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特許6982718電気錠の汎用制御モジュール、後付け及び操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982718
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】電気錠の汎用制御モジュール、後付け及び操作方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20211206BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   E05B49/00 K
   E05B47/00 U
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-541484(P2018-541484)
(86)(22)【出願日】2016年10月27日
(65)【公表番号】特表2018-532922(P2018-532922A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】DK2016050341
(87)【国際公開番号】WO2017071712
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2019年10月28日
(31)【優先権主張番号】PA201570698
(32)【優先日】2015年10月29日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】521304346
【氏名又は名称】ダナロック アンパーツゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング オウアゴー
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−47863(JP,A)
【文献】 特開平10−280759(JP,A)
【文献】 特開平10−176446(JP,A)
【文献】 特開2009−144422(JP,A)
【文献】 特開2004−211405(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2865829(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0027178(US,A1)
【文献】 米国特許第6005306(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア(1)の既存の電気的に作動するドア錠(2)に外部制御装置(23)を後付けするとともに後付けされた外部制御装置(23)によってドア錠(2)を施錠状態及び開錠状態にする方法であって、
前記ドア錠(2)は、
電力による作動に応じて前記ドア(1)の施錠又は開錠を保持するために電気的に制御可能なロック機構(4,6,7)と、
電気的な第1の結線(11)によって前記ロック機構(4,6,7)に電気的に接続した第1の電源装置(10)であって、前記第1の電源装置(10)から前記第1の結線(11)を介して前記ロック機構(4,6,7)に流れる電流によって前記ロック機構(4,6,7)を作動状態又は不作動状態にする第1の電源装置(10)と、
第2の結線(21)によって前記第1の電源装置(10)に電気的に接続した第1の電源(19)であって、電流を前記第1の電源装置(10)を介して前記ロック機構(4,6,7)に供給する第1の電源(19)と、
前記第1の電源装置(10)に機能的に接続した第1のコントローラ(5,14,17,17’)であって、前記第1の電源(19)から前記第2の結線(21)、前記第1の電源装置(10)及び前記第1の結線(11)を介して前記ロック機構(4,6,7)に電流を流すために前記第1の電源装置(10)をオン状態又はオフ状態にする第1のコントローラ(5,14,17,17’)と、
を備え、前記第1の電源装置(10)、前記第1の電源(19)及び第1のコントローラ(5,14,17,17’)に加えて外部制御装置(23)を設け、
前記外部制御装置(23)は、
前記第1の電源(19)とは異なる第2の電源(36,40)であって、前記ロック機構(4,6,7)を作動させるために電流を供給するように構成された第2の電源(36,40)と、
ハウジング(34)、前記ハウジングの内側のマイクロプロセッサ(33)、及び、前記マイクロプロセッサ(33)に電子的に接続された短距離デジタルデータ信号のトランシーバ(25)であって、前記トランシーバ(25)と前記マイクロプロセッサ(33)との間のデジタルデータ信号の転送を行うトランシーバ(25)と、
第1のスイッチ機構(45)を介して前記第2の電源(36,40)に接続可能な前記ハウジング(34)の中にある電気的な第1の接続ポート(35a,35b)であって、電流を前記第2の電源(36,40)から受信し、前記マイクロプロセッサ(33)は、前記第1のスイッチ機構(45)に操作的に接続され、前記マイクロプロセッサ(33)のプログラムされた操作ステップに従って前記第1の接続ポート(35a,35b)に流れる電流を前記第1のスイッチ機構(45)によってオン及びオフに切り替えさせるように構成された第1の接続ポート(35a,35b)と、
2極の間の第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)を有する2極の電線コネクタ(48c,48d)を設けた電気的な別の接続ポート(35c,35d)であって、電流回路に接続する又は前記電流回路から切り離すことによって前記ドア錠(2)を操作するために前記2極を電気的に互いに接続する又は互いに切り離し、前記マイクロプロセッサ(33)は、前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)に操作的に接続され、前記マイクロプロセッサ(33)のプログラムされた操作ステップに従って前記2極を前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)によって電気的に互いに接続する又は互いに切り離す電気的な別の接続ポート(35c,35d)と、
を備え、
前記ドア錠(2)を施錠又は開錠するための追加の制御機構として、前記第1の接続ポート(35a,35b)又は前記別の接続ポート(35c,35d)を第3の結線(2424’)によって前記ドア錠(2)に電気的に接続することと、
短距離無線デジタルデータ信号通信を行うように構成された携帯機器(22)を設け、前記携帯機器(22)と前記トランシーバ(25)との間に短距離無線デジタルデータ通信リンク(26)を確立し、前記トランシーバ(25)を介して前記携帯機器(22)と前記マイクロプロセッサ(33)との間でデジタルデータのやり取りを行うことと、
前記携帯機器(22)と前記マイクロプロセッサ(33)との間のデジタルデータのやり取りの一部として、コマンドセッションを開始し、前記携帯機器(22)から前記マイクロプロセッサ(33)にデジタル施錠又は開錠コマンドを送信し、前記第1のスイッチ機構(45)又は前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)を、前記デジタル施錠又は開錠コマンドに従って前記マイクロプロセッサ(33)によって操作し、前記ドア錠(2)の対応する施錠状態又は開錠状態にすることと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ドア錠(2)が前記第1の電源装置(10)の一部としてのリレー(12)を備えるか否かを確認し、前記第1の電源装置(10)がリレー(12)を備えない場合、前記ロック機構(4,6,7)に対する電気的なアクセスを与える前記第1の結線(11)を確認し、前記第3の結線(24)を前記外部制御装置(23)の前記第1の接続ポート(35a,35b)及び前記第1の結線(11)に接続することと、前記マイクロプロセッサ(33)によるデジタルコマンドの受信に応答して、前記ドア錠(2)を操作する別の機構としての前記第3の結線(24)及び前記第1の結線(11)を介して前記第2の電源(36,40)から前記第1の接続ポート(35a,35b)を通じて前記ロック機構(4,6,7)に電流を供給することにより前記外部制御装置(23)によって前記ロック機構(4,6,7)を操作することと、を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドア錠(2)が前記第1の電源装置(10)の一部としてのリレー(12)を備えるか否かを確認することを更に備え、
