(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記積層体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の積層体。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明の目的で、本開示のさまざま原理の完全な理解を提供するために、特定の詳細を開示する例示的な実施形態が記載される。しかしながら、本開示が本明細書に開示される特定の詳細から逸脱する他の実施形態で実施されうることは、本開示の恩恵を受けた当業者には明らかであろう。さらには、本開示のさまざまな原理の説明を不明瞭にしないように、よく知られているデバイス、方法、及び材料の説明は省略される場合がある。最後に、該当する場合は常に、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0026】
本明細書では、範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現することができる。本明細書で用いられる場合、用語「約」とは、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の量及び特性が正確ではなく、かつ、正確である必要はなく、許容誤差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に知られている他の要因を反映して、必要に応じて近似及び/又はより大きく又はより小さくてもよいことを意味する。範囲の値又は端点を説明する際に「約」という用語が使用される場合、本開示は、言及される特定の値又は端点を含むと理解されるべきである。明細書の範囲の数値又は端点が「約」を記載しているかどうかにかかわらず、範囲の数値又は端点は、「約」によって修飾されたものと、修飾されていないものの2つの実施形態を含むことが意図されている。さらには、範囲の各々の端点は、他の端点に関連して、及び他の端点とは独立してのいずれにおいても重要であることが理解されよう。
【0027】
本明細書で使用される用語「実質的な」、「実質的に」、及びそれらの変形は、記載された特徴が値又は説明に等しい又はほぼ等しいことを示すことが意図されている。例えば、「実質的に平坦な」表面は、平坦な又はほぼ平坦な表面を示すことが意図されている。さらには、「実質的に」は、2つの値が等しいかほぼ等しいことを示すことが意図されている。幾つかの実施形態では、「実質的に」は、互いの約10%以内、例えば、互いの約5%以内、又は互いの約2%以内などの値を意味しうる。
【0028】
本明細書で使用される方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部)は、描かれた図を参照してのみ作られており、絶対的な方向を意味することは意図していない。
【0029】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の方法は、その工程が特定の順序で実行されることを必要とすると解釈されることは、決して意図されていない。したがって、方法クレームがその工程が従うべき順序を実際に列挙していないか、又は工程が特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲又は明細書に明記されていない場合には、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されていない。これには、次のような解釈のためのあらゆる非明示的根拠が当てはまる:工程の配置又は動作フローに関する論理的事項;文法上の編成又は句読点から派生した平明な意味;明細書に記載される実施形態の数又はタイプ。
【0030】
本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。よって、例えば、ある1つの(a)「構成要素」への言及は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、そのような構成要素を2つ以上有する態様を含む。
【0031】
本明細書で用いられる場合、「予め破砕された」という用語は、ガラスが基板に破砕を生じさせる意図的な事象に供されており、そのような破砕が、例えば、設計された亀裂が基板に付与されているなど、意図的な事象によって生じた亀裂内に樹脂が浸透する前にガラスに与えられていたことを意味する。言い換えれば、ガラスがデバイスに意図したように取り付けられた後に発生する破損及びデバイスの使用中の事象によって発生する破損とは対照的に、破砕事象は、電子機器又は他のデバイスでその意図した目的に使用される前に生じていた。
【0032】
本開示の態様は、概して、圧縮応力領域、中央張力領域、及び複数の亀裂を有するガラス基板;及び、該複数の亀裂内の樹脂を含む第2の相を備えた、予め破砕されたガラス複合体及び積層体に関する。予め破砕されたガラス積層体はまた、バッキング層及び基板とバッキング層との間に配置された中間膜も含むことができる。より一般的には、これらの予め破砕された複合体及び積層体は、他の光学的及び機械的特性(例えば、強度、透過率など)に加えて、耐衝撃性を特徴とする。さらには、これらの予め破砕された複合体及び積層体は、応力の適用によってこれらの内部に形成された亀裂を阻止するように構成された、予め破砕されたガラス基板を含む。さらには、これらの複合体及び積層体は、(例えば、それらがすでに制御された、予め破砕された状態にある、すなわち、ガラスが、その意図された用途で使用する前に破砕されているため)、破損時に生成するガラスの破片が鋭くならないように構成されており、これは、結果として生じる断片に接触する生物に対し、さらなる安全性を提供する。加えて、これらの予め破砕された積層体及び複合体は、「設計された」亀裂が屈折率整合樹脂で満たされているため、ベアガラス基板の光学特性を保持している。最後に、本開示は、これらの複合体及び積層体の製造方法の概要を示しており、該方法は、ガラス基板(すなわち、圧縮応力領域と中央張力領域で構成される)を樹脂に浸し、基板に複数の亀裂を導入し、樹脂を一定期間、亀裂に浸透させ、次いで亀裂内の樹脂を硬化させる工程を含む。
【0033】
図1を参照すると、ガラス組成物を含む基板10を備えた、予め破砕されたガラス複合体100が示されている。換言すれば、基板10は、その中に1つ以上のガラス材料を含みうる。基板10はまた、一対の対向する主面12、14も含む。基板10は、圧縮応力領域50、中央張力(CT)領域60、及び複数の亀裂72をさらに含む。実施形態では、複数の亀裂72は、厚さ62にわたるCT領域60内に位置している。
図1にも示されているように、複合体100は、複数の亀裂72内にポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相70をさらに備えている。
【0034】
予め破砕されたガラス複合体100の幾つかの実施形態では、
図1に示されるように、ガラス基板10は、その表面積を画定する、選択された長さと幅、又は直径を含む。基板10は、その長さと幅、又は直径によって画定される基板10の主面12、14の間に少なくとも1つの縁部を有しうる。
【0035】
ガラス基板10は、アモルファス基板、結晶基板、又はそれらの組合せ(例えば、ガラスセラミック基板)を含みうる。ガラス基板10は、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸塩ガラス、アルカリアルミノリンケイ酸塩ガラス、又はアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスを含みうる。1つ以上の実施形態では、(本明細書に記載されるように化学的に強化される前の)ガラス基板10は、約40〜約80の範囲のSiO
2、約10〜約30の範囲のAl
2O
3、約0〜約10の範囲のB
2O
3、約0〜約20の範囲のR
2O、及び約0〜約15の範囲のROを含む、モルパーセント(モル%)単位の組成を有するガラスを含みうる。幾つかの事例では、組成物は、約0モル%〜約5モル%の範囲のZrO
2及び約0〜約15モル%の範囲のP
2O
5のうちの一方又は両方を含みうる。TiO
2は約0モル%〜約2モル%で存在しうる。
【0036】
幾つかの実施形態では、ガラス基板10の組成物は、SiO
2を、モル%で、約45〜約80、約45〜約75、約45〜約70、約45〜約65、約45〜約60、約45〜約65、約45〜約65、約50〜約70、約55〜約70、約60〜約70、約70〜約75、又は約50〜約65の範囲の量で含みうる。
【0037】
幾つかの実施形態では、ガラス基板10の組成物は、Al
2O
3を、モル%で、約5〜約28、約5〜約26、約5〜約25、約5〜約24、約5〜約22、約5〜約20、約6〜約30、約8〜約30、約10〜約30、約12〜約30、約14〜約30、約16〜約30、約18〜約30、又は約18〜約28の範囲の量で含みうる。
【0038】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板10の組成物は、B
2O
3を、モル%で、約0〜約8、約0〜約6、約0〜約4、約0.1〜約8、約0.1〜約6、約0.1〜約4、約1〜約10、約2〜約10、約4〜約10、約2〜約8、約0.1〜約5、又は約1〜約3の範囲の量で含みうる。幾つかの事例では、ガラス組成物は、B
2O
3を実質的に含まないことがある。本明細書で用いられる場合、組成物の成分に関して語句「実質的に含まない」とは、その成分が、最初のバッチ処理中に組成物に積極的に又は意図的には添加されないが、不純物として約0.001モル%未満の量で存在しうることを意味する。
【0039】
幾つかの実施形態では、ガラス基板10の組成物は、MgO、CaO、及びZnOなど、1つ以上のアルカリ土類金属酸化物を含みうる。幾つかの実施形態では、1つ以上のアルカリ土類金属酸化物の総量は、最大約15モル%までのゼロではない量でありうる。1つ以上の特定の実施形態では、アルカリ土類金属酸化物の総量は、最大約14モル%、最大約12モル%、最大約10モル%、最大約8モル%、最大約6モル%、最大約4モル%、最大約2モル%、又は最大約1.5モル%までのゼロではない量でありうる。幾つかの実施形態では、1つ以上のアルカリ土類金属酸化物のモル%での総量は、約0.1〜10、約0.1〜8、約0.1〜6、約0.1〜5、約1〜10、約2〜10、又は約2.5〜8の範囲でありうる。MgOの量は、約0モル%〜約5モル%(例えば、約2モル%〜約4モル%)の範囲でありうる。ZnOの量は約0〜約2モル%の範囲でありうる。CaOの量は約0モル%〜約2モル%でありうる。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はMgOを含んでよく、CaO及びZnOは実質的に含まなくてよい。一変形形態では、ガラス組成物は、CaO又はZnOを含んでよく、MgO、CaO、及びZnOのうちの他のものは実質的に含まなくてよい。1つ以上の特定の実施形態では、ガラス組成物は、MgO、CaO、及びZnOのアルカリ土類金属酸化物のうちの2つのみを含んでもよく、土類金属酸化物のうちの3つ目は実質的に含まなくてよい。
【0040】
ガラス組成物中のアルカリ金属酸化物R
2Oのモル%での総量は、約5〜約20、約5〜約18、約5〜約16、約5〜約15、約5〜約14、約5〜約12、約5〜約10、約5〜約8、約5〜約20、約6〜約20、約7〜約20、約8〜約20、約9〜約20、約10〜約20、約6〜約13、又は約8〜約12の範囲でありうる。
【0041】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板10の組成物は、Na
