(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つまたは複数のカチオン性界面活性剤が、セトリモニウムクロライド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアリモニウムクロライド(stearimonium chloride)、ベヘントリモニウムクロライド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロライド(stearamidopropyltrimonium chloride)、アラキドトリモニウムクロライド(arachidtrimonium chloride)、ジステアリルジモニウムクロライド、ジセチルジモニウムクロライド、トリセチルモニウムクロライド(tricetylmonium chloride)、オレアミドプロピルジメチルアミン(oleamidopropyl dimethylamine)、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン(oleyl hydroxyethyl imidazoline)、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン(behenamidopropyldiethylamine)、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン(behenamidoethyldimethylamine)、アラキドアミドプロピルジメチルアミン(arachidamidopropyldimethylamine)、アラキドアミドプロピルジエチルアミン(arachidamidopropyidiethylamine)、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、クォータニウム−91またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
1つまたは複数の脂肪族化合物が、油、蝋、バター、アルカン類、脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(例として、アルコキシル化脂肪酸、または脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、または脂肪酸のプロピレングリコールエステル、または脂肪酸のブチレングリコールエステル、またはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステル、または脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステル、またはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステル、または脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、蝋、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミドまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
1つまたは複数のカチオン性界面活性剤が、セトリモニウムクロライド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアリモニウムクロライド(stearimonium chloride)、ベヘントリモニウムクロライド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロライド(stearamidopropyltrimonium chloride)、アラキドトリモニウムクロライド(arachidtrimonium chloride)、ジステアリルジモニウムクロライド、ジセチルジモニウムクロライド、トリセチルモニウムクロライド(tricetylmonium chloride)、オレアミドプロピルジメチルアミン(oleamidopropyl dimethylamine)、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン(oleyl hydroxyethyl imidazoline)、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン(behenamidopropyldiethylamine)、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン(behenamidoethyldimethylamine)、アラキドアミドプロピルジメチルアミン(arachidamidopropyldimethylamine)、アラキドアミドプロピルジエチルアミン(arachidamidopropyidiethylamine)、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、クォータニウム−91またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
1つまたは複数の脂肪族化合物が、油、蝋、バター、アルカン類、脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(例として、アルコキシル化脂肪酸、または脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、または脂肪酸のプロピレングリコールエステル、または脂肪酸のブチレングリコールエステル、またはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステル、または脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステル、またはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステル、または脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、蝋、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミドまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18または19に記載の方法。
化学リラクサー組成物のみで処置した毛髪と比較して少なくとも10%、毛髪のヤング率平均値を増大することを含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
様々な態様は、これらの配置に限定されず、手段は、図面において示されることが理解されるべきである。
【0019】
本開示の方法は、化学リラクサー処理した毛髪を、毛髪を中和し、強化し、その美容特性を改善する一連のユニークな毛髪処置組成物で処置することを含む。例えば、化学リラクサー組成物を毛髪からすすいだ後、毛髪を中和組成物で、ある期間の間処置し、続いて中和コンディショナーで、ある期間の間処置する。毛髪から中和組成物および中和コンディショナーをすすいだ後、毛髪を、通常の洗髪および任意選択の調整ルーチンに供し、乾燥させ、スタイリングしてもよい。
【0020】
特に、本方法は:
− 毛髪から化学リラクサー組成物をすすいでから約24、6または1時間以内に中和組成物を毛髪に適用することであって、中和組成物が:
マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、グリオキシル酸一水和物、それらの塩およびそれらの混合物、特に、マレイン酸、マロン酸、それらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも0.5重量%の少なくとも1つのカルボン酸;
1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類、特に、モノエタノールアミン;および
水
を含む、中和組成物を毛髪に適用することと;
− 中和組成物を毛髪上に、ある期間(例えば、約10秒間〜約30分間、約5分間〜約15分間または約8〜約12分間)の間残存させることと;
− 中和組成物を毛髪上に、ある期間の間残存させた後、毛髪から中和組成物をすすがず、中和コンディショナー(中和コンディショナーは中和組成物とは異なる組成物である)を適用することであって、中和コンディショナーが:
マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、グリオキシル酸一水和物およびそれらの混合物、特に、マレイン酸、マロン酸、それらの塩またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも0.5重量%の少なくとも1つのカルボン酸;
1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類、特に、モノエタノールアミン;
1つまたは複数のカチオン性界面活性剤;および
水
を含む、中和コンディショナーを適用することと;
− 中和コンディショナーを毛髪上に、ある期間(例えば、約10秒間〜約30分間、約5分間〜約15分間または約8〜約12分間)の間残存させることと;
− 中和コンディショナーを毛髪上に、ある期間の間残存させた後、毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすぐことと
を含む。
【0021】
毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすいだ後、毛髪をさらに、シャンプーで洗髪し、かつ/またはコンディショナーで調整してもよい。また、毛髪を続いて、乾燥およびスタイリングしてもよく、例えば、毛髪をヘアドライヤーで乾燥させ、かつ/またはホットアイロンでスタイリングしてもよい。
【0022】
中和組成物および中和コンディショナーは、同一の組成物ではないが、それらは共に、同一のカルボン酸および/または同一のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類を含み得る。中和コンディショナーは典型的に、調整特性を毛髪に提供する成分、例えば、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、水溶性溶媒、脂肪族化合物などを含むことによって中和組成物とは異なる。中和組成物は、化学リラクサー処理した毛髪のpHの最初の中和を提供する、すなわち、中和組成物は、化学リラクサー処理した毛髪のアルカリpH(約8〜10のpH)を7未満の酸性pHに低減する。中和コンディショナーは、毛髪のpHを中和し続ける(すなわち、毛髪のpHを低減し続ける)が、それはさらに、調整、強化および他の望ましい特性を毛髪に提供する。
【0023】
中和組成物は、毛髪への適用前に希釈される濃縮組成物として提供してもよい。濃縮中和組成物は、毛髪への適用前に、例えば、水で希釈され得る。一部の場合、濃縮中和組成物は、約1:1〜約1:10(濃縮中和組成物:水)の比で水により希釈される。また、希釈比は、約1:2〜約1:8、約1:3〜約1:7、約1:4〜約1:6または約1:6(すなわち、1部の濃縮中和組成物を6部の水と混合する)であり得る。濃縮中和組成物の非限定的な例は:
i.マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、グリオキシル酸一水和物、それらの塩およびそれらの混合物、特に、マレイン酸、マロン酸、それらの塩およびそれらの混合物、特に、マレイン酸、マロン酸、それらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される約1〜約30重量%、約2〜約25重量%または約5〜約20重量%の少なくとも1つのカルボン酸;
ii.約1〜約20重量%、約1〜約15重量%または約2〜約10重量%の1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類、特に、モノエタノールアミン;および
iii.約50〜約95重量%、約60〜約90または約70〜約90重量%の水
を含む。
【0024】
中和組成物は、追加の成分、例えば、水溶性溶媒、増粘剤、防腐剤、香料などを含み得る。それにもかかわらず、追加の成分は必要ではなく、除外してもよい。毛髪処置組成物中に含まれ得る追加の成分の非限定的な例は、後に「水溶性溶媒」、「増粘剤」などの見出しの下に提供する。
【0025】
中和組成物は多くの場合、液体の形態で提供されるが、ジェル、フォーム、ローション、クリーム、ムース、エマルションなどの形態であってもよい。液体の形態の濃縮中和組成物は、例えば、水で希釈し、スプレイ瓶で毛髪に適用してもよい。
【0026】
中和組成物中の少なくとも1つのカルボン酸、その塩またはその混合物の全量の、中和組成物中の1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類の全量に対する比は、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1または約1:1〜約3:1である。希釈は、カルボン酸、その塩またはその混合物の、1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類に対する比に影響を及ぼさないので、この比は、中和組成物が濃縮型であるか、希釈型(使用準備済み)であるかにかかわらず、適用される。