前記第1の電源装置(10)がリレー(12)を備える場合、前記リレー(12)が外部電流によって前記リレー(12)を操作するための前記リレー(12)に対する電流入力部を備えるか否かを確認し、前記リレー(12)が外部電流によって前記リレー(12)を操作するための前記リレー(12)に対する電流入力部を備える場合、前記第3の結線(24)を前記第1の接続ポート(35a,35b)に電気的に接続し、デジタルコマンドの受信に応答するとともにその結果として、前記ドア錠(2)を操作する別の機構としての前記第1の電源装置(10)の一部として前記第3の結線(24’)を介して前記第1の接続ポート(35a,35b)を通じて前記第2の電源(36)から前記リレー(12)に電流を供給することにより前記外部制御装置(23)によって前記ロック機構(4,6,7)を操作し、
前記第1の電源装置(10)がリレー(12)を備え場合、前記リレー(12)が二つの電流出力極を有するか否か確認し、前記二つの電流出力極は、前記二つの電流出力極が電気的に互いに接続されたか否かに応じて前記第1の電源装置(10)を操作し、前記リレー(12)が二つの電流出力極を有する場合、前記別の接続ポート(35c,35d)の前記2極の電線コネクタ(48c,48d)を、前記第3の結線(24’)によって前記第1の電源装置(10)の前記リレー(12)の前記二つの電流出力極に電気的に接続し、前記マイクロプロセッサ(33)によるデジタルコマンドの受信の結果として、前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)による前記2極の電線コネクタ(48c,48d)の二つの極の電気的な接続又は切り離し及びこれによる前記リレー(12)と電流回路との開閉により前記外部制御装置(23)によって前記ロック機構(4,6,7)を操作し、前記電流回路の開閉の結果として、前記第1の電源装置(10)は、前記第1の結線(11)を介した前記第1の電源(19)から前記ロック機構(4,6,7)に電流を供給するように操作される請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ロック機構(4,6,7)は、ドアの枠(1’)のくぼみと協働する前記ドアのドアパネル(1’)の伸長及び引込自在な差し錠を備え、又は、前記ロック機構(4,6,7)は、差し錠と協働する可動シャッタを備え、前記外部制御装置(23)からの電流によって駆動部(6)を駆動して前記差し錠又は前記可動シャッタを伸長する又は引き込むことを備える請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ハウジング(34)の中の前記第2の電源(36,40)の一部としてのバッテリ(36)を設けることを更に備え、前記バッテリ(36)は、前記マイクロプロセッサ(33)、前記第1のスイッチ機構(45)、前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)、前記第1の接続ポート(35a,35b)及び前記別の接続ポート(35c,35d)に電気的に接続する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記バッテリ(36)は、12V未満の電圧を有し、変圧器(40)を設けるとともに前記バッテリ(36)からの電圧を12〜24Vの範囲の値まで増大することと、前記バッテリ(36)を、前記変圧器(40)を介して前記第1の接続ポート(35a,35b)に電気的に接続することと、増大した電流を前記第1の接続ポート(35a,35b)に供給することと、を備える請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コマンドセッションの一部として、前記携帯機器(22)、前記外部制御装置(23)の前記マイクロプロセッサ(33)又はその両方の協働によって、セッション暗号鍵を自動的に作成し、前記セッション暗号鍵を用いた暗号化による暗号化形式において、前記短距離無線デジタルデータ通信リンク(26)による前記携帯機器(22)と前記マイクロプロセッサ(33)との間のデジタルデータのやり取りを行うことを更に備える請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数のドア錠(2)及びそれと同数の外部制御装置(23)を設けるとともにそのような外部制御装置(23)の各々を前記複数のドア錠(2)の各々に接続することと、前記携帯機器(22)と前記外部制御装置(23)の一つとの間でコマンドセッションを確立する前に、前記携帯機器(22)と前記外部制御装置(23)の全ての前記マイクロプロセッサ(33)との間に短距離無線デジタルデータ通信リンクを確立するとともに前記携帯機器(22)と複数の前記外部制御装置(23)との間で暗号化なしで無線デジタルデータのやり取りを行うことと、複数の前記外部制御装置(23)の前記マイクロプロセッサ(33)の各々から対応する外部制御装置(23)の独自の識別子IDを前記携帯機器(22)に送信することと、前記携帯機器(22)の個別のIDを受け取るとともにこれらを前記携帯機器(22)のユーザインタフェース(27)に示し、ユーザからの指示を受け取る前記携帯機器(22)によって、前記ユーザインタフェース(27)の識別子の中からIDの一つを選択し、前記指示は、前記ユーザインタフェースのポインタ動作又は前記携帯機器(22)のキーボード動作であることと、前記指示に対する応答として、特に選択したIDに対応する前記外部制御装置(23)のみによって前記コマンドセッションを開始するとともに実行することと、を更に備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記携帯機器(22)が前記外部制御装置(23)と通信範囲内にあるときに前記携帯機器(22)と前記外部制御装置(23)の間の短距離無線デジタルデータ通信リンク(26)を自動的に確立することと、最大信号強度の約20%である予め決定されたレベルより上の短距離通信信号強度を有する確立された通信リンク(26)の応答として、ユーザからの干渉なくコマンドセッションを自動的に開始するとともに開錠動作を行うことと、を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ロック機構(4,6,7)を前記ドア(1)に取り付けるとともに前記第1の電源(19)、前記第1の電源装置(10)及び前記第1のコントローラ(5,14,17,17’)によって少なくとも1年間前記ロック機構(4,6,7)を操作することと、その後の時点において前記外部制御装置(23)を第2のロック制御機構として前記錠に後付けすることと、を備える請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法により操作される電気機械的な錠(2)に接続するための外部制御装置(23)であって、
電源(36,40,45)と、
ハウジング(34)、前記ハウジング(34)の中のマイクロプロセッサ(33)、及び、携帯機器(22)からデジタルデータコマンドを受信するように構成された短距離無線デジタルデータ信号トランシーバ(25)であって、前記マイクロプロセッサ(33)に電子的に接続されるとともに前記トランシーバ(25)と前記マイクロプロセッサ(33)との間でデジタルデータ信号の伝送を行うように構成された短距離無線デジタルデータ信号トランシーバ(25)と、
前記ハウジング(34)の中にある電気的な第1の接続ポート(35a,35b)であって、電力を前記第2の電源(36,40)から受信するとともにこの電力を前記第1の接続ポート(35a,35b)と前記錠(2)との間の結線(24,24’)によって前記錠(2)に供給し、前記マイクロプロセッサ(33)は、第1のスイッチ機構(45)を介して前記第1の接続ポート(35a,35b)に操作的に接続され、プログラムされた操作ステップに従って前記第1の接続ポート(35a,35b)に流れる電流をオン及びオフに切り替える第1の接続ポート(35a,35b)と、
2極のコネクタ(48c,48d)及び前記2極のコネクタ(48c,48d)の2極の間の第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)を設けた電気的な別の接続ポート(35c,35d)であって、電流回路に接続する又は前記電流回路から切り離すことによって前記錠(2)を操作するために前記2極を電気的に互いに接続する又は互いに切り離し、前記マイクロプロセッサ(33)は、前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)に操作的に接続され、プログラムされた操作ステップに従って前記2極を前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)によって電気的に互いに接続する又は互いに切り離す電気的な別の接続ポート(35c,35d)と、
を備える外部制御装置。
【請求項12】
