特許第6982654号(P6982654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982654固形化粧料の成形方法、及び該化粧料が充填された固形化粧品容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982654
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】固形化粧料の成形方法、及び該化粧料が充填された固形化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20211206BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A45D33/00 615Z
   A45D33/00 615F
   B65D83/00 C
【請求項の数】36
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-77257(P2020-77257)
(22)【出願日】2020年4月24日
(65)【公開番号】特開2021-37265(P2021-37265A)
(43)【公開日】2021年3月11日
【審査請求日】2020年4月24日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0108864
(32)【優先日】2019年9月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517211883
【氏名又は名称】コスメッカコリア シーオー.、 エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100081318
【弁理士】
【氏名又は名称】羽切 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100132458
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 圭代
(74)【代理人】
【識別番号】100165146
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 博喜
(72)【発明者】
【氏名】趙 顯垈
(72)【発明者】
【氏名】孫 弘錫
(72)【発明者】
【氏名】金 ダ スル
(72)【発明者】
【氏名】金 惠珍
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−000220(JP,A)
【文献】 特表2019−500121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00−43/30
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品容器に固形化粧料を成形する方法であって、
前記化粧品容器の化粧品内容器10内に設けられた化粧料プレート30に、充填ガイド部材70を配設し、前記充填ガイド部材70内に化粧料を充填して固化した後に前記充填ガイド部材70を除去し、前記化粧品内容器10の内側面と固化済み化粧料の側面の間に前記充填ガイド部材70の厚さ分の余裕空間を設けて、化粧料の切削過程においてせり出された化粧料が落下して安着されることを特徴とする固形化粧料の成形方法。
【請求項2】
化粧品容器に固形化粧料を成形する方法であって、
(a)化粧料が収容される化粧品内容器10を用意するステップと、
(b)記化粧品内容器10内に設けられた化粧料プレート30に、充填ガイド部材70を配設するステップと、
(c)前記充填ガイド部材70内に化粧料を充填して固化させるステップと、
(d)記充填ガイド部材70を除去し、前記化粧品内容器10の内側面と固化済み化粧料の側面の間に前記充填ガイド部材70の厚さ分の余裕空間を設けるステップと、を含み、
化粧料の切削過程においてせり出された化粧料は、前記余裕空間に落下して安着されることを特徴とする固形化粧料の成形方法。
【請求項3】
前記充填ガイド部材70を配設するステップは、
(b−1)前記化粧料プレート30にプレート軸20を螺合するステップと、
(b−2)前記化粧品内容器10の底に、前記プレート軸20と結合された化粧料プレート30を配設するステップと、
(b−3)前記化粧料プレート30の上枠と化粧品内容器10の内側面に密着されるように、充填ガイド部材70を配設するステップと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形化粧料の成形方法。
【請求項4】
前記(b−2)ステップは、前記化粧品内容器10の内側面に設けられた少なくとも1つ以上の突出ガイドに、化粧料プレート30の外側面に設けられた少なくとも1つ以上のガイド溝が拘束されるように結合されることを特徴とする請求項3に記載の固形化粧料の成形方法。
【請求項5】
前記充填ガイド部材70は、上部の外側に鍔が形成された中空の筒状構造体であり、前記化粧品内容器10の内側面に密着される直径を有するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形化粧料の成形方法。
【請求項6】
前記充填ガイド部材70は、前記化粧料と当接する内側面が、アノダイジング又はシリコン離型剤で処理されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形化粧料の成形方法。
【請求項7】
更に、前記化粧品内容器10の上部にグラインダ40を結合し、前記グラインダ40がプレート軸20と嵌合され、前記グラインダ40の底面が化粧料の上面に配設されるステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形化粧料の成形方法。
【請求項8】
化粧料及び前記化粧料が充填される固形化粧品容器を含む化粧品であって、
化粧品内容器10と、前記化粧品内容器10の内側底面に配設されるプレート軸20と、
前記プレート軸20と結合され、化粧料(p)が安着される化粧料プレート30と、前記プレート軸20を回動させて、前記化粧料プレート30が上下方向に移動するように結合され、回転しながら、前記化粧料(p)の上面を切削するように配設されるグラインダ40と、を含み、
前記化粧品内容器10の内側面と前記化粧料プレート30に安着し固化した化粧料の側面の間に化粧料の切削過程においてせり出された化粧料が落下して安着される余裕空間を設けることを特徴とする化粧料及び固形化粧品容器を含む化粧品
【請求項9】
前記化粧品内容器10は、上部が開放し、内部に化粧料(p)が収容される収容部が設けられ、側面には、第1の側面部11と第2の側面部12が段差を置いて、内部から外部へ順次一定の間隔離隔して形成されることを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項10】
