(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エアロゾル発生システムで使用するためのカプセルであって、前記カプセルは、基部および前記基部から延びる少なくとも1つの側壁を含むシェルを備え、前記カプセルが、シールされたカプセルを形成するための少なくとも1つの側壁上にシールされたリッドをさらに含み、前記シェルが、エアロゾル形成基体と前記エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ材料を前記シェル内に含み、前記シェルが、断熱性材料を含み、サセプタ材料の量とエアロゾル形成基体の量の比は、1:1〜1:4である、カプセル。
前記エアロゾル形成基体は、粒子、ストリップ、皺寄せまたは折り畳まれたシート、ペレット、粘性のある材料の形態である、請求項1〜2のいずれか1項に記載のカプセル。
前記シェル内に配置されたサシェを備え、前記サシェは多孔性の容器を含み、前記エアロゾル形成基体と前記サセプタ材料は前記多孔性の容器内に含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル。
前記エアロゾル発生装置が少なくとも1つの空気入口および少なくとも1つの空気出口を含むマウスピースを備え、前記貫通部材が、前記少なくとも1つの空気入口と前記貫通部材の遠位端との間に延びる少なくとも1つの第一のコンジットを含み、前記マウスピースが、前記貫通部材の前記遠位端と前記少なくとも1つの空気出口との間に延びる少なくとも1つの第二のコンジットをさらに含んで、使用時にユーザーが前記マウスピースを吸った時に、空気が、前記少なくとも1つの空気入口から、前記少なくとも1つの第一のコンジットを通り、前記カプセルの一部分を通り、前記少なくとも1つの第二のコンジットを通り、前記少なくとも1つの出口を出るように延びる気流経路に沿って流れる、請求項8〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、エアロゾル発生システムにおける使用のために、好ましくは移動式システムにおける使用のための、特にハンドヘルドシステムにおける使用のための、カプセルが提供されている。カプセルは、基部と基部から延びる少なくとも1つの側壁を含むシェルを備える。カプセルは、シールされたカプセルを形成するための少なくとも1つの側壁上にシールされたリッドをさらに備える。シェルは、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ材料をシェル内に含む。この点では、シェルはサセプタ材料を含み、エアロゾル形成基体を含むシェルは、エアロゾル形成基体とサセプタ材料がカプセルのシェル内に配置されたものと理解される。
【0004】
エアロゾル形成基体とサセプタ材料をカプセル中に提供することで、エアロゾル形成基体を非常に直接的に加熱することができる。熱は、エアロゾル形成基体の位置、つまりカプセル内で直接生成される。こうして、基体の効率的な使用により、基体の総量が減少され得る。結果として、材料およびコストの浪費が減少され得る。さらに、エアロゾル形成基体の過熱を防ぐことができるので、基体の燃焼および形成される燃焼生成物が減少または防止され得る。
【0005】
所要電力が減少し、ヒーターにおいて、カプセルを加熱してカプセル内のエアロゾル形成基体に最低温度を提供するのに通常必要とされる最大温度が低下し得る。
【0006】
改良された熱管理は、エアロゾル形成基体を高速で加熱し、起動時間の短時間化、および装置の使用準備を整えるのに必要なエネルギーの減少につながり得る。熱損失が減少し、加熱エネルギーの量が減少され得るので、それは特に、装置の長い動作時間の観点から、または電子的加熱装置の電池容量または電池サイズの観点から有利であり得る。
【0007】
カプセル内側の基体の加熱は、エアロゾル発生装置、特に携帯型ハンドヘルド装置の外部温度の増大も減少させる。これはユーザー経験を改善する一方で、動作温度の増大も許容し得る。後者は、エアロゾル形成に適切な材料におけるさらなるフレキシビリティを提供し得る。
【0008】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱により放出される。
【0009】
エアロゾル形成基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は固体である。
【0010】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有するエアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよいが、たばこ含有材料は揮発性のたばこ風味化合物を含むことが好ましく、これが加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0011】
均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合、均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5パーセント以上であり、乾燥質量基準で5重量パーセント〜30重量パーセントであることが好ましい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0012】
エアロゾル形成基体は少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル発生装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物であってもよい。
【0013】
