(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ボディーの側面と、前記ボディーの側面から繋がる前記シューの側面が成す角度は、145゜ないし155゜である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモーター。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
コギングトルク(Cogging Torque)とトルクリップル(Torque Ripple)を減少させて品質を向上させることができるモーターを提供する。
【0012】
実施例が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、ここで言及されていないまた他の課題は、下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題は、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記シューは、複数の溝を含み、円周方向を基準とする前記溝の幅は、前記歯との間に形成されたスロットオープンの幅の90%ないし110%以内であるステーターによって達成される。
【0014】
ここで、前記ボディーの側面と、前記ボディーの側面から繋がる前記シューの側面が成す角度は、145゜ないし155゜であり得る。
【0015】
前記課題は、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記ボディーの側面と、前記ボディーの側面から繋がる前記シューの側面が成す角度は、145゜ないし155゜であるステーターによって達成される。
【0016】
前記課題は、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記シューは、複数の半円形の溝を含み、前記溝の横断面の中心C1は、前記シューの一側端点Pから円周方向に一定の角度θ2離隔して配置され、前記角度θ2は、前記シューの端点と隣接した前記シューの端点が前記回転軸の中心と成す角度θ1の0.45ないし0.55であるステーターによって達成される。
【0017】
ここで、前記角度θ2は、前記角度θ1の0.5であり得る。
【0018】
一方、前記溝は、2つであり、2つの前記溝は、円周方向を基準とする前記シューの幅中心と前記ステーターコアの中心を経る基準線を基準に対称となるように配置され得る。
【0019】
また、前記溝は、前記ステーターコアの軸方向に沿って配置され得る。
【0020】
前記課題は、回転軸と、前記回転軸が挿入されるホールを含むローターと、前記ローターの外側に配置されるステーターを含み、前記ステーターは、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記シューは、複数の溝を含み、円周方向を基準とする前記溝の幅は、前記歯との間に形成されたスロットオープンの幅の90%ないし110%以内であるモーターによって達成される。
【0021】
ここで、前記ボディーの側面と、前記ボディーの側面から繋がる前記シューの側面が成す角度は、145゜ないし155゜であり得る。
【0022】
前記課題は、回転軸と、前記回転軸が挿入されるホールを含むローターと、前記ローターの外側に配置されるステーターを含み、前記ステーターは、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記ボディーの側面と、前記ボディーの側面から繋がる前記シューの側面が成す角度は、145゜ないし155゜であるモーターによって達成される。
【0023】
一方、単位回転中にコギングトルク波形の震動回数が前記ローターのマグネットの数と前記歯の数の最小公倍数の3倍であり得る。
【0024】
前記課題は回転軸と、前記回転軸が挿入されるホールを含むローターと、前記ローターの外側に配置されるステーターと、前記ステーターは、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記シューは、複数の半円形の溝を含み、前記溝の横断面の中心C1は、前記シューの一側端点Pから円周方向に一定の角度θ2離隔して配置され、前記角度θ2は、前記シューの端点と隣接した前記シューの端点が前記回転軸の中心と成す角度θ1の0.45ないし0.55であるモーターによって達成される。
【0025】
ここで、前記溝の半径Rは、前記ステーターのシューと前記ローターとの間の間隔Dの0.9ないし1.1であり得る。
【0026】
