(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球又はメダルの獲得量(遊技球又はメダルの払い出し)に関して有利であることを指す。
【0010】
<概要>
本実施形態に係る遊技機10の詳細を説明にする前に、本実施形態の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、所定の操作手段と、所定の操作手段の操作を検知する操作検知手段と、一又は複数の可動体と、電源投入後において、可動体の少なくとも一部を動作させる第一処理を実行させうる第一制御手段と、電源投入後において、可動体の少なくとも一部について、原位置に存在するか否かを判定する原位置チェック処理を行う第二制御手段と、を備え、電源投入時に所定の操作手段の操作が検知されるか否かに関わらず原位置チェック処理が実行される一方、電源投入時に所定の操作手段の操作が検知された第一の場合に第一処理が行われ、電源投入時に所定の操作手段の操作が検知されない第二の場合に前記第一処理が行われない、ことを特徴とする。
なお、本実施形態では、パチンコ遊技機によって本発明を実施する態様が例示されるが、所定数のメダルを使用することで複数のリールを回転させる図柄変動を実行し、当該図柄変動の結果(当該複数のリールの停止態様)に基づいてメダルを払い出す回胴式遊技機(いわゆるスロットマシン)に適用することも可能である。
【0011】
ここで、「所定の操作手段」とは、遊技機10に設けられる操作手段のうち何れかであり、その種別は特に制限されない。本実施形態では、遊技者が可動体22を可動する際に用いる演出ボタン37とする。所定の操作手段を可動体22と関連する演出ボタン37とすることで、ホール店員等が可動体22の初期動作処理を行うか否かを選択する際に、操作手段を分かり易くすることができ、操作効率を上げることができる。また、所定の操作手段の「操作」とは、演出ボタン37を押下、スライド、回転など、演出ボタン37に影響を与えることであれば、どのような操作態様でも問題はない。
【0012】
可動体は、本実施形態では、遊技盤50に設けた演出表示装置80の上方に備えられた上部可動体22a、演出表示装置80の左右に備えられた左右可動体22bが該当し得る。なお、可動体を設ける位置、数などについてはこの限りではない。
【0013】
ここで「第一処理」と「原位置チェック処理」とは、電源投入後に行われる処理という点で共通しており、「第一処理」は可動体が動作する処理である一方、「原位置チェック処理」は「第一処理」で動作する可動体が原位置に停止している処理である点において相違する。
本実施形態では、「第一処理」とは、可動体の初期動作処理であり、遊技機の電源投入後に行われるイニシャル処理において、遊技機が備える可動体の少なくとも一部を、所定の態様で動作させる処理である。「第一処理」を実行することにより、可動体が正常に動作制御するかを確認することができる。
本実施形態では、「原位置チェック処理」とは、電源投入に伴い行われる演出であり、可動体が原位置に存在するか否かを確認する処理である。「原位置チェック処理」を実行することにより、可動体が原位置に退避していることを確認することができる。
【0014】
「第一の場合」とは、電源投入時にホール店員等が所定の操作手段を操作した場合であり、「第二の場合」とは、電源投入時にホール店員等が所定の操作手段を操作した場合である。
このようにすることで、電源投入時に所定の操作手段を操作するか否かによって可動体の初期動作処理を行うか否かを決定できるため、可動体の初期動作確認を効率的に行うことが可能となる。
【0015】
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより具体的に説明する。
【0016】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図であり、
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、
図5は、遊技機10の背面図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0017】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と表記)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0018】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0019】
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠及び解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
本実施形態では、中枠17が開放状態であるか否かを検知するための中枠開扉センサ76を備えている。なお、中枠開扉センサ76は、中枠17が開放状態である場合にはONとなり、中枠17が閉鎖状態である場合にはOFFとなる。
【0020】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠及び解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0021】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、及びプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。なお、これらの操作部は、遊技盤50の前面側に設けられている。
また、上カーソルボタン38a及び下カーソルボタン38bは、後述するスピーカ33から出力される音声の音量を調整するために、左カーソルボタン38c及び右カーソルボタン38dは、後述する演出ランプ(「枠ランプ」ともいう)35及び演出表示装置80の輝度を調整するために操作される。
さらに、演出ボタン37は発光手段(図示しない)を備えており、これらの発光手段は「枠ランプ」に含まれるものとする。
【0022】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0023】
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0024】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設された液晶表示装置であり、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、更に、他の各種の演出も表示することができる。
【0025】
演出表示装置80に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際には演出表示装置80の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、演出表示装置80の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0026】
なお、本実施形態における演出表示装置80には、液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0027】
演出表示装置80の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0028】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0029】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0030】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0031】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述の演出表示装置80に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0032】
遊技盤50の前面には、
図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0033】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0034】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口の数や配置は一例であり、以降で説明される役割を満たす限りにおいて、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0035】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた数(15球)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0036】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0037】
特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となり賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
更に、大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と表記する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を「ラウンド数」と表記する場合がある)は、予め定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。なお、1回の開放状態は、予め定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。ここで、1回のラウンドにおいて、10球の遊技球が入賞したことに基づいて特別電動役物65が開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンドにおいて、10球を超える遊技球が大入賞口55に入賞する場合が発生し、当該入賞をオーバー入賞と称する場合がある。
【0038】
本実施形態では、大入賞口55内に特定領域(図示せず)が設けられており、その特定領域には検知センサ(図示せず)が設けられている。この検知センサにより、遊技球が特定領域を通過したことが検知される。以降、その特定領域をV入賞領域と表記し、遊技球のV入賞領域の通過をV入賞と表記する場合がある。
詳細は後述するが、本実施形態では、大当り遊技中に遊技球がV入賞領域を通過したこと(V入賞)が当該検知センサにより検知された場合に、その大当り遊技終了後に特図高確とする機能が設けられており、大当り遊技中にV入賞し易いラウンド(以降、V入賞ラウンドと表記する場合もある)を設けるか否かが特図の停止図柄によって切り替えられる(本実施形態では9ラウンド目)。
【0039】
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となる。本実施形態では、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間は短く設定されている。このため、小当り遊技は、大当り遊技よりも不利な遊技状態と言える。
【0040】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0041】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0042】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大しうる。
ここで、
図4に示す通り、特別電動役物65は、第2流路Yにおいて、普通電動役物61よりも下流側にある。
【0043】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への遊技球の通過(この場合も入賞と表記される場合がある)が判定される。ゲート63への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。本実施形態では、ゲート63への入賞が判定されても賞球は付与されない。
また、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0044】
一般入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。より具体的には、一般入賞口67aには一般入賞口センサ73a(図示せず)が付設されており、一般入賞口67bには一般入賞口センサ73b(図示せず)が付設されている。
また、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。
【0045】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0046】
本実施形態では、上述した各入賞口又はアウト口69に入球した遊技球(以下、「アウト球」と表記する)を検出するためのアウト球センサ75が設けられており、アウト球センサ75の検出結果を用いて計数されたアウト球数は、ベース値を導出するために用いられ得る。ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確かつ普図低確)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値である。
【0047】
遊技盤の前面には、
図4に示すように、複数の可動体22が設けられており、演出表示装置80に表示される演出画像やスピーカ33から出力される音声データとともに、演出に用いられる。
本実施形態では、遊技盤に設けた演出表示装置80の上方に上部可動体22aを、演出表示装置80の左右に左右可動体22bを設け、詳細は後述する特図変動パターンに基づき、所定の位置に駆動制御される。
【0048】
上部可動体22aの内部には、上部可動体内ランプ24aが、左右可動体22bの内部には左右可動体内ランプ24bが設けられる。上部可動体内ランプ24aおよび左右可動体内ランプ24bは、単色LED、フルカラーLEDの何れを用いてもよいが、本実施形態では、演出効果を考慮し、フルカラーLEDを用いる。
また、遊技盤50の前面には.
