(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
左右のクローラを有する下部走行体と、支持構造体をなす旋回フレームを有し前記下部走行体に旋回自在に支持される上部旋回体と、該上部旋回体の左右一方側の前部に配される収納ボックスとを備え、該収納ボックスの上面を地上から上部旋回体の上面への昇降通路として使用可能に構成された油圧ショベルにおいて、前記下部走行体は、クローラの反接地側前後方向中間部を下側から当接して支持する複数の上部ローラを備え、これら上部ローラのうち前後方向両端側の上部ローラよりも前後方向中央側に位置する部分のクローラ上面は、上部ローラに支持されることで水平状となるように構成されたものとする一方、前記収納ボックスおよび該収納ポックスの下方の旋回フレームの左右外方側前部に、上部旋回体の前後方向をクローラの前後方向に一致させた状態において、クローラの左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれた切欠き部を、該切欠き部の前端位置が前後方向両端側の上部ローラよりも前後方向中央側に位置するように設け、該切欠き部の下方の水平状のクローラ上面を、作業者の足場や物仮置場として使用可能なスペースにするとともに、前記収納ボックスは、上部旋回体の左右方向と平行状で左右外方側端部がクローラの左右内方側端部の上方に位置する前面部と、該前面部の左右外方側端部から左右外方側後方に向けて斜めに延びて前記切欠き部を形成する傾斜面部と、上部旋回体の前後方向と平行状で傾斜面部の左右外方側端部から後方に延びる左右外方側面部とを備えて構成される一方、前記収納ボックスの傾斜面部または左右外方側面部、もしくは傾斜面部または左右外方側面部の下方に位置する旋回フレーム部分に、収納ボックス上面への昇降用足場を設けたことを特徴とする油圧ショベル。
請求項1において、油圧ショベルは、上部旋回体の左右一方側の外方側面部に、前後方向に延びるキャットウォークを備える一方、収納ボックスの傾斜面部または左右外方側面部の下方に位置する旋回フレーム部分に設けられる昇降用足場を、前記キャットウォークと連続状に設けたことを特徴とする油圧ショベル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1、2のように、上部旋回体の右側前部に収納部を設け、該収納部の上面を上部旋回体の上面への昇降通路の一部として使用するようにしたものでは、作業者は、まず地上から収納部の上面に昇ることになるが、この場合に、メンテナンス用品や補給用タンク等の荷物を所持しながら地上から収納部上面に昇降することは不安定であり、このため、荷物を上部旋回体上(例えば、特許文献1における第3収容部の上面や、特許文献2におけるキャットウォークの上面等)あるいはクローラ上面に一旦仮置きしたいという要望がある。しかしながら、特に大型の油圧ショベルにおいては、上部旋回体の地上高が高いため、地上から上部旋回体上に直接荷物を置くのは難しい。一方、クローラ上面は、上部旋回体よりも地上高が低く手の届く範囲である場合が多いが、上部旋回体の前後方向とクローラの前後方向とが一致している状態において、クローラ上面の大半は上部旋回体によって覆われているため、荷物を置くスペースを確保するのが難しい。尚、上部旋回体の前端部よりも前方に突出している部分のクローラ上面は、上部旋回体によって覆われていないため荷物を置くスペースはあるが、上部旋回体の前端部よりも前方に突出する部分のクローラ上面は、クローラが上部ローラの支持を外れてアイドラに向かう部分であって前下がり状に傾斜しているため、荷物を安定して置くことができないという問題がある。
さらに、特許文献1のものでは、上部旋回体の前端部に設けられる第2収容部の上面を、第3収容部に収容された尿素水タンクへの補給作業場としているが、第2収容部の上面の面積が狭いと作業しづらい一方、第2収容部の上面の面積を広くするとその分第3収容部が狭くなってしまうという問題がある。
