特許第6982380号(P6982380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982380
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】スクリュ圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/16 20060101AFI20211206BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20211206BHJP
   F04C 29/04 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   F04C18/16 D
   F04C29/00 E
   F04C29/04 D
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-44876(P2016-44876)
(22)【出願日】2016年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-160822(P2017-160822A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年12月3日
【審判番号】不服2020-11166(P2020-11166/J1)
【審判請求日】2020年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【弁理士】
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】濱田 克徳
(72)【発明者】
【氏名】壷井 昇
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
【合議体】
【審判長】 小川 恭司
【審判官】 神山 貴行
【審判官】 窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−255038(JP,A)
【文献】 特開2001−227489(JP,A)
【文献】 特表2001−520353(JP,A)
【文献】 特開昭54−154811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/16
F04C 29/04
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリュロータがロータケーシング内に収容された圧縮機本体と、
回転子及び固定子がモータケーシングのモータ室内に収容され、前記回転子に固定されたモータ軸によって前記スクリュロータのロータ軸を回転駆動するモータと、
前記モータ軸の反ロータ側に設けられて、冷却液を供給するための軸給液部材であって、前記モータ軸の反ロータ側の端部との間に、前記モータ軸に固定され、かつ挿通孔が形成された軸受支持が介在し、前記軸受支持体の回転を許容するように前記挿通孔に挿通されている軸給液部材と、
前記モータ軸内で軸方向に延びる空洞であって、前記軸給液部材と前記軸受支持体の前記挿通孔を介して流体的に連通し、前記軸給液部材を通じて供給された前記冷却液が前記空洞内を流通することにより前記モータ軸を冷却するモータ軸冷却部と、
前記モータ軸のロータ側又は前記ロータ軸のモータ側に位置して、前記モータ軸又は前記ロータ軸の外面に前記モータ室内に直接に開放されるように設けられた流出開口を有し、前記流出開口から径方向内方に延びて前記モータ軸冷却部と流体的に接続される液流出部と、
前記モータケーシングに設けられたモータ室外へ前記冷却液を排出する排液部と、
前記排液部から排出された前記冷却液を貯溜する液回収部と、
前記液回収部と前記軸給液部材との間の給液路に設けられ、前記軸給液部材を通じて前記空洞内に前記冷却液を供給する液ポンプとを備える、スクリュ圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリュ圧縮機において、
前記ロータケーシングの吐出側が、前記モータケーシングに接続され、
前記ロータ軸が前記モータ軸に対して同軸で連結され、
前記ロータ軸のモータ側に設けられて前記ロータ軸内で軸方向に延びる空洞であって前記ロータ軸及び前記モータ軸の連結に使用されるロータ軸冷却部をさらに備え、当該ロータ軸冷却部が、前記モータ軸冷却部及び前記液流出部と流体的に接続されている、スクリュ圧縮機。
【請求項3】
スクリュロータがロータケーシング内に収容された圧縮機本体と、
回転子及び固定子がモータケーシングのモータ室内に収容され、前記回転子に固定された回転軸を介して前記スクリュロータを回転駆動するモータと、
前記回転軸のモータ側端部に設けられて、冷却液を供給するための軸給液部材であって、前記回転軸の前記モータ側端部との間に、前記回転軸に固定され、かつ挿通孔が形成された軸受支持体が介在し、前記軸受支持体の回転を許容するように前記挿通孔に挿通されている軸給液部材と、
前記回転子の位置する部位の前記回転軸内に設けられた空洞であって、前記軸給液部材と前記軸受支持体の前記挿通孔を介して流体的に連通し、前記軸給液部材を通じて供給された前記冷却液が前記空洞内を流通することにより前記回転子を冷却する回転子冷却部と、
前記回転軸における前記スクリュロータと前記回転子の間に位置して、前記回転軸の外面に前記モータ室内に直接に開放されるように設けられた流出開口を有し、前記流出開口から径方向内方に延びて前記回転子冷却部と流体的に接続された液流出部と、
前記モータケーシングに設けられたモータ室外へ前記冷却液を排出する排液部と、
前記排液部から排出された前記冷却液を貯溜する液回収部と、
前記液回収部と前記軸給液部材との間の給液路に設けられ、前記軸給液部材を通じて前記空洞内に前記冷却液を供給する液ポンプとを備える、スクリュ圧縮機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスクリュ圧縮機において、
前記モータの冷却に使用される前記冷却液を冷却する液冷却器と、
記排液部から排出された前記冷却液を前記液冷却器に供給する排液路と、
前記液冷却器で冷却された前記冷却液を前記軸給液部材に供給する前記給液路とを備える、スクリュ圧縮機。
【請求項5】
請求項4に記載のスクリュ圧縮機において、
前記給液路が、ジャケット給液路に分岐されて、前記ジャケット給液路が前記モータの前記固定子を冷却する冷却ジャケットと流体的に接続されており、
前記冷却ジャケットの下流側で流体的に接続されているジャケット排液路が、前記排液路に合流している、スクリュ圧縮機。
【請求項6】
請求項5に記載のスクリュ圧縮機において、
記液回収部が、前記冷却ジャケットの下流側に設けられている、スクリュ圧縮機。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のスクリュ圧縮機において、
前記モータ室の上部には、前記冷却液を供給するモータ室給液口が配設されている、スクリュ圧縮機。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のスクリュ圧縮機において、
前記冷却液が、前記モータ及び前記圧縮機本体の少なくともいずれかに設けられた軸受部を潤滑する油である、スクリュ圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリュ圧縮機に関し、詳細には、スクリュロータを回転駆動するモータを冷却する冷却構造を有するスクリュ圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリュ圧縮機では、スクリュロータが、モータによって回転駆動されている。モータを高速で回転駆動すると、いわゆる鉄損(ヒステリシス損や渦電流損)や銅損(巻線抵抗による損失)等の電気的な損失により、モータが発熱する。
【0003】
発熱したモータを冷却するために、冷却ジャケットがモータケーシングの外周部に設けられている。冷却液が冷却ジャケットの中を流れて、冷却液で熱交換することによりモータを冷却している。
【0004】
