(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、酵素、アミノカルボン酸塩キレート剤、充填剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される任意選択の構成成分をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動食器洗浄用組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
自動食器洗浄用組成物(具体的には、ホスフェート不含の自動食器洗浄用組成物)中に組み込まれる場合、本明細書に具体的に記載されている分散剤混合物−界面活性剤脂肪アルコールアルコキシレートは、自動食器洗浄用組成物の斑点防止性能を大幅に向上させる。
【0010】
特段の記述がない限り、数値の範囲(例えば、「2〜10」)はこの範囲を定義する数値(例えば、2及び10)を含む。
【0011】
特段の記述がない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(又は重量%)は、乾燥重量の百分率であり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除した百分率である。ポリマー中のモノマー単位の百分率は、固形重量の百分率であり、すなわち、ポリマーエマルジョン中に存在する一切の水を排除した百分率である。
【0012】
特段の記述がない限り、本明細書で用いられる用語「分子量」及び「Mw」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及びポリエチレングリコール標準物などの従来の標準物を使用した従来の方法で測定された場合の重量平均分子量を指すために互換的に使用される。GPC技術は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley−lnterscience,1979、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81〜84で詳細に論じられている。分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0013】
用語「エチレン性不飽和」は、分子又は部分を重合性にする一つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有する分子又は部分を記載するために使用される。用語「エチレン性不飽和」は、モノエチレン性不飽和(一つの炭素−炭素二重結合を有する)及び多エチレン性不飽和(二つ以上の炭素−炭素二重結合を有する)を含む。本明細書で用いられる用語「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを指す。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「エチレンオキシ」及び「EO」は、a−CH
2−CH
2−O−基を指す。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「ホスフェート不含」は、≦1重量%(好ましくは、≦0.5重量%、より好ましくは、≦0.2重量%、さらに好ましくは、≦0.1重量%、特に好ましくは、≦0.01重量%、最も好ましくは、検出限界値未満)のホスフェート(リン元素として測定)を含有する組成物を意味する。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「構造単位」は、示されたモノマーの残りを指し、したがって、アクリル酸の構造単位は、
【化3】
で示され、式中、点線は構造単位のポリマー骨格への結合点を表す。
【0017】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、分散剤ポリマーブレンド(好ましくは、0.5〜15重量%、より好ましくは、0.5〜10重量%、さらに好ましくは、1〜8重量%、最も好ましくは、2.5〜7.5重量%)であって、アクリル酸ホモポリマー、及びアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体を含み、アクリル酸ホモポリマーと共重合体とのブレンド比が3:1〜1:3(好ましくは、ブレンド比が3:1〜1:3、より好ましくは、2.5:1〜1:2.5、さらに好ましくは、2:1〜1:2、最も好ましくは、1.5:1〜1:1.5)である分散剤ポリマーブレンドと、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである界面活性剤であって、
【化4】
式I
式中、R
1は、直鎖又は分岐鎖の飽和C
8−24アルキル基(好ましくは、直鎖又は分岐鎖の飽和C
12−20アルキル基、より好ましくは、直鎖又は分岐鎖の飽和C
12−20アルキル基はドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、及びエイコシル基からなる群から選択される)であり、R
2は、直鎖飽和C
2−8アルキル基(好ましくは、直鎖飽和C
2−6アルキル基、より好ましくは、直鎖飽和C
2−4アルキル基、最も好ましくは、C
2アルキル基)であり、mは、22〜42(好ましくは、23〜33、より好ましくは、24〜32、最も好ましくは、25〜31)の平均値を有し、nは、4〜12(好ましくは、5〜11、より好ましくは、6〜11、最も好ましくは、7〜10)の平均値を有し、m+nは、26〜54(好ましくは、30〜50、より好ましくは、30〜45、最も好ましくは、30〜40)の平均値であり、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、>45重量%(好ましくは、≧50重量%、より好ましくは、>45重量%〜64.5重量%、最も好ましくは、50〜64.5重量%)の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xを有し、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、nで除算したXに等しい比率Zを有し、比率Zは<9.5(好ましくは、4〜9.4、より好ましくは、5〜9.2)である界面活性剤と、を含む。界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレート化合物の混合物であり、ここで、界面活性剤は、炭素数が異なるが上記範囲と一致する平均炭素数を有するアルキル基R
