特許第6982384号(P6982384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982384
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】管理機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/08 20060101AFI20211206BHJP
   A01B 33/02 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A01B33/08 Q
   A01B33/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-175746(P2016-175746)
(22)【出願日】2016年9月8日
(65)【公開番号】特開2017-51183(P2017-51183A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2019年8月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-178010(P2015-178010)
(32)【優先日】2015年9月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390029621
【氏名又は名称】ニューデルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平澤 一暁
(72)【発明者】
【氏名】関 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 浩次
(72)【発明者】
【氏名】西村 秀司
(72)【発明者】
【氏名】丹生 秀和
(72)【発明者】
【氏名】石川 彬
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 修
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 実公平01−040403(JP,Y2)
【文献】 特開2007−244346(JP,A)
【文献】 特開2006−246775(JP,A)
【文献】 実開昭58−078001(JP,U)
【文献】 特開2004−122895(JP,A)
【文献】 特開2012−065585(JP,A)
【文献】 実開昭56−015304(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第101002523(CN,A)
【文献】 実開昭51−128902(JP,U)
【文献】 実開昭60−151301(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/08
A01B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に搭載された動力源と、前記動力源により駆動される走行装置を兼ねる耕うん装置と、機体の後方に延設される操作ハンドルと、前記耕うん装置の後方に配置され、土壌に突き刺して機体の前進動に抵抗力を付与する抵抗装置を備える管理機であって、
前記抵抗装置は、機体の進行方向に沿って少なくとも第1抵抗棒と第2抵抗棒を備え、 少なくとも前記第2抵抗棒の先端は、前記抵抗装置の取付基部よりも後方に配置されるとともに、上下方向で下方に延設され、
前記第1抵抗棒と前記第2抵抗棒は、一体的に固設され
先端が前記抵抗装置の取付基部よりも後方に配置される前記第2抵抗棒の上下中途部には、前記第1抵抗棒と前記第2抵抗棒を土壌に突き刺すための踏み込み部が設けられる
ことを特徴とする管理機。
【請求項2】
前記第1抵抗棒の少なくとも先端が前下方へ斜めに突出される
ことを特徴とする請求項1に記載の管理機。
【請求項3】
