(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aにおいては、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図1参照)を備えている。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0029】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0030】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0031】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0032】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0033】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0034】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0035】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0036】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0037】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0038】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0039】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0040】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0041】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0042】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0043】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0044】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0045】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0046】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0047】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0048】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0049】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0050】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0051】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0052】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0053】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0054】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0055】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0056】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0057】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0058】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0059】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0060】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0061】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が1000〜1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜999、1220〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
【0062】
また、
図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が1000〜2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜999、2120〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0063】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000〜1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000〜2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0064】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0065】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0066】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜29であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が30〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は15%、特別図柄X2が決定される確率は85%となっている。
【0067】
また、
図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率、及び、特別図柄X2が決定される確率はいずれも50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0068】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0069】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0070】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図7(a)〜(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明する。
【0071】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0072】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図7(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0〜3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図7(c)参照)。
【0073】
そして、
図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0〜299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、
図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0074】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0075】
なお、後述する如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、非時短遊技状態中に第1特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数について大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理が実行される。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時においてグループ種別、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するとともに、上述の事前判定処理においても、上述のリーチグループ決定乱数判定テーブル112に基づいてグループ種別を決定し、さらに、後述の変動モード番号及び変動パターン番号を決定する。
ここで、グループ種別の決定を行うにあたっては、この決定を行う時点の保留数に応じたリーチグループ決定乱数判定テーブル112、すなわち、第1判定テーブル112a又は第2判定テーブル112bのいずれかが参照されるようになっているが、本形態における第1判定テーブル112a及び第2判定テーブル112bはいずれも、リーチグループ決定乱数が0〜8999の場合に、第1グループ又は第2グループのいずれかが決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006の場合に、第4グループ又は第5グループのいずれかが決定されるように、設定されている(
図7(a)及び(b)参照)。
したがって、変動開始時の保留数と、上述の事前判定処理を実行する際の保留数とが異なっていたとしても、上述の事前判定処理において第1グループ又は第2グループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においても、第1グループ又は第2グループのいずれかのグループ種別が決定される。また、上述の事前判定処理において第4グループ又は第5グループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時において、事前判定処理で決定されたグループ種別と同一のグループ種別が決定される。そして、後述するように、各グループに変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が対応付けられているため、事前判定処理において第4グループ又は第5グループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、事前判定処理時及び変動開始時のいずれの時点でも、同一の変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。
【0076】
本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態中に第1特図乱数が記憶されると上述の事前判定処理が実行されるようになっているが、これに限定されるものではなく、非時短遊技状態中に第2特図乱数が記憶された場合や、時短遊技状態中に第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶された場合にも、同様の事前判定処理を実行して、変動開始前に大当たりの抽選に関する各種判定を行ってもよい。
【0077】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0078】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図8(a)〜(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
【0079】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0080】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(
図8(a)〜(e)参照)。
【0081】
そして、
図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、
図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、
図8(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0〜1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800〜2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
【0082】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)及び(b)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、時短遊技状態において特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gが設けられている。
【0083】
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの当選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0084】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
【0085】
そして、
図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0〜199であった場合に、「01H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜1299であった場合に、「A2H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300〜2038であった場合に、「A3H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、
図9(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0〜699であった場合に、「A2H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が700〜1399であった場合に、「A3H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択され、リーチモード決定乱数が1400〜2038であった場合に、「04H」の変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114iが選択される。
【0086】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの当選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0087】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図10(a)〜(i)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g、第32変動テーブル114h及び第33変動テーブル114iについて説明する。
【0088】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
【0089】
また、
図10(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0〜89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90〜249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図10参照)。
【0090】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0091】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0092】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図11(a)及び(b)参照)。
【0093】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0094】
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「07H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「30秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「07H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「90秒(=30秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
【0095】
なお、
図11(a)に示すように、「00H」又は「04H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(
図8及び
図9参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
【0096】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0097】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図12(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0098】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0099】
特別図柄X2が決定されると、
図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X2が決定された場合よりも、特別図柄X1が決定された場合の方が多い。
【0100】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13に示すように、特別図柄X1及び特別図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