高速回転するモータを用いたスクリュ圧縮機では、モータのサイズが小さくなるにつれて、モータケーシングの外周部に設けられる冷却ジャケットも小さくなる。そして、このような小さな冷却ジャケットによる冷却だけでは、モータの冷却が不十分になり、固定子のコイル及び回転子の表面で温度が上昇してモータに不具合が生じる。そこで、モータの固定子を効率良く冷却するため、二重の冷却構造を備える液冷式モータが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−343857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の液冷式モータでは、モータケーシングの外側部分を冷却する冷却ジャケットとモータの固定子の外周部分を冷却するモータケーシングの内周面に形成された冷却液通路という二重の冷却構造が設けられている。当該二重の冷却構造は、モータケーシングの内周面に接触しているモータの固定子を冷却している。
【0007】
ところで、モータの固定子は、回転子に対して微小なエアギャップで離間して配置されている。固定子が発熱すると、発生した熱が微小なエアギャップを介して回転子に伝達されることにより、回転子の温度を一層上昇させる。特許文献1の液冷式モータは、モータの固定子を冷却する構造であるため、モータの固定子の内側に位置する回転子を十分に冷却することができない。
【0008】
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、スクリュロータを回転駆動するモータの固定子及び回転子を効果的に冷却することが可能なスクリュ圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下のスクリュ圧縮機が提供される。
【0010】
すなわち、スクリュロータがロータケーシング内に収容された圧縮機本体と、
回転子及び固定子がモータケーシングのモータ室内に収容され、前記回転子に固定されたモータ軸によって前記スクリュロータのロータ軸を回転駆動するモータと、
前記モータ軸の反ロータ側に設けられて、冷却液を供給するための軸給液部材であって、前記モータ軸の反ロータ側の端部との間に、前記モータ軸に固定され、かつ挿通孔が形成された軸受支持が介在し、前記軸受支持体の回転を許容するように前記挿通孔に挿通されている軸給液部材と、
前記モータ軸内で軸方向に延びる空洞であって、前記軸給液部材と前記軸受支持体の前記挿通孔を介して流体的に連通し、前記軸給液部材を通じて供給された前記冷却液が前記空洞内を流通することにより前記モータ軸を冷却するモータ軸冷却部と、
前記モータ軸のロータ側又は前記ロータ軸のモータ側に位置して、前記モータ軸又は前記ロータ軸の外面に前記モータ室内に直接に開放されるように設けられた流出開口を有し、前記流出開口から径方向内方に延びて前記モータ軸冷却部と流体的に接続される液流出部と、
前記モータケーシングに設けられたモータ室外へ前記冷却液を排出する排液部と、
前記排液部から排出された前記冷却液を貯溜する液回収部と、
前記液回収部と前記軸給液部材との間の給液路に設けられ、前記軸給液部材を通じて前記空洞内に前記冷却液を供給する液ポンプとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、モータ軸冷却部内を流通する冷却液によってモータ軸が冷却される。モータ軸内部からの冷却により、モータ軸に固定された回転子が内周側(モータ軸側)から周方向に亘って冷却される。それとともに、モータ軸の回転により周方向に移動する流出開口からモータ室内部に冷却液を流出させることによって、モータ室内部において固定子が周方向に亘って冷却される。したがって、スクリュロータを回転駆動するモータの固定子及び回転子をモータ内部から周方向に亘って冷却することにより、モータを効果的に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の第1実施形態に係るスクリュ圧縮機を概念的に示す横断面図。
図2図1に示したスクリュ圧縮機の縦断面図。
図3図2に示したスクリュ圧縮機におけるモータ室の部分断面図。
図4図3に示したスクリュ圧縮機におけるモータ軸受部周辺の拡大断面図。
図5図3に示したスクリュ圧縮機における中間軸受部周辺の拡大断面図。
図6】この発明の第2実施形態に係るスクリュ圧縮機におけるモータ室を概念的に示す部分断面図。
図7】この発明の第3実施形態に係るスクリュ圧縮機を概念的に示す縦断面図。
図8図7に示したスクリュ圧縮機におけるモータ室の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
まず、この発明の第1実施形態に係るスクリュ圧縮機1について、図1から図5を参照しながら説明する。なお、本願における「ロータ側」及び「反ロータ側」の文言は、それぞれ、「スクリュロータのある側と相対的に同じ側」及び「スクリュロータのある側と相対的に反対側」を意味している。また、「モータ側」及び「反モータ側」の文言は、それぞれ、「モータのある側と相対的に同じ側」及び「モータのある側と相対的に反対側」を意味している。
【0014】
図1に示すスクリュ圧縮機1は、オイルフリースクリュ圧縮機である。互いに無給油状態で噛合する雄ロータ3a及び雌ロータ3bからなる1対のスクリュロータ3が、圧縮機本体2のロータケーシング4に形成されたロータ室17内に収容されている。ロータケーシング4の吸込側端には軸受ケーシング7が取り付けられている。ロータケーシング4の吐出側端には、モータ6のモータケーシング5が取り付けられている。モータ6は、回転子6aと固定子6bとモータケーシング5とを有している。モータケーシング5は、モータケーシング本体5aと冷却ジャケット8とカバー9とを備える。モータケーシング本体5a内には、回転子(ロータ)6aと固定子(ステータ)6bとが収容されている。モータケーシング5の反ロータ側の端部は、カバー9で閉じられている。
【0015】
図示しないガスの吐出口がロータケーシング4のモータ6側に形成され、図示しないガスの吸込口がロータケーシング4においてモータ6の反対側に形成されている。雄ロータ3a及び雌ロータ3bでのモータ6の反対側の各軸端には、互いに噛合するタイミングギヤ(図示せず)が取り付けられている。通常は、雄ロータ3aがモータ6によって回転駆動される。モータ6のモータ軸31の回転駆動により、雄ロータ3aの雄ロータ軸21が回転し、さらにタイミングギヤを介して、雄ロータ軸21と同期するように雌ロータ3bの雌ロータ軸22が回転する。
【0016】
モータ6は、図示しないインバータにより回転数制御され、例えば、20000rpmを超える高速回転で運転される。モータ6の回転子6aは、モータ軸31の外周部に固定され、固定子6bは回転子6aの外側に離間して配置されている。回転子6aと固定子6bとの間には、エアギャップ6gが形成されている。モータケーシング5において、冷却ジャケット8は、固定子6bと密接するように、固定子6b及びモータケーシング本体5aの間に配設されている。
【0017】
モータ軸31は、スクリュロータ3側からモータ軸受部13側に行くに従って縮径する複数の異径軸部を有する。モータ軸31は、図3に示すように、例えば、第1軸部44及び第2軸部45から構成される。大径の第1軸部44が、回転子6aの側端面に係止している。回転子6aが、小径の第2軸部45の外周面と密接するように固定されている。連結穴32が、第1軸部44の全部と第2軸部45の一部にわたって軸方向に延在している。モータ軸冷却部として働く中心穴33が、第2軸部45の残部にわたって軸方向に延在している。軸受支持体37の突出端部がモータ軸31の中心穴33に挿入されて、軸受支持体37のフランジ部を第2軸部45の側端面に当接させた状態で取付ボルト38で締め付けられている。これにより、軸受支持体37がモータ軸31に固定されているとともに、中心穴33のモータ軸受部13側の一端が閉じられている。中心穴33は、モータ軸31内で軸方向に延びる空洞であって、モータ軸給液部材(軸給液部)10を通じて供給された冷却液(本実施形態においては油)が中心穴33内を流通することによりモータ軸31を冷却するモータ軸冷却部として働く。モータ軸冷却部は、回転子6aの位置する部位のモータ軸31内に設けられている。
【0018】
冷却ジャケット8がモータケーシング本体5aの内側面に沿って密着されて、互いのフランジ部が当接した状態でボルトで締め付けることにより、冷却ジャケット8がモータケーシング本体5aに固定されている。冷却ジャケット8の冷却ジャケット部8aには、冷却液(本実施形態においては油)を流すための冷却通路8bが形成されている。冷却通路8bの軸方向の両外側に位置する冷却ジャケット部8aにそれぞれ設けられたパッキンにより、冷却通路8bからモータケーシング本体5a内への液漏れを防止している。
【0019】
