(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、波浪が極度に大きい場合、フラップに作用する荷重も大きくなるため、フラップ自体、又はフラップを支持する支持柱が損傷する可能性がある。その一方で、バネとダンパによりフラップを支持してフラップに作用する荷重や振動を抑制すると、フラップの固有振動数が低下して、波浪の周期によっては共振する可能性が有る。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フラップや支持柱の損傷を抑制して信頼性を向上可能な水陸両用車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
この発明の第一の態様によれば、水陸両用車は、車体と、前記車体に対して上縁部が接近離間する方向に揺動可能なように前記車体の進行方向の下部に支持されたフラップと、シリンダ室への作動流体の圧力に応じて伸縮可能な流体アクチュエータを有し、少なくとも長さ方向の第一の端部が前記フラップに接続され、前記流体アクチュエータの伸縮によって前記フラップの揺動角度の調節を行う支持柱と、前記シリンダ室へ前記作動流体を供給する動力源と、前記シリンダ室に連通されて、前記シリンダ室の内部圧力が所定圧力よりも大きくなった場合に開放して前記シリンダ室内の前記作動流体を排出可能な安全弁と、を備え
、前記フラップは、前記車体に支持された第一フラップと、前記第一フラップに支持された第二フラップと、を有し、前記フラップが展開状態にある場合の前記第二フラップと水平面とのなす角度は、前記フラップが展開状態にある場合の前記第一フラップと水平面とのなす角度よりも大きくすることが可能であり、前記支持柱は、前記車体に対する前記第一フラップの揺動角度の調節を行う第一支持柱と、前記第一フラップに対する前記第二フラップの揺動角度の調節を行う第二支持柱と、を含み、前記安全弁は、前記第一支持柱のシリンダ室と前記第二支持柱のシリンダ室とのうち、前記第二支持柱のシリンダ室にのみ連通されている。
【0007】
この構成によれば、フラップに所定の荷重が作用し、流体アクチュエータのシリンダ室の内部圧力が所定圧力よりも大きくなった場合に、作動流体が安全弁を通じて排出される。これにより、流体アクチュエータは、上記の荷重に抗することなく収縮し、フラップの揺動角度が変化する。したがって、フラップに対する荷重が低減され、フラップや支持柱が損傷することを抑制できる。
【0009】
さらに、第二フラップを支持する第二支持柱に安全弁が設けられている。これにより、第二フラップに所定の荷重が作用した際に、第二支持柱のシリンダ室の作動流体が安全弁を通じて排出される。即ち、第二支持柱は、上記の荷重に抗することなく収縮し、第二フラップの揺動角度が調節される。したがって、第二フラップに対する荷重が低減され、第二支持柱が損傷することを抑制できる。
【0012】
この発明の第
二の態様によれば、第
一態様に係る支持柱は、前記フラップからの荷重を受ける弾性部材を備えてもよい。
【0013】
この構成によれば、弾性部材の弾性力によって、フラップを介して支持柱に作用する荷重に抗することができる。したがって、流体アクチュエータのみを設けた場合に比べて、支持柱に加わる衝撃力を弾性部材によって吸収することができる。
【0014】
この発明の第
三の態様によれば、第一
又は第
二態様に係る作動流体は、圧縮性の流体であってもよい。
【0015】
この構成によれば、作動流体が圧縮性の流体であることから、作動流体に圧力が加わった場合に体積変化を生じる。体積変化の量に基づいて、作動流体は反発力を発揮する。言い換えれば、作動流体を弾性体のように作用させることができる。この反発力により、フラップを介して支持柱に作用する荷重に抗することができる。
【0016】
この発明の第
四の態様によれば、第一から第
三の態様の何れか一つの態様に係る水陸両用車において、シリンダ室からの前記作動流体を排出する流路にオリフィス部を備えてもよい。
【0017】
この構成によれば、作動流体を排出する流路上にオリフィス部が設けられていることから、流体に対する流動抵抗に基づいて減衰効果を得ることができる。これにより、フラップが損傷することをさらに抑制できる。より具体的には、フラップが急激に揺動して、他の部材に衝突したり、損傷を与えたりすることをさらに抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