図4に示すように、演出表示装置80に表示される演出画像やスピーカ33から出力される音声データとともに、演出に用いられる、盤面装飾ランプ30(30a、30b)も設けられる。盤面装飾ランプ30は、単色LED、フルカラーLEDの何れを用いてもよいが、本実施形態では、演出効果を考慮し、盤面装飾ランプ30aは単色LEDを、盤面装飾ランプ30bはフルカラーLEDを用いる。
加えて、透明部材25の側部には導光板ランプ26を設け、導光板ランプ26を発光制御することにより、透明部材25全体を発光装飾する。導光板ランプ26は、単色LED、フルカラーLEDの何れを用いてもよいが、本実施形態では、演出効果を考慮し、単色LEDを用いる。
なお、ここで説明した各種LEDは、本発明の実施における発光手段に何れも該当しうる。しかしながら、本発明の実施における発光手段は、これらに限られず、例えば、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96などの主制御基板100によって制御される発光手段も含まれうる。
【0049】
遊技盤50の背面には、
図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、及び払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409が装着され、第1副制御基板ケース209及び第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、各基板を覆う基板ケース及びカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケース及びカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
【0050】
電源制御基板500には、遊技島の電源設備から供給される一次電源を遊技機10に供給するために操作される電源スイッチ40及びRAMクリアスイッチ43が設けられている。
RAMクリアスイッチ43は、後述するRAMクリア処理を指示する場合に操作されるスイッチであり、RAMクリアスイッチ回路504に電気的に接続されている。
遊技島に設置された状態では、中枠17を開放状態としなければ、遊技盤50の背面側に設けられた各操作部(電源スイッチ40、RAMクリアスイッチ43等)の操作が困難となっている。
【0051】
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、更に、タンクレール47及び払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
【0052】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0053】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0054】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0055】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路502において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態又は遊技可能状態)、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態、大当り遊技中であるか否か、特
図1及び特
図2の停止図柄、図柄変動の保留情報、大当り遊技におけるラウンド遊技の回数などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
【0056】
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)と、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数及びバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)とがバックアップされる。
そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域とRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
【0057】
本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
【0058】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0059】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、普通電動役物ソレノイド62及び特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。
【0060】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
【0061】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37、カーソルボタン38、と電気的に接続されており、これらに対する操作を検知可能に構成されている。
【0062】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンド又は復電復帰コマンドに基づく制御処理にて、第2副制御基板300へ画像や音声を指示する画像制御コマンド及び音声制御コマンド、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30(30a、30b)、導光板ランプ26、演出ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、上部可動体22a、左右可動体22b等の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、各種コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0063】
また、第1副制御基板200は、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30(30a、30b)、導光板ランプ26、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30(30a、30b)、導光板ランプ26、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0064】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの制御コマンドに基づき画像演出及び音声演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像及び音声を制御する制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って各種演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき音声データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置80へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音声データを読み込み、読み込んだ音声データを合成処理して生成した最終的な音声データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0065】
より具体的には、第2副制御基板300は、複数の音声チャネル(例えば32個のチャネル)に対応する音声制御を実行可能である。第2副制御基板300は、第1副制御基板200から音声制御コマンドを受信すると、その音声制御コマンドに基づいて、指示された音声が指示された音量でスピーカ33から出力されるように制御する。
ここで、音声制御コマンドは、複数の音声チャネル(例えば32個の音声チャネル)の各々についての音声制御データを含む。各音声制御データは、対応する音声チャネルに関して、音声データの有無を特定するデータ、再生させる音声データを指示するデータ、音量を指示する音量指示データ等をそれぞれ含んでいる。
音声制御コマンドを受信した第2副制御基板300では、その音声制御コマンドに基づいて、指示された音声が指示された音量でスピーカ33から出力されるように制御される。音声制御コマンドで複数の音声チャネルの音声データが指定されている場合には、音声チャネルごとに、指示された音声データを、指示された音量にしたがって合成され得る。
本実施形態は、音声と音声チャネルとの対応関係を何ら限定するものではないため、以降の説明では、音声チャネルに関する記載を割愛する場合がある。
【0066】
払出制御基板400は、CPU401、ROM402及びRAM403(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0067】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503、及びRAMクリアスイッチ回路504等で構成されている。
電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、及び払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500には、RAMクリアスイッチ43が接続されており、本実施形態では、RAMクリアスイッチ43がONにされた状態で電源スイッチ40がONにされた場合に、RAMクリアスイッチ回路504が初期化信号を主制御基板100及び払出制御基板400へそれぞれ送信する。この初期化信号の受信により、主制御基板100では後述するRAMクリア処理が実行される。なお、RAMクリアスイッチ回路504が初期化信号を送信する契機は、本実施形態のような例のみに制限されない。
以降、RAMクリアスイッチ43がONにされた状態で電源スイッチ40がONにされることを「RAMクリア電源投入」と表記する場合がある。
【0068】
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、及び払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。また、RAMクリアスイッチ回路504は主制御基板100に設けるようにし、RAMクリアスイッチ43も主制御基板100に接続されていてもよい。
【0069】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、
図8も参照する場合がある。
【0070】
主制御基板100は、
図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、電断処理実行手段175、及び復電処理実行手段180を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0071】
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド等)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段275に向けて送信される。
【0072】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0073】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
【0074】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。
以降の説明では、「特
図1の作動保留情報の保留」及び「特
図2の作動保留情報の保留」の双方を「図柄変動の保留」と表記する場合がある。