前記第1の側面部11の内側面には、複数の第1の突出ガイド11aが上下方向に突設されることを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項11】
前記収容部の底面中央には、任意の高さを有するガイド壁15が所定の内径を有するように形成され、前記ガイド壁15の内側面に、上下方向に第2の突出ガイド15aが設けられることを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項12】
前記プレート軸20は、所定の大きさを有する回転板21と、前記回転板21の中心部に垂直に立設される回転軸棒22とを含むことを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項13】
前記回転軸棒22には、断面が多角形状である軸捧貫通孔22aが上下方向に設けられることを特徴とする請求項12に記載の化粧品
【請求項14】
前記軸捧貫通孔22aは、グラインダ40のシャフト44が嵌合され、前記グラインダ40の回転により、プレート軸20が回動されることを特徴とする請求項13に記載の化粧品
【請求項15】
前記回転軸棒22の外側面には、ねじ山が刻まれることを特徴とする請求項12に記載の化粧品
【請求項16】
前記化粧料プレート30は、
前記化粧料(p)が安着されるプレート上面部31と、
前記プレート上面部31の枠で下向きに折曲形成された所定の高さを有するプレート側面部32と、
前記プレート上面部31の中心部に形成された結合貫通孔に連通して下向きに形成され、内部にねじ山が刻まれる軸結合部33と、を含むことを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項17】
前記軸結合部33は、前記プレート軸20の回転軸棒22と螺合することを特徴とする請求項16に記載の化粧品
【請求項18】
前記プレート側面部32には、前記化粧品内容器10の第1の突出ガイド11aに拘束されて上下方向にガイドされる複数の第1のガイド溝32aが設けられることを特徴とする請求項16に記載の化粧品
【請求項19】
前記化粧料プレート30の下部には、所定の高さを有するガイド溝壁35が環状に形成され、前記ガイド溝壁35の外側面には、複数の第2のガイド溝35aが上下方向に設けられることを特徴とする請求項又は16に記載の化粧品
【請求項20】
前記ガイド溝壁35の内径は、前記化粧品内容器10底面に形成されたガイド壁15の内径より小さく又は等しく形成されることを特徴とする請求項19に記載の化粧品
【請求項21】
前記ガイド溝壁35の高さは、前記化粧料プレート30のプレート側面部32の高さより小さく又は等しく形成されることを特徴とする請求項19に記載の化粧品
【請求項22】
前記ガイド溝壁35の内径は、前記プレート軸20の回転板21の直径よりも大きく形成されることを特徴とする請求項19に記載の化粧品
【請求項23】
前記グラインダ40は、
枠が上部に突出し、底が扁平な井戸状に形成され、底面に吐出溝41aが複数形成されたグラインダ上面41と、
前記グラインダ上面41の枠から下向きに所定の高さを有するように折曲形成され、外側面の枠に環状溝42aが形成されるグラインダ側面部42と、
前記グラインダ上面部41の下部に、所定の高さと内径を有するように形成される環状封止部43と、
前記グラインダ40の下部中心部に、下面と一体に形成された断面が多角形状のシャフト44とを含むことを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項24】
前記吐出溝41aの下部一側のスリット辺には、前記吐出溝41aに沿って、切削刃41bが所定の高さで突設されることを特徴とする請求項23に記載の化粧品
【請求項25】
前記吐出溝41aの長さは、前記化粧料プレート30に安着された化粧料の半径よりも大きいことを特徴とする請求項23又は24に記載の化粧品
【請求項26】
前記吐出溝41aは、切削済み化粧料が吐出されるように、前記グラインダ40の回転方向に対して、前記切削刃41bよりも前に位置することを特徴とする請求項24に記載の化粧品
【請求項27】
前記吐出溝41aは、少なくとも1つ以上設けられ、その大きさ又は間隔が同一又は互いに異なることを特徴とする請求項23に記載の化粧品
【請求項28】
前記切削刃41bは、少なくとも1つ以上設けられ、その高さ又は間隔が同一又は互いに異なることを特徴とする請求項24に記載の化粧品
【請求項29】
前記切削刃41bは、下向き端部が前方向に所定の勾配を有するように傾斜して形成されることを特徴とする請求項24に記載の化粧品
【請求項30】
前記切削刃41bは、下向き端部が垂直に延在し、45度の角度を有する直角三角形状であることを特徴とする請求項24に記載の化粧品
【請求項31】
前記グラインダ側面部42の内側面枠には、環状溝42aが設けられ、前記化粧品内容器10の第2の側面部12の外側上枠に形成された円環突起13に嵌合することをトクチョウトする請求項23に記載の化粧品
【請求項32】
更に、前記化粧料プレート30の平衡を維持する平衡保持手段を含むことを特徴とする請求項に記載の化粧品
【請求項33】
前記平衡保持手段は、複数の圧縮された弾性体(S)が、前記化粧料プレート30の中心軸を基準に、所定距離に放射状に配列される第1の平衡保持手段610であることを特徴とする請求項32に記載の化粧品
【請求項34】
前記第1の平衡保持手段610は、各弾性体(S)の前端は、化粧料プレート30の下面の所定位置に拘束固定され、前記各弾性体(S)の後端は、化粧品内容器10の底面の対応位置に拘束固定されることを特徴とする請求項33に記載の化粧品
【請求項35】
前記平衡保持手段は、複数のギア部が連動して作動する第2の平衡保持手段620であることを特徴とする請求項32に記載の化粧品
【請求項36】
前記第2の平衡保持手段620は、
前記化粧料プレート30の中心部に形成された軸結合部330に結合する鋸歯形状を有する回転板210と、前記回転板210の中心部に90度に形成された回転軸棒220とからなるプレート軸200と、
前記回転板210に噛合して回動する鋸歯形状を有する連動回転板621aと、前記連動回転板621aの中心部に90度に形成され、外側面にねじ山が刻まれる連動回転軸棒621bとからなる複数のギア部621と、
前記化粧料プレート30の下面の所定位置に下向きに設けられ、前記連動回転軸棒621bと螺合するナット状の複数の連動軸結合部622と、を含むことを特徴とする請求項35に記載の化粧品
