(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用者の操作する操作ハンドルの回転量に応じ、大洗浄モードと小洗浄モードとの切り替えを行うので、使用者の操作量にばらつきが生じ、排水弁の引き上げ量を安定させ、洗浄水タンク装置からの洗浄水の排出流量を安定させることができないという問題があった。
【0005】
特許文献2に記載されているように、電動で排水弁を引き上げることができる排水弁操作装置として、排水弁に連結された単一の共通の操作ワイヤを手動操作ユニットによって手動で引き上げることにより開弁操作が可能であると共に、電動駆動ユニットによって自動で引き上げることにより開弁操作が可能なものも知られている。このような排水弁操作装置においては、単一の回転方向への電動駆動ユニットのモーターの回転量に応じ、操作ワイヤの引き上げ量を大きく設定した大洗浄モードと、操作ワイヤの引き上げ量を大洗浄モードよりも小さく設定した小洗浄モードとを切り替えられるようになっている。
【0006】
これに対し、本発明の発明者らは、電動で排水弁を引き上げることができる排水弁操作装置として、1つのモーターの正回転と逆回転とを切り替えることにより、より簡単な操作で大洗浄モードと小洗浄モードを切り替えるものを検討した。しかしながら、このような構造を採用すると、モーターの回転軸の両側の位置からそれぞれ操作ワイヤにより排水弁を引き上げる必要があり、排水弁の引き上げ方向が斜めになるため、引き上げる力が分散され、排水弁の引き上げ量を安定させることができず、洗浄水タンクからの洗浄水の排出流量を安定させることができないという問題があった。また、排水弁の引き上げ方向を垂直にしようとすれば、排水弁を複数又は大型化する必要があるため、排水弁装置及び洗浄水タンク装置の小型化を阻害してしまうという問題が生じる。
さらに、1つのモーターの正回転と逆回転とを切り替えることにより大洗浄モードと小洗浄モードを切り替えるためには、大洗浄モード用の操作ワイヤと、小洗浄モード用の操作ワイヤとをそれぞれ逆方向に巻き取る巻取部材が必要となる。よって、この巻取部材を配置し且つ巻取部材の両側から操作ワイヤを巻き取るための構造を配置するスペースが必要となる。よって、排水弁操作装置及び洗浄水タンク装置が大型化してしまうという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した従来技術において要請されている課題を解決するためになされたものであり、洗浄モードを切り替える場合に、開弁操作を正確に行うことができる排水弁操作装置、洗浄水タンク装置、及び、トイレシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水タンク装置の洗浄水タンク内に配置された排水弁体部を引き上げることにより便器へ洗浄水の供給を開始させる排水弁操作装置であって、上記排水弁体部に一端が連結された第1連結部材と、上記排水弁体部に一端が連結された第2連結部材と、上記第1連結部材の他端が連結された第1回転巻取部と、上記第2連結部材の他端が連結された第2回転巻取部と、上記第1回転巻取部及び上記第2回転巻取部に回転動作を伝達するように回転駆動する軸部であって、上記軸部が第1方向に回転駆動された場合には、上記第1回転巻取部が回転され、上記第1回転巻取部が上記第1連結部材及びこれに連結された上記排水弁体部を引き上げて第1洗浄水量による第1洗浄モードの便器洗浄が実行され、且つ、上記軸部が第1方向とは反対の第2方向に回転駆動された場合には、上記第2回転巻取部が回転され、上記第2回転巻取部が上記第2連結部材及びこれに連結された上記排水弁体部を引き上げて第2洗浄水量による第2洗浄モードの便器洗浄が実行される、上記軸部と、上記第1回転巻取部
が上記第1連結部材を引き上げる回転方向と上記第2回転巻取部
が上記第2連結部材を引き上げる回転方向
とが同一方向となるように、
上記軸部から上記第1回転巻取部又は上記第2回転巻取部の何れか一方に回転を伝達するように配置されると共に上記軸部の第1方向又は第2方向の回転方向を、反対方向の回転方向に変えて伝達する回転方向変換部とを有し、上記第1連結部材及び上記第2連結部材は、それぞれ上記第1回転巻取部と上記第2回転巻取部とに同位相となる位置において連結されている。
このように構成された本発明においては、軸部により第1洗浄モードに対応して第1方向に回転駆動されて第1回転巻取部が第1連結部材を引き上げる場合と、軸部により第2洗浄モードに対応して第2方向に回転駆動されて第2回転巻取部が第2連結部材を引き上げる場合との切り替えを簡易に実行できる。さらに、回転方向変換部により、第1回転巻取部と第2回転巻取部の回転方向を同一方向とすることができるので、第1連結部材及び第2連結部材のそれぞれが、第1回転巻取部及び第2回転巻取部の同位相となる位置から、排水弁体部をほぼ垂直に引き上げることができる。
