特許第6982632号(P6982632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982632限られた範囲をもつウェイクアップ受信機の検出および動作
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982632
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】限られた範囲をもつウェイクアップ受信機の検出および動作
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20211206BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20211206BHJP
   H04W 76/28 20180101ALI20211206BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W84/12
   H04W76/28
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-556854(P2019-556854)
(86)(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公表番号】特表2020-518166(P2020-518166A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】EP2018057524
(87)【国際公開番号】WO2018192746
(87)【国際公開日】20181025
【審査請求日】2019年12月16日
(31)【優先権主張番号】15/493,450
(32)【優先日】2017年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ウィルヘルムソン, レイフ
(72)【発明者】
【氏名】アミン, パース
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/081282(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/073087(WO,A1)
【文献】 特表2018−502484(JP,A)
【文献】 特表2017−537516(JP,A)
【文献】 Jianhan Liu et al. (Mediatek),"On Waking-Up Multiple WUR Stations",IEEE802.11-17/0028r0,[online],2017年01月11日,slides 1-6,https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/17/11-17-0028-00-00ba-on-waking-up-of-multiple-wur-stations.pptx,[検索日 2021.01.26]
【文献】 Igor Kim et al. (ETRI),"Initial Negotiation for WUR",IEEE802.11-17/0070r0,[online],2017年01月15日,slides 1-9,https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/17/11-17-0070-00-00ba-initial-negotiation-for-wur.pptx,[検索日 2021.01.26]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン受信機(507)とウェイクアップ受信機(509)とを備えるモバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)を動作させる方法であって、前記方法は、
前記ウェイクアップ受信機(509)による受信のために設定された第1の信号(S2、S4)を受信することを周期的に試みること(401)と、
各試み(i)について、前記第1の信号が、所定の最小品質基準を満たす信号品質で受信されたかどうかを示す検出結果を生成すること(403)と、
前記ウェイクアップ受信機(509)がアクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあるか否かを決定するための基礎として前記検出結果のうちの1つまたは複数を使用すること(405)と、
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという決定に応答して(407)、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという指示を前記アクセスポイント(211、301、801)に送ること(S6)と、
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという前記決定に応答して(407)、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)の動作を調整すること(413)と
を含む方法。
【請求項2】
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)の前記動作を調整すること(413)が、ウェイクアップ受信機機能に依拠せずに前記メイン受信機(507)を動作させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の最小品質基準、所定の試行回数を超えて、所定の最小品質レベル以上前記第1の信号を受信できなかったことである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の最小品質基準所定の総試行回数Nのうちの少なくとも所定の回数だけ、所定の最小品質レベル以上前記第1の信号を受信できなかったことである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の信号(S2、S4)を受信することを周期的に試みることが、前記第1の信号(S2、S4)を受信するために前記メイン受信機(07)を周期的に動作させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという前記決定に応答して(407)、前記アクセスポイント(211、301、801)が前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信を開始するために前記第1の信号(S2、S4)を使用すべきでないという指示を前記アクセスポイント(211、301、801)に送ること(S6)を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の信号がウェイクアップ信号および同期信号のうちの1つ(S2、S4、401)として動的に設定可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数のモバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のための通信サポートを提供するアクセスポイント(211、301、801)を動作させる方法であって、前記方法は、
モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)からの信号の存在を検出するために少なくとも1つのチャネルを監視すること(S1)と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)からの前記信号の前記存在を検出したことに応答して(701)、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応であるか否かを確認するために前記信号を使用し、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応である場合、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)から、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のウェイクアップ受信機(509)がアクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないことを示す指示を受信することにより、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあるか否かを確認すること(705)と、
