(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁基板と、前記絶縁基板に設けられた一対の電極と、前記絶縁基板に設けられて前記一対の電極を電気的に接続する抵抗体と、前記抵抗体を覆う保護層とを有する抵抗器の製造方法であって、
前記抵抗器の抵抗値を測定しつつ、前記抵抗体の表面にレーザ光を照射して複数の無端状のトリミング溝を同心に形成し、
前記トリミング溝の深さおよび前記電極からの距離の少なくとも一方を調整することによって前記抵抗値を所定値になるように調整する、抵抗器の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1Aは、一実施の形態に係る抵抗器の上面図、
図1Bは、
図1AのA−A線に沿った抵抗器の断面図である。なお、理解を容易にするために、図面にはX−Y−Z座標系が示されている。
【0013】
図1Aおよび
図1Bに示す抵抗器10は、いわゆる金属箔チップ抵抗器であって、絶縁基板12と、絶縁基板12上に設けられた抵抗体14と、抵抗体14の表面14a上に間隔をあけて設けられた一対の電極16と、抵抗体14を覆う保護層18とを有する。また、抵抗器10は、電極16を覆う電極メッキ20を有する。
【0014】
絶縁基板12は、本実施の形態の場合、プリプレグや絶縁性の樹脂材料から作製された上面視(Z軸方向視で)矩形状の基板である。抵抗体14は、一対の電極16間を電気的に接続するように方形状に設けられ、CuMn12Ni、CuMn7SnなどのCu系合金箔によって形成されている。一対の電極16は、抵抗体14の表面14aの両端部それぞれに設けられ、Cu材料によって形成されている。保護層18は、少なくとも電極16の一部が露出し、かつ抵抗体14を覆い、ガラスまたはエポキシ樹脂によって形成された絶縁層である。電極メッキ20は、電極16を覆い、Sn−Ni合金などの半田付けしやすい材料によって形成されている。
【0015】
抵抗器10の抵抗値を調整(修正)するために、抵抗体14の表面14aにはトリミング溝30が形成されている。
【0016】
図2は、抵抗体にトリミング溝を形成するためのレーザトリミング装置を概略的に示している。
【0017】
図2に示すように、レーザトリミング装置50は、レーザ発振器52と、ガルバノスキャナ54と、fθレンズ56と、fθレンズ56を移動させるレンズ移動装置58と、レーザトリミング中に抵抗体14の抵抗値を測定する抵抗測定器60とを有する。
【0018】
図2に示すように、レーザ発振器52は、ガルバノスキャナ54に向かってレーザ光(平行光)Lを出射する、例えば、Q−SWパルスレーザによって高いピーク強度が得られ、パルス幅が100ns以下であって、繰り返し周波数が1000kHz以下での発振が可能なパルスレーザ発振器である。本実施の形態の場合、レーザ発振器52から出射されるレーザ光Lの波長は、1064nmである。
【0019】
ガルバノスキャナ54は、内部に2軸のミラーを備え、そのミラーを用いてレーザ発振器52からのレーザ光LをX軸方向およびY方向に走査する。
【0020】
fθレンズ56は、固定治具62に固定された抵抗器10(保護層18と電極メッキ20が形成される前の抵抗器)における抵抗体14の表面14aに、ガルバノスキャナ54からのレーザ光Lを集光するレンズである。fθレンズ56がレンズ移動装置58によって移動されることにより、焦点位置や焦点距離が調節される。本実施の形態の場合、fθレンズ56の焦点距離は160mmである。
【0021】
抵抗測定器60は、抵抗器10の一対の電極16それぞれに接触するプローブ64を備え、抵抗器10の抵抗値を測定するように構成されている。また、抵抗測定器60は、測定した抵抗値が所定値になると、停止信号をレーザ発振器52に送信して該レーザ発振器52のレーザ出射を停止させるように構成されている。レーザの出射を、パルス単位で停止させることができる。
【0022】
次に、抵抗器10の製造手順について説明する。