その結果、本発明によれば、第1回転巻取部と第2回転巻取部とが互いに逆方向の回転をして第1連結部材及び第2連結部材が弁体を斜めに引き上げることとなることを防ぐことができる。従って、本発明においては、洗浄モードを簡単に切り替える場合に、排水弁体部の引き上げ量を安定させ、開弁操作を正確に行うことができ、洗浄水タンクからの洗浄水の排出流量を安定させることができる。
さらに、本発明によれば、第1回転巻取部と第2回転巻取部とが同位相となる位置から同一の回転方向に第1連結部材及び第2連結部材を引き上げることとなるので、同一方向側にのみ連結部材の巻き上げスペースを設ければよいこととなり、排水弁操作装置のコンパクト化を実現することができる。
また、本発明によれば、回転方向変換部は、第1回転巻取部又は第2回転巻取部の何れか一方を軸部の回転方向とは反対方向の回転に基づいて回転させるので、一方の回転巻取部のみに回転方向変換部を設け、部品点数を少なく抑制し、排水弁操作装置のコンパクト化を実現することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記第1回転巻取部及び上記第2回転巻取部の軸心が、同一直線上に配置され且つ上記軸部の軸心と並列に配置される。
このように構成された本発明においては、軸部の軸心上に回転巻取部を設けようとして第1回転巻取部及び第2回転巻取部の軸心がずれてしまうことや軸部の長さを長く構成しなければならなくなることを防ぐことができる。さらに、第1連結部材及び第2連結部材のいずれもが、ほぼ同一直線上の同位相となる位置から排水弁体部をより精度よくほぼ垂直に引き上げることができる。また、本発明によれば、第1回転巻取部及び第2回転巻取部の軸心が、同一直線上に配置され且つ軸部の軸心と並列に配置されるので、軸部の長さが長くなることを防ぎ、排水弁操作装置のコンパクト化を実現することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記軸部は、第1ギア及び第2ギアを備え、上記回転方向変換部は、第3ギアを備え、上記第1回転巻取部は、第4ギアを備え、上記第2回転巻取部は、第5ギアを備え、上記軸部の上記第1ギアは、上記回転方向変換部の上記第3ギアと係合され、この第3ギアが上記第1回転巻取部の上記第4ギアと係合され、さらに、上記軸部の上記第2ギアは、上記第2回転巻取部の上記第5ギアと係合される。
このように構成された本発明においては、軸部の回転をギアにより第1回転巻取部及び第2回転巻取部まで伝達するので、カム等により回転を伝達する場合と比べて排水弁操作装置をよりコンパクトに形成することができ、且つ排水弁体部の引き上げ精度をより向上させることができる。また、本発明によれば、軸部の回転トルクをギアにより伝達効率よく第1回転巻取部及び第2回転巻取部まで伝達することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、上記軸部は、第1ギア及び第2ギアを備え、上記回転方向変換部は、第3ギアを備え、上記第1回転巻取部は、第4ギアを備え、上記第2回転巻取部は、第5ギアを備え、上記軸部の上記第1ギアは、上記第1回転巻取部の上記第4ギアと係合され、上記軸部の上記第2ギアは、上記回転方向変換部の上記第3ギアと係合され、この第3ギアが上記第2回転巻取部の上記第5ギアと係合される。
このように構成された本発明においては、軸部の回転をギアにより第1回転巻取部及び第2回転巻取部まで伝達するので、カム等により回転を伝達する場合と比べて排水弁操作装置をよりコンパクトに形成することができ、且つ排水弁体部の引き上げ精度をより向上させることができる。また、本発明によれば、軸部の回転トルクをギアにより伝達効率よく第1回転巻取部及び第2回転巻取部まで伝達することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、上記回転方向変換部は一つのギアによって構成される。
このように構成された本発明においては、回転方向変換部を一つのギアによって構成しているので、排水弁操作装置をよりコンパクトに形成することができる。さらに、ギアによる駆動力の伝達効率の低下を最小限に抑制することができ、排水弁体部の引き上げ精度をより向上させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、上記排水弁操作装置を支持する支持部材は上記洗浄水タンク内の天井部に固定される。
このように構成された本発明においては、回転方向変換部を備えた分だけ部品点数が多くなり重量が増大する場合においても、排水弁操作装置を支持する支持部材を洗浄水タンク内の天井部に固定するので、排水弁操作装置が重量変形により動作不良となることを抑制することができる。
【0014】
また、本発明は、上記排水弁操作装置を備えた洗浄水タンク装置である。
このように構成された本発明においては、第1洗浄モード及び第2洗浄モードの切り替えを簡易に実行でき、且つ排水弁体部の引き上げ量を安定させることにより洗浄水タンクからの洗浄水の排出流量を安定させることができる洗浄水タンク装置を提供することができる。