前記課題は、回転軸と、前記回転軸が挿入されるホールを含むローターと、前記ローターの外側に配置されるステーターと、前記ステーターは、複数の歯を有するステーターコアと、前記歯に捲線されるコイルを含み、前記歯は、前記コイルが巻かれるボディーと前記ボディーに繋がるシューを含み、前記シューは、複数の半円形の溝を含み、前記溝の半径Rは、前記ステーターのシューと前記ローターとの間の間隔Dの0.9ないし1.1であるモーターによって達成される。
【0027】
一方、前記溝の半径Rは、前記ステーターのシューと前記ローターとの間の間隔Dと同一であり得る。
【0028】
具体的には、前記ローターは、ローターコアおよび前記ローターコアの外周面に配置されるマグネットを含み、前記溝の半径Rは、前記ステーターのシューと前記ローターのマグネットとの間の間隔Dと同一であり得る。
【発明の効果】
【0029】
実施例によるモーターは、ステーターの歯に溝を形成させてコギングメイン次数を増加させることにより、コギングトルクを大きく削減する有利な効果を提供する。
【0030】
また、前記モーターは、前記溝を半円形に形成してコギングトルクおよびトルクリップルを減少させることにより、モーターの品質を向上させることができる。
【0031】
このとき、スロットオープンを基準に前記溝の位置を限定し、エアギャップを基準に前記溝の半径を限定してモーターの性能を維持しつつ品質をさらに向上させることができる。
【0032】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は、前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より易しく理解できるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0035】
第2、第1などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用する。例えば、本発明の技術的範囲を逸脱せず、第2構成要素は、第1構成要素と命名し得、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名し得る。および/またはという用語は、複数の列挙された項目の組合または複数の列挙された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0036】
ある構成要素が他の構成要素に「繋がれて」いるとか「接続されて」いると言及したときには、その他の構成要素に直接的に繋がれているとかまたは接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接繋がれて」いるとか「直接接続されて」いると言及したときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0037】
実施例の説明において、ある1つの構成要素が他の構成要素の「上(うえ)または下(した)(On or Under)」に形成されるものと記載される場合において、上(うえ)または下(した)(On or Under)は、2つの構成要素が互いに直接(Directly)接触するか、または1つ以上の他の構成要素が前記2つの構成要素との間に配置されて(Indirectly)形成されることをすべて含む。また「上(うえ)または下(した)(On or Under)」と表現される場合、1つの構成要素を基準に上側方向だけでなく、下側方向の意味も含み得る。
【0038】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の方法で意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0039】
別の方法で定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同じ意味を有することになる。一般的に使用する辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されない。
【0040】
以下、添付された図面を参照して実施例を具体的に説明するが、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素は、同じ参照番号を付与し、これに対する重複される説明は省略する。
【0041】
図1は、実施例によるモーターを示す縦断面図である。
【0042】
