405に移行する。
【0121】
ステップS405では、制御部140は、初期に設定した指定位置から指定位置を含む指定範囲に既に設定しているか否かを判定する。制御部140は、初期に設定した指定位置から指定位置を含む指定範囲にまだ設定していないと判定すると、処理をS406に移行する。制御部140は、初期に設定した指定位置から指定位置を含む指定範囲に既に設定していると判定すると、処理をS407に移行する。
【0122】
ステップS406では、制御部140は、指定位置を中心とする所定の半径の指定範囲を設定すると、処理をS408に移行する。
【0123】
ステップS407では、制御部140は、既に設定している指定範囲の半径を拡大すると、処理をS408に移行する。
【0124】
ステップS408では、制御部140は、指定位置の最寄りのリンク又は指定範囲内のリンクにおけるリンク番号を道路地
図DB121から特定すると、処理をS403に戻す。
【0125】
ステップS409では、制御部140は、S404又はS414から移行した場合には、リンクの旅行時間を算出する処理対象を候補リンクに隣接するリンクにし、処理をS410に移行する。制御部140は、S411から移行した場合には、リンクの旅行時間を算出する処理対象を処理中のリンクに隣接するリンクにし、処理をS410に移行する。
【0126】
ステップS410では、制御部140は、道路地
図DB121から読み込んだ処理対象のリンク長と、走行履歴DB124から読み込んだ走行履歴データに含まれる車両の速度とにより、リンクの平均旅行時間を算出して累積加算し、処理をS411に移行する。
【0127】
ステップS411では、制御部140は、累積加算した平均旅行時間が設定された移動時間以上であるか否かを判定する。制御部140は、累積加算した平均旅行時間が設定された移動時間以上であると判定すると処理をS412に移行する。制御部140は、累積加算した平均旅行時間が設定された移動時間未満であると判定すると処理をS409に戻す。
【0128】
ステップS412では、制御部140は、累積加算した平均旅行時間が移動時間以上であると判定したリンクより手前のリンクまでのルートにおいて、候補リンクからの最遠位置を特定して最遠位置DB122に保存すると、処理をS413に移行する。
【0129】
ステップS413では、制御部140は、候補位置からのルートが他にもあるか否かを判定する。制御部140は、候補位置からのルートが他にもあると判定すると処理をS414に移行する。制御部140は、候補位置からのルートが他にないと判定すると、ループ5の処理が終了しなければ処理をS402に戻し、ループ5の処理が終了すれば本処理を終了する。
【0130】
ステップS414では、制御部140は、処理を候補リンクに戻し、処理をS409に移行する。
【0131】
このように、補位置評価装置は、第1の実施例では法定速度に基づいて最遠位置を特定していたが、第2の実施例では移動体が実際に移動した実績に基づいて最遠位置を特定することで、移動可能な範囲をより正確に特定でき、指標値をより正確に算出できる。
【0132】
(第3の実施例)
第3の実施例では、第1の実施例又は第2の実施例のように移動可能な範囲のパラメータのみに基づいて候補位置の指標値を算出するのではなく、更に通勤可能な範囲のパラメータにも基づいて候補位置の指標値を算出する。
これにより、候補位置評価装置は、施設で働く従業員を確保しやすいことも取り入れた指標値を算出することができる。
【0133】
第3の実施例では、最遠位置の特定及び移動可能な範囲の特定については第1の実施例又は第2の実施例と同様であるため、指標値の算出方法のみについて説明する。
図28は、移動可能な範囲の数値に加えて通勤可能な範囲の数値に基づいて指標値を算出する方法の一例を示す図である。
図28に示すように、各移動時間における移動可能な範囲の面積及び居住者の数をそれぞれ乗算し、その和である「16,203」という値を、
図29に示すような、予め設定した人口指標表で参照すると、居住者の統合指標値「88」が求まる。
次に、通勤可能な居住者の数を30分間で移動可能な範囲の居住者の数として、
図30に示すような、予め設定した就労人口指標表で参照すると、通勤可能な居住者の統合指標値「100」が求まる。
そして、移動可能な範囲の価値と通勤可能な範囲の価値との比を9:1として指標値を算出すると、次式、「88」×0.9+「100」×0.1=89.2となる。
【0134】
このように、第3の実施例の候補位置評価装置は、更に通勤可能な範囲のパラメータにも基づいて候補位置の指標値を算出することにより、施設で働く従業員を確保しやすいことも指標値に取り入れて算出することができる。
【0135】
以上説明したように、候補位置評価装置は、施設設置地点の候補位置から移動時間内で移動体が移動可能な範囲を特定し、移動可能な範囲内における所定の目的対象の数に基づいて候補位置の指標値を算出することにより、ユーザが施設設置地点を選択しやすくなる。
【0136】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
施設設置地点の候補位置を受け付け、
移動体がある時間内で前記候補位置から移動可能な範囲、及び、前記移動体が前記ある時間内で前記候補位置に移動可能な範囲の少なくともいずれかを特定し、
