特許第6982496号(P6982496)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982496新規の6XXXアルミニウム合金を連続鋳造する方法、及びその方法によって作製された製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982496
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】新規の6XXXアルミニウム合金を連続鋳造する方法、及びその方法によって作製された製品
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/12 20060101AFI20211206BHJP
   C22C 21/12 20060101ALI20211206BHJP
   C22C 21/02 20060101ALI20211206BHJP
   C22F 1/043 20060101ALI20211206BHJP
   C22F 1/057 20060101ALI20211206BHJP
   B22D 11/00 20060101ALI20211206BHJP
   B22D 11/06 20060101ALI20211206BHJP
   B21B 3/00 20060101ALI20211206BHJP
   B21B 1/46 20060101ALI20211206BHJP
   C22F 1/05 20060101ALI20211206BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20211206BHJP
【FI】
   B22D11/12 A
   C22C21/12
   C22C21/02
   C22F1/043
   C22F1/057
   B22D11/00 E
   B22D11/06 340A
   B21B3/00 J
   B21B1/46 B
   C22F1/05
   !C22F1/00 602
   !C22F1/00 623
   !C22F1/00 630A
   !C22F1/00 630K
   !C22F1/00 631Z
   !C22F1/00 640A
   !C22F1/00 681
   !C22F1/00 683
   !C22F1/00 685A
   !C22F1/00 685Z
   !C22F1/00 686A
   !C22F1/00 691B
   !C22F1/00 691C
   !C22F1/00 692A
   !C22F1/00 692B
   !C22F1/00 694A
   !C22F1/00 694B
   !C22F1/00 694Z
【請求項の数】19
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-529799(P2017-529799)
(86)(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公表番号】特表2018-505057(P2018-505057A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】US2015063484
(87)【国際公開番号】WO2016090026
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年11月14日
(31)【優先権主張番号】62/087,106
(32)【優先日】2014年12月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/131,637
(32)【優先日】2015年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520119242
【氏名又は名称】アーコニック テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホッシュ,ティモシー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】トームズ,ジュニア,デイビッド アレン
【審査官】 岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−242904(JP,A)
【文献】 特開2007−262484(JP,A)
【文献】 特開2003−089859(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0011438(US,A1)
【文献】 特開2004−315878(JP,A)
【文献】 特開2007−254825(JP,A)
【文献】 特開2003−213356(JP,A)
【文献】 特開2012−077318(JP,A)
【文献】 米国特許第05582660(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22F 1/00−1/18
C22C 21/00−21/18
B22D 11/00−11/22
B21B 3/00−3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)或る鋳造厚さを有する6xxxアルミニウム合金ストリップ(「6AAS」)を連続鋳造することと、
(b)前記6AASを目標厚さまで圧延することであって、前記圧延することが、少なくとも2台の圧延スタンドを介して、インラインで前記6AASを前記目標厚さまで圧延することを含み、前記圧延することが、前記少なくとも2台の圧延スタンドを介して、前記鋳造厚さを15%〜80%低減させて、前記目標厚さを達成することを含み、
(i)前記6AASの前記鋳造厚さが、第1の圧延スタンドによって1%〜50%低減され、それによって、中間厚さを生成し、
(ii)前記6AASの前記中間厚さが、第2の圧延スタンドによって1%〜70%低減される、圧延することと、
(c)前記圧延工程(b)の後に、インライン又はオフラインで前記6AASを溶体化熱処理することと、
(d)工程(c)において前記6AASを前記溶体化熱処理することの後に、前記6AASをクエンチすることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の圧延スタンドが、熱間圧延スタンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の圧延スタンド及び第2の圧延スタンドが、熱間圧延スタンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の圧延スタンドが、熱間圧延スタンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の圧延スタンドが、冷間圧延スタンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の圧延スタンド及び第2の圧延スタンドが、冷間圧延スタンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第2の圧延スタンドが、冷間圧延スタンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記圧延工程(b)が、いかなる焼きなまし処理も含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記6AASが、371〜538℃(700〜1000°F)の温度で前記第1のスタンドに進入する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記6AASが、204〜427℃(400〜800°F)の温度で第2のスタンドに進入する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記クエンチすることの後に、前記6AASをコイル状製品として出荷することであって、前記コイル状製品が、T4又はT43質別である、出荷することと、
前記コイル状製品から成形製品を調製することと、
前記成形製品を塗装焼付けすることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記6AASが、0.8〜1.25重量%のSi、0.2〜0.6重量%のMg、0.5〜1.15重量%のCu、0.01〜0.20重量%のマンガン、0.01〜0.3重量%の鉄、最大0.30重量%のTi、最大0.25重量%のZn、最大0.15重量%のCr、及び最大0.18重量%のZr、を含有し、残部が、アルミニウム及び不純物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
0.1524〜4.064mmの厚さを有する6xxxアルミニウム合金ストリップ(「6AAS」)であって、
0.8〜1.25重量%のSi、0.2〜0.6重量%のMg、0.5〜1.15重量%のCu、0.01〜0.20重量%のMn、0.01〜0.3重量%のFe、最大0.30重量%のTi、最大0.25重量%のZn、最大0.15重量%のCr、及び最大0.18重量%のZrから本質的になり、残部が、アルミニウム及び不純物であり、
前記6AASが、1mmあたり少なくとも4300クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度及び0.10以下のデルタRを実現する、アルミニウム合金ストリップ(「6AAS」)。
【請求項14】
T6質別の前記6xxxアルミニウム合金ストリップが、160〜350MPaの長手方向引張降伏強度を実現する、請求項13に記載の6xxxアルミニウム合金ストリップ。
【請求項15】
T4質別の前記6xxxアルミニウム合金ストリップが、100〜200MPaの長手方向引張降伏強度を実現する、請求項13に記載の6xxxアルミニウム合金ストリップ。
【請求項16】
前記6xxxアルミニウム合金ストリップが、28.0〜35.0(Engr%)のFLDoを実現し、前記FLDoが、1.0mmのゲージで測定される、請求項13又は14に記載の6xxxアルミニウム合金ストリップ。
【請求項17】
前記圧延が、少なくとも2つの圧延スタンドを介して、前記鋳造厚さを15%〜70%低減させて、前記目標厚さを達成する、請求項1の方法。
【請求項18】
前記圧延が、少なくとも2つの圧延スタンドを介して、前記鋳造厚さを15%〜60%低減させて、前記目標厚さを達成する、請求項1の方法。
【請求項19】
前記圧延が、少なくとも2つの圧延スタンドを介して、前記鋳造厚さを15%〜55%低減させて、前記目標厚さを達成する、請求項1の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
