(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前の第一スイッチを閉じることによって引き起こされる前記突入電流が、次の第一スイッチを閉じる前にピークを有するよう、前記第一所定時間の間隔が選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の駆動システム。
連結された第一(T1)および第二(T2)の、それぞれ請求項10に記載された列車を含む、列車編成であって、前記連結された列車の前記制御器は、前記第一列車の前記第一スイッチを順に閉じることを完了した後さらに所定時間の間隔を経てから、前記第二列車の前記第一スイッチを順に閉じる作業を開始する、列車編成。
前記連結された列車の制御器は、前記第二列車の前記第一スイッチを順に閉じることを完了する前に、前記第一列車の前記AC/DC変換器によるパルス幅変調を使用した電力変換を開始する、請求項11に記載の列車編成。
【背景技術】
【0002】
一般的に鉄道線路には、安全でない列車運行やそれによる事故を防ぐため、在線する列車に対して情報(例えば速度制限、停止位置等)を送信するのに使用される電気線路脇の保安用および通信用装置が設置されている。
【0003】
そのような線路を使用する電車は、一般的に、架線から供給される電力を、列車に設置された一つ以上の駆動モータに適した交流電力に変換する駆動システムを有する。駆動システムはAC/DC変換器(AC/DC converter)を含んでもよい。特に、PMW変換器は広く使用されており、PWM変換器はブリッジ接続されたダイオードを含み、各ダイオードは逆並列接続される自己消去型スイッチング素子(例えばIGBT)を有する。
【0004】
しかしながら、これらのAC/DC変換器は動作時に高調波ノイズを発生するため、このノイズがレールに流れ込み、線路脇の保安用および通信用装置の動作に影響を与えないように、ノイズを閾値以下に低減することが望ましい。
【0005】
英国特許出願公開第2527881号および英国特許出願公開第2537732号は、この問題を解決するため、同じPWMスイッチング周波数を有する複数のAC/DC変換器を採用し、それぞれの変換器のPWM搬送波(例えばパルス信号)は互いの2次高調波ノイズ(たとえば、パルス信号の2倍の周波数を有するノイズ)を打ち消すため、互いに位相シフトされ、そのためレールに流入するノイズ信号を低減することができることが記載されている。
【0006】
一般的に、駆動システムは、さらに、架線から得られた高電圧の電圧レベルを降圧する変換装置を含み、この降圧された電圧をAC/DC変換器によって直流に変換し、さらにそれを操作してモータに交流電力を供給する。しかしながら、AC/DC変換器の交流側にある電力源に(架線を介して)変換装置から接続がなされると、電力源から変換装置へ突入電力が流れ、それにより別のノイズ電流が発生する。列車内に複数の駆動装置が搭載され、それらのシステムが同時に電力源に接続された場合、各ノイズ電流が互いに強め合うことにより、線路脇の保安用および通信用の装置の動作が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示はこれらの問題を解決することを目的とする。特に、本開示は、駆動システムによって生じるノイズを低減し、それによって線路脇の保安用および通信用の装置の動作を損なう危険性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、第一の態様として、本開示は列車の駆動システムを提供し、該駆動システムは、
架線から供給される交流電力の電圧レベルを降圧する複数の変換装置と、
列車のモータに電力を供給する複数の変換器ユニットと、ここで各変換器ユニットは前記変換装置の一つから供給された降圧交流電力を直流電力に変換するものであり、前記AC/DC変換器は、パルス幅変調を使って、それぞれが同じスイッチング周波数を有する各パルス信号であって、そこから生じる2次高調波ノイズを実質的に打ち消すよう互いに位相シフトされる前記パルス信号に基づいて降圧交流電力を変換し、および
前記変換装置の高電圧側をそれぞれ前記架線に接続するよう開閉される、複数の第一スイッチであって、各第一スイッチを閉じることにより突入電流をそれぞれの変換装置に引き起こす、第一スイッチを有し、
前記駆動システムはさらに制御器を有し、前記制御器は第一スイッチが順に第一所定時間の間隔で閉じられるよう前記第一スイッチを閉じるタイミングを制御し、
前記制御器はさらに各前記AC/DC変換器によるパルス幅変調を使用した電力変換の開始のタイミングを、前記開始が同時であって前記第一スイッチが閉じられた後に行われるよう制御する。
【0009】
有利には、第一スイッチをすべて一度に閉じるのではなく、順に閉じることにより、変換装置に流入する突入電流によって生じる全体的なノイズ電流を低減することができる。しかしながら、このように順に閉じる作業を、AC/DC変換器を順に起動することにより行うと、2次高調波ノイズを打ち消すための位相シフトを適切に与えるのに必要な変換器の数より少ない変換器しか作動していない導入期間が生じてしまう。これを避けるため、本システムは第一スイッチが閉じるまで、変換器による電力変換の開始を遅延し、さらに起動が同時に行われることを保証する。