前記第1抵抗棒の先端と、前記第2抵抗棒の先端の対地高さは、同一、あるいは、前記第1抵抗棒の方が高く配置される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車軸に耕うん爪を配置して、走行と耕うんを同時に行えるようにした歩行型管理機において、機体後部から下方に抵抗棒を突出して走行抵抗を付与する抵抗装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理機の機体中央の機体フレーム上にエンジンを設け、該エンジンの後部に上下方向にミッションケースを配置し、該ミッションケースの下部に車軸を兼ねる耕うん軸を左右水平方向に軸支し、該耕うん軸に複数の耕うん爪を固定し、前記ミッションケースの後部から抵抗棒を後下方に突出し、前進時に前記抵抗棒により抵抗を付与して耕うん作業を可能とする管理機は知られている。そして、前記抵抗棒は先端を二股状に構成して、前記エンジンの動力により、耕うん軸を回転駆動し、前記抵抗棒により走行抵抗を付与しながら耕うん作業を行えるようにした技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
前記従来の管理機の抵抗棒は、作業機の種類や土質や作業条件等に応じて、抵抗力を変更できるようにしており、基部の取付ボルトを緩めて、二股状の抵抗棒を後面視において水平状態または垂直状態に回転して固定可能としていた。
【0003】
また、ハンドルの基部近傍に抵抗棒の基部を取付支持し、前記抵抗棒の先部を前記基部より前方に位置すると共に、前記先部の中間部を前記ハンドル基部の前方に設けた作業機の周部回転軌跡の後端下部に、若干の隙間をもって倣わせ、前記抵抗棒の最先端部を後方に折曲させて地面に臨む如く配置し、さらに、前記抵抗棒の先部後方で、基部の垂線下域は、これの前方に副抵抗棒を設けた技術が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2588129号公報
【特許文献2】実公平1−40403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1のような抵抗棒では、抵抗を大きくするために水平方向に取り付けて、二つの抵抗体が接地するようにして作業を行うと、左右の抵抗体の接地抵抗が異なると、抵抗が大きい側に機体の進行方向が曲がってしまい、進行方向を修正するために大きな力が必要となり、疲労も大きくなっていた。また、抵抗棒を垂直状に取り付けた場合、抵抗棒は側面視で横Y字状に取り付けられ、耕うん深さが深くなるように抵抗棒を下げる操作をすると前方の耕うん装置が浮き上がることがあり、望む動作とは反対の動作となって作業がし難いものとなっていた。
また、前記特許文献2のような抵抗棒及び副抵抗棒では、先端が後方に傾斜する構成となる。つまり、地面に対して垂直方向となっていないために、土中に入りこみ難い構成となっていた。よって、硬い土壌の耕うん作業では、抵抗棒が深く入らず抵抗が小さくなり浅い耕うん作業しかできなかった。さらに、抵抗棒及び副抵抗棒はその取付基部よりも前方に配置されていたので、安定性が悪く機体は後方に倒れ易くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、機体に搭載された動力源と、前記動力源により駆動される走行装置を兼ねる耕うん装置と、機体の後方に延設される操作ハンドルと、前記耕うん装置の後方に配置され、土壌に突き刺して機体の前進動に抵抗力を付与する抵抗装置を備える管理機であって、前記抵抗装置は、機体の進行方向に沿って少なくとも第1抵抗棒と第2抵抗棒を備え、少なくとも前記第2抵抗棒の先端は、前記抵抗装置の取付基部よりも後方に配置されるとともに、上下方向で下方に延設され、前記第1抵抗棒と前記第2抵抗棒は、一体的に固設され、先端が前記抵抗装置の取付基部よりも後方に配置される前記第2抵抗棒の上下中途部には、前記第1抵抗棒と前記第2抵抗棒を土壌に突き刺すための踏み込み部が設けられるものである。
【0007】
請求項2においては、前記第1抵抗棒の少なくとも先端が前下方へ斜めに突出されるものである。
請求項3においては、前記第1抵抗棒の先端と、前記第2抵抗棒の先端の対地高さは、同一、あるいは、前記第1抵抗棒の方が高く配置されるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