エアロゾル形成体はまた、基体がたばこ粒子を含むたばこ由来の製品で構成されている時にエアロゾル形成基体内に望ましいレベルの水分を維持するのに役立つ、湿潤タイプの属性を持ち得る。特に、一部のエアロゾル形成体は、湿潤剤として機能する吸水性材料、すなわち、基体が湿潤剤を含んだ状態に保つのに役立つ材料である。
【0014】
適切なエアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸から選択されてよく、且つ、次の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリル酸、ミリスチル酸、およびプロピレングリコールのうちの1つ以上を含んでよい。
【0015】
1つ以上のエアロゾル形成体を組み合わせてそれらの組み合わせたエアロゾル形成体の1つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの保湿性を利用するためにトリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせてもよい。
【0016】
エアロゾル形成基体の改善された熱効率および非常に直接的な加熱により、高温の動作温度が許容される。そのより高い動作温度のため、例えば、公知のシステムにおいて使用されるエアロゾル形成体と比較して改善されたエアロゾルを提供するエアロゾル形成体としてグリセリンを使用することが可能になる。
【0017】
エアロゾル形成基体は、その他の添加物およびニコチンまたは風味剤などの成分を含んでもよい。
【0018】
エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0019】
「サセプタ」という用語は本明細書で使用される時、電磁エネルギーを熱に変換することが可能な材料を意味する。交流電磁場内に位置するとき、典型的にサセプタ内で渦電流が誘導され、且つ、ヒステリシス損失が生じ、これはサセプタの加熱の原因となる。サセプタがエアロゾル形成基体と熱接触する位置にあるか、または熱的に近接した位置にあるときにエアロゾルが形成されるようにそのサセプタによってその基体が加熱される。サセプタはエアロゾル形成基体と直接物理接触して配置されることが好ましい。
【0020】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱され得るあらゆる材料から形成され得る。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでよく、またはその強磁性材料からなってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでよい。
【0021】
適切なサセプタは、金属サセプタ、例えばステンレス鋼である。ただし、サセプタ材料には、グラファイト、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル−クロム基超合金)、金属化フィルム、例えばジルコニアなどのセラミック、例えば、Fe、Co、Niなどの遷移金属、もしくは例えばB、C、Si、P、Alなどの半金属元素も含まれ得る。
【0022】
サセプタは、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性もしくは常磁性の材料を含むことが好ましい。好ましいサセプタは250℃を超える温度に加熱され得る。適切なサセプタは非金属コアとその非金属コア上に配置された金属層、例えば、セラミックコアの表面に形成される金属帯を備え得る。
【0023】
サセプタは、固体、中空または多孔性であってもよい。サセプタは、固体であることが好ましい。
【0024】
サセプタは、液体エアロゾル形成基体用の担体とし得る。例えば、液体エアロゾル形成基体は、サセプタ上またはその内部に装填され得る。例えば、サセプタは、海綿体様材料(例えば、金属海綿状)であってもよい。
【0025】
サセプタは、基本的にはあらゆる形状または外形を有し得る。サセプタ外形が一定の断面、例えば円形の断面を持つ場合、それは1ミリメートル〜5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。サセプタ外形がシートまたはバンドの形態を有する場合、そのシートまたはバンドは好ましくは2ミリメートル〜8ミリメートル、より好ましくは、3ミリメートル〜5ミリメートル、例えば4ミリメートルの幅、および好ましくは0.03ミリメートル〜0.15ミリメートル、より好ましくは0.05ミリメートル〜0.09ミリメートル、例えば0.07ミリメートルの厚さを有する長方形の形状を有することが好ましい。
【0026】
サセプタがエアロゾル形成基体において分散した粒子の形態である場合、サセプタ粒子は通常、サセプタ粉末の形態であり、5マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲のサイズを有してもよく、より好ましくは10マイクロメートル〜80マイクロメートルであって、例えば、20マイクロメートル〜50マイクロメートルのサイズを有してもよい。
【0027】
好ましくは、サセプタ材料は、ストリップ、ロッド、フィラメント、粒子、皺寄せまたは折り畳まれたシートまたはメッシュの形態である。いくつかのストリップ、ロッド、フィラメントまたは粒子またはシートまたはメッシュの一部が、カプセル内に含まれてもよい。
【0028】
好ましくは、エアロゾル形成基体は、粒子、ストリップ、皺寄せまたは折り畳まれたシート、ペレット、粘性のある材料の形態である。いくつかの粒子またはストリップが、カプセルのシェル内に含まれてもよい。ペレットは、圧密または圧縮された個々のエアロゾル形成基体片、例えば圧縮された複数の粒子またはストリップとし得る。
【0029】
エアロゾル形成基体およびサセプタ材料は、シェル内に遊離させて配置されてもよい。例えば、サセプタ材料のストリップまたはビードが、エアロゾル形成基体との間に遊離させて配置されてもよい。サセプタ材料は、例えばエアロゾル形成基体とサセプタ材料を圧縮することで、その位置に固定されてもよい。