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形化粧料の成形方法、及び該化粧料が充填された固形化粧品容器に関し、より詳しくは、上面をグラインドして使用する固形化粧料を、化粧品容器の内容器の内側面に密着することなく、余裕空間を有するように充填して固化させることで、化粧料が安着された化粧料プレートが上下方向に円滑にガイドされ、化粧品容器の一部を回転することによって、固形化粧料の上面が円滑に切削されて、一定量ずつ吐出させる固形化粧料の成形方法、及び該化粧料が充填された固形化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、大きく、化粧成分を含浸している化粧料と、化粧料を保管する化粧料容器とからなる。一般に、化粧品は、便利性、安全性、使用感、衛生性などが求められ、化粧料の剤型により、前記要求条件を満たすような化粧品容器の構成が変わることになる。また、化粧料は、主に固状、液状、又はゲル状から製造されて使用されており、このような化粧料の剤型及び化粧料を使う方式により、化粧品容器も様々に製造されている。
【0003】
従来の固形化粧品容器は、内容器に設けられた固形の化粧料を、パフを用いてパフに付けた後、皮膚に付ける方式を取っている。しかし、これは、パフを繰返しタッチして、化粧料をパフに付けなければならないという不便さがあり、化粧料の上部が開放した状態で設けられるので、長期間の保管及び衛生に脆弱であるという不都合がある。また、固形化粧料の使用量を調節することが容易でないため、化粧料の無駄を防止し難く、一定量又は少量ずつ使用することにも限界があった。
【0004】
また、固形化粧料は、パウダーを圧縮するか、又は、パウダーを練って固くしたものを使うので、従来の化粧品容器を用いても構わないが、ワックス含有の固形タイプの化粧料は、外部の力により、化粧品容器の内容器から脱落しやすいので、ワックス含有の固形タイプの化粧料に適用するには、限界があった。
【0005】
これに、大韓民国登録実用新案第20−0404009号には、パウダー容器内で一方向に回転した時、固形分の化粧料を掻き出して使用することができるパウダー容器が掲示されている。しかし、前記従来技術は、鋸歯を設けて、一方向にのみ回転するように構成されており、鋸歯の動きによって、化粧料が偏って擦れが生じるという問題がある。このように、化粧料の表面にムラがあると、一方向への回転時に、所望する量の化粧料が吐出しなくなるという問題点がある。
【0006】
また、従来のワックス含有の固形タイプの化粧料を化粧品容器に充填する方式は、化粧料バルクを高温で溶融して液体とし、これを化粧料内容器に入れて固める方式である。しかし、この固める過程において、内容器壁面に化粧料がくっつく現象が生じることになる。このようになると、化粧料は、化粧品容器の内容器壁面に沿って、上部への移動が容易でなくなり、また、回転グラインダの回転に対応して、化粧料が上部に移動しないことで、回転グラインダは空転することになり、結果として、化粧料を吐出させることができなくなるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録実用新案公報第20−0404009号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、化粧品容器に固形の化粧料を充填して固化させることにおいて、充填ガイド部材を用いて、内容器の内側面と固化済み化粧料の側面の間に余裕空間を設けることで、化粧品容器の内容器に化粧料がくっつくことなく、円滑に吐出させることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、グラインダの回転により化粧料の上面が切削されることによって、その表面を平らに維持することができ、切削過程において外側にせり出された化粧料の一部が、余裕空間に安着できるようにすることで、化粧料の上面をより滑らかに維持することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、回転切削が容易であるように切削刃を設けることで、化粧料の掻かれムラを防止し、使用時、化粧料が正常に引っ掻かれて吐出されることにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、化粧料プレートの作動過程でも、平衡を維持するようにして、化粧料の上面をムラなく切削することで、所望する一定量の化粧料が吐出されることにある。
【0012】
更に、本発明の他の目的は、吐出された化粧料をパフに付けることが容易で、且つ、化粧料の上部が開放することを防止して、長期間保管及び衛生的な使用が可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明による固形化粧料の成形方法は、化粧品容器に固形化粧料を成形する方法であって、前記化粧品容器の化粧品内容器10内に設けられた化粧料プレート30に、充填ガイド部材70を配設し、前記充填ガイド部材70内に化粧料を充填して固化した後に前記充填ガイド部材70を除去し、前記化粧品内容器10の内側面と固化済み化粧料の側面の間に前記充填ガイド部材70の厚さ分の余裕空間を設けて、化粧料の切削過程においてせり出された化粧料が落下して安着されることを特徴とする。
【0014】
また、前記目的を達成するために、本発明による固形化粧料の成形方法は、化粧品容器に固形化粧料を成形する方法であって、(a)化粧料が収容される化粧品内容器10を用意するステップと、(b)前記化粧品内容器10内に設けられた化粧料プレート30に、充填ガイド部材70を配設するステップと、(c)前記充填ガイド部材70内に化粧料を充填して固化させるステップと、(d)前記充填ガイド部材70を除去し、前記化粧品内容器10の内側面と固化済み化粧料の側面の間に前記充填ガイド部材70の厚さ分の余裕空間を設けるステップと、を含み、化粧料の切削過程においてせり出された化粧料は、前記余裕空間に落下して安着されることを特徴とする。
【0015】
前記充填ガイド部材70を配設するステップは、(b−1)前記化粧料プレート30にプレート軸20を螺合するステップと、(b−2)前記化粧品内容器10の底に、前記プレート軸20と結合された化粧料プレート30を配設するステップと、(b−3)前記化粧料プレート30の上枠と化粧品内容器10の内側面に密着されるように、充填ガイド部材70を配設するステップと、を含む。
【0016】
前記(b−2)ステップは、前記化粧品内容器10の内側面に設けられた少なくとも1つ以上の突出ガイドに、化粧料プレート30の外側面に設けられた少なくとも1つ以上のガイド溝が拘束されるように結合される。
【0017】
前記充填ガイド部材70は、上部の外側に鍔が形成された中空の筒状構造体であり、前記化粧品内容器10の内側面に密着される直径を有するように形成される。
【0018】
前記充填ガイド部材70は、前記化粧料と当接する内側面が、アノダイジング又はシリコン離型剤で処理される。
【0021】
更に、前記化粧品内容器10の上部にグラインダ40を結合し、前記グラインダ40がプレート軸20と嵌合され、前記グラインダ40の底面が化粧料の上面に配設されるステップを含む。
【0022】