また、特許文献2のものでは、収納部(工具箱)の前方に設けられたステップを足場として収納部の上面に乗る構成になっているが、このように収納部前方のステップから収納部上面に乗るには、まず上部旋回体の前端部よりも突出している部分のクローラ上面に乗ることになる。しかしながら、該上部旋回体の前端部よりも前方に突出する部分のクローラ上面は、前述したように前下がり状に傾斜しているから、特に工具や補給タンク等の荷物を所持している状態では、足元が不安定になる惧れがある。
また、大型の油圧ショベルのなかには、前記特許文献2のように、上部旋回体の左右側面部にキャットウォークを設けたものがあるが、特許文献2のものでは、収納部上面や収納部前方に設けられるステップとキャットウォークとが連続状に設けられていないため、キャットウォークと収納部上面とのあいだを行き来するためには一旦クローラ上面に降りなければならず、作業効率に劣るという問題もあり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、左右のクローラを有する下部走行体と、支持構造体をなす旋回フレームを有し前記下部走行体に旋回自在に支持される上部旋回体と、該上部旋回体の左右一方側の前部に配される収納ボックスとを備え、該収納ボックスの上面を地上から上部旋回体の上面への昇降通路として使用可能に構成された油圧ショベルにおいて、
前記下部走行体は、クローラの反接地側前後方向中間部を下側から当接して支持する複数の上部ローラを備え、これら上部ローラのうち前後方向両端側の上部ローラよりも前後方向中央側に位置する部分のクローラ上面は、上部ローラに支持されることで水平状となるように構成されたものとする一方、前記収納ボックスおよび該収納ポックスの下方の旋回フレームの左右外方側前部に、上部旋回体の前後方向をクローラの前後方向に一致させた状態において、クローラの左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれた切欠き部を
、該切欠き部の前端位置が前後方向両端側の上部ローラよりも前後方向中央側に位置するように設け、該切欠き部の下方の
水平状のクローラ上面を、作業者の足場や物仮置場として使用可能なスペースにするとともに、前記収納ボックスは、上部旋回体の左右方向と平行状で左右外方側端部がクローラの左右内方側端部の上方に位置する前面部と、該前面部の左右外方側端部から左右外方側後方に向けて斜めに延びて前記切欠き部を形成する傾斜面部と、上部旋回体の前後方向と平行状で傾斜面部の左右外方側端部から後方に延びる左右外方側面部とを備えて構成される一方、前記収納ボックスの傾斜面部または左右外方側面部、もしくは傾斜面部または左右外方側面部の下方に位置する旋回フレーム部分に、収納ボックス上面への昇降用足場を設けたことを特徴とする油圧ショベルである。
請求項2の発明は、請求項1において、油圧ショベルは、上部旋回体の左右一方側の外方側面部に、前後方向に延びるキャットウォークを備える一方、収納ボックスの傾斜面部または左右外方側面部の下方に位置する旋回フレーム部分に設けられる昇降用足場を、前記キャットウォークと連続状に設けたことを特徴とする油圧ショベルである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、収納ボックスの切欠き部の下方のクローラ上面を、安定した足場や物仮置場として利用することができるとともに、切欠き部を設けたことによる収納ボックスの容量減を可及的に小さく抑えることができる。しかも、収納ボックス上面への昇降時の足元の安定性も確保できる。
請求項2の発明とすることにより、キャットウォークと収納ボックス上面とのあいだの昇降を、容易かつ効率的に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
まず、本発明の第一の実施の形態について
図1〜
図3に基づいて説明すると、これら図面において、1は油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業機4(該フロント作業機4は、上部旋回体3に取付け支持される基端部のみ図示)等の各部から構成されている。
【0009】
前記下部走行体2は、左右一対のクローラ式走行装置5L、5Rを有しており、各クローラ式走行装置5L、5Rは、トラックフレーム6、駆動スプロケット7、アイドラ8、複数の上部ローラ(キャリアローラ)9、複数の下部ローラ(トラックローラ)10、クローラ11等を備えて構成されている。さらに、前記トラックフレーム6には、地上からクローラ11上面に昇降するときに足を掛ける走行体昇降ステップ12が備えられている。