図1を参照すると、実施例によるモーター1は、ハウジング100、ブラケット200、ステーター300、ローター400および回転軸500を含み得る。ここで、前記ブラケット200は、ハウジング100の開放された上部を覆うように配置され得る。
【0043】
ハウジング100とブラケット200は、前記モーター1の外形を形成し得る。ここで、ハウジング100は、上部に開口が形成された筒状に形成され得る。
【0044】
したがって、ハウジング100とブラケット200の結合によって内部に収容空間が形成され得る。そして、前記収容空間には、
図1に示すように、ステーター300、ローター400および回転軸500などが配置され得る。
【0045】
ハウジング100は、円筒状に形成されて内周面にステーター300が支持されるように配置され得る。ハウジング100の下部には、回転軸の下部を支持するベアリング10を収容するポケット部が設けられ得る。
【0046】
また、ハウジング100の上部に配置されるブラケット200にも、回転軸500の上部を支持するポケット部が設けられ得る。そして、ブラケット200は、外部ケーブルが接続されたコネクターが挿入されるホールまたは溝を含み得る。
【0047】
ステーター300は、ハウジング200の内周面によって支持されることができる。そして、ステーター300は、ローター400の外側に配置される。
【0048】
ステーター300は、ローター400との電気的相互作用を引き起こしてローター400の回転を誘導する。
【0049】
ローター400は、ステーター300の内側に配置される。ローター400は、ローターコアとローターコアに結合するマグネットを含み得る。ローター400は、ローターコアとマグネットの結合方式に応じて次のような形に区分できる。
【0050】
ローター400は、マグネットがローターコアの外周面に結合されるタイプで実装できる。このようなタイプのローターは、マグネットの離脱を防止し、結合力を高めるために別の缶部材20がローターコアに結合され得る。または、マグネットとローターコアが二重射出されて一体に形成され得る。
【0051】
ローター400は、マグネットがローターコアの内部に結合されるタイプで実装できる。このようなタイプのローターは、ローターコアの内部にマグネットが挿入されるポケットが設けられ得る。
【0052】
一方、ローターコアは、薄い鋼板状の複数のプレートが相互積層されて成り立つことができる。または、ローターコアは、スキュー(Skew)角を形成しないように一つの筒状で実施されることができ、マグネットもスキュー(Skew)角を形成しないようにローターコアに付着することができる。一方、ローターコアは、スキュー(Skew)角を形成する複数のパック(Puck)(単位コア)が積層される形態で成り立つこともできる。
【0053】
回転軸500は、ローター400に結合され得る。電流供給を通じてステーター300とローター400に電磁気的相互作用が発生すると、ローター400が回転し、これに連動して回転軸500が回転する。回転軸500は、車両の操向軸と接続されて操向軸に動力を伝達できる。回転軸500は、
図1に示すように、ベアリング10によって支持されることができる。
【0054】
センシングマグネット組立体600は、ローター400と連動するように回転軸500に結合されてローター400の位置を検出するための装置である。
【0055】
センシングマグネット組立体600は、センシングマグネットとセンシングプレートを含み得る。センシングマグネットとセンシングプレートは、同軸を有するように結合され得る。
【0056】
前記センシングマグネットは、内周面を形成するホールに隣接して円周方向に配置されるメインマグネットと端に形成されるサブマグネットを含み得る。メインマグネットは、モーターのローター400に挿入されたドライブマグネットと同じように配列され得る。サブマグネットは、メインマグネットより細分化されて多くの極からなる。これによって、回転角度をより細密に分割して測定することが可能であり、モーターの駆動をよりスムーズにできる。
【0057】
前記センシングプレートは、円板状の金属材質で形成され得る。センシングプレートの上面には、センシングマグネットが結合され得る。そして、センシングプレートは、回転軸500に結合され得る。ここで、前記センシングプレートには、回転軸500が貫通するホールが形成される。
【0058】
印刷回路基板700には、センシングマグネットの磁気力を感知するセンサーが配置され得る。
【0059】
このとき、前記センサーは、ホールIC(Hall IC)であり得る。前記センサーは、メインマグネットまたはサブマグネットのN極とS極の変化を感知してセンシングシグナルを生成する。3相ブラシレス(Brushless)モーターの場合、U、V、W相の情報を得る少なくとも3つのセンシングシグナルが必要であるため、少なくとも3つのセンサーが配置され得る。