【0010】
第二の態様によると、本開示は第一態様に基づく駆動システムを有する列車を提供する。
【0011】
第三の態様によると、本開示は、連結された第一および第二の、それぞれ第二態様に基づく列車を含む、列車編成であって、前記連結された列車の前記制御器は、前記第一列車の前記第一スイッチを順に閉じるのを完了した後、さらに所定時間の間隔を経てから、前記第二列車の前記第一スイッチを順に閉じる作業を開始する、列車編成を提供する。このように第一スイッチを閉じることにより、可能な限り早く列車編成の少なくとも一部のモータに対して電力を供給することができる。特に、連結された列車の制御器はさらに、第二列車の第一スイッチを順に閉じる作業が完了する前に、第一列車のAC/DC変換器によるパルス幅変調を使用して電力変換を開始するよう、構成することができる。
【0012】
さらなる態様によると、本開示は第一から第三態様に基づく駆動システム、列車および列車編成の使用、および第一から第三の態様に基づく駆動システム、列車及び列車編成をそれぞれ作動させる方法を提供する。例えば、列車の駆動システムの動作方法が提供され、駆動システムは
架線から供給される交流電力の電圧レベルを降圧する複数の変換装置と、
列車のモータに電力を供給する複数の変換器ユニットと、ここで各変換器ユニットは前記変換装置の一つから供給された降圧交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器を含み、前記AC/DC変換器は、パルス幅変調を使って、それぞれが同じスイッチング周波数を有する各パルス信号であって、そこから生じる2次高調波ノイズを実質的に打ち消すよう互いに位相シフトされる前記各パルス信号に基づいて降圧交流電力を変換し、および
前記変換装置の高電圧側をそれぞれ前記架線に接続するよう開閉される、複数の第一スイッチであって、各第一スイッチを閉じることにより突入電流を各変換装置に引き起こす、第一スイッチ
を有する、列車の駆動システムの動作方法であって、
前記第一スイッチが順に第一所定時間の間隔で閉じられるよう前記第一スイッチを閉じるタイミングを制御し、
各前記AC/DC変換器によるパルス幅変調を使用した電力変換の開始のタイミングを、前記開始が同時であって前記第一スイッチが閉じられた後に行われるよう制御する。
【0013】
本開示による選択的な特徴を次に記載する。これらの特徴は単体で、または本開示のどの態様とも組み合わせて適用することができる。
【0014】
本システムは、変換器ユニットを3台以上有してよい。一般に、二次高調波ノイズを打ち消すために位相シフトを利用するには、少なくとも3台のAC/DC変換器が必要である。
【0015】
本システムは変換装置を2つ以上有してよい。そのため、1台の変換装置が一つ以上の変換器ユニットに降圧された交流電力を供給することができる。
【0016】
前の第一スイッチを閉じることによって引き起こされる前記突入電流が、次の第一スイッチを閉じる前にピークを有するよう、前記第一所定時間の間隔を選択することができる。
【0017】
本駆動システムは以下を有してもよい:前記AC/DC変換器をそれぞれ前記変換装置の低電圧側に接続するよう開閉可能な、複数の第二スイッチ。前記制御器はさらに以下を制御するよう構成されてよい:前記各変換装置の前記高電圧側を前記架線に接続する前記第一スイッチが閉じられた後、第二所定時間の間隔で各第二スイッチが閉じられるよう、前記第二スイッチが閉じられるタイミング;および、電力変換の開始が同時となるよう、前記第一及び第二スイッチが閉じられた後に、各前記AC/DC変換器によるパルス幅変調を使用して、電力変換を開始するタイミング。
【0018】
本駆動システムは以下を有してもよい:前記架線から前記交流電力を得るための一つ以上のパンタグラフと;前記各第一スイッチの前記架線側を接続する電力線と;および前記一つ以上のパンタグラフをそれぞれ前記電力線に接続するために開閉される一つ以上の第三スイッチ。前記制御器はさらに、前記第一スイッチが順に閉じるのを開始する前に、前記一つ以上の第三スイッチが閉じられるよう、前記一つ以上の第三スイッチが閉じられるタイミングを制御するよう構成可能である。
【0019】
各変換器ユニットはさらに、前記AC/DC変換器から供給される前記直流電力を多相交流電力に変換するインバータを含んでもよい。各変換器ユニットはさらに、前記AC/DC変換器と前記インバータとの間に平滑化コンデンサを含んでもよい。駆動システムはさらに、前記変換器ユニットから供給される多相交流電力によって駆動される複数の駆動モータを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、第一駆動システムの構造を示す概略図である。
【
図2】
図2は、第一駆動システムの駆動装置の構造をより詳細に示す概略図である。
【
図3】
図3は、第一駆動システムにおける駆動装置のPWM動作をどのように位相シフトするかを示す概略図である。
【
図4】
図4は、第一駆動システムを制御する制御装置の機能を示す概略図である。