スクリュロータ3の雄ロータ軸21とモータ6のモータ軸31とは、別体で構成されており、雄ロータ軸21及びモータ軸31が水平方向(横向き)に同軸で延在するように、キー41(カップリング部材)により一体に連結されている。図1に示すように、雄ロータ軸21の反モータ6側は、ロータ軸受部11により軸受ケーシング7に支持されている。雄ロータ軸21のモータ6側は、中間軸受部12によりロータケーシング4に支持されている。すなわち、雄ロータ軸21は、ロータ軸受部11及び中間軸受部12により両持ちで支持されている。モータ軸31の反ロータ側端部に固定された軸受支持体37は、モータ軸受部13によりカバー9に支持されている。したがって、一体に連結された雄ロータ軸21及びモータ軸31が、水平方向(横向き)に同軸で延在し、ロータ軸受部11と中間軸受部12とモータ軸受部13との三箇所で支持(すなわち3点支持)されている。他方、雌ロータ3bの雌ロータ軸22は、ロータ軸受部15及び中間軸受部16により、軸受ケーシング7及びロータケーシング4に両持ちで支持されている。
【0020】
ロータ軸受部11は、例えば、スラスト軸受(4点接触玉軸受)11aとラジアル軸受(ころ軸受)11bとから構成される。中間軸受部12は、例えば、ロータ側に設けられたラジアル軸受(ころ軸受)12aと、モータ側に設けられたスラスト軸受(4点接触玉軸受)12bとから構成される。スラスト軸受12bをモータ6側に設けることにより、ロータ軸21が熱膨張によって伸長しても、スラスト軸受12bによってスラスト荷重を受けることができる。また、ラジアル軸受12aとスラスト軸受12bとの間には、中間軸受部12に油を供給するための中間給液路82(中間給油路)が設けられている。モータ軸受部13は、例えば、ラジアル軸受(深溝玉軸受)から構成される。
【0021】
また、雌ロータ軸22を支持するロータ軸受部15は、例えば、スラスト軸受(4点接触玉軸受)15aとラジアル軸受(ころ軸受)15bとから構成される。中間軸受部16は、例えば、ラジアル軸受(ころ軸受)16aとスラスト軸受(4点接触玉軸受)16bとから構成される。また、少なくともモータ軸31と接続されるロータ軸(ここでは雄ロータ軸21)をモータ6側で支持する軸受(本実施形態においては、スラスト軸受12bに該当する)は、モータ6側へ油を流通させて潤滑されるように、開放形の軸受を使用している。なお、本実施形態においては他の各軸受も開放形を使用しているが、他の各軸受については、軸受に対する負荷や潤滑の仕方などを考慮して開放形の軸受とするか否かを適宜に決定すればよい。
【0022】
雄ロータ3aと中間軸受部12との間の雄ロータ軸21には、中間軸封部14aが設けられている。ロータ軸受部11と雄ロータ3aとの間の雄ロータ軸21には、軸封部14cが設けられている。雌ロータ3bと中間軸受部16との間の雌ロータ軸22には、軸封部14bが設けられている。ロータ軸受部15と雌ロータ3bとの間の雌ロータ軸22には、軸封部14dが設けられている。各軸封部14a,14b,14c,14dは、例えば、オイルシールとして働くビスコシール及びエアシールとして働くメカニカルシールを備えている。軸受側に設けられたビスコシールは、油のロータ室17への流入を防止する。スクリュロータ3側に設けられたメカニカルシールは、油のロータ室17への流入及び圧縮ガスのロータ室17からの必要以上の漏出を防止する。
【0023】
図3に示すように、モータ軸受部13の内輪は、軸受支持体37に配設された止めリング61によって軸方向に移動不可に位置決めされている。他方、モータ軸受部13がカバー9の軸受装着穴9aに対してすきまばめで取り付けられている。これにより、モータ軸受部13の外輪は、軸方向に移動できる。すなわち、モータ軸受部13は、外輪での軸方向の摺動を許容するようにモータ6に組み付けられている。当該構成によれば、モータ軸31が熱膨張によって伸長しても、無理な荷重がモータ軸受部13に負荷されることを防止できる。
【0024】
カバー9は、モータケーシング5の開口を閉じるように冷却ジャケット8に装着されている。カバー9のフランジ部を冷却ジャケット8の側端面に当接させた状態でボルトで締め付けることにより、カバー9が冷却ジャケット8に固定されている。
【0025】
モータ6のモータ軸31の軸径は、スクリュロータ3(本実施形態においては、雄ロータ軸21)のモータ6側の連結端部24の軸径よりも大径である。大径であるモータ軸31には、連結端部24を挿入するための連結穴32が形成されている。モータ軸31には、連結穴32よりも大径の中心穴33が形成されている。中心穴33と連結穴32とにより、モータ軸31の内部を軸方向に貫通する貫通孔がモータ軸31に形成されて、モータ軸31が中空構造になっている。
【0026】
相対的に大径の中心穴33と小径の連結穴32との境界には段差が形成されている。モータ軸31を貫通する貫通孔の段差により、締結フランジ27は、中心穴33内を自在に挿通可能であるが、連結穴32に対しては行き止まりになっている。締結フランジ27は、ネジ挿通穴と複数のフランジ連通孔27aとを有する。複数のフランジ連通孔27aは、中心穴33及び液ガイド穴21cを連通している。
【0027】
図5に示すように、モータ軸31に設けられた連結穴32の内周面31bには、例えば矩形断面で凹状の第2キー溝31aが形成されている。雄ロータ軸21に設けられた連結端部24の外周面21bには、例えば矩形断面で凹状の第1キー溝24aが形成されている。第1キー溝24a及び第2キー溝31aによって、矩形断面のキー溝42が軸方向に構成されている。連結端部24が連結穴32に挿入された状態で、矩形断面のキー41が、モータ軸31の連結穴32の内周面31bと雄ロータ軸21の連結端部24の外周面21bとの間に介在配置されている。キー41がキー溝42に嵌め込まれることにより、キー41がキー溝42に嵌合している。したがって、キー41は、モータ軸31と雄ロータ軸21とを一体に連結するカップリング部材として働く。
【0028】
連結端部24の内部には、締結部が設けられている。締結部は、連結端部24の端面から軸方向に延びる液ガイド穴21cとネジ穴26とを備えている。液ガイド穴21cは、ロータ軸21のモータ6側に設けられてロータ軸21内で軸方向に延びる空洞であってロータ軸21及びモータ軸31の連結に使用されると共に、ロータ軸冷却部として働く。液ガイド穴21cの穴径は、ネジ穴26よりも大きい。また、連結端部24と締結フランジ27の間には、液ガイド穴21cとフランジ連通孔27aとの間を結ぶ流路をなす空洞が設けられている。したがって、フランジ連通孔27aを通過した冷却液(本実施形態においては油)が、液ガイド穴21cと締結ボルト28との間に形成された環状隙間を流れることができる。回転子6aのロータ側端面と軸受支持部材19との間のロータ軸(ここでは雄ロータ軸21)には、一端がモータ室20内に連通して径方向内方に(例えば軸直交軸心方向に)延びる複数の液流出穴21dが形成されている。すなわち、ロータ軸21の外面には、モータ室20内に向けて開口する複数の流出開口21fが形成されている。複数の液流出穴21dは、各流出開口21fと、液ガイド穴21c及びモータ室20とを流体的に接続する液流出部を構成している。中心穴33と複数のフランジ連通孔27aと液ガイド穴21cと複数の液流出穴21dとの連通により、モータ軸連通部39の一部分が構成されている。
【0029】
径方向内方に延びる複数の液流出穴21dは、回転子6aのロータ側の端面と軸受支持部材19との間に位置して、モータ室20内に向けて開口する複数の流出開口21fに連通するものであればよい。すなわち、液流出穴21dは、ロータ軸21とモータ軸31とに亘って形成してもよい。この場合、モータ軸31の外面に流出開口が形成される。また、液流出穴21dは、流出した冷却液(本実施形態においては油)がモータの回転子6aや固定子6bと接触しやすくなるように、モータの回転子6aや固定子6bに向けて傾斜して延びる態様であってもよい。また、液流出穴21dは、固定子6bの巻線部の内周側と対向して流出開口21fが位置するように延びる態様であってもよい。これにより、固定子6bの巻線部を効果的に冷却することができる。
【0030】
締結ボルト28のネジ部28bが、締結部のネジ穴26に螺合する。締結フランジ27のネジ挿通穴を通じて、締結部材としての締結ボルト28が挿通される。締結フランジ27を中心穴33に挿入して貫通孔の段差で係合させた状態で締結ボルト28を締め付けると、雄ロータ軸21の連結端部24がモータ軸受部13の方に引き寄せられて、締結ボルト28の頭部28aが締結フランジ27に係止する。その結果、締結ボルト28によって、モータ軸31と雄ロータ軸21とが締結される。このように、キー41によってモータ軸31と雄ロータ軸21とが一体に連結された状態で、モータ軸31と雄ロータ軸21とが締結ボルト28によって締結されている。
