(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、空気調和装置の運転制御信号を出力するとともに、前記空気調和装置を構成する機器情報を取得する機器制御部と機器通信部とを備えた機器と、端末制御部と、前記機器と通信を行う端末通信部と、端末表示部とを備えた端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記機器制御部から送られる前記機器情報を取得する。
これによれば、端末装置は、機器から機器情報を取得し、登録することができ、これにより、空気調和装置を構成する機器情報を一括して管理することが可能となる。
【0010】
第2の発明は、前記機器通信部は発光部であり、前記端末通信部は、前記機器の前記発光部との可視光通信を行う受光部であり、前記端末装置は、前記機器制御部が前記発光部の発光制御を行うことで、前記発光部から可視光通信により送られる前記機器情報を前記受光部で受信して前記機器情報を取得する。
これによれば、機器と端末装置との通信に可視光通信を用いるようにしているので、容易に機器情報を取得することができ、別個な通信機器を設置する必要がなく、製造コストが増大することもない。
【0011】
第3の発明は、前記機器は、前記空気調和装置のリモコンである。
これによれば、空気調和装置のリモコンから端末装置に機器情報を送信することができる。
【0012】
第4の発明は、前記機器制御部は、前記空気調和装置のリモコンに設けられたリモコン制御部であり、前記発光部は、前記リモコンに設けられたリモコン表示部である。
これによれば、リモコン表示部を明滅発光させることで、端末装置に可視光通信により機器情報を送信することができる。
【0013】
第5の発明は、前記端末装置と通信可能なクラウドサーバと、を備え、前記機器制御部から送られる前記機器情報を取得した前記端末制御部は、取得した前記機器情報を前記クラウドサーバに送り、前記クラウドサーバは、前記機器情報を保存する。
これによれば、端末装置は、機器から機器情報を取得し、登録することができ、この機器情報をクラウドサーバに保存することにより、空気調和装置を構成する機器情報を一括して管理することが可能となり、クラウドサーバに接続可能な使用者の間で機器情報を共有することができる。
【0014】
第6の発明は、前記端末装置は、前記空気調和装置が設置される物件情報が入力可能であり、前記端末装置は、前記物件情報を前記クラウドサーバに送り、前記クラウドサーバは、前記物件情報を前記機器情報と関連付けて保存する。
これによれば、物件情報と機器情報とを関連付けて管理することができるので、1つの物件に設置されている空気調和装置を一括して管理することができる。
【0015】
第7の発明は、前記端末装置は、前記空気調和装置の点検結果を入力可能であり、前記端末装置は、前記点検結果を前記クラウドサーバに送り、前記クラウドサーバは、前記点検結果を前記機器情報と関連付けて保存する。
これによれば、機器情報に対応する点検結果を容易に閲覧することができる。
【0016】
第8の発明は、前記クラウドサーバは、前記端末装置の使用者からアカウント要求を承認した場合にアカウント設定を行い、アカウント設定されている使用者に対して前記クラウドサーバに保存された情報の閲覧を可能にし、前記クラウドサーバは、前記アカウント要求を承認していない場合に仮アカウント設定を行い、仮アカウント設定されている使用者に対して前記クラウドサーバに保存された情報の閲覧の一部を制限する。
これによれば、本アカウントに対して仮アカウントの運用に制限を設けることにより、簡単な閲覧のみを利用したい使用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0017】
第9の発明は、前記機器は、前記空気調和装置の前記機器情報のうち、固有IDを記憶し、記憶された前記固有IDに基づいて管理する。
これによれば、リモコン用メモリに機器の固有ID情報を記憶させることで、制御基板を交換した場合でも、元の固有ID情報に基づいて管理することが可能となる。
【0018】
第10の発明は、前記端末装置は、スマートフォンまたはタブレット端末であり、前記受光部は、前記スマートフォンまたはタブレット端末に搭載されたカメラである。
これによれば、端末装置のカメラを受光部として利用することができるので、端末装置に別個に受光部を設置する必要がなく、設備コストの低減を図ることができる。
【0019】
以下、本発明に係る機器情報管理システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る機器情報管理システムを適用する空気調和装置の実施形態を示す構成図である。
図1に示す空気調和装置1は、室外機10と、複数の室内機20と、機器としてのリモコン30とを備えている。
