特許第6982615号(P6982615)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982615
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】基材を被覆するための噴霧方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/02 20060101AFI20211206BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20211206BHJP
   B05B 7/30 20060101ALI20211206BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B05D1/02 Z
   B05B12/00 A
   B05B7/30
   B05D1/26 Z
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-524021(P2019-524021)
(86)(22)【出願日】2017年11月6日
(65)【公表番号】特表2019-535502(P2019-535502A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】CH2017000095
(87)【国際公開番号】WO2018085950
(87)【国際公開日】20180517
【審査請求日】2020年8月18日
(31)【優先権主張番号】01481/16
(32)【優先日】2016年11月8日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】517159275
【氏名又は名称】ケムスピード・テクノロジーズ・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Chemspeed Technologies AG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【弁理士】
【氏名又は名称】西下 正石
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ・ギュラー
(72)【発明者】
【氏名】カリーヌ・マルコス
(72)【発明者】
【氏名】エリザベト・ノイゲバウアー
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−004649(JP,U)
【文献】 特開平06−238001(JP,A)
【文献】 特開2005−066593(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/060898(WO,A1)
【文献】 特開平03−030853(JP,A)
【文献】 特開2002−282745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/02
B05B 12/00
B05B 7/30
B05D 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材をガス流中に微細化された物質(F)で被覆するための噴霧方法であって、
スプレーヘッド(20)を使用して、基材(S)に作用するガス流(L)を発生させ
該物質(F)が、アプリケーションチップ(14、14a、14b)を備えたシリンジ様のアプリケーション容器(10)中に存在し、該スプレーヘッド(20)と接触することなく、該アプリケーション容器からガス流(L)に導入され、それにより微細化され、
該物質(F)を含むアプリケーション容器(10)のアプリケーションチップ(14、14a、14b)が、該スプレーヘッド(20)の外側のガス流(L)に、アプリケーションチップ(14、14a、14b)の自由端が、スプレーヘッド(20)に近接した距離(ds)でガス流(L)のほぼ中央に位置するように、ガス流(L)の流れの主方向に対して、横方向に導入され、及び
該物質(F)が、その位置でガス流(L)に導入される、ことを特徴とする、
噴霧方法。
【請求項2】
使い捨てのシリンジ又は使い捨てのピペットが、アプリケーション容器(10)として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の噴霧方法。
【請求項3】
前記アプリケーションチップ(14、14a、14b)を伴うアプリケーション容器(10)が、異なるアプリケーションチップを有する一連の異なるアプリケーション容器から選択される事を特徴とする、請求項1又は2に記載の噴霧方法。
【請求項4】
前記アプリケーション容器(10)のアプリケーションチップ(14、14a、14b)が、ガス流(L)の流れの主方向に測定して、スプレーヘッド(20)の軸方向のメインノズル(24)から0.01〜5cm、好ましくは0.1〜0.5cmの距離(d)に配置されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法。
【請求項5】
2つの内部に向けられたホーンガス流を発生させる、2つの対向して置かれたホーンエアーノズル(25)を有するスプレーヘッド(20)が使用され、前記アプリケーション容器(10)のアプリケーションチップ(14、14a、14b)が、該2つのホーンガス流の共通部分の領域に配置されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法。
