特許第6982717号(P6982717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982717フォグコンピューティング促進型フレキシブル工場
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982717
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】フォグコンピューティング促進型フレキシブル工場
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20211206BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   G06Q50/04
   G05B19/418 Z
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-500751(P2019-500751)
(86)(22)【出願日】2017年3月23日
(65)【公表番号】特表2019-514144(P2019-514144A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】US2017023898
(87)【国際公開番号】WO2017165701
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2018年11月20日
(31)【優先権主張番号】62/313,640
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521256171
【氏名又は名称】ティーティーテック インダストリアル オートメーション アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボノーミ,フラヴィオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ,チャンドラ シェカール
(72)【発明者】
【氏名】デヴァラヤン,カンナン
(72)【発明者】
【氏名】バグラ,パンカジュ
(72)【発明者】
【氏名】チンナカンナン,パラニ
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−282914(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/140908(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0317835(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0094868(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0066137(US,A1)
【文献】 大西 直哉他,”クラウド連携制御システムのためのアーキテクチャ検討”,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2015年 9月 3日,第115巻 第219号,p.11-14,ISSN:0913-568
【文献】 光井 隆浩,”製品の状況に応じて適切に制御する東芝M2Mクラウドのアプローチ”,T−SOULVol.13 ,東芝ソリューション株式会社,2015年 1月31日,第13巻,p.6〜7
【文献】 村上 正志,”制御システムセキュリティに対応したIEC62541 OPC UA”,計装,(有)工業技術社,2013年 5月 1日,第56巻 第5号,p.11-17,ISSN:0368-5780
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフォグノードが、第1の作業セルの一部として、物理的生産プロセスを実行することと、
前記第1のフォグノードが、前記物理的生産プロセスのために、前記第1の作業セルの一部として、検知プロセスを実行することと、
第2のフォグノードが、前記物理的生産プロセス及び前記検知プロセスのために、監視プロセスを実行することと、
第3のフォグノードが、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、及び前記監視プロセスのために、管理プロセスを実行することと、
第4のフォグノードが、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、及び前記管理プロセスのために、計画プロセスを実行することと、
を含み、
第1のマスターフォグノードが、前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、及び前記第4のフォグノードに通信可能に接続され、それによって第1のコンピューティングクラスタを集合的に形成し、
前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、及び前記第1のマスターフォグノードのオペレーティングシステムが、前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、及び前記第1のマスターフォグノードの全てにわたって統一され
ォグフェデレーションOPC/UA情報モデルを提供する業界標準のOPC/UAプロトコルの統合を通じて、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、前記管理プロセス、及び前記計画プロセスにわたって相互運用可能な要素のフェデレーションが、フレキシブル工場をモデル化し、前記フレキシブル工場のためのOPC/UA集約情報モデル(AIM)を提供し
前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、及び前記第1のマスターフォグノードの各々は、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、前記管理プロセス、及び前記計画プロセスに対する処理をサポートし、
前記第1のマスターフォグノードは、第2のコンピューティングクラスタのメンバーである第2のマスターフォグノードに通信可能に接続され、
前記第2のコンピューティングクラスタの一部としての前記第2のフォグノードは、前記第1の作業セルの前記物理的生産プロセス及び前記検知プロセスに対する処理をサポートし、
前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、前記第1のマスターフォグノード、及び前記第2のマスターフォグノードのうちの1つ又は複数は、タイムセンシティブネットワーキング及びハードリアルタイムオペレーティングシステムを使用することにより、ソフトPLCを介して、前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、前記第1のマスターフォグノード、及び前記第2のマスターフォグノードのコントローラを仮想化し、それによってサイクル時間における正確度及び精度を提供することによって前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、前記第1のマスターフォグノード、及び前記第2のマスターフォグノードをサポートする、
方法。
【請求項2】
前記第2のコンピューティングクラスタは、
第2の作業セルの一部としての物理的生産プロセスと、
該物理的生産プロセスのための、前記第2の作業セルの一部としての検知プロセスと、