従来、前進耕うん作業時に、固い土壌に至ると、急発進(所謂、ダッシュ)が発生することがあったが、耕うん装置がその固い土壌を通過した直後に前側の第1抵抗棒が固い土壌に当たるため、発進に対して抵抗を与えてダッシュの発生を防止でき、その抵抗により固い部分の耕うんも可能になった。また、第2抵抗棒は取付基部よりも後方に位置するため、ハンドル操作は小さなストロークの操作で土壌に突き刺すことができる。そして、複数の抵抗棒が前後方向に配置されるため直進性を向上でき、一本の抵抗棒に比べて前進抵抗が従来よりも大きくなり、容易に深く耕うんすることができる。更に、抵抗装置には踏み込み部が設けられるので、固い圃場でも容易に抵抗棒を突き刺すことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の抵抗装置を備える管理機の全体側面図。
図2】抵抗装置の斜視図。
図3】抵抗装置の第二実施形態を示す側面図。
図4】同じく作業状態を示す側面図。
図5】抵抗装置に踏み込み部を設けた他の実施形態を示す管理機の全体側面図。
図6】踏み込み部の他の実施例を示す斜視図。
図7】第三実施形態の抵抗装置を装着した管理機の全体側面図。
図8】第三実施形態の抵抗装置の側面図。
図9】第三実施形態の抵抗装置の平面図。
図10】第三実施形態の他の実施例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の抵抗装置40を備える管理機1の実施の形態を説明する。なお、F方向を前方として説明する。図1において、管理機1は機体フレーム2上にエンジン3を搭載し、該エンジン3の後部で機体フレーム2の左右中央部にミッションケース4が立設され、該ミッションケース4の上部と前記エンジン3の間に伝動ケース5を配設して、動力を伝達可能としている。該ミッションケース4の下部には耕うん軸6が左右水平方向に横架され、つまり、進行方向となるF方向に直交して耕うん軸6が設けられ、該耕うん軸6上に耕うん爪7・7・・・が放射状に固定されて、耕うん装置10を構成している。
【0011】
機体後部となる前記ミッションケース4の上部に操作ハンドル8の基部が固設され、該操作ハンドル8は斜め後上方に突設されて、該操作ハンドル8の後部にグリップを形成して、オペレータが握れるようにし、該グリップの近傍にクラッチレバーやアクセルレバー等を配設している。前記エンジン3の上部には燃料タンク9が配設されている。また、前記機体フレーム2の後部には、本発明の抵抗装置40が設けられている。
【0012】
次に、本発明の要部である抵抗装置40について詳述する。図1図2に示すように、抵抗装置40は、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42からなり、第1抵抗棒41は、直線状の丸棒体で構成され、上部に固定用のピン孔41aが開口され、前記機体フレーム2の後部に設けられたヒッチ15に第1抵抗棒41の上部が挿入されて、固定ピン16により固定される。但し、固定構造は限定するものではなく、ボルトにより任意高さで締め付け固定してもよく、また、第1抵抗棒41の軸心を中心に回転自在に支持する構成であってもよい。
【0013】
前記第1抵抗棒41は機体フレーム2の後端から略直交して下方に延設される。つまり、管理機1の耕うん爪7を地面(水平面)に接地させ、機体フレーム2が略水平方向となった状態で、第1抵抗棒41の下端が接地するように、機体フレーム2に固定される。言い換えれば、第1抵抗棒41の上端の取付基部41cは、機体フレーム2の後端のヒッチ15に取り付けられ上下方向で下方に延設される。
【0014】
