特許第6982269号(P6982269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982269
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】充電キャビネット
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20211206BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20211206BHJP
【FI】
   G06F1/26 306
   H02J7/02 J
   H02J7/02 G
【請求項の数】12
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2020-90513(P2020-90513)
(22)【出願日】2020年5月25日
(65)【公開番号】特開2021-189457(P2021-189457A)
(43)【公開日】2021年12月13日
【審査請求日】2020年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
(72)【発明者】
【氏名】松田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】八亀 博毅
(72)【発明者】
【氏名】今村 雄一朗
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−198327(JP,A)
【文献】 特開2015−223073(JP,A)
【文献】 特開2016−167912(JP,A)
【文献】 特許第6674119(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26−1/3296
H02J 7/00−7/12;7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがユーザにより持ち運びが可能な複数の端末装置を内部に収納可能であり、前記複数の端末装置のバッテリの充電を制御する充電キャビネットであって、
収納されている前記複数の端末装置のそれぞれとケーブルを介して情報通信および電力供給をする充電制御装置と、
前記充電制御装置を制御する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数の端末装置のそれぞれのバッテリ残量を取得する残量取得部と、
前記複数の端末装置のなかから、バッテリ残量が予め定められた第1閾値以上の第1グループバッテリ残量が前記第1閾値より小さい第2グループ、バッテリ残量が予め定められた第2閾値以上、前記第1閾値より小さい第3グループ、および、バッテリ残量が前記第2閾値より小さい第4グループを特定するグループ特定部と、
前記複数の端末装置に対する電力供給の指示を前記充電制御装置に与える制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第2グループに含まれる端末装置が存在しない場合、前記充電制御装置により供給可能な電力量である供給可能電力量を超えないように、前記第1グループに含まれる端末装置を充電させる第1処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第2グループに含まれる端末装置が存在する場合、前記第2グループに含まれる全ての端末装置のバッテリ残量が前記第1閾値以上となるまで、前記第2グループに含まれる全ての端末装置を、前記第1グループに含まれる端末装置よりも優先して充電させる第2処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第4グループに含まれる端末装置が存在しない場合、前記第1処理または前記第2処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第4グループに含まれる端末装置が存在する場合、前記第4グループに含まれる全ての端末装置のバッテリ残量が前記第2閾値以上となるまで、前記第4グループに含まれる全ての端末装置を、前記第1グループおよび前記第3グループに含まれる端末装置よりも、優先して充電させる第6処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第1閾値は、バッテリ残量に対する最大充電電流を表す曲線における、バッテリ残量に対して最大充電電流が一定である領域と、バッテリ残量が増加するに従って最大充電電流が減少する領域との境界値であり、
前記第2閾値は、前記第1閾値より小さく、前記複数の端末装置のそれぞれを予め定められた時間分使用することが可能なバッテリ残量である
充電キャビネット
【請求項2】
前記第1処理において、前記制御部は、前記第1グループに含まれる端末装置のそれぞれに対して、前記供給可能電力量を前記第1グループに含まれる端末装置の台数で除算した平均電力量を、前記充電制御装置に供給させる
請求項1に記載の充電キャビネット
【請求項3】
前記第1処理において、前記制御部は、
前記第1グループに含まれる端末装置のうちの一部に対して、バッテリを充電可能な電力量を供給し、前記第1グループに含まれる端末装置のうちの他の一部に対して、バッテリを充電可能な電力を供給しないように、前記充電制御装置を制御し、
さらに、バッテリを充電可能な電力量を供給する一部の端末装置を、所定時間毎に順次に変更させるように、前記充電制御装置を制御する
請求項1に記載の充電キャビネット
【請求項4】
前記第2処理において、前記充電制御装置により同時充電可能な端末装置の台数である第1充電可能台数が、前記第2グループに含まれる端末装置の台数より多くない場合、
前記制御部は、
前記第2グループのなかから、前記第1充電可能台数の1または複数の端末装置を選択し、
選択した前記第1充電可能台数の端末装置の全てのバッテリ残量が前記第1閾値以上となるまで、選択した前記第1充電可能台数の端末装置を充電する第3処理を、前記充電制御装置に実行させる
請求項1からの何れか1項に記載の充電キャビネット
【請求項5】
前記第1充電可能台数は、前記供給可能電力量を、前記第2グループに含まれる1台の端末装置が消費する最大電力量で除算した商である
請求項に記載の充電キャビネット
【請求項6】
前記第2処理において、前記第1充電可能台数が、前記第2グループに含まれる端末装置の台数より多い場合、前記制御部は、
前記第2グループに含まれる端末装置の全てのバッテリ残量が前記第1閾値以上となるまで、前記第2グループの端末装置を充電する第4処理、および、第1余剰電力量を超えないように前記第1グループの端末装置を充電する第5処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第1余剰電力量は、前記供給可能電力量から、前記第2グループに含まれる端末装置の全てにより消費される最大電力量を減算した値である
請求項またはに記載の充電キャビネット
【請求項7】
前記第6処理において、前記充電制御装置により同時充電可能な端末装置の台数である第2充電可能台数が前記第4グループに含まれる端末装置の台数より多くない場合、
前記制御部は、
前記第4グループのなかから、前記第2充電可能台数の1または複数の端末装置を選択し、
選択した前記第2充電可能台数の端末装置の全てのバッテリ残量が前記第2閾値以上となるまで、選択した前記第2充電可能台数の端末装置を充電する第7処理を、前記充電制御装置に実行させる
請求項1から6の何れか1項に記載の充電キャビネット
【請求項8】
前記第2充電可能台数は、前記供給可能電力量を、前記第4グループに含まれる端末装置が消費する最大電力量で除算した商である
請求項に記載の充電キャビネット
【請求項9】
前記第6処理において、前記第2充電可能台数が前記第4グループに含まれる端末装置の台数より多い場合、
前記制御部は、
前記第4グループに含まれる端末装置の全てのバッテリ残量が前記第2閾値以上となるまで、前記第4グループを充電する第8処理、および、第2余剰電力量を超えないように前記第1グループおよび前記第3グループを充電する第9処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第2余剰電力量は、前記供給可能電力量から、前記第4グループに含まれる端末装置の台数と、前記第4グループに含まれる端末装置が消費する最大電力量とを乗算した値を減算した値である
請求項またはに記載の充電キャビネット
【請求項10】
前記第9処理において、前記制御部は、
前記第3グループに含まれる端末装置が存在しない場合、前記第2余剰電力量を超えないように、前記第1グループに含まれる端末装置を充電させる第10処理を、前記充電制御装置に実行させ、
前記第3グループに含まれる端末装置が存在する場合、前記第2余剰電力量を超えないように、前記第3グループに含まれる端末装置を前記第1グループに含まれる端末装置よりも優先して充電させる第11処理を、前記充電制御装置に実行させる
請求項に記載の充電キャビネット
【請求項11】
前記ケーブルは、USB−C(Universal Serial Bus)規格に準拠し、
前記充電制御装置は、供給する電圧および電流の組み合わせを決定するパワーデリバリシーケンスを、前記複数の端末装置のうちの指定された端末装置と実行する
請求項1から10の何れか1項に記載の充電キャビネット
【請求項12】
前記充電制御装置は、前記ケーブルを介して、VDM(Vendor Define Messaging)信号を前記複数の端末装置のそれぞれとやり取りすることにより、前記複数の端末装置のそれぞれのバッテリ残量を取得する
請求項11に記載の充電キャビネット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校等において、タブレット型コンピュータまたは小型コンピュータ等(以下、タブレット)を教育に用いることが検討されている。このような場合、タブレットは、例えば、教室に設置された専用のラック(保管庫または棚等)に収納して管理される。授業の開始前、学生は、ラックからタブレットを取り出し、取り出したタブレットを起動して自席で使用を開始する。授業の終了後、学生は、使用していたタブレットをラック内に格納し、ラック内の制御装置にケーブルを介して接続する。そして、ラック内の制御装置は、収納されているタブレットに対してケーブルを介して充電をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/096798号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ラック内には、多数のタブレットが収納される。しかし、ラックは、多数のタブレットを供給可能な最大電力で同時に充電した場合、供給電力の合計が許容最大電力を超えてしまう可能性がある。ラックが許容最大電力を超えた電力を供給しようとすると、ブレーカ等が動作し、教室への電力供給が遮断されてしまう。このため、ラックは、タイマ等を使って複数のタブレットの一部ずつを交代で充電させる等を行って、許容最大電力を超えないように複数のタブレットに対して電力供給しなければならなかった。
【0005】
しかし、バッテリは、充電電力の残量によって、充電特性が異なる。一般に、バッテリは、ある一定値の以下の残量の場合(例えば80%以下の場合)、所定以上の電圧を印加しなければ、急速充電がされない。しかし、バッテリは、残量がある一定値を超えた場合(例えば80%より大きい場合)、一定値以上の電圧を印加したとしても、急速充電がされない。このため、急速充電がされないバッテリを先に充電しても、複数のタブレットの全体として効率良く充電できるとは限らない。
