【文献】
Carlene Barroga, et al., "Discovery of an Intra-Articular Injection Small Molecule Inhibitor of the Wnt Pathway (SM04690) As a Potential Disease Modifying Treatment for Knee Osteoarthritis - ACR Meeting Abstracts", 2015 ACR/ARHP Annual Meeting, 29 September 2015 (Date of first publication), Retrieved from Internet: URL:https://acrabstracts.org/abstract/discovery-of-an-intra-articular-injection-small-molecule-inhibitor-of-the-wnt-pathway-sm04690-as-a-potential-disease-modifying-treatment-for-knee
【文献】
Yusuf Yazici, et al., "Magnetic Resonance Imaging Outcomes Using an Intra-Articular Injection (SM04690) in the treatment of Osteoarthritis of the Knee: Interim, Exploratory Analysis of Results from a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Phase 1 Study - ACR Meeting Abstracts", 2015 ACR/ARHP Annual Meeting, 29 September 2015 (Date of first publication), Retrieved from Internet: URL:https://acrabstracts.org/abstract/Magnetic-Resonance-Imaging-Outcomes-Using-an-Intra-Articular-Injection-SM0
【文献】
Yusuf Yazici, et al., Safety, Efficacy and Biomarker Outcomes of a Novel, Intra-Articular, Injectable, Wnt Inhibitor (SM04690) in the Treatment of Osteoarthritis of the Knee: Interim, Exploratory Analysis of Results from a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Phase 1 Study - ACR Meeting Abstracts, 2015 ACR/ARHP Annual Meeting, 29 September 2015 (Date of first publication), Retrieved from Internet: URL: https://acrabstracts.org/abstract/safety-efficacy-and-biomarker-outcomes-of-a-novel-
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象における式(I)の化合物の血漿中濃度が、前記組成物の投与の4時間後に測定された時に約0.1ng/mL未満である、請求項1〜6のいずれか一項記載の薬学的組成物。
対象が、中程度〜重度の症候性の変形性膝関節症を有すると診断または同定され、前記組成物が、該対象の少なくとも一方の膝に関節内投与されるように用いられる、請求項1〜8のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
1. 定義
別途定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本開示において使用される方法および材料は本明細書に記載されており、当技術分野において公知である他の好適な方法および材料も使用することができる。材料、方法、および実施例は例示的なものでしかなく、限定的であるようには意図されていない。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースのエントリー、および他の参考文献は、その全体が参照により組み入れられる。矛盾がある場合は、定義を含む本明細書が優先する。
【0022】
「投与」または「投与する」という用語は、哺乳動物、鳥類、魚類、または両生類を含む脊椎動物または無脊椎動物に化合物または薬学的組成物の投与を行う方法を意味する。好ましい投与方法は様々な要因、例えば薬学的組成物の成分、疾患の部位、および疾患の重症度に応じて変動しうる。
【0023】
本明細書において、「哺乳動物」という用語はその通常の生物学的意味で使用される。したがって、例えばヒト、ウシ、ウマ、イヌ、およびネコを具体的に含むが、多くの他の種も含む。
【0024】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、生物学的にまたは他の点で望ましくないということがないあらゆる溶媒、共溶媒、錯化剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤などを含む。薬学的に有効な物質用にそのような媒体および剤を使用することは当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または剤は、有効成分と適合しない場合を除いて、治療用組成物中でのその使用が想定される。補助的有効成分も組成物に組み込むことができる。さらに、当技術分野において一般的に使用される賦形剤などの様々な賦形剤が含まれうる。これらのおよび他のそのような化合物は文献、例えばニュージャージー州ラーウェイ、Merck & CompanyのMerck Indexに記載されている。薬学的組成物中の様々な成分の包含についての検討は例えばGilman et al. (Eds.) (2010); Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 12th Ed., The McGraw-Hill Companiesに記載されている。
【0025】
本明細書において使用される「患者」とは、ヒトまたは非ヒト動物、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、非ヒト霊長類または鳥類、例えばニワトリ、および任意の他の脊椎動物もしくは無脊椎動物を意味する。いくつかの態様では、患者はヒトである。
【0026】
本明細書において提供される化合物の「治療有効量」または「薬学的有効量」とは、所望の効果を得るために十分な量のことであり、疾患状態の性質および重症度、ならびに該化合物の効力に従って変動しうる。治療効果とは、疾患の1つまたは複数の症状のある程度の軽減のことであり、疾患を治癒することを含みうる。「治癒する」とは、活動性疾患の症状が除去されることを意味する。しかし、治癒が得られた後であっても疾患の特定の長期的または恒久的影響が存在することがある(例えば広範な組織損傷)。
【0027】
本明細書において使用される「処置する」、「処置」、または「処置すること」とは、本明細書において提供される化合物または薬学的組成物、例えば製剤を治療目的で投与することを意味する。「治療的処置」という用語は、疾患に既に罹患している患者に処置を実行することで治療上有益な効果を引き起こすこと、例えば、既存の症状を寛解させること、さらなる症状を予防すること、症状の根底にある代謝性の原因を寛解させること、障害のさらなる発生を延期もしくは予防すること、および/または、発生するかもしくは発生することが予想される症状の重症度を減少させることを意味する。
【0028】
本明細書において使用される「多形」という用語は、結晶格子中の分子秩序の結果として異なる物理特性を有する同じ分子の結晶を意味する。単一化合物の多形は、互いに異なる1つまたは複数の化学特性、物理特性、機械特性、電気特性、熱力学特性、および/または生物特性を有する。多形が示す物理特性の差は、貯蔵安定性、圧縮性、密度(組成物および製剤の製造において重要)、溶解速度(バイオアベイラビリティを決定する上で重要な因子)、溶解度、融点、化学安定性、物理安定性、粉末流動性、水分吸着、圧密性、ならびに粒子の形態といった薬学的パラメータに影響しうる。安定性の差は、化学反応性の変化(例えば酸化の差。これにより、1つの多形で構成される剤形は別の多形で構成される剤形よりも速やかに変色する)もしくは機械的変化(例えば貯蔵時の結晶変化。このとき、動力学的に好ましい多形は熱力学的により安定な多形に変換される)、またはその両方の変化(例えば、1つの多形は別の多形よりも吸湿性が高い)により生じうる。溶解度/溶解の差の結果として、いくつかの転移は効力および/または毒性に影響する。さらに、結晶の物理特性は加工において重要でありうる。例えば、1つの多形は、溶媒和物を比較的形成しやすいことがあり、または、濾過することおよび洗浄して不純物を除去することが困難なことがある(すなわち、粒子形状および粒径分布が1つの多形と別の多形とで異なることがある)。「多形」は、化合物の非晶形を含まない。本明細書において使用される「非晶質」とは、化合物の固体形態または化合物の可溶化形態でありうる、化合物の非結晶形を意味する。例えば、「非晶質」とは、分子または外面の規則的に反復される配置を伴わない化合物を意味する。
【0029】
本明細書において使用される「無水」という用語は、1重量%以下の水を有する式(I)の化合物の結晶形を意味する。例えば、0.5重量%以下、0.25重量%以下、または0.1重量%以下の水である。
【0030】
本明細書において使用される「溶媒和物」という用語は、結晶格子が1つまたは複数の結晶化溶媒を含む、式(I)の化合物の結晶形、例えば該化合物の多形形態を意味する。
【0031】
「非化学量論的水和物」という用語は、水を含むが、含水量の変動が結晶構造の有意な変化を生じさせない、式Iの化合物の結晶形を意味する。いくつかの態様では、非化学量論的水和物は、水分子が拡散可能な経路または網目を結晶構造全体にわたって有する式Iの化合物の結晶形を意味しうる。非化学量論的水和物の乾燥中に、結晶網目を著しく妨害することなく相当な比率の水を除去することができ、続いて、結晶を再水和することで最初の非化学量論的水和結晶形を得ることができる。化学量論的水和物とは異なり、非化学量論的水和物の脱水および再水和は相転移を伴わず、したがって、非化学量論的水和物のすべての水和状態は同じ結晶形を表す。いくつかの態様では、非化学量論的水和物は最大約20重量%の水、例えば約20重量%、約19重量%、約18重量%、約17重量%、約16重量%、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、または1重量%超の水を有しうる。いくつかの態様では、非化学量論的水和物は1重量%〜約20重量%の水、例えば1重量%〜約5重量%、1重量%〜約10重量%、1重量%〜約15重量%、約2重量%〜約5重量%、約2重量%〜約10重量%、約2重量%〜約15重量%、約2重量%〜約20重量%、約5重量%〜約10重量%、約5重量%〜約15重量%、約5重量%〜約20重量%、約10重量%〜約15重量%、約10重量%〜約20重量%、または約15重量%〜約20重量%の水を有しうる。
【0032】
いくつかの態様では、非化学量論的水和物などの結晶形中の水の重量%はカール・フィッシャー滴定法により決定される。いくつかの態様では、結晶形はカール・フィッシャー滴定の前に乾燥している。
【0033】
式(I)の化合物の多形を含む組成物に関して使用される場合の「純度」とは、言及される組成物中の式(I)の化合物の別の多形形態または非晶形に対する1つの特定の多形形態の割合を意味する。例えば、純度90%を有する多形形態1を含む組成物は、90重量部の形態1、ならびに10重量部の式(I)の化合物の他の多形形態および/または非晶形を含む。
【0034】
本明細書で使用されるように、化合物または組成物が著しい量の1つまたは複数の他の成分を含まない場合、化合物または組成物は当該の他の成分を「実質的に含まない」。当該の成分としては、出発原料、残留溶媒、または、本明細書において提供される化合物および組成物の調製および/もしくは単離により生じうる任意の他の不純物を挙げることができる。いくつかの態様では、本明細書において提供される多形形態は他の多形形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、式(I)の化合物の特定の多形が存在する式(I)の化合物の少なくとも約95重量%を構成する場合、特定の多形は他の形態を「実質的に含まない」。いくつかの態様では、式(I)の化合物の特定の多形が存在する式(I)の化合物の少なくとも約97重量%、約98重量%、約99重量%、または約99.5重量%を構成する場合、特定の多形は他の形態を「実質的に含まない」。特定の態様では、水の量が式(I)の化合物の特定の多形の約2重量%以下、約1重量%以下、または約0.5重量%以下を構成する場合、多形は水を「実質的に含まない」。
【0035】
本明細書で使用されるように、化合物の少なくとも約50重量%が所与の多形の形態である場合、化合物は当該の多形として「実質的に存在する」。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約60重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約70重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約80重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約90重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約95重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約96重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約97重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約98重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約99重量%は当該の多形の形態である。いくつかの態様では、化合物の少なくとも約99.5重量%は当該の多形の形態である。
【0036】
「室温」または「RT」とは、通常は約25℃である典型的な実験室の周囲温度を意味する。
【0037】
「ウエスタンオンタリオ大学・マクマスター大学関節炎指数」または「WOMAC」とは、関節の疼痛、こわばり、および身体機能を含む膝および股関節の変形性関節症を有する患者の状態を評価するために医療従事者によって広範に使用されている、同大学独自の標準化アンケートのセットを意味する。WOMACは、背部痛、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、および線維筋痛症を評価するためにも使用されている。WOMACは自己実施可能であり、ウエスタンオンタリオ大学およびマクマスター大学において1982年に開発された。WOMACでは疼痛に関して5項目(スコア範囲0〜20)、こわばりに関して2項目(スコア範囲0〜8)、機能制限に関して17項目(スコア範囲0〜68)を測定する。身体機能に関する質問は、階段の使用、座位または臥位からの立ち上がり、起立、屈曲、歩行、車の乗り降り、ショッピング、靴下の脱ぎ履き、臥床、浴槽への出入り、着席、ならびに重家事および軽家事などの日常活動を網羅する。
【0038】
2. 多形
その非晶形および多形形態を含む、式(I)の化合物が、本明細書において提供される。
【0039】
本明細書において提供される式(I)の化合物は、当業者に公知でかつ当業者に理解されている方法を使用して調製可能である。例えば、米国特許出願公開第2013/0267495号に記載の合成方法などの合成方法を使用することができ、この出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0040】
式(I)の化合物の多形形態も本明細書において提供される。例えば、これらの形態としては、多形形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13を例えば含む、式(I)の化合物の溶媒和物、水和物、非化学量論的水和物、および非溶媒和形態が挙げられる。
【0041】
1つの当該の多形は、形態1として知られる多形である。形態1は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、形態1は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、12.4±0.2、および18.5±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるX線粉末回折(XRPDまたはXRD)パターンを有する。いくつかの態様では、形態1は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、12.4±0.2、16.5±0.2、18.5±0.2、および19.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態1は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、9.3±0.2、12.4±0.2、13.9±0.2、16.5±0.2、18.5±0.2、19.2±0.2、および24.6±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態1は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、9.3±0.2、12.4±0.2、13.9±0.2、14.5±0.2、16.5±0.2、18.5±0.2、19.2±0.2、20.3±0.2、および24.6±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0042】
いくつかの態様では、多形形態1を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋でありうる。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は約15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態を含む。例えば、本組成物は14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る、式(I)の化合物の他の無水形態を含みうる。いくつかの態様では、本組成物は約15重量%未満の多形形態9を含む。例えば、本組成物は14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る形態9の多形を含みうる。いくつかの態様では、本組成物は約15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15重量%未満の形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0043】
いくつかの態様では、吸着水に関する示差走査熱量測定(DSC)により測定される約50〜100℃での吸熱を示す多形形態1が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態1は、約270〜290℃、例えば約280℃で観察される結晶化現象を示す。いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0044】
いくつかの態様では、融点約363℃を有する形態9に再結晶される多形形態1が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態1は、約100℃の前に、例えば約39℃〜約100℃で、熱重量分析(TGA)により測定される総質量損失約0.33%を経る。
【0045】
多形形態1を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を乾燥させることで多形形態1を生成する工程を含む。いくつかの態様では、本組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、本方法は、多形形態1を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温(RT)で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0046】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態1を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。いくつかの態様では、溶媒はメタノールである。いくつかの態様では、溶媒はトルエンである。いくつかの態様では、溶媒はヘプタンである。いくつかの態様では、溶媒はジクロロメタン(DCM)である。いくつかの態様では、溶媒は水である。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とアセトニトリル、メタノール、酢酸エチル(EA)、メチルtert-ブチルエーテル(MtBE)、イソプロピルアルコール(IPAc)、酢酸メチル(MA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、DCM、酢酸n-ブチル、ヘプタン、トルエン、またはn-ブタノールとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0047】
1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、例えば、相対湿度(RH)30%超で、形態1は水を容易に吸着し、6.8±0.2から6.2±0.2への、および12.6±0.2から11±0.2への、形態1ピークの特徴的なシフトを示す。いくつかの態様では、形態1の非化学量論的水和物は最大約20重量%の水を含む。例えば、最大約20重量%、約19重量%、約18重量%、約17重量%、約16重量%、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、または1重量%を上回る水である。いくつかの態様では、形態1の非化学量論的水和物は1〜約20重量%の水、例えば1重量%〜約10重量%、約5重量%〜約15重量%、約10重量%〜約20重量%、1重量%〜約5重量%、約5重量%〜約10重量%、約10重量%〜約15重量%、約15重量%〜約20重量%、または約17重量%〜約20重量%の水を有する。
【0048】
いくつかの態様では、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態(例えば式(I)の化合物の無水形態)を含む。いくつかの態様では、本組成物は、20重量%未満の°2θ値4.9±0.2、18.6±0.2、および21.1±0.2にピークを含むX線粉末回折パターンを有する多形形態9を含む。例えば、本組成物は15重量%未満の形態9、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る形態9の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0049】
多形形態1の非化学量論的水和物の別の例は形態12と呼ばれる。形態12は、1.42重量%の水を有する多形形態1の非化学量論的水和物である。
【0050】
一態様では、少なくとも°2θ位置6.4±0.2、11.0±0.2、および18.4±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態12が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態12は、少なくとも°2θ位置6.4±0.2、9.2±0.2、11.0±0.2、18.4±0.2、および19.7±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態12は、少なくとも°2θ位置6.4±0.2、9.2±0.2、11.0±0.2、15.6±0.2、18.4±0.2、19.7±0.2、24.4±0.2、および25.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態12は、少なくとも°2θ位置6.4±0.2、9.2±0.2、11.0±0.2、15.6±0.2、16.1±0.2、18.4±0.2、19.7±0.2、20.8±0.2、24.4±0.2、および25.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0051】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約50〜100℃での吸熱を示す多形形態12が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態12は約283℃での発熱を示す。いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0052】
いくつかの態様では、融点約364℃を有する多形形態12が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態12は、約100℃の前に、例えば約30℃〜約100℃で、TGAにより測定される約1.4%の重量減少を経る。
【0053】
多形形態1の非化学量論的水和物の一例は形態13と呼ばれる。形態13は、1.84重量%の水を有する多形形態1の非化学量論的水和物である。
【0054】
一態様では、少なくとも°2θ値6.8±0.2、12.4±0.2、および18.5±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態13が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態13は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、12.4±0.2、16.5±0.2、18.5±0.2、および19.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態13は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、9.3±0.2、12.4±0.2、13.9±0.2、16.5±0.2、18.5±0.2、19.2±0.2、および24.6±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態13は、少なくとも°2θ値6.8±0.2、9.3±0.2、12.4±0.2、13.9±0.2、14.5±0.2、16.5±0.2、18.5±0.2、19.2±0.2、20.3±0.2、および24.6±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0055】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約50〜100℃での吸熱を示す多形形態13が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態13は約265〜285℃、例えば約278℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0056】
いくつかの態様では、融点約363℃を有する多形形態13が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態13は、約100℃の前に、TGAにより測定される約1.9%の重量減少を経る。
【0057】
多形形態1の非化学量論的水和物を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、多形形態1の非化学量論的水和物を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、多形形態1の非化学量論的水和物と形態1との混合物である。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0058】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態1の非化学量論的水和物を残留固体として生成するために、多形形態1の非化学量論的水和物と形態1との混合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とアセトニトリル、メタノール、MtBE、MA、MIBK、DCM、IPAc、酢酸n-ブチル、ヘプタン、トルエン、またはn-ブタノールとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。形態2として知られる多形が本明細書において提供される。形態2は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値7.0±0.2、21.5±0.2、および22.0±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態2が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態2は、少なくとも°2θ値7.0±0.2、18.9±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、および24.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態2は、少なくとも°2θ値7.0±0.2、14.1±0.2、18.9±0.2、19.2±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、24.2±0.2、および26.4±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態2は、少なくとも°2θ値7.0±0.2、10.4±0.2、14.1±0.2、17.6±0.2、18.9±0.2、19.2±0.2、21.5±0.2、22.0±0.2、24.2±0.2、および26.4±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0059】
いくつかの態様では、多形形態2を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0060】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約50〜100℃での吸熱を示す多形形態2が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態2は約220〜230℃での吸熱を示す。いくつかの態様では、多形形態2は約233〜238℃での発熱を示す。いくつかの態様では、多形形態2は約290〜295℃での発熱を示す。いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0061】
いくつかの態様では、融点約363℃を有する多形形態2が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態2は、約116℃の前に、例えば約36℃〜約116℃で、TGAにより測定される約2.7%の重量減少を経る。
【0062】
多形形態2を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態2を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0063】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態2を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はアセトニトリルである。いくつかの態様では、溶媒はエタノールである。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とエタノールの混合物、または水とn-プロパノールとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0064】
形態3として知られる多形が本明細書において提供される。形態3は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値7.2±0.2、22.2±0.2、および24.4±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態3が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態3は、少なくとも°2θ値6.3±0.2、7.2±0.2、21.6±0.2、22.2±0.2、および24.4±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態3は、少なくとも°2θ値6.3±0.2、7.2±0.2、11.0±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、22.2±0.2、および24.4±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態3は、少なくとも°2θ値6.3±0.2、7.2±0.2、11.0±0.2、14.2±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、22.2±0.2、および24.4±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0065】
