【実施例】
【0124】
実施例1:化合物1〜86の合成
化合物1〜86を、下記の出発物質及び側鎖化合物を組み合わせることによって合成した。
【0125】
化合物1の調製
化合物1を中間体1−I及び1−IIを介して合成するスキームを下記に示す。
【化38】
【0126】
2,4−ジクロロ−キナゾリン(1.01g)、4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.05g)及びトリエチルアミン(1.01g)のTHF(30mL)溶液を窒素雰囲気下、25℃で15時間撹拌した後、NH
4Cl水溶液(50mL、2M)でクエンチした。得られる混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、n−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物1−I(1.31g、収率71%)を得た。
【0127】
化合物1−I(120.1mg)及びS−I(160.2mg)の1−ペンタノール(1.4mL)溶液を、マイクロ波放射を用いて120℃で15分間加熱した後、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1/32)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物1−II(150.1mg、収率55%)を得た。
【0128】
1N HCl/ジエチルエーテル(3mL)の溶液を化合物1−II(150.1mg)のジクロロメタン(6mL)溶液に添加した。反応混合物を25℃で15時間撹拌した後、濃縮して、化合物1の塩酸塩(98.6mg、収率86%)を得た。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.04(d,1H)、7.83(dd,1H)、7.49〜7.43(m,2H)、6.38(s,1H)、4.77(s,2H)、4.46(m,1H)、3.58(m,2H)、3.25〜3.13(m,8H)、2.93(t,2H)、2.21〜2.03(m,8H)、1.99〜1.81(m,4H)、1.69(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:521.5(M+1)。
【0129】
化合物2の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物2を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.07(d,1H)、7.87〜7.80(m,2H)、7.51〜7.43(m,2H)、4.69(s,2H)、4.58(m,1H)、3.56(m,2H)、3.20〜3.02(m,8H)、2.96(t,2H)、2.33(m,2H)、2.21〜2.03(m,6H)、2.01〜1.81(m,4H)、1.70(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:521.5(M+1)。
【0130】
化合物3の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物3を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.01(d,1H)、7.79(dd,1H)、7.73(s,1H)、7.46〜7.39(m,2H)、4.81(s,2H)、4.38(m,1H)、3.56(m,2H)、3.20〜3.02(m,8H)、2.61(t,2H)、2.21〜2.02(m,6H)、2.00〜1.80(m,6H)、1.67(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:537.5(M+1)。
【0131】
化合物4の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物4を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.06(d,1H)、7.84(dd,1H)、7.52〜7.43(m,2H)、7.24(s,1H)、5.03(s,2H)、4.42(m,1H)、3.56(m,2H)、3.20〜3.01(m,8H)、2.87(t,2H)、2.18〜2.02(m,8H)、1.96〜1.79(m,4H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:521.5(M+1)。
【0132】
化合物5の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物5を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.05(d,1H)、7.83(dd,1H)、7.48〜7.42(m,2H)、4.89(s,2H)、4.48(m,1H)、3.60(m,2H)、3.28〜3.08(m,10H)、2.30〜2.02(m,8H)、2.00〜1.80(m,4H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:522.5(M+1)。
【0133】
化合物6の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物6を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.08(d,1H)、7.86(m,1H)、7.53〜7.45(m,2H)、4.58(m,1H)、4.38(s,2H)、3.60(m,2H)、3.24〜3.12(m,8H)、2.49(t,2H)、2.39(m,2H)、2.14〜1.80(m,10H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.16(m,6H);EI−MS:522.5(M+1)。
【0134】
化合物7の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物7を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.07(d,1H)、7.86(dd,1H)、7.53〜7.45(m,2H)、5.13(s,2H)、4.40(m,1H)、3.58(m,2H)、3.30〜3.11(m,10H)、2.24〜2.02(m,8H)、2.00〜1.82(m,4H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.16(m,6H);EI−MS:538.5(M+1)。
【0135】
化合物8の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物8を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.80(s,1H)、8.06(d,1H)、7.82(dd,1H)、7.50〜7.40(m,3H)、4.58(m,1H)、4.20(t,2H)、3.90(t,2H)、3.64(m,2H)、3.32〜3.10(m,8H)、2.95(m,2H)、2.38(m,2H)、2.19〜2.00(m,6H)、1.97〜1.62(m,7H)、1.42〜1.17(m,6H);EI−MS:548.5(M+1)。
【0136】
化合物9の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物9を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.05(d,1H)、7.83(dd,1H)、7.48〜7.44(m,2H)、6.33(s,1H)、4.80(s,2H)、4.45(m,1H)、3.54(m,2H)、3.20〜3.06(m,8H)、2.80(t,2H)、2.20〜2.02(m,8H)、2.00〜1.80(m,4H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:520.5(M+1)。
【0137】
化合物10の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物10を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.82(dd,1H)、7.47〜7.44(m,2H)、4.90(s,2H)、4.36(m,1H)、3.57(m,2H)、3.22〜3.08(m,8H)、2.97(t,2H)、2.20〜2.02(m,8H)、2.00〜1.80(m,4H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:521.5(M+1)。
【0138】
化合物11の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物11を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.57(s,1H)、8.06(d,1H)、7.85(m,1H)、7.53〜7.44(m,2H)、4.86(s,2H)、4.43(m,1H)、4.37(t,2H)、3.57(m,2H)、3.21〜3.04(m,8H)、2.28(m,2H)、2.20〜2.01(m,6H)、1.98〜1.80(m,4H)、1.69(m,1H)、1.40〜1.16(m,6H);EI−MS:521.5(M+1)。
【0139】
化合物12の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物12を調製した。
EI−MS:508.5(M+1)。
【0140】
化合物13の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物13を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.08(d,1H)、7.87(dd,1H)、7.54〜7.46(m,2H)、5.08(s,2H)、4.47(m,1H)、3.59(m,2H)、3.26〜3.15(m,10H)、2.45(m,2H)、2.21〜2.01(m,6H)、1.99〜1.81(m,4H)、1.71(m,1H)、1.39〜1.17(m,6H);EI−MS:522.5(M+1)。
【0141】
化合物14の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物14を調製した。
EI−MS:522.5(M+1)。
【0142】
化合物15の調製
化合物15を中間体15−I及び15−IIを介して合成するスキームを下記に示す。
【化39】
【0143】
2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン(5.00g)、4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.36g)及びTEA(4.64g)のTHF(100mL)溶液を窒素雰囲気下、25℃で15時間撹拌した後、NH
4Cl水溶液(50mL、2M)でクエンチした。得られる混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、n−ヘキサン/酢酸エチル(3:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物15−I(4.75g、収率47%)を得た。
