特許第6982562号(P6982562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982562
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】サイドエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/216 20110101AFI20211206BHJP
   B60R 21/207 20060101ALI20211206BHJP
   B60R 21/233 20060101ALI20211206BHJP
   B60N 2/42 20060101ALI20211206BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B60R21/216
   B60R21/207
   B60R21/233
   B60N2/42
   B60N2/68
【請求項の数】18
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-228780(P2018-228780)
(22)【出願日】2018年12月6日
(65)【公開番号】特開2019-131165(P2019-131165A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2021年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2018-11253(P2018-11253)
(32)【優先日】2018年1月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】小林 優斗
(72)【発明者】
【氏名】野上 光男
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/209192(WO,A1)
【文献】 特開2016−112927(JP,A)
【文献】 特開2010−143356(JP,A)
【文献】 特開2017−159825(JP,A)
【文献】 特開2009−023494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートのサイドサポート部に収容されるサイドエアバッグ装置において、
前記サイドサポート部の内部には、水平断面を上方から見たときに車両進行方向に沿って延びるフレーム側壁部を有するサイドフレームが配置され、
当該サイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグと、前記フレーム側壁部の車両幅方向内側に設けられ、前記エアバッグに対して膨張ガスを供給するインフレータとを含むエアバッグモジュールと;収容状態の前記エアバッグモジュールの少なくとも一部を覆う力布とを備え、
前記エアバッグは、前記サイドサポート部の前方に向かって展開する第1チャンバと;前記インフレータを収容し、前記第1チャンバの車幅方向内側で展開する第2チャンバとを備え、
前記第1チャンバと前記第2チャンバの仕切り部には、前記膨張ガスが前記第2チャンバから前記第1チャンバに流れ込む内部ベントホールが設けられ、
前記力布は、前記エアバッグモジュールを水平面内で見た時に、当該エアバッグモジュールの後方から内側面に沿って延び、前記サイドサポート部を構成するパッドを第1の通路に沿って貫通して当該サイドサポート部の外部に達し、サイドサポート部の外面に沿って当該サイドサポート部の前端部付近に到達するように配置されたことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
【請求項2】
車両用シートのサイドサポート部に収容されるサイドエアバッグ装置において、
前記サイドサポート部の内部には、水平断面を上方から見たときに車両進行方向に沿って延びるフレーム側壁部を有するサイドフレームと、当該サイドフレーム少なくとも車両前方側を覆うパッドが配置され、
当該サイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグと、前記フレーム側壁部の車両幅方向における着座する乗員の側に設けられ、前記エアバッグに対して膨張ガスを供給するインフレータとを含むエアバッグモジュールと;収容状態の前記エアバッグモジュールの少なくとも一部を覆う力布とを備え、
前記力布は、前記エアバッグモジュールを水平面内で見た時に、当該エアバッグモジュールの後方から前記パッドの内側面に沿って車両前方方向に向かって延び、前記パッドの第1の通路(44L)に沿って貫通して当該パッドの外部に達し、当該パッドの外面に沿って当該サイドサポート部の前端部付近に到達するように配置されたことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
【請求項3】
前記エアバッグは、前記サイドサポート部の前方に向かって展開する第1チャンバと;前記インフレータを収容し、前記第1チャンバの車幅方向における着座する乗員の側で展開する第2チャンバとを備え、
前記第1チャンバと前記第2チャンバの仕切り部には、前記膨張ガスが前記第2チャンバから前記第1チャンバに流れ込む内部ベントホールが設けられることを特徴とする請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項4】
前記第1の通路は、前記エアバッグモジュールの後方から当該パッドの外部に向かって、前記力布が屈曲するように設けられ、当該パッドの表面に対して直交する向きに設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項5】
前記第1の通路は、前記エアバッグモジュールの後方から当該パッドの外部に向かって、直線状になるように設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項6】
前記第1の通路は、前記パッドのエアバッグ展開時の開裂部分に設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項7】
前記力布は、前記サイドサポート部の前端部付近から、前記サイドサポート部の着座する乗員とは反対側の外側表面に沿って延び、前記パッドを前記外側表面から前記サイドサポート部の内側に向かって第2の通路に沿って貫通して前記エアバッグモジュールの後方に達するように配置されたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項8】
前記第1の通路及び第2の通路は、前記パッドに形成されたスリットであることを特徴とする請求項7に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項9】
前記力布の後端部が、前記サイドフレームに固定されていることを特徴とする請求項7または8に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項10】
前記力布の前記サイドフレームへの固定にボルトを用いることを特徴とする請求項9に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項11】
前記力布は、前記サイドサポート部の前端付近から、前記サイドサポート部の着座する乗員とは反対側の外側表面に沿って延び、前記パッドの外側に結合されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項12】
前記力布は、帯状の布であることを特徴とする請求項1乃至11の何れかの1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項13】
前記力布は、前記エアバッグが展開した時に開裂する起点となる脆弱部を有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項14】
前記脆弱部は、縫い目であることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項15】