【0020】
図1に示すように、機器情報管理システムは、空気調和装置1と、端末装置40と、サーバとしてのクラウドサーバ50とを備えている。
本実施形態においては、1台の室外機10に対して複数(本実施形態においては、4台)の室内機20を接続した1つの系統の空気調和装置1が構成されている。
本実施形態においては、1台のリモコン30に対して2台の室外機10が接続され、1台のリモコン30に対して2つの系統の空気調和装置1を管理するように構成されている。
【0021】
リモコン30は、室内の壁面などの設置される箱型の本体31を備えている。本体31の前面には、例えば、液晶表示パネルなどからなるリモコン表示部32が設けられている。リモコン表示部32の下方には、使用者が運転の開始または停止操作、メニュー操作、カーソルキー操作などを行うための複数の操作ボタン33が設けられている。
本体31の前面右下には、例えば、空気調和装置1の運転状態を表示するためのLEDなどからなる表示ランプ34が設けられている。
【0022】
また、端末装置40は、例えば、液晶表示パネルなどからなる端末表示部41を備えている。本実施形態においては、端末装置40としては、例えば、スマートフォンやタブレット端末などが用いられる。なお、端末表示部41は、タッチパネルなどにより構成されており、操作部としても機能するように構成されている。
端末装置40は、リモコン表示部32により発光される光を受光するための受光部としてのカメラ42を備えている。
【0023】
次に、本実施形態の制御構成について説明する。
図2は本実施形態の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、リモコン30は、機器制御部としてのリモコン制御部35を備えている。また、リモコン30の内部には、室内の温度を検出するための室温センサ61が設けられており、リモコン30の内部には、所定の情報を記憶させるためのリモコン用メモリ36が設けられている。
リモコン制御部35は、操作ボタン33による運転の開始操作、冷房運転あるいは暖房運転などの運転切替操作、設定温度操作などの各種操作信号に応じて、リモコン表示部32の表示制御およびリモコン表示部32の明滅制御を行う。また、リモコン制御部35は、室温センサ61による室温の検出値に基づいて、室内機20に運転制御信号を出力するように構成されている。
【0024】
また、室内機20は室内制御部21を備えている。室内制御部21は、リモコン制御部35からの駆動制御信号に基づいて、室内送風ファン22の駆動制御やフラップ23の駆動制御を行うように構成されている。
また、室外機10は室外制御部11を備えている。室内制御部21は、室外制御部11に運転制御信号を出力するように構成されており、室外制御部11は、室内制御部21から送られる運転制御信号および外気温センサ62、冷媒圧力センサ63による検出値に基づいて、圧縮機12の駆動周波数、室外送風ファン13の駆動制御を行うように構成されている。
本実施形態においては、リモコン制御部35は、室内制御部21および室外制御部11による制御を統括して管理するように構成されている。
【0025】
また、室外制御部11は、圧縮機12の駆動周波数情報、外気温センサ62による外気温情報、冷媒圧力センサ63による冷媒圧力情報をリモコン制御部35に送り、リモコン制御部35は、これらの情報をリモコン用メモリ36に逐次記憶させておく。
また、室外制御部11や室内制御部21は、室外機10および室内機20の固有のID情報、具体的には製造時の管理番号や機種名をリモコン制御部35に送り、リモコン制御部35は、これらの情報をリモコン用メモリ36に逐次記憶させておく。ID情報は機器情報として管理される。
【0026】
端末装置40は、端末制御部43を備えている。端末装置40は、所定の情報を記憶させるための端末用メモリ44を備えている。また、端末装置40は、端末通信部45を備えており、端末通信部45により、ネットワークを通じてクラウドサーバ50と通信可能に構成されている。
また、端末装置40は、リモコン30のリモコン表示部32からの光信号をカメラ42が備えているイメージセンサを介して受光することができるように構成されている。
リモコン用メモリ36には、リモコン表示部32から光信号を明滅発光するためのプログラムが記憶されており、リモコン制御部35は、このプログラムを読み込んで実行することにより、リモコン表示部32を明滅発光させてリモコン用メモリ36に記憶されている各種情報を送信することができるように構成されている。
このような発光による送信を行う場合の操作は、例えば、発光による送信を行うための操作ボタン33の押動操作順をあらかじめ設定しておき、使用者が操作ボタン33を設定された順序で押動操作することにより、リモコン制御部35によりリモコン表示部32を制御して明滅発光による送信が行われるようになっている。