【0101】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0102】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0103】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0104】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0105】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0106】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0107】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0108】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0109】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0110】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0111】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0112】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0113】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0114】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0115】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0116】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0117】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0118】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0119】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0120】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0121】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0122】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0123】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0124】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0125】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0126】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ510に進む。
【0127】
ステップ510において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が保留として記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0128】
次に、上述したステップ510の事前判定処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ550において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと、上述のステップ503で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ551に進む。
【0129】
ステップ551において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上述のステップ550における判定の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ504で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。一方、上述のステップ550における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はY1(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ552に進む。
【0130】
ステップ552において、メインCPU101は、上述のステップ551で判定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ555に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ553に進む。
ステップ553において、メインCPU101は、上述のステップ552で判定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ554に進む。
【0131】
ステップ554において、メインCPU101は、上述のステップ553で確認した大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ559に進む。
また、上述のステップ552で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ555において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数)を確認する。そして、次のステップ556に進む。
【0132】
ステップ556において、メインCPU101は、上述のステップ555で確認した現時点の遊技状態、保留数、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別(すなわち、第1始動入賞口15)に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ557に進む。
ステップ557において、メインCPU101は、上述のステップ505で第1保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ556で取得されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ558に進む。
【0133】
ステップ558において、メインCPU101は、上述のステップ557で判定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ559に進む。
ステップ559において、メインCPU101は、上述のステップ554で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ558で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ506で第1保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を判定する変動モード番号判定処理を実行する。そして、次のステップ560に進む。
【0134】
ステップ560において、メインCPU101は、上述のステップ559で判定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ561に進む。
ステップ561において、メインCPU101は、上述のステップ560で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ507で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を判定する変動パターン番号判定処理を実行する。そして、次のステップ562に進む。
【0135】
ステップ562において、メインCPU101は、上述のステップ550で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、上述のステップ551で判定された特別図柄の種別、上述のステップ559で判定された変動モード番号、及び、上述のステップ561で判定された変動パターン番号に対応する事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pは事前判定コマンドテーブルを有しており、この事前判定コマンドテーブルには、上述の判定結果(大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号)に対応付けられて事前判定コマンドが定められている。そして、メインCPU101は、この事前判定コマンドテーブルを参照して上述の判定結果に対応する事前判定コマンドを取得できるようになっている。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、新たに記憶された第1特図乱数(保留)について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号が、事前判定コマンドによって、当該保留が記憶された時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0136】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0137】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0138】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0139】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0140】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0141】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0142】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0143】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0144】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0145】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0146】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0147】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0148】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0149】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0150】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0151】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0152】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0153】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0154】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0155】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0156】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0157】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0158】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0159】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0160】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0161】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0162】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(特別図柄X1又はX2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0163】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0164】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0165】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0166】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0167】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0168】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0169】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0170】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0171】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0172】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0173】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。
具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄が特別図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。
そして、次のステップ1302に進む。
【0174】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0175】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0176】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0177】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0178】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0179】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0180】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0181】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0182】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0183】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0184】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0185】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0186】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0187】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0188】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0189】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0190】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0191】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0192】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、所定の表示態様で保留表示を行う保留表示演出、及び、通常遊技状態中に表示される通常背景画像を大当たりの期待度の高い他の背景画像に切り替える通常中背景切り替え演出について説明する。なおここでは、変動演出及び保留表示演出に関しては、遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)である場合の内容について説明し、遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)である場合の内容については説明を省略する。
【0193】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0194】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始され(
図36(a)及び(b)、
図37(a)及び(b)参照)、その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図36(c)〜(e)、
図37(c)〜(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図37(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図36(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0195】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0196】
また、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
【0197】
本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「00H」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行され、「00H」以外であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される。
リーチ変動パターンとしては、変動モード番号が「01H」であった場合に実行可能な態様であるノーマルリーチパターン、並びに、変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合に実行可能な態様である特殊リーチパターンが設けられている。
ノーマルリーチパターンは、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるものである(
図37参照)。また、特殊リーチパターンは、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連が行われ)、その後に、リーチ表示がなされるものである(
図38参照)。本形態における特殊リーチパターンでは、1回又は2回の仮停止が行われるようになっている。
【0198】
なお、リーチ変動パターンは、上述の態様に限定されるものではない。たとえば、リーチ表示が行われるまでの間に所定のカットイン画像が表示される態様(カットイン演出)、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行う態様(ボタン操作演出)、役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出)等を設けてもよい。また、同一種類の演出や異なる種類の演出が複数回実行される態様等を設けてもよい。
また、特殊リーチパターンによる変動演出において仮停止を行う回数、仮停止を行うタイミングは、種々の回数や種々の時点を設定することができる。
また、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
【0199】
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展ありパターン(
図39参照)、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なしパターン(
図37参照)が設けられている。発展ありパターン及び発展なしパターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