前記別の接続ポート(35c,35d)は、第2の2極のコネクタ(48c)を有する電気的な第2の接続ポート(35c)を備え、前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)は、デフォルト状態において前記第2の2極のコネクタ(48c)の前記2極を切り離すとともに電流の供給によって生じる動作状態において前記第2の2極のコネクタ(48c)の前記2極を接続するフェイルオープンリレー(46c)を備え、前記別の接続ポート(35c,35d)は、第3の2極のコネクタ(48d)を有する電気的な第3の接続ポート(35d)を備え、前記第2のスイッチ機構(46c,47c,46d,47d)は、デフォルト状態において前記第3の2極のコネクタ(48)の前記2極を接続するとともに電流の供給によって生じる動作状態において前記第3の2極のコネクタ(48)の前記2極を切り離すフェイルクローズリレー(46d)を備える請求項11に記載の外部制御装置。
【請求項13】
前記電源(36,40,45)は、バッテリ(36)を備え、前記バッテリ(36)は、バッテリ電圧を12V未満の値から12〜24Vの範囲の値まで増大させるために変圧器(40)を介して前記第1の接続ポート(35a,35b)に電気的に接続されている請求項11又は12に記載の外部制御装置。
【請求項14】
前記第1のスイッチ機構(45)は、前記マイクロプロセッサ(33)にデジタル的に接続され、前記第1の接続ポート(35a,35b)に接続された前記変圧器(40)の電流出力部の電圧を調整するためにデジタルコマンドを受信するとともに実行する請求項13に記載の外部制御装置。
【請求項15】
電気的な第1のドアロック機構に加えて補助ツールとしてドア錠を電気的に操作するための請求項11〜14のいずれか一項に記載の外部制御装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械的な錠の無線制御モジュールに関する。特に、本発明は、既存の錠を操作する補助ツールを提供するために既存の電気的に操作されるドア錠の制御装置の後付け(retrofit)に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械的なドア錠は、種々の方法によって、例えば、ドアから離れて設けられた、例えば、建物の出入り口から離れたアパートメント(apartment)に設けられた押しボタンが最も簡単な形状である有線遠隔操作によって操作される。建物にアクセスするために、予め決定された英数字コードの入力を受信したときに錠を開けるように構成されたキーパッドを用いることも知られている。さらに、錠と遠隔制御装置との間の無線通信システムは、赤外線信号に基づくように一般的である。後者のタイプの通信は、典型的には、ガレージドアで用いられており、用語「ドア」は、ここでは、種々のタイプのガレージポート(garage ports)を含む。典型的には、各タイプの錠に対して、特定のタイプの通信が存在し、赤外線リモコンは、典型的には、単一の錠に対してのみ用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、施錠及び開錠のために操作される最新の錠は、ユーザを更に快適にするだけでなくセキュリティを向上させるために益々普及している。しかしながら、旧式の簡単な錠のタイプから最新の高度な錠システムへの変更は、費用がかかり、機械的には必ずしも簡単な仕事ではない。特に、ドア錠のドアパネルへの取り付けは、ドアそれ自体を変形する又は取り換える必要があり、それは、しばしば望ましくない。また、ドア錠の既存の遠隔操作を、典型的には変更する必要があり、それは、特に、所定のシステムが確立されているときには必ずしも所望されない。
【0004】
このために、取り付けが容易な電気機械的なドア錠の後付け錠システムを提供することが望ましい。特に、そのようなシステムに対して、暗号化通信及び最新型の電話操作ドア錠のような多用途性を含む、特に、種々の錠を操作するための一つの電話機の使用を含む同一の高いセキュリティを提供する後付けシステムを提供するのが望ましい。また、各種の錠を単一の無線装置を用いて操作できるような後付けの改良を提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術の改良を行うことである。特に、本発明の目的は、特に携帯機器からの無線信号によって操作することができるとともに各種の電気機械的なドア錠の制御を行うように構成することができる汎用モジュールを提供することである。別の目的は、既存の錠を後付けするためのモジュールを提供することである。これらの目的を、後に更に詳しく説明するような後付け無線制御システム及び電気機械的な錠の方法によって達成することができる。
【0006】
後に説明するような後付けシステムは、既存の電気的に駆動されるドア錠の施錠及び開錠を行うために設けられた外部制御装置の後付け及び操作に関する。そのようなシステムは、後に説明するタイプの錠に特に適している。
【0007】
ドア錠は、電力による作動に応じたドアの施錠又は開錠を保持するために電気的に制御可能なロック機構を備える。例えば、ドア錠は、電気機械型であり、ドアの枠のくぼみと協働するドアのドアパネルの伸長及び引込自在な(extendable−retractable)差し錠を備える。代替的に、ロック機構は、差し錠と協働する可動シャッタを備え、可動シャッタは、典型的には、ドアの枠に設けられる。これら二つの組合せも可能である。差し錠又はシャッタは、電気機械的な駆動装置、例えば、モータ又はソレノイドによって駆動され、差し錠の場合、モータ又はソレノイドは、ドアリーフとも称されるドアパネルの内側に装着され、シャッタの場合、モータ又はソレノイドは、ストライクロック(strike lock)において典型的であるようにドアの枠の内側に装着される。
【0008】
そのような電気機械的な錠において、ロック機構は、電気的な第1の結線によってロック機構に電気的に接続した第1の電源からの電流によって駆動され、例えば、電気的なリレーを備える第1の電源装置からの電力によってロック機構を作動状態又は不作動状態にする。第1の電源、例えば、バッテリ、発電機又は公共の送電線(public power grid)は、電力を第1の電源に供給するために第2の結線によって第1の電源に電気的に接続される。例えば、リレーを備える第1の電源装置は、錠のケーシングの中又は上に任意に設けられるが、錠のケーシングから離れて設けることもできる。
【0009】
代替として、ロック機構は、駆動装置のない磁気的な錠である。
【0010】
例えば、電気的なリレーを備える第1の電源を制御するために、第1のコントローラは、第1の電源装置に機能的に接続され、第2の結線、第1の電源装置及び第1の結線を介した第1の電源からロック機構への電力を第1の電源装置によってオン又はオフにする。最も簡単な形態において、コントローラは、押しボタン又はドアの取っ手である。更に高度なシステムにおいて、コントローラは、英数字キーパッド、遠隔制御装置又は携帯電話若しくはページャのような携帯機器である。このタイプの錠は、従来のタイプであり、一般的に用いられている。
【0011】
ドア錠を制御する際の機能の拡張のために、第1の電源装置、第1の電源及び第1のコントローラに加えて外部制御装置を設ける。したがって、外部制御装置は、ドア錠を装着したときより十分後に、例えば、典型的には数年後であるとしても少なくとも1カ月後又は少なくとも1年後に設けられ、取り付けられ、かつ、操作される後付けのための追加の制御装置である。
【0012】
外部制御装置は、第1の電源とは異なる第2の電源を備え、第2の電源は、第1の電源からの電流によるロック機構の駆動に加えてロック機構を駆動するのに適した電流を供給するように構成される。
【0013】
外部制御装置は、ハウジングを備え、ハウジングの内側には、マイクロプロセッサと、携帯電話のような無線装置と通信を行うことができる短距離無線デジタルデータ信号トランシーバと、が設けられる。トランシーバは、トランシーバとマイクロプロセッサとの間のデジタルデータ信号のやり取りを行うためにマイクロプロセッサに電子的に接続される。マイクロプロセッサは、携帯電話、特に、スマートフォンのような携帯機器からのコマンドを受信するときに錠を操作するようにプログラム可能である。
【0014】
例えば、そのような場合において、APPとも称されるコンピュータアプリケーションがスマートフォンに備えられ、APPは、スマートフォンのディスプレイにおいて適切なユーザインタフェースをユーザに提供し、ドア錠の施錠及び開錠を容易にする。また、そのようなAPPを、スマートフォンが外部制御装置の周辺にあるときに外部制御装置を用いることによってドアの開錠を自動的に行うのに用いることができる。
【0015】
外部制御装置は、ハウジングの中にある電気的な第1の接続ポートを備え、接続ポートと錠との間の結線によって錠に電力を供給する。典型的には、外部制御装置は、駆動装置の位置に応じてドアパネル又はドアの枠に設けられるが、外部制御装置を、ある程度の距離を以って装着することができ、当該距離は、典型的には数メートルの範囲内であり、めったにないが10mを超える距離である。ハウジングの内側において、電気的な第1の接続ポートは、電流を第2の電源から受信するために第1のスイッチ機構を介して第2の電源に接続可能である。マイクロプロセッサは、第1のスイッチ機構に操作的に接続され、マイクロプロセッサのプログラムされた操作ステップに従って第1の接続ポートに流れる電流を第1のスイッチ機構によってオン及びオフに切り替えさせるように構成される。