【0075】
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。
また、大当り遊技中に保留されている特図の作動保留情報であって、当該大当り遊技の終了後に使用される特図の作動保留情報(本実施形態のように優先変動を採用している場合には、特
図2の保留に限る)を使用した場合の特図当否判定の結果が大当り(後述する確変大当りであることが好ましい)となることを、「保留連」と称する場合がある。
【0076】
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、及び特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一又は同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、更に、本実施形態では、普図高確中の特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定コマンドの送信を規制している。
【0077】
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、及び特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
【0078】
ここで、
図8は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図である。
図8で示す抽選テーブル以外の抽選テーブルを含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、一回加算)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。同様に、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」や「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
【0079】
特図当否判定手段131は、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と現在の設定値に対応する特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当り、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。
図8(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特
図1において特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、200/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなり、特
図1において特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、500/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの64736/65536の確率ではずれとなる。
【0080】
図8(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特
図2の特図低確では、200/65536の確率で大当り、残りの65336/65536の確率ではずれとなり、特
図2の特図高確では、500/65536の確率で大当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなる。特
図2の当否判定では、特
図1の当否判定とは異なり、小当りは導出されない。
【0081】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。また、本実施形態における特
図2当否判定では、小当りが導出されないようになっている。
【0082】
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定手段131によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図8(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率で図柄A、50/100の確率で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、ラウンド数(R数)が9であり、大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となり得る図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。上述したとおり、本実施形態では、V入賞(遊技球のV入賞領域の通過)が検知センサにより検知されることを条件として大当り遊技終了後に特図高確とされるため、確変大当りに係る大当り遊技には、V入賞ラウンド(本実施形態では9ラウンド目)が設けられている。
一方、図柄Bは、ラウンド数(R数)が8であり、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。通常大当りに係る大当り遊技にはV入賞ラウンドは設けられていない。
このように、図柄Aは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Bよりも有利な図柄である。
【0083】
図8(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図2では、大当りが導出された際に、65/100の確率で図柄a、35/100の確率で図柄bとなる。
ここで、図柄aは、ラウンド数(R数)が16であり、大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となり得る確変図柄である。図柄aが決定された場合の確変大当りに係る大当り遊技においても9ラウンド目がV入賞ラウンドとされる。
一方で、図柄bは、ラウンド数(R数)が8であり、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる通常図柄である。図柄bが決定された場合の通常大当りに係る大当り遊技にはV入賞ラウンドは設けられていない。
このように、図柄bよりも図柄aの方が有利度が高いと言える。
【0084】
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定手段によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する。
【0085】
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターン(変動時間)を決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は後述)と今回の特図当否判定手段131の抽選結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定する。
特図変動パターン導出手段133は、決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0086】
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、普図当否判定の結果及び現在の普図抽選状態に基づいて普図の停止図柄を決定し、かつ現在の普図抽選状態に基づいて普図の変動パターン(変動時間)を決定する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがある。抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0087】
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1及び2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
このように、普図高確は、普図低確よりも普図当りが導出される確率が高く、普図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
【0088】
大当り遊技制御手段140は、大当りに当選した図柄変動の終了後に大当り遊技を開始させると共に、当該大当りに係る特図の停止図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り遊技開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0089】
図柄表示制御手段145は、特
図1の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止(確定表示)を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
【0090】
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターンに基づく変動時間に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図の停止図柄で普図を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0091】
電動役物制御手段150は、大当り遊技が開始された後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。本実施形態では、V入賞ラウンド(本実施形態では9ラウンド目)において特別電動役物65が開放状態とされて大入賞口55内のV入賞領域を遊技球が通過したことが検知されると、その大当り遊技終了後に特図高確とされる。
また、電動役物制御手段150は、小当り遊技が開始された後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
【0092】
更に、電動役物制御手段150は、普図当否抽選において普図当りに当選した場合の普図当り遊技において、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を停止された普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0093】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技におけるV入賞を条件にその大当り遊技の終了時に規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動が行われるまで特図高確とし、その規定回数の図柄変動(本実施形態では100回目の図柄変動)の終了時に特図低確とする。
但し、特図高確から特図低確に遷移する条件は、本実施形態のような図柄変動の回数に制限されることはなく、転落当否抽選の結果など他の条件とされてもよい。
また、確変大当りに係る大当り遊技終了時に特図高確とする条件は、V入賞に制限されることはなく、特図の停止図柄の種別のみとされてもよい。
【0094】
加えて、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り遊技の開始時に大当りに係る図柄に関わらず普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時に規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動が行われるまで普図高確とし、その規定回数の図柄変動(本実施形態では100回目の図柄変動)の終了時に普図低確とし、確変大当りに係る大当り遊技におけるV入賞を条件にその大当りの終了時に規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動が行われるまで普図高確とし、その規定回数の図柄変動(本実施形態では100回目の図柄変動)の終了時に普図低確とする。
