(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0014】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1を説明する。
【0015】
[1.構成]
[1−1.概要]
図1、
図2、
図3は、実施の形態1におけるコンピュータの斜視図である。
図1は、タブレットユニット100がキーボードユニット200に装着された状態を示す。
図2は、タブレットユニット100がキーボードユニット200から取り外された状態を示す。
図3は、タブレットユニット100を閉じた状態を示す。なお、図面において適宜、説明及び理解の容易のため、方向表示を付している。この方向表示は、コンピュータ1が一般的な利用態様で利用されるときの利用者から見たときの方向を基準として付しているが、この方向でコンピュータ1が使用や配置されるべきことを意味するものではない。
図1、
図2において、左右方向は、タブレットユニット100及びキーボードユニット200の装置幅方向に対応する。また、上下方向は、タブレットユニット100の装置奥行き方向にほぼ対応するとともに、キーボードユニット200の装置厚み方向に対応する。また、前後方向は、タブレットユニット100の装置厚み方向にほぼ対応するとともに、キーボードユニット200の装置奥行き方向に対応する。
【0016】
コンピュータ1は、タブレットユニット100と、キーボードユニット200とを有する。コンピュータ1は、電子機器の一例である。タブレットユニット100は、第1のユニットの一例である。キーボードユニット200は、第2のユニットの一例である。
【0017】
タブレットユニット100は、前面100a(第1の主面)に、表示部101を有している。表示部101は、例えば液晶表示パネルで構成される。また、表示部101は、ユーザのタッチ操作を受付可能なタッチパネルを有する。タブレットユニット100の内部には、中央演算処理装置(CPU)、揮発性記憶装置(RAM)、不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)、通信モジュール等の種々の電子部品が収容されている。これらの電子部品は、第1の電子部品の一例である。また、タブレットユニット100の内部には、これらの電子部品に電力を供給する着脱可能なバッテリが収容されている。タブレットユニット100の後面100bには、開閉可能なカバー105が備えられており(
図3参照)、開くことでバッテリを着脱できる。不揮発性記憶装置(ROM、SSD等)には、オペレーティングシステム(OS)、種々のアプリケーションプログラム、種々のデータ等が格納されている。中央演算処理装置(CPU)は、OS、アプリケーションプログラム、種々のデータを読み込んで演算処理を実行することにより、コンピュータ1における種々の機能を実現する。
【0018】
タブレットユニット100の筐体は、例えばマグネシウム合金などの金属や樹脂により形成されている。
【0019】
キーボードユニット200は、ホルダ400と、ヒンジ500とを備える。
【0020】
キーボードユニット200は、上面200a(第2の主面)に、キーボード201、タッチパッド202、操作ボタン203等を有する。また、キーボードユニット200は、タブレットユニット100との間でデータを授受するためのインタフェースや、外部機器を接続するための外部機器インタフェースを有する。キーボードユニット200の内部には、キーボードコントローラや、タッチパッドコントローラ等、種々の電子部品が収容されている。これらの電子部品は、第2の電子部品の一例である。
【0021】
キーボードユニット200の筐体は、例えばマグネシウム合金などの金属や樹脂により形成されている。
【0022】
図2に示すように、ホルダ400は、キーボードユニット200の後側の側面200r(以下適宜「後側面200r」という)側にヒンジ500を介して連結されている。ホルダ400は、
図1に示すように、タブレットユニット100を装着できる。また、操作レバー420を操作することで、
図2に示すように、タブレットユニット100を取り外すことができる。
【0023】
ヒンジ500は、キーボードユニット200の後側面200r側とホルダ400の下側の側面400d(以下適宜「下側面400d」という)側とを、回転軸Ahを中心として相対回転可能なように連結する。回転軸Ahは、キーボードユニット200とホルダ400とがコンピュータ1の装置幅方向(