【0015】
さらに、本発明は、上記洗浄水タンク装置と、この上記洗浄水タンク装置から洗浄水が供給される水洗大便器と、を備えたトイレシステムである。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク装置から便器本体への洗浄水の供給が安定して行われるので、便器本体での洗浄性能を安定させることができるトイレシステムを提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の排水弁操作装置、洗浄水タンク装置、及び、トイレシステムによれば、洗浄モードを切り替える場合に、開弁操作を正確に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による排水弁操作装置について説明する。まず、
図1により、本発明の一実施形態による排水弁操作装置が適用される洗浄水タンク装置を備えたトイレシステムの概略について説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態による排水弁操作装置1は、トイレシステムTの壁掛式の水洗大便器2に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置4に設けられている。
この洗浄水タンク装置4の左右両側は、トイレシステムTの水洗大便器2の後端部を壁W1を介して壁裏側から固定する固定装置6によって固定されている。
また、洗浄水タンク装置4は、壁W1の裏側領域内に隠蔽された重力給水式の洗浄水タンク8を備えており、この洗浄水タンク8内の洗浄水について重力を利用して水洗大便器2の便器本体10に洗浄水を供給するものである。洗浄水タンク装置4は、壁W1の裏側に隠蔽され、洗浄水タンク8内の奥行スペースが小さく限られている隠蔽式の洗浄水タンク装置である。
【0020】
図2に示すように、洗浄水タンク装置4の洗浄水タンク8の内部には、排水弁操作装置1、給水弁装置12、及び、排水弁装置14がそれぞれ設けられている。
まず、給水弁装置12は、水道等の洗浄水タンク8の外部の給水源(図示せず)と接続される給水管16と、この給水管16から給水される洗浄水の吐水と止水を切り替える給水バルブ18と、洗浄水タンク8内の水位の変動に応じて上下動して給水バルブ18を開閉するフロート20とを備えている。
【0021】
図2及び
図3に示すように、排水弁装置14は、排水口形成部材21、排水弁体24、オーバーフロー管26、大洗浄モード用の操作レバー28、フック部材30、及び、小洗浄モード用の操作レバー32を備えている。
【0022】
排水口形成部材21は、洗浄水タンク8の底部に接続され、洗浄水タンク8内の底面に排水口22を形成すると共に、この排水口22の上縁に沿って弁座22aを形成している。排水口22は、接続管34を介して便器本体10の導水路(図示せず)に接続される。排水弁体24は、オーバーフロー管26の下端近傍に取り付けられており、オーバーフロー管26が最低位置にあるとき、弁座22aに当接して排水口22を閉止するようになっている。オーバーフロー管26は、上下方向に摺動可能となっている。オーバーフロー管26の上方開口形成部26aの外面には、大洗浄モード用の操作レバー28が連結されている。そして、大洗浄モードの開弁操作時に、操作レバー28が後述する第1操作ワイヤ40により引き上げられることにより、オーバーフロー管26及び排水弁体24が上昇して、排水口22が開放されるようになっている。
【0023】
オーバーフロー管26の上方開口形成部26aの下部には、フック部材30が設けられている。このフック部材30には、小洗浄モード用の操作レバー32が連結されている。
そして、小洗浄モードの開弁操作時に、操作レバー32が後述する第2操作ワイヤ42により引き上げられることにより、フック部材30と共にオーバーフロー管26及び排水弁体24が上昇して、排水口22が開放されるようになっている。
【0024】
すなわち、オーバーフロー管26、操作レバー28、32及び排水弁体24の全体が、実質的には、排水弁体部として機能するようになっている。また、洗浄水タンク8内の水位がオーバーフロー管26の上端位置を超えた場合には、この超えた洗浄水がオーバーフロー管26内から、これと常時連通している排水口22内に排出されるようになっている。
【0025】
つぎに、
図2、
図4乃至
図6を参照して、本発明の一実施形態による排水弁操作装置1について説明する。排水弁操作装置1は、洗浄水タンク装置4の洗浄水タンク8内に配置された排水弁体24を引き上げることにより便器本体10へ洗浄水の供給を開始させるようになっている。排水弁操作装置1において電動駆動部36側を基端部側とし、これに対し第1プーリ44側を先端側とする。
【0026】