更に、前記目的を達成するために、本発明は、化粧料及び前記化粧料が充填される固形化粧品容器を含む化粧品であって、化粧品内容器10と、前記化粧品内容器10の内側底面に配設されるプレート軸20と、前記プレート軸20と結合され、化粧料(p)が安着される化粧料プレート30と、前記プレート軸20を回動させて、前記化粧料プレート30が上下方向に移動するように結合され、回転しながら、前記化粧料(p)の上面を切削するように配設されるグラインダ40と、を含み、前記化粧品内容器10の内側面と前記化粧料プレート30に安着し固化した化粧料の側面の間に化粧料の切削過程においてせり出された化粧料が落下して安着される余裕空間を設けることを特徴とする。
【0023】
前記化粧品内容器10は、上部が開放し、内部に化粧料(p)が収容される収容部が設けられ、側面には、第1の側面部11と第2の側面部12が段差を置いて、内部から外部へ順次一定の間隔離隔して形成される。
【0024】
前記第1の側面部11の内側面には、複数の第1の突出ガイド11aが上下方向に突設される。
【0025】
前記収容部の底面中央には、任意の高さを有するガイド壁15が所定の内径を有するように形成され、前記ガイド壁15の内側面に、上下方向に第2の突出ガイド15aが設けられる。
【0026】
前記プレート軸20は、所定の大きさを有する回転板21と、前記回転板21の中心部に垂直に立設される回転軸棒22とを含む。
【0027】
前記回転軸棒22には、断面が多角形状である軸棒貫通孔22aが上下方向に設けられる。
【0028】
前記軸棒貫通孔22aは、グラインダ40のシャフト44が嵌合され、前記グラインダ40の回転により、プレート軸20が回動される。
【0029】
前記回転軸棒22の外側面には、ねじ山が刻まれる。
【0030】
前記化粧料プレート30は、前記化粧料(p)が安着されるプレート上面部31と、前記プレート上面部31の枠で下向きに折曲形成された所定の高さを有するプレート側面部32と、
前記プレート上面部31の中心部に形成された結合貫通孔に連通して下向きに形成され、内部にねじ山が刻まれる軸結合部33と、を含む。
【0031】
前記軸結合部33は、前記プレート軸20の回転軸棒22と螺合する。
【0032】
前記プレート側面部32には、前記化粧品内容器10の第1の突出ガイド11aに拘束されて上下方向にガイドされる複数の第1のガイド溝32aが設けられる。
【0033】
前記化粧料プレート30の下部には、所定の高さを有するガイド溝壁35が環状に形成され、前記ガイド溝壁35の外側面には、複数の第2のガイド溝35aが上下方向に設けられる。
【0034】
前記ガイド溝壁35の内径は、前記化粧品内容器10底面に形成されたガイド壁15の内径より小さく又は等しく形成される。
【0035】
前記ガイド溝壁35の高さは、前記化粧料プレート30のプレート側面部32の高さより小さく又は等しく形成される。
【0036】
前記ガイド溝壁35の内径は、前記プレート軸20の回転板21の直径よりも大きく形成される。
【0037】
前記グラインダ40は、枠が上部に突出し、底が扁平な井戸状に形成され、底面に吐出溝41aが複数形成されたグラインダ上面41と、前記グラインダ上面41の枠から下向きに所定の高さを有するように折曲形成され、外側面の枠に環状溝42aが形成されるグラインダ側面部42と、前記グラインダ上面部41の下部に、所定の高さと内径を有するように形成される環状封止部43と、前記グラインダ40の下部中心部に、下面と一体に形成された断面が多角形状のシャフト44とを含む。
【0038】
前記吐出溝41aの下部一側のスリット辺には、前記吐出溝41aに沿って、切削刃41bが所定の高さで突設される。
【0039】
前記吐出溝41aの長さは、前記化粧料プレート30に安着された化粧料の半径よりも大きい。
【0040】
前記吐出溝41aは、切削済み化粧料が吐出されるように、前記グラインダ40の回転方向に対して、前記切削刃41bよりも前に位置する。
【0041】
前記吐出溝41aは、少なくとも1つ以上設けられ、その大きさ又は間隔が同一又は互いに異なる。
【0042】
前記切削刃41bは、少なくとも1つ以上設けられ、その高さ又は間隔が同一又は互いに異なる。
【0043】
前記切削刃41bは、下向き端部が前方向に所定の勾配を有するように傾斜して形成される。
【0044】
前記切削刃41bは、下向き端部が垂直に延在し、45度の角度を有する直角三角形状である。
【0045】
前記グラインダ側面部42の内側面枠には、環状溝42aが設けられ、前記化粧品内容器10の第2の側面部12の外側上枠に形成された円環突起13に嵌合する。
【0046】
更に、前記化粧料プレート30の平衡を維持する平衡保持手段を含むことを特徴とする。
【0047】
前記平衡保持手段は、複数の圧縮された弾性体(S)が、前記化粧料プレート30の中心軸を基準に、所定距離に放射状に配列される第1の平衡保持手段610である。
【0048】
前記第1の平衡保持手段610は、各弾性体(S)の前端は、化粧料プレート30の下面の所定位置に拘束固定され、前記各弾性体(S)の後端は、化粧品内容器10の底面の対応位置に拘束固定される。
【0049】
前記平衡保持手段は、複数のギア部が連動して作動する第2の平衡保持手段620である。
【0050】
前記第2の平衡保持手段620は、前記化粧料プレート30の中心部に形成された軸結合部330に結合する鋸歯形状を有する回転板210と、前記回転板210の中心部に90度に形成された回転軸棒220とからなるプレート軸200と、前記回転板210に噛合して回動する鋸歯形状を有する連動回転板621aと、前記連動回転板621aの中心部に90度に形成され、外側面にねじ山が刻まれる連動回転軸棒621bとからなる複数のギア部621と、前記化粧料プレート30の下面の所定位置に下向きに形成され、前記連動回転軸棒621bと螺合するナット状の複数の連動軸結合部622と、を含む。
【発明の効果】
【0052】
本発明による化粧品容器に固形の化粧料を充填して固化させることにおいて、充填ガイド部材を用いて、内容器の内側面と固化済み化粧料の側面の間に余裕空間を設けることで、化粧品容器の内容器に化粧料がくっつくことなく、円滑に吐出することができる。
【0053】
また、グラインダの回転により化粧料の上面が切削されることで、その表面を平らに維持することができ、切削過程において外側にせり出された化粧料の一部が、余裕空間に安着できるようにすることで、化粧料の上面をより滑らかに維持することができる。
【0054】
更に、回転切削が容易であるように切削刃を設けることで、化粧料の掻かれムラを防止して、使用時、化粧料が正常に引っ掻かれて吐出される。
【0055】
また、化粧料プレートの作動過程においても平衡が維持されるようにして、化粧料の上面をムラなく切削して、所望する一定量の化粧料を吐出させることができる。
【0056】
更に、吐出された化粧料をパフに付けることが容易で、且つ、化粧料の上部が開放されることを防止して、長期間保管及び衛生的な使用が可能である。
【0057】