【0030】
サセプタ材料は、例えばエアロゾル形成基体の製造工程中に、エアロゾル形成基体によって埋め込まれても、被覆されてもよい。例えば、サセプタ粒子はエアロゾル形成スラリーに導入されてもよく、あるいは、サセプタ材料がエアロゾル形成スラリーで被覆されてもよい。
【0031】
エアロゾル形成基体は、例えば、粒子の形態、例えば、エアロゾル形成基体で被覆されたサセプタのコアを含む細粒またはビードであってもよい。こうした粒子の最大粒径は、6ミリメートルであることが好ましく、最大粒径が4ミリメートルであることがより好ましく、最大粒径が2ミリメートルであることがさらにより好ましい。エアロゾル形成基体は、例えば、エアロゾル形成基体で被覆されたサセプタ材料を含むシートの形態であってもよい。こうした実施形態では、サセプタは、有利にはシートの形態、例えば、エアロゾル形成基体で被覆された、箔、メッシュまたはウェブである。
【0032】
サセプタ材料を含む、またはこれを含まないエアロゾル形成基体のシートは、皺寄せ、折り畳みまたは例えばストリップに切断されて、その後に、シェルをシールする前にシェル内に挿入されてもよい。
【0033】
サセプタがエアロゾル形成基体で被覆された複数の粒子の形態である場合、サセプタ粒子、例えばビードまたはグリットは、0.2ミリメートル〜2.4ミリメートルであり、0.2ミリメートル〜1.7ミリメートルが好ましく、0.3ミリメートル〜1.2ミリメートルがより好ましい。フレークなどの、被覆されるサセプタ粒子の最大長は、0.2ミリメートル〜4.5ミリメートルであってもよく、0.4ミリメートル〜3ミリメートルが好ましく、0.5ミリメートル〜2ミリメートルがより好ましい。サセプタフレークの厚さは、0.02ミリメートル〜1.8ミリメートルであってもよく、0.05ミリメートル〜0.7ミリメートルが好ましく、0.05ミリメートル〜0.3ミリメートルがより好ましい。
【0034】
例えばたばこ材料とエアロゾル形成体を含むエアロゾル形成基体のシートの厚さは、0.1ミリメートル〜2ミリメートルであり、0.3ミリメートル〜1.5ミリメートル、例えば、0.8ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル形成基体のシートは、製造上の許容範囲のために最大約30パーセントの厚さの偏差を有し得る。
【0035】
エアロゾル形成基体シート、特に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、0.2ミリメートル〜2ミリメートル、より好ましくは0.4ミリメートル〜1.2ミリメートルの幅を有するストリップに細断または切断されてもよい。ストリップの幅は、例えば0.9ミリメートルとし得る。
【0036】
別の方法として、エアロゾル形成基体、特に均質化したたばこ材料は、球形化を使用して球形に形成してもよい。球の平均直径は0.5ミリメートル〜4ミリメートルであることが好ましく、0.8ミリメートル〜3ミリメートルであることがより好ましい。
【0037】
原則として、本明細書を通して値が述べられる時はいつでも、その値が明示的に開示されることが理解される。しかし、値は技術的考慮のために厳密に特定の値ではなくてもよいことも理解される。値は、例えば、厳密な値±20パーセントに対応する値の範囲を、含んでいてもよい。
【0038】
エアロゾル形成基体とサセプタ材料は、公知の充填手段でシェル内に充填されてもよい。エアロゾル形成基体とサセプタ材料は、サシェ内に予め充填されてもよく、このサシェはその後シェル内に挿入される。
【0039】
従って、カプセルは、シェル内に配置されたサシェを備える。サシェは、エアロゾル形成基体とサセプタ材料が含まれる、多孔性の容器を備える。
【0040】
サシェは、メッシュから形成されることが好ましい。メッシュは、発生したエアロゾルに対して多孔性であることが好ましく、エアロゾルはサシェから放出されることができる。メッシュは、例えば材料を編むことなどの適切な任意のプロセスによって、または歯付きのローラーもしくはそれに類するものを使用して切断してから、歯付きのローラーの軸に直角に力をかけて材料を広げることで、形成されてもよい。
【0041】
サシェは、燃焼することなく、または望ましくない風味がエアロゾル内に与えられることなく、使用時に高温に耐える能力のある適切な任意の材料から形成されうる。特に、サシェの形成には、天然繊維であるサイザル麻およびラミーが特にふさわしい。別の方法として、サシェはセラミック繊維または金属から形成されてもよい。
【0042】
サシェを形成するために使用される材料は、50マイクロメートル〜300マイクロメートルの厚さであってもよい。薄い材料を使用したサシェを提供することで、材料のコストと無駄を減少させ得る。厚さのあるサシェの材料は、サシェに用いられる材料に応じて、サシェ内部とカプセル外部との、加熱されたサセプタ材料とエアロゾル形成基体との間の、サシェがもたらし得る断熱効果を強化し得る。サシェを形成するために使用される材料の繊維サイズは、10マイクロメートル〜30マイクロメートルであってもよい。
【0043】
容器内のエアロゾル形成基体とサセプタ材料は、0.2〜0.35の空隙率を有することが好ましい。空隙率は、0.24〜0.35であることがより好ましい。空隙率は、容器内部にある空隙の体積分率として定義される。従って、空隙率100パーセントは容器が基体とサセプタ材料を含まないことを意味し、空隙率0パーセントは、容器が完全に基体とサセプタで満たされ、空隙が全くないことを意味する。
【0044】
カプセルは、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料によって完全にまたは一部分のみが充填されてもよい。充填レベルは、特定のユーザー経験、または所定の吸煙数に相当するよう選択および適合されてもよい。