排水弁操作装置1は、電動駆動部36と、電動駆動部36の回転軸と接続される軸部材38と、大洗浄モード用の操作レバー28に一端が取付けられた第1操作ワイヤ(第1連結部材)40と、小洗浄モード用の操作レバー32に一端が取付けられた第2操作ワイヤ(第2連結部材)42と、第1操作ワイヤ40の他端が取付けられた第1プーリ44と、第2操作ワイヤ42の他端が取付けられた第2プーリ46と、第1ギア部材48と、第2ギア部材50と、第3ギア部材(回転方向変換部)52と、第4ギア部材54と、電動駆動部36を洗浄水タンク8内に固定するホルダ56と、電動駆動部36をホルダ56との間に配置する第1ケース58と、第1ケース58との間において、第1ギア部材48、第2ギア部材50、第3ギア部材52及び第4ギア部材54を回転可能に支持する第2ケース60と、第2ケース60との間において、第2プーリ46を回転可能に支持する第3ケース62と、第3ケース62との間において、第1プーリ44及び第4ギア部材54を回転可能に支持する第4ケース64とを備えている。
【0027】
電動駆動部36は、電動モータであり、電力による電動モータの駆動により回転軸が回転駆動される。電動駆動部36は、制御部66と電気的に接続され、制御部66の指令を受けて制御される。電動駆動部36は、大洗浄モードの開弁操作の指令を受けた場合には第1方向R1に回動され、小洗浄モードの開弁操作の指令を受けた場合には第2方向R2に回動されるようになっている。電動駆動部36は、大洗浄モードの開弁操作と、小洗浄モードの開弁操作との切り替えを簡易に回転方向の逆転によって実行できるようになっている。
制御部66は、壁W1上に設けられた操作パネル68に配置される。使用者が操作パネル68等を操作して送信された信号及び/又は、水洗大便器2の周辺に設置された人感センサ(図示せず)が感知して送信された信号に基づいて、制御部66が電動モータの駆動を制御し、電動駆動部36の回転駆動が制御されるようになっている。
【0028】
軸部材38は、基端部側において電動駆動部36の回転軸と接続される接続部38aと、接続部38aから先端部側に向けて延びる軸38bと、中間部において第1ギア部材48と係合するように軸38bから突出する第1突起部38cと、先端側において第2ギア部材50と係合するように軸38bから突出する第2突起部38dと、を備えている。このような軸部材38は、電動駆動部36の回転軸とともに回転するようになっている。
【0029】
後述するように軸部材38が第1方向R1に回転駆動された場合には、第1プーリ44が回転され、第1プーリ44が第1操作ワイヤ40及びこれに連結された排水弁体部を引き上げて第1洗浄水量による第1洗浄モードの便器洗浄が実行されるようになっている。
軸部材38が第1方向R1とは反対の第2方向R2に回転駆動された場合には、第2プーリ46が回転され、第2プーリ46が第2操作ワイヤ42及びこれに連結された排水弁体部を引き上げて第2洗浄水量による第2洗浄モードの便器洗浄が実行されるようになっている。
【0030】
第1操作ワイヤ40は、大洗浄モード用の操作ワイヤであり、大洗浄モード用の操作レバー28と、第1プーリ44とを連結している。第1操作ワイヤ40と操作レバー28との連結は第1操作ワイヤ40の上昇時に操作レバー28と係合すれば、第1操作ワイヤ40の待機時又は下降時に操作レバー28から外れるようになっていてもよい。
第2操作ワイヤ42は、小洗浄モード用の操作ワイヤであり、小洗浄モード用の操作レバー32と、第2プーリ46とを連結している。第2操作ワイヤ42と操作レバー32との連結は第2操作ワイヤ42の上昇時に操作レバー32と係合すれば、第2操作ワイヤ42の待機時又は下降時に操作レバー32から外れるようになっていてもよい。
【0031】
第1プーリ44は、第4ギア部材54の後述する十字形状の第4ギア軸部54bと嵌合する十字孔部44aと、十字孔部44aから半径方向外側に突出する扇形部分の外周に形成されるプーリー部44bと、プーリー部44の一端において第1操作ワイヤ40の端部と嵌合する取付部44cとを備えている。第1プーリ44のプーリー部44bは第1プーリ44の回転に伴い第1操作ワイヤ40を自身の回転方向に沿ってプーリー部44bの溝内に巻き取りながら引き上げるようになっている。第1プーリ44は、第1回転巻取部に相当する。
【0032】
第2プーリ46は、基端部側において第2ギア部材50と係合する第5ギア46aと、第2プーリ46の中央を貫通するように形成された貫通孔部46bと、貫通孔部46bから半径方向外側に突出する扇形部分の外周に形成されるプーリー部46cと、プーリー部46cの一端において第2操作ワイヤ42の端部と嵌合する取付部46dとを備えている。
貫通孔部46bは、第4ギア部材54の軸部分の外径よりも大きな円形開口を形成している。第2プーリ46のプーリー部46cは第2プーリ46の回転に伴い第2操作ワイヤ42を自身の回転方向に沿ってプーリー部46cの溝内に巻き取りながら引き上げるようになっている。第2プーリ46は、第2回転巻取部に相当する。
【0033】