上記水陸両用車によれば、フラップや支持柱の損傷を抑制して信頼性を向上可能な水陸両用車を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第一実施形態]
この発明の第一実施形態における水陸両用車を図面に基づき説明する。この実施形態における水陸両用車100は、水上と陸上とで走行可能な車両である。
図1に示すように、水陸両用車100は、車体1と、フラップ2と、支持柱3と、安全弁5と、を備えている。
【0021】
車体1は、内部に人員や貨物等を搭載可能な箱状をなしており、底面部には陸上走行時に用いられる車輪が設けられている。この車体1の後部には、水上を走行する際に用いられるスクリュー等の推進装置(不図示)が設けられている。なお、車体1の形状はこの実施形態によっては限定されず、舟形等の他の形状をなしていてもよい。
【0022】
水上を走行する際、水陸両用車100は、進行方向前方側からの波浪による抵抗を受ける。この抵抗を低減するために、車体1には、フラップ2が設けられている。フラップ2は、車体1の進行方向の下部である前部底面1Aの位置から斜め上方に向かって延びる展開状態と、車体1に近い側に折りたたまれた格納状態との間で揺動することが可能とされている。通常、フラップ2は、水上を走行する際には展開状態とされる。
図1は、フラップ2が展開状態にある場合を示している。
【0023】
フラップ2は、車体1側に位置する第一フラップ21と、第一フラップ21の前方に設けられた第二フラップ22と、を有している。第一フラップ21は、車体1の前部から前方に向かって延びる板状をなしている。より具体的には、第一フラップ21は、車体1前方の下部に、ヒンジを介して取り付けられ、車体1の幅方向に延びる軸回りに揺動可能とされている。第二フラップ22は、他のヒンジを介して第一フラップ21の車体1とは反対側の端縁21Aに取り付けられている。第二フラップ22も第一フラップ21と同様に、車体1の幅方向に延びる軸回りに揺動可能とされている。
【0024】
上述した展開状態において、第二フラップ22が水平面に対してなす角度は、第一フラップ21が水平面に対してなす角度よりも大きい。言い換えると、展開状態において第二フラップ22は、第一フラップ21よりも垂直に近い姿勢となっている。即ち、第一フラップ21に比べて、第二フラップ22は、前方側からの波浪による荷重を受けやすい。
【0025】
支持柱3は、フラップ2の揺動角度を調節する。この実施形態における水陸両用車100は、第一フラップ21の揺動角度を調節する第一支持柱31と、第二フラップ22の揺動角度を調節する第二支持柱32と、をフラップ2として有している。
第一支持柱31は、第一フラップ21の端縁21A(言い換えれば上縁部)が車体1に対して接近離間する方向に第一フラップ21を揺動させる。この実施形態における第一支持柱31は、その長さ方向の一方側の端部(第一の端部)31aが、車体1の前部壁面1Bに接続され、他方側の端部(第二の端部)31bが、第一フラップ21に接続されている。より詳細には、第一支持柱31の一方側の端部31aは、前部壁面1Bの上下方向における略中央位置に接続され、他方側の端部31bは、第一フラップ21における車体1側を向く面21B上であって車体1とは反対側の端縁21A近傍の位置に接続されている。
【0026】
図2に示すように、第一支持柱31は、第一ロッド部31Aと第一シリンダ部31Bとを備えている。これら第一ロッド部31Aと第一シリンダ部31Bとによって、第一支持柱31の流体アクチュエータが構成されている。第一シリンダ部31Bの内部には、作動流体が流通可能なシリンダ室R1が形成され、第一ロッド部31Aの端部31Aaが挿入されている。この第一シリンダ部31Bのシリンダ室R1内の液圧に応じて第一ロッド部31Aが進退する。つまり、第一支持柱31は、第一シリンダ部31Bに対して第一支持柱31の延びる方向に第一ロッド部31Aが進退することで伸縮するようになっている。ここで、第一支持柱31は、第一フラップ21を格納状態にするときに収縮し、第一フラップ21を展開状態にするときに伸長する。
【0027】
第一シリンダ部31Bは、第一流路F1を介して動力源90Aと接続されている。この動力源90Aからシリンダ室R1に作動流体が供給可能とされている。ここで、作動流体は、油以外であってもよく、例えば空気や窒素ガス等の圧縮性の流体を用いても良い。