図1の左右方向)に平行である。なお、これは、ヒンジ500が、キーボードユニット200の後側面200r側とホルダ400に装着されたタブレットユニット100の下側の側面100d(以下適宜「下側面100d」という)側とを、キーボードユニット200とタブレットユニット100とが回転軸Ahを中心として相対回転可能なように連結しているということでもある。例えば、ヒンジ500は、
図1のようにタブレットユニット100がキーボードユニット200に対して100度程度の角度をなして開いた状態とすることができる。また、ヒンジ500は、
図3に示すようにタブレットユニット100がキーボードユニット200に対して閉じた状態とすることができる。閉じた状態とは、タブレットユニット100の前面100aとキーボードユニット200の上面200aとが近接して対向し、ほぼ平行となる状態のことである。
【0024】
ホルダ400には、タブレットユニット100が装着された状態において、タブレットユニット100のコネクタ(図示せず)と接続されるコネクタ(図示せず)が設けられている。これらのコネクタを介して、タブレットユニット100とキーボードユニット200との間で、種々の信号や電力の授受を行うことができる。例えば、キーボードユニット200のキーボード201、タッチパッド202、複数の操作ボタン203等から出力される信号をタブレットユニット100に出力することができる。タブレットユニット100は、これらの信号を受信し、受信した信号に基づく制御が可能である。したがって、キーボードユニット200にタブレットユニット100を装着することで、コンピュータ1をノートブック型コンピュータとして利用することができる。また、タブレットユニット100単体で、タブレット型コンピュータとして利用することができる。
【0025】
[1−2.ロック機構]
図3に示すように、コンピュータ1には、タブレットユニット100がキーボードユニット200に対向して閉じられた状態でタブレットユニット100をキーボードユニット200にロックするロック機構600が設けられている。以下、ロック機構600について説明する。
【0026】
図4Aおよび
図4Bは、コンピュータ1のロック機構部分を前方斜め上方から見た状態で示した斜視図である。
【0027】
ロック機構600は、ラッチ610と、係合突起110bとを有する。キーボードユニット200は、その筐体210の前側の側面200f(以下適宜「前側面200f」という)を有する。ラッチ610は、前側面200fに垂直な回転軸Arを中心として回転可能に前側面200fに設けられている。タブレットユニット100は、その筐体110の上側の側面100u(以下適宜「上側面100u」という)に段下げ部110aを有する。係合突起110bは、上側面100uの段下げ部110aに設けられている。係合突起110bは、左右方向(装置幅方向)に延びるリブ状の形状を有する。ラッチ610は、
図4Aに示す、係合突起110bに係合しない第1の回転位置と、
図4Bに示す、係合突起110bに係合する第2の回転位置との間で回転可能である。ラッチ610は、第1の回転位置にあるとき、前側面200fの長手方向(左右方向)に平行となり、前側面200fの上下の範囲内に収まる。
【0028】
なお、コンピュータ1では、タブレットユニット100を、
図1に示すようにその前面100aを前側にした状態でホルダ400に装着できるだけでなく、その後面100bを前側にした状態(裏返し状態)でホルダ400に装着することが可能である。そのため、コンピュータ1では、裏返し状態でロック可能なように、係合突起110bは2ケ所に設けられている。
【0029】
図4Aは、タブレットユニット100が閉じられ、かつラッチ610が第1の回転位置にある状態を示す。このときに、ラッチ610を第2の回転位置に回転させることで、ラッチ610と係合突起110bとを係合させて、タブレットユニット100をキーボードユニット200にロックすることができる。
【0030】
ここで、本実施形態のコンピュータ1は、タブレットユニット100が開き、かつラッチ610が第2の回転位置にある状態のときに、タブレットユニット100が閉じられていった場合でも、ラッチ610の破損を防止する構成を有する。具体的には、タブレットユニット100が閉じられる過程で係合突起110bがラッチ610の傾斜リブ610g(
図5B参照)に当接し、ラッチ610を第1の回転位置側へ回転させる。以下その構成を詳しく説明する。
【0031】
図5Aは、ロック機構600を分解して前方斜め上方から見た状態で示した分解斜視図である。
図5Bは、ロック機構600を分解して後面側斜め上方から見た状態で示した分解斜視図である。
【0032】
ロック機構600は、前述のラッチ610に加え、さらに樹脂バネ620と、樹脂リング630と、ネジ640とを有する。
