特許第6982403号(P6982403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許6982403-プリント回路基板及びモータ 図000002
  • 特許6982403-プリント回路基板及びモータ 図000003
  • 特許6982403-プリント回路基板及びモータ 図000004
  • 特許6982403-プリント回路基板及びモータ 図000005
  • 特許6982403-プリント回路基板及びモータ 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982403
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20211206BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20211206BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20211206BHJP
   H02K 11/026 20160101ALI20211206BHJP
【FI】
   H05K1/02 C
   H05K1/16 D
   H02K11/30
   H02K11/026
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-98628(P2017-98628)
(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公開番号】特開2017-220665(P2017-220665A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2020年5月12日
(31)【優先権主張番号】201610333757.1
(32)【優先日】2016年5月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チン ビン ルオ
(72)【発明者】
【氏名】チー ウァイ ライ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ミン ウー
【審査官】 黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−235495(JP,A)
【文献】 特開2000−049436(JP,A)
【文献】 特開2002−094246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/16
H02K 11/30
H02K 11/026
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板であって、
本体と、
前記本体の第1の表面に配置された第1の導電パターン層と、
前記本体の向かい側の第2の表面に配置された第2の導電パターン層とを備え、前記第1の導電パターン層及び前記第2の導電パターン層は、コンデンサを形成
前記本体の中心領域に位置穴が定まり、前記第1の導電パターン層は、前記位置穴の2つの向かい側の側面に配置されることを特徴とするプリント回路基板。
【請求項2】
前記本体の前記第1の表面は、前記第1の導電パターン層によって部分的に覆われる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第2の導電パターン層は、前記本体の前記第2の表面を完全に覆っている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1の導電パターン層及び前記第2の導電パターン層は、金属コーティング層である、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記本体のうち前記第1の導電パターン層によって覆われた部分に、電源貫通スロットが定まり電力端子に接続する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記本体のうち前記第1の導電パターン層によって覆われない部分に、接地貫通スロットが定まり前記プリント回路基板を接地する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記本体に、複数の構成部品取付穴が電子部品に接続するために定まる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかの1つに記載のプリント回路基板を備える、ことを特徴とするモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本開示は、駆動装置に、特にプリント回路基板、及びプリント回路基板を使用するモータに関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] モータ用のプリント回路基板では、一般に、コンデンサ及び抵抗器のような電子部品は、プリント回路基板に直接溶接される。これらの電子部品、及びプリント回路基板上に設置された構成部品間の隙間のサイズが大きいことにより、プリント回路基板のサイズが大きくなる。さらに、これらの電子部品はピンを通じて接地され、ピン自体の寄生インダクタンス及び寄生静電容量は、モータの大きな電磁放射につながる。