【0027】
また、端末制御部43は、リモコン表示部32の発光による送信をカメラ42で受光することで、リモコン表示部32の発光により送信された各種情報を取得することができるように構成されている。
なお、端末用メモリ44には、リモコン表示部32の発光による可視光通信をカメラ42で受光するためのプログラムが記憶されており、端末制御部43は、このプログラムを読み込んで実行することにより、リモコン30から各種情報を取得することができる。このプログラムは、端末装置40として、スマートフォンまたはタブレット端末を用いる場合は、専用アプリケーションをネットワークを介してダウンロードすることで、取得することが可能である。
【0028】
このようなリモコン30のリモコン表示部32により情報を送信する手段としては、例えば、可視光通信と呼ばれる技術が用いられる。
例えば、文献、「イメージセンサ受信型可視光通信技術の開発(Panasonic Technical Journal Vol.61 No.2 Nov.2015)」に開示されている技術が用いられる。このような可視光通信技術は、LED光源を高速明滅させることで、種々の情報を高速で送信することができる可視光通信技術である。具体的には、例えば、LED光源を高速で明滅させることで、128bitの情報を0.3秒で送信することができる。
【0029】
(機器情報登録処理)
次に、端末装置40による機器情報を登録する処理について説明する。
図3は、機器情報を登録する場合における端末装置40の端末表示部41の表示例を示す図である。
使用者は、端末装置40を用いて空気調和装置1の各機器の登録を行う。
図3(a)に示すように、端末装置40の端末表示部41には、リモコン30から送られる機器情報に基づいて、空気調和装置1で用いられている室外機10が表示される。
使用者は、まず、該当する室外機10を指定して、空気調和装置1の室外機10として登録する。続いて、
図3(b)に示すように、使用者は、端末装置40に表示される2台目の室外機10を指定して、空気調和装置1の2台目の室外機10として登録する。
【0030】
次に、
図3(c)端末装置40の端末表示部41には、リモコン30から送られる機器情報に基づいて、空気調和装置1で用いられている室内機20が表示される。
使用者は、該当する室内機20を指定して、空気調和装置1の室内機20として登録する。この動作をすでに登録した室外機10に接続されている各室内機20について、順次登録を行い、
図3(d)に示すように、すべての室内機20について登録を行う。
【0031】
端末装置40は、登録された室外機10および室内機20の機器情報を取得し、これらの機器情報をクラウドサーバ50に送信し、クラウドサーバ50は、機器情報を保存する。
ここで、機器情報としては、例えば、室外機10と室内機20の系統番号、固有ID、機種名、ユニット番号、親機ID、リモコンIDなどがある。
【0032】
(物件情報登録処理)
図4は、物件情報を登録する処理を示す図である。
図4(a)に示すように、機器情報の登録が完了したら、空気調和装置1が設置されている物件の情報を登録する。物件情報としては、例えば、物件名、住所、空気調和装置1の管理者名、電話番号などがある。
使用者は、端末装置40の端末表示部41を操作して物件情報の登録を行う。
図4の上段は、物件情報を新規に登録する場合の例を示している。
図4(b)に示すように、物件情報を新規に登録する場合は、使用者は、端末表示部41の「新規登録」を選択することにより、
図4(c)に示すように、物件の登録画面が表示される。この表示に従い、「管理者の氏名」、「住所」、「電話番号」、「施設名称」を入力する。
この状態で、使用者が「完了」を選択することにより、
図4(d)に示すように、入力した物件情報が表示され、物件情報の登録内容が正しければ、「物件情報登録」を選択することにより、
図4(e)に示すように、物件情報が登録され、物件情報は、クラウドサーバ50に送られ、クラウドサーバ50により機器情報と関連付けて保存される。
【0033】
一方、例えば、すでに登録されている物件に新たな空気調和装置1を設置した場合など、機器情報を既存の物件情報に追加する場合は、使用者は、
図4(f)に示すように、「既存物件情報に追加」を選択する。
これにより、
図4(g)に示すように、すでに登録されている物件情報のリストが表示される。使用者は、リストの中の該当する物件を選択し、確認することにより、
図4(h)に示すように、既存の物件情報に機器情報が関連付けられる。この物件情報および機器情報は、クラウドサーバ50に送られ、クラウドサーバ50により保存される。
【0034】
(点検情報入力処理)
図5は、空気調和装置1の点検情報を入力する処理を示す図である。