前記モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応であるととともに、前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあることを確認したことに応答して、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信のために利用可能なデータがあるとき、前記ェイクアップ受信機(509)にウェイクアップ信号を送信すること(S2、S4、707)と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応でないとともに、前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないことを確認したことに応答して、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信のために利用可能なデータがあるとき、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への代替送信を使用すること(703)であって、前記代替送信が前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のメイン受信機(507)による受信のために設定される、代替送信を使用すること(703)と
を含む方法。
【請求項9】
モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)の1つまたは複数のプロセッサ(603)によって実行されたとき、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)に方法を実行させるプログラムコード(609)を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体(605)であって、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がメイン受信機(507)とウェイクアップ受信機(509)とを備え、前記方法が、
前記ウェイクアップ受信機(509)による受信のために設定された第1の信号(S2、S4)を受信することを周期的に試みること(401)と、
各試み(i)について、前記第1の信号が、所定の最小品質基準を満たす信号品質で受信されたかどうかを示す検出結果を生成すること(403)と、
前記ウェイクアップ受信機(509)がアクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあるか否かを決定するための基礎として前記検出結果のうちの1つまたは複数を使用すること(405)と、
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという決定に応答して(407)、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという指示を前記アクセスポイント(211、301、801)に送ること(S6)と、
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという前記決定に応答して(407)、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)の動作を調整すること(413)と
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(605)。
【請求項10】
メイン受信機(507)とウェイクアップ受信機(509)とを備えるモバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のためのコントローラ(515、601)であって、前記コントローラ(515、601)は、
前記ウェイクアップ受信機(509)による受信のために設定された第1の信号(S2、S4)を受信することを周期的に試みる(401)ように設定された回路と、
各試み(i)について、前記第1の信号が、所定の最小品質基準を満たす信号品質で受信されたかどうかを示す検出結果を生成する(403)ように設定された回路と、
前記ウェイクアップ受信機(509)がアクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあるか否かを決定するための基礎として前記検出結果のうちの1つまたは複数を使用する(405)ように設定された回路と、
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという指示を前記アクセスポイント(211、301、801)に送ること(S6)によって、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという決定に応答する(407)ように設定された回路と、
前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという前記決定に応答して(407)、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)の動作を調整する(413)ように設定された回路と
を備えるコントローラ(515、601)。
【請求項11】
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)の前記動作を調整する(413)ように設定された前記回路が、ウェイクアップ受信機機能に依拠せずに前記メイン受信機(507)を動作させるように設定された回路を備える、請求項10に記載のコントローラ(515、601)。
【請求項12】
前記所定の最小品質基準所定の試行回数を超えて、所定の最小品質レベル以上前記第1の信号を受信できなかったことである、請求項10に記載のコントローラ(515、601)。
【請求項13】
前記所定の最小品質基準所定の総試行回数Nのうちの少なくとも所定の回数Mだけ、所定の最小品質レベル以上前記第1の信号を受信できなかったことである、請求項10に記載のコントローラ(515、601)。
【請求項14】
前記第1の信号(S2、S4)を受信することを周期的に試みるように設定された前記回路が、前記第1の信号(S2、S4)を受信するために前記メイン受信機(07)を周期的に動作させるように設定された回路を備える、請求項10に記載のコントローラ(515、601)。
【請求項15】
前記アクセスポイント(211、301、801)が、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信を開始するために前記第1の信号(S2、S4)を使用すべきでないという指示を前記アクセスポイント(211、301、801)に送ること(S6)によって、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないという前記決定に応答する(407)ように設定された回路を備える、請求項10に記載のコントローラ(515、601)。
【請求項16】
前記第1の信号がウェイクアップ信号および同期信号のうちの1つ(S2、S4、401)として動的に設定可能である、請求項10に記載のコントローラ(515、601)。
【請求項17】
1つまたは複数のモバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のための通信サポートを提供するアクセスポイント(211、301、801)のためのコントローラであって、前記コントローラは、
モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)からの信号の存在を検出するために少なくとも1つのチャネルを監視する(S1)ように設定された回路と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応であるか否かを確認するために前記信号を使用すること、および前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応である場合、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)から、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のウェイクアップ受信機(509)がアクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないことを示す指示を受信することにより、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあるか否かを確認すること(705)によって、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)からの前記信号の検出された存在に応答する(701)ように設定された回路と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信のために利用可能なデータがあるとき、前記ェイクアップ受信機(509)にウェイクアップ信号を送信すること(S2、S4、707)によって、前記モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応であるととともに、前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあることを確認したことに応答するように設定された回路と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信のために利用可能なデータがあるとき、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への代替送信を使用すること(703)によって、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応でないとともに、前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないことを確認したことに応答するように設定された回路であって、前記代替送信が前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のメイン受信機(507)による受信のために設定された、回路と
を備えるコントローラ。
【請求項18】
アクセスポイント(211、301、801)の1つまたは複数のプロセッサ(903)によって実行されたとき、前記アクセスポイント(211、301、801)に方法を実行させるプログラムコード(909)を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体(905)であって、前記アクセスポイント(211、301、801)が1つまたは複数のモバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のための通信サポートを提供し、前記方法が、
モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)からの信号の存在を検出するために少なくとも1つのチャネルを監視すること(S1)と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)からの前記信号の前記存在を検出したことに応答して(701)、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応であるか否かを確認するために、および前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応である場合、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)から、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のウェイクアップ受信機(509)がアクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないことを示す指示を受信することにより、前記ウェイクアップ受信機(509)が前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあるか否かを確認する(705)ために、前記信号を使用することと、
前記モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応であるととともに、前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にあることを確認したことに応答して、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信のために利用可能なデータがあるとき、前記ェイクアップ受信機(509)にウェイクアップ信号を送信すること(S2、S4、707)と、
前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)がウェイクアップ受信機対応でないとともに、前記アクセスポイント(211、301、801)の範囲内にないことを確認したことに応答して、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への送信のために利用可能なデータがあるとき、前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)への代替送信を使用すること(703)であって、前記代替送信が前記モバイルデバイス(201、203、205、207、209、303、501)のメイン受信機(507)による受信のために設定された、代替送信を使用すること(703)と
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(905)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイントが、メイン受信機とウェイクアップ受信機とを有する1つまたは複数のモバイルデバイスへのサービスを提供する、モバイル通信システムに関し、より詳細には、モバイルデバイスのウェイクアップ受信機が、アクセスポイントによって送信されるウェイクアップ信号の範囲内にないときを検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信技術では、様々なタイプのユーザ機器における電力消費の低減が長い間重要な話題であり、次世代システムの設計における重要な考慮事項であり続けている。人対人通信のために旧来使用されていたものを超えるデバイスのインターネット対応接続と考えられ得るモノのインターネット(IoT)をターゲットにするデバイスについて、電力消費を低減する必要がしばしば極めて顕著になっている。多数のこれらのIoTデバイスがコインセルバッテリーによって電力供給されると予想されており、このことは、エネルギー消費の最小化が最も重要であることを意味する。将来において、そのようなデバイスは、それら自体のエネルギーを取り入れるように設計され得、そのような開発は低エネルギー消費の重要性をさらに一層高めるであろう。
【0003】
これらの種類の用途について、たとえば、平均的な一日の間のピークデータレートとアグリゲートされたデータレートの両方について、サポートされるデータレートは一般に低い。このことは、電力消費の大部分は、データの送信または受信に関係せず、むしろ、デバイスが意図された送信対象の受信機となっている送信があるかどうかを決定するために、そのデバイスが無線周波数スペクトルをリッスンしているときに消耗されることを意味する。
【0004】
結果として、総エネルギー消費の大部分は、めったに存在しない潜在的な送信をデバイスがリッスンすることによるものであり、このことがいわゆるウェイクアップ受信機(WUR)の開発を促した。ウェイクアップ受信機は、極めて低い電力消費を有するデバイスであり、それの唯一の目的は、デバイス中の別の受信機、いわゆる「メイントランシーバ」(メイン受信機および送信機)を起動させることである。したがって、ウェイクアップ受信機をもつIoTデバイスは、潜在的なパケットを走査するためにメイン受信機をオンにする必要がないことによってエネルギーを節約する。その代わりに、デバイスはウェイクアップ受信機をオンにする。実際にIoTデバイスのためのデータがある場合、ウェイクアップ信号(WUS)がWURに送られる。ウェイクアップ受信機がこのWUSを検出しており、データが存在すると決定したとき、ウェイクアップ受信機はメイン受信機および送信機を起動させ、通信リンクが確立され得る。
【0005】
アクセスポイント(AP)は、すべてウェイクアップ受信機機能を有する、いくつかのデバイス、または「局」(STA)をサポートし得、その場合、APは、特定のウェイクアップ受信機を含んでいるSTAのために利用可能なデータがあるときはいつでも、そのウェイクアップ受信機にWUSを向ける方法を必要とする。これを行う1つの方法は、ビーコン送信内で送信されるトラフィック指示マップ(TIM)要素によるものである。この構成では、APは、TIM要素内で1つまたは複数のビットをイネーブルにし、イネーブルにされた特定のビットは、局の関連付け識別子に対応するビットである。ビットがイネーブルにされた場合、そのことは、対応するSTAに対するダウンリンクデータの利用可能性を示す。このストラテジーは、局が省電力モードに入ること、およびビーコン送信のために起動することを助ける。APがダウンリンクデータの利用可能性を示す場合、局は、ダウンリンクデータを得るために省電力ポール(PSポール)を送り得る。