前記第2抵抗棒42は丸棒体が略V字状に折り曲げ形成され、一端(前端)が前記第1抵抗棒41の上下中途部の後面に溶接等で固設され、後部(先端)は上下方向で下方に延設されて、下端が接地するように構成される。こうして、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42により側面視略「h」状に構成され、第2抵抗棒42の先端(下端)が抵抗装置40の取付基部41cよりも後方に配置され、上下方向で下方に延設される。前記第2抵抗棒42が接地したときの下端高さ(先端の対地高さ)と、第1抵抗棒41の下端高さ(先端の対地高さ)とは一致させている。こうして、管理機1は耕うん装置10と抵抗装置40により安定した状態で自立させることができる。また、第2抵抗棒42と第1抵抗棒41の直径は同じとしている。なお、前記第1抵抗棒41の前方、または、第2抵抗棒42の後方、または、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42の間(または後方)にさらに一つまたは複数の抵抗棒を平行に配置して、抵抗を増加させる構成とすることも可能である。
【0015】
さらに、前記第1抵抗棒41(または、取付基部41c)よりも後方に位置する第2抵抗棒42の上部には、抵抗装置40を容易に土壌に突き刺せるように、足を載せられる程度の大きさの踏み込み部43を設けることができる。踏み込み部43は本実施形態では、第2抵抗棒42の傾斜部の後部上に左右方向の面となるように固定している。また、図5に示すように、棒体を側面視略クランク状に折り曲げ形成して一つの抵抗棒41とし、上端の取付基部を機体フレーム2の後端に固定し、該抵抗棒41の中途部に踏み込み部43を左右方向の面となるように固定する構成とすることも可能である。この場合、踏み込み部43を前記第2抵抗棒42に設けた場合と同等の効果が得られる。但し、抵抗棒41は一つの棒体で構成され先端が下方を向くように構成されていれば、直線状でも湾曲状でもよくその形状は限定するものではない。また、踏み込み部43は図6に示すように、第2抵抗棒42(または一つの抵抗棒41)の傾斜部を上下方向で押し潰して平面部を形成し、この平面部を踏み込み部43として、一体的に構成することも可能である。
【0016】
また、前記踏み込み部43の固定位置は限定するものではなく、第2抵抗棒42の鉛直部の後面に固定したり、第1抵抗棒41の上部後面に固定したりすることも可能である。また、踏み込み部43は、不要な場合に取り外したり、他の形状の踏み込み部43と交換したりすることができるように、ボルト44(図5)等により固定して着脱可能とすることもできる。また、長手方向にボルト孔を複数設けて付け替えたり、ボルト44により締め付ける構成としてボルト44を緩めて、踏み込み部43の取付位置や取付角度等を変更したりする構成とし、作業者の歩幅等に合わせて踏みつけ易くすることも可能である。
【0017】
このような構成において、耕うん作業を行うときには、作業開始位置で操作ハンドル8を下方に押し下げて、抵抗装置40の下端を土中に突き刺す。このとき、土壌が固く手の力だけでは容易に突き刺せない場合には、足を踏み込み部43に載せて踏み込み、突き刺す。この状態で、耕うん軸6を回転駆動させることにより、耕うん爪7が土中に食い込み耕うん作業ができる。この抵抗装置40を深く突き刺し、機体が前進しないようにした状態では、その場で耕うん装置10が回転駆動されるため、深く耕うんすることができ、多く回転させるほど土塊を細かく砕くことができる。
【0018】
そしてこのとき、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42の二本の抵抗棒を土中に突き刺しているため、前進抵抗力は従来よりも大きくなり、操作ハンドル8を押し下げて前進抵抗を調節する力は従来よりも軽減される。特に、土壌が固い場合や土塊等がある場合には、急発進、所謂ダッシュが生じることがあるが、このとき、耕うん装置10が土塊を通過した直後に第1抵抗棒41の下端が土塊に当たるため、急発進は瞬時に抑えることができるようになる。また、第2抵抗棒42は第1抵抗棒41の後方に適宜間隔をあけて配置され、第1抵抗棒41及び第2抵抗棒42に抵抗力が発生するようにしている。そして、第1抵抗棒41は操作ハンドル8の回動支点となる耕うん軸6に近い位置となり、てこの原理により、従来よりも小さな押し下げる力で第1抵抗棒41を突き刺すことができ、操作性が向上する。
【0019】