図3は、抵抗器の製造手順を示すフロー図である。
【0023】
図3に示すように、まず、ステップS1において、バルク基板に抵抗体が貼り付けられる。次に、ステップS2において、抵抗体をパターニングする。続くステップS3において、その抵抗体上に電極を形成してパターニングする。それにより、電極および抵抗体の表面を露出させる。ステップS4において、露出した抵抗体表面に、レーザトリミング装置を用いてトリミング溝を形成し、抵抗値を調整する。ステップS5において、トリミング溝が形成された抵抗体表面に絶縁性の保護層を形成する。ステップS6において、バルク基板を複数のチップにダイシングする。そして、ステップS7において、複数のチップそれぞれの電極上に電極メッキを形成する。これにより、
図1Aおよび
図1Bに示す抵抗器10が作製される。
【0024】
ここからは、
図1Aおよび
図1Bに示すトリミング溝のさらなる詳細について説明する。
【0025】
トリミング溝の形成方法を詳細に説明する。
【0026】
図2に示すように、レーザ発振器52から出射されたレーザ光Lはガルバノスキャナ54によって偏向され、偏向されたレーザ光Lはfθレンズ56を透過して抵抗器10の抵抗体14の表面14a上に照射される。このとき、fθレンズ56を透過したレーザ光Lの焦点は、抵抗体14の表面14a上あるいは表面14aから所定量ずらした位置に調整されており、照射点近傍の抵抗体14が溶融、蒸発することでトリミング溝30が形成される。このトリミング加工は、プローブ64を介して抵抗器10の抵抗値を測定しながら行われる。測定された抵抗値が所定値に達した時点でレーザ照射を停止することにより、抵抗値の調整(修正)が完了する。
【0027】
図4Aおよび
図4Bを参照しながら抵抗値の調整方法を詳細に説明する。
【0028】
図4Aに示すように、抵抗体14の表面14aに略円形状の軌跡でレーザ光Lを照射することにより、深さがΔh1までの略円形状のトリミング溝30を形成する(
図1A参照)。なお、トリミング溝30が略円形状である理由については後述する。
【0029】
深さΔh1のトリミング溝30の形成が完了したときの抵抗値が所定値に達していない場合、
図4Bに示すように、深さΔh2(>Δh1)までトリミング溝30をさらに掘り進める。具体的には、深さΔh1のトリミング溝30を形成したときと同一の軌跡で該トリミング溝30にレーザ光Lを照射する。このようにトリミング溝の深さを調整することにより、抵抗器10の抵抗値を所定値に調整(修正)することができる。なお、最終的な略円形状のトリミング溝30の深さは一様でなくてもよい。すなわち、1周目で略円形状のトリミング溝が形成された後、さらに掘り進めるために行われた2周目のトリミング溝の形成が途中で完了してもよい。
【0030】
なお、略円形状のトリミング溝30の直径を電極16に干渉しない範囲で大きく設定すると、抵抗値を大きく調整することができる(抵抗値の調整可能量が大きくなる)。電極16近傍にトリミング溝30が存在すると、その電極16近傍で抵抗体14が厚み方向に小さくなり、電流の流れが制限を受けるからである。これとは逆に略円形状のトリミング溝30の直径を小さく設定すると、抵抗値を小さく調整することができる、すなわち抵抗値を微調整することができる(抵抗値の調整可能量が小さくなる)。例えば、トリミング溝を形成する前の抵抗値が所定値に近い場合、直径が小さい略円形状のトリミング溝を形成することにより、所定値を越えないように抵抗値を微調整することができる。
【0031】
また、トリミング溝の深さを調整することに加えてまたは代わって、トリミング溝30の電極16からの距離を調整することにより、抵抗値を調整(修正)してもよい。
【0032】
図5Aおよび
図5Bは、トリミング溝の深さ調整とは異なる方法で抵抗値が調整された、すなわち別の抵抗値調整方法が行われた抵抗体の上面図および断面図を示している。
図5Bは、
図5AのB−B線に沿った断面図である。
【0033】