【
図5】
図5は、第一駆動システムの変換装置と駆動装置における第一起動シーケンスの比較例を示す図である。
【
図6】
図6は、第一起動シーケンスの複合ノイズ電流について、直流電流と交流電流を時間に対してそれぞれプロットした図である。
【
図7】
図7は、第一駆動システムの変換装置と駆動装置における第二起動シーケンスの比較例を示す図である。
【
図8】
図8は、第一駆動システムの変換装置と駆動装置における第三起動シーケンスの例を示す図である。
【
図9】
図9は、第三および第一起動シーケンスの複合ノイズ電流について、直流電流と交流電流を時間に対してそれぞれプロットした図である。
【
図10】
図10は、第二駆動システムの構造を示す概略図である。
【
図11】
図11は、第二駆動システムにおける駆動装置のPWM動作をどのように位相シフトするのかを示す概略図である。
【
図12】
図12は、第二駆動システムの変換装置と駆動装置における第四起動シーケンスの比較例を示す図である。
【
図13】
図13は、第二駆動システムの変換装置と駆動装置における第五起動シーケンスの例を示す図である。
【
図14】
図14は、第四および第五起動シーケンスの複合ノイズ電流について、直流電流と交流電流を時間に対してそれぞれプロットした図である。
【
図15】
図15は、列車編成を形成するよう連結された各列車に配置された二つの駆動システムの構造を示す概略図である。
【
図16】
図16は、二つの駆動システムにおける駆動装置のPWM動作をどのように位相シフトするのかを示す概略図である。
【
図17】
図17は、二つの駆動システムの変換装置と駆動装置における第六起動シーケンスの比較例を示す図である。
【
図18】
図18は、二つの駆動システムの変換装置と駆動装置における第七起動シーケンスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、第一駆動システムの構造を示す概略図である。このシステムは、9つの車両(cars)(車両1−9)からなる列車に配置される。車両2、3、5、7および8はそれぞれ、列車を駆動するための駆動装置(traction converter(CNV)unit)1および駆動装置(CNV unit)によって動力を与えられた駆動モータ4を有する。車両1、4、6および9は駆動装置と駆動モータを有しないが、車両1、4および9はそれぞれ変換装置2を有し、車両1および9はさらにそれぞれ架線から高電圧交流電力の供給を受けるためのパンタグラフ3を有する。変換装置の高電圧側は車両1から車両9にのびる電力線8によって接続される。
【0022】
パンタグラフ3によって集められた交流電力は変換装置2に供給され、その後、降圧された交流電力として、駆動装置に供給される。駆動装置1は、この降圧された単相交流電力を三相交流電力へと変換し、三相電力をモータ4に供給する。システム内の電力の流れは、第一遮断器スイッチ (breaker switch)6、第二遮断器スイッチ7および第三遮断器スイッチ5によって制御される。第三遮断器スイッチ5はパンタグラフの電力線8へのそれぞれの接続を開閉する。第一遮断器スイッチ6は変換装置2の高電圧側の架線電力線8およびそこから架線への接続を開閉する。第二遮断器スイッチ7は駆動装置1の変換装置2の低電圧側への接続を開閉する。そのため、パンタグラフ3を有する各車両はそれぞれ第三遮断器スイッチ5を有し、変換装置2を有する各車両はそれぞれ第一遮断器スイッチ6を有し、駆動装置1を有する各車両はそれぞれ第二遮断器スイッチ7を有する。
【0023】
図2は、駆動装置1の構造をより詳細に示す概略図である。駆動装置1は、降圧された交流電力を直流電力に変換するPWM動作を行うAC/DC変換器101と、直流電力を可変電圧と周波数を有する多相交流電力に変換し、交流電力を駆動モータ4に供給するインバータ103と、AC/DC変換器とインバータの間に接続され直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ102を含む。
【0024】
図3は、2次高調波ノイズを打ち消すため駆動装置1のPWM動作をどのように位相シフトさせるかを示す概略図である。特に、駆動装置の5つのAC/DC変換器101のPWMパルス信号に対して以下の位相差を設定することができる:車両2:144°、車両3:108°、車両5:72°、車両7:36°、車両8:0°。これらの位相差は36°の車両間シフトに対応し、入力された降圧交流電力(典型的には50Hz周波数を有する)のゼロクロス点に関して、それが全ての駆動装置において得ることができる基準であることから、設定することができる。より詳細には、特許文献1および特許文献2を参照のこと。
【0025】
図4は、駆動システムを制御する制御装置(control unit)9の機能を示す概略図である。制御装置9は各列車のどの車両にも搭載することができる。第一6および第三7遮断器スイッチに対する指令信号 (開/閉)は、制御装置からそれぞれのスイッチに直接送信することができる。第二遮断器スイッチ6に対する指令信号もまた制御装置からそれぞれのスイッチに送信することができるが、典型的にはそれぞれの駆動装置1を介して送信する。制御装置9はスイッチ状態ディレクトリ情報 (開/閉)をスイッチから直接、または駆動装置と通信して、取得する。制御装置はまた、電力変換の開始/停止の指令信号を駆動装置1に送信し、駆動装置との通信により動作状況情報(動作中/非動作中)を取得する。