そして、パウダーを圧縮するか、又はパウダーを練って固くした固形化粧料だけでなく、ワックス含有の固形タイプの化粧料にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、本発明の一実施例による固形化粧料の成形方法を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施例による充填ガイド部材及び化粧料の成形方法を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施例による固形化粧料が安着された化粧品容器の平面図である。
図4図4は、本発明の一実施例による固形化粧品容器の分解斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施例によるプレート軸と化粧料プレートの作動図である。
図6図6は、本発明の一実施例によるグラインダの断面図である。
図7図7(a)は、本発明の一実施例による吐出溝、下向き端部が所定の勾配を有するように傾斜して構成された切削刃が示されているグラインダの部分断面図、図7(b)は、本発明の他の実施例による吐出溝、下向き端部が垂直に伸び、45度の角度を有する直角三角形状である切削刃が示されているグラインダの部分断面図である。
図8図8は、本発明の一実施例による平衡保持手段を示す図である。
図9図9は、本発明の一実施例による平衡保持手段の作動図である。
図10図10は、本発明の他の実施例による平衡保持手段を示す図である。
図11図11は、本発明の他の実施例による平衡保持手段のプレート軸とギア棒を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を具体的に説明すると、以下の通りである。本発明の実施例は、様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が、後述する実施例に限定されることと解析されてはいけない。本実施例は、当該発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者に、本発明をより詳しく説明するために提供される。そこで、図面に示されている各要素の形状は、より明らかな説明を強調するために、誇張することもある。
【0060】
図1は、本発明の一実施例による固形化粧料の成形方法を示す図、図2は、本発明の一実施例による充填ガイド部材及び化粧料の成形方法を示す図、図3は、本発明の一実施例による固形化粧料が安着された化粧品容器の平面図、図4は、本発明の一実施例による固形化粧品容器の分解斜視図、図5は、本発明の一実施例によるプレート軸と化粧料プレートの作動図、図6は、本発明の一実施例によるグラインダの断面図、図7(a)は、本発明の一実施例による吐出溝、下向き端部が所定の勾配を有するように傾斜して構成された切削刃が示されているグラインダの部分断面図、図7(b)は、本発明の他の実施例による吐出溝、下向き端部が垂直に延在し、45度の角度を有する直角三角形状である切削刃が示されているグラインダの部分断面図、図8は、本発明の一実施例による平衡保持手段を示す図、図9は、本発明の一実施例による平衡保持手段の作動図、図10は、本発明の他の実施例による平衡保持手段を示す図、図11は、本発明の他の実施例による平衡保持手段のプレート軸とギア棒を示す図である。
【0061】
本発明による固形化粧品容器の化粧品内容器10に化粧料(p)を充填し固化させて成形する方法は、以下のような工程ステップで行われる。
【0062】
(A1)化粧料準備ステップ
化粧料(p)は、パウダー粉状、又はワックス含有の溶融された液状の化粧料などを用意する。
【0063】
これは、化粧料成形ステップにおいて、化粧品容器内に、パウダー粉状の化粧料又はワックス含有の液状化粧料を充填して固化させるためのことで、パウダー粉を圧縮するか、又は、パウダーを練って固い固形化粧料に成形するか、又は、ワックス含有の液状化粧料を充填して固化させて、固形タイプの化粧料に成形する。
【0064】
(A2)化粧料が収まる化粧品内容器準備ステップ
本発明による化粧料が充填固化される化粧品容器の構成は、以下の通りである。
【0065】
固形化粧品容器は、化粧品内容器10と、化粧品内容器10の内側底面に配設されるプレート軸20と、プレート軸20と結合され、化粧料(p)が安着される化粧料プレート30と、プレート軸20を回動して、化粧料プレート30が上下方向に移動するように結合され、回転しながら、化粧料(p)の上面を切削するように配設されるグラインダ40とを含む。
【0066】
化粧品内容器10は、上部が開放され、内部に化粧料(p)が収まる収容部が設けられており、側面は、第1の側面部11と第2の側面部12が段差を置いて、内部から外部に順次一定の間隔離隔して設けられ、第2の側面部12の外側の上縁には、円環突起13が形成され、円環突起13の下部の所定位置には、鍔状の受け部14が設けられる。
【0067】
また、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面には、複数の第1の突出ガイド11aが上下方向に突設している。これは、後述するようにプレート軸20に結合された化粧料プレート30が回転せず、上下方向にのみ移動するようにガイドする。
【0068】
そして、収容部の底面中央には、所定の高さを有するガイド壁15が、所定の内径を有するように形成され、ガイド壁15の内側面にも、上下方向に第2の突出ガイド15aが設けられている。
【0069】
プレート軸20は、化粧品内容器10の内側底面に配設され、所定のサイズを有する回転板21と、回転板21の中心部に垂直に立設された回転軸棒22とを有する。回転軸棒22には、断面が多角形状である軸棒貫通孔22aが上下に設けられている。この軸棒貫通孔22aには、後述するようにグラインダ40のシャフト44が嵌合して、グラインダ40の回転により、プレート軸20が回動するようにする。
【0070】
また、プレート軸20の回転軸棒22の外側面には、ねじ山が刻まれている。
【0071】
化粧料プレート30には、化粧料(p)が安着され、プレート軸20と螺合して、プレート軸20の回動により上下動するもので、化粧料(p)が安着されるプレート上面部31と、プレート上面部31の縁から下向きに折曲形成された所定の高さを有するプレート側面部32と、プレート上面部31の中心部に形成された結合貫通孔に連通するように下向きに設けられ、内部にねじ山が刻まれた軸結合部33とを含む。
【0072】
軸結合部33は、前記プレート軸20の回転軸棒22と螺合し、化粧料プレート30は、グラインダ40の回転で左側又は右側に回動する回転軸棒22により、上向き又は下向きに上下並進運動することになる。
【0073】
プレート側面部32の外側面には、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面に形成された複数の第1の突出ガイド11aに拘束されて上下方向にガイドされる複数の第1のガイド溝32aが、複数の第1の突出ガイド11aに対応して、上下方向に設けられている。