前記力布は帯状の布であり、前記エアバッグモジュールの上下に1本ずつ設けられていることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項16】
前記サイドサポート部の前記パッドと、前記力布の外側には、シート表皮が設けられることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項17】
前記第2チャンバは、車両側方から見て前記フレーム側壁部に重なって展開するように設けられ、
前記第1チャンバは、車両側方から見て前記フレーム側壁部に重ならないで展開するように設けられることを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項18】
前記エアバッグモジュールは、収容状態において、前記フレーム側壁部の前方の延長線上に延在することを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに装備されるサイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の事故発生時に乗員を保護するために1つまたは複数のエアバッグを車両に設けることは周知である。エアバッグは、例えば、ステアリングホイールの中心付近から膨張して運転者を保護する、いわゆる運転者用エアバッグ、自動車の窓の内側で下方向に展開して車両横方向の衝撃や横転、転覆事故時に乗員を保護するカーテンエアバッグ、更には、車両横方向の衝撃時に乗員を保護すべく乗員とサイドパネルとの間で展開するサイドエアバッグなどの様々な形態がある。本発明は、車両用シートに備えられるサイドエアバッグ装置に関するものである。
【0003】
下記特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置は、主エアバッグと補助エアバッグとを備えている。そして、主エアバッグに先行して補助エアバッグを膨張展開させることにより、乗員を早期に拘束するようにしている。特許文献1に記載された発明以外にも、主エアバッグに加えて補助エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置が提案されている。このようなサイドエアバッグ装置においては、設置領域における制約が大きいため、装置のコンパクト化の要請が強い。
また、展開速度の向上や展開挙動、展開形状の安定化による適切な乗員保護性能が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−023494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、速やか且つ適切に乗員を拘束可能なサイドエアバッグ装置を提供することを目的とする。
また、装置のコンパクト化に寄与するサイドエアバッグ装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、車両進行方向に沿って延びるフレーム側壁部を有するサイドフレームが配置され、サイドサポート部に収容される本発明の第1の態様に係るサイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグと、前記フレーム側壁部の車両幅方向内側に設けられ、前記エアバッグに対して膨張ガスを供給するインフレータとを含むエアバッグモジュールと;収容状態の前記エアバッグモジュールの少なくとも一部を覆う力布とを備える。
前記エアバッグは、前記サイドサポート部の前方に向かって展開する第1チャンバと;前記インフレータを収容し、前記第1チャンバの車幅方向内側で展開する第2チャンバとを備える。前記第1チャンバと前記第2チャンバの仕切り部には、前記膨張ガスが前記第2チャンバから前記第1チャンバに流れ込む内部ベントホールが設けられる。
そして、前記力布は、前記エアバッグモジュールを水平面内で見た時に、当該エアバッグモジュールの後方から内側面に沿って延び、前記サイドサポート部を構成するパッドを第1の通路に沿って貫通して当該サイドサポート部の外部に達し、サイドサポート部の外面に沿って当該サイドサポート部の前端部付近に到達するように配置される。
【0007】
上記のような構成の本発明によれば、エアバッグ装置の作動初期の段階においてサイドサポート部の内部で第2チャンバが展開し、乗員が車両幅方向外側に移動するのを速やかに拘束することが可能となる。
【0008】
また、本発明においては、エアバッグモジュールを覆う力布が、当該エアバッグモジュールの後方から内側面を通り、サイドサポート部を構成するパッドを貫通して当該サイドサポート部の外部に達し、サイドサポート部の外面に沿って当該サイドサポート部の前端部付近に到達するように配置さている。このため、第1チャンバに先行して展開する第2チャンバの展開挙動を最適化することが可能となる。
【0009】
より具体的には、エアバッグの展開初期の段階において、第2チャンバが車両の幅方向内側に向かって展開し、パッドの後方に入り込んで乗員の背中側に回り込んでしまうという好ましくない事態を回避することができる。すなわち、力布の規制によって第2チャンバの展開方向が車両前方に導かれることになる。仮に、第2チャンバが乗員の背中側に回り込んでしまうと、乗員を背中方向から斜め前方に押し出すような力が発生し、シートベルトを引き出す方向へ乗員が移動してしまう。本発明のような力布を採用することにより、第2チャンバが必要以上に乗員側に膨張することなく、車両前方に向かって確実に展開することになる。
【0010】
車両用シートのサイドサポート部に収容される本発明の第2の態様に係るサイドエアバッグ装置は、前記サイドサポート部の内部には、水平断面を上方から見たときに車両進行方向に沿って延びるフレーム側壁部を有するサイドフレームと、当該サイドフレーム少なくとも車両前方側を覆うパッドが配置された構造に適用される。そして、当該サイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグと、前記フレーム側壁部の車両幅方向における着座する乗員の側に設けられ、前記エアバッグに対して膨張ガスを供給するインフレータとを含むエアバッグモジュールと;収容状態の前記エアバッグモジュールの少なくとも一部を覆う力布とを備える。前記力布は、前記エアバッグモジュールを水平面内で見た時に、当該エアバッグモジュールの後方から前記パッドの内側面に沿って車両前方方向に向かって延び、前記パッドの第1の通路に沿って貫通して当該パッドの外部に達し、当該パッドの外面に沿って当該サイドサポート部の前端部付近に到達するように配置される。
【0011】
上記第2の態様に係るサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記サイドサポート部の前方に向かって展開する第1チャンバと;前記インフレータを収容し、前記第1チャンバの車幅方向における着座する乗員の側で展開する第2チャンバとを備えることができる。そして、前記第1チャンバと前記第2チャンバの仕切り部には、前記膨張ガスが前記第2チャンバから前記第1チャンバに流れ込む内部ベントホールが設けることが好ましい。
【0012】
前記第1の通路は、前記エアバッグモジュールの後方から当該パッドの外部に向かって、前記力布が屈曲するように設けられ、当該パッドの表面に対して直交する向きに設けることができる。
【0013】
また、前記第1の通路は、前記エアバッグモジュールの後方から当該パッドの外部に向かって、直線状になるように設けることができる。
【0014】
更に、前記第1の通路は、前記パッドのエアバッグ展開時の開裂部分に設けることができる。
【0015】
前記力布は、前記サイドサポート部の前端部付近から、前記サイドサポート部の着座する乗員とは反対側の外側表面に沿って延び、前記パッドを前記外側表面から前記サイドサポート部の内側に向かって第2の通路に沿って貫通して前記エアバッグモジュールの後方に達するように配置することができる。すなわち、エアバッグモジュールをサイドサポート部のパッドと一緒に包囲する格好となるため、エアバッグの展開挙動をより確実に制御することが可能となる。