【0010】
ここで、前記複数の上部ローラ9は、上端位置が駆動スプロケット7およびアイドラ8の上端位置よりも上位に位置するように設けられているとともに、トラックフレーム6の前後方向中間部の上方に位置するクローラ11に下側から当接してクローラ11が中間で垂れないように支持しており、これら上部ローラ9によって支持されている部分のクローラ11上面、つまり、
図1に示すように、上部ローラ9のうち前後方向両端側の上部ローラ9よりも前後方向中央側に位置する部分のクローラ11上面は、地面に対して略水平状態となっている。一方、上部ローラ9の支持を外れてアイドラ8に向かう前側部分のクローラ11上面は前下がり状に傾斜しており、また、駆動スプロケット7に向かう後側部分のクローラ11上面は後下がり状に傾斜している。尚、本実施の形態において、クローラ11の前後方向は、アイドラ8を前側とし駆動スプロケット7を後側としてアイドラ8と駆動スプロケット7とを連結する方向である。また、クローラ11の左右方向は、前記前後方向と直交する方向であって、クローラ11の左右方向内方側は、左右のクローラ式走行装置5L、5Rが互いに対向する側、左右方向外方側はその反対側である。
【0011】
一方、上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム13を有し、該旋回フレーム13が旋回ベアリング14を介して下部走行体2に旋回自在に支持されているとともに、旋回フレーム13の前側左右方向中央部には、前記フロント作業機4の基端部が上下動自在に取付け支持されている。さらに、上部旋回体3には、前記旋回フレーム13に搭載支持される状態で、キャブ15、燃料タンク16、作動油タンク17、図示しないエンジンや排ガス処理装置等が収納されるエンジンルーム18,油圧ポンプや冷却装置(ラジエータやオイルクーラー等)等の各種装置機器類が収納される複数の機器室19、後述する収納ボックス20、カウンタウエイト21等が配設されている。尚、本実施の形態において、上部旋回体3の前後左右方向は、キャブ15の運転席(図示せず)に座したオペレータから見た前後左右方向である。
【0012】
前記上部旋回体3における各部の配置について説明すると、キャブ15は、上部旋回体3の左側前部に配設されており、該キャブ15の左右反対側、つまり、上部旋回体2の右側前部に、キャブ15との間にフロント作業機4の基端部を挟む状態で、収納ボックス20が配設されている。さらに、該収納ボックス20の後方に、燃料タンク16や作動油タンク17が配設され、これら燃料タンク16、作動油タンク17および前記キャブ15の後方に、エンジンルーム18や機器室19が配設され、さらにその後方、つまり上部旋回体3の後端部に、カウンタウエイト21が配設されている。尚、本実施の形態において、収納ボックス20が配設される上部旋回体2の右側前部が、本発明の上部旋回体の左右一方側の前部となる。また、前記燃料タンク16、作動油タンク17、エンジンルーム18、機器室19およびカウンタウエイト21の上面、さらにこれら上面間を連結する通路22は、本発明の上部旋回体3の上面3aを構成するが、該上部旋回体3の上面3aの高さ位置は全域で同一高さ位置であるとは限らず、本実施の形態では、燃料タンク16および作動油タンク17の上面の高さ位置は、エンジンルーム18や機器室19、カウンタウエイト21の上面の高さ位置よりも一段低く設計されているが、互いに行き来できるようになっている。
【0013】