2Oを、約0モル%〜約18モル%、約0モル%〜約16モル%又は約0モル%〜約14モル%、約0モル%〜約10モル%、約0モル%〜約5モル%、約0モル%〜約2モル%、約0.1モル%〜約6モル%、約0.1モル%〜約5モル%、約1モル%〜約5モル%、約2モル%〜約5モル%、又は約10モル%〜約20モル%の範囲の量で含む。
【0042】
幾つかの実施形態では、Li
2O及びNa
2Oの量は、成形性とイオン交換能のバランスをとるために特定の量又は比率に制御される。例えば、Li
2Oの量が増えると、液相線粘度が低下し、したがって一部の成形方法が使用できなくなる場合がある;しかしながら、このようなガラス組成物は、本明細書に記載されるように、より深いDOCレベルまでイオン交換される。Na
2Oの量によって液相線粘度を修正することができるが、より深いDOCレベルへのイオン交換を阻害する可能性がある。
【0043】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板10の組成物は、K
2Oを、約5モル%未満、約4モル%未満、約3モル%未満、約2モル%未満、又は約1モル%未満の量で含みうる。1つ以上の代替的な実施形態では、ガラス組成物は、本明細書で規定されるように、K
2Oを実質的に含まない場合がある。
【0044】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板10の組成物は、Li
2Oを、約0モル%〜約18モル%、約0モル%〜約15モル%又は約0モル%〜約10モル%、約0モル%〜約8モル%、約0モル%〜約6モル%、約0モル%〜約4モル%又は約0モル%〜約2モル%の量で含みうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、Li
2Oを、約2モル%〜約10モル%、約4モル%〜約10モル%、約6モル%〜約10モル%、又は約5モル%〜約8モル%の量で含みうる。1つ以上の代替的な実施形態では、ガラス組成物は、本明細書で規定されるように、Li
2Oを実質的に含まない場合がある。
【0045】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はFe
2O
3を含みうる。このような実施形態では、Fe
2O
3は、約1モル%未満、約0.9モル%未満、約0.8モル%未満、約0.7モル%未満、約0.6モル%未満、約0.5モル%未満、約0.4モル%未満、約0.3モル%未満、約0.2モル%未満、約0.1モル%未満の量、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で存在しうる。1つ以上の代替的な実施形態では、ガラス組成物は、本明細書で規定されるように、Fe
2O
3を実質的に含まない場合がある。
【0046】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はZrO
2を含みうる。このような実施形態では、ZrO
2は、約1モル%未満、約0.9モル%未満、約0.8モル%未満、約0.7モル%未満、約0.6モル%未満、約0.5モル%未満、約0.4モル%未満、約0.3モル%未満、約0.2モル%未満、約0.1モル%未満の量、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で存在しうる。1つ以上の代替的な実施形態では、ガラス組成物は、本明細書で規定されるように、ZrO
2を実質的に含まない場合がある。
【0047】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、P
2O
5を、約0モル%〜約10モル%、約0モル%〜約8モル%、約0モル%〜約6モル%、約0モル%〜約4モル%、約0.1モル%〜約10モル%、約0.1モル%〜約8モル%、約4モル%〜約8モル%、又は約5モル%〜約8モル%の範囲で含みうる。幾つかの事例では、ガラス組成物はP
2O
5を実質的に含まないことがある。
【0048】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はTiO
2を含みうる。このような実施形態では、TiO
2は、約6モル%未満、約4モル%未満、約2モル%未満、又は約1モル%未満の量で存在しうる。1つ以上の代替的な実施形態では、ガラス組成物は、本明細書で規定されるように、TiO
2を実質的に含まない場合がある。幾つかの実施形態では、TiO
2は、約0.1モル%〜約6モル%、又は約0.1モル%〜約4モル%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態では、ガラスは、TiO
2を実質的に含まないことがある。
【0049】
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、さまざまな組成関係を含みうる。例えば、ガラス組成物は、約0.5〜約1の範囲のLi
2Oの量(モル%)のR
2Oの総量(モル%)に対する比を含みうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約−5〜約0の範囲のR
2Oの総量(モル%)のAl
2O
3の量(モル%)に対する差を含みうる。幾つかの事例では、ガラス組成物は、約0〜約3の範囲のR
xOの総量(モル%)とAl
2O
3の量との差を含みうる。1つ以上の実施形態のガラス組成物は、約0〜約2の範囲のMgOの量(モル%)のROの総量(モル%)に対する比を示しうる。
【0050】
幾つかの実施形態では、ガラス基板10に用いられる組成物は、Na
2SO
4、NaCl、NaF、NaBr、K
2SO
4、KCl、KF、KBr、及びSnO
2を含む群から選択される、0〜2モル%の少なくとも1つの清澄剤でバッチ化されていてもよい。1つ以上の実施形態によるガラス組成物はさらに、約0〜約2、約0〜約1、約0.1〜約2、約0.1〜約1、又は約1〜約2の範囲のSnO
2を含みうる。本明細書に開示されるガラス組成物は、As
2O
3及び/又はSb
2O
3を実質的に含まないことがある。
【0051】
1つ以上の実施形態では、組成物は、具体的には、62モル%〜75モル%のSiO
2;10.5モル%〜約17モル%のAl
2O
3;5モル%〜約13モル%のLi
2O;0モル%〜約4モル%のZnO;0モル%〜約8モル%のMgO;2モル%〜約5モル%のTiO
2;0モル%〜約4モル%のB
2O
3;0モル%〜約5モル%のNa
2O;0モル%〜約4モル%のK
2O;0モル%〜約2モル%のZrO
2;0モル%〜約7モル%のP
2O
5;0モル%〜約0.3モル%のFe
2O
3;0モル%〜約2モル%のMnOx;及び、0.05モル%〜約0.2モル%のSnO
2を含みうる。
【0052】
1つ以上の実施形態では、組成物は、67モル%〜約74モル%のSiO
2;11モル%〜約15モル%のAl
2O
3;5.5モル%〜約9モル%のLi
2O;0.5モル%〜約2モル%のZnO;2モル%〜約4.5モル%のMgO;3モル%〜約4.5モル%のTiO
2;0モル%〜約2.2モル%のB
2O
3;0モル%〜約1モル%のNa
2O;0モル%〜約1モル%のK
2O;0モル%〜約1モル%のZrO
2;0モル%〜約4モル%のP
2O
5;0モル%〜約0.1モル%のFe
2O
3;0モル%〜約1.5モル%のMnOx;及び、0.08モル%〜約0.16モル%SnO
2を含みうる。
【0053】
1つ以上の実施形態では、組成物は、70モル%〜75モル%のSiO
2;10モル%〜約15モル%のAl
2O
3;5モル%〜約13モル%のLi
2O;0モル%〜約4モル%のZnO;0.1モル%〜約8モル%のMgO;0モル%〜約5モル%のTiO
2;0.1モル%〜約4モル%のB
2O
3;0.1モル%〜約5モル%のNa
2O;0モル%〜約4モル%のK
2O;0モル%〜約2モル%のZrO
2;0モル%〜約7モル%のP
2O
5;0モル%〜約0.3モル%のFe
2O
3;0モル%〜約2モル%のMnOx;及び、0.05モル%〜約0.2モル%のSnO
2を含みうる。
【0054】
1つ以上の実施形態では、組成物は、52モル%〜約63モル%のSiO
2;11モル%〜約15モル%のAl
2O
3;5.5モル%〜約9モル%のLi
2O;0.5モル%〜約2モル%のZnO;2モル%〜約4.5モル%のMgO;3モル%〜約4.5モル%のTiO
2;0モル%〜約2.2モル%のB
2O
3;0モル%〜約1モル%のNa
2O;0モル%〜約1モル%のK
2O;0モル%〜約1モル%のZrO
2;0モル%〜約4モル%のP
2O
5;0モル%〜約0.1モル%のFe
2O
3;0モル%〜約1.5モル%のMnOx;及び、0.08モル%〜約0.16モル%のSnO
2を含みうる。
【0055】
幾つかの実施形態では、組成物は、B
2O
3、TiO
2、K
2O、及びZrO
2のいずれか1つ以上を実質的に含まないことがある。
【0056】
1つ以上の実施形態では、組成物は、少なくとも0.5モル%のP
2O
5、Na
2O、及び、任意選択的にLi
2Oを含んでよく、ここで、Li
2O(モル%)/Na
2O(モル%)<1である。加えて、これらの組成物は、B
2O
3及びK
2Oを実質的に含まないことがある。幾つかの実施形態では、組成物は、ZnO、MgO、及びSnO
2を含みうる。
【0057】
幾つかの実施形態では、組成物は、約58モル%〜約65モル%のSiO
2;約11モル%〜約19モル%のAl
2O
3;約0.5モル%〜約3モル%のP
2O
5;約6モル%〜約18モル%のNa
2O;0モル%〜約6モル%のMgO;及び、0モル%〜約6モル%のZnOを含みうる。ある特定の実施形態では、組成物は、約63モル%〜約65モル%のSiO
2;約11モル%〜約17モル%のAl
2O
3;約1モル%〜約3モル%のP
2O
5;約9モル%〜約20モル%のNa
2O;0モル%〜約6モル%のMgO;及び、0モル%〜約6モル%のZnOを含みうる。
【0058】
幾つかの実施形態では、組成物は次の組成関係を含みうる:R
2O(モル%)/Al
2O
3(モル%)<2、ここで、R
2O=Li
2O+Na
2Oである。幾つかの実施形態では、65モル%<SiO
2(モル%)+P
2O
5(モル%)<67モル%である。ある特定の実施形態では、R
2O(モル%)+R’O(モル%)−Al
2O
3(モル%)+P
2O
5(モル%)>−3モル%であり、ここで、R
2O=Li
2O+Na
2Oであり、R’Oは組成物中に存在する二価金属酸化物の総量である。
【0059】
実施形態によれば、ガラス基板10の組成は、下記表1に概説されるいずれかの組成(A、B、及びC)によって与えられうる。
【0061】
再び
図1を参照すると、ガラス基板10は、選択された厚さtも有しうる。幾つかの実施形態では、基板は、約0.03mm〜約2mm、約0.1mm〜約1mm、又は約0.1mm〜約0.8mmの厚さtを有する。他の実施形態では、基板は、約0.1mm〜約1.5mm、約0.1mm〜約1.3mm、又は約0.1mm〜約1.0mmの厚さtを有する。1つ以上の実施形態では、ガラス基板10の厚さtは、約2mm以下、約1.5mm以下、約1.1mm以下、又は1mm以下でありうる(例えば、約0.03mm〜約1.5mm、約0.1mm〜約1.5mm、約0.2mm〜約1.5mm、約0.3mm〜約1.5mm、約0.4mm〜約1.5mm、約0.01mm〜約1.1mmの範囲、約0.1mm〜約1.1mm、約0.2mm〜約1.1mm、約0.3mm〜約1.1mm、約0.4mm〜約1.1mm、約0.03mm〜約1.4mm、約0.03mm〜約1.2mm、約0.03mm〜約0.1mm、約0.03mm〜約1mm、約0.03mm〜約0.9mm、約0.03mm〜約0.8mm、約0.03mm〜約0.7mm、約0.03mm〜約0.6mm、約0.03mm〜約0.5mm、約0.1mm〜約0.5mm、又は約0.3mm〜約0.5mmの範囲)。