【0016】
前記力布は、前記サイドサポート部の前端付近から、前記サイドサポート部の着座する乗員とは反対側の外側表面に沿って延び、前記パッドの外側に結合させることができる。
【0017】
前記力布は、帯状の布とすることができる。また、前記力布は、水平面内において、環状につながった構造とすることができる。
【0018】
また、前記力布は、前記エアバッグが展開した時に開裂する起点となる脆弱部を有することができる。これにより、エアバッグ展開時にサイドサポート部が開裂する動作を阻害する事態を回避可能となる。なお、前記脆弱部としては、縫製による縫い目とすることができる。また、力布を開裂させることにより力布の開裂した部分から第1チャンバが一気に膨張し、サイドサポートの外側に速やかに展開可能となる。
【0019】
前記力布の後端部を、ボルト等を用いて前記サイドフレームに固定することができる。このように、力布の端部をサイドフレーム等の固定部に連結することにより、力布によるエアバッグの展開規制がより確実なものとなる。
【0020】
前記力布は帯状の布とし、前記エアバッグモジュールの上下に1本ずつ設けることができる。
【0021】
前記第1の通路及び第2の通路は、前記パッドに形成されたスリットとすることができる。
【0022】
前記第2チャンバが車両側方から見て前記フレーム側壁部に重なって展開し、 前記第1チャンバが前記フレーム側壁部に重ならないで展開するように構成することができる。
この場合、フレーム側壁部が第2チャンバ展開時の反力を受け止めた状態で、確実にシート中心側に向かって展開する。展開後においても、乗員からの圧力をフレーム側壁部で受け止めることができ、乗員をシート中心方向に対して確実に拘束することが可能となる。一方、第1チャンバは、サイドフレームや第2チャンバによって展開を阻害されることなく、速やか且つスムーズに展開可能となる。
【0023】
前記エアバッグモジュールは、収容状態において、前記フレーム側壁部の前方の延長線上に延在するように配置することができる。
【0024】
本発明に係るサイドエアバッグは、シートのドア側(外側)に展開するタイプの他、シートの車両中心側に展開するタイプにも適用可能である。なお、シートの車両中心側に展開するタイプのサイドエアバッグは、例えば、ファーサイドエアバッグ、フロントセンターエアバッグ、リアセンターエアバッグ等と称される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明に係るサイドエアバッグ装置が適用される車両用シートの主に外観形状を示す斜視図であり、エアバッグユニットの図示は省略する。
図2図2は、図1に示す車両用シートの骨組みとして機能する内部構造体(シートフレーム)を示す斜視図であり、エアバッグユニットの図示は省略する。
図3図3は、本発明に係るサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートの概略側面図であり、エアバッグユニットが収容された状態を車幅方向の外側から観察した様子を示す。
図4図4は、本発明に係るサイドエアバッグ装置が展開した状態を示す模式図(側面図)である。
図5図5(A),(B)は、本発明に係るサイドエアバッグ装置の展開状態を示す概略図であり、図3のA2−A2方向の断面に対応する。
図6図6は、本発明に係るサイドエアバッグ装置の構成部品を示す平面図である。
図7図7は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図8図8は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の収容状態を示す概略側面図であり、車幅方向の外側(A)及び内側(B)から観察した様子を示す。
図9図9は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の展開挙動を示す説明図であり、(A)が展開初期、(B)が展開後期の状態を示す。
図10図10は、比較例としてのサイドエアバッグ装置の初期展開状態を示す説明図である。
図11図11は、本発明の第2実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図12図12は、本発明の第3実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図13図13は、本発明の第1実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図14図14は、本発明の第1実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図15図15は、本発明の第2実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図16図16は、本発明の第2実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図17図17は、本発明の第3実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図18図18は、本発明の第3実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図19図19は、本発明の第4実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図20図20は、本発明の第4実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図21図21は、本発明の第4実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図22図22は、本発明の第5実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図23図23は、本発明の第5実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図24図24は、本発明の第5実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図25図25は、本発明の第5実施例の変形例3に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図26図26は、本発明の第5実施例の変形例4に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図27図27は、本発明の第5実施例の変形例5に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図28図28は、本発明の第5実施例の変形例6に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図29図29は、本発明の第5実施例の変形例7に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
図30図30は、本発明の第5実施例の変形例8に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係るサイドエアバッグ装置について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図に表示する「前」とは車両の前方(進行方向)、「後」とは車両の後方(進行方向と反対側)、「内」とは車幅方向の内側(乗員側)、「外」とは車幅方向外側(ドアパネル側)をそれぞれ示す。
【0027】
図1は、本発明に係るサイドエアバッグ装置が適用される車両用シートの主に外観形状を示す斜視図であり、エアバッグ装置(20)の図示は省略する。図2は、図1に示す車両用シートの骨組みとして機能する内部構造体(シートフレーム)を示す斜視図であり、ここでも、エアバッグ装置(20)の図示は省略する。図3は、本発明に係るサイドエアバッグ装置の概略側面図であり、車両用シートのドアに近い側面(ニアサイド)にエアバッグ装置20が収容された状態を車幅方向の外側から観察した様子を示す。また、「右」とは車幅方向においてシートの中央から正規着座した乗員の右手に向かう方向、「左」とは同様にシート中央から当該乗員の左手に向かう方向を示す。
