特許第6982811号(P6982811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シュアファイア メディカル,インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982811
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】閉鎖式先端動的マイクロバルブ保護装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20211206BHJP
   A61M 25/098 20060101ALI20211206BHJP
   A61M 29/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61M25/00 542
   A61M25/098
   A61M29/00
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-82002(P2020-82002)
(22)【出願日】2020年5月7日
(62)【分割の表示】特願2016-558608(P2016-558608)の分割
【原出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2020-127780(P2020-127780A)
(43)【公開日】2020年8月27日
【審査請求日】2020年6月2日
(31)【優先権主張番号】14/259,293
(32)【優先日】2014年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/330,456
(32)【優先日】2014年7月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/970,202
(32)【優先日】2014年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512144911
【氏名又は名称】トライザラス ライフ サイエンシズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ピンチュク
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ イー.チョマス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ベンジャミン ヤロフ
(72)【発明者】
【氏名】アラビンド アレパリー
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−512735(JP,A)
【文献】 特表2006−523515(JP,A)
【文献】 特表2004−520893(JP,A)
【文献】 特開2006−051144(JP,A)
【文献】 特表2001−509413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 25/098
A61M 29/00
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管壁において直径を有する血管内の血管内処置における一時的な使用のための血管内マイクロバルブ装置であって、この血管内マイクロバルブ装置は、
a)近位端及び遠位端を有する、可撓性の外側カテーテルと、
b)オリフィスを有する、近位端及び遠位端を有する、可撓性の内側カテーテルであって、前記内側カテーテルが、前記外側カテーテルを介して且つ前記外側カテーテルに対して長手方向に移動可能に伸張しかつ治療剤の送達のための管腔を形成している、内側カテーテルと、
c)複数の形状記憶フィラメントを備えたフィルタバルブであって、前記フィルタバルブは、近位端を有する近位部と、遠位端を有する遠位部とを有し、前記フィルタバルブの前記近位端は、前記外側カテーテルの前記遠位端に不動に結合されており、前記フィルタバルブの前記遠位端は、前記内側カテーテルの前記遠位端に隣接しかつ前記内側カテーテルの前記遠位端よりも近位にある、前記内側カテーテルに不動に結合されており、前記フィルタバルブの少なくとも前記遠位部は、500μmを超えない、孔径を画定前記フィルタバルブの前記近位部はフィラメント状編組を具備しており、前記遠位部は、フィラメント状編組なしで構成されている、多孔質ポリマー材料の形態のフィルタの被覆を具備する、フィルタバルブと、
d)前記外側カテーテルと前記内側カテーテルを互いに対して長手方向に移動させるように結合されたハンドルであって、前記ハンドルは、前記内側カテーテルの前記管腔に連通している第1の流体ポートを有し、前記ハンドルは、
i)前記内側カテーテルの前記遠位端は、前記外側カテーテルの前記遠位端に対して遠位に前進させられた、第1の形態であって、前記第1の形態において、非展開形態にある、前記血管内マイクロバルブ装置が、前記血管を通して横断させられるのに適した第1の直径を有する先細りした先端を有する、第1の形態と、