【0062】
再び
図1を参照すると、予め破砕されたガラス複合体100の実施形態では、ガラス基板10の圧縮応力領域50は、主面12、14の一方又は両方から選択された深さ52まで延びうる。このように、圧縮応力領域50は、縁部の近くを含めて、基板10内の1つ以上の場所に存在しうる。
図1に例示的な形態で示されるように、圧縮応力領域50は、基板10の主面12、14の各々から第1の選択された深さ52まで延びうる。
【0063】
予め破砕されたガラス複合体100の幾つかの実装形態では、圧縮応力領域50及び選択された深さ52は、イオン交換又は熱焼戻しプロセスによって画成される。本明細書で用いられる場合、「選択された深さ」(例えば、選択された深さ52)、「層の深さ」、及び「DOC」は、イオン交換又は熱焼戻しによって強化されたガラス基板の応力が圧縮から引張に変化する深さを規定するために、交換可能に用いられる。DOCは、イオン交換又は熱焼戻し処理に応じて、FSM−6000又は散乱光偏光器(SCALP)などの表面応力計によって測定することができる。予め破砕されたガラス複合体100(又は、
図2A〜
図4に示される積層体200a〜400)の応力が熱焼戻しプロセスによって又はカリウムイオンをガラス基板10内へと交換することによって生成される場合には、表面応力計を使用してDOCを測定することができる。応力がナトリウムイオンをガラス物品内へと交換することによって生成される場合には、SCALPを使用してDOCを測定することができる。複合体100(又は、
図2A〜
図4に示される積層体200a〜400)の応力がカリウムイオンとナトリウムイオンの両方をガラス内へと交換することによって生成される場合には、ナトリウムの交換深さはDOCを示し、カリウムイオンの交換深さは、圧縮応力の規模の変化(ただし、圧縮から引張への応力変化ではない)を示すと考えられていることから、DOCはSCALPによって測定される;このようなガラス物品中のカリウムイオンの交換深さは、表面応力計によって測定される。また、本明細書で使用される「最大圧縮応力」は、基板10の圧縮応力領域50内の最大圧縮応力として定義される。幾つかの実施形態では、最大圧縮応力(CS)は、圧縮応力領域50を画成する1つ以上の主面12、14又はその近くで得られる。他の実施形態では、最大CSは、1つ以上の主面12、14と圧縮応力領域50の選択された深さ52との間で得られる。当技術分野で通常使用される慣例によれば、圧縮は負(<0)の応力として表され、張力は正(>0)の応力として表される。しかしながら、本明細書全体を通して、CSは正の値又は絶対値として表される(すなわち、本明細書に記載されているように、CS=|CS|である)。
【0064】
折原製作所(日本所在)製造のFSM−6000などの表面応力計によって表面CSを測定する場合、このような測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光学係数(SOC)の正確な測定に依拠している。SOCは、その内容全体がここに参照することによって本明細書に組み込まれる、「ガラス応力−光学係数の測定のための標準試験方法(Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient)」と題されたASTM規格C770−16に記載される手順C(ガラスディスク法)に準拠して測定される。
【0065】
熱焼戻ししたガラス基板10に関しては、基板10に存在する傷の伝播を防止するために熱焼戻しプロセスを使用することができる。幾つかの実施形態では、熱焼戻ししたガラス基板10の圧縮応力領域50の選択された深さ52は、最大で、基板の厚さ全体の約21%まででありうる。幾つかの実施形態では、熱焼戻しプロセスによって形成された圧縮応力領域50を含むガラス基板10は、少なくともある特定の厚さ(例えば、約3mm以上の厚さ)を有することが必要とされる。この最小厚さは、基板10のコアとその主面12、14との間の十分な熱勾配の発生を通じて所望の残留応力を達成するために必要でありうる。
【0066】
予め破砕されたガラス複合体100の幾つかの実装形態では、
図1に例示的な形態で示されるように、ガラス基板10は、化学的に強化されたアルミノケイ酸塩ガラスから選択される。他の実施形態では、基板10は、150MPaを超える最大圧縮応力で、10μmを超える第1の選択された深さ52まで延びる圧縮応力領域50を有する化学強化されたアルミノケイ酸塩ガラスから選択される。さらなる実施形態では、基板10は、400MPaを超える最大圧縮応力で、25μmを超える第1の選択された深さ52まで延びる圧縮応力領域50を有する化学強化されたアルミノケイ酸塩ガラスから選択される。
【0067】
前述のとおり、予め破砕されたガラス複合体100のガラス基板10はまた、1つ以上の主面12、14から(一又は複数の)選択された深さ52まで延びる1つ以上の圧縮応力領域50を含みうる。幾つかの態様では、圧縮応力領域50は、約150MPa超、200MPa超、250MPa超、300MPa超、350MPa、400MPa超、450MPa超、500MPa超、550MPa超、600MPa超、650MPa超、700MPa超、750MPa超、800MPa超、850MPa超、900MPa超、950MPa超、1000MPa超の最大圧縮応力、並びに最大で約1200MPaまでのこれらの値の間のすべての最大圧縮応力レベルを有する。加えて、圧縮深さ(DOC)又は第1の選択された深さ52は、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、及びさらに大きい深さに設定することができ、基板10の厚さ及び圧縮応力領域50の生成に関連する処理条件に応じて決まる。幾つかの実施形態によれば、
図1に示される予め破砕されたガラス複合体100のガラス基板10は、約2mm未満(例えば、約1.5mm以下、約1mm以下、又は約0.8mm以下〜約0.03mm)の厚さtを示すことができ、圧縮応力領域50は、1つ以上の主面12、14から選択された深さ52(又はDOC)まで、約0.1t以上延びる。
【0068】
実施形態では、CT領域60は、ガラス基板10内に主面12、14からある程度の距離をおいて配置される。
図1に例示的な形態で示されるように、CT領域60は、圧縮応力領域50に隣接する(すなわち、両方の主面12、14から延びる)基板の中央部分に位置している。本明細書でも使用されるように、「中央張力」又は「CT」は、基板10の中央張力領域60内の中央張力(すなわち引張応力)の最大の大きさとして定義される。CT値は、SCALP(例えば、エストニア国タリン所在のGlasstress Ltd.からモデル番号SCALP−04で供給される)及び当該技術分野で既知の技術を使用することによって測定される。CT領域60に関連したCT値は、約25MPa以上、約50MPa以上、約75MPa以上、約85MPa以上、約100MPa以上、約150MPa以上、約200MPa以上、約250MPa以上、又は約300MPa以上でありうる。幾つかの実施形態では、CT領域60に関連したCT値は、約50MPa〜約400MPa、(例えば、約75MPa〜約400MPa、約100MPa〜約400MPa、約150MPa〜約400MPa、約50MPa〜約350MPa、約50MPa〜約300MPa、約50MPa〜約250MPa、約50MPa〜約200MPa、約100MPa〜約400MPa、約100MPa〜約300MPa、約150MPa〜約250MPa)の範囲でありうる。本明細書で用いられる場合、CTはガラス物品の中央張力の最大の大きさである。
【0069】
前述のとおり、本明細書に記載される予め破砕されたガラス複合体100は、イオン交換プロセスによって化学的に強化されてもよい。このプロセスでは、ガラス基板10の表面(例えば、主面12、14)又はその近くのイオンは、同じ原子価又は酸化状態を有する、より大きなイオンで置き換えられるか、又はそれらと交換される。ガラス基板10がアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを含む実施形態では、ガラスの表面層内のイオン及びより大きいイオンは、Li
+(ガラス物品中に存在する場合)、Na
+、K
+、Rb
+、及びCs
+などの一価のアルカリ金属カチオンである。あるいは、表面層内の一価のカチオンを、アルカリ金属カチオン以外の一価のカチオン、例えばAg
+などで置き換えてもよい。
【0070】
イオン交換プロセスは、典型的には、ガラス基板10中のより小さいイオンと交換される、より大きいイオンを含有する1つの溶融塩浴(若しくは2つ以上の溶融塩浴)中に、予め破砕されたガラス複合体100のガラス基板10を浸漬することによって行われる。水性塩浴も利用することができることに留意すべきである。加えて、浴の組成は、2種類以上のより大きいイオン(例えば、Na
+及びK
+)又は単一のより大きいイオンを含みうる。浴組成及び温度、浸漬時間、(一又は複数の)塩浴へのガラス物品の浸漬回数、複数の塩浴の使用、アニーリング、洗浄などの追加の工程などを含むが、それらに限定されない、イオン交換プロセスのためのパラメータは、一般に、ガラス基板10の組成(ガラス基板10の構造及び存在する任意の結晶相を含む)、並びに強化作業によって得られるガラス基板10の所望のDOC及びCSによって決定されることが当業者にとって認識されるであろう。例として、ガラス基板10のイオン交換は、ガラス基板10を、限定はしないが、より大きいアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、及び塩化物などの塩を含む、少なくとも1つの溶融浴に浸漬することによって達成することができる。典型的な硝酸塩には、KNO
3、NaNO
3、LiNO
3、NaSO
4、及びそれらの組合せが含まれる。溶融塩浴の温度は、典型的には、約380℃から最高で約450℃の範囲であり、一方、浸漬時間は、ガラスの厚さ、浴温、及びガラスの拡散性に応じて、約15分間から最長約100時間の範囲である。しかしながら、上述のものとは異なる温度及び浸漬時間も使用することができる。
【0071】
1つ以上の実施形態では、予め破砕されたガラス複合体100のガラス基板10は、約370℃〜約480℃の温度を有する100%NaNO
3の溶融塩浴中に浸漬されうる。幾つかの実施形態では、ガラス基板10は、約5%〜約90%のKNO
3及び約10%〜約95%のNaNO
3を含む溶融混合塩浴中に浸漬されうる。幾つかの実施形態では、ガラス基板10は、Na
2SO
4及びNaNO
3を含む溶融混合塩浴中に浸漬されてよく、より広い温度範囲を有する(例えば、最高約500℃まで)。1つ以上の実施形態では、ガラス基板10は、第1の浴に浸漬させた後に、第2の浴に浸漬させてもよい。第2の浴への浸漬は、100%KNO
3を含む溶融塩浴中に15分間〜8時間浸漬させることを含みうる。
【0072】
イオン交換条件は、ガラス基板10のガラス組成及び厚さに基づいて修正することができる。例えば、特定の組成及び0.4mmの厚さを有するガラス基板10は、約460℃の温度を有する80〜100%のKNO
3(残りはNaNO
3)の溶融塩浴中に約10時間〜約20時間の間、浸漬されうる。約0.55mmの厚さを有する同じ基板は、約460℃の温度を有する70〜100%のKNO
3(残りはNaNO
3)の溶融塩浴中に約20時間〜約40時間の間、浸漬されうる。約0.8mmの厚さを有する同じ基板は、約460℃の温度を有する60〜100%のKNO
3(残りはNaNO