図5(a)に示すように、点検情報を入力する場合は、使用者は、「点検入力」を選択する。なお、本実施形態においては、フロン排出抑制法に基づく簡易点検を行う場合の例を示している。
「点検入力」を選択すると、
図5(b)に示すように、すでに登録されている機器情報が端末表示部41に表示され、使用者は点検を行う機器を選択する。
【0035】
機器を選択すると、
図5(c)に示すように、点検内容のリストが端末表示部41に表示され、使用者は、点検の結果を入力する。点検内容としては、例えば、「室内機の熱交換器の霜付き」、「室内機の熱交換器や配管の油のにじみ」、「室内機の異常振動・異常運転音状況」、室外機10の異常振動・異常運転音状況」などがある。なお、これら
図5に示す点検内容は、あくまで一例であって、必要に応じて任意の点検内容を設定することが可能である。
使用者が点検結果を入力して、「保存」を選択して、「確認」すると、
図5(d)に示すように、点検結果は、クラウドサーバ50に送られ、クラウドサーバ50により機器情報と関連付けて保存される。
【0036】
(点検履歴閲覧処理)
図6は、空気調和装置1の点検履歴を閲覧する処理を示す図である。
図6(a)に示すように、使用者は、「点検履歴」を選択すると、
図6(b)に示すように、すでに登録されている機器情報が端末表示部41に表示され、使用者は点検履歴を閲覧したい機器を選択する。
図6(c)に示すように、機器を選択すると、点検履歴の日時のリストが端末表示部41に表示され、使用者は、所望の日時を選択する。
これにより、
図6(d)に示すように、端末表示部41には、選択した機器および日時の点検結果が表示される。
【0037】
(アカウント設定処理)
前述の機器情報、物件情報、点検履歴などを閲覧するためには、使用者にログインを許可するアカウントを設定することが必要となる。
本実施形態においては、アカウント設定は、個々の法人内において、管理するようになっている。すなわち、空気調和装置1を製造する法人、空気調和装置1を販売する法人、空気調和装置1を施工する法人、空気調和装置1の点検・修理を行う法人など、空気調和装置1に関わる法人毎に、それぞれ管理者を設定し、各管理者が各法人に所属する使用者に対してアカウントを設定するようにしている。
このようにアカウント設定を行うことにより、法人は使用者を認識しているので、アカウントの承認がしやすく、管理が容易となるためである。
【0038】
また、本実施形態においては、正式なアカウント(本実施形態においては、本アカウントという)を設定している場合の他に、仮アカウントの設定を行う。仮アカウントは、本アカウントが設定されるまでの間あるいは簡単な閲覧のみを行うなどの場合に設定されるものである。
図7は本アカウントと仮アカウントとの運用状態の例を示す図である。
図7に示すように、本アカウントが設定されている使用者に対しては、各種資料の閲覧、物件情報の閲覧、情報共有のすべてにおいて、運用が可能となる。
これに対して、仮アカウントが設定されている使用者に対しては、各種資料の閲覧は可能であるが、物件情報の閲覧、情報共有については、許可されない。これらはクラウドサーバ50により判断する。なお、仮アカウントの場合には、物件情報の閲覧操作アイコンを表示させないようにすればよい。
このように本アカウントに対して仮アカウントの運用に制限を設けることにより、簡単な閲覧のみを利用したい使用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態においては、リモコン30のリモコン用メモリ36は、空気調和装置1の各機器の固有ID情報を記憶するように構成されている。すなわち、リモコン用メモリ36は、空気調和装置1の機器情報のうち、固有IDを記憶し、リモコン30は、記憶された製造IDに基づいて管理する。
通常は、機器が有する固有ID情報をリモコン30が取得すれば問題はないが、例えば、
図8に示すように1つの室内機20が修理などで制御基板を交換した場合、制御基板のEEPROMに製造ID情報が記憶されているため、固有ID情報が「PID003」から「XXXXXXX」に変わってしまうおそれがある。
本実施形態のように、リモコン用メモリ36に機器の固有ID情報を記憶させることで、制御基板を交換した場合でも、元の固有ID情報に基づいて管理することが可能となる。
【0040】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、機器情報の登録動作について説明する。
図9は機器情報の登録動作を示すフローチャートである。
空気調和装置1の運転を開始した場合(ST1)、リモコン30は操作ボタン33が所定順に操作されたか否かを判断し(ST2)、操作ボタン33が所定順に操作されたと判断した場合には(ST2:YES)、リモコン30は、リモコン表示部32を明滅制御することにより、可視光通信を開始する(ST3)。