いくつかの態様では、多形形態3を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0066】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約190〜220℃での発熱を示す多形形態3が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態3はDSCにより測定される約225〜235℃、例えば約230℃での発熱を示す。いくつかの態様では、多形形態3はDSCにより測定される約292〜300℃、例えば約297℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0067】
いくつかの態様では、融点約365℃を有する多形形態3が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態3は、約81℃の前にTGAにより測定される約1.6%の重量減少を、約81〜169℃で約1.7%の重量減少を経る。
【0068】
多形形態3を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態3を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0069】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態3を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はIPAcである。いくつかの態様では、溶媒は酢酸n-ブチルである。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0070】
形態4として知られる多形が本明細書において提供される。形態4は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値7.0±0.2、21.8±0.2、および25.1±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態4が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態4は、少なくとも°2θ値7.0±0.2、19.5±0.2、21.8±0.2、23.2±0.2、および25.1±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態4は、少なくとも°2θ値7.0±0.2、17.6±0.2、18.3±0.2、19.5±0.2、21.8±0.2、23.2±0.2、25.1±0.2、および25.8±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態4は、少なくとも°2θ値7.0±0.2、9.6±0.2、17.6±0.2、18.3±0.2、19.5±0.2、21.8±0.2、23.2±0.2、25.1±0.2、25.8±0.2、および29.3±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0071】
いくつかの態様では、多形形態4を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0072】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約50〜100℃での吸熱を示す多形形態4が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態4は約180〜215℃での吸熱を示す。いくつかの態様では、多形形態4は約220〜230℃での吸熱を示す。いくつかの態様では、多形形態4は約230〜240℃、例えば約235℃での発熱を示す。いくつかの態様では、多形形態4は約300〜310℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0073】
いくつかの態様では、融点約366〜369℃、例えば約367℃を有する多形形態4が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態4は、約200℃の前に、例えば約42℃〜約200℃で、TGAにより測定される約8.3%の重量減少を経る。
【0074】
多形形態4を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態4を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0075】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態4を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はEAである。いくつかの態様では、溶媒はMAである。いくつかの態様では、溶媒はMtBEである。いくつかの態様では、溶媒はn-プロパノールである。いくつかの態様では、溶媒はアセトンである。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とMA、EA、またはアセトンとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0076】
形態5として知られる多形が本明細書において提供される。形態5は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値7.3±0.2、22.3±0.2、および24.5±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態5が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態5は、少なくとも°2θ値6.3±0.2、7.3±0.2、21.7±0.2、22.3±0.2、および24.5±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態5は、少なくとも°2θ値6.3±0.2、7.3±0.2、11.0±0.2、19.1±0.2、19.5±0.2、21.7±0.2、22.3±0.2、および24.5±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態5は、少なくとも°2θ値6.3±0.2、7.3±0.2、11.0±0.2、14.3±0.2、19.1±0.2、19.5±0.2、21.7±0.2、22.3±0.2、24.5±0.2、および26.5±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0077】
いくつかの態様では、多形形態5を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0078】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約50〜100℃での吸熱を示す多形形態5が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態5は約210〜235℃、例えば約222℃での吸熱を示す。いくつかの態様では、多形形態5は約227〜240℃、例えば約235℃での発熱を示す。いくつかの態様では、多形形態5は約280〜300℃、例えば約293℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0079】
いくつかの態様では、融点約363℃を有する多形形態5が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態5は、約100℃の前にTGAにより測定される約3.1%の重量減少を、約100〜250℃で約1.7%の重量減少を経る。
【0080】
多形形態5を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態5を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0081】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態5を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はMtBEである。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0082】
形態6として知られる多形が本明細書において提供される。形態6は、式(I)の化合物の無水多形である。
【0083】
いくつかの態様では、多形形態6を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0084】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約245〜260℃での発熱を示す多形形態6が、本明細書において提供される。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。いくつかの態様では、融点約364℃を有する多形形態6が本明細書において提供される。
【0085】
多形形態6を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態6を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0086】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態6を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はIPAcである。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とIPAcとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0087】
形態7として知られる多形が本明細書において提供される。形態7は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値7.1±0.2、21.6±0.2、および23.2±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態7が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態7は、少なくとも°2θ値4.9±0.2、7.1±0.2、18.5±0.2、21.6±0.2、および23.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態7は、少なくとも°2θ値4.9±0.2、7.1±0.2、10.9±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、21.6±0.2、23.2±0.2、および30.3±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態7は、少なくとも°2θ値4.9±0.2、7.1±0.2、8.8±0.2、10.9±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、21.6±0.2、22.1±0.2、23.2±0.2、および30.3±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0088】
いくつかの態様では、多形形態7を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0089】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約227〜235℃、例えば約232℃での発熱を示す多形形態7が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態7は約299〜305℃、例えば約303℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0090】
いくつかの態様では、融点約365℃を有する多形形態7が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態7は、約200℃の前に、例えば約36℃〜約200℃で、TGAにより測定される約12%の重量減少を経る。
【0091】
多形形態7を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態7を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0092】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態7を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はメチルエチルケトン(MEK)である。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とMEKとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0093】
形態8として知られる多形が本明細書において提供される。形態8は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値6.9±0.2、17.7±0.2、および21.5±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態8が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態8は、少なくとも°2θ値6.9±0.2、11.5±0.2、17.7±0.2、21.5±0.2、および27.6±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態8は、少なくとも°2θ値6.9±0.2、11.5±0.2、15.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、21.5±0.2、27.6±0.2、および28.9±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態8は、少なくとも°2θ値6.9±0.2、11.5±0.2、12.7±0.2、14.2±0.2、15.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、21.5±0.2、27.6±0.2、および28.9±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0094】
いくつかの態様では、多形形態8を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0095】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約41〜60℃での吸熱を示す多形形態8が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態8は約221〜235℃、例えば約231℃での発熱を示す。いくつかの態様では、多形形態8は約279〜290℃、例えば約285℃での吸熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0096】
いくつかの態様では、融点約364℃を有する多形形態8が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態8は、約190℃の前にTGAにより測定される約4.2%の重量減少を、約190〜261℃で約3.9%の重量減少を経る。
【0097】
多形形態8を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態8を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0098】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態8を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はMIBKである。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0099】
形態9として知られる多形が本明細書において提供される。形態9は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値4.9±0.2、18.6±0.2、および21.1±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態9が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態9は、少なくとも°2θ値4.9±0.2、18.6±0.2、21.1±0.2、24.1±0.2、および25.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態9は、少なくとも°2θ値4.9±0.2、15.3±0.2、16.5±0.2、18.6±0.2、21.1±0.2、22.4±0.2、24.1±0.2、および25.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態9は、少なくとも°2θ値4.9±0.2、10.1±0.2、15.3±0.2、16.5±0.2、18.6±0.2、21.1±0.2、22.4±0.2、24.1±0.2、25.2±0.2、および28.6±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0100】
いくつかの態様では、多形形態9を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0101】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約364℃での単一の融解吸熱を示す多形形態9が、本明細書において提供される。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱が観察される。いくつかの態様では、本明細書において提供される他の多形形態、例えば形態1および形態2が、融解の直前(すなわち約364℃)まで加熱される際に、形態9に変換されうる。
【0102】
いくつかの態様では、融点約364℃を有する多形形態9が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態9は、約100℃の前に、例えば約30.5℃〜約100℃で、TGAにより測定される約0.28%の重量減少を経る。
【0103】
多形形態9を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態9を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0104】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態9を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はn-ブタノールである。いくつかの態様では、溶媒はIPAcである。いくつかの態様では、溶媒は酢酸n-ブチルである。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とエタノールの混合物、または水とn-プロパノールとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0105】
形態10として知られる多形が本明細書において提供される。多形形態10は、DMSOを含む式(I)の化合物の多形である。例えば、DMSOは多形の表面に存在する。一態様では、少なくとも°2θ値20.7±0.2、21.7±0.2、および24.2±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態10が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態10は、少なくとも°2θ値18.2±0.2、19.0±0.2、20.7±0.2、21.7±0.2、および24.2±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態10は、少なくとも°2θ値17.8±0.2、18.2±0.2、19.0±0.2、20.7±0.2、21.7±0.2、23.4±0.2、24.2±0.2、および27.9±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態10は、少なくとも°2θ値6.7±0.2、17.8±0.2、18.2±0.2、19.0±0.2、19.9±0.2、20.7±0.2、21.7±0.2、23.4±0.2、24.2±0.2、および27.9±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0106】
いくつかの態様では、多形形態10を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0107】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約212〜237℃での吸熱を示す多形形態10が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態10は約234〜245℃、例えば約237℃での吸熱を示す。いくつかの態様では、多形形態10は約300〜325℃、例えば約308℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0108】
いくつかの態様では、融点約364〜372℃、例えば約369℃を有する多形形態10が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態10は、約100℃の前にTGAにより測定される約0.6%の重量減少を、約100〜170℃で約3.8%の重量減少を、約170〜260℃で約7.1%の重量減少を経る。
【0109】
多形形態10を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態10を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0110】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態10を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はDMSOである。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とDMSOとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0111】
形態11として知られる多形が本明細書において提供される。形態11は、式(I)の化合物の無水多形である。一態様では、少なくとも°2θ値6.4±0.2、18.5±0.2、および22.4±0.2にピークを有する、CuKα1線によって得られるXRPDパターンを有する多形形態11が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、形態11は、少なくとも°2θ値6.4±0.2、17.8±0.2、18.5±0.2、19.9±0.2、および22.4±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの態様では、形態11は、少なくとも°2θ値6.4±0.2、8.4±0.2、17.8±0.2、18.5±0.2、19.9±0.2、22.4±0.2、24.5±0.2、および26.8±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの態様では、形態11は、少なくとも°2θ値6.4±0.2、8.4±0.2、17.8±0.2、18.5±0.2、19.9±0.2、20.3±0.2、22.4±0.2、22.9±0.2、24.5±0.2、および26.8±0.2にピークを有するXRPDパターンを有する。
【0112】
いくつかの態様では、多形形態11を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は実質的に純粋である。例えば、本組成物は少なくとも約90%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの態様では、本組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、本組成物は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の形態を実質的に含まない。例えば、いくつかの態様では、本組成物は式(I)の化合物の他の無水形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはそれ以下を下回る式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0113】
いくつかの態様では、DSCにより測定される約215〜230℃での吸熱を示す多形形態11が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態11は約230〜240℃、例えば約235℃での発熱を示す。いくつかの態様では、多形形態11は約300〜315℃、例えば約310℃での発熱を示す。例えば、いくつかの態様では、1分当たり10℃の走査速度を使用する際に吸熱および発熱が観察される。
【0114】
いくつかの態様では、融点約368℃を有する多形形態11が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態11は、約100℃の前にTGAにより測定される約0.8%の重量減少を、約100〜249℃で約7.0%の重量減少を経る。
【0115】
多形形態11を調製する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、形態11を残留固体として生成するために、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、スラリー化工程は約50℃で行われる。いくつかの態様では、本方法は、残留固体を例えば減圧下で乾燥させる工程をさらに含む。いくつかの態様では、乾燥工程は約60℃〜90℃、例えば約75℃の温度で行われる。
【0116】
いくつかの態様では、本方法は、多形形態11を残留固体として生成するために、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物を溶媒または溶媒混合物中で再スラリー化する工程を含む。いくつかの態様では、溶媒はジメチルホルムアミド(DMF)である。いくつかの態様では、溶媒は水との混合物であり、例えば、溶媒は水とDMFとの混合物でありうる。いくつかの態様では、水は約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、再スラリー化工程は室温で行われる。いくつかの態様では、再スラリー化工程は約50℃で行われる。
【0117】
3. 組成物および投与
治療有効量のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物と薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物が、本明細書において提供される。式(I)の化合物の多形形態から調製される薬学的組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様では、多形形態は形態1である。いくつかの態様では、多形形態は形態1と形態9との混合物である。いくつかの態様では、多形は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である。
【0118】
いくつかの態様では、薬学的組成物は式(I)の化合物の多形形態を含む。いくつかの態様では、多形形態は形態1である。いくつかの態様では、薬学的組成物は、形態の混合物である式(I)の化合物の多形形態を含む。いくつかの態様では、形態の混合物は形態1と形態9との混合物である。いくつかの態様では、薬学的組成物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物である式(I)の化合物の多形形態を含む。いくつかの態様では、非化学量論的水和物などの結晶形中の水の重量%はカール・フィッシャー滴定法により決定される。いくつかの態様では、結晶形はカール・フィッシャー滴定の前に乾燥している。いくつかの態様では、結晶形は、例えば薬学的に許容される担体との組成物としての製剤化の前に乾燥している。
【0119】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、少なくとも約90%の純度を有する多形形態1を含む。いくつかの態様では、純度は少なくとも約95%である。いくつかの態様では、純度は少なくとも約98%である。例えば、純度は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%である。いくつかの態様では、形態1を含む組成物は、式(I)の化合物の他の形態、例えば形態9を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満、または0.001重量%未満の式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物の他の形態は、式(I)の化合物の他の無水形態である。いくつかの態様では、本組成物は約15重量%未満の1つまたは複数の他の式(I)の化合物を含む。例えば、本組成物は14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満、または0.001重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15重量%未満の形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態1の非化学量論的水和物、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0120】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、少なくとも約90%の純度を有する、1重量%〜約20重量%の水を有する多形形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、純度は少なくとも約95%である。いくつかの態様では、純度は少なくとも約98%である。例えば、純度は少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%である。いくつかの態様では、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む組成物は、式(I)の化合物の他の形態、例えば形態9を実質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は15重量%未満の式(I)の化合物の他の形態、例えば、14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満、または0.001重量%未満の式(I)の化合物の他の形態を含む。いくつかの態様では、式(I)の化合物の他の形態は、式(I)の化合物の他の無水形態である。いくつかの態様では、本組成物は約15重量%未満の1つまたは複数の他の式(I)の化合物を含む。例えば、本組成物は14重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、11重量%未満、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満、または0.001重量%未満の式(I)の化合物の1つまたは複数の他の形態を含む。例えば、本組成物は約15重量%未満の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、またはそれらのうち2つ以上の組み合わせを含みうる。
【0121】
いくつかの態様では、本組成物は、約0.1重量%〜10重量%のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含みうる。例えば、本組成物は約0.1〜10重量%、0.1〜5重量%、0.1〜4重量%、0.15〜3重量%、または0.2〜2重量%のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含みうる。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態1である。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態1と形態9との混合物である。いくつかの態様では、式(I)の化合物は、1重量%〜約20重量%の水を有する多形形態1の非化学量論的水和物である。
【0122】