【0016】
電気的な第1の接続ポートを、ソレノイド又はモータのようにロック機構を直接操作するために任意に用いてもよい。しかしながら、一部の錠は、第1の電源からの電流の供給のために開閉動作を行う電気的に操作されるリレーを有する第1の電源装置を備える。この場合、外部制御装置を、錠を直接操作するために又は第1の電源装置の電気的に操作されるリレーを操作するために用いることができる。
【0017】
例えば、ユーザ又は設置者は、ドア錠が電源装置の一部としてのリレーを備えるか否かを確認し、ドア錠がリレーを備えない場合、ロック機構に対する電気的なアクセスを与える第1の接続ポートを確認し、第3の結線を外部制御装置の第1の接続ポート及び第1の結線に電気的に接続する。マイクロプロセッサからのデジタルコマンドの受信に応答して、ロック機構は、外部制御装置によって次のように操作される。第2の電源から外部制御装置の第1の接続ポート、第3の結線及び第1の結線を介してロック機構に電流が供給される。したがって、外部制御装置は、錠を直接操作する別の機構として動作する。
【0018】
電源がリレーを備える場合、ユーザ又は設置者は、リレーが外部電流によりリレーを操作するリレーの電流入力部を備えるか否かを確認する。レーが外部電流によりリレーを操作するリレーの電流入力部を備える場合、第3の結線を第1の結線に電気的に接続する。マイクロプロセッサによるデジタルコマンドの受信に応答して、ロック機構は、次のようにして外部制御装置によって操作される。第1の接続ポート及び第3の結線を介して第2の電源からリレーに電流が供給される。したがって、外部制御装置は、第1の電源装置のリレーを操作することによって錠を操作する別の機構として動作する。
【0019】
一部のリレーは、外部電力の供給によって開錠又は施錠を行わず、ドアの施錠又は開錠を開始するためにリレーを閉じる又は切り離す電気回路を用いる。例えば、そのような回路は、簡単な押しボタンによって閉にされる。
【0020】
第1の電源装置のそのようなタイプのリレーに対して、別の形態が有用である。そのような場合に対して、外部制御装置は、2極の電線コネクタを設けた電気的な別の接続ポートを備え、2極の電線コネクタは、2極を電気的に互いに接続する又は互いに切り離すために2極の間に第2のスイッチ機構を有する。これらは、電流回路を接続する又は切り離すことによって錠を操作するために用いられる。マイクロプロセッサは、第2のスイッチ機構に操作的に接続され、マイクロプロセッサのプログラムされた操作ステップに従って2極を第2のスイッチ機構によって電気的に互いに接続する又は互いに切り離す。外部制御装置の一つ以上の別の電気的な接続ポートを、錠を施錠又は開錠するための追加の制御装置として結線を介して錠に電気的に接続することができる。
【0021】
例えば、ユーザ又は設置者は、ドア錠が電源装置の一部としてリレーを備えるか否かを確認し、電源装置がリレーを備える場合、リレーが二つの電流出力極を備えるか否かを確認し、二つの電流出力極は、二つの電流出力極が互いに電気的に接続されたか否かに応じて第1の電源装置を操作する。リレーが二つの電流出力極を備える場合、別の接続ポートの2極の電線コネクタは、第3の結線によって第1の電源装置のリレーの二つの電流出力極に電気的に接続される。マイクロプロセッサによるデジタルコマンドの受信の結果として、ロック機構は、外部制御装置によって次のように操作される。2極の電線コネクタの2極は、第1の電源装置のリレーと電流回路との間で閉じる又は切り離すように配置された第2のスイッチ機構によって電気的に互いに接続される又は切り離される。電流回路が閉じられる又は切り離される結果として、第1の電源装置によって、第1の結線を介した第1の電源からロック機構への電流の供給が操作される。
【0022】
好適な実施の形態において、外部制御装置は、錠に電流を供給することができる接続ポートと、既存の電気回路に対する接続又は切り離しに用いることができるポートと、を備える。これによって、外部制御装置を多目的に用いることができる。
【0023】
例えば、上記説明に対して、外部制御装置は、
ハウジングと、
第2の電源、例えば、ハウジングの内側に設けられたバッテリと、
ハウジングの内側のマイクロプロセッサ及び短距離無線デジタルデータ信号トランシーバであって、短距離無線デジタルデータ信号トランシーバは、携帯機器からデジタルデータコマンドを受信するように構成され、マイクロプロセッサに電気的に接続され、トランシーバとマイクロプロセッサとの間のデジタルデータ信号の伝送を行うように構成されたマイクロプロセッサ及び短距離無線デジタルデータ信号トランシーバと、
第2の電源から電力を受信するハウジングの中にある電気的な第1の接続ポートであって、この電力を、第1の接続ポートと錠との間の結線によって錠に供給し、マイクロプロセッサは、第1のスイッチ機構を介して第1の接続ポートに操作的に接続され、プログラムされた操作ステップに従って第1の接続ポートに流れる電流をオン及びオフに切り替えさせるように構成された第1の接続ポートと、
2極の間の第2のスイッチ機構を有する2極のコネクタを設けた電気的な別の接続ポートであって、電流回路に接続する又は電流回路から切り離すことによってドア錠を操作するために2極を電気的に互いに接続する又は互いに切り離し、マイクロプロセッサは、第2のスイッチ機構に操作的に接続され、プログラムされた操作ステップに従って2極を第2のスイッチ機構によって電気的に互いに接続する又は互いに切り離す電気的な別の接続ポートと、
を備える。
【0024】
任意に、別の接続ポートは、第2の2極のコネクタを設けた電気的な第2の接続ポートを備え、第2のスイッチ機構は、デフォルト状態において第2の2極のコネクタの前記2極を切り離すとともに電流の供給によって生じる動作状態において第2の2極のコネクタの2極を接続するフェイルオープンリレーを備え、別の接続ポートは、第3の2極のコネクタを有する電気的な第3の接続ポートを備え、第2のスイッチ機構は、デフォルト状態において第3の2極のコネクタの2極を接続するとともに電流の供給によって生じる動作状態において第3の2極のコネクタの2極を切り離すフェイルクローズリレーを備える。
【0025】
電圧調整のために、第1のスイッチ機構は、マイクロプロセッサにデジタル的に接続され、第1の接続ポートに接続された変圧器の電流出力部の電圧を調整するためにデジタルコマンドを受信するとともに実行する。
【0026】
そのような外部制御装置を、電気的な第1のドアロック機構に加えて補助ツールとしてドア錠を電気的に操作するために用いることができる。
【0027】
例えば、実際には、携帯機器は、短距離無線デジタルデータ信号通信を行うように構成される。施錠又は開錠前に、携帯機器と外部制御装置のマイクロプロセッサとの間に短距離無線デジタルデータ信号通信リンクを確立し、短距離無線デジタルデータ通信リンクによって携帯機器とマイクロプロセッサとの間でデジタルデータのやり取りを行う。例えば、このような最初のデータのやり取りは、認識及びハンドシェーキングのために用いられ、潜在的には、暗号化通信回路を形成するためにも用いられる。
【0028】
一旦、マイクロプロセッサがドアの施錠又は開錠のコマンドを受信する準備が整うと、携帯機器とマイクロプロセッサとの間のコマンドセッションが開始され、コマンドセッションの一部として、施錠又は開錠のための操作コマンドが携帯機器から錠に送信される。マイクロプロセッサによる操作コマンドの受信の結果として、外部制御装置の第1の接続ポートに機能的に接続されたマイクロプロセッサによって、第1の接続ポートは、第3の結線を介して錠に電流を供給する。この電流によって、錠は、対応するように施錠又は開錠される。この電流は、駆動装置に直接供給される又は駆動装置に流れる電流を制御するリレーに供給される。対応するように、磁気的な錠をこのように操作することができる。
【0029】
種々のタイプの旧式の錠に対する後付けの場合、外部制御装置を、ドア錠の電気的な要求に適合するように調整する必要がある。例えば、これを、マイクロプロセッサをプログラミングすることによって、外部制御装置の内側に変圧器を設けることによって又は外部制御装置の内部を書き換えることによって行うことができる。しかしながら、有利には、装着を容易にするために、外部制御装置には、種々の錠に対する接続のための複数の設置された代替物が既に設けられている。そのような場合、種々の代替のために、複数の接続ポートが設けられ、例えば、これらの一つ以上は、錠のロック機構の駆動装置を直接制御するために12〜24Vの範囲の電流を供給するように構成される又はフェイルオープンタイプ又はフェイルクローズタイプのドア錠のリレーによって施錠又は開錠を行うための電気的な信号を供給するように構成される。簡単なバージョンにおいて、外部制御装置は、マイクロプロセッサからのコマンドに応じて12Vと24Vの間の切替を行うことができ、後者は、正確な電圧調整を行うためにプログラム可能である。