【0033】
ラッチ610は、マグネシウム合金製であり、本体部610aと、操作用凸部610sと、円筒部610bと、環状底面部610cと、を有する。本体部610aは、長方形板状である。操作用凸部610sは、本体部610aの前面に設けられている。円筒部610bは、本体部610aの基端側を貫通させて設けられている。環状底面部610cは、円筒部610bの先端側に設けられ、貫通孔610iを有する。環状底面部610cの貫通孔610iの周縁には一対の切欠610dが設けられている。また、環状底面部610cの外周部には複数の凹部610eが設けられている。本体部610aの後面には、補強用の複数のリブが設けられており、そのうちの自由端610f側のリブ610gは、ラッチ610の長手方向に対して傾斜している(以下「傾斜リブ610g」という)。また、ラッチ610の長手方向の中間付近の後面には、長手方向に直交する方向に延びる係合凹部610hが設けられている。
【0034】
樹脂バネ620は、樹脂製で弾性を有しており、円筒部620aと、バネ部620bと、第1陥凹部620cと、第2陥凹部620dと、を有する。バネ部620bは、円筒部620aの後端側において半径方向外側に突出する。第1陥凹部620c及び第2陥凹部620dは、バネ部620bの周方向の両端の各々の近傍で内周側に陥凹する。また、円筒部620aの後端には、半径方向内方に突出する複数の突起620eが設けられている。
【0035】
樹脂リング630は、樹脂製であり、円筒部630aと、大径リング部630bと、突起630cと、を有する。大径リング部630bは、円筒部630aの前端に設けられ、円筒部630aよりも大径である。突起630cは、円筒部630aの後端から後方に突出する。
【0036】
図5Cは、キーボードユニット200におけるラッチ配置部分を前方斜め下方から見た状態で示した斜視図である。
図5A、
図5Cに示すように、キーボードユニット200(筐体210)の前側面200fには、ラッチ取付孔210aが設けられている。ラッチ取付孔210aの後方には、ラッチ取付台210bが設けられている。ラッチ取付台210bの前面には、ネジ640が螺合されるネジ孔210cと、ネジ孔210cの側方に設けられた凹部210dとが設けられている。ラッチ取付孔210aの内周部の上部には、半径方向内方に突出する位置決め突起210eが設けられている。
【0037】
図6A、
図6Bおよび
図6Cは、ロック機構部分の正面図である。
図6Aは、ラッチ610が第1の回転位置にあるときを示し、
図6Bは、ラッチ610が第1の回転位置と第2の回転位置との中間にあるときを示し、
図6Cは、ラッチ610が第2の回転位置にあるときを示している。なお、ラッチ610については透明化して二点鎖線で示している。
図7Aは
図6AのA−A断面を示し、
図7Bは
図6AのB−B断面を示す。
【0038】
図6A、
図7Aおよび
図7Bに示すように、ラッチ610の円筒部610bがキーボードユニット200の筐体210のラッチ取付孔210aに嵌められる。環状底面部610cの後面が筐体210のラッチ取付台210bの前面に摺動可能に当接する。環状底面部610cの貫通孔610iには、樹脂リング630の円筒部630aが嵌まる。円筒部630aの後端は、ラッチ取付台210bの前面に当接する。また、樹脂リング630の後端の突起630cがラッチ取付台210bの凹部210dに嵌まる。そのため、樹脂リング630は、ラッチ取付台210bに対して相対回転不能となる。樹脂リング630の前端の大径リング部630bは、環状底面部610cの前面側に位置する。ネジ640は、樹脂リング630を通してラッチ取付台210bのネジ孔210cに螺合される。ネジ640が一定のトルクで螺合された状態において、ネジ640の座面が大径リング部630bに当接する。樹脂リング630は、ラッチ610の素材に対して滑りやすい素材で形成されている。そのため、ラッチ610は、回転時、樹脂リング630に対して滑りながら回転することとなる。また、このとき、樹脂リング630の存在により、ラッチ610の回転力はネジ640に伝達されない。そのため、ラッチ610の回転によるネジ640の緩みを生じさせないようにできる。
【0039】
樹脂バネ620は、ラッチ610の円筒部610bと同一軸心上に配置され、ラッチ610の後端側からその円筒部610bに嵌められる。このとき、樹脂バネ620の突起620eがラッチ610の凹部610eに嵌まる(
図5B参照)。そのため、樹脂バネ620は、ラッチ610に対して相対回転不能となり、ラッチ610の回転に連動して回転する。
【0040】
ラッチ610が
図6A、