第1ギア部材48は、その基端部側において、軸38b用の中心孔の周囲が扇形形状に切り欠かれた第1ギア中空部48aと、第1ギア中空部48aの一端において第1突起部38cと当接することができる第1ギア当接部48bと、その先端部側において、外周に形成される第1ギア48cと、を備えている。第1ギア中空部48aは、軸部材38の軸38b及び第2突起部38dを通すことができ、さらに、第1突起部38cを受け入れるように形成される。第1突起部38cが第1方向R1に回動する場合には、第1突起部38cが第1ギア中空部48aの第1ギア当接部48bに当接し、第1ギア中空部48aすなわち第1ギア部材48が第1方向R1に回動する。第1突起部38cが第2方向R2に回動する場合には、第1突起部38cは第1ギア中空部48a内の空間を移動し、第1ギア中空部48aの第1ギア当接部48bと当接していないので、第1ギア中空部48aすなわち第1ギア部材48は待機状態を維持し、回動されない。軸部材38及び第1ギア部材48は、軸部に相当する。
【0034】
第2ギア部材50は、軸38b用の中心孔の周囲が扇形形状に切り欠かれた第2ギア中空部50aと、第2ギア中空部50aの一端において第2突起部38dと当接することができる第2ギア当接部50bと、その先端部側において、外周に形成される第2ギア50cと、を備えている。第2ギア中空部50aは、軸部材38の軸38bを通すことができ、さらに、第2突起部38dを受け入れるように形成される。第2突起部38dが第2方向R2に回動する場合には、第2突起部38dが第2ギア中空部50aの第2ギア当接部50bに当接し、第2ギア中空部50aすなわち第2ギア部材50が第2方向R2に回動する。第2突起部38dが第1方向R1に回動する場合には、第2突起部38dは第2ギア中空部50a内の空間を移動し、第2ギア当接部50bと当接していないので、第2ギア中空部50aすなわち第2ギア部材50は待機状態を維持し、回動されない。第2ギア部材50も、軸部に相当する。
【0035】
第3ギア部材52は、外周に形成される第3ギア52aを備えている。第3ギア52aは、第1ギア48c及び後述する第4ギア部材54と係合する。第3ギア52aは、電動駆動部36の回転方向がモードに応じて逆回転とされる場合に、第1プーリ44と第2プーリ46の回転方向が同一方向となるように軸部材38の回転方向とは反対方向の回転を第1プーリ44又は第2プーリ46の何れか一方に与える。第3ギア部材52は、一つのギアによって回転方向変換部として機能する。回転方向変換部は、複数のギアによって構成されていてもよい。
【0036】
第4ギア部材54は、基端部側から先端部側まで断面が十字形状に形成される第4ギア軸部54bと、第4ギア軸部54bの基端部側の外周に形成される第4ギア54aと、を備えている。第4ギア部材54の第4ギア軸部54bは、第2ケース60と第3ケース62とを貫通するように配置され、且つ第1ケース58と第4ケース64との間で自在に回転できるように支持されている。第4ギア部材54は、第1回転巻取部に相当する。
【0037】
ホルダ56及び第4ケース64は、洗浄水タンク8内の天井部8aに固定される。ホルダ56及び第4ケース64は、排水弁操作装置1を支持する支持部材に相当する。
【0038】
次に、
図5及び
図6により、各ギア等の係合関係について説明する。
第1ギア部材48の第1ギア48cは、第3ギア部材52の第3ギア52aと係合される。この第3ギア52aは、第4ギア部材54の第4ギア54aと係合される。
第2ギア部材50の第2ギア50cは、第2プーリ46の第5ギア46aと係合される。
【0039】
次に、
図5及び
図6により、第1操作ワイヤ40と第1プーリ44との取付位置、及び第2操作ワイヤ42と第2プーリ46との取付位置について説明する。
第1プーリ44のプーリー部44bの半径と、第2プーリ46のプーリー部46cの半径とが同じ半径に形成されている。第1プーリ44の取付部44cと第2プーリ46の取付部46dとは、待機状態において、回転中心軸線A2方向にほぼ並列して配置されている。待機状態において、第1プーリ44の取付部44cと第2プーリ46の取付部46dとは、頂部に対して同じ回転角度の位置に配置されているので、操作開始の時点での高さ及び洗浄水タンク8の前後方向の位置がほぼ同じとされている。よって、第1操作ワイヤ40と第1プーリ44の取付部44cとの連結位置と、第2操作ワイヤ42と第2プーリ46の取付部46dとの連結位置とは同位相となる位置にされている。同位相とは、第1プーリ44及び第2プーリ46が回転移動する円周に対し、円周の頂部に対する回転の進行段階が同じ程度であることをいう。
また、第1操作ワイヤ40及び第2操作ワイヤ42は、回転中心軸線A2に対して同一方向側に設けられるので、第1操作ワイヤ40及び第2操作ワイヤ42の引き上げ空間(及び操作レバー28、32の引き上げ空間)も回転中心軸線A2に対して同一方向側にのみ設けられる。よって、排水弁操作装置1及び洗浄水タンク装置4のコンパクト化を実現することができる。
