特許第6982297号(P6982297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6982297-肥満防止剤 図000009
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982297
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】肥満防止剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7048 20060101AFI20211206BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61K31/7048ZNA
   A61P3/04
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-192807(P2017-192807)
(22)【出願日】2017年10月2日
(65)【公開番号】特開2019-64965(P2019-64965A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591011007
【氏名又は名称】金印株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】奥西 勲
(72)【発明者】
【氏名】加藤 朋恵
【審査官】 一宮 里枝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0201661(US,A1)
【文献】 特開2006−328056(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/058661(WO,A1)
【文献】 国際公開第2003/094928(WO,A1)
【文献】 Nutrition Reserch and Practice,2013年,Vol.7/No.4,P.267-272
【文献】 J. Nat. Med.,2010年,Vol.64,P.305-312
【文献】 Journal of Medicinal Food,2015年,Vol.18, No.8,pp.841-849
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 47/00−47/69
A61K 9/00− 9/72
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソサポナリンからなる肥満防止剤であって、
前記イソサポナリンの濃度が10μM−1mMとなるように対象に投与するための肥満防止剤。
【請求項2】
前記イソサポナリンの1日当たりの投与量が10μg−100mgとなるように対象に投与するための、請求項1に記載の肥満防止剤。
【請求項3】
イソサポナリンからなり、
UCP1遺伝子(ミトコンドリア脱共役蛋白質1遺伝子)の発現を促進させるために用いられ、前記イソサポナリンの濃度が10μM−1mMとなるように対象に投与するためのUCP1遺伝子発現促進剤。
【請求項4】
前記イソサポナリンの濃度が100μMとなるように対象に投与するための、請求項3に記載のUCP1遺伝子発現促進剤。
【請求項5】
前記イソサポナリンの1日当たりの投与量が10μg−100mgとなるように対象に投与するための、請求項3又は4に記載のUCP1遺伝子発現促進剤。
【請求項6】
イソサポナリンからなる代謝活性化剤であって、
前記イソサポナリンの濃度が10μM−1mMとなるように対象に投与するための代謝活性化剤。
【請求項7】
前記イソサポナリンの濃度が100μMとなるように対象に投与するための、請求項6に記載の代謝活性化剤。
【請求項8】
前記イソサポナリンの1日当たりの投与量が10μg−100mgとなるように対象に投与するための、請求項6又は7に記載の代謝活性化剤。
【請求項9】
イソビテキシンからなり、
前記イソビテキシンの濃度が10μM−1mMとなるように対象に投与することで前記対象においてUCP1遺伝子発現を促進させるために用いられる、UCP1遺伝子発現促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満防止剤に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、体内に脂肪が過剰に蓄積された状態をいう。摂取されたエネルギーが消費エネルギーを上回ると、余剰のエネルギーが脂肪に変換されて脂肪組織に蓄積される。消費エネルギーを増やすためには、体内の基礎代謝を活性化させて熱産生を増やすことが有効である。体内の基礎代謝に大きな影響を与えているのが、ミトコンドリア脱共役蛋白質(uncoupling protein;UCP)である。UCP はミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ,エネルギーを熱として放出する機能を持つ。