端末装置40は、リモコン表示部32の発光による送信をカメラ42で受光することで、リモコン表示部32の発光により送信された各種情報を取得する。
端末装置40は、まず、ID情報を取得し(ST4)、続いて、空気調和装置1を構成するすべての機器情報を取得する(ST5)。
【0041】
そして、端末装置40は、すべての機器情報を取得した場合には(ST5:YES)、取得した機器情報に基づいて室外機10および室内機20を端末表示部41に表示させ、使用者は、端末装置40を操作することにより、機器情報の登録を行う。
機器情報の登録が完了したら、端末装置40は、端末通信部45を介してクラウドサーバ50と通信を行い(ST6)、機器情報をクラウドサーバ50に送る。
クラウドサーバ50は、端末装置40から送られた機器情報をクラウドサーバ50に保存する(ST7)。
【0042】
次に、物件情報の登録動作について説明する。
図10は物件情報の登録動作を示すフローチャートである。
端末装置40は、機器情報の登録が完了したら(ST11)、物件情報の登録画面を端末表示部41に表示させる。
使用者は、機器情報を関連付ける物件情報が、新規の物件情報か既存の物件情報かを選択し、新規の物件情報を登録する場合は(ST12)、使用者が端末装置40により物件情報を入力する(ST13)。
その後、端末装置40は、物件情報を端末通信部45を介して、クラウドサーバ50に送り(ST14)、クラウドサーバ50は、物件情報を機器情報と関連付けて保存する(ST15)。
【0043】
一方、既存の物件情報に登録する場合は、端末装置40の端末表示部41に表示される既存の物件情報を選択し(ST16)、選択された物件情報は、端末通信部45を介してクラウドサーバ50に送り、クラウドサーバ50は、既存の物件情報と機器情報と関連付けて保存する(ST15)。
【0044】
次に、アカウントによる運用動作について説明する。
図11はアカウントによる運用動作を示すフローチャートである。
端末装置40を起動させ(ST21)、使用者がログインした場合(ST22)、クラウドサーバ50は、アカウントが本アカウントか否か判断する(ST23)。
そして、アカウントが本アカウントであると判断した場合(ST23)、端末装置40にアカウントが承認されたことを通知し、端末装置40は、端末表示部41に物件情報の一覧を表示するための操作アイコンを表示させる(ST24)。
アカウントが仮アカウントであると判断した場合、端末装置40に仮アカウントであることを通知し、端末装置40は、端末表示部41に物件情報の一覧を表示するための操作アイコンを表示させないように制御する(ST25)。
【0045】
次に、リモコン30による機器の固有ID情報の管理動作について説明する。
図12は固有ID情報の管理動作を示すフローチャートである。
リモコン30は、室外機10や室内機20の機器番号(n)の固有IDを取得する(ST31)。リモコン制御部35は、取得した固有IDが有効であるか否か判断する(ST32)。
リモコン制御部35は、取得した固有IDが有効であると判断した場合は(ST32:YES)、リモコン用メモリ36に、機器番号と固有IDを記憶し(ST33)、機器番号(n)の固有IDを取得した固有IDで確定する(ST34)。
【0046】
また、取得した固有IDが有効でないと判断した場合は(ST32:NO)、リモコン制御部35は、リモコン用メモリ36に固有IDが記憶されているか否か判断する(ST35)。
そして、リモコン用メモリ36に固有IDが記憶されている場合は(ST35:YES)、機器番号(n)の固有IDをリモコン用メモリ36に記憶されている固有IDで確定する(ST36)。
一方、リモコン用メモリ36に固有IDが記憶されていない場合は(ST35:NO)、機器番号(n)の固有IDを無効な固有IDとして確定する(ST37)。
【0047】
そして、すべての機器の固有IDを取得した場合には、動作は終了し、すべての機器の固有IDを取得していない場合は(ST38:NO)、次の機器番号(n+1)を選択し(ST39)、前述の動作を繰り返して行う。
【0048】
以上述べたように、本実施形態においては、空気調和装置1の運転制御信号を出力するとともに、空気調和装置1を構成する機器情報を取得するリモコン制御部35(機器制御部)とリモコン表示部32(機器通信部)とを備えたリモコン30(機器)と、端末制御部43と、リモコン30と通信を行う端末通信部45と、端末表示部41とを備えた端末装置40と、端末装置40と通信可能なクラウドサーバ50と、を備え、端末装置40は、リモコン制御部35から可視光通信により送られる機器情報を端末通信部45により取得し、端末制御部43は、取得した機器情報をクラウドサーバ50に送り、クラウドサーバ50は、機器情報を保存する。