また、第1プーリ44及び第4ギア部材54の軸心と、第2プーリ46の軸心とは、同一直線上、すなわち回転中心軸線A2上に配置される。第1プーリ44、第4ギア部材54及び第2プーリ46の軸心である回転中心軸線A2は、軸部材38、第1ギア部材48及び第2ギア部材50の軸心である回転中心軸線A1とは並列な直線上に配置される。
【0040】
つぎに、
図3、
図7及び
図8を参照して、本発明の一実施形態による排水弁操作装置の動作(作用)について、排水弁装置の動作と合わせて説明する。
まず、
図3及び
図7を参照して、本実施形態による排水弁操作装置1を用いて大洗浄モードの開弁操作を行ったときの動作について説明する。
図7においては、大洗浄モードの開弁操作をわかりやすく説明するため、第2ギア部材50及び第2プーリ46等を省略し、軸部材38、第1ギア部材48、第3ギア部材52、第4ギア部材54、第1プーリ44及び第1操作ワイヤ40の動作を概略的に示している。
【0041】
まず、
図3に示すように、排水弁装置14の排水弁体24が排水口22を閉止している待機状態S0から、排水弁操作装置1の電動操作により排水弁体24について、大洗浄モードで開弁操作する。待機状態S0においては貯水タンク8内の洗浄水の水位は、満水水位WL0となっている。この際、例えば、使用者が操作パネル68等の所定の操作をすることにより大洗浄モードの便器洗浄操作を指示するか、或いは、人感センサ(図示せず)が使用者を検知すると、これらの信号が制御部66に送信される。
【0042】
制御部66の指令を受けて電動駆動部36が作動し、軸部材38が回転中心軸線A1(
図6参照)を中心に第1方向R1に回動される。第1方向R1は反時計回りの方向である。軸部材38の第1突起部38cが第1方向R1に回動する場合には、第1突起部38cが第1ギア中空部48aの第1ギア当接部48bに当接し、第1ギア中空部48aすなわち第1ギア部材48が第1方向R1に回動する。第1ギア部材48の第1ギア48cが第1方向R1に回動するとき、第1ギア48cと係合する第3ギア部材52の第3ギア52aは、第2方向R2に回動する。第2方向R2は、第1方向R1と逆方向の時計回りの方向である。第3ギア部材52の第3ギア52aが第2方向R2に回動するとき、第3ギア52aと係合する第4ギア部材54の第4ギア54aは、回転中心軸線A2(
図6参照)を中心に第1方向R1に回動する。
【0043】
第4ギア部材54の第4ギア54aは、第1方向R1に回動するとき、第4ギア部材54の第4ギア軸部54bと係合する第1プーリ44の十字孔部44aが第1方向R1に回動され、プーリー部44bが回転中心軸線A2を中心に第1方向R1に回動される。よって、第1操作ワイヤ40が、プーリー部44bの第1方向R1の回転に伴い、プーリー部44bの溝内に巻き付きながら引き上げられる。
【0044】
このとき、
図7に示すように、大洗浄モード用の第1操作ワイヤ40は、プーリー部44bの取付部44cの初期位置からほぼ鉛直方向に引き上げられる。これにより、第1操作ワイヤ40に連結された大洗浄モード用の操作レバー28がほぼ鉛直方向に引き上げられる。大洗浄モード用の操作レバー28の鉛直方向の引き上げにより、排水弁装置14のオーバーフロー管26及び排水弁体24についても、大洗浄モード(第1洗浄モード)の便器洗浄を実行するために必要な第1洗浄水量を供給できる所定距離だけ精確に引き上げられる。排水弁体24が弁座22aから離間して開弁すると、洗浄水タンク8内の洗浄水の排水口22から便器本体10の導水路(図示せず)への排水が開始される。
図3に示すように、大洗浄モードにおいては、洗浄水タンク8内の水位は大洗浄モードの最低水位DWL1となる。洗浄水タンク8内の満水水位WL0から最低水位DWL1まで低下した第1洗浄水量が、排水口22から便器本体10に導水路(図示せず)に供給されて、大洗浄モードによる便器洗浄が行われる。
【0045】
一方、大洗浄モード用の第1操作ワイヤ40の引き上げ時に、小洗浄モード用の第2操作ワイヤ42は操作されない。軸部材38が第1方向R1に回動されるとき、第2突起部38d(
図6参照)が第1方向R1に回動される。第2突起部38dが第1方向に回動する場合には、第2突起部38dは第2ギア中空部50a内の空間内を移動し、第2ギア当接部50bと当接していないので、第2ギア中空部50aすなわち第2ギア部材50は待機状態を維持し、回動されない。従って、第2ギア部材50は、回動されず、第2ギア部材50の第2ギア50cと係合される第2プーリ46の第5ギア46aも回動されない。従って、第2プーリ46は待機状態のままであり、第2操作ワイヤ42も待機状態のままとなっている。よって、小洗浄モード用の操作レバー32が引き上げられることなく、静止した状態となっている。
【0046】
つぎに、
図3及び
図8を参照して、本実施形態による排水弁操作装置1を用いて小洗浄モードの開弁操作を行ったときの動作について説明する。