いくつかの態様では、本組成物は、注射当たり約0.001mg〜約5.0mgの、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。例えば、いくつかの態様では、本組成物は、約0.001mg〜約4mg、約0.001mg〜約3mg、約0.001mg〜約2mg、約0.001mg〜約1mg、約0.001mg〜約0.5mg、0.001mg〜約0.4mg、約0.001mg〜約0.3mg、約0.001mg〜約0.25mg、約0.001mg〜約0.2mg、約0.001mg〜約0.15mg、約0.001mg〜約0.1mg、約0.001mg〜約0.075mg、約0.001mg〜約0.055mg、約0.001mg〜約0.05mg、約0.001mg〜約0.035mg、約0.001mg〜約0.025mg、約0.001mg〜約0.01mg、約0.001mg〜約0.005mg、約0.005mg〜約5.0mg、約0.0075mg〜約5.0mg、約0.01mg〜約5.0mg、約0.01mg〜約4.0mg、約0.01mg〜約3.0mg、約0.01mg〜約2.0mg、約0.01mg〜約1.0mg、約0.01mg〜約0.7mg、約0.01mg〜約0.5mg、約0.01mg〜約0.3mg、約0.01mg〜約0.23mg、約0.01mg〜約0.1mg、約0.01mg〜約0.07mg、約0.01mg〜約0.05mg、約0.01mg〜約0.03mg、約0.03mg〜約4.0mg、約0.03mg〜約3.0mg、約0.03mg〜約2.0mg、約0.03mg〜約1.0mg、約0.03mg〜約0.7mg、約0.03mg〜約0.5mg、約0.03mg〜約0.3mg、約0.03mg〜約0.23mg、約0.03mg〜約0.1mg、約0.03mg〜約0.07mg、約0.03mg〜約0.05mg、約0.07mg〜約4.0mg、約0.07mg〜約3.0mg、約0.07mg〜約2.0mg、約0.07mg〜約1.0mg、約0.07mg〜約0.7mg、約0.07mg〜約0.5mg、約0.07mg〜約0.3mg、約0.07mg〜約0.23mg、約0.07mg〜約0.1mg、約0.025mg〜約5.0mg、約0.045mg〜約5.0mg、約0.05mg〜約5.0mg、約0.075mg〜約5.0mg、約0.1mg〜約5.0mg、約0.25mg〜約5.0mg、約0.01mg〜約3.0mg、約0.025mg〜約2.0mg、約0.01mg〜約0.1mg、および約0.15mg〜約0.25mgの、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。いくつかの態様では、本組成物は、約0.001mg、0.005mg、0.01mg、0.03mg、0.05mg、0.07mg、0.1mg、0.23mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1.0mg、1.2mg、1.5mg、1.7mg、2.0mg、2.2mg、2.5mg、2.7mg、3.0mg、3.2mg、3.5mg、3.7mg、4.0mg、4.2mg、4.5mg、4.7mg、または5.0mgの、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。
【0123】
本明細書において提供される方法において、本明細書において提供される化合物の関節内投与に関するいくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の治療有効量は約1μg〜約5000μgである。例えば、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の治療有効量は約1μg〜約4000μg; 約1μg〜約3000μg; 約1μg〜約2000μg; 約1μg〜約1000μg; 約1μg〜約500μg; 約1μg〜約400μg、約1μg〜約300μg、約1μg〜約250μg; 約1μg〜約200μg、約01μg〜約150μg、約1μg〜約100μg; 約1μg〜約75μg; 約10μg〜約100μg; 約20μg〜約80μg; 約20μg〜約40μg; または約60μg〜約80μg、約5μg〜約5000μg、約7.5μg〜約5000μg、約10μg〜約5000μg、約10μg〜約4000μg、約10μg〜約3000μg、約10μg〜約2000μg、約10μg〜約1000μg、約10μg〜約700μg、約10μg〜約500μg、約10μg〜約300μg、約10μg〜約230μg、約10μg〜約100μg、約10μg〜約70μg、約10μg〜約50μg、約10μg〜約30μg、約30μg〜約4000μg、約30μg〜約3000μg、約30μg〜約2000μg、約30μg〜約1000μg、約30μg〜約700μg、約30μg〜約500μg、約30μg〜約300μg、約30μg〜約230μg、約30μg〜約100μg、約30μg〜約70μg、約30μg〜約50μg、約70μg〜約4000μg、約70μg〜約3000μg、約70μg〜約2000μg mg、約70μg〜約1000μg、約70μg〜約700μg、約70μg〜約500μg、約70μg〜約300μg、約70μg〜約230μg、約70μg〜約100μg、約25μg〜約5000μg、約45μg〜約5000μg、約50μg〜約5000μg、約75μg〜約5000μg、約100μg〜約5000μg、約250μg〜約5000μg、約10μg〜約3000μg、約25μg〜約2000μg、約10μg〜約100μg、および約150μg〜約250μgでありうる。いくつかの態様では、治療有効量は約20μg〜約80μgである。いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の治療有効量は約1μg、5μg、10μg、30μg、50μg、70μg、100μg、230μg、250μg、500μg、750μg、1000μg、1200μg、1500μg、1700μg、2000μg、2200μg、2500μg、2700μg、3000μg、3200μg、3500μg、3700μg、4000μg、4200μg、4500μg、4700μg、または5000μgである。いくつかの態様では、24時間で投与されるその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の総量は約1μg〜約5000μg、例えば約1μg〜約4000μg; 約1μg〜約3000μg; 約1μg〜約2000μg; 約1μg〜約1000μg; 約1μg〜約500μg; 約1μg〜約250μg; 約1μg〜約100μg; 約1μg〜約75μg; 約10μg〜約100μg; 約20μg〜約80μg; 約20μg〜約40μg; または約60μg〜約80μgである。
【0124】
その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、単独で投与してもよく、より典型的には、従来の薬学的担体、賦形剤などとの組み合わせで、例えば組成物として投与してもよい。いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、懸濁液として製剤化される。例えば、式(I)の化合物は薬学的に許容される担体に完全には溶解しておらず、すなわち、式(I)の化合物は薬学的に許容される担体に懸濁している。いくつかの態様では、本組成物は、薬学的に許容される担体に懸濁した式(I)の化合物を含む。いくつかの態様では、本組成物は、薬学的に許容される担体に懸濁した式(I)の多形形態を含む。いくつかの態様では、本組成物は、薬学的に許容される担体に懸濁した形態1を含む。いくつかの態様では、本組成物は、薬学的に許容される担体に懸濁した、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は溶液であり、すなわち、式(I)の化合物は薬学的に許容される担体に完全に溶解している。
【0125】
いくつかの態様では、薬学的に投与可能な液体組成物は、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物、ならびに任意的な薬学的賦形剤を担体、例えば水、食塩水、ブドウ糖水溶液、マンニトール、グリセリン、グリコール、エタノールなどに溶解、分散、または懸濁させることで溶液、コロイド、リポソーム、乳濁液、複合体、コアセルベート、または懸濁液を形成することによって例えば調製することができる。所望であれば、薬学的組成物は、微量の無毒の補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム)、共溶媒、可溶化剤、pH緩衝剤など(例えば酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸塩、トリエタノールアミンオレイン酸塩、リン酸塩など)を含んでいてもよい。
【0126】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は水を含む。例えば、薬学的組成物は緩衝水溶液を含みうる。緩衝剤の例としては酢酸、無水酢酸、アジピン酸、アラニン、アルブミン、アルコール、アルファデクス、アンモニア、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、無水クエン酸、無水ブドウ糖、無水乳糖、無水クエン酸三ナトリウム、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、塩化カルシウム、グルセプト酸カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウム、カプリル酸、二酸化炭素、クエン酸一水和物、二塩基性リン酸カリウム、ジエタノールアミン、クエン酸二ナトリウムセスキ水和物、クエン酸水素二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸、エタノールアミン塩酸塩、塩化第二鉄、グルセプト酸ナトリウム、グリシン塩酸塩、グリシン、グアニジン塩酸塩、ヒスチジン、塩酸、イソロイシン、乳酸、ラクトビオン酸、ロイシン、リジン酢酸塩、リジン、リジン一水和物、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マレイン酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸イオン、リン酸、塩化カリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム(一塩基性)、酢酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、リン酸ナトリウム二水和物、リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムp-32、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム(無水)、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、一塩基性リン酸ナトリウム(無水)、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水)、硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、コハク酸、硫酸、酒石酸、酒石酸(dl)、トリフルオロ酢酸、トロマンタジン、およびトロメタミンが挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、薬学的組成物はリン酸緩衝食塩水を含む。
【0127】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物はセルロース誘導体を含む。いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は水溶性セルロースまたは水溶性セルロース誘導体を含む。セルロースおよびセルロース誘導体の例としては結晶セルロース(Avicel: 旭化成(株)など)、結晶セルロースカルメロースナトリウム(Avicel RC: 旭化成(株)など)、メチルセルロース(Metolose SM: 信越化学工業(株)など)、エチルセルロース(Ethocel: Dow Chemical Co.など)、ヒドロキシプロピルセルロース(Nisso HPC: 日本曹達(株)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC: 信越化学工業(株)など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(Metolose 90SH: 信越化学工業(株)など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906(Metolose 65SH: 信越化学工業(株)など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(Metolose 60SH: 信越化学工業(株)など)、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート200731(HPMCP: 信越化学工業(株)など)、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート220824(HPMCP: 信越化学工業(株)など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(Shin-Etsu AQOAT: 信越化学工業(株)など)、カルメロース(NS-300: 五徳薬品(株)など)、カルメロースカルシウム(ECG-505: 五徳薬品(株)など)、カルメロースナトリウム(Cellogen: 第一工業製薬(株)など)、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol: 旭化成(株)など)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC: Freund Corp.など)、セルロースアセテートフタレート(CAP: 和光純薬工業(株)など)、ヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL: Aqualon Corp.など)、またはそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、セルロース誘導体はカルボキシメチルセルロースまたはその薬学的に許容される塩である。例えば、セルロース誘導体はカルボキシメチルセルロースナトリウムである。セルロース誘導体は、本組成物中に本組成物の約0.1重量%〜約5重量%の量で存在しうる。例えば、本組成物の約0.1重量%〜約2.5重量%; 約0.1重量%〜約1重量%; 約0.1重量%〜約0.75重量%; 約0.1重量%〜約0.5重量%; 約0.1重量%〜約0.25重量%; 約0.25重量%〜約5重量%; 約0.5重量%〜約5重量%; 約1重量%〜約5重量%; 約2.5重量%〜約5重量%; 約0.25重量%〜約0.75重量%; 約0.5重量%〜約1重量%; および約1重量%〜約2重量%である。いくつかの態様では、界面活性剤は本組成物中に本組成物の約0.5重量%で存在しうる。
【0128】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は界面活性剤を含む。界面活性剤の非限定的な例としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびポリソルベート85などのポリソルベート; ポリオキシエチレン水添ヒマシ油60およびポリオキシル35ヒマシ油などのポリオキシエチレン水添ヒマシ油; ソルビタン脂肪酸エステル; ショ糖脂肪酸エステル; ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール; ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル; ポリオキシルステアレート; ならびに、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-(ホスホ-s-(1-グリセロール))、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-(ホスホ-rac-(1-グリセロール))、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-(ホスホ-rac-(1-グリセロール))、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、デオキシコール酸、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(dl)、ジステアロイルホスファチジルコリン(dl)、ドクサートナトリウム、卵リン脂質、パルミトステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、水添大豆レシチン、加水分解大豆タンパク質(酵素; 分子量2000)、ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸、レシチン、塩化ミリピリウム、n-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-phiv、オレイン酸、パルミチン酸、PEG植物油、PEG-20ソルビタンイソステアレート、PEG-40ヒマシ油、リン脂質、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール3350、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール600、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、コレステリル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ナトリウムn-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-glyc、オレイン酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ステアリン酸、トリカプリリンを含むがそれに限定されない他の界面活性剤、またはそれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、界面活性剤はポリソルベートである。例えば、薬学的組成物はポリソルベート80を含む。界面活性剤は本組成物中に本組成物の約0.01重量%〜約0.5重量%の量で存在しうる。例えば、本組成物の約0.01重量%〜約0.25重量%; 約0.01重量%〜約0.1重量%; 約0.01重量%〜約0.075重量%; 約0.01重量%〜約0.05重量%; 約0.01重量%〜約0.025重量%; 約0.025重量%〜約0.5重量%; 約0.05重量%〜約0.5重量%; 約0.1重量%〜約0.5重量%; 約0.25重量%〜約0.5重量%; 約0.025重量%〜約0.075重量%; 約0.05重量%〜約0.1重量%; および約0.1重量%〜約0.2重量%である。いくつかの態様では、界面活性剤は本組成物中に本組成物の約0.05重量%で存在しうる。
【0129】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む。例えば、本組成物は、式(I)の化合物と、食塩水、例えばリン酸緩衝食塩水とを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体と、1つまたは複数の賦形剤とを含む。例えば、本組成物は、式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体、例えばリン酸緩衝食塩水と、1つまたは複数の賦形剤、例えば界面活性剤およびセルロース誘導体とを含む。いくつかの態様では、界面活性剤はポリソルベート、例えばポリソルベート80である。いくつかの態様では、セルロース誘導体はカルボキシメチルセルロースナトリウムである。いくつかの態様では、薬学的組成物は、式(I)の化合物、例えば式(I)の多形形態、例えば形態1と、薬学的に許容される担体、例えばリン酸緩衝食塩水と、1つまたは複数の賦形剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびポリソルベート、例えばポリソルベート80とを含む。
【0130】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、式(I)の化合物、例えば式(I)の多形形態と、約0.1重量%〜約5重量%のセルロース誘導体と、約0.01重量%〜約0.5重量%の界面活性剤とを水性緩衝剤中に含む。例えば、本明細書において提供される薬学的組成物は、式(I)の化合物、例えば形態1または1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物と、約0.5重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウムと、約0.05重量%のポリソルベート80とをリン酸緩衝食塩水中に含みうる。
【0131】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物はpH約6.0〜約8.0を有する。例えば、薬学的組成物はpH約7.3または7.4を有しうる。いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物はpH約3.0〜約5.0を有する。例えば、薬学的組成物はpH約3.8を有しうる。
【0132】
本明細書において提供される組成物は賦形剤を含みうる。「賦形剤」という用語は、本明細書において提供される化合物、例えば、その多形形態および非晶形を含む式(I)の化合物以外の任意の成分を記述するために、本明細書において使用される。薬学的に許容される賦形剤としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートなどの自己乳化薬物送達系(SEDDS)、Tween、ポロキサマー、または他の同様のポリマー送達マトリックスなどの薬学的剤形中で使用される界面活性剤、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、トリスなどの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩または電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、羊毛脂、可溶化剤、等張化剤、安定剤、保存料、塩形成物質、キレート剤/キレート化剤、粘度向上剤、造影剤、消泡剤、制御放出剤、潤滑剤、接着剤、鎮痛剤、抗ヘパリン剤、抗ウイルス剤、着色料、皮膚軟化剤、噴霧剤、ならびに、活性炭、硫酸バリウム、ビバプシチド(bibapcitide)、ブロクリナト(brocrinat)、カルコブトロール(calcobutrol)、グルタチオン、亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、および酸化亜鉛を含むがそれに限定されない他の賦形剤が、非限定的に挙げられる。また、α-、β、およびγ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、または、2-および3-ヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリン、もしくは他の可溶化誘導体などの化学修飾誘導体を、本明細書に記載の化合物の送達を向上させるために有利に使用することができる。本明細書に記載の化合物を0.005%〜100%の範囲で含み、残りが無毒の担体から構成される、剤形または組成物を調製することができる。想定される組成物は0.001%〜100%、一態様では0.1〜95%、別の態様では75〜85%、さらなる態様では20〜80%の有効成分を含みうる。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であり、または当業者に明らかであろう。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 22
nd Edition (Pharmaceutical Press, London, UK. 2012)を参照。
【0133】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は可溶化剤を含む。可溶化剤の例としてはアセチルトリプトファン(dl)、アラニン、アルブミン(凝集)、アルコール、アルファデクス腔内散剤、アンモニア、無水ブドウ糖、無水乳糖、無水クエン酸三ナトリウム、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、塩化ベンジル、ベータデクススルホブチルエーテルナトリウム、ブタノール(混合異性体)、カプリル酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒマシ油、コレステロール、トウモロコシ油、綿実油、クレアチン、クレアチニン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、塩酸システイン、システイン、システイン(dl)、デキストラン40、デキストラン、ジアセチル化モノグリセリド、ジエタノールアミン、ジメチルスルホキシド、エタノールアミン塩酸塩、酢酸エチル、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル15%)、γシクロデキストリン、ゼラチン、ゲンチジン酸エタノールアミド、ゲンチジン酸、グルコノラクトン、グルクロン酸、グリセリン(glycerin)、ヘタスターチ、ヒトアルブミン小球体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルベータデクス筋肉内注射剤、ヒプロメロース、イソプロピルアルコール、メチルセルロース、メチルピロリドン、結晶セルロース、N,N-ジメチルアセトアミド、ナイアシンアミド、オレイン酸、パルミチン酸、ピーナッツ油、PEG植物油、PEG-20ソルビタンイソステアレート、PEG-40ヒマシ油、フェニルエチルアルコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール3350、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール600、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ケシ油、ポビドンk12、ポビドンk17、ポビドン、プロリン、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、ゴマ油、大豆油、デンプン、ステアリン酸、トリメチルシリル処理ジメチコノール/トリメチルシロキシシリケートクロスポリマー、および黄ろう、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0134】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は等張化剤を含む。等張化剤の例としてはブドウ糖一水和物、ブドウ糖溶液、ブドウ糖、ジメチルスルホキシド、果糖、グルコノラクトン、グルクロン酸、グリセリン(glycerin)、グリシン塩酸塩、グリシン、グアニジン塩酸塩、ヒスチジン、塩酸、高張塩化ナトリウム溶液、イソロイシン、イソプロピルアルコール、等張塩化ナトリウム溶液、乳酸(dl)、ラクトビオン酸、乳糖一水和物、乳糖、ロイシン、リジン酢酸塩、リジン、リジン一水和物、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マレイン酸、マンニトール、メグルミン、メチオニン、メチルボロン酸、ポリプロピレングリコール、塩化カリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム(一塩基性)、プロリン、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、セリン、酢酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸ナトリウム二水和物、リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムp-32、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム(無水)、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、一塩基性リン酸ナトリウム(無水)、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水)、硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ソルビトール、コハク酸、ショ糖、硫酸、酒石酸、酒石酸(dl)、スレオニン、トレハロース、トリフルオロ酢酸、クエン酸三ナトリウム二水和物、トロメタミン、トリプトファン、チロシン、尿素、ウレタン、およびバリン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0135】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は安定剤を含む。安定剤の例としてはアセチルトリプトファン(dl)、アラニン、アルブミン(凝集)、アルコール、アルファデクス腔内散剤、アンモニア、無水ブドウ糖、無水乳糖、無水クエン酸三ナトリウム、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、塩化ベンジル、ベータデクススルホブチルエーテルナトリウム、ホウ酸、ブタノール(混合異性体)、カプリル酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒマシ油、コレステロール、クレアチン、クレアチニン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、塩酸システイン、システイン、システイン(dl)、デキストラン40、デキストラン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル15%)、ゼラチン、ゲンチジン酸エタノールアミド、ゲンチジン酸、ヘタスターチ、ヒトアルブミン小球体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒプロメロース、メグルミン、メチオニン、メチルボロン酸、メチルセルロース、メチルピロリドン、結晶セルロース、塩化ミリピリウム、N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-phiv、N,N-ジメチルアセトアミド、ナイアシンアミド、フェニルアラニン、ポリビニルアルコール、ポビドンK12、ポビドンK17、ポビドン、セリン、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、デンプン、スレオニン、トレハロース、トリカプリリン、トリメチルシリル処理ジメチコノール/トリメチルシロキシシリケートクロスポリマー、クエン酸三ナトリウム二水和物、トリプトファン、チロシン、尿素、およびバリン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0136】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は保存料を含む。保存料の例としてはアセトン亜硫酸水素ナトリウム、α-トコフェロール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、塩化ベンジル、ホウ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルパラベン、クロロブタノール、クロロブタノール半水和物、クレゾール、ピロ炭酸ジエチル、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸、ヘキシルレゾルシノール、メタクレゾール、メチルパラベン、塩化ミリピリウム、モノチオグリセロール、窒素、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、プロピルパラベン、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、塩素酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸、およびチメロサール、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0137】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は塩形成剤を含む。塩形成剤の例としては酢酸、無水酢酸、アジピン酸、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、無水クエン酸、安息香酸、塩化カルシウム、グルセプト酸カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウム、二酸化炭素、クエン酸一水和物、二塩基性リン酸カリウム、ジエタノールアミン、クエン酸二ナトリウムセスキ水和物、クエン酸水素二ナトリウム、塩酸、イソロイシン、乳酸(dl)、ラクトビオン酸、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マレイン酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸イオン、リン酸、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、リン酸ナトリウム二水和物、リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムp-32、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物、二塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム(無水)、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、一塩基性リン酸ナトリウム(無水)、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、一塩基性リン酸ナトリウム、およびトリフルオロ酢酸、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0138】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物はキレート剤またはキレート化剤を含む。キレート剤またはキレート化剤の例としてはカルジアミドナトリウム(caldiamide sodium)、カロキセト酸三ナトリウム(caloxetate trisodium)、カルテリドールカルシウム(calteridol calcium)、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸、塩化第二鉄、グルセプト酸ナトリウム、メチルボロン酸、ニオキシム、オキシドロン酸二ナトリウム、PEG-60水添ヒマシ油、ペンテト酸五ナトリウム、ペンテト酸カルシウム三ナトリウム、ペンテト酸、亜リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム六水和物、トリメタリン酸ナトリウム、サクシマー、およびベルセタミド、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0139】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は粘度向上剤を含む。粘度向上剤の例としてはカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル15%)、ゼラチン、ヘタスターチ、ヒトアルブミン小球体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒプロメロース、メチルセルロース、メチルピロリドン、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドンK12、ポビドンK17、ポビドン、デンプン、およびトリメチルシリル処理ジメチコノール/トリメチルシロキシシリケートクロスポリマー、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0140】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は造影剤を含む。造影剤の例としてはジアトリゾ酸、パーフルトレン、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、酒石酸第一スズ、テトラキス(2-メトキシイソブチルイソシアニド)銅(I)テトラフルオロボレート、およびテトロホスミン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0141】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は消泡剤を含む。消泡剤の例としてはジメチコン、ポリシロキサン、シリコーン、およびシメチコン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0142】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は制御放出剤を含む。制御放出剤の例としてはポリ(dl-乳酸-co-グリコール酸)(50:50; 分子量12000)、ポリグラクチン、およびポリラクチド、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0143】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は潤滑剤を含む。潤滑剤の例としてはシリコーンおよびシメチコン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。