3)の溶融塩浴中に約40時間〜約80時間の間、浸漬されてもよい。1つ以上の実施形態では、ガラス基板10は、約420℃未満(例えば、約400℃又は約380℃)の温度を有する、NaNO
3及びKNO
3(例えば、49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴に、約5時間未満、さらには約4時間以下の時間、浸漬することができる。
【0073】
イオン交換条件は、「スパイク」を提供するように、又は得られるガラス基板10の表面(例えば、主面12、14)又はその近くの応力プロファイルの勾配を増加させるように、調整することができる。このスパイクは、本明細書に記載のガラスをベースとした物品に用いられるガラス組成物の独特の性質に起因して、単一組成又は混合組成を有する、単一の浴若しくは複数の浴によって達成することができる。
【0074】
図1の例示的な形態に示される予め破砕されたガラス複合体100を再び参照すると、複数の亀裂72は、厚さ62にわたる、ガラス基板10のCT領域60内に位置している。ガラス複合体100の幾つかの実施形態では、CT領域60の複数の亀裂72に加えて、追加的な亀裂は、CT領域60とガラス基板10の主面12、14の各々との間に存在しうる。したがって、ガラス基板10の亀裂全体の過半数(>50%)は、CT領域60に位置し、主面12、14には延びていない複数の亀裂72として分類することができる。幾つかの実装形態では、ガラス基板10は、シャワーパネル又は自動車用窓パネルに用いられる完全に熱焼戻ししたガラスに類似したダイシング効果を伴う、密な破砕パターンを示す複数の亀裂72を含む。幾つかの実施形態では、複数の亀裂72は、(例えば、それらが基板10及びそれらの内部に樹脂を含む第2の相70から分離したと仮定して)人間を傷つけることが少ないであろう断片を画成する。例えば、「ダイシング」効果で断片を画成する複数の亀裂72を有するガラス基板10の実施形態では、「ダイシング」された断片はアスペクト比が小さく、破砕生成表面と形成されたままの表面はより大きい角度を形成し(すなわち、刃状又はナイフ状の角度が少ない)、断片は破片よりも立方体に似ている。
【0075】
ガラス基板10の幾つかの実施形態では、複数の亀裂72によって形成されたダイシングされた断片は、ガラス物品の主平面の任意の方向において2ミリメートル(mm)以下の最大又は最長寸法に制限される。幾つかの事例では、破砕時又はガラス物品が破砕されて予め破砕されたガラス基板になった後に、ガラス基板10は、約30以下、約20以下、約15以下、約10以下、又は約5以下(例えば、約4.5以下、約4以下、約3.5以下、約3以下、約2.5以下、約2以下)の平均アスペクト比を有する複数の断片を画成する複数の亀裂72を含む。幾つかの実施形態では、複数の亀裂72によって形成される複数の断片の平均アスペクト比は、約1〜約2の範囲である。幾つかの事例では、複数の亀裂72によって画成される複数の断片の約90%以上、又は約80%以上が、本明細書に記載される平均アスペクト比を示す。また、他の実施形態では、複数の亀裂72は、ガラス基板10の厚さの10倍未満の平均断片サイズを含む。他の実施形態では、複数の亀裂72は、ガラス基板10の厚さの9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、1.5倍未満、又は1倍未満の平均断片サイズを含む。本明細書で用いられる場合、複数の亀裂72に関連した「平均アスペクト比」という用語は、断片の試料サイズの最短又は最小寸法に対する一の断片の最長又は最大寸法の比の平均を指し、各断片は複数の亀裂72によって画成されるか又は他の方法で複数の亀裂72によって形成される。「寸法」という用語は、長さ、幅、対角線、又は厚さを含みうる。さらには、本明細書で用いられる場合、複数の亀裂72に関連した「平均断片サイズ」という用語は、断片の試料サイズのうちの一の断片の最長又は最大寸法の平均を指し、各断片は複数の亀裂72によって画成されるか又は他の方法で複数の亀裂72によって形成される。
【0076】
図1に例示的な形態で示される予め破砕されたガラス複合体100を再度参照すると、複合体はまた、複数の亀裂72内、通常は亀裂72によって(例えば、1つ以上の亀裂間の空間内に)生成されたボイド内に存在する、ポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相70も含む。したがって、断片を形成又は他の方法で画成するという意味で前に説明したガラス基板10内の複数の亀裂72は、緩んだり、他の方法で複合体100から容易に分離されたりするような断片を形成しない。すなわち、第2の相70は、複数の亀裂72内に位置し、したがって、亀裂72によって形成された断片は、第2の相70によって所定の位置に保持される。幾つかの実施形態では、複数の亀裂72のかなりの部分にはエアポケットがなく、ポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相70で満たされている。
【0077】
予め破砕されたガラス複合体100の幾つかの実装形態によれば、第2の相70は、本開示の分野の当業者によって理解されるプロセス(例えば、熱エネルギー、紫外光など)を通じて硬化された硬化性樹脂に由来する、硬化した樹脂を含む。硬化した樹脂は、熱硬化性ポリマー、エポキシ、ポリエステル樹脂、及びビニルエステル材料のうちの1つ以上を含みうる。幾つかの実施形態では、第2の相70は、熱可塑性材料を含む。別の実施形態によれば、第2の相70は、Ultra Bond,Inc.社から得られる20cps〜2400cpsの粘度を有するフロントガラス修理用樹脂などの硬化性樹脂を含む。好ましい実施形態では、第2の相70は、Ultra Bond,Inc.社から得られる20cpsの粘度を有するフロントガラス修理用樹脂などの硬化性樹脂を含む。さらには、第2の相70は、幾つかの実装形態では、硬化した樹脂に加えて、又はその代替として、ポリマー、例えば熱可塑性及び/又は熱硬化性ポリマー材料を含むことができる。
【0078】
予め破砕されたガラス複合体100の幾つかの実装形態では、第2の相70は、充填エポキシ又は未充填エポキシを含む。充填エポキシの例としては、70.69質量%のNanopox C620コロイダルシリカゾル(脂環式エポキシ樹脂中、40%のシリカナノ粒子)、23.56質量%のNanopox C680(3−エチル−3−ヒドロキシメチル−オキセタン中、50質量%のシリカナノ粒子)、3質量%のCoatosil MP−200エポキシ官能性シラン(接着促進剤)、2.5質量%のCyracril UVI−6976(カチオン性光開始剤、炭酸プロピレン中、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩を含む)、0.25質量%のTinuvine292アミン安定剤(セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)及びデカン二酸1−(メチル)−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル))の重合生成物から得られるUV誘発性の触媒エポキシが挙げられる。未充填エポキシ材料の例は、48質量%のSynasia S06E脂環式エポキシ、48質量%のSynasia S−101(3−エチル−3−オキセタンメタノール)、1質量%のUVI−6976(カチオン性光開始剤)、及び3質量%のSilquest A−186(エポキシ官能化シラン)を含む。
【0079】
予め破砕されたガラス複合体100の幾つかの実施形態では、第2の相70は、ガラス基板10の屈折率に一致するように選択された組成を有するポリマー及び/又は硬化した樹脂である。幾つかの実施形態によれば、第2の相70のポリマー及び/又は硬化した樹脂は、ガラス基板10の屈折率の約20%以内、約15%以内、約10%以内、又は約5%以内の屈折率を特徴とする。
【0080】
再び
図1を参照すると、予め破砕されたガラス複合体100は耐衝撃性のために構成される。実施形態では、複合体100は、110°ダイヤモンド動的衝撃試験で破損する前に(すなわち、少なくとも10個の試料の一連の試験から判断して(N≧10))、400mm/秒を超える平均衝撃速度によって特徴づけることができる。他の実装形態では、複合体100は、110°ダイヤモンド動的衝撃試験で破損する前に(すなわち、少なくとも10個の試料の一連の試験から判断して(N≧10))、450mm/秒超、500mm/秒超、550mm/秒超、600mm/秒超、650mm/秒超、さらには700mm/秒超の平均衝撃速度によって特徴づけることができる。
【0081】
次に
図2Aを参照すると、ガラス組成物を含む基板10を備えた、予め破砕されたガラス積層体200aが示されている。換言すれば、基板10は、その中に1つ以上のガラス材料を含みうる。基板10はまた、一対の対向する主面12、14も含む。基板10は、圧縮応力領域50、中央張力(CT)領域60、及び複数の亀裂72をさらに含む。実施形態では、複数の亀裂72は、厚さ62にわたるCT領域60内に位置している(
図1参照)。
図2Aにも示されているように、積層体200aは、複数の亀裂72内に硬化した樹脂を含む第2の相70をさらに含む。
図2A及び前述からも明らかなように、積層体200aは、
図1に示され、本明細書において前に概説されたように、予め破砕されたガラス複合体100を含む。複合体100は、
図1で先に示したものと同じであり、同様の参照番号の要素は、同じ又は実質的に同様の構造及び機能を有することが理解されるべきである。
【0082】
再び
図2Aを参照すると、予め破砕されたガラス積層体200aはまた、バッキング層120a及び中間膜110も備えている。さらには、中間膜110が、ガラス基板10(すなわち、予め破砕されたガラス複合体100)の主面12、14の一方とバッキング層120aとの間に配置される。
図2Aに例示的な形態で示されるように、バッキング層120aは、ガラス基板10の厚さと実質的に等しい厚さを有する。
【0083】
図2Aに示される予め破砕されたガラス積層体200aの実施形態によれば、バッキング層120aは、ポリマー、焼戻しガラス、非焼戻しガラス、ディスプレイユニット又はアセンブリなどを含むがこれらに限定されない、1つ以上の比較的硬い材料を含む。幾つかの実装形態では、バッキング層120aは、ポリマー、ガラス、ガラスセラミック、又はセラミック材料を含みうる。幾つかの実施形態では、バッキング層120aは、中間膜110の弾性率よりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%大きい弾性率によって特徴付けることができる。好ましい実施形態では、予め破砕されたガラス積層体200aのバッキング層120aは、ガラス基板10のものと同じ又は同様の組成を有しているが、複数の亀裂72及び第2の相70は有していない。
【0084】
図2Aをさらに参照すると、予め破砕されたガラス積層体200aの中間膜110は、例えば硬化した樹脂又はポリマーなど、第2の相70と同じ又は実質的に同様の組成を含みうる。他の実装形態では、中間膜110は、(例えば、第2の相70に関連して先に概説したような)充填エポキシ、(例えば、第2の相70に関連して先に概説したような)未充填エポキシ、充填ウレタン、又は未充填ウレタンのうちの1つ以上を含みうる。中間膜110の幾つかの実施形態では、中間膜は、低弾性率のウレタンアクリレートを含みうる。幾つかの実施形態では、この材料は、シリカ充填物を含みうる。低弾性率ウレタンアクリレートの例は、31.5質量%のDoublemer554(脂肪族ウレタンジアクリレート樹脂)、1.5質量%のGenomer 4188/M22(単官能ウレタンアクリレート)、20質量%のNK Ester A−SA(β−アクリロイルオキシエチル=水素=スクシナート)、10質量%のSartomer SR339 2(フェノキシエチルアクリレート)、4質量%のIrgacure 2022(光開始剤、アシルホスフィンオキシド/アルファヒドロキシケトン)、3質量%の接着促進剤(例えば、Silquest A−189、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)を含む。充填ウレタンを形成するために、4質量%のシリカ粉末(Hi Sil 233など)を追加してもよい。
