(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測距光を照射してプリズムを測定する第1測量部と、該第1測量部に一体に設けられた第2測量部と、演算制御部とを具備する測量装置と、測定点に設置されたターゲット装置とを有する測量システムであって、前記第1測量部は、水平回転可能な托架部と、該托架部に鉛直回転可能に設けられた望遠鏡部と、前記托架部の水平角と前記望遠鏡部の鉛直角を検出する第1測角部と、前記望遠鏡部に収納され前記プリズム迄の距離を測定する第1測距部とを具備し、前記第2測量部は、レーザ光線を鉛直方向又は水平方向の1軸に回転照射する走査鏡と、該走査鏡の鉛直角を検出する第2測角部とを具備し、前記ターゲット装置は、ポールと、
該ポールの軸心上又はポールの軸心と平行な線上に設けられ、該ポールの下端と既知の位置関係にある前記プリズムと、
反射面を有すると共に該反射面の法線ベクトルが前記ポールの軸心と直交する様、前記ポールに取付けられたターゲット板とを具備し、
前記演算制御部は、前記托架部の水平回転又は前記望遠鏡部の鉛直回転と、前記走査鏡の鉛直回転又は水平回転の協働によりレーザ光線をスキャンし、前記ターゲット板の点群データを取得し、該点群データから得られた前記ターゲット板の面の測定結果に基づき前記ポールの傾斜方向を示す測定点方向ベクトルを演算し、前記第1測量部で測定された前記プリズムの光学中心の3次元座標と、前記測定点方向ベクトルと、前記プリズムの光学中心と前記ポールの下端との位置関係に基づき、前記測定点の3次元座標を演算する測量システム。
前記ターゲット板は板状であり、前記ターゲット板は一側端より他側端迄、前記ポールの軸心と直交する方向に延在する傾斜検出パターンを有し、前記演算制御部は、前記ターゲット板の面の測定結果に基づき法線ベクトルを演算し、前記傾斜検出パターンのエッジ検出に基づき傾斜方向ベクトルを演算し、前記測定点方向ベクトルは前記法線ベクトルと前記傾斜方向ベクトルとそれぞれ直交し、前記プリズムの光学中心を通る様に構成された請求項2又は請求項3に記載の測量システム。
前記ターゲット板は、側断面が三角形の三角柱形状であり、前記反射面は隣接する2面で構成され、隣接する2面が交差して形成された稜線上に前記プリズムが設けられ、前記演算制御部は、前記2面の測定結果に基づき稜線ベクトルと、各面毎の法線ベクトルを演算し、該法線ベクトルから前記反射面の法線ベクトルとしての平均法線ベクトルを演算し、前記測定点方向ベクトルは前記平均法線ベクトルと前記稜線ベクトルにそれぞれ直交し、前記プリズムの光学中心を通る様に構成された請求項2又は請求項3に記載の測量システム。
前記第2測量部の光軸は、前記第1測距部の光軸に対して水平方向にオフセットされ、前記ターゲット板は、側断面が三角形の三角柱形状であり、隣接する2面が交差して形成される稜線上に前記プリズムが設けられ、前記演算制御部は、1列の点群データに基づき前記2面の上端と下端と稜線の3つのエッジを検出し、該3つのエッジと前記第1測量部による前記プリズムの測定結果に基づき2面を検出し、該2面の測定結果に基づき稜線ベクトルと、各面毎の法線ベクトルを演算し、該法線ベクトルから平均法線ベクトルを演算し、前記測定点方向ベクトルは該平均法線ベクトルと前記稜線ベクトルにそれぞれ直交し、前記プリズムを通る様に構成された請求項2又は請求項3に記載の測量システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0018】
先ず、
図1に於いて、本発明の第1の実施例に係る測量システムについて説明する。
【0019】
測量システム1は、測量装置2と、ターゲット装置3とを有している。前記測量装置2は、三脚4上に設けられた第1測量部5と、該第1測量部5上に該第1測量部5と一体に設けられた第2測量部6とを有している。前記第1測量部5は、例えばトータルステーションであり、前記第2測量部6は、例えば1軸で鉛直方向に回転スキャンする1軸レーザスキャナとなっている。尚、前記第2測量部6は、前記第1測量部5の側面に設けられてもよい。
【0020】
前記ターゲット装置3は、下端部が円錐状となったポール7と、該ポール7の上端に取付けられたターゲット板8とを有している。該ターゲット板8は、例えば矩形の板材であり、表面には反射率の高い色、例えば白色の塗料が塗布され、或は反射シートが貼設され、反射面9が形成されている。
【0021】
又、前記ターゲット板8の表面には、反射率の低い色、例えば黒色の塗料により帯状の傾斜検出パターン11が形成されている。該傾斜検出パターン11は、既知の幅であり、前記ターゲット板8の一側端から他側端延在しており、前記傾斜検出パターン11の中心線は前記ポール7の軸心と直交する様になっている。即ち、該ポール7の軸心が鉛直である場合には、前記傾斜検出パターン11の中心線は水平となる。
【0022】
