(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オンジエキス(乾燥質量)に対するフマル酸ステアリルナトリウム及び/又はショ糖脂肪酸エステル及び/又は酸化チタンの含有比(質量比)が、0.015〜1の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内服用固形医薬製剤。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の内服用固形医薬製剤は、単味生薬としてのオンジエキスと、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタンのうちの少なくとも1つとを含んでなることを特徴とする。
上記構成により、本発明の内服用固形医薬製剤は、経時的変色が効果的に抑制される。
【0010】
<オンジエキス>
オンジエキスは、本発明の内服用固形医薬製剤に、単味生薬として含まれる。
オンジエキスとは、原料生薬としてのオンジから水性溶媒(水、水と混和性の有機溶媒(例えば低級[特にC1〜C4]アルコール)又はその混合溶媒(例えば[特に30容量%以下の]エタノール水溶液))を用いて抽出したものであれば、その形態は特に制限されないが、エキス末などの乾燥形態が好ましい。
具体的な抽出方法としては、例えば、原料生薬の約1〜約200倍量(質量)の水性溶媒(好ましくは水)を加え、常温(室温)〜約100℃で撹拌下又は非撹拌下に約0.5〜約24時間(例えば、撹拌下で約0.5〜約3時間、非撹拌下で約5〜約24時間)抽出し(1回又は複数回の抽出処理)、必要に応じて自然ろ過又は遠心ろ過をする方法が挙げられるが、これに限定されない。
【0011】
乾燥形態のオンジエキス(オンジエキス末)は、当該分野において公知の方法の任意のものを用いて取得することができ、例えば、上記のようにして得られる抽出液やその濃縮物(軟エキス)(例えば、減圧下及び/又は加温下で得られるもの)を、例えば噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧濃縮乾燥、自然乾燥などにより乾燥させ、任意に粉末化することで製造可能である。
本発明においては、オンジエキスは市販品を用いてもよい。オンジエキスは、例えば、アルプス薬品工業、松浦薬業、日本粉末薬品、常盤植物化学研究所などから入手可能である。
【0012】
製剤中のオンジエキスの含有率は、特に制限されず、広範囲から選択可能である。例えば、製剤中におけるオンジエキス(乾燥質量)の含有率は、製剤全体の質量に対して、1〜95質量%、例えば10〜90質量%、例えば20〜80質量%、例えば30〜70質量%、例えば40〜60質量%であり得る。本発明の内服用固形医薬製剤においては、オンジの経時的着色が効果的に抑制されるので、オンジエキスの含有率(配合量)を高くすることが可能である。このため、本発明の内服用固形医薬製剤は、効力がより強い鎮咳去痰薬、鎮静薬や滋養強壮薬、或いは、脳機能改善薬や中高齢者の記憶力(物忘れ)改善薬として提供され得る。
本発明の内服用固形医薬製剤におけるオンジエキスの含有量は、一日服用量として、原生薬換算で、例えば200〜2000mg、好ましくは300〜1500mg、より好ましくは400〜1000mg、特に好ましくは500〜700mgである。
【0013】
<フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタン>
フマル酸ステアリルナトリウムは医薬品添加物規格に適合するものであれば特に限定されない。
ショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸を有するショ糖のモノエステル若しくはポリエステル(例えば、ジエステル及び/又はトリ-エステル)又はこれらの混合物である。本発明において、ショ糖脂肪酸エステルも医薬品添加物規格に適合するものであれば特に限定されないが、脂肪酸としては、例えば、炭素数が12〜22(好ましくは16〜22)の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、具体例は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、エルカ酸であり得る。HLB値が1〜11であるものが好ましく、1〜8であるものがより好ましい。
酸化チタンは、第17改正日本薬局方又は医薬品添加物規格に適合するものであれば特に限定されず、アナターゼ型、ルチル型及びブルッカイト型のいずれの結晶構造のものも使用できる。
【0014】
本発明の内服用固形医薬製剤において、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタンは各々単独で用いることもできるが、2つ又は3つを組み合わせて用いてもよい。