【0026】
図5は、制御装置9によって制御された、
図1に示すシステムの変換装置2と駆動装置1の第一起動シーケンスの比較例を示す。最初に、車両1と9に設置されたパンタグラフ3のうちの一つを駆動し、架線から電力を得られる状態(待機状態)にする。パンタグラフが待機状態にあることの確認を受け取った後、そのパンタグラフの第三遮断器スイッチ5が閉じられる(t0)。第三遮断器スイッチを閉じてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両1、4および9に配置された3台の第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t1)。これにより3台の変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両2、3、5および7におけるそれぞれの駆動装置1における第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t2)。第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してそれぞれの駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されその電圧が上昇する。第二遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、位相シフトされたPWMパルス信号(t3)の制御に基づいてAC/DC変換器101がスイッチ動作を開始する。
【0027】
この第一起動シーケンスにより、複数ある全ての駆動装置が同時に起動可能となるため、AC/DC変換器101がスイッチング動作を開始した直後からパルス信号の高調波ノイズを低減することができる。しかしながら、3台の変換装置2が同時(t1)に交流電力源に接続され、同時に突入電流を引き起こす。そのため、
図6に示すように、突入電流によって引き起こされる複合ノイズ電流の直流および交流成分は互いに重畳される。最悪の場合、ピークノイズ電流は、1台の変換装置の接続によって引き起こされるものに比べて三倍高くなる。
【0028】
従って
図7に、
図1に示すシステムの変換装置2と駆動装置1における第二起動シーケンスの比較例を示す。このシーケンスにより、変換装置2の突入電流によって引き起こされるノイズ電流の重畳による最悪の効果のいくつかを避けることができる。最初に、車両1と9に設置されるパンタグラフ3のうちの一つを駆動し、架線から電力を得られる状態(待機状態)にする。パンタグラフが待機状態にあることの確認を受け取った後、その第三遮断器スイッチ5が閉じられる(t0)。第三遮断器スイッチを閉じてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両1に設置された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t1)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両2および3にあるそれぞれの駆動装置1における第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t2)。車両2と3の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してそれぞれの駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。車両2および3の第二遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両2および3のAC/DC変換器101が、PWMパルス信号に上述の(36°)位相シフトを設定された状態で、スイッチング動作を開始する(t3)。
【0029】
車両1の第一遮断器スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、車両9に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t3)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両7および8に設置されたそれぞれの駆動装置1の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t4)。車両7および8の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。車両7および8の第二遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両7および8のAC/DC変換器101が、PWMパルス信号に上述の位相シフトを設定された状態で、スイッチング動作を開始する(t5)。