【0060】
印刷回路基板700は、ブラケット200の下面に結合されて前記センサーが前記センシングマグネットを対向するようにセンシングマグネット組立体600の上に配置され得る。
【0061】
図2は、ステーターとローターを示す図面であり、
図3は、歯の溝を示す図面であり、
図4は、実施例によるモーターによって増加するコギングメイン次数を示す表であり、
図5は、溝の幅を示す図面であり、
図6は、溝の幅に応じるコギングトルク波形の変化を示す表であり、
図7は、歯のボディーとシューとの角度を示す図面であり、
図8は、歯のボディーとシューとの角度に応じるコギングトルクの変化を示すグラフであり、
図9は、歯のボディーとシューとの角度に応じるトルクリップルの変化を示すグラフであり、
図10は、歯のボディーとシューとの角度に応じるコギングトルク波形の変化を示すグラフである。
【0062】
図2ないし
図10を参照して、ステーターの歯に配置される溝およびシューによるコギングトルクおよびトルクリップルの変化について説明する。
【0063】
図1および
図2を参照すると、ステーター300は、ステーターコア310とコイル320を含み得る。そして、前記ステーター300のステーターコア310とコイル320との間にインシュレーター330が配置され得る。
【0064】
ステーターコア310は、薄い鋼板状の複数のプレートが相互積層されて成り立つことができる。また、ステーターコア310は、複数の分割コアが相互結合されるか、または接続されて成り立つことができる。
【0065】
ステーターコア310は、ヨーク311、複数の歯312および歯312に形成された溝315を含み得る。ここで、前記溝315は、ノッチ(Notch)と命名し得る。
【0066】
ヨーク311には,中心Cに向かって突出する歯312が配置され得る。ここで、軸Cの方向から見るとき、ヨーク311は、環状の形状に形成され得る。歯312には、コイル320が巻かれる。歯312は、環状のヨークの内周面に沿って一定の間隔ごとに複数個が配置され得る。
図2で計12個の歯312を図示しているが、本発明は、ここに限定されず、マグネット420の極数に応じて様々に変更実施できる。
【0067】
ローターコア410の外周面には、マグネット420が付着され得る。歯312の端は、マグネット420と対向するように配置される。ここで、ローター400は、ローターコア410およびローターコア410に配置される複数のマグネット420を含み得る。
【0068】
図2のB領域を示す
図3を参照すると、歯312は、ボディー313とシュー(Shoe)314を含み得る。ここで、前記ボディー313は、コイル捲線部と命名し得る。また、シュー314は、突起部と命名し得る。
【0069】
ボディー313は、コイル320が巻かれる所である。シュー314は、ボディー313の端に配置される。シュー314の端面はマグネット420を対向するように配置される。隣接する歯312と歯312との間は、コイル320の捲線空間に形成される。ここで、前記捲線空間Sは、スロットSを意味する。
【0070】
隣接する歯312のシュー314とシュー314は、互いに離れて配置されてスロットオープンOを形成する。スロットオープンOは、捲線空間Sの入口として、コイル320を捲線するノズルが挿入される所である。
【0071】
シュー314の端面は、溝315を含み得る。溝315は、シュー314の端面で凹に形成され得る。溝315の形状を角形に図示したが、本発明は、これに限定されない。そして、溝315は、ステーターコア310の軸方向に沿って配置され得る。言い替えれば、溝315は、ステーターコア310の上端から下端までステーターコア310の高さ方向(軸方向)に沿って長く配置され得る。
【0072】
溝315は、2つが配置され得る。
図2および
図3を参照すると、歯312のボディー313の幅中心とステーターコア310の中心Cを経る基準線Lを基準に、2つの溝315は、対称になるように配置され得る。このような溝315は、磁束密度の変化を引き起こすスロットオープンOと対応する役割をすることにより、単位周期当たりコギングトルクの波形の振動数を増やしてコギングトルクを大きく減らす役割をする。
【0073】