【0006】
省電力モードに入っておらず、局のトランシーバが常に電源投入されている局について、APは、ポーリングプロセスを必要とすることなしにダウンリンクデータを直接送信し得る。
【0007】
最初、ウェイクアップ受信機技術は主に学術研究の対象であったが、最近、その技術はまた、ウェイクアップ無線機研究グループが発足している、IEEE802.11規格化における検討にかけられるようになっている。その目的は、メイン802.11トランシーバのためのコンパニオン無線機として低電力ウェイクアップ無線機を有することである。ウェイクアップ受信機は、パケットが受信のために利用可能であるときに、メイン802.11トランシーバを起動させるが、802.11メイントランシーバは残りの時間中にオフに切り替えられる。ウェイクアップ受信機の使用により、レイテンシを増加させることなしにエネルギー効率が高いデータ受信が可能になる。アクセスポイントによって特定の局に送信されたウェイクアップ信号は、局が受信するために利用可能なダウンリンクデータがあるという指示として意図される。
【0008】
ウェイクアップ受信機は、情報の少数のビットを搬送するWUSを処理する。ウェイクアップ受信機は、次いで、ウェイクアップ信号の識別子セクションが予想されるビットと一致する場合のみ、メイン受信機を起動させる。たとえば、Wen−Chan Shihら、「A Long−Range Directional Wake−Up Radio for Wireless Mobile Networks」、JOURNAL OF SENSOR AND ACTUATOR NETWORKS, 2015, ISSN 2224−2708は、40ビットを搬送し、そのうちの16ビットが局識別子(STA−ID)を表し、24ビットが追加の情報を表す、ウェイクアップ信号を開示している。
【0009】
2016年5月18日付の、https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/16/11−16−0722−01−0000−proposal−for−wake−up−receiver−study−group.pptxにおいて入手可能なMinyoung Parkら、「Proposal for Wake−Up Receiver (WUR) Study Group」、ドキュメント:IEEE802.11−16/0722r1は、802.11対応ウェイクアップパケット設計を開示しており、その設計は、図1に示されているように、以下を含む。
・レガシーショートトレーニングフィールド(L−STF)と、レガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF)と、レガシー信号フィールド(L−SIG)とからなり、それによってレガシーSTAとの共存を可能にするレガシー802.11プリアンブル(OFDM)。
・ウェイクアッププリアンブルと、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダ(受信機アドレス)と、フレーム本体と、フレーム検査シーケンス(FCS)とを含んでいるオンオフキーイング(OOK)に基づく新しいウェイクアップ信号波形。
【0010】
局は、その局がウェイクアップ受信機対応であることをアクセスポイントに通知し得る。この情報が与えられると、アクセスポイントは、局がウェイクアップ対応であることを示した1つまたは複数の局にダウンリンクデータの利用可能性を示すために、ウェイクアップ信号を使用し得る。ウェイクアップ信号を受信すると、ウェイクアップ受信機は802.11トランシーバを起動させる。局は、PSポールパケットを送信することによってWUSの受信に肯定応答し得る。アクセスポイントは、局からのPSポールを受信すると、対応するダウンリンクトラフィックを送信し得る。
【0011】
この技術には、対処される必要がある問題が依然として残っている。たとえば、ウェイクアップ受信機は、802.11と比較してあまり電力を消費しないことが予想されるが、これは、比較的低い受信機感度を有するように受信機を設計することによってなど、いくつかの設計トレードオフを行うことによって達成される。このことは、ウェイクアップ信号は、通常、メイントランシーバをサーブするために十分な信号レベルであるレベルで送信され得るが、ウェイクアップ受信機のために意図されたウェイクアップ信号の送信範囲はレガシー送信よりも小さくなり得ることを意味する。この比較は図2に示されており、図2は、すべてアクセスポイント211によってサーブされる、5つの局201、203、205、207、および209を示している。さらに示されているように、局201、203、205、207、および209のすべては、それらの局のメイン、802.11トランシーバを使用してアクセスポイント211との通信に従事するための範囲内にある。しかし、局201、203、および205の3つのみは、その同じアクセスポイント211からのウェイクアップ信号を受信するための範囲内にある。
【0012】
このタイプの状況では、ウェイクアップ受信機は、本質的に、実際のデータ送信のカバレッジエリアの一部分のみについて使用され得る。ウェイクアップ受信機はしばしば範囲内にあるので、ウェイクアップ受信機の使用は依然として有益であり得る。しかしながら、これは常に当てはまるとは限らないので、STAは、局がアクセスポイントのWUS送信範囲内にあるかどうか、または局が範囲外にあるかどうかを知る必要があり得る。
【0013】
関係する問題において、アクセスポイントはまた、どの局がWUSの送信範囲内にあるのかを知る必要があり得る。
【0014】
したがって、上記および/または関係する問題に対処する技術が必要である。
【発明の概要】
【0015】
本明細書で使用されるとき、用語「備える(comprise)」および「備える(comprising)」は、述べられた特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を指定するために取られるが、これらの用語の使用は、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことが強調されるべきである。
【0016】
その上、いくつかの事例(たとえば、特許請求の範囲および概要)では、様々なステップおよび/または要素の識別を促進するために、参照文字が与えられ得る。しかしながら、参照文字の使用は、そのように参照されるステップおよび/または要素が特定の順序で実行されるまたは動作させられることをインピュートするまたは示唆するものではない。
【0017】
本発明の一態様によれば、上記および他の目的は、メイン受信機とウェイクアップ受信機とを備えるモバイルデバイスを動作させる技術(たとえば、方法、装置、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、プログラム手段)において達成される。動作は、ウェイクアップ受信機による受信のために設定された第1の信号(たとえば、ウェイクアップ信号または同期信号)を受信することを周期的に試みることを含む。各試みについて、第1の信号が、所定の最小品質基準を満たす信号品質で受信されたかどうかを示す検出結果が生成される。検出結果のうちの1つまたは複数は、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にあるか否かを決定するための基礎として使用される。決定が、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にないということである場合、モバイルデバイスの動作が調整される。
【0018】
本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスの動作を調整することは、ウェイクアップ受信機機能に依拠せずにメイン受信機を動作させることを含む。
【0019】
本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、所定の最小品質基準は、所定の数の試みにわたって所定の最小品質レベル以上で第1の信号の受信を失敗することである。必ずしもすべてではないが、いくつかの代替実施形態では、所定の最小品質基準は、試みの所定の総数Nのうちの少なくとも所定の数Mについて所定の最小品質レベル以上で第1の信号の受信を失敗することである。