【0074】
また、化粧料プレート30の下方には、軸結合部33を基準に、所定の高さを有するガイド溝壁35が環状に設けられている。このようなガイド溝壁35は、プレート上面部31が受ける荷重を分散して、支え力を上げる役割を果たす。また、ガイド溝壁35の外側面には、化粧品内容器10の底面に形成されたガイド壁15の第2の突出ガイド15aに拘束されて上下方向にガイドされる複数の第2のガイド溝35aが、複数の第2の突出ガイド15aに対応して、上下方向に設けられている。
【0075】
ここで、ガイド溝壁35は、化粧品内容器10の底面に形成されたガイド壁15の内径より小さいか、同一であるのが望ましく、ガイド溝壁35とガイド壁15の高さは、化粧料プレート30のプレート側面部32の高さより小さいか、又は同一であるのが望ましい。
【0076】
これは、化粧品内容器10の底面と化粧料プレート30の間の空間が増えて、化粧料(p)が安置される化粧料プレート30の上部空間が相対的に減ることを防止し、且つ、化粧料プレート30の上部に安置される化粧料(p)の荷重により、化粧料プレート30の中央部が下部に垂れて、プレート側面部32に形成された第1の突出ガイド11aが、化粧品内容器10の第1のガイド溝32aから離脱するか、軸結合部33に螺合したプレート軸20の回転軸棒22の螺合がずれて、上下方向への垂直ガイドが妨げられることを防止する。
【0077】
また、ガイド溝壁35の内径のサイズは、プレート軸20の回転板21の径よりも大きく設定し、作動前、回転板21がガイド溝壁35の内径内に位置して、回転板21の下面位置がガイド溝壁35の底部の位置と同一であるか、底部の位置よりも上側に配置するようにする。
【0078】
このような化粧料プレート30の構成により、化粧料プレート30は回転せず、プレート側面部32が、化粧品内容器10の第1の突出ガイド11aに拘束されて上下方向にガイドされるか、又は、プレート上面部31の下方に設けられたガイド溝壁35が、化粧品内容器10のガイド壁15に設けられた第2の突出ガイド15aに拘束されて上下方向にガイドされることで、安定した化粧料(p)を安着したまま、上下方向にガイドされて移動することができる。
【0079】
グラインダ40は、プレート軸20と連結され、回転力をプレート軸20に伝達して、プレート軸20を回動させ、回動するプレート軸20により、化粧料プレート30が上下方向に移動するようにし、また、同時に回転しながら、化粧料(p)の上面を切削して外部に吐出させるもので、縁が上部に突出し、底が扁平な井戸状に形成され、底面に吐出溝41aが複数設けられたグラインダ上面部41と、グラインダ上面部41の縁から下向きに所定の高さを有するように折曲形成され、内側面縁に環状溝42aが設けられるグラインダ側面部42と、グラインダ上面部41の下方に所定サイズの高さと内径を有するように設けられる環状封止部43と、下部の中心部に下面と一体に設けられ、断面が多角形状のシャフト44とを含む。
【0080】
グラインダ上面部41の底面に設けられる吐出溝41aは、底面の中心軸を基準に、中心部から縁まで細長く形成されたスリット状であり、各吐出溝41aの下方一側のスリット辺には、吐出溝41aに沿って、切削刃41bが一定の高さに突設され、グラインダ40の回転により、化粧料(p)の上面を薄く切削し、吐出溝41aを介して、底面の上部に吐出させる。
【0081】
この時、吐出溝41aの長さは、化粧料プレート30に安着された化粧料の半径よりも大きいのが望ましい。これは、後述するように、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面と化粧料(p)の側面の間に設けられた余裕空間(C)に、切削又はせり出された化粧料が安着されるようにするためである。
【0082】
ここで、切削刃41bは、図7の(a)に示しているように、化粧料(p)を切削して、吐出溝41aの上側に吐出しやすくするだけでなく、吐出されない切削済みの化粧料の残量を最小化するように、その下向き端部が前方向に所定の勾配を有するように傾斜して形成することができる。また、図7の(b)に示しているように、切削刃41bの下向き端部が垂直に延び、45度の角度を有する直角三角形状で構成することもできる。
【0083】
本発明で例示していることの他に、回転切削が容易であるように、切削刃41bの下向き端部の形状及び角度を様々に設定することができる。これにより、化粧料の掻かれムラを防止し、化粧料を正常に切削して吐出させる。
【0084】
また、吐出溝41a及び切削刃41bは、単一に設けられる。この際、このような切削刃41bの高さは、その下向き端部の勾配などの形状変化により、適切に変更可能である。
【0085】
一方、吐出溝41a及び切削刃41bは、多数個設けることもできる。ここで、第1の吐出溝41a−1に設けられた第1の切削刃41b−1と、第2の吐出溝41a−2に設けられた第2の切削刃41b−2との高さは、同一又は異なってもよく、この際、第2の吐出溝41a−2は、第1の吐出溝41a−1を介して吐出されなかった化粧料(p)が吐出される補助手段として働くことができる。
【0086】
ここで、複数の切削刃の高さを順次小さく形成するか、高低を周期的に持たせることで、化粧料を経済的に使用することができる。
【0087】
すなわち、第2の吐出溝41a−2に設けられた第2の切削刃41b−2の高さを、第1の吐出溝41a−1に設けられた第1の切削刃41b−1の高さよりも小さく形成することで、グラインダ40の1回転により、第2の吐出溝41a−2に吐出される化粧料の量は、第1の吐出溝41a−1に吐出される化粧料の量よりも少なくなるので、グラインダ40の上部に吐出される全体の化粧料の量が調節され、結果として、ユーザは、化粧料を経済的に使用することができることになる。
【0088】
複数の切削刃41bの高さは、その下向き端部の勾配、吐出溝41a及び切削刃41bの数、切削刃41b間の間隔などによる形状変化によっても、統一又は個別に様々に変更可能である。なぜなら、グラインダ40の回転角度により、化粧料プレート30が上向きに移動しながら、化粧料(p)の表面が上昇するためである。
【0089】
一方、切削刃41bで切削された化粧料が、吐出溝41aを介して吐出されるようにするためには、吐出溝41aがグラインダ40の回転方向に対して、切削刃41bよりも前に位置すべきである。
【0090】
また、環状封止部43は、内径のサイズが、化粧品内容器10の第1の側面部11の外経と同じく構成される。これは、環状封止部43が、化粧品内容器10の第1の側面部11と第2の側面部12の間に位置して回転することにおいて、第1の側面部11の上部外側に密着して結合されて、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面内に収まれている化粧料(p)が外部に漏れることを防止するためである。