更に、前記ターゲット板8には、再帰反射性を有するターゲット、例えばプリズム12が設けられている。該プリズム12の光学中心は前記ポール7の軸心上に位置し、且つ前記傾斜検出パターン11の中心線上に位置し、前記プリズム12の光学中心と前記ポール7の下端との距離は既知となっている。
【0023】
次に、
図2に於いて、前記測量装置2の概略構成について説明する。
【0024】
該測量装置2は、トータルステーションである前記第1測量部5、1軸で回転スキャンする2次元のレーザスキャナである前記第2測量部6、演算制御部13を具備している。該演算制御部13は、前記第1測量部5の作動と前記第2測量部6の作動とを統括制御すると共に、前記第1測量部5、前記第2測量部6で取得したデータのマッチング、補正等のデータ処理を行う。尚、前記演算制御部13は、前記第1測量部5に設けられる第1演算制御部48(後述)、前記第2測量部6に設けられる第2演算制御部52(後述)のいずれかに兼用させてもよい。或は、前記演算制御部13が前記第1演算制御部48と前記第2演算制御部52とを統括制御してもよい。
【0025】
前記三脚4上に整準部14が設けられ、該整準部14に前記第1測量部5が設けられ、該第1測量部5の上面に前記第2測量部6が設けられている。
【0026】
前記第1測量部5は、第1機械基準点(図示せず)を有しており、該第1機械基準点を通過する鉛直線15上に前記第2測量部6の第2機械基準点(図示せず)が存在する様に、前記第1測量部5、前記第2測量部6は構成されている。
【0027】
前記第1測量部5の下端部は基盤部16となっており、前記整準部14に前記基盤部16が取付けられる。該基盤部16に水平回転駆動部17が収納され、該水平回転駆動部17は鉛直に延びる水平回転軸18を有している。該水平回転軸18は前記基盤部16に回転自在に設けられ、前記水平回転軸18の軸心は前記鉛直線15と合致している。
【0028】
前記水平回転軸18の上端に水平回転駆動部である托架部19が取付けられている。該托架部19の上面に前記第2測量部6が設けられている。
【0029】
前記托架部19は凹部21を有し、該凹部21には鉛直回転部である望遠鏡部22が収納されている。該望遠鏡部22は水平な軸心を有する鉛直回転軸23を介して、前記托架部19に鉛直方向に回転自在に支持されている。
【0030】
前記望遠鏡部22には、第1測距光軸24(
図1参照)を有する望遠鏡(レンズユニット)25が設けられ、前記望遠鏡部22には第1測距部26(後述)等が収納されている。前記第1測距光軸24は、前記鉛直線15と交差すると共に、前記鉛直回転軸23の軸心と直交する。前記第1測距光軸24と前記鉛直回転軸23の軸心との交点を第1機械基準点としてもよい。
【0031】
前記托架部19には鉛直回転駆動部27が収納され、該鉛直回転駆動部27は前記鉛直回転軸23に連結されている。前記鉛直回転駆動部27によって、前記鉛直回転軸23を介し前記望遠鏡部22が鉛直方向に回転される。前記鉛直回転軸23には第1鉛直角検出器28が設けられ、該第1鉛直角検出器28により前記鉛直回転軸23の鉛直回転角がリアルタイムで検出され、更に前記望遠鏡部22の鉛直角が検出される。前記第1鉛直角検出器28としては、例えばエンコーダが用いられてもよい。
【0032】
前記托架部19は、前記水平回転駆動部17によって前記水平回転軸18を介し水平方向に全周回転される。又、該水平回転軸18には水平角検出器29が設けられ、該水平角検出器29により前記托架部19の水平回転角が検出され、更に該托架部19の水平角(前記望遠鏡部22の水平角)がリアルタイムで検出される。前記水平角検出器29としては、例えばエンコーダが用いられてもよい。
【0033】
前記水平回転駆動部17、前記鉛直回転駆動部27によって回転駆動部が構成され、該回転駆動部により、前記望遠鏡部22が鉛直、水平の2方向に所要の状態で回転される。又、前記第1鉛直角検出器28、前記水平角検出器29は方向角検出器を構成し、前記第1測距光軸24の鉛直角、水平角(即ち、前記望遠鏡部22の水平角)をリアルタイムで検出する様になっている。
【0034】
又、前記演算制御部13によって、前記第1測距部26、前記水平回転駆動部17、前記鉛直回転駆動部27等が制御される。
【0035】
次に、
図2を参照し、前記第2測量部6の概略構成について説明する。
【0036】
該第2測量部6は、中央部に凹部31が形成された筐体32を有し、該筐体32が前記托架部19の上面に固定される。
【0037】
前記筐体32には、水平な軸心を有する走査回転軸33が回転自在に設けられ、該走査回転軸33の一端部は前記凹部31に突出し、前記一端部の先端に走査鏡34が固着されている。該走査鏡34は前記走査回転軸33の軸心に対して45°の角度で設けられている。前記筐体32の内部に走査モータ35が収納され、該走査モータ35は前記走査回転軸33に連結されている。前記走査モータ35が前記走査回転軸33を回転することで、前記走査鏡34が回転される様になっている。