【0028】
第二支持柱32は、第二フラップ22を揺動させる。この実施形態で例示する第二支持柱32は、第一フラップ21と第二フラップ22とに接続され、第一フラップ21に対して第二フラップ22を揺動させる。より詳細には、第二支持柱32の一方側の端部32aは、第一フラップ21の車体1側の端縁21C近傍に接続され、第二支持柱32の他方側の端部32bは、第二フラップ22における車体1とは反対側の端縁22A近傍に接続されている。
【0029】
図3に示すように、第二支持柱32は、柱状の第二ロッド部32Aと、第二ロッド部32Aに接続された第二シリンダ部32Bと、を有している。これら第二ロッド部32Aと第二シリンダ部32Bとによって、第二支持柱32の流体アクチュエータが構成されている。第二シリンダ部32Bの内部には作動流体が流通可能なシリンダ室R2が形成されている。シリンダ室R2には、第二ロッド部32Aの端部32Aaが挿入され、シリンダ室R2内の液圧に応じて第二ロッド部32Aが進退する。つまり、第二支持柱32は、第二ロッド部32Aが、第二シリンダ部32Bのシリンダ室R2に対して第二支持柱32の延びる方向に進退することで伸縮するようになっている。ここで、第二支持柱32は、第二フラップ22を格納状態にするときに伸長し、第二フラップ22を展開状態にするときに収縮する。
【0030】
第二シリンダ部32Bは、第二流路F2を介して動力源90Bと接続されている。この動力源90Bからシリンダ室R1に作動流体が供給可能とされている。ここで、作動流体は、油以外であってもよく、例えば空気や窒素ガス等の圧縮性の流体を用いても良い。
【0031】
安全弁5は、シリンダ室R2に連通するように配置され、シリンダ室R2の内部圧力が所定圧力よりも大きくなった場合に開放して、シリンダ室R2内の作動流体をシリンダ室R2の外部に排出する。この実施形態で例示する安全弁5は、第三流路F3を介して動力源90Bに接続され、外部に排出された作動流体が動力源90Bに戻されるようになっている。なお、第三流路F3の接続先は、動力源90に限られない。例えば、大気開放されたドレンタンク等であっても良い。
【0032】
例えば、波浪等によって、第二フラップ22に荷重が掛かると、第二フラップ22によって第二ロッド部32Aが第二シリンダ部32B内に没入する方向に押圧される。すると、シリンダ室R2内の作動流体の圧力が上昇する。この際、シリンダ室R2内の作動流体の圧力が、所定圧力を超えると安全弁5が開放する。つまり、シリンダ室R2内の作動流体が、第三流路F3を通じて動力源90Bに向かって排出される。
【0033】
このように安全弁5が開放することにより、第二シリンダ部32Bのシリンダ室R2内の圧力が上昇しなくなり、第二支持柱32が収縮可能な状態になる。ここで、安全弁5が開放していないとき、シリンダ室R2内の作動流体の圧力は、第二フラップ22や第二支持柱32に掛かる荷重に応じて増減する。上述した安全弁5が作動する「所定圧力」は、第二フラップ22や第二支持柱32に掛かる荷重が、それらの耐荷重を超えないように設定されている。
【0034】
次に、この実施形態における水陸両用車100のフラップ2の動作について説明する。水陸両用車100が水上を走行している際、車体1には前方側からの波浪による抵抗が生じる。このような抵抗を低減するため、上述のようにフラップ2を展開状態とする。フラップ2を展開状態とすることにより、車体1に揚力が生じ、波浪による抵抗が低減される。
【0035】
一方で、前方側からの波浪が極度に大きい場合、フラップ2に大きな荷重が付加されてしまう。特に、最も前方側に位置する第二フラップ22は、第一フラップ21に比べて大きな荷重を受ける。第二フラップ22に大きな荷重が付加された場合、第二フラップ22を支持する第二支持柱32が荷重に耐え切れず、損傷する可能性がある。しかしながら、この実施形態では、上述のように、第二支持柱32のシリンダ室R2が、安全弁5と連通されている。そのため、第二フラップ22が前方からの波浪により荷重を受けて、シリンダ室R2内の圧力が所定の値よりも大きくなろうとした場合、安全弁5が開放して、シリンダ室R2内の圧力が上昇しなくなる。そのため、第二支持柱32は、上記荷重に抗することなく長さ方向に収縮可能な状態になり、第二フラップ22の上側の端縁22Aが車体1に近づく方向に揺動する。
【0036】