【0030】
最後に、車両9の第一遮断スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、車両4に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t5)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両5の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t6)。車両5の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してその駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。車両5の第二遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両5のAC/DC変換器101が、PWMパルス信号に上述の位相シフトを設定された状態で、スイッチング動作を開始する(t7)。
【0031】
第二起動シーケンスによると、変換装置2は所定時間の間隔をあけて異なる時間に交流電力源に接続可能である。そのため、それぞれの突入電流によって発生するノイズ電流の重畳の量を低減することができる。このようにして、複合ノイズ電流のピークレベルを低減することができる。しかしながら、AC/DC変換器101の起動タイミングが変換器間で異なる(t3、t5、t7)。そのため、位相差による高調波ノイズの低減は、AC/DC変換器101のうちのいくつかしか動作していないt2からt7の期間中は十分に機能しない。特に、車両2と3のAC/DC変換器101のみが動作しているとき、2次高調波ノイズは大きく増加する。
【0032】
従って、
図8は
図1のシステムの変換装置2と駆動装置1における第三起動シーケンスの例を示す。このシーケンスにより、変換装置2の突入電流によって引き起こされるノイズ電流の重畳による最悪の効果のいくつかを避けることができ、さらに駆動装置1から2次高調波ノイズを低減することができる。最初に、車両1と9に搭載されるパンタグラフ3のうちの一つを駆動し、架線から電力を得られる状態(待機状態)にする。パンタグラフが待機状態にあることの確認を受け取った後、その第三遮断器スイッチ5が閉じられる(t0)。第三遮断器スイッチを閉じてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両1に設置された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t1)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両2および3にあるそれぞれの駆動装置1における第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t2)。車両2と3の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してそれぞれの駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。それぞれのコンデンサが待機状態にあるものの、車両2および3のAC/DC変換器101のスイッチング動作の開始は遅延される。
【0033】
車両1の第一遮断器スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、車両9に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t3)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両7および8に設置されたそれぞれの駆動装置1の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t4)。車両7および8の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。しかしながら、車両2および3と同様、車両7および8のAC/DC変換器101のスイッチング動作の開始は遅延される。
【0034】
車両9の第一遮断スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、車両4に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t5)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両5の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t6)。車両5の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してその駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。
【0035】