図4を参照すると、溝315がない8極12スロットのモーターの場合、コギングメイン次数は、マグネット420の数である8とスロットの数である12の最小公倍数である24にあたる。例えば、6極9スロットのモーターの場合、コギングメイン次数は、マグネットの数である6とスロットの数である9の最小公倍数である18にあたる。ここで、コギングメイン次数とは、モーターの単位回転(1回転)当たりコギングトルク波形の震動回数を意味する。ここで、震動回数は、ピークを形成するコギングトルク波形の反復回数を示す。そして、スロットの数は、ツース312の数に対応する。
【0074】
2つの溝315がある8極12スロットのモーターの場合、溝315によってスロット数が12から36に増加するとみなせるため、コギングメイン次数が24から72に3倍が増加することになる。このように2つの溝315を通じてコギングメイン次数が3倍に増えることは、コギングトルク波形の震動回数が3倍に増えることを意味するため、コギングトルクを大きく減らすことができる。
【0075】
図5および
図6を参照すると、溝315の幅W1は、スロットオープンOの幅W2の90%ないし110%以内に設定される。ここで、溝315の幅W1は、ステーターコア310の円周方向を基準に、溝315の入口のいずれかの一側端から他の一側端までの距離を意味する。そして、スロットオープンOの幅W2は、ステーターコア310の円周方向を基準に、スロットオープンOの入口のいずれか一側端から他の一側端までの距離を意味する。
【0076】
図6の(a)で示すように、溝315の幅W1がスロットオープンOの幅W2の90%ないし110%を外れた場合、コギングトルク波形にステーターの成分すなわち、マグネット420の極数と同一なコギングメイン次数が含まれる問題点が発生する。
【0077】
しかし、
図6の(b)で示すように、溝315の幅W1がスロットオープンOの幅W2の90%ないし110%以内である場合、コギングメイン次数「72」にあたるコギングトルク波形のみが検出されることを確認できる。
【0078】
図7を参照すると、歯312のボディー313とシュー314が成す角度θは、145゜ないし155゜であり得る。具体的に、ボディー313の側面313aと、ボディー313の側面313aと繋がるシュー314の側面314aが成す角度θが145゜ないし155゜であり得る。
【0079】
図8を参照すると、ボディー313とシュー314が成す角度θが145°ないし155°である範囲内でコギングトルクが大きく減少することが分かる。同時に、
図9を参照すると、ボディー313とシュー314が成す角度θが145゜ないし155゜である範囲内でトルクリップルが低く示され、角度θが145゜ないし155゜を外れる場合、トルクリップルが大きく増加することを確認できる。特に、角度θが155゜よりも大きくなる場合、トルクリップルが急激に増加することを分かる。
【0080】
図10を参照すると、シュー314の側面314aが成す角度θが145゜から155゜に向かうにつれて、コギングトルク波形の振幅がますます減少することを確認できる。
【0081】
図11は、
図1のA−Aを示す前記モーターの横断面図であり、
図12は、実施例によるモーターのステーターコアとローターの配置関係を示す図面であり、
図13は、
図12のB1領域でステーターとローターを示す図面であり、
図14は、実施例によるモーターの歯および溝を示す図面であり、
図15は、実施例によるモーターと溝が形成されないモーターのトルクを比較する図面であり、
図16は、実施例によるモーターに形成された溝の半径とエアギャップの間隔によるコギングトルクとトルクリップルを示す図面であり、
図17は、実施例によるモーターに形成された溝の半径とエアギャップの間隔によるトルクを比較する図面であり、
図18は、実施例によるモーターに形成された溝の中心C1の位置によるコギングトルクとトルクリップルを示す図面であり、
図19は、溝がないモーターと実施例によるモーターの性能を示す表であり、
図20は、常温で溝がないモーターと実施例によるモーターの性能を示す図面であり、
図21は、四角形の溝が形成されたモーターと実施例によるモーターの性能を示す表であり、
図22は、四角形の溝が形成されたモーターと実施例によるモーターの性能を示す図面である。
【0082】
図11ないし
図22を参照して、ステーターの歯に配置される溝およびエアギャップによるトルク、コギングトルクおよびトルクリップルの変化について説明する。
【0083】
図11を参照してよく見ると、前記モーター1のステーター300は、ステーターコア310、コイル320およびインシュレーター330を含み得る。そして、ステーターコア310は、ヨーク311、複数の歯312および歯312に形成された複数の溝315を含み得る。このとき、歯312は、9つがヨーク311に形成され得る。そして、歯312に対応して6つのマグネット