ii)前記フィルタバルブが前記第1の直径に対して半径方向に拡張させられかつ前記フィルタバルブの前記遠位部が凸状の遠位面を有する展開形態へ前記フィルタバルブを再構成するように、前記内側カテーテルは、前記第1の形態におけるその位置から、第1の量だけ後退させられた、第2の形態と、
iii)前記フィルタバルブの前記遠位部を前記フィルタバルブの前記近位部に向けて拡張構成へ引いて、前記フィルタバルブの前記遠位部が平坦な又は凹状の遠位面を有し、前記フィルタバルブの前記近位部が平坦な又は凸状の形状を有し、前記血管壁に対してシールするように構成されているように、前記フィルタバルブを再構成するように、前記内側カテーテルは、前記第1の形態におけるその位置から、前記第1の量よりも大きな第2の量だけ後退させられた、第3の形態との間で、前記内側カテーテルと外側カテーテルを互いに対して移動させるように操作可能である、ことを特徴とする血管内マイクロバルブ装置。
【請求項2】
前記フィルタバルブの前記近位部は、第1の数のフィラメント状部から構成される、編組されたフィラメント状構造を具備し、前記フィルタバルブは、前記第1の数よりも少ない第2の数のフィラメント状部の構成を具備する、遠位部を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項3】
記フィルタバルブの前記遠位部は、編組されない螺旋状に巻き付けられたフィラメント状構造を具備する、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項4】
前記フィルタバルブの前記近位部の前記編組されたフィラメント状構造は、第1の数のフィラメントを具備しており、前記フィルタバルブの前記遠位部の前記編組されない螺旋状に巻き付けられたフィラメントは、第2の数のフィラメントを具備しており、前記第1の数は、前記第2の数よりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項5】
前記編組されない螺旋状に巻き付けられたフィラメント状構造は、共通の回転方向において延びている、フィラメントによって基本的に構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項6】
前記編組されない螺旋状に巻き付けられたフィラメント状構造は、時計回り及び反時計回りの回転方向の両方において延びている、フィラメントを具備する、ことを特徴とする請求項3に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項7】
前記編組されない螺旋状に巻き付けられたフィラメント状構造は、前記フィルタバルブが前記非展開形態にある時に、第1の巻き方向に延びているフィラメントを具備し、前記フィルタバルブが前記非展開形態から前記展開形態に移動された時に、前記フィラメントは、前記第1の巻き方向に対して巻き方向を反対にする、ことを特徴とする請求項3に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項8】
前記フィルタの被覆は、前記フィルタバルブの前記近位部にわたって設けられている、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項9】
前記フィルタの被覆は、前記フィルタバルブの上において同質である、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項10】
前記フィルタの被覆は、前記フィルタバルブの上において異質に配設される、ことを特徴とする請求項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項11】
非展開形態において、前記フィルタバルブは、その長さの少なくとも50%を超えて遠位に先細りしており、更に展開形態において、前記フィルタバルブの前記遠位端は、前記フィルタバルブの最大直径を有する、ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項12】
前記展開形態にある前記フィルタバルブは、横長の球状の又は円錐台形の形状を形成する、ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項13】
前記内側カテーテルの前記遠位端は、第1の放射線不透過性マーカを有し、前記外側カテーテルの前記遠位端は、第2の放射線不透過性マーカを有し、更に前記内側カテーテルは、前記第1の放射線不透過性マーカから長手方向に偏倚する、第3の放射線不透過性マーカを具備しており、
前記第1の放射線不透過性マーカと前記第2の放射線不透過性マーカと前記第3の放射線不透過性マーカの相対的位置は、前記フィルタバルブの形態を示す、ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【請求項14】