【0144】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は接着剤を含む。接着剤の例としてはDuro-Tak 87-2287が挙げられるがそれに限定されない。
【0145】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は鎮痛剤を含む。鎮痛剤の例としてはスルホサリチル酸二ナトリウムが挙げられるがそれに限定されない。
【0146】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は抗ヘパリン剤を含む。抗ヘパリン剤の例としては硫酸プロタミンが挙げられるがそれに限定されない。
【0147】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は抗ウイルス剤を含む。抗ウイルス剤の例としてはトロマンタジンが挙げられるがそれに限定されない。
【0148】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は着色料を含む。着色料の例としてはメチレンブルーが挙げられるがそれに限定されない。
【0149】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は皮膚軟化剤を含む。皮膚軟化剤の例としてはウレタンが挙げられるがそれに限定されない。
【0150】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は噴霧剤を含む。噴霧剤の例としてはジクロロジフルオロメタンが挙げられるがそれに限定されない。
【0151】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、単回注射用組成物として調製される。例えば、薬学的組成物は、治療有効量のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含むように調製されており、1名の対象において単回注射用に使用されるように意図されている。いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、複数回投与用組成物として調製される。例えば、薬学的組成物は、治療有効量を超える量のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含むように調製されており、1名または複数の対象において2回以上の注射用に使用されるように意図されている。いくつかの態様では、複数回投与用組成物は、単回投与向けの濃度よりも高い濃度の式(I)の化合物を有しており、対象に適した投与を実現するためにその場で希釈されるように意図されている。
【0152】
いくつかの態様では、本組成物は、用量の単回投与に好適な単位剤形で与えられる。いくつかの態様では、本組成物は、用量の複数回投与に好適な単位剤形で与えられる。例えば、3ヶ月毎、6ヶ月毎、9ヶ月毎に1回の注射などである。
【0153】
注射剤は、従来の形態で、溶液、コロイド、リポソーム、複合体、コアセルベート、懸濁液、もしくは乳濁液として、または注射前の液体中での再構成に好適な固体形態で、調製することができる。そのような非経口組成物に含まれる有効化合物の割合は、その具体的な性質、ならびに該化合物の活性および対象の要求に大きく依存する。しかし、溶液中0.01%〜10%という有効成分の割合が使用可能である。本組成物が固体または懸濁液である場合はこの割合がさらに高いことがあり、続いてこれが上記割合に希釈されることがある。
【0154】
いくつかの態様では、本組成物は注射1回当たり約1mL〜約10mLの量を含む。例えば、約1mL〜約6mL、約1mL〜約4mL、約1mL〜約3mL、約2mL〜約10mL、約4mL〜約10mL、約7mL〜約10mL、約1.5mL〜約2.5mL、約2mL〜約4mLである。いくつかの態様では、本組成物は注射1回当たり約2mLの量を含む。
【0155】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.1μg/kg〜約10μg/kgである。
【0156】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.1μg/kg〜約5μg/kgである。
【0157】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.2μg/kg〜約9μg/kgである。
【0158】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.25μg/kg〜約8μg/kgである。
【0159】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.3μg/kg〜約7μg/kgである。
【0160】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.4μg/kg〜約6μg/kgである。
【0161】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.5μg/kg〜約5μg/kgである。
【0162】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約0.6μg/kg〜約5μg/kgである。
【0163】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約1.0μg/kg〜約4μg/kgである。
【0164】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約2.0μg/kg〜約4μg/kgである。
【0165】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約3.0μg/kg〜約5μg/kgである。
【0166】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約4.0μg/kg〜約6μg/kgである。
【0167】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて約5.0μg/kg〜約10μg/kgである。
【0168】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.01mg〜1mgである。
【0169】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.01mg〜0.5mgである。
【0170】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.01mg〜0.3mgである。
【0171】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.03mg〜0.9mgである。
【0172】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.03mg〜0.23mgである。
【0173】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.05mg〜0.8mgである。
【0174】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.07mg〜0.7mgである。
【0175】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.08mg〜0.7mgである。
【0176】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.1mg〜0.6mgである。
【0177】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.12mg〜0.6mgである。
【0178】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.14mg〜0.5mgである。
【0179】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.16mg〜0.5mgである。
【0180】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.18mg〜0.4mgである。
【0181】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の単位投与量はヒトにおいて0.2mg〜0.4mgである。
【0182】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物と薬学的に許容される担体とを含む組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物は、式(I)の多形形態、例えば形態1から調製されうる。本明細書において提供される組成物、例えば懸濁液および溶液は、有効薬物濃度、すなわち式(I)の化合物の有効濃度を長期間、例えば数週間、数ヶ月間、または数年間にわたって維持することができる。いくつかの態様では、式(I)の化合物は、一定期間後に初回用量の約0.5%〜約10%、例えば初回用量の約0.5%、0.55%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、または10%で投与部位(例えば注射部位)に存在する。例えば、初回用量の約0.5%〜約10%が約45日、90日、または180日後に注射部位に存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は放射標識されている。本化合物は、例えば任意の炭素原子、水素原子、またはフッ素原子においてそれぞれの放射性同位体で放射標識されうる。放射性同位体の例としては重水素、トリチウム、炭素11、炭素14、およびフッ素18が挙げられるがそれに限定されない。信号は、核磁気共鳴画像法(MRI)、超音波、内視鏡検査、陽電子放射断層撮影(PET)、および単一光子放射断層撮影(SPECT)を含むがそれに限定されない当業者に公知である任意の画像化方法を使用して測定可能である。
【0183】
いくつかの態様では、本明細書において提供される組成物は少なくとも3ヶ月間安定である。例えば、本組成物は、多形形態の変化(例えば特定の形態の増加もしくは減少)、外観の変化、pHの変化、不純物の割合(%)の変化、活性(インビトロアッセイにより測定)の変化、またはオスモル濃度の変化のうち1つまたは複数を、例えば少なくとも3ヶ月の時間にわたって示さない。いくつかの態様では、本明細書において提供される組成物は少なくとも6ヶ月間安定である。例えば、本組成物は、多形形態の変化(例えば特定の形態の増加もしくは減少)、外観の変化、pHの変化、不純物の割合(%)の変化、活性(インビトロアッセイにより測定)の変化、またはオスモル濃度の変化のうち1つまたは複数を、例えば少なくとも6ヶ月の時間にわたって示さない。いくつかの態様では、本明細書において提供される組成物は少なくとも9ヶ月間安定である。例えば、本組成物は、多形形態の変化(例えば特定の形態の増加もしくは減少)、外観の変化、pHの変化、不純物の割合(%)の変化、活性(インビトロアッセイにより測定)の変化、またはオスモル濃度の変化のうち1つまたは複数を、例えば少なくとも9ヶ月の時間にわたって示さない。いくつかの態様では、本明細書において提供される組成物は少なくとも12ヶ月間安定である。例えば、本組成物は、多形形態の変化(例えば特定の形態の増加もしくは減少)、外観の変化、pHの変化、不純物の割合(%)の変化、活性(インビトロアッセイにより測定)の変化、またはオスモル濃度の変化のうち1つまたは複数を、例えば少なくとも12ヶ月の時間にわたって示さない。上記において、「変化を示さない」という語句は、関連する期間にわたって前記パラメータのいずれかについて測定される5%未満(例えば4%未満、3%未満、2%未満、1%未満)の変化を意味する。
【0184】
いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の緩徐な溶解を示す。溶解時間は、特定の溶媒、濃度、温度、多形形態などに応じて変動しうる。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、溶液中約5日間〜1500日間、例えば溶液中約5日間〜10日間、10日間〜100日間、100日間〜1000日間、または1000日間〜1500日間、例えば溶液中約5、7、10、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500日間の平均溶解時間を示す。いくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、溶液中7日間超; 溶液中60日間超; 溶液中120日間超; または溶液中1年間超の平均溶解時間を示す。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、溶液中約7日間の平均溶解時間を示す。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、溶液中約89日間の平均溶解時間を示す。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物は、溶液中約1116日間の平均溶解時間を示す。いくつかのそのような態様では、薬学的組成物は、約100mg/mLのその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。いくつかの態様では、溶解時間は、例えばpHもしくは濃度、またはその両方に依存しうる。本明細書において使用される「平均溶解時間」とは、剤形からの薬物放出の速度を意味し、値が高いほど薬物放出速度が遅くなる。
【0185】
いくつかのそのような態様では、薬学的組成物は約0.005mg/mL〜2.5mg/mL、例えば約0.005mg/mL〜約2mg/mL、約0.01mg/mL〜約1.8mg/mL、約0.025mg/mL〜約1.6mg/mL、約0.05mg/mL〜約1.5mg/mL、約0.075mg/mL〜約1.25mg/mL、約0.1mg/mL〜約1mg/mL、または約0.25mg/mL〜約0.75mg/mLの、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。いくつかのそのような態様では、薬学的組成物は約0.015mg/mL〜約0.115mg/mLの、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。いくつかの態様では、注射濃度は約0.1mg/mL〜4mg/mLを含む。いくつかの態様では、注射濃度は2mg/mLである。
【0186】
本明細書において提供される化合物、例えば、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、複数の粒子として製剤化可能である。例えば、本明細書において提供される化合物の粒子は粒径中央値20μm未満(例えば約15μm未満; 約10μm未満; 約7.5μm未満; 約5μm未満; 約2.5μm未満; 約1μm未満; および約0.5μm未満)を有しうる。例えば、粒径中央値は約0.1μm〜20μm、例えば約0.5〜20、0.5〜15、0.5〜10、0.5〜7.5、0.5〜5、0.5〜2.5、0.5〜1、2.5〜15、5〜10、7.5〜20、または1〜5μmでありうる。いくつかの態様では、粒子はポリマーも含む。好適なポリマーの例としては、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、およびそれらの混合物のような生体適合性および生分解性ポリマーが挙げられる。いくつかの態様では、粒子はポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)を含む。
【0187】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物、例えば式(I)の化合物の多形形態、例えば形態1は、約1〜約6μm、例えば約1.5〜約5μm、または約2.4〜約2.55μmの粒径分布(D値)、例えばD50を示す。例えば、D50は約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、4、4.5、または5μmでありうる。いくつかの態様では、D50値は約2.55μmである。いくつかの態様では、D50値は約2.45μmである。いくつかの態様では、D50値は約2.1μmである。いくつかの態様では、D50値は約2μmである。いくつかの態様では、D50値は約1.6μmである。D50は、当業者に周知である従来の粒径測定技術により測定可能である。そのような技術としては例えば沈降フィールドフロー分別法、光子相関分光法、光散乱法、レーザー回折法、およびディスク遠心分離法が挙げられる。
【0188】
その非晶形および多形形態を含む本明細書において提供される組成物および化合物の投与は、皮下投与、静脈内投与、局所投与、経皮投与、腹腔内投与、筋肉内投与、くも膜下腔内投与、関節内投与、嚢内投与、脊髄内投与、関節滑液嚢内投与、硬膜外投与、血管内投与、または患部骨の洗浄を含むがそれに限定されない許容される投与様式のいずれかによるものでありうる。いくつかの態様では、投与は非経口投与である。いくつかの態様では、投与は関節内投与である。
【0189】
いくつかの態様では、本明細書において提供される、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物、ならびに組成物は、非経口投与、例えば筋肉内投与、関節内投与、関節周囲投与、脊髄内投与、関節滑液嚢内投与、および硬膜外投与される。例えば、本化合物および組成物は、変形性関節症の部位(例えば膝、股関節、肩など)において局所注射されうる。注射は、関節を取り囲む1つまたは複数の場所において行われうる。いくつかの態様では、注射は、超音波などの画像化方法のガイド下で行われる。いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の投与(例えば注射)は、局所麻酔剤の投与の後にまたはそれとの組み合わせで行われる。
【0190】
薬学的使用を目的とする、本明細書において提供される式(I)の化合物は、非晶質または多形組成物として投与されうる。薬学的に許容される組成物としては懸濁液、液体、溶液、コロイド、リポソーム、乳濁液、複合体、およびコアセルベートを挙げることができる。いくつかの態様では、本組成物は懸濁液として製剤化されている。その非晶形および多形形態を含む本化合物、ならびに本組成物は、注射剤として投与されうる。
【0191】
また、本明細書において提供される化合物および組成物は、他の公知の剤と併用投与(同時投与または順次投与)されうる。
【0192】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、変形性関節症を処置するために以下のうち1つまたは複数との組み合わせで使用されうる: (a) イブプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン(例えばINDOCIN(登録商標)およびTIVORBEX(登録商標))、経口用または患部用のジクロフェナク(例えばVOLTAREN(登録商標)、ZIPSOR(登録商標)、PENNSAID(登録商標)、FLECTOR(登録商標)、およびCATAFLAM(登録商標))、メロキシカム(例えばMOBIC(登録商標))、セレコキシブ(例えばCELEBREX(登録商標))、ピロキシカム(例えばFELDENE(登録商標))、エトドラク(例えばLODINE(登録商標))、ナブメトン(例えばRELAFEN(登録商標))、ルミラコキシブ、バルデコキシブ(例えばBEXTRA(登録商標))、エトリコキシブ、パレコキシブ、フェノプロフェン(例えばNALFON(登録商標))、オキサプロジン(例えばDAYPRO(登録商標))、メフェナム酸(例えばPONSTEL(登録商標))、ジフルニサル(例えばDOLOBID(登録商標))、フェノプロフェン(例えばNALFON(登録商標))、フルルビプロフェン(例えばANSAID(登録商標))、ケトプロフェン(例えばORUVAIL(登録商標))、ケトロラク(例えばTORADOL(登録商標))、スリンダク(例えばCLINORIL(登録商標))、メクロフェナメート、サリチル酸コリン-サリチル酸マグネシウム、サルサラート(例えばDISALCID(登録商標))、ならびにトルメチン(例えばTOLECTIN(登録商標))を含むがそれに限定されない、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID); (b) 理学療法; (c) 例えばプレドニゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、およびメチルプレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド薬の注射; (d) ヒアルロン酸誘導体(例えばHYALGAN(登録商標)、SYNVISC(登録商標)、EUFLEXXA(登録商標)、GEL-ONE(登録商標)、MONOVISC(登録商標)、ORTHOVISC(登録商標)、およびSUPARTZ(登録商標))の注射; (e) カプサイシン(例えばCAPSAGEL(登録商標))の注射または局所適用; (f) 例えばコデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、モルヒネ、メペリジン、オキシコドン、およびトラマドール(例えばULTRAM(登録商標)、CONZIP(登録商標)、およびRYZOLT(登録商標))などの麻薬; (g) デュロキセチン(例えばCYMBALTA(登録商標))などの抗うつ剤; (h) 固定具および/もしくは靴インサート、または、関節に圧力がかからないように関節を固定または支持可能な任意の装置(例えば副木、固定具、靴インサート、または他の医療機器); (i) 骨の再編成(骨切除術); (j) 関節の置換(関節形成術); ならびに(k) 慢性疼痛クラス。
【0193】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、変形性関節症を処置するために以下の薬物または方法のうち1つまたは複数との組み合わせで使用されうる: プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、SYNVISC(登録商標)(hylan G-F 20)、ABT-981 [MAbs (2015) 7(3):605-619]、幹細胞注射、JNJ-42160443(フルラヌマブ(fulranumab))、多血小板血漿(PRGF)注射、タネズマブ、ベンラファキシン、PH-797804、PG-530742(二水和ナトリウム塩PG-116800)、スプリフェルミン(Sprifermin)(AS902330、rhFGF-18)、Transfersome中経皮ケトプロフェン(IDEA-033)[Annals of the Rheumatic Diseases (2007) 66(9):1178-1183]、FX005およびFX006(いずれもFlexion Therapeutics, Inc.による)、JNJ-39439335(Mavatrep)[J. Med. Chem. (2015) 58(9):3859-3874]、ポルマコキシブ(polmacoxib)(Acelex、CG100649)、バリカチブ(AAE581)、GSK3196165、セブラノパドール(cebranopadol)(GRT6005)、ファシヌマブ(fasinumab)(REGN475)、TPX-100(OrthoTrophixによる)、PRX167700(Proximagenによる)、EP 104IAR(長期放出プロピオン酸フルチカゾン組成物)、LY2951742およびLY545694(いずれもEli Lilly & Coによる)、アダリムマブ(Humira(登録商標))、GW842166(GSKによる)、YY1201(Yooyoung Pharmaceutical Co., Ltd.による)、CF101(IB-MECA)およびCF602(いずれもCan-Fite BioPharmaによる)、PLA-695(Pfizerによる)、VX-150(Vertexによる)、ADL5859およびADL5747(いずれもAdolor Corporation、現・Cubist Pharmaceuticalsによる)、フナピド(funapide)(INN)(TV-45070、XEN402)、AGG-523(Pfizerによる)[Osteoarthritis Cartilage (2011) 19(3):315-323]、CNTX-4975(Centrexion Corporationによる注射用カプサイシン)、CR845(Cara Therapeuticsによる)、ASP7962(アステラス製薬による)、DA-5202(Dong-A ST Co., Ltd.による)、GZ389988(Sanofi-Genzymeによる)、ならびにMEDI 7352(AstraZenecaによる)、LNA043(Novartisによる)。
【0194】
4. キット
また、キットが本明細書において提供される。通常、キットは本明細書に記載の1つまたは複数の化合物または組成物を含む。特定の態様では、キットは、例えば本明細書において提供される化合物または組成物を送達または投与するための1つまたは複数の送達系と、キットの使用のための指示書(例えば患者を処置するための説明書)とを含みうる。いくつかの態様では、キットは、本明細書に記載の化合物または組成物と、骨疾患もしくは軟骨疾患または変形性関節症を有する患者に内容物を投与すべきであることを示すラベルとを含みうる。
【0195】
5. 変形性関節症を処置するための方法
患者における変形性関節症の処置のための方法が提供される。本方法は、治療有効量のその非晶形および/もしくは多形形態を含む式(I)の化合物、または、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物を患者に投与する段階を含む。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、治療有効量のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む薬学的組成物を関節内投与する段階を含む。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、式(I)の化合物の多形形態と薬学的に許容される担体とを混合する工程を含む方法により調製される薬学的組成物を関節内投与する段階を含む。いくつかの態様では、多形形態は、薬学的に許容される担体との混合の前に乾燥している。いくつかの態様では、多形形態は形態1である。いくつかの態様では、多形形態は形態13である。いくつかの態様では、薬学的に許容される担体は水性媒体である。
【0196】
いくつかの態様では、治療有効量の式(I)の化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物を患者に関節内投与する段階を含む、患者において変形性関節症を処置するための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、本組成物中の式(I)の化合物は形態1を含む。いくつかの態様では、本組成物中の式(I)の化合物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、本組成物中の式(I)の化合物は、1重量%〜20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物として実質的に存在する。いくつかの態様では、薬学的組成物は組成物である。いくつかの態様では、薬学的組成物は懸濁液である。
【0197】
本明細書において提供される方法のいくつかの態様では、本明細書において提供される薬学的組成物は、その非晶形および/または多形形態を含む治療有効濃度の式(I)の化合物を、投与部位の周囲の関節に、投与後少なくとも約2週間送達する。例えば、薬学的組成物は、その非晶形および/または多形形態を含む治療有効濃度の式(I)の化合物を、投与部位の周囲の関節に、投与後少なくとも約30日間与えることができる。いくつかの態様では、薬学的組成物は、治療有効濃度の式(I)の化合物を、投与部位の周囲の関節に、投与後少なくとも約45日間与える。いくつかの態様では、薬学的組成物は、治療有効濃度の式(I)の化合物を、投与部位の周囲の関節に、投与後少なくとも約60日間与える。いくつかの態様では、薬学的組成物は、その非晶形および/または多形形態を含む治療有効濃度の式(I)の化合物を、投与部位の周囲の関節に、投与後少なくとも約90日間与える。例えば、薬学的組成物は、その非晶形および/または多形形態を含む治療有効濃度の式(I)の化合物を、投与部位の周囲の関節に、投与後少なくとも約180日間与えることができる。いくつかの態様では、式(I)の化合物は投与前に放射標識されている。いくつかの態様では、式(I)の化合物はトリチウム(
3H)で放射標識されている。式(I)の放射標識化合物の濃度を、当業者に公知の検出方法により測定することができる。例えば、式(I)の放射標識化合物を定量的放射化学分析(QRA)により測定することができる。いくつかの態様では、式(I)の放射標識化合物を定量的全身オートラジオグラフィー(QWBA)により測定する。いくつかの態様では、式(I)の放射標識化合物をX線撮影により検出する。いくつかの態様では、本組成物中の式(I)の化合物は形態1を含む。いくつかの態様では、本組成物中の式(I)の化合物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物を含む。いくつかの態様では、本組成物中の式(I)の化合物は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物として実質的に存在する。いくつかの態様では、薬学的組成物は溶液である。いくつかの態様では、薬学的組成物は懸濁液である。