これによれば、端末装置40は、リモコン30から機器情報を取得し、登録することができ、この機器情報をクラウドサーバ50に保存することにより、空気調和装置1を構成する機器情報を一括して管理することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態においては、端末装置40は、空気調和装置1が設置される物件情報が入力可能であり、端末装置40は、物件情報をクラウドサーバ50に送り、クラウドサーバ50は、物件情報を機器情報と関連付けて保存する。
これによれば、物件情報と機器情報とを関連付けて管理することができるので、1つの物件に設置されている空気調和装置1を一括して管理することができる。
【0050】
また、本実施形態においては、端末装置40は、空気調和装置1の点検結果を入力可能であり、端末装置40は、点検結果をクラウドサーバ50に送り、クラウドサーバ50は、点検結果を機器情報と関連付けて保存する。
これによれば、機器情報に対応する点検結果を容易に閲覧することができる。
【0051】
また、本実施形態においては、クラウドサーバ50は、端末装置40の使用者からアカウント要求を承認した場合にアカウント設定を行い、アカウント設定されている使用者に対してクラウドサーバ50に保存された情報の閲覧を可能にし、クラウドサーバ50は、アカウント要求を承認していない場合に仮アカウント設定を行い、仮アカウント設定されている使用者に対してクラウドサーバ50に保存された情報の閲覧の一部を制限する。
これによれば、このように本アカウントに対して仮アカウントの運用に制限を設けることにより、簡単な閲覧のみを利用したい使用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態においては、リモコン30は、空気調和装置1の機器情報のうち、固有IDを記憶し、記憶された固有IDに基づいて管理する。
これによれば、リモコン用メモリ36に機器の固有ID情報を記憶させることで、制御基板を交換した場合でも、元の固有ID情報に基づいて管理することが可能となる。
【0053】
なお、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記実施形態においては、機器として空気調和装置1のリモコン30を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、発光可能な表示部を備えた機器であれば、いずれの機器にも適用することができる。
【0054】
また、前記実施形態においては、発光部として、リモコン30のリモコン表示部32を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、リモコン30の表示部ランプを発光部として利用するようにしてもよい。また、室内機20の化粧パネル23に設けられ室内機20の運転状態を表示するための表示ランプ34を発光部として用いるようにしてもよい。この場合には、機器制御部として室内制御部21を用いるようにすればよい。
【0055】
また、前記実施形態においては、リモコン30と端末装置40との通信を可視光通信を用いて行う場合の例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を用いて、通信を行うようにしてもよい。
【0056】
また、前記実施形態においては、端末装置40から送られる機器情報をクラウドサーバ50に保存し、クラウドサーバ50に保存された機器情報を端末装置40により閲覧できるように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クラウドサーバ50を用いず、リモコン30から取得した機器情報を端末装置40に保存し、端末装置40により機器情報を一括管理するようにしてもよい。
また、クラウドサーバ50の代わりに、通信可能な記憶装置を用いるようにしてもよい。
【0057】
また、前記実施形態においては、機器制御部として、リモコン制御部35を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、空気調和装置1の室外制御部11、室内制御部21およびリモコン制御部35を統括して管理する統合コントローラが設けられている場合には、この統合コントローラを機器制御部として用いるようにしてもよい。
【0058】
また、前記実施形態においては、端末装置40として、スマートフォンまたはタブレット端末を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クラウドサーバ50との通信が可能な専用の端末装置40を用いるようにしてもよい。この場合は、受光部としてカメラ42ではなく、受光センサを用いるようにしてもよい。
さらに、サーバはクラウドサーバ50でなくても、例えば、機器の管理会社のサーバなど、端末装置40が通信可能であれば、いずれのサーバを用いるようにしてもよい。