前記ハンドルは第2の流体ポートを有し、環状空間が前記内側カテーテルと前記外側カテーテルの間に形成されており、かつ前記フィルタバルブの内部に延びており、前記第2の流体ポートは、前記環状空間の中の洗い流し及び/又は潤滑を可能にする、ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の血管内マイクロバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、本明細書においてそれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第8,500,775号及び米国特許第8,696,698号に関連する。
【0002】
本発明は、一般的には、医療塞栓治療を実施するためのバルブ(弁)に係り、特には、標的血管への治療剤の浸透を増加させていて且つ非標的血管への治療剤の逆流を減少させる、バルブに関する。
【背景技術】
【0003】
塞栓形成、化学塞栓及び放射性塞栓療法は多くの場合、例えば多血性肝腫瘍、子宮筋腫、肝臓における二次癌転移等の疾患の範囲の治療、脳における多血性髄膜腫の術前治療及び喀血のための気管支動脈塞栓治療法に対して臨床的に使用される。塞栓剤は、動脈血管系内に設置された、ビーズ(数珠玉)、液体、発泡体又は接着剤等の異なる形態において具現化されてもよい。ビーズは、被覆されなくてもよく、あるいは被覆されもよい。ビーズが被覆される場合、被覆は、化学療法剤、放射線剤又は別の治療剤であってもよい。小さな血管を塞栓形成することが望ましい場合には、小ビーズ寸法(例えば、10μm−100μm)が利用される。より大きな血管を塞栓形成するべき場合には、より大きなビーズ寸法(例えば、100μm−900μm)が一般的に選択される。
【0004】
最小限の又は制限された侵襲性と考えられる、塞栓剤治療法が多くの場合、良好な結果を提供してきたがその一方で、塞栓剤治療法は、有害事象及び罹患率をもたらし得る、非標的塞栓の小さな発生率を有する。注入マイクロカテーテルによる注入は、双方向の流れを可能にする。即ち、塞栓剤を注入するためのマイクロカテーテルの使用は、血液及び注入された塞栓剤が押し戻される(逆流)ことを可能にすることに加えて、血液及び注入された塞栓剤が前方に流れることを可能にする。治療剤の逆流は、周囲の健康な器官に対して非標的性の損傷を引き起こす。介入性腫瘍学塞栓治療方法において、目標は、放射線又は化学療法のいずれかにより癌腫瘍を攻撃することである。治療が最も効果的であり得る、遠位血管系へ治療を送達するために、標的器官の血管ツリー(樹)全体を通しての順方向の流れを維持することが重要である。この問題は、乏血管性腫瘍又は化学療法を受ける、患者において増幅されており、その場合、遅い流れは、投与される治療剤の用量を制限しており、医師が所望の用量を投与する前に、非標的組織への薬剤の逆流が頻繁に発生し得る。
【0005】
血管ツリーの複数の場所における血管内の圧力は、塞栓注入工程中において変化する。当初、圧力は、近位で高く、血管長にわたって減少する。圧力低下が存在する場合には、治療の順流が生じる。もし血管長にわたって圧力低下が存在しない場合には、治療は、下流に流れない。もしカテーテルのオリフィス(開口部)において等の、一箇所においてより高い圧力が存在する場合には、塞栓療法は、より低い圧力に向かう方向において流れる。もし注入カテーテルのオリフィスにおいて発生した圧力が、カテーテルオリフィスに近位の血管の圧力に比べてより大きい場合には、注入された塞栓療法の幾らかの部分は、非標的血管及び非標的器官内へ上流に流れる(逆流)。この現象は、もし注入圧力(カテーテルのオリフィスにおける圧力)が十分に高い場合には、強い順流を有する血管においてさえも発生し得る。
【0006】
塞栓工程の間において、塞栓剤は、遠位血管を詰まらせ、毛細血管系内への流体の流出を遮断する。これは、遠位血管系内の圧力の上昇をもたらす。上昇した圧力により、圧力勾配における減少が存在するので、従って流れは、遠位血管系において遅くなるか又は停止する。塞栓工程の後半において、より大きな血管は、塞栓形成されるようになり、システム(系)全体を通して一定の圧力を実質的に有する、システムが存在するまで、圧力は、近位で上昇する。効果は、より大きな血管においてさえも遅い流れであり、遠位において塞栓剤は、もはや標的(腫瘍)内に進行しない。
【0007】
注入カテーテルによる現在の臨床診療において、医師は、逆流を生じさせない圧力で塞栓を注入することを試みる。これを実施することにおいて、医師は、注入速度(及び注入圧力)を遅くするか、又は完全に注入を停止する。現在の注入カテーテル及び治療技術の臨床的影響は、2通りであり:即ち、低用量の治療塞栓が送達されること、及び標的血管内への遠位浸透が不十分であることである。
【0008】