該物理的生産プロセス及び該検知プロセスのための、前記第2の作業セルの一部としてのフォグノードと、
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記物理的生産プロセスが、ロボットアーム、溶接デバイス、穿孔デバイス、塗装デバイス、打鋲デバイス、産業用アーム、無人搬送車、はんだ付けデバイス、又はこれらの組合せにより実行されることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記検知プロセスが、カメラ、アクチュエータ、温度計、ビジョンセンサ、プローブ、他のセンサ、又はこれらの組合せにより実行されることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1のフォグノードが、決定論的イーサネット(登録商標)ネットワーク又はTSN無線(WiFi(登録商標)+BLE)ネットワークを介して、前記物理的生産プロセスに伝えることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフォグノードが、セキュアなデータストリームを、前記監視プロセス、前記計画プロセス及び前記物理的生産プロセスに伝えることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
作業セルフォグノードと、
前記作業セルフォグノードに通信可能に接続されるプラントコントローラフォグノードと、
前記作業セルフォグノード及び前記プラントコントローラフォグノードに通信可能に接続される製造実行フォグノードと、
前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード、及び前記製造実行フォグノードに通信可能に接続されるマスターフォグノードと、
を含み、
前記プラントコントローラフォグノードは、前記作業セルフォグノード及び前記製造実行フォグノードの動作のうちのいずれかを実行し、前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード、前記製造実行フォグノード及び前記マスターフォグノードの全ては、互いの間でソフトウェアを転送又は複製し、
前記マスターフォグノードは、前記製造実行フォグノード、前記プラントコントローラフォグノード及び前記作業セルフォグノードとして作動し、
前記マスターフォグノードは、少なくとも他のフォグフェデレーションのための前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード及び前記製造実行フォグノードとして作動し、
前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード、前記製造実行フォグノード及び前記マスターフォグノードの各々は、フレキシブルアーキテクチャを組み込むとともに、ERP/MRPシステム、製造実行システム、セルコントローラ、マイクロコントローラ、産業用パーソナルコンピュータ、視覚化付きロボットコントローラ、PLCシステム、及びバーコードリーダ付きマシンビジョンの機能を含む機能を実行し、
ソフトウェアアップグレードを通じて数分で製造プロセスサイクルを変更するために前記セルコントローラ、前記マイクロコントローラ、前記ロボットコントローラのそれぞれ仮想化される
フォグフェデレーション。
【請求項8】
プラント内でローカルに又はクラウド内で前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード、前記製造実行フォグノード及び前記マスターフォグノードの全ての管理を集中させることをさらに含む、
請求項7に記載のフォグフェデレーション。
【請求項9】
前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード、前記製造実行フォグノード及び前記マスターフォグノードの1つ又は複数は、作業セルから受信される情報の機械学習を実行する、
請求項8に記載のフォグフェデレーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フォグコンピューティングを対象とする。
【0002】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2016年3月25日に出願された「フォグコンピューティング促進型フレキシブル工場(Fog Computing Facilitated Flexible Factory)」と題する米国仮特許出願第62/313640号の利益及び優先権を主張し、この米国仮特許出願は、この米国仮特許出願の中で引用されている全ての文献及び付録を含め、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの例示的な実施形態に従うと、本開示は、第1の作業セルの一部として、物理的生産プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセスのために、前記第1の作業セルの一部として、検知プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセス及び前記検知プロセスのために、前記第1の作業セルの一部として、第1のフォグノードを確立することと、を含む方法を対象とする。例示的な方法は、前記物理的生産プロセス及び前記検知プロセスのために、監視プロセスを確立することと、前記監視プロセスのために、第2のフォグノードを確立することと、を含む。他の例示的な方法は、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、及び前記監視プロセスのために、管理プロセスを確立することと、前記管理プロセスのために、第3のフォグノードを確立することと、を含む。さらなる例示的な方法は、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、及び前記管理プロセスのために、計画プロセスを確立することと、前記計画プロセスのために、第4のフォグノードを確立することと、を含む。前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、及び前記第4のフォグノードに通信可能に接続される第1のマスターフォグノードを確立し、第1のコンピューティングクラスタを集合的に形成することも、前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、及び前記第1のマスターフォグノードにおいて、前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、及び前記第1のマスターフォグノードの全てにわたって統一されているオペレーティングシステムを確立することとともに、含まれる。さらなる例示的な方法は、前記第1のフォグノード、前記第2のフォグノード、前記第3のフォグノード、前記第4のフォグノード、及び前記第1のマスターフォグノードの各々が、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、前記管理プロセス、及び前記計画プロセスに対する処理責任を共有することと、前記第1のマスターフォグノードが、第2のコンピューティングクラスタのメンバーである第2のマスターフォグノードに通信可能に接続されることと、を含む。
【0004】