6xxxアルミニウム合金は、析出ケイ化マグネシウム(MgSi)を生成するためにケイ素及びマグネシウムを有する、アルミニウム合金である。合金6061は、数十年にわたって様々な用途で使用されてきた。しかしながら、6xxxアルミニウム合金の1つ以上の特性を、他の特性を損なうことなく改良することは困難である。自動車用途の場合、(典型的な塗装焼付け熱処理を行った後に)高強度を有する良好な成形性を有するシートが望ましくなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、連続インラインシーケンスで6xxxアルミニウム合金ストリップを製造する方法に関し、該方法は、(i)原材料として連続鋳造アルミニウム合金ストリップを提供することと、(ii)少なくとも2つのスタンドを介して、インラインで原材料を必要とされる厚さまで、任意追加的に最終製品ゲージまで、圧延すること(例えば、熱間圧延及び/又は冷間圧延すること)と、を含む。圧延の後に、原材料は、(iii)溶体化熱処理し、(iv)クエンチすることができる。溶体化熱処理及びクエンチの後に、6xxxアルミニウム合金ストリップは、(v)(例えば、塗装焼付けを介して)人工時効することができる。任意の追加の工程には、オフラインの冷間圧延(例えば、溶体化熱処理の直前又は直後)、テンションレベリング、及びコイリングを含む。この方法は、改善された特性の組み合わせ(例えば、改善された強度及び成形性の組み合わせ)を有するアルミニウム合金ストリップをもたらす。
【0003】
以下、図1を参照すると、6xxxアルミニウム合金ストリップの1つの製造方法が示される。この実施形態において、連続鋳造アルミニウム6xxxアルミニウム合金ストリップ原材料1は、任意追加的に、剪断及びトリムステーション2を通過させられ、そして任意追加的に、溶体化熱処理の前に8でトリムされる。ストリップは、T4又はT43質別のものとすることができる。加熱工程及びその後のクエンチング工程の温度は、所望の質別に応じて異なる。他の実施形態において、クエンチングは、鋳造1と剪断及びトリム2との間などの、フロー図の任意の工程の間で起こり得る。更なる実施形態において、圧延6の後には、コイリングが起こり得、続いて、オフラインの冷間加工又は溶体化熱処理が起こり得る。他の実施形態において、本生産方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、共同所有された米国特許出願公開第US2014/0000768号で説明されるように、溶体化工程として鋳造工程を利用することができ、したがって、いかなる溶体化熱処理又は焼きなましも含まないことができる。一実施形態において、アルミニウム合金ストリップは、クエンチングの後に、コイリングされる。コイリングされた製品(例えば、T4又はT43質別)は、(例えば、形成された自動車用パネルなどの形成された自動車用の物品/部品で使用するために)顧客に出荷することができる。顧客は、形成された製品を塗装焼付けし、及び/又は別様に熱処理して(例えば、人工時効して)最終的な質別製品(例えば、下で説明されるように、ニアピーク強度のT6質別であり得る、T6質別)を達成することができる。
【0004】
本明細書で使用するときに、用語「焼きなまし(anneal)」は、(例えば、成形性を改善するために)金属の復元及び/又は再結晶を生じさせる、加熱プロセスを指す。アルミニウム合金を焼きなましする際に使用される典型的な温度は、260〜482℃(500°F〜900°F)の範囲である。
【0005】
また、本明細書で使用するときに、用語「溶体化熱処理」は、合金元素の第2相粒子を固溶体の中へ少なくとも部分的に溶解させる(例えば、第2相粒子を完全に溶解させる)ように金属を高温に保持する、冶金学的プロセスを指す。溶体化熱処理において使用される温度は、一般に、485℃〜最大571℃(905°F〜最大1060°F)の範囲の温度など、焼きなましにおいて使用される温度よりも高いが、初期溶融点未満である。一実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも510℃(950°F)である。別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも516℃(960°F)である。更に別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも521℃(970°F)である。別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも527℃(980°F)である。更に別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも532℃(990°F)である。別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも538℃(1000°F)である。一実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも566℃(1050°F)以下である。別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも560℃(1040°F)以下である。別の実施形態において、溶体化熱処理温度は、少なくとも554℃(1030°F)以下である。一実施形態において、溶体化熱処理は、少なくとも510℃〜571℃(950°〜1060°F)の温度である。別の実施形態において、溶体化熱処理は、516℃〜571℃(960°〜1060°F)の温度である。更に別の実施形態において、溶体化熱処理は、521℃〜566℃(970°〜1050°F)の温度である。別の実施形態において、溶体化熱処理は、527℃〜560℃(980°〜1040°F)の温度である。更に別の実施形態において、溶体化熱処理は、532℃〜560℃(990°〜1040°F)の温度である。別の実施形態において、溶体化熱処理は、538℃〜560℃(1000°〜1040°F)の温度である。
【0006】
本明細書で使用するときに、用語「原材料(feedstock)」は、ストリップ形態のアルミニウム合金を指す。本発明の実践に際して用いられる原材料は、当業者に周知の任意の数の連続鋳造技法によって調製することができる。ストリップを作製するための好ましい方法は、Wyatt−Mair及びHarringtonに発行された米国特許第5,496,423号で説明されている。別の好ましい方法は、どちらも本発明の譲受人に譲渡された、出願第10/078,638号(現在は米国特許第6,672,368号)及び第10/377,376号で説明されている。典型的に、鋳造されたストリップは、ストリップの所望の連続処理及び最終用途に応じて、約43〜254cm(約17〜100インチ)の幅を有する。
【0007】
図2は、追加の加熱工程及び圧延工程が行われる数多くの代替の実施形態のうちの1つに関する装置を概略的に示す。金属は、炉80の中で加熱され、溶融金属は、溶融装置ホルダー81、82において保持される。溶融金属は、トラフ84を通過させられ、そして、脱ガス装置86及び濾過装置88によって更に調製される。タンディッシュ90は、溶融金属を連続鋳造機92に供給し、該連続鋳造機は、ベルト鋳造機として例示されているが、これに限定されない。鋳造機92から現れる金属原材料94は、縁部のトリミング及び横断方向の切断のための任意追加的な剪断ステーション96及びトリムステーション98を通って移動し、その後に、圧延温度の調整のための任意追加的なクエンチングステーション100に渡される。
【0008】
クエンチング100の後に、原材料94は、圧延ミル102を通過させられ、該圧延ミルから中間厚さで現れる。原材料94は、次いで、所望の最終ゲージに到達するまで、追加の熱間ミリング(圧延)104、及び任意追加的な冷間ミリング(圧延)106、108を受ける。冷間ミリング(圧延)は、示されるようにインラインで、又はオフラインで行うことができる。
【0009】
本発明の実践に際しては、様々なクエンチングデバイスのうちのいずれかを使用することができる。典型的に、クエンチングステーションは、液体又はガス形態のいずれかの冷却液体を高温の原材料の上へ噴霧して、該原材料の温度を急速に下げるためのものである。適切な冷却液体としては、水、空気、二酸化炭素などの液化ガス、及び同類のものが挙げられる。クエンチは、高温の原材料の温度を急速に下げて、固体溶体化からの合金元素の実質的な析出を防止することが好ましい。
【0010】
一般に、ステーション100でのクエンチは、原材料が連続鋳造機から現れるときに該原材料の温度を、454〜566℃(850〜1050°F)の温度から所望の圧延温度(例えば、熱間又は冷間圧延温度)まで下げる。一般に、原材料は、所望の合金及び質別に応じて、38〜510℃(100〜950°F)の範囲の温度で、ステーション100でのクエンチを出る。この目的には、水噴霧又は空気クエンチを使用することができる。別の実施形態において、クエンチングは、原材料の温度を482〜510℃から427〜454℃(900〜950°Fから800〜850°F)まで下げる。別の実施形態において、原材料は、316〜482℃(600〜900°F)の範囲の温度でステーション51でのクエンチを出る。
【0011】
熱間圧延102は、典型的には、204〜538℃(400〜1000°F)、好ましくは、204〜482℃(400〜900°F)、より好ましくは、371〜482℃(700〜900°F)の範囲内の温度で行われる。冷間圧延は、典型的には、周囲温度〜204℃(400°F)未満の温度で行われる。熱間圧延の際に、熱間圧延スタンドの出口でのストリップの温度は、ストリップが圧延中にロールによって冷却され得るので、38〜427℃(100〜800°F)、好ましくは、38〜288℃(100〜550°F)とすることができる。
【0012】