【0045】
カプセルは、150ミリグラム〜400ミリグラムのエアロゾル形成基体で充填されることが好ましく、200ミリグラム〜300ミリグラムのエアロゾル形成基体であることがより好ましく、好ましい1つの実施形態では250ミリグラムのエアロゾル形成基体である。
【0046】
好ましくは、サセプタ材料とエアロゾル形成基体の比は、特定の消費経験またはエアロゾル化のプロファイルに対して最適化される。サセプタ材料の量とエアロゾル形成基体の量の比は変動し得る。ただし、こうした比は特定の範囲内で固定されることが好ましい。
【0047】
サセプタ材料の量とエアロゾル形成基体の量の比は、例えば、1:1〜1:4としてもよく、1:1.5〜1:2.5が好ましい。比は、容積比と考えられる。
【0048】
この範囲の比は、エアロゾル形成基体とエアロゾル製造の効率的かつ好ましくは均質化した加熱に関して好ましい。比は、一定の基体送達、好ましくはニコチンをユーザーに送達する手法において加熱が実施されるように、構成されてもよい。
【0049】
上述の通り、エアロゾル形成基体は液体でもよい。こうした実施形態において、カプセルには、使用時にカプセルからの液体エアロゾル形成基体の漏れを実質的に阻止するための高い液体保持性の材料が提供され得る。高い液体保持性の材料は、スポンジ様の材料でもよい。例えば、高い保持性の材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0050】
例えば、保持性の材料は、スポンジ様の材料からなるサセプタであってもよい。
【0051】
カプセルは、適切な任意の方法を使用して製造されうる。例えば、シェルは、深絞りまたは成形プロセスを使用して製造され得る。エアロゾル形成基体は次に、その他任意の適切な手段を使用してシェル内に充填され得る。シェルは次に、リッドでシールされる。リッドは、エポキシ接着剤などの接着剤、ヒートシール、超音波溶接、およびレーザー溶接を含む、任意の適切な方法を使用してカプセルのシェルにシールされてもよい。
【0052】
好ましくは、リッドは壊れやすい。壊れやすいリッドは、気流をカプセルに通すことを許容するために使用する際に、例えばエアロゾル発生装置の任意の適切な貫通部材によって貫通または穿孔され得る。
【0053】
リッドは、ポリマーまたは金属からなることが好ましく、金属を含んでもよい。リッドは、シール能力を向上させるために積層されてもよい。リッドは、積層された、食品グレードの金属からなることが好ましい。
【0054】
シェルとリッドを含むカプセルは、強磁性材料もしくは常磁性材料を含まない材料または制限された量の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む材料で形成されることが好ましい。詳細には、カプセル、シェル、およびリッドは、20パーセント未満、特に10パーセント未満または5パーセント未満または2パーセント未満の強磁性材料もしくは常磁性材料を含んでもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、「長手方向」という用語は、カプセルの近位(またはリッド)端および向かい合った遠位(または基部)端の間の方向を意味し、本発明のシステムに含まれるエアロゾル発生装置の近位(またはマウスピース)端および遠位端の間の方向を意味する。
【0056】
シェルの基部は、実質的に円形であることが好ましい。カプセルの基部の半径は、3ミリメートル〜6ミリメートルであることが好ましく、4ミリメートル〜5ミリメートルであることがより好ましく、特に好ましい実施形態では基部の半径は4.5ミリメートルである。
【0057】
少なくとも1つの側壁の長手方向の長さは、基部の半径の少なくとも2倍であることが好ましい。有利には、こうした寸法を持つシェルは、ユーザーに良好なユーザー体験を提供するために十分なエアロゾル形成基体とサセプタ材料を含むだけの十分な容積をカプセル内に提供し得る。
【0058】
カプセルの長手方向の長さは、7ミリメートル〜13ミリメートルであることが好ましく、9ミリメートル〜11ミリメートルであることがより好ましく、特に好ましい実施形態においてカプセルの長手方向の長さは10.2ミリメートルである。
【0059】
シェルは、0.1ミリメートル〜0.5ミリメートルの壁厚を持つことが好ましく、0.2ミリメートル〜0.4ミリメートルであることがより好ましく、特に好ましい実施形態では、シェルの壁厚は0.3ミリメートルである。
【0060】
薄い壁のシェルを提供することで、材料のコストおよびカプセル廃棄の無駄を減少させ得る。
【0061】
シェルは、一体形成させることが好ましい。シェルを形成するために使用される材料は金属とし得る。別の方法として、シェルを形成するために使用される材料は、サセプタ材料の動作温度に耐えることが可能な任意の適切なポリマーなど、ポリマー系でもよい。カプセルは、断熱性材料を含んでいてもよく、または断熱性材料で作られてもよい。
【0062】
カプセルまたはカプセルの部分は、1つ以上の適切な材料から形成され得る。適切な材料には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂およびビニル樹脂、例えばステンレス鋼などの金属、紙または厚紙が含まれるがこれに限定されない。
【0063】
適切な材料は、例えば医療ツールおよび装置に対するFDAによって承認された材料などの、食品安全性材料とし得る。
【0064】
カプセル、シェル、およびリッドは、エアロゾル形成基体の成分に対して耐性のある、例えば、耐ニコチンまたは耐エアロゾル形成体、およびカプセル内に含まれるサセプタ材料に対して耐性のある、1つ以上の材料から形成され得る。
【0065】
カプセル、シェル、およびリッドは、エアロゾル形成基体の成分に対して耐性のある、およびカプセル内に含まれるサセプタ材料に対して耐性のある、1つ以上の耐性材料で被覆され得る。