【0027】
毛髪に適用される場合(希釈された後、または使用準備済みの組成物として提供される場合)の中和組成物中の1つまたは複数のカルボン酸の全量は、変動し得るが、典型的に、中和組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5〜約10重量%、約1〜約8重量%または約1〜約6重量%である。一部の場合、中和組成物中の1つまたは複数のカルボン酸の全量は、少なくとも0.5〜約10重量%、少なくとも0.5〜約8重量%、少なくとも0.5〜約6重量%、少なくとも0.5〜約4重量%、約0.5〜約2重量%、約1〜約10重量%、約1〜約8重量%、約1〜約6重量%、約1〜約4重量%または約1〜約2重量%である。
【0028】
毛髪に適用される場合(希釈された後、または使用準備済みの組成物として提供される場合)の中和組成物中の1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類の全量は、変動し得るが、典型的に、中和組成物の総重量に基づいて、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約8重量%または約0.5〜約6重量%である。一部の場合、1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類の全量は、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約8重量%、約0.1〜約6重量%、約0.1〜約4重量%、約0.1〜約2重量%、約0.1〜約1重量%、約0.3〜約10重量%、約0.3〜約8重量%、約0.3〜約6重量%、約0.3〜約4重量%、約0.3〜約2重量%、約0.3〜約1重量%、約0.5〜約10重量%、約0.5〜約8重量%、約0.5〜約6重量%、約0.5〜約4重量%、約0.5〜約2重量%または約0.5〜約1重量%である。
【0029】
毛髪に適用される場合(希釈された後、または使用準備済みの組成物として提供される場合)の中和組成物中の水の全量は、変動し得るが、典型的に、中和組成物の総重量に基づいて、約50〜約99重量%、約60〜約98重量%または約70〜約98重量%である。一部の場合、水の全量は、約50〜99重量%、約60〜約99重量%、約70〜約99重量%、約80〜約99重量%、約85〜約99重量%、約60〜約98重量%、約70〜約98重量%、約80〜約98重量%、約85〜約98重量%または約80〜約97重量%であり得る。
【0030】
本方法で使用される中和コンディショナーは典型的に:
i.マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、グリオキシル酸一水和物およびそれらの混合物、特に、マレイン酸、マロン酸、それらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも0.5重量%の少なくとも1つのカルボン酸;
ii.1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類、特に、モノエタノールアミン;
iii.1つまたは複数のカチオン性界面活性剤;および
iv.水
を含む。
【0031】
中和状態は、追加の成分、例として、例えば、脂肪族化合物、水溶性溶媒、カチオン性ポリマー、増粘剤、pH調節剤、防腐剤、香料などを含み得る。中和コンディショナーは、液体、ジェル、フォーム、ローション、クリーム、ムース、エマルションなどの形態で提供され得る。
【0032】
中和コンディショナー中の少なくとも1つのカルボン酸、その塩またはその混合物の全量の、中和コンディショナー中の1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類の全量に対する比は、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1または約1:1〜約3:1である。
【0033】
中和コンディショナー中の1つまたは複数のカルボン酸の全量は、変動し得るが、典型的に、中和コンディショナーの総重量に基づいて、少なくとも0.5〜約10重量%、約1〜約8重量%または約1〜約6重量%である。一部の場合、中和コンディショナー中の1つまたは複数のカルボン酸の全量は、少なくとも0.5〜約10重量%、少なくとも0.5〜約8重量%、少なくとも0.5〜約6重量%、少なくとも0.5〜約4重量%、約0.5〜約2重量%、約1〜約10重量%、約1〜約8重量%、約1〜約6重量%、約1〜約4重量%または約1〜約2重量%である。
【0034】
中和コンディショナー中の1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類の全量は、変動し得るが、典型的に、中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約8重量%または約0.5〜約6重量%である。一部の場合、1つまたは複数のC
2〜C
6モノアルカノールアミン類の全量は、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約8重量%、約0.1〜約6重量%、約0.1〜約4重量%、約0.1〜約2重量%、約0.1〜約1重量%、約0.3〜約10重量%、約0.3〜約8重量%、約0.3〜約6重量%、約0.3〜約4重量%、約0.3〜約2重量%、約0.3〜約1重量%、約0.5〜約10重量%、約0.5〜約8重量%、約0.5〜約6重量%、約0.5〜約4重量%、約0.5〜約2重量%または約0.5〜約1重量%である。
【0035】
多くのカチオン性界面活性剤は周知であり、中和コンディショナー中で使用され得る。カチオン性界面活性剤の非限定的な例として、セトリモニウムクロライド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアリモニウムクロライド(stearimonium chloride)、ベヘントリモニウムクロライド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロライド(stearamidopropyltrimonium chloride)、アラキドトリモニウムクロライド(arachidtrimonium chloride)、ジステアリルジモニウムクロライド、ジセチルジモニウムクロライド、トリセチルモニウムクロライド(tricetylmonium chloride)、オレアミドプロピルジメチルアミン(oleamidopropyl dimethylamine)、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン(oleyl hydroxyethyl imidazoline)、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン(behenamidopropyldiethylamine)、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン(behenamidoethyldimethylamine)、アラキドアミドプロピルジメチルアミン(arachidamidopropyldimethylamine)、アラキドアミドプロピルジエチルアミン(arachidamidopropyidiethylamine)、アラキドアミドエチジエチルアミン(arachidamidoethyidiethylamine)、アラキドアミドエチジメチルアミン(arachidamidoethyidimethylamine)、ミリスタミドプロピルPG−ジモニウムクロライドリン酸、ブラシシルイソロイシンエシレートおよびそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、中和コンディショナーは、少なくともセトリモニウムクロライド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルジメチルアミン、クォータニウム−91およびそれらの混合物を含む。
【0036】
毛髪処置組成物中に含まれ得るカチオン性界面活性剤のより網羅的なリストは、後に「カチオン性界面活性剤」という見出しの下に提供する。
【0037】
1つまたは複数のカチオン性界面活性剤の全量は、変動し得るが、典型的に、調整組成物の全量に基づいて、約0.1〜約20重量%、約0.5〜約15重量%または約1〜約10重量%である。一部の場合、1つまたは複数のカチオン性界面活性剤の全量は、約0.1〜約8重量%、約0.1〜約6重量%、約0.1〜約5重量%、約0.5〜約10重量%、約0.5〜約8重量%、約0.5〜約6重量%または約0.5〜約5重量%であり得る。
【0038】
中和コンディショナー中の水の全量は、変動し得るが、典型的に、中和コンディショナーの総重量に基づいて、約50〜約95重量%、約60〜約92重量%または約70〜約90重量%である。一部の場合、水の全量は、約50〜約95重量%、約55〜約95重量%、約60〜約95重量%、約65〜約95重量%、約70〜約95重量%、約75〜約95重量%、約80〜約95重量%、約60〜約92重量%、約70〜約92重量%、約80〜約92重量%、約60〜約90重量%、約70〜約90重量%または約80〜約90重量%であり得る。
【0039】
中和コンディショナーは、1つまたは複数の脂肪族化合物を含み得る。脂肪族化合物の非限定的な例として、油、鉱油、脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪アルコールのアルキルエーテル、脂肪アルコールの脂肪酸エステル、脂肪アルコールのアルキルエーテルの脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪アルコールのアルキルエーテルの脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸およびそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、調整組成物は、少なくとも鉱油、セテアリルアルコールまたはそれらの混合物を含む。中和コンディショナー中に含まれ得る脂肪族化合物のより網羅的なリストは、後に「脂肪族化合物」という見出しの下に提供する。
【0040】
1つまたは複数の脂肪族化合物の全量は、中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.1〜約40重量%であり得る。一部の場合、1つまたは複数の脂肪族化合物の全量は、約0.1〜約30重量%、約0.1〜約20重量%、約0.1〜約20重量%、約0.1〜約10重量%、約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%または約1重量%〜約10重量%であり得る。
【0041】
水溶性溶媒を、中和コンディショナー中に含めてもよい。「水溶性溶媒」という用語は、「水混和性溶媒」という用語と互換的であり、25℃で大気圧(760mmHg)にて液体である化合物を意味し、それは、これらの条件下で水中にて少なくとも50%の可溶性を有する。一部の場合、水溶性溶媒は、少なくとも60%、70%、80%または90%の可溶性を有する。水溶性溶媒の非限定的な例として、例えば、グリセリン、C
1〜4アルコール類、有機溶媒、脂肪アルコール類、脂肪エーテル類、脂肪エステル類、ポリオール類、グリコール類、植物油、鉱油、リポソーム、層状脂質物質またはそれらの任意の混合物が挙げられる。有機溶媒の例として、非限定的な言及は、モノアルコール類およびポリオール類、例として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコール、またはグリコール類もしくはグリコールエーテル類、例として、例えば、エチレングリコールのモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテル、プロピレングリコールもしくはそのエーテル、例として、例えば、プロピレングリコールのモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ならびにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテルもしくはモノブチルエーテルについてなされ得る。有機溶媒の他の好適な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオールおよびグリセリンである。有機溶媒は、揮発性化合物であっても、不揮発性化合物であってもよい。
【0042】
使用され得る水溶性溶媒のさらなる非限定的な例として、アルカンジオール類(多価アルコール類)、例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、(カプリリルグルコール)、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオールおよび4−メチル−1,2−ペンタンジオール;1〜4個の炭素原子を有するアルキルアルコール類、例として、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよびイソプロパノール;グリコールエーテル類、例として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルおよびジプロピレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0043】