また、逆流は、時間に敏感な現象であり得る。時には、逆流は、人間の操作者が対応するには速過ぎるような状態で、逆流が急速に(例えば、ミリ秒の時間スケールにおいて)生じる、塞栓剤の注入に応答するように発生する。また、逆流は、瞬間的に発生することが可能であり、その後血管内において順流の一時的な回復が続き、更に単に追加的な逆流が続く。
【0009】
図1は、肝動脈106における従来の(従来技術)塞栓治療を示す。カテーテル101は、標的器官103を塞栓形成する目的で、肝動脈106内に塞栓剤(ビーズ)102を送達する。順流が標的器官103の血管床内に深く塞栓剤102を搬送するように使用されるので、血液の順流(方向矢印107)が、塞栓剤102の注入の間において維持されることが重要である。
【0010】
塞栓剤102は、造影剤の逆流が肝動脈の遠位領域において見えるまで、連続的に注入される。一般的に、塞栓剤102はほとんど直接的に見ることはできないので、造影剤が、塞栓剤102に添加されてもよい。造影剤の添加は、塞栓剤102の逆流の兆候である、造影剤の逆流の可視化(矢印108により示される)を可能にする。逆流は、所望されずに、塞栓剤102を、カテーテル101の先端に近接する、側副動脈105内に送達させてもよい。側副動脈105内の塞栓剤102の存在は、肝臓、胃、小腸、膵臓、胆嚢又は別の器官の別のローブ(突出部)であってもよい、非標的器官104内に非標的塞栓形成をもたらす。
【0011】
塞栓剤の非標的への送達は、人体への重大な望ましくない影響を有してもよい。例えば、肝臓治療において、塞栓剤の非標的送達は、胃及び小腸を含む別の器官に望ましくない影響を有してもよい。子宮筋腫の治療において、塞栓剤の非標的送達は、月経周期の喪失と、受胎能力を減少させても良い微妙な卵巣の損傷と、閉経の早期発症と、幾つかの場合において卵巣の実質的な損傷とをもたらす、一方又は両方の卵巣を塞栓形成してもよい。別の意図されない有害事象は、片側の深い臀部の痛み、臀部壊死及び子宮壊死を含む。
【0012】
多くの場合、介入放射線科医は、塞栓剤をゆっくり放出することにより、及び/又は減少された用量を送達することにより、逆流の量及び影響を軽減することを試みる。追加された時間と、複雑性と、患者及び医師(患者のより長い監視)への増加されたX線被爆量と、減少された有効性の可能性とは、塞栓剤のゆっくりした供給を次善にする。また、用量を減らすことは多くの場合、複数の引き続きの治療の必要性をもたらす。医師が逆流の量を減少させることを試みる場合でさえも、カテーテルの先端における局所的流れの状態は、医師が制御するには過度に速く変化するので、従って迅速な瞬間的な逆流状態は、注入を通して発生可能である。
【0013】
本明細書に前に組み込まれたある特許文献は、注入カテーテルを単独で使用する、注入に関して前に認識された、多くの問題を克服する状態において、治療部位に塞栓剤を注入するためのマイクロバルブ(弁)注入システムを開示する(例えば、特許文献1参照。)。従来技術の図2A及び2Bを参照すると、マイクロバルブ注入システム200は、送達カテーテル204の遠位端に連結された、動的に調整可能なフィルタバルブ(濾過弁)202を具備する。送達カテーテル及びフィルタバルブは、外側カテーテル206内において伸びる。フィルタバルブ202は、フィルタバルブ202が外側カテーテル206から展開される時に、フィラメント(線維)状要素208のその構造により自然にばね付勢されて血管内において自動的に部分的に伸張し、更に塞栓治療剤を濾過するのに適した孔径を有する、ポリマー(重合体)被覆210により被覆される。より具体的には、フィルタバルブ202は、開放遠位端212を有し、送達カテーテル204に対して結合されるので、送達カテーテル204を介して且つ送達カテーテルの遠位オリフィス214から外に注入された塞栓剤は、フィルタバルブの内部216内において流出する。この構造の観点において、注入時に、流体圧力の増加が、フィルタバルブ内において結果的に生じており、流体圧力の増加によりフィルタバルブ202は、開放して、血管を横切って伸び、更にそれにより、注入された塞栓剤の逆流を防止する。更に、流体が、送達カテーテルを介して且つフィルタバルブ内へ加圧されるに従って、血管内の下流圧力は、増大させられており、そのことは、治療のために送達される薬剤の標的組織内への最大の吸収を容易にさせる。また、フィルタバルブは、バルブ周りの局所的圧力に対応しており、そのことにより、バルブは、血管内の血液の実質的に無制限の順流を可能にし、更に血液中に導入される、塞栓剤の逆流(逆行又は逆方向流)を減少させるか又は停止させる。
【0014】