【0031】
カップリング部材としてのキー41によってモータ軸31と雄ロータ軸21とが一体に連結され、締結部材としての締結ボルト28によって締結されたモータ軸31及び雄ロータ軸21は、一塊の一つの軸体として働く。そして、キー41を用いた嵌合構造では、伝達トルクが冷却液の影響を受けない。そのため、冷却液が水平方向に延在する雄ロータ軸21を伝わって連結穴32の中に入ってきても、モータ軸31と雄ロータ軸21との間でトルクを確実に伝達することができる。
【0032】
このとき、締結ボルト28の頭部28aが、モータ軸31を軸方向に貫通するように形成された中心穴33内に位置している。詳しくは、頭部28aが、雄ロータ軸21の軸端面付近に位置するように、モータ軸31の中心穴33内部に没入されている。すなわち、締結ボルト28の軸方向長さが短くなるように構成されている。当該構成によれば、締結ボルト28の熱膨張の影響が少なくなり、確実に締め付けることができる。なお、雄ロータ軸21の連結端部24と、モータ軸31の連結穴32及び中心穴33とは、同軸に延在している。
【0033】
図1に示すように、ロータケーシング4のモータ6側には、中間軸受部12のラジアル軸受12aが取り付けられている。ラジアル軸受12aの内輪は雄ロータ軸21に対して位置が固定され、ラジアル軸受12aの外輪は止めリングによりロータケーシング4に対して位置が固定されている。スペーサ18を介して、軸受支持部材19がロータケーシング4のモータ6側に取り付けられている。ボルトで締め付けることにより、軸受支持部材19及びスペーサ18が、ロータケーシング4のモータ6側に固定されている。スラスト軸受12bの内輪は、緩み止めナット23aにより雄ロータ軸21に対して位置が固定されている。
【0034】
同様に、ロータケーシング4のモータ6側には、中間軸受部16のラジアル軸受16aが取り付けられている。ラジアル軸受16aの内輪は雌ロータ軸22に対して位置が固定され、ラジアル軸受16aの外輪は止めリングによりロータケーシング4に対して位置が固定されている。スラスト軸受16bの内輪は、緩み止めナット23bにより雌ロータ軸22に対して位置が固定されている。
【0035】
なお、軸受を構成する内輪と外輪及び転動体は、通常、鋼材からなり導電性を有する。そのため、モータ6のインバータ回路からの高周波電流が、モータ6のモータ軸31を支持する中間軸受部12及びモータ軸受部13に流れ、中間軸受部12及びモータ軸受部13の外輪及び内輪の間に軸電圧が発生することにより軸受を損傷するという電食現象を生じる。そこで、中間軸受部12及びモータ軸受部13が、電気的に絶縁されている。軸受が電気的に絶縁されているというのは、例えば、軸受の転動体がセラミックスなどの無機系絶縁材料からなること、軸受の内輪及び外輪の少なくとも一方の外面がエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などの有機系絶縁材料で覆われていることである。また、軸受を支持する支持部材やケーシングにおいて、軸受に当接する部分が、絶縁材料で覆われていてもよい。このように中間軸受部12及びモータ軸受部13が電気的に絶縁されていることにより、モータ6のインバータ回路からの高周波電流によって当該軸受部12,13が損傷を受けるという電食現象を生じにくくできる。
【0036】
(油によるモータの冷却構造)
次に、上記第1実施形態において、スクリュロータ3を高速で回転駆動するモータ6を、冷却液である油で冷却する冷却構造を説明する。
【0037】
図2に示すように、中間給液路(中間給油路)82と通じる中間給液口(中間給油口)64が、ロータケーシング4の上部に形成されている。中間給液口64から中間軸受部12まで延びる中間給液孔(中間給油孔)82aが、ロータケーシング4の内部に形成されている。ラジアル軸受12a及びスラスト軸受12bがスペーサ18によって離間して配置されている。離間したラジアル軸受12a及びスラスト軸受12bの間には、連通スペース82bが形成されている。中間給液孔82aは、連通スペース82bに連通している。したがって、中間給液路82は、ロータケーシング4内の中間給液孔82aを介して、連通スペース82bに連通している。
【0038】
中間給液路82に供給された油は、連通スペース82bを通じて、中間軸受部12のラジアル軸受12a及びスラスト軸受12bのそれぞれに供給される。ラジアル軸受12aに供給された油は、ラジアル軸受12aの潤滑及び冷却に使用される。油は、中間軸封部14aのオイルシールにより、ロータ室17に向けて流れることが規制される。他方、ロータケーシング4は、一端がラジアル軸受12a及び中間軸封部14aの間に形成された間隙部に通じるとともに他端がモータ室20に通じている中間連通部54を備えている。ラジアル軸受12aからスクリュロータ3側に流れようとする油は、中間連通部54を通じて、モータ室20内に導かれる。中間連通部54を通じてモータ室20内に導かれた油は、回転子6aのロータ側にある排液部であるモータ室排液口66(モータ室排油口;以下、排液口66と記載する。)からモータ室20外に排出されて液回収部71(油回収部)に回収される。
【0039】
したがって、中間連通部54を備えることで、ラジアル軸受12aに開放形を用いた場合でも、油が中間軸封部14aを越えてロータ室17内に流入することを防止できる。特に、複数のモータ6で個別に回転数を調節することのできる複数段圧縮機において、低圧段のスクリュロータ3が中間連通部54を備えることは、低圧段の吐出側が負圧になった場合でも、ロータ室17内への油の流入を効果的に防止できる。
【0040】
スラスト軸受12bに供給された油は、スラスト軸受12bの潤滑及び冷却に使用される。スラスト軸受12bを流通しながら潤滑及び冷却した油は、モータ室20内に導かれ、モータ軸31を外面から冷却する。油は、モータ室20内で高速回転するモータ軸31及び回転子6aによって、微粒子化されてオイルミストになる。オイルミスト化した油は、モータ室20内の回転子6aと固定子6bとモータ軸31とに付着して、モータ6をモータ室20内からの冷却に寄与する。
【0041】
回転子6aよりもロータ側にあるモータケーシング5の上部には、モータ室20内部へ冷却液としての油を供給するモータ室給液路83(モータ室給油路;以下、給液路83と記載する。)が設けられている。給液路83と通じるモータ室給液口65(モータ室給油口;以下、給液口65と記載する。)が、中間軸受部12側のモータ室20の上部に、すなわち中間軸受部12側のモータケーシング5の上部に、配設されている。給液路83及び給液口65は、それぞれ、モータ室給油路及びモータ室給油口として働く。給液口65には、油を微粒子状に流出できるノズル(図示せず)を設けている。
【0042】
給液路83に供給された油は、ノズルを通じて、モータ室20内に導かれる。モータ室20内に導かれた油は、モータ室20内の回転子6aと固定子6bとモータ軸31とに付着して、モータ6を冷却する。
【0043】
回転子6aよりもロータ側にあるモータケーシング5の下部には、モータ室20内部から冷却液である油を排出するモータ室排液路92(モータ室排油路;以下、排液路92と記載する。)が設けられている。排液路92と通じる排液口66が、中間軸受部12側のモータ室20の底部に、すなわち中間軸受部12側のモータケーシング5の底部に、形成されている。排液路92及び排液口66は、それぞれ、モータ室排油路及びモータ室排油口(排液部)として働く。中間軸受部12の潤滑とモータ6の冷却とに使用された油は、中間軸受部12側のモータ室20の底部に集まり、排液口66を通じて、モータ室20外に排出される。当該油は、排液路92を通じて液回収部71に回収される。
【0044】
回転子6aよりも反ロータ側にあるモータケーシング5の上部には、モータ室20内部へ冷却液としての油を供給するモータ室給液路86(モータ室給油路;以下、給液路86と記載する。)が設けられている。給液路86と通じるモータ室給液口77(モータ室給油口;以下、給液口77と記載する。)が、モータ軸受部13側のモータ室20の上部に形成されている。すなわちモータ軸受部13側の冷却ジャケット8をなすモータケーシング5の上部に、給液口77が形成されている。給液路86及び給液口77は、それぞれ、モータ室給油路及びモータ室給油口として働く。給液口77は、油を固定子6bの巻線に向けて流出させるように開口している。固定子6bの巻線の下方に位置するカバー9上部には、モータ軸受給油孔79が形成されている。モータ軸受給油孔79は、上部に凹状に開口面積を拡げた油受け部を有している。