前記収納ボックス20は、排ガス処理装置で用いられる尿素水を貯留する尿素水タンク(図示せず)や、グリースガン、工具等を収納するための収納スペースを形成するものであって、前述したように上部旋回体3の右側前部に設けられているが、該収納ボックス20の右側前部(左右外方側前部)には、上部旋回体3の前後方向とクローラ11の前後方向とを一致させた状態において、右側クローラ走行装置5Rのクローラ11の左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれた切欠き部20aが形成されている。つまり、収納ボックス20は、水平状の上面部(本発明の収納ボックスの上面を構成する)20bと、上部旋回体3の前後方向と平行状でクローラ11の左右内方側端部よりも左方(左右内方)に位置する左側面部(左右内方側面部)20cと、上部旋回体3の左右方向と平行状で左側面部20cの前端部から右方に延び、その右側端部(左右外方側端部)がクローラ11の左右内方側端部の上方に位置する前面部20dと、該前面部20dの右側端部(左右外方側端部)から右側後方(左右外方側後方)に向けて斜めに延びる傾斜面部20eと、上部旋回体3の前後方向と平行状で傾斜面部20eの右側端部(左右外方側端部)から後方に延びる右側面部(左右外方側面部)20fとを備えて構成されており、上記傾斜面部20eによって切欠き部20aが形成されている。また、収納ボックス20の底面側は、旋回フレーム13に組付けられているとともに該旋回フレーム13によって覆蓋されているが、前記収納ボックス20の下方の旋回フレーム13の右側前部(左右外方側前部)も同様にクローラ11の左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれており、これによって、収納ボックス20の切欠き部20aの下方のクローラ11上面を上方から臨めるようになっている。そして、該収納ボックス20の切欠き部20aの下方のクローラ11上面を、さらには切欠き部20aの左右外方側のクローラ11上面をも含めて、作業者の足場や、尿素水補給タンク23、メンテナンス用品(図示せず)等の物仮置場のスペースSとして利用することができるようになっている。この場合に、
図1から明らかなように、収納ボックス20の切欠き部20aの前端位置は、前後方向両端側の上部ローラ9よりも前後方向中央側に位置しており、これにより切欠き部20aの下方のクローラ11上面
は、前述した上部ローラ9の支持を外れていない(あるいは殆ど外れていない)水平状態の部分となっており、而して、安定した足場や物仮置場として利用できるようになっている。尚、収納ボックス20の後面側は、収納ボックス20の後方に配設される燃料タンク16の前面部によって覆蓋されている。
【0014】
ここで、前記収納ボックス20の切欠き部20aを形成する傾斜面部20eは、前述したように、前面部20dの右側端部(左右外方側端部)から右側後方(左右外方側後方)に向けて斜めに延びるように設けられているとともに、前面部20dの右側端部は、クローラ11の左右内方側端部の上方に位置している。つまり、収納ボックス20の切欠き部20aは、クローラ11上面の上方に位置している部分だけに設けられていて、クローラ11よりも左右内方側に位置する部分は切欠かれておらず、これにより、切欠き部20aを設けたことによる収納ボックス20の容量減を可及的に小さく抑えることができる。また、前面部20dには、機体前方を照射する前照灯(図示せず)が内装取付けされるが、この場合に、前面部20dは上部旋回体3の左右方向と平行状であるから、前照灯の左右方向の角度調整を必要とせず、前照灯の取付け構造が簡単になる。
【0015】
また、収納ボックス20の上面部20bは、該収納ボックス20の後方に配設される燃料タンク16の上面よりも低く設定されていて、該収納ボックス20の上面部20bを、地上から上部旋回体3の上面3aへの昇降通路や作業場(例えば、燃料タンク16のメンテナンス作業の作業場)として使用できるようになっている。さらに、収納ボックス20の上面部20bの少なくとも一部は、開閉自在な蓋体20gから構成されており、該蓋体20gを開くことで、収納ボックス20に収納された尿素水タンクへの補給作業や、収納ボックス20に収納された工具等の出し入れを行うことができるようになっているとともに、該蓋体20gの開閉は、作業者が前述した切欠き部20aの下方のクローラ11上面に乗った状態で行えるようになっている。
【0016】
次いで、地上から前記収納ボックス20の上面部20bを通路として上部旋回体3の上面3aに昇降する構造について説明すると、前記収納ボックス20の右側面部(左右外方側面部)20fには、第一、第二ハンドレール25、26の下端部が固定支持されているとともに、収納ボックス昇降ステップ(本発明の昇降用足場に相当する)27が設けられている。また、収納ボックス20の右側面部20fの下方の旋回フレーム13には、左右一対のグリップ28が取付けられている。さらに、収納ボックス20の後方に配設される燃料タンク16の前面部には、タンク昇降ステップ29が設けられている。