【請求項6】
微細化された物質(F)が前記基材(S)に作用している間、ガス流(L)の流れの主方向に対して、1又は2次元横方向に移動することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法。
【請求項7】
微細化された物質(F)が前記基材(S)に作用している間、前記スプレーヘッド(20)及び前記アプリケーションチップ(14、14a、14b)を伴うアプリケーション容器(10)が、ガス流(L)の流れの主方向に対して、1又は2次元横方向に移動することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法。
【請求項8】
前記スプレーヘッド(20)が、1〜10bar、好ましくは3〜4barの圧力で、及び100〜1000l/min、好ましくは200〜600l/minのガススループットで作動することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法。
【請求項9】
前記1つより多くのアプリケーション容器(10)のアプリケーションチップ(14、14a、14b)が、同時に又は連続的にガス流Lに導入され、及びアプリケーション容器(10)に含まれる噴霧される異なる物質が、ガス流Lに送られ、連続して又は同時に微細化されるものである、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法。
【請求項10】
前記基材(S)に作用するガス流(L)を発生させるためのスプレーヘッド(20)及びガス流中に微細化される物質(F)を保持するためのアプリケーションチップ(14、14a、14b)を備えたアプリケーション容器(10)を有する、貯蔵容器(81)から該アプリケーション容器(10)を獲得し、獲得したアプリケーション容器(10)のアプリケーションチップ(14、14a、14b)をスプレーヘッド(20)により発生させたガス流(L)に、ガス流(L)の流れの主方向に対して、横方向に、スプレーヘッド(20)の外側の位置で、アプリケーションチップ(14、14a、14b)の自由端が、スプレーヘッド(20)に近接した距離(ds)でガス流(L)のほぼ中央に位置するように、導入するための、ロボット(30、130)を特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の噴霧方法を実行するための噴霧装置。
【請求項11】
前記アプリケーション容器(10)に含まれる物質(F)をアプリケーション容器(10)からスプレーヘッド(20)により発生させたガス流(L)に放出するための放出手段(12、13、53)を特徴とする、請求項10に記載の噴霧装置。
【請求項12】
前記ロボット(30、130)が、部分的に又は十分に空のアプリケーション容器(10)を気流(L)から除き、好ましくはそれを廃棄物容器(82)に投げるよう、構成されていることを特徴とする、請求項10又は11に記載の噴霧装置。
【請求項13】
前記スプレーヘッド(20)とアプリケーションチップ(14、14a、14b)との間の距離、及び/又は前記アプリケーションチップ(14、14a、14b)と基材(S)との間の距離を、自動的に又は手動で調節するよう、構成されていることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項14】
前記2つ以上のアプリケーション容器(10)のアプリケーションチップ(14、14a、14b)を連続的に又は同時にガス流(L)に導入するよう、構成されていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項15】
前記アプリケーション容器(10)が、使い捨てのシリンジ又は使い捨てのピペットであることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項16】
前記適用される物質が、ガス流(L)にそれらの流れの主方向に直角に導入されるよう、前記アプリケーションチップ(14a)が真っ直ぐであり、該アプリケーションチップ(14a)の出口開口部が、ガス流(L)に直角に開くことを特徴とする、請求項10〜15のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項17】
前記アプリケーションチップが、真っ直ぐであり、そこを通って適用される物質がガス流(L)に導入されることが可能な、少なくとも1つの横の出口開口部を有することを特徴とする、請求項10〜15のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項18】
前記適用される物質が、ガス流(L)にそれらの流れの主方向に平行に導入されるよう、前記アプリケーションチップ(14b)が斜めに曲がっており、該アプリケーションチップ(14b)の出口開口部が、ガス流(L)の方向に開くことを特徴とする、請求項10〜15のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項19】
前記ロボット(130)が、前記スプレーヘッド(20)をアプリケーション容器(10)とともに、ガス流(L)の流れの主方向に対して、少なくとも1次元横方向に動くよう、構成されていることを特徴とする、請求項10〜18のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項20】