【0038】
又、前記走査回転軸33の他端部には、第2鉛直角検出器36が設けられている。該第2鉛直角検出器36は、前記走査回転軸33の回転角(鉛直角、即ち前記走査鏡34の回転角)をリアルタイムで検出する様になっている。尚、前記第2鉛直角検出器36としては、エンコーダが用いられてもよい。
【0039】
前記筐体32内に収納され、前記走査鏡34と対向する部位に、第2測距部37が設けられている。該第2測距部37からは、前記走査鏡34に向って第2測距光(パルスレーザ光線)38が射出される。
【0040】
該第2測距光38の第2測距光軸40(
図1参照)は前記走査回転軸33の軸心と合致しており、前記走査鏡34によって直角に偏向される。前記走査鏡34が前記走査回転軸33を中心に回転されることで、前記走査鏡34によって偏向された前記第2測距光38が鉛直面内を回転照射される様になっている。
【0041】
前記走査回転軸33の軸心(即ち、前記第2測距光38の光軸)と前記走査鏡34との交差点は、前記第2測量部6の第2機械基準点となっており、該第2機械基準点を通過する鉛直線は、前記鉛直線15に合致する様に設定されている。
【0042】
従って、上記した様に、前記第1測量部5の第1機械基準点と、前記第2測量部6の第2機械基準点は、同一の前記鉛直線15上に存在する。更に、第1機械基準点と第2機械基準点の距離は既知となっている。
【0043】
回転照射された前記第2測距光38が測定対象物を走査し、該測定対象物で反射された反射第2測距光38′(図示せず)は前記走査鏡34を経て前記第2測距部37に入射する。該第2測距部37では、前記反射第2測距光38′を受光することで、パルス光の往復時間を求めてパルス光毎に測距する(Time Of Flight)様になっている。
【0044】
又、上記した様に、前記走査鏡34の鉛直角は、前記第2鉛直角検出器36によりリアルタイムで検出されており、各パルス光毎に測距されると共に、各パルス光毎に鉛直角が検出されている。
【0045】
前記第2測量部6は、前記第2測距光38を鉛直方向に回転照射し、鉛直角を検出するので、距離と鉛直角の2次元の座標を有する2次元点群データを取得する。
【0046】
図3を参照して、前記第1測量部5、前記第2測量部6について更に説明する。
【0047】
図3に示される様に、前記第1測量部5は、主に撮像部41、前記第1測距部26、第1測角部42、追尾部43、レーザポインタ部44、操作部45、表示部46、第1記憶部47、第1演算制御部48、前記水平回転駆動部17、前記鉛直回転駆動部27によって構成される。
【0048】
尚、前記第1測角部42は、前記水平角検出器29、前記第1鉛直角検出器28により構成される。前記水平角検出器29、前記第1鉛直角検出器28としては、エンコーダが用いられてもよい。
【0049】
前記第1測距部26は、前記第1測距光軸24上に第1測距光を射出し、前記プリズム12等の測定対象物から反射された反射第1測距光を受光し、受光信号を前記第1演算制御部48に出力する。該第1演算制御部48は、前記第1測距部26からの受光信号に基づき、測定対象物迄の距離を演算する。
【0050】
前記撮像部41は、測定対象物の画像を取得する。測定対象物からの背景光が前記撮像部41に入射し、該撮像部41からの画像信号は前記第1演算制御部48に入力される。又、前記レーザポインタ部44は、ポインタ光を前記第1測距光軸24上に照射する。
【0051】
前記追尾部43は、前記第1測距光軸24と平行な追尾光軸(図示せず)上に追尾光を射出し、或は前記追尾光軸が前記第1測距光軸24と合致する様偏向された状態で射出する。又、前記追尾部43は追尾受光部(図示せず)を有し、該追尾受光部は測定対象物で反射された反射追尾光を受光し、受光結果を前記第1演算制御部48に出力する。該第1演算制御部48は、前記追尾受光部上での受光位置を演算し、受光位置が前記追尾受光部の中心位置となる様、前記水平回転駆動部17、前記鉛直回転駆動部27に駆動信号を出力する。
【0052】
尚、前記第1演算制御部48が前記撮像部41で取得した画像から測定対象物を検出し、該測定対象物が画像の中心に位置する様、前記水平回転駆動部17、前記鉛直回転駆動部27を駆動させ、測定対象物を追尾させてもよい。
【0053】
前記第1記憶部47には、前記撮像部41による画像取得を制御する撮像プログラム、前記レーザポインタ部44、前記第1測距部26、前記追尾部43等の発光を制御する発光制御プログラム、前記第1測距部26による測距を制御する測距プログラム、前記第1測角部42による水平角、鉛直角の取得、角度検出の結果に基づき方向角を演算する角度測定プログラム、追尾を実行する追尾プログラム、前記撮像部41で取得した画像を処理する画像処理プログラム等のプログラムが格納される。
【0054】