しかし、当該特許文献における装置は、常に有利でなくてもよい、特定の問題を有する。様々な開示された図44において、図示された装置は、曲がりくねって分岐した血管系において追従性(トラッカビリティ)を制限する、大きな遠位直径を有する。折り畳まれた非展開状態の装置の遠位端は、外側カテーテル206の寸法により規定されており、外側カテーテル206の寸法は、フィルタバルブ202を支持する、送達カテーテル204の外径よりも大幅に大きくなることができ、更に血管内の標的位置にマイクロバルブを案内するように使用される、ガイドワイヤ(図示せず)の外径よりも著しく大きくなり得る。従って、より小さな血管の分岐内にフィルタバルブに追従することは、所望の信頼性を有さない。更に、一旦装置が治療位置まで追従されると、フィルタバルブの展開は、フィルタバルブと外側カテーテルとの間の摩擦力が克服されることを必要とする。その様な力を克服することは、フィルタバルブ上のポリマー被覆を潜在的に磨耗し得る。装置の遠位形態の外径が、追従を容易にするであろう状態に、寸法において減少されるように、その様な設計の改良は、当該特許文献に開示される、別の図面において提供される。しかし、一旦、当該特許文献におけるフィルタバルブ202の実施の形態のいずれかは、開いた形態で示されており、実施の形態は、逆流する治療塞栓剤をバルブに流入可能にする、開放切頭円錐の形状を呈する。このことは、特には、不完全な投与を潜在的に結果的にもたらし得るであろう、血管内の遅い順流の状態下において、フィルタバルブにおける治療剤の残留をもたらしてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第8,696,698号
【発明の概要】
【0016】
注入装置は、外側カテーテルと、外側カテーテルを介して伸びる、内側注入カテーテルと、外側及び内側カテーテルの両方に結合される、動的に調整可能なフィルタバルブと、を具備するように提供される。フィルタバルブは、半径方向に拡張するように付勢されていて且つ近位端及び遠位端を有していて且つ自然にばね付勢される、フィラメント状構造から形成される。フィルタバルブの近位端は、外側カテーテルの遠位端に結合されており、フィルタバルブの遠位端は、内側カテーテルの遠位端に結合される。フィルタバルブは、バルブの近位及び遠位部が、フィルタバルブの最大直径の周りの周囲により分離される状態で、閉じられた濾過遠位部を有する。内側注入カテーテルは、フィルタバルブの閉じられた遠位部の遠位に、治療塞栓剤を送達するように構成される。
【0017】
フィルタバルブは、外側カテーテルの遠位端に対して内側カテーテルの遠位端を長手方向に移動させることにより、開と閉の形態の間において手動で移動可能である。外側カテーテルに対して遠位に内側カテーテルを移動させることにより、フィルタバルブは、治療部位への送達に適した、折り畳まれた形態に移動される。折り畳まれた形態において、先端部は、先細り、更に治療部位へ前進するように、ガイドワイヤ上において優れた追従性を有する、形態を呈する。フィルタバルブを展開するために、内側カテーテルは、血管壁に向かって半径方向の拡張をもたらす状態で、フィルタバルブを再構成させるように、外側カテーテルに対して後退する。更に、バルブのばね付勢はまた、特に、フィルタバルブの対向する側において圧力差を受ける場合に、フィルタバルブを半径方向に拡張するように動作する。本発明の好適な形態において、フィルタバルブの近位部は、フィルタバルブの遠位部とは異なる半径方向の拡張力を有する。近位部は、遠位部よりも実質的に大きい半径方向の拡張力を有することがより好ましい。一旦フィルタバルブが展開された開形態、即ち、遠位先端部が送達位置に対する後退位置にある状態、になると、フィルタバルブは、フィルタバルブの周りの局部的圧力に動的に応答する。動的応答動作下において、血管内の血液の実質的に無制限の順流が可能にされる一方で、逆方向流は、血管内の治療剤の逆流を停止するように防止される。
【0018】
工程の終了時において注入装置の回収において、内側カテーテルは、外側カテーテル内に更に後退可能であり、(従って、フィルタバルブは、外側カテーテル内において実質的に反転されて受容される)それにより、フィルタバルブに残る、任意の治療剤を捕捉し更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来技術の図1は、塞栓剤が非標的器官内へ逆流する状態の、肝動脈における従来の塞栓カテーテルを示す。
図2A】従来技術の図2Aは、非展開形態において示された、従来のフィルタバルブ装置の概略図である。
図2B】従来技術の図2Bは、展開形態において示された、従来のフィルタバルブ装置の概略図である。
図3A図3Aは、展開状態における治療フィルタバルブ装置の例示の実施の形態の概略図である。
図3B図3Bは、非展開状態における治療フィルタバルブ装置の例示の実施の形態の概略図である。
図4図4は、展開されたフィルタバルブ装置の遠位端の形状の概略図である。
図5図5は、展開されたフィルタバルブ装置の遠位端の別の形状の概略図である。
図6A図6Aは、使用時において、図示される装置の遠位端が血管内に配置された状態の、図3A及び3Bのフィルタバルブ装置の例示的な実施の形態の切断された概略図である。
図6B図6Bは、使用時において、図示される装置の遠位端が血管内に配置された状態の、図3A及び3Bのフィルタバルブ装置の例示的な実施の形態の切断された概略図である。