図7Aおよび
図7Bに示すように第1の回転位置にあるとき、樹脂バネ620の第1陥凹部620cに筐体210の位置決め突起210eが嵌まる。これにより、ラッチ610は、樹脂バネ620の付勢力により、一定以上の回転力が加わらない限り、回転しない。
【0041】
ラッチ610が第1の回転位置にあるときに、右回りの一定以上の回転力を加えると、樹脂バネ620のバネ部620bが変形することで、
図6Bのように位置決め突起210eが第1陥凹部620cを脱出し、ラッチ610を右回りに回転させることができる。
図6Bは、ラッチ610が45度程度右回りに回転した状態を示しており、この状態ではバネ部620bの周方向中央付近が半径方向内方に撓む。そのため、バネ部620bから位置決め突起210eに押し付け力が加わり、ラッチ610はこの回転位置で保持される。
【0042】
ラッチ610が
図6Cに示すように第2の回転位置にあるとき、樹脂バネ620の第2陥凹部620dに筐体210の位置決め突起210eが嵌まる。これにより、ラッチ610は、樹脂バネ620の付勢力により、一定以上の回転力が加わらない限り、回転しない。
【0043】
図8A、
図8B、
図8Cおよび
図8Dは、ロック機構600の作用の説明図である。
図8A〜
図8Dでは、作用を理解しやすいようにラッチ610の一部を破断しその部分の輪郭を二点鎖線で示している。
図8Aは、タブレットユニット100が閉じられ、かつラッチ610が第2の回転位置にある状態を示している。このとき、ラッチ610の係合凹部610hにタブレットユニット100の係合突起110bを嵌めることができる。また、このとき、樹脂バネ620が、ラッチ610を第2の回転位置に位置させるように付勢している。これにより、タブレットユニット100を開くことができなくなる。また、不意に、タブレットユニット100がキーボードユニット200に対して開いてしまうことが規制される。
【0044】
図8Aの状態のときに、ラッチ610に左回り方向の一定以上の力の回転力を加えることで、ラッチ610を左回りに回転させて、第1の回転位置に位置させることができる。
【0045】
図8Bは、タブレットユニット100が開き、かつラッチ610が第2の回転位置にある状態を示している。このときに、例えばユーザの不注意により、タブレットユニット100が閉じられていくと、閉じられる過程で係合突起110bがラッチ610の傾斜リブ610gに当接する。このとき、係合突起110bからラッチ610の傾斜リブ610gに下向きの力が作用する。当接した部分が傾斜していることにより、この下向きの力は、ラッチ610を第1の回転位置側へ回転させる力として変換される。そのため、タブレットユニット100が閉じられ続けると、ラッチ610が
図8C、
図8Dに示すように回転する。
図8Dは、タブレットユニット100が閉じられた状態にあるときを示している。このように、本実施形態のロック機構600では、タブレットユニット100が開き、かつラッチ610が第2の回転位置にあるときに、タブレットユニット100が閉じられた場合でも、ラッチ610の破損を防止できる。
【0046】
一方、仮にラッチ610に傾斜リブ610gが設けられていないものとすると、
図8Bのようにタブレットユニット100の係合突起110bがラッチ610の上辺(二点鎖線の上辺)に当接したときに、係合突起110bからラッチ610に下向きの力が加わり、その力はほぼそのまま、回転軸として機能するネジ640に、ネジ640を下向きに移動させようとする力として伝達される。しかし、ネジ640の一端は、筐体210に螺合されているため、ネジ640を折り曲げる力となり、ロック機構600が破損する虞がある。しかし、本実施形態では、ラッチ610に傾斜リブ610gを設けたことで、上記のような破損を防止できる。
【0047】
また、前述した先行文献では、ロック機構600の部品点数が多く、構造が複雑であったが、本実施形態のロック機構600では、筐体以外に、ロック用として最低限必要な部材は、ラッチ610と、樹脂バネ620と、ネジ640だけでよい。樹脂リング630は、ラッチ610の回転性の向上とネジ640の緩みの抑制を目的とするものである。そのため、部品点数が少なく簡素な構造のロック機構600を実現できる。また、部品自体の強度を向上させることができ、堅牢性を高めることができる。
【0048】
[2.効果等]
本実施の形態のコンピュータ1(電子機器の一例)は、タブレットユニット100(第1のユニットの一例)と、キーボードユニット200(第2のユニットの一例)と、ヒンジ500と、ロック機構600と、を備える。
【0049】