又、前記第1記憶部47にはデータ格納領域が形成され、該データ格納領域には前記撮像部41で取得した画像データ、前記第1測距部26で取得した測距データ、前記第1測角部42で取得した測角データ等のデータが格納される。前記画像データ、前記測距データ及び前記測角データは、相互に関連付けられる。
【0055】
前記第1演算制御部48は、格納されたデータに基づき所要の演算を行い、又格納されたプログラムに基づき所要の制御を行う。
【0056】
又、
図3に示される様に、前記第2測量部6は、主に前記第2測距部37、第2測角部51、前記第2演算制御部52、前記走査モータ35、第2記憶部53によって構成される。尚、前記第2測角部51は、前記第2鉛直角検出器36により構成される。
【0057】
該第2記憶部53には、前記第2測距部37からパルス発光される前記第2測距光38を回転照射し、パルス光毎に測距する為の測距プログラム、前記走査鏡34の角度をリアルタイムで検出する角度検出プログラム、前記第1測量部5で取得される各種データと前記第2測量部6で取得されるデータ間の同期、関連付けを行う為のデータ関連付けプログラム等のプログラムが格納されている。又、前記第2記憶部53にはデータ格納領域が形成され、該データ格納領域にはパルス光毎の測定結果即ち測距結果及び測角結果(点群データ)が関連付けられて格納される。
【0058】
次に、
図4のフローチャート及び
図5〜
図7を参照して、前記測量システム1を用いた測定点の測定について説明する。
【0059】
STEP:01 測定が開始されると、前記追尾部43が追尾光を照射し、前記プリズム12からの反射追尾光に基づき該プリズム12の追尾が開始される。
【0060】
STEP:02 追尾が開示されると、追尾と並行して前記第1測量部5により前記プリズム12の測定が行われる。前記第1測距部26により前記プリズム12迄の距離が測定されると共に、前記第1測角部42、即ち前記第1鉛直角検出器28及び前記水平角検出器29の検出結果に基づき、前記測量装置2に対する前記プリズム12の方向が測定される。
【0061】
STEP:03 次に、前記ターゲット装置3を測定点54に設置する。即ち、前記ポール7の下端を前記測定点54と一致させた状態で前記ターゲット装置3を立てる。この時、該ターゲット装置3の傾斜は任意であり、向きも前記反射面9が形成された面が概略前記測量装置2の方を向いていればよい。
【0062】
STEP:04 次に、前記第1測量部5による追尾を解除し、前記第2測量部6により前記反射面9の走査を開始する。前記第2測距部37より前記第2測距光38をパルス発光すると共に、前記水平回転駆動部17が前記托架部19を水平回転させつつ、前記走査モータ35が前記走査鏡34を鉛直回転させる。これにより、
図5に示される様に、前記反射面9がパルス状の前記第2測距光38で走査(スキャン)される。
【0063】
尚、第1の実施例に於いては、前記ポール7が前記ターゲット板8の一側端部に設けられ、前記プリズム12も該一側端部に位置しているので、前記托架部19は前記第2測量部6を他端部に向って1方向にのみ回転させればよい。
【0064】
STEP:05 前記反射面9が前記第2測距光38によって走査されると、パルス光毎に前記第2測距部37による測距、前記水平角検出器29による水平角の測角、及び前記第2鉛直角検出器36による鉛直角の測角が行われる。即ち、前記反射面9の3次元点群データが取得される。
【0065】
STEP:06 次に、前記反射面9を走査して得られた該反射面9の測定結果(3次元データ)、該反射面9で検出されたエッジから、前記第2演算制御部52により前記反射面9の外形形状とエッジで形成される平面の向き(前後方向の倒れ角と前記ポール7の軸心を中心とした回転角)が演算される。又、前記第2演算制御部52は、演算して得られた平面の中心を演算し、
図6(A)に示される様な、該平面の中心を通り、該平面と直交する前記反射面9の法線である法線ベクトル55を演算する。尚、該法線ベクトル55は、前記平面の何処を通ってもよいのは言う迄もない。
【0066】
STEP:07 又、前記反射面9は前記第2測距光38に対する反射率が高く、前記傾斜検出パターン11は前記第2測距光38に対する反射率が低い。従って、前記ターゲット板8を前記第2測距光38で走査した際には、反射光量の差により、前記傾斜検出パターン11が検出できる。
【0067】
前記ポール7の軸心が鉛直である場合、前記傾斜検出パターン11は水平である。従って、該傾斜検出パターン11の水平に対する傾斜角は、前記ポール7、即ち前記ターゲット装置3の鉛直に対する左右方向の傾斜角と一致する。前記傾斜検出パターン11が検出されると、前記第2演算制御部52は、前記傾斜検出パターン11の形状(エッジ)に基づき、
図6(B)に示される様な、前記ターゲット板8の傾斜方向ベクトル56を演算する。該傾斜方向ベクトル56は、前記傾斜検出パターン11の中心線の方向と一致している。
【0068】