【0020】
必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、第1の信号を受信することを周期的に試みることは、第1の信号を受信するためにメイン受信機を周期的に動作させることを含む。
【0021】
必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスの動作は、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にないという決定に応答して、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にないという指示をアクセスポイントに送ることを含む。必ずしもすべてではないが、いくつかのそのような実施形態では、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にないという決定に応答して、アクセスポイントがモバイルデバイスへの送信を開始するために第1の信号を使用すべきではないことを示す指示がアクセスポイントに送られる。
【0022】
必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、第1の信号は、ウェイクアップ信号および同期信号のうちの1つとして動的に設定可能である。
【0023】
本発明による実施形態の他の態様では、1つまたは複数のモバイルデバイスのための通信サポートを提供するアクセスポイントを動作させる技術(たとえば、方法、装置、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、プログラム手段)が提供される。動作は、モバイルデバイスからの信号の存在を検出するために少なくとも1つのチャネルを監視することを含む。モバイルデバイスからの信号の存在を検出したことに応答して、信号は、モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応であるか否かを確認するために使用される。モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応である場合、動作は、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にあるか否かを確認することをさらに含む。モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応であるとともに、アクセスポイントの範囲内にあることを確認したことに応答して、モバイルデバイスへの送信のために利用可能なデータがあるとき、ウェイクアップ信号がモバイルデバイスのウェイクアップ受信機に送信される。モバイルデバイスがウェイクアップ受信機対応でないとともに、アクセスポイントの範囲内にないことを確認したことに応答して、モバイルデバイスへの送信のために利用可能なデータがあるとき、モバイルデバイスへの代替送信が使用され、代替送信は、モバイルデバイスのメイン受信機による受信のために設定される。
【0024】
本発明の目的および利点は、図面とともに以下の詳細な説明を読むことによって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】802.11互換ウェイクアップパケット設計の例を示す図である。
図2】一般的な802.11デバイスのために意図された802.11対応信号と、802.11デバイスとコロケートされたウェイクアップ無線機による受信のために意図されたウェイクアップ信号との間の送信範囲の差を示す図である。
図3】アクセスポイントと、メイントランシーバとウェイクアップ受信機の両方を有するデバイスとの間のシグナリング、ならびにそれらのいくつかの機能を示す図である。
図4】ある点では、本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、ウェイクアップ受信機対応モバイルデバイスによって実行されるステップ/プロセスのフローチャートを示す図である。
図5】本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、ウェイクアップ受信機対応モバイルデバイスのいくつかの要素(たとえば、回路)を示す図である。
図6】本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、ウェイクアップ受信機対応モバイルデバイスの例示的なコントローラを示す図である。
図7】ある点では、本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、アクセスポイントによって実行されるステップ/プロセスのフローチャートを示す図である。
図8】本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、アクセスポイントのいくつかの要素(たとえば、回路)を示す図である。
図9】本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、アクセスポイントの例示的なコントローラを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図を参照しながら本発明の様々な特徴について説明し、図では、同様の部分は同じ参照符号で識別される。
【0027】
次に、本発明の様々な態様について、いくつかの例示的な実施形態とともにより詳細に説明する。本発明の理解を促進するために、プログラムされた命令を実行することが可能なコンピュータシステムまたは他のハードウェアの要素によって実行されるべき行為のシーケンスに関して、本発明の多くの態様について説明する。実施形態の各々において、専用回路(たとえば、専用機能を実行するために相互接続されたアナログおよび/またはディスクリート論理ゲート)によって、あるいは命令の好適なセットでプログラムされた1つまたは複数のプロセッサによって、あるいは両方の組合せによって、様々な行為が実行され得ることが認識されよう。1つまたは複数の説明される行為を実行する「ように設定された回路」という用語は、本明細書では、そのような実施形態(すなわち、1つまたは複数の専用回路のみ、1つまたは複数のプログラムされたプロセッサ、あるいはこれらの任意の組合せ)を指すために使用される。その上、本発明は、さらに、本明細書で説明する技法をプロセッサに実行させるであろうコンピュータ命令の適切なセットを含んでいる固体メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、非一時的コンピュータ可読キャリアの形態内で完全に実施されると考えられ得る。したがって、本発明の様々な態様は、多くの異なる形態で実施され得、すべてのそのような形態は、本発明の範囲内に入るように企図される。本発明の様々な態様の各々について、上記で説明したような実施形態のそのような形態を、本明細書では、説明された行為を実行する「ように設定された論理」、または代替的に、説明された行為を実行する「論理」と呼ぶことがある。
【0028】
本明細書で使用される用語に関して、いくつかの実施形態では、非限定的な用語である局(「STA」)が使用される。本明細書では、STAは、無線信号によってネットワークノードまたはアクセスポイントと通信していることが可能な任意のタイプの無線デバイスであり得る。STAはまた、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイス間STA、マシン型STA、またはマシンツーマシン通信が可能なSTA、STAを装備したセンサー、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ内蔵機器(LEE)、ラップトップ実装機器(LME)、USBドングル、顧客構内機器(CPE)、などであり得る。
【0029】
また、いくつかの実施形態では、上述の「AP」と同様に、総称用語、「無線ネットワークノード」または単に「ネットワークノード(NWノード)」が使用される。これらは、基地局、無線基地局、基地トランシーバ局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、エボルブドノードB(eNB)、ノードB、無線ネットワークコントローラ(RNC)、リレーノード、測位ノード、エボルブドサービングモバイルロケーションセンタ(E−SMLC)、ロケーションサーバ、リピータ、アクセスポイント(AP)、無線アクセスポイント、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモートアンテナユニット(RAU)、分散アンテナシステム(DAS)におけるMSR BSノードなどのマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、SONノード、運用保守(O&M)ノード、OSS、MDTノード、コアネットワークノード、モビリティ管理エンティティ(MME)などのうちのいずれか1つまたは複数を備え得る任意の種類のネットワークノードであり得る。