【発明の概要】
【0003】
[0004] 本開示のいくつかの特徴及び利点は、次の説明に記載され、又は説明から明らかであり、又は本開示の実施を通じて知ることができる。
【0004】
[0005] 本開示は、本体と、本体の第1の表面に配置された第1の導電パターン層と、本体の向かい側の第2の表面に配置された第2の導電パターン層とを備える、プリント回路基板を提供する。第1の導電パターン層及び第2の導電パターン層は、コンデンサを形成する。
【0005】
[0006] 本体の第1の表面は、第1の導電パターン層によって部分的に覆われることが好ましい。
【0006】
[0007] 本体の中心領域に位置穴が定まり、第1の導電パターン層は、位置穴の2つの向かい側の側面に配置されることが好ましい。
【0007】
[0008] 第2の導電パターン層は、本体の第2の表面を完全に覆っていることが好ましい。
【0008】
[0009] 第1の導電パターン層及び第2の導電パターン層は、金属コーティング層であることが好ましい。
【0009】
[0010] 本体のうち第1の導電パターン層によって覆われた部分に、電源貫通スロットが定まり電源端子に接続することが好ましい。
【0010】
[0011] 本体のうち第1の導電パターン層によって覆われない部分に、接地貫通スロットが定まりプリント回路基板を接地することが好ましい。
【0011】
[0012] 本体に、複数の構成部品貫通穴が電子部品に接続するために定まることが好ましい。
【0012】
[0013] 本開示は、上面にコンデンサが形成された本体を備えるプリント回路基板をさらに提供する。コンデンサは、本体の第1の表面上に配置された第1の導電パターン層と、向かい側の第2の表面に配置された第2の導電パターン層とを備える。
【0013】
[0014] 本開示は、上記プリント回路基板を備えるモータをさらに提供する。
【0014】
[0015] 本開示のプリント回路基板、及びプリント回路基板を含むモータによれば、第1の導電パターン層及び第2の導電パターン層は、プリント回路基板の本体上に直接形成されてコンデンサを形成し、それによって電子部品の体積を減らす。さらに、コンデンサは、接地するために電子部品のピンを使用することなく、接地貫通スロットを通じて直接接地され、それによってモータの電磁放射を有効に減らす。
【0015】
[0016] この開示を読むことによって、当業者は、技術的解決策の特徴及び内容をより良く理解することができる。
【0016】
[0017] 本開示の利点及び実施をより明からにするために、本開示の実施形態が、以下に図面を参照して詳細に記載される。図面に例示した内容は、本開示を限定することなく、本開示を説明及び例示するためだけに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示のプリント回路基板の1つの実施形態の斜視図である。
図2図1に示したプリント回路基板の積層構造を示す概略図である。
図3】本開示のモータの1つの実施形態の分解組立図である。
図4】本開示のモータの放射EMIテストを示す概略図である。
図5】従来のモータの放射EMIテストを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0023] 本開示の実施形態を詳細に記載する前に、本開示は、次の説明に記述され又は次の図面に例示された、構造の詳細及び構成部品の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能である。本明細書で使用する語法及び用語は、説明目的のためであり、限定であるとみなすべきでないことも理解されたい。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」及びその派生語の使用は、以後列挙される品目及びその均等物の他に、追加の品目もまた包含することを意図する。特に、品目に関連する不定冠詞a又はanの使用は、品目の単一の1つの意味を持たず、むしろ、1つ以上のそのような品目を含むことができる。
【0019】
[0024] 図1及び図2を参照して、本開示のプリント回路基板10は本体100を含む。本体100は、第1の表面102と、反対側の第2の表面104とを含む。この実施形態では、本体100は円板形の本体である。代替的に、本体100は、四角形の本体又は別の形状の本体とすることができる。
【0020】
[0025] 本体100の中心に位置穴106が定まる。位置穴106は、プリント回路基板10の応用環境に従う大きさにすることができる。例えば、プリント回路基板10がモータに応用されるとき、位置穴106の大きさは、モータの回転軸の直径に従って決めることができる。
【0021】