本発明の少なくとも2台の圧延スタンドを含む、圧延工程によって影響を及ぼされる厚さの低減の程度は、いずれかを目標厚さとすることができる、必要とされる仕上げゲージ又は中間ゲージに到達することを意図する。下の実施例に示されるように、2台の圧延スタンドを使用することで、予想外の、改善された特性の組み合わせを促進する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを15%〜80%低減させて、目標厚さを達成する。ストリップの鋳放し(鋳造)ゲージは、少なくとも2台の圧延スタンドを通じて適切な合計の低減を達成して、目標厚さを達成するように調整することができる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを少なくとも25%低減させることができる。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを少なくとも30%低減させることができる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを少なくとも35%低減させることができる。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを少なくとも40%低減させることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、第1の熱間圧延スタンドに少なくとも第2の熱間圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを75%以下低減させることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、第1の熱間圧延スタンドに少なくとも第2の熱間圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを65%以下低減させることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、第1の熱間圧延スタンドに少なくとも第2の熱間圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを60%以下低減させることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、第1の熱間圧延スタンドに少なくとも第2の熱間圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを55%以下低減させることができる。
【0013】
一手法において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを15%〜75%低減させて、目標厚さを達成する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを15%〜70%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを15%〜65%低減させて、目標厚さを達成する。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを15%〜60%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを15%〜55%低減させて、目標厚さを達成する。
【0014】
別の手法において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを20%〜75%低減させて、目標厚さを達成する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを20%〜70%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを20%〜65%低減させて、目標厚さを達成する。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを20%〜60%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを20%〜55%低減させて、目標厚さを達成する。
【0015】
別の手法において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを25%〜75%低減させて、目標厚さを達成する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを25%〜70%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを25%〜65%低減させて、目標厚さを達成する。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを25%〜60%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを25%〜55%低減させて、目標厚さを達成する。
【0016】
別の手法において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを30%〜75%低減させて、目標厚さを達成する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを30%〜70%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを30%〜65%低減させて、目標厚さを達成する。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを30%〜60%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを30%〜55%低減させて、目標厚さを達成する。
【0017】
別の手法において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを35%〜75%低減させて、目標厚さを達成する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを35%〜70%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを35%〜65%低減させて、目標厚さを達成する。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを35%〜60%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを35%〜55%低減させて、目標厚さを達成する。
【0018】
別の手法において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを40%〜75%低減させて、目標厚さを達成する。一実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを40%〜70%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを40%〜65%低減させて、目標厚さを達成する。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを40%〜60%低減させて、目標厚さを達成する。別の実施形態において、第1の圧延スタンドに少なくとも第2の圧延スタンドを加えた組み合わせは、鋳放し(鋳造)厚さを40%〜55%低減させて、目標厚さを達成する。
【0019】
第1の圧延スタンドに関して、一実施形態では、1〜50%の厚さの低減が第1の圧延スタンドによって達成され、該厚さの低減は、鋳物厚さから中間厚さまでである。一実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを5〜45%低減させる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを10〜45%低減させる。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを11〜40%低減させる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを12〜35%低減させる。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを12〜34%低減させる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを13〜33%低減させる。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを14〜32%低減させる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを15〜31%低減させる。更に別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを16〜30%低減させる。別の実施形態において、第1の圧延スタンドは、鋳放し(鋳物)厚さを17〜29%低減させる。
【0020】
第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成された中間厚さに対して1〜70%の厚さ低減を達成する。算術を使用することで、目標厚さを達成するために必要とされる合計の低減、及び第1の圧延スタンドによって達成される低減の量に基づいて、適切な第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)の低減を選択することができる。
(1)目標厚さ=鋳造ゲージ厚さ×(第1のスタンドによる低減%)×(第2のスタンド及び任意のその後のスタンド(複数可)による低減%)
(2)目標厚さを達成するための合計の低減=第1のスタンドによる低減+第2(又はそれ以上)のスタンドによる低減
一実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して5〜70%の厚さ低減を達成する。別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して10〜70%の厚さ低減を達成する。更に別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して15〜70%の厚さ低減を達成する。別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して20〜70%の厚さ低減を達成する。更に別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して25〜70%の厚さ低減を達成する。別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して30〜70%の厚さ低減を達成する。更に別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して35〜70%の厚さ低減を達成する。別の実施形態において、第2の圧延スタンド(又は第2の圧延スタンドに任意の追加の圧延スタンドを加えた組み合わせ)は、第1の圧延スタンドによって達成される中間厚さに対して40〜70%の厚さ低減を達成する。
【0021】
原材料は、一般に、適切な圧延厚さ(例えば、1.524〜10.160mm(0.060〜0.400インチ))で、第1の圧延ステーション(本明細書では、「スタンド」と称されることもある)に進入する。少なくとも2つの圧延スタンドの後のストリップの最終ゲージ厚さは、0.1524〜4.064mm(0.006〜0.160インチ)の範囲とすることができる。一実施形態において、少なくとも2つの圧延スタンドの後のストリップの最終ゲージ厚さは、0.8〜3.0mm(0.031〜0.118インチ)の範囲である。