基材(S)を保持し、該基材をガス流(L)の流れの主方向に対して、少なくとも1方向横方向に移動させるための第2のロボット(60)を特徴とする、請求項10〜19のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項21】
前記ロボット及び、適用可能であるところでは、また第2のロボット(60)、前記アプリケーション容器(10)に含まれる物質(F)をアプリケーション容器(10)から放出するための放出手段(12、13、53)、及び前記スプレーヘッド(20)にガスを供給するための電子制御装置(100)であって、該制御装置(100)が、前記噴霧方法を実行するために必要なワークフローを自動的に制御し得るよう、プログラムされていることを特徴とする、請求項10〜20のいずれか1つに記載の噴霧装置。
【請求項22】
前記電子制御装置(100)が、前記噴霧方法を実行するために必要なワークフロー及びパラメータを繰り返し最適化するよう、プログラムされている、請求項21に記載の噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立特許請求項1の前置きに従った基材を被覆するための噴霧方法、及び独立請求項10の前置きに従った該方法を実行するために適した噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、塗料又は塗料処方の、しかしまた、例えば、接着剤又は接着剤処方の、それらの開発の間の試験の間の重要な工程は、製造された塗料又は接着剤試料を試験基材へ適用することである。試料は、所望の方法を使用して、試験基材に適用され、及びそれから、直接的に又は乾燥フェーズの後に、所望の基準(摩耗試験、比色分析、化学的及び物理的耐性試験など)に従って試験又は測定される。
【0003】
試験基材として、従来から使用されている、金属(例えば、鉄又はアルミ製のプレート)、段ボール、樹木、ガラス又はプラスチック製の標準的なプレートがある。試料を適用するために又は試料を伴う試験基材を被覆するために広く使用されている方法は、試料を気流中に微細化し、生じた塗料又は接着剤の液滴が基材上に堆積し又は微細に分散する噴霧方法である。
【0004】
異なる試料を用いた包括的な試験シリーズが、しばしば塗料及び接着剤の開発途中に行われる。かかる試験の間、各試料の交換とともに、試料と接触する使用された噴霧装置の部品を洗浄することは必要不可欠である。噴霧装置の洗浄などは、しばしば非常に労力のいるものであり、実際の噴霧工程が必要とするよりも比較的多くの時間を必要とする。最小可能時間で、多くの異なる試料を適用し試験するためには、アプリケーション装置を洗浄するのに必要な工程を可能な限り単純で可能な限り短いものにしておくこと、及びまた大量の洗浄剤及び溶媒の使用を減らすことが重要である。というのは、洗浄剤及び溶媒の収集及びとりわけ処分にかなりのコストがかかり、さらに、環境に有害であるためである。
【0005】
低減された量の洗浄剤を必要とする噴霧装置は、米国特許出願公開第2008/0012159号に述べられている。
【0006】
前記噴霧装置は、(従来の噴霧方法の場合のように)軸方向のメインノズル及び2つのホーンジェットノズルを有する圧縮空気が供給されるスプレーヘッドを有し、実質的に円錐の気流を発生させる。シリンジ様構造のアプリケーション容器は、スプレーヘッドにより発生させた気流に軸方向に導入することが可能であり、該アプリケーション容器は、それよりも前に噴霧される物質(塗料試料)を獲得している。該アプリケーション容器は、アプリケーション容器がスプレーヘッドに備えられた際に、スプレーヘッドの軸方向のメインノズルを通じて突き出すキャニュラー様のチップを備えており、その口をスプレーヘッドというよりそれらのメインノズルの外側に有する。例えば、アプリケーション容器のプランジャーをモーター制御して前進させることで、物質をアプリケーション容器のチップを通じてスプレーヘッドにより発生させた気流に導入することが可能であり、該物質はそれから微細化、すなわち気流中で霧状にされる。別々のアプリケーション容器を使用することにより、該噴霧されている物質はスプレーヘッドと接触せず、各物質/試料の交換の後にスプレーヘッドを洗浄することを要さない。シリンジ様のアプリケーション容器それ自体は、比較的少量の洗浄のみを必要とし又は使い捨て容器の形態で、各使用の後、廃棄され得る。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0012159号より公知の前記噴霧装置は、基本的に、かかる噴霧塗装方法における洗浄の問題を解決しているが、種々の他の欠点を有する。アプリケーション容器がスプレーヘッドに挿入されており、スプレーヘッド及びアプリケーショ容器が互いに構造的に適合していなければならないためである。すなわち、市販のアプリケーション容器と組み合わせて、市販のスプレーヘッドを使用することが全くできない。さらに、アプリケーション容器の挿入及び取り外しは、比較的多くの操作を必要とする。及び、最終的に、特にアプリケーション容器のスプレーヘッドへの挿入及びそれに続きそこから取り外すことは、ある状況においてはスプレーヘッドの洗浄さえ必要とし得る、重大な汚染のリスクを構成する。
【0008】
欧州特許出願公開第2218513号は、静電帯電及び試料溶液をガス流に導入するための装置について明らかにしている。試料溶液を含むシリンジ(アプリケーション容器)が、ガスパイプの出口の前に配置されている。ガスパイプから流れ出すガスにより、試料溶液がシリンジから追い出され、微細化され、基材に適用される。要すれば、アプリケーション容器からのガスパイプと出口との間の相対位置を調節する手段が提供され得る。
