【課題を解決するための手段】
【0008】
ドアロック作動装置は、ドア板の中のドアロックを操作するように構成され、ドアロックは、コネクタ(典型的にはロック作動ピン)の回転によって駆動されるデッドボルトを備え、コネクタは、デッドボルトに機能的に接続される。
【0009】
装置はケーシングを備え、その内部に、コネクタ(例えばロック作動ピン)を受け入れてこれを回転するための回転コネクタレシーバ(例えばピンレシーバ)が設けられる。コネクタは、ケーシングがドア板に取り付けられるとき、デッドボルトを駆動するためにロックに接続される。モーターが、コネクタレシーバ(例えばピンレシーバ)を駆動するためにケーシング内部に設けられる。
【0010】
装置は、ハンドルの手動回転によってコネクタレシーバを回転させるためにコネクタレシーバに機械的に接続された回転ハンドルを備える。
【0011】
コネクタレシーバは、レシーバ歯車を備え、これによって、レシーバ歯車の相対する両方向の回転がコネクタレシーバの相対する両方向の回転を生じる。モーターは、モーターからのトルクによって駆動されるための第1歯車に結合される。第1歯車は、当該第1歯車を介してモーターからレシーバ歯車へトルクを伝えるために、噛み合うことによってレシーバ歯車に接続可能である。但し、更に、第1歯車は、レシーバ歯車とモーターとの間の噛合いトルク接続を遮断するために、レシーバ歯車から切断可能でもある。装置はコネクタレシーバとモーターとの接続及び切断が可能なので、ハンドルによる手動駆動がモーターに影響を与えることなく、ピンレシーバの選択的なモーターによる又は手動による駆動が可能である。これは、デッドボルトの手動駆動のためにはモーターを逆に駆動するための力も必要とする、多くの従来技術のシステムと異なる。
【0012】
任意に、第1歯車とレシーバ歯車との間の噛合いのために、噛合いを構成する複数の歯車を有する歯車システムが設置される。
【0013】
実用的な実施形態において、歯車システムは、静止モーター駆動歯車を有する静止歯車軸からスイング可能歯車を有するスイング可能歯車軸まで延びるブリッジを備え、2つの歯車は噛み合う。スイング可能歯車軸は、ブリッジによって支えられる。このようにして、モーターにより起動されると、ブリッジは、静止歯車軸の周りで第1角度位置と第2角度位置との間でスイング可能歯車をスイングする。ブリッジの第1角度位置は、スイング可能歯車により第1回転方向へレシーバ歯車を駆動するために、レシーバ歯車の1つの場所においてレシーバ歯車とスイング可能歯車とが噛み合うことを意味する。ブリッジの第2角度位置は、スイング可能歯車により第2の反対回転方向にレシーバ歯車を駆動するために、レシーバ歯車の別の場所においてレシーバ歯車と回転スイング可能歯車が噛み合うことを意味する。第1角度位置と第2角度位置との間の切り替えは、特に、スイング可能歯車がレシーバ歯車より小さい場合、コネクタの作動と比べて非常に速やかである。
【0014】
例えば、ブリッジは、スイング可能歯車が第1又は第2回転位置においてレシーバ歯車と当接することによってブリッジの回転がブロックされない限り(この場合、摩擦クラッチは、静止回転式歯車とブリッジとの間の摩擦移動を許容する)、静止モーター駆動歯車の回転によってブリッジをスイングするために、摩擦クラッチを介して静止回転式歯車に接続される。
【0015】
典型的に、ブリッジは、第1角度位置と第2角度位置との間で180度を超える範囲(例えば180〜270度の範囲)を回転するように構成される。
【0016】
有利なことには、第1位置から第2位置へのブリッジの回転は、一方の方向のモーターの回転によって生じ、第2位置から第1位置へのブリッジの回転は、反対方向のモーターの回転によって生じる。
【0017】
任意に、システムは、コネクタレシーバの角度移動を計測するように構成された電子デコーダを備え、かつ、予め設定されたデッドボルト伸張位置及び予め設定された後退位置においてモーター及びコネクタレシーバの回転を停止するように構成される。例えば、デコーダは、歯車システムまたはレシーバ歯車と噛み合う歯付きデコーダホイールに機能的に接続されて、デコーダホイールの回転はデコーダによって読み取られる。任意に、電子デコーダは、第1角度位置と第2角度位置との角度距離より小さい角度で反対方向に第1歯車を駆動するために、モーターを停止した結果としてモーターを反転するように構成される。このような反対方向の駆動は、レシーバ歯車からブリッジを分離することによってコネクタレシーバからモーターを切断して、モーターから切断されている間に妨害なくコネクタレシーバを手動回転できるようにする。
【0018】
例えば、ドアロック作動装置は、下記のように操作される。第1歯車は、例えば上に説明するような歯車システムを介してレシーバ歯車に接続され、デッドボルトのモーターによる作動は、第1歯車を介して、任意に歯車システムを介して、モーターからのトルクをレシーバ歯車へ伝えることによって起動される。その後、第1歯車又は歯車システムは、手動の行為がモーターを逆に駆動する(backdriving)ことなくコネクタレシーバの手動駆動を可能にするために、レシーバ歯車とモーターとの間の噛合いトルク接続を遮断するために、レシーバ歯車から切断される。
【0019】
この種のシステムは、ピニオンギアを備える歯車システムにとって有用であるばかりでなく、ウォームギアにも使用できることが指摘される。ウォームギアは、モーターの手動バックドライブが不可能であるように自動ロック式である。モーターへの接続は遮断されるので、歯車システムを介してモーターへ戻る力は一切加えられない。この力があるとウォームギアに影響を与える。したがって、レシーバ歯車を係合から外すためのモーターによるブリッジの自動逆行運動は、ウォームギアがモーターとデッドボルトとの間の歯車システムの一部である場合に遭遇する問題を解決する。