2つを組み合わせる場合、その組合せはフマル酸ステアリルナトリウム及びショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム及び酸化チタン、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタンのいずれでもよいが、フマル酸ステアリルナトリウム又はショ糖脂肪酸エステルと酸化チタンとの組合せが好ましい。すなわち、1つの好適な実施形態において、本発明の内服用固形医薬製剤は、単味生薬としてのオンジエキスと、フマル酸ステアリルナトリウム又はショ糖脂肪酸エステルと、酸化チタンとを含んでなることを特徴とする。
【0015】
本発明の内服用固形医薬製剤において、オンジエキス(乾燥質量)に対するフマル酸ステアリルナトリウム及び/又はショ糖脂肪酸エステル及び/又は酸化チタンの含有比(質量比)は、特に限定されないが、例えば0.01〜50の範囲、好ましくは0.01〜20の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、より好ましくは0.015〜5の範囲、より好ましくは0.02〜1の範囲である。酸化チタンについての含有比(質量比)は、より好ましくは0.05〜10の範囲、より好ましくは0.1〜5の範囲、より好ましくは0.15〜1の範囲である。
【0016】
或いは、本発明の内服用固形医薬製剤において、該製剤全体に対するフマル酸ステアリルナトリウム及び/又はショ糖脂肪酸エステル及び/又は酸化チタンの含有率(質量%)は、特に限定されないが、例えば0.1〜50%の範囲、好ましくは0.2〜20%の範囲、より好ましくは0.5〜10%の範囲である。酸化チタンについての含有率(質量%)は、より好ましくは0.5〜50%の範囲、より好ましくは1〜20%の範囲、より好ましくは5〜10%の範囲である。
本発明の内服用固形医薬製剤における上記含有比(質量比)又は含有率(質量%)は、下記の実施例の記載に基いて、当該製剤が変色抑制効果を奏するように適宜決定することができる。
【0017】
本発明に従って酸化チタンを含む内服用固形医薬製剤において、当該酸化チタンは、活性成分たるオンジエキスと混合された状態にある。ただし、このことは、本発明の内服用固形医薬製剤がオンジエキスと混合状態にない酸化チタンを更に含んではならないことを意味するものではない。
【0018】
<他の成分>
本発明の内服用固形医薬製剤には、固形製剤に一般に配合される他の成分を適宜配合することができる。
固形製剤に一般に配合され得る他の成分としては、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、滑沢化剤、崩壊剤、崩壊補助剤、安定(化)剤、可溶(化)剤、緩衝剤、基剤、吸着剤、硬化剤、抗酸化剤、光沢化剤、界面活性剤、分散剤、懸濁(化)剤、コーティング剤、充填剤、清涼(化)剤、甘味剤、咀嚼剤、静電防止剤、着色剤、糖衣剤、発泡剤、pH調整剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、流動化剤、矯味剤、矯臭剤などを挙げることができる。
各々の具体例は、製剤学上利用可能なもの(例えば、第17改正日本薬局方又は医薬品添加物規格に適合するもの)であれば特に限定されないが、下記のものを例示することができる。
【0019】
賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、粉末セルロース、糖アルコール(例えば、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール)、デンプン(例えば、トウモロコシ、バレイショ又はコムギ由来)、多糖(例えば、[精製]白糖、トレハロース、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、マルトース、[粉末]還元麦芽糖水アメ)、デキストリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、カオリンなどが挙げられる。
【0020】
結合剤としては、例えば、アラビアゴム末、セルロース及びセルロース誘導体(例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒプロメロース、カルメロース、これらの塩)、多糖、糖アルコール、ゼラチン、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、プルラン、デキストリン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、トラガント末、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0021】
崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプン、炭酸水素ナトリウム、カンテン末などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、グリセリン脂肪酸エステル、硬化油、マクロゴールなどが挙げられる。