1及びR
2の範囲を含む混合物である。
【0018】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、分散剤ポリマーブレンドを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて0.5〜15重量%の分散剤ポリマーブレンドを含む。さらに好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて0.5〜10重量%の分散剤ポリマーブレンドを含む。特に好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて1〜8重量%の分散剤ポリマーブレンドを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて2.5〜7.5重量%の分散剤ポリマーブレンドを含む。
【0019】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて≧1重量%(より好ましくは、≧2重量%、より好ましくは、≧3重量%、より好ましくは、≧5重量%)の分散剤ポリマーブレンドを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて≦10重量%(より好ましくは、≦8重量%、より好ましくは、≦6重量%、より好ましくは、≦4重量%)の分散剤ポリマーブレンドを含む。
【0020】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に含まれる分散剤ポリマーブレンドは、アクリル酸ホモポリマー、及びアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体とのブレンドを含み、ここで、分散剤ポリマーブレンドは重量に基づき、アクリル酸ホモポリマーと共重合体とのブレンド比が3:1〜1:3(好ましくは、2.5:1〜1:2.5、より好ましくは、2:1〜1:2、最も好ましくは、1.5:1〜1:1.5)(好ましくは、ブレンド比が1:1ではないものとする)である。
【0021】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に含まれる分散剤ポリマーブレンドは、アクリル酸ホモポリマー、及びアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体とのブレンドを含み、ここで、分散剤ポリマーブレンドは重量に基づき、アクリル酸ホモポリマーと共重合体とのブレンド比が3:<1〜>1:3(好ましくは、2.5:<1〜>1:2.5、より好ましくは、2:<1〜>1:2、最も好ましくは、1.5:<1〜>1:1.5)である。
【0022】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸ホモポリマーは、1,000〜40,000(好ましくは、1,000〜20,000、より好ましくは、1,000〜10,000、さらに好ましくは、1,000〜5,000、最も好ましくは、2,000〜4,000)ダルトンの重量平均分子量、Mwを有する。
【0023】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体は、2,000〜100,000(好ましくは、5,000〜60,000、より好ましくは、8,000〜25,000、さらに好ましくは、10,000〜20,000、最も好ましくは、12,500〜17,500)ダルトンの重量平均分子量、Mwを有する。
【0024】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体は、少なくとも一つのスルホン化モノマーの構造単位を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−アリルオキシスルホン酸、2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(HAPS)、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、4−スルホブチル(メタ)アクリル酸及びそれらの塩からなる群から選択される、少なくとも一つのスルホン化モノマーの構造単位を含む。
【0025】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体は、5〜65重量%(より好ましくは、15〜40重量%、最も好ましくは、20〜35重量%)のアクリル酸構造単位を含む。
【0026】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体は、50〜95重量%(好ましくは、70〜93重量%)のアクリル酸構造単位と、5〜50重量%(好ましくは、7〜30重量%)の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の構造単位を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるアクリル酸とスルホン化モノマーとの共重合体は、50〜95重量%(好ましくは、70〜93重量%)のアクリル酸構造単位と、5〜50重量%(好ましくは、7〜30重量%)の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の構造単位を含み、ここで、共重合体は2,000〜100,000(より好ましくは、10,000〜20,000、さらに好ましくは、12,500〜17,500)ダルトンの重量平均分子量、Mwを有する。
【0027】