【0095】
ここで、本実施形態では、上述したとおり、第2流路Yから遊技球が転動した場合に、第2始動口59及び大入賞口55に入賞し易いため、普図高確の状態及び大当り遊技中では、左打ちよりも右打ちのほうが有利な操作といえる。
以降、左打ちよりも右打ちのほうが有利な当該所定の状態を右打ち推奨状態と表記する。なお、右打ち推奨状態は、大当り遊技中及び普図高確状態に限定されず、普図低確状態で小当りによる特別電動役物の開放時における大入賞口への入賞により出球が増えるいわゆる小当りラッシュ状態等、他の状態を含んでもよい。
【0096】
更に、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。具体的には、特図変動パターン導出状態を大別すると、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、及び特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cがあり、大当り遊技中を除いて特図抽選状態及び普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。
【0097】
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0098】
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0099】
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
本実施形態において、メインエラー制御手段165によって判定されるエラー状態には、例えば、磁気検知センサ(図示せず)による磁気検知に基づく磁気エラー、電波検知センサ(図示せず)による電波検知に基づく電波エラー、ゲートセンサ74による遊技球の検知に基づく右打ちエラー、満タン検知センサ(図示せず)による遊技球の検知に基づく満タンエラーなどがある。
例えば、磁気エラーは、磁気検知センサによる磁気検知が500ms連続で発生した場合に発生するエラー状態であり、電波エラーは、電波検知センサによる電波検知回数(直前の電源投入からの累計回数)が計5回発生した場合に発生するエラー状態である。右打ちエラーは、特図低確且つ普図低確の状態でゲートセンサ74が遊技球を所定回数(例えば3回)検知した場合(当該検知回数は、最後の検知から1000ms経過でリセットされる)に発生するエラー状態であり、満タンエラーは、満タン検知センサによって遊技球が検知されている場合に発生するエラー状態である。
【0100】
メインエラー制御手段165は、判定されるエラー状態のうち、磁気エラーや電波エラー等のような重要度が高いエラー状態が発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理に加え、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンド(演出制御コマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理も実行可能である。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機10外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。
一方、メインエラー制御手段165は、判定されるエラー状態のうち、右打ちエラーや満タンエラー等のような相対的に重要度が低いエラー状態が発生した場合には、遊技球の発射を規制せず、遊技の進行が可能な状態を維持することが可能である。
詳細は後述するが、エラーコマンドを受信した第1副制御基板200又は第2副制御基板300では、エラー状態の発生を報知するエラー報知演出が実行される。
メインエラー制御手段165によって判定されるエラー状態は、上述の例に限定されず、中枠17が開放状態となったこと(中枠開扉センサ76がON)や前枠20が開放状態となったことで発生するいわゆる扉開放エラーや、大当り遊技中の大入賞口55が閉鎖状態となってから所定の時間が経過した以降に大入賞口センサ72によって遊技球が検知された場合に発生する異常入賞エラー等、他のエラー状態も判定可能である。
【0101】
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンド又は復電復帰コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンド又は復電復帰コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納される、演出制御コマンド、復電復帰コマンド等の各制御コマンドは、原則として、その送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
本明細書では、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域にコマンドを格納させることを含めて、当該コマンドを第1副制御基板200へ送信すると表記する場合がある。
【0102】
電断処理実行手段175は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、及び当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
【0103】
復電処理実行手段180は、電源投入(復電)に伴って、復電復帰処理を実行する。復電処理実行手段の処理については、
図9に示すフローチャートに基づき説明にする。なお、本実施形態のフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。また、図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
復電処理実行手段は、電源スイッチ40がONになったことにより、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成されたことを示す電源信号がONになると(ステップS101のYES)、電源信号がONになったことを示す電源コマンドを作成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる(ステップS102)。なお、電源信号がONにならなければ(ステップS101のNO)、この処理は終了となる。
次に、復電処理実行手段は、電源制御基板500からの初期化信号がONになると(ステップS103のYES)、RAMクリア時復電復帰処理を実行し(ステップS104)、初期化信号がONでなければ(ステップS103のNO)、通常復電復帰処理を実行する(ステップS105)。
【0104】
通常復電復帰処理では、復電処理実行手段180は、まず、RAM103の遊技に係る領域に対してRAM異常チェックを実行する。RAM異常チェックでは、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)が判定され、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、当該遊技に係る領域のチェックサムが導出され、そのチェックサムの補数とその領域に係るバックアップ情報領域に記憶されているチェックサムの補数とが一致しているか否かが判定され、一致していれば、当該チェック結果が正常とされ、一致しない場合には異常とされる。
【0105】
RAM異常チェックで正常と判断されると、復電処理実行手段180は、バックアップされていたRAM103の遊技に係る領域の各種情報を用いて主制御基板100を遊技可能状態へ移行させる。このとき、復電処理実行手段180は、復電復帰コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。この復電復帰コマンドには、RAM103の遊技に係る領域に格納される情報(電断時における、特図抽選状態、普図抽選状態、大当り遊技中であるか否か、特
図1及び特
図2の停止図柄、図柄変動の保留情報、大当り遊技におけるラウンド遊技の回数等)が含まれる。
ここで、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる状態であり、通常遊技状態と呼ぶこともできる。
【0106】
RAM異常チェックで異常と判断された場合、復電処理実行手段180は、RAMクリア処理を実行する。
RAMクリア処理では、復電処理実行手段180は、RAM103の遊技に係る領域及びバックアップ情報領域の情報を初期化する。この初期化により、電断時にバックアップされていたRAM103の遊技に係る領域及びバックアップ情報領域の情報がクリアされ、初期値が設定されることになる。これにより、電断直前における遊技機10の状態(遊技停止状態又は遊技可能状態)、特図抽選状態、普図抽選状態、大当り遊技中であるか否か、特
図1及び特
図2の停止図柄、図柄変動の保留情報、大当り遊技におけるラウンド遊技の回数などが初期化される。例えば、特図抽選状態が特図低確とされ、普図抽選状態が普図低確とされ、特図変動パターン導出状態が特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態Aとされる。
RAMクリア処理が終了すると、復電処理実行手段180は、初期化された当該遊技に係る領域の各種情報を用いて遊技機10を遊技可能状態へ移行させる。このとき、復電処理実行手段180は、初期化された当該遊技に係る領域の各種情報を含む復電復帰コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0107】
RAMクリア時復電復帰処理では、復電処理実行手段180は、まず、上述のRAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理が終了すると、復電処理実行手段180は、遊技可能状態へ移行させる前に、所定の期間、動作確認状態を設定すると共に、RAMクリアフラグが設定された復電復帰コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、RAMクリアフラグが設定された復電復帰コマンドを受信した第1副制御基板200においても、遊技可能状態へ移行する前に、上部可動体22a、及び、左右可動体22bの初期動作処理(イニシャル処理)を行う期間が設定されることになる。なお、復電復帰コマンドへのRAMクリアフラグの設定とは、復電復帰コマンドに含まれるRAMクリアフラグをON状態とする(ビットを立てる等)ことを意味し、そのRAMクリアフラグをOFF状態とすることは、RAMクリアフラグが設定されていない等と表記される。
【0108】
RAMクリア時復電復帰処理では、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じて遊技の進行を実現する各種処理(遊技制御処理)が実行されず、遊技機10が備える上部可動体22a、及び、左右可動体22bの原位置チェックおよび所定の位置に駆動させることによる初期動作処理など、RAMクリア時復電復帰処理に伴う動作確認処理が行われる。
【0109】
上部可動体22a、及び、左右可動体22bの初期動作処理は、予め定められた期間設定される。本実施形態では、上部可動体22a、及び、左右可動体22bの初期動作処理の期間は、20秒とされる。但し、当該期間の長さはこのような例に限定されない。
【0110】
復電処理実行手段180は、所定の期間が終了すると初期化された当該遊技に係る各種情報を用いて主制御基板100を遊技可能状態へ移行させる。このとき、復電処理実行手段180は、RAMクリア処理に伴う動作確認処理を終えたことを示すフラグが設定されており、且つ初期化された当該遊技に係る各種情報を含む復電復帰コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、RAMクリア処理に伴う動作確認処理を終えたことを示すフラグが設定された復電復帰コマンドを受信した第1副制御基板200においても、RAMクリア処理に伴う動作確認処理期間を解除して、その復電復帰コマンドに含まれる初期化された当該遊技に係る各種情報を用いて遊技可能状態へ移行することになる。