したがって、第一実施形態によれば、フラップ2(第二フラップ22)に所定の荷重が作用し、第二支持柱32のシリンダ室R2の内部圧力が所定圧力よりも大きくなった場合に、作動流体が安全弁5を通じて排出される。そのため、第二支持柱32は、上記の荷重に抗することなく収縮し、第二フラップ22の揺動角度が変化する。これにより、第二フラップ22や第二支持柱32に掛かる荷重が低減され、第二フラップ22、及び第二支持柱32が損傷することを抑制できる。その結果、水陸両用車100の信頼性を向上できる。
【0037】
なお、作動流体が空気等の圧縮性の流体である場合、作動流体に圧力が加わった際に作動流体の体積変化を生じる。そのため、作動流体が空気等の圧縮性の流体である場合、この体積変化の量の分だけ、波浪からの衝撃力(荷重)を吸収して、第二フラップ22や第二支持柱32が損傷することを更に抑制できる。
【0038】
以上、この発明の第一実施形態について説明した。なお、この発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、第一支持柱31や第二支持柱32がフラップ2に接続される接続位置や車体1に接続される接続位置は、上記以外の接続位置であっても良い。さらに、第一フラップ21と第二フラップ22を備える場合について説明したが、第二フラップ22に相当する一つのフラップ2を車体1に揺動可能に支持するようにしてもよい。また、第一支持柱31、第二支持柱32、及び車体1等の形状は、図示のものに限られない(以下、第二実施形態以降も同様)。
【0039】
[
参考例]
次に、この発明の
参考例を図面に基づき説明する。なお、第一実施形態と同一部分に同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4に示すように、この
参考例における水陸両用車100では、第二支持柱32に加えて、第一支持柱31にも安全弁5が設けられている。ここでは、第一支持柱31に設けられた安全弁5を第一安全弁51と呼び、第二支持柱32に設けられた安全弁5を第二安全弁52と呼ぶ。
【0040】
第二安全弁52の構成は、上記第一実施形態における安全弁5(
図2参照)と同様である。第一安全弁51は、シリンダ室R1と連通されるとともに、第四流路F4を介して動力源90(具体的には動力源90A)に接続され、第一支持柱31のシリンダ室R1内の作動流体の圧力が所定の値よりも大きくなった場合に開放する。
【0041】
例えば、第一フラップ21に対して波浪等による荷重が作用した場合、第一支持柱31のシリンダ室R1内の作動流体の圧力が上昇する。この作動流体の圧力上昇によりシリンダ室R1内の圧力が所定圧力を超えると安全弁5が開放し、シリンダ室R1内の作動流体が第四流路F4を通じて動力源90Aに排出される。このように第一安全弁51が開放することにより、第一シリンダ部31Bのシリンダ室R1内の圧力は上昇しなくなり、第一支持柱31は、第二支持柱32と同様に、収縮可能な状態になる。なお、上述した第一安全弁51が作動する「所定圧力」は、第一フラップ21や第一支持柱31に掛かる荷重が、それらの耐荷重を超えないように設定されている。
【0042】
この構成によれば、第一支持柱31のシリンダ室R1に第一安全弁51が連通され、第二支持柱32のシリンダ室R2に第二安全弁52が連通されている。これにより、第一フラップ21、又は第二フラップ22に荷重が作用し、作動流体の圧力が上昇してシリンダ室R1,R2内の圧力が所定圧力を超えた際に、第一支持柱31のシリンダ室R1内の作動流体が第一安全弁51を介して排出され、第二支持柱32のシリンダ室R2内の作動流体が第二安全弁52を通じて排出可能な状態になる。これにより、第一支持柱31、又は第二支持柱32は、上記の荷重に抗することなく収縮する。即ち、第一フラップ21、第二フラップ22、第一支持柱31、及び第二支持柱32が損傷することを抑制できる。これにより、信頼性の高い水陸両用車100を提供することができる。
【0044】
[第
二実施形態]
次に、この発明の第
二実施形態を図面に基づき説明する。なお、上記
の実施形態
及び参考例と同一部分に同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、この実施形態では、バネS(弾性部材)が設けられている。このバネSは、例えば、第二ロッド部32Aに対して直列に配置されている。このバネSは、両端部からの荷重によって弾性変形する圧縮コイルばねを用いることができる。なお、