また、変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知されるハズレ変動パターン(
図36参照)が設けられている。
【0200】
本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「05H」であった場合に発展なしパターンにより変動演出の後半部分が実行され、当該変動パターン番号が「06H」、「07H」、「A6H」又は「A7H」であった場合に発展ありパターンにより変動演出の後半部分が実行される。また、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「00H」、「01H」、「02H」、「03H」又は「04H」であった場合にハズレ変動パターンにより変動演出の後半部分が実行される。
【0201】
なお、発展ありパターンは、上述の態様に限定されるものではない。たとえば、リーチ発展演出中に、表示されている発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度発展演出画像の表示に切り替わる態様(チャンスアップ演出)、リーチ発展演出中に所定のカットイン画像が表示される態様(カットイン演出)、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行う態様(ボタン操作演出)、役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出)等を設けてもよい。また、同一種類の演出や異なる種類の演出が複数回実行される態様等を設けてもよい。
【0202】
また、これらの演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0203】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまで(すなわち、第2停止図柄が停止表示されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0204】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様(停止表示される演出図柄50の種類、発展ありパターンの態様等)を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0〜249)で演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び取得された演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0205】
(保留表示演出の概要)
保留表示演出は、保留記憶がなされた場合(すなわち、第1特図乱数や第2特図乱数が取得された場合)や保留記憶が読み出された場合に、演出表示装置21において、所定の表示態様の保留画像を表示する保留表示を行うものである。ここでは、第1特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出についてのみ説明するものとし、第2特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出については説明を省略する。
図40に示すように、演出表示装置21における表示部21aの下部には、第1特図乱数の保留表示領域52が設けられている。そして、第1特図乱数について保留記憶がなされると、この保留表示領域52に、保留記憶がなされた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により保留数が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、
図40に示すように、保留表示領域52の最左部に、読み出された保留(すなわち、現時点における特別図柄の変動表示の対象である保留)に係る保留表示を行う読み出し保留表示部52aが設けられているとともに、読み出し保留表示部52aの右側に、記憶された保留に係る保留表示を記憶順に行う第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eが設けられている。そして、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eの4つの保留表示部により第1特図保留数が示されるようになっている。
【0206】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する第1保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、事前判定コマンドに含まれる第1特図乱数に係る大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、特別図柄の種別(X1、X2、Y1又はY2)、変動モード番号及び変動パターン番号、並びに、後述する初期保留表示態様、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出の態様(保留表示の表示態様の切り替えパターン)、切り替え示唆演出の実行の可否、切り替え示唆演出の態様等の情報(後述する保留表示情報)が記憶される第1保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる第1保留記憶領域には、第1記憶部〜第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部52bに対応し、以下、第2記憶部〜第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部52c〜第4保留表示部52eに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われる。また、変動モードコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出され、当該保留情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、特別図柄の変動表示及び変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおいて読み出された保留を対象とする保留表示が行われる。
また、サブCPU301は、第1保留記憶領域におけるいずれの記憶部まで保留情報が記憶されているかを確認することで、第1特図保留数を把握できるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも保留情報が記憶されていない場合には、第1特図保留数は「0」であると把握することができ、第2記憶部まで保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留数は「2」であると把握することができる。
【0207】
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されておらず第1特図保留数が「0」である場合には、読み出し保留表示部52a、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eのいずれにも保留表示が行われていない。そして、この場合に保留記憶がなされると、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部52bにおいて保留表示が行われる。その後、当該保留記憶が読み出されて特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされて、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52bにおける保留表示が消去されることとなる。
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「3」である場合には、第1記憶部〜第3記憶部に保留情報が記憶されているため、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52dにおいて保留表示が行われる。その後、実行中の特別図柄の変動表示及び変動演出が終了し、第1記憶部における保留記憶が読み出されて、次の特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされ、第2保留表示部52cにおける保留表示が第1保留表示部52bへシフトされ、第3保留表示部52dにおける保留表示が第2保留表示部52cへシフトされて、各保留表示部における保留表示が更新されるとともに、第3保留表示部52dにおける保留表示が消去されることとなる(
図40(a)〜(c)参照)。
【0208】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示の表示態様として、白色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、白保留という)、青色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、青保留という)、赤色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、赤保留という)、金色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、金保留という)、虹色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、虹保留という)、宝という文字が付された箱の保留画像が表示される態様(以下、宝箱保留という)、星印の保留画像が表示される態様(以下、星保留という)が設けられており(
図40等参照)、保留記憶がなされるといずれかの表示態様により保留表示が行われる。そして、これらの保留表示の表示態様については、大当たりに当選した場合に表示される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されており、これにより、保留表示の表示態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度を変化させることができるようになっている。
具体的には、それぞれ異なる色が付された丸印の保留画像に係る表示態様については、白保留→青保留→赤保留→金保留→虹保留の順に、色の変化に応じて段階的に大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている。虹保留については、大当たりに当選している場合にのみ表示されるように設定されており、大当たりの当選を示す表示態様となっている。また、宝箱保留及び星保留はいずれも、赤保留と同等の大当たりの当選の期待度が設定されている。
なお、図面において、「白」の文字が付された丸印は白保留を示し、「青」の文字が付された丸印は青保留を示し、「赤」の文字が付された丸印は赤保留を示し、「金」の文字が付された丸印は金保留を示し、「虹」の文字が付された丸印は虹保留を示し、「宝」の文字が付された四角印は宝箱保留を示し、星印は星保留を示している。
【0209】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶がなされた時点における保留表示の表示態様(以下、初期保留という。)が、白保留、青保留又は星保留のいずれかに決定されるようになっているとともに、決定された初期保留に応じた態様により、対応する保留表示部において当該初期保留の保留表示が行われるようになっている。
具体的には、初期保留として白保留又は青保留が決定された場合には、特段の表示アクションを伴うことなく対応する保留表示部に初期保留を表示する通常初期保留表示態様(
図41(b)、
図42(b)等参照)による保留表示が行われる。これに対して、初期保留として星保留が決定された場合には、特定の表示アクション(本形態では、対応する保留表示部から星保留が表示部21aの上端近傍まで跳ね上がった後、当該保留表示部に着地するという表示アクション)を伴って対応する保留表示部に初期保留を表示する特殊初期保留表示態様(
図50(b)及び(c)参照)により保留表示が行われる。
【0210】
なお、通常初期保留表示態様による保留表示、及び、特殊初期保留表示態様による保留表示はいずれも、保留記憶がなされることを契機として実行されるが、保留記憶がなされてから特殊初期保留表示態様によって初期保留が保留表示部に表示されるまでの時間は、保留記憶がなされてから通常初期保留表示態様によって初期保留が保留表示部に表示されるまでの時間よりも長くなるように設定されている。
具体的には、通常初期保留表示態様においては、保留記憶がなされてから初期保留が保留表示部に表示されるまでの時間が0.3秒に設定されており、保留記憶がなされるのとほぼ同時に初期保留が保留表示部に表示される。これに対して、特殊初期保留表示態様においては、保留記憶がなされてから初期保留が保留表示部に表示されるまでの時間(上述の特定の表示アクションが開始されてから初期保留が保留表示部に表示されるまでの時間)が2秒に設定されている。
【0211】
(保留変化演出の概要)
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、新たに記憶された保留に係る表示中の保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる保留変化演出を実行できるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、新たに記憶された保留について決定された変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」(すなわち、特殊リーチパターンにより変動演出の前半部分が実行される場合)であって、かつ、所定の実行禁止条件(たとえば、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出の実行が決定されていること、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出が実行されていること、記憶されている保留のいずれかについて決定された変動モード番号が「01H」、「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であること(すなわち、リーチ変動パターンの変動演出が実行されること)等)が成立していない場合に、新たに記憶された保留を対象として保留変化演出の実行を決定できる。なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、初期保留が白保留又は青保留のいずれかであった場合に、保留変化演出が実行可能となっている。
【0212】
そして、新たに記憶された保留を対象として保留変化演出の実行が決定された場合には、所定の切り替えタイミングで保留変化演出の実行対象の保留(以下、対象保留という)について保留表示の表示態様を切り替えるか否か(維持するか)、保留表示の表示態様の切り替えが行われる旨を示唆する切り替え示唆演出を実行するか否か、及び、当該切り替え示唆演出を実行する場合の態様を決定する。
上述の切り替えタイミングで対象保留の保留表示の表示態様を切り替える旨、及び、所定の態様による切り替え示唆演出の実行が決定された場合には、上述の切り替えタイミングに至ると、決定された所定の態様による切り替え示唆演出が実行され、これに伴って、対象保留の保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わることとなる。これに対して、上述の切り替えタイミングで対象保留の表示態様を切り替えない旨(維持する旨)、及び、所定の態様による切り替え示唆演出の実行が決定された場合には、上述の切り替えタイミングに至ると、決定された所定の態様による切り替え示唆演出が実行されるものの、対象保留の保留表示は表示中の表示態様のまま維持されることとなる。
【0213】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の切り替えタイミングとして、対象保留(新たに記憶された保留)に基づく変動演出の3回前に実行される変動演出(以下、対象3回前変動演出という)の開始時点、対象保留に基づく変動演出の2回前に実行される変動演出(以下、対象2回前変動演出という)の開始時点、対象保留に基づく変動演出の1回前に実行される変動演出(以下、対象1回前変動演出という)の開始時点、対象保留に基づく変動演出(以下、対象変動演出という)の開始時点が設定されている。
なお、切り替えタイミングとしては、これらの時点に限定されるものではなく、対象変動演出よりも前に実行される変動演出(対象3回前変動演出、対象2回目変動演出、対象1回前変動演出)の開始から終了までの間におけるいずれかの時点(たとえば、変動演出の終了時点、変動演出中に特定の演出(チャンスアップ演出やカットイン演出等)が実行される場合には当該特定の演出の実行時点等)、対象変動演出の開始から終了までの間におけるいずれかの時点(たとえば、演出図柄50の仮停止が行われる時点、リーチ表示が行われる時点等)を設定してもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、1回の変動演出中には1の切り替えタイミングのみ設定されているが、これに限定されるものではなく、1回の変動演出中に複数の切り替えタイミングを設定してもよい。すなわち、1回の変動演出中に複数回、保留表示の表示態様を切り替えることが可能となるように設定してもよい。
【0214】
以下、保留変化演出の実行が決定された場合における対象保留の保留表示の表示態様の切り替えについて、具体例を挙げて説明する。
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「0」である場合に新たな保留記憶がなされ、第1記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。なお、読み出し保留表示部52aにおいては白保留の保留表示がなされていたものとする(
図41(a)参照)。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として白保留が決定されるとともに、保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、上述の新たに記憶された保留に基づく変動演出(対象変動演出)の開始時点(すなわち、実行中の変動演出の次に実行される変動演出の開始時点)において所定の切り替え示唆演出を行い、かつ、対象保留について白保留の保留表示から青保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、対象保留が記憶された時点で、第1保留表示部52bにおいて通常初期保留表示態様により白保留の保留表示が行われる(
図41(b)参照)。そして、実行中の変動演出が終了し(
図41(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(すなわち、対象保留の保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて対象変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた白保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(
図41(d)参照)。そして、この時点において、所定の切り替え示唆演出が行われ、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わることとなる(
図41(e)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、対象保留について青保留の保留表示が行われる。
【0215】
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「1」である場合に新たな保留記憶がなされ、第2記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。なお、読み出し保留表示部52a及び第1保留表示部52bにおいてはいずれも、白保留の保留表示がなされていたものとする(
図42(a)、