【0066】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生システム、好ましくは移動式システム、特にハンドヘルドシステムが提供されている。エアロゾル発生システムは、基部と基部から延びる少なくとも1つの側壁を含むシェルを含むカプセルを備える。カプセルは、シールされたカプセルを形成するための少なくとも1つの側壁上にシールされたリッドをさらに備える。シェルは、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ材料とをシェル内に含む。好ましくは、システムは本発明による、かつ本明細書に記載のカプセルを備える。
【0067】
システムは、負荷ネットワークに接続された電源をさらに備える。負荷ネットワークは、シェル内のサセプタ材料に誘導結合するためのインダクタを備える。
【0068】
インダクタは、カプセル内のサセプタ材料に誘導結合される変動電磁場を発生させる1つ以上のコイルを備え得る。コイルまたは複数のコイルは、エアロゾル発生装置のカプセル受け入れくぼみを囲んでもよく、くぼみには、カプセルがシステムの使用時に配置される。好ましくは、インダクタは装置のハウジングの一部である。例えば、1つまたはいくつかの誘導コイルを非常に省スペースな方法で装置のハウジング内に埋め込んでもよい。
【0069】
作動する時、高周波の交流電流が、インダクタの一部を形成する巻線コイルを通過する。カプセルがカプセル受け入れくぼみ内に正しく位置付けられた時、カプセルのサセプタ材料はこの変動電磁場内に位置する。変動場は、結果として加熱されるサセプタ材料内に、渦電流またはヒステリシス損失を発生させる。加熱されたサセプタ材料はエアロゾルを形成するのに十分な温度まで、例えば約180〜220℃に、エアロゾル形成基体を加熱する。
【0070】
エアロゾルは、マウスピースを通してカプセルから下流に引き出され、マウスピースによってエアロゾル発生装置を出る。
【0071】
本発明のエアロゾル発生システムの負荷ネットワークは、単一の誘導コイルを含むことが好ましい。これは、有利なことに単純な装置の構造および電子装置および装置の動作を提供する。さらに、カプセルを用いた使用のためのエアロゾル発生装置は、誘導加熱に適合され得る。そのような装置には、例えば、インダクタを含む電子装置および負荷ネットワークが提供されうる。従って、例えば、Kapton(登録商標)ヒーターを備える、従来のように加熱される装置よりも必要な電力が少なくてすみ、且つ、無接触式加熱の全ての利点(例えば、カプセルをくぼみ内に締りばめする必要がないことで、大きな製造公差、過熱要素からの電子装置の分離が許容される)が与えられる、そのような装置が製造され得る。
【0072】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体とカプセル内に含まれるサセプタ材料を少なくとも部分的に囲む断熱層を含み得る。断熱層は、例えば、少なくとも部分的にカプセルの周りに配置され得る。断熱層は、少なくとも1つの側壁とシェルの基部の周りに延びるよう配置され得ることが好ましい。
【0073】
カプセルのシェルは熱接触とヒーターからカプセルの中身への熱移動の必要がないため、断熱層は、カプセルのシェル内へ組み込まれ得る。例えば、シェルは、断熱性材料から少なくとも部分的になってもよく、またはこれを含んでもよい。こうした実施形態では、有利には、シェルは完全に断熱性材料からなる。従って、断熱層は、カプセルとは分離した、またはこれに一体化された材料層である。
【0074】
断熱層は、カプセルが使用される装置内に配置されることが好ましく、装置のカプセル受け入れくぼみを少なくとも部分的に囲むことが好ましい。従って、断熱性は、装置で使用されるカプセルの設計とは独立して装置に提供される。
【0075】
断熱性によって、カプセル内に発生した熱がカプセル内に保たれる。環境に対するより少ないまたは全くない熱損失は、熱伝導性を通じて得られる。さらに、エアロゾル発生装置のハウジングの加熱が、制限されまたは回避されうる。
【0076】
断熱層は、装置のハウジング内に、例えばインダクタとカプセルとの間に配置され得る。これはまた、インダクタの外部に、例えば、インダクタを少なくとも部分的に囲んで配置されてもよい。
【0077】
有利には、断熱層は、シェルの少なくとも1つの側壁とインダクタとの間に少なくとも部分的に配置される。これにより、カプセル内で発生し、シェルの側壁を通して伝導し得る熱が、さらに外部に進むことが防止される。詳細には、熱が装置のハウジングに半径方向に伝導することが防止されるか制限されて、さらなる装置部品、特に、ユーザーによって接触される装置のハウジングの外側の、加熱を防止する。
【0078】
本発明のエアロゾル発生システムではKapton(登録商標)ヒーターなどの外部ヒーターを必要としないため、公知のエアロゾル発生装置においてこうしたヒーターのために必要な空間は、本発明のシステムで使用される装置内では省かれるか、または追加の空間を必要とすることなく断熱性のために使用され得る。
【0079】
熱伝導率は、熱を伝導することに対する材料の属性である。熱伝達は、高い熱伝導率の材料を横切るときよりも低い熱伝導率の材料を横切るときに、低いレートで起こる。材料の熱伝導率は、温度に依存しうる。
【0080】
特にシェルまたはさらなるカプセル部分の断熱性のために本発明で使用されるような断熱性材料は、1ワット毎(メートル×ケルビン)未満、好ましくは0.1ワット毎(メートル×ケルビン)未満、例えば1〜0.01ワット毎(メートル×ケルビン)の熱伝導率を持つことが好ましい。
【0081】
本発明によるシステム内に含まれるエアロゾル発生装置は、貫通部材を備えてもよい。貫通部材は、破断させる、例えば、カプセルのリッドを貫通または穿孔するよう構成される。
【0082】