図6C図6Cは、使用時において、図示される装置の遠位端が血管内に配置された状態の、図3A及び3Bのフィルタバルブ装置の例示的な実施の形態の切断された概略図である。
図6D図6Dは、使用時において、図示される装置の遠位端が血管内に配置された状態の、図3A及び3Bのフィルタバルブ装置の例示的な実施の形態の切断された概略図である。
図7図7は、展開形態のフィルタバルブ装置の遠位端の斜視遠位端写真図である。
図8A図8Aは、放射線不透過性マーカーバンドの位置を示す、非展開又は展開形態のフィルタバルブ装置の遠位端の概略図である。
図8B図8Bは、放射線不透過性マーカーバンドの位置を示す、非展開又は展開形態のフィルタバルブ装置の遠位端の概略図である。
図8C図8Cは、放射線不透過性マーカーバンドの位置を示す、非展開又は展開形態のフィルタバルブ装置の遠位端の概略図である。
図9図9は、フィルタバルブ装置の遠位の可変圧力制御を示すグラフ(図)である。
図10A図10Aは、主及び分岐血管に選択的に注入するように可変圧力制御を使用する状態の、展開されたフィルタバルブ装置の概略図である。
図10B図10Bは、主及び分岐血管に選択的に注入するように可変圧力制御を使用する状態の、展開されたフィルタバルブ装置の概略図である。
図10C図10Cは、主及び分岐血管に選択的に注入するように可変圧力制御を使用する状態の、展開されたフィルタバルブ装置の概略図である。
図11図11は、フィルタバルブ装置の代替の被覆構造体の概略的な遠位端図である。
図12図12は、フィルタバルブ装置のための別の被覆構造体の概略的な遠位端図である。
図13図13は、フィルタバルブ装置のための更に別の代替の被覆構造体の概略的な遠位端図である。
図14図14は、任意のフィルタバルブ装置のための編組角度構造体の概略的な遠位端図である。
図15図15は、フィルタバルブ装置のための別の構造体の概略的な遠位端図である。
図16図16は、フィルタバルブ装置のための更に別の構造体の概略的な遠位端図である。
図17A図17Aは、非展開形態におけるフィルタバルブ装置のための更に別の構造体の遠位端の概略図である。
図17B図17Bは、部分的展開形態におけるフィルタバルブ装置のための更に別の構造体の遠位端の概略図である。
図17C図17Cは、十分な展開形態におけるフィルタバルブ装置のための更に別の構造体の遠位端の概略図である。
図18図18は、フィルタバルブの遠位部におけるワイヤフィラメントのための1つの構成を示す、図17A−17Cのフィルタバルブ装置の遠位端図である。
図19図19は、フィルタバルブの遠位部におけるワイヤフィラメントのための代替構成を示す、フィルタバルブ装置の遠位端図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
人体と、使用者により手動で操作されるように意図されていて且つ本明細書に記載される、装置及びシステムの構成要素と、を参照すると、用語「近位」及び「遠位」は、使用者の手を参照して定義されており、その場合において、代替の定義が具体的に提供されない限り、用語「近位」は、使用者の手のより近くであり、そして用語「遠位」は、使用者の手からより遠くである。
【0021】
本発明に係るマイクロバルブ装置300の第1の例示の実施の形態は、図3A及び3Bに示される。図3A及び3Bに図示されるシステムのそれぞれの部分は、それらの意図された寸法に比例して図示されないが、しかしむしろ、遠位部は、説明の目的のために大幅に拡大されて図示されることに留意されたい。図3Aに示すように、装置300は、近位端304及び遠位端306を有する、可撓性の外側カテーテル302と、外側カテーテル304を介して伸びていて且つそれに対して長手方向に移動可能であって且つ近位端310及び遠位端312を有する、可撓性の内側送達カテーテル308と、外側及び内側カテーテル304、308の遠位端306、312に結合する、フィルタバルブ314と、を具備する。内側カテーテルの近位端310は、剛性の管状結合部材318を有する、ハブ316に取り付けられることが好ましい。管状結合部材318は、ステンレス鋼のハイポチューブ又は同様な構造であることが好ましい。注入管腔320は、ハブ316から内側カテーテルの遠位端312まで画定されて、患者の体(図示せず)の外側から、患者内の標的血管(動脈又は静脈)まで、塞栓剤を含む治療剤の送達に適合される。外側カテーテル302の近位端304は、内側と外側カテーテル304、308との間に形成されていて且つフィルタバルブ314の内部内に伸びる、環状空間324と流体連通してフィルタバルブの環状空間324を洗い流す、サイドアームポート(側部腕部口)322を具備することが好ましい。生理食塩水を含む、潤滑剤等により、その様な空間を洗い流すことは、内側カテーテルと外側カテーテルとの間の摩擦を減少させてそれらの間における長手方向の移動を促進するように動作する。
【0022】