420がローターコア410に配置され得る。
【0084】
そして、それぞれの歯312は、コイル320が捲線されるボディー313およびボディー313から延長されるように形成されるシュー314を含み得る。
【0085】
ヨーク311は円筒形状に形成され得る。
【0086】
複数の歯312は、ヨーク311から中心Cに向かって突出するように配置され得る。
【0087】
図12に示すように、歯312は、ヨーク311の内周面に沿って一定の間隔ごとに中心Cに向かって突出するように配置され得る。このとき、複数の歯312は、所定の間隔で相互離隔してヨーク311の内周面に配置され得る。
【0088】
したがって、いずれか一つの歯312と隣接するように配置される他の一つの歯312との間には、コイル320が捲線される空間が形成され得る。ここで、前記空間は、スロットSを意味する。
【0089】
そして、前記シュー314が互いに離隔して配置されることによって、前記スロットSの開口部が形成され得る。ここで、前記開口部は、スロットオープンOを意味する。
【0090】
したがって、スロットオープンOは、いずれか一つのシュー314の端点Pと隣接するように配置される他の一つのシュー314の端点Pとの間の空間を意味し、前記スロットオープンOは、回転軸500の中心Cを基準に所定の角度θ1を形成する。ここで、前記角度θ1は、回転軸500の中心Cを基準に4deg.(度)であり得る。
【0091】
図13に示すように、前記角度θ1は、スロットオープンOの幅W2を示し、前記幅W2は、スロットオープンOの一側から他側までの距離を意味する。
【0092】
ボディー313には、コイル320が捲線されることができる。このとき、前記ボディー313には、インシュレーター330が配置され得る。前記インシュレーター330は、ボディー313とコイル320を絶縁させる。
【0093】
そして、ボディー313は、ヨーク311から中心Cに向かって突出するように配置され得る。
【0094】
シュー314は、ボディー313の端部から延長されるように形成され得る。そして、シュー314は、マグネット420と対向するように配置され得る。
【0095】
そして、シュー314には、複数の溝315が配置され得る。軸方向から見るとき、溝315は、半円形に形成され得る。
図12に示すように、シュー314は、マグネット420と対向するように配置されるが、所定の間隔でマグネット420と離隔して配置され得る。これに応じて、シュー314の内側面とマグネット420の外側面との間には、エアギャップGが形成され得る。
【0096】
このとき、エアギャップGは、シュー314とローター400との間の間隔を意味し得る。好ましくは、エアギャップGは、シュー314とマグネット420との間の間隔を意味し得る。ここで、内側とは、中心Cを基準に中心Cに向かって配置される方向を意味し、外側とは、内側とは反対の方向を意味し得る。
【0097】
溝315は、シュー314に2つが形成され得る。このとき、2つの溝315は、円周方向を基準にシュー314の幅中心とステーターコア310の中心Cを経る基準線Lを基準に対称になるように配置され得る。
【0098】
溝315は、磁束密度の変化を引き起こすスロットオープンOと対応する役割をすることにより、静磁気エネルギー変化(変動量)を減らす役割を行う。これに応じて、溝315は、単位周期当たりコギングトルクの波形の振動数を増やしてコギングトルクを大きく減らす役割をする。
【0099】
図15は、実施例によるモーターと溝が形成されないモーターのトルクを比較する図面であって、
図15の(a)は、溝が形成されないモーターの脈動を示す図面であり、
図15の(b)は、実施例によるモーターの脈動を示す図面である。
【0100】
図15を参照してよく見るとき、コギングトルクおよびトルクリップルについてのトルクの脈動(繰り返しトルク波形)は、極(マグネット数)とスロットの数の最小公倍数値として計算できるが、
図15の(a)に示すように、溝315が形成されない6極9スロットのモーターの場合、最小公倍数である18が脈動にあたる。ここで、前記脈動は、ピークを形成する波形の反復回数を意味し得る。
【0101】
そして、
図15の(b)に示すように、実施例によるモーター1の場合、シュー314ごとに2つの溝315が形成されているため、6極27スロットの最小公倍数である54が脈動にあたる。
【0102】
したがって、前記モーター1は、脈動の震動回数が3倍に増えるためコギングトルクを大きく減らすことができる。
【0103】
一方、溝315は、回転軸500の方向に形成され得る。