【0144】
15−I(70.2mg)及びS−I(110.3mg)の1−ペンタノール(1.4mL)溶液を、140℃で4時間加熱した後、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1/32)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物15−II(100.1mg、収率59%)を得た。
【0145】
1N HCl/ジエチルエーテル(2mL)の溶液を化合物15−II(100.1mg)のジクロロメタン(4mL)溶液に添加した。混合物を25℃で15時間撹拌した後、濃縮して、化合物15の塩酸塩(67.8mg、収率89%)を得た。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ6.33(s,1H)、5.95(s,1H)、4.69(s,2H)、4.16(m,1H)、3.49(m,2H)、3.27〜3.07(m,8H)、2.93(t,2H)、2.28(s,3H)、2.19〜1.99(m,8H)、1.87(m,2H)、1.79〜1.64(m,3H)、1.42〜1.17(m,6H);EI−MS:485.5(M+1)。
【0146】
化合物16の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物16を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.78(s,1H)、5.95(s,1H)、4.56(s,2H)、4.27(m,1H)、3.49(m,2H)、3.22〜3.14(m,8H)、2.95(t,2H)、2.26(s,3H)、2.20〜2.04(m,8H)、1.90〜1.77(m,4H)、1.64(m,1H)、1.40〜1.16(m,6H);EI−MS:485.5(M+1)。
【0147】
化合物17の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物17を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.31(s,1H)、5.97(s,1H)、4.95(s,2H)、4.11(m,1H)、3.43(m,2H)、3.21〜3.00(m,8H)、2.88(t,2H)、2.35(s,3H)、2.18〜1.99(m,8H)、1.85(m,2H)、1.76〜1.62(m,3H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:501.5(M+1)。
【0148】
化合物18の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物18を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.71(s,1H)、5.96(s,1H)、4.72(s,2H)、4.15(m,1H)、3.46(m,2H)、3.23〜3.03(m,8H)、2.61(t,2H)、2.28(s,3H)、2.18〜1.96(m,8H)、1.86(m,2H)、1.79〜1.64(m,3H)、1.41〜1.18(m,6H);EI−MS:485.5(M+1)。
【0149】
化合物19の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物19を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.96(s,1H)、4.77(s,2H)、4.15(m,1H)、3.50(m,2H)、3.24〜3.08(m,10H)、2.28(s,3H)、2.26〜2.03(m,8H)、1.87(m,2H)、1.80〜1.63(m,3H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:486.4(M+1)。
【0150】
化合物20の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物20を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ6.00(s,1H)、4.25(s,2H)、4.17(m,1H)、3.50(m,2H)、3.25〜3.06(m,10H)、2.29(s,3H)、2.26〜2.02(m,8H)、1.90〜1.73(m,4H)、1.68(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:486.4(M+1)。
【0151】
化合物21の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物21を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.98(s,1H)、5.01(s,2H)、4.16(m,1H)、3.47(m,2H)、3.28〜3.06(m,10H)、2.29(s,3H)、2.25〜1.97(m,8H)、1.87(m,2H)、1.78〜1.62(m,3H)、1.40〜1.16(m,6H);EI−MS:502.5(M+1)。
【0152】
化合物22の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物22を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.74(s,1H)、7.40(s,1H)、5.94(s,1H)、4.39〜4.25(m,3H)、3.80(m,2H)、3.54(m,2H)、3.27〜3.05(m,10H)、2.29(m,2H)、2.26(s,3H)、2.19〜2.02(m,4H)、2.00〜1.79(m,8H)、1.70(m,1H)、1.42〜1.17(m,6H);EI−MS:512.5(M+1)。
【0153】
化合物23の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物23を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.96(s,1H)、4.95(s,2H)、4.13(m,1H)、3.49(m,2H)、3.28〜3.09(m,10H)、2.45(m,2H)、2.28(s,3H)、2.19〜2.00(m,6H)、1.87(m,2H)、1.79〜1.64(m,3H)、1.42〜1.16(m,6H);EI−MS:486.4(M+1)。
【0154】
化合物24の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物24を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.95(s,1H)、4.75(s,2H)、4.03(m,1H)、3.46(m,2H)、3.22〜3.01(m,8H)、2.91(m,2H)、2.28(s,3H)、2.20〜2.02(m,6H)、1.93(m,2H)、1.86(m,2H)、1.77〜1.62(m,3H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:485.4(M+1)。
【0155】
化合物25の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物25を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ6.01(s,1H)、5.03(s,2H)、4.09(m,1H)、3.48(m,2H)、3.26〜3.04(m,10H)、2.60(q,2H)、2.24〜1.96(m,9H)、1.84(m,2H)、1.70(m,2H)、1.41〜1.13(m,9H);EI−MS:516.5(M+1)。
【0156】
化合物26の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物26を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.98(s,1H)、4.97(s,2H)、4.14(m,1H)、3.46(m,2H)、3.22〜3.12(m,10H)、2.58(q,2H)、2.46(m,2H)、2.20〜2.02(m,6H)、1.88(m,2H)、1.80〜1.66(m,3H)、1.41〜1.13(m,9H);EI−MS:500.5(M+1)。
【0157】
化合物27の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物27を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.98(s,1H)、4.77(s,2H)、4.06(m,1H)、3.47(m,2H)、3.28〜3.02(m,8H)、2.93(m,2H)、2.58(q,2H)、2.20〜1.96(m,8H)、1.87(m,2H)、1.69(m,3H)、1.41〜1.13(m,9H);EI−MS:499.5(M+1)。
【0158】
化合物28の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物28を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ6.38(brs,1H)、5.96(s,1H)、4.72(s,2H)、4.16(m,1H)、3.48(m,2H)、3.21〜3.04(m,8H)、2.82(m,2H)、2.29(s,3H)、2.17〜2.00(m,8H)、1.87(m,2H)、1.77〜1.64(m,3H)、1.42〜1.17(m,6H);EI−MS:484.5(M+1)。
【0159】
化合物29の調製
化合物29を中間体29−I及び29−IVを介して合成するスキームを下記に示す。
【化40】
【0160】
2,4−ジクロロ−キナゾリン(1.02g)、1−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンの塩酸塩(1.21g)及びTEA(1.02g)のTHF(30mL)溶液を窒素雰囲気下、25℃で15時間撹拌した後、NH
4Cl水溶液(50mL、2M)でクエンチした。得られる混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、n−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物29−I(1.37g、収率75%)を得た。
【0161】
化合物29−I(0.26g)及びS−I(0.36g)の1−ペンタノール(2mL)溶液を、マイクロ波放射を用いて120℃で15分間加熱した後、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:32)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物29−II(0.29g、収率49%)を得た。
【0162】
化合物29−II(0.29g)のMeOH/THF(2.6mL/2.6mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下でKOH(0.05g)のH