図43(a)参照)。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として青保留が決定されるとともに、保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、上述の新たに記憶された保留に基づく変動演出の1回前の変動演出(対象1回前変動演出)の開始時点(すなわち、実行中の変動演出の次に実行される変動演出の開始時点)において所定の切り替え示唆演出を行い、かつ、対象保留について青保留の保留表示から金保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、対象保留が記憶された時点で、第2保留表示部52cにおいて通常初期保留表示態様により青保留の保留表示が行われる(
図42(b)、
図43(b)参照)。そして、実行中の変動演出が終了し(
図42(c)、
図43(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(すなわち、対象保留の1つ前に記憶された保留に係る保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて対象1回前変動演出が開始されると、第2保留表示部52cにおいて行われていた青保留の保留表示を第1保留表示部52bへシフトする表示が行われる(
図42(d)、
図43(d)参照)。そして、この時点において、所定の切り替え示唆演出が行われ、これに伴って、第1保留表示部52bにおける青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わることとなる(
図42(e)、
図43(e)〜(h)参照)。これにより、第1保留表示部52bにおいて、対象保留について金保留の保留表示が行われる。
【0216】
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「1」である場合に新たな保留記憶がなされ、第2記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。なお、読み出し保留表示部52a及び第1保留表示部52bにおいてはいずれも、白保留の保留表示がなされていたものとする。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として白保留が決定されるとともに、保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、上述の新たに記憶された保留に基づく変動演出の1回前の変動演出(対象1回前変動演出)の開始時点(すなわち、実行中の変動演出の次に実行される変動演出の開始時点)において所定の切り替え示唆演出を行い、かつ、対象保留について白保留の保留表示から青保留の保留表示に切り替わる旨が決定されるとともに、上述の新たに記憶された保留に基づく変動演出(対象変動演出)の開始時点(すなわち、実行中の変動演出の次々回に実行される変動演出の開始時点)において所定の切り替え示唆演出を行い、かつ、対象保留について青保留の保留表示から赤保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、対象保留が記憶された時点で、第2保留表示部52cにおいて通常初期保留表示態様により白保留の保留表示が行われる。そして、実行中の変動演出が終了し(
図45(a)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(すなわち、対象保留の1つ前に記憶された保留に係る保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて対象1回前変動演出が開始されると、第2保留表示部52cにおいて行われていた白保留の保留表示を第1保留表示部52bへシフトする表示が行われる(
図45(b)参照)。そして、この時点において、所定の切り替え示唆演出が行われ、これに伴って、第1保留表示部52bにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わることとなる(
図45(c)参照)。これにより、第1保留表示部52bにおいて、対象保留について青保留の保留表示が行われる。
その後、実行中の対象1回前変動演出が終了し(
図45(d)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(すなわち、対象保留に係る保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて対象変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた青保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(
図45(e)参照)。そして、この時点において、所定の切り替え示唆演出が行われ、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わることとなる(
図45(f)及び(g)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、対象保留について赤保留の保留表示が行われる。
【0217】
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「1」である場合に新たな保留記憶がなされ、第2記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。なお、読み出し保留表示部52a及び第1保留表示部52bにおいてはいずれも、白保留の保留表示がなされていたものとする。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として白保留が決定されるとともに、保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、上述の新たに記憶された保留に基づく変動演出(対象変動演出)の開始時点(すなわち、実行中の変動演出の次々回に実行される変動演出の開始時点)において、対象保留について白保留の保留表示から宝箱保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、対象保留が記憶された時点で、第2保留表示部52cにおいて通常初期保留表示態様により白保留の保留表示が行われる。そして、実行中の変動演出が終了し(
図46(a)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(対象保留の1つ前に記憶された保留に係る保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて対象1回前変動演出が開始されると、第2保留表示部52cにおいて行われていた白保留の保留表示を第1保留表示部52bへシフトする表示が行われる(
図46(b)参照)。その後、実行中の対象1回前変動演出が終了し(
図46(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(対象保留に係る保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて対象変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた白保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(
図46(d)参照)。そして、この時点において、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が宝箱保留の保留表示に切り替わることとなる(
図46(e)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、対象保留について宝箱保留の保留表示が行われる。
なお、宝箱保留の保留表示への切り替えが行われる場合には、当該宝箱保留の保留表示への切り替えよりも前の所定時点から、特定の切り替え示唆演出(後述するパターンDによる切り替え示唆演出)が実行されるようになっている。
【0218】
(段階的に大当たりの当選の期待度が高くなる保留表示の表示態様の切り替えの概要)
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、色の変化に応じて段階的に大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている保留表示の表示態様(丸印の保留画像に係る表示態様)の切り替えパターンとして、一の切り替えタイミングにおいて大当たりの当選の期待度が1段階上の表示態様に切り替わる1段階切り替え(たとえば、白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わるパターン等)と、一の切り替えタイミングにおいて大当たりの当選の期待度が複数段階上の表示態様に切り替わる複数段階切り替え(たとえば、青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わるパターン等)と、が設けられている。
【0219】
また、1段階切り替え又は複数段階切り替えにおいては、表示中の保留表示の表示態様が所定の表示態様に直接(すなわち、途中段階の表示態様を表示することなく)切り替わる途中段階非表示態様、又は、表示中の保留表示の表示態様から所定の表示態様に至るまでの間に存在する途中段階の表示態様を順次表示した後、最終的に、上述の所定の表示態様に切り替わる途中段階表示態様のいずれかにより、保留表示の表示態様の切り替えが行われるようになっている。
具体的には、1段階切り替えにおいては、途中段階非表示態様により保留表示の表示態様の切り替えが行われる。また、複数段階切り替えにおいては、途中段階非表示態様又は途中段階表示態様のいずれかにより保留表示の表示態様の切り替えが行われる。
【0220】
たとえば、対象変動演出の開始時において、対象保留について、白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わる旨(すなわち、1段階切り替え)が決定されていた場合には、対象変動演出の開始時に至ると、途中段階非表示態様により、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に直接切り替わる(
図41(d)及び(e)参照)。
【0221】
また、たとえば、対象1回前変動演出の開始時において、対象保留について、途中段階非表示態様により青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる旨(すなわち、複数段階切り替え)が決定されていた場合には、対象1回前変動演出の開始時に至ると、途中段階非表示態様により、第1保留表示部52bにおける青保留の保留表示が金保留の保留表示に直接切り替わる(
図42(d)及び(e)参照)。すなわち、青保留と金保留との間に存在する赤保留は表示されることなく、青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる。
これに対して、たとえば、対象1回前変動演出の開始時において、対象保留について、途中段階表示態様により青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる旨が決定されていた場合には、対象1回目変動演出の開始時に至ると、途中段階表示態様により、青保留の保留画像が第1保留表示部52bから表示部21aの所定地点まで跳ね上がり、この所定地点において赤保留の保留画像に切り替わった後、当該赤保留の保留画像が第1保留表示部52bまで落下し(
図43(d)〜(f)参照)、さらに、赤保留の保留画像が第1保留表示部52bから上述の所定地点まで跳ね上がり、この所定地点において金保留の保留画像に切り替わった後、当該金保留の保留画像が第1保留表示部52bまで落下する(
図43(g)及び(h)、参照)という一連の表示が行われることで、第1保留表示部52bにおける青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わることとなる。
すなわち、途中段階表示態様によると、表示中の保留表示の表示態様が、大当たりの当選の期待度が1段階上の表示態様に順次切り替わり、最終的に大当たりの当選の期待度が複数段階上の表示態様に切り替わるようになっている。
【0222】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、新たに記憶された保留について初期保留として白保留が決定された場合に、対象変動演出の開始時において白保留の保留表示が宝箱保留の保留表示に切り替わる保留変化演出の実行が決定される場合がある。ここで、宝箱保留については、白保留よりも大当たりの当選の期待度が高く設定されているものの、色の変化に応じて段階的に大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されているものではなく、白保留と宝箱保留との間に途中段階の表示態様が存在するものではない。したがって、途中段階表示態様による切り替えは行われず、途中段階非表示態様による切り替えが行われるようになっている。
【0223】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、色の変化に応じて段階的に大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている保留表示の表示態様について、表示中の保留表示の表示態様を所定の表示態様に切り替える場合には、表示中の保留表示の表示態様が所定の表示態様に直接切り替わるように設定された途中段階非表示態様、又は、表示中の保留表示の表示態様から所定の表示態様に至るまでの間に存在する途中段階の表示態様を順次表示した後に所定の表示態様に切り替わる途中段階表示態様のいずれかにより、表示態様の切り替えが実行されるようになっている。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、保留表示の表示態様の切り替えがバリエーションに富んだものとなるため、保留表示に対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
また、途中段階表示態様においては、所定の表示態様に至るまで表示態様が順次切り替わることから、保留表示の表示態様が次の段階の表示態様へ切り替わった場合には、さらに次の段階の表示態様へ切り替わる可能性があるため、いずれの段階まで表示態様が切り替わるかという点に対し期待感を遊技者に抱かせることができるのである。
【0224】
(切り替え示唆演出の概要)
切り替え示唆演出は、上述の如く、保留表示の表示態様の切り替えが行われる旨を示唆する演出である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、新たに記憶された保留について保留変化演出の実行が決定された場合において、上述の切り替えタイミングにおいて保留表示の表示態様を切り替えるか維持するかの決定に伴って切り替え示唆演出の実行の可否を決定するとともに、切り替え示唆演出の実行が決定された場合には、当該切り替え示唆演出の態様が決定されるようになっている。そして、決定された態様により切り替え示唆演出が実行されることとなる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、切り替え示唆演出の態様として、パターンA、パターンB、パターンC及びパターンDの4つが設けられている。
【0225】
(パターンAの概要)
パターンAは、保留表示の表示態様の切り替えタイミングにおいて、対象保留の上方に所定のアイコン画像(本形態では、雨が降る旨を示したアイコン画像)が表示されるものである(
図41(d)参照)。
また、このパターンAは、保留表示の表示態様の切り替えが行われる場合及び維持が行われる場合のいずれにおいても実行可能であり、また、1段階切り替えが行われる場合及び複数段階切り替えが行われる場合のいずれにおいても実行可能であるように設定されている。したがって、パターンAによる切り替え示唆演出が実行された場合には、遊技者は、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われるか否かを把握することができず、また、複数段階切り替えが行われるか否かも把握することができないようになっている。
そして、上述のアイコン画像の表示に伴って、対象保留について保留表示の表示態様の切り替え又は維持が行われる(
図41(e)参照)。
【0226】
たとえば、新たに記憶された保留について、初期保留として白保留が決定されるとともに、対象変動演出の開始時に白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わる保留変化演出の実行、及び、パターンAによる切り替え示唆演出の実行が決定されたものとする。この場合には、対象変動演出の開始時において、読み出し保留表示部52aの上方に上述のアイコン画像が表示され(
図41(d)参照)、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わる(
図41(e)参照)。
また、たとえば、新たに記憶された保留について、初期保留として白保留が決定されるとともに、対象変動演出の開始時に白保留の保留表示がそのまま維持される保留変化演出の実行、及び、パターンAによる切り替え示唆演出の実行が決定されたものとする。この場合には、上述と同様に、対象変動演出の開始時において、読み出し保留表示部52aの上方に上述のアイコン画像が表示されるものの(
図41(d)参照)、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が切り替わることはなく、そのまま白保留の保留表示が維持される。
【0227】
なお、特に図示していないが、所定の切り替えタイミングにおいて、対象保留に係る表示中の保留表示の表示態様が、大当たりの当選の期待度が複数段階上の表示態様に切り替わり(すなわち、複数段階切り替えが行われ)、かつ、途中段階非表示態様又は途中段階表示態様により表示態様の切り替えが行われる旨が決定されるとともに、パターンAによる切り替え示唆演出の実行が決定された場合には、パターンAによる切り替え示唆演出が実行され、これに伴って、途中段階非表示態様又は途中段階表示態様により保留表示の表示態様が切り替わる。
【0228】
以上のように、パターンAによる切り替え示唆演出が実行された場合には、保留表示の表示態様の切り替え及び維持のいずれもが行われる可能性があり、また、保留表示の表示態様の切り替えが行われた場合には、1段階切り替え及び複数段階切り替えのいずれもが行われる可能性がある。したがって、この場合には、対象保留について保留表示の表示態様が切り替わるか維持されるかを把握することができず、また、1段階切り替え又は複数段階切り替えのいずれが行われるかも把握することができないため、保留表示の表示態様の切り替えが行われることに対する遊技者の期待感を煽ることができるのである。
【0229】
(パターンBの概要)
パターンBは、保留表示の表示態様の切り替えタイミングにおいて、対象保留の上方にパターンAのアイコン画像とは異なるアイコン画像(本形態では、雷が落ちる旨を示したアイコン画像)が表示されるものである(
図42(d)、
図43(d)参照)。
また、このパターンBは、保留表示の表示態様の切り替えが行われる場合にのみ実行可能であり、また、1段階切り替えが行われる場合及び複数段階切り替えが行われる場合のいずれにおいても実行可能であるように設定されている。したがって、パターンBによる切り替え示唆演出が実行された場合には、遊技者は、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われることを把握できるものの、複数段階切り替えが行われるか否かについては把握することができないようになっている。
そして、上述のアイコン画像の表示に伴って、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われる(
図42(e)、
図43(e)〜(h)参照)。
【0230】
たとえば、新たに記憶された保留について、初期保留として青保留が決定されるとともに、対象変動演出の開始時に青保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる保留変化演出の実行、途中段階非表示態様による切り替えの実行、及び、パターンBによる切り替え示唆演出の実行が決定されたものとする。この場合には、対象変動演出の開始時において、読み出し保留表示部52aの上方に上述のアイコン画像が表示され(