【0028】
本実施例に係る車両シートは、部位として観たときには、図1及び図2に示すように、乗員が着座する部分のシートクッション2と;背もたれを形成するシートバック1と;シートバック1の上端に連結されるヘッドレスト3とから構成されている。
【0029】
シートバック1の内部にはシートの骨格を形成するシートバックフレーム1fが設けられ、その表面及び周囲にはウレタン発泡材等からなるパッド16(図7参照)が設けられ、当該パッド16の表面は皮革、ファブリック等の表皮14(図7参照)によって覆われている。シートクッション2の底側には着座フレーム2fが配置され、その上面及び周囲にはウレタン発泡材等からなるパッドが設けられ、当該パッドの表面は皮革、ファブリック等の表皮14によって覆われている。着座フレーム2fとシートバックフレーム1fとは、リクライニング機構4を介して連結されている。
【0030】
シートバックフレーム1fは、図2に示すように、左右に離間して配置され上下方向に延在するサイドフレーム10と、このサイドフレーム10の上端部を連結する上部フレームと、下端部を連結する下部フレームとにより枠状に構成されている。ヘッドレストフレームの外側にクッション部材を設けることでヘッドレスト3が構成される。
【0031】
図4は、本発明に係るサイドエアバッグ装置が展開した状態を示す模式図(側面図)である。図4に示すように、エアバッグ(34,36)は、サイドサポート部12の前方に向かって展開する第1チャンバ34と;第1チャンバ34の車幅方向内側で展開する第2チャンバ36とを備える。
基本的に、第2チャンバ36は、車両側方から見てフレーム側壁部10aに重なるように展開する。一方、第1チャンバ34は、車両側方から見てフレーム側壁部10aに重ならないように展開するようになっている。
【0032】
第2チャンバ36は、サイドサポート部12の少なくとも前側部分を乗員側に向かって突出変形させるようになっている。また、第2チャンバ36はサイドサポート部12の下方に配置され(図4参照)、当該第2チャンバ36の展開により、サイドサポート部12が乗員の腰部に接触、押圧するようになっている。人間の身体における重心に近い腰部を押すことにより、事故発生時の初期段階における乗員拘束性能が向上する。第2チャンバ36の容量は第1チャンバ34の容量よりも小さく設定されている。好ましくは、第2チャンバの形状と容量を調節して、第2チャンバ36が、サイドサポート部12の内部でのみで展開するようにしてもよい。言い換えると、展開した第2チャンバ36は、開裂したサイドサポート部12の前端部よりも車両前方にはみ出さないようにしてもよい。これらによって、第2チャンバを第1チャンバよりも早くフル展開とすることができる一方、第1チャンバにより多くのガスを充填することが出来るようになる。
【0033】
第1チャンバ34は、サイドサポート部12の外側で前方に向かって展開する。第1チャンバ34の展開形状及び、展開方向は、エアバッグの折り畳み方、折り畳まれたエアバッグの配置、インフレータのガス噴射方向の設定、第2チャンバと第1チャンバ間のガスの流れる方向などによって調整可能である。これらにより、第2チャンバの展開による第1チャンバの展開が妨げられることが少なくなり、第1チャンバの展開がスムーズになる。第1チャンバの展開とともに第2チャンバの展開との協働により乗員保護性能が向上する。
【0034】
図5は、図3のA2−A2方向の断面に対応するエアバッグの展開状態を示す概略図であり、(A)は連結パネル37を使用した態様、(B)は連結パネル37を使用しない態様を示す。図6は、本発明に係るサイドエアバッグ装置に使用されるエアバッグの構成部品を示す平面図であり、(A1),(A2)が第1チャンバ34を構成するパネル、(B1),(B2)が第2チャンバ36を構成するパネル、(C)が連結パネル37を示す。
【0035】
図5に示すように、本実施例においては、インフレータ30は第2チャンバ36の内部に収容される。インフレータ30は、例えば、円柱状のシリンダータイプのインフレータを使用することができる。インフレータ30の外周部からは、車幅方向内側に向かって上下一対のスタッドボルト32が突出している。これらのスタッドボルト32は、ナットによってサイドフレーム10に取り付けられている(締結固定されている)。インフレータ30には、周方向に並んだ複数のガス噴出口が形成されており、当該ガス噴出口から放射状にガスが噴出される。なお、必要に応じてガスの流れを制御するディフューザを設けることができる。
【0036】
このインフレータ30には、車両に搭載されたエアバッグ制御用ECUが電気的に接続されている。このエアバッグ制御用ECUには、側面衝突を検知するサテライトセンサが電気的に接続されている。このサテライトセンサからの信号に基づいてエアバッグ制御用ECUが側面衝突を検知した際にインフレータ30を作動するように構成することができる。
【0037】
図5(A)及び図6(A1),(A2)に示すように、第1チャンバ34を構成する2枚のパネル34a,34bは同一形状に成形され、縫製35aによって膨張領域34dが形成される。一方、図5(A)及び図6(B1),(B2)に示すように、第2チャンバ36を構成する2枚のパネル36a,36bは同一形状に成形され、外縁部の縫製35cによって膨張領域36dが形成される。
【0038】
第1チャンバ34の内側パネル34bには、第1チャンバ34と第2チャンバ36とに連通するベントホールV1a、V1bが形成されており、第2チャンバ36内部の膨張ガスがベントホールV2a,V2bを介して第1チャンバ34に流れるようになっている。
【0039】
図5(A)に示す態様においては、第1チャンバ34の内側パネル34bと第2チャンバ36の内側パネル36bとの間に連結パネル37が介在される。連結パネル37には、パネル34b,36bのベントホール(V1a,V2a)、(V1b,V2b)に対応する位置に、連結ベントホールV3a,V3bが形成されている。なお、図5(B)に示す態様においては、連結パネル37を省略しただけであり、その他の構造的な相違はない。
【0040】
第1チャンバ34において、膨張領域34dの車両後方側には非膨張領域34cが形成されており、当該領域34cがサイドフレーム10の側壁部10aに密接して配置される。非膨張領域34cには、インフレータ30が貫通する孔34eと、ボルト32が貫通する孔34gが、内外両パネル34a,34bの対応箇所に形成されている。また、第2チャンバ36の内側パネル36bにも同様に、インフレータ30が貫通する孔36eと、ボルト32が貫通する孔36gが形成されている。なお、本実施例では、インフレータをクイックインストールする方式(インフレータのハーネス接続側端部が露出している方式)を例にとって説明しているが、インフレータ全体をバッグ内部に収容し、ボルト貫通孔のみが形成される方式であっても良い。
【0041】
上述したような構造のエアバッグの製造(縫製)に際しては、まず、第1チャンバ34の膨張領域34dの外縁35aを縫製し、その後、連結パネル37を内側パネル34bの該当箇所に縫製35dによって連結する。また、ベントホールV1(V1a,V2a,V3a)の周囲と、ベントホールV2(V1b,V2b,V3b)の周囲を縫製39a,39bによって各々連結する。なお、図6においては、全体の構造を見易くするために、縫製39a,39bの図示は省略する。並行して、第2チャンバ36の外縁35cを縫製するが、後端部35fだけはこの時点では縫製しない。次に、第2チャンバ36の内部にインフレータ30を配置し、ボルト32をサイドパネル10の外側まで引き出す。また、第2チャンバ36の内側パネル36bと連結パネル37とを縫製部35dにおいて縫製連結する。最後に、第2チャンバ36の後端部35fを縫製によって閉じる。このとき、第2チャンバ36の後端部35fは、第1チャンバ34と縫製によって連結することが好ましい。これによって、エアバッグの展開時に、第1チャンバ34と第2チャンバ32がバタつくことを防ぐことができる。