本発明の自動食器洗浄用組成物で使用される分散剤ポリマーブレンドは、さまざまな供給元から市販されており、及び/又はそれらは文献の技術を使用して調製され得る。例えば、分散剤ポリマーブレンドに含まれる低分子量ポリマーは、フリーラジカル重合によって調製され得る。これらのポリマーを調製するための好ましい方法は、溶媒中での均一重合による。溶媒は、水、又は2−プロパノール若しくは1,2−プロパンジオールなどのアルコール溶媒であり得る。フリーラジカル重合は、過硫酸アルカリ、又は有機過酸及び有機パーエステルなどの前駆体化合物の分解により開始される。前駆体の活性化は、高反応温度のみの作用(熱活性化)、又は鉄(II)サルフェートとアスコルビン酸との組み合わせなどのレドックス作用物質の混和剤(レドックス活性化)による場合もある。これらの場合、連鎖移動剤は通常、ポリマー分子量を調整するために使用される。溶液重合において使用される好ましい連鎖移動剤の一つの分類は、アルカリ又は亜硫酸水素アンモニウムである。具体的には、二亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0028】
本発明の自動食器洗浄用組成物で使用される分散剤ポリマーブレンドに含まれるポリマーは、水溶性溶液ポリマー、スラリー、乾燥粉末、又は顆粒状若しくは他の固形状であり得る。
【0029】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、少なくとも0.2重量%(好ましくは、少なくとも1重量%)の界面活性剤を含み、ここで、界面活性剤は、上記式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、0.2〜15重量%(好ましくは、0.5〜10重量%、より好ましくは、1.5〜7.5重量%)の界面活性剤を含み、ここで、界面活性剤は、上記式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである。
【0030】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
1は、直鎖又は分岐鎖の飽和C
8−24アルキル基である。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
1は、直鎖又は分岐鎖の飽和C
12−20アルキル基である。さらに好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
1は、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基からなる群から選択される直鎖状又は分岐鎖状の飽和C
12−20アルキル基である。
【0031】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
2は、直鎖飽和C
2−8アルキル基である。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
2は、直鎖飽和C
2−6アルキル基である。さらに好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
2は、直鎖飽和C
2−4アルキル基である。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
2は、C
2アルキル基である。
【0032】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、mは、22〜42の平均値を有する。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、mは、23〜33の平均値を有する。さらに好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、mは、24〜32の平均値を有する。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、mは、25〜31の平均値を有する。
【0033】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、nは、4〜12の平均値を有する。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、nは、5〜11の平均値を有する。さらに好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、nは、6〜11の平均値を有する。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、nは、7〜10の平均値を有する。
【0034】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、m+nは、26〜54の平均値を有する。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、m+nは、30〜50の平均値を有する。さらに好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、m+nは、30〜45の平均値を有する。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、m+nは、30〜40の平均値を有する。
【0035】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、>45重量%(好ましくは、≧50重量%、より好ましくは、>45重量%〜64.5重量%、最も好ましくは、50〜64.5重量%)の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xを有し、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、nで除算したXに等しい比率Zを有し、比率Zは<9.5(好ましくは、4〜9.4、より好ましくは、5〜9.2)である。
【0036】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレート化合物の混合物であり、ここで、界面活性剤は、炭素数が異なるが上述された範囲と一致する平均炭素数を有するアルキル基R
1及びR
2の範囲を含む混合物である。
【0037】
本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される式Iの界面活性剤脂肪アルコールアルコキシレートは、既知の合成手順を使用して容易に調製することができる。例えば、本化合物を調製する通常の手順は以下のとおりである。式R
1OH(式中、R
1は、直鎖又は分岐鎖の飽和C