図8においては、小洗浄モードの開弁操作をわかりやすく説明するため、第1ギア部材48、第3ギア部材52、第4ギア部材54及び第1プーリ44等を省略し、第2ギア部材50、第2プーリ46及び第2操作ワイヤ42の動作を概略的に示している。
【0047】
まず、
図3に示すように、排水弁装置14の排水弁体24が排水口22を閉止している待機状態S0から、排水弁操作装置1の電動操作により排水弁体24について、小洗浄モードで開弁操作する。
【0048】
制御部66の指令を受けて電動駆動部36が作動し、軸部材38が回転中心軸線A1(
図6参照)を中心に第2方向R2に回動される。第2方向R2は時計回りの方向である。軸部材38の第2突起部38dが第2方向R2に回動する場合には、第2突起部38dが第2ギア中空部50aの第2ギア当接部50bに当接し、第2ギア中空部50aすなわち第2ギア部材50が第2方向R2に回動する。第2ギア部材50の第2ギア50cが第2方向R2に回動するとき、第2ギア50cと係合する第2プーリ46の第5ギア46aは、第1方向R1に回動する。第1方向R1は、第2方向R2と逆方向の反時計回りの方向である。よって、第2プーリ46のプーリー部46cが回転中心軸線A2を中心に第1方向R1に回動される。よって、第2操作ワイヤ42が、プーリー部46cの第1方向R1の回転に伴い、プーリー部46cの溝内に巻き付きながら引き上げられる。
【0049】
このとき、
図8に示すように、小洗浄モード用の第2操作ワイヤ42は、プーリー部46cの取付部46dの初期位置からほぼ鉛直方向に引き上げられる。これにより、第2操作ワイヤ42に連結された小洗浄モード用の操作レバー32がほぼ鉛直方向に引き上げられる。小洗浄モード用の操作レバー32の鉛直方向の引き上げにより、排水弁装置14のオーバーフロー管26及び排水弁体24についても、小洗浄モード(第2洗浄モード)の便器洗浄を実行するために必要な第2洗浄水量を供給できる所定距離だけ精確に引き上げられる。排水弁体24が弁座22aから離間して開弁すると、洗浄水タンク8内の洗浄水の排水口22から便器本体10の導水路(図示せず)への排水が開始される。これらの結果、小洗浄モードにおいては、大洗浄モードの第1洗浄水量よりも少ない第2洗浄水量の小洗浄モードによる便器洗浄が行われる。
図3に示すように、小洗浄モードにおいては、洗浄水タンク8内の水位は小洗浄モードの最低水位DWL2となる。洗浄水タンク8内の満水水位WL0から最低水位DWL2まで低下した第2洗浄水量が、排水口22から便器本体10に導水路(図示せず)に供給されて、小洗浄モードによる便器洗浄が行われる。
【0050】
一方、小洗浄モード用の第2操作ワイヤ42の引き上げ時に、大洗浄モード用の第1操作ワイヤ40は操作されないようにされる。軸部材38が第2方向R2に回動されるとき、第1突起部38c(
図6参照)が第2方向R2に回動される。第1突起部38cが第2方向R2に回動する場合には、第1突起部38cは第1ギア中空部48a内の空間内を移動し、第1ギア当接部48bと当接していないので、第1ギア中空部48aすなわち第1ギア部材48は待機状態を維持し、回動されない。従って、第1ギア部材48は、回動されず、第1ギア部材48の第1ギア48cと係合される第3ギア部材52の第3ギア52aも回動されない。さらに、第3ギア52aと係合される第4ギア部材54の第4ギア54aも回動されない。従って、第4ギア部材54及び第1プーリ44は待機状態のままであり、第1操作ワイヤ40も待機状態のままとなっている。よって、大洗浄モード用の操作レバー28が引き上げられることなく、静止した状態となっている。
【0051】
本実施形態による排水弁操作装置1においては、軸部材38に第1ギア部材48及び第2ギア部材50が取付られ、第1ギア部材48は第3ギア部材52を介して第4ギア部材54に回転を伝達し、第2ギア部材50は第2プーリ46の第5ギア46aと係合している。
しかしながら、変形例として、軸部材38に第1ギア部材48及び第2ギア部材50が取付られ、第1ギア部材48は第4ギア部材54と係合され、第2ギア部材50は第3ギア部材52を介して第2プーリ46の第5ギア46aに回転を伝達するように構成されていてもよい。より具体的には、第1ギア部材48の第1ギア48cが第4ギア部材54の第4ギア54aと係合され、さらに、第2ギア部材50の第2ギア50cが第3ギア部材52の第3ギア52aと係合され、この第3ギア52aが第2プーリ46の第5ギア46aと係合する。このような構成を採用した場合にも、第3ギア部材52により、第1プーリ44と第2プーリ46の回転方向を同一方向とすることができる。このような構造を採用した場合にも、第1操作ワイヤ40と第1プーリ44の取付部44cとの連結位置と、第2操作ワイヤ42と第2プーリ46の取付部46dとの連結位置とは同位相となる位置となる。
【0052】