【0022】
加熱装置112で行われる加熱は、完成品に所望される合金及び質別によって決定される。好ましい一実施形態において、原材料は、上で説明した溶体化熱処理温度で、インラインで溶体化熱処理される。加熱は、合金の溶体化を確実にするのに十分な温度及び時間であるが、アルミニウム合金の初期溶融を伴わないように行われる。溶体化熱処理は、T質別の生成を容易にする。
【0023】
別の実施形態において、焼きなましは、圧延(例えば、熱間圧延)の後で、最終ゲージに到達するための追加の冷間圧延の前に行うことができる。この実施形態において、原材料は、少なくとも2つのスタンドを介した圧延、焼きなまし、冷間圧延、任意追加的なトリミング、インライン又はオフラインの溶体化熱処理、及びクエンチングを通して進行する。追加の工程としては、テンションレベリング及びコイリングが挙げられる。
【0024】
同様に、ステーション100でのクエンチングは、最終製品に所望される質別に依存する。例えば、溶体化熱処理された原材料は、21〜121℃(70〜250°F)、好ましくは、38〜93℃(100〜200°F)までクエンチされ、好ましくは、空気及び/又は水でクエンチされ、次いで、コイリングされる。別の実施形態において、溶体化熱処理された原材料は、21〜121℃(70〜250°F)、好ましくは、21〜82℃(70〜180°F)までクエンチされ、好ましくは、空気及び/又は水でクエンチされ、次いで、コイリングされる。好ましくは、ステーション100でのクエンチは、水クエンチ若しくは空気クエンチ又は組み合わせたクエンチであり、該組み合わせたクエンチでは、最初に水が適用されて、ストリップの温度をライデンフロスト温度のすぐ上(多くのアルミニウム合金の場合、約288℃(約550°F))にし、続いて、空気クエンチを行う。この方法は、水クエンチの急速冷却の利点と、製品に高品質の表面を提供し、歪みを最小にするするエアジェットの低応力クエンチとを組み合わせる。熱処理製品の場合は、約121℃(約250°F)以下の出口温度が好ましい。
【0025】
焼きなましした製品は、43〜382℃(110〜720°F)までクエンチし、好ましくは、空気又は水クエンチし、次いで、コイリングすることができる。焼きなましは、バッチ焼きなましを通して、例示されているようにインラインで、又はオフラインで行うことができることを認識することができる。
【0026】
本発明のプロセスは、一実施形態において、これまで、目標厚さに到達するために、2スタンド圧延(例えば、熱間圧延及び/又は冷間圧延)の単一工程を有するように説明されているが、他の実施形態が想定され、適切な目標厚さに到達するために、任意の適切な数の熱間及び冷間圧延スタンドを使用することができる。例えば、薄いゲージのための圧延ミルの配設は、熱間圧延工程を備え、続いて、必要に応じて、熱間及び/又は冷間圧延工程を備えることができる。
【0027】
原材料94は、次いで、任意追加的に、110でトリムされ、次いで、加熱装置112で溶体化熱処理される。加熱装置112での溶体化熱処理に続いて、原材料94は、任意追加的に、プロファイルゲージ113を通過し、そして任意追加的に、クエンチングステーション114でクエンチされる。結果として生じるストリップは、X線116、118及び表面検査120を受け、次いで、任意追加的に、コイリングされる。溶体化熱処理ステーションは、最終ゲージに到達した後に配置し、その後にクエンチステーションが続く。中間焼きなましのために、及び溶体中に溶質を保つために、必要に応じて、追加のインライン焼きなまし工程及びクエンチを圧延工程の間に配置することができる。
【0028】
溶体化熱処理及びクエンチングの後に、新規の6xxxアルミニウム合金は、例えばT4又はT43質別に、自然時効することができる。いくつかの実施形態では、自然時効の後に、コイリングした新規の6xxxアルミニウム合金製品が、更なる処理のために顧客に出荷される。
【0029】
任意の自然時効の後に、新規の6xxxアルミニウム合金は、人工時効して、析出硬化の析出物を成長させることができる。人工時効は、1つ以上の期間(例えば、数分間〜数時間)にわたって、1つ以上の高温(例えば、93.3℃〜232.2℃(200°〜450°F))で新規の6xxxアルミニウム合金を加熱することを含むことができる。人工時効は、(例えば、アルミニウム合金が自動車用途で使用されるときに)新規の6xxxアルミニウム合金の塗装焼付けを含むことができる。人工時効は、任意追加的に、塗装焼付けの前に(例えば、新規の6xxxアルミニウム合金を自動車用構成要素に形成した後に)行うことができる。任意の塗装焼付けの後に、追加の人工時効もまた、必要応じて/適宜、完了することもできる。一実施形態において、最終的な6xxxアルミニウム合金製品は、T6質別であり、これは、最終的な6xxxアルミニウム合金製品が、溶体化熱処理され、クエンチされ、そして人工時効されていることを意味する。人工時効は、ピーク強度に対して必ずしも必要な時効ではないが、人工時効は、ピーク強度又はニアピーク時効強度(ニアピーク時効は、ピーク強度の10%以内を意味する)を達成するために完了することができる。
【0030】
<組成>
任意の適切な6xxxアルミニウム合金は、本明細書で説明される新規の方法に従って処理することができる。いくつかの適切な6xxxアルミニウム合金としては、合金6101、6101A、6101B、6201、6201A、6401、6501、6002、6003、6103、6005、6005A、6005B、6005C、6105、6205、6305、6006、6106、6206、6306、6008、6009、6010、6110、6110A、6011、6111、6012、6012A、6013、6113、6014、6015、6016、6016A、6116、6018、6019、6020、6021、6022、6023、6024、6025、6026、6027、6028、6031、6032、6033、6040、6041、6042、6043、6151、6351、6351A、6451、6951、6053、6055、6056、6156、6060、6160、6260、6360、6460、6460B、6560、6660、6061、6061A、6261、6361、6162、6262、6262A、6063、6463、6463A、6763、6963、6064、6064A、6065、6066、6068、6069、6070、6081、6181、6181A、6082、6082A、6182、6091、及び6092が挙げられ、アルミニウム協会の文書「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」(2015年1月)によって定義されており、該文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
一実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、0.8〜1.25重量%のSi、0.2〜0.6重量%のMg、0.5〜1.15重量%のCu、0.01〜0.20重量%のマンガン、及び0.01〜0.3重量%の鉄を含有する、高ケイ素6xxx合金である。
【0032】
ケイ素(Si)は、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金において、一般に、0.80重量%〜1.25重量%のSiの範囲で含まれる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、1.00重量%〜1.25重量%のSiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、1.05重量%〜1.25重量%のSiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、1.05重量%〜1.20重量%のSiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、1.05重量%〜1.15重量%のSiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、1.08重量%〜1.18重量%のSiを含む。
【0033】
マグネシウム(Mg)は、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金において、一般に、0.20重量%〜0.60重量%のMgの範囲で含まれる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.20重量%〜0.45重量%のMgを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.25重量%〜0.40重量%のMgを含む。
【0034】
銅(Cu)は、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金において、一般に、0.50重量%〜1.15重量%のCuの範囲で含まれる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.60重量%〜1.10重量%のCuを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.65重量%〜1.05重量%のCuを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.70重量%〜1.00重量%のCuを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.75重量%〜1.00重量%のCuを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.75重量%〜0.95重量%のCuを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.75重量%〜0.90重量%のCuを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.80重量%〜0.95重量%のCuを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.80重量%〜0.90重量%のCuを含む。
【0035】