t0からt6まで、すべての変換装置2は所定時間の間隔をあけて異なる時間に交流電力源に接続される。そのため、第二起動シーケンスのように、第三起動シーケンスによってもそれぞれの突入電流によって発生するノイズ電流の重畳の量を低減することができる。このようにして、複合ノイズ電流のピークレベルを低減することができる。特に、
図9に示すように、突入電力によって生じる複合ノイズ電流の直流および交流成分の両方のピークレベルを、
図6に示す複合ノイズ電流の直流および交流成分に比べて、低減することができる。
【0036】
最後に、t6からさらに所定時間(例えば2秒)経過後、全ての変換装置2が交流電力源に接続され全てのコンデンサ102が十分に充電されると、制御装置は全ての車両2、3、5、7および8のAC/DC変換器101に対して位相シフトされたスイッチング動作を同時に開始するよう命じる(t7)。このようにして、AC/DC変換器101が起動中であっても、パルス信号から2次高調波ノイズを低減することが可能となる。それどころか、他の周波数帯(例えば4次および8次)からの高調波ノイズも低減することができる。
【0037】
第三起動シーケンスにおいて、各変換装置2は順に、それぞれの第一遮断器スイッチ6が閉じられるのに2秒間の間隔をあけて、交流電力源に接続される。しかしながら、これは単なる一つのタイミング例である。一般に、第一遮断器スイッチが閉じられる時間的間隔は、直流および交流ノイズ電流が適量分低減する期間以上に設定可能である。特に、以前のスイッチが閉じられたことにより引き起こされた突入電流、およびそのノイズ電流が、次のスイッチが閉じられる前にピークを迎える。
【0038】
図10は、第二駆動システムの構造を示す概略図である。このシステムは、5つの車両(車両1−5)からなる列車に配置される。車両2、3および4はそれぞれ駆動装置(CNV unit)1および駆動装置によって列車を駆動する動力を与えられた駆動モータ4を有する。車両1および9は駆動装置と駆動モータを有しないが、それぞれ変換装置2と架線から高電圧交流電力の供給を受けるためのパンタグラフ3を有する。変換装置の高電圧側は車両1から車両5にのびる電力線8によって接続される。
【0039】
図11は、2次高調波ノイズを打ち消すため駆動装置1のPWM動作をどのように位相シフトさせるかを示す概略図である。特に、これらの位相差は60°の車両間シフトに対応し、駆動装置の3台のAC/DC変換器101のPWMパルス信号について設定可能である:車両2:120°、車両3:60°、車両4:0°。
【0040】
図12は、制御装置9によって制御される
図10のシステムの変換装置2と駆動装置1における第四起動シーケンスの比較例を示す。この起動シーケンスにより、それぞれの突入電流によって引き起こされた変換装置からのノイズ電流の重畳を避けることができる。特に、変換装置2は異なる時間(例えばt1およびt3)に交流電力源に接続される。一方で、車両2に設置されたAC/DC変換器101の起動タイミング(t3)は、車両3および4に配置されたAC/DC変換器101の起動タイミング(t5)より早い。そのため、t3からt5までは、車両2のAC/DC変換器(101)から発生する高調波ノイズを打ち消すことができない。
【0041】
図13は、
図10のシステムの変換装置2と駆動装置1における第五起動シーケンスを示す。この起動シーケンスにより、変換装置2からのノイズ電流の重畳を避け、駆動装置1からの高調波ノイズを低減することができる。
【0042】
最初に、車両1と5に設置されるパンタグラフ3のうちの一つを駆動し、架線から電力を得られる状態(待機状態)にする。パンタグラフが待機状態にあることの確認を受け取った後、その第三遮断器スイッチ5が閉じられる(t0)。第三遮断器スイッチを閉じてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両1に設置された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t1)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、車両2にある駆動装置1における第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t2)。車両2の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してその駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。しかしながら、コンデンサが準備状態にあっても、車両2のAC/DC変換器101のスイッチング動作開始が遅延する。
【0043】
車両1の第一遮断器スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、車両5に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t3)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、車両3および4に設置されたそれぞれの駆動装置1の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t4)。車両3および4の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。