タブレットユニット100は、第1の電子部品を含み、前面100a(第1の主面)と、前面100a(第1の主面)に垂直な下側面100d(第1の側面)と、下側面100d(第1の側面)以外の上側面100u(第3の側面)とを有する。
【0050】
キーボードユニット200は、第2の電子部品を含み、上面200a(第2の主面)と、上面200aに垂直な後側面200r(第2の側面)と、後側面200r(第2の側面)以外の前側面200f(第4の側面)と有する。
【0051】
ヒンジ500は、タブレットユニット100の下側面100d(第1の側面)側とキーボードユニット200の後側面200r(第2の側面)側とを、タブレットユニット100とキーボードユニット200とが相対回転可能なように、ホルダ400(支持部材)を介して連結する。
【0052】
ロック機構600は、タブレットユニット100がキーボードユニット200に対向する閉じられた状態で、タブレットユニット100をキーボードユニット200にロックする。
【0053】
ロック機構600は、係合突起110bと、ラッチ610と、樹脂バネ620(付勢部材)と、を備える。
【0054】
係合突起110bは、タブレットユニット100の上側面100u(第3の側面)に設けられる。
【0055】
ラッチ610は、キーボードユニット200の前側面200f(第4の側面)に設けられる。ラッチ610は、前側面200fに垂直に設けられた回転軸Arを中心として、係合突起110bと係合しない第1の回転位置と、係合突起110bと係合可能な第2の回転位置との間で回転可能である。
【0056】
樹脂バネ620は、ラッチ610を第2の回転位置に位置させるように付勢する。
【0057】
ラッチ610は、ラッチ610が第2の回転位置にありかつタブレットユニット100が閉じられていない状態からタブレットユニット100が閉じられた場合に、タブレットユニット100が閉じられる過程でタブレットユニット100の係合突起110bに当接する傾斜リブ610g(傾斜部)を有する。
【0058】
傾斜リブ610g(傾斜部)は、係合突起110bが当接したときにラッチ610を第1の回転位置側へ回転させるように傾斜している。
【0059】
これにより、部品点数が減り、構造が簡素化される。そのため、部品自体の強度を向上させることができ、堅牢性を高めることができる。
【0060】
本実施の形態において、ラッチ610は、キーボードユニット200に対向する面と、この面からキーボードユニット200側へ突出するリブとを有する。傾斜リブ610g(傾斜部)は、このリブで構成されている。
【0061】
これにより、タブレットユニット100の係合突起110bがラッチ610の傾斜リブ610gに当接した際に、傾斜リブ610gにすり傷が生じても、外部側からは視認されにくい。そのため、当接する構成を採用しつつ、タブレットユニット100の美観を保持できる。また、ラッチ610を補強するリブを利用して傾斜部を構成できる。
【0062】
(他の実施形態)
以上のように、本開示の技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
(1)前記実施の形態では、本開示の電子機器を、タブレットユニット100(第1のユニットの一例)とキーボードユニット200(第2のユニットの一例)とが着脱可能に構成されたデタッチャブル型のコンピュータに適用した場合を例示した。しかし、本開示の、電子機器は、第1のユニットと第2のユニットとがヒンジにより相対回転可能に直接連結され、着脱可能でない一般的なノートブック型コンピュータにも適用可能である。
(2)前記実施の形態では、傾斜リブ610gはほぼ直線的な傾斜を有する。しかし、本開示において、傾斜部は、例えば、緩やかに湾曲しつつ全体的には傾斜した形状を有していてもよい。
(3)前記実施の形態では、ロック機構600が、タブレットユニット100(第1のユニットの一例)とキーボードユニット200(第2のユニットの一例)の上側面100u及び前側面200fに設けられている場合を例示した。しかし、本開示のロック機構は、左側面や右側面に設けられてもよい。あるいは、後側面以外の側面のうちいずれか2個以上の側面に設けられてもよい。
(4)前記実施の形態では、ロック機構600が、樹脂リング630を有している。しかし、本開示において、樹脂リングは必須ではない。
(5)前記実施の形態では、傾斜リブ610gはラッチ610の後面側に設けられたリブにより構成されている。しかし、本開示において、傾斜部は、ラッチの自由端側の端部自体を傾斜させた形状とすることで構成されてもよい。
【0063】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。