なお、復電復帰コマンドへのRAMクリア処理に伴う動作確認処理を終えたことを示すフラグの設定とは、復電復帰コマンドに含まれるRAMクリア処理に伴う動作確認処理を終えたことを示すフラグをON状態とする(ビットを立てる等)ことを意味し、そのRAMクリア処理に伴う動作確認処理を終えたことを示すフラグをOFF状態とすることは、RAMクリア処理に伴う動作確認処理を終えたことを示すフラグが設定されていない等と表記される。
【0111】
第1副制御基板200は、
図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、音声制御手段235、ランプ制御手段240、可動役物制御手段245、ボタン検知手段250、復電処理実行手段260、サブ情報記憶手段270、及びサブコマンド管理手段275を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0112】
サブ情報記憶手段270は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0113】
サブコマンド管理手段275は、主制御基板100から送信された各種コマンド(演出制御コマンドや復電復帰コマンド等)を受信し、受信したコマンドをサブ情報記憶手段270の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に各種コマンド(画像制御コマンドや音声制御コマンド等)が記憶されている場合には、それらコマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
本明細書において、主制御基板100から送信された各種コマンドが、サブコマンド管理手段275によって受信され、サブ情報記憶手段270の受信コマンド格納領域に記憶されることまで含めて、コマンドの受信と表記する場合がある。また、第1副制御基板200の各種手段がサブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に各種コマンドを格納させて、サブコマンド管理手段275によってそれらコマンドが第2副制御基板300に向けて送信されることまで含めて、コマンドを第2副制御基板300へ送信すると表記する場合がある。
【0114】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0115】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0116】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンド(演出制御コマンド)が送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードには、通常モード、低確時短モード及び確変モードが含まれ、特図変動パターン導出状態Aには通常モード、特図変動パターン導出状態Bには低確時短モード、特図変動パターン導出状態Cには確変モードが対応付けられる。
【0117】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンド(演出制御コマンド)が送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(例えば特図変動パターン)や上述の演出モード等に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合であっても、その事前判定コマンドに含まれる特図変動パターン等によっては演出ルートを決定しない場合があってもよい。この場合には、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに基づいて演出ルートが決定されればよい。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
【0118】
サブ保留制御手段223は、保留コマンド(演出制御コマンド)の受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、演出表示装置80の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
【0119】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0120】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンド(演出制御コマンド)が送信された場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出タイミングごとの演出の内容(演出パターン)を演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
【0121】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンド(演出制御コマンド)が送信された場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。具体的には、図柄Aと図柄aには、奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させ、図柄Bと図柄aには、偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)を対応させ、図柄Cと図柄Dと図柄cにはバラケ目(いずれの図柄揃いもない図柄の組合せ)を対応させている。
なお、本実施形態における装飾図柄については上述したとおりである。また、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄Aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0122】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンド(演出制御コマンド)が送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0123】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。
読み出された演出データに画像に係る演出データが含まれる場合には、その演出データに基づいて画像制御コマンドが生成され、その画像制御コマンドがサブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に格納される。また、読み出された演出データに音声に係る演出データが含まれる場合には、後述する音声制御手段235により、その演出データに基づいて音声制御コマンドが生成され、その音声制御コマンドがサブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に格納される。
【0124】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンド(演出制御コマンド)を受信した場合に、エラー報知演出を実行するためのエラー報知用演出データを読み出す。例えば、右打ちエラーに係るエラーコマンドを受信した場合に読み出されるエラー報知用演出データには、「左打ちに戻してください」との文字画像に係る演出データ及び「左打ちに戻してください」との音声に係る演出データが含まれ、それら演出データに基づいて画像制御コマンド及び音声制御コマンドが生成され、当該コマンドがサブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に格納される。
本実施形態では、メインエラー制御手段165によってすべてのエラー状態の判定が行われるが、セキュリティ信号の出力を伴う重要度が高いエラー状態以外のエラー状態(例えば、右打ちエラー等)については、サブエラー制御手段230が判定するようにしてもよい。この場合、サブエラー制御手段230は、当該エラー状態の判定に係るセンサの状態を含むコマンドを主制御基板100から受信するようにすればよい。
【0125】
ボタン検知手段250は、演出ボタン37が押下されているか否かを検知する。以下の説明において、ボタン検知手段250が演出ボタン37の押下を検知していることを、演出ボタン信号がоn状態である、と称する場合がある。
【0126】
復電処理実行手段260は、電源投入(復電)後、主制御基板100から送信されたコマンドに基づき、
図10に示すような復電処理を行う。
復電処理実行手段260は、まず、電源信号がONになったことを示す電源コマンドを受信したか否かを判定し、電源コマンドを受信していなかった場合(ステップS201のNO)、本処理を終了する。
復電処理実行手段260は、電源コマンドを受信した場合(ステップS201のYES)、ボタン検知手段250が電源投入時に演出ボタン信号を検知したか否かを判定し、演出ボタン信号が送信されていなかった場合(ステップS202のNO)は、ステップS203へ進み、演出ボタン信号が送信されていた場合(ステップS202のYES)は、ステップS204に進む。
ステップS203において、復電処理実行手段260は、可動体22の初期動作処理(第一処理)を伴わないイニシャル処理を行うために必要な演出データを読み出す。
ステップS204において、復電処理実行手段260は、可動体22の初期動作処理(第一処理)を伴うイニシャル処理を行うために必要な演出データを読み出す。
【0127】
音声制御手段235は、読み出された演出データに音声に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて音声制御コマンドを生成し、その音声制御コマンドをサブ情報記憶手段270の送信コマンド格納領域に格納させる。
【0128】
ランプ制御手段240は、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、導光板ランプ26、及び、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、導光板ランプ26、及び、演出ランプ35に対応する演出データ(以降、ランプ演出データと表記され得る)がある場合には、当該ランプ演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを対応するランプへ送信する。
ランプ制御手段240は、電源投入時に復電処理実行手段260によって読み出された演出データにランプ制御データが含まれる場合には、当該ランプ制御データに応じた点灯パターンで各ランプの点灯制御を行うよう、各発光手段へランプ制御データを送信する。なお、電源投入後における各発光手段の点灯パターンについては、後述することとする。
【0129】
可動役物制御手段245は、上部可動体22a、及び、左右可動体22bの可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動体22に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを上部可動体22a、及び、左右可動体22bの各コントローラへ送信する。
可動役物制御手段245は、電源投入時に復電処理実行手段260によって読み出された演出データに可動制御データが含まれる場合には、当該可動制御データに応じた動作パターンで各可動体の可動制御を行うよう、各可動体へ可動制御データを送信する。なお、電源投入後における各可動体の動作パターンについては、後述することとする。
【0130】
<可動体22の初期動作処理を行う場合と行わない場合の遊技機10における動作について>