【0091】
また、シャフト44は、プレート軸20の回転軸棒22の軸棒貫通孔22aに嵌合して、回転軸棒22を拘束しており、シャフト44の断面形状は、軸棒貫通孔22aの断面形状と同じ多角形状である。これは、シャフト44の回転力がそのまま、回転軸棒22を回転させることに用いられるためである。
【0092】
また、グラインダ側面部42の内側面縁に形成された環状溝42aは、化粧品内容器10の第2の側面部12の外側の上縁に形成された円環突起13に嵌合して、外部よりグラインダ40に加えられる回転力に対して、グラインダ40が共同の上下中心軸を基準に、化粧品内容器10に対して相対的に円周に沿って回転されるようにする。
【0093】
グラインダ側面42の外側面には、ユーザが取って回転することにおいて、滑りを防止するために、突起や溝などの滑り止め部42bを設けることができる。
【0094】
また、吐出溝41aが形成されるグラインダ上面部41の底面の上部には、吐出溝41aをシールするシーリング材(図示せず)を設けることができる。
【0095】
また、グラインダ40の上面には、脱着式で開閉されるリッド状のパフ受け50を設けることができる。これは、化粧品内容器10の内部の化粧料(p)、及びグラインダ40の上面の汚れを防止し、パフを別に保管するためである。
【0096】
そして、本発明では、化粧料プレート30が、作動過程において、中心軸を基準に左右に転がることを防止し、平衡を保持する平衡保持手段を備える。これは、化粧料プレート30に安着されている化粧料(p)の上面がムラなく切削されて、所望する一定量の化粧料を吐出させるためである。
【0097】
平衡保持手段は、化粧料プレート30の下面と化粧品内容器10の底面の間に設けられ、複数の弾性体からなる第1の平衡保持手段610と、複数のギア部が連動して作動する構造からなる第2の平衡保持手段620とを有する。
【0098】
ここで、第1の平衡保持手段610は、図8及び図9に示しているように、複数の圧縮された弾性体(S)が、化粧料プレート30の中心軸を基準に、所定距離に放射状に配列され、各弾性体(S)の前端は、化粧料プレート30の下面の所定位置に拘束固定され、各弾性体(S)の後端は、化粧品内容器10の底面の対応位置に拘束固定される。この時、各弾性体(S)は、プレート軸20の回動により、化粧料プレート30が上向きに移動するとき、弾性圧縮が解除され、上向きに移動する化粧料プレート30の下面を受け止めることになるので、ローリングが防止される。
【0099】
また、第2の平衡保持手段620は、図10に示しているように、複数のギア部621が連動して作動する構造であって、化粧料プレート30の中心部に形成された軸結合部330に結合する鋸歯形状を有する回転板210、及び回転板210の中心部に90度に形成された回転軸棒220からなるプレート軸200と、プレート軸200の回転板210に噛合して回動する鋸歯形状を有する連動回転板621a、及び連動回転板621aの中心部に90度に形成され、外側面にねじ山が刻まれる連動回転軸棒621bからなる複数のギア部621と、化粧料プレート30の下面の所定位置に下向きに設けられ、連動回転軸棒621bと螺合するナット状の複数の連動軸結合部622とを含む。
【0100】
ここで、化粧料プレート30の中心部に形成された軸結合部330には、前記プレート軸200の回転軸棒220が螺合し、複数の連動軸結合部622には、複数のギア部621の各連動回転軸棒621bが螺合する。この時、回転軸棒220のねじ山方向と連動回転軸棒621bのねじ山方向は、互いに逆方向であり、これに合わせて、軸結合部330のねじ山方向と連動軸結合部622のねじ山方向も互いに逆方向である。これは、プレート軸200の回転板210が回動しながら、噛合しているギア部621の連動回転板621aに回動力を供しているので、回転板210と連動回転板621aの回動方向は、互いに逆方向となるためである。
【0101】
このような第2の平衡保持手段620の構成により、化粧料プレート30は、グラインダ40の回転で左側又は右側に回動する回転軸棒220、及びこれに連動して右側又は左側に回転する連動回転軸棒621bにより、上向き又は下向きに上下並進運動することに際して、化粧料プレート30が片側に傾けるか又は転がることなく、平衡を維持したまま上下動が可能となる。
【0102】
すなわち、上下方向に移動する化粧料プレート30の下面を、プレート軸200と複数のギア部621が共に受け止めることになるので、平衡が維持することができる。
【0103】
本発明による第2の平衡保持手段620の構成においては、化粧品内容器10の底面にガイド壁15を形成することができないので、化粧料プレート30の下面にガイド溝壁35を設ける必要がなく、それによる第2の突出ガイド15a及び第2のガイド溝35aも不要である。
【0104】
このような平衡保持手段により、化粧料プレート30上に設けられた化粧料(p)が非対称的に切削されることを防止することができる。
【0105】
本発明において、化粧品内容器10は、グラインダ40の回転が容易であるように、円形に構成しているが、これに限るものではなく、グラインダ40の回転が可能な様々な形状に形成できることは、言うまでもない。
【0106】
(A3)化粧品内容器内に設けられた化粧料プレート30に、充填ガイド部材70を配設するステップ
上述した構成を有する固形化粧品容器の化粧品内容器10に、化粧料(p)を充填固化させて成形するために、まず、化粧料プレート30にプレート軸20を螺合して、回転軸棒22が化粧料プレート30の中心上部に突出するようにした後、化粧品内容器10の底に、プレート軸20と結合された化粧料プレート30を配設する。
【0107】
この時、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面に形成された複数の第1の突出ガイド11aに、化粧料プレート30のプレート側面部32の外側面に形成された複数の第1のガイド溝32aが拘束されるように結合させる。
【0108】
その後、化粧料プレート30の上縁と、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面に密着されるように、上下通孔が形成された充填ガイド部材70を配設する。
【0109】
ここで、充填ガイド部材70は、上部に、外側に鍔が形成された中空の筒状構造体であって、化粧品内容器10の内側面に密着される直径を有するように構成される。
【0110】
この時、充填ガイド部材70の内側面は、アノダイジング法(+極と−極を用いて希釈された酸化液で、製作された加工品を酸化させて、加工品の表面に酸化皮膜が形成され、塗色が行われる作業工程)で表面処理して、化粧料(p)を充填した後、充填ガイド部材70を除去することに際して、化粧料(p)がくっつくことなく、剥がれやすくなるようにするのが望ましい。また、充填ガイド部材70に化粧料(p)が付着することを防止するために、充填ガイド部材70の内側面に、シリコン離型剤などを更に塗布することができる。