【0042】
本発明においては、基本的に第1チャンバ34と第2チャンバ36とは、ベントホール周辺35dでのみ連結される。このように、第1チャンバ34と第2チャンバ36との外縁全体を縫製しないことにより、一方のチャンバが他のチャンバによって展開を妨げられることがない。すなわち、エアバッグの展開時に第1チャンバ34と第2チャンバ36との干渉を最小限に抑えることができ、各チャンバの展開挙動が安定すると共に、厚みを大きく確保でき、衝撃吸収性能がアップするというメリットがある。
【0043】
(第1実施例)
図7は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。図8は、本発明に係るサイドエアバッグ装置の収容状態を示す概略側面図であり、車幅方向の外側(A)及び内側(B)から観察した様子を示す。
以下に示す第2乃至第5の実施例と比較した場合の、第1の実施例の大きな相違点は、1本の力布40でエアバッグモジュール20を包囲することにある。
【0044】
サイドフレーム10は、樹脂又は金属によって成形され、図4に示すようにL字断面形状又はコの字断面形状とすることができる。サイドフレーム10は、水平断面を上方から見たときに車両進行方向に沿って延びるフレーム側壁部10aを備えている。そして、このフレーム側壁部10aの内側(シート中心側)にエアバッグモジュール(サイドエアバッグ装置)20が固定される。
【0045】
図7に示すように、シートバック1は、車幅方向側部(端部)において車両進行方向(車両前方)に膨出したサイドサポート部12を備える。サイドサポート部12の内部において、ウレタンパッド16が配置されていない隙間にサイドエアバッグ装置20が収容される。サイドエアバッグ装置20は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグ(34,36)と;エアバッグ(34,36)に対して膨張ガスを供給するインフレータ30とを備える。
【0046】
シートバック1の表皮14の継ぎ目18,22,24は内側に織り込まれて縫製によって連結されている。なお、前方の継ぎ目18は、エアバッグが展開した時に開裂するようになっている。
また、サイドサポート部12には、第2チャンバ36の膨張によってサイドサポート部12が乗員側に折れ曲がる際の起点となる脆弱部(切欠き等)が形成されている。
【0047】
エアバッグ(34,36)は、図示しないファブリック製の柔軟なカバーによって覆われている。第1チャンバ34と第2チャンバ36との関係において、エアバッグ(34,36)は蛇腹状に折り畳むもしくはロールする(「折り畳み」にはロールすることも含む)他、適宜最適な圧縮方法を採用することができる。図7において、符号25はドアトリムを示す。詳細に図示していないが、エアバッグ34,36が折り畳まれた収納状態においては、膨張展開時の位置関係を保持するように、平らに広げた平面状態で重なるようにして、第2チャンバ36と第1チャンバ34とが一体的に折り畳まれる。第2チャンバ36と第1チャンバ34とが個別的に折り畳まれる場合は、折り畳まれた第2チャンバ36分は、折り畳まれた第1チャンバ34よりも、インフレータ30に近い位置に配置されるか、もしくは、折り畳まれた第1チャンバ34とサイドフレーム10との間に配置されてもよい。すなわち、折り畳まれた第2チャンバ36は、折り畳まれた第1チャンバ34に対して乗員側に配置される。
【0048】
本発明に係るサイドエアバッグ装置は、収容状態のエアバッグモジュール20の少なくとも一部を覆う力布40(40U,40L)とを備えている。力布40は、帯状の布によって成形され、図3及び図8に示すように、エアバッグモジュール20の上下に1本(1巻)ずつ設けられている。
【0049】
力布40(40U,40L)は、エアバッグモジュール20を水平面内で見た時に、当該エアバッグモジュール20の後方から内側面に沿って延び、サイドサポート部12を構成するパッド16をスリット44に沿って貫通して当該サイドサポート部12の外部に達する。そして、サイドサポート部12の外面に沿って当該サイドサポート部12の前端部付近に到達する。スリット44は、サイドサポート部12の内側の表面に対して概ね直交する方向に、当該表面からエアバッグモジュール20に向かって延びている。
【0050】
力布40(40U,40L)は、更に、サイドサポート部12の前端部付近から、サイドサポート部12の外側表面に沿って延び、パッド16を外側から内側に向かってスリット42に沿って貫通してエアバッグモジュール20の後方に達する。すなわち、エアバッグモジュール20をサイドサポート部12のパッド16と一緒(一体となって)に包囲する格好となり、エアバッグ34,36、特に第2チャンバ36の展開挙動をより確実に制御することが可能となる。
【0051】
図7に示すように、力布40(40U,40L)の端部は、サイドサポート部12の先端部分にある表皮14の継ぎ目18の内側において、縫製46によって表皮14の縁部と連結されている。また、表皮の縁部同士は、破断可能な縫製47によって互いに連結され、エアバッグが展開した時に開裂する起点となる。なお、表皮14の継ぎ目18の内側には、エアバッグが展開した際にパッド16が開裂するためのスリット50が形成されている。スリット50は、サイドサポート部12の先端からエアバッグモジュール20まで延びている。エアバッグの展開時には、縫製47が破断して、力布40(40U,40L)が広がり、パッド16が開裂した部分から第1チャンバ34が一気に膨張し、サイドサポート部12の外側に速やかに展開可能となる(図9(B))。
【0052】
なお、力布40(40U,40L)は、エアバッグ34,36が膨張展開するエネルギーを効率よくウレタン構造部(以下、単に「パッド」と称する。)16に伝え、シート自体の開裂を早めてエアバッグ34,36の展開速度を向上させる効果もある。
【0053】
図9は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の展開挙動を示す説明図であり、(A)が展開初期、(B)が展開後期の状態を示す。図9(A)に示すように、上記のような構成の本発明の第1実施例においては、エアバッグ装置20の作動初期の段階においてサイドサポート部12の内部で第2チャンバ36が展開し、シート表皮14が縫製部18から開裂しながらサイドサポート部12の先端側が車内側に折れ曲がりまたは突出するように変形し、乗員を車両幅方向内側に押すように拘束する。
【0054】
図9(A)に示すように、エアバッグ34,36の展開初期の段階において、第2チャンバ36が車両の幅方向内側に向かって展開し、パッド16の後方に入り込んで乗員の背中側に回り込んでしまうという好ましくない事態を回避することができる。すなわち、力布40の規制によって第2チャンバ36の展開方向が車両前方に導かれることになる。その結果、乗員への加害性を抑え、拘束性能を最大限に発揮することができる。
【0055】
ここで、力布40を使用しない場合には、図10に示すように、第2チャンバ36が乗員の背中側に回り込んでしまい、乗員を背中方向から斜め前方に押し出すような力が発生し、シートベルトを引き出す方向へ乗員が移動してしまう恐れがある。
【0056】
つづいて、図9(B)に示すように、エアバッグ(34,36)が更に膨張すると、第1チャンバ34が車両前方に向かってフル展開し、衝突時の乗員の保護をする。
【0057】
以下、本発明の他の実施例、変形例について説明するが、上述した第1実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の符号を付し、重複した説明省略するものとする。

(第2実施例)
図11は、本発明の第2実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。なお、本実施例は上述した第1実施例と力布に関係する構造のみが異なるため、当該相違点のみについて説明する。また、他の実施例と比較したときに、第2実施例の大きな相違点は、2本の力布140a、140bを使用し、これらの力布140a、140bの後端をサイドフレーム10に固定することにある。