【0006】
また、教室に設置される場合、ラックは、次の授業の開始までに、収納している多数のタブレットの全てについて、バッテリの残量を一定値以上にしなければならない。従って、ラックは、多数のタブレットの全てを一律に充電するのではなく、適切に電力を配分してより短時間に充電が完了するようにしなければならない。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の端末装置に対して適切に電力を配分して、複数の端末装置を効率良く充電する充電キャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る充電キャビネットは、それぞれがユーザにより持ち運びが可能な複数の端末装置を内部に収納可能であり、前記複数の端末装置のバッテリの充電を制御する充電キャビネットであって、収納されている前記複数の端末装置のそれぞれとケーブルを介して情報通信および電力供給をする充電制御装置と、前記充電制御装置を制御する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記複数の端末装置のそれぞれのバッテリ残量を取得する残量取得部と、前記複数の端末装置のなかから、バッテリ残量が予め定められた第1閾値以上の第1グループバッテリ残量が前記第1閾値より小さい第2グループ、バッテリ残量が予め定められた第2閾値以上、前記第1閾値より小さい第3グループ、および、バッテリ残量が前記第2閾値より小さい第4グループを特定するグループ特定部と、前記複数の端末装置に対する電力供給の指示を前記充電制御装置に与える制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2グループに含まれる端末装置が存在しない場合、前記充電制御装置により供給可能な電力量である供給可能電力量を超えないように、前記第1グループに含まれる端末装置を充電させる第1処理を、前記充電制御装置に実行させ、前記第2グループに含まれる端末装置が存在する場合、前記第2グループに含まれる全ての端末装置のバッテリ残量が前記第1閾値以上となるまで、前記第2グループに含まれる全ての端末装置を、前記第1グループに含まれる端末装置よりも優先して充電させる第2処理を、前記充電制御装置に実行させ、前記第4グループに含まれる端末装置が存在しない場合、前記第1処理または前記第2処理を、前記充電制御装置に実行させ、前記第4グループに含まれる端末装置が存在する場合、前記第4グループに含まれる全ての端末装置のバッテリ残量が前記第2閾値以上となるまで、前記第4グループに含まれる全ての端末装置を、前記第1グループおよび前記第3グループに含まれる端末装置よりも、優先して充電させる第6処理を、前記充電制御装置に実行させ、前記第1閾値は、バッテリ残量に対する最大充電電流を表す曲線における、バッテリ残量に対して最大充電電流が一定である領域と、バッテリ残量が増加するに従って最大充電電流が減少する領域との境界値であり、前記第2閾値は、前記第1閾値より小さく、前記複数の端末装置のそれぞれを予め定められた時間分使用することが可能なバッテリ残量である
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1態様に係る充電キャビネットによれば、複数の端末装置に対して適切に電力を配分して、複数の端末装置を効率良く充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、情報処理システムを示す図である。
図2図2は、充電キャビネットの外観を示す図である。
図3図3は、充電キャビネットに収納された端末装置の周辺部分を拡大した図である。
図4図4は、内部に端末装置を収納した充電キャビネットの構成を、学校内サーバおよび無線通信装置とともに示すブロック図である。
図5図5は、充電キャビネットが複数の充電制御装置を備える場合の構成を示す図である。
図6図6は、充電制御装置のハードウェア構成を複数の端末装置とともに示す図である。
図7図7は、端末装置のハードウェア構成および充電制御装置内の端末制御部のハードウェア構成を示す図である。
図8図8は、充電制御装置に端末装置が接続された場合における、情報処理システムの処理の流れを示す図である。
図9図9は、バッテリ残量を取得する場合における、情報処理システムの処理の流れを示す図である。
図10図10は、充電対象を設定する場合における、情報処理システムの処理の流れを示す図である。
図11図11は、第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
図12図12は、バッテリ残量に対する最大充電電流を表す曲線および第1閾値を示す図である。
図13図13は、第1実施形態に係る情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、第2処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
図16図16は、バッテリ残量に対する最大充電電流を表す曲線、第1閾値および第2閾値を示す図である。
図17図17は、第2実施形態に係る情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図18図18は、第6処理の流れを示すフローチャートである。
図19図19は、第9処理の流れを示すフローチャートである。
図20図20は、第10処理の流れを示すフローチャートである。
図21図21は、第11処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、実施形態に係る情報処理システム10を説明する。なお、実施形態により開示技術が限定されるものではない。また、複数の実施形態において略同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム10を示す図である。本実施形態において、情報処理システム10は、学校における授業を支援するためのシステムである。なお、情報処理システム10は、学校における授業の支援に限らず、他の環境に適用してもよい。情報処理システム10は、例えば、会社内、セミナーまたは会議等のような、多数の参加者がコンピュータを操作しながら作業または学習等を行う環境であれば、どのような環境に適用してもよい。
【0018】
情報処理システム10は、複数の端末装置20と、学校内サーバ22と、無線通信装置24と、充電キャビネット26(制御装置)とを備える。
【0019】
複数の端末装置20のそれぞれは、タブレット型またはノート型のコンピュータである。端末装置20は、情報の入力機能、出力機能および情報処理機能を有する。端末装置20は、二次電池を有し、二次電池に充電された電力により動作可能である。従って、端末装置20は、ユーザにより持ち運びが可能である。また、端末装置20は、無線通信機能を有し、通信用ケーブルを介さずに他の装置と情報通信が可能である。
【0020】
学校内サーバ22は、サーバ型コンピュータであり、内部ネットワークを介して複数の端末装置20からアクセスされる。また、学校内サーバ22は、例えば、外部ネットワーク上の装置から内部ネットワーク上の装置へのアクセスを制限したり、内部ネットワーク上の装置から外部ネットワーク上の装置へのアクセスを制限したりする。
【0021】
無線通信装置24は、充電キャビネット26の外部に設けられる。無線通信装置24は、内部ネットワークに有線により接続される。無線通信装置24は、複数の端末装置20のそれぞれと無線通信により接続する。無線通信装置24は、無線通信により接続した端末装置20を内部ネットワーク上の他の装置にアクセスさせる。
【0022】
充電キャビネット26は、複数の端末装置20を内部に収納する。充電キャビネット26の内部に収納された端末装置20は、ユーザにより取り出し可能である。
【0023】
充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20を充電する。また、充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20の電源を起動したり、シャットダウンしたりすることができる。充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20と有線により通信することができる。さらに、充電キャビネット26は、内部に収納している端末装置20が起動している状態で、端末装置20と無線により通信をすることもできる。
【0024】
また、充電キャビネット26は、内部ネットワークに接続されている。充電キャビネット26は、外部の装置からの指示に応じて、内部に収納している端末装置20を操作したり、通信をしたりすることができる。
【0025】
このような情報処理システム10において、複数の端末装置20のそれぞれは、授業の開始前に、学生により充電キャビネット26から取り出される。授業中において、端末装置20は、学生により使用される。授業中において、端末装置20は、無線通信装置24を介して学校内サーバ22にアクセスする。これにより、授業中において、端末装置20は、学校内サーバ22から資料データをダウンロードして、学生に参照させることができる。また、授業中において、端末装置20は、学生により入力された情報(例えば、問題に対する回答等)を学校内サーバ22にアップロードすることができる。
【0026】
また、複数の端末装置20のそれぞれは、授業の終了後、充電キャビネット26内に収納される。充電キャビネット26は、収納した端末装置20を、次の授業の開始までに充電する。これにより、充電キャビネット26は、授業中において、端末装置20が充電切れで動作できなくなることを回避することができる。
【0027】
また、充電キャビネット26は、外部の装置等からの遠隔操作に応じて、収納した端末装置20を動作させる。そして、充電キャビネット26は、外部の装置等からの遠隔操作に応じて、収納した端末装置20に、プログラムをアップデートさせたり、プログラムをインストールさせたりする。これにより、充電キャビネット26は、遠隔地にいる保守作業員に端末装置20のメンテナンスをさせることができる。
【0028】
図2は、充電キャビネット26の外観を示す図である。充電キャビネット26は、収納部28を有する。複数の端末装置20は、収納部28の所定の位置に収納される。
【0029】
また、充電キャビネット26は、充電制御装置30と、情報処理装置32とを有する。充電制御装置30は、収納されている端末装置20に対する充電の制御および通信の制御を実行する。また、情報処理装置32は、内部ネットワークを介して他の装置と通信をする。また、情報処理装置32は、充電制御装置30を制御したり、収納されている端末装置20と無線通信をしたりする。
【0030】
図3は、充電キャビネット26に収納された端末装置20の周辺部分を拡大した図である。充電キャビネット26に収納された端末装置20は、ケーブル34を介して充電制御装置30と接続される。
【0031】
ケーブル34は、端末装置20に対して装着自在である。収納作業時において、端末装置20は、ユーザの手作業によりケーブル34に取り付けられる。また、取出作業時において、端末装置20は、ユーザの手作業によりケーブル34から取り外される。
【0032】