【0030】
本発明による実施形態の一態様は、それによって、ウェイクアップ受信機機能を有する局が、局の通信をサポートしているアクセスポイントによって送信されるWUSの範囲内に局があるか否かを決定することが可能である機構である。
【0031】
本発明の、必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態の別の態様では、局がWUSの範囲内にあるか否かに関する情報が、サポートしているアクセスポイントに与えられ、アクセスポイントは、有利には、アクセスポイントが、局に送られるべきデータを有するときはいつでも、システムパフォーマンスを改善するためにこの情報を使用することが可能である。
【0032】
本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態のまた別の態様では、局がWUSの範囲内にあるか否かを決定することは、1つまたは複数のWUSが、予想されるときに受信されていないことを検出することに基づく。
【0033】
いくつかの代替実施形態では、局がWUSの範囲内にあるか否かを決定することは、局のメイン受信機によって行われるWUS品質測定に基づく。
【0034】
次に、これらおよび他の態様について、以下でさらに詳細に説明する。説明を促進するために、限定はしないが、WUSの範囲が802.11信号の範囲よりも小さい、したがって、ウェイクアップ受信機のためのカバレッジエリアがメイントランシーバのカバレッジエリアよりも小さい、図2に示されている状況などの状況、またはそれに類似する状況について考える。この非限定的な例では、5つの局、STA201、STA203、STA205、STA207、およびSTA209が示されている。AP211が、局が実際にはWUSを受信するための範囲内にないときに、局がWUSを受信するための範囲内にあると仮定した場合、AP211は、それらの送信に対する応答を得ることなしに、その局による受信のために設定されたWUSを送信し続け得る。同様に、局がWUSの範囲内にないときに、局がWUSの範囲内にあると局が仮定した場合、局は、局のメイントランシーバをスリープ状態に入れ、次いで、APが局にWUSを送っているときでもメイントランシーバをオンにしないことによって、局自体を到達不可能にし得る。
【0035】
本明細書で提示するこのおよび他の実施形態では、局は、局のメイントランシーバによってアクセスポイントとの関連付けを前に確立していると見なされる。この関連付けの間、アクセスポイントおよび局はまた、両方がウェイクアップ受信機対応であること、すなわち、アクセスポイントがWUSを送信することが可能であること、および局が、WUSを受信することが可能なウェイクアップ受信機を有することを示す情報を交換したと仮定される。
【0036】
ウェイクアップ受信機機能に関する情報のこの交換に続く送信において、アクセスポイントは、対応する局へのWUS送信を使用してダウンリンクデータ利用可能性を示し得る。
【0037】
また、本明細書で提示するこのおよび他の実施形態では、アクセスポイントは、ウェイクアップ受信機による受信のために設定された信号を周期的に送る。この信号は、(一般に短い)同期信号として、またはWUSとしてのいずれかで、動的に設定され得る。WUSは、アクセスポイントが、メイン受信機がアクティブ化されることを必要とする、局に送るための何かを有するときにのみ、送られる。さもなければ、アクセスポイントは信号を同期信号として設定する。本明細書で説明する例示的な実施形態では、WUSが周期的送信中に同期信号に取って代わることが仮定されるが、このことは、本発明による実施形態の本質的特徴でない。
【0038】
「周期的」という用語は、本明細書では、実質的に一定の間隔での送信を示すために使用される。本明細書で説明する例示的な実施形態では、チャネルは、送信が行われ得る前に(たとえば、「リッスンビフォアセンド」メディアアクセスストラテジーを使用して)利用可能でなければならず、このことは、時々、信号送信におけるいくらかの遅延を生じさせ得る。そのような遅延にもかかわらず、実質的に一定の間隔での送信は、その用語が本明細書で使用される際、「周期的」であると見なされる。
【0039】
さらに、このおよび他の例では、信号が同じ電力レベルで送られるという仮定がなされるが、このことは、本発明による実施形態の本質的態様でない。
【0040】
周期的送信のためのデューティサイクルは、いくつかの実施形態では、アクセスポイントによってサーブされるすべての局について一様であり得る。しかし、代替実施形態では、局は、(受信品質ならびに電力レベルおよび消費などに応じて)局のデューティサイクルを個々に設定し得、このデューティサイクル設定はアクセスポイントにシグナリングされ、アクセスポイントは、その間に局のウェイクアップ受信機がオンであることが知られているところの時間のウィンドウの間にWUSが送られるように、アクセスポイントの動作を調整する。
【0041】
本発明による実施形態のある態様を示すために、図3を参照し、図3は、アクセスポイント、AP301と、メイントランシーバとウェイクアップ受信機の両方を有する局STA303との間のシグナリング、ならびにそれらのある機能を示す。
【0042】
ステップS1に示されているように、STA303は、STA303がウェイクアップ受信機対応である(すなわち、STA303が、メイントランシーバに加えて、上記で説明したようなウェイクアップ受信機を備える)ことをAP301にシグナリングする。必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、シグナリング305によって図3に表された、追加の初期化シグナリングがあり得る。たとえば、AP301は、STA303がウェイクアップ受信機対応であることをSTA303が示したことに応答して、AP301が、STA303に送るためのダウンリンク(DL)データを有する場合に、AP301が、WUSが送られるようにAP301の動作を調整することをSTA303に通知することによって応答し得る。さらに、DLデータが利用可能になる前にかなりの時間があり得るので、AP301はまた、AP301があらかじめ規定された間隔でウェイクアップ信号または他のタイプの同期信号を送ることをSTA303に通知し得、これらの信号は、STA303が、STA303のメイントランシーバをアクティブ化する必要なしにSTA303自体を同期させるためにSTA303のウェイクアップ受信機を使用することを可能にする目的のためのものである。AP301は、次いで、ステップS2によって表されるように、これらの信号のうちの1つまたは複数を送る。
【0043】
STA303は、STA303自体を同期させるためにこれらの信号を使用し、ウェイクアップ受信機がデューティサイクル化される(すなわち、STA303が一部の時間のみアクティブに受信する)場合、これらの周期信号はまた、ウェイクアップ受信機がそれのオフ状態にあるときに潜在的に起こり得る時間ドリフトを補償するために使用される。
【0044】
これらの実施形態の態様をさらに示すために、STA303は、ある時点でWUSの範囲を越えて移動する(ステップS3)が、このことを知らないと仮定する。その後のある時点で、AP301は、ウェイクアップ受信機のための次の周期信号を送る(ステップS4)が、STA303が範囲外であるので、信号はSTA303によって受信されない。STA303は、それでも、Tで示されたある量の時間、信号をリッスンする。
【0045】
STA303が範囲外であることを検出することは、いくつかの代替方法で達成され得る。1つの代替では、STAは、時間期間Tにわたって同期/WUS信号を受信するSTAの能力を査定する(ステップS5)。この情報を使用して、STA303は、時間Tの間に逃された同期/WUSの数が非常に高いことを検出したことに基づいて、STA303が範囲外であることを決定し得る。この場合にも、いくつかの代替がある。たとえば、非常に多くの信号が逃されたことを決定することは、あるあらかじめ規定された数N(たとえば、N=3)よりも多い連続する信号を逃すことを意味し得る。別の代替として、STA303が範囲外であるという決定は、最近のN個の同期/WUS信号のうちのある所定の数M個が受信されなかったことを検出したことに基づいてなされ得、ここで、MおよびNは両方とも正の整数(たとえば、M=7およびN=10)である。