【0030】
例えば、「フェイルオープン」状態であるドアの閉状態を保持するようにロック機構に電力を常に供給するために電源からリレーに電力が供給される場合、外部制御装置によってドア錠を開状態にするために、接続ポートを電源とリレーとの間のワイヤに順次接続するとともにリレーへの電力を遮断するためのスイッチを接続ポートに設けてもよい。
【0031】
外付けされた外部制御装置を用いることのないドア錠に既に存在する機能に加えて、駆動装置は、外部制御装置からの電流によって駆動される。例えば、駆動装置は、外部制御装置からの電流によって決定されるドアの枠のくぼみに対する差し錠の伸長又は引込を行う。代替的には、ドアの枠の可動シャッタを、デッドボルトを緩めるために駆動装置によって動かす。
【0032】
任意に、外部制御装置を、外部制御装置に有線接続された外部電源によって動作させることができる。代替的に又は付加的に、外部制御装置には、ハウジングの内側のバッテリを設け、バッテリは、電流をマイクロプロセッサに供給するためにマイクロプロセッサに電気的に接続されている。
【0033】
一部の実施の形態において、バッテリは、電流の供給のために接続ポート、例えば、第1の接続ポートに機能的に接続される。そのような場合、バッテリが適切な電圧を供給する必要がある。バッテリが12V未満の電圧を有する場合、変圧器を設けるとともに電圧をバッテリ電圧から所望の電圧まで、典型的には、12〜24Vの範囲の所望の電圧まで増大させてもよい。このように増大した電流は、各接続ポートに供給される。
【0034】
一部の実施の形態において、システムは、いわゆるスニッフィング及びそれに続くドアの不正な開放に対する安全性を増大させることもできる。スニッフィングは、不正動作であり、この場合、無線信号は、窃盗を試みる際にドアを開けるために読出し信号を後に用いる権限のない人、いわゆる「中間者」によって操作される電子的な受信機によって読み出される。
【0035】
特にスニッフィング及びハッキングに対するセキュリティを強化するために、施錠又は開錠のためのコマンドにデジタル暗号化を用いるのが有利である。例えば、コマンドセッションの一部として、セッション暗号鍵を、携帯機器、外部制御装置のマイクロプロセッサ又は協働する両方によって作成する。暗号鍵は、短距離無線デジタルデータ通信により携帯機器とマイクロプロセッサとの間でやり取りされるデジタルデータの暗号化及び暗号解読のために用いられる。
【0036】
暗号化信号のスニッフィング及び暗号化信号の後の不正使用を防止するために、好適には、暗号鍵を短期間のみ有効にする。これは、実行が予め決定された期限内に行われる場合にのみ操作コマンドが外部制御装置によって行われることを意味する。例えば、そのような予め決定された期限は、暗号化された操作コマンドの一部として提出されるデジタルタイムスタンプから実行される予め決定された期間として計算される。例えば、期間は、数秒、例えば、3秒である。
【0037】
実際的な実施の形態において、セッション暗号鍵は、最長でも予め決定された期間まで有効であり、セッション暗号鍵が暗号解読時に有効である場合にのみ操作コマンドが外部制御装置によって実行される。暗号鍵が有効でない場合、暗号解読が実行されず、外部制御装置は、施錠又は開錠を行わない。暗号解読と操作コマンドの実行の間の期間が予め決定された期間より短いために暗号解読及び操作コマンドの実行が実用的な目的のためにある程度同時(quasi simultaneously)とみなされることを強調すべきである。これらの手段は、ドアの不正な開錠のリスクを減少させる。
【0038】
所定の実施の形態において、施錠又は開錠が予め決定された期限の前である場合、暗号鍵は、外部制御装置による施錠又は開錠の瞬時までのみ有効である。したがって、施錠又は開錠が予め決定された期限の前に行われる場合、この動作は、予め決定された期限を却下し、暗号鍵は、予め決定された期限が暗号解読及び操作コマンドの実行の後である場合でも施錠又は開錠が行われるとすぐに有効性を失う。これは、一つの暗号鍵が1回の施錠又は開錠に対してのみ用いることができるとともに繰り返しの施錠又は開錠のためにセッション暗号鍵の再使用が不可能であるという利点を意味する。例えば、権限のある人による施錠が行われる場合、権限のない第三者は、施錠と開錠の間の期間が短い場合でも次の施錠動作のために同一の暗号鍵を用いることができない。
【0039】
携帯機器と協働する外部制御装置を、リモートセキュリティサーバシステムに周期的にデジタル的に接続することができる。サーバシステムを、ログファイルを受信及び格納するために用いることができ、毎日の一定の時刻の自動的な施錠又は開錠のような外部制御装置の専用パラメータ設定に関与する。そのようなセッションに対して、他のセッションの暗号化のためにデータの送信が所望される場合にセッション暗号鍵が用いられる。
【0040】
暗号化通信に関連した上記の説明から明らかなように、後付けによって旧式の鍵を最小の労力及びコストで最新の(highly advanced modern)ドア錠にアップグレードすることができる。
【0041】
上述したように、システムの多用途性を向上させるために、携帯機器、例えば、スマートフォンに適切なコンピュータアプリケーション、いわゆるAPPを設けることができる。例えば、APPを、各々が複数のドア錠の一つに接続された複数の外部制御装置にスマートフォンを関連させるために用いることができる。
【0042】
携帯機器が、複数の後付けされたドア錠に接続した同数の外部制御装置に関連する場合、方法は、以下の更に詳しく説明するステップを伴う。携帯機器と外部制御装置の一つの間のコマンドセッションを確立する前に、短距離無線デジタルデータ通信リンクを、携帯機器と複数の外部制御装置の全てのマイクロプロセッサとの間に確立し、無線デジタルデータを、例えば、暗号化を行うことなく携帯機器と複数の外部制御装置との間でやり取りする。複数の外部制御装置の各マイクロプロセッサから対応する外部制御装置の独自の識別子IDが携帯機器に送信されるとともに許可のためにチェックされる。許可された個別のIDは、携帯機器で受信されるとともに携帯機器のユーザインタフェースに表示される。その後、ユーザは、ユーザインタフェースの識別子の中から一つ以上のIDを選択し、ユーザインタフェースのポインタ操作又は施錠若しくは開錠を行う携帯機器のキーボード操作のような指示を与える。指示の結果として、特定の外部制御装置又は特定するように選択した一つ以上のIDに対応する特定するように選択した外部制御装置によってのみコマンドセッションが開始されるとともに実行される。
【0043】
代替的に又は付加的に、簡単化された方法を用いる。本実施の形態において、携帯機器、例えば、スマートフォンが外部制御装置との通信範囲内に入るとすぐに、短距離無線デジタルデータ通信リンクが携帯機器と外部通信ユニットとの間に確立される。したがって、ユーザからの動作は必要とされない。例えば、最大信号強度の約20%より上の予め決定されたレベルより上の短距離通信信号強度を有する確立された通信リンクの応答として、ユーザからの干渉のないコマンドセッションを開始し、これによって開錠が行われる。これは、携帯機器をポケット又はバッグに保持することができるユーザにとって非常に実用的であり、ドアは、ユーザがドアに近づいたときに開く。
【0044】
制御装置は、旧式の現存する既に装着された電気機械的な又は磁気的なドア錠に関連する後付けに特に適している。しかしながら、機能を向上させるために単純指標(simple character)の新型の錠に対してシステムを用いることもできる。
【0045】
用語「ドア錠」は、広く理解されるべきであり、特に、ガレージポート(garage port)及び不動産用のポート(ports for estetes)をカバーする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0047】
図1】ドア錠を有するドアの原理的な略図である。
図2】電気機械的なドア錠を有するドアの図である。
図3】制御システムを有するドア錠の原理的な略図である。
図4】例えば、後付けとしてドア錠を制御する外部制御装置及びシステムの原理的な略図である。
図5】三つの接続ポートを有する集積回路基板の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、フレーム1”の内側及び外側に開くドアパネル1’を有するドア1を示す。ドア1は、ドアパネル1’にある第1の錠部2’及びフレーム1”にある第2の錠部2”を有するドア錠2を備える。第1の錠部2’及び第2の錠部2”は、ドア1を施錠するために相互作用する。例えば、第1の錠部2’は、可動差し錠を有するロックモジュールであり、第2の錠部2”は、施錠のために差し錠がかみ合う凹部である。代替的に、第2の錠部2”は、差し錠から離すことによって施錠位置から差し錠を緩める可動ストライクフェースプレート(movable strike faceplate)である。別の代替は、磁気的な錠であり、この場合、磁気的に逆に作用する極に対して電磁石を保持するために磁界が電気的に生成される。