一部の場合、水溶性溶媒は、1つまたは複数のグリコール類、C
1〜4アルコール類、グリセリンおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。一部の場合、水溶性溶媒は、ヘキシレングリコール、プロプレングリコール(proplene glycol)、カプリリルグルコール、グリセリン、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0044】
多価アルコール類は、有用である。多価アルコール類の例として、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールおよびそれらの混合物が挙げられる。また、ポリオール化合物を使用してもよい。非限定的な例として、脂肪族ジオール類、例として、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールおよび2−エチル−1,3−ヘキサンジオールならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0045】
中和コンディショナー中に含まれ得る水溶性溶媒のより網羅的なリストは、後に「水溶性溶媒」という見出しの下に提供する。
【0046】
中和コンディショナー中の1つまたは複数の水溶性溶媒の全量は、変動し得るが、一部の場合、中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.1〜約50重量%、約0.5〜約30重量%または約1〜約15重量%である。1つまたは複数の水溶性溶媒の全量は、約0.1〜約40重量%、約0.1〜約30重量%、約0.1〜約20重量%、約0.1〜約20重量%、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約5重量%、約1〜約50重量%、約1〜約40重量%、約1〜約30重量%、約1〜約20重量%、約1〜約10重量%または約1〜約5重量%であり得る。
【0047】
また、1つまたは複数の増粘剤を、中和コンディショナー中に含めてもよい。増粘剤の非限定的な例として、カルボン酸/カルボキシレート共重合体、カルボン酸およびアルキルカルボキシレートビニルポリマーの疎水性に改変した架橋共重合体、架橋アクリル酸ポリマー(カルボマー)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、カロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン、アルゲコロイド、デンプンベースのポリマー、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸ベースのポリマー、プロピレングリコールエステル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、無水ケイ酸ならびにそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、1つまたは複数の増粘剤は、架橋アクリル酸ポリマー(カルボマー)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、カラギーナン、デンプンベースのポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。一部の場合、中和コンディショナーは、少なくともヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0048】
中和コンディショナー中に含まれ得る増粘剤のより網羅的なリストは、後に「増粘剤」という見出しの下に提供する。
【0049】
1つまたは複数の増粘剤の全量は、変動し得るが、典型的に、中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.01〜約10重量%、0.05〜約5重量%または約0.1〜約4重量%である。1つまたは複数の増粘剤の全量は、約0.01〜約8重量%、約0.01〜約6重量%、約0.01〜約5重量%、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約8重量%、約0.1〜約6重量%、約0.1〜約5重量%、約0.5〜約10重量%、約0.5〜約8重量%、約0.5〜約6重量%または約0.5〜約5重量%であり得る。
【0050】
一部の場合、中和コンディショナーは、1つまたは複数のカチオン性ポリマーを含み得る。カチオン性ポリマーの非限定的な例として、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリクォータニウム−37、第4級化セルロース誘導体、ポリクォータニウム−4、ポリクォータニウム−10、ポリクォータニウム−11、カチオン性アルキルポリグリコシド類、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、ポリマージメチルジアリルアンモニウム塩およびそれらとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの第4級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾリウムメトクロライド共重合体、第4級化ポリビニルアルコール、ポリクォータニウム−2、ポリクォータニウム−7、ポリクォータニウム−17、ポリクォータニウム−18、ポリクォータニウム−24、ポリクォータニウム−27、ポリクォータニウム−72ならびにそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、1つまたは複数のカチオン性ポリマーは、ポリクォータニウム類、例えば、ポリクォータニウム−11、ポリクォータニウム−37またはそれらの混合物である。
【0051】
中和コンディショナー中に含まれ得るカチオン性ポリマーのより網羅的なリストは、後に「カチオン性ポリマー」という見出しの下に提供する。
【0052】
1つまたは複数のカチオン性ポリマーの全量は、変動し得るが、典型的に、中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.01〜約10重量%である。1つまたは複数のカチオン性ポリマーの全量は、約0.01〜約8重量%、約0.01〜約5重量%、約0.01〜約3重量%、約0.1〜約10重量%、約0.1〜約8重量%、約0.1〜約5重量%または約0.1〜約3重量%であり得る。
【0053】
本開示の一実施形態により、毛髪を処置するための方法は:
i.化学リラクサー組成物を毛髪に適用し、毛髪をリラクサー処理することであって、例えば、化学リラクサー組成物が:
a.1つもしくは複数の腐食剤、例として、水酸化ナトリウム、
b.1つもしくは複数の脂肪族化合物、1つもしくは複数の界面活性剤、
c.1つもしくは複数の水溶性溶媒および/または
d.1つもしくは複数のカチオン性ポリマー
を含む、毛髪をリラクサー処理すること、および化学リラクサー組成物を毛髪上に、毛髪を化学リラクサー処理するのに十分な期間(例えば、約5〜約30分間、約5〜約25分間または約10〜約20分間)の間残存させることと;
ii.典型的に、水で、毛髪から化学リラクサー組成物をすすぐことと;
iii.毛髪から化学リラクサー組成物をすすいでから約30、約15または約5分以内に中和組成物を毛髪に適用することであって、中和組成物が:
a.中和組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5〜約8重量%、約1〜約6重量%または約1〜約5重量%のマレイン酸および/またはその塩;
b.中和組成物の総重量に基づいて、約0.2〜約5重量%、約0.2〜約4重量%または約0.5〜約3重量%のモノエタノールアミン;ならびに
c.約75〜約99重量%、約85〜約98重量%または約90〜約98重量%の水
を含み、
中和組成物中のマレイン酸および/またはその塩の、モノエタノールアミド(monoethanolamide)に対する比が、約1:1〜約5:1、約1:1〜約1:4または約1:1〜約3:1(マレイン酸:モノエタノールアミン)である、
中和組成物を毛髪に適用することと;
iv.中和組成物を毛髪上に、ある期間、例えば、約8〜約15分間、約8〜約12分間または約10分間の間残存させることと;
v.中和組成物が毛髪上に、ある期間の間残存した後、毛髪から中和組成物をすすがず、中和コンディショナーを毛髪に適用することであって、中和コンディショナーが:
a.中和コンディショナーの総重量に基づいて、少なくとも0.5〜約8重量%、約1〜約6重量%または約1〜約5重量%のマレイン酸;
b.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.2〜約5重量%、約0.2〜約4重量%または約0.5〜約3重量%のモノエタノールアミン;
c.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.1〜約10重量%、約0.5〜約5重量%または約1〜約5重量%の1つまたは複数のカチオン性界面活性剤;
d.約0.5〜約20重量%、約1〜約15重量%または約1〜約10重量%の1つまたは複数の脂肪族化合物;
e.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.5〜約20重量%、約1〜約15重量%または約1〜約10重量%の1つまたは複数の水溶性溶媒;および
f.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約50〜約90重量%、約70〜約90重量%または約80〜約90重量%の水
を含み、
中和コンディショナー中のマレイン酸の、モノエタノールアミド(monoethanolamide)に対する比が、約1:1〜約5:1、約1:1〜約1:4または約1:1〜約3:1(マレイン酸:モノエタノールアミン)である、
中和コンディショナーを毛髪に適用することと;
vi.中和コンディショナーを毛髪上に、ある期間、例えば、約8〜約15分間、約8〜約12分間または約10分間の間残存させることと;
vii.毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすぐことと;
viii.毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすいだ後、シャンプーを毛髪に適用することと;
ix.毛髪からシャンプーをすすぐことと
を含む。
【0054】
毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすいだ後、毛髪をさらに、シャンプーで洗髪し、かつ/またはコンディショナーで調整してもよい。また、毛髪を続いて、乾燥およびスタイリングしてもよく、例えば、毛髪をヘアドライヤーで乾燥させ、かつ/またはホットアイロンでスタイリングしてもよい。別の実施形態においては、本開示による方法は:
A.化学リラクサー組成物を毛髪に適用し、毛髪をリラクサー処理することであって、例えば、化学リラクサー組成物が:
a.1つもしくは複数の腐食剤、例として、水酸化ナトリウム、
b.1つもしくは複数の脂肪族化合物、1つもしくは複数の界面活性剤、
c.1つもしくは複数の水溶性溶媒および/または
d.1つもしくは複数のカチオン性ポリマー
を含む、毛髪をリラクサー処理すること、および化学リラクサー組成物を毛髪上に、毛髪を化学リラクサー処理するのに十分な期間(例えば、約5〜約30分間、約5〜約25分間または約10〜約20分間)の間残存させることと;
B.毛髪から化学リラクサー組成物をすすぐことと;
C.毛髪から化学リラクサー組成物をすすいでから15分以内に中和組成物を毛髪に適用することであって、中和組成物が:
a.中和組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5〜約8重量%のマレイン酸および/またはその塩;
b.中和組成物の総重量に基づいて、約0.2〜約5重量%のモノエタノールアミン;ならびに
c.約85〜約98重量%の水
を含み、
中和組成物中のマレイン酸および/またはその塩の、モノエタノールアミド(monoethanolamide)に対する比が、約1:1〜約3:1である、
中和組成物を毛髪に適用することと;
D.中和組成物を毛髪上に約10分間の間残存させることと;
E.中和組成物が毛髪上に約10分間の間残存した後、毛髪から中和組成物をすすがず、中和コンディショナーを毛髪に適用することであって、中和コンディショナーが:
a.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約1〜約5重量%のマレイン酸および/またはその塩;
b.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.2〜約3重量%のモノエタノールアミン;
c.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.5〜約5重量%の1つまたは複数のカチオン性界面活性剤;
d.約0.5〜約20重量%の1つまたは複数の脂肪族化合物;
e.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約0.5〜約20重量%の1つまたは複数の水溶性溶媒;ならびに