【0009】
アプリケーション容器を試料溶液で満たすために使用される方法が何であれ、その噴霧装置は、例えば、スプレーヘッド上に落下し得る又はガス流の起動時に、それによりアプリケーション容器から掃き出され、制御されない方法で基材上に堆積し得る試料溶液で、また汚染される可能性がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、前記公知の方法の欠点を回避する改良された噴霧方法、及びそのために使用される噴霧装置を今提供することである。より具体的には、その目的は、噴霧されている物質でのスプレーヘッドの汚染を確実に回避し、該方法を扱うのが容易で装置という点で経済的に実現可能であり、市販のスプレーヘッド及びその分野で十分確立されているアプリケーション容器を使用して実行され得るという趣旨の下、一般的な種類の噴霧方法を改良することである。
【0011】
本発明の根底にある問題は、独立請求項1に定義されている噴霧方法、及び特許請求項10に定義されている噴霧装置により解決される。本発明による噴霧方法のとりわけ有利な展開及び実施形態、及び本発明による噴霧装置は、各々、従属特許請求項より明らかとなる。
【0012】
前記噴霧方法に関して、本発明の中心は、次のものにある。すなわち、基材をガス流中に微細化された物質で被覆する噴霧方法において、スプレーヘッドが、該基材に作用するガス流を発生させるために使用されること。物質が、アプリケーションチップを備えたシリンジ様のアプリケーション容器中に存在し、スプレーヘッドと接触することなく、アプリケーション容器からガス流に導入され、それにより微細化されること。物質を含むアプリケーション容器のアプリケーションチップが、スプレーヘッドの外側で、そこから(少し)離れて、ガス流の流れの主方向に対して、横方向に(中央に、すなわち軸方向に)ガス流に導入されること、及び物質が、その位置でアプリケーション容器からガス流に導入されること、である。
【0013】
アプリケーション容器、というよりそれらのアプリケーションチップを、スプレーヘッドの外側でガス流に横方向に導入することは、一方で確実にあらゆる種類のスプレーヘッドの汚染を回避する。特に、アプリケーションチップの外側に付着している物質の液滴はいかなるものでも、アプリケーションチップを存在するガス流に導入する間に、スプレーヘッド上へ落下することが可能となる前に、後者のものにより吹き飛ばされる。他方、市販のスプレーヘッドとアプリケーション容器との組み合わせは、いかなるものでも、互いに独立して使用することができる。さらに、アプリケーション容器、というよりそれらのアプリケーションチップをガス流に導入すること及びそれらをガス流から除くことは、操作の点で比較的単純である。
【0014】
本発明による噴霧方法のさらなる利点は、微細化される物質の計測速度をガス流の速度とは独立して変更することができることである。
【0015】
有利な実施形態に従うと、使い捨てのシリンジ又は使い捨てのピペットを、アプリケーション容器として使用することが可能で、結果、物質を変えても洗浄を必要としない。
【0016】
有利には、アプリケーションチップを備えたアプリケーション容器は、異なるアプリケーションチップを有する一連の異なるアプリケーション容器から選択される。特に、種々のシリンジ型(例えば、細針を伴うもの、多孔性の針を伴うもの)、及びとりわけ異なるシリンジ体積のものを使用、又は互いにほとんど又は全く労力を必要とせず交換することが可能である。アプリケーション容器として、しかしまたアプリケーションチップとして、ピペット操作の分野から多くの存在する市販品を、わかりやすくするためこの本文ではさらに区別しない、非常に広範囲の形態(素材、サイズ、デザイン)で使用することが可能である。
【0017】
最適な噴霧結果を達成するために、アプリケーション容器のアプリケーションチップは、有利には、ガス流の流れの主方向で測定して、軸方向のスプレーヘッドのメインノズルから0.01〜5cm、好ましくは0.1〜5cmの距離に配置されている。その距離は、例えば、適用されている処方又は物質、チップの型、外気温度、外気湿度、又は使用される噴霧の形態(ワイドジェット、ラウンドジェット)に依存し、及びそれゆえその距離を、最適な又は所望の噴霧結果を達成するために変更することが可能である場合には、有利である。
【0018】
有利には、2つの内部に向けられたホーンガス流を発生させる2つの対向して置かれたホーンエアーノズルを有するスプレーヘッドが使用され、アプリケーション容器のアプリケーションチップは、2つのホーンガス流の共通部分の領域に配置されている。追加のホーンガス流によりさらに霧状化され、噴霧結果の形状(ラウンドジェット、ワイドジェット)を定める。
【0019】
噴霧工程の間、すなわち微細化された物質が基材に作用している間、基材は、有利にはガス流の流れの主方向に対して、横方向に、平面に並んで1又は2次元移動する。代わりに、微細化された物質が基材に作用している間、スプレーヘッド、及びアプリケーションチップを備えたアプリケーション容器は、ガス流の流れの主方向に対して、横方向に、1又は2次元移動する。基材は、その方法で、完全に塗装され、及び均一な層の厚さを伴う。
【0020】
最良の可能な噴霧結果に関して、スプレーヘッドは、有利には、1〜10bar、好ましくは3〜4barの圧力、及び100〜1000l/min、好ましくは200〜600l/minのガススループットで作動する。
【0021】