2O(0.52mL)溶液を添加した。混合物を25℃で15時間撹拌した後、濃縮した。これにより得られる残渣をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗化合物29−III(0.24g、収率94%)を得た。
【0163】
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン二酸1−tert−ブチルエステル(300.2mg)のジクロロメタン(20mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下でEDCI(120.3mg)及びHOBt(96.2mg)を25℃で添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した後、29−III(240.2mg)のジクロロメタン(10mL)溶液を混合物に一度に添加した。反応混合物を更に6時間撹拌した後、水中に注ぎ入れた。得られる混合物をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:19)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、29−IV(170.1mg、収率51%)を得た。
【0164】
4N HCl/ジオキサンの溶液(0.85mL)を29−IV(170.1mg)のジクロロメタン/1,4−ジオキサン(3.4mL/3.4mL)溶液に添加した。混合物を25℃で15時間撹拌し、濃縮して、化合物29の塩酸塩(115.7mg、収率90%)を得た。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.98(d,1H)、7.79(t,1H)、7.47〜7.38(m,2H)、6.36(s,1H)、4.77(s,2H)、4.45(m,1H)、4.38(m,1H)、4.06〜3.96(m,2H)、3.30(m,1H)、3.26〜3.12(m,6H)、2.93(m,2H)、2.80(m,1H)、2.72(m,2H)、2.22(m,2H)、2.16〜1.79(m,10H)、1.66(m,2H)、1.51(m,1H)、1.39〜1.15(m,6H);EI−MS:650.5(M+1)。
【0165】
化合物30の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物30を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.94(m,1H)、7.82〜7.71(m,2H)、7.42〜7.42(m,2H)、4.64(s,2H)、4.48〜4.40(m,2H)、4.08〜3.99(m,2H)、3.30〜3.06(m,7H)、2.93(m,2H)、2.84(m,1H)、2.72(m,2H)、2.23〜1.98(m,9H)、1.90〜1.79(m,3H)、1.67(m,2)、1.56(m,1H)、1.41〜1.15(m,6H);EI−MS:650.5(M+1)。
【0166】
化合物31の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物31を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.97(d,1H)、7.78(t,1H)、7.48(s,1H)、7.44〜7.38(m,2H)、5.15(d,1H)、5.11(d,1H)、4.42(m,1H)、4.31(m,1H)、4.14(m,1H)、4.01(m,1H)、3.21〜3.04(m,7H)、2.94(m,2H)、2.75〜2.66(m,3H)、2.25(m,2H)、2.19〜1.78(m,10H)、1.67(m,2H)、1.49(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:666.5(M+1)。
【0167】
化合物32の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物32を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.00(d,1H)、7.81(t,1H)、7.73(s,1H)、7.46〜7.41(m,2H)、4.81(s,2H)、4.46(m,1H)、4.31(m,1H)、4.08〜3.99(m,2H)、3.23(m,1H)、3.18〜3.04(m,6H)、2.78〜2.73(m,3H)、2.62(m,2H)、2.24(m,2H)、2.11〜1.78(m,10H)、1.64(m,2H)、1.53(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:650.5(M+1)。
【0168】
化合物33の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物33を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.01(d,1H)、7.82(t,1H)、7.47〜7.42(m,2H)、4.81(s,2H)、4.50(m,1H)、4.39(m,1H)、4.04〜3.96(m,2H)、3.26〜3.12(m,9H)、2.83(m,1H)、2.71(m,2H)、2.24〜2.18(m,4H)、2.17〜1.81(m,8H)、1.68(m,2H)、1.53(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0169】
化合物34の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物34を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.00(d,1H)、7.80(t,1H)、7.46〜7.38(m,2H)、4.56〜4.42(m,2H)、4.33(s,2H)、4.06〜4.00(m,2H)、3.27(m,1H)、3.20〜3.10(m,6H)、2.86(m,1H)、2.72(m,2H)、2.47(m,2H)、2.24〜1.98(m,9H)、1.86〜1.58(m,6H)、1.40〜1.14(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0170】
化合物35の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物35を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.01(d,1H)、7.83(t,1H)、7.49〜7.43(m,2H)、5.11(d,1H)、5.07(d,1H)、4.46(m,1H)、4.32(m,1H)、4.06〜3.98(m,2H)、3.36〜3.12(m,9H)、2.72〜2.66(m,3H)、2.24〜2.04(m,8H)、1.98〜1.76(m,4H)、1.66(m,2H)、1.53(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:667.5(M+1)。
【0171】
化合物36の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物36を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.74(s,1H)、8.03(d,1H)、7.83(t,1H)、7.51〜7.39(m,3H)、4.57〜4.41(m,2H)、4.17(m,2H)、4.15〜4.02(m,2H)、3.91(m,2H)、3.35〜3.12(m,7H)、3.01〜2.81(m,3H)、2.77(m,2H)、2.31〜2.03(m,8H)、1.99〜1.60(m,9H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:677.6(M+1)。
【0172】
化合物37の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物37を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.83(t,1H)、7.51〜7.41(m,2H)、5.07(d,1H)、5.03(d,1H)、4.47(m,1H)、4.37(m,1H)、4.07〜3.96(m,2H)、3.35〜3.12(m,9H)、2.87(m,1H)、2.73(m,2H)、2.46(m,2H)、2.23(m,2H)、2.17〜2.01(m,4H)、2.00〜1.80(m,4H)、1.68(m,2H)、1.57(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0173】
化合物38の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物38を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.95(d,1H)、7.42(t,1H)、7.42〜7.38(m,2H)、4.92(d,1H)、4.87(d,1H)、4.41(m,1H)、4.22(m,1H)、4.11(m,1H)、4.02(m,1H)、3.22〜3.08(m,7H)、2.99(t,2H)、2.75(m,2H)、2.62(m,1H)、2.30〜2.00(m,8H)、1.99〜1.72(m,4H)、1.67(m,2H)、1.49(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:650.6(M+1)。
【0174】
化合物39の調製
化合物39を中間体39−I〜39−Vを介して合成するスキームを下記に示す。
【化41】
【0175】
2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン(0.82g)、1−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンの塩酸塩(1.21g)及びTEA(1.02g)のTHF(30mL)溶液を窒素雰囲気下、25℃で15時間撹拌した後、NH
4Cl水溶液(50mL、2M)でクエンチした。得られる混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、n−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物39−I(1.07g、収率66%)を得た。
【0176】
化合物39−I(0.24g)及びS−I(0.36g)の1−ペンタノール(2mL)溶液を、マイクロ波放射を用いて120℃で15分間加熱した後、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:32)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物39−II(0.33g、収率57%)を得た。
【0177】
化合物39−II(0.33g)のMeOH/THF(2.6mL/2.6mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下でKOH(0.05g)のH