f.中和コンディショナーの総重量に基づいて、約60〜約90重量%の水
を含み、
中和コンディショナー中のマレイン酸の、モノエタノールアミド(monoethanolamide)に対する比が、約1:1〜約3:1である、
中和コンディショナーを毛髪に適用することと;
F.中和コンディショナーを毛髪上に約10分間の間残存させることと;
G.毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすぐことと;
H.毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすいでから15分以内にシャンプーを毛髪に適用することと;
I.毛髪からシャンプーをすすぐことと
を含む。
【0055】
毛髪から中和コンディショナーおよび中和組成物をすすいだ後、毛髪をさらに、シャンプーで洗髪し、かつ/またはコンディショナーで調整してもよい。また、毛髪を続いて、乾燥およびスタイリングしてもよく、例えば、毛髪をヘアドライヤーで乾燥させ、かつ/またはホットアイロンでスタイリングしてもよい。
【0056】
本開示の方法において使用される組成物は、キットに組み込んでもよい。例えば、キットは、少なくとも1つの中和組成物および少なくとも1つの中和コンディショナーを含んでもよく、それらは別々に含有される。中和組成物は、濃縮中和コンディショナーであってもよく、それは毛髪への適用前に希釈される。濃縮中和組成物は、約1:1〜約1:10(濃縮中和組成物:水)の比で水にて希釈され得る。また、希釈比は、約1:2〜約1:8、約1:3〜約1:7、約1:4〜約1:6または約1:6であってもよい(例えば、1部の濃縮中和組成物を6部の水と混合する)。また、キットは、化学リラクサー処理組成物を含み得る。一部の場合、また、キットは、洗髪および/または洗浄組成物(例えば、シャンプー、コンディショナー(中和コンディショナーとは異なる)、コンディショニングシャンプー(オールインワンシャンプー/コンディショナー)など)を含んでもよい。指示書、混合用成分、ブラシ、手袋、測定ツールなどもまた、キットに含めてもよい。一実施形態においては、本開示によるキットは、少なくとも:濃縮中和組成物および中和シャンプーを含み、それらは別々に含有される。また、混合指示書および/または適用指示書(例えば、どのように濃縮中和組成物を希釈するかについての指示書および/または毛髪を処置するためにどのようにキットの組成物を使用するかについての指示書)が含まれる。
【0057】
本開示の組成物は、様々な異なる容器に包装され得る。有用な包装の非限定的な例として、押潰し可能な管および瓶を含む、管、ジャー、キャップ、単位用量包装、瓶などが挙げられる。
【0058】
本開示の方法は、化学リラクサー処理した毛髪の質および持続性を劇的に改善する。したがって、本開示は、化学リラクサー処理した毛髪へのダメージを修復し、最小限にし、かつ/または補うための方法に関する。さらに、本開示は、毛髪のケラチン繊維を再構築し、強化し、かつ/または若返らせるための方法に関する。これらの方針の中でも、本明細書で説明する試験によって示される通り、本開示は、毛髪のヤング率を改善するための方法、および毛髪の
破断応力を改善するための方法に関する。それゆえ、一部の場合、本方法は、説明する方法により処置していない化学リラクサー処理した毛髪と比較して(例えば、本開示の方法により処置した毛髪と同じ様式で処置したが、中和組成物および中和コンディショナーで処置していない毛髪と比較して)、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%またはそれよりも高く、化学リラクサー処理した毛髪のヤング率平均値を増大することに関する。一部の場合、ヤング率は、説明する方法により処置していない化学リラクサー処理した毛髪と比較して、約5〜約30%、約10〜約30%、約15〜約30%、約5〜約25%、約10〜約25%または約15〜約25%増大する。
【0059】
同様に、一部の場合、本方法は、説明する方法により処置していない化学リラクサー処理した毛髪と比較して(例えば、本開示の方法により処置した毛髪と同じ様式で処置したが、中和組成物および中和コンディショナーで処置していない毛髪と比較して)、少なくとも5%、10%、12%もしくは15%またはそれよりも高く、化学リラクサー処理した毛髪の
破断応力平均値を増大することに関する。一部の場合、
破断応力は、説明する方法により処置していない化学リラクサー処理した毛髪と比較して、約5〜約20%、約10〜約20%または約10〜約15%増大する。
【0060】
本開示の化学リラクサー組成物、中和組成物および中和コンディショナーにおいて有用な成分のより網羅的であるが非限定的なリストを、以下に提供する。
【0061】
カチオン性界面活性剤
「カチオン性界面活性剤」という用語は、本開示による組成物中に含有される場合、正に荷電している界面活性剤を意味する。この界面活性剤は、1つまたは複数の永久正電荷を帯びてもよく、または本開示による組成物中でカチオン化可能な1つまたは複数の官能基を含有してもよい。
【0062】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例として、ベヘナルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ベヘントリモニウムクロライド、ラウロルコニウムクロライド、セタルコニウムクロライド、セトリモニウムブロマイド、セトリモニウムクロライド、セチルアミンヒドロフルオリド(cethylamine hydrofluoride)、クロラリルメテナミンクロライド(chlorallylmethenamine chloride)(クォータニウム−15)、ジステアリルジモニウムクロライド(クォータニウム−5)、ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド(クォータニウム−14)、クォータニウム−22、クォータニウム−26、クォータニウム−18ヘクトライト、ジメチルアミノエチルクロライドヒドロクロライド、システインヒドロクロライド、ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレチルエーテルホスフェート(diethanolammonium POE(10)oletyl ether phosphate)、ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルエーテルホスフェート、タロウアルコニウムクロライド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、ステアラルコニウムクロライド、ドミフェンブロマイド、デナトニウムベンゾエート、ミリスタルコニウムクロライド、ラウリルトリモニウムクロライド(laurtrimonium chloride)、エチレンジアミンジヒドロクロライド、グアニジンヒドロクロライド、ピリドキシンHCl、イオフェタミンヒドロクロライド、メグルミンヒドロクロライド、メチルベンゼトニウムクロライド、ミルトリモニウムブロマイド、オレイルトリモニウムクロライド(oleyltrimonium chloride)、ポリクォータニウム−1、プロカインヒドロクロライド、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオリド、タロウトリモニウムクロライドおよびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドが挙げられる。
【0063】
カチオン性界面活性剤は、任意選択で、ポリオキシアルキレン化第1級、第2級もしくは第3級脂肪族アミン類またはその塩および第4級アンモニウム塩ならびにそれらの混合物から選択され得る。
【0064】
脂肪族アミン類は一般的に、少なくとも1つのC
8〜C
30炭化水素ベースの鎖を含む。
【0065】
とりわけ挙げられ得る第4級アンモニウム塩の例として:以下の一般式(III):
に対応する第4級アンモニウム塩が挙げられ、式中、R
8〜R
11基は、同一であっても、異なってもよく、1〜30個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和脂肪族基、または芳香族基、例として、アリールもしくはアルキルアリール、8〜30個の炭素原子および好ましくは12〜24個の炭素原子を含む基を示すR
8〜R
11基のうちの少なくとも1つを表す。脂肪族基は、ヘテロ原子、とりわけ、例として、酸素、窒素、硫黄およびハロゲンを含み得る。脂肪族基は、例えば、C
1〜C
30アルキル、C
2〜C
30アルケニル、C
1〜C
30アルコキシ、ポリオキシ(C
2〜C
6)アルキレン、C
1〜C
30アルキルアミド、(C
12〜C
22)アルキルアミド(C
2〜C
6)アルキル、(C
12〜C
22)アルキルアセテートおよびC
1〜C
30ヒドロキシアルキル基から選択され;X
−は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C
1〜C
4)アルキルサルフェートおよび(C
1〜C
4)アルキルスルホネートまたは(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホネートの群から選択されるアニオンである。
【0066】
式(III)の第4級アンモニウム塩の中でも、好ましい第4級アンモニウム塩は、一方で、テトラアルキルアンモニウム塩、例えば、アルキル基が約12〜22個の炭素原子を含有するジアルキルジメチルアンモニウムもしくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、特に、ベヘニルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムもしくはベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩、または他方で、オレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウム塩およびステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウム塩である。
【0067】
一部の場合、以下の化合物の塩、例として、塩化塩:
A.イミダゾリン、例として、例えば、以下の式(IV)のイミダゾリン:
(式中、R
12は、例えば、タロウ脂肪酸から誘導される、8〜30個の炭素原子を含むアルケニルまたはアルキル基を表し、R
13は、水素原子、C
1〜C
4アルキル基または8〜30個の炭素原子を含むアルキルもしくはアルケニル基を表し、R
14は、C
1〜C
4アルキル基を表し、R
15は、水素原子またはC
1〜C
4アルキル基を表し、X
−は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルサルフェート、アルキルおよびアリール基が好ましくは、それぞれ、1〜20個の炭素原子および6〜30個の炭素原子を含むアルキルスルホネートまたはアルキルアリールスルホネートの群から選択されるアニオンである。R
12およびR
13は好ましくは、例えば、タロウ脂肪酸から誘導される、12〜21個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基の混合物を示し、R
14は好ましくは、メチル基を示し、R
15は好ましくは、水素原子を示す。そのような製品は、例えば、Evonik社によりREWOQUAT W 75という名称の下に販売されている)
の第4級アンモニウム塩;
B.特に、式(V):
{式中、R
16は、任意選択で、1つまたは複数の酸素原子でヒドロキシル化および/または中断されている、約16〜30個の炭素原子を含むアルキルラジカルを示し、R
17は、水素または1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカルまたは(R
16a)(R
17a)(R
18a)N−(CH
2)
3基から選択され、
R
16a、R
17a、R
18a、R
18、R
19、R
20およびR
21は、同一であっても、異なってもよく、水素および1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカルから選択され、X
−は、ハライド、アセテート、ホスフェート、ナイトレートおよびメチルサルフェートの群から選択されるアニオンである。そのような化合物は、例えば、Innospec社により販売されているFINQUAT CT−P(Quaternium 89)およびInnospec社により販売されているFINQUAT CT(Quaternium 75)である}
の第4級ジアンモニウムまたはトリアンモニウム塩、
C.少なくとも1つのエステル官能基、例として、以下の式(VI)のエステル官能基:
(式中:
R
22は、C
1〜C
6アルキル基およびC
1〜C
6ヒドロキシアルキルまたはジヒドロキシアルキル基から選択され;
R
23は:
、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
1〜C
22炭化水素ベースの基であるR
27および水素原子から選択され、
R
25は:
、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
1〜C
22炭化水素ベースの基であるR
29および水素原子から選択され、
R