エアロゾル発生装置は、好ましくは少なくとも一つの空気入口と少なくとも1つの空気出口を含むマウスピースを備え得る。貫通部材は、少なくとも1つの空気入口と貫通要素の遠位端との間に延びる少なくとも1つの第一のコンジットを含むことが好ましい。
【0083】
マウスピースは、貫通要素の遠位端と少なくとも1つの空気出口との間に延びる少なくとも1つの第二のコンジットをさらに含むことが好ましい。従ってマウスピースは、使用時に、ユーザーがマウスピースを吸った時、空気が少なくとも1つの空気入口から延びる気流経路に沿って、少なくとも1つの第一のコンジットを通り、カプセルの一部分を通り、少なくとも1つの第二のコンジットを通り、少なくとも1つの出口を出るように配置されることが好ましい。
【0084】
こうしたコンジットを提供することで、装置を通した気流が改善できるようになり、エアロゾルがユーザーにより簡単に送達されうるようになる。
【0085】
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1は、活性基体2のサセプタ材料を誘導加熱可能であって、かつエアロゾル形成基体を蒸発させることが可能な装置で使用される、エアロゾル形成基体とサセプタ材料を備える活性基体2を含むカプセル1を示す。カプセル1は、リッド11にシールされるシェル10を含む。シェル10は、リッド11をシェル10に接着させるためのフランジ12を備える。シェル10は、基部101と側壁100とを備える。カプセル1のシェル10またはカプセル1全体は、これに限られないが、金属、剛直なプラスチック、柔軟なプラスチック、紙、板紙、厚紙、およびワックス紙を含む、様々な材料からなってもよい。シェルおよびリッド11は、強磁性材料もしくは常磁性材料を含まない材料または制限された量の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む材料で形成されることが好ましい。詳細には、シェルおよびリッドは、20パーセント未満、特に10パーセント未満または5パーセント未満または2パーセント未満の強磁性材料または常磁性材料を含んでもよい。
【0088】
カプセル1のシェル10は通常、食品安全性材料を含むが、多くの場合、カプセル1は生成されたエアロゾルの吸入がエアロゾル形成基体を蒸発させるために装置において使用される。いくつかの食品安全性材料の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(APET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、および多くの様々な紙製品が含まれる。一部の場合、特に材料が紙の場合、シェル10は、共にエアロゾル形成基体の乾燥を防止し、活性基体2を保護するための、材料または食品安全性材料で裏張りされてもよい。
【0089】
カプセル1のシェル10は、例えばヒートシール性の施蓋フィルムで施蓋されて、完全に封入された気密なカプセル1をなしてもよい。シールされたカプセルは、中身の新鮮さを保存し、移動またはユーザーによる操作の間にカプセル1内で活性材料が漏れることを防止する。
【0090】
カプセル1は、誘導加熱装置のくぼみ内への挿入が容易であるように、そして好ましくは例えば本発明の一例の、かつ本明細書に記載の装置のくぼみ内にぴったりと嵌合するように、形成かつ形状されることが好ましい。
【0091】
カプセル1のリッド11は、様々な材料からなってもよい。通常、リッドは食品安全性材料を含む。リッド11は、活性基体2がカプセル1内に充填された後にカプセル1上にシールされてもよい。リッド11をカプセル1のシェル10上にシールするための多くの方法は、当業者に公知である。リッドをフランジ12を含むカプセルのシェル上にシールするための方法の1つの例は、ヒートシールである。好ましくは、カプセル1のリッド11は、少なくとも約350℃に対して食品安全性であると考えらえる。リッド11は、しばしばデュアルオーブナブルと称される(電子レンジおよび従来のオーブンに対して)、従来のオーブン中で調理される食品で使用するための市販のフィルムとし得る。デュアルオーブナブルフィルムは通常、PET(ポリエチレンテレフタレート)系層とAPET(非結晶性ポリエチレンテレフタレート)ヒートシール層とを備える。APETヒートシール層は、その後、カプセル1のシェル10のフランジ12と接触するようになる。こうした施蓋フィルムは、水分、酸素および他のガスに関するフィルムのバリア性能を改善するのに先立って容易に金属化される、または箔化され得る。
【0092】
カプセル1の材料、特にシェル10は、中身の新鮮さを保存し、カプセルの貯蔵寿命を増大させるよう機能し得る。カプセルまたはリッドあるいはシェルは、カプセル1の視覚的アピールおよび知覚される価値を改善し得る。カプセルの材料は、ブランドまたは風味剤の標識などの製品情報の改善された印刷および視覚化を許容する。
【0093】
カプセル1は、穴またはベント(図示せず)を有してもよい。これらの穴は、カプセル1内の中身が環境へのアクセスを有することを許容し得る。カプセル1は、材料から構成されてもよく、または、カプセル1の中身を蒸発させることが可能な装置内に置かれるときに、貫通または開口され得るリッドを含むことが好ましい。例えば、カプセル1が特定の温度にまで加熱される場合、中身が蒸発し、装置によって生成された穴または複数の穴は蒸気が加熱されたカプセル1から放出することを許容する。カプセル1はまた、カプセル1が装置内に挿入される直前に、開く、例えば剥がすことが可能なリッド11またはシールを備えてもよい。
【0094】
カプセル1は、単回の使用が所期され、使用後に新たなものと交換されることが好ましい。カプセル1内に含まれる製品のタイプが、カプセル上にマークされてもよく、カプセル1の色、サイズ、または形状によって標識されてもよい。
【0095】