【0058】
まず、本実施例においては、一巻きの力布(140)を2枚の帯状布140a,140bで構成している。内側(乗員側)に配置される力布140aは、エアバッグモジュール20の後端部において、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される固定端部を有する。力布140aは、当該固定端部から、エアバッグモジュール20の内側面に沿って延び、パッド16をスリット44に沿って貫通して当該サイドサポート部12の外部に達する。そして、サイドサポート部12の外面に沿って当該サイドサポート部12の前端付近に到達する。
【0059】
他方、外側(ドアトリム25側)に配置される力布140bは、サイドサポート部12の前端部付近から、サイドサポート部12の外側表面に沿って延び、パッド16を外側から内側に向かってスリット42に沿って貫通してエアバッグモジュール20の後方に達する。そして、その端部が内側力布140aの端部とともに、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される。
【0060】
力布140a,140bの前方の端部は、サイドサポート部12の先端部分にある表皮14の継ぎ目18の内側において、縫製46によって表皮14の縁部と連結されている。また、表皮の縁部同士は、破断可能な縫製47によって互いに連結され、エアバッグが展開した時に開裂する起点となる。
【0061】
本実施例においては、2本の力布140a,140bの後端部を、ボルト132を用いてサイドフレーム10に固定しているため、力布140a,140bがエアバッグの展開時にもずれることなく、当該エアバッグの展開挙動を確実に制御することができる。
【0062】
(第3実施例)
図12は、本発明の第3実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。なお、本実施例は上述した第1実施例及び第2実施例と力布に関係する構造のみが異なるため、当該相違点のみについて説明する。
【0063】
端的に言うと、本実施例においては、エアバッグモジュール20の内側(乗員側)のみに力布140aを配置したミニマムな構成となっている。力布140aは、第2実施例と同様に、エアバッグモジュール20の後端部において、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される固定端部を有する。力布140aは、当該固定端部から、エアバッグモジュール20の内側面に沿って延び、パッド16をスリット44に沿って貫通して当該サイドサポート部12の外部に達する。そして、サイドサポート部12の外面に沿って当該サイドサポート部12の前端付近に到達する。
【0064】
力布140aの前方の端部は、サイドサポート部12の先端部分にある表皮14の継ぎ目18の内側において、縫製46によって表皮14の縁部と連結されている。また、表皮の縁部同士は、破断可能な縫製47によって互いに連結される。
【0065】
本実施例においては、エアバッグモジュール20の内側(乗員側)のみに力布140aを配置した構造を採用しているため、全体構成の簡素化及びコストの低減を図ることが可能となる。このように、本実施例ではミニマムな構成の力布140aを採用しているが、第1実施例及び第2実施例と同様に、第2チャンバ36の展開挙動(展開方向)を適切に規制可能である。
【0066】
(第1実施例 変形例1)
図13は、本発明の第1実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例1は、図7に示した第1実施例に対して、力布40の経路を変更したものである。すなわち、本変形例1においては、力布40のエアバッグモジュール20の内側の部分が、当該エアバッグモジュール20の後端部から前方に向かって直線的に延びている。そして、直線的に延びる力布40の経路に位置するパッド16には、前後方向に延びるスリット144が形成されている。
【0067】
本変形例1のように、力布40の内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側面と力布40との間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、直線的なスリット144に力布40を通す構造であるため、エアバッグモジュール20の設置作業が容易になるというメリットがある。
【0068】
(第1実施例 変形例2)
図14は、本発明の第1実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例2は、図7に示した第1実施例に対して、力布40の経路を変更したものである。すなわち、本変形例2においては、力布40のエアバッグモジュール20の内側の部分が、当該エアバッグモジュール20の後端部から側部、前部を包囲するように沿って延びている。そして、力布40の当該部分は、サイドサポート部12の開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。
【0069】
本変形例2のように、力布40の内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側部及び前部において、力布40とエアバッグモジュール20との間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、力布40を導くために、開裂用のスリット50を利用することにより、パッド16に対して専用のスリットを別途設ける必要が無く、製造工程の簡素化、製造コストの低減に寄与する。
【0070】
(第2実施例 変形例1)
図15は、本発明の第2実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例1は、図11に示した第2実施例に対して、一方の力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例1においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から前方に向かって直線的に延びている。そして、直線的に延びる力布140aの経路に位置するパッド16には、前後方向に延びるスリット144が形成されている。
【0071】
本変形例1のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側面と力布140aとの間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、直線的なスリット144に力布140aを通す構造であるため、エアバッグモジュール20の設置作業が容易になるというメリットがある。
【0072】
(第2実施例 変形例2)
図16は、本発明の第2実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例2は、図11に示した第2実施例に対して、力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例2においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から側部、前部を包囲するように沿って延びている。そして、力布140aは、サイドサポート部12の開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。
【0073】
本変形例2のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側部及び前部において、力布140aとエアバッグモジュール20との間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、力布140aを導くために、開裂用のスリット50を利用することにより、パッド16に対して専用のスリットを別途設ける必要が無く、製造工程の簡素化、製造コストの低減に寄与する。