有利な展開に従い、1つより多くのアプリケーション容器のアプリケーションチップが、同時に又は連続してガス流Lに導入され、及びアプリケーション容器に含まれる噴霧される異なる物質が、ガス流Lに供給され、連続して又は同時に微細化される。
【0022】
前記噴霧方法のかかる形態により、例えば、噴霧される複数の異なる塗料処方を、すぐに次々に又は同時にさえ噴霧し、異なる塗料霧FNを混合することが可能となる。このことは、例えば、2成分系の適用に有利であろうが、その点において、例えば、塗料処方に含まれる溶媒の高い外気温度での蒸発を補うために、溶媒又はいくつかの他の補助物質を、塗料処方Fに加えて、噴霧霧に添加することが、また可能であろう。
【0023】
前記噴霧装置に関して、本発明の中心は、次のものにある。すわなち、本発明による噴霧方法を実行するための噴霧装置が、基材に作用するガス流を発生させるためのスプレーヘッド、及びガス流中に微細化される物質を保持するためのアプリケーションチップを備えたアプリケーション容器を含むこと。該スプレー装置が、さらに、貯蔵容器からアプリケーション容器を獲得し、獲得したアプリケーション容器のアプリケーションチップをスプレーヘッドにより発生させたスプレージェットに、ガス流の流れの主方向に対して、横方向に、スプレーヘッドの外側の位置で、そこから少し離れて導入するためのロボット、好ましくは多軸ロボットを含むこと、である。
【0024】
本発明の文脈において、ロボット、とりわけ多軸ロボットとは、制御した方法で、対象物を掴み、それらを少なくとも2つの空間方向に移動させることが可能な把持機構を備えた、モーター駆動の、電気的に又は電子的に制御された操作手段のうちの何らかの種類のものであると解される。
【0025】
前記噴霧装置は、有利には、アプリケーション容器に含まれる物質を、アプリケーション容器からスプレーヘッドにより発生させたガス流に放出するための放出手段をまた含む。
【0026】
有利には、前記ロボットは、使用の後、部分的に又は十分に空のアプリケーション容器を、ガス流から除き、好ましくは廃棄物容器に投げるよう、構成されている。
【0027】
前記噴霧装置は、有利には、スプレーヘッドとアプリケーションチップとの間の距離及び/又はアプリケーションチップと基材との間の距離を、自動的に又は手動で調節するよう、構成されている。これにより、非常に広範囲の作動条件への適合及び基材上のスプレーパターンの最適化が可能となる。
【0028】
前記噴霧装置は、有利には、2つ以上のアプリケーション容器のアプリケーションチップをガス流に連続して又は同時に導入するよう、構成されている。これにより、2つ以上の物質を連続して又は同時に霧状化することが可能となる。
【0029】
有利には、アプリケーション容器は、使用の後に処分可能な、使い捨てのシリンジ又は使い捨てのピペットであり、洗浄を要さない。
【0030】
有利には、適用される物質が、ガス流にそれらの流れの主方向と直角に導入することが可能であるよう、アプリケーションチップは真っ直ぐであり、該アプリケーションチップの出口開口部は、ガス流に直角に開く。
【0031】
同様に有利な変形において、アプリケーションチップは、真っ直ぐであり、そこを通って適用される物質をガス流に導入することが可能な、少なくとも1つの横の出口開口部を有する。適用される物質を、それゆえ、ガス流にそれらの流れの主方向に導入することが可能である。
【0032】
代わりとなる有利な変形において、適用される物質が、ガス流にそれらの流れの主方向に平行に導入することが可能であるよう、アプリケーションチップは、斜めに曲がっており、該アプリケーションチップの出口開口部は、ガス流の方向に開く。
【0033】
前記ロボットは、有利には、スプレーヘッドをアプリケーション容器とともに、ガス流の流れの主方向に対して、少なくとも1次元横方向に移動するよう、構成されている。それゆえ、基材への均一な塗装が、噴霧されるそれらの全領域に亘り、達成可能である。
【0034】
代わりに又はさらに、前記噴霧装置は、基材を保持し、該基材をガス流の流れの主方向に対して、少なくとも1次元方向横方向に移動させるための、第2のロボットを有する。これにより、同様に、基材への均一な塗装が、噴霧されるそれらの全領域に亘り、達成可能となる。
【0035】
前記噴霧装置は、有利には、ロボットのための、適用可能なところでは、第2のロボットのための、アプリケーション容器に含まれる物質をアプリケーション容器から放出するための放出手段のための、及びガスをスプレーヘッドに供給するための、電子制御装置を含み、該制御装置は、当該噴霧方法を実行するために必要なワークフローを自動的に制御し得るよう、プログラムされている。
【0036】
有利な実施形態において、前記電子制御装置は、当該噴霧方法を実行するのに必要なワークフロー及びパラメータを繰り返し最適化するよう、プログラムされている。電子制御装置により、ワークフローの自動最適化、及びとりわけ、とりわけガス流の速度、物質放出の計測速度、スプレーヘッド、アプリケーションチップと基材との間の距離、ホーンガスフロー、など、スプレーパターンに影響を及ぼすパラメータ、が提供される。かかる目的のため、第1の噴霧工程の後、噴霧された基材を、適切な分析装置において、例えば、塗料層の色及び均一性、などの観点から、試験し、該噴霧工程を、1つ以上の改変されたパラメータで繰り返し、新しい基材を、第1の及びそれに続く試験の結果を比較することで同様に試験し、パラメータの改変が、噴霧結果に改善をもたらしたか退行をもたらしたかについて決定する。それゆえ、噴霧工程についての最適なパラメータを、複数の噴霧工程及びそれに続く噴霧結果の試験に亘り、繰り返し自動的に決定することが可能である。詳細には、かかる繰り返しの最適化工程は、このようにみえるであろう。すなわち、