図5Aおよび
図5Bに示す抵抗器110において、抵抗体14の表面14aには、第1のトリミング溝30と第2のトリミング溝32が形成されている。なお、
図1Aおよび
図1Bに示す抵抗器10の構成要素と実質的に同一の構成要素には、同一の符号が付されている。
【0034】
この抵抗器110においては、まず、略円形状の第1のトリミング溝30が形成されている。しかし、第1のトリミング溝30だけでは抵抗値が所定値に達しなかったために、次に、略円形状の第2のトリミング溝32が形成されている。具体的には、第1のトリミング溝30を形成することによって抵抗値を概ね所定値に近づけた後、第1のトリミング溝30に囲まれた抵抗体14の表面14aの領域に、第1のトリミング溝30の直径に比べて小さい直径の第2のトリミング溝32を形成することによって抵抗値を所定値に微調整している。
【0035】
第2のトリミング溝32は、第1のトリミング溝30によって囲まれ、それにより電流の流れが制限されている領域内に、第1のトリミング溝30と同一の深さで形成されている。そのため、第2のトリミング溝32が形成されることによって変化する抵抗値の変化量は小さい。すなわち、N(Nは整数)番目のトリミング溝を、N−1番目に形成されたトリミング溝に囲まれた抵抗体の領域に形成することにより、抵抗値の調整分解能を段階的に向上させることができる。例えば、第1のトリミング溝を形成することによって抵抗値を所定値に比べて2%低い値に粗調整し、その次に第2のトリミング溝を形成することによって抵抗値を所定値に比べて1%低い値に調整し、そして第3のトリミング溝を形成することによって抵抗値を所定値に比べて0.1%低い値に微調整する。
【0036】
なお、
図5Aに示す第1および第2のトリミング溝30、32のように、先に形成された略円形状のトリミング溝に囲まれた抵抗体の領域に次の略円形状のトリミング溝が形成される場合、これらのトリミング溝は、抵抗体の対称性(その内部を流れる電流の経路の対称性)を考慮して同心であるのが好ましい。また、同心に形成された複数のトリミング溝の少なくとも1つについて深さを調整してもよい。さらに、トリミング溝の幅は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、トリミング溝の形成後に保護層18が形成されるので、その保護層の材料がトリミング溝内に入りやすい30μm以上にするのが好ましい。さらにまた、トリミング溝の断面形状(延在方向と直交する断面の形状)は、保護層形成時に先端に気泡が残りやすいV字形状などの鋭角な形状よりも、U字形状などの曲線形状が好ましい。
【0037】
ここからは、抵抗器の抵抗値の調整(修正)のために抵抗体に形成されるトリミング溝が略円形状である理由について説明する。
【0038】
その理由を説明するために、まず、本開示の比較例を挙げる。すなわち、トリミング溝が略円形状ではない比較例を挙げる。
【0039】
図6Aは、比較例1に係る抵抗器(保護層および電極メッキが形成される前の抵抗器)の上面図であって、
図6Bは
図6AのC−C線に沿った抵抗器の断面図であって、
図6Cは
図6AのD−D線に沿った抵抗器の断面図である。また、
図7Aは、比較例2に係る抵抗器(保護層および電極メッキが形成される前の抵抗器)の上面図であって、
図7Bは
図7AのE−E線に沿った抵抗器の断面図であって、
図7Cは
図7AのF−F線に沿った抵抗器の断面図である。なお、
図1Aおよび
図1Bに示す抵抗器10の構成要素と実質的に同一の構成要素には、同一の符号が付されている。
【0040】
図6A〜
図6Cに示す比較例1の抵抗器210と
図7A〜
図7Cに示す比較例2の抵抗器310は、いずれも直線状のトリミング溝34、36が、抵抗体14に形成されている。しかしながら、比較例1の抵抗器210ではトリミング溝34の両端が抵抗体14の端面(Y軸方向の端面)14bまで達しているのに対して、比較例2の抵抗器310ではトリミング溝36の両端が抵抗体14の端面14bまで達していない。