鉄(Fe)は、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金において、一般に、0.01重量%〜0.30重量%のFeの範囲で含まれる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.01重量%〜0.25重量%のFeを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.01重量%〜0.20重量%のFeを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.07重量%〜0.185重量%にFeを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.09重量%〜0.17重量%のFeを含む。
【0036】
マンガン(Mn)は、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金において、一般に、0.01重量%〜0.20重量%のMnの範囲で含まれる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.02重量%のMnを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.04重量%のMnを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.05重量%のMnを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.06重量%のMnを含む。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.18重量%以下のMnを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.16重量%以下のMnを含む。更なる実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.14重量%以下のMnを含む。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.02重量%〜0.08重量%のMnを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.04重量%〜0.18重量%のMnを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.05重量%〜0.16重量%のMnを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.05重量%〜0.14重量%のMnを含む。
【0037】
チタン(Ti)は、任意追加的に、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金中最大0.30重量%の量のTiを含むことができる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.01重量%のTiを含む。耐腐食性の増加が重要である実施形態の場合、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.05重量%のTiを含む。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.06重量%のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.07重量%のTiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.08重量%のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.09重量%のTiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、少なくとも0.10重量%のTiを含む。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.25重量%以下のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.21重量%以下のTiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.18重量%以下のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.15重量%以下のTiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.12重量%以下のTiを含む。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.01重量%〜0.30重量%のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.05重量%〜0.25重量%のTiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.06重量%〜0.21重量%のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.07重量%〜0.18重量%のTiを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.08重量%〜0.15重量%のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、0.09重量%〜0.12重量%のTiを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、約0.11重量%のTiを含む。いくつかの実施形態において、6xxx高ケイ素アルミニウム合金は、チタンを含まないことができ、又は0.01〜0.04重量%のTiを含むことができる。
【0038】
亜鉛(Zn)は、任意追加的に、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金中最大0.25重量%の量のZnを含むことができる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.20重量%のZnを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.15重量%のZnを含む。
【0039】
クロム(Cr)は、任意追加的に、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金中最大0.15重量%の量のCrを含むことができる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.10重量%のCrを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.07重量%のCrを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.05重量%のCrを含む。
【0040】
ジルコニウム(Zr)は、任意追加的に、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金中最大0.18重量%の量のZrを含むことができる。一実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.14重量%のZrを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.11重量%のZrを含む。更に別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.08重量%のZrを含む。別の実施形態において、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、最大0.05重量%のZrを含む。
【0041】
上で述べたように、新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金の残部は、アルミニウム及び他の元素である。本明細書で使用するときに、「他の元素」は、上で確認した元素以外の、周期表の任意の他の金属元素、すなわち、アルミニウム(Al)、Ti、Si、Mg、Cu、Fe、Mn、Zn、Cr、及びZr以外の任意の元素を含む。新規の高ケイ素6xxxアルミニウム合金は、任意の他の元素のそれぞれを0.10重量%以下含むことができ、これらの他の元素の合計量は、新アルミニウム合金中0.30重量%を超えない。一実施態様において、これらの他の元素はそれぞれ、個別に、アルミニウム合金中0.05重量%を超えず、これらの他の元素の合計量はアルミニウム合金中0.15重量%を超えない。別の実施態様において、これらの他の元素はそれぞれ、個別に、アルミニウム合金中0.03重量%を超えず、これらの他の元素の合計量はアルミニウム合金中0.10重量%を超えない。
【0042】
特に明記する場合を除き、元素量を参照する際の表現「最大」は、その元素組成が任意であることを意味し、その特定の組成上の構成要素のゼロの量を含む。特に明記しない限り、すべての組成上の割合は重量パーセント(重量%)である。下の表は、新規の高シリコン6xxxアルミニウム合金のいくつかの非限定的な実施形態を提供する。
【表A】
【0043】
<特性>
上で述べたように、新規の6xxxアルミニウム合金は、改善された特性の組み合わせを実現することができる。一実施形態において、改善された特性の組み合わせは、改善された強度及び成形性の組み合わせに関する。一実施形態において、改善された特性の組み合わせは、改善された強度、成形性、及び耐腐食性の組み合わせに関する。
【0044】
6xxxアルミニウム合金製品は、自然時効条件において、ASTM B557に従って測定したときに、100〜200MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。例えば、溶体化熱処理、任意追加的な応力除去(例えば、1〜6%ストレッチ)、及び自然時効の後に、6xxxアルミニウム合金製品は、T4又はT43質別のうちの1つのように、100〜200MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。T4又はT43質別における自然時効強度は、30日の自然時効において測定される。
【0045】