1)例えば、塗料、といった物質を、パラメータセットAを使用し、基材上に噴霧。
2)不均一性に関する、基材の分析装置での分析。該分析装置は、例えば、塗料表面上の小さな泡といった形での、例えば、不均一性を検出する。
3)噴霧方法を繰り返すが、例えば、ガス流の強度を少々低下させた、といった、制御コンピュータのソフトウェアによりパラメータセットAと比較して少々改変されたパラメータセットBを使用する。
4)分析を繰り返し、例えば、より低レベルでの泡の形成を示す。
5)同様に制御コンピュータのソフトウェアで採用されたパラメータセットC(例えば、この場合においては、塗料のガス流への放出の速度の少々の減少を伴う)を使用して、さらなる噴霧工程を実行する。
6)新たな噴霧結果をさらに分析することにより、今例えば、噴霧された塗料層が、もはやまったく不均一性を示さないことが示される。
7)電子制御装置のソフトウェアにより、最適化されたパラメータセットCが保存され、それがさらなる噴霧工程に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明を、以下、より詳細に、図に示す例となる実施形態を参照して、述べるが、
図1図1a〜1dは、本発明による噴霧方法の例となる実施形態の図表現であり、
図2図2a〜2dは、本発明による噴霧方法に適したスプレーヘッドの側面図、平面図、前面図、及び断面図であり、
図3図3は、本発明による噴霧装置の例となる実施形態の、非稼働状態での側面図であり、
図4図4は、噴霧工程の準備ができている状態にある、図3の噴霧装置の平面図であり、
図5図5は、噴霧工程の間の、図3の噴霧装置と類似のものの側面図であり、
図6図6は、スプレーヘッドに関連する、基材の動きを示す略図であり、
図7図7a〜bは、アプリケーションチップの2つの可能な形態を示す略図であり、
図8図8は、図5による例となる実施形態と比較して少々改変した、例となる実施形態における噴霧装置を示す。
【0038】
次の所見は、次のものに従う明細書について適用される。すなわち、該明細書においては、図をわかりやすくするため、参照記号を図に含むが、本明細書中の直接関連する部分においては言及していない。本明細書の前又は後の部分の参照記号の説明を参照されたい。逆に、図が煩雑になることを避けるために、すぐ理解する必要があるほどではない参照記号については、すべての図において含まれない。その場合は、他の図を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以降、基材への液体塗料処方の噴霧アプリケーションに関して、本発明を、純粋に実施例を経由して、説明する。しかしながら、本発明による方法及び対応する本発明による装置は、原則的に、塗料処方以外の物質、すなわち接着剤及び接着剤処方の噴霧アプリケーションに、疑義ある物質が、気流又は、より一般的に、ガス流においての微細化すなわち霧状化(エアロゾル形成)に適している限り、また適しているとも解されよう。液体物質と同様に、原則的に粉末状の物質もまた噴霧アプリケーションに考慮される。圧縮空気は、通常、物質の噴霧化又は霧状化に使用されるが、その目的に対し、任意の他の気体又は気体混合物を使用することもまた可能である。簡潔のため、以降の説明では、物質の霧状化又は噴霧化に使用される、適用される物質としては塗料処方に限定し、物質の霧状化すなわち噴霧に使用される気体混合物としては(圧縮)空気に限定する。
【0040】
図1a〜1dは、本発明による噴霧方法の典型的な工程を示す。
【0041】
適用される物質−本実施例の液体塗料処方F−は、貯蔵容器Vに準備されて保持されている(図1a)。所望の(比較的少)量の塗料処方Fが、貯蔵容器Vからアプリケーション容器10に引き上げられる(図1b)。アプリケーション容器10は、シリンジ様であり、チャンバー11、その中に軸方向に置くことが可能なプランジャー12、プランジャーロッド13及びアプリケーションチップ14を有する。実際には、市販の使い捨てのシリンジ又は(プランジャー)ピペットが、有利には、アプリケーション容器10として使用される。アプリケーションチップ14は、有利には市販の測針又はキャニュラーとして構成される。
【0042】
ちょうど説明したそれら2つの準備工程は、実際の噴霧方法の外部でまた行うことができ、場合によっては、異なる内容物又は同一の内容物を有する所望の数のアプリケーション容器10が提供される。
【0043】
噴霧方法について、スプレーヘッド20は、実質的に円錐の気流(又は一般的にガス流)Lを発生させるのに使用され、該スプレーヘッド20は、気流Lが基材Sに作用するよう、噴霧される(平らな)基材Sの前に及び少し離れて配置されている(図1c)。作業の間、該スプレーヘッド20は、供給ライン21を経由して圧縮空気源(図示していない)と接続している。圧縮空気の圧力は、例えば、3〜4barであり、空気の側方浸透流速は、例えば、200〜600l/minである。
【0044】
アプリケーション容器10のアプリケーションチップ14は、スプレーヘッド20により発生させた気流Lに横方向に、すなわちアプリケーションチップ14の自由端(出口開口部)が、スプレーヘッド20から比較的小さい水平距離d図2d)で、気流のおよそ中央に(水平に)位置するよう、気流Lの流れの主方向に対して、横方向に導入される。
【0045】
アプリケーション容器10のチャンバー11のプランジャー12の軸置換により、塗料処方Fは、アプリケーション容器10から微細化される気流Lに導入される。空気及び非常に小さい塗料液滴の混合物からなる噴霧霧は、図1d中、FNで示される。噴霧霧FNは基材Sに作用し、その上で塗料FSのパッチを生み出す。