図42(d)参照)、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が金保留の保留表示に直接切り替わる(
図42(e)参照)。
これに対して、途中段階非表示態様ではなく、途中段階表示態様による切り替えの実行が決定された場合には、上述と同様に、対象変動演出の開始時において、読み出し保留表示部52aの上方に上述のアイコン画像が表示され(
図43(d)参照)、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わり、赤保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる(
図43(e)〜(h)参照)。
【0231】
以上のように、パターンBによる切り替え示唆演出が実行された場合には必ず、保留表示の表示態様の切り替えが行われ、また、1段階切り替え及び複数段階切り替えのいずれもが行われる可能性がある。したがって、この場合には、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われることを把握できるため、大当たりの当選に対する期待感を向上させることができる。また、1段階切り替え又は複数段階切り替えのいずれが行われるかは把握できないため、保留表示の表示態様の切り替えがいずれの段階まで行われるかという点に対する遊技者の期待感を煽ることができるのである。
【0232】
(パターンCの概要)
パターンCは、保留表示の表示態様の切り替えタイミングにおいて、表示部21aの所定箇所に所定のキャラクター画像が表示された後、このキャラクター画像が対象保留の保留表示に突進する表示が行われるものである。
このパターンCには、上述の切り替えタイミングにおいて、表示部21aにおける保留表示領域52の左方に第1のキャラクター画像(以下、キャラAという)が表示された後に、キャラAが対象保留の保留表示に突進する表示が行われるパターンC1(
図45(e)及び(f)参照)、及び、上述の切り替えタイミングにおいて、表示部21aにおける保留表示領域52の左方にキャラAが表示され、かつ表示部21aにおける保留表示領域52の右方に第2のキャラクター画像(以下、キャラBという)が表示された後に、キャラAが対象保留の保留表示に突進する表示が行われ、さらに、キャラBが対象保留の保留表示に突進する表示が行われるパターンC2(
図44(b)、(c)及び(h)参照)が設けられている。
また、パターンC1及びパターンC2はいずれも、保留表示の表示態様の切り替えが行われる場合にのみ実行可能であるように設定されている。したがって、パターンCによる切り替え示唆演出が実行された場合には、遊技者は、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われることを把握できることとなる。
【0233】
そして、パターンC1による切り替え示唆演出が実行された場合には、キャラAが対象保留の保留表示に突進する表示に伴って、保留表示の表示態様の切り替えが行われる(
図45(g)参照)。これに対して、パターンC2による切り替え示唆演出が実行された場合には、キャラAが対象保留の保留表示に突進する表示に伴って、保留表示の表示態様の切り替えが行われ(
図44(d)〜(g)参照)、引き続き、キャラBが対象保留の保留表示に突進する表示に伴って、保留表示の表示態様の切り替えが行われる(
図44(i)〜(j)参照)。
【0234】
またここで、パターンCのうち、パターンC1については、1段階切り替えが行われる場合及び複数段階切り替えが行われる場合のいずれにおいても実行可能であるように設定されており、パターンC2については、複数段階切り替えが行われる場合のみ実行可能であるように設定されている。また、各キャラクター画像が突進する表示に伴って行われる保留表示の表示態様の切り替えにおいては、少なくとも、大当たりの当選の期待度が1段階上の表示態様に切り替わるようになっている。
【0235】
すると、パターンC1による切り替え示唆演出が実行されキャラAのみが表示された場合には、保留表示の表示態様の切り替えが1回行われることから、表示中の保留表示の表示態様が少なくとも1段階上の表示態様に切り替わることが確定する。なお、この場合において、1段階上の表示態様に切り替わるときには途中段階非表示態様により切り替えが行われ、複数段階上の表示態様に切り替わるときには途中段階表示態様により切り替えが行われるようになっている。
これに対して、パターンC2による切り替え示唆演出が実行されキャラA及びキャラBが表示された場合には、保留表示の表示態様の切り替えが2回行われることから、表示中の保留表示の表示態様が少なくとも2段階上の表示態様に切り替わることが確定する。なお、この場合には必ず、途中段階表示態様により切り替えが行われるようになっている。すなわち、キャラAが突進する表示及びキャラBが突進する表示それぞれに伴って保留表示の表示態様が少なくとも1段階ずつ順次切り替わることとなる。
したがって、パターンC1による切り替え示唆演出が実行された場合には、遊技者は、対象保留について複数段階切り替えが行われるか否かを把握できないものの、パターンC2による切り替え示唆演出が実行された場合には、遊技者は、対象保留について複数段階切り替えが行われることを把握できるようになっている。すなわち、パターンCについては、実行される態様(パターンC1又はパターンC2)に応じて、複数段階切り替えの実行を把握できるか否かが異なるようになっている。
【0236】
たとえば、新たに記憶された保留について、初期保留として白保留が決定されるとともに、対象変動演出の開始時に白保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる保留変化演出の実行、パターンC2による切り替え示唆演出の実行、キャラAが突進する表示に基づく白保留の保留表示から赤保留の保留表示への切り替えの実行、キャラBが突進する表示に基づく赤保留の保留表示から金保留の保留表示への切り替えの実行が決定されたものとする。
この場合には、対象変動演出の開始時において、読み出し保留表示部52aに白保留の保留表示が行われるとともに、キャラA及びキャラBが表示された後(
図44(b)参照)、キャラAが対象保留の保留表示に突進する表示が行われ(
図44(c)参照)、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わり、さらに、青保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わる(
図44(d)〜(g)参照)。その後、キャラBが対象保留の保留表示に突進する表示が行われ(
図44(h)参照)、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける赤保留の保留表示が金保留の保留表示に切り替わる(
図44(i)及び(j)参照)。
この場合には、対象変動演出の開始時点でキャラA及びキャラBが表示されたことにより、当該時点において、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が少なくとも2段階上の赤保留の保留表示に切り替わること(複数段階切り替えの実行)を把握できる。
なお、各キャラが突進する表示に基づき複数段階上の表示態様に切り替えるときには、表示中の保留表示の表示態様を当該複数段階上の表示態様に直接切り替えるようにしてもよい。上述の場合において、キャラAが突進する表示に基づく切り替えにおいては、白保留の保留表示を赤保留の保留表示に直接切り替えてもよい。
【0237】
また、たとえば、新たに記憶された保留について、初期保留として白保留が決定されるとともに、対象1回前変動演出の開始時に白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わり、対象変動演出の開始時に青保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わる保留変化演出の実行、対象1回前変動演出の開始時にパターンBによる切り替え示唆演出の実行、対象1回前変動演出の開始時にパターンC1による切り替え示唆演出の実行が決定されたものとする。
この場合には、対象1回前変動演出の開始時において、第1保留表示部52bに白保留の保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52bの上方にパターンBに係るアイコン画像が表示され、これに伴って、第1保留表示部52bにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わる(
図45(a)〜(c)参照)。そして、対象変動演出の開始時において、第1保留表示部52bにおける青保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われるとともに、キャラAが表示された後、キャラAが対象保留の保留表示に激突する表示が行われ、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わる(
図45(e)〜(g)参照)。
この場合には、対象変動演出の開始時点でキャラAが表示されたことにより、当該時点において、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が少なくとも1段階上の赤保留の保留表示に切り替わることを把握できるものの、複数段階切り替えが行われるか否かは把握できない。
【0238】
以上のように、パターンC(パターンC1、パターンC2)による切り替え示唆演出が実行された場合には必ず、保留表示の表示態様の切り替えが行われる。また、パターンC1による切り替え示唆演出が実行された場合には、1段階切り替え及び複数段階切り替えのいずれもが行われる可能性があり、パターンC2による切り替え示唆演出が実行された場合には必ず、途中段階表示態様により複数段階切り替えが行われる。
したがって、この場合には、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われることを把握できるため、大当たりの当選に対する期待感を向上させることができる。また、実行される態様がパターンC1又はパターンC2であるか(すなわち、表示されるキャラクター画像の数)に応じて、対象保留について複数段階切り替えの実行を把握できるか否かが異なるようになっているため、パターンCが実行される態様に応じて、大当たりの当選に対する期待感を異ならせることができるのである。
【0239】
なお、パターンCによる切り替え示唆演出が実行される場合に表示されるキャラクター画像は最大で2つとなっていたが、これに限定されるものでない。たとえば、3つ以上のキャラクター画像を表示可能とし、保留表示の表示態様が少なくとも3段階以上切り替わるように設定してもよい。
また、パターンC2による切り替え示唆演出が実行される場合には、上述の切り替えタイミングにおいて、キャラA及びキャラBが同時に表示されるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、最初にキャラAのみを表示し、所定の待機時間(たとえば、5秒)が経過した後に、キャラBを表示するようにしても設定してもよい。
【0240】
(パターンDの概要)
パターンDは、保留表示の表示態様の切り替えタイミングよりも前の所定時点(本形態では対象1回前変動演出の開始時点)において、表示部21aの右上方から対象保留の保留表示に向けて矢が発射され、この矢が対象保留の保留画像に突き刺さる表示が行われ、対象保留についての保留表示の表示態様の切り替えタイミングに至るまで、矢が刺さった保留画像の表示が維持されるものである(
図46(b)〜(d)参照)。
また、このパターンDは、初期保留として白保留が決定された場合であって、当該白保留の宝箱保留への切り替えが行われる場合にのみ実行可能であるように設定されている。したがって、パターンDによる切り替え示唆演出が実行された場合には、遊技者は、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われることを把握できるとともに、切り替え後の保留表示の表示態様が宝箱保留であることを把握できるようになっている。
そして、上述の切り替えタイミングに至ると、上述の如く、途中段階非表示態様により対象保留に係る白保留の保留表示が宝箱保留の保留表示へ切り替わる(
図46(e)参照)。
【0241】
以上のように、パターンDによる切り替え示唆演出が実行された場合には必ず、保留表示の表示態様の切り替えが行われる。また、この場合には必ず、途中段階非表示態様により複数段階切り替え(白保留の保留表示から宝箱保留の保留表示への切り替え)が行われる。
したがって、この場合には、対象保留について保留表示の表示態様の切り替えが行われること、及び、途中段階非表示態様による複数段階切り替えの実行を把握できるため、大当たりの当選に対する期待感を向上させることができる。
【0242】
なお、本形態におけるパターンDの切り替え示唆演出では、発射された矢が対象保留の保留画像に突き刺さる表示のパターンのみが設けられていたが、当該表示のパターンのみならず、矢が発射されるものの、発射された矢が対象保留の保留画像に突き刺さらない表示のパターンを設けてもよい。そして、白保留の保留表示から宝箱保留の保留表示への切り替えが行われる場合には、発射された矢が対象保留の保留画像に突き刺さる表示が行われ、白保留の保留表示の維持が行われる場合には、発射された矢が対象保留の保留画像に突き刺さらない表示が行われるようにしてもよい。
このように設定することで、パターンDの切り替え示唆演出が実行された場合には、保留表示の表示態様の切り替えのみならず、保留表示の表示態様の維持が行われる可能性があるため、保留表示の表示態様の切り替えが行われることに対する遊技者の期待感を煽ることができるのである。
【0243】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示の表示態様の切り替えタイミングよりも前の所定時点において、矢が対象保留の保留画像に突き刺さる表示が行われ、対象保留についての保留表示の表示態様の切り替えタイミングに至るまで、矢が刺さった保留画像の表示が維持されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、矢が対象保留の保留画像に突き刺さる表示が行われるタイミングと対象保留についての保留表示の表示態様の切り替えタイミングとを同じ時点に設定し、矢が対象保留の保留画像に突き刺さる表示が行われるとすぐに、保留表示の表示態様が切り替わるようにしてもよい。
このように設定することで、パターンDの切り替え示唆演出が実行された場合における保留表示の表示態様の切り替えタイミングのバリエーションが増えるため、遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0244】
以上のように、本形態に係るパチンコ機によれば、実行される切り替え示唆演出の態様(パターンA、パターンB、パターンC、パターンD)に応じて、保留表示の表示態様の切り替えの態様(維持又は切り替え、1段階切り替え又は複数段階切り替え、途中段階非表示態様又は途中段階表示態様)が異なるようになっているため、切り替え示唆演出の実行により保留表示の表示態様の切り替えに対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0245】
(保留表示に関する各種決定の概要)
新たに記憶された保留についての初期保留、初期保留の保留表示を行う場合の態様(通常初期保留表示態様、特殊初期保留表示態様)、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様(切り替えタイミングにおける維持又は切り替え、1段階切り替え又は複数段階切り替え、途中段階表示態様又は途中段階非表示態様)、切り替え示唆演出の実行の可否、切り替え示唆演出を実行する場合の態様については、新たな保留が記憶された時点において主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動モード番号、及び、保留記憶がなされた時点における第1特図保留数に基づいて決定されるようになっている。
なお、本明細書においては、保留に基づいて決定される初期保留、初期保留の保留表示を行う場合の態様、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様、切り替え示唆演出の実行の可否、切り替え示唆演出を実行する場合の態様を総称して「保留表示情報」という場合がある。
【0246】
副制御基板300のサブROM302には、保留表示情報を決定するための保留表示決定テーブル121が複数記憶されている。本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶がなされた時点における第1特図保留数(0〜3のいずれか)ごとに、それぞれ対応する保留表示決定テーブル121が設けられている。そして、サブCPU301は、上述の第1特図保留数に応じた保留表示決定テーブル121を参照して、保留表示情報を決定するようになっている。なお、特別図柄の変動表示及び変動演出が行われていないときに保留記憶がなされた場合、並びに、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「0」のときに保留記憶がなされた場合はいずれも、第1特図保留数「0」に対応する保留表示決定テーブル121が参照されるようになっている。
ここでは、保留記憶がなされた時点における第1特図保留数が「0」であった場合に参照される保留表示決定テーブル121(以下、保留表示決定テーブルAという)、及び、保留記憶がなされた時点における第1特図保留数が「1」であった場合に参照される保留表示決定テーブル121(以下、保留態様決定テーブルBという)について説明し、他の保留表示決定テーブル121については説明を省略する。
【0247】
各保留表示決定テーブル121には、保留記憶がなされた時点において主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動モード番号、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される保留表示決定乱数ごとに対応付けられて、保留表示情報が定められている。
副制御基板300が主制御基板100のメインCPU101から事前判定コマンドを受信すると、サブCPU301は、当該時点における第1特図保留数を確認し、当該第1特図保留数に対応する保留表示決定テーブル121を取得するとともに、所定の数値範囲(0〜249)から1の保留表示決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、取得した保留表示決定テーブル121、事前判定コマンドに含まれる変動モード番号、及び、取得した保留表示決定乱数に基づいて、保留表示情報を決定する。
【0248】
具体的には、
図47に示すように、保留表示決定テーブルA(第1特図保留数が「0」であった場合に参照される保留表示決定テーブル121)によれば、サブCPU301が受信した事前判定コマンドに対応する変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合に、初期保留として、白保留、青保留又は星保留のいずれかが決定されるとともに、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合の態様が決定される。
【0249】
保留表示決定テーブルAにおいては、
図47に示すように、保留変化演出が実行される場合の態様として、パターン1〜パターン16が設けられており、これらの中からいずれかが決定される。
たとえば、パターン1は、対象変動演出の開始時点において、白保留の保留表示の維持、及び、パターンAによる切り替え示唆演出の実行が定められた態様である。