エアロゾル化が可能であってかつユーザーによって吸引可能な任意の材料を、本発明の装置またはカプセル1に使用し得る。こうした材料には、これに限られないが、たばこを含むもの、天然または人口風味剤、コーヒー粉またはコーヒー豆、ミント、カモミール、レモン、ハチミツ、茶葉、ココア、および他の植物由来の非たばこ代用品が含まれ得る。比較的低温度で蒸発(または揮発)可能であって、好ましくは有害な分解物を有さない化合物を使用し得る。化合物の例には、メンソール、カフェイン、タウリン、およびニコチンが含まれるがこれに限られない。
【0096】
好ましくは、たばこ、またはたばこ材料がカプセル1内に充填される。ここで、たばこまたはたばこ材料は、たばこを含む天然および合成材料の任意の組み合わせと定義される。カプセルは、乾燥たばこ、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体、香味およびサセプタ材料を用いて調製され得る。例えば、たばこを微細片(例えば、2ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満の直径)に細かく刻み、他の成分を添加して、さらなる粘度が達成されるまで混合してもよい。活性基体はまた、例えば、1ミリメートル未満の粒径および粒子の形態のサセプタ材料を有する、ペースト状の粘度へと処理されてもよい。こうしたペースト状の基体またはスラリーは、カプセル1の充填処理を容易にし得る。
【0097】
スラリーを含むたばこはまた、広がられて乾燥され、キャストリーフと呼ばれるシートを形成し得る。乾燥されたリーフは皺寄せまたは折り畳まれた形態でカプセル内に挿入され得るが、サセプタ材料は、キャストリーフをカプセル内に挿入する前後いずれかでキャストリーフと組み合わされてもよい。
【0098】
たばこシート、例えばキャストリーフは約0.5ミリメートル〜約1.5ミリメートルの範囲、例えば1ミリメートルの、好ましい厚さを有し得る。
【0099】
キャストリーフはまた、例えば、シートを例えば幅が0.5ミリメートル〜1.5ミリメートルの細片またはストリップに細かく刻むことで処理してもよい。
【0100】
たばこスラリーは、エアロゾル形成基体の乾燥後に、エアロゾル形成基体で被覆されたサセプタシートによって活性基体が形成されるように、サセプタ材料のシート上に直接広げられてもよい。こうした活性基体のシートは、次に切断されて、集められるか折り畳まれて、カプセル内に挿入されてもよい。
【0101】
活性基体の体積は、例えば、カプセル1について約0.25立方センチメートルの活性基体を含む。
【0102】
図2〜
図4には、管状形態であって、異なる実施例の活性基体で充填されるカプセル1が概略的に図示される。
【0103】
図2では、エアロゾル形成基体20のいくつかのストリップとサセプタ材料30のストリップ、例えば、ステンレス鋼箔のストリップが、カプセル1内に充填されている。エアロゾル形成基体とサセプタ材料の望ましい比に応じて、サセプタ材料30の1つよりも多いストリップが提供され得る。望ましい消費経験、形成されるエアロゾルまたは1つのカプセル2で得られる吸煙の数に応じて、エアロゾル形成基体ストリップ20の数は増加または減少し得る。エアロゾル形成基体20のストリップは、例えば、約0.8ミリメートル〜1ミリメートルの幅を有してもよく、ストリップの長さは、例えば、4ミリメートル〜10ミリメートルであり得る。サセプタ材料30のストリップのサイズは、幅が約2〜4ミリメートルであり、エアロゾル形成基体20のストリップと同じ長さである。
【0104】
図3では、カプセル1は、複数のエアロゾル形成基体20のストリップで充填される。サセプタ材料は、複数のビードの形態、例えば、強磁性ビードの形態で提供される。サセプタビードの直径は、0.3ミリメートル〜2.5ミリメートルの範囲であることが好ましい。
【0105】
図4では、活性基体は、サセプタ材料32を含むストリップ21の形態で提供される。サセプタ材料は粒子の形態で提供され、この粒子は、エアロゾル形成基体内に埋め込まれる。サセプタ粒子の好ましい粒径は、20マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲とし得る。
【0106】
サセプタ粒子は、活性基体の製造に際してエアロゾル形成基体中に組み込まれることが好ましい。こうした基体は、エアロゾル形成基体中の非常に均質で規則的なサセプタ材料分布を提供し得る。
【0107】
活性基体2は、サセプタコアおよびエアロゾル形成基体コーティングを有する複数の粒子の形態で提供されてもよい。
【0108】
図5および
図6に、ビードの形態(
図5)とフレークの形態(
図6)の活性基体2の粒子の4つの実施例を示す。
【0109】
図5は、1つまたは2つのエアロゾル形成基体コーティング22、23で被覆される、細粒の形態のサセプタコア粒子33の断面図を示す。ここで、第二のコーティング23は第一のコーティング22を被覆している。第一のコーティング22のエアロゾル形成基体と第二のコーティング23のエアロゾル形成基体は、同一であっても異なっていてもよく、例えば、成分、密度、空隙率、コーティングの厚さのうちの1つまたは組み合わせにおいて異なっていてもよい。
【0110】
図5に図示するビードは誘導加熱可能であって、望ましい量、例えば、カプセル毎に約数十ビード〜最大で約200ビードまでで、カプセル1内に充填する準備が整っている。
【0111】
好ましくは、サセプタ細粒33は、金属または金属合金、例えば、オーステナイトまたはマルテンサイトステンレス鋼からなる金属細粒である。好ましくは、第一のエアロゾル形成基体コーティング22と第二のエアロゾル形成基体コーティング23はたばこ含有基体コーティングである。
図5に示す実施形態では、第二のコーティング23は、第一のコーティング22の半分の厚さである。
【0112】