【0046】
アプリケーション容器10のアプリケーションチップ14の出口開口部は、十分に小さく、非常に微細な塗料処方Fの液滴を気流Lに供給するものでなければならない。スプレーヘッド20、というよりそれらのメインノズル24からのアプリケーションチップ14までの距離dは、たった数ミリメートル、典型的にはおよそ0.01〜5cmである。アプリケーションチップ14は、チップの出口開口部が同様に気流に直角に位置するよう、図7aの14aで示すように、真っ直ぐで、気流に直角に突き出していてよく、又は図7bに示すように、チップの出口開口部が気流に平行にあるよう、チップの前部が曲がっている、曲がったアプリケーションチップ14bの形である。代わりに、アプリケーションチップは、1つ以上の横の出口開口部を伴ってまた提供され得る。アプリケーションチップの出口開口部が、気流の流れの主方向に直角又は平行以外の角度で、気流に開くこともまた可能である。
【0047】
均一な塗料層を噴霧される基材Sの全領域に適用するために、基材Sは、例えば、図6中の図に示すように、その平面の1又は2方向(水平に及び/又は垂直に)に移動される。これは、塗料が、噴霧霧FNをすぐに作用させ得るものよりも大きい基材Sの領域に適用される場合には、また有利であり得る。基材Sの可能な道筋は、図6中の65に示される。基材Sとスプレーヘッド20との間の水平方向の距離は一定のままであるが、有利な実施形態において、1の噴霧工程の間又は複数の噴霧工程の間にまた調節され得る。基材Sを動かす代わりとして、スプレーヘッド20をアプリケーション容器10のアプリケーションチップ14とともに、噴霧霧FNの方向に関して、1又は2次元横方向に移動させることもまた可能である。
【0048】
市販のスプレーヘッドは、スプレーヘッド20として使用することができる。好適なスプレーヘッド20の例を、3つの図(図2a〜c)及び断面図(図2d)を示す図の図2a〜2dに示す。
【0049】
スプレーヘッド20は、ハウジング22を有し、その一端には圧縮空気供給ライン21(図1c)の接続のための入り口23が配置されている。ハウジングの他方の端には、軸方向のメインノズル24及び2つの正反対に対向するホーンエアーノズル(又は、一般的に、ホーンガスノズル)25が配置されている。軸方向メインノズル24及び2つのホーンエアーノズル25は、各々ダクト26及び27を経由して、ハウジング22内に与えられた入り口23と通じている。メインノズル24及び2つのホーンエアーノズル25は、内部に向けられた、有利には2つのホーンエアーノズル25により発生させた調節可能なホーン気流(又は、一般的に、ホーンガス流)の結果、ワイドジェット及びラウンドジェット間を鋭敏に変えることが可能な、前記実質的に円錐のエアージェットLをともに発生させる。
【0050】
スプレーヘッド20として、噴霧される物質のための供給口開口部(複数あり)を有する市販のスプレーヘッドを使用することがまた可能であろうが、その場合においては、しかしながら、その噴霧される物質のための供給口開口部(複数あり)は、非活性又は閉じてられているものであろう、すなわちスプレーヘッドはガス流を発生させるためだけに機能するものであろう。
【0051】
図3〜5は、本発明による噴霧方法を十分に自動的に実行するのに適した、完全な噴霧装置の例となる実施形態を示す。
【0052】
前記噴霧装置は、基板1上に構築されている。基板1上には第1の多軸ロボット30、スプレーヘッド20のための保持具40、アプリケーション容器10のための保持具50、第2の多軸ロボット60、及び噴霧チャンバー70が配置されている。また、基板1上に置かれているのは、アプリケーション容器10の供給のためのマガジン81、空又は廃棄されたアプリケーション容器10のための廃棄物容器82、及び作業が終わった噴霧された基材Sを受け取るための収集容器90である。
【0053】
取り付けフレーム31上に構築された第1の(多軸)ロボット30は、主要素として多軸ロボットアーム32を、アプリケーション容器10を掴むための把持機構33が配置されている最端に含む。保持具40は、基本的に台である。スプレーヘッド20は、その上端に取り付けられている。スプレーヘッドは、(装置の作業の間)供給ライン21を経由して、圧縮空気源(示していない)と接続している。保持具50は、同様にして、基本的に台であり、その上端に受取装置51及びガイド52が配置されている(図4)。この駆動装置は、ご存じのように、例えば、十分に自動的なピペット操作系由来の前進駆動であり得る。プランジャー12、プランジャーロッド13及び駆動装置53は、アプリケーション容器10中の物質をガス流Lに放出するための放出手段をともに形成する。
【0054】
第2の多軸ロボット60は、同様に取り付けフレーム61上に構築されおり、主要素として、XY表と同様に、垂直に(基板1に垂直に)及び水平に(図の平面に垂直に)動くことが可能なロボットアーム62、を含む。ロボットアーム62の自由端では、塗布される基材Sのための保持装置63が配置されている。保持装置63は、例えば、(作業の間)ライン64を経由して、真空源又は減圧源(示していない)と接続している真空保持装置の形であり得る。
【0055】
噴霧チャンバー70は、散在した噴霧霧の抽出装置、すなわち基材を回避し、有利にはフィルターとともに提供され、吸引チューブ71を経由して、吸引装置(示していない)と接続している抽出装置、を形成する。
【0056】