また、従来のように、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42が、前後方向は同じ位置で左右両側に配置される構成とすると、左右の抵抗力に差が生じた場合には左右に進行方向が変化することがあったが、本実施形態では、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42は機体左右中央で前後平行に配置されるため、前進時における左右方向の抵抗力は同じであるため直進性が向上する。
【0020】
そして、前記前進停止の耕うん状態から、耕うん作業をしながら前進させるときには、操作ハンドル8を少し持ち上げて、第1抵抗棒41と第2抵抗棒42を少し上昇させて前進抵抗を小さくし、前進させながら操作ハンドル8の上下高さを適宜調節して耕うん深さと土塊の大きさを調節しながら耕うん作業ができるようになる。
【0021】
また、第1抵抗棒41,または/及び、第2抵抗棒42の下部は尖状としたり、細くしたり、或いは、一方を長く下方に突出したりすることもできる。即ち、第二実施形態を図3図4より説明する。前記第1抵抗棒41の下部の接地部41bを、下方が尖る尖状に構成し、第1抵抗棒41の下方への突出長さは、第2抵抗棒42の下方への突出長さよりも長く構成している。このように構成することにより、図4に示すように、圃場面が固い場合であっても、操作ハンドル8を押し下げて抵抗装置40を土中に突き刺すときに、尖状に構成した第1抵抗棒41が土中に入り易く、足で踏みつける必要がなくなる。そして、固い土壌に第1抵抗棒41を突き刺しているため、耕うん装置10を作動させても急発進することはない。
【0022】
この前側の第1抵抗棒41を先に土中に突き刺した状態で前進しながら耕うん作業をすると、後側の第2抵抗棒42が前進とともに第1抵抗棒41により形成された割れ目に入り易くなり、連続作業が容易にできるようになり、ミッションケース4後部の未耕地も処理できるようになり残耕をなくすことができる。なお、後側の第2抵抗棒42の下端を尖状とすると、作業者の足に押し付ける可能性が生じるため、後側は尖状に構成しないほうが好ましい。また、第1抵抗棒41の下端高さ(先端の対地高さ)を第2抵抗棒42の下端高さ(先端の対地高さ)よりも高く配置することもできる。この場合、通常の耕うん作業時に、操作ハンドル8を押し下げると、第1抵抗棒41の下端の高さが第2抵抗棒42の下端よりも低いと、第1抵抗棒41が主として抵抗を付与して、第2抵抗棒42は殆ど抵抗を付与せず存在価値が低いが、第1抵抗棒41の下端高さを第2抵抗棒42の下端高さよりも高く配置することで、操作ハンドル8を押し下げたときに第1抵抗棒41よりも第2抵抗棒42が土中に深く入り、主として第2抵抗棒42が耕うん時の抵抗を付与することとなる。第1抵抗棒41は深く挿入されないが、硬い圃場では抵抗を付与することとなりダッシュを防止することができる。また、ダッシュが発生した場合には、耕うん装置10がその固い土壌を通過した直後に前側の第1抵抗棒41が固い土壌に当たり、急発進に対して抵抗を与えてダッシュの発生を防止でき、その抵抗により固い部分の耕うんも可能になる。
【0023】
次に、第三実施形態の抵抗装置50について、図7図8図9より説明する。抵抗装置50は、第1抵抗棒51と第2抵抗棒52と尾輪53・53と取付ブラケット54とを備える。取付ブラケット54は、ヒッチ15に取り付ける円柱状の取付基部54aと、回転軸57や第1抵抗棒51等を取り付ける支持ボス54bと、取付基部54aと支持ボス54bを連結する連結体54cからなる。
【0024】
取付基部54aは、円柱状としてその上部にピン孔54dが開口され、取付基部54aをヒッチ15の後部に形成される円筒部に挿入して、ヒッチ15に開口された複数のピン孔の一つと前記ピン孔54dを所望の高さで一致させて、固定ピン16により固定可能としている。つまり、耕うん深さに合わせて抵抗装置50の高さを調整可能としている。そして、固定ピン16の外径とピン孔54dの内径との間には所定の差(隙間)を設けている。つまり、固定ピン16の直径をピン孔54dの内径よりもガタを有する程度に小さくしている。
【0025】
このように構成することによって、取付ブラケット54に取り付けられる第1抵抗棒51と第2抵抗棒52はガタの角度だけ左右に若干回動することが可能となり、石や硬い残耕に当っても右または左に回動して逃げて走行が止まることなく、耕うん深さに差が生じないようにして、仕上がりが乱れることを防止できるようにしている。