以下、可動体22の初期動作処理(第一処理)を行う場合(第一の場合)と行わない場合(第二の場合)の遊技機10における動作について、
図11、
図12を用いて説明する。
【0131】
図11は、可動体22の初期動作処理を行う場合における遊技機10、特に、演出表示装置80、スピーカ33、可動体22、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30(以下、「盤面上ランプ」と表記することもある)、及び、演出ランプ35(以下、「枠ランプ」と表記することもある)の動作例を示すタイミングチャートである。
図11に示される通り、電源投入時にホール店員等が演出ボタン37を押下すると、電源投入タイミングであるタイミングt0において、演出ボタン信号がоn状態となる。
電源投入時に演出ボタン信号がоn状態である場合、演出表示装置80は演出処理としてデモ画面(初期図柄)を表示させる。
なお、
図11に示す場合において、演出表示装置80に演出処理として表示する画像は、いわゆる初期図柄に限られず、初期図柄に代えて又は追加して他の画像が表示されてもよい。また、
図11に示す期間の全てにおいて初期図柄が表示される必要はなく、一部の期間において初期図柄が表示されない(視認不能になっている)期間が含まれてもよい。
【0132】
ここで、
図11に示す状況は、上述した通常復電復帰処理が実行されるものであるため、通常の復電であること(RAMクリアを伴わない電源投入であること)を示す音声(以下、復電報知音と称す)を、音声制御手段235は、電源投入時から所定時間(本実施例では30秒)スピーカ33から出力させ、所定時間経過後は復電報知音を消音にさせる。
なお、電源投入時(タイミングt0)から30秒経過した時点を、
図11ではタイミングt5と表記し、
図12〜
図14においても同様とする。また、音声制御手段235は、復電報知音を消音にさせている期間において、他の音声をスピーカ33から出力させてもよい。
【0133】
電源投入時に演出ボタン信号がоn状態である場合、ランプ制御手段240は、タイミングt0からタイミングt1までの期間、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35を全灯となるように制御し、また、導光板ランプ26を消灯となるように制御する。
【0134】
図11に示される通り、所定時間が経過したタイミングt1になると上部可動体22a、及び、左右可動体22bの原位置チェック処理が行われ、この原位置チェック処理の開始と同時に導光板ランプ26を順次点灯させることによる導光板ランプ26の点灯確認が行われる。なお、導光板ランプ26は単色であるため、全灯→消灯を所定間隔で順次行う。このとき、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35は消灯状態である。
なお、タイミングt1になると導光板ランプ26を順次点灯させることによる導光板ランプ26の点灯確認が行われるため、透明部材25全体に発光がおよぶ。導光板ランプ26の発光がおよぶ透明部材25の背面にある演出表示装置80、可動体22などは、その発光によって通常時(導光板ランプ26の非点灯時)に比べて視認困難になるものの、発光している透明部材25を透過して視認可能であってもよい。
【0135】
図11に示される通り、原位置チェック処理及び導光板ランプ26の確認処理が終了したタイミングt2で上部可動体22aの初期動作処理を開始し、続いてタイミングt3で左右可動体22bの初期動作処理を開始する。上部可動体22a、及び、左右可動体22bの初期動作処理は、所定の可動体22ごとに所定位置まで駆動させることにより行われる。本実施形態では、上部可動体22aの初期動作処理を行った後、左右可動体22bの初期動作処理を行うこととしたが、初期動作処理を行う順序はこれに限定されない。
上部可動体22aの初期動作処理実行中は、上部可動体内ランプ24aは全灯状態であり、また、左右可動体22bは原位置で停止した状態であり、左右可動体内ランプ24bは消灯状態である。さらに、導光板ランプ26は消灯状態であり、盤面装飾ランプ30、演出ランプ35は順次点灯状態とする。本実施形態では、盤面装飾ランプ30のうち、盤面装飾ランプ30aは単色LEDを用いているため、全灯→消灯を所定間隔で行うことにより点灯動作を確認し、また、それ以外の盤面装飾ランプ30bはフルカラーLEDを用いているため、所定の色、例えば、紫色→黄色→水色→・・・を所定間隔で行うことにより点灯動作を確認する。
左右可動体22bの初期動作処理実行中は、左右可動体内ランプ24bは全灯状態であり、また、上部可動体22aは原位置で停止した状態であり、上部可動体内ランプ24aは消灯状態である。さらに、導光板ランプ26は消灯状態であり、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35は順次点灯状態とする。
【0136】
上記の順次点灯状態及び全灯状態については、以下のように換言することができる。
順次点灯状態になる発行手段の一部(例えば、盤面装飾ランプ30及び演出ランプ35)はフルカラーLEDである為、第一の色で発光する第一素子(例えば、赤色LED)と、第二の色で発光する第二素子(例えば、緑色LED)と、第三の色で発光する第三素子(例えば、青色LED)と、を含む発光ダイオードを含むものであると言える。
そして、順次点灯状態(第一の発光態様)における発光ダイオードは、第一素子、第二素子及び第三素子のうち二種が発光し残りの一種が消灯している発光態様(例えば、赤色LEDと緑色LEDが発光し青色LEDが消灯している)を、発光している素子の組合せを所定の順序で変化させて繰り返す(例えば、紫→黄→水・・・・の順に発光する)ものである。盤面装飾ランプ30や演出ランプ35を順次点灯状態(第一の発光態様)で発光させることにより、単独で素子を発光させる態様に比べて、発光ダイオードが素子単位で切れていることを発見しやすくなる。(単独で素子を発光させると、その素子が切れていても周囲の発光で気付き難い。)
一方、全灯状態(第二の発光態様)における発光ダイオードは、第一素子、第二素子及び第三素子の三種を発光する(白色に発光する)ものである。可動体22に実装されている可動体内ランプ24については、初期動作処理中に全灯状態(第二の発光態様)で発光させることにより、ハーネスの断線の有無(発光ダイオード群としての発光の可否)を確認することが容易である。
【0137】
図11に示される通り、左右可動体22bの初期動作処理が終了したタイミングt4から一定時間(本実施形態では、タイミングt4からタイミングt6の期間)、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、演出ランプ35を全灯状態に点灯制御することにより、上部可動体22a、及び、左右可動体22bの初期動作処理が終了したことを報知する。
これにより、ホール店員等は、各可動体の初期動作処理が終了したことを容易に把握することができる。また、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35は、各可動体22の初期動作処理が終了したことを示す報知態様で所定期間全灯制御した後、タイミングt6からは消灯状態に制御される。
【0138】
図12は、可動体22の初期動作処理を行わない場合における遊技機10、特に、演出表示装置80、スピーカ33、可動体22、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35の動作例を示すタイミングチャートである。
【0139】
図12に示される通り、電源投入時にホール店員等が演出ボタン37を押下しないと、電源投入タイミングであるタイミングt0において、演出ボタン信号はоff状態のままとなる。
電源投入時に演出ボタン信号がоff状態である場合においても、電源投入時に演出ボタン信号がоn状態である場合と同様に、演出表示装置80は演出処理としてデモ画面(初期図柄)を表示させる。
なお、
図12に示す場合においても、
図11に示す場合と同様に、演出表示装置80に演出処理として表示する画像は、いわゆる初期図柄に限られず、初期図柄に代えて又は追加して他の画像が表示されてもよい。また、
図12に示す期間の全てにおいて初期図柄が表示される必要はなく、一部の期間において初期図柄が表示されない(視認不能になっている)期間が含まれてもよい。
【0140】
ここで、
図12に示す状況は、上述した通常復電復帰処理が実行されるものであるため、復電報知音を、音声制御手段235は、電源投入時から所定時間(本実施例では30秒)スピーカ33から出力させ、所定時間経過後は復電報知音を消音にさせる。
【0141】
図12に示される通り、電源投入時に演出ボタン信号がоff状態である場合であっても、タイミングt0からタイミングt2に行われる処理(各発光手段の点灯パターン、各可動体が停止していること、タイミングt1から原位置チェック処理が行われること)については、電源投入時に演出ボタン信号がоn状態である場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0142】
電源投入時に演出ボタン信号がоff状態である場合、タイミングt2の以降において、可動役物制御手段245は、上部可動体22a及び左右可動体22bを原位置に停止させたままにする(原位置チェックの後、可動させない)。また、ランプ制御手段240は、上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、及び導光板ランプ26を消灯させ、盤面装飾ランプ30及び演出ランプ35を所定パターン(
図11に表記した順次点灯とは異なる点灯パターン)で点灯させる。
【0143】
次に、可動体22の原位置をチェックする処理、または、第一処理(可動体22の初期動作処理)を行った際に可動体22に係るエラーが判定された場合の遊技機10における動作について、
図13、
図14を用いて説明する。
なお、サブエラー制御手段230は、可動体22の原位置をチェックする処理、または、可動体22の初期動作処理において、可動体22に係るエラーを判定して、エラー判定した場合にはそのエラー報知を行うものとして、以下説明する。
【0144】
図13は、可動体22の初期動作処理を行い、かつ、可動体22に係るエラーが判定された場合における遊技機10、特に、演出表示装置80、スピーカ33、可動体22、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35の動作例を示すタイミングチャートである。
図13に示される通り、電源投入時にホール店員等が演出ボタン37を押下すると、電源投入タイミングであるタイミングt0において、演出ボタン信号がоn状態となる。
なお、タイミングt0〜タイミングt4までの演出表示装置80、スピーカ33、可動体22、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35の動作例は、
図11示されるタイミングt0〜タイミングt4と同様であるため、説明は省略する。
【0145】
可動体22の原位置をチェックする処理、または、可動体22の初期動作処理において、サブエラー制御手段230によって可動体22に係るエラーがあったと判定されると、可動体22の初期動作処理が終了したタイミングt4の時点で、ランプ制御手段240は、可動体22の初期動作処理が終了したことを報知する制御(上部可動体内ランプ24a、左右可動体内ランプ24b、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35の全灯制御)を行わない。そして、サブエラー制御手段230は、タイミングt4から、上部可動体内ランプ24a、および、左右可動体内ランプ24bは消灯、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35を単色点灯させて、可動体22に係るエラーを報知する(エラー報知点灯させる)。
【0146】