他の例示的な方法は、作業セルの一部として、物理的生産プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセスのために、前記作業セルの一部として、検知プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセス及び前記検知プロセスのために、監視プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、及び前記監視プロセスのために、管理プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、及び前記管理プロセスのために、計画プロセスを確立することと、前記物理的生産プロセス、前記検知プロセス、前記監視プロセス、前記管理プロセス、及び前記計画プロセスの全てのために、前記作業セルの一部として、フォグノードを確立することと、を含む。
【0005】
作業セルフォグノードと、前記作業セルフォグノードに通信可能に接続されるプラントコントローラフォグノードと、前記作業セルフォグノード及び前記プラントコントローラフォグノードに通信可能に接続される製造実行フォグノードと、前記作業セルフォグノード、前記プラントコントローラフォグノード、及び前記製造実行フォグノードに通信可能に接続されるマスターフォグノードと、を含むフォグフェデレーション(fog federation)を含む例示的なシステムも、本明細書において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本技術の特定の実施形態が、添付の図面により例示される。図面は、必ずしも縮尺通りではないことが理解されよう。本技術は、本開示において例示される特定の実施形態に限定されるものではないことが理解されよう。
図1】例示的な現在の製造工場の図。
図2】例示的なフォグコンピューティング促進型フレキシブル工場の図。
図3】例示的なフォグフェデレーションの図。
図4】産業ピラミッドにおける新たな機能層としてのフォグコンピューティングを示す例示的なピラミッドの図。
図5】フォグ工場を立ち上げる例示的な方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
フォグコンピューティング促進型フレキシブル工場は、共通する特性を有する様々な部品及び製品を製造するための新規なアプローチ、及び/又は、塗装、溶接、梱包、充填、組立等のような、工場において実行されるサービスにおけるフレキシビリティ及び効率化を可能にするための新規なアプローチ、である。このメカニズムは、フォグコンピューティングノードを、エッジデバイスコントローラ及びエッジデバイスとして使用して、工場敷地において、必要とされる制御、通信、分析、及びデータ処理を実行し、フレキシブル工場を実現する。
【0008】
フォグコンピューティング促進型フレキシブル工場の主要な特徴は、影響を受ける工場要素の境界又は影響外のファクタによって引き起こされる、設備、製造セル、作業現場、又はプラント等の工場要素のダウンタイムを低減させる又はなくすことである。フレキシブル工場コンセプトの基本的な目標は、生産性を最大化し、コストを最小限に抑え、収益を増大させることである。理想的な条件において、24時間休みなしで部品及び製品を生産する工場要素は、原材料又は工具の不足、上流の生産ラインにおける障害又は輻輳、及び、秒、分、時間、又は日を単位として計測される他の所定の短期シナリオに起因して、アイドル状態になることがある。工場要素はまた、工場ラインの再稼働又は低需要に起因するオーダの不足に起因して、例えば数週間から1か月といったより長期の間アイドル状態になることもある。この点において、短縮されたセットアップ時間での新製品への製造プラントの迅速な適応性が、フレキシブル工場の目標である。
【0009】
フォグコンピューティングは、ロボット、コンピュータ数値制御(「CNC」)機械、製造機械、センサ、アクチュエータ、電力管理デバイス、エアハンドラ、冷却材循環ポンプ、及び他のデバイス等の産業用デバイスの管理及び制御を促進する。前述のようなデバイスは、集合的にオペレーショナルテクノロジー(運用・制御技術:「OT」)デバイスと呼ばれ、これらのデバイスは、産業の現場、発電所、石油・ガス掘削設備、ハイエンドのデータセンター、及び他のセクタに存在する。
【0010】
これらのOTデバイスの管理は、コンピュータサーバ、ネットワーク接続及び関連ネットワーク機器、記憶デバイス、並びに関連ソフトウェアを必要とし、これらは、集合的に情報技術(「IT」)インフラストラクチャと呼ばれる。
【0011】
以下は、フォグコンピューティング促進型フレキシブル工場の主要な目的及び目標の一部である。
【0012】
1.製造工場及びサービス指向工場の両方をサポートすること。
【0013】
2.アジャイル生産/サービス:工場内の生産作業フロー又はサービス作業フローを変更し、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)プログラム(ラダー図)を変更し、(原材料、廃物、及び生産製品について)マテリアルハンドリングフローのロジスティクスを変更し、ツーリング及び他の必要とされる機能をできるだけ早く変更し、生産又はサービス実現状態に入るための、工場用の方法及び装置を提供すること。
【0014】
3.全体的な生産能力を向上させること:優先順位を伴う異なるタイプの作業指示を受け入れる多次元のビジネスロジック及びロジスティクス、人間の介入のないサイト間の自動的な作業指示プロセス、全体的な生産性を最適化するために、優先順位を絶えず再評価するとともに生産/サービスサイクル全体を変更するためのメカニズムを、現代の工場がサポートできるようにすること。
【0015】
4.サプライチェーンの最適化:原材料の在庫レベルを監視し、現在の生産又はサービスサイクルに必要な原材料の発注を追跡し、異なる作業指示にフレキシブルに切り替えるためのメカニズム及び装置を提供すること。
【0016】
5.資産活用の最適化:工具及び熟練したオペレータの利用可能性及び局在性に基づいて、現在の作業(製品又はサービス)を、工場が変更できるようにすること。
【0017】
6.資産管理:障害について、機械、セル、プラント、及びゾーン等の異なる工場要素の状態監視を可能にし、障害を予測し、異常を検出すること。
【0018】
7.資産/デバイスデータ収集、データストリームに寄与するデータ信号を定義することによるデータストリーム定義、暗号を通じたデータ所有権定義、及びロールベースアクセス制御(「RBAC」)機能を可能にし、そのようなストリームを、ビジネスロジックに基づくビジネス決定を算出する機能エンドポイントに伝えること。
【0019】
8.影響を受けたセルの周りに作業フローの経路を変え、影響を受けたセルにより実行される追加の機能を行うために、セルを再プログラムすること。
【0020】
9.影響を受けたセルの作業を実行するためのロボットを備えた無人搬送車(AGV)を配備すること。
【0021】
10.影響を受けたセルを回避するために、作業及びマテリアルフローを変更すること。
【0022】
11.影響を受けた工場要素を使用しない生産サイクルを形成するために、工場全体を再プログラムすること。
【0023】
12.作業セル、プラント、及びゾーンにおける安全な運搬を可能にし、その情報を使用して上記で挙げられた機能を実現すること。
【0024】
13.最適化サイクルを監視及び実行することにより、有効なリソース(機械の動作電力、HVAC、水、冷却材等)の利用を可能にすること。
【0025】