また、パターン3は、対象変動演出の開始時点において、白保留から青保留への切り替え、パターンBによる切り替え示唆演出、及び、途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン4は、対象変動演出の開始時点において、白保留から青保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき白保留から青保留への切り替え)、及び、途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン8は、対象変動演出の開始時点において、白保留から赤保留への切り替え、パターンC2による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき白保留から青保留への切り替え、キャラBの表示に基づき青保留から赤保留への切り替え)、及び、途中段階表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン14は、対象変動演出の開始時点において、青保留から赤保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき青保留から赤保留への切り替え)、及び、途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン15は、対象変動演出の開始時点において、青保留から金保留への切り替え、パターンBによる切り替え示唆演出、及び、途中段階表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
なお、他のパターンについても、これらと同様に、種々の保留表示情報が定められている。
【0250】
具体的には、
図48に示すように、保留表示決定テーブルB(第1特図保留数が「1」であった場合に参照される保留表示決定テーブル121)によれば、サブCPU301が受信した事前判定コマンドに対応する変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合に、上述と同様に、初期保留として、白保留、青保留又は星保留のいずれかが決定されるとともに、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合の態様が決定される。
【0251】
保留表示決定テーブルBにおいては、
図48に示すように、保留変化演出が実行される場合の態様として、パターン17〜パターン33が設けられており、これらの中からいずれかが決定される。
たとえば、パターン17は、対象1回前変動演出の開始時点において、白保留の保留表示の維持及びパターンAによる切り替え示唆演出の実行が定められ、並びに、対象変動演出の開始時点において、白保留の保留表示の維持及び切り替え示唆演出の非実行が定められた態様である。
また、パターン20は、対象1回前変動演出の開始時点において、白保留から青保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき白保留から青保留への切り替え)及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められ、並びに、対象変動演出の開始時点において、青保留から赤保留への切り替え、パターンBによる切り替え示唆演出及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン22は、対象1回前変動演出の開始時点において、白保留から青保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき白保留から青保留への切り替え)及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められ、並びに、対象変動演出の開始時点において、青保留から金保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき青保留から金保留への切り替え)及び途中段階表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン26は、対象1回前変動演出の開始時点において、白保留から赤保留への切り替え、パターンC2による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき白保留から青保留への切り替え、キャラBの表示に基づき青保留から赤保留への切り替え)及び途中段階表示態様による切り替えの実行が定められ、並びに、対象変動演出の開始時点において、赤保留から虹保留への切り替え、パターンC2による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき赤保留から金保留への切り替え、キャラBの表示に基づき金保留から虹保留への切り替え)及び途中段階表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン27は、対象1回前変動演出の開始時点において、パターンDによる切り替え演出の実行が定められ、対象変動演出の開始時点において、白保留から宝箱保留への切り替え及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
また、パターン30は、対象1回前変動演出の開始時点において、青保留から赤保留への切り替え、パターンBによる切り替え示唆演出及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められ、並びに、対象変動演出の開始時点において、赤保留から金保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき赤保留から金保留への切り替え)及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が定められた態様である。
なお、他のパターンについても、これらと同様に、種々の保留表示情報が定められている。
【0252】
また、
図47及び
図48において変動モード番号と上記態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0253】
(通常中背景切り替え演出の概要)
通常中背景切り替え演出は、通常遊技状態中に実行される演出であって、新たな保留の記憶に基づき(すなわち、第1特図乱数の取得に基づき)、通常遊技状態中に初期の背景画像として表示される通常背景画像を大当たりの期待度の高い他の背景画像に切り替えるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に表示される背景画像として、通常背景画像、第1特殊背景画像、第2特殊背景画像、及び、第3特殊背景画像が設けられている。これらの背景画像については、新たに記憶された保留が大当たりの当選に係るものである場合に表示される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されており、これにより、表示された背景画像に応じて、新たに記憶された保留について大当たりの当選に対する期待度を変化させることができるようになっている。具体的には、通常背景画像→第1特殊背景画像→第2特殊背景画像→第3特殊背景画像の順に、大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている。
【0254】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、リセット後や特別遊技又は高確率時短遊技状態の終了後に通常遊技状態が設定されると、表示部21aにおいて、初期の背景画像として通常背景画像が表示され、この通常背景画像に重ねて変動演出(演出図柄50の変動表示)が行われるようになっている(
図49(a)、
図50(a)〜(c)、
図51(a)〜(c)等参照)。その後、保留記憶がなされると、通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合における切り替え後の背景画像が決定され、この決定内容に基づいて通常中背景切り替え演出が実行される。これにより、通常背景画像が、第1特殊背景画像、第2特殊背景画像又は第3特殊背景画像のいずれかに切り替えられることとなる。
【0255】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pには、通常中背景切り替え演出の種類として、第1背景切り替え演出、及び、第2背景切り替え演出が設けられている。
(第1背景切り替え演出の概要)
第1背景切り替え演出は、通常背景画像を第1特殊背景画像又は第2特殊背景画像のいずれかに切り替える場合に実行される演出であり、変動演出の実行中であって、かつ当該変動演出が終了するまでの残り時間が予め定められた特定時間(本形態では2.5秒)以上であるときにおいて保留記憶がなされた場合に、実行可能となっている。また、この第1背景切り替え演出は、保留記憶に基づいて行われる初期保留の保留表示と同時期に実行されるようになっている。
また、第1背景切り替え演出には、所定の背景画像(第1特殊背景画像又は第2特殊背景画像のいずれか)に切り替わる旨を報知する背景切り替え報知表示を行った後に、当該所定の背景画像を表示する背景切り替え表示を行う背景切り替えパターンP(
図49(b)及び(c)参照)、及び、背景切り替え報知表示を行わずに背景切り替え表示のみを行う背景切り替えパターンQ(
図50(d)参照)が設けられている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、背景切り替え報知表示の実行時間は2秒に設定されており、背景切り替え表示の実行時間は0.5秒に設定されている。したがって、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出の実行時間は2.5秒(=2秒+0.5秒)であり、上述の特定時間と一致するものとなっている。これに対して、背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出の実行時間は2秒であり、上述の特定時間よりも短くなっている。
【0256】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、通常初期保留表示態様(
図49(b)参照)又は特殊初期保留表示態様(
図50(b)及び(c)参照)のいずれかにより、初期保留の保留表示が行われるようになっている。そして、通常初期保留表示態様により初期保留の保留表示が行われる場合において第1背景切り替え演出の実行が決定されたときには、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出が実行される。また、特殊初期保留表示態様により初期保留の保留表示が行われる場合において第1背景切り替え演出の実行が決定されたときには、背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出が実行される。
【0257】
たとえば、通常背景画像が表示されている場合において、第1特図保留数が「1」、変動演出の実行中、及び当該変動演出が終了するまでの残り時間が特定時間以上であるときに保留記憶がなされ、この保留記憶について通常初期保留表示態様により青保留の保留表示が行われる旨が決定されるとともに、第1特殊背景画像に切り替える第1背景切り替え演出の実行が決定されたものとする。
この場合には、保留記憶がなされるのとほぼ同時に、第2保留表示部52cにおいて青保留の保留表示が行われるとともに(
図49(b)参照)、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出が開始される。この第1背景切り替え演出においては、まず、第1特殊背景画像に切り替わる旨を報知する背景切り替え報知表示(本形態では、「チャンスZONE突入!」という文字表示)が行われ(
図49(b)参照)、その後、通常背景画像を第1特殊背景画像に切り替える背景切り替え表示が行われることとなる(
図49(c)参照)。
【0258】
また、通常背景画像が表示されている場合において、第1特図保留数が「1」、変動演出の実行中、及び当該変動演出が終了するまでの残り時間が特定時間以上であるときに保留記憶がなされ、この保留記憶について特殊初期保留表示態様により星保留の保留表示が行われる旨が決定されるとともに、第2特殊背景画像に切り替える第1背景切り替え演出の実行が決定されたものとする。
この場合には、保留記憶がなされると、星保留が第2保留表示部52cから表示部21aの上端近傍まで跳ね上がり第2保留表示部52cに着地するという特定の表示アクションが行われた後に、第2保留表示部52cにおいて星保留の保留表示が行われる(
図50(b)及び(c)参照)。そして、星保留の保留表示が行われると、背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出が開始される。この第1背景切り替え演出においては、第2特殊背景画像に切り替わる旨を報知する背景切り替え報知表示が行われることなく、通常背景画像を第2特殊背景画像に切り替える背景切り替え表示のみが行われることとなる(
図50(d)参照)。
【0259】
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、背景切り替えパターンPにより第1背景切り替え演出が実行される場合には、当該第1背景切り替え演出の実行時間(第1背景切り替え演出が開始されてから終了するまでの時間)が2.5秒となっている(
図51(a)参照)。これに対して、背景切り替えパターンQにより第1背景切り替え演出が実行される場合には、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示の実行時間(2.0秒)及び当該保留表示の終了後に実行される第1背景切り替え演出の実行時間(0.5秒)の合計が2.5秒となっており(
図51(b)参照)、背景切り替えパターンPにより第1背景切り替え演出が実行される場合における当該第1背景切り替え演出の実行時間以内に収まるようになっている。
【0260】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶がなされたことにより第1背景切り替え演出が実行される場合において、当該保留記憶に基づく初期保留の保留表示が通常初期保留表示態様により行われるときには、当該通常初期保留表示態様による初期保留の保留表示の実行開始とともに第1背景切り替え演出が開始される(
図51(a)参照)。そして、このときには、第1背景切り替え演出において、背景切り替え報知表示及び背景切り替え表示が行われる(
図51(a)参照)。
これに対して、当該保留記憶に基づく初期保留の保留表示が特殊初期保留表示態様により行われるときには、当該特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が行われた後に、第1背景切り替え演出が開始される(
図51(b)参照)。そして、このときには、第1背景切り替え演出において、背景切り替え表示のみが行われる(
図51(b)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、初期保留の保留表示の実行状況(通常初期保留表示態様、特殊初期保留表示態様)に応じて、第1背景切り替え演出の開始タイミングが異なるようになっている。したがって、たとえば、初期保留の保留表示に注目させたい場合には、初期保留の保留表示と背景画像の切り替えとを重複させずに実行したり、また、初期保留の保留表示に注目させる必要がない場合には、初期保留の保留表示と背景画像の切り替えとを重複させて実行したりする等の設定が可能であり、保留表示に対して遊技者が抱く印象を変化させることができ、保留表示に対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0261】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出(背景切り替え報知表示及び背景切り替え表示)の実行時間以内で、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示及び背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出(背景切り替え表示)を実行できるようになっている。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出が実行される場合における初期保留の保留表示が開始されてから背景画像の切り替えが終了するまで期間が、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出が実行される場合と比較して間延びするような印象を与えることを防止することができるのである。
【0262】
(第2背景切り替え演出の概要)
第2背景切り替え演出は、通常背景画像を第3特殊背景画像に切り替える場合に実行される演出であり、保留記憶がなされてから当該保留記憶に基づく変動演出が終了するまでの間における特定タイミング(本形態では、保留記憶がなされた時点よりも後において最初に実行される変動演出のリーチ表示が行われる時点)で実行されるようになっている。
この第2背景切り替え演出においては、上述の特定タイミングに至ると、第3特殊背景画像への切り替えが行われる旨を示唆する特殊表示が行われる(
図52(c)参照)。そして、第3特殊背景画像に切り替わる旨を報知する背景切り替え報知表示を行った後(
図52(d)参照)、第3特殊背景画像を表示する背景切り替え表示が行われるようになっている(
図52(e)参照)。
【0263】
具体的には、たとえば、通常背景画像が表示されている場合において、第1特図保留数が「1」、変動演出の実行中であるときに保留記憶がなされ、第2背景切り替え演出の実行が決定されたものとする。
この場合には、実行中の変動演出が終了し、次の変動演出が開始されリーチ表示が行われる時点に至ると、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がいずれも、予め定められた演出図柄50とは異なる特殊な図柄(本形態では、「SUPER!」という文字が付された図柄)で停止する特殊表示が行われる(
図52(c)参照)。そして、第3特殊背景画像に切り替わる旨を報知する背景切り替え報知表示(本形態では、「SUPERチャンスZONE突入!」という文字表示)が行われ(
図52(d)参照)、その後、通常背景画像を第3特殊背景画像に切り替える背景切り替え表示が行われることとなる(
図52(e)参照)。
【0264】
(通常中背景切り替え演出に関する決定の概要)
通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様(第1特殊背景画像への切り替え(第1背景切り替え演出の実行)、第2特殊背景画像への切り替え(第1背景切り替え演出の実行)、第3特殊背景画像への切り替え(第2背景切り替え演出の実行))については、新たな保留が記憶された時点において主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動モード番号、及び、当該時点から変動演出が終了するまでの残り時間(以下、変動演出残り時間という)に基づいて決定されるようになっている。
【0265】
副制御基板300のサブROM302には、通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様を決定するための背景画像切り替え決定テーブル122が設けられている。そして、サブCPU301は、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「1」〜「3」のときに保留記憶がなされた場合に、背景画像切り替え決定テーブル122を参照して、通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様を決定するようになっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図保留数が「0」のときに保留記憶がなされた場合には、背景画像切り替え決定テーブル122に基づく上述の決定を行うことなく、通常中背景切り替え演出を実行しない旨が決定されるようになっている。
【0266】
背景画像切り替え決定テーブル122には、保留記憶がなされた時点において主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動モード番号、変動演出残り時間、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される背景切り替え決定乱数ごとに対応付けられて、通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様が定められている。