24、R
26およびR
28は、同一であっても、異なってもよく、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
7〜C
21炭化水素ベースの基から選択され;
r、sおよびtは、同一であっても、異なってもよく、2〜6の範囲の整数であり;
yは、1〜10の範囲の整数であり;
xおよびzは、同一であっても、異なってもよく、0〜10の範囲の整数であり;
X
−は、単純な、または複雑な、有機または無機アニオンであり;
ここで、x+y+zの合計は1〜15であり、xが0である場合、R
nはR
27を示し、zが0である場合、R
25はR
29を示す)
を含有する第4級アンモニウム塩
を使用することは有用である。
【0068】
アルキル基R
22は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、特に、直鎖であり得る。一部の場合、R
22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチルまたはジヒドロキシプロピル基、特に、メチルまたはエチル基を示す。有利に、x+y+zの合計は、1〜10である。
【0069】
R
23が炭化水素ベースの基R
27である場合、それは長く、かつ12〜22個の炭素原子を含有してもよく、または短く、かつ1〜3個の炭素原子を含有してもよい。R
25がR
29炭化水素ベースの基である場合、それは好ましくは、1〜3個の炭素原子を含有する。有利に、R
24、R
26およびR
28は、同一であっても、異なってもよく、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
11〜C
21炭化水素ベースの基から、特に、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
11〜C
21アルキルおよびアルケニル基から選択される。
【0070】
一部の場合、xおよびzは、同一であっても、異なってもよく、0または1の値を有する。同様に、一部の場合、yは、1に等しい。一部の場合、r、sおよびtは、同一であっても、異なってもよく、2または3に等しく、さらに特に、2に等しい。
【0071】
アニオンX
−は、ハライド(クロライド、ブロマイドまたはヨーダイド)またはアルキルサルフェート、特に、メチルサルフェートであり得る。しかしながら、メタンスルホネート、ホスフェート、ナイトレート、トシレート、有機酸に由来するアニオン、例として、アセテートもしくはラクテート、またはエステル官能基を含有するアンモニウムと適合性の任意の他のアニオンが使用され得る。
【0072】
アニオンX
−は、さらに特に、クロライドまたはメチルサルフェートである。
【0073】
特に、本発明による組成物中で、式(VI)のアンモニウム塩が使用され、式中:
R
22は、メチルまたはエチル基を示し、
xおよびyは、1に等しく;
zは、0または1に等しく;
r、sおよびtは、2に等しく;
R
23は:
、メチル、エチルまたはC
14〜C
22炭化水素ベースの基および水素原子から選択され;
R
25は:
および水素原子から選択され;
R
24、R
26およびR
28は、同一であっても、異なってもよく、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
13〜C
17炭化水素ベースの基から、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和C
13〜C
17アルキルおよびアルケニル基から選択される。炭化水素ベースの基は、有利には直鎖である。
【0074】
例えば、式(VI)の化合物、例として、ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウムおよびモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム塩(特に、クロライドまたはメチルサルフェート)ならびにそれらの混合物を挙げることができる。アシル基は好ましくは、14〜18個の炭素原子を含有し、特に、植物油、例として、パーム油またはヒマワリ油から得られる。化合物が、いくつかのアシル基を含有する場合、これらの基は、同一であっても、異なってもよい。
【0075】
これらの生成物は、例えば、任意選択でオキシアルキレン化される、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミンもしくはアルキルジイソプロパノールアミンの、植物もしくは動物起源のC
10〜C
30脂肪酸による、もしくはC
10〜C
30脂肪酸の混合物による直接的エステル化によって、またはそのメチルエステルのエステル転移反応によって得られる。このエステル化に続いて、アルキル化剤、例として、アルキル(好ましくは、メチルまたはエチル)ハライド、ジアルキル(好ましくは、メチルまたはエチル)サルフェート、メチルメタンスルホネート、メチルパラ−トルエンスルホネート、グリコールクロロヒドリンまたはグリセロールクロロヒドリンを使用して第4級化する。そのような化合物は、例えば、BASF社によってDEHYQUARTという名称の下に、Stepan社によってSTEPANQUATという名称の下に、Ceca社によってNOXAMIUMという名称の下に、またはEvonik社によってREWOQUAT WE 18という名称の下に販売されている。
【0076】
水溶性溶媒
「水溶性溶媒」という用語は、「水混和性溶媒」という用語と互換的であり、25℃で大気圧(760mmHg)にて液体である化合物を意味し、それは、これらの条件下で水中にて少なくとも50%の可溶性を有する。本開示の毛髪処置組成物は、1つまたは複数の水溶性溶媒を含み得る。
【0077】
水溶性溶媒は、例えば、グリセリン、C
1〜4アルコール類、有機溶媒、脂肪アルコール類、脂肪エーテル類、脂肪エステル類、ポリオール類、グリコール類、植物油、鉱油、リポソーム、層状脂質物質またはそれらの任意の混合物を含む。有機溶媒の例として、非限定的な言及は、モノアルコール類およびポリオール類、例として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコール、またはグリコール類もしくはグリコールエーテル類、例として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはそのエーテルのモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテル、例として、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル、ならびにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテルもしくはモノブチルエーテルについてなされ得る。有機溶媒の他の好適な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオールおよびグリセリンである。有機溶媒は、揮発性化合物であっても、不揮発性化合物であってもよい。
【0078】
使用され得る水溶性溶媒のさらなる非限定的な例として、アルカンジオール類(多価アルコール類)、例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、(カプリリルグルコール)、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオールおよび4−メチル−1,2−ペンタンジオール;1〜4個の炭素原子を有するアルキルアルコール類、例として、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよびイソプロパノール;グリコールエーテル類、例として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルおよびジプロピレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
一部の場合、水溶性溶媒は、1つまたは複数のグリコール類、C
1〜4アルコール類、グリセリンおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。一部の場合、水溶性溶媒は、ヘキシレングリコール、プロプレングリコール(proplene glycol)、カプリリルグルコール、グリセリン、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0080】
多価アルコール類は、有用である。多価アルコール類の例として、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0081】
また、ポリオール化合物を使用してもよい。非限定的な例として、脂肪族ジオール類、例として、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールおよび2−エチル−1,3−ヘキサンジオールならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0082】
脂肪族化合物
脂肪族化合物の非限定的な例として、油、鉱油、脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(例として、アルコキシル化脂肪酸、または脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、または脂肪酸のプロピレングリコールエステル、または脂肪酸のブチレングリコールエステル、またはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステル、または脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステル、またはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステル、または脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、蝋、トリグリセリド化合物、ラノリンおよびそれらの混合物が挙げられる。例えば、1つまたは複数の脂肪族化合物は、グリコールジステアレート、PEG−55プロピレングリコールオレエート、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル類、イソノナノエートイソプロピルミリステート、セテアリルアルコール、ババス(orbignya oleifera)種子油、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、鉱油およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0083】
脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪アルコール誘導体および脂肪酸誘導体の非限定的な例は、その全内容が本明細書に参照により援用される、国際化粧品成分事典、第16版、2016年において見られる。
【0084】
本明細書において有用な脂肪アルコール類として、約10〜約30個の炭素原子、約12〜約22個の炭素原子および約16〜約22個の炭素原子を有する脂肪アルコール類が挙げられる。これらの脂肪アルコール類は、直鎖アルコールであっても、分岐鎖アルコールであってもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂肪アルコール類の非限定的な例として、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシル、ミリスチル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、コレステロール、シス4−t−ブチルシクロヘキサノール、ミリシルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、脂肪アルコール類は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコール類である。
【0085】
本明細書において有用な脂肪酸類として、約10〜約30個の炭素原子、約12〜約22個の炭素原子および約16〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸類が挙げられる。これらの脂肪酸類は、直鎖酸であっても、分岐鎖酸であってもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。本明細書における炭素数要求に適合する二酸、三酸および他の多酸もまた含まれる。これらの脂肪酸の塩もまた、本明細書に含まれる。脂肪酸類の非限定的な例として、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アリキドン酸(arichidonic acid)、オレイン酸、イソステアリン酸、セバシン酸およびそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、脂肪酸類は、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0086】