【0074】
(第3実施例 変形例1)
図17は、本発明の第3実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例1は、図12に示した第3実施例に対して、力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例1においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から前方に向かって直線的に延びている。そして、直線的に延びる力布140aの経路に位置するパッド16には、前後方向に延びるスリット144が形成されている。
【0075】
本変形例1のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側面と力布140aとの間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、直線的なスリット144に力布140aを通す構造であるため、エアバッグモジュール20の設置作業が容易になるというメリットがある。
【0076】
(第3実施例 変形例2)
図18は、本発明の第3実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例2は、図12に示した第3実施例に対して、力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例2においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から側部、前部を包囲するように沿って延びている。そして、力布140aは、サイドサポート部12の開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。
【0077】
本変形例2のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側部及び前部において、力布140aとエアバッグモジュール20との間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、力布140aを導くために、開裂用のスリット50を利用することにより、パッド16に対して専用のスリットを別途設ける必要が無く、製造工程の簡素化、製造コストの低減に寄与する。
【0078】
(第4実施例)
図19は、本発明の第4実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。なお、本実施例は、基本的に上述した第1乃至第3実施例と力布に関係する構造のみが異なるため、当該相違点のみについて説明する。他の実施例と比較したときに、第4実施例の大きな相違点は、2本の力布140a、140bのうちの外側の力布140bの後端部をパッド16に対して連結することにある。
【0079】
まず、本実施例は、第2実施例と同様に、一巻きの力布(140)を2枚の帯状布140a,140bで構成している。内側(乗員側)に配置される力布140aは、エアバッグモジュール20の後端部付近において、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される固定端部を有する。力布140aは、当該固定端部から、エアバッグモジュール20の内側面に沿って延び、パッド16がスリット44に沿って貫通し、サイドサポート部12の外部に達する。そして、サイドサポート部12の外面に沿って当該サイドサポート部12の前端付近に到達する。
【0080】
他方、外側(ドアトリム25側)に配置される力布140bは、サイドサポート部12の前端部付近から、サイドサポート部12の外側表面に沿って延び、パッド16を外側から内側に向かってスリット42に沿って貫通してエアバッグモジュール20の後方に達する。そして、その後方端部が縫製146(又は接着)によってパッド16に対して連結・固定される。なお、縫製146の位置は、特に限定されないが、後方寄りの方が力布140bがパッド16の変形に追従し易くなる。
【0081】
力布140a,140bの前方の端部は、サイドサポート部12の先端部分にある表皮14の継ぎ目18の内側において、縫製46によって表皮14の縁部と連結されている。また、表皮の縁部同士は、破断可能な縫製47によって互いに連結され、エアバッグが展開した時に開裂する起点となる。
【0082】
(第4実施例 変形例1)
図20は、本発明の第4実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例1は、図19に示した第4実施例に対して、一方の力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例1においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から前方に向かって直線的に延びている。そして、直線的に延びる力布140aの経路に位置するパッド16には、前後方向に延びるスリット144が形成されている。
【0083】
本変形例1のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側面と力布140aとの間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、直線的なスリット144に力布140aを通す構造であるため、エアバッグモジュール20の設置作業が容易になるというメリットがある。
【0084】
(第4実施例 変形例2)
図21は、本発明の第4実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例2は、図19に示した第4実施例に対して、力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例2においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から側部、前部を包囲するように沿って延びている。そして、力布140aは、サイドサポート部12の開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。
【0085】
本変形例2のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側部及び前部において、力布140aとエアバッグモジュール20との間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、力布140aを導くために、開裂用のスリット50を利用することにより、パッド16に対して専用のスリットを別途設ける必要が無く、製造工程の簡素化、製造コストの低減に寄与する。
【0086】
(第5実施例)
図22は、本発明の第5実施例に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。なお、本実施例は、基本的に上述した第1乃至第4実施例と力布に関係する構造のみが異なるため、当該相違点のみについて説明する。他の実施例と比較したときに、第5実施例の大きな相違点は、2本の力布140a、140bのうちの外側の力布140bがパッド16の内側に配置されることにある。
【0087】
まず、本実施例は、第2及び第3実施例と同様に、一巻きの力布(140)を2枚の帯状布140a,140bで構成している。内側(乗員側)に配置される力布140aは、エアバッグモジュール20の後端部付近において、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される固定端部を有する。力布140aは、当該固定端部から、エアバッグモジュール20の内側面に沿って延び、パッド16をスリット44に沿って貫通して当該サイドサポート部12の外部に達する。そして、サイドサポート部12の外面に沿って当該サイドサポート部12の前端付近に到達する。
【0088】
他方、外側(ドアトリム25側)に配置される力布140bは、サイドサポート部12の前端部付近から、開裂用のスリット50を通って、後方(エアバッグモジュール20側)に延び、インフレータ30のスタッドボルト32によってサイドフレーム10に固定される。