【0020】
妨害のない手動回転のためのこの種のシステムは、ブリッジの逆行運動のためにデコーダ及びモーターに電力を利用できる限り、うまく作用する。
【0021】
但し、動力異常の場合(例えば、バッテリが切れるか又は停電の場合)、ブリッジは、レシーバ歯車との係合において第1又は第2位置に留まってしまう可能性がある。このような状況においても妨害のない手動操作を保護するために、たとえ自動ロックウォームギアが関与していても、下記の実施形態が有用である。すなわち、第1位置及び第2位置に弾性ばね機構が設置され、ばね機構は、レシーバ歯車に対するブリッジの力に対抗して、スイング可能歯車をレシーバ歯車との係合から分離する。例えば、弾性ばね機構は、弾性部分と当接材とを備える。任意に、弾性部分はばね部材の一部分であり、ブリッジから延びて、当接材に対してブリッジと一緒にスイングするように構成される。当接材は、ブリッジから離れて設置される。
【0022】
ブリッジがレシーバ歯車の歯に噛み合うためにスイングするとき、スイング部材の弾性部分は、当接材に当接して、摩擦クラッチによるレシーバ歯車に向かうブリッジの押圧力によって当接材に対して弾性変形する(摩擦クラッチは、ばね部材の弾性部分を変形させスイング可能歯車をレシーバ歯車との歯係合に維持するのに充分な力を与える)。ひとたび回転が停止すると、弾性部分に対する力も停止し、弾性部分はその元来の形状に戻って、ブリッジを当接材から押し戻すので、スイング可能歯車はレシーバ歯車から離れてレシーバ歯車との係合から外れる。
【0023】
いくつかの実施形態において、装置は、歯車システムから分離した第1及び第2当接材を備え、第1当接材は、第1角度位置において弾性部分と相互作用するように設けられ、第2当接材は、第2角度位置において弾性部分と相互作用するように設けられる。
【0024】
代替的に、弾性ばね機構は、スイング可能ブリッジとは別個の弾性静止ばね部材として設けられ、当該弾性静止ばね部材に対してブリッジと一緒にスイングする当接材と組み合わされる。
【0025】
代替的に、少なくとも1つの磁石を有する磁石システムが、スイング可能歯車をレシーバ歯車との噛合いから外すべく、ブリッジに作用する磁力を与えるように設けられ且つ構成される。
【0026】
例えば、磁石システムは、ブリッジに作用する磁力を与えるために電気起動するように構成された少なくとも1つの電磁石を備える。例えば、ブリッジの両側に2つの電磁石が設置される。
【0027】
例えば、2つの磁石は、レシーバ歯車の中心を静止歯車軸の中心と接続する線の両側に配列される。例えば、2つの磁石は、線の両側に対称的に配列される。
【0028】
代替的に、磁石システムは、摩擦クラッチからの力に対抗してブリッジに力を加える1つ又は複数の永久磁石を備える。モーターが活動中であり且つ摩擦クラッチを介してレシーバ歯車と係合するようにスイング可能歯車を押す限り、磁石(1つ又は複数)の力は、スイング可能歯車をレシーバ歯車から外すために充分に強くない。摩擦クラッチ及び磁石(1つ又は複数)は、摩擦クラッチからブリッジに対する力が、少なくとも1つの磁石からの対抗力より大きいように、調節される。但し、ひとたびモーターが停止したら、磁力は、スイング可能歯車をレシーバ歯車から外すのに充分な僅かな変位を生じるのに充分な強さである。
【0029】
装置のモーターは、原則的に、電源からの電力で起動でき、電源は、電気回路を閉じるプッシュボタン接点を手で押すことによって始動する。プッシュボタン接点の代わりに、例えば自動的に作動される継電器スイッチを使用できる。代替的に又は付加的に、モーターはハンドルを回すことによって起動でき、デコーダは手動回転ハンドルによるコネクタレシーバの回転を読み取り、それがモーターを起動して、使用者がドアをロック又はアンロックするのを助ける。
【0030】
更なる選択肢として、装置は、無線信号によって遠隔的に操作される。例えば、装置は、ドアロックをロック又はアンロックするために無線デジタルコマンドデータを受け取って実行するためにケーシング内部に受信器を備え、受信器は、ロック又はアンロックコマンドに応じてモーターを起動するためにモーターに機能的に結合される。
【0031】
例えば、受信機は、無線デジタルコマンド信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WIFI(登録商標)、Z−wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は無線周波数信号)用に構成される。ケーシング内の集積回路は、例えばスマートフォン又はページャーからの対応する無線コマンド信号を受信器によって受け取ると、いずれかの方向にモーターを起動するように構成されプログラムされる。装置は、典型的には、任意に暗号化されたデジタル通信によって例えばスマートフォン又はその他の形式のコンピュータによって遠隔的に装置を制御するためのプログラマブルコンピュータシステムと両方向デジタル通信するためにトランシーバを備える。暗号化デジタル通信は、集積回路と、装置を遠隔的に操作するために使用されるスマートフォン又はその他の形式のコンピュータと、の間で通信される、対応する暗号化キーによって達成されることができる。
【0032】
本発明について、下記の図面を参照して更に詳しく説明する。