副制御基板300が主制御基板100のメインCPU101から事前判定コマンドを受信すると、サブCPU301は、変動演出残り時間を確認するとともに、所定の数値範囲(0〜249)から1の背景切り替え決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、背景画像切り替え決定テーブル122、事前判定コマンドに含まれる変動モード番号、確認した変動演出残り時間、及び、取得した背景切り替え決定乱数に基づいて、通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様を決定する。
【0267】
具体的には、
図53に示すように、背景画像切り替え決定テーブル122によれば、サブCPU301が受信した事前判定コマンドに対応する変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であり、かつ変動演出残り時間が上述の特定時間(本形態では、2.5秒)以上であった場合には、通常中背景切り替え演出を実行しない旨(通常中背景切り替え演出の非実行)、第1特殊背景画像に切り替える第1背景切り替え演出の実行、第2特殊背景画像に切り替える第1背景切り替え演出の実行、又は、第3特殊背景画像に切り替える第2背景切り替え演出の実行のいずれかが決定される。
また、サブCPU301が受信した事前判定コマンドに対応する変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であり、かつ変動演出残り時間が上述の特定時間未満であった場合には、通常中背景切り替え演出を実行しない旨(通常中背景切り替え演出の非実行)又は第3特殊背景画像に切り替える第2背景切り替え演出の実行のいずれかが決定される。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出残り時間が上述の特定時間未満であった場合には、第1特殊背景画像に切り替える第1背景切り替え演出の実行、及び、第2特殊背景画像に切り替える第1背景切り替え演出の実行は決定されないようになっている。
【0268】
また、
図53において、変動モード番号及び変動演出残り時間と、通常中背景切り替え演出の実行の可否及び通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、上述と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0269】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図54に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。具体的には、副制御基板300において変動時間をカウントするためのサブ変動時間タイマカウンタの値をリセットする。また、第2背景切り替え演出の実行が決定されたものの当該演出が開始されていない旨を示す第2背景切り替え演出開始待ちフラグをオフにする。また、変動演出の実行中である旨を示す変動中フラグをオフにする。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数、保留表示決定乱数、背景切り替え決定乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0270】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図55に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図55に示すタイマ割込処理を開始する。
【0271】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0272】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0273】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、
図56のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ562で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0274】
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに基づき、当該事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、現時点で設定されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、高確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ2209に進む。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ2202に進む。なお、上述の如く、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンド及び遊技状態コマンドが副制御基板300に送信され、これらのコマンドに含まれる遊技状態の情報はサブRAM303の所定の記憶領域に記憶される。本形態に係るパチンコ機Pでは、サブCPU301は、上述のサブRAM303の所定の記憶領域に記憶された遊技状態の情報に基づいて、現時点で設定されている遊技状態を把握することができるようになっている。
【0275】
ステップ2202において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに含まれる変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であるか否かを判定する。そして、「02H」、「03H」、「A2H」及び「A3H」のいずれでもないと判定した場合、ステップ2209に進む。一方、「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であると判定した場合、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、上述の実行禁止条件(記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出の実行が決定されていること、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出が実行されていること、記憶されている保留のいずれかについて決定された変動モード番号が「01H」、「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であること(リーチ変動パターンの変動演出が実行されること)等)が成立していないか否かを判定する。そして、実行禁止条件が成立していると判定した場合、ステップ2209に進む。一方、実行禁止条件が成立していないと判定した場合、次のステップ2204に進む。
【0276】
ステップ2204において、サブCPU301は、現時点の第1特図保留数(すなわち、現時点において第1保留記憶領域に記憶されている保留記憶の数)を確認する。そして、次のステップ2205に進む。
ステップ2205において、サブCPU301は、上述のステップ2204で確認した第1特図保留数に対応する保留表示決定テーブル121を取得する。そして、次のステップ2206に進む。
【0277】
ステップ2206において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留表示決定乱数を取得する。そして、次のステップ2207に進む。
ステップ2207において、サブCPU301は、上述のステップ2205で取得した保留表示決定テーブル121、上述のステップ2206で取得した保留表示決定乱数及び事前判定情報に含まれる変動モード番号に基づいて、保留表示情報(保留に基づいて決定される初期保留、初期保留の保留表示を行う場合の態様、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様、切り替え示唆演出の実行の可否、切り替え示唆演出を実行する場合の態様等)を決定する。また、サブCPU301は、ここで決定された保留表示情報を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部(すなわち、事前判定情報を記憶した記憶部と同一の記憶部)に記憶する。そして、次のステップ2208に進む。
なお、上述の記憶部には、保留変化演出に基づく保留表示の切り替えが行われる切り替えタイミング(対象3回前変動演出の開始時点、対象2回前変動演出の開始時点、対象1回前変動演出の開始時点、対象変動演出の開始時点)の情報とともに、当該時点において切り替わる保留表示の表示態様の情報が記憶されるようになっている。これにより、サブCPU301は、いつ保留表示の切り替えが行われるのか、保留表示はいずれの表示態様に切り替わるのかを把握できるようになっている。
【0278】
ステップ2208において、サブCPU301は、初期保留の保留表示を行うための初期保留表示実行処理を実行する。そして、ステップ2210に進む。
また、上述のステップ2201で通常遊技状態でないと判定した場合、上述のステップ2202で事前判定情報に含まれる変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」及び「A3H」のいずれでもないと判定した場合、上述のステップ2203で実行禁止条件は成立していると判定した場合に進むステップ2209において、サブCPU301は、所定の表示態様により、保留表示領域52において保留表示を行うための初期保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた初期保留表示コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に所定の表示態様により保留表示を行うための処理が実行されることとなる。
具体的には、上述のステップ2201で通常遊技状態でないと判定した場合には、高確率時短遊技状態に応じた態様による保留表示が行われる。また、上述のステップ2202で事前判定情報に含まれる変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」及び「A3H」のいずれでもないと判定した場合、及び、上述のステップ2204で実行禁止条件は成立していると判定した場合には、通常初期保留表示態様により白保留の保留表示が行われる。
そして、次のステップ2210に進む。
【0279】
ステップ2210において、サブCPU301は、通常中背景切り替え演出に関する制御を行う通常中背景切り替え演出制御処理を実行する。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0280】
次に、上述したステップ2208の初期保留表示実行処理について、
図57のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2300において、サブCPU301は、上述のステップ2207で特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されたか否か(すなわち、星保留の保留表示が決定されたか否か)を判定する。そして、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されていない(すなわち、通常初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定された(白保留又は青保留の保留表示が決定された))と判定した場合、ステップ2302に進む。一方、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されたと判定した場合、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、特殊初期保留表示態様により、決定された初期保留の保留表示を行うための特殊初期保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた特殊初期保留表示コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に特殊初期保留表示態様により初期保留の保留表示を行うための処理が実行されることとなる。そして、初期保留表示実行処理を終了する。
【0281】
また、上述のステップ2300で特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されていないと判定した場合に進むステップ2302において、サブCPU301は、通常初期保留表示態様により、決定された初期保留の保留表示を行うための通常初期保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた通常初期保留表示コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に通常初期保留表示態様により初期保留の保留表示を行うための処理が実行されることとなる。そして、初期保留表示実行処理を終了する。
【0282】
次に、上述したステップ2210の通常中背景切り替え演出制御処理について、
図58のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2400において、サブCPU301は、現時点で設定されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でないと判定した場合、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、変動中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。一方、変動中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2402に進む。
【0283】
ステップ2402において、サブCPU301は、現時点の第1特図保留数が1〜3であるか否かを判定する。そして、現時点の第1特図保留数が1〜3でない(すなわち、0である)と判定した場合、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。一方、現時点の第1特図保留数が1〜3であると判定した場合、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、通常背景画像が表示されているか否かを判定する。そして、通常背景画像が表示されていない(すなわち、第1特殊背景画像、第2特殊背景画像又は第3特殊背景画像が表示されている)と判定した場合、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。一方、通常背景画像が表示されていると判定した場合、次のステップ2404に進む。
【0284】
ステップ2404において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに含まれる変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であるか否かを判定する。そして、「02H」、「03H」、「A2H」及び「A3H」のいずれでもないと判定した場合、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。一方、「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であると判定した場合、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、後述するサブ変動時間タイマカウンタの値に基づいて変動演出残り時間を確認する。そして、次のステップ2406に進む。
【0285】
ステップ2406において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された背景切り替え決定乱数を取得する。そして、次のステップ2407に進む。
ステップ2407において、サブCPU301は、背景画像切り替え決定テーブル122、上述のステップ2405で確認した変動演出残り時間、上述のステップ2406で取得した背景切り替え決定乱数及び事前判定情報に含まれる変動モード番号に基づいて、
通常中背景切り替え演出の実行の可否、及び、通常中背景切り替え演出を実行する場合の態様を決定する。また、サブCPU301は、ここで決定された内容を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部(事前判定情報及び保留表示情報を記憶した記憶部と同一の記憶部)に記憶する。そして、次のステップ2408に進む。
【0286】
ステップ2408において、サブCPU301は、上述のステップ2407で通常中背景切り替え演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、通常中背景切り替え演出の実行が決定されていないと判定した場合、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。一方、通常中背景切り替え演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2409に進む。
ステップ2409において、サブCPU301は、上述のステップ2407で第1背景切り替え演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、第1背景切り替え演出の実行が決定されていないと判定した場合、ステップ2411に進む。一方、第1背景切り替え演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2410に進む。
【0287】
ステップ2410において、サブCPU301は、第1背景切り替え演出を行うための第1背景切り替え演出実行処理を実行する。そして、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。
また、上述のステップ2409で第1背景切り替え演出の実行が決定されていないと判定した場合に進むステップ2411において、サブCPU301は、第2背景切り替え演出開始待ちフラグをオンにする。そして、通常中背景切り替え演出制御処理を終了する。
【0288】
次に、上述したステップ2410の第1背景切り替え演出実行処理について、
図59のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2500において、サブCPU301は、上述のステップ2207で特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されたか否かを判定する。そして、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されていないと判定した場合、ステップ2502に進む。一方、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されたと判定した場合、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出を実行するためのパターンQ切り替え実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたパターンQ切り替え実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、背景切り替えパターンQによる第1背景切り替え演出を行うための処理が実行されることとなる。そして、第1背景切り替え演出実行処理を終了する。
【0289】
また、上述のステップ2500で特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示が決定されていないと判定した場合に進むステップ2502において、サブCPU301は、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出を実行するためのパターンP切り替え実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたパターンP切り替え実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、背景切り替えパターンPによる第1背景切り替え演出を行うための処理が実行されることとなる。そして、第1背景切り替え演出実行処理を終了する。