【0085】
次に
図2Bを参照すると、
図2Aに示される予め破砕されたガラス積層体200aと実質的に同様の、予め破砕されたガラス積層体200bが示されている。主な違いは、予め破砕されたガラス積層体200bが、ガラス基板10の厚さとは異なる厚さのバッキング層120bを使用していることである。このように、予め破砕されたガラス積層体200bは、
図2Aに示される予め破砕されたガラス積層体200aの構成と比較して「非対称」の構成を表す。他のすべての点で、積層体200a及び200bは同等であり、同じ又は実質的に同様の構造及び機能を有する要素には同様の参照番号が付されている。好ましい実施形態では、予め破砕されたガラス積層体200bのバッキング層120bは、そのガラス基板10のものと同じ又は同様の組成を有しているが、複数の亀裂72及び第2の相70は有していない。
【0086】
次に
図3を参照すると、
図2Aに示される予め破砕されたガラス積層体200aと実質的に同様の、予め破砕されたガラス積層体300が示されている。主な違いは、
図3の予め破砕されたガラス積層体300がバッキング層(例えば、バッキング層120a)のない2層構成のものであり、
図2Aの予め破砕されたガラス積層体200aは単層構造のものであることである。本質的に、予め破砕されたガラス積層体300は、積層体200aのバッキング層120a(
図2A参照)を第2の予め破砕されたガラス複合体100及び中間膜110で置き換えて構成されている。したがって、予め破砕されたガラス積層体300は、厚さ、一対の対向する主面12a、14a、圧縮応力領域50、中央張力(CT)領域60、及び複数の亀裂70を含む第1のガラス基板10a;厚さ、一対の対向する主面12b、14b、圧縮応力領域50、中央張力(CT)領域60、及び複数の亀裂70を含む第2のガラス基板10b;複数の亀裂70内にポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相72;並びに、第1のガラス基板10aと第2のガラス基板10bとの間に配置された中間膜110を備えている。
図3に例示的な形態で示されるように、圧縮応力領域50は、主面12a、12b、14a、14bの各々から基板10a、10bの第1の選択された深さ52(図示せず)まで延びる。さらには、複数の亀裂72は、基板10a、10bの各々のCT領域60に位置している。
【0087】
再び
図3に示される予め破砕されたガラス積層体300を参照すると、該予め破砕されたガラス積層体300は、予め破砕された複合体100の耐衝撃性の態様がその主面のそれぞれに配置されるように構成されている。このように、予め破砕されたガラス積層体300は、例えば車両の助手席窓、住宅窓などのように、その側面のいずれかに衝撃が発生すると予想される用途に使用することができる。さらには、積層体300の幾つかの実装形態によれば、予め破砕された複合体100と中間膜110との3つ以上の交互の層がともに積層体300に積層された、多層構造を採用することができる。このような構成は、弾道及び装甲防護を必要とする軍用車両の窓など、特に高い耐衝撃性を必要とする用途で使用することができる。
【0088】
予め破砕されたガラス積層体300(概して
図3参照)の好ましい実装形態では、表1の組成Aと一致する組成を有するガラス基板は、表1の組成Bと一致する組成を有する2つのガラス基板の間に(各基板間の中間膜110と共に)挟まれている。さらには、この実施形態の各基板の複数の亀裂72は、20以下かつ4以上の平均アスペクト比を含む複数の断片を画成する。この構成では、断片は、衝撃エネルギーを吸収し、各基板内の亀裂のたわみを促進するように特にサイズ設定されているため、特に高い耐衝撃性を実現することができる。加えて、事前破砕法(例えば、本開示に後で概説される方法に従って硬化性樹脂に浸漬された基板)は、対称的に配置された基板(例えば、対の最も外側の基板)で同時に実行することができ、このような処理が残りの基板(例えば、最も内側の基板)で実行される前に浸透させることができるため、3つ以上の層を有する予め破砕されたガラス積層体300は、反りなしで処理するのがより簡単でありうる。
【0089】
次に
図4を参照すると、
図2Aに示される予め破砕されたガラス積層体200aと実質的に同様の、予め破砕されたガラス積層体400が示されている。主な違いは、
図4の予め破砕されたガラス積層体400は、その予め破砕されたガラス複合体100の間に共通のバッキング層120を有する2層構成のものであり、
図2Aの予め破砕されたガラス積層体200aは、1つの複合体100と1つのバッキング層120aとを有する単層構造のものであることである。したがって、予め破砕されたガラス積層体400は、厚さ、一対の対向する主面12a、14a、圧縮応力領域50、中央張力(CT)領域60、及び複数の亀裂70を含む第1のガラス基板10a;厚さ、一対の対向する主面12b、14b、圧縮応力領域50、中央張力(CT)領域60、及び複数の亀裂70を含む第2のガラス基板10b;複数の亀裂70内にポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相72;第1の基板10aとバッキング層120との間に配置された中間膜110;並びに、第2の基板10bとバッキング層120との間に配置された中間膜110を含む。
図4に例示的な形態で示されるように、圧縮応力領域50は、主面12a、12b、14a、14bの各々から基板10a、10bの第1の選択された深さ52(図示せず)まで延びる。さらには、複数の亀裂72は、基板10a、10bの各々のCT領域60に位置している。
【0090】
再び
図4に示される予め破砕されたガラス積層体400を参照すると、該予め破砕されたガラス積層体300は、予め破砕された複合体100の耐衝撃性の態様がその主面のそれぞれに配置されるように構成されている。このように、予め破砕されたガラス積層体400は、側面のいずれかで衝撃が発生することが予想され、かつ、例えば、携帯電話で使用される両面ディスプレイ装置、車両の助手席窓内に一体化されたディスプレイ装置などのアセンブリにバッキング層を組み込むことができる用途に使用することができる。さらには、積層体400の幾つかの実装形態によれば、予め破砕された複合体100、中間膜110、及びバッキング層120との3つ以上の交互の層が積層体400にともに積層された、多層構造を採用することができる。
【0091】
本明細書に記載される予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400(
図1〜4参照)は、消費者向け電子製品又はデバイス(例えば、携帯用電子機器及びタッチ可能なディスプレイ用のカバーガラス)などのさまざまな製品及び物品に組み込むことができる。これらの複合体及び積層体はまた、ディスプレイ(又はディスプレイ物品として)(例えば、看板、POSシステム、コンピュータ、ナビゲーションシステムなど)、建築用品(壁、固定具、パネル、窓など)、輸送用品(例えば、自動車用途、列車、航空機、船舶など)、電化製品(例えば、洗濯機、乾燥機、食器洗い機、冷蔵庫など)、包装(例えば、医薬品用の包装又は容器)、若しくはある程度の破砕及び/又は耐衝撃性を必要とする物品にも使用することができる。
【0092】
本明細書に開示される予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400(
図1〜4参照)はまた、ディスプレイを備えた(一又は複数の)機器用品(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステム、ウェアラブルデバイス(例えば、時計)などを含む消費者向け電化製品、)、建築機器用品、輸送機器用品(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、家電機器用品、又は透明度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、又はそれらの組合せから恩恵を受ける機器用品などの機器用品に組み込むこともできる。本明細書に開示される物品のいずれかを組み込む例示的な機器用品(例えば、
図1〜4に示される複合体100及び積層体200a〜400と一致するもの)が
図5A及び5Bに示されている。具体的には、
図5A及び5Bは、前面504、背面506、及び側面508を有する筐体502;筐体内部に少なくとも部分的に、又は筐体内に全体的にあり、少なくともコントローラと、メモリと、筐体の前面にあるか又はそれに隣接するディスプレイ510とを含む電気部品(図示せず);並びに、ディスプレイの上方になるように筐体の前面又はその上にあるカバー基板512を含む、消費者向け電子機器500を示している。幾つかの実施形態では、カバー基板512は、本明細書に開示される予め破砕された複合体又は積層体のいずれかを含みうる。幾つかの実施形態では、筐体の一部又はカバーガラスのうちの少なくとも一方は、本明細書に開示される予め破砕された複合体又は積層体を含む。
【0093】
別の実装形態によれば、予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400は、
図6に示されるように、車両内部システムを備えた車両内部に組み込むことができる。より具体的には、複合体100及び積層体200a〜400(
図1〜4参照)は、さまざまな車両内部システムと組み合わせて使用することができる。車両内部システム644、648、652の3つの異なる例を含む、車両内部640が示されている。車両内部システム644は、ディスプレイ664を含む表面660を備えたセンターコンソールベース656を含む。車両内部システム648は、ディスプレイ676を含む表面672を備えたダッシュボードベース668を含む。ダッシュボードベース668は通常、ディスプレイも含みうる計器パネル680を含む。車両内部システム652は、表面688及びディスプレイ692を備えたダッシュボードステアリングホイールベース684を含む。1つ以上の例では、車両内部システムは、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、又は表面を含む車両内部の任意の部分であるベースを備えることができる。本明細書に記載される予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400は、車両内部システム644、648、及び652のそれぞれにおいて互換的に使用することができることが理解されよう。
【0094】
再び
図6を参照すると、ディスプレイ664、676及び692はそれぞれ、前面、背面、及び側面を有する筐体を含みうる。少なくとも1つの電気部品は、少なくとも部分的に筐体内にある。ディスプレイ要素は、筐体の前面又はその近くにある。予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400(