[0026] 第1の表面102に第1の導電パターン層110が配置され、第2の表面102に第2の導電パターン層120が配置される。第1の導電パターン層110は、第1の表面102を部分的に覆っている。第1の導電パターン層110は、第1の導電パターン副層112及び第2の導電パターン副層114を含み、それらは、位置穴106の2つの向かい側の側面に配置される。第2の導電パターン層120は、第2の表面104を完全に覆っている。第1の導電パターン層110、本体100及び第2の導電パターン層120は、コンデンサ130を形成する。第1の導電パターン層110及び第2の導電パターン層120は、それぞれ、コンデンサ130の2つの電極として作用する。コンデンサ130の静電容量は、第1の導電パターン層110又は第2の導電パターン層120の面積を変更することによって調整できる。この実施形態では、コンデンサ130の静電容量は、単に第1の導電パターン層110の面積を変更することによって調整され、第1の導電パターン副層112の面積は、第2の導電パターン副層114の面積と等しい。コンデンサ130は、接地コンデンサであり、配線140を介して接地される。第1の導電パターン層110は配線140を介して接地される。
【0022】
[0027] この実施形態では、第1の導電パターン層110及び第2の導電パターン層120は、金属コーティング層である。金属コーティング層は、銅、銀及び金のような金属又は合金で作成することが好ましい。金属コーティング層の厚さは0.038mmである。
【0023】
[0028] この実施形態では、本体100は、ポリイミド、エポキシ樹脂などのような絶縁材料で作成される。
【0024】
[0029] 本体100のうち第1の導電パターン層110によって覆われた部分に、電源貫通スロット1102が定まり、電源端子に接続する。本体100において第1の導電パターン副層112と第2の導電パターン副層114との間に、すなわち本体100のうち第1の導電パターン層110によって覆われない別の部分に、接地貫通スロット1104が定まり、モータの外側ハウジングを通じて接地する。
【0025】
[0030] 本体100に、多数の構成部品取付穴1106が、インダクタ及びコンデンサのような電子部品を接続するためにさらに定まる。一部の構成部品取付穴1106は、本体100のうち第1の導電パターン層110によって覆われた部分に配置され、他の構成部品取付穴1106は、本体100のうち第1の導電パターン層110によって覆われない部分に配置される。この実施形態では、インダクタ及び抵抗器のような電子部品は、プリント回路基板10の体積を減らす表面実装デバイスである。構成部品取付穴1106は円形貫通穴とすることができる。
【0026】
[0031] 図3も参照して、図3は、本開示の1つの実施形態によるモータ20の分解組立図である。モータ20は、ステータ組立体210と、ステータ組立体210に回転可能に接続されかつ回転軸222を含むロータ組立体220と、ロータ組立体220を支持するためにステータ組立体210の端部に固定して取り付けたエンドキャップ組立体230と、プリント回路基板10とを含む。回転軸222は位置穴106を通って延びている。この実施形態では、モータ20は直流モータである。ステータ組立体210及びロータ組立体220は、互いに相互作用して、ロータ組立体220を回転させる磁界を発生する。回転軸222は、位置穴106及びエンドキャップ組立体230を通って延び、モータ20によって発生した動力を出力する。
【0027】
[0032] 本体100は一対の切欠き118をさらに含み、それらは、第1の導電パターン副層112と第2の導電パターン副層114との間のリング部分に定まり、ステータ組立体210におけるプリント回路基板10の設置を容易にする。
【0028】
[0033] エンドキャップ組立体230には接続端子232が備わる。電源貫通スロット1102は、電源電線(図示しない)を介して接続端子232に接続される。接地貫通スロット1104はステータ組立体210に接続される。
【0029】
[0034] 図4及び図5も参照して、図4は、本開示のモータの放射EMI(電磁妨害)テストを示す概略図である。図5は、従来のモータの放射EMIテストを示す概略図である。水平軸線の単位は、モータのEMIの周波数を表わすMHzである。垂直軸線の単位は、モータのEMIの振幅を表わすdBuV/mである。垂直軸線の値が小さいほど、モータのEMI抑制効果が良い。図4及び図5から分かるように、同じ周波数におけるEMIに対して、コンデンサがプリント回路基板上に直接形成された本開示のモータの放射EMIは、従来のモータのそれよりも大幅に低い。
【0030】
[0035] 本開示のプリント回路基板、及びプリント回路基板を有するモータでは、第1の導電パターン及び第2の導電パターンは、プリント回路基板の本体上に直接形成されて平板コンデンサを形成し、それによって電子部品の体積を減らす。さらに、コンデンサは、接地するために電子部品のピンを使用することなく、接地貫通スロットを通じて直接接地され、それによってモータの電磁放射を有効に減らす。
【0031】
[0036]本開示の好ましい実施形態が図面を参照して記載された。当業者には、本開示の精神及び範囲から逸脱しない、様々な修正及び変更が明らかである。例えば、1つの実施形態に記載され又は図示された特徴の一部は、別の実施形態を得るために別の実施形態に応用することができる。上記説明は、単に本開示の好ましい実施形態であり、本開示の範囲を限定するために使用すべきでない。本開示の原理から逸脱しないどのような改善及び修正も、本開示の範囲に含まれる。
【0032】
10 プリント回路基板
100 本体
102 第1の表面
104 第2の表面
106 位置孔
110 第1の導電パターン層
112 第1の導電パターン副層
114 第2の導電パターン副層
140 配線
1102 電源貫通スロット
1104 接地貫通スロット
1106 構成部品取付穴
図1
図2
図3
図4
図5