【0017】
前記左右一対のグリップ28は、地上から前記下部走行体2のトラックフレーム6に設けられた走行体昇降ステップ12に足を掛けてクローラ11の上面に昇降するときに把持するためのものであって、該グリップ28は、鋼材からなる取付部28aが旋回フレーム13に取付けられるとともに、該取付部28aに固定される把持部28bはゴム等の弾性材から形成されており、これにより、仮に旋回時等に把持部28bが障害物等に衝突するようなことがあったとしても、把持部28bや障害物が破損してしまうことを防止できるようになっている。
【0018】
また、前記収納ボックス昇降ステップ27は、クローラ11の上面から収納ボックス20の上面部20bに昇降するときに足を掛けるためのものであって、収納ボックス20の右側面部20fに固定される上側ステップ27aと、該上側ステップ27aから紐状体27bを介して吊り下げられる下側ステップ27cとから構成されている。そして、このように収納ボックス20の右側面部20fに設けられる収納ボックス昇降ステップ27を吊り下げ式にすることで、仮に旋回時等に下側ステップ27cが障害物等に衝突するようなことがあったとしても、下側ステップ27cや障害物が破損してしまうことを防止できるようになっている。さらに、下側ステップ27cは、収納ボックス20の右側面部20fの下方の旋回フレーム13部分に位置するように設けられているが、この場合に、後述するように、旋回フレーム13の右側面部に設けられる右側キャットウォーク30Rと略同じ高さ位置で、且つ、右側キャットウォーク30Rの前端部に隣接するように設けられている。
【0019】
また、前記第一、第二ハンドレール25、26は、クローラ11上面から収納ボックス20の上面部20bに昇降するときに把持するべく収納ボックス昇降ステップ27の両側に配されるものであって、第一ハンドレール25は、下端部が収納ボックス20の右側面部20fに固定支持されるとともに、上端部は収納ボックス20の上面部20bからさらに上方に延びて、収納ボックス20の上面部20bに立設されるガイドレール31に連結されている。また、第二ハンドレール26は、下端部が収納ボックス20の右側面部20fに固定支持されるとともに、上端部は燃料タンク16の上面に固定されていて、収納ボックス20の上面部20bから燃料タンク16の上面に昇降するときにも把持できるように構成されている。
【0020】
また、タンク昇降ステップ29は、収納ボックス20の上面部20bから上部旋回体3の上面3aに昇降するときに足を掛けるためのものであって、前述したように収納ボックス20の後方に配設される燃料タンク16の前面部に取付けられている。尚、図中、32は上部旋回体3の上面3aに立設されるガイドレールであって、該上部旋回体3の上面3aや前記収納ボックス20の上面部20bに立設されるガイドレール32、31は、作業者の落下を防止するとともに作業者が手摺として利用できるようになっており、また、図示しない照明やアンテナ等の機器支持ステーとしても利用できるようになっている。
【0021】
而して、地上から上部旋回体3の上面3aに昇降するにあたり、地上からクローラ11上面への昇降は、下部走行体2のトラックフレーム6に設けられた走行体昇降ステップ12と、旋回フレーム13に設けられた左右のグリップ28とを用い、また、クローラ11上面から収納ボックス20の上面部20bへの昇降は、収納ボックス20の右側面部20fに取付けられた収納ボックス昇降ステップ27と、該収納ボックス昇降ステップ27の両側に配された第一、第二ハンドレール25、26とを用い、さらに、収納ボックス20の上面部20bから上部旋回体3の上面3aへの昇降は、収納ボックス20の後方に配設された燃料タンク16の前面部に設けられたタンク昇降ステップ29と、前記第二ハンドレール26とを用いて行える構成となっている。
【0022】
