特許第6982428号(P6982428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982428
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】圧縮収納具
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/22 20060101AFI20211206BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20211206BHJP
   B65D 30/24 20060101ALI20211206BHJP
   B65D 85/18 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B65D30/22 N
   B65D33/25 A
   B65D30/24 S
   B65D85/18
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-144540(P2017-144540)
(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公開番号】特開2019-26289(P2019-26289A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】大串 修二
(72)【発明者】
【氏名】磯川 由美
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−206106(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3177982(JP,U)
【文献】 実開昭60−139730(JP,U)
【文献】 実開平05−026886(JP,U)
【文献】 特開2017−088244(JP,A)
【文献】 特開2010−076817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/22
B65D 33/25
B65D 30/24
B65D 85/07
B65D 85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結した第1の袋体及び第2の袋体を有し、これらの袋体に収納物を収納して密閉し、排気手段から前記袋体内の空気を排気して前記収納物を圧縮する圧縮収納具であって、
前記第1、第2の袋体は、それぞれ外側に配置した外側シート部と内側に配置した内側シート部とを、重ね合わせて貼り合わせたものであり、
前記外側シート部の縦幅は、前記内側シート部の縦幅より若干長く、
対向する前記第1、第2の袋体の前記内側シート部の上端同士は、連続しており、
前記外側シート部の上縁であって前記第1、第2の袋体の境界部に、前記収納物を出し入れする収納口が配置されていることを特徴とする圧縮収納具。
【請求項2】
前記収納物は前記第1、第2の袋体に対して、片側ずつ収納することができる大型の収容物であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮収納具。
【請求項3】
前記大型の収容物は布団であることを特徴とする請求項に記載の圧縮収納具。
【請求項4】
前記第1、第2の袋体は、合成樹脂シートから構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の圧縮収納具。
【請求項5】
前記第1、第2の袋体は、同一の大きさであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の圧縮収納具。
【請求項6】
前記収納口の内面側に密閉用ファスナが取り付けられており、
該密閉用ファスナは対向したレール状の1列又は複数列の凸条部及び凹条部を有し、
前記凸条部及び前記凹条部を嵌合することで、前記収納口を完全密閉することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つの請求項に記載の圧縮収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体内の空気を排出して布団・衣類等を圧縮した状態で収納する圧縮収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
布団・衣類等を収納するに際して、軟質の合成樹脂製シート製の袋体内に、布団・衣類等を収納して収納口を閉じて、袋体内の空気を排出することにより、布団・衣類等を圧縮した状態で収納するようにした圧縮収納袋が広く使用されている。
【0003】
特許文献1の圧縮収納袋には、袋体の収納口にファスナ構造による密閉手段が設けられており、収納口から収納する布団・衣類を袋体内に収納してから、密閉手段により袋体内を密封する。その後に、掃除機の吸引ノズルを袋体の排気弁機構に接続して、袋体内部の空気を排出し袋体の容積を小さくする。
【0004】
また、特許文献2には長方形の袋体の長辺側に収納口を設けた圧縮収納袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−166596号公報