STEP:08 前記法線ベクトル55、前記傾斜方向ベクトル56が演算されると、前記第2演算制御部52は、測定点方向ベクトル57を演算する。該測定点方向ベクトル57は、
図6(C)に示される様に、前記法線ベクトル55、前記傾斜方向ベクトル56にそれぞれ直交し、前記プリズム12の光学中心を通るベクトルとなっている。
【0069】
又、前記プリズム12の光学中心は、前記ポール7の軸心上に位置しているので、
図7に示される様に、前記光学中心を通る前記測定点方向ベクトル57は、前記ポール7の軸心と一致している。即ち、前記測定点方向ベクトル57は、前記ポール7の鉛直に対する前後左右の傾斜角を有し、該ポール7の傾斜方向を示す。
【0070】
ここで、前記プリズム12の光学中心と前記ポール7の下端との距離は既知である。従って、前記第2演算制御部52は、前記プリズム12の3次元座標と前記測定点方向ベクトル57と既知の距離とに基づき、前記測定点54の3次元座標を演算することができる。即ち、前記プリズム12の光学中心から、前記測定点方向ベクトル57方向に沿って前記プリズム12の光学中心から既知の距離だけ下方に位置する点を前記測定点54として演算し、該測定点54の3次元座標を演算することができる。
【0071】
該測定点54の3次元座標が演算されると、測定を終了する。或は、前記第1測量部5により再度前記プリズム12を追尾させた状態で前記ターゲット装置3を移動させ、他の測定点に設置する等、所要の処理が行われる。
【0072】
上述の様に、第1の実施例では、前記ターゲット板8を前記ポール7の上端に設け、前記ターゲット板8に前記ポール7の軸心と直交する様前記傾斜検出パターン11を形成している。又、前記ポール7の軸心上に前記プリズム12の光学中心が位置する様、前記プリズム12を前記ターゲット板8に設けている。
【0073】
前記反射面9を走査して得られた点群データに基づき、前記測定点方向ベクトル57、即ち前記ポール7の傾斜方向(前後左右の傾斜角)が検出できるので、前記ターゲット装置3が傾斜していた場合でも前記測定点54の3次元座標を演算することができる。
【0074】
従って、該測定点54のプリズム測量を行なう際に、前記ターゲット装置3を鉛直に整準する必要がないので、作業時間が短縮できると共に、作業性を向上させることができる。
【0075】
又、前記ターゲット装置3が傾斜していても、前記測定点54の3次元座標が演算できるので、部屋の隅等、前記ターゲット装置3を鉛直に立てられない位置にある前記測定点54についても、プリズム測量を行うことができる。
【0076】
尚、第1の実施例では、前記ターゲット板8の一側端部に前記ポール7を設けているが、該ポール7は例えば前記ターゲット板8の中心部に設けてもよい。該ターゲット板8の中心に前記ポール7を設け、更に前記ターゲット板8の表裏両面に前記反射面9と前記傾斜検出パターン11を形成することで、前記ターゲット板8に表と裏の区別がなくなる。従って、前記ポール7の傾斜だけではなく、前記測量装置2に向ける前記ターゲット板8の面についても任意でよくなるので、より作業性を向上させることができる。
【0077】
次に、
図8〜
図10に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、
図8〜
図10中、
図5〜
図7中と同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0078】
第2の実施例では、ターゲット装置3が、ポール7とプリズム12とターゲット板59とから構成されている。
【0079】
該ターゲット板59は、前記ポール7が一端部に設けられた三角柱形状であり、例えば側断面が二等辺三角形形状となっている。又、前記ターゲット板59は、長さの等しい2辺で形成された2面に反射面61a,61bが形成されている。該反射面61a,61bにより形成される稜線62上には前記プリズム12が設けられ、前記稜線62を前記測量装置2に向ける様になっている。尚、前記ターゲット板59は、前記稜線62を前記測量装置2に向けることができる形状であれば、側断面が二等辺三角形形状でなくてもよい。
【0080】
前記プリズム12の光学中心を通り、前記ポール7の軸心と平行な直線は、前記稜線62と直交している。又、前記直線と前記ポール7の軸心との間の水平距離は既知であり、前記プリズム12の光学中心と前記ポール7の下端迄の垂直距離は既知である。即ち、前記プリズム12の光学中心に対する前記ポール7の下端(測定点54)の位置は既知となっている。
【0081】
第2の実施例では、前記ポール7の下端を前記測定点54上に合わせた状態で、前記反射面61a,61bを測量装置2(
図1参照)の方に向け、プリズム測量を開始する。
【0082】
第2測距光38で前記反射面61a,61bを走査して点群データを取得する。該反射面61a,61bの測定結果及びエッジから、第2演算制御部52(