コーティングと粒径は、平均円径寸法によって決定されてもよい。最終ビード2とサセプタ細粒は、平均直径55、56または平均コーティング厚さ51、52がサセプタ細粒33と最終ビードに対して決定されるような、正確な円形形状を有さない場合が多い。
【0113】
サセプタ細粒33の平均直径は、0.1ミリメートル〜4ミリメートル、好ましくは0.3ミリメートル〜2.5ミリメートルの範囲とし得る。
【0114】
第一のエアロゾル形成基体コーティング22の平均厚さ51は、0.05ミリメートル〜4.8ミリメートルの範囲としてもよく、0.1ミリメートル〜2.5ミリメートルが好ましい。
【0115】
従って、エアロゾル形成基体の1つのコーティング22含む細粒の平均の直径55は、0.2ミリメートル〜最大6ミリメートルであって、0.5ミリメートル〜4ミリメートルが好ましい。
【0116】
第二のエアロゾル形成基体コーティング23の平均厚さ52は、0.05ミリメートル〜4ミリメートルの範囲としてもよく、0.1ミリメートル〜1.3ミリメートルが好ましい。
【0117】
従って、エアロゾル形成基体の2つのコーティング20、21を含む細粒の平均直径56は、0.3ミリメートル〜最大6ミリメートルとしてもよく、0.7ミリメートル〜4ミリメートルが好ましい。
【0118】
最大の粒径は、6ミリメートル、好ましくは4ミリメートル、さらにより好ましくは2ミリメートルであるが、1つの基体コーティングを有する粒子の平均直径55は通常、2つの基体コーティングを有する粒子の平均直径56よりも小さい。
【0119】
スラリーをエアロゾル形成基体コーティングとして含むたばことエアロゾル形成体を用いる場合、流動床造粒法を粒子の大量生産のために使用することが好ましい。低水分スラリーを使用する場合、粒子生成には粉末造粒法が使用されることが好ましい。回動式のコーティング造粒機をビードの製造に使用することが好ましい。
【0120】
図6は、1つまたは2つのエアロゾル形成基体コーティング24、25で被覆される、フレーク34の形態のサセプタコア粒子の断面図を示す。エアロゾル形成基体の第二のコーティング25は、第一のコーティング24を被覆する。
図6に示す複数の誘導加熱可能な被覆されたフレークは、本発明のカプセルで使用され得る。
【0121】
サセプタフレーク34の直径は、0.2ミリメートル〜4.5ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル〜2ミリメートルとし得る。サセプタフレーク34の厚さは、0.02ミリメートル〜1.8ミリメートル、好ましくは0.05ミリメートル〜0.3ミリメートルとし得る。
【0122】
第一のエアロゾル形成基体コーティング24と第二のエアロゾル形成基体コーティング25の厚さ61と厚さ62は同一の範囲としてもよく、ビードの被覆について上記したのと同一の好ましい範囲としてもよい。
【0123】
従って、1つのエアロゾル形成コーティングで被覆されたフレークの直径は、0.3ミリメートル〜最大6ミリメートルの範囲としてもよく、0.7ミリメートル〜4ミリメートルが好ましい。1つのエアロゾル形成コーティングで被覆されたフレークの厚さは、0.12ミリメートル〜最大6ミリメートルの範囲としてもよく、0.25ミリメートル〜4ミリメートルが好ましい。
【0124】
2つのエアロゾル形成コーティングで被覆されたフレークの直径は、0.4ミリメートル〜最大6ミリメートルの範囲としてもよく、0.9ミリメートル〜4ミリメートルが好ましい。2つのエアロゾル形成コーティングで被覆されたフレーク1の厚さは、0.22ミリメートル〜最大6ミリメートルの範囲としてもよく、0.45ミリメートル〜4ミリメートルが好ましい。
【0125】
図7は、上に記載するエアロゾル発生装置7およびカプセル1を含む、誘導加熱可能なエアロゾル発生システム8の断面図を示す。エアロゾル発生装置7は、再充電可能電池などの電源700と、制御回路701と、例えばインダクタコイルであるインダクタ702とを収容するように適合された外側ハウジング70を備える。ハウジング70は、カプセル1を受けるくぼみ703をさらに備える。インダクタ702は、くぼみ703を囲むハウジング70の近位部分とキャビティ703内に配置されたカプセル1内に埋め込まれる。
【0126】
エアロゾル発生装置7は、デバイスのハウジング70の近位端に取付け可能なマウスピース71をさらに備える。マウスピース71は、くぼみ703に対して方向づけられた貫通部分710を備える。マウスピース71は、マウスピース71内に配置された2つの気流コンジットである、入口コンジット711および出口コンジット712をさらに備える。
【0127】
カプセル1がハウジング70のくぼみ703内に位置する場合、カプセル1内に含まれる活性基体2のサセプタ材料は、インダクタコイル702によって誘導加熱可能である。
【0128】
使用時に、ユーザーは、カプセル1をエアロゾル発生装置7のくぼみ703に挿入してから、マウスピース71をハウジングに70取り付ける。マウスピースを取り付けることにより、貫通部分710がカプセル1のリッドを貫通し、空気入口からカプセル1を通して空気出口への気流経路を形成する。カプセル1に入る気流経路714の部分、およびカプセル1を出る気流経路715の部分を矢印で示す。ユーザーは次に、例えばボタン(図示せず)を押して、装置7を起動する。装置の起動においては、インダクタ702に、電源700から制御電子回路701によって電力が供給される。カプセル1の中身の温度が例えば約180℃〜約220℃の動作温度に達した時、インジケータ(図示せず)の手段によってユーザーは装置の使用準備が整い、ユーザーがマウスピース71を吸うことができる旨の通知を受けてもよい。ユーザーがマウスピースを吸う時、空気は空気入口に入り、マウスピース71内にあるコンジット711を通ってカプセル1内に進み、蒸発したエアロゾル形成基体を混入してから、マウスピース71内の出口コンジット712を経由してカプセル1を出る。