【0290】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図60のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2600において、サブCPU301は、受信した変動モードコマンドに係る変動モード番号に対応する前半変動時間、及び、変動パターンコマンドに係る変動パターン番号に対応する後半変動時間の合計値である変動演出の全体の変動時間を、サブ変動時間タイマカウンタにセットする。これにより、実行される変動演出の変動時間が計時されることとなる。また、上述の如く、サブ変動時間タイマカウンタには減算タイマが採用されているため、所定時点におけるサブ変動時間タイマカウンタの値は、当該時点における変動演出残り時間に相当するものとなる。
なお、特に図示していないが、本形態における副制御基板300のサブROM302には、変動モード番号に対応する前半変動時間、変動パターン番号に対応する後半変動時間を定めたサブ変動時間テーブルが設けられている。そして、サブCPU301は、このサブ変動時間テーブルを参照することにより、受信した変動モードコマンドに係る変動モード番号に対応する前半変動時間、及び、変動パターンコマンドに係る変動パターン番号に対応する後半変動時間を取得できるようになっている。なお、変動モード番号に対応する前半変動時間の情報、変動パターン番号に対応する後半変動時間の情報を主制御基板100から副制御基板300に送信するように設定し、サブCPU301がこの情報を受信することで、受信した変動モードコマンドに係る変動モード番号に対応する前半変動時間、及び、変動パターンコマンドに係る変動パターン番号に対応する後半変動時間を取得できるようにしてもよい。
そして、次のステップ2601に進む。
【0291】
ステップ2601において、サブCPU301は、変動中フラグをオンにする。そして、次のステップ2602に進む。
ステップ2602において、サブCPU301は、第1保留記憶領域に記憶された第1特図保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の保留表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動モードコマンドを受信すると、第1保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている情報(事前判定情報、保留表示情報等)をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。そして、次のステップ2603に進む。
【0292】
ステップ2603において、サブCPU301は、上述のステップ2602でシフトされた情報に基づいて、対応する保留表示部の保留表示を切り替える。
たとえば、第1特図保留数が「1」であるときに新たな保留記憶がなされ、初期保留として白保留が決定され、対象1回前変動演出の開始時点において、白保留から青保留への切り替え、パターンC1による切り替え示唆演出(キャラAの表示に基づき白保留から青保留への切り替え)及び途中段階非表示態様による切り替えの実行が決定されたものとする。すると、第2記憶部に事前判定情報及び上述の保留表示情報が記憶されるとともに、第2保留表示部52cにおいて白保留による保留表示が行われる。そして、上述の保留シフト処理が実行されると、第2記憶部に記憶されていた上述の情報が第1記憶部にシフトされるとともに、白保留による保留表示が第1保留表示部52bにシフトされる。ここで、第1記憶部にシフトされた上述の情報によれば、対象1回前変動演出の開始時点において青保留の保留表示に切り替わるように定められているため、パターンC1による切り替え示唆演出が実行されるとともに、途中段階非表示態様により、第1保留表示部52bにおける白保留の保留表示が青保留の保留表示に切り替わることとなる。
そして、次のステップ2604に進む。
【0293】
ステップ2604において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された前半変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、上述のステップ2604で取得した前半変動演出乱数、変動演出決定テーブル及び受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2606に進む。
【0294】
ステップ2606において、サブCPU301は、上述のステップ2605で決定した変動演出の前半部分の態様に対応する前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。なお、第2背景切り替え演出開始待ちフラグがオンであった場合には、上述のステップ2605で決定した変動演出の前半部分の態様ではなく、第2背景切り替え演出の実行に伴う態様(第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がいずれも、予め定められた演出図柄50とは異なる特殊な図柄で停止する特殊表示の態様)に対応する前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた前半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した前半変動演出実行コマンドに基づいて変動演出の前半部分を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2607に進む。
【0295】
ステップ2607において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された後半変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2608に進む。
ステップ2608において、サブCPU301は、上述のステップ2607で取得した後半変動演出乱数、変動演出決定テーブル及び受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2609に進む。
【0296】
ステップ2609において、サブCPU301は、上述のステップ2608で決定した変動演出の後半部分の態様に対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた後半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した後半変動演出実行コマンドに基づいて変動演出の後半部分を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2610に進む。
ステップ2610において、サブCPU301は、第2背景切り替え演出フラグがオンであるか否かを判定する。そして、第2背景切り替え演出フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、変動用コマンド受信処理を終了する。一方、第2背景切り替え演出フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2611に進む。
【0297】
ステップ2611において、サブCPU301は、第2背景切り替え演出を実行するための第2背景切り替え演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第2背景切り替え演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した第2背景切り替え演出実行コマンドに基づいて第2背景切り替え演出を実行する制御が行われることとなる。また、サブCPU301は、第2背景切り替え演出開始待ちフラグをオフにする。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0298】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、図柄確定コマンドを受信した場合に実行される図柄確定コマンド受信処理について、
図61のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、図柄確定コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動停止処理のステップ1003で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2700において、サブCPU301は、変動中フラグをオフにする。そして、図柄確定コマンド受信処理を終了する。
【0299】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態における保留表示演出、保留変化演出、切り替え示唆演出は、通常遊技状態(非時短遊技状態)における第1特図乱数の保留記憶を対象として実行されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、非時短遊技状態における第2特図乱数、時短遊技状態(高確率時短遊技状態)における第1特図乱数や第2特図乱数の保留記憶を対象として実行してもよい。また、普通図柄の抽選に用いられる当たり決定乱数の保留記憶を対象として実行してもよい。
このように設定することで、保留表示演出、保留変化演出、切り替え示唆演出の実行機会を増やすことができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0300】
また、上述の実施の形態では、新たに記憶された保留について決定された変動モード番号が「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合に、保留変化演出の実行を決定できるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、当該変動モード番号が「01H」であった場合(すなわち、ノーマルリーチパターンにより変動演出の前半部分が実行される場合)や、当該変動モード番号が「00H」であった場合(すなわち、リーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される場合)にも、保留変化演出の実行を決定できるようにしてもよい。
このように設定することで、保留変化演出の実行機会を増やすことができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0301】
また、上述の実施の形態では、保留変化演出が実行される場合には、保留表示の表示態様の維持又は切り替えが行われる切り替えタイミングにおいて切り替え示唆演出が実行可能となっていたが、切り替え示唆演出を実行可能なタイミングはこれに限定されるものではない。たとえば、保留変化演出が実行される場合には、上述の切り替えタイミングよりも前の時点から切り替え示唆演出を開始し、上述の切り替えタイミングまで当該切り替え示唆演出が継続して実行されるように設定してもよい。
また、このように設定した場合には、切り替え示唆演出の実行中に、他の切り替え示唆演出が実行されて、当該他の切り替え示唆演出の実行に伴って保留表示の表示態様の維持又は切り替えを実行できるように設定してもよい。
このように設定することで、切り替え示唆演出の実行態様のバリエーションが増加するため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0302】
また、上述の実施の形態では、白保留の保留表示が宝箱保留の保留表示に切り替わる保留変化演出が実行される場合には、途中段階表示態様による切り替えは行われず、途中段階非表示態様による切り替えが行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、白保留の保留表示が宝箱保留の保留表示に切り替わる場合にも、白保留の保留表示と宝箱保留の保留表示との間における途中段階の表示態様に相当する表示態様(たとえば、青保留の保留表示等)を表示することで、途中段階表示態様による切り替えを実行できるように設定してもよい。
このように設定することで、途中段階表示態様による切り替えのバリエーションが増加するため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0303】
また、上述の実施の形態では、表示中の保留表示の表示態様から所定の表示態様に至るまで途中段階表示態様による切り替えを行う場合には、途中段階の表示態様を順次表示するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、途中段階の表示態様の一部を飛ばして切り替えを行うように設定してもよい
このように設定することで、途中段階表示態様による切り替えのバリエーションが増加するため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0304】
また、上述の実施の形態では、途中段階表示態様による切り替え、及び、途中段階非表示態様による切り替えは保留画像(保留表示)を対象として実行されるものとなっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、保留画像とは異なり、大当たりの当選の期待度が段階的に異なるように設定された複数態様を有する他の画像(たとえば、背景画像や予告画像)を対象として、途中段階表示態様による切り替え、及び、途中段階非表示態様による切り替えを実行できるように設定してもよい。
このように設定することで、途中段階表示態様による切り替え、及び、途中段階非表示態様による切り替えが行われる機会が増加するため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0305】
また、上述の実施の形態では、新たな保留記憶がなされた時点で、すべての保留表示情報(保留に基づいて決定される初期保留、初期保留の保留表示を行う場合の態様、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様、切り替え示唆演出の実行の可否、切り替え示唆演出を実行する場合の態様)が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、新たな保留記憶がなされた時点では、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出を実行する場合における保留表示の切り替えの態様のみを決定し、保留変化演出の実行が決定された場合には、その後の所定タイミング(たとえば、その後に実行される変動演出の開始時点等)において、他の保留表示情報を決定するようにしてもよい。
このように設定することで、新たな保留記憶がなされた時点における決定処理のボリュームが少なくなるため、サブCPU301等のハードウェア資源に対する処理負荷を軽減させることができる。
【0306】
また、上述の実施の形態では、保留表示の表示態様の切り替えが行われる場合には必ず、切り替え示唆演出が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、保留表示の表示態様の切り替えが行われる場合に切り替え示唆演出が実行されないことがあるように設定してもよい。すなわち、切り替え示唆演出が実行されることなく、保留表示の表示態様の切り替えが行われる場合があるように設定してもよい。
このように設定することで、突然、保留表示の表示態様が切り替わることがあるため、保留表示の表示態様の切り替えに対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0307】
また、上述の実施の形態における通常中背景切り替え演出は、通常背景画像を第1特殊背景画像、第2特殊背景画像又は第3特殊背景画像のいずれかに切り替えるものであったが、これに限定されるものではない。たとえば、第1特殊背景画像や第2特殊背景画像を、さらに、大当たりの期待度の高い背景画像に切り替えることが可能となるように設定してもよい。
このように設定することで、通常中背景切り替え演出の実行のバリエーションが増加するため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0308】
また、上述の実施の形態では、通常背景画像は1つのみ設けられていたが、複数の通常背景画像を設け、通常遊技状態中において第1特殊背景画像、第2特殊背景画像及び第3特殊背景画像のいずれもが表示されていないときには、複数の通常背景画像のいずれかが表示されるとともに、所定の切替条件を具備した場合には他の通常背景画像に切り替わるように設定してもよい。
また、通常遊技状態中には通常背景画像が表示されるようになっていたが、高確率時短遊技状態中には、当該遊技状態が設定されている旨を示す高確背景画像を表示するようにしてもよい。
このように設定することで、表示される背景画像のバリエーションが増加するため、背景画像の表示対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0309】
また、上述の実施の形態では、背景切り替えパターンPにより第1背景切り替え演出が実行される場合における当該第1背景切り替え演出の実行時間、並びに、背景切り替えパターンQにより第1背景切り替え演出が実行される場合における、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示の実行時間及び当該保留表示の終了後に実行される第1背景切り替え演出の実行時間の合計はいずれも2.5秒で一致していたがこれに限定されるものではない。たとえば、背景切り替えパターンQにより第1背景切り替え演出が実行される場合における、特殊初期保留表示態様による初期保留の保留表示の実行時間及び当該保留表示の終了後に実行される第1背景切り替え演出の実行時間の合計は、背景切り替えパターンPにより第1背景切り替え演出が実行される場合における当該第1背景切り替え演出の実行時間よりも短くなるように設定してもよい。
【0310】
また、上述の実施の形態では、第1背景切り替え演出は保留記憶がなされた時点で行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、第2背景切り替え演出と同様に、保留記憶がなされてから当該保留記憶に基づく変動演出が終了するまでの間における特定タイミング(たとえば、保留記憶がなされた時点よりも後において最初に実行される変動演出のリーチ表示が行われる時点等)で実行されるようにしてもよい。具体的には、初期保留として星保留が決定された場合、保留記憶がなされた時点では特定の表示アクションを行うことなく星保留を表示し、上述の特定タイミングで、当該星保留について特定の表示アクションを行った後、第1背景切り替え演出を実行するようにしてもよい。
このように設定することで、第1背景切り替え演出の実行態様のバリエーションが増えることとなるため、遊技者の興趣を高めることができるのである。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0311】
また、上述の実施の形態における演出表示装置21の表示部21aは、本発明の所定の表示部に相当する。また、上述の実施の形態における保留表示演出は、本発明の表示演出に相当する。また、上述の実施の形態における初期保留表示実行処理を実行するサブCPU301は、本発明の演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態における白保留、青保留等は、本発明の第1表示態様に相当する。また、上述の実施の形態における赤保留、金保留等は、本発明の第2表示態様に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2603の処理を実行するサブCPU301は、本発明の切り替え手段に相当する。また、上述の実施の形態における途中段階非表示態様は、本発明の第1切り替え態様に相当する。また、上述の実施の形態における途中段階表示態様は、本発明の第2切り替え態様に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15は、本発明の進入領域に相当する。また、上述の実施の形態における大当たり決定乱数は、本発明の所定の抽選に用いる乱数に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ503、ステップ603の処理を実行するメインCPU101は、本発明の乱数取得手段に相当する。また、上述の実施の形態における第1保留記憶領域は、本発明の保留記憶手段に相当する。