【0045】
給液路86に供給された油は、給液口77を通じてモータ室20内に供給され、固定子6bの巻線を冷却する。固定子6bの巻線の下方へ流れてきた油は、油受け部で集められ、モータ軸受給油孔79を通じて、モータ軸受部13に供給される。モータ軸受部13に供給された油は、モータ軸受部13の潤滑及び冷却に使用される。モータ軸受部13を潤滑及び冷却した油は、モータ室20内に導かれる。
【0046】
回転子6aの反ロータ側にあるモータケーシング5の下部には、モータ室20内部から冷却液である油を排出するモータ室排液路93(モータ室排油路;以下、排液路93と記載する。)が設けられている。排液路93と通じるモータ室排液口78(モータ室排油口;以下、排液口78と記載する。)が、モータ軸受部13側のモータ室20の底部に形成されている。すなわちモータ軸受部13側の冷却ジャケット8をなすモータケーシング5の底部に、排液口78が形成されている。反ロータ側の排液路93及び反ロータ側の排液口78は、それぞれ、モータ室排油路及びモータ室排油口(排液部)として働く。モータ軸受部13の潤滑とモータ6の固定子6bの巻線の冷却に使用された油は、モータ軸受部13側のモータ室20の底部に集まり、回転子6aの反ロータ側にある排液部である排液口78を通じて、モータ室20外に排出される。当該油は、排液路93を通じて液回収部71に回収される。
【0047】
軸受ケーシング7の上部には、ロータ軸受部11に供給する軸受給液路81(軸受給油路)が設けられている。軸受ケーシング7のロータ軸受部11側の上部には、軸受給液路81と通じるロータ軸受給油口(図示せず)が形成されている。軸受ケーシング7の内部には、ロータ軸受給油口からロータ軸受部11まで延びるロータ軸受給油孔(図示せず)が形成されている。
【0048】
軸受給油路81に供給された油は、ロータ軸受給油孔を通じて、ロータ軸受部11に供給される。ロータ軸受部11に供給された油は、ロータ軸受部11の潤滑及び冷却に使用される。ロータ軸受部11を潤滑及び冷却した油は、軸封部14cのオイルシールにより、ロータ室17に向けて流れることが規制される。
【0049】
軸受ケーシング7の下部には、ロータ軸受部11から油を排出する軸受排液路91(軸受排油路)が設けられている。軸受ケーシング7の底部には、ロータ軸受部11から軸受排液路91に通じるロータ軸受排液口(ロータ軸受排油口;図示せず)が形成されている。ロータ軸受部11の潤滑及び冷却に使用された油は、ロータ軸受排液口を通じて、軸受ケーシング7外に排出される。当該油は、軸受排液路91を通じて液回収部71に回収される。
【0050】
モータケーシング5には、冷却ジャケット8の冷却通路8bに冷却液として油を供給するジャケット給液路84(以下、給液路84と記載する。)が設けられている。モータケーシング5には、給液路84と通じるジャケット給液口67(以下、給液口67と記載する。)が形成されている。給液口67は冷却通路8bと連通している。給液路84に供給された油は、給液口67を通じて、冷却通路8bに供給されて、固定子6bを冷却する。
【0051】
モータケーシング5の下部には、冷却ジャケット8から冷却液としての油を排出するジャケット排液路94(ジャケット排油路;以下、排液路94と記載する。)が設けられている。排液路94と通じるジャケット排液口68(以下、排液口68と記載する。)が、モータケーシング5の下部に形成されている。冷却ジャケット8における冷却通路8bの下流側が、排液路90(排油路;以下、排液路90と記載する。)の一部分を構成する排液路94に通じている。排液口68は、冷却通路8bと連通している。冷却通路8bを流れた油は、排液口68を通じて、モータケーシング5外に排出される。当該油は、排液路94を通じて液回収部71に回収される。したがって、軸受部11,12,13を潤滑及び冷却する油を、冷却ジャケット部8aの冷却通路8bに流すことで、モータ6の固定子6bを冷却することにも利用できる。
【0052】
図3に示すように、モータ軸給液部材10は、取付フランジ10aと突出部10bとを備え、カバー9の側面の開口部に対して密閉状態で取り付けられている。取付フランジ10aの中央部には、モータ軸給液口69(以下、軸給液口69と記載する。)が形成されている。軸方向に延びる突出部10bの内部には、液導入孔10cが形成されている。液導入孔10cは、軸方向に延びる貫通孔であって、軸給液口69と軸受支持体37の挿通孔37cとを連通している。
【0053】
軸受支持体37の中央部には、挿通孔37cが形成されている。挿通孔37cは、モータ軸給液部材10の突出部10bよりも大径であり、僅かな隙間を介して突出部10bを挿通可能なように軸方向に延びる貫通孔である。液導入孔10c及び挿通孔37cは、中心穴33に対して同軸に配置されている。突出部10bの端部が挿通孔37cと軸方向に重なるように、突出部10bの一部分が挿通孔37cの中に挿通されている。図4に示すように、液導入孔10cと挿通孔37cと中心穴33との連通により、モータ軸連通部39の一部分が構成されている。モータ軸給液部材10及び軸受支持体37は、それぞれ、モータ軸31の反ロータ側に設けられて、軸給液路85(以下、給液路85と記載する。)から供給される冷却液として働く油をモータ軸連通部39に供給するための軸給液部として働いている。
【0054】
したがって、液導入孔10cと挿通孔37cと中心穴33と複数のフランジ連通孔27aと液ガイド穴21cと複数の液流出穴21dとの連通により、モータ軸連通部39が構成されている。当該構成によれば、給液路85と通じる軸給液口69から給油された油は、モータ軸31の回転子6aの位置する部位の内部に形成された中心穴33の中を流れ、回転子6aをその内側(内部)から周方向に亘って冷却する。中心穴33の中を流れた油は、モータ軸31を内側(モータ内部)から冷却する。なお、回転子6aに沿って軸方向に延設された中心穴33は、挿通孔37cよりも拡径されている。本実施形態では、中心穴33は、軸方向で単位長さ当たりの表面積を挿通孔37cよりも大きく設定しており、挿通孔37cよりも直径で3倍以上に拡径している。これにより、中心穴33の表面積すなわち伝熱面を大きく取ることができ、回転子6aの冷却効果を高めることができる。
【0055】
中心穴33の中を流れてモータ6の回転子6aを内側(モータ内部)から周方向に亘って冷却することに使用された油は、モータ軸31の回転により周方向に移動する複数の液流出穴21dの各流出開口21fからロータ側のモータ室20内部に流出する。各流出開口21fから流出した油は、周方向に亘って固定子6bに付着して、モータ室20内部から固定子6bを周方向に亘って冷却する。モータ6の冷却に使用された油は、排液口66を通じて、モータ室20内部からモータ室20外に排出される。当該油は、排液路92を通じて液回収部71に回収される。
【0056】
モータ軸冷却部として働く中心穴33内を流通する油によってモータ軸31が冷却され、モータ軸31の冷却により、モータ軸31に密接して固定された回転子6aが周方向に亘って冷却される。それとともに、中心穴33と複数のフランジ連通孔27aと液ガイド穴21cと複数の液流出穴21dを流通した油が、流出開口21fからロータ側のモータ室20内部に周方向に亘って流出することによって、固定子6bが周方向に亘って冷却される。すなわち、モータ軸31内を流通する油によってモータ6の回転子6a及び固定子6bの両方が冷却され、モータ6が内側から冷却される。したがって、スクリュロータ3を回転駆動するモータ6を内側から冷却してモータ6を効果的に冷却できる。
【0057】
図1又は図2に示すように、軸受排液路91、排液路92、排液路93及び排液路94が合流して、排液路90が構成される。排液路90は、油を回収する液回収部71に接続されている。液回収部71の下流側には、回収された油を冷却する液冷却器72(油冷却器)が設けられている。液冷却器72の下流側には、液ポンプ73(油ポンプ)が接続されている。給液先(給油先)に油を供給するための給液路80(給油路)が、液ポンプ73(油ポンプ)の下流側に接続されている。給液先(給油先)は、ロータ軸受部11、中間軸受部12,16、モータ軸受部13等である。本実施形態においては、冷却液としての油がモータ室20内、冷却ジャケット8、モータ軸31の中心穴33へも供給されている。そのため、給液路80は、軸受給液路81、中間給液路82、給液路83、給液路84、給液路85及び給液路86に分岐している。各給液路81,82,83,84,85,86は、ロータ軸受給油口(不図示)、中間給液口64、ロータ側の給液口65、給液口67、軸給液口69及び反ロータ側の給液口77のそれぞれに通じている。したがって、油は、圧縮機本体2及びモータ6において潤滑と冷却を必要とする各給液先に供給され、各給液先での潤滑や冷却に使用され、そのあと、油が液回収部71に回収されて液冷却器72で冷却されるプロセスが繰り返される。このように、油は、スクリュ圧縮機1において循環して使用される。