一方、サブエラー制御手段230によって可動体22に係るエラーがあったと判定されると、音声制御手段235によってスピーカ33から出力させている復電報知音の出力が終了したタイミングt5からからタイミングt7までの期間、サブエラー制御手段230は、エラー報知音をスピーカ33から出力させ、タイミングt7以降は消音となるように制御する。なお、音声制御手段235は、エラー報知音を消音にさせている期間(タイミングt7以降)において、他の音声をスピーカ33から出力させてもよい。
また、サブエラー制御手段230によって可動体22に係るエラーがあったと判定されると、タイミングt5からタイミングt7までの期間、サブエラー制御手段230はエラー報知画像を演出表示装置80に表示させ、タイミングt7以降は元のデモ画面(初期図柄)を演出表示装置80に表示するように制御する。なお、サブエラー制御手段230がエラー報知画像を演出表示装置80に表示している期間(タイミングt5からからタイミングt7までの期間)において、通常演出制御手段220は、当該エラー報知画像の下層レイヤーにおいて元のデモ画面(初期図柄)の表示を継続していてもよい。
【0147】
このように、演出表示装置80、および、スピーカ33における可動体22に係るエラー報知は、予め決められた期間(実施例の場合、タイミングt5からからタイミングt7までの期間)行うと終了させるが、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35での可動体22に係るエラー報知は、タイミングt4以降、可動体22に係るエラーが解消するまで、単色点灯によるエラー報知点灯を行うようにする。
可動体22に係るエラーは遊技の継続が困難になるほどの重篤なエラーではないため、演出表示装置80やスピーカ33がエラー報知をし続けると、遊技者にとっては煩わしさもある。従って、演出表示装置80やスピーカ33でのエラー報知は予め決められた期間に限り、当該期間経過後は、盤面装飾ランプ30と演出ランプ35でのエラー報知とすることで、遊技者の煩わしさを抑えつつ、確実にホール店員等に可動体22に係るエラーを報知することができる。
【0148】
なお、
図13では、演出表示装置80及びスピーカ33によるエラー報知の開始タイミング(タイミングt5)と、盤面装飾ランプ30によるエラー報知の開始タイミング(タイミングt4)と、が不一致となる実施例を挙げたが、一致する実施例(例えば、双方のエラー報知がタイミングt5から開始する実施例)としてもよい。
【0149】
図14は、可動体22の初期動作処理を行わず、かつ、可動体22に係るエラーが判定された場合における遊技機10、特に、演出表示装置80、スピーカ33、可動体22、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35の動作例を示すタイミングチャートである。
図14に示される通り、電源投入時に、ホール店員等が演出ボタン37を押下しなければ、電源投入後(タイミングt0以降)、演出ボタン信号はоff状態のままとなる。
タイミングt0〜タイミングt2までの演出表示装置80、スピーカ33、可動体22、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35の動作例は、
図12に示されるタイミングt0〜タイミングt2と同様であるため、説明は省略する。
【0150】
可動体22の原位置をチェックする処理において、サブエラー制御手段230によって可動体22に係るエラーがあったと判定されると、所定時間(例えば、30秒)が経過するよりも前から(本実施例では、タイミングt2から)、演出表示装置80、スピーカ33、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35がエラー報知を行う。
具体的には、可動体22に係るエラーがあったと判定されると、サブエラー制御手段230は、タイミングt2から盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35を単色点させて、可動体22に係るエラーを報知する(エラー報知点灯させる)。
また、可動体22に係るエラーがあったと判定されると、サブエラー制御手段230は、所定時間が経過するよりも前の、例えば、タイミングt2からタイミングt3までの期間、エラー報知音をスピーカ33から出力させ、タイミングt3以降は消音となるように制御する。なお、音声制御手段235は、エラー報知音を消音にさせている期間(タイミングt3以降)において、他の音声をスピーカ33から出力させてもよい。
更に、可動体22に係るエラーがあったと判定されると、サブエラー制御手段230は、所定時間が経過するよりも前の、例えば、タイミングt2からタイミングt3までの期間、エラー報知画像を演出表示装置80に表示させ、タイミングt3以降はデモ画面(初期図柄)を表示するように制御する。なお、サブエラー制御手段230がエラー報知画像を演出表示装置80に表示している期間(タイミングt2からからタイミングt3までの期間)において、通常演出制御手段220は、当該エラー報知画像の下層レイヤーにおいて元のデモ画面(初期図柄)の表示を継続していてもよい。
【0151】
このように、演出表示装置80、および、スピーカ33での可動体22に係るエラー報知は、予め決められた期間(実施例の場合、タイミングt2からからタイミングt3までの期間)行うと終了させるが、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35での可動体22に係るエラー報知は、タイミングt2以降、可動体22に係るエラーが解消するまで、単色点灯によるエラー報知点灯を行うようにする。これは、
図13を用いて説明したエラー報知と同様の効果(遊技者に対する煩わしさ抑制)の他に、以下のような理由がある。即ち、可動体22の初期動作処理が行われない場合(第二の場合)は、復電報知音の出力期間(30秒)を待って演出表示装置80とスピーカ33によるエラー報知を開始すると、盤面装飾ランプ30及び演出ランプ35によるエラー報知の開始タイミングとのズレが、可動体22の初期動作処理を行う場合(第一の場合)と比べて大きくなるため、盤面装飾ランプ30及び演出ランプ35によるエラー報知がどのような意味を持つのか、ホール店員等が認識できない時間が過分に生じることになる。このような事態を回避するため、所定時間が経過するより前に可動体22に係るエラー報知を行っている。
【0152】
本実施形態では、
図13に示すように、可動体22に係るエラーが判定された場合、演出表示装置80に所定時間(本実施形態ではタイミングt0〜タイミングt5)、デモ画面(初期図柄)を表示し、所定時間経過後のタイミングt5からエラー報知画像を表示しているが、サブエラー制御手段230の処理としては、デモ画面(初期図柄)を表示する処理と並行して、エラー判定手段によりエラー判定されたタイミング(例えば、タイミングt1)から、エラー報知画像を演出表示装置80に表示制御し、タイミングt5までとタイミングt5以降とでデモ画面(初期図柄)とエラー報知画像との何れの優先度を高くするかによって、ホール店員等が視認できる画像を異なるようにしてもよい。ここで、「優先度を高くする」とは、例えば、デモ画面(初期図柄)とエラー報知画像を異なるスプライトに描画し、スプライトの表示順に優先度をつけることでもよいし、各画像の透過率に優先度をつけることでもよい。
また、可動体22に係るエラーが判定された場合、スピーカ33から所定時間(本実施形態ではタイミングt0〜タイミングt5)、復電報知音を出力し、所定時間経過後のタイミングt5からエラー報知を出力しているが、サブエラー制御手段230の処理としては、復電報知音を出力する処理と並行して、エラー判定手段によりエラー判定されたタイミング(例えば、タイミングt1)から、エラー報知音をスピーカ33から出力し、タイミングt5までとタイミングt5以降とで、復電報知音とエラー報知音との何れの優先度を高くするかによって、ホール店員等が視聴できる音声を異なるようにしてもよい。ここで、「優先度を高くする」とは、例えば、復電報知音とエラー報知音とを異なるチャンネルに設定し、チャンネルごとにボリュームを異ならせることでもよい。
【0153】
以上、
図11〜
図14のタイムチャートに沿って説明した、電源投入時にホール店員等によって第一処理を行うか否か決定され、決定結果に伴う遊技機10の電源投入時の遊技機の動作態様について整理する。
上述したように、演出ボタン37が、本発明の「所定の操作手段」に相当する。
上述したように、電源投入時に、演出ボタン37をホール店員等が操作した場合が、本発明の「第一の場合」に相当し、電源投入時に、演出ボタン37をホール店員等が操作しなかった場合は、本発明の「第二の場合」に相当する。
また、上述したように、電源投入時に、演出ボタン37をホール店員等が操作した場合に行われる可動体22の初期動作処理が、本発明の「第一の処理」に相当する。
従って、本実施形態に係る遊技機10は、電源投入時に、ホール店員等が可動体22の初期動作処理を実行したいと判断した際には、演出ボタン37を操作することによって可動体22の初期動作処理が実行され、可動体22の初期動作処理を実行したくないと判断した際には、演出ボタン37を操作しないことで可動体22の初期動作処理が実行されないため、可動体の動作確認等を効率的に行うことが可能となる。
【0154】
また、
図11や
図13に示すとおり、本実施形態に係る遊技機10は、可動体22の初期動作処理において動作する可動体22は、上部可動体22aと左右可動体22bがあり、それぞれの動作開始タイミングはタイミングt2とタイミングt3で異なる。
従って、第一処理(可動体22の初期動作処理)において動作する可動体22が複数あり、且つ、第一処理(可動体22の初期動作処理)における可動体22の動作開始のタイミングがそれぞれ異なるものと言える。
【0155】
図11〜
図14に示すとおり、本実施形態に係る遊技機10は、可動体22の初期動作処理の有無(電源投入時の演出ボタン37の操作の有無)に関わらず、各可動体22の原位置チェックが実行される。
従って、本実施形態に係る遊技機10は、電源投入後において、可動体22の少なくとも一部について、原位置に存在するか否かを判定する原位置チェック処理を行う第二制御手段(サブエラー制御手段230)を備え、電源投入時に所定の操作手段(演出ボタン37)の操作が検知されるか否かに関わらず原位置チェック処理が実行されるものと言える。
さらに、上述したように、電源投入時に、演出ボタン37をホール店員等操が操作したか否かに関わらず行われる演出表示装置80に表示されるデモ画面(初期図柄)やスピーカから出力される復電報知音が、上述の「演出処理」に相当する。
【0156】
また、本実施形態に係る遊技機10は、上述したように、可動体内ランプ24、導光板ランプ26、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35が、本発明の「複数の発光手段」に相当し、ランプ制御手段240(エラー判定時の一部期間においてはサブエラー制御手段230)が、本発明の「第二制御手段」に相当する。
そして、可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35については、電源投入時に演出ボタン37をホール店員等が操作した場合(
図11及び
図13に図示した場合)にも、電源投入時に演出ボタン37をホール店員等が操作しなかった場合(
図12及び
図14に図示した場合)にも、発光するものの、発光態様が異なる。
従って、第二制御手段は、第一の場合(
図11及び
図13に図示した場合)及び第二の場合(
図12及び
図14に図示した場合)のいずれにおいても、発光手段の少なくとも一部を発光させ、第一の場合にも第二の場合にも発光する発光手段(可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35)の発光態様が、第一の場合と第二の場合とで異なる、ものと言える。
これにより、第一処理が行われるか否かを電源投入後の発光手段の発光態様でホール店員等が容易に把握できる。
【0157】