ケーブル34は、2つの装置間で電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に準拠している。本実施形態においては、ケーブル34は、USB(Universal Serial Bus)−C規格に準拠したUSB Type−Cケーブルである。この規格によれば、2つの装置の間で情報の通信とともに、電力の供給を行うことができる。
【0033】
図4は、内部に端末装置20を収納した充電キャビネット26の構成を、学校内サーバ22および無線通信装置24とともに示すブロック図である。充電キャビネット26は、充電制御装置30と、情報処理装置32と、複数のケーブル34と、電源タップ36と、複数のACアダプタ38(電力変換器)とを有する。
【0034】
充電制御装置30は、ケーブル34を介して1または複数の端末装置20と接続される。1または複数のケーブル34のそれぞれは、一方の端子が充電制御装置30に接続され、他方の端子が端末装置20と接続可能となっている。
【0035】
充電制御装置30は、1または複数の端末装置20のそれぞれに対する充電の制御および通信の制御を実行する。なお、充電制御装置30の構成については、図6以降でさらに詳細に説明する。
【0036】
情報処理装置32は、通信機能および情報処理機能を有するコンピュータである。情報処理装置32は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含み、インストールされたプログラムに従って情報処理を実行する。また、情報処理装置32は、内部ネットワークに接続され、内部ネットワーク上の他の装置と情報通信を行う。また、情報処理装置32は、学校内サーバ22を介して、外部ネットワーク上の他の装置と情報通信を行う。
【0037】
また、情報処理装置32は、内部通信ケーブル40を介して充電制御装置30に接続される。これにより、情報処理装置32は、充電制御装置30を制御することができる。
【0038】
内部通信ケーブル40は、情報処理装置32と充電制御装置30との間を接続する。内部通信ケーブル40は、USB−C規格に準拠したUSB Type−A to Cケーブルである。内部通信ケーブル40は、これに限らず、他の規格に準拠したケーブルであってよい。
【0039】
電源タップ36は、ACケーブルを介して、教室に設けられた商用AC電源コンセントに接続される。また、電源タップ36は、複数のサブ電源コンセントを有する。電源タップ36のサブ電源コンセントには、情報処理装置32にDC電力を供給するためのACアダプタ38が接続される。ACアダプタ38は、電源タップ36から供給されるAC電力をDC電力に変換して、情報処理装置32に電力を供給する。これにより、情報処理装置32は、AC電力を動力源として動作することができる。なお、情報処理装置32は、AC電力をDC電力に変換する変換器を内蔵していてもよい。この場合、情報処理装置32は、ACケーブルを介して商用AC電源コンセントに接続される。
【0040】
また、電源タップ36のサブ電源コンセントには、充電制御装置30にDC電力を供給するためのACアダプタ38が接続される。ACアダプタ38は、電源タップ36から供給されるAC電力をDC電力に変換して、充電制御装置30に電力を供給する。これにより、充電制御装置30は、AC電力を動力源として動作することができる。なお、充電制御装置30は、AC電力をDC電力に変換する変換器を内蔵していてもよい。この場合、充電制御装置30は、ACケーブルを介して商用AC電源コンセントに接続される。
【0041】
図5は、充電キャビネット26が複数の充電制御装置30を備える場合の構成を示す図である。充電キャビネット26は、複数の充電制御装置30を有していてもよい。本実施形態においては、複数の充電制御装置30は、内部通信ケーブル40によりカスケード接続されている。なお、情報処理装置32は、複数の充電制御装置30のそれぞれと、個別に(パラレルに)、接続されていてもよい。
【0042】
図6は、充電制御装置30のハードウェア構成を複数の端末装置20とともに示す図である。充電制御装置30は、上位変換部42と、装置制御部44と、複数の端末制御部46とを有する。
【0043】
上位変換部42は、情報処理装置32と内部通信ケーブル40を介して接続される。上位変換部42は、内部通信ケーブル40の信号線と、装置制御部44および複数の端末制御部46が入出力する信号線との間の信号フォーマットの変換をする。
【0044】
本実施形態においては、装置制御部44および複数の端末制御部46は、RS485形式のフォーマットの信号を入出力する。従って、本実施形態において、上位変換部42は、USB−Cと、RS485との間の信号フォーマットの変換をする。
【0045】
なお、装置制御部44および複数の端末制御部46がUSB−Cの信号の入出力をする場合には、充電制御装置30は、上位変換部42を有さなくてもよい。また、上位変換部42は、RS485に限らず他の形式に変換してもよい。
【0046】
装置制御部44は、内部にプロセッサ回路等を有する。装置制御部44は、充電制御装置30の全体を制御する。
【0047】
複数の端末制御部46のそれぞれは、ケーブル34を介して端末装置20と接続可能である。複数の端末制御部46のそれぞれは、対応するケーブル34を介して接続された端末装置20に対して、充電の制御および通信の制御を実行する。複数の端末制御部46のそれぞれは、複数本のケーブル34を介して複数個の端末装置20と接続されてもよい。
【0048】
また、複数の端末制御部46のそれぞれは、情報処理装置32から上位変換部42を介してコマンドを受け取る。複数の端末制御部46のそれぞれは、情報処理装置32から受け取ったコマンドに応じて、充電の制御および通信の制御を実行することもできる。また、複数の端末制御部46のそれぞれは、対応するケーブル34を介して接続された端末装置20の状態等を、上位変換部42を介して情報処理装置32に通知する。
【0049】
図7は、端末装置20のハードウェア構成および充電制御装置30内の端末制御部46のハードウェア構成を示す図である。
【0050】
充電制御装置30が有する複数の端末制御部46のそれぞれは、充電側PDコントローラ52(電力供給コントローラ、充電制御部)と、充電側通信プロセッサ54と、下位変換部56と、充電側電源部58とを有する。
【0051】
充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介して端末装置20と接続可能である。充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に従って、電力供給および情報通信を行う。
【0052】
本実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、端末装置20との間で、USB−C規格に準拠した方式で電力供給および情報通信を行う。本実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、USB−C規格に準拠したケーブル34におけるCC(Configuration Cannel)信号線を介して、VDM(Vendor Defined Messaging)信号を端末装置20と送受信する。
【0053】
充電側PDコントローラ52は、ケーブル34を介して端末装置20に接続された場合に、規格において予め定められたシーケンス(パワーデリバリシーケンス)を端末装置20との間で実行することにより、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを設定する。本実実施形態においては、充電側PDコントローラ52は、USB−C規格で定められたパワーデリバリシーケンスを実行することにより、端末装置20に供給する電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを設定する。そして、充電側PDコントローラ52は、設定した電力プロファイルに示された電圧および電流の組み合わせにより電力を端末装置20に供給するように、充電側電源部58に指示を与える。
【0054】
充電側通信プロセッサ54は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、充電側PDコントローラ52を制御する。充電側通信プロセッサ54は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。また、充電側通信プロセッサ54は、プログラムに従って、下位変換部56および上位変換部42を介して、情報処理装置32からコマンドを受け取る。また、充電側通信プロセッサ54は、プログラムに従って、下位変換部56および上位変換部42を介して、情報処理装置32に情報を通知する。
【0055】
下位変換部56は、上位変換部42とバスを介して接続される。下位変換部56は、上位変換部42と接続するバスの信号線と、充電側通信プロセッサ54が入出力する信号線との間の信号フォーマットの変換をする。
【0056】
本実施形態においては、充電側通信プロセッサ54は、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)形式のフォーマットの信号を入出力する。従って、本実施形態において、下位変換部56は、RS485とUARTとの間の信号フォーマットの変換をする。
【0057】
なお、充電側通信プロセッサ54がRS485の信号の入出力をする場合には、端末制御部46は、下位変換部56を有さなくてもよい。また、下位変換部56は、RS485に限らず他の形式に変換してもよい。
【0058】
充電側電源部58は、AC電圧を直流に変換するACアダプタ38から電力を受け取る。充電側電源部58は、充電側PDコントローラ52からの指示に従って、ケーブル34を介して端末装置20に、指定された電力プロファイルに示された電圧および電流の組み合わせにより電力を供給する。
【0059】
端末装置20は、端末側PDコントローラ62(電力供給コントローラ)と、端末側通信プロセッサ64と、プロセッシング回路66と、無線通信部68と、バッテリ70と、端末側電源部72と、電源スイッチ74とを有する。
【0060】
端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を介して充電制御装置30と接続可能である。端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を用いた電力供給および情報通信を行う仕様を定めた規格に従って、電力供給を受けるとともに、情報通信を行う。
【0061】
本実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、充電制御装置30との間で、USB−C規格に準拠した方式で電力供給を受けるとともに、情報通信を行う。本実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、USB−C規格に準拠したケーブル34におけるCC信号線を介して、VDM信号を充電制御装置30と送受信する。
【0062】
端末側PDコントローラ62は、ケーブル34を介して充電制御装置30に接続された場合に、規格において予め定められたシーケンス(パワーデリバリシーケンス)を充電制御装置30との間で実行することにより、充電制御装置30から受け取る電圧および電流の組み合わせを設定する。本実実施形態においては、端末側PDコントローラ62は、USB−C規格で定められたパワーデリバリシーケンスを実行することにより、充電制御装置30から受け取る電圧および電流の組み合わせを示す電力プロファイルを設定する。そして、端末側PDコントローラ62は、設定した電力プロファイルに示される電圧および電流の組み合わせの電力を充電制御装置30から受け取るように、端末側電源部72に指示を与える。