【0046】
STA303がWUR信号の範囲外であることを検出したことに応答して、STA303は、STA303が範囲外であることをAP301にシグナリングする(ステップS6)。応答して、AP301は、STAのウェイクアップ受信機機能に依拠しないように、AP301の動作をそれに応じて調整する。たとえば、AP301は、AP301がSTA303へのダウンリンク送信のために利用可能なデータを有することをSTA303に示すために、(たとえば、STAのメイントランシーバによる受信のために設定された)従来の(レガシー)信号を送信し得る(ステップS7)。
【0047】
次に、図4を参照しながら本発明による実施形態のさらなる態様について説明し、図4は、ある点では、本発明による必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、ウェイクアップ受信機対応モバイルデバイスによって実行されるステップ/プロセスのフローチャートを示す。別の点では、図4はまた、図に示された行為を実行するように設定された様々な回路の構成を示しており、本明細書でさらに説明するように、そのような回路は、ウェイクアップ受信機対応モバイルデバイス(局)中に備えられている。
【0048】
図示されたプロセスの目的は、モバイルデバイスのウェイクアップ受信機が、ウェイクアップ受信機による受信のために設定された、アクセスポイントの送信された信号(以下、「WUR信号」)の範囲内にあるかどうかを決定することである。例示的なプロセスは、WUR信号を受信するための各試みとともに反復されるループとして設定され、各ループ実行は、たとえば、本明細書では一般にi(ここでiは整数である)によって示される連続的に番号を付けられる。ループの初期部分において、モバイルデバイスは、WUR信号を受信するi番目の試みを行う(ステップ401)。
【0049】
ステップ401に示されているように、WUR信号を受信することを試みることは、いくつかの異なる方法で実行され得る。必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、これらの試みはウェイクアップ受信機によって行われる。そのような試みは成功することもしないこともあり、それらの結果は、説明するように、後続のステップにおいて使用され得る。
【0050】
代替実施形態では、WUR信号を受信する試みは、ウェイクアップ受信機によってではなく、モバイルデバイスのメイン受信機によって行われる。さらに他の代替では、WUR信号を受信する試みは、モバイルデバイスのメイン受信機によって行われ、ウェイクアップ受信機によっても行われる。この目的でのメイン受信機の使用は、好ましくは、ウェイクアップ受信機がいくつかのWUR信号を逃した場合に限られる。そのような実施形態は、ウェイクアップ受信機の感度に比較して、メイン受信機のより良い感度を利用することが可能であるという利益を有する。このより良い感度を用いて、WUR信号の範囲は、効果的に、(同等の送信電力が各々に印加されると仮定して)少なくとも「通常」データ通信の範囲と同じぐらいに大きくされる。メイン受信機によってWUR信号を受信したとき、WUR信号の信号品質が決定される。モバイルデバイスは、ウェイクアップ受信機の感度を知っているように設定されるべきであり、この情報を用いると、モバイルデバイスが、メイン受信機によって得られた信号品質に基づいて、ウェイクアップ受信機がWUR信号を検出することが可能であったかどうかを決定することが容易になる。
【0051】
例として、ウェイクアップ受信機の感度は−80dBmであり、メイン受信機の感度は−100dBmであると仮定する。メイン無線機によってWUR信号を受信すると(受信は、受信電力が−100dBmを上回る限り可能である)、信号電力が推定され得る。推定された電力が−80dBmを下回る場合、ウェイクアップ受信機がカバレッジ外であることが決定され、推定された電力が−80dBmを上回る場合、ウェイクアップ受信機はカバレッジ内である。
【0052】
これらの例示的な実施形態についてさらに説明するために、メイン受信機は、ウェイクアップ受信機がWUR信号の範囲内にあるかどうかを決定するために通常動作中に使用される。これが当てはまるとき、メイン受信機は、スリープモードに入れられることを許可され得、ウェイクアップ受信機は、データが利用可能であるときにメイン受信機を再起動するために使用される。局が、メイン受信機がスリープモードにある間にWUR信号の範囲外に移動した場合、ウェイクアップ受信機は、WUR信号のうちのいくつかを逃し始めることになる(たとえば、ウェイクアップ受信機は、周期的に送信される同期信号を逃すことになる)。ウェイクアップ受信機は、WUR信号を受信するためにメイン受信機をオンにすることによって、ウェイクアップ受信機がWUR信号を逃したことを検出したことに応答する。
【0053】
メイン受信機は、ウェイクアップ受信機よりも良い感度を有するので、メイン受信機は、それの受信試みに成功する可能性があり、次いで、メイン受信機はまた、信号の品質を決定することができる。
【0054】
ウェイクアップ受信機が最初に(たとえば、デバイスが最初にオンにされたとき)範囲外である事例では、ウェイクアップ受信機は単にまったく使用されないことになり、メイン受信機は、WUR信号を監視するためにすべての必要な機能を実行し、モバイルデバイスが範囲外であることをアクセスポイントに通知することをアクティブ化する。
【0055】
この試みに基づいて、図4に示されたさらなるステップを続けると、WUR信号が、所定の最小品質基準を満たす信号品質で受信されたか否かを示す、i番目の検出結果が生成される(ステップ403)。
【0056】
1つまたは複数の検出結果(たとえば、ある0でない数K個の最も最近の検出結果)が、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にあるか否かを決定するための基礎として使用される(ステップ405)。前述のように、このことは、たとえば、あるあらかじめ規定された数Nよりも多い連続する信号が逃されたことを検出することを含み得る。別の非限定的な例として、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にあるか否かを決定することは、最新のN個のWUR信号のうちのある所定の数M個が受信されなかったことを検出することを含むことができ、ここで、MおよびNは両方とも正の整数である。
【0057】
後続のステップは、どんな決定がなされたかに基づいて条件付きで実行される。決定が、モバイルデバイスのウェイクアップ受信機がWUR信号の範囲内にあるということである場合(決定ブロック407からの「はい」経路)、動作は、アクセスポイントから受信されるためのデータがあるときに、メイン受信機を起動するためにウェイクアップ受信機を利用するように設定される(ステップ409)。ループカウンタiが増分され(ステップ411)、実行はステップ401に戻る。
【0058】
しかし、決定が、モバイルデバイスのウェイクアップ受信機がWUR信号の範囲内にないということである場合(決定ブロック407からの「いいえ」経路)、動作は、モバイルデバイスの動作を調整するように設定される。必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスの動作を調整することは、ウェイクアップ受信機機能に依拠せずにメイン受信機を動作させることを含む。必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスの動作を調整することは、このモバイルデバイスへの送信を開始することを試みるときに、アクセスポイントがウェイクアップ受信機に依拠するべきでないことをアクセスポイントが知るように、ウェイクアップ受信機がアクセスポイントの範囲内にないことを通知する指示をアクセスポイントに送ることを含む。いくつかの実施形態では、アクセスポイントは、このモバイルデバイスへのダウンロードのためにデータが利用可能であるときに、WUSの代わりにレガシー送信を使用することによって応答する。(たとえば、前述した図3におけるステップS7を参照されたい。)
【0059】
本発明による実施形態のさらなる態様を参照すると、図5は、図2図3、および図4とともになど、上記で説明したような本発明の様々な態様を実行するための要素のブロック図である。特に、局501は、送信機505とメイン受信機507とを備えるトランシーバ(TRX)503を含む。メイン受信機507が、信号を受信する必要がないときに電力節約状態に入ることを可能にするために、局501はまた、上記で説明したようなウェイクアップ受信機509を含む。ウェイクアップ受信機509はトランシーバ503に動作可能に結合される。