2O(0.52mL)溶液を添加した。混合物を25℃で15時間撹拌した後、濃縮した。これにより得られる残渣をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗化合物39−III(0.23g、収率79%)を得た。
【0178】
3−(tert−ブトキシカルボニル−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピオン酸(280.1mg)のジクロロメタン(20mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下でEDCI(116.4mg)及びHOBt(92.5mg)を25℃で添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した後、39−III(232.8mg)のジクロロメタン(20mL)溶液を混合物に一度に添加した。反応混合物を更に6時間撹拌した後、水中に注ぎ入れた。得られる混合物をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:19)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、39−IV(231.4mg、収率72%)を得た。
【0179】
39−IV(231.4mg)のTHF(30mL)溶液に、窒素雰囲気下でLiOH水溶液(1mL、1N)を添加した。混合物を25℃で15時間撹拌した後、NH
4Cl水溶液(20mL、2M)でクエンチした。水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗残渣39−V(200.4mg、収率89%)を得た。
【0180】
4N HCl/ジオキサンの溶液(1mL)を39−V(200.4mg)のジクロロメタン/1,4−ジオキサン(4mL/4mL)溶液に添加した。混合物を25℃で15時間撹拌し、濃縮して、化合物39の塩酸塩(154.7mg、収率98%)を得た。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ6.34(s,1H)、5.92(s,1H)、4.73(d,1H)、4.65(d,1H)、4.30(m,1H)、4.10(m,1H)、3.90(s,2H)、3.88(m,1H)、3.41(t,2H)、3.31〜3.12(m,7H)、3.00〜2.82(m,5H)、2.30(s,3H)、2.18〜2.00(m,7H)、1.98〜1.77(m,4H)、1.70(m,1H)、1.53(m,1H)、1.46〜1.16(m,6H);EI−MS:614.5(M+1)。
【0181】
化合物40の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物40を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.78(s,1H)、5.91(s,1H)、4.58(d,1H)、4.52(d,1H)、4.32〜4.20(m,2H)、3.97(s,2H)、3.92(m,1H)、3.44(m,2H)、3.36〜3.12(m,7H)、3.04〜2.90(m,5H)、2.26(s,3H)、2.21〜1.80(m,10H)、1.69(m,1H)、1.57(m,1H)、1.46(m,1H)、1.40〜1.16(m,6H);EI−MS:614.5(M+1)。
【0182】
化合物41の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物41を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.39(s,1H)、5.92(s,1H)、5.00(d,1H)、4.92(d,1H)、4.22(m,1H)、4.04(m,1H)、3.93(s,2H)、3.84(m,1H)、3.41(t,2H)、3.22〜3.10(m,7H)、2.96(t,2H)、2.91(t,2H)、2.83(m,1H)、2.27(s,3H)、2.18〜2.03(m,7H)、1.93〜1.80(m,3H)、1.70(m,2H)、1.50(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:632.5(M+1)。
【0183】
化合物42の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物42を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.71(s,1H)、5.92(s,1H)、4.74(d,1H)、4.67(d,1H)、4.27(m,1H)、4.02(m,1H)、3.93(m,1H)、3.91(s,2H)、3.42(m,2H)、3.26〜3.04(m,7H)、2.97(m,2H)、2.90(m,1H)、2.63(t,2H)、2.27(s,3H)、2.19〜1.78(m,11H)、1.69(m,1H)、1.53(m,1H)、1.42〜1.17(m,6H);EI−MS:614.5(M+1)。
【0184】
化合物43の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物43を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.93(s,1H)、4.80(d,1H)、4.73(d,1H)、4.29(m,1H)、4.08(m,1H)、3.89(m,1H)、3.87(s,2H)、3.41(t,2H)、3.30〜3.10(m,9H)、2.98(t,2H)、2.91(m,1H)、2.27(s,3H)、2.25〜2.04(m,7H)、1.98〜1.78(m,4H)、1.68(m,1H)、1.54(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:615.5(M+1)。
【0185】
化合物44の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物44を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.98(s,1H)、4.38〜4.20(m,4H)、3.92(m,1H)、3.84(s,2H)、3.42(t,2H)、3.38〜3.16(m,7H)、3.06(m,1H)、2.99(t,2H)、2.51(t,2H)、2.29(s,3H)、2.22〜2.01(m,7H)、1.97〜1.81(m,3H)、1.70(m,1H)、1.62〜1.43(m,2H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:615.5(M+1)。
【0186】
化合物45の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物45を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.94(s,1H)、5.04(d,1H)、4.95(d,1H)、4.28(m,1H)、4.02(m,1H)、3.96〜3.84(m,3H)、3.41(t,2H)、3.28〜3.16(m,9H)、2.98(t,2H)、2.83(m,1H)、2.27(s,3H)、2.24〜2.04(m,7H)、1.92〜1.80(m,3H)、1.70(m,2H)、1.51(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:631.5(M+1)。
【0187】
化合物46の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物46を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.94(s,1H)、4.99(d,1H)、4.92(d,1H)、4.28(m,1H)、4.05(m,1H)、3.93(s,2H)、3.90(m,1H)、3.43(t,2H)、3.31〜3.15(m,9H)、2.99(t,2H)、2.92(m,1H)、2.47(m,2H)、2.28(s,3H)、2.19〜2.03(m,5H)、1.92〜1.80(m,3H)、1.71(m,2H)、1.53(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:615.5(M+1)。
【0188】
化合物47の調製
化合物47を中間体47−I〜47−IIIを介して合成するスキームを下記に示す。
【化42】
【0189】
化合物29−III(241mg)及びK
2CO
3(241mg)のアセトニトリル(50mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下で2−(2−ブロモ−エチル)−イソインドール−1,3−ジオン(135mg)を添加した。反応混合物を60℃で15時間撹拌した後、NH
4Cl水溶液(50mL、2M)でクエンチした。得られる混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:19)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、47−I(215mg、収率72%)を得た。
【0190】
化合物47−I(215mg)のメタノール(5mL)撹拌溶液に、5℃で85%NH
2NH
2・H
2O(40mg)を滴加した。得られる混合物を25℃で15時間撹拌した後、濃縮した。残渣をK
2CO
3水溶液(50mL、10%(w/w))中に注ぎ入れ、混合物をCH
2Cl
2(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/NH
4OH(9:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、47−II(182.3mg、収率99%)を得た。
【0191】
4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(ジエトキシ−ホスホリル)−エチルカルバモイル]−酪酸(300.6mg)のジクロロメタン(50mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下でEDCI(91.2mg)及びHOBt(72.9mg)を25℃で添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した後、化合物47−II(182.3mg)のジクロロメタン(10mL)溶液を混合物に一度に添加した。反応混合物を更に6時間撹拌した後、水中に注ぎ入れた。得られる混合物をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:19)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、47−III(241.2mg、収率87%)を得た。
【0192】