【0044】
t0からt4まで、すべての変換装置2は所定時間の間隔をあけて異なる時間に交流電力源に接続される。そのため、第五起動シーケンスによってもそれぞれの突入電流によって発生するノイズ電流の重畳の量を低減することができる。このようにして、複合ノイズ電流のピークレベルを低減することができる。特に、
図14に示すように、突入電力によって生じる複合ノイズ電流の直流および交流成分の両方のピークレベルを、第四起動シーケンスによって生じる複合ノイズ電流の直流および交流成分に比べて、低減することができる。
【0045】
最後に、t4からさらに所定時間(例えば2秒)経過後に、両変換装置2が交流電力源に接続されて全てのコンデンサ102が十分に充電されると、制御装置は全ての車両2、3および4のAC/DC変換器101に対して位相シフトされたスイッチング動作を同時に開始するよう命じる(t6)。このようにして、AC/DC変換器101が起動中であっても、パルス信号から2次(および4次および8次)高調波ノイズを低減することが可能となる。
【0046】
図15は、二つの駆動システムの構造を示す概略図である。各システムは5つの車両(車両1−5)からなるそれぞれの列車(T1およびT2)に配置される。2つの列車は機械的に連結されて列車編成を構成するが、各駆動システムは互いに電気的に独立している。2つの駆動システムは同一であり、
図10に関して上述された駆動システムと同一である。
【0047】
図16は、どのように2次高調波ノイズを打ち消すため駆動装置1のPWM動作を位相シフトさせるかを示す概略図である。特に、T1の駆動装置の3台のAC/DC変換器101のPWMパルス信号に対して、60°の車両間シフトに対応する、以下の位相差を設定することができる:車両2:120°、車両3:60°、車両4:0°。同様に、T2の駆動装置の3台のAC/DC変換器101のPWMパルス信号に対して、60°の車両間シフトに対応する、以下の位相差を設定することができる:車両2:150°、車両3:90°、車両4:30°。各列車の駆動システムは、このように2次高調波ノイズを打ち消すよう設定される。しかしながら、2つの列車の間には30°の位相シフトがあり、各列車T1とT2において発生する高調波ノイズをさらに打ち消すことができる。特に、各列車の駆動装置が60°の車両間位相差を有するとき、列車間には30°の位相シフトがあることが望ましい。
【0048】
図17は、それぞれの制御装置9によって制御される
図15に示すシステムの変換装置2と駆動装置1における第六起動シーケンスの例を示す。この起動シーケンスにより、それぞれの突入電流によって引き起こされる変換装置からのノイズ電流の重畳を避けることができる。特に、各変換装置は異なる時間(t1、t3、t5、t7)に交流電力源に接続される。一方で、T1車両2に搭載されたAC/DC変換器101の起動タイミング(t3)は、T1車両3および4に設置されたAC/DC変換器101の起動タイミング(t5)より早い。同様に、T2車両2に搭載されたAC/DC変換器101の起動タイミング(t7)は、T2車両3および4に搭載されたAC/DC変換器101の起動タイミング(t9)より早い。そのため、t3からt5の間、T1車両2のAC/DC変換器101の高調波ノイズは打ち消すことができず、t7からt9の間、T2車両2のAC/DC変換器101の高調波ノイズは打ち消すことができない。
【0049】
図18は、
図15のシステムにおける変換装置2と駆動装置1における第七起動シーケンスの例を示す。この起動シーケンスにより、変換装置2から発生するノイズ電流の重畳を避けることができ、駆動装置1から生じる高調波ノイズを低減することができる。
【0050】
最初に、T1車両1と5に設置されるパンタグラフ3のうちの一つを駆動し、T2車両1と5に設置されるパンタグラフ3のうちの一つを駆動し、両方を架線から電力を得られる状態(待機状態)にする。パンタグラフが待機状態にあることの確認を受け取った後、その第三遮断器スイッチ5を閉じる(t0)。
【0051】
第三遮断器スイッチを閉じてから所定時間(例えば1秒)経過後、T1車両1に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t1)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、T1車両2にある駆動装置1における第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t2)。T1車両2の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してその駆動装置のコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。しかしながら、コンデンサが準備状態にあっても、T1車両2のAC/DC変換器101のスイッチング動作開始が遅延する。
【0052】