【0049】
以下、可動差し錠に関連して装置を説明するが、原理は、あらゆる状況に使うことができ、上述した三つのタイプの錠及び別の電気機械的な錠にも当てはまる。
【0050】
図2は、ドア錠2の第1の錠部2’が装着されたドアパネル1’を有するドア1を示す。第1の錠部2’は、押し下げたときに可動ロック素子を引っ込めるハンドル3を備え、ここに示す場合において、ハンドル3は、押し入れたときにドアの枠1”の補足凹部(catching recess)とかみ合うとともに引っ込めたときに補足凹部から解放される可動差し錠である。ドア1を施錠又は開錠するロック素子を操作するハンドル3の代替として又はそれに加えて、英数字キーを有するキーパッド5を用いる。英数字コードを入力することによって、キーパッド5は、コードを表す電子データを集積回路に送信し、ロック素子を駆動する駆動装置、例えば、電気モータ又はソレノイドを駆動し、ロック素子は、特に、差し錠4をドアパネル1’に向かうように動かすとともに対応するように差し錠4を補足凹部から引っ込むように動かし、かつ、差し錠4をドアパネル1’から引っ込むように動かすとともに対応するように差し錠4を補足凹部に向かうように動かす。代替的に、ドア錠2を異なるタイプにすることができ、この場合、ハンドル3は、ストライクプレート(strike plate)を開位置に引っ込める。キーパッド5又はハンドル3の代替として又はそれに加えて、ドアの施錠又は開錠のための無線デジタルコマンドを受信するとともに実行するためにロック素子に機能的に関連した無線受信機をドア錠2に設ける。
【0051】
図3は、ケース20を有する第1の錠部2’の例を示す。第1の錠部2’は、ケーシング20に伸長するとともにコネクタ7によってケーシング20の内側の駆動装置6、例えば、モータ又はソレノイドに接続された差し錠4を備え、差し錠4を、両方向の矢印で示すようにケーシング20に向かうように又はケーシング20から離れるように駆動することができる。駆動装置6は、電線11を流れる電流を受信する。この電流を、例えば、ケーシング20の外側に延伸するとともに電源に接続されたワイヤ11又は電気ポート18、典型的には、マルチピンコネクタのソケットに接続されたワイヤ11によって受信する複数の実現性が存在する。電気ポート18又はワイヤ11は、電力、典型的には、12V又は24V電圧信号を直接受信し、その供給によって、駆動装置6は、差し錠4を引っ込める及び/又は引き出すように駆動される。
【0052】
上述したように、ドア錠2を異なるタイプとすることができ、この場合、電気ポート18又はワイヤ11からの電力を、ドアの枠1”のストライクプレート又は磁気的な錠を駆動するために用いられる。原理を同様に当てはめることができる。
【0053】
電気ポート18又はワイヤ11に直接供給される電力は、図3に示すように第1の電源装置10から供給される。例えば、第1の電源装置10は、スイッチ17を備え、スイッチ17が閉じられたときに、第1の電源装置10によって電源19から受信した電力を、電気ポート18を介して駆動装置6に供給し、ドア錠2が電気ポート18を有しない場合には、ワイヤ11を介して駆動装置6に供給する。例えば、電源19は、外部電源である。
【0054】
最も簡単な形態において、第1の電源装置10は、押圧又は非押圧に応答してスイッチ17を閉じる手動押しボタンを備え、スイッチ17は、電源19から電線21、任意の電気ポート18及び電線11を介した駆動回路6までの電力回路を閉状態にする。
【0055】
代替的に、第1の電源装置10は、電気信号によって電気的に開閉される電気リレー12を備える。例えば、そのような信号を、接続部13を介してキーパッド5から及び/又は異なる接続部13’を介して押しボタンスイッチ17’から受信し、バッテリ19’又は他のタイプの電源からの電流によって任意に電気的に供給する。代替的に、押しボタンスイッチ17’を、第1の電源装置10から電流回路を切り離すのに用いる。第1の電源装置10は、電気リレー12のタイプに応じて、電気リレー12への電流の供給、電流回路の電気リレー12からの切り離し又は電気リレー12に対して電流回路を閉じることを行うことによって第1の電源装置10を駆動する。
【0056】
代替又は追加は、遠隔制御装置14であり、その無線信号15を、受信機9によって受信し、受信機9は、駆動の際に、例えば、結線13”を介して第1の電源装置10の電気リレー12に電流を供給することによって又は第1の電源装置10の電気リレー12から電流を切り離すことによってスイッチ17を操作する。
【0057】
例えば、電気ポート18又はワイヤ11に対する第3の結線24は、ドア錠2を制御する外部制御装置から直接設けられる。任意に、第1の電源装置10の電気リレー12に対する代替的な第3の結線24’は、他の電気的な制御機構として外部制御装置から設けられる。そのようなオプションを、後に詳しく説明する。
【0058】
電気リレー12を含む電源装置の場合の第1の電源装置10に供給される電流パルスは、ドア1の開錠、ドア1の開錠状態の保持又はドア1の施錠に任意に用いられる。代替的に、第1の電源装置10からの定常電流回路を、ドアを施錠又は開錠するために開状態又は閉状態にする必要がある。種々のシステムが存在し、種々の組合せが可能である。
【0059】
例えば、集積回路は、ドア1がデフォルト設定により昼間に開錠されるとともに夜間に施錠されるようなタイマベースプログラミング(timer−based programming)を備える。昼間にドアを施錠するために、電気リレー12に対する電力入力が必要となり、夜間にドアを開くために、電源装置を切り離す必要がある。
【0060】
第1の電源装置10に供給される電気パルスは、目的及び要求に応じた様々な種類のものとなる。例えば、差し錠4と共に駆動装置6を駆動するためには、施錠及び開錠に必要なパルスは比較的長い。それに対し、ストライクロック(strike lock)に必要なパルス長は、典型的には、比較的短い。磁気的なドア錠のドアパネル1’とドアの枠1”の間の磁力を打ち消すのに必要なパルスを比較的短くすることができ、それに対し、磁力を保持するのに必要な電流は比較的長い。電気リレー12への信号を、ドア錠2のタイプに応じて扱う必要がある。電流によって施錠と開錠のいずれが行われるかは、典型的には「フェイルロック(fail locked)」及び「フェイルアンロック(fail unlocked)」とそれぞれ称される電源異常時(power failure)に施錠される又は開錠されるドア錠2のタイプに依存する。代替的な用語は、「フェイルクローズ」及び「フェイルオープン」を用いる。
【0061】
第1の電源装置10をケーシング20の外側にあるものとして示すが、第1の電源装置10を、原理的には、ケーシング20の内側又はケーシング20の上に設けることもできる。電源19を、典型的には、ケーシング20の外側に設けるが、これは必須ではない。
【0062】
典型的には、ドア錠2の各タイプに対する遠隔制御装置14について、あるドア錠2又はあるタイプのドア錠に対して作動する遠隔制御装置14が他のドア錠2又は他のタイプのドア錠2に対して作動しない特定の通信システムが存在する。あらゆる状況に対応する施錠及び開錠システムを設けるために、以下の改良が行われる。
【0063】
図2を参照すると、外部制御装置23は、ドア錠2の追加の制御装置として設けられる。外部制御装置23は、外部ワイヤ24によって電気機械的なドア錠2に電気的に接続される又は特に第1の電源装置10が電気リレー12を備える場合に図3に示すような外部ワイヤ24’によって第1の電源装置10に電気的に接続される。そのような外部制御装置23は、潜在的にドアパネル1’に統合又は挿入される。代替的に、そのような外部制御装置23’は、ドアパネル1’又はドアパネル1’を取り囲むドアの枠1”に装着される。例えば、ヒンジを介してドアの枠1”からドアパネル1’までクロスオーバ(cross over)するためにワイヤを用いることができる。ドア1の周辺の他の位置を、例えば、壁に取り付けることができる。ドア錠2が、ドアの枠1”のストライクプレートを有するストライクロックである場合、外部制御装置23及びワイヤ24を、対応するようにドアの枠1”の中又は上に配置する。
【0064】
差し錠4を有するシステムは例示であり、外部制御装置23を、ドアパネル1’が磁気的な相互作用によってドアの枠1”に保持される磁気的なドア錠にも適用することができることに留意されたい。
【0065】