【0063】
端末側通信プロセッサ64は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、端末側PDコントローラ62を制御する。端末側通信プロセッサ64は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。例えば、端末側通信プロセッサ64は、プロセッシング回路66に対して、ケーブル34を介して接続された充電制御装置30に関する情報等を与える。また、端末側通信プロセッサ64は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った情報、端末装置20の内部の回路からの信号および電源スイッチ74に対する操作に基づき、電源状態を制御する。
【0064】
プロセッシング回路66は、CPU、ROMおよびRAM等を含み、端末装置20の全体の制御を実行する。プロセッシング回路66は、例えばROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開して、プログラムに従った制御をする。プロセッシング回路66は、プログラムの実行に従って、端末側通信プロセッサ64にコマンドを与えたり、端末側通信プロセッサ64から情報を取得したりする。また、プロセッシング回路66は、プログラムの実行に従って、無線通信部68を制御する。
【0065】
無線通信部68は、プロセッシング回路66による制御に従って、無線通信をする。本実施形態においては、無線通信部68は、無線通信装置24と無線通信をする。そして、無線通信部68は、プロセッシング回路66と他装置との間の情報通信を中継する。
【0066】
バッテリ70は、二次電池である。バッテリ70は、端末装置20に含まれる各回路に電力を供給する。
【0067】
端末側電源部72は、バッテリ70から電力を受け取り、バッテリ70から受け取った電力をプロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。なお、端末側PDコントローラ62、端末側通信プロセッサ64および端末側電源部72は、端末装置20の電源状態に関わらず常時電力が供給されている。
【0068】
また、端末側電源部72は、端末側PDコントローラ62からの指示に従って、ケーブル34を介して充電制御装置30から電力を受け取ることもできる。この場合、端末側電源部72は、充電制御装置30から受け取った電力を、電源スイッチ74を介してプロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に供給する。また、端末側電源部72は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った電力をバッテリ70に供給することにより、バッテリ70を充電する。
【0069】
電源スイッチ74は、筐体に設けられたオルタネート動作をするプッシュスイッチである。電源スイッチ74は、ユーザにより操作がされる。
【0070】
電源スイッチ74がユーザにより押された場合に、端末側通信プロセッサ64は、電源状態を切り替える。例えば、端末側通信プロセッサ64は、オフ状態において、電源スイッチ74が押された場合には、オン状態に切り替える。また、端末側通信プロセッサ64は、オン状態において、電源スイッチ74が押された場合には、オフ状態に切り替える。また、端末側通信プロセッサ64は、ケーブル34を介して充電制御装置30から受け取った情報(ウェイクアップ命令およびスリープ命令等)に応じて、電源状態(オン状態またはオフ状態)を切り替える。また、端末側通信プロセッサ64は、端末装置20の内部の回路からの信号によっても電源状態を切り替える。
【0071】
端末側電源部72は、オン状態において、プロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路に電力を供給する。端末側電源部72は、オフ状態において、プロセッシング回路66および無線通信部68等の各回路への電力供給を切断する。
【0072】
図8は、充電制御装置30に端末装置20が接続された場合における、情報処理システム10の処理の流れを示す図である。充電制御装置30に端末装置20が接続された場合、情報処理システム10は、図8に示すような流れで処理を実行する。
【0073】
まず、端末装置20は、充電制御装置30にケーブル34を介して物理的に接続される(S111−1,S111−2)。続いて、充電制御装置30および端末装置20は、パワーデリバリシーケンスを実行し、電力プロファイルを設定する(S112−1,S112−2)。これにより、充電制御装置30は、設定した電力プロファイルに示された電圧および電流の電力を端末装置20に供給することができる。
【0074】
ここで、充電制御装置30および端末装置20は、パワーデリバリシーケンスとして次のような手続きを実行する。まず、充電制御装置30および端末装置20のそれぞれは、供給または入力可能な1または複数の電力プロファイルが記述されたパワーデリバリーオブジェクト情報が予め設定されている。充電制御装置30は、予め設定されている1または複数の電力プロファイルを含むパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する。続いて、端末装置20は、充電制御装置30から送られてきたパワーデリバリーオブジェクト情報の中から、供給を要求する1つの電力プロファイルを決定し、決定した電力プロファイルを示す応答情報を充電制御装置30に送信する。そして、充電制御装置30は、応答情報に示された電力プロファイルに従って端末装置20に対する電力供給を開始する。充電制御装置30および端末装置20は、このような手続きを実行することにより、電力プロファイルに示された電圧および電流の組み合わせにより端末装置20へ電力を供給することができる。
【0075】
USB−C規格では、電力プロファイルとして、“5V/0.9A”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”が定められている。また、USB−C規格では、最低電圧および最低電流の“5V/0.9A”が、デフォルト電力プロファイルとして定められている。そして、USB−C規格に準拠した機器は、デフォルト電力プロファイルでの電力供給および電力受け取りが可能でなければならないことが定められている。
【0076】
本実施形態においては、充電制御装置30および端末装置20は、端末装置20がケーブル34を介して物理的に接続された直後のパワーデリバリシーケンスを実行することにより、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)が設定される。例えば、充電制御装置30は、端末装置20がケーブル34を介して接続された直後のパワーデリバリシーケンスにおいて、デフォルト電力プロファイルのみが記述されたパワーデリバリーオブジェクト情報を端末装置20に送信する。これにより、充電制御装置30は、端末装置20がケーブル34を介して接続された直後において、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に示された電圧および電流により、端末装置20に電力供給をすることができる。
【0077】
なお、充電制御装置30は、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に設定されている端末装置20には、他の電力プロファイルと比較して、非常に小さい電力しか供給することができない。従って、充電制御装置30は、デフォルト電力プロファイル(5V/0.9A)に設定されている端末装置20に対しては、実質的に充電をすることができない。
【0078】
充電制御装置30は、端末装置20が物理的に接続され(S111−1,S111−2)、且つ、パワーデリバリシーケンスが実行された場合(S112−1,S112−2)、接続された端末装置20の接続情報を情報処理装置32に送信する(S113−1,S113−2)。充電制御装置30は、新たな端末装置20が物理的に接続される毎に、接続情報を送信する。また、充電制御装置30は、既に物理的に接続されている端末装置20が取り外された場合、取り外されたことを示す接続情報を情報処理装置32に送信する。
【0079】
情報処理装置32は、充電制御装置30から接続情報を受信する毎に、充電制御装置30に接続されている端末装置20を登録する(S114)。例えば、情報処理装置32は、充電制御装置30に新たに接続された端末装置20の識別情報およびポート番号等をメモリに登録する。また、例えば、情報処理装置32は、充電制御装置30から取り外された端末装置20の識別情報およびポート番号等をメモリから削除する。
【0080】
図9は、バッテリ残量を取得する場合における、情報処理システム10の処理の流れを示す図である。バッテリ残量を取得する場合、情報処理システム10は、図9に示すような流れで処理を実行する。
【0081】
まず、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている端末装置20について、バッテリ70に充電された電力の残量を表すバッテリ残量の取得要求を充電制御装置30に送信する(S121)。続いて、充電制御装置30は、VDM信号により、バッテリ残量の送信命令を、対応する端末装置20に送信する(S122)。
【0082】
続いて、バッテリ残量の送信命令を受け取った端末装置20は、バッテリ残量を取得する(S123)。続いて、バッテリ残量の送信命令を受け取った端末装置20は、バッテリ残量を、VDM信号により、充電制御装置30に送信する(S124)。続いて、充電制御装置30は、端末装置20から受信したバッテリ残量を情報処理装置32に送信する(S115)。情報処理装置32は、バッテリ残量を受け取ると、端末装置20の識別情報に対応付けてメモリに登録する。
【0083】
なお、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについて、定期的に、バッテリ残量の取得要求を充電制御装置30に送信する。そして、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについて、定期的に、メモリに登録されたバッテリ残量を更新する。
【0084】
図10は、充電対象を設定する場合における、情報処理システム10の処理の流れを示す図である。
【0085】
情報処理システム10は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のうちの一部の端末装置20(対象装置)に対して、バッテリ70を充電可能な電力を供給する場合がある。この場合、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のうちの他の一部の端末装置20(非対象装置)に対して、バッテリ70を充電することができない少ない電力を供給する。
【0086】
例えば、情報処理装置32は、充電対象の端末装置20である対象装置について、最大プロファイル設定指示を充電制御装置30に与える(S131)。最大プロファイル設定指示は、その端末装置20についての電力プロファイルを供給可能な最大の電力を示す最大電力プロファイルに設定するプロファイル設定指示である。