TMSBr(0.8mL)を化合物47−III(241.2mg)のジクロロメタン(15mL)溶液に添加した。反応混合物を25℃で15時間撹拌した後、濃縮して、化合物47の臭化水素酸塩(175.3mg、収率81%)を得た。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ7.97(d,1H)、7.79(dd,1H)、7.42〜7.36(m,2H)、6.40(s,1H)、4.78(s,2H)、4.42(m,1H)、4.07(m,1H)、3.81(m,2H)、3.69(m,2H)、3.52(m,2H)、3.40(m,2H)、3.30〜3.10(m,8H)、2.94(t,2H)、2.50(m,2H)、2.24〜1.93(m,14H)、1.85(m,2H)、1.68(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:800.5(M+1)。
【0193】
化合物48の調製
化合物47を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物48を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.84(s,1H)、7.80(dd,1H)、7.48〜7.40(m,2H)、4.68(s,2H)、4.59(m,1H)、4.05(m,1H)、3.82(m,2H)、3.67(m,2H)、3.52(m,2H)、3.38(m,2H)、3.31〜3.14(m,8H)、2.97(t,2H)、2.50(m,2H)、2.39(m,2H)、2.23〜2.01(m,12H)、1.85(m,2H)、1.68(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:800.5(M+1)。
【0194】
化合物49の調製
化合物47を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物49を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.81(dd,1H)、7.48〜7.40(m,2H)、7.24(s,1H)、5.01(s,2H)、4.42(m,1H)、3.99(m,1H)、3.69(m,2H)、3.65(m,2H)、3.54(m,1H)、3.45(m,1H)、3.34(m,2H)、3.20〜3.04(m,8H)、2.87(t,2H)、2.47(m,2H)、2.24〜1.97(m,12H)、1.92〜1.80(m,4H)、1.68(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:816.5(M+1)。
【0195】
化合物50の調製
化合物47を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物50を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.00(d,1H)、7.80(dd,1H)、7.75(s,1H)、7.46〜7.40(m,2H)、4.82(s,2H)、4.40(m,1H)、4.01(m,1H)、3.73(m,2H)、3.67(m,2H)、3.54(m,1H)、3.43(m,1H)、3.38(m,2H)、3.22〜3.08(m,8H)、2.62(t,2H)、2.48(m,2H)、2.25〜1.96(m,14H)、1.84(m,2H)、1.68(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:800.6(M+1)。
【0196】
化合物51の調製
化合物47を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物51を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.07(d,1H)、7.87(dd,1H)、7.54〜7.46(m,2H)、5.01(s,2H)、4.39(m,1H)、4.05(m,1H)、3.84(m,2H)、3.69(m,2H)、3.51(m,2H)、3.41(m,2H)、3.36〜3.02(m,10H)、2.51(m,2H)、2.32〜1.96(m,14H)、1.87(m,2H)、1.69(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:801.6(M+1)。
【0197】
化合物52の調製
化合物47を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物52を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.07(d,1H)、7.86(dd,1H)、7.55〜7.43(m,2H)、5.17(s,2H)、4.69(t,2H)、4.46(m,1H)、4.06(m,1H)、3.82(m,2H)、3.69(m,2H)、3.56〜3.12(m,12H)、2.53〜2.38(m,4H)、2.32〜1.80(m,14H)、1.69(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:801.6(M+1)。
【0198】
化合物53の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物53を調製した。
EI−MS:523.5(M+1)。
【0199】
化合物54の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物54を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.83(t,1H)、7.75(s,1H)、7.50〜7.42(m,2H)、4.82(s,2H)、4.47(m,1H)、4.40〜4.24(m,2H)、4.06(m,1H)、3.25(m,1H)、3.20〜3.04(m,6H)、2.80(m,1H)、2.70〜2.60(m,4H)、2.20〜1.78(m,9H)、1.92〜1.80(m,3H)、1.71(m,2H)、1.53(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0200】
化合物55の調製
化合物55を中間体55−I〜55−IIIを介して合成するスキームを下記に示す。
【化43】
【0201】
2,6−ジクロロプリン(10g)の酢酸エチル(100mL)磁気撹拌溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.08g)を添加した。得られた混合物を50℃に窒素雰囲気下で加熱し、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(7.5mL)を2時間かけて添加した。混合物を25℃で15時間撹拌した後、濾過して、粗固体を得た。固体をn−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で洗浄して、化合物55−I(14.4g、収率100%)を得た。
【0202】
化合物55−I(0.65g)の酢酸エチル(35mL)磁気撹拌溶液に、窒素雰囲気下で化合物S−XI(1.15g)及びTEA(0.75g)を添加した。混合物を50℃に4時間加熱し、25℃まで冷却した後、NH
4Cl水溶液(50mL、2M)でクエンチした。得られる溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:9)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物55−II(1.16g、収率68%)を淡黄色の固体として得た。
【0203】
化合物55−II(1.05g)及びピペラジン(1.00g)の1−ペンタノール(6mL)溶液を100℃で15時間加熱した後、濃縮した。これにより得られる残渣を、MeOH/DCM(1:1)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物55−III(0.67g、収率60%)を得た。
【0204】
1N HCl/ジエチルエーテル(5.3mL)の溶液を化合物55−III(264mg)のジクロロメタン(10.6mL)溶液に添加した。反応混合物を15時間撹拌した後、濃縮して、化合物55の塩酸塩(204mg、収率94%)を得た。EI−MS:498.5(M+1)。
【0205】
化合物56の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物56を調製した。
EI−MS:528.5(M+1)。
【0206】
化合物57の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物57を調製した。
EI−MS:473.5(M+1)。
【0207】
化合物58の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物58を調製した。
EI−MS:472.5(M+1)。
【0208】
化合物59の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物59を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.83(t,1H)、7.46〜7.41(m,2H)、5.10(d,1H)、5.02(m,1H)、4.47(m,1H)、4.36(m,1H)、4.05(m,1H)、3.95(s,2H)、3.34〜3.12(m,9H)、2.84(m,1H)、2.69(t,2H)、2.58(t,2H)、2.47(m,2H)、2.17〜2.00(m,7H)、1.94〜1.80(m,3H)、1.71(m,2H)、1.51(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:665.6(M+1)。
【0209】
化合物60の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物60を調製した。
EI−MS:767.6(M+1)。
【0210】
化合物61の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物61を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.03(d,1H)、7.84(t,1H)、7.51〜7.45(m,2H)、5.11(d,1H)、5.02(d,1H)、4.48(m,1H)、4.28(m,1H)、4.01〜3.83(m,3H)、3.45(t,2H)、3.31〜3.11(m,7H)、3.02(t,2H)、2.95〜2.81(m,3H)、2.48(m,2H)、2.15〜1.97(m,5H)、1.92〜1.81(m,3H)、1.71(m,2H)、1.57(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0211】
化合物62の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物62を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.93(s,1H)、4.99(d,1H)、4.92(d,1H)、4.28(m,1H)、4.05(m,1H)、3.96(m,1H)、3.87(s,2H)、3.34〜3.14(m,11H)、2.90(m,1H)、2.66(t,2H)、2.47(m,2H)、2.28(s,3H)、2.19〜2.00(m,7H)、1.94〜1.81(m,3H)、1.71(m,2H)、1.51(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:629.5(M+1)。