図14に示すように、溝315は、ステーターコア310の上端から下端まで高さ方向(軸方向)に沿って長く配置され得る。このとき、溝315は、半円柱形状に形成され得る。
【0104】
したがって、
図12および
図13に示すように、溝315の横断面は、半円形の形状に形成され得る。これに応じて、溝315は、溝315の中心C1を基準に所定の半径Rを有するように形成され得る。
【0105】
これにより、半円形の溝315は、横の長さが横方向(半径方向)で同一であるため、コギングトルクを減少させるのに有利である。ここで、前記横方向は、前記軸方向に対して垂直の方向であり得る。
【0106】
図16は、実施例によるモーターに形成された溝の半径とエアギャップの間隔によるコギングトルクとトルクリップルを示す図面であって、
図16の(a)は、溝の半径とエアギャップの間隔によるコギングトルクを示す図面であり、
図16の(b)は、溝の半径とエアギャップの間隔によるトルクリップルを示す図面である。
【0107】
図17は、実施例によるモーターに形成された溝の半径とエアギャップの間隔によるトルクを比較する図面であって、
図17の(a)は、溝の半径とエアギャップの間隔が異なる場合によるモーターのトルクを示す図面であり、図
17の(b)は、溝の半径とエアギャップの間隔が同じである場合によるモーターのトルクを示す図面である。
【0108】
一方、溝315の半径Rは、エアギャップGの間隔Dに対応して形成され得る。ここで、エアギャップGの間隔Dは、マグネット420の幅中心とシュー314との間隔であり得る。
【0109】
溝315の半径Rは、エアギャップGの間隔D対比0.9ないし1.1で形成され得る。すなわち、溝315の半径Rは、エアギャップGの間隔D±10%の範囲内で決められる。好ましくは、溝315の半径Rは、エアギャップGの間隔Dと同一に形成され得る。
【0110】
図16の(a)に示すように、コギングトルクの場合、溝315の半径Rが0.45mmで急激に下落してから、エアギャップGの間隔Dと同一である0.5mmであるとき、最低の位置に位置することになる。それから、溝315の半径Rが0.55mmまで増加することを確認できる。
【0111】
すなわち、コギングトルクの場合、溝315の半径RがエアギャップGの間隔D対比0.9で急激に下落してから、エアギャップGの間隔Dと同一であるとき、最低の位置に位置することになる。それから、溝315の半径RがエアギャップGの間隔D対比1.1まで増加することを確認できる。
【0112】
これにより、前記コギングトルクは、溝315の半径RとエアギャップGの間隔Dが同一であるとき、最低値を有することになる。
【0113】
図16の(b)に示すように、トルクリップルの場合、溝315の半径Rが0.45mm〜0.55mmで低い値を維持することを確認できる。すなわち、前記トルクリップルの場合、溝315の半径Rが0.4mmで急激に下落してから、溝315の半径Rが0.45mm〜0.55mmで緩やかに維持されることを確認できる。
【0114】
このとき、溝315の半径RがエアギャップGの間隔Dと同一であるとき、トルクリップルは、最低の位置に位置することになる。すなわち、前記トルクリップルは、溝315の半径RとエアギャップGの間隔Dが0.5mmで同一であるとき、最低値を有することになる。
【0115】
したがって、トルクリップルの場合、溝315の半径RがエアギャップGの間隔D対比0.9〜1.1で低い値を維持することを確認できる。すなわち、前記トルクリップルの場合,溝315の半径RがエアギャップGの間隔D対比0.8で急激に下落してから、溝315の半径RがエアギャップGの間隔D対比0.9〜1.1で緩やかに維持されることを確認できる。
【0116】
そして、前記トルクリップルは、溝315の半径RとエアギャップGの間隔Dが同一であるとき、最低値を有することになる。
【0117】
図17を参照してよく見ると、溝315の半径RがエアギャップGの間隔Dと異なる場合に比べて、溝315の半径RがエアギャップGの間隔Dと同一である場合、前記モーター1のトルクは、22%改善されたことを確認できる。
【0118】
すなわち、溝315の半径RをエアギャップGの間隔Dと同一に設計することにより、コギングトルクを低減することができる。
【0119】
一方、
図12および
図13を参照してよく見ると、溝315の中心C1は、シュー314の一側端点Pから円周方向に一定の角度θ2ほど離隔して配置され得る。ここで、前記角度θ2は、シュー314の一側端点Pから溝315の中心C1までの距離を意味する。さらに、前記角度θ2は、スロットオープンOの前記角度θ1についての関係において溝315の中心C1の位置を示す。ここで、前記角度θ2は、第2角度θ2と命名し、前記角度θ1は、第1角度θ1と命名して明確にできる。