【0060】
トランシーバ503およびウェイクアップ受信機509が共通のアンテナ513にアクセスすることを可能にするアンテナインターフェース511も提供される。他の設定では、各受信機は受信機自体のアンテナを有することができる。
【0061】
様々な要素の制御、ならびに局501がWUR信号の範囲外であるかどうかに関する意思決定は、局コントローラ515によって実行され、局コントローラ515は、局コントローラ515自体と他の構成要素との間で関連する制御信号および他の情報信号を送り、受信する。
【0062】
例示的な局501の他の態様が図6に示されており、図6は、本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、ウェイクアップ受信機対応モバイルデバイス/局の例示的なコントローラ601を示す。特に、コントローラは、上記で説明した様々な機能のいずれか1つまたは任意の組合せを実行するように設定された回路を含む。そのような回路は、たとえば、完全ハードワイヤード回路(たとえば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路−「ASIC」)であり得る。しかしながら、図6の例示的な実施形態に示されているのは、1つまたは複数のメモリデバイス605(たとえば、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、読取り専用メモリなど)と、局(たとえば、図5の局501参照)の他の要素との双方向通信を可能にするインターフェース607とに結合されたプロセッサ603を備える、プログラマブル回路である。(1つまたは複数の)メモリデバイス605は、限定はしないが、図2図3、および図4に関して説明したものなど、上記で説明した態様のいずれかを実行するように、プロセッサ603に他の局要素を制御させるように設定されたプログラム手段609(たとえば、プロセッサ命令のセット)を記憶する。(1つまたは複数の)メモリデバイス605はまた、プロセッサ603によって必要とされ得るように、および/またはプログラム手段609によって指定されたものなど、メモリデバイス605の機能を実行するときに生成され得るように、様々な定数パラメータと変数パラメータとを表すデータ(図示せず)を記憶し得る。
【0063】
次に、図7を参照しながら、本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの実施形態のさらなる態様について説明し、図7は、ある点では、本発明による、必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、アクセスポイントによって実行されるステップ/プロセスのフローチャートを示す。他の点では、図7はまた、図に示された行為を実行するように設定された様々な回路の構成を示し、本明細書でさらに説明するように、そのような回路は、本明細書で説明する実施形態に一致するウェイクアップ受信機対応モバイルデバイス(局)とともに動作するように設定されたアクセスポイント中に備えられる。
【0064】
前の説明から諒解されるように、アクセスポイントは、局のセットを効果的に処理する必要があり得、局のうちのいくつかの局はWUR信号カバレッジエリア内にあり、他の局はWUR信号カバレッジエリア内にない。したがって、例示的な実施形態では、アクセスポイントは、所与の局がウェイクアップ受信機対応であるかどうかを確認するために(前に説明した)初期シグナリングを使用する。ウェイクアップ受信機対応でない場合(決定ブロック701からの「いいえ」経路)、アクセスポイントは、ダウンリンクデータ利用可能性を示すためにもっぱらレガシー信号を使用する(ステップ703)。
【0065】
しかし、局がウェイク受信機対応である場合(決定ブロック701からの「はい」経路)、どのように動作させるかの決定は、局がWUR信号カバレッジエリア内にあるか否かに基づく。前に説明したように、この情報は局自体からシグナリングされ得る。(たとえば、図3におけるステップS6を参照されたい。)局がWUR信号範囲内にある場合(決定ブロック705からの「はい」経路)、アクセスポイントは、モバイルデバイスへの送信のために利用可能なデータがあるときに、局のウェイクアップ受信機にウェイクアップ信号を送信する(ステップ707)。
【0066】
しかし、局がWUR信号範囲内にない場合(決定ブロック705からの「いいえ」経路)、ウェイクアップ受信機はWUR信号に応答することができない。したがって、アクセスポイントは、局への送信のために利用可能なデータがあるときに、局への代替送信(たとえば、レガシーシグナリング)を使用し、代替送信は、モバイルデバイスのメイン受信機による受信のために設定される。
【0067】
本発明による実施形態のさらなる態様を参照すると、図8は、図2図3、および図4とともになど、上記で説明したような本発明の様々な態様を実行するためのアクセスポイントのいくつかの要素(たとえば、回路)を示す。特に、アクセスポイント801は、送信機805と受信機807とを備えるトランシーバ(TRX)803を含む。
【0068】
トランシーバ803は、信号の送信および受信を可能にするためにアンテナ813に結合される。
【0069】
様々な要素の制御、ならびに様々な局のウェイクアップ無線機能に関連する機能はアクセスポイントコントローラ815によって実行され、アクセスポイントコントローラ815は、アクセスポイントコントローラ815自体と他の構成要素との間で関連する制御信号および他の情報信号を送り、受信する。
【0070】
例示的なアクセスポイント801の他の態様は図9に示されており、図9は、本発明による必ずしもすべてではないが、いくつかの例示的な実施形態による、アクセスポイントの例示的なコントローラ901を示す。特に、コントローラ901は、上記で説明した様々な機能のいずれか1つまたは任意の組合せを実行するように設定された回路を含む。そのような回路は、たとえば、完全ハードワイヤード回路(たとえば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路−「ASIC」)であり得る。しかしながら、図9の例示的な実施形態に示されているのは、1つまたは複数のメモリデバイス905(たとえば、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、読取り専用メモリなど)と、アクセスポイント(たとえば、図8のアクセスポイント801を参照されたい)の他の要素との双方向通信を可能にするインターフェース907とに結合されたプロセッサ903を備えるプログラマブル回路である。(1つまたは複数の)メモリデバイス905は、限定はしないが、図2図3、および図4に関して説明したものなど、上記で説明した態様のいずれかを実行するように、プロセッサ903に他のアクセスポイント要素を制御させるように設定されたプログラム手段909(たとえば、プロセッサ命令のセット)を記憶する。(1つまたは複数の)メモリデバイス905はまた、プロセッサ903によって必要とされ得るように、および/またはプログラム手段909によって指定されたものなど、メモリデバイス905の機能を実行するときに生成され得るように、様々な定数パラメータと変数パラメータとを表すデータ(図示せず)を記憶し得る。
【0071】
様々な実施形態は、以前の技術に勝るいくつかの利点を与える。たとえば、例示的な実施形態の態様は、WURのためのカバレッジエリアがメイントランシーバのためのカバレッジエリアよりも小さい状況でも、WURの効率的な使用を可能にする。このことは、それが極めて簡単なWURの適用可能性を高めるので、電力消費の低減を可能にする。
【0072】
さらに、いくつかの実施形態では、所与のSTAがWUSの範囲内にあるかどうかに関する知識が、APに与えられる。APは、WUSの範囲内にあるSTAのためにのみウェイクアップ信号をより効果的に使用するためにこの情報を有利に使用することができる。
【0073】
本発明について、特定の実施形態に関して説明した。しかしながら、上記で説明した実施形態のもの以外の特定の形態において本発明を実施することが可能であることが、当業者に容易に明らかになろう。したがって、説明した実施形態は、単に例示的なものであり、いかなる点においても限定的であると考えられるべきではない。本発明の範囲は、先行する説明によってのみではなく、添付の特許請求の範囲によってさらに示され、特許請求の範囲の範囲内に入るすべての変形形態および等価物は、その中に包含されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9