【0212】
化合物63の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物63を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.95(s,1H)、4.98(d,1H)、4.91(d,1H)、4.29(m,1H)、4.04(m,1H)、3.98〜3.86(m,3H)、3.43(t,2H)、3.38〜3.18(m,9H)、2.99(t,2H)、2.92(m,1H)、2.59(q,2H)、2.46(m,2H)、2.32〜1.64(m,10H)、1.52(m,1H)、1.41〜1.17(m,9H);EI−MS:629.5(M+1)。
【0213】
化合物64の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物64を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.94(s,1H)、4.99(d,1H)、4.92(d,1H)、4.28(m,1H)、4.05(m,1H)、3.99〜3.84(m,3H)、3.34〜3.14(m,11H)、2.89(m,1H)、2.65(t,2H)、2.58(q,2H)、2.46(m,2H)、2.19〜2.00(m,7H)、1.94〜1.81(m,3H)、1.70(m,2H)、1.51(m,1H)、1.41〜1.17(m,9H);EI−MS:643.6(M+1)。
【0214】
化合物65の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物65を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.94(s,1H)、4.98(d,1H)、4.93(d,1H)、4.29(m,1H)、4.12〜4.01(m,2H)、3.93(m,1H)、3.30〜3.14(m,9H)、2.90(m,1H)、2.72(m,2H)、2.58(q,2H)、2.46(m,2H)、2.26〜2.05(m,7H)、1.92〜1.82(m,3H)、1.69(m,2H)、1.51(m,1H)、1.40〜1.17(m,9H);EI−MS:629.5(M+1)。
【0215】
化合物66の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物66を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.94(s,1H)、4.82(s,2H)、4.28(m,1H)、4.10〜3.83(m,3H)、3.18〜3.12(m,7H)、2.95(m,2H)、2.83(m,1H)、2.71(m,2H)、2.58(q,2H)、2.26〜2.04(m,9H)、1.94〜1.78(m,3H)、1.69(m,2H)、1.50(m,1H)、1.40〜1.17(m,9H);EI−MS:628.5(M+1)。
【0216】
化合物67の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物67を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.04(d,1H)、7.86(t,1H)、7.51〜7.43(m,2H)、5.12(s,2H)、4.70(t,2H)、4.47(m,1H)、4.27(m,1H)、4.12〜4.01(m,2H)、3.31〜3.13(m,7H)、2.86(m,1H)、2.75(m,2H)、2.43(m,2H)、2.28(m,2H)、2.17〜2.04(m,4H)、1.95〜1.80(m,4H)、1.71(m,2H)、1.57(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0217】
化合物68の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物68を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ8.04(d,1H)、7.84(t,1H)、7.51〜7.42(m,2H)、5.15(s,2H)、4.69(t,2H)、4.49(m,1H)、4.30(m,1H)、4.01〜3.90(m,3H)、3.44(t,2H)、3.36〜3.13(m,7H)、3.02(t,2H)、2.90(m,1H)、2.43(m,2H)、2.18〜2.05(m,4H)、1.94〜1.81(m,4H)、1.71(m,2H)、1.58(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:651.5(M+1)。
【0218】
化合物69の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物69を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.95(s,1H)、5.02(d,1H)、5.00(d,1H)、4.31(m,1H)、4.09〜3.86(m,3H)、3.30〜3.12(m,9H)、2.85(m,1H)、2.70(m,2H)、2.58(q,2H)、2.28〜2.05(m,9H)、1.92〜1.80(m,3H)、1.70(m,2H)、1.50(m,1H)、1.40〜1.17(m,9H);EI−MS:645.5(M+1)。
【0219】
化合物70の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物70を調製した。
1H NMR(400MHz,D
2O)δ5.96(s,1H)、5.05(d,1H)、4.97(d,1H)、4.29(m,1H)、4.03(m,1H)、3.98〜3.84(m,3H)、3.43(t,2H)、3.32〜3.13(m,9H)、2.99(t,2H)、2.86(m,1H)、2.58(q,2H)、2.28〜2.04(m,7H)、1.92〜1.80(m,3H)、1.71(m,2H)、1.52(m,1H)、1.41〜1.17(m,9H);EI−MS:645.5(M+1)。
【0220】
化合物71の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物71を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ8.67(s,1H)、5.94(s,1H)、4.76(s,2H)、4.36(t,2H)、4.10(m,1H)、3.44(m,2H)、3.21〜3.02(m,8H)、2.32(m,2H)、2.26(s,3H)、2.19〜1.98(m,6H)、1.84(m,2H)、1.79〜1.60(m,3H)、1.42〜1.16(m,6H);EI−MS:485.6(M+1)。
【0221】
化合物72の調製
化合物1を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物72を調製した。
EI−MS:492.6(M+1)。
【0222】
化合物73の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物73を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ7.66(s,1H)、6.01(s,1H)、4.97(s,2H)、4.41(s,2H)、4.05(m,1H)、3.45(m,2H)、3.28〜3.03(m,6H)、2.29(s,3H)、2.18〜1.96(m,6H)、1.86(m,2H)、1.79〜1.60(m,3H)、1.41〜1.18(m,6H);EI−MS:456.6(M+1)。
【0223】
化合物74の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物74を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ8.21(s,1H)、5.05(s,2H)、4.08(m,1H)、3.49(m,2H)、3.21〜3.06(m,10H)、2.43(m,2H)、2.19〜2.00(m,7H)、1.90〜1.62(m,7H)、1.42〜1.16(m,6H);EI−MS:540.7(M+1)。
【0224】
化合物75の調製
化合物15を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物75を調製した。
EI−MS:486.6(M+1)。
【0225】
化合物76の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物76を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ7.94(d,1H)、7.76(t,1H)、7.42〜7.36(m,2H)、6.52(s,1H)、4.81(s,2H)、4.41(m,1H)、4.27(m,1H)、4.08(m,1H)、3.99(m,1H)、3.22〜3.06(m,7H)、2.86(t,2H)、2.80〜2.66(m,3H)、2.22(m,2H)、2.16〜2.00(m,6H)、1.99〜1.59(m,4H)、1.66(m,2H)、1.49(m,1H)、1.39〜1.15(m,6H);EI−MS:649.6(M+1)。
【0226】
化合物77の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物77を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ8.65(s,1H)、7.93(d,1H)、7.76(t,1H)、7.41〜7.34(m,2H)、4.80(m,2H)、4.44(m,1H)、4.37(t,2H)、4.25(m,1H)、4.11(m,1H)、3.99(m,1H)、3.25〜3.02(m,7H)、2.77(m,1H)、2.73(m,2H)、2.31〜2.20(m,4H)、2.17〜2.01(m,4H)、2.00〜1.80(m,4H)、1.68(m,2H)、1.57(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:650.6(M+1)。
【0227】
化合物78の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物78を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ7.93(d,1H)、7.77(t,1H)、7.41〜7.35(m,2H)、5.05(d,1H)、4.97(d,1H)、4.43(m,1H)、4.29(m,1H)、4.19(m,1H)、3.90(m,1H)、3.58(m,2H)、3.31〜3.06(m,9H)、2.98(m,2H)、2.81(m,1H)、2.55〜2.38(m,4H)、2.22〜1.77(m,12H)、1.71(m,2H)、1.57(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:691.6(M+1)。
【0228】