【0089】
力布140a,140bの前方の端部は、サイドサポート部12の先端部分にある表皮14の継ぎ目18の内側において、縫製46によって表皮14の縁部と連結されている。また、表皮の縁部同士は、破断可能な縫製47によって互いに連結され、エアバッグが展開した時に開裂する起点となる。
【0090】
(第5実施例 変形例1)
図23は、本発明の第5実施例の変形例1に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例1は、図22に示した第5実施例に対して、一方の力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例1においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から前方に向かって直線的に延びている。そして、直線的に延びる力布140aの経路に位置するパッド16には、前後方向に延びるスリット144が形成されている。
【0091】
本変形例1のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側面と力布140aとの間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、直線的なスリット144に力布140aを通す構造であるため、エアバッグモジュール20の設置作業が容易になるというメリットがある。
【0092】
(第5実施例 変形例2)
図24は、本発明の第5実施例の変形例2に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例2は、図22に示した第5実施例に対して、力布140aの経路を変更したものである。すなわち、本変形例2においては、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140aが、当該エアバッグモジュール20の後端部から側部、前部を包囲するように沿って延びている。そして、力布140aは、サイドサポート部12の開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。
【0093】
本変形例2のように、力布140aの内側部分をエアバッグモジュール20に近づける(接する)ことで、エアバッグモジュール20の内側部及び前部において、力布140aとエアバッグモジュール20との間にパッド16が介在しないため、エアバッグモジュール20を確実に保持することができる。また、力布140a,140bを導くために、開裂用のスリット50を利用することにより、パッド16に対して専用のスリットを別途設ける必要が無く、製造工程の簡素化、製造コストの低減に寄与する。
【0094】
(第5実施例 変形例3)
図25は、本発明の第5実施例の変形例3に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例3は、図22に示した第5実施例に対して、力布140bの後端部の連結方法を変更したものである。すなわち、本変形例3においては、エアバッグモジュール20の外側に位置する力布140bの後端は、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される。このような力布140bは、エアバッグモジュール20の後端部から内側部に沿って延び、開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。
【0095】
(第5実施例 変形例4)
図26は、本発明の第5実施例の変形例4に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例4は、図23に示した第5実施例の変形例1に対して、力布140bの経路を変更したものである。すなわち、本変形例3においては、エアバッグモジュール20の外側に位置する力布140bが、当該エアバッグモジュール20の後端部から内側部に沿って延び、開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。力布140bの後端は、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される。
【0096】
(第5実施例 変形例5)
図27は、本発明の第5実施例の変形例5に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例5は、図24に示した第5実施例の変形例2に対して、力布140bの経路を変更したものである。すなわち、本変形例3においては、エアバッグモジュール20の外側に位置する力布140bが、当該エアバッグモジュール20の後端部から内側部に沿って延び、開裂用のスリット50を通って、サイドサポート部12の先端側に達するようになっている。力布140bの後端は、ボルト132によってサイドフレーム10に固定される。
【0097】
(第5実施例 変形例6)
図28は、本発明の第5実施例の変形例6に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例6は、図25に示した変形例3に対して、力布140a、140bの後端部の連結方法を変更したものである。すなわち、本変形例6においては、エアバッグモジュール20の外側に位置する力布140bの後端と、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140bの後端とが、サイドフレーム10の後方において、互いに縫製200によって連結される。なお、縫製200に代えて、力布140a,140bの後端同士を接着によって連結することもできる。
【0098】
(第5実施例 変形例7)
図29は、本発明の第5実施例の変形例7に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例7は、図26に示した変形例3に対して、力布140a、140bの後端部の連結方法を変更したものである。すなわち、本変形例6においては、エアバッグモジュール20の外側に位置する力布140bの後端と、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140bの後端とが、サイドフレーム10の後方において、互いに縫製200によって連結される。なお、縫製200に代えて、力布140a,140bの後端同士を接着によって連結することもできる。
【0099】
(第5実施例 変形例8)
図30は、本発明の第5実施例の変形例8に係るサイドエアバッグ装置の構造を示す断面図であり、図3のA1−A1方向の断面の一部に対応する。
この変形例8は、図27に示した変形例3に対して、力布140a、140bの後端部の連結方法を変更したものである。すなわち、本変形例6においては、エアバッグモジュール20の外側に位置する力布140bの後端と、エアバッグモジュール20の内側に位置する力布140bの後端とが、サイドフレーム10の後方において、互いに縫製200によって連結される。なお、縫製200に代えて、力布140a,140bの後端同士を接着によって連結することもできる。
【0100】
本発明を上記の例示的な実施形態と関連させて説明してきたが、当業者には本開示により多くの等価の変更および変形が自明であろう。したがって、本発明の上記の例示的な実施形態は、例示的であるが限定的なものではないと考えられる。本発明の精神と範囲を逸脱することなく、記載した実施形態に様々な変化が加えられ得る。例えば、発明を実施するための形態では、ニアサイドのサイドエアバッグについて重点的に述べたが、ファーサイドエアバッグ(車両用シートの車両ドアから遠い側の面)や、スモールモビリティなど超小型車両等における単座の車両(ドアの有る無しにかかわらず一列にシートが一つしかない部分を含むような車両)等にも用いることが可能である。
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