図3参照)により前記反射面61a,61bの外形形状と各エッジで形成される平面の向き(前後方向の倒れ角と前記ポール7の軸心を中心とした回転角)が演算される。又、前記第2演算制御部52は、演算された前記平面の向きから、
図9(A)に示される様な、該平面と直交する前記反射面61a,61bの法線ベクトル63a,63bを演算する。
【0083】
尚、第2の実施例では、前記稜線62が第1の実施例に於ける傾斜検出パターン11と同等の機能を有している。
【0084】
前記第2演算制御部52が前記法線ベクトル63a,63bを平均化することで、
図9(B)に示される様な、前記ポール7の軸心と直交し、前記稜線62と直交する前記ターゲット板59の平均法線ベクトル63cを演算することができる。
【0085】
又、前記第2演算制御部52は、前記反射面61a,61bを走査した際に検出したエッジから、
図9(C)に示される様な、前記稜線62に沿った稜線ベクトル64を演算することができる。該稜線ベクトル64は、前記平均法線ベクトル63cと直交し、前記ポール7の軸心に対して直角である。
【0086】
前記平均法線ベクトル63c、前記稜線ベクトル64が演算されると、前記第2演算制御部52は、前記平均法線ベクトル63c、前記稜線ベクトル64とそれぞれ直交し、前記プリズム12の光学中心を通る測定点方向ベクトル65を演算する。
【0087】
該測定点方向ベクトル65は前記ポール7の軸心と平行であり、該ポール7の前後左右の傾斜角情報を含んでいる。更に、前記測定点方向ベクトル65と前記ポール7の軸心7との間の水平距離、前記プリズム12の光学中心から前記測定点54迄の垂直距離はそれぞれ既知である。従って、前記第2演算制御部52は、前記プリズム12の3次元座標と、前記測定点方向ベクトル65と、既知の水平距離、垂直距離に基づき、前記測定点54の3次元座標を演算することができる。
【0088】
第2の実施例に於いても、前記反射面61a,61bの点群データに基づき、前記平均法線ベクトル63c、前記稜線ベクトル64、前記測定点方向ベクトル65が演算され、前記プリズム12の3次元座標と前記測定点方向ベクトル65等に基づき前記測定点54の3次元座標が演算できるので、前記ターゲット装置3を鉛直に整準する必要がなく、作業時間の短縮、作業性の向上を図ることができる。
【0089】
尚、第2の実施例では、前記稜線62と前記ポール7の軸心とが直角となる様、前記ターゲット板59を前記ポール7に取付けているが、前記稜線62と前記ポール7の軸心とが平行になる様、前記ターゲット板59を前記ポール7に取付けてもよい。
【0090】
この場合、前記稜線62の前後左右の傾斜角は、前記ポール7の前後左右の傾斜角と一致するので、前記稜線ベクトル64を前記測定点方向ベクトル65として演算することができる。
【0091】
次に、
図11に於いて、本発明の第3の実施例について説明する。尚、
図11中、
図5〜
図7中と同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0092】
第3の実施例では、ターゲット装置3は、ポール7と、該ポール7の上端に設けられた4枚のターゲット板66a〜66dと、該ターゲット板66a〜66dの上端に設けられた全周プリズム67とから構成されている。前記ターゲット板66a〜66dは、前記ポール7の軸心と平行に、又該ポール7を中心に放射状に配置され、等角度間隔(90°)で設けられている。
【0093】
前記ターゲット板66a〜66dは、上下方向に長い板状の部材であり、両面にそれぞれ反射面68a〜68hが形成されている。尚、
図11中では、反射面68a,68bのみ図示している。
【0094】
又、隣接する前記反射面68a,68bにより稜線69aが形成され、前記反射面68c,68dにより稜線69bが形成され、前記反射面68e,68fにより稜線69cが形成され、前記反射面68g,68hにより稜線69dが形成されている。尚、
図11中では稜線69aのみ図示している。前記稜線69a〜69dは、それぞれ前記ポール7の軸心と平行であり、各稜線69a〜69dと前記ポール7の軸心間の距離はそれぞれ既知となっている。
【0095】
前記全周プリズム67は、光学中心が前記ポール7の軸心上に位置し、前記全周プリズム67の光学中心から前記ポール7の下端迄の距離は既知となっている。
【0096】
第3の実施例では、前記ポール7の下端と測定点54とを一致させ、前記反射面68a〜68hのうち、2つの反射面(反射面68a,68b)が測量装置2(
図1参照)を向く様に前記ターゲット装置3を前記測定点54上に設置する。
【0097】
第2演算制御部52(
図3参照)は、第2測距光38(
図2参照)で前記反射面68a,68bを走査し、該反射面68a,68bの点群データを取得する。前記第2演算制御部52は、前記反射面68a,68bの点群データに基づき、該反射面68a,68bの外形形状と各エッジで形成される平面を検出し、該平面の向き、傾きから測定点方向ベクトル71を演算する。第3の実施例では、該測定点方向ベクトル71は各稜線69a〜69dと平行となる。