一方、旋回フレーム13の左右外方側面部には、前後方向に延びる左右のキャットウォーク30L、30Rが設けられている。該キャットウォーク30L、30Rは、上部旋回体3に配設の機器室19に収納された機器のメンテナンスを行う場合等に作業場として利用したり、作業者が上部旋回体3上を前後方向に移動したりするときの足場として使用するためのものであるが、右側のキャットウォーク30Rの前端部は、前記収納ボックス20の右側面部20fの後端部にまで至るように設けられているとともに、該収納ボックス20の右側面部20fに設けられた収納ボックス昇降ステップ27の下側ステップ27cは、右側キャットウォーク30Rと略同じ高さ位置で、且つ、右側キャットウォーク30Rの前端部に隣接するように設けられている。つまり、収納ボックス昇降ステップ27の下側ステップ27cと右側キャットウォーク30Rとは連続状となっていて容易に行き来ができるようになっており、これにより、地上から右側キャットウォーク30Rへの昇降や、キャットウォーク30から収納ボックス20の上面部20b、さらには上部旋回体3の上面3aへの昇降を、容易かつ効率的に行えるようになっている。尚、本実施の形態において、右側キャットウォーク30Rは、本発明の上部旋回体の左右一方側の外方側面部に備えられるキャットウォークに相当する。
【0023】
叙述の如く構成された第一の実施の形態において、油圧ショベル1は、左右のクローラ11を有する下部走行体2と、支持構造体をなす旋回フレーム13を有し下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3と、上部旋回体3の右側前部に配される収納ボックス20とを備えるとともに、該収納ボックス20の上面部20bを地上から上部旋回体3の上面3aへの昇降通路として使用可能に構成されているが、このものにおいて、収納ボックス20および該収納ポックス20の下方の旋回フレーム13の右側前部(左右外方側前部)には、上部旋回体3の前後方向をクローラ11の前後方向に一致させた状態において、右側のクローラ11の左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれた切欠き部20aが形成されており、該切欠き部20aの下方のクローラ11上面が、作業者の足場や、補給タンク23、メンテナンス用品等の物仮置場として使用可能なスペースSとして確保されることになる。さらに、前記収納ボックス20は、上部旋回体2の左右方向と平行状で右側端部(左右外方側端部)がクローラ11の左右内方側端部の上方に位置する前面部20dと、該前面部20dの右側端部(左右外方側端部)から右側後方(左右外方側後方)に向けて斜めに延びて前記切欠き部20aを形成する傾斜面部20eと、上部旋回体2の前後方向と平行状で傾斜面部20eの右側端部(左右外方側端部)から後方に延びる右側面部(左右外方側面部)20fとを備えて構成される一方、収納ボックス20の右側面部20fおよび該右側面部20fの下方に位置する旋回フレーム13部分には、収納ボックス20の上面部20bへの昇降用足場となる収納ボックス昇降ステップ27(上側ステップ27aおよび下側ステップ27c)が設けられることになる。
【0024】
而して、収納ボックス20の切欠き部20aの下方のクラーラ11上面を、作業者の足場や物仮置場として利用できることになるが、この場合に、収納ボックス20の切欠き部20aの下方のクローラ11上面は、収納ボックス20の前面部20dよりも前方に位置するクローラ11上面よりも前後方向中央側に位置していて水平状態を確保できる部分となっており、よって、安定した足場や物仮置場として利用できることになる。
【0025】
しかも、前記収納ボックス20の切欠き部20aは、クローラ11の左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれていて、クローラ11よりも左右内方側に位置する部分は切欠かれていないから、切欠き部20aを設けたことによる収納ボックス20の容量減を可及的に小さく抑えることができる。さらに、クローラ11よりも左右内方側となる部分に、上部旋回体2の左右方向と平行状の前面部20dを設けることができるから、該前面部20dに前照灯を取付ける場合の取付け構造が簡単になる。
【0026】