第1の放射線不透過マーカー(目印)バンド(帯)326は、内側カテーテル308の遠位端312に設けられており、第2の好適にはより大きい放射線不透過性マーカーバンド328は、外側カテーテル302の遠位端306に設けられる。第3の放射線不透過性マーカーバンド330は、第2のマーカーバンド328に対して、規定された位置関係において内側カテーテル308に対して設けられる。例として、第3のマーカーバンド330は、内側と外側カテーテル302、308が、図3Aに示すように且つ以下に説明されるように、フィルタバルブ314を展開形態にあるように配置される場合に、第2のマーカーバンド328と共に長手方向に配置されてもよい。図3Bは、非展開形態におけるマイクロバルブ装置300及び3つのマーカーバンド326、328、330の相対的配置を示す。装置300の使用中に、マーカーバンド326、328,330の生体内の相対的位置は、透視的に見た場合に、より詳細に以下に説明するように、内側と外側カテーテルの遠位端部306、312の変位と、フィルタバルブの結果的に生じる形態とを示す。
【0023】
ハンドル332は、制御可能に長手方向に内側と外側カテーテルをお互いに対して移動させるように、内側と外側カテーテル302、308(管状の連結部材318を含む)の近位端において又はそれに隣接して選択可能に設けられる。単なる一例として、ハンドル322は、使用者の手動の長手方向の移動を、内側カテーテルと外側カテーテルとの間の所望で且つ制御された長手方向の移動に変換する、例えば、スプール(糸巻き)及びシャフト(軸)の形態の、一般的な摺動アセンブリ(組立体)を具備してもよい。更に別の代替案として、ハンドルは、矢印336(図3B)により示すように、手動の使用者の回転運動を、内側及び外側カテーテルの遠位端の間の所望で且つ制御された長手方向の移動に変換する、リードスクリュー(送りねじ)に接続された回転ノブ334を具備してもよい。
【0024】
内側カテーテル308は、0.6096m(2)から2.4m(8フィート)の長さの間にあり、0.67mmと3mm(2フランスから9フランスのカテーテルの寸法に対応する)との間の外径を有しており、更に例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はフッ素化エチレンプロピレン(FEP)等のフッ素化ポリマーから作られるライナーと、ステンレス鋼又はチタン等の金属、又はポリエチレンテレフタレート(PET)又は液晶ポリマー等のポリマーから製作される編組と、例えば、PEBAX(登録商標)等のポリエーテルブロックアミド熱可塑性エラストマー樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドのコポリマー、ポリエステル、ポリエステルコポリマー、例えばPTFE、FEP等のフッ素化ポリマー、ポリイミド、ポリカーボネート、又は任意の別の適切な材料又は血流において使用されるカテーテルの製造に使用される、任意の別の標準又は特殊材料から製作される外側被覆と、により製作される。
【0025】
外側カテーテル302は、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドのコポリマー、ポリエステル、ポリエステルのコポリマー、例えばPTFE、FEP等のフッ素化ポリマー、ポリイミド、ポリカーボネート又は任意の別の適切な材料から構成される。外側カテーテル302はまた、例えばステンレス鋼又はチタン等の金属、又はPET又は液晶ポリマー等のポリマー、又は任意の別の適切な材料等から構成される、編組を含んでもよい。外側カテーテル302の壁厚は、0.1mm−0.15mmのより好適な厚さの状態の、0.05mmから0.25mmの範囲内にあることが好ましい。
【0026】
フィルタバルブ314の遠位端340は、融合されるか、又はそうでなければ、内側カテーテル308の遠位端312に隣接して、しかし、好適には内側カテーテル308の遠位端312からわずかに近位に変位して、固定的に結合されており(長手方向及び回転方向の両方で固定される)、更にフィルタバルブの近位端342は、融合されるか、又はそうでなければ、外側カテーテル302の遠位端306において又は隣接して結合される。
【0027】
フィルタバルブ314は、展開され且つ外力を受けない場合に実質的に閉じた形状を形成する、1つ又は2つ以上の金属(例えば、ステンレス鋼又はニチノール)又はポリマーのフィラメント350から構成される。ポリマーフィラメント(線維)が使用される場合に、フィラメント350は、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー、フッ素化ポリマー、ナイロン、ポリアミド又は任意の別の適切なポリマーから構成されてもよい。所望であれば、ポリマーフィラメントが使用される場合に、1つ又は複数の金属フィラメントは、ポリマーフィラメントと共に使用されてもよい。