【0198】
本明細書において提供される方法のいくつかの態様では、本組成物は、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物、例えば形態1が投与後長期間にわたって生体利用可能になるように製剤化される。いくつかの態様では、式(I)の化合物は、所望の期間にわたって治療窓内に濃度を維持する。
【0199】
その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の薬学的組成物、例えば懸濁液の関節内投与後、式(I)の化合物は対象の血漿中でほとんど〜全く検出されない。例えば、薬学的組成物、例えば懸濁液は、式(I)の化合物の投与の4時間後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にすることができる。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、式(I)の化合物の投与の24時間後に血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にする。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、式(I)の化合物の投与の4週間後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にする。例えば、薬学的組成物、例えば懸濁液は、式(I)の化合物の投与の24週間後に該化合物の血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にすることができる。
【0200】
いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4時間後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にすることができる。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の24時間後に血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にする。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の7日後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にする。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4週間後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にする。例えば、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の24週間後に血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にすることができる。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4時間後、4週間後、12週間後、および/または24週間後に血漿中濃度を約0.1ng/mL未満にすることができる。
【0201】
いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4時間後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約1ng/mL未満にすることができる。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の24時間後に血漿中濃度を約1ng/mL未満にする。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4週間後に式(I)の化合物の血漿中濃度を約1ng/mL未満にする。例えば、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の24週間後に血漿中濃度を約1ng/mL未満にすることができる。いくつかの態様では、薬学的組成物、例えば懸濁液は、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4時間後、4週間後、12週間後、および/または24週間後に血漿中濃度を約1ng/mL未満にすることができる。
【0202】
本明細書の方法のいくつかの態様では、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4時間後に、式(I)の化合物は実質的に全身吸収されていない。本明細書の方法のいくつかの態様では、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の4週間後に、式(I)の化合物は実質的に全身吸収されていない。本明細書の方法のいくつかの態様では、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の12週間後に、式(I)の化合物は実質的に全身吸収されていない。本明細書の方法のいくつかの態様では、最大250μgの用量の式(I)の化合物の投与の24週間後に、式(I)の化合物は実質的に全身吸収されていない。
【0203】
本明細書の方法のいくつかの態様では、本組成物は、注射1回当たり約0.001mg〜約0.5mgのその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。例えば、いくつかの態様では、本組成物は約0.001mg〜約0.4mg、約0.001mg〜約0.3mg、約0.001mg〜約0.25mg、約0.001mg〜約0.2mg、約0.001mg〜約0.15mg、約0.001mg〜約0.1mg、約0.001mg〜約0.075mg、約0.001mg〜約0.055mg、約0.001mg〜約0.05mg、約0.001mg〜約0.035mg、約0.001mg〜約0.025mg、約0.001mg〜約0.01mg、約0.001mg〜約0.005mg、約0.005mg〜約0.5mg、約0.0075mg〜約0.5mg、約0.01mg〜約0.5mg、約0.025mg〜約0.5mg、約0.045mg〜約0.5mg、約0.05mg〜約0.5mg、約0.075mg〜約0.5mg、約0.1mg〜約0.5mg、約0.25mg〜約0.5mg、約0.01mg〜約0.3mg、約0.025mg〜約0.075mg、約0.01mg〜約0.1mg、および約0.15mg〜約0.25mgのその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を含む。
【0204】
いくつかの態様では、本明細書において提供される式(I)の化合物を含む組成物が1回投与される。いくつかの態様では、式(I)の化合物を含む組成物が2回以上投与される。いくつかの態様では、本組成物が少なくとも4週間空けて(例えば少なくとも6週間空けて、少なくとも8週間空けて、少なくとも12週間空けて)複数回投与される。例えば、本組成物が少なくとも3ヶ月〜約60ヶ月空けて複数回投与される。いくつかの態様では、本組成物が3ヶ月に1回投与される。いくつかの態様では、本組成物が6ヶ月に1回投与される。いくつかの態様では、本組成物が12ヶ月に1回投与される。いくつかの態様では、本組成物が24ヶ月に1回投与される。いくつかの態様では、本組成物が60ヶ月に1回投与される。
【0205】
最初に、患者において疾患の重症度を評価する段階、および、次に、該評価に基づく用量のその非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物を該患者に投与する段階を含む、該患者を処置する方法も、本明細書において提供される。変形性関節症は、体内の任意の関節を冒しうる。いくつかの態様では、変形性関節症は手、足、脊椎、肩、肘、足首、手首、ならびに荷重大関節、例えば股関節および膝のうち1つまたは複数に存在する。いくつかの態様で、障害の重症度は患者の体内の1つまたは複数の場所において決定される。例えば、障害の重症度は、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の標的投与部位またはその近傍において決定される。
【0206】
患者の変形性関節症の重症度を、種々の方法を使用して決定することができる。例えば、放射線診断基準(例えばX線、CTスキャン、MRI、超音波検査、および骨スキャン)、臨床診断基準、疼痛評価(例えば視覚的アナログスケール(VAS)およびウエスタンオンタリオ大学・マクマスター大学関節炎指数(WOMAC)スコア)、可動性評価(例えば医師総合評価)、軟骨の厚さ(例えば標的投与部位における)、軟骨の総量(例えば標的投与部位における)、軟骨の合成または分解を示す同化または異化バイオマーカー(例えば軟骨オリゴマー基質タンパク質[COMP]、I型プロコラーゲンのN末端プロペプチド[PINP]、およびβ-C末端テロペプチド[β-CTX])のレベル、炎症関連サイトカイン(インターロイキン[IL]1b、IL6、IL8、腫瘍壊死因子(TNF)、およびインターフェロンα[IFNα])の血漿レベル、骨髄浮腫のレベル(例えば標的投与部位のMRIスキャンによる)、滑液のレベル、滑液の透明性(例えば、偏光顕微鏡下で見る際に滑液中に存在する結晶のレベル)、メタロプロテイナーゼ(例えばコラゲナーゼ、ストロメライシン)のレベル、フリーラジカル(例えば一酸化窒素)のレベル、ならびに骨の間の空間の測定である。いくつかの態様では、患者の変形性関節症または疾患状態の重症度を評価する1つまたは複数の方法を使用することができる。
【0207】
関節の評価を、関節における、関節周囲の、または関節近傍の1つまたは複数の場所において行うことができる。例えば、軟骨の幅、厚さ、または量に関する複数種の測定を行うことができる。いくつかの態様では、複数種の測定の結果を組み合わせて複合スコアにすることができ、複合スコアを使用して障害の重症度を評価することができる。任意の特定の関節における障害の重症度を決定するために、関節を評価する様々な方法を同時に考慮してもよい。例えば、疼痛および可動性の決定といった主観的測定と、軟骨の幅、厚さ、または量、骨の間の空間、および滑液のレベルの測定といった関節の1つまたは複数の場所における客観的測定とを組み合わせることができる。
【0208】
いくつかの態様では、疾患の重症度を障害のステージに基づいて決定する。
【0209】
例えば、膝の変形性関節症(OA)を5つのステージに分けることができる。正常で健康な膝に0が割り当てられる。重症OAには最高ステージ4が割り当てられる。様々なステージの例示的な診断基準および典型的な症状を以下の表1に示す。
【0211】
同様に、変形性股関節症のステージを、様々な画像中で観察される重症度に応じて5つのステージに分けることができる。様々なステージの例示的な診断基準および典型的な症状を以下の表2に示す。
【0213】
いくつかの態様では、患者は中程度〜重度の症候性の変形性関節症を有すると診断または同定される。例えば、患者は中程度〜重度の症候性の変形性膝関節症を有すると診断または同定される。いくつかの態様では、患者は、Kellgren-Lawrenceシステムにより決定されるグレード1(またはKL-1)変形性関節症を有する。いくつかの態様では、患者は、Kellgren-Lawrenceシステムにより決定されるグレード2(またはKL-2)変形性関節症を有する。いくつかの態様では、患者は、Kellgren-Lawrenceシステムにより決定されるグレード3(またはKL-3)変形性関節症を有する。いくつかの態様では、患者は、Kellgren-Lawrenceシステムにより決定されるグレード4(またはKL-4)変形性関節症を有する。いくつかの態様では、患者、例えばグレード1変形性関節症を有する患者に式(I)の化合物が予防的処置として投与される。
【0214】
患者の疾患状態の重症度に基づいて、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物の投与量を決定することができる。
【0215】
いくつかの態様では、患者は片側性変形性膝関節症を有する。いくつかの態様では、患者は両側性変形性膝関節症を有する。
【0216】
いくつかの態様では、患者は過体重または肥満である。いくつかの態様では、患者は肥満度指数(BMI)25〜30、例えばBMI 25、26、27、28、または29を有する。いくつかの態様では、患者はBMI 30以上、例えば30、31、32、33、34、35、40、または40超を有する。
【0217】
変形性関節症の進行および/または処置をモニタリングする1つの方法は、関節腔を測定することを包含する。軟骨が変性または摩耗すると、患部関節の関節腔の狭小化が観察されうる(関節腔狭小化)。軟骨を測定することが困難であることに鑑み、多くの場合、関節腔の幅(JSW)の測定が、2本の骨間の距離を(例えばX線技術を使用して)決定することを包含することから、関節軟骨の厚さの測定の代わりになるものと考えられている。理論に拘束されることは望ましくないが、JSWの増加は軟骨成長の指標である。患部関節の放射線画像化の後にJSWの測定方法を完了させることができる。測定は、ノギスまたは単純な定規と測微接眼レンズとを使用する手動測定でもよく、コンピュータソフトウェアを使用する半自動測定でもよい。いくつかの態様では、JSW測定は、膝の放射線画像(例えばX線)の撮影を包含しうる。例えば、中足指節、屈曲位固定、半屈曲位の前後(AP)放射線画像、およびLyon-Schuss放射線画像のうち1つまたは複数を使用して測定値を得ることができる。いくつかの態様では、対象を起立時に画像化する。例えば、起立時の屈曲位固定(Synaflexer)の前後(PA)放射線画像である。
【0218】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の増加をもたらす。いくつかの態様では、患者においてその非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の増加は、投与後24週目に約70μgの用量で約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量で約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での関節腔の幅の変化を実質的に示さない。関節腔の幅のさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0219】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0220】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の増加をもたらす。いくつかの態様では、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の、約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の増加は、投与後24週目に約70μgの用量で約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量で約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での関節腔の平均幅の変化を実質的に示さない。関節腔の平均幅のさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0221】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0222】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの増加をもたらす。いくつかの態様では、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの増加は、投与後24週目に約70μgの用量で約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量で約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での軟骨の厚さの変化を実質的に示さない。軟骨の厚さのさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0223】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0224】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの増加をもたらす。いくつかの態様では、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの増加は、投与後24週目に約70μgの用量で約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量で約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での軟骨の平均厚さの変化を実質的に示さない。軟骨の平均厚さのさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0225】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0226】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者においてその非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅のベースラインからの増加をもたらす。いくつかの態様では、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、注射地点を取り囲む関節中で関節腔の幅のベースラインの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅のベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅のベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅の増加は、投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での関節腔の幅のベースラインからの変化を実質的に示さない。関節腔の幅のさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0227】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅のベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅のベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の幅のベースラインからの約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0228】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの増加をもたらす。いくつかの態様では、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅の増加は、投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での関節腔の平均幅のベースラインからの変化を実質的に示さない。関節腔の平均幅のさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0229】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での関節腔の平均幅のベースラインからの約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0230】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの増加をもたらす。いくつかの態様では、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μg用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さの増加は、投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での軟骨の厚さの変化を実質的に示さない。軟骨の厚さのさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0231】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の厚さのベースラインからの約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0232】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからのの増加をもたらす。いくつかの態様では、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射により投与される用量は約10μg〜約250μg、例えば約20μg〜約230μg、例えば約20μg〜約200μg、例えば約30μg〜約150μg、例えば約50μg〜約100μg、例えば約70μgである。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからの約5%〜約30%(例えば約9%〜約23%)の増加をもたらす。例えば、注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さの増加は、投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約10%〜約20%; または投与後24週目に約70μgの用量でベースラインから約15%〜約18%である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、注射地点を取り囲む関節での軟骨の平均厚さの変化を実質的に示さない。軟骨の平均厚さのさらなる損失が観察されないことから、そのような結果は、疾患の症状抑止を示すものでありうる。
【0233】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからの約0.05mm〜約2mmの増加をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、患者集団において、投与後24週目に、約70μgの用量で、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物の注射地点を取り囲む関節中での軟骨の平均厚さのベースラインからの約0.05mm; 約0.1mm; 約0.15mm; 約0.2mm; 約0.25mm; 約0.3mm; 約0.35mm; 約0.4mm; 約0.45mm; 約0.5mm; 約0.55mm; 約0.6mm; 約0.65mm; 約0.7mm; 約0.75mm; 約0.8mm; 約0.85mm; 約0.9mm; 約0.95mm; 約1mm; 約1.05mm; 約1.1mm; 約1.15mm; 約1.2mm; 約1.25mm; 約1.3mm; 約1.35mm; 約1.4mm; 約1.45mm; 約1.5mm; 約1.55mm; 約1.6mm; 約1.65mm; 約1.7mm; 約1.75mm; 約1.8mm; 約1.85mm; 約1.9mm; 約1.95mm; または約2mmの増加をもたらす。
【0234】
本明細書において使用される「ベースラインから」という語句は、パラメータ(例えばJSW、軟骨の厚さ、WOMACスコアなど)の値の、注射の28日前以降に決定された該値に対する変化を意味する。
【0235】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に血漿中軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)濃度の減少をもたらす。
【0236】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象におけるWOMAC合計スコアの減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象におけるWOMAC合計スコアのベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象におけるWOMAC合計スコアのベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; WOMAC合計スコアのベースラインからの少なくとも20ポイントの減少; またはWOMAC合計スコアのベースラインからの少なくとも24ポイントの減少である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に、対象におけるWOMAC合計スコアのベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象における、投与後12週目のWOMAC合計スコアのベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; 投与後12週目のWOMAC合計スコアのベースラインからの少なくとも20ポイントの減少; または投与後12週目のWOMAC合計スコアのベースラインからの少なくとも24ポイントの減少である。
【0237】
いくつかの態様では、WOMACスコアは個々の疼痛スコア、機能スコア、およびこわばりスコアに細分化されうる。
【0238】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象におけるWOMAC機能スコアの減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象におけるWOMAC機能スコアのベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象におけるWOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも10ポイントの減少; WOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; またはWOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも19ポイントの減少である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に、対象におけるWOMAC機能スコアのベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象における投与後12週目のWOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも10ポイントの減少; 投与後12週目のWOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; または投与後12週目のWOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも19ポイントの減少である。
【0239】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象におけるWOMAC疼痛スコアの減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象におけるWOMAC疼痛スコアのベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象におけるWOMAC疼痛スコアのベースラインからの少なくとも4ポイントの減少; またはWOMAC疼痛スコアのベースラインからの少なくとも5ポイントの減少である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に対象におけるWOMAC疼痛スコアのベースラインからの減少をもたらす。例えば、投与後12週目の対象におけるWOMAC疼痛スコアのベースラインからの少なくとも4ポイントの減少; または投与後12週目のWOMAC疼痛スコアのベースラインからの少なくとも5ポイントの減少である。
【0240】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、WOMAC機能スコアのベースラインからの減少、例えばWOMAC機能スコアのベースラインからの少なくとも10%の減少; またはWOMAC機能のベースラインからの少なくとも20%の減少; またはWOMAC機能のベースラインからの少なくとも30%の減少; またはWOMAC機能のベースラインからの少なくとも40%の減少; またはWOMAC機能のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目にWOMAC機能のベースラインからの減少、例えば投与後12週目にWOMAC機能のベースラインからの少なくとも10%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能のベースラインからの少なくとも20%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能のベースラインからの少なくとも30%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能のベースラインからの少なくとも40%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0241】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、WOMAC疼痛のベースラインからの減少、例えばWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも10%の減少; またはWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも20%の減少; またはWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも30%の減少; またはWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも40%の減少; またはWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目にWOMAC疼痛のベースラインからの減少、例えば投与後12週目にWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも10%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも20%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも30%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも40%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0242】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、WOMACこわばりのベースラインからの減少、例えばWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも10%の減少; またはWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも20%の減少; またはWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも30%の減少; またはWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも40%の減少; またはWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目にWOMACこわばりのベースラインからの減少、例えば投与後12週目にWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも10%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも20%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも30%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも40%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりのベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0243】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC合計スコア平均値の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象集団におけるWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; WOMAC合計スコア平均値のベースラインからの少なくとも20ポイントの減少; またはWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの少なくとも24ポイントの減少である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に対象集団におけるWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、投与後12週目の対象集団におけるWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; 投与後12週目のWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの少なくとも20ポイントの減少; または投与後12週目のWOMAC合計スコア平均値のベースラインからの少なくとも24ポイントの減少である。