さらに、収納ボックス20の右側面部20fおよび該右側面部20fの下方に位置する旋回フレーム13部分には、収納ボックス昇降ステップ27(上側ステップ27aおよび下側ステップ27c)が設けられており、該該収納ボックス昇降ステップ27を昇降用足場として収納ボックス20の上面部20bに昇降できることになる。而して、収納ボックス20の前面部20dよりも前方に位置する傾斜状のクローラ11上面に載らなくても収納ボックス20の上面部20bに昇降できることになって、足元の安定性を確保できる。
【0027】
さらにこのものでは、収納ボックス20の右側面部20fの下方に位置する旋回フレーム13部分に設けられる下側ステップ27cが、上部旋回体2の右側の外方側面に設けられる右側キャットウォーク30Rと連続状に設けられているから、キャットウォーク30と収納ボックス20の上面部20b、さらには上部旋回体3の上面3aとのあいだの昇降を、容易かつ効率的に行うことができる。
【0028】
次いで、本発明の第二の実施の形態について、
図4〜
図6に基づいて説明するが、該第二の実施の形態のものにおいて、上部旋回体3におけるキャブ15、燃料タンク16、作動油タンク17、エンジンルーム18,機器室19、収納ボックス20、カウンタウエイト21等の配置は第一の実施の形態と同様である。さらに、収納ボックス20および該収納ボックス20の下方の旋回フレーム13の右側前部(左右外方側前部)には、クローラ11の左右内方側端部の上方位置から左右外方側後方に向けて斜めに切欠かれた切欠き部20aが形成されているとともに、収納ボックス20は、第一の実施の形態と同様に、上面部20bと、左側面部(左右内方側面部)20cと、前面部20dと、切欠き部20aを形成する傾斜面部20eと、右側面部(左右外方側面部)20fとを備えて構成されており、切欠き部20aの下方のクローラ11上面を、作業者の足場や物仮置場のスペースSとして利用することができるようになっていることも、第一の実施の形態と同様である。而して、第二の実施の形態のものにおいても、第一の実施の形態と同様に、収納ボックス20の切欠き部20aの下方のクローラ11上面を、安定した足場や物仮置場として利用できるとともに、切欠き部20aを設けたことによる収納ボックス20の容量減を可及的に小さく抑えることができて、第一の実施の形態と同様の作用効果を奏することになる。尚、第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同様(共通)のものについては、同一の符号を付すとともに説明を省略する。
【0029】
さらに、第二の実施の形態のものにおいても、第一の実施の形態と同様に、収納ボックス20の上面部20bを、地上から上部旋回体3の上面3aへの昇降通路や作業場として使用できるようになっているが、第二の実施の形態のものでは、クローラ11の上面から収納ボックス20の上面部20bに昇降するときに足を掛けるための収納ボックス昇降ステップ(本発明の昇降用足場に相当する)33として、収納ボックス20の傾斜面部20eに固定された上側ステップ33aと、後述する足場プレート33bとが設けられている。
【0030】
前記足場プレート33bは、収納ボックス20の傾斜面部20eおよび右側面部(左右外方側面部)20fの下方の旋回フレーム13部分に設けられているとともに、右側キャットウォーク30Rの前端部から一体的に延出形成されていて、右側キャットウォーク30Rと連続している。さらに、該足場プレート33bの左右外方側端縁部は、傾斜面部20eの下方に位置する部分から右側面部(左右外方側面部)20fの下方に位置する部分に至るまで、左右外方側後方に向けて斜めに延びる傾斜状に形成されており、これにより、収納ボックス20の切欠き部20aによって形成されるクローラ11上面のスペースSを広く確保できるようになっている。
【0031】
また、前記足場プレート33bの下面側には、下側ハンドレール34が取付けられている。該下側ハンドレール34は、地上から走行体昇降ステップ12に足を掛けてクローラ11の上面に昇降するときに作業者が把持するためのものであって、足場プレート33bの傾斜状の左右外方側端縁部に沿うように設けられている。
【0032】