【0087】
最大電力プロファイルは、充電制御装置30とその端末装置20との間で設定が可能な電力プロファイルのうちの最大電力を示すプロファイルである。例えば、充電制御装置30が5V/0.9A”、“5V/3A”、“9V/3A”、“12V/3A”、“15V/3A”および“20V/3A”で電力供給が可能であり、端末装置20が、5V/0.9A”、“5V/3A”および“20V/3A”で電力を受け取りが可能であるとする。この場合、最大電力プロファイルは、互いに共通の電力プロファイルのうちの最大電力の“20V/3A”となる。
【0088】
情報処理装置32から最大プロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、最大電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、対象装置とパワーデリバリシーケンスを実行する(S132)。
【0089】
なお、充電制御装置30および端末装置20は、一旦パワーデリバリシーケンスを実行した後は、ケーブル34を介して接続をした状態では、電力プロファイルを変更することができない場合がある。この場合、充電制御装置30は、対応する端末装置20との間のケーブル34を介した電力供給および情報通信を一端切断した後に、再接続してもよい。例えば、充電制御装置30は、ケーブル34におけるグランド線または電源線をオープンにして電力供給および情報通信を一端切断し、その後、グランド線または電源線を接続してもよい。これにより、充電制御装置30および端末装置20は、再度、パワーデリバリシーケンスを実行することができる。
【0090】
一方、情報処理装置32は、充電対象ではない端末装置20である非対象装置について、デフォルトプロファイル設定指示を充電制御装置30に与える(S141)。デフォルトプロファイル設定指示は、その端末装置20についての電力プロファイルを、最低電圧および最低電流のデフォルト電力プロファイルに設定するプロファイル設定指示である。
【0091】
情報処理装置32からデフォルトプロファイル設定指示を受け取った場合、充電制御装置30は、デフォルト電力プロファイルにより電圧および電流が供給されるように、接続されている非対象装置とパワーデリバリシーケンスを実行する(S142)。
【0092】
なお、充電制御装置30は、S132およびS142の処理において、その端末装置20についての変更前における電力プロファイルと、変更後における電力プロファイルが一致する場合には、パワーデリバリシーケンスを実行しなくてもよい。これにより、充電制御装置30は、電力プロファイルを変更しない端末装置20との間でのパワーデリバリシーケンスの処理を無くすことができる。
【0093】
図11は、第1実施形態に係る情報処理装置32の機能構成を示す図である。第1実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出部112と、残量取得部114と、グループ特定部116と、制御部118とを備える。
【0094】
第1実施形態に係る情報処理装置32は、接続検出モジュール、残量取得モジュール、グループ特定モジュールおよび制御モジュール含む所定のプログラムを実行することにより、接続検出部112、残量取得部114、グループ特定部116および制御部118として機能する。なお、情報処理装置32は、接続検出部112、残量取得部114、グループ特定部116および制御部118の一部または全部がハードウェアで構成されていてもよい。
【0095】
接続検出部112は、充電制御装置30から接続情報を取得する。そして、接続検出部112は、充電制御装置30に接続されている端末装置20をメモリ等に登録する。
【0096】
残量取得部114は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のそれぞれについての、バッテリ残量、および、バッテリ残量に応じた最大消費電力量を取得する。バッテリ残量は、例えばパーセンテージで表される。
【0097】
残量取得部114は、充電制御装置30に新たな端末装置20が接続された場合、新たに接続された端末装置20のバッテリ残量、および、バッテリ残量に応じた最大消費電力量を取得する。また、残量取得部114は、充電制御装置30に接続されている1または複数の端末装置20のそれぞれについて、定期的に、バッテリ残量およびバッテリ残量に応じた最大消費電力量を取得する。
【0098】
最大消費電力量は、その端末装置20において消費される可能性のある最大電力量である。一般に、最大消費電力量は、バッテリ残量と相関関係を有する。端末装置20は、バッテリ残量毎の最大消費電力量を表す情報を記憶している。例えば、端末装置20は、過去のバッテリ残量と電力消費量との関係を検出することにより、バッテリ残量毎の最大消費電力量を表す情報を生成して記憶する。また、例えば、端末装置20は、製造時において、設計者等により算出されたバッテリ残量毎の最大消費電力量を表す情報を記憶していてもよい。端末装置20は、充電制御装置30からの要求に応じて、または、定期的に、VDM信号により充電制御装置30に、バッテリ残量およびそのバッテリ残量に応じた最大消費電力量を送信する。残量取得部114は、このように端末装置20から充電制御装置30へと送信されたバッテリ残量およびバッテリ残量に応じた最大消費電力量を、充電制御装置30から取得する。
【0099】
なお、残量取得部114は、最大消費電力量を端末装置20から取得するのではなく、端末装置20から取得したバッテリ残量から推定してもよい。例えば、残量取得部114は、バッテリ残量と最大消費電力量との関係を表す対応関係情報を予め記憶しておき、取得したバッテリ残量および対応関係情報に基づき、最大電力消費量を算出してもよい。
【0100】
グループ特定部116は、充電制御装置30に接続されている複数の端末装置20のなかから、バッテリ残量が予め定められた第1閾値以上の第1グループを特定する。さらに、グループ特定部116は、バッテリ残量が第1閾値より小さい第2グループを特定する。
【0101】
制御部118は、複数の端末装置20に対する電力供給の指示を充電制御装置30に与える。充電制御装置30は、制御部118から受け取った指示に従って、ケーブル34を介して接続されている複数の端末装置20のそれぞれに対する電力プロファイルを設定することにより、電力供給を制御する。具体的には、充電制御装置30は、充電対象の端末装置20との間の電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定し、非充電対象の端末装置20との間の電力プロファイルをデフォルト電力プロファイルに設定する。
【0102】
より具体的には、制御部118は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のなかに第2グループに含まれる端末装置20が存在しない場合、供給可能電力量を超えないように第1グループに含まれる端末装置20を充電させる第1処理を、充電制御装置30に実行させる。
【0103】
供給可能電力量は、充電制御装置30により複数の端末装置20に対して供給可能な電力量である。例えば、供給可能電力量は、電源タップ36から入力することが可能な電力量に基づき、ユーザ等により予め設定される。例えば、供給可能電力量は、電源タップ36から入力することが可能な電力量から、必要電力量を減じた量である。必要電力量は、例えば、充電キャビネット26により消費される電力量、充電制御装置30の全てのポートにデフォルト電力プロファイルで電力供給がされた場合に消費される電力量、および、マージン電力量を加算した値である。情報処理装置32は、供給可能電力量を学校内サーバ22等から内部ネットワークを介して予め取得してもよい。
【0104】
また、制御部118は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のなかに第2グループに含まれる端末装置20が存在する場合、第2グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、第2処理を、充電制御装置30に実行させる。第2処理は、第2グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる処理である。
【0105】
図12は、バッテリ残量に対する最大充電電流を表す曲線および第1閾値を示す図である。
【0106】
二次電池であるバッテリ70におけるバッテリ残量と、充電時において流れる最大の電流(最大充電電流)との関係は、一般的に、図12のように表される。すなわち、バッテリ残量がある特定値以上から100%までの第1領域は、バッテリ残量が増加するに従って最大充電電流が減少する。一方、バッテリ残量が0%からある特定値(例えば80%程度)までの第2領域は、バッテリ残量に対して最大充電電流が一定である。
【0107】
情報処理装置32は、第1領域と第2領域との境界値が第1閾値として設定される。そして、情報処理装置32は、バッテリ残量が第1閾値以上の端末装置20を第1グループとし、バッテリ残量が第1閾値未満の端末装置20を第2グループに特定する。これにより、情報処理装置32は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20を、充電特性に応じた2つのグループに分けることができる。
【0108】
ここで、バッテリ残量が0%から第1閾値までの第2領域は、バッテリ残量が第1閾値から100%までの第1領域よりも、最大充電電流が大きい。従って、バッテリ残量が第2領域の端末装置20は、バッテリ残量が第1領域の端末装置20よりも高速に充電が可能である。
【0109】
第1実施形態に係る情報処理装置32は、第2グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる。これにより、情報処理装置32によれば、急速に充電が可能な端末装置20に対して先に電力を配分して、複数の端末装置20を効率良く充電することができる。
【0110】
図13は、第1実施形態に係る情報処理装置32の処理の流れを示すフローチャートである。情報処理装置32は、図13に示すフローチャートに従って処理を実行する。例えば、情報処理装置32は、新たな端末装置20が接続された場合または一定時間毎に、図13に示すフローチャートに従って処理を実行する。
【0111】
まず、S11において、残量取得部114は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のそれぞれのバッテリ残量を取得する。続いて、S12において、グループ特定部116は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のそれぞれについて、バッテリ残量が第1閾値以上の第1グループに属するか、バッテリ残量が第1閾値より小さい第2グループに属するかを特定する。
【0112】
続いて、S13において、制御部118は、バッテリ残量が第1閾値より小さい端末装置20が存在するか否かを判断する。すなわち、S13において、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20が存在するか否かを判断する。
【0113】
バッテリ残量が第1閾値より小さい端末装置20が存在しない場合、つまり、第2グループに含まれる端末装置20が存在しない場合(S13のNo)、制御部118は、処理をS14に進める。
【0114】