図4は、そのような外部制御装置23の機能の一例を示す。外部制御装置23は、携帯機器22、典型的には、携帯電話を用いる無線通信26によって操作される。外部制御装置23は、機能的かつ電気的に接続されるトランシーバ25及びマイクロプロセッサ33を備える。トランシーバ25及びマイクロプロセッサ33は、典型的には、外部制御装置23のハウジング34の内側に組み込まれるが、トランシーバ25及びマイクロプロセッサ33を、外部に設けるとともに外部制御装置23に電気的かつ機能的に接続してもよい。以下、トランシーバ25及びマイクロプロセッサ33が外部制御装置23のハウジング34の内側にあると仮定するが、本発明を、外部通信及び制御モジュール25に関連して容易に変形することができる。外部制御装置23を機能させるコンピュータプログラムを、マイクロプロセッサ33に格納するとともにマイクロプロセッサ33によって実行させることができる。トランシーバ25は、携帯機器22が外部制御装置23のトランシーバ25の付近にあるときに短距離無線プロトコル通信線26を介して携帯機器22とデジタル通信を行うように構成される。
【0066】
トランシーバ25が、ドア錠2の開錠又は施錠のためのデジタル無線制御信号を受信する場合、信号は、トランシーバ25を介してマイクロプロセッサ33に送信され、マイクロプロセッサ33は、外部制御装置23の設定に応じて接続ポート35a,35b,35c,35dの一つを介して対応する電気信号を生成(initiate)する。
【0067】
用語「電気信号」を、ここでは、
第1の接続ポート35a又は第1の代替的な接続ポート35bからの電圧パルス、典型的には、12〜24Vパルスの送信、
第2の二つの極の接続ポート35cに接続される二つのワイヤの間での電流回路の接続、又は
第3の二つの極の接続ポート35dに接続される二つのワイヤの間での電流回路の切り離しのような外部制御装置23の種々の電気的な動作に対して使用する。
【0068】
ドア錠2を操作するための比較的少数の種々の信号のために、外部制御装置23には、ケーブルソケットを有する複数の接続ポート35a,35b,35c,35dが設けられる。図示するために接続ポートの個数を4個にしているが、異なる個数の接続ポート、例えば、3,5,6,7,8,9又は10個の接続ポートが可能である。しかしながら、典型的には、後に説明するように外部制御装置23の用途を広くするために少なくとも3個、例えば、4個の通信ポートが用いられる。
【0069】
一部の実施の形態において、外部制御装置は、ワイヤ42及びワイヤ11を介して電流、例えば、12〜24V電力を駆動装置に供給するための一つの電力出力部35aと、電気リレー12に給電するための追加の接続ポート35bと、を備える。他の実施の形態において、2個の接続ポート35a及び35bを組み合わせて単一の第1の接続ポート35aにする。
【0070】
例えば、外部制御装置23から12〜24V電力信号を供給するために、外部制御装置23は、110V又は220V電流のような送電線に電気的に接続され、電圧を低減するための変圧器40を備える。代替的に又は付加的に、バッテリシステム36が外部制御装置23に組み込まれる。例えば、外部制御装置23に変圧器40が設けられ、バッテリの3.3Vが変圧器40によって12〜24Vに増大され、この場合、送電線接続の異常の際に送電線からの電力を補充する必要がなくなる。それは、特に後付けの状況において設置を容易にするので有利である。図4において、変圧器40、マイクロプロセッサ33及びトランシーバ25を、ワイヤによって接続ポート35a,35b,35c,35dに接続するとともにバッテリ36のコンタクト部に接続された集積回路基板41の一部として示す。簡単にするために集積回路基板41の全ての素子を示さない。
【0071】
例えば、外部制御装置23は、差し錠4又はストライクプレートを作動させることによって駆動装置6によるドアの施錠又は開錠を行うために、電気的な第1の接続ポート35aからの電流、典型的には、12〜24V電流をワイヤ24を介してドア錠2のポート18に供給するとともにワイヤ11を介して駆動装置6に供給するように設定される。これによって、図3に関連して説明したドア錠2の既存の制御システムに加えて、電気的な第1の接続ポート35aを介した外部制御装置23によるドアの施錠又は開錠の実現性を提供することができる。
【0072】
代替的に、外部制御装置23は、ドア錠2を施錠又は開錠させるために、代替的な第1の接続ポート35b及び代替的なワイヤ24’を介して電流をドア錠2の第1の電源装置10、特に、電気リレー12に供給するように設定される。しかしながら、電気リレー12への信号がドア錠2に直接供給するのに用いられるものと同一である場合、例えば、電気リレー12への信号が12〜24V信号である場合、代替的な第1の接続ポート35aを、ドア錠2、例えば、ポート18への直接的な電流の供給及び電気リレー12への電流の供給の両方のために用いるとともにプログラムすることができる。後者は、調整された変圧器と協働するマイクロプロセッサ33によって第1の接続ポートの電圧及び電流を正確かつ適切に調整できる場合にも可能である。
【0073】
電気リレー12に対する電流によって施錠と開錠のいずれが行われるかは、典型的には「フェイルロック」及び「フェイルアンロック」とそれぞれ称される電源異常時に施錠されるタイプと電源異常時に開錠されるタイプのいずれのタイプにドア錠2が該当するかに依存する。
【0074】
潜在的には、種々の接続ポート35a,35b,35c,35dは、ドア錠2の電気ポート18を流れる種々の規格の電流に対して構成されるだけでなく、種々のタイプのコネクタの種々のタイプのソケットと共に任意に構成されてもよい。
【0075】
一部のタイプのリレーに対して、電気リレー12は、二つの極のリレーポートを有し、二つの極の間の電気的な接続によってあるタイプの動作が行われ、二つの極の間の切り離しによって別のタイプの動作が行われる。そのようなリレーを操作するために、外部制御装置23は、二つの接続ポート35c及び35dを有し、そのうちの一つは、ワイヤ24’を介してこのタイプの電気リレー12に接続される。二つの接続ポート35c,35dの各々は、二つの極のコネクタを有する。第2の接続ポート35cは、初期設定としての二つの極の切り離しを有し、電気的な駆動に応じて二つの極の接続を行う。他の接続ポート35dは、初期設定としての二つの極の接続を有し、電気的な駆動に応じて二つの極の切り離しを行う。ワイヤ24’を介した電気リレー12への接続のために第2の接続ポート35c又は第3の接続ポート35dを用いることによって、外部制御装置23を、特定のタイプの電気リレー12に適合させることができる。いずれの接続ポートが最適であるかは、いずれか一つが「フェイルロック」のシステムに用いられるとともにそれ以外が「フェイルアンロック」のシステムに用いられるか否かに依存する。
【0076】
図5は、マイクロプロセッサ33及び変圧器40が示された集積回路基板41の例を示すが、他の素子、例えば、トランシーバ25を集積することができる。わかりやすくするために、集積回路基板41の全ての構成要素を示さない。集積回路基板41の電流供給接続部43を太線で示し、それに対し、電子的なコマンドライン44を細線で示す。集積回路基板41は、電気入力部42を介してバッテリ36から電力を受信し、その電圧は、スイッチ機構45によって制御されるように変圧器により12V又は24Vに増大され、変圧器からの電流のオンとオフの間の切替及び種々の電圧、例えば、12Vと24Vの間又は予めプログラムされた範囲内の電圧の間の切替をマイクロプロセッサ33からの命令に応じて行うために電子的な命令をマイクロプロセッサ33から受信する。電圧が増大した電流は、第1の接続ポート35aの電線コネクタ48aによって利用可能である。第1の接続ポート35aは、上述した代替的な第1の接続ポート35bの役割も果たす。バッテリ36の代わりに、異なる電源、例えば、送電線からの電気も可能である。図3及び図5を参照すると、第3の結線24が第1の接続ポート35aと駆動装置6の間に接続される又は代替的な第3の結線24’が第1の接続ポート35aと第1の電源10の間に接続される。
【0077】
マイクロプロセッサ33は、集積回路基板41のフェイルオープンリレーである第1のリレー46c及び電力が第1のリレー46cに供給されたときにマイクロプロセッサ33からの命令に応じて閉じられる第1のリレースイッチ47cを制御する。第1のリレースイッチ47cが閉じられると、第2の接続ポート35cの二つの極のコネクタ48cは、図3に示す第1の電源10の電気リレー12からの電気回路が閉じられるように電気的に接続される。さらに、マイクロプロセッサ33は、集積回路基板41のフェイルクローズリレーである第2のリレー46d及び電力が第2のリレー46dに供給されたときにマイクロプロセッサ33からの命令に応じて開かれる第2のリレースイッチ47dを制御する。第2のリレースイッチ47dが開かれると、第3の接続ポート35dの二つの極のコネクタ48dは、図3に示す第1の電源10の電気リレー12からの電気回路が開かれるように電気的に切り離される。図3を参照すると、代替的な第3の結線24’は、接続ポート35c又は35dと第1の電源装置10の間に接続される。