【0111】
このような充填ガイド部材70は、化粧料(p)が固化過程で化粧品内容器10の内側面に密着してくっつくような現象を防止し、化粧品内容器10の内側面と化粧料(p)の側面の間に所定径の余裕空間を設けるためである。
【0112】
本発明では、充填ガイド部材70を中空の円筒形状として示しているが、これに限るものではなく、中空の円筒形状の内部に、小径の中空の円筒を更に備えた同心円筒形状70aや、中空の円筒形状の内部に仕切りを設置して、空間を2等分した二等分形状70b、又はn等分したn等分形状などを設けて、互いに異なる異種又は異形の化粧料(p)を充填するように構成することができる。
【0113】
(A4)充填ガイド部材70内に化粧料を充填して固化させるステップ
粉状又は溶融された液状化粧料(p)を、充填ガイド部材70の通孔内に充填し、冷却して固化させる。
【0114】
このように、化粧料(p)の充填及び固化過程において、充填ガイド部材70を用いることで、粉状又は溶融された液状化粧料(p)が、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面、及び内側面に形成された複数の第1の突出ガイド11aに密着したまま固化されることを防止することができる。
【0115】
上記のように化粧料(p)が、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面、及び内側面に形成された複数の第1の突出ガイド11aに密着したまま固化されると、化粧料プレート30の第1のガイド溝32aが、第1の突出ガイド11aに沿って上下方向にガイドされることが難しくなる。
【0116】
(A5)充填ガイド部材70を除去して、化粧品内容器の内側面と固化済み化粧料の側面の間に余裕空間を設けるステップ
化粧料(p)が固化された後に、充填ガイド部材70を除去して、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面と化粧料(p)の側面の間に、充填ガイド部材70の厚さ分の余裕空間(C)を設ける。
【0117】
このような余裕空間(C)により、化粧料(p)の側面は、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面、及び内側面に形成された複数の第1の突出ガイド11aに密着しなくなり、これにより、化粧料プレート30の第1のガイド溝32aが、第1の突出ガイド11aに沿って、上下方向に円滑にガイドされることになる。
【0118】
また、化粧品内容器10の第1の側面部11の内側面と、化粧料(p)の側面の間に形成された所定径の余裕空間(C)は、化粧料(p)の上面の切削過程でせり出された化粧料、又はグラインダ40の扁平な底面によりせり出された化粧料が落下して安着されることができる。
【0119】
すなわち、グラインダ40の回転により、化粧料(p)の上面が切削される過程において、化粧料(p)の上面縁側で切削された化粧料のうち、一部は吐出され、一部はせり出されて余裕空間(C)に落下して安着されることができる。また、回転するグラインダ40の切削刃41bにより、化粧料(p)の上面の所定部分が切削されるが、切削された上面と切削されない上面は、高さの差が生じ、切削されない化粧料(p)の上面は、回転するグラインダ40の底面によって圧着力を受けてせり出されるが、この時、せり出された化粧料の一部が、余裕空間(C)に落下して安着されることで、化粧料(p)の上部表面を滑らかに維持することができることになる。
【0120】
上述した過程を経て、化粧品容器内に固形化粧料の成形ステップが終わると、化粧品内容器10の上部にグラインダ40を結合する。この際、グラインダ40がプレート軸20の回転軸棒22と嵌合し、グラインダ40の底面が、化粧料(p)の上面に配設されるようにする。
【0121】
一方、本発明では、化粧料(p)の充填及び固化過程が、内容器10内で行われることと説明したが、化粧料プレート30の上面の構造、化粧料プレート30と充填ガイド部材70の結合構造により、内容器10外で化粧料(p)が充填及び固化され、該当化粧料(p)が安着された化粧料プレート30が、内容器10内に移動されることもできる。
【0122】
本発明による固形化粧料容器を作動させる過程を説明すると、以下の通りである。
【0123】
ユーザがグラインダ40の側面を取って、化粧品内容器10に対して相対的に一方向に回転させると、グラインダ40と結合されたプレート軸20が回転することになる。
【0124】
プレート軸20が回転することにつれ、プレート軸20とねじ山で結合された化粧料プレート30が、化粧品内容器10に設けられた第1の突出ガイド11a及び/又は第2の突出ガイド15aに沿って、上向きに移動することになる。
【0125】
化粧料プレート30が上向きに移動することにつれ、化粧料プレート30の上面に設けられた化粧料(p)も、上向きに移動することになり、上向きに移動された化粧料(p)は、回転するグラインダ40の切削刃41bにより、化粧料(p)の上面が削られ、削られた化粧料(p)は、吐出溝41aを介して、グラインダ40の上面部に吐出することになる。
【0126】
たとえ、本発明を前記で言及した好適な実施例に関連して説明したが、本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、他の様々な修正や変形が可能であり、請求範囲と等しい範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれることと解析されるべきである。
【符号の説明】
【0127】
10: 化粧品内容器
11: 第1の側面部
11a: 第1の突出ガイド
12: 第2の側面部
13: 円環突起
14: 鍔状の受け部
15: ガイド壁
15a: 第2の突出ガイド
C: 余裕空間
20、200: プレート軸
21、210: 回転板
22、220: 回転軸棒
22a: 軸棒貫通孔
30: 化粧料プレート
31: プレート上面部
32: プレート側面部
32a: 第1のガイド溝
33、330: 軸結合部
35: ガイド溝壁
35a: 第2のガイド溝
40: グラインダ
41: グラインダ上面部
41a: 吐出溝
41a−1: 第1の吐出溝
41a−2: 第2の吐出溝
41b: 切削刃
41b−1: 第1の切削刃
41b−2: 第2の切削刃
42: グラインダ側面部
42a: 環状溝
42b: 滑り止め部
43: 環状封止部
44: シャフト
50: パフ受け
610: 第1の平衡保持手段
620: 第2の平衡保持手段
621: ギア部
621a: 連動回転板
621b: 連動回転軸棒
622: 連動軸結合部
S: 弾性体
70: 充填ガイド部材
70a: 同心円筒形状
70B: 二等分形状
p: 化粧料
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