上述した本発明の一実施形態による排水弁操作装置1によれば、軸部が第1洗浄モードに対応して第1方向R1に回転駆動されて第1プーリ44が第1操作ワイヤ40を引き上げる場合と、軸部が第2洗浄モードに対応して第2方向R2に回転駆動されて第2プーリ46が第2操作ワイヤ42を引き上げる場合との切り替えを簡易に実行できる。さらに、第3ギア部材52により、第1プーリ44と第2プーリ46の回転方向を同一方向とすることができるので、第1操作ワイヤ40及び第2操作ワイヤ42のそれぞれが、第1プーリ44及び第2プーリ46の同位相となる位置から、排水弁体部をほぼ垂直に引き上げることができる。
その結果、本発明によれば、第1プーリ44と第2プーリ46とが互いに逆方向の回転をして第1操作ワイヤ40及び第2操作ワイヤ42が弁体を斜めに引き上げることとなることを防ぐことができる。従って、本発明においては、洗浄モードを簡単に切り替える場合に、排水弁体部の引き上げ量を安定させ、開弁操作を正確に行うことができ、洗浄水タンク8からの洗浄水の排出流量を安定させることができる。
さらに、本発明によれば、第1プーリ44と第2プーリ46とが同位相となる位置から同一の回転方向に第1操作ワイヤ40及び第2操作ワイヤ42を引き上げることとなるので、同一方向側にのみ連結部材の巻き上げスペースを設ければよいこととなり、排水弁操作装置1のコンパクト化を実現することができる。
また、本発明によれば、第3ギア部材52は、第1プーリ44又は第2プーリ46の何れか一方を軸部の回転方向とは反対方向の回転に基づいて回転させるので、一方の回転巻取部のみに第3ギア部材52を設け、部品点数を少なく抑制し、排水弁操作装置1のコンパクト化を実現することができる。
【0053】
また、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、軸部の軸心上に回転巻取部を設けようとして第1プーリ44及び第2プーリ46の軸心がずれてしまうことや軸部の長さを長く構成しなければならなくなることを防ぐことができる。さらに、第1操作ワイヤ40及び第2操作ワイヤ42のいずれもが、ほぼ同一直線上の同位相となる位置から排水弁体部をより精度よくほぼ垂直に引き上げることができる。また、本発明によれば、第1プーリ44及び第2プーリ46の軸心が、同一直線上に配置され且つ軸部の軸心と並列に配置されるので、軸部の長さが長くなることを防ぎ、排水弁操作装置1のコンパクト化を実現することができる。
【0054】
さらに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、軸部の回転をギアにより第1プーリ44及び第2プーリ46まで伝達するので、カム等により回転を伝達する場合と比べて排水弁操作装置1をよりコンパクトに形成することができ、且つ排水弁体部の引き上げ精度をより向上させることができる。また、本発明によれば、軸部の回転トルクをギアにより伝達効率よく第1プーリ44及び第2プーリ46まで伝達することができる。
【0055】
また、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、軸部の回転をギアにより第1プーリ44及び第2プーリ46まで伝達するので、カム等により回転を伝達する場合と比べて排水弁操作装置1をよりコンパクトに形成することができ、且つ排水弁体部の引き上げ精度をより向上させることができる。また、本発明によれば、軸部の回転トルクをギアにより伝達効率よく第1プーリ44及び第2プーリ46まで伝達することができる。
【0056】
さらに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、第3ギア部材52を一つのギアによって構成しているので、排水弁操作装置1をよりコンパクトに形成することができる。さらに、ギアによる駆動力の伝達効率の低下を最小限に抑制することができ、排水弁体部の引き上げ精度をより向上させることができる。
【0057】
さらに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、第3ギア部材52を備えた分だけ部品点数が多くなり重量が増大する場合においても、排水弁操作装置1を支持する支持部材を洗浄水タンク8内の天井部8aに固定するので、排水弁操作装置1が重量変形により動作不良となることを抑制することができる。
【0058】
さらに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、第1洗浄モード及び第2洗浄モードの切り替えを簡易に実行でき、且つ排水弁体部の引き上げ量を安定させることにより洗浄水タンク8からの洗浄水の排出流量を安定させることができる洗浄水タンク装置4を提供することができる。
【0059】
さらに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、洗浄水タンク装置4から便器本体10への洗浄水の供給が安定して行われるので、便器本体10での洗浄性能を安定させることができるトイレシステムTを提供することができる。