【0041】
比較例1の抵抗器210の場合、
図6Cに示すように、トリミング溝34の両端それぞれは抵抗体14の端面14bに達している。すなわち、トリミング溝34は、その延在方向に壁面を備えていない。そのため、トリミング溝34の形成において、レーザ光によって除去された材料は(レーザ光によって溶融した材料)は、抵抗体14の端面14bから外部に向かって流れるため、
図6Cに示すように、トリミング溝34の両端やレーザ光の照射開始点および照射終了点で盛り上がってドロスを形成しにくい。
【0042】
これに対して、比較例2の抵抗器310の場合、トリミング溝36の両端は、抵抗体14の端面14bに達していない。すなわち、トリミング溝36は、その延在方向の両側に壁面を備える。そのため、比較例1と異なり、レーザ光によって溶融した材料は、抵抗体14の端面14bから外部に向かって流れることができない。その結果、
図7Cに示すように、レーザ光の照射開始点SPおよび照射終了点EPであるトリミング溝36の延在方向の両端に、レーザ光によって溶融した材料が盛り上がり、ドロス40A、40Bが形成される。これらのドロス40A、40Bが高く形成され、後の工程で抵抗体14の表面14a上に形成される絶縁層である保護層18の厚みを越えると、抵抗器310の絶縁不良が発生する。
【0043】
このようなドロスを原因とする抵抗器の絶縁不良の発生を抑制するために、本実施の形態の場合、
図1に示すように、トリミング溝30は略円形状、すなわち無端状に形成されている。無端状のトリミング溝30が高いドロスの発生を抑制することができる理由について、
図8A〜
図8B、
図9A〜
図9B、
図10A〜
図10Bを参照しながら説明する。
【0044】
図8A、
図9A、および
図10Aは、略円形状のトリミング溝が形成中の抵抗器の上面図である。
図8B、
図9B、および
図10Bは、G−G線に沿った断面図、すなわちトリミング溝の延在方向に沿った該トリミング溝の断面図である。
【0045】
図8Aおよび
図8Bは、略円形状のトリミング溝30の形成途中を示しており、レーザ光Lの照射(照射点IP)が照射開始点SPからある程度進んだ状態を示している。
【0046】
図8Aおよび
図8Bに示すように、この段階では、トリミング溝30は円弧状、すなわち有端状である。そのために、照射開始点SP近傍にドロス42Aが発生しているとともに、現在の照射点IP近傍にもドロス42Bが発生している。照射点IPの移動とともに、ドロス42Bも照射点IPの移動方向MA方向に移動する。
【0047】
図9Aおよび
図9Bは、さらに形成が進んだ状態のトリミング溝30を示しており、レーザ光Lの照射(照射点IP)が照射開始点SP近傍まで進んだ状態を示している。
【0048】
図9Aおよび
図9Bに示すように、この段階では、トリミング溝30は、円形状に近いC字形状であるが、まだ有端状である。また、照射点IPとともに移動するドロス42Bは、照射開始点SP近傍のドロス42Aに合流しつつある。
【0049】
照射開始点SPと現在の照射点IPとが一致すると、より好ましくは
図10Aおよび
図10Bに示すように現在の照射点IPが照射開始点SPを通過すると、略円形状のトリミング溝30が完成する、すなわちトリミング溝30が有端状から無端状に移行する。トリミング溝30が無端状になると、照射開始点SPのドロス42Aは、トリミング溝30の延在方向の一方側(照射点IPの移動方向MA)と他方側の両方に流れることができ、それにより、ドロス42Aの高さが減少する。同様に、ドロス42Bの高さも減少する。その結果、ドロス42A、42Bの高さは、後の工程で抵抗体14の表面14a上に形成される保護層(絶縁層)18を越えない高さにされる。例えば、
図10Bに示すように、ドロス42A、42Bは、抵抗体14の表面14aを越えない高さになり、トリミング溝30内に存在する。ドロス42A、42Bが保護層18を越えることが抑制されることにより、抵抗器10の絶縁不良の発生が抑制される。