【0026】
前記取付基部54aの下端から後斜め上方にはプレート状の連結体54cが突設され、該連結体54cの後端に支持ボス54bの前下面が固定される。該支持ボス54bの軸心O1は前後方向で後下がりの斜め方向となるようにしている。該支持ボス54bの側面には第1抵抗棒51を所定の角度位置で固定するロック手段60が設けられている。
【0027】
ロック手段60は支持体61とロックピン62とバネ63からなり、支持体61はプレートを「コ」字状に折り曲げて、開放側を支持ボス54bの側面に固設し、閉じた側は側方からロックピン62を挿入して、支持ボス54bと後述する回転軸57を貫通して固定できるようにしている。支持体61内においてロックピン62にはバネ63が外嵌されて、ロックピン62を支持ボス54b側(ロック側)へ付勢するようにしている。但し、ロック手段60の構成は限定するものではなく、ボルト等により支持ボス54bと回転軸57を固定する構成とすることもできる。
【0028】
前記取付ブラケット54の支持ボス54bには、第1抵抗棒51と第2抵抗棒52と尾輪53を支持する回転軸57が回転自在に挿入され、該回転軸57は前記ロック手段60により所定の角度位置で固定される。つまり、前記回転軸57には直径方向にピン孔が開口され、前記支持ボス54bに回転軸57を挿入した後に前記ロックピン62を挿入して固定可能としている。なお、回転軸57のピン孔の内径とロックピン62の外径との間には所定の差を設けてガタを有して固定される。即ち、ロックピン62の外径は回転軸57のピン孔の内径よりもガタが生じる程度に小さくして、第1抵抗棒51と第2抵抗棒52が多少左右に回動できるようにしている。こうして、前述と同様に、第1抵抗棒51と第2抵抗棒52が石や硬い残耕に当っても右または左に回動して逃げて走行が止まることを防止できるようにし、取付基部54aと回転軸57の二ヶ所のガタにより、従来よりも更に逃げられる範囲を広げて、残耕処理性能が向上し、走行が止まることを防止できるようにしている。
【0029】
前記回転軸57の後端には、直交するように第1抵抗棒51の基部側が固設され、該第1抵抗棒51は棒体で構成されて前下がりの前傾姿勢となるように配設される。つまり、第1抵抗棒51は取付ブラケット54の後部から前下方へ斜めに突出するように取り付けられ、一端(前端)は土中への挿入部とし、ヒッチ15の取付部よりも前下方に位置し、前進時には土中に突き刺し易い構成としている。但し、第1抵抗棒51は図10に示すように、上下方向に配置して、先端のみ前下方へ斜めに突出する構成とすることも可能である。第1抵抗棒51の長手方向中途部からは後下方へ第2抵抗棒52が突出される。該第2抵抗棒52は棒体を側面視略V字状に折り曲げ形成し、下部は上下方向における下方へ延出している。つまり、第2抵抗棒52の下先端部は上下方向を向くように構成される。
【0030】
前記第1抵抗棒51の他端(上端)は尾輪フレーム58とし, 該尾輪フレーム58の先端に車軸55が左右方向に横設される。尾輪フレーム58と第1抵抗棒51は本実施形態では一つの棒体の延長上に一体的に構成しているが、別の部材で構成することも可能である。車軸55の両側には尾輪53・53が回転自在に支持される。該車軸55の左右中央には培土器70を取り付けるための取付プレート56が固設されている。なお、培土器70または尾輪53は設けない構成であってもよく、また尾輪53は一輪であってもよい。
【0031】
このような構成において、第1抵抗棒51と第2抵抗棒52が下方を向くように回転軸57を固定した状態では、耕うん作業時には、第1抵抗棒51と第2抵抗棒52が土中に差し込まれて抵抗を付与して、耕うん爪7・7・・・の回転により圃場を耕す。そして、従来のように、第1抵抗棒51が上下方向や後下がりに傾斜した構成では、硬い部分に至ると第1抵抗棒51は上方へ逃げてダッシュが発生することがあったが、第1抵抗棒51が前下がりの斜め前下方に突出された構成であると、硬い圃場に至っても土中に食い込むように前進するためダッシュを防止することができるようになっている。