図5は、バネSの作用を示す模式図であって、バネSの配置は
図5の配置に限定されるものではない。例えば、バネSは、第二支持柱32の内部に収容することができる。この実施形態では、作動流体として油等のいわゆる非圧縮性とされる作動流体を用いることも可能である。
【0045】
この構成によれば、第二フラップ22に作用した波浪による荷重が大きくなり安全弁5が作動したとき、バネSが圧縮方向に弾性変形する。すなわち、安全弁5のみを設けた場合に比べて、第二フラップ22に作用した波浪の衝撃力に抗する力をバネSによって付与することができる。そのため、例えば、第二フラップ22の揺動速度を抑えることができる。
【0046】
また、バネSによって第二フラップ22が受ける初期荷重(衝撃力)を吸収できることから、第二支持柱32の作動流体として油等のいわゆる非圧縮性とされる作動流体を用いることが可能となる。これにより、第二支持柱32を、より小さなエネルギーで伸縮させることができる。なお、バネSのバネ定数は、第二フラップ22が荷重を受けた場合に、第二支持柱32の収縮よりも早く、かつ容易に弾性変形する程度に設定することが望ましい。
【0047】
以上、この発明の第
二実施形態について説明した。なお、この発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記第
二実施形態では、第二支持柱32にのみバネSを設けた構成について説明したが、バネSは第一支持柱31にも設けてよい。また、バネSは、圧縮変形可能な部材であればよく、コイルばねに限られない。
【0048】
(第
二実施形態の変形例)
さらに、上述したバネSに対して、減衰力を発揮するダンパ(図示せず)を並列に設けることも可能である。ダンパは、バネSの内周側に収容する構成としても良い。また、ダンパは、バネSと同様に第二支持柱32の内部に収容するようにしても良い。ダンパは、荷重を受けた場合に、当該荷重による第二フラップ22の変位速度(揺動の速度)に比例した減衰力を発揮する。このような構成によれば、ダンパの減衰力によって、第二フラップ22の揺動速度を速やかに低減できる。即ち、波浪による荷重がインパルス状のスパイクを伴って急峻に変化する場合であっても、第二フラップ22の急激な揺動を抑制できる。これにより、大きな荷重が繰り返して第二フラップ22に付加された場合であっても、第二フラップ22、第二支持柱32に疲労破壊等が生じることを回避できる。
【0049】
[第
三実施形態]
次に、この発明の第
三実施形態について、
図6を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同一部分に同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態では、
安全弁5と動力源90とを接続する第三流路F3上に、オリフィス部6が設けられている。オリフィス部6は、第三流路F3における他の部分よりも流路径が相対的に小さく設定された狭隘部である。
【0050】
オリフィス部6を通過する作動流体には、他の部分を通過する作動流体に比べてより大きな流動抵抗が生じる。このオリフィス部6による流動抵抗により、第三流路F3中において作動流体の流量が急上昇することを抑制できる。言い換えれば、作動流体の流動が減衰される。そのため、例えば、
安全弁5が開放した場合、第二シリンダ部32Bのシリンダ室R2内の圧力の低下が緩やかになる。これにより、第二フラップ22が必要以上に揺動してしまうことを抑制できる。
【0051】
この構成によれば、作動流体が流れる第三流路F3上にオリフィス部6が設けられていることで、作動流体に対して大きな流動抵抗を付与することができる。これにより、
安全弁5が開放した反動で第二フラップ22や第二支持柱32が破損することを抑制できる。
【0052】
以上、この発明の第
三実施形態について説明した。なお、この発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記第
三実施形態では、第三流路F3にのみオリフィス部6を設けた構成について説明した。しかしながら、オリフィス部6は、
参考例の第四流路F4(
図4参照)にも設けることが可能である。また、第
二実施形態のバネSと組み合わせて用いても良い。バネSを組み合わせた場合、オリフィス部6の減衰力によりバネSの振動を減衰させることができる。