一実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも130MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも135MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも140MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも145MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも150MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも155MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも160MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも165MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T4質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも170MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。
【0046】
一実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも110MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも115MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも120MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも125MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも130MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも135MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも140MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも145MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、T43質別の新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも150MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。
【0047】
6xxxアルミニウム合金製品は、人工時効条件において、ASTM B557に従って測定したときに、160〜350MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。例えば、溶体化熱処理、任意追加的な応力除去(例えば、1〜6%ストレッチ)、及び人工時効の後に、新規の6xxxアルミニウム合金製品は、160〜350MPaのニアピーク強度を実現することができる。一実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、(例えば、ニアピーク強度に時効したときに)少なくとも165MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも170MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも175MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも180MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも185MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも190MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも195MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも200MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも205MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも210MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも215MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも220MPaの引張降伏強度(LT)を実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも225MPa、又はそれ以上の引張降伏強度(LT)を実現することができる。
【0048】
一実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、ISO 12004−2:2008規格に従って測定したときに、1.0mmのゲージで28.0〜35.0(Engr%)のFLDを実現し、ISO規格は、ドームの頂点から離れたパンチ直径の15%を超える破断を有効であるとみなすように変更される。一実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも28.5(Engr%)のFLDを実現する。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも29.0(Engr%)のFLDを実現する。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも29.5(Engr%)のFLDを実現する。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも30.0(Engr%)のFLDを実現する。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも30.5(Engr%)のFLDを実現する。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも31.0(Engr%)のFLDを実現する。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも31.5(Engr%)のFLDを実現する。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも32.0(Engr%)のFLDを実現する。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも32.5(Engr%)のFLDを実現する。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも33.0(Engr%)のFLDを実現する。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも33.5(Engr%)のFLDを実現する。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも33.0(Engr%)のFLDを実現する。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、少なくとも34.5(Engr%)のFLDを実現する。
【0049】
新規の6xxxアルミニウム合金は、ISO規格11846(1995)(方法B)に従って試験したときに、(例えば、上で定義した、ニアピーク時効の条件において)350ミクロン以下のアタック深さの測定値を実現するなどの、良好な耐粒界腐食性を実現することができる。一実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、340ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、330ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、320ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、310ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、300ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、290ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、280ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、270ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、260ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、250ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。更に別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、240ミクロン以下のアタック深さを実現することができる。別の実施形態において、新規の6xxxアルミニウム合金は、230ミクロン以下の、又はそれよりも少ないアタック深さを実現することができる。
【0050】