【0032】
また、耕うん爪7・7・・・が回転しているにも関わらず前進できないときは、前記ガタにより、第1抵抗棒51は右または左に回動して逃げて前進することができる。こうして、作業が中断したり、更に耕深が深くなることを防止できる。非作業時で移動するときには、ロックピン62を引き抜いてロックを解除し、回転軸57を中心に180度回転して尾輪53が下方に位置する状態とし、ロックピン62を差し込んで再度固定すると、抵抗装置50を作業位置から移動位置に切り替えることができる。この移動位置においては、操作ハンドル8を下げて耕うん装置10を地表から浮かせて尾輪53のみを接地させることで、尾輪53・53により容易に移動可能としている。
【0033】
以上のように、機体フレーム2やミッションケース4等からなる機体に搭載された動力源となるエンジン3と、該エンジン3により駆動される走行装置を兼ねる耕うん装置10と、機体の後方に延設される操作ハンドル8と、耕うん装置10の後方に配置され、土壌に突き刺して機体の前進動に抵抗力を付与する抵抗装置40・50を備える管理機1であって、前記抵抗装置40・50は機体の進行方向に沿って少なくとも第1抵抗棒41・51と第2抵抗棒42・52を備え、少なくとも第2抵抗棒42・52の先端は抵抗装置40の取付基部41c・54aよりも後方に配置されると共に、上下方向で下方に延設されるので、耕うん作業時に耕うん装置10が固い土壌に至った時には、乗り上げて急に前進速度が速くなるが、その固い部分を通過した直後に前側の第1抵抗棒41・51が固い土壌に当たるため、急速前進に対して抵抗を与えてダッシュの発生を防止でき、その抵抗により固い部分の耕うんも可能になった。また、第2抵抗棒42・52は取付基部41c・54aよりも後方に位置するため、操作ハンドル8の操作は小さなストロークの操作で土壌に突き刺すことができる。そして、二つの第1・第2抵抗棒41・51・42・52または3本以上の抵抗棒が前後方向に配置されるため直進性を向上でき、一本の抵抗棒に比べて前進抵抗が従来よりも大きくなり、操作ハンドル8を押し下げて抵抗力を大きくする操作が軽減され、操作性が向上する。また、左右中央の前後方向に二つの第1・第2抵抗棒41・51・42・52が位置するので、左右の抵抗力が変わらず、直進性も向上する。
【0034】
また、前記第1抵抗棒51の少なくとも先端が前下方へ斜めに突出されるので、第1抵抗棒51は前進時に食い込み勝ってとなり(食い込み易くなり)、硬い土壌に至ると、第1抵抗棒51が固い部分に突き刺さり、浮き上がってダッシュすることを防止できる。また、残耕に対しても突き刺して砕きやすくなる。
【0035】
また、前記第1抵抗棒41・51の先端と、第2抵抗棒42・52の先端の対地高さは、同一、あるいは、第1抵抗棒41・51のほうが高く配置されるので、通常耕うん作業時は、操作ハンドル8を押し下げると、第1抵抗棒41・51よりも第2抵抗棒42・52が土中に深く入り、第1抵抗棒41・51が無意味な抵抗を付与することを避けることができる。つまり、第1抵抗棒41・51が第2抵抗棒42・52よりも深く土中に入ると、第2抵抗棒42・52の役割が減少し、存在の価値も減少するが、第2抵抗棒42・52を第1抵抗棒42・51よりも深く入り込ませるように構成することで、耕うん時には第2抵抗棒42・52が抵抗を付与し、第1抵抗棒51はダッシュを防止する機能を果たし、それぞれ有効に作用させることができる。
【0036】
また、前記取付基部41cよりも後方に配置される抵抗棒の上下中途部には、前記抵抗棒を突き刺すための踏み込み部43が設けられるので、固い土壌であっても、足を踏み込み部43に載せて踏み込むことにより、容易に第1抵抗棒41・51と第2抵抗棒42・52を圃場に突き刺すことができ、操作性を向上できる。
【符号の説明】
【0037】
2 機体フレーム
3 エンジン
4 ミッションケース
8 操作ハンドル
10 耕うん装置
40 抵抗装置
41・51 第1抵抗棒
41c 取付基部
42・52 第2抵抗棒
43 踏み込み部
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