【0244】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC機能スコア平均値の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象集団におけるWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも10ポイントの減少; WOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; またはWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも19ポイントの減少である。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に対象集団におけるWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、投与後12週目の対象集団におけるWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも10ポイントの減少; 投与後12週目のWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも15ポイントの減少; または投与後12週目のWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも19ポイントの減少である。
【0245】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC疼痛スコア平均値の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、対象集団におけるWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも4ポイントの減少; またはWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも5ポイントの減少である。
【0246】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、対象集団におけるWOMAC疼痛スコア平均値の減少をもたらす。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に対象集団におけるWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、投与後12週目の対象集団におけるWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも4ポイントの減少; または投与後12週目のWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも5ポイントの減少である。
【0247】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、WOMAC機能スコア平均値のベースラインからの減少、例えばWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも10%の減少; またはWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも20%の減少; またはWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも30%の減少; またはWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも40%の減少; またはWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0248】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目にWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの減少、例えば投与後12週目にWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも10%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも20%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも30%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも40%の減少; または投与後12週目にWOMAC機能スコア平均値のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0249】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、WOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの減少、例えばWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも10%の減少; またはWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも20%の減少; またはWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも30%の減少; またはWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも40%の減少; またはWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0250】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目にWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの減少、例えば投与後12週目にWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも10%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも20%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも30%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも40%の減少; または投与後12週目にWOMAC疼痛スコア平均値のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0251】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、WOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの減少、例えばWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも10%の減少; またはWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも20%の減少; またはWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも30%の減少; またはWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも40%の減少; またはWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0252】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目にWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの減少、例えば投与後12週目にWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも10%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも20%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも30%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも40%の減少; または投与後12週目にWOMACこわばりスコア平均値のベースラインからの少なくとも50%の減少をもたらす。
【0253】
いくつかの態様では、特定のパラメータの値は以下の通りであり、いずれの場合でも最低中央値(ゼロ未満)〜最高中央値(ゼロ未満)の範囲である。
【0254】
いくつかの態様では、WOMAC合計スコアのベースラインからの変化は約-35〜約-75である。例えば、WOMAC合計スコアのベースラインからの変化は約-35〜約-60、約-35〜約-50、約-38〜約-73、約-40〜約-75、約-40〜約-70、約-40〜約-60、約-40〜約-50、約-50〜約-75、約-55〜約-70である。いくつかの態様では、WOMAC合計スコアのベースラインからの変化は-38.6〜-73.4である。
【0255】
いくつかの態様では、WOMAC合計スコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-20である。例えば、WOMAC合計スコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-15、約0〜約-10、約0〜約-5、約-5〜約-15、約-5〜約-10、約-10〜約-15である。いくつかの態様では、WOMAC合計スコアのプラセボに比べての変化は0〜-14.7である。
【0256】
いくつかの態様では、WOMAC疼痛スコアのベースラインからの変化は約-5〜約-20である。例えば、WOMAC疼痛スコアのベースラインからの変化は約-5〜約-15、約-5〜約-10、約-7〜約-20、約-7〜約-15、約-10〜約-20、約-10〜約-15である。いくつかの態様では、WOMAC疼痛スコアのベースラインからの変化は-6.9〜-14.6である。
【0257】
いくつかの態様では、WOMAC疼痛スコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-5である。例えば、WOMAC疼痛スコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-4、約0〜約-3、約0〜約-2、約0〜約-1、約-1〜約-5、約-1〜約-4、約-1〜約-3、約-1〜約-2である。いくつかの態様では、WOMAC疼痛スコアのプラセボに比べての変化は-0.35〜-2.79である。
【0258】
いくつかの態様では、WOMAC機能スコアのベースラインからの変化は約-25〜約-55である。例えば、WOMAC機能スコアのベースラインからの変化は約-25〜約-50、約-25〜約-40、約-25〜約-30、約-28〜約-55、約-28〜約-52、約-28〜約-50、約-28〜約-40、約-28〜約-35、約-35〜約-55、約-35〜約-45、約-40〜約-55である。いくつかの態様では、WOMAC機能スコアのベースラインからの変化は-28.0〜-52.0である。
【0259】
いくつかの態様では、WOMAC機能スコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-15である。例えば、WOMAC機能スコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-11、約0〜約-10、約0〜約-5、約-1〜約-15、約-1〜約-11、約-1〜約-5、約-5〜約-15、約-5〜約-10である。いくつかの態様では、WOMAC機能スコアのプラセボに比べての変化は-0.59〜-11.06である。
【0260】
いくつかの態様では、WOMACこわばりスコアのベースラインからの変化は約0〜約-15である。例えば、WOMACこわばりスコアのベースラインからの変化は約0〜約-10、約1〜約-5、約-3〜約-15、約-3〜約-10、約-3〜約-7、約-5〜約-15、約-5〜約-10である。いくつかの態様では、WOMACこわばりスコアのベースラインからの変化は-3.2〜-7.0である。
【0261】
いくつかの態様では、WOMACこばわりスコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-5である。例えば、WOMACこわばりスコアのプラセボに比べての変化は約0〜約-4、約0〜約-3、約0〜約-2、約-1〜約-5、約-1〜約-4、約-1〜約-3である。いくつかの態様では、WOMACこわばりスコアのプラセボに比べての変化は-0.07〜-1.95である。
【0262】
いくつかの態様では、内側関節腔の幅(mm)のベースラインからの変化は約0〜約+0.5である。例えば、内側関節腔の幅(mm)のベースラインからの変化は約0〜約+0.5、約0〜約+0.4、約0〜約+0.3、約0〜約+0.2である。いくつかの態様では、内側関節腔の幅(mm)のベースラインからの変化は0〜+0.1である。
【0263】
いくつかの態様では、内側関節腔の幅(mm)のプラセボに比べての変化は約0〜約+1である。例えば、内側関節腔の幅(mm)のプラセボに比べての変化は約0〜約+0.7、約0〜約+0.5、約0〜約+0.4、約0〜約+0.2、約+0.1〜約+1、約+0.1〜約+0.5、約+0.1〜約+0.4である。いくつかの態様では、内側関節腔の幅(mm)のプラセボに比べての変化は+0.06〜+0.42である。
【0264】
本方法が対象におけるWOMAC合計スコア、対象におけるWOMAC機能スコア、対象におけるWOMAC疼痛スコア、および/または対象におけるWOMACこわばりスコアの減少をもたらすいくつかの態様では、対象は患者である。
【0265】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者における関節内注射に好適であり、患者において注射地点を取り囲む関節中で関節腔の幅を増加させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0266】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者における関節内注射に好適であり、患者において注射地点を取り囲む関節中で軟骨の厚さを増加させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0267】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者集団における関節内注射に好適であり、患者集団において注射地点を取り囲む関節中で関節腔の平均幅を増加させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0268】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者集団における関節内注射に好適であり、患者集団において注射地点を取り囲む関節中で軟骨の平均厚さを増加させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、増加は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0269】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者における関節内注射に好適であり、WOMAC合計スコアを減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0270】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者における関節内注射に好適であり、WOMAC機能スコアを減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0271】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者における関節内注射に好適であり、WOMAC疼痛スコアを減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0272】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者における関節内注射に好適であり、WOMACこわばりスコアを減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0273】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者集団における関節内注射に好適であり、WOMAC合計スコア平均値を減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0274】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者集団における関節内注射に好適であり、WOMAC機能スコア平均値を減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0275】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者集団における関節内注射に好適であり、WOMAC疼痛スコア平均値を減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0276】
いくつかの態様では、その非晶形または多形形態を含む式(I)の化合物を含む組成物であって、患者集団における関節内注射に好適であり、WOMACこわばりスコア平均値を減少させる組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される量または割合の増加である。いくつかの態様では、減少は、本明細書に開示される時点での増加である。
【0277】
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、投与後12週目に対象における医師総合評価平均値のベースラインからの減少をもたらす。例えば、投与後12週目の医師総合評価平均値のベースラインからの少なくとも25ポイントの減少; または投与後12週目の医師総合評価平均値のベースラインからの少なくとも30ポイントの減少である。
【0278】
いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、軟骨細胞の形成を増加させる。例えば、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、ヒト間葉系幹細胞中での軟骨細胞の形成を増加させる。いくつかの態様では、軟骨細胞の形成はDMSOに比べて約30〜67倍増加する。いくつかの態様では、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、MMP1、MMP3、MMP13、またはそれらの任意の組み合わせの発現を阻害する。例えば、その非晶形および多形形態を含む式(I)の化合物は、TNFαおよびオンコスタチンMで処理された軟骨細胞中でのMMP1、MMP3、MMP13、またはそれらの任意の組み合わせの発現を阻害する。
【0279】
取得可能な他の測定値としては、週平均疼痛スコアを得るための毎日の疼痛のVAS(視覚的アナログスケール); 式(I)の化合物の投与後に使用される疼痛薬の量の測定値であるNSAID救急薬使用量のプラセボに対する比較; 全身健康状態を考慮して患者が疾患の重症度を評価するために使用される5ポイントまたは6ポイントスコアリングシステムである、患者総合評価; 処置を経る患者において低骨量を検出しかつ骨量治療の効果をモニタリングするために使用可能な、CTスキャナ上で行われる高速で非侵襲的な骨塩量(BMD)検査である、骨密度に関する定量的コンピュータ断層撮影(QCT); B-CTX(βCTX-I; I型コラーゲンのC末端テロペプチド)、P1NP(血清1型プロコラーゲン(C末端/N末端))、COMP(軟骨オリゴマー基質タンパク質)、およびCTX-II(II型コラーゲンのC末端テロペプチド)を含むがそれに限定されない、末梢由来のバイオマーカー; B-CTX、P1NP、COMP、およびCTX-IIを含むがそれに限定されない、関節腔液中のバイオマーカー; 滑膜関節中の半月板(膝関節中での摩擦を分散させる役割を果たす、下腿(脛骨)と大腿(大腿骨)との間にある線維軟骨組織の2つのパッド。最も一般的な損傷は1つまたは複数の線維軟骨帯の断裂(裂傷)である)および関節(硝子質)軟骨の両方における軟骨の質(線維対硝子質)、グリコサミノグリカン(GAG; 滑膜組織および滑液の主成分であるヒアルロン酸を含む)、アグリカン(関節面を支持することで関節の機能を促進しうる軟骨の間質液加圧において役割を果たす大きなプロテオグリカン。アグリカンの分解は凝集体のすべての成分の分解を引き起こす。これは軟骨機能に有害であり、変形性関節症軟骨において促進される。結果的にアグリカンは欠乏し、軟骨は侵食されやすくなる)、ならびに2型および10型コラーゲン含有量(関節の健康状態に関する)を含むがそれに限定されない、軟骨の病理組織診断; ならびに、軟骨領域の目視によるグレード分類が非限定的に挙げられる。
【実施例】
【0280】
実施例1:多形スクリーニング
式(I)の化合物に対して、溶解度、多形性、および熱力学的安定性を決定するために多形スクリーニングを行った。
【0281】
A. 出発固体(形態1と形態1の非化学量論的水和物との混合物)の分析
式(I)の出発固体化合物のX線粉末回折(XRD)、示差走査熱量測定(DSC)、および熱重量分析(TGA)走査図は、出発固体が結晶性材料であり、形態Iと1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物との混合物であることを示した。DSC走査図(
図12B)によれば、固体は50℃〜100℃での広い吸熱を示し、284℃での鋭い発熱も示し、固体は最終的に364℃で融解した。TGA走査図(
図12C)によれば、100℃の前に1.4%の重量減少が観察された。
【0282】
形態1と形態1の非化学量論的水和物との混合物の溶解度を重量法により測定したところ、DMFおよびDMSOを除くすべての試験溶媒中で該化合物が室温および50℃で低い溶解度を示すことが示された。室温および50℃での溶解度データ試験の結果を表3に示す。
【0283】
(表3)出発固体(形態1の非化学量論的水和物)の溶解度データ
【0284】
様々な溶媒中でのスラリー化実験を行った。約30〜80mgの出発固体(1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物)を39種の異なる溶媒(純粋溶媒および二元溶媒; 有機溶媒/水の比(V/V)を95%/5%とした)中、室温および50℃で5日間スラリー化した。3種の溶媒和物、1種の非化学量論的水和物、および11種の非溶媒和形態が同定された。特定の形態の後の「
*」、例えば形態2
*は、形態が、わずかな差を伴う同様のXRD走査図を示し、同じクラスに属すると見なされたことを示す。一般に、同定された形態は示差走査熱量測定(DSC)走査図上で複数の吸熱/発熱を示し、形態9は単一の吸熱を示した。湿潤試料および乾燥試料の両方のXRDを走査した(
図12A(乾燥試料))。データを以下の表4および表5に示す。
【0285】
(表4)室温でのスラリー化実験の結果
【0286】
(表5)50℃でのスラリー化実験の結果
【0287】
スラリー化実験では、湿潤試料からの3種の溶媒和形態(溶媒和物1、2、および3); 形態1の2種の非化学量論的水和物(形態12および13); ならびに11種の非溶媒和形態(形態1〜11)が同定された。いくつかの場合では、わずかな差を伴う同様のXRD走査図が得られた。これらは同じクラス(例えば同じ形態)の一部であると見なされた。例えば、形態2および形態2
*のXRD走査図は同様であり、同じクラスに属すると見なされた。溶媒和形態が湿潤試料分析から得られ、乾燥後、試料は異なるXRDを示した。
【0288】
溶媒和物1がアセトンから室温で得られ、乾燥後、低結晶化度の固体が生成された。溶媒和物2がアセトンから(室温で)、アセトン/水から(室温で)得られ、乾燥後、形態4
**が生成された。溶媒和物3がEtOH/水から室温で得られ、乾燥後、形態2が生成された。
【0289】
B. 形態1
形態1を生成した実験を以下の表6に示す。一般に、形態1は形態13または形態12の乾燥により得られた。形態1は脱水水和物と見なされうる。多くの二元溶媒(5%の水を有する)中での再スラリー化により形態1が生成された。残留固体の純度は98.9%であった。形態1(1つの試料)固体のKFは5.8%、形態1固体の残留MeOHは0.01%であった。完全乾燥形態1固体のTGA走査を行った(
図1C)。100℃の前に0.33%の重量減少が観察された。
【0290】
形態1はXRD走査図(
図1A)上で鋭い結晶性ピークを示した。形態1のXRDピークを以下の表7に示す。DSC走査図(
図1B)によれば、固体は50〜100℃での広い吸熱を示し、281℃での鋭い発熱を示し、融点は363℃であった。
【0291】
形態1固体を75℃で終夜減圧乾燥させ、XRD、DSC、およびTGA走査を行った。1回目および2回目(75℃で終夜減圧乾燥後)のXRD走査を比較したところ、変化は示されなかった。しかし、DSC走査図は吸熱が存在しなかったことを示した。DSC走査図上での初期ピークの喪失はXRDトレースに対する影響を示さなかった。このことは、DSC走査図上の50〜100℃での広い吸熱が遊離溶媒によるものであったことを示している。
【0292】
形態1固体をDSC室内で305℃に(約280℃での吸熱/発熱を超えて)加熱し、次にXRDで走査した。1回目および3回目のXRDおよびDSC走査の比較は、305℃に加熱後に形態1が形態9に変換されたことを示す。約280℃での吸熱/発熱が融解/結晶化現象によるものである可能性があると結論づけることができる。
【0293】
形態1は、相対湿度40〜50%超で、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物(例えば形態13)に変換される傾向にあった。水和物は相対湿度30%未満で水分を失った。形態1は、空気に曝露される際に形態13に変換される。
【0294】
形態1固体の動的蒸気吸着(DVS)走査図は相対湿度90%で吸水率17%を示した(
図1D)。XRDデータは、DVS試験において使用した固体が、DVS試験の開始前に水和形態に変換されたことを示した。しかし、相対湿度0%で水分が失われた。このことは、固体が形態1であったことをおそらく示している。
【0295】
(表6)形態1を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0296】
(表7)形態1のXRDピーク
【0297】
C. 形態2、2
*、および2
***
形態2、2
*、および2
**を生成した実験を以下の表8に示す。形態2、2
*、および2
**のXRD走査を行った(
図2A、
図2D、および
図2Gはそれぞれ形態2、2
*、および2
**のXRD走査図を示す)。形態2および2
*のXRDピークをそれぞれ以下の表9および表10に示す。DSC走査も行った(
図2B、
図2E、および
図2Hはそれぞれ形態2、2
*、および2
**のDSC走査図を示す)。DSC走査図によれば、形態2、2
*、および2
**はそれぞれ、50℃〜100℃での広い吸熱、ならびに363℃で融解する前の複数の吸熱および発熱を示した。100℃の前での広い吸熱は、固体に水/溶媒が含まれることが理由でありうる。形態2はアセトニトリルから得られ、形態2
*はエタノールから得られ、形態2
**はn-プロパノール/5%水から得られた。
【0298】
形態2のTGA走査図(
図2C)は116℃の前に2.7%の重量減少を示した。
図2Fは形態2
*のTGA走査図を示す。
【0299】
形態2のPLM写真を撮影した。これは、この固体の粒径が約50umであったことを示す。
【0300】
形態2固体をDSC装置内で90℃に(50〜100℃での広い吸熱を超えて); 270℃に(約240℃での吸熱/発熱を超えて); 最後に330℃に(約330℃での発熱を超えて)加熱した。残留固体をXRDで分析した。1回目および2回目のXRDおよびDSC走査によれば、形態は90℃への加熱の前後で変化しなかった。50〜100℃での広い吸熱は、遊離溶媒または水和物である可能性がある。1回目および3回目のXRDおよびDSC走査によれば、形態2試料を270℃に加熱した後で、固体は低結晶化度の固体に変換された。1回目および4回目のXRDおよびDSC走査によれば、試料を330℃に加熱した後で、固体は形態9に変換された。したがって、約290℃での発熱は再結晶現象であった。XRDおよびDSCオーバーレイによれば、形態2
*の挙動は形態2と同様であった。
【0301】
形態2および2
*中の残留アセトニトリルおよびEtOHは検出されなかった。
【0302】
(表8)形態2、2
*、および2
**を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0303】
(表9)形態2のXRDピーク
【0304】
(表10)形態2
*のXRDピーク
【0305】
D. 形態3
形態3を生成した実験を以下の表11に示す。形態3のXRDおよびDSC走査図を取得した(それぞれ
図3Aおよび
図3B)。以下の表12は形態3のXRDピークを示す。形態3のDSC走査図から複数の発熱および吸熱が観察された。
【0306】
形態3のTGA走査図を取得し(
図3C)、走査図は81℃の前に固体の1.6%の重量減少を、続いて81℃〜169℃で1.7%の重量減少を示した。
【0307】
形態3がIPAcから室温で得られた一方、形態3
*が酢酸n-ブチル中での再スラリー化により得られた。
【0308】
(表11)形態3および形態3
*を生成した実験の概要
【0309】
(表12)形態3のXRDピーク
【0310】
E. 形態4
形態4、4
*、および4
**を生成した実験を以下の表13に示す。形態4、4
*、および4
**のXRDを取得した(それぞれ
図4A、
図4D、および
図4G)。以下の表14および表15はそれぞれ形態4および形態4
*のXRDピークを示す。形態4、4
*、および4
**のDSC走査も行った(それぞれ
図4B、
図4E、および
図4H)。DSC走査図によれば、形態4は50℃〜100℃で広い吸熱を、続いて複数の吸熱/発熱を示し、次に約367℃で融解した。形態4
*および4
**は形態4と同様のDSCパターンを示した。
【0311】
形態4、形態4
*、および形態4
**のTGA走査図を取得した(それぞれ
図4C、
図4F、および
図4I)。形態4は、200℃の前に8.3%の重量減少を呈し、形態4
*では、102℃の前に4.4%の重量減少、続いて102℃〜250℃で0.5%の重量減少を呈し、形態4
**では3段階の重量減少を呈し、それぞれ2.8%、1.9%、および1.3%であった。
【0312】
これらの固体形態は酢酸メチル、n-プロパノール、MIBK、MtBE、酢酸エチル、アセトン/水、および酢酸エチル/水から得られた。
【0313】
(表13)形態4、4
*、および4
**を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0314】
(表14)形態4のXRDピーク
【0315】
(表15)形態4
*のXRDピーク
【0316】
F. 形態5および5
*
形態5および5
*を生成した実験を以下の表16に示す。形態5および5
*のXRD走査図を取得した(それぞれ
図5Aおよび
図5D)。形態5のXRDピークを以下の表17に示す。形態5のDSC走査も行い、走査図は50℃〜100℃での広い吸熱、ならびに363℃で融解する前の複数の吸熱および発熱を示した(
図5B)。
【0317】
形態5固体のTGA走査図は100℃の前に3.1%の重量減少を、続いて100℃〜250℃で1.7%の重量減少を示した(
図5C)。
【0318】
形態5および5
*は、形態12をMtBE中にて室温および50℃でスラリー化することで得られた。湿潤固体は形態5
*を示し、一方、乾燥固体は形態5を示した。
【0319】
(表16)形態5および5
*を生成した実験の概要
【0320】
(表17)形態5のXRDピーク
【0321】
G. 形態6
形態6を生成した実験を以下の表18に示す。形態6のXRDおよびDSC走査図を取得した(それぞれ
図6Aおよび
図6B)。DSC走査図によれば、固体は250℃で小さな発熱を、358℃で鋭い融解吸熱を示した。
【0322】
形態6は、出発原料をIPAおよびIPA/5%水中にて室温および50℃でスラリー化することで得られた。
【0323】
(表18)形態6を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0324】
H. 形態7
形態7を生成した実験を以下の表19に示す。形態7のXRDおよびDSC走査図を取得した(それぞれ
図7Aおよび