【特許文献2】特開2009−23700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に代表されるこの種の圧縮収納袋では、長方形の袋体の短辺側に設けた収納口から布団等の収納物を収納するには、例えば袋体内の奥まで布団を押し込むことに手間を要するという問題がある。この場合、袋体内に奥行きがあるため手が届き難く、布団が皺になったり、偏在してしまうこともある。
【0007】
更に、複数個の衣類等を袋体に、例えば2段に分けて収納する場合には、奥側の衣類を入れる際に衣類が崩れたりして収納し難く、また奥の衣類のみを取り出したい場合には、手前側の衣類を全部取り出す必要がある。
【0008】
また、特許文献2に代表される圧縮収納袋の場合には、密閉する個所が長いため、密閉作業に手間が掛かるという問題がある。更には、圧縮後の圧縮収納袋を二つ折りにすると、二つ折りにした収納口から空気が浸入する虞れがあるので、二つ折りにしてコンパクト化することができない。
【0009】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、収納物を簡便に出し入れできる圧縮収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る圧縮収納具は、連結した第1の袋体及び第2の袋体を有し、これらの袋体に収納物を収納して密閉し、排気手段から前記袋体内の空気を排気して前記収納物を圧縮する圧縮収納具であって、前記第1、第2の袋体は、それぞれ外側に配置した外側シート部と内側に配置した内側シート部とを、重ね合わせて貼り合わせたものであり、前記外側シート部の縦幅は、前記内側シート部の縦幅より若干長く、対向する前記第1、第2の袋体の前記内側シート部の上端同士は、連続しており、前記外側シート部の上縁であって前記第1、第2の袋体の境界部に、前記収納物を出し入れする収納口が配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る圧縮収納具によれば、収納口を第1、第2の袋体の中間に設けているので、大型の収納物であっても収納し易くなる。また、衣類等の収納物を第1、第2の袋体に別個に出し入れできるので操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】圧縮収納具の斜視図である。
図2】断面図である。
図3】密封用ファスナの断面図である。
図4】密封用ファスナを閉止した状態の断面図である。
図5】第1、第2の袋体を平面状に拡げた状態の斜視図である。
図6】収納物の一方側を第2の袋体内に挿入した状態の断面図である。
図7】収納物を収納し、収納口を密閉した状態の斜視図である。
図8】排気後に、第1、第2の袋体を重ね合わせた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の圧縮収納具の斜視図、図2は断面図である。圧縮収納具は第1の袋体1と、第2の袋体2とを連結したものであり、これらの同一の大きさである第1、第2の袋体1、2の間に収納口3が配置されている。
【0014】
第1、第2の袋体1、2は軟質の合成樹脂シートから構成され、第1、第2の袋体1、2は透明、又は有色透明な合成樹脂シートを用いることができる。
【0015】
圧縮収納具の大きさは、収納口3の密閉用ファスナ4と平行である横幅が100cm程度、収納口3の密閉用ファスナ4と垂直方向である縦幅50cm程度である。なお、圧縮収納具の大きさは、収納する収納物の大きさに応じて適宜のサイズのものを採用することができる。
【0016】
第1、第2の袋体1、2は、外側に配置した外側シート部1a、2a及び内側に配置した内側シート部1b、2bとの2枚の合成樹脂シートをそれぞれ重ね合わせて貼り合わせた構造とされている。外側シート部1a、2aの側辺部及び下辺部と、内側シート部1b、2bの側辺部及び下辺部とは、熱溶着等で貼り合わせて接合縁部1c、2cが形成されている。
【0017】
なお、外側シート部1a、2aの縦幅は、内側シート部1b、2bの縦幅より若干長いので、外側シート部1a、2aの上縁部1d、2dには、接合縁部1c、2cが形成されていない。
【0018】
第1、第2の袋体1、2の境界部、つまり外側シート部1a、2aの上縁部1d、2d同士の間に収納口3が形成されており、この収納口3の内面側に密閉用ファスナ4が取り付けられている。
【0019】
収納口3の両端には、外側シート部1aの上縁部1dの両端と外側シート部2aの上縁部2dの両端とを貼り合わせた収納口縁部3aが設けられており、これらの収納口縁部3aの下端と、接合縁部1c、2cの上端とが連結している。そして、この連結部は側面から見ると逆Y字形状で連結されている。
【0020】
また、両端に収納口縁部3aを有する収納口3を別体で作成し、同じ縦幅の外側シート部1a、2aと内側シート部1b、2bとを貼り合わせた第1、第2の袋体1、2を用意し、収納口縁部3aと接合縁部1c、2cとを上述のように逆Y字状で連結して製造することもできる。
【0021】
対向する内側シート部1b、2bの上端同士は連続されており、後述する収納物を本実施例の圧縮収納具に収納した際には、内側シート部1b、2bは平面状となる。