S14において、制御部118は、充電制御装置30により供給可能な電力量である供給可能電力量を超えないように、第1グループに含まれる端末装置20を充電させる第1処理を、充電制御装置30に実行させる。
【0115】
例えば、第1処理において、制御部118は、第1グループに含まれる端末装置20のそれぞれに対して、平均電力量を、充電制御装置30に供給させる。平均電力量は、供給可能電力量を第1グループに含まれる端末装置20の台数で除算した電力量である。
【0116】
例えば、制御部118は、複数の端末装置20のそれぞれに対して、ケーブル34から受け取る電力量の上限を平均電力量に設定させるように、充電制御装置30に指示する。そして、制御部118は、複数の端末装置20のそれぞれとの間の電力プロファイルを、最大電力プロファイルに設定するように指示する。このような指示を受けた充電制御装置30は、複数の端末装置20のそれぞれに対してケーブル34から受け取る電力量の上限を平均電力量に設定させる。これとともに、充電制御装置30は、複数の端末装置20のそれぞれとの間の電力プロファイルを、最大電力プロファイルに設定するようにパワーデリバリシーケンスを実行する。これにより、制御部118は、供給可能電力量を超えないように、第1グループに含まれる端末装置20を充電させることができる。
【0117】
また、例えば、第1処理において、制御部118は、複数の端末装置20に対して輪番充電をさせるように、充電制御装置30を制御してもよい。例えば、制御部118は、第1グループに含まれる端末装置20のうちの一部に対して、バッテリ70を充電可能な電力量を供給し、第1グループに含まれる端末装置20のうちの他の一部に対して、バッテリ70を充電可能な電力を供給しないように、充電制御装置30を制御する。この場合、充電制御装置30は、充電対象の端末装置20との間の電力プロファイルを最大電力プロファイルに設定し、非充電対象の端末装置20との間の電力プロファイルをデフォルト電力プロファイルに設定する。そして、制御部118は、バッテリ70を充電可能な電力量を供給する一部の端末装置20を、所定時間毎に順次に変更させるように、充電制御装置30を制御する。これにより、制御部118は、供給可能電力量を超えないように、第1グループに含まれる端末装置20を充電させることができる。
【0118】
情報処理装置32は、第1グループに含まれる全ての端末装置20の充電が完了した場合、本フローを終了する。そして、情報処理装置32は、例えば、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合、または、一定時間経過後、S11から処理を繰り返す。なお、情報処理装置32は、S14の途中において、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合、または、一定時間経過した場合、S11に処理を戻してもよい。
【0119】
一方、バッテリ残量が第1閾値より小さい端末装置20が存在する場合、つまり、第2グループに含まれる端末装置20が存在する場合(S13のYes)、制御部118は、処理をS15に進める。
【0120】
S15において、制御部118は、第2グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる第2処理を、充電制御装置30に実行させる。制御部118は、第2処理を終了すると、処理をS13に戻す。そして、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20がまだ存在する場合(S13のYes)、再度、第2処理を充電制御装置30に実行させる。従って、制御部118は、第2グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、すなわち、第2グループに含まれる端末装置20が存在しなくなるまで、第2処理を繰り返して充電制御装置30に実行させる。なお、第2処理の詳細については、図14を参照してさらに説明する。
【0121】
制御部118は、第2処理を終了した後、処理をS11に戻してもよい。この場合、制御部118は、再度バッテリ残量の取得およびグループの特定をした後、第2グループに含まれる端末装置20が存在しなくなるまで、第2処理を繰り返す。
【0122】
図14は、第2処理(S15)の流れを示すフローチャートである。制御部118は、第2処理(S15)において、図14に示す処理を実行する。
【0123】
まず、S21において、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20の台数(A)を検出する。続いて、S22において、制御部118は、第1充電可能台数(B)を算出する。第1充電可能台数(B)は、充電制御装置30により同時充電可能な、第2グループの端末装置20の台数である。
【0124】
第1充電可能台数(B)は、例えば、供給可能電力量を、第2グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量で除算した商である。第2グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、第2グループに含まれる端末装置20から取得した最大電力消費量のうちの最大の値であってもよい。また、第2グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、例えば、設計者等により予め設定されていてもよい。
【0125】
続いて、S23において、制御部118は、第1充電可能台数(B)が、第2グループに含まれる端末装置20の台数(A)より多いか否かを判断する。第1充電可能台数(B)が、第2グループに含まれる端末装置20の台数(A)より多くない場合(S23のNo)、制御部118は、処理をS24に進める。第1充電可能台数(B)が、第2グループに含まれる端末装置20の台数(A)より多い場合(S23のYes)、制御部118は、処理をS31に進める。
【0126】
S24において、制御部118は、第2グループから第1充電可能台数(B)の端末装置20を選択する。例えば、制御部118は、第2グループに属する複数の端末装置20のなかから、充電制御装置30におけるポート番号が小さい方から順にB台の端末装置20を選択する。なお、制御部118は、他の方法でB台の端末装置20を選択してもよい。
【0127】
続いて、S25において、制御部118は、選択した第1充電可能台数(B)の端末装置20を充電する第3処理を、充電制御装置30に実行させる。続いて、S26において、制御部118は、選択した第1充電可能台数(B)の端末装置20の全てのバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、処理を待機する。そして、制御部118は、選択した第1充電可能台数(B)の端末装置20の全てのバッテリ残量が第1閾値以上となった場合、第2処理(S15)を終了する。
【0128】
S24〜S26を実行することにより、制御部118は、選択した第1充電可能台数(B)の端末装置20の全てのバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、選択した第1充電可能台数の端末装置20を充電する第3処理を充電制御装置30に実行させることができる。
【0129】
一方、S31において、制御部118は、第2グループに含まれる全ての端末装置20を充電する第4処理を充電制御装置30に実行させる。
【0130】
続いて、S32において、制御部118は、第1余剰電力量を算出する。第1余剰電力量は、供給可能電力量から、第2グループに含まれる端末装置20の全てにより消費される最大電力量を減算した値である。第2グループに含まれる端末装置20の全てにより消費される最大電力量は、第2グループに含まれる端末装置20の台数(A)と、第2グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量とを乗算した値である。
【0131】
続いて、S33において、制御部118は、第1追加充電可能台数(C)を算出する。第1追加充電可能台数(C)は、第1余剰電力量を、第1グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量で除算した商である。第1グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、例えば、残量取得部114が取得した第1グループに含まれる端末装置20のそれぞれの最大消費電力量のうち、最も大きい値である。
【0132】
続いて、S34において、制御部118は、第1グループから第1追加充電可能台数(C)の端末装置20を選択する。例えば、制御部118は、第1グループに属する複数の端末装置20のなかから、充電制御装置30におけるポート番号が小さい方から順にC台の端末装置20を選択する。なお、制御部118は、他の方法でC台の端末装置20を選択してもよい。
【0133】
続いて、S35において、制御部118は、選択した第1追加充電可能台数(C)の端末装置20を充電する第5処理を、充電制御装置30に実行させる。S32〜S35を実行することにより、制御部118は、第1余剰電力量を超えないように第1グループの端末装置20を充電する処理を、充電制御装置30に実行させることができる。
【0134】
続いて、S36において、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、処理を待機する(S36のNo)。そして、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第1閾値以上となった場合(S36のYes)、第2処理(S15)を終了する。
【0135】
S31〜S36を実行することにより、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、第2グループの端末装置20を充電する第4処理、および、第1余剰電力量を超えないように第1グループの端末装置20を充電する第5処理を、充電制御装置30に実行させることができる。
【0136】
そして、情報処理装置32は、このようなS21〜S36の第2処理を終了すると、処理を図13のS13に戻す。そして、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20がまだ存在する場合(S13のYes)、再度、図14のS21〜S36の第2処理を充電制御装置30に実行させる。従って、情報処理装置32は、第2グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、第2処理を繰り返して充電制御装置30に実行させることができる。
【0137】
以上のように、第1実施形態に係る情報処理装置32は、第2グループに含まれる端末装置20が存在しない場合、充電制御装置30により供給可能な電力量である供給可能電力量を超えないように、第1グループに含まれる端末装置20を充電させる。また、情報処理装置32は、第2グループに含まれる端末装置20が存在する場合、第2グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、第2グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる。
【0138】