従来、例えば、特許文献1には、UCPの中で代表的なUCP1の遺伝子の発現を調整する技術として、ピセアタンノール(Piceatannol)を含むUCP1遺伝子発現増強剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−185922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、従来と異なる手法で、エネルギー代謝を活性化させて肥満を防止し得る成分を探索した。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、エネルギー代謝を活性化させ得る肥満防止剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の肥満防止剤は、下記の式(I)で表される化合物を有することを特徴とする。
【0006】
【化1】
【0007】
(式中、nは1から5の整数である。nが1の場合、Rは−OH又は−O−グルコシルである。nが2から5の整数である場合、1つのRは−OHであり、それ以外のRは−O−グルコシルである。Rは、−グルコシルである。)
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】UCP1遺伝子発現相対値を示す図である。
図2】脂肪滴の定量結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る肥満防止剤は、下記の式(I)で表される化合物を有する。
【0010】
【化2】
【0011】
式中、nは1から5の整数である。nは、好ましくは1又は2である。nが1の場合、Rは−OH又は−O−グルコシルである。nが2から5の整数である場合、1つのRは−OHであり、それ以外のRは−O−グルコシルである。Rは、−グルコシルである。
【0012】
が−O−グリコシルである場合、−グリコシルは、グルコース、ラムノース、フルクトース及びガラクトースからなる群より選択される1又は2個の糖であるとよい。−グリコシルは単糖又は多糖のいずれでもよいが、単糖が好ましい。
【0013】
は、−グリコシルである。Rが−グリコシルである場合、−グリコシルは、グルコース、ラムノース、フルクトース及びガラクトースからなる群より選択される1以上の糖であるとよく、更にグルコースが好ましい。−グリコシルは単糖又は多糖のいずれでもよいが、単糖が好ましい。
【0014】
、Rにおいて、単糖とは、単糖分子からなる糖をいう。多糖とは、2以上の単糖分子が結合した糖鎖をいう。多糖は、2以上10以下の単糖が結合して形成されていることがよく、さらに2以上5以下の単糖が結合して形成されていることが好ましい。Rは、Rと同じであっても異なっていてもよい。
【0015】
本実施形態において、前記化合物は、下記の式(II)で表されることが好ましい。
【0016】
【化3】
【0017】
(式中、R12は−OH又は−O−グルコシルである。R12が−OHである場合、R11及びR13は−Hである。R12が−O−グルコシルの場合、R11及びR13は、いずれも−Hであるか、又は一方が−OHであり他方が−Hである。Rは、−グルコシルである。)
本実施形態において、化合物は、下記の式(III)又は(IV)で表されるものが好ましい。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
上記の化合物は、フラボノイド化合物であり、特に、フラボノイド又はその配糖体の一種であるとよい。式(I)で表される化合物は、従来、毛髪染料の酸化防止剤(特表2011−518829)として用いられたり、抗酸化活性や抗動脈硬化作用を有する成分として抗炎症用組成物(特開2013−035858)に用いられたりした。
【0021】
本実施形態では、式(I)で表されるフラノボイド化合物を、肥満防止剤の有効成分として用いる。本実施形態のフラボノイド化合物は、代謝活性化に関与するたんぱく質(例えば、UCP)を多く産生させることができる。代謝を活性化させて消費エネルギーを増やす代謝活性剤として機能することで、肥満を抑制することが可能である。
【0022】
本実施形態のフラボノイド化合物は、ハーブ、そば殻を始め多くの植物に含まれる成分であり、溶媒抽出および化学分離精製により得ることができる。植物の中には、本実施形態のフラボノイド化合物を数%含有する植物も存在し、容易に入手可能である。溶出に用いる溶媒は、水系溶媒および/または有機溶媒いずれでもよいが、水系溶媒用いるのが好ましい。水系溶媒は、水、エタノールあるいはメタノールなどが望ましい。水単独もしくは水とメタノール、エタノールなどの低級アルコールとの任意の混合溶液であってもよい。
【0023】
本実施形態の肥満防止剤の投与量は、患者の年齢、性別、体重、用法、用量などを考慮することにより決定される。用法としては、経口投与などが挙げられる。経口投与の場合、肥満防止剤におけるフラボノイド化合物の1日あたりの投与量は10μg〜100mg/日がよい。
【0024】
本実施形態の肥満防止剤は、更に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤等を配合することができる。
【0025】
また、本実施形態の肥満防止剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、抗アレルギー剤、清涼剤、ビタミン類、他の生薬を配合することもできる。
本実施形態の肥満防止剤は、食品、医薬部外品、医薬品に含有されてもよい。
【0026】