脂肪アルコール誘導体として、脂肪アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコールのアルキルエーテル、脂肪アルコールのエステルおよびそれらの混合物が挙げられる。脂肪アルコール誘導体の非限定的な例として、メチルステアリルエーテル;2−エチルヘキシルドデシルエーテル;ステアリルアセテート;セチルプロピオネート;セチルアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテスシリーズの化合物、例として、セテス−1〜セテス−45(数字記号は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるステアレスシリーズの化合物、例として、ステアレス−1〜10(数字記号は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテアレス1〜セテアレス−10、すなわち、優先的にセチルおよびステアリルアルコールを含有する脂肪アルコールの混合物(数字記号は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);上記セテス、ステアレスおよびセテアレス化合物のC1〜C30アルキルエーテル;分岐鎖アルコールのポリオキシエチレンエーテル、例として、オクチルドデシルアルコール、ドデシルペンタデシルアルコール、ヘキシルデシルアルコールおよびイソステアリルアルコール;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;PPGエーテル、例として、PPG−9−ステアレス−3、PPG−11ステアリルエーテル、PPG8−セテス−1およびPPG−10セチルエーテルならびにこれらの混合物などの物質が挙げられる。
【0087】
非限定的な脂肪酸のオリグリセロール(olyglycerol)エステルとして、以下の式のオリグリセロールエステル:
が挙げられ、式中、nの平均値は、約3であり、R
1、R
2およびR
3各々は独立して、脂肪酸部分または水素であってもよく、R
1、R
2およびR
3のうちの少なくとも1つは、脂肪酸部分である。例えば、R
1、R
2およびR
3は、飽和であっても、不飽和であってもよく、直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、C
1〜C
40、C
1〜C
30、C
1〜C
25またはC
1〜C
20、C
1〜C
16またはC
1〜C
10の長さを有し得る。例えば、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノパルミテート、グリセリルモノステアレート、グリセリルイソステアレート、グリセリルモノオレエート、モノ(オリーブ油脂肪酸)のグリセリルエステル、グリセリルジオレエートおよびグリセリルジステアレート。加えて、脂肪酸の非イオン性ポリグリセロールエステルの非限定的な例として、ポリグリセリル−4カプリレート/カプレート、ポリグリセリル−10カプリレート/カプレート、ポリグリセリル−4カプレート、ポリグリセリル−10カプレート、ポリグリセリル−4ラウレート、ポリグリセリル−5ラウレート、ポリグリセリル−6ラウレート、ポリグリセリル−10ラウレート、ポリグリセリル−10ココエート、ポリグリセリル−10ミリステート、ポリグリセリル−10オレエート、ポリグリセリル−10ステアレートおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0088】
脂肪酸誘導体は、上記に定義する脂肪アルコールの脂肪酸エステル、上記に定義する脂肪アルコール誘導体がエステル形成性ヒドロキシル基を有する場合そのような脂肪アルコール誘導体の脂肪酸エステル、上記の脂肪アルコールおよび脂肪アルコール誘導体以外のアルコールの脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸ならびにそれらの混合物を含むことが本明細書で定義される。脂肪酸誘導体の非限定的な例として、リシノール酸、グリセロールモノステアレート、12−ヒドロキシステアリン酸、エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、ジメチルセバケート、PEG−15ココエート、PPG−15ステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、PEG−8ラウレート、PPG−2イソステアレート、PPG−9ラウレートおよびそれらの混合物が挙げられる。グリセロールモノステアレート、12−ヒドロキシステアリン酸およびそれらの混合物は、本明細書における使用に好ましい。
【0089】
一部の場合、1つまたは複数の脂肪族化合物は、1つまたは複数の高融点脂肪族化合物であり得る。高融点脂肪族化合物は、25℃の融点を有する脂肪族化合物である。また、さらにより高い融点の脂肪族化合物、例えば、40℃またはそれよりも高い、45℃またはそれよりも高い、50℃またはそれよりも高い融点を有する脂肪族化合物を使用してもよい。高融点脂肪族化合物は、脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。高融点化合物の非限定的な例は、その全内容が本明細書に参照により援用される、国際化粧品成分事典、第15版、2014年において見られる。本明細書において有用な脂肪アルコール類は、約14〜約30個の炭素原子、好ましくは、約16〜約22個の炭素原子を有する脂肪アルコール類である。これらの脂肪アルコール類は、飽和であり、直鎖アルコールであっても、分岐鎖アルコールであってもよい。高融点脂肪族化合物の非限定的な例として、脂肪アルコール類、例として、例えば、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58〜59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)およびそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、上記の融点を有することが公知である。しかしながら、供給される製品は多くの場合、主要なアルキル鎖がセチル、ステアリルまたはベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪アルコール類の混合物であるので、供給されたときこれらの化合物は多くの場合、より低い融点を有する。本出願においては、より好ましい脂肪アルコール類は、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物である。
【0090】
増粘剤
増粘剤(thickening agent)(増粘剤(thickener)または粘性調節剤とも呼ばれる)は、周知である。そのような剤のクラスとして、半合成ポリマー、例として、半合成セルロース誘導体、合成ポリマー、例として、カルボマー、ポロキサマーおよびアクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体、アクリレート共重合体、ポリエチレンイミン(例えば、PEI−10)、天然ポリマー、例として、アカシア、トラガカント、アルギネート(例えば、アルギネートナトリウム)、カラギーナン、植物ガム、例として、キサンタンガム、黄色ワセリン、蝋、微粒子関連コロイド、例として、ベントナイト、コロイド状二酸化ケイ素および微結晶性セルロース、界面活性剤、例として、PPG−2ヒドロキシエチルココ/イソステアラミド、乳化剤、例として、ジステアレス−75 IPDIおよびその塩、例として、塩化ナトリウム、デンプン、例として、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、ジャガイモデンプン(修飾または非修飾)、セルロース、例として、ヒドロキシエチルセルロース、グアー、例として、ヒドロキシプロピルグアーならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
一部の場合、増粘剤は、1つまたは複数の会合性増粘性ポリマー、例として、アニオン性会合性ポリマー、両性会合性ポリマー、カチオン性会合性ポリマー、非イオン性会合性ポリマーおよびそれらの混合物を含み得る。両性会合性ポリマーの非限定的な例は、NOVETHIX L−10(Lubrizol社)という商品名の下に販売されている、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体である。アニオン性会合性ポリマーの非限定的な例として、CARBOPOL Aqua SF−1(Lubrizol社)という商品名の下に販売されているINCI名称:アクリレート共重合体、CARBOPOL Aqua SF−2(Lubrizol社)という商品名の下に販売されているINCI名称:アクリレート架橋ポリマー−4およびそれらの混合物が挙げられる。会合性増粘性ポリマー、例えば、アクリレート共重合体および/またはアクリレート架橋ポリマー−4は、ポリマーを毛髪処置組成物に添加する前に、水または水溶液中で中和剤にて中和してもよい。
【0092】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーの非限定的な例として、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリクォータニウム−37、第4級化セルロース誘導体、ポリクォータニウム−4、ポリクォータニウム−10、カチオン性アルキルポリグリコシド類、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、ポリマージメチルジアリルアンモニウム塩およびそれらとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの第4級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾリウムメトクロライド共重合体、第4級化ポリビニルアルコール、ポリクォータニウム−2、ポリクォータニウム−7、ポリクォータニウム−17、ポリクォータニウム−18、ポリクォータニウム−24、ポリクォータニウム−27ならびにそれらの混合物が挙げられる。一部の場合、1つまたは複数のカチオン性ポリマーは、ポリクォータニウム−4、ポリクォータニウム−10、カチオン性グアー誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0093】
カチオン性ポリマーは、モノアルキル第4級アミン、例として、ステアリルトリモニウムクロライド、ソイトリモニウムクロライド(soyatrimonium)またはココ−エチルジモニウムエトサルフェートであり得る。他の好適なカチオン性ポリマーとして、ベヘントリモニウムクロライド、ジアルキル第4級アミン類、例として、ジセチルジモニウムクロライド、ジココジメチルアンモニウムクロライドまたはジステアリルジメチルアンモニウムクロライド;およびポリクォータニウム化合物、例として、ポリクォータニウム−6、ポリクォータニウム−22またはポリクォータニウム−5が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
例えば、カチオン性ポリマーは、ポリクォータニウム−10(第4級化ポリヒドロキシエチルセルロースとも呼ばれる)、セトリモニウムクロライド(セチルトリメチルアンモニウムクロライド、CTAC(cetyl trimethyl ammonium chloride)とも呼ばれる)、ベヘントリモニウムクロライド(ドコシルトリメチルアンモニウムクロライドとしても公知)、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロライド、ステアラルコニウムクロライド、ジセチルジモニウムクロライド、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、ココトリモニウムメトサルフェート、オレアルコニウムクロライド、ステアルトリモニウムクロライド、ババスアミドプロパルコニウムクロライド、ブラシカミドプロピルジメチルアミン、クォータニウム−91、Salcare/PQ−37、クォータニウム−22、クォータニウム−87、ポリクォータニウム−4、ポリクォータニウム−6、ポリクォータニウム−11、ポリクォータニウム−44、ポリクォータニウム−67、アモジメチコン、ラウリルベタイン、ポリアクリレート−1架橋ポリマー、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ベヘナミドプロピルPG−ジモニウムクロライド、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、アミノプロピルジメチコン、クォータニウム−8およびジリノールアミドプロピルジメチルアミンジメチコンPEG−7ホスフェートから選択され得る。
【0095】