【0022】
密閉用ファスナ4は帯状の軟質合成樹脂材から成り、図3に示すように凸条部4aと凹条部4bがレール状に2列に2組設けられている。なお、凸条部4aと凹条部4bは2組以上を配置することが好ましいが、1組であっても支障はない。
【0023】
上縁部1dの内側には、密閉用ファスナ4の凸条部4aと凹条部4bとが設けられ、これらに対向して上縁部2dの内側には、密閉用ファスナ4の凹条部4bと凸条部4aとが設けられている。
【0024】
また、上縁部1dの凸条部4a及び凹条部4bと、上縁部2dの凸条部4a及び凹条部4bには、異なる色から成る有色透明の材料を採用することもできる。このようにすることで、図4に示すように、密閉用ファスナ4の凸条部4aと凹条部4b同士を嵌合することにより、閉止した際に上縁部1dの凸条部4aの色が透過して上縁部2dの外側から目視することができる。
【0025】
凸条部4aと凹条部4bとが嵌合していない場合は、上縁部1dの凸条部4aの色を上縁部2dの外側から確認することができないので、密封状態でないことを容易に把握することができる。
【0026】
外側シート部1aの略中央には、硬質の合成樹脂から成る公知の排気手段である排気弁5が取り付けられており、排気弁5内には図示しない合成ゴム等からなる逆止弁を有している。そして、空気が外部から排気弁5を介して内部へ逆流することはない構造とされている。
【0027】
この排気弁5に掃除機の吸引ノズルを接合して、掃除機を起動することで圧縮収納具内の空気を外部に排出することが可能である。また、外側シート部2aにも排気弁5を配置して、複数の排気弁5を設けるようにしてもよい。
【0028】
更には、排気弁5に代えて、第1、第2の袋体1、2の接合縁部1c、2cの下辺部側に1又は複数の逆止弁から成る排気手段を設けてもよい。公知の平面状の逆止弁を設けることで、上述のように掃除機を使用せずに手による押圧で圧縮収納具内の空気を外部に排出することが可能である。
【0029】
圧縮収納具内に収納物として、例えば大型の収納物である布団Fを収納する際には、図5に示すように、先ず、第1、第2の袋体1、2の内側シート部1b、2bを平面状にして、収納口3を開口状態にする。
【0030】
続いて、図6の側面図に示すように、布団Fの一方側を開口状態の収納口3から第2の袋体2内に挿入する。挿入の際は、布団Fによって内側シート部2bと外側シート部2aとを離間させながら、布団Fの一方側を第2の袋体2の先端に押し込むようにして、第2の袋体2内に収納させる。
【0031】
同様に、布団Fの他方側を第1の袋体1内に挿入して、布団F全体を圧縮収納具内に収納する。そして、密閉用ファスナ4の凸条部4aと凹条部4bとを嵌合させて、図7の斜視図に示すように収納口3を完全密封する。
【0032】
収納口3を完全密封した後に、掃除機の吸引ノズルを排気弁5に接続し、掃除機を駆動させる。これにより、第1、第2の袋体1、2内の空気及び収納物内の空気は外部に排気され、圧縮収納具の内部は減圧され、内側シート部2bと外側シート部2aとの間に収まった布団Fは圧縮され、容積が小さくなる。
【0033】
そして、排気により厚さが薄くなった第1、第2の袋体1、2を、図8に示すように、密閉用ファスナ4を境界として、第1、第2の袋体1、2とを二つ折りにして、押入等に収納することができる。
【0034】
本実施例の圧縮収納具は、収納口3が第1、第2の袋体1、2の中間にあるため、内部を排気すると自然に二つ折りにすることができ、コンパクト化して収納することが可能である。或いは、二つ折りにした圧縮収納具の収納口3を、ピンチ付きのハンガー等のピンチで挟んで吊り下げるようにして、収納することもできる。
【0035】
圧縮収納具内に圧縮収納した収納物を取り出す際には、密閉用ファスナ4の凸条部4aと凹条部4b同士の嵌合を手で外して解除することで、第1、第2の袋体1、2内に空気を入れて膨らませて、収納物を取り出すことができる。
【0036】
また、衣類等の小型の収納物を収納する場合においては、第1、第2の袋体1、2内に分けて収納することができる。従来の圧縮収納袋のように先端に押し込んで圧縮した衣類を取り出す場合には、一旦、手前側の衣類を取り出す必要があったが、本実施例の圧縮収納具は、出し入れすべき衣類だけを第1の袋体1又は第2の袋体2から出し入れすればよいので、上述のような不必要な衣類まで出し入れをする必要はない。
【0037】
このように実施例の圧縮収納具では、収納口3を第1、第2の袋体1、2の境界部に設けているので、布団F等の大型の収納物に対しては、片側ずつ収納することができるので、布団先端を圧縮収納袋の奥まで挿入する必要がなく、出し入れがし易い。また、衣類等の小型の収納物を収納する場合には、収納物を第1、第2の袋体1、2に、別個に出し入れできるので操作性が良い。
【符号の説明】
【0038】
1 第1の袋体
2 第2の袋体
1a、2a 外側シート部
1b、2b 内側シート部
1c、2c 接合縁部
1d、2d 上縁部
3 収納口
3a 収納口縁部
4 密閉用ファスナ
4a 凸条部
4b 凹条部
5 排気弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8