上で述べたように、新規の6xxxアルミニウム合金は、改善された特性の組み合わせを実現することができる。改善された特性の組み合わせは、新規の6xxxアルミニウム合金の固有の微細構造に起因し得る。例えば、新規の6xxxアルミニウム合金は、改善された第2相粒子の分散を含むことができる。「第2相粒子」は、例えば、鉄、銅、マンガン、ケイ素、及び/又はクロムを含む構成粒子(例えば、Al12[Fe,Mn,Cr]Si、AlFeSi)である。これらの第2相粒子のクラスタへの凝集/集群が、成形性などの合金の特性に不利益であることが分かった。第2相粒子クラスタの数は、画像解析技法を使用して決定することができる。次いで、これらの第2相粒子クラスタの数密度を決定することができる。大きいクラスタ数密度は、第2相粒子が、合金においてより凝集し難いことを示し、これは、成形性及び/又は強度に有益であり得る。したがって、本明細書で説明される6xxxアルミニウム合金に関するいくつかの実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも4300クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。「平均第2相粒子のクラスタ密度」は、下で説明される、第2相粒子のクラスタ数密度の測定手順に従って決定される。一実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも4400クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも4500クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6AASは、1mmあたり少なくとも4600クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6AASは、1mmあたり少なくとも4700クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6AASは、1mmあたり少なくとも4800クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6AASは、1mmあたり少なくとも4900クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6AASは、1mmあたり少なくとも5000クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5100クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5200クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5300クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5400クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5500クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5600クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5700クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5800クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも5900クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6000クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6100クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6200クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6300クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6400クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6500クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6600クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6700クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6800クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも6900クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7000クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7100クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7200クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7300クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7400クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7500クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7600クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7700クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。更に別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7800クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。別の実施形態において、6xxxアルミニウム合金は、1mmあたり少なくとも7900クラスタの平均第2相粒子のクラスタ数密度を実現する。
【0051】
第2相粒子のクラスタ数密度の測定手順
1.SEM撮像のための合金の調製
合金の長手方向(L−ST)試料を、段階的により細かいグリットのペーパーを使用して、240グリットから始めて、320、400、及び最終的に600グリットのペーパーへと進めて、(例えば、約30秒間)研削する。研削後に、試料は、(a)3ミクロンのモル布及び3ミクロンのダイヤモンド懸濁液、(b)3ミクロンの絹布及び3ミクロンのダイヤモンド懸濁液、そして最後に(c)1ミクロンの絹布及び1ミクロンのダイヤモンド懸濁液、のシーケンスを使用して、布上で(例えば、約2〜3分間)研磨する。研磨中には、適切な油性の潤滑剤を使用することができる。SEM検査の前の最終研磨は、0.05ミクロンのコロイド状二酸化ケイ素(例えば、約30秒間)を使用し、最後に水ですすぐ。
2.SEM画像集
JSM Sirion XL30 FEG SEM又は同等のFEG SEMを使用して、金属組織学的に調製した(上の項1による)長手方向(L−ST)断面の表面において、20枚の後方散乱電子像が取り込まれる。画像サイズは、500倍の倍率で、1296画素×968画素となる。画素寸法は、x=0.195313μm、y=0.19084μmである。加速電圧は、5.0mmの作業距離及びスポットサイズ5において5kVである。コントラストは、97に設定し、明るさは、56に設定する。画像集は、約55の平均グレイレベル及び約±7の標準偏差を有すマトリックスによって、8ビットデジタルグレイレベルの画像(0が黒で、255が白である)を生じなければならない。
3.第2相粒子の区別
対象の第2相粒子の平均原子数は、マトリックス(アルミニウムマトリックス)よりも大きいので、第2相粒子は、画像表現において明るく見える。粒子を構成する画素は、(上の55+5×7=90を使用して)平均マトリックスグレイレベル+5の標準偏差よりも大きいグレイレベルを有する、任意の画素として定義される。画像毎に、平均マトリックスグレイレベル及び標準偏差が算出される。画素寸法は、x=0.195313μm、y=0.19084μmである。グレイレベル画像を区別して、平均マトリックスグレイレベル+5の標準偏差(閾値)よりも高いすべての画素を白(255)にし、閾値(平均マトリックスグレイレベル+5の標準偏差)よりも低いすべての画素を黒(0)にすることによって、二値画像を作成する。
4.単一の白画素の廃棄
8つの方向のうちの1つにおいて別の画素に隣接していない任意の個々の白画素が、二値画像から取り除かれる。
5.膨張シーケンス
各二値画像の白画素は、下に示される3つの構造要素を使用して膨張させる。
【表B】
第1の構造要素が、単一の膨張(新しい画像A)のために、元々の二値画像に適用され、次いで、第2の構造要素が、単一の膨張(新しい画像B)のために、元々の二値画像に適用され、そして、第3の構造要素が、3つの膨張(新しい画像C)のために、元々の二値画像に適用される。次いで、新しい画像A〜Cが、3つの画像の任意の対応する画素が255のグレイレベルを有する場合に、255に設定される合計された画像の任意の画素と合計される。この合計された画像が「最終画像」になる。上で説明したプロセスは、「最終画像」を開始画像として使用して繰り返され、そして、合計5回の膨張シーケンスにわたって繰り返される。膨張の最終シーケンスが完了した後に、255のグレイレベルを有する、結果として生じる画像の面積がクラスタとして測定される。
7.クラスタ測定
255のグレイレベルを有する、結果として生じる画像の領域は、クラスタとして計数される。完全に測定フレーム内にある(画像の縁部に接触しない)オブジェクトだけが計数される。各画像のクラスタ数が計数され、次いで、画像領域で分割して、その画像のクラスタ数密度が与えられる。次いで、20枚の画像のクラスタ数密度から、20枚の画像のための中間クラスタ数密度が算出される。次いで、工程1によって合金試料を600グリットのペーパーで再研削し、次いで、再研磨し、次いでその後に、工程2〜7を繰り返して、第2の中間クラスタ数密度を得る。次いで、第1の標本及び第2の標本からの中間クラスタ数密度を平均して、その合金に関する平均第2相の粒子クラスタ数密度が与えられる。
【0052】
**第2相粒子のクラスタ数密度測定手順の終了**
本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金ストリップ製品は、様々な製品用途において使用することができる。一実施形態において、本明細書で説明される新規のプロセスによって作製される新規の6xxxアルミニウム合金製品は、とりわけ、クロージャパネル(例えば、とりわけ、ボンネット、フェンダー、ドア、ルーフ、及びトランクリッド)、及びホワイトボディ(例えば、ピラー、補強材)用途などの、自動車用途において使用される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明の処理工程の一実施形態を例示するフロー図である。
【0054】
図2】本発明の方法を行う際に使用される装置の更なる実施形態を示す図である。このラインは、より微細な完成ゲージに到達するために、4台の圧延ミルを備える。
【0055】
図3】実施例1の合金の特性を示すグラフである。
【0056】
図4】実施例2の合金の特性を示すグラフである。
【0057】
図5a】本特許出願の実施例5による、合金A1の顕微鏡写真である。
図5b】第2相粒子のクラスタを示す合金C1の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0058】