このような処理を実行することにより、第1実施形態に係る情報処理装置32は、より高速に充電が可能な第1グループに含まれる端末装置20を優先して充電させることができる。これにより、第1実施形態に係る情報処理装置32によれば、複数の端末装置20に対して適切に電力を配分して、複数の端末装置20を効率良く充電することができる。
【0139】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を有する。
【0140】
図15は、第2実施形態に係る情報処理装置32の機能構成を示す図である。第2実施形態に係る情報処理装置32は、第1実施形態と同様に、接続検出部112と、残量取得部114と、グループ特定部116と、制御部118とを備える。ただし、第2実施形態に係るグループ特定部116および制御部118は、第1実施形態と機能が一部異なる。
【0141】
第2実施形態に係るグループ特定部116は、バッテリ残量が予め定められた第2閾値以上第1閾値より小さい第3グループをさらに特定する。また、第2実施形態に係るグループ特定部116は、バッテリ残量が第2閾値より小さい第4グループをさらに特定する。なお、第2閾値は、第1閾値より小さい。
【0142】
図16は、バッテリ残量に対する最大充電電流を表す曲線および第1閾値および第2閾値を示す図である。
【0143】
情報処理装置32は、第1閾値より小さい第2閾値が設定される。第2閾値は、複数の端末装置20のそれぞれを予め定められた時間分使用することが可能なバッテリ残量である。充電キャビネット26が学校の教室に設けられ、端末装置20が学生により授業で使用される場合、第2閾値は、少なくとも1回の授業の時間分使用することが可能なバッテリ残量である。端末装置20は、第2閾値以上のバッテリ残量を有していれば、授業における学生による使用に耐えることができる。
【0144】
情報処理装置32は、バッテリ残量が第1閾値以上の端末装置20を第1グループとし、バッテリ残量が第1閾値未満の端末装置20を第2グループに特定する。さらに、情報処理装置32は、バッテリ残量が第2閾値以上、第1閾値未満の端末装置20を第3グループに特定し、バッテリ残量が第2閾値未満の端末装置20を第4グループに特定する。
【0145】
そして、第2実施形態に係る情報処理装置32は、第4グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループおよび第3グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる。これにより、情報処理装置32によれば、最低限必要なバッテリ残量に達していない端末装置20に対して先に電力を配分して、複数の端末装置20を効率良く充電することができる。
【0146】
さらに、複数の端末装置20の全てのバッテリ残量が最低限必要な値以上となった場合、第2実施形態に係る情報処理装置32は、第2グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる。これにより、情報処理装置32によれば、急速に充電が可能な端末装置20に対して先に電力を配分して、複数の端末装置20を効率良く充電することができる。
【0147】
図17は、第2実施形態に係る情報処理装置32の処理の流れを示すフローチャートである。情報処理装置32は、図17に示すフローチャートに従って処理を実行する。例えば、情報処理装置32は、新たな端末装置20が接続された場合または一定時間毎に、図17に示すフローチャートに従って処理を実行する。なお、図17は、第1実施形態と略同一の処理を実行するステップについて、同一のステップ番号を付けている。
【0148】
まず、S11において、残量取得部114は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のそれぞれのバッテリ残量を取得する。続いて、S12において、グループ特定部116は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のそれぞれについて、バッテリ残量が第1閾値以上の第1グループに属するか、バッテリ残量が第1閾値より小さい第2グループに属するかを特定する。続いて、S41において、グループ特定部116は、充電制御装置30に接続された複数の端末装置20のそれぞれについて、バッテリ残量が第2閾値以上かつ第1閾値より小さい第3グループに属するか、バッテリ残量が第2閾値より小さい第4グループに属するかを特定する。
【0149】
続いて、S42において、制御部118は、バッテリ残量が第2閾値より小さい端末装置20が存在するか否かを判断する。すなわち、S42において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20が存在するか否かを判断する。
【0150】
バッテリ残量が第2閾値より小さい端末装置20が存在しない場合、つまり、第4グループに含まれる端末装置20が存在しない場合(S42のNo)、制御部118は、処理をS13に進める。
【0151】
続いて、S13において、制御部118は、バッテリ残量が第1閾値より小さい端末装置20が存在するか否かを判断する。すなわち、S13において、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20が存在するか否かを判断する。
【0152】
バッテリ残量が第1閾値より小さい端末装置20が存在しない場合、つまり、第2グループに含まれる端末装置20が存在しない場合(S13のNo)、制御部118は、処理をS14に進める。
【0153】
S14において、制御部118は、充電制御装置30により供給可能な電力量である供給可能電力量を超えないように、第1グループに含まれる端末装置20を充電させる第1処理を、充電制御装置30に実行させる。第1処理は、第1実施形態と同一の処理である。
【0154】
情報処理装置32は、第1グループに含まれる全ての端末装置20の充電が完了した場合、本フローを終了する。そして、情報処理装置32は、例えば、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合、または、一定時間経過後、S11から処理を繰り返す。なお、情報処理装置32は、S14の途中において、新たな端末装置20が充電制御装置30に接続された場合、または、一定時間経過した場合、S11に処理を戻してもよい。
【0155】
バッテリ残量が第1閾値より小さい端末装置20が存在する場合、つまり、第2グループに含まれる端末装置20が存在する場合(S13のYes)、制御部118は、処理をS15に進める。
【0156】
S15において、制御部118は、第2グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる第2処理を、充電制御装置30に実行させる。第2処理は、第1実施形態と同一の処理である。
【0157】
制御部118は、第2処理を終了すると、処理をS13に戻す。そして、制御部118は、第2グループに含まれる端末装置20がまだ存在する場合(S13のYes)、再度、第2処理を充電制御装置30に実行させる。従って、制御部118は、第2グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、すなわち、第2グループに含まれる端末装置20が存在しなくなるまで、第2処理を繰り返して充電制御装置30に実行させる。
【0158】
なお、制御部118は、第2処理を終了した後、処理をS11に戻してもよい。この場合、制御部118は、再度バッテリ残量の取得およびグループの特定をした後、第2グループに含まれる端末装置20が存在しなくなるまで、第2処理を繰り返す。
【0159】
一方、バッテリ残量が第2閾値より小さい端末装置20が存在する場合、つまり、第4グループに含まれる端末装置20が存在する場合(S42のYes)、制御部118は、処理をS43に進める。
【0160】
S43において、制御部118は、第4グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループおよび第3グループに含まれる端末装置20よりも優先して充電させる第6処理を、充電制御装置30に実行させる。なお、第6処理の詳細については、図18を参照してさらに説明する。
【0161】
制御部118は、第6処理を終了すると、処理をS42に戻す。そして、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20がまだ存在する場合(S42のYes)、再度、第6処理を充電制御装置30に実行させる。従って、制御部118は、第4グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第1閾値以上となるまで、すなわち、第4グループに含まれる端末装置20が存在しなくなるまで、第6処理を繰り返して充電制御装置30に実行させる。
【0162】
なお、制御部118は、第6処理を終了した後、処理をS11に戻してもよい。この場合、制御部118は、再度バッテリ残量の取得およびグループの特定をした後、第4グループに含まれる端末装置20が存在しなくなるまで、第6処理を繰り返す。
【0163】
図18は、第6処理(S43)の流れを示すフローチャートである。制御部118は、第6処理(S43)において、図18に示す処理を実行する。
【0164】
まず、S51において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の台数(D)を検出する。続いて、S52において、制御部118は、第2充電可能台数(E)を算出する。第2充電可能台数(E)は、充電制御装置30により同時充電可能な、第4グループの端末装置20の台数である。
【0165】
第2充電可能台数(E)は、例えば、供給可能電力量を、第4グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量で除算した商である。第4グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、第4グループに含まれる端末装置20から取得した最大電力消費量のうちの最大の値であってもよい。また、第4グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、例えば、設計者等により予め設定されていてもよい。
【0166】
続いて、S53において、制御部118は、第2充電可能台数(E)が、第4グループに含まれる端末装置20の台数(D)より多いか否かを判断する。第2充電可能台数(E)が、第4グループに含まれる端末装置20の台数(D)より多くない場合(S53のNo)、制御部118は、処理をS54に進める。第2充電可能台数(E)が、第4グループに含まれる端末装置20の台数(D)より多い場合(S53のYes)、制御部118は、処理をS61に進める。
【0167】
S54において、制御部118は、第4グループから第2充電可能台数(E)の端末装置20を選択する。例えば、制御部118は、第4グループに属する複数の端末装置20のなかから、充電制御装置30におけるポート番号が小さい方から順にE台の端末装置20を選択する。なお、制御部118は、他の方法でE台の端末装置20を選択してもよい。
【0168】
続いて、S55において、制御部118は、選択した第2充電可能台数(E)の端末装置20を充電する第7処理を、充電制御装置30に実行させる。続いて、S56において、制御部118は、選択した第2充電可能台数(E)の端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、処理を待機する。そして、制御部118は、選択した第2充電可能台数(E)の端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となった場合、第6処理(S43)を終了する。