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、カオリンなどが挙げられる。
【0022】
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、クエン酸などが挙げられる。
保存剤としては、例えば、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
コーティング剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポビドン、腸溶性基剤、胃溶性基剤、多糖などが挙げられる。
本発明の内服用固形医薬製剤における、上記のような他の成分の配合量は、製剤学上一般に採用される範囲から、本発明の効果を損なわないように適宜選択すればよい。
【0023】
<剤形及び製造方法>
本発明の内服用固形医薬製剤の剤形は、固形製剤であれば限定されず、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル錠、糖衣剤、口腔内崩壊錠などの経口投与用製剤であり得る。錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、チュアブル錠剤又は口腔内崩壊錠が好ましい。
【0024】
1つの実施形態において、本発明の内服用固形医薬製剤はコーティング層を有さない。
別の1つの実施形態において、本発明の内服用固形医薬製剤は、薬物核及びコーティング層を含んでなり、該薬物核が前記酸化チタンを含む。この場合、コーティング層は酸化チタンを含んでいてもいなくてもよい。ここで、「薬物核」とは、有効成分(本発明においては、オンジエキス)を含む核粒子を意味し、剤形が錠剤である場合には「錠核」、「素錠」又は「裸錠」とも呼ばれ、顆粒の場合には「素顆粒」又は「裸顆粒」とも呼ばれる。すなわち、この実施態様において、本発明の内服用固形医薬製剤は、単味生薬としてのオンジエキスと、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタンのうちの少なくとも1つとを含む薬物核、及び、コーティング層を含んでなる。
【0025】
本発明の内服用固形医薬製剤は、製剤分野における一般的な方法で製造することができる。すなわち、本発明の内服用固形医薬製剤は、オンジエキスと、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタンのうちの少なくとも1つと、任意に、その他の添加剤とを、慣用法で混合した後、所望の剤形に慣用法で成形することによって製造することができる。混合は、当該製剤(コーティング層を有する製剤の場合には、その薬物核)に用いる全ての材料を一度に混合することにより行なってもよく、或いは、オンジエキスとフマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル及び酸化チタンのうちの少なくとも1つとを予め混合した後に、残りの材料と混合することにより行なってもよい。
【0026】
例えば、粒剤は、湿式又は乾式造粒法により製造することができ、例えば、噴霧造粒法、撹拌造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、転動流動造粒法、押出造粒法、圧密造粒法を用いて製造することができる。好ましい造粒法は流動層造粒法である。必要に応じて、整粒を行なってもよい。
錠剤は、得られた混合物を、そのまま又は(上記の方法により)予め造粒した後に、打錠機を用いる圧縮成型により製造することができる。
顆粒や錠剤はコーティング製剤(例えば、糖衣錠、フィルムコーティング錠、コーティング顆粒など)として製造してもよい。コーティング層は、パンコーティング法、流動コーティング法、転動コーティング法などの慣用法により、コーティング剤を薬物核(素顆粒、素錠など)に付与することにより得ることができる。
【実施例】
【0027】
下記において、実施例及び比較例を挙げ、本説明を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】
1.固形製剤の製造
下記表1及び2に示す成分組成(含有量(質量)の単位は「mg」;オンジエキスについては乾燥質量)の通りの固形製剤(処方例1〜10)を製造した。
表に示す各材料を混合して、ロータリー打錠機(コレクト24;株式会社菊水製作所製)を用いて圧縮成型し、1錠重量200mgの錠剤を得た。
オンジエキスとして「オンジ乾燥エキス」([水抽出]エキス:原生薬=1:5.6;アルプス薬品工業)を、ショ糖脂肪酸エステルとして「リョートー(登録商標)シュガーエステルS-370」(ショ糖ステアリン酸エステル,HLB値3;三菱化学フーズ)を、酸化チタンとして「酸化チタンNA61」(結晶構造:ルチル型;東邦チタニウム株式会社製)を用いた。その他の材料は日本薬局方の収載品を用いた。