【0058】
このように、モータ軸31の中心穴33の中を流れる油と冷却ジャケット8の冷却通路8bの中を流れる油とによって、モータ6の内外からモータ6を効果的に冷却でき、入力電力に対するモータ出力の低下を抑制できる。
【0059】
油が冷却液を兼ねることで、液回収部71,101、液冷却器72,102及び液ポンプ73,103を共用でき、冷却液(油)の供給及び排出に係る構成を簡略化できる。
【0060】
上述したように、モータケーシング5が、ロータケーシング4の吐出側に取り付けられ、モータ6のモータ軸31がロータケーシング4の吐出側に延在している。ロータケーシング4の吐出側はスクリュロータ3によるガス圧縮で高温になり、雄ロータ軸21及びモータ軸31がより高温になりやすい。雄ロータ軸21及びモータ軸31を油で冷却することにより、雄ロータ軸21及びモータ軸31の温度上昇を抑制できる。
【0061】
図1等に示した態様では、軸径の小さな雄ロータ軸21の連結端部24が、軸径の大きなモータ軸31の連結穴32に挿入された状態で、キー41及びキー溝42が嵌合することによって、モータ軸31と雄ロータ軸21とが一体に連結されている。そして、軸径の小さな雄ロータ軸21において、液流出穴21dが設けられている。しかしながら、軸径の大きな雄ロータ軸21に対して軸径の小さなモータ軸31が挿入された状態でキー41及びキー溝42が嵌合することによって、モータ軸31と雄ロータ軸21とが一体に連結された態様であってもよい。この態様では、軸径の小さなモータ軸31において、複数の流出開口21f及び液流出穴21dが設けられる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、図6を参照しながら、この発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、上記第1実施形態での構成要素と同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0063】
第2実施形態に係るスクリュ圧縮機1では、雄ロータ軸21のモータ6側にモータ側端部51を備えて、雄ロータ軸21及びモータ側端部51が一つの軸体すなわち回転軸50から構成されている。モータ側端部51の外周面には、第2実施形態におけるモータ軸31と同様に、回転子6aが取り付けられる。
【0064】
雄ロータ軸21のモータ6側が、緩み止めナット23aに対してモータ6側の部分から、モータ軸受部13で支持される軸受支持体37まで延在して、モータ側端部51を構成している。回転子6aが位置する回転軸50の部位であるモータ側端部51の内部には、回転子冷却部として働く冷却穴30が形成されている。冷却穴30は、モータ軸給液部材(軸給液部)10及び軸受支持体37(軸給液部)を通じて供給された冷却液が流通する空洞である。冷却液が冷却穴30を流通することにより、モータ側端部51を冷却する。冷却穴30は、回転軸50の軸方向に延びて、軸受支持体37の端面開口及び複数の液流出穴21dを連通している。モータ軸給液部材10の突出部10bの端部が挿通孔37cと軸方向に重なるように、突出部10bの一部分が軸受支持体37の挿通孔37cの中に挿通されている。そして、液導入孔10cと挿通孔37cと冷却穴30と複数の液流出穴21dとの連通により、モータ軸連通部39が構成されている。
【0065】
当該構成によれば、軸給液路85と接続される軸給液口69から供給された冷却液(本実施形態においては油)は、回転軸50のモータ側端部51に形成された冷却穴30の中を流れる。冷却穴30の中を流れた油は、回転軸50のモータ側端部51を冷却し、さらに回転子6aを内側(モータ内部)から周方向に亘って冷却する。
【0066】
冷却穴30の中を流れてモータ6の回転子6aを内側から周方向に亘って冷却することに使用された油は、回転軸50の回転により周方向に移動する複数の液流出穴21dの各流出開口21fからロータ側のモータ室20内部に流出する。各流出開口21fから流出した油は、周方向に亘って固定子6bに付着して、モータ室20内部から固定子6bを周方向に亘って冷却する。モータ6の冷却に使用された油は、排液口66を通じて、モータ室20内部からモータ室20外に排出される。当該油は、排液路92を通じて液回収部71に回収される。
【0067】
回転子冷却部として働く冷却穴30内を流通する冷却液(油)によって回転軸50のモータ側端部51が冷却され、回転軸50の冷却により、回転軸50に密接して固定された回転子6aが周方向に亘って冷却される。それとともに、冷却穴30と複数の液流出穴21dを流通した油が、流出開口21fからロータ側のモータ室20内部に周方向に亘って流出することによって、固定子6bが周方向に亘って冷却される。すなわち、回転軸50内を流通する油によってモータ6の回転子6a及び固定子6bの両方が冷却され、モータ6が内側(モータ室20内部側)から冷却される。したがって、スクリュロータ3を回転駆動するモータ6を内側から冷却してモータ6を効果的に冷却できる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、図7を参照しながら、この発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態において、上記第1実施形態での構成要素と同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0069】
第3実施形態に係るスクリュ圧縮機1では、冷却液として、圧縮機本体2及びモータ6における各軸受部11,12,13を潤滑及び冷却するために油を用いる一方、モータ6を冷却するために冷却水を用いることを特徴としている。ここで、モータ6を冷却するための冷却水は、油以外の水性液体であって、例えば水単体、又は、防錆剤及び不凍液等を含有する水溶液である。
【0070】
第3実施形態に係るスクリュ圧縮機1は、圧縮機本体2及びモータ6における各軸受部11,12,13を潤滑及び冷却する油を循環するための給液路80(給油路)及び排液路90(排油路)を備えている。それとともに、第3実施形態に係るスクリュ圧縮機1は、モータ6を冷却する冷却水を循環するための給液路120(給水路)及び排液路110(排水路)を備えている。
【0071】
給液路80は、液回収部71(油回収部)の下流側の流路であり、液冷却器72(油冷却器)及び液ポンプ73(油ポンプ)の下流側において、軸受給液路81(軸受給油路)、中間給液路82(中間給油路)及びモータ軸受給液路87(モータ軸受給油路)にそれぞれ分岐している。軸受給液路81(軸受給油路)、中間給液路82(中間給油路)及びモータ軸受給液路87(モータ軸受給油路)は、それぞれ、ロータ軸受給液口(ロータ軸受給油口)、中間給液口64(中間給油口)及びモータ軸受給液口(モータ軸受給油口)に通じている。液回収部71の上流側の流路において、軸受排液路91、中間排油路96及びモータ軸受排油路97が合流して、排液路90を形成している。
【0072】
給液路120は、液回収部101(水回収部)の下流側の流路である。給液路120は、液冷却器102(水冷却器)及び液ポンプ103(水ポンプ)の下流側において、回転子6aよりもロータ側にあるモータ室給液路123(モータ室給水路)、ジャケット給液路124(ジャケット給水路)、回転子6aよりも反ロータ側にあるモータ室給液路126(モータ室給水路)及び軸給液路125(軸給水路)にそれぞれ分岐している。モータ室給液路123、ジャケット給液路124、モータ室給液路126及び軸給液路125は、それぞれ、モータ室給液口165(モータ室給水口)、ジャケット給液口(不図示;図1で示されるジャケット給液口67に相当する)、モータ室給液口177(モータ室給水口)及び軸給液口69に通じている。排液路110(排水路)は、液回収部101の上流側の流路である。中間排液路112(モータ室排水路)、ジャケット排液路114(ジャケット排水路)及び回転子6aよりも反ロータ側にあるモータ室排液路113(モータ室排水路)が合流して、排液路110を形成している。中間排液路112、ジャケット排液路114及び反ロータ側のモータ室排液路113は、それぞれ、排液口166、ジャケット排液口(不図示;第1実施形態におけるジャケット排液口68に相当する。)及び回転子6aよりも反ロータ側に設けられた排液口178に通じている。