前記移動可能な範囲における所定の目的対象の数に基づき、前記候補位置の指標値を算出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする、候補位置評価プログラム。
(付記2)
前記所定の目的対象の数は、居住者の数である、
ことを特徴とする、付記1に記載の候補位置評価プログラム。
(付記3)
前記居住者の数を、所定の地域ごとに予め調査した人口情報に基づき、前記移動可能な範囲に含まれる前記所定の地域の面積比率に応じて算出する、
ことを特徴とする、付記2に記載の候補位置評価プログラム。
(付記4)
通勤時間を更に受け付け、
前記通勤時間内で前記候補位置に通勤可能な範囲を特定し、
所定の地域ごとに予め調査した人口情報に基づき、前記通勤可能な範囲に含まれる前記所定の地域の面積比率に応じて通勤可能な居住者の数を算出し、
前記所定の目的対象の数に加えて前記通勤可能な居住者の数に基づき、前記指標値を算出する、
ことを特徴とする、付記1から3のいずれか一項に記載の候補位置評価プログラム。
(付記5)
前記移動体の移動履歴データ群に基づき、前記移動可能な範囲を特定する、
ことを特徴とする、付記1から4のいずれか一項に記載の候補位置評価プログラム。
(付記6)
日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかを更に受け付け、
受け付けた日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかに対応する前記移動履歴データ群に基づき、前記移動可能な範囲を特定する、
ことを特徴とする、付記5に記載の候補位置評価プログラム。
(付記7)
施設設置地点の候補位置を受け付け、
移動体がある時間内で前記候補位置から移動可能な範囲、及び、前記移動体が前記ある時間内で前記候補位置に移動可能な範囲の少なくともいずれかを特定し、
前記移動可能な範囲における所定の目的対象の数に基づき、前記候補位置の指標値を算出する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする、候補位置評価装置。
(付記8)
前記所定の目的対象の数は、居住者の数である、
ことを特徴とする、付記7に記載の候補位置評価装置。
(付記9)
前記居住者の数を、所定の地域ごとに予め調査した人口情報に基づき、前記移動可能な範囲に含まれる前記所定の地域の面積比率に応じて算出する、
ことを特徴とする、付記8に記載の候補位置評価装置。
(付記10)
通勤時間を更に受け付け、
前記通勤時間内で前記候補位置に通勤可能な範囲を特定し、
所定の地域ごとに予め調査した人口情報に基づき、前記通勤可能な範囲に含まれる前記所定の地域の面積比率に応じて通勤可能な居住者の数を算出し、
前記所定の目的対象の数に加えて前記通勤可能な居住者の数に基づき、前記指標値を算出する、
ことを特徴とする、付記7から9のいずれか一項に記載の候補位置評価装置。
(付記11)
前記移動体の移動履歴データ群に基づき、前記移動可能な範囲を特定する、
ことを特徴とする、付記7から10のいずれか一項に記載の候補位置評価装置。
(付記12)
日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかを更に受け付け、
受け付けた日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかに対応する前記移動履歴データ群に基づき、前記移動可能な範囲を特定する、
ことを特徴とする、付記11に記載の候補位置評価装置。
(付記13)
施設設置地点の候補位置を受け付け、
移動体がある時間内で前記候補位置から移動可能な範囲、及び、前記移動体が前記ある時間内で前記候補位置に移動可能な範囲の少なくともいずれかを特定し、
前記移動可能な範囲における所定の目的対象の数に基づき、前記候補位置の指標値を算出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする、候補位置評価方法。
(付記14)
前記所定の目的対象の数は、居住者の数である、
ことを特徴とする、付記13に記載の候補位置評価方法。
(付記15)
前記居住者の数を、所定の地域ごとに予め調査した人口情報に基づき、前記移動可能な範囲に含まれる前記所定の地域の面積比率に応じて算出する、
ことを特徴とする、付記14に記載の候補位置評価方法。
(付記16)
通勤時間を更に受け付け、
前記通勤時間内で前記候補位置に通勤可能な範囲を特定し、
所定の地域ごとに予め調査した人口情報に基づき、前記通勤可能な範囲に含まれる前記所定の地域の面積比率に応じて通勤可能な居住者の数を算出し、
前記所定の目的対象の数に加えて前記通勤可能な居住者の数に基づき、前記指標値を算出する、
ことを特徴とする、付記13から15のいずれか一項に記載の候補位置評価方法。
(付記17)
前記移動体の移動履歴データ群に基づき、前記移動可能な範囲を特定する、
ことを特徴とする、付記13から16のいずれか一項に記載の候補位置評価方法。
(付記18)
日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかを更に受け付け、
受け付けた日時、曜日、及び天候の少なくともいずれかに対応する前記移動履歴データ群に基づき、前記移動可能な範囲を特定する、
ことを特徴とする、付記17に記載の候補位置評価方法。