【0098】
最後に、前記第2演算制御部52は、前記全周プリズム67の光学中心の3次元座標と、前記測定点方向ベクトル71と、前記稜線69aと前記ポール7の軸心間の距離と、前記全周プリズム67の光学中心と前記ポール7の下端迄の距離とに基づき、前記測定点54の3次元座標を演算する。
【0099】
第3の実施例では、前記測定点方向ベクトル71が前記ポール7の軸心と平行であり、且つ前記測定点方向ベクトル71と前記ポール7の軸心間の距離も既知であるので、前記反射面68a,68bの法線ベクトルや前記ポール7の左右方向の傾斜を示す傾斜方向ベクトルを演算する必要がない。
【0100】
従って、前記測定点方向ベクトル71のみ演算すればよいので、演算負担が軽減され、処理時間の短縮を図ることができる。
【0101】
又、前記ターゲット板66a〜66dは前記ポール7に放射状に90°間隔で4枚設けられ、各ターゲット板66a〜66dの両面にそれぞれ前記反射面68a〜68hが形成されると共に、前記ターゲット板66a〜66dの上端に前記全周プリズム67が設けられる構成となっている。従って、360°どの方向からでも前記ターゲット装置3のプリズム測量が可能となり、作業性を向上させることができる。
【0102】
尚、第3の実施例では、ターゲット板66を90°間隔で4枚設けているが、該ターゲット板66は4枚に限られるものではない。例えば、該ターゲット板66を120°間隔で3枚設けてもよく、72°間隔で5枚設けてもよい。
【0103】
又、前記ターゲット板66a〜66dを前記ポール7の周面に設け、該ポール7の上端に前記全周プリズム67を設ける構成としてもよい。この場合、隣接する反射面の延長線が前記ポール7の軸心で交差する様、前記ターゲット板66a〜66dが配設される。
【0104】
次に、
図12〜
図15に於いて、本発明の第4の実施例について説明する。尚、
図12〜
図15中、
図5〜
図7中と同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0105】
第4の実施例に於けるターゲット板59は、第2の実施例のターゲット板59と同形状となっている。
【0106】
又、第4の実施例では、第1測距光軸24(
図1参照)と第2測距光軸40(
図1参照)とが、水平方向に距離dだけオフセットされている。尚、前記第1測距光軸24と前記第2測距光軸40のオフセットは、第2測量部6(
図2参照)を鉛直線15(
図2参照)から水平方向にオフセットした位置に設けることで行ってもよい。又、前記第2測量部6を托架部19(
図2参照)に対して回転可能とし、距離dを調整可能としてもよい。
【0107】
前記第1測距光軸24と前記第2測距光軸40とをオフセットすることで、第1測量部5(
図2参照)からの第1測距光と、第2測量部(
図2参照)からの第2測距光38が同時に照射できるので、前記第1測量部5による測量と前記第2測量部6による測量とを並行して行うことができる。
【0108】
第4の実施例では、前記第1測量部5がプリズム12をロックし、該プリズム12を追尾した状態で、
図12に示される様に、前記第2測量部6が第2測距光38を鉛直方向に走査する。
【0109】
該第2測距光38の走査により、反射面61a,61b上の1列の点群データが取得される。該点群データに基づき、第2演算制御部52(
図3参照)は、
図13に示される様に、前記反射面61a,61bのエッジ、即ち前記反射面61aの上端である第1エッジ72、稜線62上である第2エッジ73、前記反射面61bの下端である第3エッジ74をそれぞれ検出する。又、前記第2演算制御部52は、前記プリズム12の光学中心と前記第1エッジ72と前記第2エッジ73とで形成された面を前記反射面61aとして検出し、前記プリズム12の光学中心と前記第2エッジ73と前記第3エッジ74とで形成された面を前記反射面61bとして検出する。
【0110】
次に、前記第2演算制御部52は、検出した前記反射面61a,61bについて、
図14(A)に示される様に、それぞれ法線ベクトル75a,75bを演算すると共に、該法線ベクトル75a,75bを平均化し、
図14(B)に示される様な平均法線ベクトル75cを演算する。
【0111】
又、前記第2演算制御部52は、前記プリズム12の光学中心と前記第2エッジ73とを結んだ線を前記稜線62として検出し、該稜線62に基づき稜線ベクトル76を演算する。
【0112】
最後に、前記第2演算制御部52は、
図15に示される様に、前記平均法線ベクトル75cと前記稜線ベクトル76にそれぞれ直交し、前記プリズム12の光学中心を通る測定点方向ベクトル77を演算し、前記プリズム12の光学中心の3次元座標と、前記測定点方向ベクトル77と、前記プリズム12の光学中心と前記ポール7の下端との既知の位置関係に基づき、前記測定点54の3次元座標を演算する。