14.提供されるサービスについての多くの異なる要件を含む、多くの異なるクライアントからの要件を満たすフレキシブル工場を可能にすること。例えば、塗装工場は、仕上がり品質のレベルが異なる幅広い製品についてのサービスを提供することができる。
【0026】
15.より高いレベルの最適化を実現するために、材料、工具、及び完成品の保管、取り扱い、及び移動が最小限に抑えられるフレキシブル工場を可能にすること。
【0027】
16.制御及び性能を向上させること:センサ測定結果の拡張セットとともに、より普及している無線接続も利用して、フォグコンピューティング及び決定論的ネットワーキング(タイムセンシティブネットワーキング(「TSN」)に基づく)に基づく集中・統合制御アーキテクチャを通じて、より迅速でより高度な製造プロセス制御を可能にすること。
【0028】
17.製造プロセスのより迅速なセットアップ:よりフレキシブルな制御により、リソース割り当て、より現代的なプログラミング及びソフトウェア更新、並びに機械学習を可能にすること。
【0029】
本開示のこれらの利点及び他の利点は、図1図3を参照して、以下でより詳細に説明される。
【0030】
図1は、例示的な現在の製造工場の図である。
【0031】
例示的な現在の製造工場100は、クラウド105、ビジネスプランニング(事業計画)及びロジスティクスシステム110、製造実行システム(「MES」)115、プラントコントローラPLC120、作業セル1PLC125、作業セルXPLCX、デバイスコントローラ130、センサ135、デバイスコントローラ140、センサ145、デバイスコントローラ150、センサ155、デバイスコントローラX、センサX、デバイス160、デバイス165、デバイス170、及びデバイスXを含む。また、レベル0〜4も図示されている。例示的な現在の製造工場100は、作業セル1〜Xを含み、ここで、図面における「X」は、特定の図示されている要素が多数存在する可能性を示している。
【0032】
例示的な現在の製造工場100等の現在の製造工場において見つけられるハードウェアコンポーネントは、以下を含む:
通常はサーバにおいてホストされる製造実行システム、
マイクロコントローラコンピューティングアーキテクチャに基づくプログラマブルロジックコントローラ(セル、トランスポート、プラント、及びコーディネータ)、
セル制御等の様々な制御機能をホストする産業用パーソナルコンピュータ(「PC」)、
ロボットシステム、
産業用アーム、
無人搬送車(「AGV」)、
品質制御、安全性のために、フレキシブルセンサとして使用されるビジョンシステム、
他のセンサ及びアクチュエータ、
産業用ネットワーキングスイッチ、
情報技術機器(サーバ、ITスイッチ、ファイアウォール、ロードバランサ)。
【0033】
例示的な現在の製造工場100等の現在の製造工場において見つけられるソフトウェアコンポーネントは、以下を含む:
製造実行システムソフトウェア、
製品定義オブジェクトモデル及びマネージャソフトウェア、
ラダー図等の、プログラマブルロジックコントローラ及び産業用プログラマブルコントローラ(「IPC」)の制御ソフトウェア、
製造システムに関連する様々な重要業績評価指標(「KPI」)及び品質性能指標(「QPI」)を生成及び管理するソフトウェア。
【0034】
製造工場又はサービス工場は、複数の機能レベルに編成される。各レベルにおける重要な工場要素は、メイン作業フローに加えて所定の明確に定義された機能を実行して、上下の層と相互作用する。これらの相互作用は、ANSI/ISA 95.01規格、ANSI/ISA 95.02規格、ANSI/ISA 95.03規格、及びANSI/ISA 95.05規格において指定されている。
【0035】
上記の規格は、
製造制御及び指示システムとビジネスロジスティクスシステムとの間で交換される情報、
発生するアクティビティ、及び、製造制御及び指示システム内で交換される情報
についてのモデルを提供している。
【0036】
図1を再度参照すると、概して、レベル0は、実際の物理的プロセスを定義する。レベル1は、物理的プロセスをセンシング及び操作することに関わるアクティビティを定義する。これは、ビジョン及びフローのためのインテリジェントなデバイスを含み得る。レベル2は、物理的プロセスを監視及び制御するアクティビティを定義する。これは、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)、分散型制御システム(「DCS」)、及び/又はオフィス通信サーバ(「OCS」)等の制御システムを含み得る。
【0037】
レベル1及びレベル2は、基本制御、監視制御、プロセスセンシング、及びプロセス操作を含む製造制御とみなされ得る。
【0038】
機能は、以下の場合に、製造及び制御ドメインにある:
1.機能が、製品品質にとって重要である場合。
2.機能が、プラント安全性にとって重要である場合。
3.機能が、プラント信頼性にとって重要である場合。
4.機能が、プラント効率性にとって重要である場合。
5.機能が、製品又は生産規制の順守を維持することにとって重要である場合。これは、最新の適正製造規範(「cGMP」)基準、連邦医薬品局(「FDA」)規制、環境保護庁(「EPA」)規制、米国農務省(「USDA」)規制、労働安全衛生局(「OSHA」)規制等の順守といったファクタを含む。
【0039】
レベル3は、1つ以上の所望の最終製品を生産するための作業フローのアクティビティを定義する。レベル3は、差立て・製造指示、詳細生産スケジューリング、及び信頼性保証を含む製造オペレーション管理とみなされ得る。典型的な時間フレームは、シフト、時間、分、及び/又は秒の単位である。用途は、MES、Batch、及び/又はラボラトリー情報管理システム(「LIMS」)等の製造オペレーションシステムを含み得る。
【0040】
レベル4は、製造組織を管理するために必要とされるビジネス関連アクティビティを定義する。レベル4は、プラント生産スケジューリング及びビジネス管理を含むビジネスプランニング及びロジスティクスとみなされ得る。典型的な時間フレームは、月、週、日、及び/又はシフトの単位である。これは、エンタープライズリソースプランニング(「ERP」)等のビジネスロジスティクスシステムを含み得る。
【0041】
レベル3及びレベル4の時間フレームにおける大きな差異は、最適以下な工場をしばしばもたらす。さらに、レベル4により必要とされるより大きなセットアップ時間は、レベル3におけるアイドル時間をもたらすべきではない。同様に、レベル3における決定の遅れは、レベル4におけるアクティビティを停止させる又は遅れさせるべきではない。
【0042】
レベル3とレベル4との間で交換される情報は以下を含む:
1.リソース定義:人員、機器、及び材料。
2.生産能力:何が使用できるかを決定すること。
3.製品定義:製品をどのように作るか。
4.生産スケジュール:何を作り何を使用するか。
5.生産成績:何が作られ何が使用されたか。
【0043】
例えばセキュリティアクティビティ等、レベル1〜レベル4(又はより高いレベル)において存在し得る他の非製造ビジネス関連アクティビティが存在するが、これらは、この規格においては定義されていない。
【0044】
例示的な現在の製造工場100の問題は以下を含む。
【0045】
1.製造システムへのビジネスロジスティクスシステムの統合は、難しくコストがかかる。統合プロジェクトは、通常、1年以上を要するが、成功率は低い。さらに、ERPの利用が増加しており、これらに対応して、統合の必要性が増している。このような問題の理由は、用語及び技術用語が異なること、コンピュータシステムが異なること、並びに、組織文化が異なることを含む。
【0046】