【0120】
前記第2角度θ2は、前記第1角度θ1対比0.45ないし0.55で形成され得る。例えば、前記第1角度θ1が4deg.の場合、前記第2角度θ2は、1.8deg.ないし2.2deg.の範囲で形成され得る。好ましくは、前記第2角度θ2は、2.0deg.で形成され得る。
【0121】
したがって、溝315の中心C1は、シュー314の一側端点Pから前記第1角度θ1対比0.45ないし0.55で形成され得る。好ましくは、溝315の中心C1は、シュー314の一側端点Pから前記第1角度θ1対比0.5で形成され得る。
【0122】
図18は、実施例によるモーターに形成された溝の中心C1の位置によるコギングトルクとトルクリップルを示す図面である。このとき、溝315の数は、2つであり、溝315の半径RとエアギャップGの間隔Dは、0.5mmで同一であり、スロットオープンOの第1角度θ1は、4deg.である。
【0123】
図18の(a)に示すように、溝315の中心C1の位置がシュー314の一側端点Pから2.0deg.に位置するときを変曲点として、コギングトルクは増加する。
【0124】
したがって、溝315の中心C1の位置がシュー314の一側端点Pから1.8deg.ないし2.2deg.の範囲に存在するとき、前記モーター1は、効果的な性能を発揮することができる。好ましくは、溝の中心C1の位置がシュー314の一側端点Pから2.0deg.に位置するとき、コギングトルクは、最低値を有することになり、前記モーター1は、最適の性能を発揮することができる。
【0125】
図18の(b)に示すように、溝315の中心C1の位置がシュー314の一側端点Pから1.8deg.ないし2.5deg.の範囲で約100mNmのトルクリップル値を維持する。
【0126】
したがって、前記モーター1のコギングトルクとトルクリップルを考慮するとき、シュー314の一側端点Pから1.8deg.ないし 2.2deg.に位置する溝315の中心C1の範囲は、最適範囲で確認できる。特に、溝315の中心C1の位置がシュー314の一側端点Pから2.0deg.に位置するとき、コギングトルクは、最低値を有することになり、前記モーター1は、最適の性能を発揮することができる。
【0127】
以下、
図19ないし
図22を参照して、前記モーター1の性能について説明する。
【0128】
図19および
図20を参照してよく見ると、溝がないモーターと比較するとき、前記モーター1のように溝315が備えられた場合、コギングトルクは、79%減少し、トルクリップルは、39.7%減少したことを確認できる。また、前記コギングトルクおよびトルクリップル以外の値の変化量は、わずかであることを確認できる。
【0129】
したがって、前記モーター1は、溝がないモーターに比べて性能上には差がないながらも、コギングトルク(Cogging Torque)とトルクリップル(Torque Ripple)を減少させ、品質を向上させることができる。
【0130】
図21および
図22を参照してよく見ると、四角形の溝(Square Notch)が形成されたモーターと比較するとき、前記モーター1のように前述した半円形の溝315が備えられた場合、コギングトルクは、67.4%減少し、トルクリップルは、2.5%増加したことを確認できる。また、前記コギングトルクおよびトルクリップル以外の値の変化量は、わずかであることを確認できる。
【0131】
ここで、四角形の溝は、一辺の長さと対角線の長さで差がある。特に、四角形の溝の中心を基準に半径方向の辺の長さと対角線の長さで差がある。
【0132】
すなわち、四角形の溝は、横の長さが方向別に差があるため、前記モーター1の半円形の溝315がコギングトルクの側面でさらに効果がある。
【0133】
したがって、前記モーター1は、四角形の溝が形成されたモーターに比べて性能上には差がないながらも、コギングトルク(Cogging Torque)を減少させ、品質を向上させることができる。
【0134】
前記では、本発明の実施例を参照して説明したが、当該の技術分野の通常の知識を有する者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正および変更させる可能性があることを理解するべきである。そして、このような修正と変更に係る相違点を添付された請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。