本実施形態の肥満防止剤を含有する食品の形態は任意であり、限定されるものではない。具体的な食品の形態としては、例えば、一般食品、一般飲料、サプリメント、健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品などの保健機能食品及び特定用途食品、清涼飲料水、茶飲料、ドリンク剤、ワイン等のアルコール飲料、菓子、米飯類、パン類、麺類、惣菜類、調味料等が挙げられる。
【0027】
本実施形態の肥満防止剤を含有する医薬部外品及び医薬品の用法は任意であり、限定されるものではないが、例えば、内用・外用剤等が挙げられる。
本実施形態の肥満防止剤を含有する化粧品及び医薬部外品の剤形は限定されるものではないが、例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤、液剤、等が挙げられる。
【実施例】
【0028】
実施例では、以下に説明するように、種々の被験物質それぞれが添加された試験培地で褐色脂肪細胞を培養した後、UCP1遺伝子の発現量及びオイルレッドO染色の脂肪滴の定量を行った。
【0029】
(1)被験物質を含む試験培地の準備
ノルアドレナリンは、褐色脂肪細胞のβ3受容体に結合し、そのシグナル伝達系を活性化することによってUCP1遺伝子を活性化し、熱産生を増加させることが知られている物質である(例えば、WO2005/042508号公報)。ノルアドレナリンは、以下の被験物質を用いた場合のUCP1遺伝子発現量の参照対象である。被験物質としては、イソビテキシン、及びイソサポナリンを用いた。
【0030】
ノルアドレナリンは、Sigma-Aldorich社製、商品番号 A9512である。イソビテキシンは、EXTRASYNTHESE社製、商品番号1235Sである。イソサポナリンは、金印株式会社製、ロット番号20110412、分子量594.5である。
【0031】
使用した培地は、増殖用培地(コスモ・バイオ株式会社製)、分化誘導用培地(コスモ・バイオ株式会社製)、及び維持用培地(コスモ・バイオ株式会社製)である。
維持用培地には、ノルアドレナリン、イソビテキシン、及びイソサポナリンをそれぞれ添加した。これらの培地中の終濃度は、ノルアドレナリンについては1μmol/L、イソビテキシンについては、1mmol/L、100μmol/L、10μmol/L、イソサポナリンについては、1mmol/L、100μmol/L、10μmol/Lとした。
【0032】
(2)褐色脂肪細胞の培養
試験に供した褐色脂肪細胞は、ラット由来の初代褐色脂肪細胞キット(コスモ・バイオ株式会社製、コード番号BAT02)に付属する細胞である。上記の増殖用培地を用いて、24ウェルプレートの各ウェルに、3×10cells/ウェルとなるように、褐色脂肪細胞を播種した。二酸化炭素インキュベータ内(5%CO、37℃、パナソニック ヘルスケア株式会社製、マルチガスインキュベーター、商品番号MCO-19MUVH)で、3日間培養した。次に、各ウェル内の培地を、分化誘導用培地に交換し、二酸化炭素インキュベータ内(5%CO、37℃)で、2日間培養した。次に、各ウェル内の培地を、上記の維持用培地に交換し、二酸化炭素インキュベータ内(5%CO、37℃)で、2日間培養した。次に、各ウェル内の培地を、同じく上記の維持用培地に交換し、二酸化炭素インキュベータ内(5%CO、37℃)で、1日間培養した。その後、以下の遺伝子発現解析及びオイルレッドO染色による評価を行った。
【0033】
(3)UCP1遺伝子の発現量の定量
1ウェル当たり0.2mLのTRI Reagent(Molecular Research製造、カタログ番号TR118)を用いて、取扱説明書にしたがって、褐色脂肪細胞からRNAを回収した。各検体RNA500ngを使用して、cDNA合成キット(Super Script<登録商標>VILO<商標>、製品名cDNA Synthesis Kit、Thermo Fisher Scientific製造、カタログ番号11754050)を用いて、cDNA合成を行った。リアルタイムPCRキット(製品名Light Cycler<登録商標> Taqman<登録商標> Master、Roche Applied Science製造、カタログ名4735536)を用いて、取扱説明書にしたがって、リアルタイムPCR(製品名LigthCycler<登録商標> 480 System II、ロシュ・ダイアグノスティックス)を行った。GAPDHを内部標準として、UCP1の遺伝子発現解析を行った。
【0034】
試験に使用したプライマーとプローブを以下に示す。
UCP1のプライマー
フォワードプライマー:gcctgcctagcagacatcat(配列番号1、合成先Sigma-Aldorich)
リバースプライマー:tggccttcaccttggatct(配列番号2、合成先Sigma-Aldorich)
プローブ:Universal Probe Liberty probe #130(ロシュ・ライフサイエンス製)
GAPDHのプライマー
フォワードプライマー:aatgtatccgttgtggatctga(配列番号3、合成先Sigma-Aldorich)
リバースプライマー:gcttcaccaccttcttgatgt(配列番号4、合成先Sigma-Aldorich)
プローブ:Universal Probe Liberty probe #80(ロシュ・ライフサイエンス製)
実験数は3回とした。
【0035】