【0073】
図8に示すように、液導入孔10cと挿通孔37cと中心穴33と複数のフランジ連通孔27aと液ガイド穴21cと複数の液流出穴21dとの連通により、モータ軸連通部39が構成されている。当該構成によれば、軸給液路125と通じる軸給液口69から供給された冷却水は、モータ軸31に形成された中心穴33の中を流れ、モータ軸31を内側(内部)から冷却する。モータ軸31を内側(内部)から冷却することにより、回転子6aが内側(モータ6内部)から周方向に亘って冷却される。
【0074】
中心穴33の中を流れてモータ6の回転子6aを内側(内部)から周方向に亘って冷却することに使用された冷却水は、モータ軸31の回転により周方向に移動する複数の液流出穴21dからロータ側のモータ室20内部に流出する。複数の液流出穴21dから流出した冷却水は、周方向に亘って固定子6bに付着して、モータ室20内部側から固定子6bを周方向に亘って冷却する。モータ6の冷却に使用された冷却水は、排液口66を通じて、モータ室20外に排出される。当該冷却水は、中間排液路112を通じて液回収部101に回収される。
【0075】
モータ軸冷却部として働く中心穴33内を流通する冷却水によってモータ軸31が周方向に亘って冷却され、モータ軸31の冷却により、モータ軸31に密接して固定された回転子6aが冷却される。それとともに、中心穴33と複数のフランジ連通孔27aと液ガイド穴21cと複数の液流出穴21dを流通した冷却液が、流出開口21fからロータ側のモータ室20内部に周方向に亘って流出することによって、固定子6bが周方向に亘って冷却される。すなわち、モータ軸31内を流通する冷却水によってモータ6の回転子6a及び固定子6bの両方が冷却され、モータ6が内側から冷却される。したがって、スクリュロータ3を回転駆動するモータ6を内側から冷却してモータ6を効果的に冷却できる。
【0076】
それとともに、ジャケット給液路124と通じるジャケット給液口(不図示)から供給された冷却水は、モータケーシング本体5aの内側面に装着された冷却ジャケット8の冷却通路8bの中を流れ、固定子6bを外側から冷却する。
【0077】
このように、モータ軸31の中心穴33の中を流れる冷却水と冷却ジャケット8の冷却通路8bの中を流れる冷却水とによって、モータ6の内外からモータ6を効果的に冷却でき、入力電力に対するモータ出力の低下を抑制できる。
【0078】
モータ室20内では、モータ6を内側から冷却するための冷却水が存在している。他方、圧縮機本体2及びモータ6では、各軸受部11,12,13を潤滑及び冷却するための油が用いられている。中間軸受部12とモータ室20との間で冷却水及び油が混合することを防止するために、中間軸封部12cが設けられている。また、モータ軸受部13とモータ室20との間で冷却水及び油が混合することを防止するために、モータ側軸封部13cが設けられている。なお、モータ軸給液部材10の突出部10bの一部分を挿通孔37cの中に挿通することで形成される隙間には、シール部材(シールリング)を設けてもよい。このように構成することで、隙間を極僅かな大きさに制限しなくとも油と冷却水とが混合することを防止できる。
【0079】
中間軸封部12cは、中間軸受部12のスラスト軸受12bのモータ6側に設けられている。スラスト軸受12bの内輪と中間軸封部12cとの間に介在配置されたスリーブにより、スラスト軸受12bの内輪の位置が雄ロータ軸21に対して固定されている。また、モータ側軸封部13cは、モータ軸受部13のモータ6側に設けられている。モータ軸受部13の内輪とモータ側軸封部13cとの間に介在配置されたスリーブにより、モータ軸受部13の内輪の位置が軸受支持体37に対して固定されている。
【0080】
中間軸封部12cは、例えば、オイルシールとしてのビスコシール及び冷却水シールとしてのビスコシールを備えている。スラスト軸受12b側に設けられたビスコシールは、油のモータ室20への流入を防止する。モータ6側に設けられたビスコシールは、冷却水のスラスト軸受12bへの流入を防止する。同様に、モータ側軸封部13cも、例えば、オイルシールとしてのビスコシール及び冷却水シールとしてのビスコシールを備えている。
【0081】
したがって、中間軸封部12c及びモータ側軸封部13cにより、油及び冷却水が混合することを防止でき、油及び冷却水が、それぞれ液回収部71及び液回収部101により、別々に回収できる。回収された油は、給液路80及び排液路90を通じて循環して使用される。回収された冷却水は、給液路120及び排液路110を通じて循環して使用される。
【0082】
なお、冷却水が水単体であるときは、給液路120及び排液路110を通じて循環して使用することなく、排液路110から排出された水を使い捨てるとともに、新たな水を給液路120から供給する非循環の態様とすることもできる。
【0083】
なお、排液路90及び排液路110を1つの排液路に統合して、統合された排液路の下流側において、油の混入した冷却水から油を分離するための油水分離器を配設する態様とすることもできる。この場合、油水分離器で分離された油及び冷却水は、それぞれ、液回収部71(油回収部)及び液回収部101(水回収部)で回収されたあと給液路80及び給液路120を通じて各給油先及び各給水先に供給されることにより、循環して使用される。当該態様によれば、排液路を簡略化することができる。
【0084】
なお、第1実施形態で説明したように、スクリュロータ3のロータ軸21及びモータ6のモータ軸31を別体に構成したり、第2実施形態で説明したように、雄ロータ軸21のモータ6側にモータ側端部51を備えて、雄ロータ軸21及びモータ側端部51を一つの軸体である回転軸50から構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、液回収部71について詳細には説明していないが、液回収部71は、少なくともモータ室20外に排出された油を回収する空間であればよい。例えば、液回収部71は、モータ室20外に別途設置される油タンクで構成してもよく、モータケーシング5と一体構造で構成してもよい。同様に、液回収部101は、少なくともモータ室20外に排出された冷却水を回収する空間であればよい。例えば、液回収部101は、モータ室20外に別途設置される水タンクで構成してもよく、モータケーシング5と一体構造で構成してもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態及び第3実施形態では、モータ軸31と雄ロータ軸21とを一体的に連結するためのカップリング部材としてキー41を用いているが、カップリング部材として、テーパーリング(シュパンリングとも言われる)を用いることもできる。なお、テーパーリングは、モータ軸31と雄ロータ軸21との間の装着スペースに配置されたリングの周面で発生する摩擦力を利用して、モータ軸31と雄ロータ軸21とを連結する。テーパーリングは、一方の傾斜面を有する楔状のインナーリングと、該一方の傾斜面に係合する他方の傾斜面を有する楔状のアウターリングとを組み合わせた構成である。また、伝達トルクと軸の回転数で所望の仕様を満たすものであれば、カップリング部材の構成は限定されない。
【0087】
また、ロータ軸受部11や中間軸受部12やモータ軸受部13の構成及び各軸封部14a,14b,14c,14d,12c,13cの構成は、上記実施形態に限定されるものではない。上述した冷却構造を備えるスクリュ圧縮機1は、例えば、20000rpm程度の高速で回転駆動されるオイルフリー式のものに加えて、冷却油がロータ室17に導入されて3000rpm程度の低速で回転駆動される油冷式のものであってもよい。
【0088】
また、中間軸封部12c及びモータ側軸封部13cとして、ビスコシールを例示したが、軸封部における軸の回転数等を考慮して適宜にリップシールを用いるようにしてもよい。
【0089】
また、冷却ジャケット8を無くして、モータ6の固定子6bを冷却する冷却液を流すための冷却通路8bをモータケーシング本体5aに形成する構成であってもよい。この場合、固定子6bが、モータケーシング本体5aの内壁面に直に取り付けられる。
【0090】
なお、本明細書における「ロータ側のモータ室20、及び、ロータ側の給液口65」等での「ロータ側」とは、基準となる或る位置に対して圧縮機本体2のスクリュロータ3側にあることを意味して、基準となる或る位置に対してモータ6の回転子6a側にあることを意味するのでは無い。
【0091】