噴霧装置の説明した構成要素の相対配置は、図3(側面図)及び図4(上面からの図)からはっきりとわかる。
【0057】
噴霧装置は、2つの多軸ロボット30及び60を作動させる電子制御装置100、アプリケーション容器のプランジャー12を前進させるための駆動装置53、並びに必要なバルブ(真空、スプレーヘッド制御)をさらに含む。制御装置100は、必ずしも基板1上に配置されることを必要としないが、例えば、適切に接続した外部コンピュータによりまた実現することが可能である。制御装置100は、調節手段(ここでは示していない)により、アプリケーション容器のアプリケーションチップとスプレーヘッドとの間の距離及び要すればまたアプリケーション容器のアプリケーションチップと基材との間の距離を、例えば、基材上のスプレーパターンの分析に基づき、手動の命令の結果として又は自動的に調節するよう、また構成され得る。
【0058】
図3は、非稼働構成での噴霧装置を示す。マガジン81は、多くの予め満たされたアプリケーション容器10を保持する。噴霧される基材Sは、第2の多軸ロボット60の保持装置63上に置かれて保持されている。
【0059】
噴霧装置の稼働様式は、次のとおりであり、すべてのワークフローが、制御装置100により開始され、制御される。
【0060】
制御装置100の開始命令に応答して、第1の多軸ロボット30のアーム32が、マガジン81を超えて移動し、その把持機構33とともに、その場所に準備されて保持されているアプリケーション容器10を獲得する。アプリケーション容器10は、多軸ロボット30により貯蔵容器Vに移動され、アプリケーション容器のチップが、塗料処方Fにつけられる。ここで所望の(比較的少)量の塗料処方Fが、プランジャー13の引きによりアプリケーション容器10に吸引される(図1bを参照されたい)。多軸ロボット30のアーム32が、保持具50を超えて移動し、アプリケーション容器10とともに受取装置51及び保持具のガイド52に移動する(図4)。図1c及び1dに関連して説明したように、アプリケーション容器10のチップ14は、スプレーヘッド20の前に及びそこから軸方向に少し離れて、実質的にスプレーヘッド20により発生させた気流Lのおよそ中心に位置している。有利には、スプレーヘッド20とアプリケーションチップ14との間の距離は、噴霧工程の間自動的に又は個々の噴霧工程の間、手動で、スプレーパターン(塗膜FSのパッチに影響を及ぼす)が、サイズ及び塗料霧密度の点で調節され得るよう、変更され得る。
【0061】
スプレーヘッド20が作動し、前記気流が安定になると、保持具50上の駆動装置53が、アプリケーション容器10のプランジャー12にとってかわり、アプリケーション容器10内の塗料処方Fを次第に後者から気流Lに導入し、その噴霧により、順に基材Sに作用する塗料処方霧FNを形成する(図5)。アプリケーション容器10のプランジャー12の動きは、代わりに第1の多軸ロボット30により、その把持機構33により、また達成され得る。塗料処方Fが気流L及び/又は気流Lそれ自体に調達されるのに伴う速度(空気の量及び気流速度)を、スプレーパターンを変更するために変えることができる。
【0062】
必要であれば、噴霧工程の間、図6中の図に示すように、第2の多軸ロボット60により、基材Sを上下に並びに前後に動かすことも可能である。有利には、アプリケーションチップ14及び基材Sとの距離は、噴霧工程の間又は個々の噴霧工程の間、手動で、スプレーパターン(塗膜FSのパッチに影響を及ぼす)が、サイズ及び噴霧霧密度の点で調節され得るよう、変更され得る。
【0063】
噴霧工程が終わった後、アプリケーション容器10は、第1の多軸ロボット30により廃棄物容器82に投げられる。完成した噴霧された基材Sは、収集容器90内に置かれる。これも、例えば、多軸ロボットが基材を掴むために適切な機構が備えられたものである限りは、第1の多軸ロボット30により達成され得る。
【0064】
必要であれば、説明したワークフローは、新しい基材及び新しいアプリケーション容器で繰り返される。
【0065】
図8に示すように、本発明による噴霧装置のさらに有利な実施形態では、第1及び第2のロボットの代わりに、それら2つのロボットの機能を思わせる、単一の多機能ロボット130を有する。すなわち、多機能ロボット130が、例えば、アプリケーションチップ14を備えたアプリケーション容器10を獲得し、駐車ステーション110上に蓄えられ、多機能ロボットに獲得されることが可能な、固有のスプレーヘッド20及び駆動部53を含むアプリケーション容器保持具51を有する噴霧ツール120にそれらを固定し(後者の2つの構成要素は図をわかりやすくするため、図8には示していない)、それからその噴霧ツール120を獲得し及び、噴霧工程の間、それを基材保持具66に固定されて取り付けられた基材Sに沿って移動させる(図6をまた参照されたい)。
【0066】
さらなる実施形態において、図には示していないが、噴霧装置は、1つより多くのアプリケーション容器10のアプリケーションチップ14を同時に又は連続してスプレーヘッド20の気流Lに導入するよう、構成されている。これにより、複数の異なる塗料処方Fを直ぐに次々に又は同時にさえ噴霧することが可能となり、異なる塗料霧FNを混合することが可能となる。このことは、例えば、2成分系のアプリケーションに有利であるが、その意味において、例えば、高い外気温度での塗料処方に含まれる溶媒の蒸発を補うために、溶媒又はいくつかの他の補助物質を、該塗料処方Fに加えて、噴霧霧に添加することが、また可能である。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8