UCP1遺伝子の相対発現量の結果を表1及び図1に示す。表1には、各種被験物質の培地中での濃度(終濃度)、各種被験物質を用いた場合のUCP1遺伝子の発現相対値の平均値、標準偏差(S.D.)及び有意差を示した。有意差については、t検定の有意水準5%の場合には「<0.05」と示し、有意水準1%の場合には「<0.01」と示した。図1には、各種被験物質を用いた場合のUCP1遺伝子の発現相対値の平均値及び標準偏差(S.D.)を示した。
【0036】
【表1】
【0037】
図1に示すように、イソビテキシン又はイソサポナリンを用いた場合には、コントロールの場合よりも有意にUCP1遺伝子発現の上昇を示した。特に、イソビテキシンを用いた群では、10μmol/Lで、イソサポナリンを用いた群では、100μmol/Lで、他の被験物質に比べて、UCP1遺伝子発現の上昇率が有意に高かった。
【0038】
UCP1遺伝子は、脱共役タンパク質の一つであるUCP1(Uncoupling protein1)をコードする。UCP1は褐色脂肪細胞で特異的に発現し、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を脱共役させ、基質を酸化するときに生産されるエネルギーを熱として放出する機能を有している。この遺伝子に変異が生じると、熱の産生量が抑えられ、太りやすくなることが知られている。
【0039】
本実施例では、イソビテキシン又はイソサポナリンを用いた場合には、コントロールの場合よりも有意にUCP1遺伝子発現の上昇を示した。このことから、イソビテキシン及びイソサポナリンなどのフラボノイド化合物は、代謝を活性化させることがわかった。
【0040】
(4)脂肪滴の定量
(2)において培養後の細胞中の脂肪滴を、リピットアッセイキット(コスモ・バイオ株式会社製、コード番号AK09F)を用いて、説明書に従って以下の手順で定量した。
【0041】
手順2−1.以下の成分を混合して、固定液を調製した。
37%ホルムアルデヒド液(ホルマリン原液) 100 mL
精製水 900 ml
りん酸2 水素ナトリウム・1 水和物(NaH2PO4・H2O) 4g
りん酸水素2ナトリウム・無水(Na2HPO4) 6.5g
手順2−2.ウェルプレートから培養液を除去した後、1 ウェルあたり500μL のPBS で1回洗浄した。
【0042】
手順2−3.1ウェルあたり、手順2−1で調製した固定液を500μL加え、室温で一晩静置した。これにより、ウェル壁面に細胞が固定された。
手順2−4.固定後、1ウェルあたり精製水500μLを用いて各ウェルを洗浄した。
【0043】
手順2−5.キット中のオイルレッドO 原液と精製水とを6:4の比率(体積比)で混合して混合液を得、これを室温で10〜15分間静置した。混合液を、孔径0.5〜1.0μmのメンブレンフィルターでろ過した。ろ液をオイルレッドO 液とした。
【0044】
手順2−6.各ウェルに上記のオイルレッドO 液を500μLずつ分注し、室温で15 分間静置した。
手順2−7.静置後オイルレッドO 液をウェルから除去し、ウェルを、1 ウェルあたり精製水で3 回以上洗浄した。洗浄した精製水が透明になるまでよく洗浄した。
【0045】
手順2−8.乾燥させたウェル内に、キット中の抽出液を500μL加えて色素を溶出させた。色素を溶出させた溶出溶液を、96ウェルプレートに0.1mL取り分けて、マイクロプレートリーダー(TECAN製、Infinite<登録商標> M200 PRO)で波長540nm における吸光度を測定した。コントロールの場合の溶出溶液の吸光度を100とした場合の、各被験物質を用いた場合の溶出溶液の吸光度の相対値を以下の式により求めた。
【0046】
被験物質を用いた場合の溶出溶液の吸光度の相対値=100×被験物質を用いた場合の溶出溶液の吸光度/コントロールの場合の溶出溶液の吸光度
吸光度の相対値は、コントロールの場合の溶出溶液中の脂肪滴の量を100とした場合の、各被験物質を用いた場合の溶出溶液中の脂肪滴の相対量に相当する。
【0047】
実験数は3回とした。結果を図2および表2に示した。表2には、各被験物質を用いた場合の溶出溶液中の脂肪滴の相対量の平均値、標準偏差、及び有意差を示した。有意差については、t検定の有意水準5%の場合には「<0.05」と示し、有意水準1%の場合には「<0.01」と示した。図2には、各種被験物質を用いた場合のUCP1遺伝子の発現相対値の平均値及び標準偏差(S.D.)を示した。
【0048】
【表2】
【0049】
図2に示すように、イソビテキシン又はイソサポナリンを添加した培地で脂肪細胞を培養した場合には、これらを添加していない培地で脂肪細胞を培養した場合に比べて、脂肪滴の生成量が少なくなった。特に、イソビテキシン10μmol/L〜1mmol/L、及びイソサポナリン10μmol/Lについては、脂肪滴の生成量が有意に抑えられた。
【0050】
以上、肥満防止剤の実施例について説明したが、上述の実施例において例示した構成については種々変形することができる。例えば、上記実施例では、上記式(I)で表されるフラボノイド化合物の例として、イソビテキシン又はイソサポナリンを用いる例を示したが、これに限定されるものではない。これら以外のフラボノイド化合物を用いることができ、この場合でも、イソビテキシン又はイソサポナリンを用いた場合と同様の脂肪滴の生成量を抑制する効果を期待できる。
図1
図2
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]