2.効果的な製造オペレーションは、説明及び比較するのが難しい。異なるプラントにおけるオペレーションを比較し、ベストプラクティスを決定することは難しい。エンドユーザ要件をベンダに説明することは難しく、ベンダがソリューションをエンドユーザに説明することも難しい。さらに、MESソリューションは、あまりに業界固有になる傾向にある。
【0047】
3.製造オペレーションシステムの統合は、難しくコストがかかる。
【0048】
4.工場インフラストラクチャは、手動ソフトウェアアップグレードを必要とするとともにシステム再構成のための時間がかかる手動手順を含み明らかに異なるプログラミング環境を伴う、多くの製造業者からの広範なハードウェアコンポーネントから構成される。階層における各レベルでのソフトウェアは、一般に、各異なる製品ベンダにしばしば関連付けられる異なるコミュニティにより開発される(例えば、KUKA Robot、Rockwell PLC、GE MES等)。すなわち、工場インフラストラクチャは、フレキシブルでない旧式でリソースが制限されたハードウェアコンポーネントと旧式で相互運用性がなく手動処理されるソフトウェアとにより特徴付けられる。例えば、1つのロボット用のロボットコントローラは、品質制御カメラにより収集される情報を利用せず、通常、同じセル内の他のロボットと上手くやり取りしないし、潜在的に故障に近い状態をERPレベルに向けて自然には高めない。同様に、工具及びこれらの工具をサポートするロボットの制御は、ほとんど相互作用することなく別個のマシン上で実行される。
【0049】
特に、工場インフラストラクチャのネットワーキングコンポーネントは、広範なハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントから構成され、コストがかかり、管理するのが難しく、しばしばセキュアでなく、静的である。これを製造用途のニーズに容易に適応させることはできない。
【0050】
5.製造/サービスレベルの重要業績評価指標(「KPI」)は、意思決定コンポーネント(「ERP」)において利用可能でない。異なるハードウェアコンポーネントの障害及び故障は、意思決定コンポーネントに伝達されない。
【0051】
6.安全輸送スケジュール及び状況は、工場性能を最適化する際には利用されない。現在のシステム及びインタフェースは、製造プロセス及び生産効率に影響を及ぼし得る外部システムと相互運用することができない。例えば、輸送遅延等の短期事象及び自然災害等の長期事象に対応することは難しい。さらに、重要な資産と現場で機器を操作している人とについての位置及び移動情報は、重要制御及び管理決定ポイントにおいて利用可能でない。
【0052】
上述した多くのアーキテクチャの非効率的な点を理由として、専用の、しばしば標準的でないネットワーク(例えばEtherCAT(登録商標))を介してセンサ及びアクチュエータに接続される、非常にローカルで完全に専用の組み込みプロセッサを使用することによってしか、リアルタイム挙動を実現することができない。
【0053】
このようなアーキテクチャの非効率的な点はまた、製造プロセスの実行を、オペレーションのスピードにおいて制限させ、したがって、生産能力を低下させる。AGVへの無線通信に加えて、無線接続されたセンサ(例えば位置特定タグ等)からのリッチで価値のあるセンサデータの投入の難しさを理由として、今日のプラントにおいて実現可能であり得る制御手順は、入力データのリッチさにおいて制限され、したがって、効率において制限される。
【0054】
今日のプラントにおいて実現可能であり得るコンピューティングリソース及び制御手順の限界及びポジショニングは、高度化において制限され(例えば、タイトな制御ループ内では、ディープアナリティクス又は機械学習を適用することができない)、したがって、効率において制限される。
【0055】
今日のプラントにおいて実現可能であり得るコンピューティングリソースの限界及びポジショニングとともに、生産タスクの堅固で且つ容易には適応及び最適化されない割り当て及び相互運用、より大きな集約タスクへのより小さなタスクの効率的で有機的な結合は、高度化において制限され(例えば、より大きな集約タスクへと組み立てる、多くのより速くより小さなタスクの結合)、したがって、効率において制限される。
【0056】
連続するセルの間の又はさらには製造段階の間の重要なリアルタイム情報は、次の段階において利用可能になる前に、時にはレベル4にまでレベルをアップさせるのに必要とされ、したがって、潜在的に達成可能な全体的なプロセス効率を制限する。現在のシステムは、製造コストを低減させるための、所望されるより高い効率を達成するために、数か月から1年以上を要する。これは、特性が、セグメント化された島で測定され、オフラインで分析される現在の製造方法論に起因する。したがって、現在のシステムは、人間の介入を多く伴い、エンドツーエンド自動化ではないので、自己チューニングすることができない。フレキシブル工場は、この非効率的な点を克服し、自己チューニングメカニズムを可能にする必要がある。
【0057】
図2は、例示的なフォグコンピューティング促進型フレキシブル工場の図である。
【0058】
図2において、クラウド205、ビジネスプランニング及びロジスティクスシステム210(これは任意的にフォグノードにおいて存在してもよい)、製造実行フォグノード215、プラントコントローラフォグノード220、作業セル1フォグノード225、作業セルXフォグノードX、センサ235、センサ245、センサ250、センサX、デバイス255、デバイス260、デバイス265、及びデバイスXが示されている。例示的なフォグコンピューティング促進型フレキシブル工場200は、作業セル1〜Xを含み、ここで、図面における「X」は、特定の図示されている要素が多数存在する可能性を示している。複数のフォグノードが図示されているが、いくつかの実施形態において、図示されている全てのフォグノードの機能は、単一のフォグノードにマージされることがある。
【0059】
例示的なフォグノードが、付録1において図示及び説明される。
【0060】
フォグノードは、レベル1〜レベル3(いくつかの場合においてはレベル1〜レベル4)における重要なハードウェアコンポーネントに取って代わり、統合されたソフトウェア定義ネットワーキング(「SDN」)サポート、相互運用可能なソフトウェア、エッジ分析、標準的な決定論的ネットワーキング、並びに、製造及びサービスのためのフレキシブル工場を可能にする集中・統合制御を提供する。
【0061】
例示的な実施形態に従うと、複数のフォグノードが、製造経路に沿って分散され得(例えば、1つのセルにつき1つ)、相互運用するピアツーピアの高速情報交換フォグフェデレーションをもたらし得る。
【0062】
例示的なフォグノードは、制御及び指示を可能にするとともに工場作業現場の異なるレベルで必要とされるより高いレベルの機能を提供する、計算機能、記憶機能、統合された最新の決定論的ネットワーキング機能、及びリッチI/Oインタフェースを含む。
【0063】
様々な例示的な実施形態に従うと、レベル0において、その最小の単一ボードフォームファクタのフォグノードが、当初は監視及びデータ収集のために、後の段階ではロボット及び機械を制御するために、工場現場ロボット及び機械と統合される。
【0064】