化合物79の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物79を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ8.02(d,1H)、7.83(t,1H)、7.76(s,1H)、7.50〜7.42(m,2H)、5.09(m,2H)、4.44(s,2H)、4.40(m,1H)、4.23(m,1H)、4.08〜3.99(m,2H)、3.23〜3.04(m,5H)、2.78〜2.73(m,3H)、2.22(m,2H)、2.18〜2.00(m,4H)、1.94〜1.70(m,4H)、1.64(m,2H)、1.53(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:621.7(M+1)。
【0229】
化合物80の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物80を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ7.92(d,1H)、7.74(t,1H)、7.41〜7.35(m,2H)、5.00(m,2H)、4.43(m,1H)、4.29(m,1H)、4.02〜3.95(m,2H)、3.42(m,2H)、3.31〜3.06(m,9H)、2.99(m,2H)、2.81(m,1H)、2.42(m,2H)、2.14〜2.00(m,5H)、1.98〜1.60(m,8H)、1.53(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H)、0.99(d,6H);EI−MS:707.7(M+1)。
【0230】
化合物81の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物81を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ8.76(s,1H)、5.91(s,1H)、4.77(m,2H)、4.39(t,2H)、4.22(m,1H)、4.05(m,1H)、3.99(s,2H)、3.84(m,1H)、3.43(t,2H)、3.24〜3.08(m,7H)、2.97(t,2H)、2.87(m,1H)、2.31(m,2H)、2.25(s,3H)、2.19〜2.03(m,5H)、1.92〜1.61(m,5H)、1.53(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:614.6(M+1)。
【0231】
化合物82の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物82を調製した。
EI−MS:641.7(M+1)。
【0232】
化合物83の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物83を調製した。
EI−MS:585.6(M+1)。
【0233】
化合物84の調製
化合物47を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物84を調製した。
EI−MS:788.6(M+1)。
【0234】
化合物85の調製
化合物39を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物85を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ7.45(s,1H)、4.92(m,2H)、4.40(m,1H)、4.16(m,1H)、3.95(s,2H)、3.91(m,1H)、3.42(t,2H)、3.25〜3.10(m,9H)、2.99(t,2H)、2.76(m,1H)、2.44(m,2H)、2.19〜2.03(m,4H)、1.96(s,3H)、1.92〜1.61(m,6H)、1.53(m,1H)、1.41〜1.17(m,6H);EI−MS:615.6(M+1)。
【0235】
化合物86の調製
化合物29を調製するのに使用した方法と同様の方法で化合物86を調製した。
1H NMR(300MHz,D
2O)δ7.44(s,1H)、4.92(m,2H)、4.40(m,1H)、4.21(m,1H)、4.06(m,1H)、3.96(m,1H)、3.26〜3.10(m,9H)、2.80〜2.64(m,3H)、2.41(m,2H)、2.22(m,2H)、2.16〜2.02(m,4H)、1.95(s,3H)、1.90〜1.60(m,6H)、1.51(m,1H)、1.40〜1.17(m,6H);EI−MS:615.6(M+1)。
【0236】
実施例2:ヒトCXCR4トランスフェクトHEK293細胞における放射性リガンド結合の阻害
式(I)の化合物とヒトCXCL12との間の結合競合を、下記のような放射性リガンド結合アッセイを用いて評定した。
【0237】
40μLのアッセイバッファー(50mM HEPES−NaOH(pH7.4)、100mM NaCl、5mM MgCl
2、1mM CaCl
2、0.5%ウシ血清アルブミン)中のヒトCXCR4トランスフェクトHEK293細胞から調製した膜(2μg〜4μg)を、20μLの放射性標識
125I−CXCL12(0.16nM)及び20μLの試験化合物とともにアッセイプレート(Costar、Corning,Cambridge,MA)においてインキュベートした。30℃で60分後に、得られる反応混合物を96ウェルGF/Bフィルタープレート(Millipore Corp.,Billerica,MA)に移すことによってインキュベーションを終了し、マニホールドを介して濾過した。プレートを100μLの氷冷洗浄バッファー(50mM HEPES−NaOH(pH7.4)、100mM NaCl)で4回洗浄した。フィルターに結合した放射能をTopcount(PerkinElmer Inc.,Waltham,MA)によって測定した。
【0238】
予期せぬことに、25個の被験化合物の
125I−CXCL12とCXCR4との結合を50%阻害するために必要とされる濃度(IC
50)は50nM未満であり、33個の被験化合物は50nM〜100nMのIC
50値を有し、28個の被験化合物は100nM〜1000nMのIC
50値を有することが観察された。より具体的には、50nMより低いIC
50値を示す化合物のリストには、化合物1〜7、9、12、13、15〜19、21、23、25、28〜30、40、42、59及び75が含まれ、50nM〜100nMのIC
50値を示す化合物のリストには、化合物8、10、11、14、20、22、24、26、27、31〜35、37〜39、43、45〜50、58、61、62、66、72、73、76、78及び82が含まれ、100nM〜1000nMのIC
50値を示す化合物のリストには、化合物36、41、44、51〜57、60、63〜65、67〜71、74、77、79〜81及び83〜86が含まれる。
【0239】
これらの結果から、式(I)の化合物がCXCR4に対して高い結合親和性を有することが示される。
【0240】
実施例3:リンパ芽球性白血病細胞における走化性の阻害
式(I)の化合物に対する癌細胞の応答を、下記のような走化性アッセイを用いて評価した。
【0241】
T細胞急性リンパ芽球性白血病(CCRF−CEM)細胞を、10%ウシ血清アルブミンを添加したロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI)1640中で250μLの試験化合物とともにインキュベートした。アッセイをMillicell Hanging Cell Culture Insert(孔径5μm;24ウェルプレート;Millipore,Bedford,MA,USA)を用いて行った。37℃で10分後に、試験化合物とともにプレインキュベートした250μLの細胞をインサートの上部チャンバ内のウェルに2.5×10
5細胞/ウェルの密度でプレーティングした。CXCL12(10nM)及び試験化合物を含有する300μL/ウェルの培地を、インサートの下部チャンバ内にプレーティングした。37℃で2.5時間後に、インサートの両方のチャンバ内の細胞をフローサイトメトリー(Guava Technologies,Hayward,CA,USA)によって測定した。
【0242】
予期せぬことに、39個の被験化合物が走化性を50%阻害するために必要とされる濃度(EC
50)を50nM未満の値で示し、4個の被験化合物が50nM〜150nMのEC
50値を示したことが観察された。より具体的には、50nMより低いEC
50値を示す化合物のリストには、化合物1〜8、10、13〜18、20〜24、26、29〜32、35、37〜42、45、47〜49、59、61及び62が含まれ、50nM〜150nMのEC
50値を示す化合物のリストには、化合物33、34、46及び50が含まれる。
【0243】
これらの結果から、式(I)の化合物が幾つかの癌細胞の走化性の阻害において高い有効性を有することが示される。
【0244】
実施例4:マウスにおける幹細胞の動員に対する効果
38個の式(I)の化合物を、幹/前駆細胞の動員の増進におけるそれらの有効性を評定するために以下のように試験した。これら38個の化合物のリストには、化合物1〜3、13、15、17、24、26、29〜31、33、35、36、38〜43、45、46、49、50、54、59〜68、76、78及び83が含まれる。
【0245】
38個の化合物の各々を生理食塩水に溶解して溶液を形成した。溶液をC57BL/6雄性マウス(National Laboratory Animal Center,Taipei,Taiwan)に皮下投与した。生理食塩水で処理したマウスを対照として用いた。全血を皮下注射の2時間後に採取し、以下の抗体で標識した:(i)APCコンジュゲート抗CXCR4(クローン2B11;eBioscience)、(ii)FITCコンジュゲート抗CD34(クローンRAM34;eBioscience)、(iii)PEコンジュゲート抗CD133(クローン13A4;eBioscience)、(iv)抗c−kit(クローン2B8;eBioscience)、(v)抗Sca−1(クローンD7;eBioscience)、(vi)抗linage(Mouse Hematopoietic Lineage Biotin Panel、eBioscience)及び(vii)ストレプトアビジンPE−Cy7(eBioscience)。造血幹細胞(CD34
+)及び内皮前駆細胞(CD133
+)を、抗体表面染色及びフローサイトメトリー(Guava Technologies,Hayward,CA,USA)を用いて定量化した。
【0246】
予期せぬことに、これら38個の化合物は末梢血へのCD34
+造血幹細胞(最大3.7倍)及びCD133
+内皮前駆細胞(最大4.5倍)の動員を生理食塩水対照と比較して顕著に増進した。加えて、予期せぬことに、4個の被験化合物、すなわち化合物40、45、49、及び50は、G−CSFと組み合わせるとCFU−GM数の顕著な増大によって明らかなように造血幹細胞を相乗的に動員することが見出された。
【0247】
これらの結果から、式(I)の化合物が幹/前駆細胞の動員の増進において高い有効性を有することが示される。
【0248】
実施例5:ラットにおける腎臓の虚血再灌流傷害の治療
虚血再灌流傷害の治療における5個の式(I)の化合物の有効性を、急性腎損傷モデル、虚血性脳卒中モデル及び肢虚血モデルを用いて評定した。これら5個の化合物は、化合物13、35、40、45、及び46である。
【0249】