8−24アルキル基である)と一致するアルコールを反応器に添加し、塩基(例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド又は水酸化カリウム)の存在下で加熱する。混合物は、相対的に水を含んでいないはずである。次に、この混合物に、加圧下で所望の量のエチレンオキシドEOを添加する。EOが消費された後(反応器の気圧の大幅な低下により示されるように)、得られたエトキシル化アルコールは、塩基条件下で、エトキシル化アルコール:アルキレンオキシドが1:4〜1:12のモル比で、アルキレンオキシド(アルキレンオキシドは、4〜10個の炭素原子を含む)と反応することができる。触媒対エトキシル化アルコールのモル比は、0.01:1〜1:1(好ましくは、0.02:1〜0.5:1)であることができる。エトキシル化アルコールを形成するための反応及びアルキレンオキシドとのさらなる反応は通常、溶媒の非存在下で、25〜200℃(好ましくは、80〜160℃)の温度で行われる。
【0038】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、さらにビルダー(助剤)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダー(助剤)は、一つ又は複数の炭酸塩、クエン酸及びケイ酸塩を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダー(助剤)は、一つ又は複数の炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含む。
【0039】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、1〜75重量%のビルダー(助剤)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、≧1重量%(より好ましくは、≧10重量%、より好ましくは、≧20重量%、より好ましくは、≧25重量%)のビルダー(助剤)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、≦75重量%(好ましくは、≦60重量%、より好ましくは、≦50重量%、最も好ましくは、≦40重量%)のビルダー(助剤)を含む。炭酸塩、クエン酸及びケイ酸塩の重量百分率は、金属イオンを含む塩の実際の重量に基づく。
【0040】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「炭酸塩(複数可)」は、炭酸塩、重炭酸塩、過炭酸塩、及び/又はセスキ炭酸塩のアルカリ金属又はアンモニウム塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム及びリチウムの炭酸塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(もしあれば)は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0041】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「クエン酸(複数可)」は、アルカリ金属クエン酸塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム及びリチウムのクエン酸塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸(もしあれば)は、クエン酸ナトリウムである。
【0042】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「ケイ酸塩(複数可)」は、アルカリ金属ケイ酸塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム及びリチウムのケイ酸塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(もしあれば)は、二ケイ酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダー(助剤)は、ケイ酸塩を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダー(助剤)がケイ酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は好ましくは、0〜10重量%(好ましくは、0.1〜5重量%、より好ましくは、0.5〜3重量%、最も好ましくは、1.5〜2.5重量%)のケイ酸塩(複数可)を含む。
【0043】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択で、添加剤をさらに含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択で、アルカリ源、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、及び任意選択で、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))及び/又は漂白触媒(例えば、マンガン(II)アセテート、又は塩化コバルト(II)、ビス(TACN)マグネシウムトリオキシドジアセテート)、酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、又はセルラーゼ)、アミノカルボン酸塩キレート剤(例えば、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、グルタミン酸−N,N−ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDSA)、1,2−エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、又はこれらの混合物又はこれらの塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)などのホスホネート、発泡抑制剤、染料、芳香剤、ケイ酸塩、ポリ(エチレングリコール)、追加のビルダー(助剤)、抗菌剤及び/又は充填剤から選択される添加剤をさらに含む。錠剤又は粉末中の充填剤は、不活性の水溶性物質であり、通常、ナトリウム又はカリウム塩、例えば硫酸ナトリウム又は硫酸カリウム及び/又は塩化物であり、通常、0重量%〜75重量%の範囲の量で存在する。ゲル配合物中の充填剤は、上記充填剤、水及び他の溶媒(例えば、グリセロール)を含み得る。芳香剤、染料、発泡抑制剤、酵素及び抗菌剤は通常、合計で組成物の10重量%未満又は5重量%未満である。