【0078】
外部制御装置23は、既存の電気機械的なドア錠2の後付け及びアップグレードに適している。消費者の利点は、ドア錠2を交換する必要なく電話機のような携帯機器22によって無線アプリケーションを含むハイテクドアロック制御システムを有する既存のドア錠2をアップグレードできることである。以前に詳述したように、後付けシステムは、駆動装置6に対する電気的な接続だけでなく図3に第1の電源装置10によって示すような電気リレー12に対する将来性も有する。
【0079】
そのような後付けシステムに対して、供給する必要がある電流についての種々の要求が存在する。一部の錠は、12Vの電圧を必要とし、それ以外の錠は、24Vの電圧を必要とする。電気的なドアストライク(door strike)を有するドアのような一部の錠は、ソレノイドによってロック素子、例えば、ストライクプレートを引っ込めるために短い信号、例えば、1秒より短い信号を必要とし、それに対して、他の錠は、長い信号、例えば、1〜5秒の信号を必要とし、その間に、モータがロック素子、例えば、差し錠を補足凹部に出入りするように駆動する。他の錠は、磁気的な錠の一定の磁力をなくすために短い信号を必要とする。種々の錠の多様な信号要求にもかかわらず、国際基準は、電気ポート18を介した入力の要求に関する種々のシステムの総数が市販の大多数の電気機械的な錠に対して比較的少ないことを示す。したがって、外部ポートを備えた市販のドア錠2の大多数について、電気ポート18を介する外部制御に対して比較的少ない規格しか存在しない。例えば、多くのドア錠は、12〜24Vの範囲の電圧で動作する。マイクロプロセッサ33は、接続されたドア錠2に有用なパルス幅及び電圧の供給を制御するようにプログラム可能である。
【0080】
図4に示すように、システムは、外部制御装置23及び携帯機器22の初期認証を行うとともに携帯機器22と外部制御装置23の間の通信に関連するデータの更新を行うデジタルデータサーバシステム31も備える。携帯機器22とデジタルサーバシステム31の間の通信28,30は、インターネット29を介して行われる。デジタルサーバシステム31は、コンピュータ可読メモリ32と、コンピュータプログラムを格納するとともに実行するプロセッサと、を備え、プロセッサは、外部制御装置23の制御機能の開始に関連する携帯機器22からの認証要求を処理するように構成された暗号化エンジンを備える。ログファイルがサーバに送信されるとともにデータベースに格納される。
【0081】
携帯機器22が外部制御装置23に近接するとき、無線接続26が、外部制御装置23のトランシーバ25を介して携帯機器22とマイクロプロセッサ33の間に確立される。無線接続26は、典型的には、短距離無線プロトコル、例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)又はZigbee(登録商標)に従って確立される。外部制御装置23が携帯機器22のメモリに予め構成されている場合、携帯機器22は、例えば、タッチスクリーンインタフェースのような携帯機器22に表示されるユーザインタフェース27からのユーザ入力に応答して無線接続26を介して外部制御装置23のトランシーバ25及びマイクロプロセッサ33に操作コマンドを送信する。したがって、携帯機器22は、対応するコンピュータアプリケーションが備えられる。例えば、携帯機器22は、いわゆるAppを備えるスマートフォンであり、Appは、スマートフォンの双方向コンピュータアプリケーションの特定の用語である。例えば、携帯機器22のユーザインタフェース27のリストにある外部制御装置23の独自の個別の識別子IDをポインタ操作又は他の指示方法で選択するとともに特定して選択した外部制御装置23の操作を開始するようにユーザを促してもよい。外部制御装置23のマイクロプロセッサ33は、電気ポート18又は電気リレー12を介して電流を供給するために又は電流回路を閉状態と開状態のいずれかにするために接続ポート35a,35b,35c,35dの一つを正確に動作させるようにプログラム可能である。
【0082】
代替的に、携帯機器22は、携帯機器22が外部制御装置23の距離範囲内にあるときに開錠を行うよう電流をドア錠2に供給するために外部制御装置23のマイクロプロセッサ33を自動的に指示するようにプログラムされ、距離範囲は、無線接続26の短距離通信リンクに必要な範囲によって与えられる。
【0083】
上述した説明から明らかなように、外部制御装置23を有するシステムは、既存のドア錠2の後付けに非常に有用であり、ドア錠2の通常の本来の操作モード、例えば、数値キーパッド5又は遠隔制御装置14の動作を維持することができ、携帯機器22によるハイテク操作を簡単に追加することができる。携帯機器22を用いる機能を追加することは、ユーザを楽にするだけでなく安全性が強化される。その理由は、インターネット29を介してデジタルサーバシステム31から提供される向上した暗号化アルゴリズムを含む最新の安全形態によってソフトウェアシステムを頻繁に更新できるからであり、これによって、例えば、遠隔制御装置14の無線信号のいわゆるハッキング又はスニッフィングによる不正アクセスのリスクを減少させる。
【0084】
上述したように、差し錠又はストライクロックを有する錠の後付けを行うことができる。磁気的な錠についても後付けを行うことができる。他のオプションを従来技術において利用することができ、本発明の重要な態様は、電気ポート18を有する電気機械的な錠を携帯機器22、例えば、スマートフォンを用いるハイテク開錠システムにアップグレードできることである。外部制御装置23の接続ポート35a,35b,35c,35dを、特定のタイプの錠に適合するように構成することができる。使用を簡単にするために、外部制御装置23が販売されている市場における主要なタイプの錠に適した対応する接続ポート35a,35b,35c,35dを外部制御装置23に設ける。ユーザは、ドア錠2に接続するために複数の接続ポート35a,35b,35c,35dから正しい接続ポートを選択することができる。
【0085】
用語「ドア錠」は、一般的に、広い意味のドア、例えば、ガレージポート及び不動産用のポートをカバーすることを意味する。
【符号の説明】
【0086】
1 ドア
1’ ドアパネル
1” ドアの枠
2 電気的に駆動されるドア錠
2’ 第1の錠部
2” 第2の錠部
3 ハンドル
4 差し錠
5 キーパッド、第1のコントローラとしてのオプション
6 駆動装置
7 駆動装置6と差し錠4の間のコネクタ
8 差し錠の動きを表す矢印
9 受信機
10 第1の電源装置
11 駆動装置6に対する電力の第1の結線
12 第1の電源装置10のリレー
13 キーパッド5から第1の電源装置10までの結線
13’ ボタンスイッチ17’と第1の電源装置10の間の結線
13” 受信機9と第1の電源装置10の間結線
14 遠隔制御装置、第1のコントローラとしてのオプション
15 遠隔制御装置14からの無線信号
17 第1の電源装置10のスイッチ
17’ ボタンスイッチ、第1のコントローラとしてのオプション
18 駆動装置6に電流を供給するためのドア錠2の電気ポート
19 電源
20 電気制御装置23のケーシング
21 第2の結線
22 携帯機器
23 外部制御装置
24 接続ポート35aと駆動装置6の間の第3の結線
24’ 接続ポート35b,35c,35dと第1の電源装置10の間の代替的な第3の結線
25 外部制御装置23のトランシーバ
26 携帯機器22とトランシーバ25の間の無線接続
27 携帯機器22のユーザインタフェース
28 携帯機器22とインターネット29の間の通信
29 インターネット
30 インターネット29とサーバシステム31の間の通信
31 サーバシステム
32 サーバシステム31のメモリ
33 外部制御装置23のマイクロプロセッサ
34 外部制御装置23のハウジング
35a ワイヤ11に直接給電するための外部制御装置23の電気的な第1の接続ポート
35b 第1の電源装置10に給電するための外部制御装置23の代替の電気的な第1の接続ポート
35c 電気回路を第1の電源装置10に接続するための電気的な第2の接続ポート
35d 電気回路を第1の電源装置10から切り離すための電気的な第3の接続ポート
36 電源、例えば、バッテリ
37 接続ポート35a,35b,35c,35dと電源36の間の電気接続
40 変圧器
41 外部制御装置23の集積回路基板
42 回路基板電気入力部
43 回路基板の電気的な接続
44 制御ライン
45 変圧器40のスイッチ機構
46c フェイルオープンリレー
46d フェイルクローズリレー
47c フェイルオープンリレー46cのスイッチ
47d フェイルクローズリレー46dのスイッチ
48a 電気的な第1の接続ポート35aの電気的な二つの極の結線
48c 電気的な第2の接続ポート35cの電気的な二つの極の結線
48d 電気的な第3の接続ポート35dの電気的な二つの極の結線
図1
図2
図3
図4
図5