図1〜4参照)のうちの1つがディスプレイ要素の上に配置される。予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400は、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、又は先に説明した表面を含む車両の内部の任意の部分上で、又はそれらと共に使用することができることが理解されよう。さまざまな例によれば、ディスプレイ664、676、及び692は、車両視覚ディスプレイシステム又は車両インフォテインメントシステムでありうる。予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400は、自律型車両のさまざまなディスプレイ及び構造要素に組み込むことができ、従来の車両に関連して本明細書に提供される説明は限定的ではないことが理解されよう。
【0095】
本開示の追加の実装形態では、車両に連結されたフレーム;並びに、フレーム内に位置づけられた、又はフレームによって保持された、予め破砕された積層体(例えば、
図2A〜
図4に示される積層体200a、200b、300、400のいずれか1つ)又は予め破砕された複合体(例えば、
図1に示される複合体100)を含む、車両用窓パネルが提供される(図示せず)。実施形態では、予め破砕された積層体300(
図3参照)は、各基板が、厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域(例えば、圧縮応力領域50)、中央張力(CT)領域(例えば、CT領域60)、及び複数の亀裂(例えば、複数の亀裂72)を含む、第1、第2、及び第3のガラス基板(例えば、基板10a、10bなど);第1、第2、及び第3のガラス基板の複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相(例えば、第2の相70);第1及び第2のガラス基板(例えば、基板10a、10b)間に配置された第1の中間膜(例えば、中間膜110);並びに、第2及び第3のガラス基板(例えば、基板10a又は10bと
図3には示されていない追加の基板)間に配置された第2の中間膜(例えば、中間膜110に匹敵する)を備えている。さらには、圧縮応力領域は、主面の各々から基板内の第1の選択された深さまで延びる。加えて、複数の亀裂は、基板の各々のCT領域に位置している。
【0096】
1つ以上の実施形態では、予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400(
図1〜
図4参照)のいずれか1つが湾曲した形態で提供されうる。曲率は、熱プロセス又は冷間成形プロセスによって付与されうる。予め破砕された複合体100及び/又は積層体200a、200b、300、400のいずれか1つが冷間成形プロセスによって湾曲される場合、このような複合体又は積層体は、ガラス軟化温度より低い温度で湾曲し、湾曲した複合体又は積層体は、機械的機構、接着剤などによって湾曲した形状に保持される。
【0097】
冷間成形された複合体又は積層体の特徴は、主面12、14の間の非対称の表面圧縮である。冷間成形前は、主面12、14のそれぞれの圧縮応力は実質的に等しい。1つ以上の実施形態では、冷間成形後は、曲げ加工後の凹形を有する主面の圧縮応力は増加する。言い換えれば、凹形表面の圧縮応力は、冷間成形前よりも冷間成形後の方が大きい。理論に縛られるわけではないが、冷間成形プロセスは、曲げ及び/又は成形動作中に付与される引張応力を補償するために、成形されている複合体又は積層体の圧縮応力を増加させる。1つ以上の実施形態では、冷間成形プロセスにより、凹面に圧縮応力を生じさせる一方、冷間成形後に凸形状を形成する表面には引張応力が発生する。冷間成形後に凸面に発生する引張応力は、表面圧縮応力の正味の減少をもたらし、その結果、冷間成形後の複合体又は積層体の凸面の圧縮応力は、複合体又は積層体が平坦なときの同じ表面の圧縮応力よりも小さくなる。この非対称性は、1つの主面12、14から測定された、他方の主面とは異なるDOC値として現れる。
【0098】
次に
図9A及び9Bを参照すると、動的衝撃試験装置900が概略的な形で示されている。装置900は、予め破砕された複合体及び積層体(例えば、
図1〜
図4に示される複合体100及び積層体200a、200b、300、400)を試験中に適所に保持するように構成された、固定具902(例えば、アルミニウム合金から製造)及び4つのネジ904(例えば、ポリマー材料から製造)を含む。固定具902は、試験中の試料の裏側からの衝撃事象を記録するために高速カメラ又は同様の機器を保持するように機能する孔又はオリフィス906を含む。さらには、装置900は、典型的には110度のピラミッド形状を有するダイヤモンドチップで構成された圧子912を含む。
【0099】
本明細書で用いられる場合、「動的衝撃試験」は、
図9A及び9Bに示される動的衝撃試験装置900等の装置によって適所に保持された状態で、予め破砕された複合体又は積層体(例えば、
図1〜
図4に示される複合体100及び積層体200a、200b、300、400)の露出した表面に110度のピラミッド形状の圧子を打ち込むことによって行われる。さらには、各衝撃は、圧子が、試料の表面に直交する方向で、予め破砕された複合体又は積層体に打ち込まれるように行われる。試料の1つのグループに由来する各試料は、所定の衝撃速度に晒される;また、そのグループに由来する各連続した試料は、グループ内の試料に障害が観察されるまで、衝撃速度を増加させて試験される。したがって、グループの各試料は1回だけ試験される。これらの衝撃速度は、最低50mm/秒から最高700mm/秒の範囲である。さらには、試験中の圧子の動きは、所定の速度(例えば、50mm/秒から700mm/秒)で、モータで(例えば、ベルトによって)駆動され、次いで試料との衝突の前にモータが圧子から解放されるように行われる。したがって、圧子は、衝撃事象の間、実質的に摩擦のない空気軸受スライド上を所定の速度で進行する。さらには、圧子の後ろに圧電センサが取り付けられ、衝撃事象に関連する荷重曲線を記録する。各試験からの荷重曲線及び(例えば、装置900のオリフィス906に取り付けられた)高速カメラからのデータを分析して、特定のグループ内の試料の特定のガラス破損モードを決定する。さらには、動的衝撃試験は、破損した試料のフラクトグラフィ分析も含めることができ、破損モード関連情報をさらに提供することもできる。
【0100】
本開示の予め破砕された複合体100及び積層体200a、200b、300、400(
図1〜
図4参照)の製造にさまざまな方法使用することができる。実施形態によれば、本方法(図には示されていない)は、中間膜110を有するバッキング層120にガラス基板10(すなわち、圧縮応力領域50及びCT領域60を含む)を積層する工程を含みうる。中間膜110は、前述のとおり、本開示の分野の当業者によって一般に理解されている方法によって(例えば、熱エネルギー、紫外線放射などによって)硬化される硬化性樹脂でありうる。
【0101】
ガラス基板10は、中間膜110によってバッキング層120に結合又は他の方法で接着された後、次に、硬化性樹脂又はポリマー(例えば、溶融した熱可塑性物質、熱硬化性ポリマーの粘性前駆体など)を含む容器又は液槽に沈積される。幾つかの実施形態では、この工程で用いられる硬化性樹脂又はポリマーは、中間膜120のものと同じ組成を有する。他の実施形態では、この工程で用いられる硬化性樹脂又はポリマーは、中間膜120とは異なる組成のものである。
【0102】
ガラス基板10の沈積、浸漬、又は他の方法によって硬化性樹脂及び/又はポリマーで覆った後、機械的圧痕(例えば、基板に対する切断、曲げ、割断、又は他の同等の作用)によって、好ましくは、基板10の縁部又は基板10の主面12、14の一方の一部に複数の亀裂72が生成される。複数の亀裂72を生成するための他の適切な方法には、熱衝撃又はレーザエネルギーの印加が含まれるが、これらに限定されない。このような方法によって1つ以上の亀裂が発生すると、亀裂は、基板10のCT領域60内を伝播して、複数の亀裂72を形成する。ガラス基板10が硬化性樹脂及び/又はポリマー内に沈積されると、樹脂及び/又はポリマーは、亀裂72(及び、それらの間又はそれらの内部)に浸透し、気泡又はポケット(若しくは、最小量の気泡又はポケット)はそれらの内部に形成されない。さらには、硬化性樹脂及び/又はポリマーの粘度は、硬化性樹脂が複数の亀裂72に完全に浸透するのに必要な時間を短縮するように選択することができる。硬化性樹脂及び/又はポリマーの複数の亀裂72への浸透が完了した後、硬化性樹脂及び/又はポリマーを含む容器から基板10を取り出し、過剰の樹脂及びポリマーを基板の主面12、14から洗浄することができる。この時点で、亀裂72内の硬化性樹脂及び/又はポリマーは、選択された特定の樹脂及び/又はポリマーを硬化するのに適したいずれかの手法(例えば、熱エネルギー、紫外線など)によって硬化して、基板10の複数の亀裂72内に存在する第2の相70を形成することができる。該方法のこの時点で、予め破砕されたガラス複合体100(
図1参照)が形成されており、これを、層及び材料(例えば、バッキング層120、120a、120b;及び、中間膜110)を一又は複数の複合体100に積層するための従来の手順を使用して、積層体200a、200b、300、400(
図2A〜
図4参照)、及びこれらの構造と一致する他の積層体の生成及び発達に使用することができる。
【0103】
本開示の予め破砕されたガラス複合体100(
図1参照)を製造する別の方法によれば、予め破砕されたガラス積層体200a(
図2A参照)は前述のように製造される;しかしながら、中間膜110は、ガラス基板10の複数の亀裂72内の第2の相70の硬化性樹脂とは異なる組成で選択される。幾つかの実装形態では、中間膜110の組成は、例えば水性媒体などの基板10を損傷しない媒体に容易に溶解できるように選択される。中間膜110及びバッキング層120aとの積層を含む予め破砕されたガラス積層体200aが前述のプロセスに従って形成された後、中間膜110は、該中間膜110が溶解しやすい適切な媒体(例えば、水性媒体)に溶解される。この時点で、バッキング層120aを除去して、予め破砕されたガラス複合体100を残すことができる(
図1参照)。
【実施例】
【0104】
本開示による予め破砕されたガラス複合体及び積層体のさまざまな非限定的な実施形態は、以下の実施例によってさらに明確にされる。
【0105】
実施例1
次に
図7A〜7Cを参照すると、イオン交換されたガラス、予め破砕されたイオン交換されたガラス基板、樹脂中間膜、及び予め破砕されたガラス基板の段階的な量の樹脂を含む5枚のシートを備えた、予め破砕された積層体の一連の写真が提供されている。
図7A〜7Cに示される積層体内の各ガラス基板は、Corning(登録商標)Gorilla(登録商標)ガラス基板(50mm×50mm×0.8mm)を、基板を460℃の純粋なKNO
3浴中に60時間浸漬することを包含するイオン交換プロセスに供し、CT領域内のCT値を最大化することによって作られた。基板に結果的に生じた応力状態が
図10に示されている。このような5枚のイオン交換されたガラス基板を、1滴のUltraBond 20cpsのフロントガラス修理用樹脂で接着した。次に、樹脂を硬化させ、365nmの紫外(UV)光に2分間曝露することによって硬化させた。硬化させた樹脂は、中間膜110として機能する(
図1〜4参照)。次に、結合された積層体ガラスを同じUltraBond 20cpsのフロントガラス樹脂の浴に浸漬し、次いで、鋭い圧子を使用して、イオン交換されたガラス基板の1つを手動で破砕し、CT領域内に複数の亀裂を生成した。積層体を放置し、少なくとも24時間、樹脂を亀裂内に浸透させた。取り出した後、積層体を洗浄し、同じUV光硬化に2分間供し、亀裂内の樹脂を硬化させた。