以下の実施例は、本発明を例示することを意図するものであり、いかなる形であれ、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0059】
(実施例1)
熱処理6xxxアルミニウム合金は、本発明の方法及び従来の方法によってインラインで処理した。溶解物の解析は、以下の通りであった。
【表1】
【0060】
合金は、3.683〜3.759mm(0.145〜0.148インチ)に連続鋳造し、1工程の熱間圧延によって2.057〜2.261mm(0.081〜0.089インチ)の中間ゲージまでインラインで処理し、続いて、水クエンチを行い(合金A2Nは、空気冷却したことを除く)、次いで、1.0mm(約0.039インチ)の仕上げゲージまで冷間圧延した。次いで、これらの試料は、T43質別に処理した。次いで、ASTM B557によって、FLD(Engr%において測定される)及びLT方向における引張降伏強度(TYS)(MPaで測定される)を測定することによって、試料の性能を評価した。FLD値は、ISO 12004−2:2008の仕様に従って試験したが、ドームの頂点から離れたパンチ直径の15%を超える破断を有効であるとみなすことを除外した。TYSは、シミュレーションされた自動塗装焼付けサイクル(「塗装焼付け」又は「PB」)を受けさせた後に試験した。具体的には、塗装焼付けサイクルに対する応答を、2%ストレッチを与え、次いで約170℃(約338°F)で約20分間(2%PS+170℃/20分(2%PS+338°F/20分))試料を均熱することによって評価し、170℃(338°F)での20分は、均熱であり、温度のランプアップ又はランプダウン期間を含まない。試験結果は、表2において下で要約される。「第1の熱間圧延スタンドの低減(%)」は、第1の熱間圧延スタンドによる合金の厚さのパーセント低減を提供する。「熱間圧延後の冷却」は、熱間圧延後に行われる冷却のタイプを提供する。「ゲージ(mm)」は、仕上げゲージを提供する。「SHTクエンチ」は、溶体化熱処理において使用されるクエンチングのタイプを提供する。
【表2】
表2のデータは、図3にも提示される。合金A2Nの特性は、該特性が合金A2の特性と実質的に重複するので、図3には提示されない。
【0061】
(実施例2)
熱処理アルミニウム合金は、本発明の方法及び従来の方法によってインラインで処理した。溶融物の解析は、以下の通りであった。
【表3】
【0062】
合金B1及びB3は、直接チル鋳造によって生成し、従来通りに処理した。合金B1は、T43質別を達成するように処理し、合金B3は、T4質別を達成するように処理した。合金B2及びB4は、3.759〜4.978mm(0.148〜0.196インチ)の厚さで連続鋳造によって生成し、インラインで熱間圧延及び冷間圧延によって処理した。合金B2は、1つの熱間圧延スタンドだけを使用して圧延したが、合金B4は、1つの熱間圧延スタンド及び1つの冷間圧延スタンドを使用した。圧延後に、合金B2は、水クエンチした。合金B4は、熱間圧延スタンドと冷間圧延スタンドの間で水クエンチした。合金B2は、T43質別を達成するように処理し、合金B4は、T4質別を達成するように処理した。次いで、ASTM B557によって、FLD(Engr%において測定される)及びLT方向における引張降伏強度(TYS)(MPaで測定される)を測定することによって、試料の性能を評価した。FLD値は、ISO 12004−2:2008の仕様に従って試験したが、ドームの頂点から離れたパンチ直径の15%を超える破断を有効であるとみなすことを除外した。TYSは、実施例1に従って、2%ストレッチした試料を、約170℃(約338°F)で約20分間(2%PS+170℃/20分(2%PS+338°F/20分))均熱することによって、ミュレーションされた自動塗装焼付けサイクル(「塗装焼付け」又は「PB」)を受けさせた後に試験した。試験結果は、表4において下で要約される。「第1の熱間圧延スタンドの低減(%)」は、第1の熱間圧延スタンドによる合金の厚さのパーセント低減を提供する。「熱間圧延後の冷却」は、第1のスタンドでの熱間圧延後に行われる冷却のタイプを提供する。「ゲージ(mm)」は、仕上げゲージを提供する。「SHTクエンチ」は、溶体化熱処理において使用されるクエンチングのタイプを提供する。
【表4】
示されるように、合金B4は、合金B1〜B3と比較して、はるかに良好な強度及び成形性の組み合わせを達成する。合金B4は、多数(2台以上)の熱間圧延スタンドを使用したときに類似の特性を達成すると考えられる。表4のデータは、図4にも提示される。
【0063】
(実施例3)
合金A1〜A4及び合金B4の耐粒界腐食性(アタック深さによって測定される)は、ISO規格11846(1995)(方法B)に従って測定したが、その結果は、下の表5に示される。合金A1〜A4は、T43質別であり、合金B4は、T4質別であったが、その後に、すべての合金をニアピーク強度まで人工時効した。下の表5に示されるように、合金B4は、合金A1〜A4に勝る、大幅に改善された耐粒界腐食性を実現した。
【表5】
合金B4は、合金A1〜A4に勝る、大幅に改善された耐粒界腐食性を実現した。
【0064】
合金B1、B3、及びB4には、糸状腐食試験も行った。合金B4は、合金B1及びB3と比較して、はるかに良好な耐糸状腐食性を実現した。
【0065】
(実施例4)
3つの追加の熱処理アルミニウム合金を、本発明の方法によってインラインで処理した。溶融物の解析は、以下の通りであった。
【表6】
【0066】
合金C1は、4.572mm(0.180インチ)の厚さに連続鋳造し、合金C2〜C3は、3.429〜3.454mm(0.135〜0.136インチ)の厚さに連続鋳造した。合金C1は、2工程の熱間圧延によってインラインで処理し、第1のスタンドによって、3.785mm(0.149インチ)(17%低減)の中間ゲージまで熱間圧延し、第2のスタンドによって、3.150mm(0.124インチ)(17%低減)の別の中間ゲージまで熱間圧延した。次いで、合金C1は、1.500mm(0.059インチ)(52.4%の冷間加工)の最終ゲージまで冷間圧延し、合金C2は、2工程の熱間圧延によってインラインで処理し、第1のスタンドによって、2.616mm(0.103インチ)(24%低減)の中間ゲージまで熱間圧延し、第2のスタンドによって、1.500mm(0.059インチ)(42%低減)の最終ゲージまで熱間圧延した。合金C3は、2工程の熱間圧延によってインラインで処理し、第1のスタンドによって、2.591mm(0.102インチ)(25%低減)の中間ゲージまで熱間圧延し、第2のスタンドによって、1.500mm(0.059インチ)(42%低減)の最終ゲージまで熱間圧延した。合金C2及びC3は、冷間圧延しなかった。圧延後に、次いで、合金C1〜C3は、T4質別に処理した。
【0067】
次いで、合金C1〜C3は、ASTM B557によって、FLDo(Engr%において測定される)及びLT方向における引張降伏強度(TYS)(MPaで測定される)を測定することによって、試料の性能を評価した。FLD値は、ISO 12004−2:2008の仕様に従って試験したが、ドームの頂点から離れたパンチ直径の15%を超える破断を有効であるとみなすことを除外した。
【表7】
【0068】
(実施例5)
該当する場合、T4質別又はT43質別の合金A1〜A4、B4、及びC1〜C3の第2相粒子のクラスタ数密度は、上で説明した「第2相粒子のクラスタ数密度の測定手順」に従って測定し、その結果は、下の表8に示される。
【表8】
【0069】
示されるように、改善された強度及び成形性の組み合わせを有する新規の6xxxアルミニウム合金は、一般に、より大きいクラスタ数密度を有する。上で説明したように、第2相粒子のクラスタへの凝集/集群は、合金の成形特性に有害であり得る。より大きいクラスタ数密度は、第2相粒子が合金においてより凝集/集群し難いことを示し、これは、成形性に有益であり得る。図5a及び5bは、2つの合金A1及びC1のクラスタをそれぞれ示す顕微鏡写真である。示されるように、合金C1は、はるかに少ない第2相粒子の凝集/集群を有する。
【0070】
(実施例6)
L、LT、及び45°方向におけるR値は、上の実施例の合金のそれぞれについて測定し、その結果は、下の表9に示される。
【表9】
【0071】
本明細書で使用するときに、「R値」は、塑性歪み比、又はr値=εw/εtという式において定義されるように、真の幅歪みと真の厚さ歪みとの比である。R値は、引張試験中に伸び計を使用して測定して幅歪みデータを収集し、一方で、伸び計によって長手方向歪みを測定する。次いで、真の塑性長さ及び幅歪みが算出され、そして、厚さ歪みが、一定容積の仮定条件から決定される。次いで、引張試験から得られた真の塑性幅歪み対真の塑性厚さ歪みのプロットとして、R値が算出される。「デルタR」は、以下の式(1)に基づいて算出される。
(1)デルタR=絶対値[(r_L+r_LT−2×r_45)/2]
式中、r_Lは、アルミニウム合金製品の長手方向のR値であり、r_LTは、アルミニウム合金製品の横断方向のR値であり、r_45は、アルミニウム合金製品の45°方向のR値である。
【0072】
示されるように、本発明の合金(B4、C1〜C3)は、非発明の合金よりもはるかに低いデルタRを実現したが、これは、本発明の合金が、非発明の合金よりも等方的な特性を有することを意味する。一実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.10以下のデルタRを実現する。別の実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.09以下のデルタRを実現する。更に別の実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.08以下のデルタRを実現する。別の実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.07以下のデルタRを実現する。更に別の実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.06以下のデルタRを実現する。別の実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.05以下のデルタRを実現する。更に別の実施形態において、本明細書で説明される新規の6xxxアルミニウム合金は、0.04以下の、又はそれ以下のデルタRを実現する。
【0073】
本発明の特定の実施形態を例示の目的で上に説明してきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明から逸脱することなく、本発明の詳細の多数の変更を行うことができることが明らかになるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b