【0113】
第4の実施例では、前記第1測距光軸24と前記第2測距光軸40とが水平方向にオフセットされ、前記第1測量部5による前記プリズム12の追尾及び測量と、前記第2測量部6による前記測定点54の3次元座標の演算とを並行して行うことができる。
【0114】
従って、前記第2測量部6によりレーザスキャンを行なう毎に、追尾を停止、再開を行う必要がなく、作業時間の短縮、作業性の向上を図ることができる。
【0115】
次に、
図16に於いて、本発明の第5の実施例について説明する。尚、
図16中、
図11中と同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0116】
ターゲット装置3は、ポール7(図示せず)に等角度間隔で所定枚数、例えば120°間隔で3枚のターゲット板66a〜66cが設けられ、該ターゲット板66a〜66cの上端に全周プリズム67が設けられると共に、前記ポール7の下端に光波距離計78が設けられている。
【0117】
前記ターゲット板66a〜66cは、両面にそれぞれ反射面68a〜68f(
図16中では反射面68a,68bのみ図示)が形成されている。隣接する該反射面68a,68bで稜線69aが形成され、前記反射面68c,68dで稜線69bが形成され、前記反射面68e,68fで稜線69cが形成される。前記稜線69a〜69c(
図16中では稜線69aのみ図示)は、前記ポール7の軸心と平行であり、両者の間の距離はそれぞれ既知となっている。
【0118】
又、前記全周プリズム67の光学中心は、前記ポール7の軸心上に位置している。前記光波距離計78より射出されるポインタ光79の光軸は、前記ポール7の軸心と一致又は既知の関係であり、前記全周プリズム67の光学中心から前記光波距離計78の測定基準位置迄の距離は既知となっている。
【0119】
測定点54の測定を行なう際には、前記光波距離計78から前記ポインタ光79を射出し、該ポインタ光79を前記測定点54へと合わせる。又、第2演算制御部52(
図3参照)は、第3の実施例と同様の方法により測定点方向ベクトル71を演算し、前記全周プリズム67の3次元座標と、前記測定点方向ベクトル71と、該測定点方向ベクトル71と前記ポール7の軸心間の距離と、前記全周プリズム67と前記光波距離計78との距離と、該光波距離計78の測距結果に基づき、前記測定点54の3次元座標を演算する。
【0120】
第5の実施例では、前記ポインタ光79を前記測定点54に向って照射するだけで、前記全周プリズム67の光学中心と前記測定点54迄の距離が測定できる。従って、前記測量装置2で測定した前記全周プリズム67の光学中心の3次元座標と、前記ポール7の傾斜に基づき、前記測定点54の3次元座標を演算することができる。従って、前記ポール7の下端を前記測定点54に接触させる必要がなく、前記ポール7が届かない位置にある前記測定点54に対してもプリズム測量を行うことができる。
【0121】
尚、第5の実施例は、第3の実施例のターゲット装置3に前記光波距離計78を適用した構成となっているが、第1の実施例、第2の実施例、第4の実施例に対しても同様に適用可能であることは言う迄もない。
【0122】
次に、
図17に於いて、本発明の第6の実施例について説明する。尚、
図17中、
図11中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0123】
第6の実施例では、第2測量部6(
図2参照)は、望遠鏡部22(
図2参照)に直接取付けられ、前記第2測量部6は第2測距光38を水平方向に回転照射可能な1軸のレーザスキャナとなっている。前記望遠鏡部22の鉛直回転と、前記走査鏡34の水平回転の協働により、2次元の走査が可能となり、測定対象物の3次元座標を測定可能となっている。
【0124】
ターゲット装置3の構成については、ターゲット板66a〜66cが放射状に120°間隔で3枚設けられていること以外は、第3の実施例のターゲット装置3と同様であるので説明を省略する。
【0125】
測定点54の測定を行なう際には、第1測量部5(
図2参照)による全周プリズム67の追尾を停止した後、走査モータ35により前記走査鏡34を水平回転させると共に、鉛直回転駆動部27(
図2参照)により前記望遠鏡部22を鉛直回転させ、反射面68a,68bの全域を前記第2測距光38で走査する。
【0126】
得られた点群データに基づき、前記反射面68a,68bの外形形状及び検出されたエッジで形成される平面を演算し、測定点方向ベクトル71を演算し、前記全周プリズム67の3次元座標と、該全周プリズム67とポール7の下端との既知の位置関係から、前記ターゲット装置3の傾斜に拘わらず前記測定点54の3次元座標を演算することができる。
【0127】
尚、第6の実施例に於ける前記第2測量部6の構成は、第1の実施例、第2の実施例、第4の実施例、第5の実施例のターゲット装置3に対しても適用可能であることは言う迄もない。