図7B)。形態7のXRDピークを以下の表20に示す。DSC走査図によれば、固体は227℃および299℃で2つの発熱を、続いて365℃で融解吸熱を示した。形態7はXRD上で低い結晶化度を示した。DSC走査図上での二重発熱は、XRD走査図上で観察された低い結晶化度と関連している可能性がある。
【0325】
形態7固体のTGA走査図は、200℃の前に12%の重量減少を示した(
図7C)。
【0326】
形態7は、MEKおよびMEK/5%水から室温および50℃で得られた。
【0327】
(表19)形態7を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0328】
(表20)形態7のXRDピーク
【0329】
I. 形態8
形態8を生成した実験を以下の表21に示す。形態8のXRDおよびDSC走査図を取得した(それぞれ
図8Aおよび
図8B)。形態8のXRDピークを以下の表22に示す。DSC走査図によれば、固体は205℃および231℃で2つの吸熱を、続いて279℃で発熱を、続いて362℃で融解吸熱を示した。形態8はXRD走査図上で低い結晶化度を示した。DSC走査図上での二重発熱によって、XRD上で見られた低い結晶化度が確認される可能性がある(低結晶化度の材料はより高結晶化度の固体に変換される)。
【0330】
形態8のTGA走査図は190℃の前に4.2%の重量減少を、続いて190℃〜261℃で3.9%の重量減少を示した(
図8C)。
【0331】
形態8は、MIBKから室温および50℃で得られた。MIBK/5%水による再スラリー化は同じ形態を生じさせない。
【0332】
(表21)形態8を生成した実験の概要
【0333】
(表22)形態8のXRDピーク
【0334】
J. 形態9
形態9を生成した実験を以下の表23に示す。形態9のXRDおよびDSC走査図を取得した(それぞれ
図9Aおよび
図9B)。形態9のXRDピークを以下の表24に示す。DSC走査図によれば、固体は364℃で単一の融解吸熱を示した。
【0335】
形態9のTGA走査図は、100℃の前に0.28%の重量減少を示した(
図9C)。
【0336】
他の形態は、364℃で融解する直前まで加熱される際に、形態9に変換されるようであった。このことは形態1および2について確認された。
【0337】
形態9のDVS走査図は、相対湿度90%で吸水率0.8%を示した。形態9はDVS走査の前後で形態を変化させなかった(
図9D)。
【0338】
(表23)形態9を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0339】
(表24)形態9のXRDピーク
【0340】
K. 形態10および10
*
形態10および10
*を生成した実験を以下の表25に示す。形態10および10
*のXRD走査図を取得した(それぞれ
図10Aおよび
図10D)。形態10のXRDピークを以下の表26に示す。形態10および10
*のDSC走査図も取得し、走査図は複数の吸熱/発熱を、続いて367℃での融解を示した(それぞれ
図10Bおよび
図10E)。
【0341】
形態10および10
*は、非晶質固体(室温および50℃でDMSOおよびDMSO/水により再スラリー化することで得られた)の乾燥により生じた。形態10および10
*はいずれもDMSOに関連している。
【0342】
形態10固体のTGA走査図は100℃の前に0.6%の重量減少を、続いて100℃〜170℃で3.8%の重量減少を、続いて170℃〜260℃で7.1%の重量減少を示した(
図10C)。
【0343】
(表25)形態10および10
*を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0344】
(表26)形態10のXRDピーク
【0345】
L. 形態11および11
*
形態11および11
*を生成した実験を以下の表27に示す。形態11および11
*のXRD走査図を取得した(それぞれ
図11Aおよび
図11D)。形態11および形態11
*のXRDピークをそれぞれ以下の表28および表29に示す。形態11および11
*のDSC走査図も取得した(それぞれ
図11Bおよび
図11E)。DSC走査図によれば、固体は複数の吸熱/発熱を示し、最終的に368℃で融解した。両形態のXRDにおいて非晶質ハローが観察された。また、両形態のDSC上での二重発熱は、XRD走査図上で観察された非晶質ハローと関連している可能性がある。
【0346】
形態11および11
*のTGA走査図を取得した(それぞれ
図11Cおよび
図11F)。形態11固体は100℃の前に0.8%の重量減少を、続いて100℃〜249℃で7.0%の重量減少を示した。形態11
*固体は100℃の前に1.0%の重量減少を、続いて250℃の前に7.0%の重量減少を示した。
【0347】
形態11および11
*は、DMFおよびDMF/5%水から室温および50℃で得られた。
【0348】
(表27)形態11および11
*を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0349】
(表28)形態11のXRDピーク
【0350】
(表29)形態11
*のXRDピーク
【0351】
M. 形態13および形態12
形態13および形態12を生成した実験をそれぞれ以下の表30および表32に示す。形態12および13は、1重量%〜約20重量%の水を有する形態1の非化学量論的水和物の例である。形態13および形態12のXRD走査図を取得した(それぞれ
図13Aおよび
図12A)。形態13のXRDピークを以下の表31に示す。形態13および形態12のDSC走査図も取得した(それぞれ
図13Bおよび
図12B)。DSC走査図によれば、形態13固体は50℃〜100℃で広い吸熱を、続いて278℃で小さな発熱を、363℃で融解吸熱を示した。DSC走査図によれば、形態12固体は50℃〜100℃で広い吸熱を、続いて283℃で鋭い発熱を、364℃で融解吸熱を示した。
【0352】
形態13試料の純度は98.8%、未乾燥形態13試料のKFは35.7%であった。形態13固体のDVS走査図は、相対湿度90%で水分吸着率17%を示した(
図13D)。乾燥時に形態13は形態1に変換された。
【0353】
形態13固体のTGA走査図は、100℃の前に1.9%の重量減少を示した(
図13C)。
【0354】
形態13固体をDSC室内で170℃に(50〜100℃での吸熱を超えて)加熱し、次にXRDで走査した。1回目および2回目のXRDおよびDSC走査の比較は、170℃に加熱後に形態13が形態1に変換されたことを示した。50〜100℃での吸熱が結合水によるものであると結論づけることができる。
【0355】
形態13固体をDSC室内で330℃に(約300℃での吸熱/発熱を超えて)加熱し、次にXRDで走査した。1回目および3回目のXRDおよびDSC走査の比較は、170℃に加熱後に形態13が形態9に変換されたことを示した。吸熱/発熱が融解/結晶化現象によるものであると結論づけることができる。
【0356】
(表30)形態13を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0357】
(表31)形態13のXRDピーク
【0358】
(表32)形態12を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0359】
N. 溶媒和物1〜3
溶媒和物1、2、および3を生成した実験を以下の表33に示す。溶媒和物1および2の固体を空気に終夜曝露した後、XRDで分析した。分析後、固体を50℃で減圧乾燥させ、次にXRDで再度分析した。
【0360】
空気に終夜曝露後、溶媒和物1は低結晶化度のものに変換され、50℃で乾燥後、試料はなお低結晶化度の固体であった。空気に終夜曝露後、溶媒和物2のXRDパターンはわずかに変化し、50℃で乾燥後、形態は、固体が空気に終夜曝露されたときと同じままであった。
【0361】
(表33)溶媒和物1〜3を生成した実験の概要
*二元溶媒中の水の量は5%である
【0362】
実施例2:多形形態間の競合的スラリー化実験
異なる形態の間での熱力学的安定性を解明するために、いくつかの競合的スラリー化実験を行った。形態1、形態2、形態2
*、形態3、形態4、形態4
*、形態4
**、形態5、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態11
*、および形態13(各10mg)を溶媒2mL中、室温および50℃の両方で混合およびスラリー化した。固体を3〜5日間スラリー化した後、XRDで分析した。分析データによれば、形態2
*が、MeOH系、EtOH系、およびアセトン系中、室温および50℃の両方で最も安定な形態であった。形態4または4
*が、EA中、室温および50℃で最も安定であった。形態13が、水中、室温および50℃で最も安定であった。表34は、競合的スラリー化実験によるXRD走査結果を示す。
【0363】
(表34)競合的スラリー化実験のXRD走査結果
【0364】
形態13と形態9との間での熱力学的安定性を解明するために、いくつかの競合的スラリー化実験を行った。形態1、形態9、および形態13の固体15mgをトルエン、IPAc、および酢酸n-ブチル1mL中で混合し、室温および50℃で3日間スラリー化した。
【0365】
残留固体をXRDで分析した。3日間のスラリー化の後、形態13と形態9との間でどちらがより安定であったかを言うことは困難であった。当実験のXRD走査結果を以下の表35に示す。
【0366】
(表35)競合的スラリー化実験のXRD走査結果
【0367】
実施例3:組成物試験
式(I)の化合物の0.22mg/mL懸濁液および式(I)の化合物の2.1mg/mL溶液の安定性および薬学的許容性を評価した。
【0368】
A. 安定性試験
1. 式(I)の化合物の2.1mg/mL溶液の調製
式(I)の化合物250mgを小さなジャー/バイアルに加え、オーブン中60℃(55〜65℃)で2時間乾燥させた(ジャー/バイアルをオーブンの壁面に直接接触させずに)。まだ熱いうちに試料を取り出し、バイアルを閉鎖し、室温に平衡化した。
【0369】
キャップおよび攪拌子を収容する空の乾燥した滅菌150mL培地ビンを秤量し、重量を記録した。250mL滅菌容器中に約120mLの75% w/wプロピレングリコール/水(プロピレングリコール90g + 注射用水(WFI)30g)を用意し、該溶液50gを培地ビンに加えた後、1N HCl 400μLおよび式(I)の化合物134mgを加えた。溶解が生じるまで混合物を攪拌および超音波処理した。
【0370】
化合物が完全に溶解しない場合、1N HClの40μLアリコートを加え、続いて10分間攪拌した。溶液が得られるまで、1N HClの40μLアリコートを複数回追加し、続いて各回毎に攪拌した。
【0371】
溶解したときに、式(I)の化合物を含む溶液の重量が60gになるまで75% w/wプロピレングリコール溶液を加えた。得られた溶液を10分間以上攪拌した。無菌技術を使用して、すべての溶液を0.22μm PES滅菌シリンジフィルター(Millex GP)および10mLシリンジにより濾過して100mL滅菌バイアルに入れた。式(I)の化合物の2.1mg/mL溶液(75% PG)を最初に試験し、制御された室温で貯蔵し、1ヶ月間および26ヶ月間の貯蔵後に再度試験した。アッセイ(%)、純度、pH、および外観を含む安定性プロファイルを以下の表36に示す。
【0372】
(表36)制御された室温で貯蔵された式(I)の化合物の2.1mg/mL溶液(75% PG)の安定性プロファイル
【0373】
2. 式(I)の化合物の0.22mg/mL懸濁液の調製
ラミナーフローフード中で、キャップおよび攪拌子を備えた空の乾燥した滅菌500mL培地ビンを秤量した。濾過されたビヒクル(プロピレングリコール溶液)250.0g±0.5gを培地ビンに加えた。式(I)の乾燥化合物(形態1)56.3±0.5mgを培地ビンに加えた。容器を閉鎖し、凝集物が観察されなくなるまで混合物を攪拌および超音波処理して懸濁液を生成した。
【0374】
得られた懸濁液を少なくとも10分間攪拌した。滅菌技術を使用しながら、バイアルを滅菌25〜50mLガラスピペットを使用して充填し、充填手順中に混合を維持した。プロトコルに従ってバイアルをクリンプシールで密封し、ラベリングした。バイアルを122℃で20分間以上オートクレーブで滅菌した。式(I)の化合物の0.22mg/mL懸濁液を最初に分析し、30℃および相対湿度65%で貯蔵し、3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、および12ヶ月間の貯蔵後に再度分析した。pH、アッセイ(%)、不純物%、およびオスモル濃度を含む安定性プロファイルを以下の表37に示す。
【0375】
(表37)30℃/相対湿度65%で貯蔵された式(I)の0.22mg/mL懸濁液の安定性プロファイル
【0376】
上記の結果が示すように、式(I)の化合物の両組成物(すなわち懸濁液および溶液)は薬学的に許容されるものであり、長期間安定である。
【0377】
B. 放出試験
式(I)の化合物の放出特性の操作を、緩衝媒体中で該化合物を複数の粒子として製剤化することで有効成分の溶液からの放出または溶液中への溶解を遅くすることにより行った。
【0378】
加速化インビトロ放出プロファイルを6.5mm、0.4μmポリカーボネートコスタートランスウェル(Corningカタログ番号3413)中で実行した。0.1mg/mLクエン酸中10%プロピレングリコール/1% Tween 80 1mLをウェル中に配置し、式(I)の化合物の2.1mg/mL溶液または0.22mg/mL、5mg/mL、もしくは100mg/mL懸濁液50μLをインサート膜上に配置することで、放出プロファイルを実行した。試料を37℃および回転速度140rpmに設定されたインキュベーター中に配置した。試料(1.0mL)を毎日取り出し、0.1mg/mLクエン酸中10%プロピレングリコール/1% Tween 80の新たな1.0mLアリコートで置き換えた。定量化を外部検量線に対するHPLCを使用して行った。
【0379】
結果をKorsmeyer-Peppas式にフィッティングし、平均溶解時間(MDT)を計算した(表38)。
【0380】
(表38)平均溶解時間
【0381】
実施例4:予備インビトロ試験
A. Wnt経路阻害
1. Sp5アッセイ
式(I)の化合物をWnt活性についてスクリーニングした。スクリーニングアッセイは以下に記載の通りである。ホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現を推進するWnt応答性プロモーターを含むレンチウイルス構築物をがん細胞株(例えば結腸がん)または初代細胞(例えばIEC-6腸細胞)に安定的に形質導入することで、レポーター細胞系を発生させた。
【0382】
SW480結腸がん細胞に、8個のTCF/LEF結合部位の配列からなるヒトSp5プロモーターを有する、ルシフェラーゼを発現するレンチウイルスベクターを形質導入した。Sp5-Lucレポーター遺伝子およびハイグロマイシン耐性遺伝子を安定的に発現するSW480細胞を、ハイグロマイシン150μg/mLで7日間処理することで選択した。これらの安定的に形質導入されたSW480細胞を細胞培養液中で増殖させ、活性のすべてのさらなるスクリーニングに使用した。各化合物をDMSOに10mMストックとして溶解させて、化合物源プレートを用意するために使用した。段階希釈(1:3、10μMから開始する10点用量反応曲線)および化合物移動を、ECHO 550(カリフォルニア州サニーベール、Labcyte)を使用して、384ウェル白色中実底アッセイプレート(Greiner Bio-One)中へ、最終DMSO濃度0.1%に向けて適切にDMSOをバックフィルしながら行った。Sp5-Lucレポーター遺伝子アッセイでは、細胞を、1%ウシ胎仔血清を含む培地を伴う384ウェルプレートに細胞4,000個/ウェルでプレーティングし、37℃および5% CO
2で終夜インキュベートした。インキュベーション後、BrightGlo発光試薬(Promega)20μLを384ウェルアッセイプレートの各ウェルに加えた。プレートをオービタルシェーカー上に2分間配置した後、発光をEnvision(Perkin Elmer)プレートリーダーを使用して定量化した。読取値をDMSOのみで処理された細胞に対して正規化し、正規化された活性を、GraphPad Prism 5.0(またはDotmatics)において利用可能な用量反応ロジスティック(阻害剤)対応答可変勾配(4パラメータ)非線形回帰特徴を使用するEC
50計算に利用した。結果は、式(I)の化合物の濃度の増加に伴ってWnt活性が減少することを示し、EC
50は2nMであった(
図14)。
【0383】
2. インビトロWnt経路阻害
ヒト間葉系幹細胞(MSC)を6ウェルプレート中で軟骨形成誘導培地(Lonza; DMEM、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン-トランスフェリン-セレン[ITSサプリメント]、ゲンタマイシン-アムホテリシン[GA-1000]、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、およびL-グルタミン)にプレーティングし、DMSO中の式(I)の化合物(30nM)または陽性対照としてのTGF-β3(20ng/mL)で処理した。細胞を37℃、5% CO
2で48時間インキュベートした。細胞をペレット化および洗浄し、全RNAをRNeasy Plus Miniキット(Qiagen)を使用して単離および精製した。cDNAを全RNA 1μgからQuantiTect逆転写キット(Qiagen)を使用して合成した。qRT-PCRを、CFX384サーマルサイクラー(Biorad)を使用してQuantiTect SYBR Green PCRキット(Qiagen)および遺伝子特異的プライマーによって行った。転写物を比較Ct法により定量化し、内在性対照、β-アクチン、およびGAPDHに対して正規化した。倍率変化をDMSO処理細胞に対して正規化した。結果は48時間の時点でのWnt遺伝子TCF7、c-Myc、Axin-2、Ascl 2、およびSP5の下方制御を示した(
図15)。
【0384】
B. 軟骨形成誘導
1. ローダミンBおよびナイルレッド染色
ヒトMSCを96ウェルプレート中で軟骨形成誘導培地(Lonza; DMEM、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン-トランスフェリン-セレン[ITSサプリメント]、ゲンタマイシン-アムホテリシン[GA-1000]、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、およびL-グルタミン)にプレーティングし、DMSO中の式(I)の化合物または陽性対照としてのTGFβ3(20ng/mL)で処理した。細胞を37℃、5% CO
2で7日間または21日間インキュベートし、培地を5日毎に交換した。細胞を4%ホルムアルデヒド(Electron Microscopy Sciences)を使用して固定し、2μg/mLローダミンB(Sigma-Aldrich)および20μMナイルレッド(Sigma-Aldrich)で染色した(Johnson et al. (2012) Science 336(6082):717-721)。小結節を531nmでの励起および625nmでの発光により画像化し(倍率10倍で96ウェルプレートについてウェル当たり画像25枚)、CellInsight CX5(Thermo Scientific)を使用して定量化した。各ウェル中の小結節の数を、Excel(Microsoft Inc.)を使用して同じプレート上の6個のDMSO処理ウェルの平均に対して正規化した。各化合物についての6個の複製ウェルの正規化平均(DMSOに対する倍率変化)を計算した。結果は、ナイルレッドで染色された細胞(
図16A)およびローダミンBで染色された細胞(
図16B)中での軟骨形成の用量依存的増加を示した。
【0385】
アッセイの結果は用量依存的軟骨形成を示し、式(I)の化合物の濃度が1.88nMから30nMに増加するに従って軟骨細胞コロニー/ウェルが増加した(
図17)。
【0386】
2. アルシアンブルー染色
ヒトMSCを10cmディッシュ中で軟骨形成誘導培地(Lonza; DMEM、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン-トランスフェリン-セレン[ITSサプリメント]、ゲンタマイシン-アムホテリシン[GA-1000]、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、およびL-グルタミン)にプレーティングし、DMSO中の式(I)の化合物(10nMおよび30nM)または陽性対照としてのTGF-β3(20ng/mL)で処理した。細胞を37℃、5% CO
2で21日間インキュベートし、培地を5日毎に交換した。細胞をペレット化および洗浄し、全RNAをRNeasy Plus Miniキット(Qiagen)を使用して単離および精製した。cDNAを全RNA 1μgからQuantiTect逆転写キット(Qiagen)を使用して合成した。qRT-PCRを、CFX384サーマルサイクラー(Biorad)を使用してQuantiTect SYBR Green PCRキット(Qiagen)および遺伝子特異的プライマーによって行った。転写物を比較Ct法により定量化し、内在性対照、β-アクチン、およびGAPDHに対して正規化した。倍率変化をDMSO処理細胞に対して正規化した。結果は、式(I)の化合物の両試験濃度において、式(I)の化合物が軟骨形成遺伝子発現を上方制御し(
図18A)、骨形成遺伝子発現を下方制御した(
図18B)ことを示した。
【0387】
3. アルシアンブルー、サフラニンO、およびII型コラーゲン染色
ヒトMSCを96ウェルプレート中で軟骨形成誘導培地(Lonza; DMEM、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン-トランスフェリン-セレン[ITSサプリメント]、ゲンタマイシン-アムホテリシン[GA-1000]、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、およびL-グルタミン)にプレーティングし、DMSO中の式(I)の化合物または陽性対照としてのTGFβ3(20ng/mL)で処理した。細胞を37℃、5% CO
2で14日間または21日間インキュベートし、培地を5日毎に交換した。細胞を4%ホルムアルデヒド(Electron Microscopy Sciences)を使用して固定した。アルシアンブルー染色では、細胞を3%酢酸(Sigma-Aldrich)中10mg/mLアルシアンブルー(Sigma-Aldrich)(pH 2.5)と共に30分間インキュベートし、PBSで洗浄し、光学顕微鏡(Life Technologies)を倍率10倍で使用して画像化した。サフラニンO染色では、細胞を蒸留水中0.1%サフラニンO(Sigma-Aldrich)と共に5分間インキュベートし、PBSで洗浄し、光学顕微鏡(Life Technologies)を倍率10倍で使用して画像化した。II型コラーゲン染色では、細胞を3% BSA中一次抗体、PBS中0.3% Triton X-100と共に40℃で終夜インキュベートした。次に細胞を洗浄し、フルオロフォア結合二次抗体およびDAPI(Life Technologies)と共に室温で1時間インキュベートした。細胞を洗浄し、EVOS FL顕微鏡(Life Technologies)を使用して画像化した。結果は、式(I)の化合物で処理された細胞中での軟骨形成量が対照に比べて増加したことを示した。
【0388】
C. プロテアーゼ放出の阻害
ヒトMSCを10cmディッシュ中で軟骨形成誘導培地(Lonza; DMEM、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン-トランスフェリン-セレン[ITSサプリメント]、ゲンタマイシン-アムホテリシン[GA-1000]、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、およびL-グルタミン)にプレーティングし、TGF-β3(20ng/mL)で処理して軟骨形成分化を誘導した。4枚のディッシュからの細胞をプールし、24ウェルプレート中で軟骨形成誘導培地に再プレーティングし、様々な濃度の式(I)の化合物で処理した。4時間後、MMP産生をTNF-α(20ng/mL) + オンコスタチンM(10ng/mL)を加えることで刺激し、細胞を37℃、5% CO
2で72時間インキュベートした。次に細胞をペレット化および洗浄し、全RNAをRNeasy Plus Miniキット(Qiagen)を使用して単離および精製した。cDNAを全RNA 1μgからQuantiTect逆転写キット(Qiagen)を使用して合成した。qRT-PCRを、CFX384サーマルサイクラー(Biorad)を使用してQuantiTect SYBR Green PCRキット(Qiagen)および遺伝子特異的プライマーによって行った。転写物を比較Ct法により定量化し、内在性対照、β-アクチン、およびGAPDHに対して正規化した。倍率変化を非刺激細胞に対して正規化した。結果はプロテアーゼ発現の用量依存的阻害を示した。
図19AはMMP1産生を示す。
図19BはMMP3産生を示す。
図19CはMMP13産生を示す。
【0389】
D. 免疫抑制
1. 初代滑膜軟骨細胞
ヒトMSCを10cmディッシュ中で軟骨形成誘導培地(Lonza; DMEM、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、インスリン-トランスフェリン-セレン[ITSサプリメント]、ゲンタマイシン-アムホテリシン[GA-1000]、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、およびL-グルタミン)にプレーティングし、TGF-β3(20ng/mL)で処理して軟骨形成分化を誘導した。4枚のディッシュからの細胞をプールし、24ウェルプレート中で軟骨形成誘導培地に再プレーティングし、様々な濃度の式(I)の化合物で処理した。4時間後、細胞をTNF-α(20ng/mL) + オンコスタチンM(10ng/mL)またはIL-1β(10ng/mL)を加えることで刺激し、37℃、5% CO
2で72時間インキュベートした。軟骨細胞をパパイン(Sigma)で消化した。GAG含有量をジメチルメチレンブルー(DMMB)キット(Chondrex)を使用して測定した。簡潔に言えば、消化された軟骨細胞とDMMBとをギ酸緩衝液中で混合し、535nmでの吸光度をCytation 3(Biotek)を使用して測定した。一酸化窒素を、Greiss試薬(Promega)を製造者のプロトコルに従って使用して測定した。結果は、式(I)の化合物で処理された細胞が、TNF-αおよびオンコスタチンMで刺激された細胞ならびにIL-1βで刺激された細胞において、分泌GAG(
図20A)および一酸化窒素の放出(
図20B)を減少させたことを示した。
【0390】
2.滑膜線維芽細胞
滑膜線維芽細胞(SW982細胞; ATCC)を10% FBS入りのLeibovitz L-15培地(ATCC)中にて37℃および0% CO
2で培養した。アッセイ開始の24時間前に、培地を1% FBS入りのLeibovitz L-15培地に変更した。式(I)の化合物をDMSOに10mMストックとして溶解させて、化合物源プレートを用意するために使用した。段階希釈(8点用量反応)および化合物移動を、ECHO 550(カリフォルニア州サニーベール、Labcyte)を使用して、96ウェル透明底アッセイプレート(Greiner Bio-One)中へ、最終DMSO濃度0.05%に向けて適切にDMSOをバックフィルしながら行った。滑膜線維芽細胞を細胞2x10e
4個/ウェルでプレーティングし、IL-1β(20ng/ml)で刺激し、37℃で48時間インキュベートした。プレートを遠心分離機中、10,000rpmで1分間回転させ、上清をELISA用に収集した。アッセイ培地を使用して、上清をTNF-αアッセイ用に1:1に希釈し、IL6アッセイ用に1:4に希釈した。ヒトTNF-α ELISA MAX(商標)Deluxe(カタログ番号430204、カリフォルニア州サンジエゴ、Biolegend)およびヒトIL-6 ELISA MAX(商標)Deluxe(カタログ番号430504、カリフォルニア州サンジエゴ、Biolegend)キットを使用してELISAを行った。簡潔にいえば、96ウェルプレートを適切な捕捉抗体で終夜コーティングし、洗浄して過剰な抗体を除去した。ブロッキング緩衝液を加え、1時間インキュベートして非特異的結合を防止した。希釈上清をコーティングプレート中、室温で2時間インキュベートした。洗浄して未結合タンパク質を除去した後、ビオチン化検出抗体を加え、室温で30分間インキュベートし、続いて洗浄して過剰な未結合抗体を除去した。次にアビジン-HRPを加え、室温で30分間インキュベートした。数回洗浄して未結合アビジンHRPを除去した後、TMB基質を加え、プレートをCytation 3プレートリーダー(バーモント州ウィヌースキー、Biotek Inc.)上にて吸光度450nmで読み取り、570nmで補正した。すべての試料を三つ組で処理した。阻害プロファイルおよびEC50をPrism 5(米国カリフォルニア州ラホヤ、GraphPad Software Inc)を使用して計算した。結果は、滑膜線維芽細胞におけるTNF-α(
図21A)およびIL-6(
図21B)産生の両方の用量依存的阻害を示し、EC
50値はそれぞれ約35 nM および約24 nMであった。
【0391】
3.THP1単球
THP-1細胞 (カタログ番号TIB-202、バージニア州マナサス、ATCC)を、100単位/mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン、2-メルカプトエタノール(0.05mM)[基本培地]、および10%ウシ胎仔血清(カタログ番号16140089、カリフォルニア州カールスバッド、Life Technologies)を補充した、1% L-グルタミン、1% HEPES、1%ピルビン酸ナトリウム、2%炭酸水素ナトリウム入りのRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640培地(カタログ番号21870-100、ニューヨーク州バッファロー)中、37℃および5% CO
2で培養し、成長させた。アッセイの開始前に、THP-1細胞を1% FBS入りの基本培地中で24時間培養した。式(I)の化合物をDMSOに10mMストックとして溶解させて、化合物源プレートを用意するために使用した。段階希釈(8点用量反応)および化合物移動を、ECHO 550(カリフォルニア州サニーベール、Labcyte)を使用して、96ウェル透明底アッセイプレート(Greiner Bio-One)中へ、最終DMSO濃度0.05%に向けて適切にDMSOをバックフィルしながら行った。THP-1細胞を、細胞6x10e
4個/ウェルでプレーティングした。TNF-αアッセイ用に、2時間後にLPS 50ng/mLをウェルに加えてサイトカイン産生を誘導し、細胞を37℃で20時間インキュベートした。IL-6アッセイ用に、2時間後にLPS 500ng/mLを加え、細胞を37℃で6時間インキュベートした。プレートを遠心分離機中、10,000rpmで1分間回転させ、上清をELISA用に収集した。アッセイ培地を使用して、上清をTNF-αアッセイ用に1:1に希釈し、IL-6アッセイ用に1:4に希釈した。ヒトTNF-α ELISA MAX(商標)Deluxe(カタログ番号430204、カリフォルニア州サンジエゴ、Biolegend)およびヒトIL-6 ELISA MAX(商標)Deluxe(カタログ番号430504、カリフォルニア州サンジエゴ、Biolegend)キットを使用してELISAを行った。簡潔にいえば、96ウェルプレートを適切な捕捉抗体で終夜コーティングし、洗浄して過剰な抗体を除去した。ブロッキング緩衝液を加え、1時間インキュベートして非特異的結合を防止した。希釈上清をコーティングプレート中、室温で2時間インキュベートした。洗浄して未結合タンパク質を除去した後、ビオチン化検出抗体を加え、室温で30分間インキュベートし、続いて洗浄して過剰な未結合抗体を除去した。次にアビジン-HRPを加え、室温で30分間インキュベートした。数回洗浄して未結合アビジンHRPを除去した後、TMB基質を加え、プレートをCytation 3プレートリーダー(バーモント州ウィヌースキー、Biotek Inc.)上にて吸光度450nmで読み取り、570nmで補正した。すべての試料を三つ組で処理した。阻害プロファイルおよびEC50をPrism 5(米国カリフォルニア州ラホヤ、GraphPad Software Inc)を使用して計算した。結果は、THP-1単球におけるTNF-α(
図22A)およびIL-6(
図22B)産生の両方の用量依存的阻害を示し、EC
50値はそれぞれ約6 nM および約15 nMであった。
【0392】
実施例5:放射標識試験
A. 血漿中濃度および血中最終排出半減期
1. ラットにおける放射標識された式(I)の化合物の単回関節内(IA)注射後の血漿中濃度
Sprague Dawley(SD)ラットにおける単回関節内注射後の式(I)の化合物の血漿中濃度および血漿中分布を、トリチウム標識された(
3H) 式(I)の化合物による放射標識および物質収支試験において調査した。[
3H]-式(I)を、関節内(IA)注射用の0.5%カルボキシメチルセルロース/0.05%ポリソルベート80中懸濁液剤として製剤化し、非標識の式(I)で適切な濃度に希釈し、1μg/膝に等しい用量レベルでラット膝関節に注射した。単回関節内注射後、LCMS法の感受性(LLOQ 0.1ng/mL)よりも50倍高い2pg/gまたはpg/mLという感受性を示す定量的放射化学分析(QRA)によって、ラット血漿中で、経時的(48〜168時間)に低下する低い循環血漿レベル(0.002〜0.075ng-当量/g)が検出された。平均放射能曝露量は低く、0.832〜1.548ng-当量・h/g(AUC
(0-t)およびAUC
(0-inf.))(雄)ならびに1.040〜1.818ng-当量・h/g(AUC
(0-t)およびAUC
(0-inf.))(雌)の範囲であり、T
max値は1〜4時間であり、見かけの血中最終排出半減期は57時間および124時間(それぞれ雄および雌)であった。
【0393】
2. 2箇所の単回関節内注射後の血漿中濃度