車両1の第一遮断器スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、T1車両5に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t3)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、T1車両3および4に設置されたそれぞれの駆動装置1の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t4)。車両3および4の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。
【0053】
t4からさらに所定時間(例えば2秒)経過後、T1の両変換装置2が交流電力源に接続され全てのT1コンデンサ102が十分に充電されると、T1の制御装置1は全てのT1車両2、3および4のAC/DC変換器101に対して位相シフトされたスイッチング動作を同時に開始するよう命じる(t6)。このようにして、AC/DC変換器101が起動中であっても、T1のパルス信号から2次(4次および8次)高調波ノイズを低減することが可能となる。
【0054】
T2に目を向けると、t3から所定時間(例えば2秒)経過後に、T2車両1の第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t5)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてからさらに所定時間(例えば1秒)経過後、T2車両2に設置された駆動装置1の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t6)。T2車両2の第二遮断器スイッチが閉じられると、直流電流がAC/DC変換器101のダイオード素子を介してその駆動装置のコンデンサ102に流入し、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。しかしながら、コンデンサが準備状態にあっても、T2車両2のAC/DC変換器101のスイッチング動作開始が遅延する。
【0055】
T2車両1の第一遮断器スイッチ6が閉じられてからさらに所定時間(例えば2秒)経過後、車両5に搭載された第一遮断器スイッチ6が閉じられる(t7)。これにより変換装置2に突入電流が流れ、対応するノイズ電流が発生する。第一遮断器スイッチが閉じられてから所定時間(例えば1秒)経過後、T2車両3および4のそれぞれの駆動装置1の第二遮断器スイッチ7が閉じられる(t8)。T2車両3および4の第二遮断器スイッチが閉じられると、AC/DC変換器101のダイオード素子を介してコンデンサ102に直流電流が流れ、コンデンサが充電されてその電圧が上昇する。
【0056】
t8からさらに所定時間(例えば2秒)経過後、T2の両変換装置2が交流電力源に接続され全てのT2コンデンサ102が十分に充電されると、T2の制御装置1は全てのT2車両2、3および4のAC/DC変換器101に対して位相シフトされたスイッチング動作を同時に開始するよう命じる(t6)。このようにして、AC/DC変換器101が起動中であっても、T2のパルス信号から2次(4次および8次)高調波ノイズを低減することが可能となる。
【0057】
さらに、t0からt7の間、T1とT2の変換装置2はそれぞれ所定時間の間隔をあけて、異なる時間に交流電力源に接続される。そのため、第七起動シーケンスによって、それぞれの突入電流によって発生するノイズ電流の重畳の量を低減することができる。このようにして、複合ノイズ電流のピークレベルを低減することができる。
【0058】
第七起動シーケンスのさらなる有利な点は、シーケンス開始からモータ出力までの時間を短縮可能なことである。これは、駆動装置1が、列車編成全体としてではなく、列車ごとに起動されるからである。もし全ての駆動装置が同時に起動されるとなると、モータ4から発生する駆動トルクの出力は、およそt10まで開始しない。他方で、駆動装置を列車ごとに起動することにより、T1のモータはt6から駆動トルクを出力することができる。このように、モータ出力のタイミングをおよそ4秒早めることができる。
【0059】
列車が、電化されていない区間であるデッドセクションを走行する際、節電および線路網容量の増加のため、デッドセクションを通過後、なるべく早く列車を加速することが望ましい。そのような状況では、駆動トルクを4秒早く利用可能とすることは顕著な違いを生む。
【0060】
また、列車が追加的にエネルギー源としてエンジンと発電機を有する場合、走行中にそのエネルギー源をエンジンと発電機から架線に素早く切り替える能力は、節電および線路網容量の増加のため、同様に望ましい。
【0061】
上記内容にかかわらず、それぞれの駆動システムを有する2つ以上の列車からなる列車編成において、駆動トルクが利用可能となるまでの時間が増えてしまうとしても、全てのシステムの駆動装置による電力変換を同時に開始することができる。これは、システムごとに比べて、全てのシステムの全ての駆動装置の位相差制御を実行することにより、高調波ノイズをさらに打ち消すことができる場合、望ましい。