急性腎損傷(AKI)モデルにおいて、5個の化合物の各々を生理食塩水に溶解して溶液を形成した。溶液を雄性Sprague−Dawleyラット(National Laboratory Animal Center,Taipei,Taiwan)に6mg/Kgの投与量で皮下投与した。皮下注射の40分後に、ラットにおいてそれらの両側腎静脈及び動脈を1時間クランプした後、血管クリップを外して24時間再灌流させることによってAKIを誘導した。全血をAKIの誘導の24時間後に採取した。腎損傷時に増大する2つのマーカーである血中尿素窒素(BUN)及び血清クレアチニン(Scr)を、富士ドライケム3500s分析装置(富士フイルム株式会社、日本、東京)を用いて測定した。生理食塩水で処理した非AKIラット及びAKIラットを対照として用いた。
【0250】
予期せぬことに、被験化合物を投与したAKIラットが、それぞれ生理食塩水処理AKIラットにおいて誘導されるレベルの11%〜25%及び10%〜56%のBUN及びScrのレベルを有することが観察された。より具体的には、化合物13、35、40、45及び46を投与したAKIラットは、それぞれ生理食塩水処理AKIラットにおいて誘導されるレベルの25%、15%、20%、11%及び22%のBUNレベルを有し、それぞれ生理食塩水処理AKIラットにおいて誘導されるレベルの56%、22%、36%、10%及び22%のScrレベルを有していた。
【0251】
これらの結果から、式(I)の化合物が腎損傷の治療において高い有効性を有することが示される。
【0252】
実施例6:マウスにおける肝細胞癌(HCC)の治療
HCCの治療における式(I)の化合物、すなわち化合物42の有効性を、以下のように同系マウスモデルを用いて評定した。
【0253】
C3Hマウス由来HCC細胞株HCA−1を使用した。HCA−1細胞をC3Hマウスにおいて10日間同所移植した。マウスを続いてソラフェニブ(肝細胞癌の治療のための小分子薬;40mg/kg)で2週間にわたって毎日処理するか、又は対照としてビヒクル(PBS)単独で処理した。被験化合物、例えばAMD3100(10mg/kg/日)及び化合物42(10mg/kg/日)を各々、ソラフェニブで処理したこれらのマウスにAlzet浸透圧ポンプ(DURECT Corporation,Cupertino,CA)を用いて2週間連続投与した。
【0254】
予期せぬことに、腫瘍サイズを約400mm
3(対照)から約250mm
3まで減少させたAMD3100とソラフェニブとの組合せと比較して、化合物42及びソラフェニブで処理したマウスが、腫瘍サイズを約400mm
3(対照)から約50mm
3まで減少させることが観察された。重要なことには、化合物42で処理した動物において、顕著な体重減少は観察されなかった。
【0255】
これらの結果から、予期せぬことに、化合物42がHCCの治療においてAMD3100と比較してより高い有効性を有することが示される。
【0256】
実施例7:マウスにおける軽度外傷性脳損傷の治療
頭蓋内損傷としても知られる外傷性脳損傷(TBI)は、外力によって脳が損傷した場合に生じる。TBIは重症度、機構又は他の特徴(例えば、特定の位置に生じるか又は広範囲にわたって生じるか)に基づいて分類することができる。TBIは身体、認知、社会性、情動性及び行動上の症状を生ずる。
【0257】
軽度外傷性脳損傷(mTBI)の治療における式(I)の化合物、すなわち化合物42の有効性を、以下のようにマウスmTBIモデルを用いて評定した。
【0258】
軽度外傷性脳損傷(mTBI)モデル
成体CD1マウスを12時間暗期(7pm〜7am)及び12時間明期(7am〜7pm)のサイクルで飼育した。マウスをイソフルランで麻酔した。mTBIは、30gの金属投射体を右耳前部の側頭蓋骨(temporal skull)上に落下させることによって行った。麻酔したマウスを横向きに寝かせた。金属管(内径13mm)を頭上に垂直に設置し、金属投射体を右耳前部の頭蓋骨の側頭部に当たるように80cmの高さから管内を落下させた。棒状の投射体は金属製であり、落錘部位に外部損傷が生じることなく頭蓋骨と滑らかに接触することができるように先端が僅かに丸みを帯びていた。スポンジ固定化パッド(L:4インチ〜5インチ;W:2.7インチ;H:1.8インチ)を用い、損傷時の頭の動きを可能にした。mTBIのおよそ5分後に、マウスを化合物42又はビヒクル(生理食塩水)で処理した。対照(非mTBI)動物にはイソフルランを与えたが、mTBIは行わなかった。
【0259】
運動行動測定
損傷及び麻酔からの回復の15分後及び5日後に、マウスを最長24時間(1日に12時間の明期及び12時間の暗期)にわたって自発運動活性チャンバ(Accuscan,Columbus,OH)に個別に入れた。16個の水平赤外線センサー及び8個の垂直赤外線センサーを2.5cm間隔で有するチャンバ内に食餌及び水を絶えず供給した。各マウスを42×42×31cmのプレキシガラス開放箱に入れた。例えば、Airavaara et al., J Comp Neurol, 2009, 515:116-124を参照されたい。動物によって遮断されたビームの数及び順序により運動活性を測定した。4つの運動パラメーター、すなわち水平活動、総移動距離、垂直活動及び垂直活動時間(vertical time)を記録した。
【0260】
定量逆転写PCR(qRTPCR)
各マウスの大脳皮質をqRTPCR分析のためにmTBIの5日後に採取した。例えば、Luo et al., Ann Neurol, 2009, 65:520-530、Luo et al., Ann Neurol, 2013, 65:520-530及びShen et al., J Neurosci Res, 2009, 87:545-555を参照されたい。全RNAを、TRIZOL試薬(Life Technologies,#15596−026)を用いて単離し、1μgの全RNAからRevertAid First Strand cDNA Synthesis Kit(Thermo Scientific,#K1622)を用いてcDNAを合成した。IBA1を特異的に検出するためのTaqMan Gene Expression Assays(プライマー及びプローブのセット)(#Rn00574125_g1)をThermo Scientificから購入した。参照遺伝子の定量RT−PCRに使用したプライマープローブは、以下の通りである:βアクチンフォワードプライマー(5’−CATTGCTGACAGGATGCAGAAGG);リバースプライマー(5’−TGCTGGAAGGTGGACAGTGAGG);GAPDHフォワードプライマー(5’−CATCACTGCCACCCAGAAGACTG);リバースプライマー(5’−ATGCCAGTGAGCTTCCCGTTCAG)。定量リアルタイムPCR(qRT−PCR)を、TaqMan Fast Advanced Master Mix(Life Technologies,#4444557)及びApplied Biosystems 7500 Fast Real−Time PCR Systemを用いて行った。標的遺伝子IBA1の発現及び正規化は、正確な算出のために特定の遺伝子に特異的な増幅効率を考慮に入れる修正Δ−Δ−Ctアルゴリズムを用い、内因性参照遺伝子(β−アクチン+GAPDH)に対して算出した。全ての実験を2連で行った。
【0261】
結果
成体CD1マウスをイソフルランで麻酔し、続いてShen et al., Clinical Proteomics, 2014, 11:11に報告されるようにmTBIを行った。mTBI後に化合物42又はビヒクルを全身投与した。化合物42による早期の後処理は、mTBI後の自発運動活性を顕著に改善した。損傷皮質における炎症マーカーであるイオン化カルシウム結合アダプター分子1(IBA1)の発現をqRTPCRによって試験した。化合物42による処理がmTBI脳におけるIBA1発現を顕著に低減することが観察された。
【0262】
より具体的には、22匹のマウスを、ビヒクルで処理されるmTBIマウスの群(n=14)及び化合物42で処理されるmTBIマウスの群(3mg/kg、n=8)の2つの群に分けた。行動を損傷の15分後から24時間にわたって3時間に1回分析した。全ての自発運動活性の有意な低減が、非mTBIマウスと比較してmTBIマウスにおいて観察された(p<0.001、2元配置分散分析又はANOVA)。3mg/kgの投与量の化合物42による処理は、mTBIマウスにおける垂直活動を有意に改善した(垂直活動(p=0.009、F
1140=6.969)及び垂直運動時間(p=0.007、F
1140=8.662))。
【0263】
さらに、15匹のマウスを用いて神経炎症に対する化合物42の効果を評価した。ここでは7匹のマウスにビヒクルを与え、8匹のマウスを3mg/kgの投与量の化合物42で処理した。大脳皮質をmTBIの5日後に採取した。神経炎症マーカーIBA1及び参照遺伝子(GAPDHアクチン及びβ−アクチン)の発現をqRTPCR分析のために測定した。損傷側皮質におけるIBA1(GAPDHアクチン)及びIBA1(β−アクチン)の両方の発現が、化合物42で処理したmTBIマウスにおいて有意に抑制されることが観察された(p=0.030、t検定)。
【0264】
化合物42がmTBIのマウスモデルにおいて神経保護的効果を示すというこれらの結果から、化合物42が軽度外傷性脳損傷の治療において有効であることが示される。
【0265】
実施例8:ラットにおける心筋梗塞に対する効果
心筋梗塞に対する保護における式(I)の化合物、すなわち化合物42の有効性を、以下のようにラット虚血性心筋梗塞モデルにおいて評定した。
【0266】
雄性SDラット(各々400g〜500g)に、外科手術を行う30分前に5mg/kgの投与量の化合物42又は同量の生理食塩水の単回皮下注射を行った(1群当たりn=18〜20)。左前下行枝(LAD)を、この外科手術において30分間の虚血期間にわたり6−0ナイロン縫合糸を用いて一時的に結紮した。24時間後に各ラットを麻酔し、LADを再び結紮した。次いで、2mLの5%エバンスブルーを尾静脈に注射し、2分間灌流させた。心臓を即座に摘出し、生理食塩水で洗浄し、−80℃で凍結し、半凍結状態で2mm厚の切片に切断した。次いで、スライスを1%トリフェニルテトラゾリウムクロリド溶液中、37℃で10分間インキュベートし、10%ホルマリン中で固定した。梗塞サイズを染色後に記録した。外科手術により誘導される虚血/再灌流の前に化合物42で処理することで、心臓が虚血性障害から大いに保護されることが観察された。
【0267】
結果から、化合物42がラットにおける心筋梗塞に対する保護に効果的であることが示される。
【0268】
他の実施形態
本明細書に開示される特徴の全てを任意の組合せで組み合わせてよい。本明細書に開示されるそれぞれの特徴は、同じ目的、同等の目的又は類似の目的にかなう代替的な特徴によって置き換えることができる。このように、表現上特に記載が無い限り、開示されるそれぞれの特徴は、一連の包括的な同等の特徴又は類似の特徴の一例に過ぎない。
【0269】
上記記載から、当業者は、本発明の必須の特性を容易に突きとめることができ、そしてその趣旨及び範囲から逸脱しなければ、それを様々な使用及び状況に適合させるために、本発明の様々な変更及び修正を行うことが可能である。このように、他の実施形態も添付の特許請求の範囲内である。
【0270】
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