一部の場合、カチオン性ポリマーは、カチオン性調整ポリマーである。使用され得るカチオン性調整ポリマーの例として、カチオン性セルロース、カチオン性タンパク質およびカチオン性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性ポリマーは、アミノおよび/または第4級アンモニウムモノマーのビニル基骨格を有し得る。カチオン性アミノおよび第4級アンモニウムモノマーとして、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリオロキシアルキルアンモニウム塩(trialkyl methacryoloxyalkyl ammonium salt)、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第4級アンモニウム塩、ジアルキルアミノアルキルアクリレートで置換されているビニル化合物および環式カチオン性窒素含有環を有するビニル第4級アンモニウムモノマー、例として、ピリジニウム、イミダゾリウムまたは第4級化ピロリジンが挙げられるが、これらに限定されない。使用され得るカチオン性調整ポリマーの他の例として、ヒドロキシプロピルトリモニウムハチミツ、ココジモニウムシルクアミノ酸、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦またはシルクタンパク質、ポリクォータニウム−5、ポリクォータニウム−11、ポリクォータニウム−2、ポリクォータニウム−4、ポリクォータニウム−6、ポリクォータニウム−7、ポリクォータニウム−14、ポリクォータニウム−16、ポリクォータニウム−22、ポリクォータニウム−10およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
一部の場合、第4級化ポリマー性カチオン性ポリマーは、特に有用である。アルキル基が、1〜約18個の炭素原子を含有し、より好ましくは、アルキル基が、メチルまたはエチルである、ジアルキルジアリルアンモニウム塩の重合によって調製された第4級窒素ポリマーまたはその共重合体は特に好ましい。これらのポリマーの調製に関する詳細は、本明細書に参照により援用される、米国特許第3,288,770号、同第3,412,019号および同第4,772,462号において見られ得る。例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドのカチオン性ホモポリマーおよび共重合体は、Merck & Co.社の子会社であるCalgon Corporation社、Pittsburgh、Pa.によりMERQUATという商品名の下に販売されている水性組成物において使用可能である。ポリクォータニウム−6という名称のホモポリマーは、MERQUAT−100という商品名の下に販売されており、約100,000の重量平均分子量を有することが示されている。ポリクォータニウム−7という名称のジメチルジアリルアンモニウムクロライドとアクリルアミドモノマーとの共重合体反応生成物は、約500,000の重量平均分子量を有することが示されており、MERQUAT−550という商品名の下に販売されている。約50,000〜約10,000,000の重量平均分子量を有する、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドとアクリル酸との別の共重合体反応生成物は、ポリクォータニウム−22という名称を有し、MERQUAT−280という商品名の下に販売されている。ポリクォータニウム−6は、特に好ましい。
【0097】
他のポリマー性コンディショナーは、BASF Aktiengesellschaft社、West GermanyによりLUVIQUATという商品名の下に、3つのコモノマー比で、つまり95/5、50/50および30/70のメチルビニルイミダゾリウムクロライドのポリビニルピロリドンに対する比で市販されている、メチルビニルイミダゾリウムクロライドとビニルピロリドンとのカチオン性共重合体を含む。すべての3つのコモノマー比のこれらの共重合体は、ポリクォータニウム16という名称を有する。また、ポリマーコンディショナーは、エピクロロヒドリンと反応させ、トリメチルアミンで第4級化し、Union Carbide Corporation社、Danbury、Conn.により様々な粘性等級および分子サイズでPOLYMER JRという商品名の下に販売されている、ヒドロキシエチルセルロースのカチオン性セルロース性ポリマーを含む。これらのシリーズのポリマーは、ポリクォータニウム10という名称である。また、ポリクォータニウム−4という名称を有し、National Starch and Chemical Corporation社、Bridgewater、N.J.によりCELQUATという商品名の下に様々な分子量で販売されている、ヒドロキシエチルセルロースとジメチルジメチルアンモニウムクロライドとの第4級化共重合体は、有用である。
【0098】
より小さい分子のカチオン性非ポリマー性調整剤もまた、本明細書において利用することができる。例示的な小分子調整剤として、単官能性または二官能性第4級アンモニウム化合物、例として、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジメチルジ−(水素化タロウ)アンモニウムクロライドなどを挙げることができる。また、非ポリマー性調整剤として、グルコンアミド誘導体の第4級アンモニウム塩、例として、クォータニウム22およびクォータニウム26という名称により、それぞれ特定される、ガンマ−グルコンアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチル−アンモニウムクロライドおよびミンクアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロライド(minkamidopropyldimethyl−2−hydroxyethylammonium chloride)を挙げることができる。これらの物質の調製についての詳細は、それぞれ、米国特許第3,766,267号および同第4,012,398号において見られ、これらの物質は、Van Dyk & Co.社、Belleville、N.J.によりCERAPHYLという商品名の下に販売されている。また、ダイマーであるビス−第4級アンモニウム化合物、例として、ヒドロキシプロピルビスステアリルジモニウムクロライドという名称の2−ヒドロキシプロピレン−ビス−1,3−(ジメチルステアリルアンモニウムクロライドは有用である。これらおよび他のビス−第4級物質の調製は、米国特許第4,734,277号において説明されており、そのような物質は、Jordan Chemical Company社、Folcroft、Pa.によりJORDAQUAT DIMERという商品名の下に販売されている。
【0099】
プロトン化された場合第4級化される、第3級アミノ窒素基を有する非第4級化ポリマーの例は、水溶性タンパク質性第4級アンモニウム化合物を含み得る。例えば、ココジモニウム加水分解動物タンパク質は、少なくとも1つの脂肪族アルキル基における約12〜約18個の炭素、約2500〜約12,000の重量平均分子量および約9.5〜約11.5の範囲内の等イオン点を有する、加水分解コラーゲンタンパク質の化学修飾第4級アンモニウム誘導体についての名称である。この物質および構造的に関連する物質は、Croda, Inc.社、New York、N.Y.によりCROQUATおよびCROTEINという商品名の下に販売されている。
【0100】
本開示の実行は、以下の実施例により提供される。実施例は、本質的に限定ではなく、技術を例示するためである。
【実施例】
【0101】
【0102】
実施例3
(試験)
毛髪の機械特性は、その複合構造の直接的な結果である。したがって、機械特性の変化は、複合構造の変化を反映する。毛髪の機械特性を査定するための従来型手法は、定速伸長実験を行うことにより応力−ひずみ曲線を作成することである。そのような曲線から、毛髪構造の様々な部分についての情報を提供する様々なパラメータを抽出することができる。乾いた毛髪についての典型的な応力−ひずみ曲線を、
図1に提供する。応力−ひずみ曲線を作成するための産業標準は、Dia−Stron Mini Tensile Tester(MTT)の使用である。張力試験により、繊維を40mm/分の速度で切断するまで100%伸長させる。この試験から作成したデータを、毛髪構造の特性を査定するために使用する。
【0103】
張力試験を、本開示の方法による処置を含む、毛髪への様々な処置の影響を決定するために行った。試験を、60%相対湿度における毛髪繊維の平衡化後、湿った状態で行った。50個の繊維を準備し、試料毎に試験して、統計的厳密さを確実にした。Statistica(商標)を使用して箱ひげ図を作成し、一方で、JMP(商標)解析ソフトウェアを統計計算(95%信頼レベルでのスチューデントt検定)に使用した。International Hair Importers & Products社(Glendale、NY)から得た毛髪についてすべての試験を行った。毛髪試料は、人種混合毛髪束であり、重量約3g、長さ8インチおよび幅1インチであった。
【0104】
毛髪束を、以下の3つのプロトコール、A1、A2およびA3のうちの1つに従って処置した。
A1.水酸化ナトリウムベースの化学リラクサー組成物を、毛髪見本に適用し、20分間処理した。20分間の処理後、化学リラクサー組成物を、毛髪見本からすすいだ。その後、毛髪見本を洗髪し、評価した。
A2.水酸化ナトリウムベースの化学リラクサー組成物を、毛髪見本に適用し、20分間処理した。20分間の処理後、化学リラクサー組成物を、毛髪見本からすすいだ。その後、毛髪見本を、水で希釈した(1部のOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)を6部の水と混合した)Olaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)で処置した。Olaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)で、10分間処理した。毛髪からOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)をすすがず、Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番を毛髪に適用した(Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番を、既に毛髪上に存在するOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)の上に重ねた)。その後、Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番を毛髪上に10分間残存させた。10分後、Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番および下にあるOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)を、毛髪からすすいだ。すすぎ後、毛髪見本を洗髪し、評価した。
A3.水酸化ナトリウムベースの化学リラクサー組成物を、毛髪見本に適用し、20分間処理した。20分間の処理後、化学リラクサー組成物を、毛髪見本からすすいだ。その後、毛髪見本を、水で希釈した(1部の実施例1の中和組成物を6部の水と混合した)実施例1の中和組成物で処置した。実施例1の中和組成物で、10分間処理した。毛髪から実施例1の中和組成物をすすがず、実施例2の中和コンディショナーを毛髪に適用した(実施例2の中和コンディショナーを、既に毛髪上に存在する実施例1の中和組成物の上に重ねた)。その後、実施例2の中和コンディショナーを毛髪上に10分間残存させた。10分後、実施例2の中和コンディショナーおよび下にある実施例1の中和組成物を、毛髪からすすいだ。すすぎ後、毛髪見本を洗髪し、評価した。
【0105】
また、毛髪束を、以下の3つのプロトコール、B1、B2およびB3のうちの1つに従って処置し、これらのプロトコールは、グアニジンリラクサー組成物が毛髪をリラクサー処理するために使用され、毛髪が洗髪後、評価前に調整されたことを除いてはA1、A2およびA3と同様である。
B1.グアニジンベースのリラクサー組成物を、毛髪見本に適用し、20分間処理した。20分間の処理後、化学リラクサー組成物を、毛髪見本からすすいだ。その後、毛髪見本を洗髪し、調整し、評価した。
B2.グアニジンベースのリラクサー組成物を、毛髪見本に適用し、20分間処理した。20分間の処理後、化学リラクサー組成物を、毛髪見本からすすいだ。その後、毛髪見本を、水で希釈した(1部のOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)を6部の水と混合した)Olaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)で処置した。Olaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)で、10分間処理した。毛髪からOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)をすすがず、Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番を毛髪に適用した(Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番を、既に毛髪上に存在するOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)の上に重ねた)。その後、Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番を毛髪上に10分間残存させた。10分後、Olaplex(登録商標)Bond Perfector(登録商標)2番および下にあるOlaplex(登録商標)Step1番Bond Multiplier(登録商標)を、毛髪からすすいだ。すすぎ後、毛髪見本を洗髪し、調整し、評価した。