【0050】
ひとまず略円形状のトリミング溝30の形成が完了すれば、それ以後のトリミング加工(レーザ光の照射)は、抵抗値が所定値なるまで継続される。現在の照射点IPが照射開始点SPに一致するまたは照射開始点SPを越えるためには、略円形状のトリミング溝30の直径および深さと調整可能な抵抗値量との間の対応関係を予め調べておく必要がある(対応関係テーブルを作製しておく必要がある)。トリミング溝の形成が開始される前の抵抗値を所定値に調整するための必要調整量を求め、その必要調整量と対応関係テーブルとに基づいてトリミング溝の直径および深さが決定される。それにより、照射点IPが照射開始点SPに一致するまたは照射開始点SPを越える、すなわち無端状のトリミング溝30を確実に形成することができる。
【0051】
以上、上述の実施の形態によれば、抵抗器について、レーザ光を用いて抵抗体にトリミング溝を形成する際に発生するドロスを原因とする絶縁不良の発生を抑制することができる。
【0052】
なお、トリミング溝の形状は、上述の実施の形態の場合には略円形であるが、無端状であれば略円形に限定されるものではなく、楕円形、オーバル形、多角形などの形状でも、略円形と同様の効果を得ることが可能である。特には、レーザ光の走査時に蓄熱による組成変化や溶融金属による埋め戻しの生じやすい角部を有しない略円形が好ましく、抵抗体が細長い場合など抵抗体の形状によっては、略円形の派生形状として楕円形あるいはオーバル形でも同様の効果が期待できる。さらには、トリミング溝を一対の電極それぞれからの距離が等しい直線対称になるように抵抗体に設けることにより、一対の電極のいずれか一方に近い抵抗体の部分の断面積と他方に近い抵抗体の部分の断面積が異なることがなくなり(抵抗体の異方性がなくなり)、それによって抵抗器は安定した抵抗値を備えることができる。このとき、トリミング溝の電極からの距離によって抵抗値の調整可能量は変わり、距離が小さいほど調整可能量は大きく、距離が大きいほど(すなわち抵抗体の中心に近づくほど)調整可能量は小さくなる。
【0053】
また、レーザ発振器は、上述の実施の形態の場合、Q−SWパルスレーザによって高いピーク強度が得られるパルス幅が100ns以下のパルスレーザ発振器であるが、これに限らない。例えば、パルス幅が50ns以下のQ−SW YAGレーザであってもよい。さらに、パルス幅が50ps以下のピコ秒レーザを用いる場合には、更に高いピーク強度を得ることができ、またトリミング溝加工時に熱伝導に使用される熱が少ないために熱影響を低減することができ、更にドロスを小さくすることができる。
【0054】
レーザ光の波長やfθレンズの焦点距離は、抵抗体の材料や要求される抵抗値の調整精度によって様々に選択される。例えばfθレンズ以外のレンズが使用されてもよい。
【0055】
レーザ光の照射回数は1回に限らず、抵抗値が所定値になるまで複数回レーザ光を照射してもよい。レーザ光の照射回数や照射位置は、抵抗体の形状や材料によって様々に選択される。抵抗体や電極の材料についても、上述の実施の形態に使用した材料に限らず、様々に選択される。
【0056】
さらに、上述の実施の形態の場合、抵抗器において、一対の電極は、絶縁基板上に直接的に設けられておらず、抵抗体上に設けられている、すなわち、間接的に絶縁基板に設けられている。これに代わって、一対の電極は、絶縁基板上に直接的に設けられてもよい。この場合、一対の電極の間に位置するように抵抗体が絶縁基板上に設けられ、その抵抗体が一対の電極を電気的に接続する。
【0057】
さらにまた、上述の実施の形態の場合、抵抗体に形成されるトリミング溝を1つであるが、これに限らず抵抗体に形成されるトリミング溝は複数であってもよい。
【0058】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0059】
また、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。