レベル1及びレベル2において、フォグノードは、様々な機能を可能にするためのフレキシブルなハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントをハードウェアに提供する。これらの機能は、監視、資産管理、そのタイムセンシティブネットワーキング(「TSN」)、リアルタイム及び非リアルタイムアプリケーションホスティング、異常検出、並びに予測保守ソフトウェアを用いる、ハードリアルタイム範囲を伴う仮想PLC機能等を含む。リアルタイム対応の業界標準の「OPC(object linking and embedding(「OLE」) for process control)/OPC−UA(OLE for process control-unified architecture)」ミドルウェアを有するフォグノードは、リアルタイムデータ相互運用を可能にする。これは、将来のフレキシブル工場を可能にするための必要なインフラストラクチャを提供する。フォグノードは、レベル1及びレベル2のより高度な機能を実現するために適用され得る強力な分析機能をホストすることができる。
【0065】
例示的な実施形態に従うと、レベル3において、フォグノードは、MESのような機能をソフトウェアで実現することを可能にするために、TSNのような、汎用的な計算、記憶、及び必要なインフラストラクチャを提供する。フォグノードは、レベル1及びレベル3のより高度な機能を実現するために適用され得る強力な分析機能をホストすることができる。
【0066】
いくつかの例示的な実施形態に従うと、レベル4において、フォグノードは、レベル0〜レベル3として統一されている環境内で、適度のエンタープライズリソースプランニング/資材所要量計画(「ERP/MRP」)機能をホストすることができる。
【0067】
種々の例示的な実施形態に従うと、フォグノード上で動作するソフトウェアインフラストラクチャは、将来のフレキシブル工場のために必要とされるいくつかの機能を可能にする。フレキシブル工場についての基本的要件は、製品製造又はサービス実現のライフサイクル全体における俊敏さ(アジリティ)である。ソフトウェアコンポーネントは、以下のように、製品製造ライフサイクルに影響を及ぼす。
【0068】
1.製品モデル及び製造工程の俊敏な再定義のために必要とされるプラットフォームアズアサービス(PaaS)及びインフラストラクチャアズアサービス(IaaS)を可能にすること。
【0069】
2.新たな製品定義及び製造プロセスを効率的に展開するために、稼働中の製造システム(例えば、プラント、フロア、及び/又はセル)においてゼロタッチヒットレスソフトウェアアップグレードを提供すること。
【0070】
3.ダウンタイム低減のためのプラットフォーム高可用性。
【0071】
4.TSNネットワーキング及びハードリアルタイムオペレーティングシステムを使用することにより、ソフトPLCを介してコントローラを仮想化し、それにより、従来のハードウェアベースのPLCシステムの、サイクル時間における正確度及び精度と同じレベルの、サイクル時間における正確度及び精度を提供すること。
【0072】
仮想化されたコントローラの直接的な利点は、従来のハードウェアベースのアプローチでは数日又は数週を要するであろうプロセスである、ソフトウェアアップグレードを通じた製造プロセスサイクルを、数分で変更することである。
【0073】
加えて、ソフトウェアベースのコントローラは、ハードウェアベースのPLCの配線に伴う人間の誤りをなくす。
【0074】
ソフトウェアは、複数の制御サイロを、共通集中・統合制御プラットフォームへと集中・統合して、調整された協調的且つ集中的な決定を可能にするための必要なメカニズム及びインフラストラクチャを提供する。さらに、集中・統合プラットフォームは、データ相互運用性を高め、ネットワークにわたるデータ移動を低減させ、制御サイクルを加速させる。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態に従うと、フォグノードは、高度な制御ループ内で利用され得るリッチな分析機能をホストする。詳細には、ストリーミング分析が、非常にタイトなタイムセンシティブ制御ループ内で利用され得る。
【0076】
本出願において開示される例示的な実施形態は、以下の監視を含むシステム状態監視を提供する:
1.生産機械及びそれらの駆動状態;
2.異なるロボットシステム及びそれらの駆動状態;
3.実際の製造及び材料の取り扱いにおいて使用される工具;
4.機械及び工具の動作状態(例えば、振動、温度等);
5.異なるシステム要素の電力消費;
6.異なるアクチュエータ、コンベアなどの状態;及び
7.完成した製造製品の品質。
【0077】
システム状態監視は、さらに、生産プロセスの状態監視を可能にする。今度は、状態監視は、システム要素における異常な挙動及び障害の検出と、今にも起りそうな障害及び要求される品質制御基準からのずれの予測と、を可能にする。
【0078】
障害、異常な状態、及び他の事象の検出は、製品製造ライフサイクルを変更するための且つ/又は障害又は潜在的障害に対処するためのオペレーション最適化アルゴリズムをトリガする。
【0079】
データモデリング(OPC−UA)及びパブリッシュ/サブスクライブデータバスに基づくデータ標準化及び統一標準は、以下をもたらす:
1.互いと相互運用する異なるシステムコンポーネント。
2.最適な製造作業フローの算出。
3.分析及び意思決定のために、分散されているシステムデータを1つのトップレベルにすることによる制御の集中・統合。
4.製造作業フロー(在庫状況、原材料発注及び追跡、完成製品オーダ等)に影響を及ぼす外部トリガ(例えば、資産位置情報及び他のセンサ情報)の統合のためのインフラストラクチャを提供すること。
【0080】
図3は、例示的なフォグフェデレーションの図である。
【0081】
図3において、フォグフェデレーション300が示されており、フォグフェデレーション300は、マスターフォグノード305、製造実行フォグノード310、プラントコントローラフォグノード315、プラントコントローラフォグノード320、作業セル1フォグノード325、作業セル2フォグノード330、作業セル3フォグノード335、及び作業セル4フォグノード340を含む。
【0082】
種々の例示的な実施形態に従うと、フォグフェデレーションとして知られる複数のネットワーク化されたフォグノードは、迅速で効率的な製造プロセスのために、製造経路に沿った、データ、ステータス、イベント、及びアプリケーションのリアルタイムの移動を可能にする。
【0083】
図3を参照すると、作業セルフォグノード325〜340は、作業セル1〜4にそれぞれ関連付けられている。各作業セルは、図2に関連して図示及び説明されたような、製造プロセスにおける工程を表し得る。例示的なフォグフェデレーション300において、各作業セルフォグノードは、製造オペレーションの協調的なハンドオフ及び同期を含め、様々な理由で、他の作業セルフォグノードと通信し得る。さらに、1つの作業セルフォグノードが余分の能力を有する又はアイドル状態である場合、これは、アイドル状態でない又はフル稼働している若しくはほぼフル稼働している別の作業セルフォグノードを支援することができる。
【0084】
図3において、プラントコントローラフォグノード315及びプラントコントローラフォグノード320も示されている。種々の例示的な実施形態において、これらのノードは、製造実行フォグノード310と単一のノードを形成し得る。プラントコントローラフォグノード315及び320はまた、作業セルフォグノードと同じように、通信動作、ロードバランシング動作、及び協調的な製造動作について、互いをサポートすることができる。さらに、プラントコントローラフォグノード315及び320はまた、例示的なフォグフェデレーション300等のフェデレーションにおける全てのフォグノードが、他のフォグノードのうちの任意のフォグノードのために、迅速に動作し、通信し、支援し、且つ/又は満たすことができる同種のコンピューティングシステムを含むので、作業セルフォグノードのうちの任意のフォグノード又は製造実行フォグノード310の動作のうちの任意の動作を実行することができる。さらに、いくつかの例示的な実施形態において、所定のオペレーション(例えば塗装)のための様々なソフトウェアが、フォグノード間で転送又は複製され得る。