また、本実施形態に係る遊技機10は、上述したように、演出表示装置80、および、スピーカ33が、本発明の「報知手段」に相当し、サブエラー制御手段230が、本発明の「エラー判定手段」及び「第三制御手段」に相当する。
上述したように、電源投入時から所定時間が経過するまでの期間(
図13のタイミングt0〜タイミングt5)が、本発明の「所定時間」に相当する。
また、上述したように、第一の場合は、
図13のタイミングt5以前は演出表示装置80、および、スピーカ33にエラーの報知をしないことは、本発明の「電源投入から所定時間が経過するまでエラーの報知を制限し」に相当し、第二の場合は、
図14のタイミングt5以前(例えば、タイミングt2〜タイミングt3)にエラー報知を行うことは、本発明の「電源投入から所定時間が経過するより前にエラーを報知手段によって報知させる」に相当する。ここで「エラーの報知を制限する」とは、エラー報知を行わないことに限られず、制限しない場合に比べてエラー報知を認識しがたい態様にすることも含まれる。
従って、第一処理が行われる場合には、可動体22の動作確認を優先でき、また、第一処理が実行されない場合には、エラー報知を早い段階から行うことが可能となる。
【0158】
第一の場合のエラー報知(
図13に示したエラー報知)と、第二の場合のエラー報知(
図14に示したエラー報知)とは、異なるエラー報知画像とすることが好ましい。例えば、前者のエラー報知に係るエラー報知画像と後者のエラー報知に係るエラー報知画像のサイズを変えて演出表示装置80に表示してもよいし、前者のエラー報知に係るエラー報知音と後者のエラー報知に係るエラー報知音の音量を変えてもよい。或いは、前者のエラー報知と後者のエラー報知の実行期間(時間長さ)を変えてもよい。
このようにすることで、それぞれのエラー報知に強弱をつけることができ、エラー報知に対する関心を強めて、見落とし防止を図ることができる。
【0159】
<他の変形例>
以上の説明で記載されていない実施例について、以下に列挙する。
【0160】
図12に示したように、可動体22の初期動作処理(第一処理)が行われない場合にも、電源投入後に(タイミングt0からタイミングt1までの期間)に可動体内ランプ24、盤面装飾ランプ30、および、演出ランプ35の全てを全灯状態としたが、電源投入後のイニシャル処理の実行期間の全てにわたって、これらのうち少なくとも一部を消灯状態としてもよい。
このようにすることで、第二制御手段(ランプ制御手段240)は、第一の場合に発光する発光手段と、第二の場合に発光する発光手段と、を比べると少なくとも一部が相違する、ものと言える。
この変形例であっても、第一処理が行われるか否かを電源投入後の発光手段の発光の有無でホール店員等が容易に把握でき、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
【0161】
上記の変形例(第一の場合において発光し第二の場合に消灯している発光手段が存在する場合)において、当該発光手段には、少なくとも可動体22の初期動作処理(第一処理)によって動作する可動体22に取り付けられている可動体内ランプ24が含まれることが好ましい。
これにより、可動体22が動作可能であるかを確認すると共に、可動体内ランプ24の発光確認も並行して行うことができ、動作確認の効率化を図ることができる。
【0162】
上述の実施形態では、
図12に示したように、可動体22の初期動作処理(第一処理)が行われない場合、演出ランプ35は可動体22の原位置チェック処理を終えたタイミングt2以降、演出ランプ35を所定パターン(
図11に表記した順次点灯とは異なる点灯パターン)で点灯させているが、可動体22の初期動作処理(第一処理)が行われる場合(
図11に示す場合)と同様の点灯パターンで点灯させてもよい。但し、可動体内ランプ24や盤面装飾ランプ30については、可動体22の初期動作処理の有無によって点灯パターン(発光態様)を異ならせる、ことが好ましい。
或いは、
図11や
図12に示したように、可動体22の初期動作処理の有無に関わらず発光する発光手段が存在する態様にて本発明を実施する場合、当該発光手段が演出ランプ35であるならば可動体22の初期動作処理の有無に関わらず共通の点灯パターン(発光態様)であってもよいが、当該発光手段が可動体内ランプ24や盤面装飾ランプ30であるならば、可動体22の初期動作処理の有無によって点灯パターン(発光態様)が異なることが好ましい。
言い換えれば、第一の場合に発光する発光手段と、第二の場合に発光する発光手段と、を比べると、第二の発光手段(演出ランプ35)については共通しており、第一の発光手段(可動体内ランプ24や盤面装飾ランプ30)の少なくとも一部については相違する、又は、第一の場合にも第二の場合にも発光する発光手段の発光態様が、第二の発光手段(演出ランプ35)については共通しており、第一の発光手段(可動体内ランプ24や盤面装飾ランプ30)の少なくとも一部については異なる、ことが好ましい。
なぜならば、可動体22の初期動作処理が行われる場合は、可動体22の動作に伴い、可動体内ランプ24も発光するため、それぞれの発光体の発光態様を確認しやすいように、可動体内ランプ24の発光態様や可動体22の可動領域に存在する盤面装飾ランプ30を調整することが好ましいからである。
【0163】
上述の実施形態では、所定の操作手段を、演出ボタン37としたが、第1副制御基板200によって操作が検知される他の操作手段(例えば、操作ハンドル31、カーソルボタン38)でもよいし、他の基板によって操作が検知される電源スイッチ40を除く別の操作手段(例えば、メイン操作部39やRAMクリアスイッチ43)であってもよい。
なお、上述の実施形態では、電源投入後に行う第一処理又は演出処理を、主制御基板100から受信した電源コマンドに基づいて第1副制御基板200が制御することを、
図10等に例示したが、所定の操作手段の操作検知が主制御基板100や電源制御基板500によって行われる態様である場合には、第一処理又は演出処理の実行契機となるコマンドを主制御基板100から第1副制御基板200に送信し、第1副制御基板200は当該コマンドに基づいて第一処理又は演出処理を実行してもよい。
【0164】
上述の実施形態では、所定時間が30秒であって、その経過前に可動体22の初期動作処理(第一処理)が終了する実施例を例示したが、本発明の実施はこれに限られない。
即ち、所定時間が経過した後に可動体22の初期動作処理(第一処理)が終了する実施例によって本発明が実施されてもよい。このとき、所定時間が経過するまでエラー報知の実行が制限されることが好ましく、所定時間が経過した後であれば第一処理が終了する前にエラー報知が行われてもよい。
【0165】
上述の実施形態では、盤面装飾ランプ30と演出ランプ35との点灯を同期するように(同じタイミングで同じ発光態様になるように)説明したが、同期しないようにしてもよい。
例えば、導光板ランプ26の点灯動作の確認後、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35を順次点灯させることで、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35の点灯動作確認を行っているが、盤面装飾ランプ30、及び、演出ランプ35で行われる順次点灯期間をそれぞれ異なる期間としてもよいし、点灯する発光色が互いに異なるようにしてもよい。
【0166】
図11〜
図14に示すデモ画面の表示期間に相当する期間の少なくとも一部において、初期図柄以外のデモ画面が表示されてもよいし、デモ画面に代えて又は追加して他の画像が表示されてもよい。
ここで他の画像には、例えば、いわゆるメニュー画面が含まれてもよく、メニュー画面への移行条件としては、所定の条件を充足する電源投入(RAMクリア処理を伴う電源投入)、又は、電源投入後に或る操作手段を操作すること(演出ボタン37やカーソルボタン38を操作すること)などが考えられる。
なお、デモ画面の表示期間に他の画像が表示されている場合において、デモ画面に係る表示より上層のレイヤーに他の画像が表示されることによって、デモ画面に係る表示の少なくとも一部が視認困難になってもよい。
【0167】
また、上記のエラー報知を行う遊技機10は、初期動作期間において可動体22に係るエラーが判定された場合、初期動作期間の後に行われるエラーの報知に、発光ダイオード(フルカラーLED)が用いられる場合があり、この場合における発光ダイオードの色が一種の素子の色になっている(例えば、赤色LEDのみ発光)、又は、第一の発光態様及び第二の発光態様における発光ダイオードの色に比べて、一種の素子の色に近くなるように発光してもよい。
ここで、一種の素子の色に近くなるように発光とは、例えば、三種の素子のDUTY比のうち最も高いDUTY比と二番目に高いDUTY比の差が、二番目に高いDUTY比と三番目に高いDUTY比差より大きくなるようにすることと言い換えることができる。
【0168】
上述の実施形態は、上述の説明に限定されるものではなく、種々の変形、改良等が可能である。
【0169】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
所定の操作手段と、
前記所定の操作手段の操作を検知する操作検知手段と、
一又は複数の可動体と、
電源投入後において、前記可動体の少なくとも一部を動作させる第一処理を実行させうる第一制御手段と、
電源投入後において、前記可動体の少なくとも一部について、原位置に存在するか否かを判定する原位置チェック処理を行う第二制御手段と、
を備え、
電源投入時に前記所定の操作手段の操作が検知されるか否かに関わらず前記原位置チェック処理が実行される一方、
電源投入時に前記所定の操作手段の操作が検知された第一の場合に前記第一処理が行われ、
電源投入時に前記所定の操作手段の操作が検知されない第二の場合に前記第一処理が行われない、
ことを特徴とする遊技機。
(2)
複数の発光手段と、
前記複数の発光手段の発光を制御する第二制御手段と、
を備え、
前記第二制御手段は、前記第一の場合及び前記第二の場合のいずれにおいても、前記発光手段の少なくとも一部を発光させ、
前記第一の場合に発光する前記発光手段と、前記第二の場合に発光する前記発光手段と、を比べると少なくとも一部が相違する、又は、
前記第一の場合にも前記第二の場合にも発光する前記発光手段の発光態様が、前記第一の場合と前記第二の場合とで異なる、
(1)に記載の遊技機。
(3)
前記複数の発光手段には、遊技盤に設けられた第一の発光手段と、前面枠に設けられた第二の発光手段と、が含まれ、
前記第一の場合に発光する前記発光手段と、前記第二の場合に発光する前記発光手段と、を比べると、前記第二の発光手段については共通しており、前記第一の発光手段の少なくとも一部については相違する、又は、
前記第一の場合にも前記第二の場合にも発光する前記発光手段の発光態様が、前記第二の発光手段については共通しており、前記第一の発光手段の少なくとも一部については異なる、
(2)に記載の遊技機。
(4)
前記第一の場合において発光し前記第二の場合において消灯している前記発光手段には、少なくとも前記第一処理によって動作する前記可動体に取り付けられている前記発光手段が含まれる、
(2)又は(3)に記載の遊技機。
(5)
前記第一処理において動作する前記可動体に係るエラーを判定するエラー判定手段と、
報知手段と、
前記可動体に係るエラーを前記報知手段によって報知させる第三制御手段と、
を備え、
前記第三制御手段は、
前記第一の場合に前記可動体に係るエラーが判定された場合、電源投入から所定時間が経過するまで当該エラーの報知を制限し、
前記第二の場合に前記可動体に係るエラーが判定された場合、電源投入から前記所定時間が経過するより前に、当該エラーを前記報知手段によって報知させる、
(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)
前記第一の場合に前記可動体に係るエラーが判定された場合、前記所定時間が経過した後に、前記第二の場合に前記可動体に係るエラーが判定された場合と異なる報知態様によって前記可動体に係るエラーが報知される、
(5)に記載の遊技機。