さらに、35、36は収納ボックス昇降ステップ33の両側に配される第一、第二ハンドレールであって、クローラ11上面から収納ボックス20の上面部20bに昇降するときに把持するためのものであるが、第一ハンドレール35は、下端部が旋回フレーム13に固定支持されるとともに、上端部は収納ボックス20の上面部20bからさらに上方に延びて、収納ボックス20の上面部20bの上方前側をガードするガイドレール37に連結されている。また、第二ハンドレール36は、下端部が足場プレート33bに固定支持されるとともに、上端部は燃料タンク16の上面に固定されていて、収納ボックス20の上面部20bから燃料タンク16の上面に昇降するときにも把持できるように構成されている。
【0033】
而して、第二の実施の形態では、地上から上部旋回体3の上面3aに昇降するにあたり、地上からクローラ11上面への昇降は、下部走行体2のトラックフレーム6に設けられた走行体昇降ステップ12と、足場プレート33bの下面側に設けられた下側ハンドレール34とを用い、また、クローラ11上面から収納ボックス20の上面部20bへの昇降は、収納ボックス20の傾斜面部20eおよび右側面部(左右外方側面部)20fの下方の旋回フレーム13部分に取付けられた足場プレート33b、および傾斜面部20eに取付けられた上側ステップ33aからなる収納ボックス昇降ステップ33と、該収納ボックス昇降ステップ33の両側に配設された第一、第二ハンドレール35、36とを用い、さらに、収納ボックス20の上面部20bから上部旋回体3の上面3aへの昇降は、第一の実施の形態と同様に、収納ボックス20の後方に配設された燃料タンク16の前面部に設けられたタンク昇降ステップ29と、前記第二ハンドレール36とを用いて行える構成となっている。
【0034】
このように構成された第二の実施の形態のものでは、収納ボックス昇降ステップ33として、収納ボックス20の傾斜面部20eおよび右側面部(左右外方側面部)20fの下方の旋回フレーム13部分に取付けられた足場プレート33bと、収納ボックス20の傾斜面部20eに取付けられた上側ステップ33aとが設けられており、これら足場プレート33bおよび足場プレート33bを昇降用足場として収納ボックス20の上面部20bに昇降できることになる。而して、第二の実施の形態のものにおいても、収納ボックス20の前面部20dよりも前方に位置する傾斜状のクローラ11上面に載らなくても収納ボックス20の上面部20bに昇降できることになって、足元の安定性を確保できることになる。
【0035】
さらに第二の実施の形態のものでは、収納ボックス昇降ステップ33を構成する足場プレート33bが右側キャットウォーク30Rの前端部から延出形成されており、而して第二の実施の形態のものにおいても、地上から右側キャットウォーク30Rへの昇降や、右側キャットウォーク30Rから収納ボックス20の上面部20b、さらには上部旋回体3の上面3aへの昇降を、容易かつ効率的に行うことができる。
【0036】
尚、本発明は上記第一、第二の実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、第一、第二の実施の形態では、上部旋回体の左側前部にキャブが配設され、該キャブの左右反対側、つまり上部旋回体の右側前部に収納ボックスが配設されているが、上部旋回体の右側前部にキャブが配設される場合もある。この場合には、収納ボックスは上部旋回体の左側前部に配設され、また、収納ボックスの下方に位置する旋回フレーム部分に設けられる昇降用足場は、左側キャットウォークと連続状となるように構成されて、第一、第二の実施の形態とは左右勝手違いとなる。また、上部旋回体における作動油タンク、燃料タンク、エンジンルーム、機器室等の配置は、上記第一、第二の実施の形態に限定されることなく、油圧ショベルの種類や大きさ等に応じて適宜設計される。
また、第二の実施の形態において、クローラ上面から収納ボックス上面への昇降に用いる昇降用足場(収納ボックス昇降ステップ33)は、上側ステップと足場プレートとから構成されているが、足場プレートに替えて、上側ステップと同様の下側ステップを設ける構成にすることもできる。この場合、下側ステップは、収納ボックスの傾斜面部の下方の旋回フレーム部分に設けるとともに、キャットウォークの前端部を傾斜面部の後端部まで延出することによって、下側ステップとキャットウォークとを連続状となるように構成することができる。