図7A、7B及び7Cを左から右に見ると、亀裂が樹脂で徐々に満たされたときの最大24時間までの浸透時間の各段階(
図7A=5分間、
図7B=1時間、
図7C=24時間)におけるガラスの状態が示されている。
【0106】
実施例2
次に
図8A〜8Dを参照すると、2つのイオン交換されたガラス基板を樹脂中間膜とともに備えた積層体の写真が提供されている。これらの写真に示されている各積層体は、厚さ0.8mmのイオン交換された2つのCorning(登録商標)Gorilla(登録商標)ガラス基板から製造した。これらの基板のCT領域で高いCT値を生成するために使用されるイオン交換条件には、460℃の100%KNO
3溶融塩浴に60時間浸漬して、各基板内に295MPaの中央張力を生成することが含まれる。さらには、これらの積層体の各々は、紫外線ランプでて約20分間硬化されるように、本開示で先に概説したものと一致する硬化性樹脂を使用して、これらの基板を積層することによって生成した。
図8Aの写真は、上部基板を空気中で粉砕した後の積層体の1つを示している。
図8Bの写真は、上部基板を空気中で粉砕した後に、エポキシ樹脂に浸漬した積層体の1つを示している。
図8Aから明らかなように、樹脂の浸透時には亀裂内に空気が存在する。
図8Cの積層体は、
図8Bに示される試料で用いられたのと同じエポキシ樹脂に浸漬された。浸漬した積層体の基板の1つに亀裂を生じさせ、硬化工程の完了前に、樹脂を亀裂内に30分間浸透させた。次に、得られた試料を
図8Cに示しているが、この試料は、樹脂がほとんどの亀裂に浸透し、その屈折率が基板の屈折率と実質的に一致しているため、亀裂の証拠がほとんどない。
図8Dでは、積層体試料は、硬化工程の前に樹脂を3日間亀裂に浸透させたことを除き、
図8Cで処理されたように示されている。次に、得られた試料を
図8Cに示しているが、この試料は、樹脂が実質的にすべての亀裂に浸透し、その屈折率が基板の屈折率と実質的に一致しているため、亀裂の目に見える証拠はない。
【0107】
実施例3
次に
図11を参照すると、本開示の態様に従って、動的衝撃試験装置を用いて110°ダイヤモンド動的衝撃試験で試験した、従来のガラス基板及び予め破砕されたガラス積層体についての破損前の衝撃速度のプロットが提供されている。従来のガラス基板は、それぞれ、「比較例11A」及び「比較例11B」、Corning(登録商標)Gorilla(登録商標)ガラス3及び4として
図11に特定されている。プロットから明らかなように、比較例11Aの試料グループは100mm/秒以上の衝撃速度で破損を経験している。これもプロットから明らかなように、比較例11Bの試料グループは、100mm/秒の衝撃速度で破損を経験している。対照的に、本開示の原理に従って準備した予め破砕されたガラス積層体「実施例11」は、700mm/秒の衝撃速度を持ちこたえた。
【0108】
実施例4
次に
図12を参照すると、セラミックの破壊靭性を決定するためのダブルトーション法に準拠して試験した、比較用のイオン交換ガラス基板対照(「比較例12−1」から「比較例12−4」)及び3層の予め破砕されたガラス積層体(「実施例12−1」及び「実施例12−2」)についての亀裂伸展(mm)に対する荷重(N)のプロットが示されている。本明細書で用いられる場合、「ダブルトーション法」は、その全体がここに参照することによって本開示内に組み込まれる、“The double-torsion testing technique for determination of fracture toughness and slow crack growth behavior of materials: A review,” A. Shyam and E. Lara-Curzio, J. Mater. Sci. 41 (2006) 4093-4104に記載されているプロトコルに従って実施される。さらには、比較例12−1から比較例12−4の試料のガラス基板を、前述のとおり、表1の組成Cから製造した。これらの試料は、約1mmの厚さ及び20.03mmの幅を有していた;また、イオン交換されていなかった。同様に、実施例12−1及び実施例12−2の試料のガラス基板を、前述のとおり、表1の組成Cから製造した。さらには、これらの試料は、3つの層に積層されているため、合計の厚さは約0.99mm、幅は20.03mmである;また、本開示において先に概説されたものと一致するように、以下の条件に従ってイオン交換され、積層された。特に、ガラス組成Cの各0.3mm厚のシートを、100%KNO
3中、460℃で4時間イオン交換し、室温まで冷却した。次に、塩を水中で洗い流し、UltraBond 20(「UB20」)及びUV光を使用して試料を積層し、UB20を硬化させた。外側の層は中央の層から横方向にずれており、したがって、組成Cの中央の層を破壊することなく、ワイヤカッター又はペンチを使用してそれらを容易に破砕することができた。スタックをUB20に沈積し、外側の2層を破砕した。次に、UB20を亀裂に48時間浸透させた。部品を液体から取り出し、UV光で数分間硬化させた。次に、部品をUB20に再び沈積し、中央の層をカッターで破砕して、浸透させた。部品をUB20から取り出し、UV光で再び硬化させた。
図12から明らかなように、本発明に係る試料(実施例12−1及び実施例12−2)の破損荷重及び亀裂伸展は、比較試料(比較例12−1から12−4)のそれぞれの破損荷重よりも約3倍高かった。さらには、これらの曲線からのデータを用い、本発明に係る試料(実施例12−1及び実施例12−2)及び比較試料(比較例12−1から12−4)についてダブルトーション法を使用して、それぞれ、1.94MPa√m及び0.62MPa√mの破壊靭性(K
IC)値を計算した。
【0109】
本開示の精神及びさまざまな原理から実質的に逸脱することなく、本開示の上記の実施形態に対して多くの変形及び修正を行うことができる。このようなすべての修正及び変更は、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。例えば、以下の実施形態に従い、さまざまな原理を組み合わせることができる。
【0110】
実施態様1.
予め破砕されたガラス複合体であって、
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含むガラス基板;並びに
前記複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相
を備えており、
圧縮応力領域が、主面の各々から基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、複数の亀裂がCT領域に位置している、
複合体。
【0111】
実施態様2.
複数の亀裂の実質的な部分にはエアポケットが存在しない、実施態様1に記載の複合体。
【0112】
実施態様3.
ポリマー又は硬化した樹脂が、ガラス基板の屈折率の10%以内の屈折率を特徴とする、実施態様1又は2に記載の複合体。
【0113】
実施態様4.
複合体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、実施態様1〜3のいずれかに記載の複合体。
【0114】
実施態様5.
複数の亀裂が、ガラス基板の厚さの5倍未満の平均断片サイズをさらに含む、実施態様1〜4のいずれかに記載の複合体。
【0115】
実施態様6.
複数の亀裂が複数の断片を画成し、さらには、該複数の断片が4以下の平均アスペクト比を含む、実施態様1〜5のいずれかに記載の複合体。
【0116】
実施態様7.
圧縮応力領域及び第1の選択された深さが、イオン交換又は熱焼戻しプロセスによって画成される、実施態様1〜6のいずれかに記載の複合体。
【0117】
実施態様8.
予め破砕されたガラス積層体であって、
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含むガラス基板;
複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相;
バッキング層;並びに、
基板の主面の一方とバッキング層との間に配置された中間膜
を備えており、
圧縮応力領域が、主面の各々から基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、複数の亀裂がCT領域に位置している、
積層体。
【0118】
実施態様9.
中間膜がポリマー又は硬化した樹脂を含む、実施態様8に記載の積層体。
【0119】
実施態様10.
バッキング層が、中間膜の弾性率より少なくとも25%大きい弾性率を特徴とする、実施態様8又は9に記載の積層体。
【0120】
実施態様11.
バッキング層が、ポリマー、ガラス、ガラスセラミック、又はセラミック材料を含む、実施態様8〜10のいずれかに記載の積層体。
【0121】
実施態様12.
複数の亀裂の実質的な部分にはエアポケットが存在しない、実施態様8〜11のいずれかに記載の積層体。
【0122】
実施態様13.
ポリマー又は硬化した樹脂が、ガラス基板の屈折率の10%以内の屈折率を特徴とする、実施態様8〜12のいずれかに記載の積層体。
【0123】
実施態様14.
積層体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、実施態様8〜13のいずれかに記載の積層体。
【0124】
実施態様15.
複数の亀裂が、ガラス基板の厚さの5倍未満の平均断片サイズをさらに含む、実施態様8〜14のいずれかに記載の積層体。
【0125】
実施態様16.
複数の亀裂が複数の断片を画成し、さらには、複数の断片が4以下の平均アスペクト比を含む、実施態様8〜15のいずれかに記載の積層体。
【0126】
実施態様17.
圧縮応力領域及び第1の選択された深さが、イオン交換プロセス又は熱焼戻しプロセスによって画成される、実施態様8〜16のいずれかに記載の積層体。
【0127】
実施態様18.
予め破砕されたガラス積層体であって、
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む第1のガラス基板;
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む第2のガラス基板;
第1及び第2のガラス基板の複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相;並びに
第1のガラス基板と第2のガラス基板との間に配置された中間膜
を備えており、
圧縮応力領域が、主面の各々から基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、複数の亀裂がCT領域に位置している、
積層体。
【0128】
実施態様19.
中間膜がポリマー又は硬化した樹脂を含む、実施態様18に記載の積層体。
【0129】
実施態様20.
複数の亀裂の実質的な部分にはエアポケットが存在しない、実施態様18又は19に記載の積層体。
【0130】
実施態様21.
ポリマー又は硬化した樹脂が、ガラス基板の各々の屈折率の10%以内の屈折率を特徴とする、実施態様18〜21のいずれかに記載の積層体。
【0131】
実施態様22.
積層体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、実施態様18〜21のいずれかに記載の積層体。
【0132】
実施態様23.
複数の亀裂が複数の断片を画成し、さらには、複数の断片が20以下の平均アスペクト比を含む、実施態様18〜22のいずれかに記載の積層体。
【0133】
実施態様24.
圧縮応力領域及び第1の選択された深さが、イオン交換プロセス又は熱焼戻しプロセスによって画成される、実施態様18〜23のいずれかに記載の積層体。
【0134】
実施態様25.