【0085】
種々の例示的な実施形態に従うと、マスターフォグノード305は、製造実行フォグノード310、プラントコントローラフォグノード315及び320、並びに作業セルフォグノード325〜340を含むフォグフェデレーション300についての「ハブ」フォグノードである。マスターフォグノード305は、このアーキテクチャが組織全体を通じて何度も繰り返され得るので、別のフェデレーションについてのマスターフォグノードに関して本開示において説明されるのと同様に動作することができる。
【0086】
例示的なフォグフェデレーション300に関連して図示及び説明されたように、システムは、フォグノードのファミリにおいて現れるフレキシブルなハードウェアアーキテクチャを含む。各フォグノードは、以下のものの機能を実行することができる:
1.ERP/MRPシステム;
2.製造実行システム;
3.セルコントローラ;
4.マイクロコントローラ;
5.産業用パーソナルコンピュータ;
6.ロボットコントローラ及び視覚化;
7.PLCシステム;及び
8.マシンビジョン及びバーコードリーダ。
【0087】
各ノード上のリッチなソフトウェアスタックは、高速でセキュアなソリューションデプロイメントを可能にする。さらに、例示的なフォグフェデレーション300は、エンドツーエンドで管理される、ネットワーキング及びコンピューティング資産、ソフトウェア、並びにアプリケーションの先進的な分散システムである。
【0088】
図4は、産業ピラミッドにおける新たな機能層としてのフォグコンピューティングを示す例示的なピラミッドの図である。
【0089】
ピラミッド400に示されているように、フォグコンピューティングに向かう情報技術及びオペレーショナルテクノロジーの集中・統合が存在し、したがって、ピラミッドがフラット化されている。また、図示されているように、センサ(例えば、ビジョン、温度等)及びデバイス(例えば、溶接機、産業用アーム等)は、協調的且つ効率的な生産及び現場での意思決定のために互いに通信することができる。フォグコンピューティングの多くの利点のうちの1つの利点は、コンピューティングパワーが最適化される生産ライン又はサービスラインのより近くにコンピューティングを局在させることである。それに対し、分離されたサイロにおけるコンピューティングの従来方法は、クラウドに至る。したがって、センサ及びデバイスは、互いと通信し、生産プロセス又はサービスプロセスにおいて瞬時に調整を行うこと(例えば、ビジョンセンサが溶接部において弱いスポットを見つけた場合、溶接温度を調整すること)ができる。
【0090】
フォグコンピューティングはまた、各デバイス及び/又はセンサに関連付けられた多数の異なるコントローラをなくすことによって、莫大なコスト節約及び計算効率の向上をもたらす。フォグノードの冗長性は、例えば、工場が更新される必要がある場合又は作業セルが変更される場合等、フレキシビリティ及び効率を高める。図4に示されているように、監視制御及びデータ取得、並びに管理実行システムは、オペレーショナルテクノロジーと密接に統合されている。さらに、フリート管理は、全てのデバイス及びセンサのステータスを常に認識することができる。
【0091】
図5は、フォグ工場を立ち上げる例示的な方法を示している。
【0092】
例示的な方法500に従うと、ステップ502において、物理的生産プロセスが確立される。そのようなプロセスは、工場現場における作業セルの一部であり得、ロボットアーム、溶接デバイス、穿孔デバイス、塗装デバイス、打鋲デバイス、産業用アーム、無人搬送車、はんだ付けデバイス、又はこれらの組合せを含む。
【0093】
ステップ504において、検知プロセスが確立される。そのようなプロセスは、工場現場における作業セルの一部であり得、ビジョンセンサ(例えばカメラ)、温度センサ、計器等を含む。
【0094】
ステップ506において、監視プロセスが確立される。
【0095】
ステップ508において、管理プロセスが確立される。
【0096】
ステップ510において、計画プロセスが確立される。
【0097】
ステップ512において、上記のプロセスのうちの1つ以上のプロセスが、フォグノードに関連付けられる。いくつかの例示的な実施形態において、物理的生産プロセス及び検知プロセスは、単一のフォグノードにより制御される。さらに、監視プロセス及び管理プロセスは、各プロセス用の別個のフォグノードにより制御されてもよいし、両方のプロセス用の同じフォグノードにより制御されてもよい。さらなる例示的な実施形態において、単一のフォグノードが、計画プロセスを制御してもよいし、フォグノードが使用されなくてもよい。さらに別の例示的な実施形態において、単一のフォグノードが、ステップ502〜510の全てを制御してもよい。
【0098】
請求項における全てのミーンズプラスファンクション要素又はステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、動作、及び均等の構成は、具体的に特許請求される請求項の他の要素との組合せで機能を実行するための任意の構造、材料、又は動作を含むことが意図されている。本技術の記載は、図示及び説明のために提示されているが、開示された形態での本技術に網羅的なものでも限定されるものでもない。当業者であれば、本技術の範囲及び主旨から逸脱することなく、多くの変更及び変形が明らかであろう。例示的な実施形態は、本技術の原理及びその実際の適用を最も良く説明し、企図される特定の使用に適した様々な変更を伴う様々な実施形態について当業者が本技術を理解することを可能にするために、選択及び記載されている。
【0099】
本技術の態様は、本技術の実施形態に従った方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して上述されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及び、フローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令により実現され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データなデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されるこれらの命令が、フローチャート図及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて特定されている機能/動作を実施する手段をもたらすようなマシンが生成され得る。
【0100】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶され得、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されているこれらの命令が、フローチャート図及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて特定されている機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすような特定の形で機能するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスに指示することができる。