以上の説明から明らかなように、この発明に係るスクリュ圧縮機1は、スクリュロータ3がロータケーシング4内に収容された圧縮機本体2と、回転子6a及び固定子6bがモータケーシング5のモータ室20内に収容され、回転子6aに固定されたモータ軸31によってスクリュロータ3のロータ軸21を回転駆動するモータ6と、モータ軸31の反ロータ側に設けられて、冷却液を供給するための軸給液部10,37と、モータ軸31内で軸方向に延びる空洞であって、軸給液部10,37を通じて供給された冷却液が空洞内を流通することによりモータ軸31を冷却するモータ軸冷却部33と、モータ軸31のロータ側又はロータ軸21のモータ6側に位置して、モータ軸31又はロータ軸21の外面に形成された流出開口21fから径方向内方に延びてモータ軸冷却部33と流体的に接続される液流出部21dとを備える。
【0092】
上記構成によれば、モータ軸冷却部33内を流通する冷却液によってモータ軸31が冷却される。モータ軸31内部からの冷却により、モータ軸31に固定された回転子6aが周方向に亘って冷却される。それとともに、モータ軸31の回転に伴い周方向に移動する流出開口21fから冷却液を流出させることによって、モータ室20内部において固定子6bが周方向に亘って冷却される。したがって、スクリュロータ3を回転駆動するモータ6の回転子6a及び固定子6bをモータ6内部側から周方向に亘って冷却することにより、モータ6を効果的に冷却できる。
【0093】
ロータケーシング4の吐出側が、モータケーシング5に接続され、ロータ軸21がモータ軸31に対して同軸で連結され、ロータ軸21のモータ6側に設けられてロータ軸21内で軸方向に延びる空洞であってロータ軸21及びモータ軸31の連結に使用されるロータ軸冷却部21cをさらに備え、当該ロータ軸冷却部21cが、モータ軸冷却部33及び液流出部21dと流体的に接続されている。当該構成によれば、ロータケーシング4の吐出側では、ガス圧縮でロータ軸21が高温になるが、ロータ軸21がロータ軸冷却部21cを備えることにより、ロータ軸21及びモータ軸31の温度上昇を抑制できる。
【0094】
また、この発明に係るスクリュ圧縮機1は、スクリュロータ3がロータケーシング4内に収容された圧縮機本体2と、回転子6a及び固定子6bがモータケーシング5のモータ室20内に収容され、回転子6aに固定された回転軸を介してスクリュロータ3を回転駆動するモータ6と、回転軸50のモータ側端部51に設けられて、冷却液を供給するための軸給液部10と、回転子6aの位置する部位の回転軸50内に設けられた空洞であって、軸給液部10を通じて供給された冷却液が空洞内を流通することにより回転子6aを冷却する回転子冷却部30と、回転軸50におけるスクリュロータ3と回転子6aの間に位置して、回転軸50の外面にモータ室20内に開放されるように設けられた流出開口21fを有し、流出開口21fから径方向内方に延びて回転子冷却部30と流体的に接続された液流出部21dとを備える。
【0095】
上記構成によれば、回転子6aの位置する部位の回転軸50内に設けられた回転子冷却部30内を流通する冷却液によって回転軸50が周方向に亘って冷却される。回転軸50内部からの冷却により、回転軸50に固定された回転子6aが周方向に亘って冷却される。それとともに、回転軸50の回転に伴い周方向に移動する流出開口21fから回転軸50の周方向に冷却液を流出させることによって、モータ室20の内部において固定子6bが周方向に亘って冷却される。したがって、スクリュロータ3を回転駆動するモータ6の固定子6b及び回転子6aを内部側から周方向に亘って直接的に冷却することにより、モータ6を効果的に冷却できる。
【0096】
この発明は、上記特徴に加えて次のような特徴を備えることができる。
【0097】
すなわち、スクリュ圧縮機1は、モータ6の冷却に使用される冷却液を冷却する液冷却器72,102と、モータケーシング5に設けられた排液部66,78から排出された冷却液を液冷却器72,102に供給する排液路90,110と、液冷却器72,102で冷却された冷却液を給液先に供給する給液路80,120と、給液路80,120から分岐されて軸給液部10,37に供給する軸給液路85,125とを備える。当該構成によれば、冷却された冷却液を循環して使用できる。
【0098】
給液路80,120が、ジャケット給液路84,124に分岐されて、ジャケット給液路84,124がモータ6の固定子6bを冷却する冷却ジャケット8と流体的に接続されており、冷却ジャケット8の下流側で流体的に接続されているジャケット排液路94,114が、排液路90,110に合流している。当該構成によれば、冷却液によって、モータ6の回転子6aとモータ室20内とが冷却されることに加えて、冷却ジャケット8及びモータ6の固定子6bが冷却される。すなわち、モータの固定子及び回転子の両方が冷却される。
【0099】
モータ6の冷却に使用された冷却液を貯溜する液回収部71,101が、冷却ジャケット8の下流側に設けられている。当該構成によれば、比較的多くの冷却液を必要とする冷却ジャケット8を用いる場合においてもモータ室20内に冷却液を保持することを要しないので、モータ6の回転子6aによる冷却液の撹拌ロスを低減できる。
【0100】
モータ室20の上部には、冷却液をモータ室20内へ供給するモータ室給液口65,77が配設されている。当該構成によれば、モータ室給液口65,77を通じて、冷却液がモータ室20の上部から供給されるので、モータ室20をより効果的に冷却できる。
【0101】
冷却液が、モータ6及び圧縮機本体2の少なくともいずれかに設けられた軸受部11,12,13を潤滑する油である。当該構成によれば、油が冷却液を兼ねることで、液回収部71,101、液冷却器72,102及び液ポンプ73,103を共用でき、油(冷却液)の供給及び排出に係る構成を簡略化できる。
【符号の説明】
【0102】
1:スクリュ圧縮機(オイルフリースクリュ圧縮機)
2:圧縮機本体
3:スクリュロータ
3a:雄ロータ
3b:雌ロータ
4:ロータケーシング
5:モータケーシング
5a:モータケーシング本体
6:モータ
6a:回転子
6b:固定子
6g: エアギャップ
7:軸受ケーシング
8:冷却ジャケット
9:カバー
10:モータ軸給液部材(軸給液部)
10c:液導入孔
11:ロータ軸受部(軸受部)
12:中間軸受部(軸受部)
12c:中間軸封部
13:モータ軸受部(軸受部)
13c:モータ側軸封部
14a:中間軸封部
17:ロータ室
20:モータ室
21:雄ロータ軸(ロータ軸)
21c:液ガイド穴(ロータ軸冷却部)
21d:液流出穴(液流出部)
21f:流出開口
22:雌ロータ軸(ロータ軸)
26:ネジ穴
27:締結フランジ
28:締結ボルト(締結部材)
30:冷却穴(回転子冷却部)
31:モータ軸
33:中心穴(モータ軸冷却部)
37:軸受支持体(軸給液部)
39:モータ軸連通部
41:キー(カップリング部材)
42:キー溝
50:回転軸
51:モータ側端部
54:中間連通部
64:中間給液口(中間給油口)
65:モータ室給液口(モータ室給油口)
66:モータ室排液口(モータ室排油口;排液部)
67:ジャケット給液口
68:ジャケット排液口
69:モータ軸給液口
71:液回収部(油回収部)
72:液冷却器(油冷却器)
73:液ポンプ(油ポンプ)
77:モータ室給液口(モータ室給油口)
78:モータ室排液口(モータ室排油口;排液部)
80:給液路(給油路)
81:軸受給液路(軸受給油路)
82:給液路(給油路)
82a:中間給液孔(中間給油孔)
82b:連通スペース
83:モータ室給液路(モータ室給油路)
84:ジャケット給液路
85:軸給液路
86:モータ室給液路(モータ室給油路)
90:排液路(排油路)
91:軸受排液路(軸受排油路)
92:モータ室排液路(モータ室排油路)
93:モータ室排液路(モータ室排油路)
94:ジャケット排液路(ジャケット排油路;排液路)
96:中間排油路
101:液回収部(水回収部)
102:液冷却器(水冷却器)
103:液ポンプ(水ポンプ)
110:排液路(排水路)
112:中間排液路(モータ室排水路)
113:モータ室排液路(モータ室排水路)
114:ジャケット排液路(ジャケット排水路)
120:給液路(給水路)
123:モータ室給液路(モータ室給水路)
124:ジャケット給液路(ジャケット給水路)
125:軸給液路(軸給水路)
126:モータ室給液路(モータ室給水路)
165:モータ室給液口(モータ室給水口)
166:モータ室排液口(モータ室排水口;排液部)
177:モータ室給液口(モータ室給水口)
178:モータ室排液口(モータ室排水口;排液部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8