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む第3の基板;並びに
第2のガラス基板と第3のガラス基板との間に配置された第2の中間膜
をさらに備えており、
第2の相が、第3のガラス基板の複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂をさらに含む、
実施態様18〜24のいずれかに記載の積層体。
【0135】
実施態様26.
消費者向け電子製品であって、
前面、背面、及び側面を含む筐体;
少なくとも部分的に筐体の内側にある電気部品;並びに
筐体の前面にあるか又はそれに隣接しているディスプレイ
を備えており、
実施態様1〜7のいずれかに記載の複合体又は実施態様8〜25のいずれかに記載の積層体が、ディスプレイ上に配置されたもの、及び筐体の一部として配置されたもののうちの少なくとも一方である、
消費者向け電子製品。
【0136】
実施態様27.
車両用ディスプレイシステムであって、
前面、背面、及び側面を含む筐体;
少なくとも部分的に筐体の内側にある電気部品;並びに
筐体の前面にあるか又はそれに隣接しているディスプレイ
を備えており、
実施態様1〜7のいずれかに記載の複合体又は実施態様8〜25のいずれかに記載の積層体が、ディスプレイ上に配置されたもの、及び筐体の一部として配置されたもののうちの少なくとも一方である、
車両用ディスプレイシステム。
【0137】
実施態様28.
車両用窓パネルにおいて、
車両に連結されたフレーム;及び
前記フレーム内に位置づけられた積層体であって、
各基板が、厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む、第1、第2、及び第3のガラス基板;
第1、第2、及び第3のガラス基板の複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相;
第1のガラス基板と第2のガラス基板との間に配置された第1の中間膜;並びに
第2のガラス基板と第3のガラス基板との間に配置された第2の中間膜
を備えており、
圧縮応力領域が、主面の各々から基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、複数の亀裂が、基板の各々のCT領域に位置している、
車両用窓パネル。
【0138】
実施態様29.
予め破砕されたガラス積層体の製造方法において、
基板とバッキング層との間に中間膜を配置するとともにガラス基板をバッキング層に積層する工程であって、ガラス基板が、厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、及び中央張力(CT)領域を含む、工程;
積層された基板、バッキング層、及び中間膜を硬化性樹脂又はポリマーの浴に浸漬する工程;
ガラス基板のCT領域内に複数の亀裂を生成する工程;
ガラス基板のCT領域内の複数の亀裂内に硬化性樹脂又はポリマーを浸透させる工程;並びに
複数の亀裂内の硬化性樹脂又はポリマーを硬化させて、予め破砕されたガラス積層体を形成する工程
を含む、方法。
【0139】
実施態様30.
ガラス基板の圧縮応力領域が、積層する工程の前に行われるイオン交換プロセスによって形成される、実施態様29に記載の方法。
【0140】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0141】
実施形態1
予め破砕されたガラス複合体であって、
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含むガラス基板;並びに
前記複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相
を備えており、
前記圧縮応力領域が前記主面の各々から前記基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、前記複数の亀裂が前記CT領域に位置している、
複合体。
【0142】
実施形態2
前記複数の亀裂の実質的な部分にはエアポケットが存在しない、実施形態1に記載の複合体。
【0143】
実施形態3
前記ポリマー又は前記硬化した樹脂が、前記ガラス基板の屈折率の10%以内の屈折率を特徴とする、実施形態1又は2に記載の複合体。
【0144】
実施形態4
前記複合体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、実施形態1〜3のいずれかに記載の複合体。
【0145】
実施形態5
前記複数の亀裂が、前記ガラス基板の前記厚さの5倍未満の平均断片サイズをさらに含む、実施形態1〜4のいずれかに記載の複合体。
【0146】
実施形態6
前記複数の亀裂が複数の断片を画成し、さらには、該複数の断片が4以下の平均アスペクト比を含む、実施形態1〜5のいずれかに記載の複合体。
【0147】
実施形態7
前記圧縮応力領域及び前記第1の選択された深さが、イオン交換又は熱焼戻しプロセスによって画成される、実施形態1〜6のいずれかに記載の複合体。
【0148】
実施形態8
予め破砕されたガラス積層体であって、
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含むガラス基板;
前記複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相;
バッキング層;並びに、
前記基板の前記主面の一方と前記バッキング層との間に配置された中間膜
を備えており、
前記圧縮応力領域が前記主面の各々から前記基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、前記複数の亀裂が前記CT領域に位置している、
積層体。
【0149】
実施形態9
前記中間膜が前記ポリマー又は前記硬化した樹脂を含む、実施形態8に記載の積層体。
【0150】
実施形態10
前記バッキング層が、前記中間膜の弾性率より少なくとも25%大きい弾性率を特徴とする、実施形態8又は9に記載の積層体。
【0151】
実施形態11
前記バッキング層が、ポリマー、ガラス、ガラスセラミック、又はセラミック材料を含む、実施形態8〜10のいずれかに記載の積層体。
【0152】
実施形態12
前記複数の亀裂の実質的な部分にはエアポケットが存在しない、実施形態8〜11のいずれかに記載の積層体。
【0153】
実施形態13
前記ポリマー又は前記硬化した樹脂が、前記ガラス基板の屈折率の10%以内の屈折率を特徴とする、実施形態8〜12のいずれかに記載の積層体。
【0154】
実施形態14
前記積層体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、実施形態8〜13のいずれかに記載の積層体。
【0155】
実施形態15
前記複数の亀裂が、前記ガラス基板の前記厚さの5倍未満の平均断片サイズをさらに含む、実施形態8〜14のいずれかに記載の積層体。
【0156】
実施形態16
前記複数の亀裂が複数の断片を画成し、さらには、該複数の断片が4以下の平均アスペクト比を含む、実施形態8〜15のいずれかに記載の積層体。
【0157】
実施形態17
前記圧縮応力領域及び前記第1の選択された深さが、イオン交換又は熱焼戻しプロセスによって画成される、実施形態8〜16のいずれかに記載の積層体。
【0158】
実施形態18
予め破砕されたガラス積層体であって、
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む第1のガラス基板;
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む第2のガラス基板;
前記第1及び第2のガラス基板の前記複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相;並びに
前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に配置された中間膜
を備えており、
前記圧縮応力領域が前記主面の各々から前記基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、前記複数の亀裂が前記CT領域に位置している、
積層体。
【0159】
実施形態19
前記中間膜が前記ポリマー又は前記硬化した樹脂を含む、実施形態18に記載の積層体。
【0160】
実施形態20
前記複数の亀裂の実質的な部分にはエアポケットが存在しない、実施形態18又は19に記載の積層体。
【0161】
実施形態21
前記ポリマー又は前記硬化した樹脂が、前記ガラス基板の各々の屈折率の10%以内の屈折率を特徴とする、実施形態18〜20のいずれかに記載の積層体。
【0162】
実施形態22
前記積層体が、110度ダイヤモンド動的衝撃試験で損傷する前に、400mm/秒を超える平均衝撃速度を特徴とする、実施形態18〜21のいずれかに記載の積層体。
【0163】
実施形態23
前記複数の亀裂が複数の断片を画成し、さらには、該複数の断片が20以下の平均アスペクト比を含む、実施形態18〜22のいずれかに記載の積層体。
【0164】
実施形態24
前記圧縮応力領域及び前記第1の選択された深さが、イオン交換又は熱焼戻しプロセスによって画成される、実施形態18〜23のいずれかに記載の積層体。
【0165】
実施形態25
厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む第3の基板;及び
前記第2のガラス基板と前記第3のガラス基板との間に配置された第2の中間膜
をさらに備えており、
前記第2の相が、前記第3のガラス基板の前記複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂をさらに含む、
実施形態18〜24のいずれかに記載の積層体。
【0166】
実施形態26
消費者向け電子製品であって、
前面、背面、及び側面を含む筐体;
少なくとも部分的に前記筐体の内側にある電気部品;並びに
前記筐体の前記前面にあるか又はそれに隣接しているディスプレイ
を備えており、
実施形態1〜7のいずれかに記載の複合体又は実施形態8〜25のいずれかに記載の積層体が、前記ディスプレイ上に配置されたもの、及び前記筐体の一部として配置されたもののうちの少なくとも一方である、
消費者向け電子製品。
【0167】
実施形態27
車両用ディスプレイシステムであって、
前面、背面、及び側面を含む筐体;
少なくとも部分的に前記筐体の内側にある電気部品;並びに
前記筐体の前記前面にあるか又はそれに隣接しているディスプレイ
を備えており、
実施形態1〜7のいずれかに記載の複合体又は実施形態8〜25のいずれかに記載の積層体が、前記ディスプレイ上に配置されたもの、及び前記筐体の一部として配置されたもののうちの少なくとも一方である、
車両用ディスプレイシステム。
【0168】
実施形態28
車両用窓パネルにおいて、
前記車両に連結されたフレーム;及び
前記フレーム内に位置づけられた積層体であって、
各基板が、厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、中央張力(CT)領域、及び複数の亀裂を含む、第1、第2、及び第3のガラス基板;
前記第1、第2、及び第3のガラス基板の前記複数の亀裂内にあるポリマー又は硬化した樹脂を含む第2の相;
前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に配置された第1の中間膜;並びに
前記第2のガラス基板と前記第3のガラス基板との間に配置された第2の中間膜
を備えており、
前記圧縮応力領域が前記主面の各々から前記基板内の第1の選択された深さまで延びており、
さらには、前記複数の亀裂が前記基板の各々の前記CT領域に位置している、
積層体
を含む、車両用窓パネル。
【0169】
実施形態29
予め破砕されたガラス積層体の製造方法において、
基板とバッキング層との間に中間膜が配置されるとともに前記ガラス基板を前記バッキング層に積層する工程であって、前記ガラス基板が、厚さ、一対の対向する主面、圧縮応力領域、及び中央張力(CT)領域を含む、工程;
前記積層された基板、バッキング層、及び中間膜を硬化性樹脂又はポリマーの浴に浸漬する工程;
前記ガラス基板の前記CT領域内に複数の亀裂を生成する工程;
前記ガラス基板の前記CT領域内の前記複数の亀裂内に前記硬化性樹脂又は前記ポリマーを浸透させる工程;並びに
前記複数の亀裂内の前記硬化性樹脂又は前記ポリマーを硬化させて、予め破砕されたガラス積層体を形成する工程
を含む、方法。
【0170】
実施形態30
前記ガラス基板の前記圧縮応力領域が、前記積層する工程の前に行われるイオン交換プロセスによって形成される、実施形態29に記載の方法。