【0044】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択で、アルカリ源をさらに含む。適切なアルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウム、又は上記混合物を含むがこれらに限定されない。炭酸ナトリウムが好ましい。本発明の自動食器洗浄用組成物中のアルカリ源の量は、それが存在する場合、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、例えば、少なくとも1重量パーセント(好ましくは、少なくとも20重量パーセント)及び最大80重量パーセント(好ましくは、最大60重量パーセント)の範囲であってもよい。
【0045】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択で、アルカリ源をさらに含む。最適なアルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物(例えば、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、及び水酸化カリウム)及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。炭酸ナトリウムが好ましい。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、1〜80重量%(好ましくは、20〜60重量%)のアルカリ源(好ましくは、アルカリ源は炭酸ナトリウムである)を含む。
【0046】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択で、漂白剤をさらに含む。好ましい漂白剤は、過炭酸ナトリウムである。本発明の自動食器洗浄用組成物中の漂白剤の量は、存在する場合、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、好ましくは1〜25重量%(より好ましくは、1〜10重量%)の濃度である。
【0047】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択で、漂白剤をさらに含む。好ましい漂白剤は、過炭酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づき、1〜30重量%(好ましくは、8〜20重量%)の漂白剤を含む。
【0048】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、少なくとも9(好ましくは、≧10)のpH値(水中で1重量%)を有する。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、13以下のpH値(水中で1重量%)を有する。
【0049】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意の通常の形態、例えば、錠剤、粉末、塊、一回量、小袋、ペースト、液体、又はゲルで配合されることができる。本発明の自動食器洗浄用組成物は、食器及び調理器具、皿などの用品を自動食器洗浄機内で洗浄するのに有効である。
【0050】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、通常の操作条件下で使用される。例えば、自動食器洗浄機内で使用されるとき、洗浄過程中の通常の水温は、好ましくは20℃〜85℃、好ましくは30℃〜70℃である。自動食器洗浄用組成物の通常の濃度は、食器洗浄機内の液体を占める合計百分率として、好ましくは0.1〜1重量%、好ましくは0.2〜0.7重量%である。適切な製品形態及び添加時間の選択により、本発明の自動食器洗浄用組成物は、予備洗浄、主洗浄、最後から二番目のすすぎ、最終的なすすぎ、又はこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在し得る。
【0051】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、≦1重量%(好ましくは、≦0.5重量%、より好ましくは、≦0.2重量%、さらに好ましくは、≦0.1重量%、特に好ましくは、≦0.01重量%、最も好ましくは、検出限界値未満)のホスフェート(リン元素として測定される)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ホスフェート不含である。
【0052】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、<0.1重量%(好ましくは、<0.05重量%、より好ましくは、<0.01重量%、さらに好ましくは、検出限界値未満)のアミノカルボン酸塩キレート剤(例えば、MGDA)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、アミノカルボン酸塩キレート剤(例えば、MGDA)不含である。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0054】
実施例I−1:12.6C開始剤溶液の調製
窒素雰囲気下でオーバーヘッド撹拌し、水冷蒸留ヘッドを備えた1リットルの丸底フラスコを温度制御された電気加熱式マントル内に置き、686.4gのドデカノールとテトラデカノールの70:30重量%の混合物(Proctor&Gambleから入手可能なCO−1270脂肪アルコール)及び5.28gの85%水酸化カリウム粉末を加えて混合物を形成した。次に、カールフィッシャー分析により0.22重量%の水を有する溶液を提供するために、この混合物を100℃に加熱した。次に、蒸留ヘッドを通して丸底フラスコから窒素を2時間パージしながら、溶液を130〜140℃にさらに加熱し、カールフィッシャー分析により0.003重量%の水を含有する溶液を提供した。塩基含有量は、0.61重量%の水酸化カリウムとして滴定した。残りの678.10gの溶液を丸底フラスコからボトルに注ぎ、55℃で保存した。