【0169】
S54〜S56を実行することにより、制御部118は、選択した第2充電可能台数(E)の端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、選択した第2充電可能台数の端末装置20を充電する第7処理を充電制御装置30に実行させることができる。
【0170】
一方、S61において、制御部118は、第4グループに含まれる全ての端末装置20を充電する第8処理を、充電制御装置30に実行させる。
【0171】
続いて、S62において、制御部118は、第2余剰電力量を算出する。第2余剰電力量は、供給可能電力量から、第4グループに含まれる端末装置20の全てにより消費される最大電力量を減算した値である。第4グループに含まれる端末装置20の全てにより消費される最大電力量は、第4グループに含まれる端末装置20の台数(D)と、第4グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量とを乗算した値である。
【0172】
続いて、S63において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第2余剰電力量を超えないように第1グループおよび第3グループに含まれる端末装置20を充電する第9処理を、充電制御装置30に実行させる。なお、第9処理の詳細については、図19を参照してさらに説明する。そして、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となった場合、第6処理(S43)を終了する。
【0173】
S61〜S63を実行することにより、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第2グループの端末装置20を充電する第8処理、および、第2余剰電力量を超えないように第1グループおよび第3グループの端末装置20を充電する第9処理を、充電制御装置30に実行させることができる。
【0174】
図19は、第9処理の流れを示すフローチャートである。制御部118は、第9処理(S63)において、図19に示す処理を実行する。
【0175】
まず、S71において、制御部118は、第3グループの端末装置20が存在するか否かを判断する。すなわち、制御部118は、バッテリ残量が第2閾値以上かつ第1閾値より小さい端末装置20が存在するか否かを判断する。
【0176】
第3グループの端末装置20が存在しない場合(S71のNo)、制御部118は、処理をS72に進める。S72において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第2余剰電力量を超えないように第1グループに含まれる端末装置20を充電する第10処理を、充電制御装置30に実行させる。なお、第10処理の詳細については、図20を参照してさらに説明する。
【0177】
第3グループの端末装置20が存在する場合(S71のYes)、制御部118は、処理をS73に進める。S73において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第2余剰電力量を超えないように、第3グループの端末装置20を、第1グループの端末装置20よりも優先して充電する第11処理を充電制御装置30に実行させる。なお、第11処理の詳細については、図21を参照してさらに説明する。
【0178】
制御部118は、S72の第10処理またはS73の第11処理の何れかが終了すると、第9処理(S63)を終了する。
【0179】
図20は、第10処理の流れを示すフローチャートである。制御部118は、第10処理(S72)において、図20に示す処理を実行する。
【0180】
まず、S81において、制御部118は、第2追加充電可能台数(F)を算出する。第2追加充電可能台数(F)は、第2余剰電力量を、第1グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量で除算した商である。
【0181】
続いて、S82において、制御部118は、第1グループから第2追加充電可能台数(F)の端末装置20を選択する。例えば、制御部118は、第1グループに属する複数の端末装置20のなかから、充電制御装置30におけるポート番号が小さい方から順にF台の端末装置20を選択する。なお、制御部118は、他の方法でF台の端末装置20を選択してもよい。
【0182】
続いて、S83において、制御部118は、選択した第2追加充電可能台数(F)の端末装置20を充電する処理を、充電制御装置30に実行させる。S81〜S83を実行することにより、制御部118は、第2余剰電力量を超えないように第1グループの端末装置20を充電する処理を、充電制御装置30に実行させることができる。
【0183】
続いて、S84において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、処理を待機する。そして、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となった場合、第10処理(S72)を終了する。
【0184】
S81〜S84を実行することにより、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第2余剰電力量を超えないように第1グループに含まれる端末装置20を充電する第10処理を、充電制御装置30に実行させることができる。
【0185】
図21は、第11処理(S73)の流れを示すフローチャートである。制御部118は、第11処理(S73)において、図21に示す処理を実行する。
【0186】
まず、S91において、制御部118は、第3グループに含まれる端末装置20の台数(G)を検出する。続いて、S92において、制御部118は、第3追加充電可能台数(H)を算出する。第3追加充電可能台数(H)は、充電制御装置30により同時充電可能な、第3グループの端末装置20の台数である。
【0187】
第3追加充電可能台数(H)は、例えば、第2余剰電力量を、第3グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量で除算した商である。第3グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、第3グループに含まれる端末装置20から取得した最大電力消費量のうちの最大の値であってもよい。また、第3グループに含まれる1台の端末装置20が消費する最大電力量は、例えば、設計者等により予め設定されていてもよい。
【0188】
続いて、S93において、制御部118は、第3追加充電可能台数(H)が、第3グループに含まれる端末装置20の台数(G)より多いか否かを判断する。第3追加充電可能台数(H)が、第3グループに含まれる端末装置20の台数(G)より多くない場合(S93のNo)、制御部118は、処理をS94に進める。第3追加充電可能台数(H)が、第3グループに含まれる端末装置20の台数(G)より多い場合(S93のYes)、制御部118は、処理をS96に進める。
【0189】
S94において、制御部118は、第3グループから第3追加充電可能台数(H)の端末装置20を選択する。例えば、制御部118は、第3グループに属する複数の端末装置20のなかから、充電制御装置30におけるポート番号が小さい方から順にH台の端末装置20を選択する。なお、制御部118は、他の方法でH台の端末装置20を選択してもよい。
【0190】
続いて、S95において、制御部118は、選択した第3追加充電可能台数(H)の端末装置20を充電する処理を、充電制御装置30に実行させる。S95に続いて、制御部118は、処理をS97に進める。
【0191】
一方、S96において、制御部118は、第3グループに含まれるG台の端末装置20を充電する処理を、充電制御装置30に実行させる。S96に続いて、制御部118は、処理をS97に進める。
【0192】
S97において、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、処理を待機する。そして、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となった場合、第11処理(S77)を終了する。
【0193】
S91〜S97の処理を実行することにより、制御部118は、第4グループに含まれる端末装置20の全てのバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第2余剰電力量を超えないように、第3グループに含まれる端末装置20を第1グループに含まれる端末装置20に優先して充電する第11処理を、充電制御装置30に実行させることができる。
【0194】
以上のように、第2実施形態に係る情報処理装置32は、第4グループに含まれる端末装置20が存在する場合、第4グループに含まれる全ての端末装置20のバッテリ残量が第2閾値以上となるまで、第4グループに含まれる全ての端末装置20を、第1グループおよび第3グループに含まれる端末装置20よりも、優先して充電させる。このような処理を実行することにより、情報処理装置32は、最低限必要なバッテリ残量に達していない端末装置20を優先して充電させることができる。
【0195】
さらに、第2実施形態に係る情報処理装置32は、第4グループに含まれる端末装置20が存在しない場合、第1処理または第2処理を実行させる。このような処理を実行することにより、情報処理装置32は、より高速に充電が可能な第1グループに含まれる端末装置20を優先して充電させることができる。
【0196】
これにより、第2実施形態に係る情報処理装置32によれば、複数の端末装置20に対して適切に電力を配分して、複数の端末装置20を効率良く充電することができる。
【0197】
(プログラム等)
上述の各実施形態の充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0198】
また、上述の各実施形態の情報処理装置32、充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の情報処理装置32、充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の情報処理装置32、充電制御装置30または端末装置20で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
10 情報処理システム
20 端末装置
22 学校内サーバ
24 無線通信装置
26 充電キャビネット
28 収納部
30 充電制御装置
32 情報処理装置
34 ケーブル
36 電源タップ
38 ACアダプタ
40 内部通信ケーブル
42 上位変換部
44 装置制御部
46 端末制御部
52 充電側PDコントローラ
54 充電側通信プロセッサ
56 下位変換部
58 充電側電源部
62 端末側PDコントローラ
64 端末側通信プロセッサ
66 プロセッシング回路
68 無線通信部
70 バッテリ
72 端末側電源部
74 電源スイッチ
112 接続検出部
114 残量取得部
116 グループ特定部
118 制御部
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