トリチウムで放射標識された式(I)の化合物を含む上記懸濁液剤の1μg/膝の2箇所の単回関節内注射を、SDラットの両膝関節において行った。低い循環血漿放射能(0.010〜0.055ng-当量/g)が検出され、2箇所の(両側性の)関節内注射後に単回関節内注射(上記参照)に比べて用量比例的に増加し、48〜168時間で明らかに指数関数的に低下した。
【0394】
B. ラットにおける定量的全身オートラジオグラフィーおよび放射標識された式(I)の化合物の排泄
1. ラットにおける定量的全身オートラジオグラフィー
SDラットにおける1μg/膝での2箇所の関節内注射後、定量的全身オートラジオグラフィー(QWBA)は、総放射能の約75%が胴体全体、糞便、尿、およびケージ洗浄器から回収されたことを示し、オートラジオグラフィー画像は、関節内注射の1時間〜168時間後の時点で、放射能がリンパ節(後肢からリンパを排出する鼠径リンパ節および腰部リンパ節)、小腸および大腸、ならびに糞便に限局され、主要臓器中では無視できる/検出不可能であることを示した。
【0395】
2. 放射標識化合物の排泄
排泄に関しては、排泄された放射能の95%が糞便中で回収され、尿中で回収されたのはわずか5%であった。QWBAのX線画像、ならびに糞便中の放射能の定量化、および尿中での大幅に低い回収率は、[
3H]-式(I)が、腰部および鼠径のリンパ管およびリンパ節でのリンパ排出によって、かつ、緩徐に代謝される生体異物の主要な除去経路である緩徐で受動的な糞便排泄と一致した機序で小腸および大腸ならびに盲腸を通じて、除去されるという仮説を裏づけている。この過程中に、放射標識[
3H]-式(I)は分解され、糞便中では親物質の約1.5%しか検出されなかった。
【0396】
C. 膝関節中での式(I)の放射標識化合物の残留
1. ウサギ膝関節
ウサギでは、4μg/膝(中間臨床量70μg/膝に対応)での両膝における2箇所の単回関節内注射の後で、投与された放射能の75%が1時間〜168時間後に膝において回収された。これはSDラット膝関節における回収率と一致している。ウサギ膝関節ミクロオートラジオグラフィーは、関節内注射後に放射能が、体液で満たされた滑液腔および滑液包に限局され、半月板ならびに大腿骨頭部および脛骨頭部を包囲したことを示した。
【0397】
2. ラット膝関節
SDラットにおける1μg/膝での2箇所の関節内注射の後、後肢を切除し、関節内注射後の異なる時点、すなわち1時間、4時間、12時間、24時間、48時間、96時間、および168時間の時点での膝関節全体中での放射標識[
3H]-式(I)の定量化用に可溶化した。これらの同じ動物をQWBA実験(上記)に使用した。膝関節回収率は、関節内注射の1時間後直ちに〜168時間(1週間)後に、投与された放射能の約60〜85%が各膝関節中で回収されたことを示した。1時間〜168時間において得られた値が変動したのは、QWBAに同じ動物を使用したこと、および可溶化のために動物全身から膝を不完全に切除したことが理由であったが、概して上記のウサギ膝関節中での回収値と一致している(上記参照)。
【0398】
さらなる時点(14〜180日目)で、QWBAに使用しなかった異なる動物から収集したところ、後肢AおよびBの間でより一致した回収率が得られた。可溶化膝関節中での[
3H]-式(I)の定量化は、膝関節中で[
3H]-式(I)が漸進的に減少したことを示し、14日目、30日目、60日目、および90日目の膝当たりの平均値は投与量のそれぞれ64%、54%、42%、および38%であった。180日目には投与量の約6.6%しか検出されなかった。
【0399】
同時に行った実験で放射標識[
3H]-式(I)の安定性および放射化学的純度(RCP)を決定した。この実験では、放射標識[3
H]-式(I)の製剤を37℃でインキュベートし、アリコートの放射化学的純度(RCP)を経時的に分析し、約95.5%(0日目、7日目、14日目、および30日目)、94.5%(60日目)、93%(90日目)、および83%(180日目)であると決定した。X線画像を得て、式(I)の化合物が180日目に膝関節腔内でなお検出可能であったことを示した。
【0400】
D. ラット膝関節中での半減期
SDラットの膝関節中での[
3H]-式(I)の半減期(T
1/2)を、14日目〜180日目にラット後肢(膝関節)中で回収された放射能の値を使用して計算した: 消失速度定数K
e 0.01342でT
1/2 = 51.64日(14日目〜180日目のすべての時点を含む)、および消失速度定数K
e 0.00687でT
1/2 = 100.9日(14日目〜90日目の時点のみ、但し180日目を除外する)。
【0401】
実施例6:予備インビボ動物試験
ラットおよびイヌにおいて、血漿ならびに膝関節(軟骨および骨)中での式(I)の化合物の単回関節内(IA)注射後の薬物動態プロファイル、安全性プロファイル、組織分布、および軟骨再生を決定した。式(I)の化合物(形態1)を、PBS中0.5% CMC/0.05%ポリソルベート80中の懸濁液組成物として製剤化した。
【0402】
A. イヌの薬物動態
上記のように製剤化されかつ3および30μg/膝に相当する、式(I)の化合物(形態1)の350μL懸濁液を、12匹の未処置雄ビーグル犬の右膝および左膝に関節内(IA)注射した。1日目に、血液を関節内注射の直後15分の時点で採取し、45日目、91日目、および179日目にイヌを屠殺し、血液試料および膝関節を採取した。血漿中濃度ならびに組織中濃度(骨、軟骨、および滑液)を、血漿中2.00〜1000ng/mLまたは組織中5.00〜5000ng/gのダイナミックレンジでHPLC-MS/MS生化学分析法を使用して決定した。
【0403】
(表39)イヌにおける式(I)の化合物の薬物動態
【0404】
すべての血漿試料は、3μg/膝投与群または30μg/膝投与群のいずれにおいても、投与15分後の時点で定量限界(BQL<2.00ng/mL)未満の式(I)の化合物の濃度を示した。軟骨組織、骨組織、および滑液組織中濃度の平均値、ならびに総回収量を計算し、採取時間に対してプロットした。脛骨由来の軟骨組織および骨組織から回収された式(I)の化合物の総量は、3μg/膝(第1群、低用量)動物において45日目、91日目、および179日目でそれぞれ投与された用量の5.1%、0.55%、および2.5%に相当する152ng、16.6ng、および79.0ngであり、一方、式(I)の化合物の総量は、30μg/膝(第2群、高用量)動物において45日目、91日目、および179日目でそれぞれ投与された用量の16.8%、7.25%、および7.03%に相当する5057ng、2248ng、および2109ngであった。
【0405】
投与15分後の採取期間での式(I)の化合物の定量可能な血漿中濃度の欠如が証明するように、イヌにおける30μg/膝以下の投与量での式(I)の化合物の急性関節内投与は、測定可能な全身曝露を生じさせなかった。179日目の終わりに、式(I)の化合物は軟骨中および骨中で、投与された用量の約2.6%〜7.0%でなお検出可能であった。これは、式(I)の化合物が作用部位に長期間滞留可能であることを示している。本試験において死亡例は存在せず、すべての動物は肉体的に健康なままであり、イヌにおいて式(I)の化合物の関節内投与による有害作用は認められなかった。
【0406】
B. ラットの薬物動態
ラットにおける式(I)の化合物の薬物動態を試験した。3匹のSprague Dawleyラットにそれぞれ、式(I)の化合物(形態1)の懸濁液組成物を0.3、1、3、および9μg/膝での単回関節内(IA)注射(膝当たり1回の関節内注射)により注射した。血漿を1日目の投与15分後に最初に採取し、膝関節を関節内投与後30日目、90日目、および180日目に採取した。膝関節由来の骨組織および軟骨組織を分離し、濃度を解析した。本化合物は、180日間を超えて目標濃度レベル(約30nM、目的の臨床治療量)を超えて膝関節に保持され、血漿中ではすべての時点で検出不可能であった。表40に示すこれらの結果は、式(I)の化合物が持続的な局所曝露を有し、全身曝露を有さなかったことを示す。
【0407】
(表40)ラットにおける式(I)の化合物の薬物動態
BQL = 定量限界未満。QL = 定量限界 = 血漿および組織(軟骨または骨)中5ng/mL
【0408】
C. イヌにおける毒性(安全性)試験
イヌにおける式(I)の化合物の形態1の局所毒性を試験した。式(I)の化合物(形態1)をビーグル犬において懸濁液組成物として単回または複数回(9回)関節内(IA)注射によって投与した。
【0409】
関節内注射後、右後膝関節を炎症、軟骨の健康状態、骨密度などについて組織学的に評価した。単回または複数回(3回もしくは9回を月1度)関節内注射の直後に毒性を評価した。イヌの右大腿脛骨関節(後膝関節)中での式(I)の化合物0.07、1.75、および35mgの単回関節内注射の後、高用量動物の注射部位における滑膜組織および関節外組織中での局所炎症応答を除いては、骨中および軟骨中で病理組織学的有害作用は観察されなかった。本試験における式(I)の化合物の有害作用無観察レベル(NOAEL)は中間用量1.75mg/膝であった。
【0410】
イヌにおける反復投与毒性試験では、注射1回当たり12、36、または116μg/膝での式(I)の化合物の月1度の関節内注射後の所見は、3ヶ月および9ヶ月の投与間隔(それぞれ3度および9度の反復注射を伴う)の終わりでの注射部位(右後膝関節)における滑膜組織および/または関節周囲組織中での肉芽腫性炎症に限定され、3ヶ月処置動物および9ヶ月処置動物においては4週間の無処置期間後に完全回復および部分回復が見られた。本試験における式(I)の化合物のNOAELは116μg/膝であると考えられた。単回投与および反復投与の両方の月1度の関節内毒性試験では、体重、ECG、および臨床病態に対する効果がなかったこと、ならびに標的臓器がなかったことにより証明されるように、すべての時点で測定可能な全身曝露は存在せず(検出下限(LLOQ)0.1ng/mLですべて定量限界未満(BQL)であった)、全身毒性は観察されなかった。
【0411】
D. 式(I)の化合物の懸濁液組成物の有効性
軟骨の厚さの増加に対する式(I)の化合物の有効性を、前十字靱帯切除(ACLT)と内側半月板切除(MMx)との組み合わせを経たラットにおいて決定した。
【0412】
雌ラット(10〜12週齢)を前十字靱帯、内側側副靱帯、および内側半月脛骨靭帯の外科的切除(ACLT+pMMx)に供した。手術の1週間後、軟骨を変性させた後で、ラットに単回量(0.1μgまたは0.3μgまたは1μg)の式(I)の化合物の懸濁液を関節内(IA)注射した。注射後30日目、60日目、および90日目に関節の軟骨、骨、および血漿を単離した。これらの組織から化合物をアセトニトリル-メタノール(70:30)を使用して抽出し、濃度についてLC-MSを使用して解析した。
【0413】
手術の13週間後(関節内注射の12週間後)、膝を単離し、10%ホルマリンに固定し、脱灰し、パラフィンに包埋し、切片にした。切片をサフラニンO-ファストグリーンで染色し、2名の盲検観察者がOARSIスコアリングシステムに基づいて組織学的に評価した(Pritzker et al. (2006) Osteoarthr. Cartil. 14:13-29)。OARSIスコアによって軟骨基質損失、亀裂、肋軟骨下骨リモデリング、および骨嚢胞形成が測定される。式(I)の化合物の単回関節内注射の後に、軟骨の厚さの増加、亀裂の減少、および肋軟骨下骨リモデリングが観察された。
図23Aは、対照ラット膝の12週間後のサフラニンO染色切片を示す。
図23Bは、対照膝に比べて改善された軟骨を示す、式(I)の化合物0.3μgで処置された膝の、12週間後のサフラニンO染色切片を示す。OARSI合計スコアの用量依存的減少(対ビヒクル)が示された。これは軟骨の全体的健康状態の改善を示している。結果を以下の表41に示す。
【0414】
(表41)ラット膝からのサフラニンO染色切片のOARSIスコア
【0415】
E. 式(I)の化合物の溶液組成物と比べての懸濁液組成物の有効性
ラット変形性関節症(OA)モデルにおける、式(I)の化合物の溶液組成物と比べての、式(I)の化合物(形態1)の懸濁液組成物の有効性を、式(I)の化合物(形態1)の溶液(最終関節内用量3μg溶液)ならびに0.1μgおよび0.3μg懸濁液組成物を使用して決定した。
【0416】
既に公開された方法に記載のACLTおよびpMMx切除によって、10週齢雄ラットの右膝関節中で変形性関節症を外科的に誘導した(Hayami et al. (2006) Bone 38:234-243)。ラットを式(I)の化合物の最終用量レベル0.1μgもしくは0.3μgの懸濁液または3μgの溶液で処置した。読取値は膝関節の整合性に関する組織学スコアとした。結果は、0.3μg懸濁液での処置が3ヶ月の時点で有意な差を示したこと; 0.1μg懸濁液での処置が3ヶ月の時点で有益な効果(対ビヒクル)を示したが、統計的有意差には到達しなかったこと; 3μg溶液での処置が2ヶ月の時点で有益な効果(対ビヒクル)を示したが、統計的有意差には到達しなかったことを示した。
【0417】
実施例6:臨床試験
A. 初期臨床試験
21名の対象を変形性関節症の処置に関する臨床試験の第1のコホートに登録した。すべての対象は処置後に最低12週間の経過観察を終えた。本試験は、中程度〜重度の症候性の膝OAに罹患した対象におけるファースト・イン・ヒューマン多施設プラセボ対照単回投与用量漸増安全性試験であった。対象を、1重量%〜約20重量%の水を有する形態Iの非化学量論的水和物の懸濁液またはプラセボの超音波ガイド下単回関節内注射により処置した。
【0418】
10mMリン酸塩緩衝食塩水(pH 7.4)中0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.05%ポリソルベート80に懸濁した式(I)の化合物を含む単回注射用組成物を調製した。本試験では、注射液2mL当たり0.03〜0.230mgの投与量の式(I)の化合物を投与した。
【0419】
対象を以下の一次評価および二次評価を使用して評価した。
【0420】
一次評価
1. 中程度〜重度の症候性の変形性関節症(OA)対象の標的膝関節に関節内注射により投与される治療用組成物の安全性および耐容性の評価。これは以下を含んだ:
a) 処置中に発生した有害事象(AE)のモニタリング;
b) 骨バイオマーカー(軟骨オリゴマー基質タンパク質[COMP]、I型プロコラーゲンのN末端プロペプチド[PINP]、およびβ-C末端テロペプチド[β-CTX])を、4週目および12週目に両膝関節のコンピュータ断層撮影(CT)により測定し、12週目に試験薬注射後に測定することで、ベースラインとの比較で骨量減少を評価すること; ならびに
c) 骨髄浮腫を12週目に核磁気共鳴画像法(MRI)によってベースラインとの比較で評価すること。
2. 1日目、2日目、4日目、および12日目の本試験の条件下での式(I)の化合物の薬物動態(PK)挙動の評価。
【0421】
二次評価
以下を含む、治療用組成物による処置に対する臨床応答の評価:
a) 1週目、2週目、4週目、8週目、および12週目に評価される疼痛視覚的アナログスケール(VAS)のベースラインからの変化;
b) 1週目、2週目、4週目、8週目、および12週目に評価されるウエスタンオンタリオ大学・マクマスター大学関節炎指数(WOMAC)のベースラインからの変化;
c) 1週目、2週目、4週目、8週目、および12週目にWOMAC疼痛サブスケールにより評価されるベースラインOA疼痛からの変化;
d) 1週目、2週目、4週目、8週目、および12週目に疾患活動性の医師総合評価により評価されるベースラインOAからの変化;
e) 12週目にMRIにより記録される、標的膝関節の区画中での軟骨の量および厚さの合計のベースラインからの変化;
f) 4週目および12週目の、軟骨の合成または分解を示す同化または異化バイオマーカー(軟骨オリゴマー基質タンパク質[COMP]、I型プロコラーゲンのN末端プロペプチド[PINP]、およびβ-C末端テロペプチド[β-CTX])のベースラインからの変化;
g) 4週目および12週目の炎症に関連するサイトカイン(インターロイキン[IL]1b、IL6、IL8、腫瘍壊死因子(TNF)、およびインターフェロンα[IFNα])の血漿レベルのベースラインからの変化; ならびに
h) ベースライン時および12週目に標的膝のMRIスキャンにより記録される、骨髄浮腫のベースラインからの変化。
【0422】
患者の代表的セットからのデータを以下の表42に示す。
【0423】
(表42)代表的結果
【0424】
本試験のデータは以下の相関を示した。
1) 処置群における軟骨の幅の合計ベースライン測定値と12週目の軟骨の幅の合計値の変化との相関は、軽度の負の相関である-0.20であった(ベースラインにおける軟骨の幅が大きいほど、12週目の軟骨の変化が小さかった)。
2) 処置群における軟骨の幅の合計ベースライン測定値と12週目のWOMACの変化との相関は、軽度の負の相関である-0.31であった(ベースラインにおける軟骨の幅が大きいほど、12週目のWOMACの変化が小さかった)。
3) 処置群における12週目の軟骨の幅の合計値の変化と12週目のWOMACの変化との相関は、中程度の負の相関である-0.41であった(軟骨が成長するほど、12週目のWOMAC合計スコアが小さかった)。
【0425】
B. 第1相臨床試験
中程度〜重度の症候性のOA対象の標的膝関節に関節内注射により投与される式(I)の化合物(形態1)の安全性および耐容性を評価するために、第1相試験を行った。
【0426】
本試験は、中程度〜重度の症候性の膝OAに罹患した対象におけるWnt経路阻害剤のファースト・イン・ヒューマン多施設24週間プラセボ対照単回投与用量漸増安全性試験であった。標本サイズは投与コホート当たり20名の対象(無作為化4:1、有効成分16名:プラセボ4名)とした。選択基準は、年齢50〜75歳; ウエスタンオンタリオ大学・マクマスター大学関節炎指数(WOMAC)合計スコア36〜72(96中); Kellgren-Lawrenceグレード2または3; および疼痛評価の前の24時間疼痛薬を控える意思を含んだ。除外基準は、BMI 40超; および注射前2ヶ月以内の関節内ステロイドによる処置、または注射前6ヶ月以内のHA誘導体による処置を含んだ。本試験の選択基準および除外基準の完全なリストはclinicaltrials.gov (NCT02095548)に見ることができる。
【0427】
投与順序は、pH 7.4リン酸緩衝食塩水中に0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.05%ポリソルベート80を含むビヒクル中の、注射液2mL当たり0.03mg、0.07mg、または0.23mgの式(I)の化合物(形態1)の懸濁液組成物を含んだ。プラセボは、pH 7.4リン酸緩衝食塩水中0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.05%ポリソルベート80の希釈液のみを含んだ。対象は、処置1日目に標的の膝に単回関節内注射が与えられ、24週間の経過観察期間に関与した。
【0428】
安全性、薬物動態(PK)、バイオマーカー、および有効性のデータをベースライン時および24週間の経過観察期間中に収集した。安全性データは有害事象(AE)、併用薬物、臨床検査サンプリング、病歴、バイタルサイン、ECG、寛骨密度(DXA)解析、標的膝のqCT、およびMRIによる骨浮腫の評価を含んだ。PKデータに関しては、試料を投与0時間後、4時間後、および24時間後、ならびに4週目および12週目に採取した。バイオマーカーデータは、1型プロコラーゲンN-プロペプチド(P1NP)、1型コラーゲンのβ-C末端テロペプチド(βCTX)、および軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)に関するデータを含んだ。有効性データは、WOMAC合計スコア、WOMAC機能サブスコア、およびWOMAC疼痛サブスコアの測定値、疼痛VAS、疾患活動性の医師総合評価、MRI、ならびに放射線画像を含んだ。有効性評価を使用することで「厳密な」OMERACT-OARSIレスポンダーの割合を決定した。治療企図(ITT)集団においてベースライン調整反復測定共分散分析(ANCOVA)を使用して有効性成績の探索的解析を行った。スポンサーは各コホートについて12週目の後に非盲検とし、施設試験責任者は盲検のままとした。本試験において報告されたすべてのAEは、試験薬に関連すると考えられた。AEが式(I)の化合物に関連したか否かに関する試験責任者の見解も情報目的で収集した。
【0429】
表43は、3つの投与コホートおよびプラセボ群の対象特性を示す。
【0430】
(表43)臨床試験の対象特性
【0431】
表44は、3つの投与コホートおよびプラセボの安全性データを示す。
【0432】
(表44)安全性
*標的膝の疼痛の増加(DLT)ならびに発作性頻拍の増加(DLTおよびSAE)
【0433】
表45は、3つの投与コホートおよびプラセボの有害作用報告を示す。
【0434】
(表45)有害作用報告
【0435】
薬物動態
PK試料を投与0時間後、4時間後、および24時間後、ならびに4週目および12週目に採取した。コホート1、2、および3におけるすべての対象は、記録されたすべての時点で定量限界(BQL<0.100ng/mL)未満のレベルを示した。
【0436】
バイオマーカー
バイオマーカーデータは、12週目に0.07mgコホートにおいて軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)の有意な減少を示した(130.13ng/mL、P=0.001)。0.03mgコホート、0.23mgコホート、もしくはプラセボ群におけるCOMPの有意な変化、またはいずれかの処置群もしくはプラセボ群におけるβCTXもしくはP1NPの有意な変化は存在しなかった。
【0437】
WOMAC合計スコア[0〜96]
週単位の時間の関数としてのWOMAC合計スコア平均値、および週単位の時間の関数としてのWOMAC合計スコア中央値を、それぞれ
図24Aおよび
図24Bに示す。
図24Aは、0.03mg投与コホート(プロット100)、0.07mg投与コホート(プロット102)、0.23mg投与コホート(プロット104)、およびプラセボ(プロット106)における時間の関数としてのWOMAC合計スコア平均値を示す。すべてのコホートおよびプラセボ群は、WOMAC合計スコアのベースラインからの約23以上の減少を示し、0.07mg投与コホート(プロット102)は約27と最大の減少を示した。
【0438】
図24Bは、0.03mg投与コホート(プロット108)、0.07mg投与コホート(プロット110)、0.23mg投与コホート(プロット112)、およびプラセボ(プロット114)における時間の関数としてのWOMAC合計スコア中央値を示す。0.03mg投与コホート(プロット108)および0.07mg投与コホート(プロット110)はそれぞれ、WOMAC合計スコアのベースラインからの25超の減少を示し、一方、プラセボ群(プロット114)は約15という中程度の減少を示した。
【0439】
表46は、3つの投与コホートおよびプラセボ群のWOMAC機能スコアを示す。
【0440】
(表46)WOMAC機能スコア[0〜68]
【0441】
表47は、3つの投与コホートおよびプラセボ群のWOMAC疼痛スコアを示す。
【0442】
(表47)WOMAC疼痛スコア[0〜20]
【0443】
疾患活動性の医師総合評価[0〜100]
週単位の時間の関数としての医師総合評価スコア平均値、および週単位の時間の関数としての医師総合評価スコア中央値を、それぞれ
図25Aおよび
図25Bに示す。
図25Aは、0.03mg投与コホート(プロット200)、0.07mg投与コホート(プロット202)、0.23mg投与コホート(プロット204)、およびプラセボ(プロット206)における時間の関数としての医師総合評価スコア平均値を示す。プラセボ群を除くすべてのコホートは、医師総合評価スコア平均値のベースラインからの約30以上の減少を示した。
【0444】
図25Bは、0.03mg投与コホート(プロット208)、0.07mg投与コホート(プロット210)、0.23mg投与コホート(プロット212)、およびプラセボ(プロット214)における時間の関数としての医師総合評価スコア中央値を示す。0.03mgコホート(プロット208)はベースラインからの約48の中央値減少を示し、一方、プラセボ(プロット214)は約29という最低の中央値減少を示した。
【0445】
厳密なOARSIレスポンダーの割合
厳密なレスポンダーは、WOMAC機能サブスコアの50%以上の改善および対応する機能スコアの20ポイント以上([0〜100]のスケール)の改善を示すこと、またはWOMAC疼痛サブスコアの50%以上の改善および対応する疼痛スコアの20ポイント以上([0〜100]のスケール)の改善を示すことによって分類された。
【0446】
図26は、12週目のプラセボコホート(300)、0.03mgコホート(302)、0.07mgコホート(304)、および0.23mgコホート(306)の厳密なレスポンダーの割合の棒グラフを示す。0.07mgコホートは75%という厳密なレスポンダーの最高の割合を示し、これに比べてプラセボ群は42%であった。
【0447】
考察
第1相試験からの暫定データは、式(I)の化合物の形態1から製剤化された懸濁液のOA対象の膝への単回関節内注射が、安全であり、十分に耐容され、また、疼痛を減少させかつ機能を改善する上で潜在的に有効であることを示唆した。すべての対象は全記録時点で定量限界未満のPKレベルを示した。曝露対象49名中27名(55%)においてAEは報告されなかった。本試験において報告されたすべてのAEは、試験薬に関連すると考えられた。報告した試験責任者が試験薬に関連すると考えたAEは77件中わずか16件(22%)であった。
【0448】
第1相試験は、処置群とプラセボとの間の統計的有意差を確認するには不十分であった。しかし、データは、式(I)の化合物で処置された対象が、プラセボに比べて、厳密なOARSI応答を示す傾向が高かったことを示唆した。12週目に、0.07mgコホートの75%が厳密なOARSI応答を実現し、これに比べてプラセボは42%であった(OR = 4.2、P = 0.081)。
【0449】
C. MRIおよび放射線画像試験
式(I)の化合物(形態1)の安全性および有効性を評価するために核磁気共鳴画像法(MRI)を使用した。安全性評価は、MRIによる骨髄浮腫の評価を含んだ。MRIを使用して、標的膝関節の区画中の軟骨の量および厚さの合計のベースラインからの変化を記録した。第1相試験における画像化結果(安全性および探索成績)は上記の通りである。
【0450】
標準的診断プロトコルを使用して3.0T MRI装置上で16チャネル膝コイルによって膝MRIを得た(分解能0.1〜0.4mm)。MRIスキャンをベースライン来診(試験注射の28日前以降に行われうる)時に収集し、12週目および24週目に再度収集した。スポンサーは各コホートについて12週目の後に非盲検とし、施設試験責任者は盲検のままとした。
【0451】
治療企図(ITT)集団においてベースラインに対して調整された反復測定共分散分析(ANCOVA)を使用して画像化成績の変化の探索的解析を行った。
【0452】
表48は、3つの投与コホートおよびプラセボ群のMRIおよび放射線画像化試験の対象特性を示す。
【0453】
(表48)MRIおよび放射線画像化試験の対象特性
【0454】
骨髄浮腫
安全性評価として、MRIスキャンを使用することで、すべての対象において限局性またはびまん性骨髄浮腫(BME)の存在をモニタリングした。表49は、3つの投与コホートおよびプラセボ群の骨髄浮腫データを示す。
【0455】
(表49)骨髄浮腫(BME)
【0456】
軟骨の厚さ
軟骨で覆われた肋軟骨下骨の上の軟骨の平均厚さを以下の4つの区画について報告した: 大腿骨内側顆部、大腿骨外側顆部、脛骨内側プラトー、および脛骨外側プラトー。
【0457】
図27は膝関節のMRIを示す。軟骨の平均厚さを決定するために、肋軟骨下骨区域(400および404)と関節軟骨面(402および406)との間の軟骨の厚さを、軟骨で覆われた部分(cAB)における数多くの(約400〜2000の)場所において両方向で測定し、平均した。測定は三次元で行った。さらに、軟骨の厚さの最下位1%に関する平均値も、全4区画について報告した。平均厚さの合計および平均最小厚さの合計をいずれも、4つの各区画の観測値を合計することで導出した。
【0458】
表50は、MRIにより測定される、3つの投与コホートおよびプラセボ群の軟骨の平均厚さを示す。
【0459】
(表50)12週目のMRIによる軟骨の平均厚さ
【0460】
表51は、MRIにより測定される、3つの投与コホートおよびプラセボ群の軟骨の平均最小厚さを示す。
【0461】
(表51)12週目のMRIによる軟骨の平均最小厚さ
【0462】
関節腔の幅
標的膝の放射線画像をスクリーニング期間中および24週目に取得することで、関節腔の幅(JSW)のベースラインからの変化を記録した。表52は、放射線画像化により測定される、3つの投与コホートおよびプラセボ群の関節腔の幅を示す。
【0463】
(表52)24週目の放射線画像による関節腔の幅
*p=0.006対プラセボ
【0464】
考察
MRIは、FDAがこの第1相試験における安全性成績として規定した骨髄浮腫(BME)を検査するために利用された主要な方法であった。BMEは、大部分の対象においてベースラインから12週目まで同じままであった。処置群(N=4)およびプラセボ群(N=3)における一部の対象では、BMEは悪化した(無発症から限局性に)。処置群における4名の対象はBME結果の改善を示した(限局性から無発症に、びまん性から限局性に)。これらの暫定BME画像化データは、OA対象の膝への式(I)の化合物の単回関節内注射がプラセボとの比較で目立った効果を示さないようであったことを示唆している。
【0465】
この第1相試験における探索的画像化結果は0.23mgの用量が0.03mgおよび0.07mgの用量よりも有効性が低いことを示唆したが、0.23mgコホートが最高の割合のK-Lグレード3対象からなっていたことに留意すべきである。
【0466】
MRI成績の探索的解析は、処置対象が12週目に軟骨の平均厚さの実質的な低下を示さないようであったことを示唆した。平均値がスキャン分解能の限界に存在することから、記録された測定値の変化はおそらくMRIの信号雑音比のみを反映するものである。軟骨の平均最小厚さの面積は、12週目の0.03mgおよび0.07mgコホートにおける厚さ増加の傾向の可能性を示した。24週目の関節腔の幅のベースラインからの変化を測定する放射線画像は、0.03mgコホートにおいて変化を示さず、0.07mgコホートにおいて増加を示し、0.23mgコホートにおいて減少を示し、プラセボ群はさらに大きい減少を示した。この暫定解析によるMRI安全性成績は、式(I)の化合物の形態1で処置された膝OA対象における骨浮腫の悪化を示さなかった。
【0467】
D. 第II相臨床試験
中程度〜重度の症候性のOA対象の標的膝関節に関節内注射により投与される式(I)の化合物(形態1)の安全性および耐容性を評価するために、第II相試験を行った。
【0468】
本試験は、中程度〜重度の症候性の膝OAに罹患した対象におけるWnt経路阻害剤の安全性、耐容性、および有効性を評価する多施設52週間単回投与プラセボ対照試験であった。標本サイズは投与コホート当たり454名の対象(無作為化3:1、有効成分338名:プラセボ116名)とした。来診はスクリーニング日、処置来診1日目、ならびに経過観察4週目、13週目、26週目、39週目、および52週目を予定した。選択基準は、年齢: 男性および女性40〜80歳; ウエスタンオンタリオ大学・マクマスター大学関節炎指数(WOMAC)合計スコア: 72〜192(240中); Kellgren-Lawrenceグレード: 2または3; および疼痛評価の前の24時間疼痛薬を控える意思を含んだ。除外基準は、BMI 40超; および注射前2ヶ月以内の関節内ステロイドによる処置、または注射前6ヶ月以内のHA誘導体による処置を含んだ。本試験の選択基準および除外基準の完全なリストはclinicaltrials.gov (NCT02536833)に見ることができる。
【0469】
投与順序は、pH 7.4リン酸緩衝食塩水中に0.5%ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび0.05%ポリソルベート80を含むビヒクル中の、注射液2mL当たり0.03mg、0.07mg、または0.23mgの式(I)の化合物(形態1)の懸濁液組成物を含んだ。プラセボはリン酸緩衝食塩水2mLのみを含んだ。対象は、処置1日目に標的の膝に単回関節内注射が与えられ、4週目、13週目、26週目、39週目、および52週目の経過観察に関与した。
【0470】
安全性データおよび有効性データをベースライン時および52週間の経過観察期間中に収集した。安全性データは有害事象(AE)の発生率、重症度、および関連性、病歴、バイタルサインを含んだ。有効性データは、WOMAC合計スコア、WOMAC機能サブスコア、およびWOMAC疼痛サブスコアの測定値、疼痛VAS、疾患活動性の医師総合評価、ならびに放射線画像を含んだ。有効性評価を使用することで「厳密な」OMERACT-OARSIレスポンダーの割合を決定した。治療企図(ITT)、修正治療企図(mITT)、およびパープロトコル(PP)集団セットにおいてベースライン調整反復測定共分散分析(ANCOVA)を使用して有効性成績の探索的解析を行った。WOMAC合計スコア、WOMAC疼痛サブスコア、WOMAC機能サブスコア、患者総合評価、医師総合評価、関節腔の幅(JSW)、および健康関連QOLの研究(HRQOL)のベースラインからの変化である。スポンサーは各コホートについて26週目の後に非盲検とし、施設試験責任者は盲検のままとした。本試験において報告されたすべてのAEは、試験薬に関連すると考えられた。AEが式(I)の化合物に関連したか否かに関する試験責任者の見解も情報目的で収集した。
【0471】
表53は、3つの投与コホートおよびプラセボ群の対象特性を示す。
【0472】
(表53)臨床試験の対象特性
【0473】
他の態様
上記の説明が、添付の特許請求の範囲により定義される本開示の範囲を例示するように意図されており、それを限定するようには意図されていないということを理解すべきである。他の局面、利点、および修正は以下の特許請求の範囲内である。