得られた錠剤を下記の試験に供した。
【0029】
2.試験1
処方例1〜5の錠剤を、錠剤物性(厚み、硬度及び崩壊時間)について調べた。崩壊時間は、第17改正日本薬局方「崩壊試験法」の「(1)錠剤」に記載の評価法に準じて「水」を用いて評価した。尚、錠剤硬度については錠剤硬度計(SCHLEUNIGER 6D型;フロイント産業株式会社製)を、錠剤厚みに関しては厚み計(型番・C1012BS;株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。
また、同じ処方例の別の錠剤を、ガラスビン(PS−4K;第一硝子株式会社製)に入れ、蓋を閉めずに温度40℃・相対湿度75%の高温高湿環境に15分間及び24時間曝露し、曝露前後の各錠剤の変色(特に褐変)度合いを確認した。評価については、製造直後の錠剤をイニシャルとし、各時間曝露後の錠剤との間での色差を測定することで行った。色差は、分光色差計(SE6000;日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。
【0030】
色差ΔEは、色調パラメータ(明度を示すL値、色相と彩度を示すa値及びb値)の2つのサンプル間の差(それぞれΔL、Δa及びΔb)を用いて下記式により算出される。
【数1】
ΔEの値が5を超えると、目視で感知可能な色調差が生じていることを示す。よって、ΔE値が小さくなれば、錠剤の経時的色変化が抑制されたことを意味する。
【0031】
結果を表1に示す。
【表1】
【0032】
表1に示す結果から明らかなように、オンジエキスを含む固形製剤(処方例1[比較例1])には、経時的に顕著な変色が観察される。
一方、フマル酸ステアリルナトリウムを含む製剤(処方例4[実施例1])及びショ糖脂肪酸エステルを含む製剤(処方例5[実施例2])は、ステアリン酸カルシウムを含む製剤(処方例3[比較例3])よりも高い経時的変色抑制効果を示し、ステアリン酸マグネシウムを含む製剤(処方例2[比較例2])と同程度又はそれ以上に経時的変色を抑制した。
なお、得られた錠剤(処方例1〜5)はいずれも、良好な錠剤物性を示したが、フマル酸ステアリルナトリウム又はショ糖脂肪酸エステルを含む製剤(処方例4及び5)はステアリン酸マグネシウムを含む製剤(処方例2)及びステアリン酸カルシウムを含む製剤(処方例3)と比較して硬度が優っていた。
【0033】
3.試験2
処方例1〜2、4及び6〜10の錠剤を、試験1と同様に、錠剤物性について調べた。
また、同じ処方例の別の錠剤について、試験1と同様に、色差を測定し、評価した。
結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2から明らかなように、オンジエキスを含む固形製剤(処方例1[比較例1])には、再び、経時的に顕著な変色が観察される。
一方、フマル酸ステアリルナトリウムを含む製剤(処方例4[実施例1])、酸化チタンを含む製剤(処方例6[実施例3])、フマル酸ステアリルナトリウムと酸化チタンとを含む製剤(処方例7[実施例4])、酸化チタンとステアリン酸マグネシウムとを含む製剤(処方例10[実施例7])、ショ糖脂肪酸エステルと酸化チタンとを含む製剤(処方例8[実施例5])及びフマル酸ステアリルナトリウムとショ糖脂肪酸エステルと酸化チタンとを含む製剤(処方例9[実施例6])は、ステアリン酸マグネシウムを含む製剤(処方例2[比較例2])より効果的に経時的変色を抑制した。
【0036】
なお、得られた錠剤(処方例1〜2、4及び6〜10)はいずれも、良好な錠剤物性を示したが、フマル酸ステアリルナトリウムを含む製剤は、再び、ステアリン酸マグネシウムを含む製剤と比較して硬度が優っていた(処方例4 対 処方例2)。
また、酸化チタンの配合により、製剤の硬度は顕著に低下した(処方例1 対 処方例6)が、酸化チタンと共にフマル酸ステアリルナトリウム及び/又はショ糖脂肪酸エステルを配合することにより、この硬度の低下は抑制された(処方例6 対 処方例7、8及び9)。一方、酸化チタンと共にステアリン酸マグネシウムを配合しても、同様の抑制は観察されなかった(処方例6 対 処方例10)。
更に、酸化チタンを含む錠剤(処方例6〜10)は、酸化チタンを含まない錠剤(処方例1、2及び4)より崩壊性が向上した。
【0037】
上記試験結果から理解できるように、本発明の内服用固形医薬製剤は、高温高湿下での経時的な変色が、ステアリン酸マグネシウムを含む従来の製剤と同程度又はそれ以上に抑制されることが確証された。
また、本発明の内服用固形医薬製剤は、ステアリン酸マグネシウムを含む製剤と比較して(崩壊性に影響することなく)高硬度であることが確証された。
更に、本発明の内服用固形医薬製剤は、酸化チタンが配合されている場合には、崩壊性が向上することが確証された。そして、酸化チタンと共にフマル酸ステアリルナトリウム及び/又はショ糖脂肪酸エステルが配合されている場合には、同時に、製剤の硬度の低下を抑制できることが確証された。