B3.グアニジンベースのリラクサー組成物を、毛髪見本に適用し、20分間処理した。20分間の処理後、化学リラクサー組成物を、毛髪見本からすすいだ。その後、毛髪見本を、水で希釈した(1部の実施例1の中和組成物を6部の水と混合した)実施例1の中和組成物で処置した。実施例1の中和組成物で、10分間処理した。毛髪から実施例1の中和組成物をすすがず、実施例2の中和コンディショナーを毛髪に適用した(実施例2の中和コンディショナーを、既に毛髪上に存在する実施例1の中和組成物の上に重ねた)。その後、実施例2の中和コンディショナーを毛髪上に10分間残存させた。10分後、実施例2の中和コンディショナーおよび下にある実施例1の中和組成物を、毛髪からすすいだ。すすぎ後、毛髪見本を洗髪し、調整し、評価した。
上記に概略するプロトコールを、以下の表に要約する。
【0106】
弾性率試験(ヤング率)
応力−ひずみ曲線の初期部分の傾き(
図1を参照のこと)は、ヤング率と呼ばれる。ヤング率は、毛髪のばね様構造(弾性)の測定値を表す。曲線のヤング率域は多くの場合、直線域(ときには弾性域)と呼ばれる。上記のプロトコールに従って処置した毛髪見本についてのヤング率平均値を決定し、結果を以下の表に要約し、
図2(a)および
図2(b)においてグラフにより示す。
【0107】
互いに(統計的に)有意に異なる平均値を発見するための周知の1段階多重比較統計解析であるテューキー・クレーマー法に従って、データを統計解析した。A3についての平均値は、A1およびA2の平均値より(統計的に)有意に高かった。しかしながら、A1およびA2についての平均値は、互いに(統計的に)有意に異ならなかった。同様に、B1についての平均値は、B2およびB3についての平均値より高かったが、B1、B2およびB3間の差は、テューキー・クレーマー法に従って統計的に異なるとは考えられなかった。これらの結果は、本開示の方法に従って処置した毛髪は、A1およびB1、ならびにA2およびB2のプロトコールに従って処置した毛髪より高いヤング率平均値を示すことを例示する。
【0108】
破断応力試験
破断応力は、毛髪繊維を切断するために必要とされる力/領域を表す。より高い
破断応力は、より強く、かつより硬い毛髪繊維を表す。プロトコールA1、A2およびA3(上記)に従って処置した毛髪見本を、
破断応力試験に供した。結果を以下の表に要約し、
図3(a)および
図3(b)においてグラフにより示す。
【0109】
テューキー・クレーマー法に従って、データを統計解析した。A3についての平均値は、A1およびA2の平均値より(統計的に)有意に高かった。しかしながら、A1およびA2についての平均値は、互いに(統計的に)有意に異ならなかった。同様に、B1についての平均値は、B2およびB3についての平均値より高かったが、B1、B2およびB3間の差は、テューキー・クレーマー法に従って統計的に有意とは示されなかった。これらの結果は、本開示の方法に従って処置した毛髪は、A1およびB1、ならびにA2およびB2のプロトコールに従って処置した毛髪より高い
破断応力平均値を示すことを例示する。
【0110】
示差走査熱量測定(DCS:Differential Scanning Calorimetry)
DSCは、毛髪繊維の構造特徴を調査するためのツールであり得る。ケラチンは、様々な温度において検出可能に形質転換する。これらの形質転換温度の変化は、特定の毛髪処置がどのように毛髪繊維に影響を及ぼし得るかを見積もるために使用することができる。この場合において、DSCを、毛髪繊維の変性温度(T
d)および変性エンタルピー(ΔH)を測定するために使用した。変性温度(T
d)は、毛髪繊維の熱安定性の表示として使用されており、それは、少なくとも部分的には、マトリックス(中間径フィラメント結合タンパク質、IFAP:intermediate filament associated protein)の架橋密度により影響される。毛髪繊維の熱安定性(T
d)および熱安定性の決定におけるその関係は、文献において確立されている。
【0111】
毛髪繊維の関係における変性エンタルピー(ΔH)の解釈は、より複雑であり、変性温度(T
d)についての傾向に必ずしも従わない。変性エンタルピー(ΔH)は、毛髪繊維内の結晶性の/整列したタンパク質の相対量を反映すると考えられ、それゆえ、α−ヘリックス物質(中間径フィラメント、IF)の構造的一貫性を見積もるために使用され得る。
【0112】
上記のプロトコール(A1、A2、A3、B1、B2およびB3)に従って処置した毛髪見本について、試験を行った。また、マレイン酸の代わりに毛髪処置組成物においてマロン酸を使用して、試験を行ったが、マロン酸は、DSC試験においてマレイン酸と同様にあまりよく機能しなかった。マレイン酸を使用して本開示に従って(プロトコールA3およびB3に従って)処置した毛髪についての変性温度(T
d)は、A1およびA2、ならびにB1およびB2に従って処置した毛髪についての変性温度(T
d)より有意に高いことが分かった。変性エンタルピー(ΔH)については、データにより、A2についての変性エンタルピー(ΔH)は、A1およびA3の両方についての変性エンタルピーより有意に高いが、B1、B2およびB3間の変性エンタルピー(ΔH)の有意な差はなかったことが示される。
【0113】
DSC試験からの結果、特に、変性温度(T
d)データは、本開示に従って処置した毛髪(A3およびB3)は、A1およびA2、ならびにB1およびB2に従って処置した毛髪より大きな熱安定性を有することを示唆する。
【0114】
上記説明は、本開示を例示および説明する。加えて、本開示は、好ましい実施形態のみを示し、説明するが、上記に言及する通り、それは様々な他の組合せ、改変および環境において使用することが可能であり、上記教示および/または関連技術分野の技術もしくは知識と同等の、本明細書で示す本発明の概念の範囲内の変化または改変が可能であることが理解されるべきである。上記の本明細書で説明する実施形態は、出願人が知っている最良の形態を説明すること、および当業者がそのような、または他の実施形態において、かつその特定の適用または使用により必要とされる様々な改変を伴って本開示を利用することを可能にすることがさらに意図される。したがって、説明は、本発明を本明細書で開示する形態に限定するとは意図されない。また、付属の特許請求の範囲は代替の実施形態を含むと解釈されることが意図される。
【0115】
本明細書で使用するとき、「を含むこと(comprising)」、「を有すること(having)」および「を含むこと(including)」(または「を含む(comprise)」、「を有する(have)」および「を含む(include)」)という用語は、それらの開放的非限定的な意味で使用される。
【0116】
「a」、「an」および「the」という用語は、複数および単数を包含すると理解される。
【0117】
したがって、また、「それらの混合物(単数)」という用語は、「それらの混合物(複数)」に関する。本開示全体を通して、「それらの混合物(単数)」という用語は、A〜Fの文字が要素を表す以下の例:「A、B、C、D、E、Fおよびそれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数の要素」において示す通り、要素のリストに続いて使用される。「それらの混合物」という用語は、混合物が、A、B、C、D、EおよびFのすべてを含むことを必要としない(が、A、B、C、D、EおよびFのすべてが含まれてもよい)。むしろ、それは、A、B、C、D、EおよびFのうちの任意の2つまたはそれよりも多い要素の混合物が含まれ得ることを示す。換言すれば、それは、「A、B、C、D、E、FならびにA、B、C、D、EおよびFのうちの任意の2つまたはそれよりも多い要素の混合物からなる群から選択される1つまたは複数の要素」という句と同等である。
【0118】
同様に、また、「それらの塩(単数)」という用語は、「それらの塩(複数)」に関する。したがって、本開示が、「A、B、C、D、E、F、それらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される要素」に関する場合、それは、A、B、C、DおよびFのうちの1つまたは複数が含まれてもよく、Aの塩、Bの塩、Cの塩、Dの塩、Eの塩およびFの塩うちの1つまたは複数が含まれてもよく、A、B、C、D、E、F、Aの塩、Bの塩、Cの塩、Dの塩、Eの塩およびFの塩うちの任意の2つの混合物が含まれてもよいことを示す。
【0119】
本開示全体を通して言及される塩は、対イオン、例として、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム対イオンを有する塩を含み得る。しかしながら、対イオンのこのリストは、非限定的である。
【0120】
「1つまたは複数の」という表現は、「少なくとも1つ」を意味し、したがって、個々の成分および混合物/組合せを含む。
【0121】
操作実施例の場合または別に示される場合は別として、成分の量および/または反応条件を表す、すべての数値は、すべての場合において、示される数値の+/−5%以内を意味する「約」という用語により修飾されることが理解されるべきである。
【0122】
毛髪処置組成物について特定される成分の様々なカテゴリーの一部は、重複し得る。例えば、重複は、一部の増粘剤と一部のカチオン性ポリマーとの間に存在し得る。重複が存在する場合があり、かつ毛髪処置組成物が両方の成分を含む(または毛髪処置組成物が、重複する2つを超える成分を含む)ような場合、重複する化合物は、1つを超える成分を表さない。例えば、架橋剤によって架橋されたメチル第4級化ジメチルアミノエチルメタクリレートのホモポリマーは、カチオン性ポリマーおよび増粘剤の両方であると考えられ得る。特定の毛髪処置組成物がカチオン性ポリマー成分および増粘剤成分の両方を含む場合、架橋剤によって架橋されたメチル第4級化ジメチルアミノエチルメタクリレートの単一のホモポリマーは、カチオン性ポリマーのみまたは増粘剤のみとして働く(化合物は、カチオン性ポリマーおよび増粘剤の両方として働かない)。
【0123】
本明細書中のすべての割合、部および比は、別途指示がない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。
【0124】
「ケラチン性物質」は、本明細書で使用するとき、ケラチン繊維、例として、ヒトの頭部上の毛髪および/または頭皮を含むが、これらに限定されない。
【0125】
「調整」は、本明細書で使用するとき、1つまたは複数の毛髪繊維に、櫛通り、水分保持力、光沢、輝きおよび柔らかさから選択される少なくとも1つの特性を与えることを意味する。調整の状態は、当該技術分野で公知の任意の手段、例として、例えば、櫛通し作業(gm−in)に関して処置した毛髪および処置していない毛髪の櫛通りのよさを測定および比較すること、ならびに消費者知覚によって評価することができる。
【0126】
「処置する」という用語(およびその文法的変形)は、本明細書で使用するとき、本開示の組成物の、ケラチン性物質、例として、毛髪の表面上への適用を指す。「処置する」という用語およびその文法的変形は、毛髪を本開示の毛髪処置組成物と接触させることに関する。
【0127】
「安定な」という用語は、本明細書で使用するとき、組成物が、ある期間の間、例えば、少なくとも1日間(24時間)、1週間、1ヶ月間または1年間の間、相分離および/または結晶化を示さないことを意味する。
【0128】
「揮発性」とは、本明細書で使用するとき、約100℃未満の引火点を有することを意味する。
【0129】
「不揮発性」とは、本明細書で使用するとき、約100℃を超える引火点を有することを意味する。
【0130】
本明細書で開示するすべての範囲および値は、包括的かつ組合せ可能である。例えば、本明細書で説明する範囲内に入る、本明細書で説明する任意の値または点は、サブ範囲を派生する最小値または最大値などとして働き得る。さらに、提供されるすべての範囲は、所与の範囲内のどの特定の範囲も含み、その間のサブ範囲の組合せを含むことを意味する。したがって、1〜5の範囲は、具体的に、1、2、3、4および5ならびにサブ範囲、例として、2〜5、3〜5、2〜3、2〜4、1〜4などを含む。
【0131】
「実質的に非含有」または「本質的に非含有」という用語は、本明細書で使用するとき、組成物の総重量に基づいて、組成物に添加される特定の物質が約5重量%未満しか存在しないことを意味する。それにもかかわらず、組成物は、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満の特定の物質を含む場合があるか、または特定の物質を含ない場合がある。
【0132】
「本質的に無水」または「実質的に無水」という用語は、本明細書で使用するとき、例えば、「本質的に無水の毛髪処置組成物」または「実質的に無水の毛髪処置組成物」の文脈において、組成物が約5重量%未満しか水を含まないことを意味する。それにもかかわらず、組成物は、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満の水、約0.05重量%未満の水または0.01重量%未満の水を含み得る。
【0133】
本明細書で引用するすべての出版物および特許出願は、各個々の出版物または特許出願が参照により援用されることが具体的に、かつ個々に示されるのと同様に、参照により、任意の、およびすべての目的について、本明細書に援用される。本開示と参照により本明細書に援用される任意の出版物または特許出願との間で矛盾がある場合は、本開示が支配する。