【0101】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされて、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行されるこれらの命令が、フローチャート図及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて特定されている機能/動作を実施するためのプロセスを提供するような、コンピュータにより実施されるプロセスをもたらすように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスにおいて一連の動作ステップを実行させ得る。
【0102】
図面におけるフローチャート図及びブロック図は、本技術の様々な実施形態に従ったシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。これに関して、フローチャート図又はブロック図の各ブロックは、特定されている1つ以上の論理的機能を実装するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコード部分を表し得る。また、いくつかの代替実施形態において、ブロックに記されている機能は、図面に示されている順序とは異なることがあることに留意されたい。例えば、関連する機能に応じて、連続して図示されている2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されることもあるし、ブロックが、時として、逆の順序で実行されることもある。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及び、ブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、特定されている機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムにより実施されることもあるし、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せにより実施されることもある。
【0103】
本説明において、限定ではなく説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、特定の実施形態、手順、技術等といった特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態においても実施され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0104】
本明細書を通じた「一実施形態」又は「ある実施形態」との言及は、当該実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な箇所における「一実施形態において」若しくは「ある実施形態において」又は「一実施形態に従うと」という語句(又は同様の意味を有する他の語句)の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において何らかの適切な形で組み合わされることがある。さらに、本明細書における説明の文脈に応じて、単数形の用語は、その複数の形態を含むことがあり、複数形の用語は、その単数の形態を含むことがある。同様に、ハイフンで結ばれた用語(例えば「オン−デマンド(on-demand)」)は、ハイフンで結ばれていないバージョン(例えば「オンデマンド(on demand)」等)と時折同義に使用され、大文字の頭文字(例えば「Software」)は、大文字でないバージョン(例えば「software」)と同義に使用されることがあり、複数形の用語は、アポストロフィを伴って示されることもあるしアポストロフィを伴わずに示されることもあり(例えば、PE’s又はPEs)、イタリック体の用語(例えば「N+1」(原文ではイタリック体))は、イタリック体でないバージョン(例えば「N+1」)と同義に使用されることがある。このような時折の同義での使用は、互いとの不整合とみなされるべきではない。
【0105】
また、いくつかの実施形態は、タスク又はタスクのセットを実行する「手段」の観点で説明され得る。「手段」は、プロセッサ、メモリ、カメラ等のI/Oデバイス、又はこれらの組合せ等の構造の観点で、本明細書において表現され得ることが理解されよう。あるいは、「手段」は、機能又は方法ステップを記述するアルゴリズムを含むことがあり、さらに別の実施形態においては、「手段」は、数式、散文の観点で、又は、フローチャート若しくは信号図として表現される。
【0106】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけにあり、本発明を限定する意図はない。本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。本明細書において使用される場合、用語「備える、含む、有する(comprises)」及び/又は「備える、含む、有する(comprising)」は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが、さらに理解されよう。
【0107】
何らかの開示が参照により本明細書に組み込まれ、そのような組み込まれた開示が本開示と部分的に且つ/又は全体的に矛盾する場合、矛盾及び/若しくはより広い開示並びに/又は用語のより広い定義の範囲について、本開示が優先される。そのような組み込まれた開示同士が、部分的に且つ/又は全体的に矛盾する場合、矛盾の範囲について、後の日付の開示が優先される。
【0108】
本明細書において使用される用語は、直接的を意味することも間接的を意味することもあるし、全部を意味することも一部を意味することもあるし、一時的を意味することも永続的を意味することもあるし、瞬時を意味することもあるし遅れを意味することもあるし、同期的を意味することもあるし非同期的を意味することもあるし、アクションを意味することもあるし非アクションを意味することもある。例えば、ある要素が、別の要素の「上にある」、別の要素に「接続されている」、又は、別の要素に「結合されている」として言及されている場合、その要素は、別の要素の直接上にある、別の要素に直接接続されている、又は、別の要素に直接結合されていることもあるし、且つ/又は、間接的異形及び/又は直接的異形を含め、介在要素が存在することもある。対照的に、ある要素が、別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」として言及されている場合、介在要素は存在しない。本開示における説明は、限定ではなく例示である。本技術の多くの変形が、本開示を検討すると当業者には明らかになるであろう。
【0109】
様々な実施形態が上記で説明されたが、これらの実施形態は、限定ではなく単なる例として提示されていることを理解されたい。本説明は、本発明の範囲を、本開示に記載の特定の形態に限定するようには意図されていない。そうではなく、本説明は、請求項により定められ当業者により理解されるであろう本発明の主旨及び範囲内に含まれ得る代替形態、変更形態、及び均等形態をカバーするように意図されている。したがって、好ましい実施形態の幅及び範囲は、上述した例示的な実施形態のうちのいずれの実施形態によっても限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5