【0055】
アルコキシル化反応手順
1/4hpの磁気駆動撹拌機、1500ワット(115V)のCalrodの電気加熱器、水が充填された1/4インチの冷却コイル、試料抽出するための1/16インチの浸漬管、内部サーモウェル、1024psigに設定された1/4インチの破裂板、900psigに設定された1/4インチの放出弁、液位より下に沈められた酸化物添加ライン、及び直径ピッチの2インチの翼撹拌機が備え付けられた2Lの316ステンレス鋼円錐状底部(最小撹拌容量は20mL)のモデル4530のParr社の反応器中でアルコキシル化反応を行った。撹拌機シャフトの底部は、反応器の輪郭の形を呈する特注製作されたステンレス鋼パドルを有し、非常に小さい初期容量での撹拌を可能にした。酸化物添加システムは、1リットルのステンレス鋼添加シリンダーから構成され、それは、装填、秤量、及び酸化物投入ラインに取り付けられた。反応器システムをSiemens SIMATIC PCS7プロセス制御システムにより制御した。Type Kの熱電対を使用して反応温度を測定し、Ashcroftの圧力センサーを使用して気圧を測定し、ボール弁をSwagelokの空圧式弁駆動装置を用いて操作し、ASCOの電気弁を使用して水流の冷却を制御し、Brooks Quantim(登録商標)Coriolisの質量流量制御装置(モデルQMBC3L1B2A1A1A1DH1C7A1DA)及び質量流量制御装置全体の100psigの気圧の差異を維持し、安定した流量を提供するTESCOMの背圧調整装置(モデル44−1163−24−109A)からなる質量流量制御システムにより酸化物添加速度を制御した。
【0056】
比較実施例C1〜C7及びC11
比較実施例C1〜C7及びC11のそれぞれにおいて、アルコキシル化反応は、2Lの316ステンレス鋼円錐状底部(最小撹拌容量は20mL)のParr社の反応器中で行われ、Parr社の反応器を、実施例I−1で調製した一定量の開始剤で充填し、密封して450psigで圧力をチェックし、窒素で6回パージし、エチレンオキシド(EO)を添加する前に120〜130℃に加熱した。次に、表1に記載の開始剤に対するEOのモル比を提供するために、Parr社の反応器にエチレンオキシド(EO)を0.5〜3g/分の速度で充填した。Parr社の反応器内の圧力を安定化した後、表1に記載の開始剤に対するPOのモル比及び開始剤に対するBOのモル比を提供するために、プロピレンオキシド(PO)(もしあれば)及びブチレンオキシド(BO)(もしあれば)をParr社の反応器に0.5〜2g/分の速度で充填した。次に、Parr社の反応器を、120〜130℃で一晩保持した後50℃に冷却し、下記の自動食器洗浄試験で使用するための生成物界面活性剤を回収した。
表1
【表1】
【0057】
比較実施例C8〜C10、C12〜24及び実施例1〜7
比較実施例C8〜C10、C12〜24、及び実施例1〜7のそれぞれにおいて、アルコキシル化反応は、2Lの316ステンレス鋼円錐状底部(最小撹拌容量は20mL)のParr社の反応器中で行われ、Parr社の反応器を、表2に記載の濃度の塩基性アルコキシル化触媒を有する一定量の開始剤で充填し、窒素で1時間パージし、エチレンオキシド(EO)を添加する前に120〜130℃に加熱した。次に、表2に記載の開始剤に対するEOのモル比を提供するために、Parr社の反応器にエチレンオキシド(EO)を0.5〜3g/分の速度で充填した。Parr社の反応器内の圧力を安定化した後、表2に記載の開始剤に対するPOのモル比及び開始剤に対するBOのモル比を提供するために、プロピレンオキシド(PO)(もしあれば)及びブチレンオキシド(BO)(もしあれば)をParr社の反応器に0.5〜2g/分の速度で充填した。次に、Parr社の反応器を、120〜130℃で一晩保持した後50℃に冷却し、下記の自動食器洗浄試験で使用するための生成物界面活性剤を回収した。
表2
【表2】
【0058】
食べ物汚れを調製するための手順
表3〜4に記載の食べ物汚れ配合物は、水を70℃に加熱し、次にジャガイモデンプン、クォーク粉末、安息香酸及びマーガリンを添加することによって調製した。マーガリンが確実に溶解するまで撹拌した。次に、牛乳を添加し、よく撹拌する。得られた混合物を冷却させる。次に、温度が45℃未満になったら、卵黄、ケチャップ、及びマスタードを添加する。十分に混合し、次に、自動食器洗浄試験に使用するために、50gの分量で得られた食べ物汚れを凍結する。
表3
【表3】
表4
【表4】
【0059】
食器洗浄組成物
上記比較実施例C1〜24及び実施例1〜7に従って調製された界面活性剤を含有する食器洗浄組成物は、表5〜7のうちの一つで同定された成分配合物を使用して提供された。各成分配合物に使用されたプロテアーゼは、Novozymesから入手可能なSavinase(登録商標)12Tプロテアーゼであった。各成分配合物に使用されたアミラーゼは、Novozymesから入手可能なStainzyme(登録商標)12Tアミラーゼであった。
表5
【表5】
表6
【表6】
表7
【表7】
【0060】
食器洗浄試験条件
食器洗浄機:Miele SS−ADW、モデルG1222SC Labor。プログラム:V4、8分間にわたる加熱洗浄、ファジィ論理による離脱と加熱乾燥を伴う50℃での洗浄サイクル。水:375ppmの硬度(EDTA滴定により確認されたCaCO
3として)、Ca:Mg=3:1、250ppmの炭酸ナトリウム。食べ物汚れ:表8〜14に記載の組成物50Gをt=0で導入し、カップ内で凍結した。比較実施例C1〜C24及び実施例1〜7からの各界面活性剤を、表8〜14に記載のように、一回の洗浄につき20gを投与した食器洗浄組成物で試験した。
【0061】
膜張り及び斑点の評価
外気で乾燥させた後、訓練を受けた評価者によって、下からの制御された照明を有する発光ボックス内でガラスタンブラーを観察することにより、膜張り及び斑点の評価を判定した。ガラスタンブラーを、ASTM法に従って、1(膜張り/斑点なし)から5(重度の膜張り/斑点形成)までの範囲で、膜張り及び斑点を評価した。各ガラスタンブラーに対して膜張り及び斑点の平均値1〜5を判定し、それぞれ表8〜14に報告する。
表8:試験1
【表8】
表9:試験2
【表9】
表10:試験3
【表10】
表11:試験4
【表11】
表12:試験5
【表12】
表13:試験6
【表13】
表14:試験7
【表14】