本発明の一形態によれば、金属フィラメントが使用される場合に、体内においてフィルタバルブ314及びその形態に追従することを容易にするように、金属フィラメントは、放射線不透過性材料であってもよい。展開され拡張された直径の形態において、フィルタバルブ314は、流体力により形状を変更可能である。動的な流れの状態に応じて、バルブを急速に自動的に開閉可能にするように、フィラメント350は、フィラメント350の端部間において各々に接合されないことが好ましい。フィルタバルブの複数のフィラメント350は、編組されることが好ましく、フィラメント350の端部間においてお互いに対して移動可能である。以下で説明されるように、フィラメントは、バルブが所望の形状を自身で呈することができるように、お互いに対して所望の交差角を呈するようにばね付勢される(即ち、それらは「形状記憶」を有する)。
【0028】
図3Aに示す装置において、実質的に球形において呈された形状は、後述を通して、形状は、実質的に円錐台形であり得る。 (本明細書における目的のために、「実質的に球状の」という用語は、球形だけではなく、図4に示すように、球状部又は丸みを帯びた長方形の形状314aを含む、一般的に丸みを帯びた形状、又はその一部を含むことが理解されるべきである。本明細書における目的のために、「実質的に円錐台形の」という用語は、一般的な円錐台形だけではなく、切頭双曲面と、切頭放物面と、図5に示すように、外側カテーテル302の遠位端306における円形の近位端342bから開始して、そこから広がり、内側カテーテル308の遠位端312に隣接するフィルタバルブの遠位端340bにおいて閉鎖するように戻る、任意の別の形状314bと、を含むことが理解されるべきである。)全ての実施の形態において、フィルタバルブ314の形状は、外側及び内側カテーテル302、308のそれぞれの端部306、312において又は隣接して閉じられており、更に近位半球部346及び遠位半球部348、又は2つの円錐形部分、又は近位球状部分及び遠位円錐部分、又は近位円錐部及び遠位球状部、又は好適にはそれぞれの部分の最大直径端部において共に接合される、上記のものの間の介在形状部を有する、上記の任意のものにより規定可能である。その様に、フィルタバルブ314の近位及び遠位部346、348は、長手方向に対称である必要はなく、図3Bに示されるフィルタバルブ314の非展開形態において明らかである、構造において、非対称であってもよいことが理解される。接合された近位及び遠位部は各々、以下に述べる異なる編組角度において配向された、フィラメントを有してもよい。また、近位及び遠位部は、フィラメントの端部を介して、又はより詳細に以下に説明されるフィルタ材料により、機械的に接合されてもよい。
【0029】
フィルタバルブ314は、お互いに対する内側及び外側カテーテルの動きにより、非展開形態と展開形態との間において手動で再構成されるように設計されており、そこでは非展開と展開形態の各々において、フィルタバルブの遠位端は、外側カテーテルの遠位端の外側及び遠位に伸びる。図3B及び6Aに示すように、非展開形態において、フィルタバルブ314は、血管362を介して治療部位までガイドワイヤ360(図6A)上で装置に追従するために適した、より小さな最大直径を備える。内側カテーテル308は、延伸するように、又はそうでなければ、ガイドワイヤ上で追従性を容易にする、先細りの先端部を有する、細長い形態においてフィルタバルブを提供するように、外側カテーテル302に対して相対的に遠位方向に(矢印380の方向において)移動する。この折り畳まれた非展開形態において、内側カテーテル308は、外側カテーテル302に対して出来る限り遠位に押されることが好ましい。好適な実施の形態において、フィルタバルブの非展開な細長い形態は、その長さの、少なくとも50%、更に好適には少なくとも75%を超えて遠位に先細る。
【0030】
次に、図6Bを参照すると、一旦フィルタバルブが血管362内の治療部位に配置されると、内側カテーテル308は、フィルタバルブ314を拡張させて更に、フィルタバルブが血管壁362に対してシール(密封)しない、血管内において部分的に展開された形態をフィルタバルブに(当初に)呈させるように、外側カテーテル302に対して後退(矢印382の方向において)可能である。これとは別に又はその後に、図6Cに示すように、内側カテーテル308は、フィルタバルブ314をより十分に拡張させて血管壁362に対してシールするように、外側カテーテル302に対して更に後退(矢印384により示されるように)可能である。フィルタバルブ314のこの形態はまた、図7に示される。図6Bに示す形態に後退させられる場合に、フィルタバルブ314の近位端は、遠位対面する平面又は凹面368を形成するが(フィルタバルブの非展開形態が、遠位に対面する凸状又は凸状円錐面を提示することが理解される状態で)、その一方で近位対面する平面は、形状が変更されないままであり、一般的に滑らかな凸面である。その後、フィルタバルブが展開された状態で、塞栓剤388は、内側カテーテルを介して及びそれから遠位に、フィルタバルブの遠位に及び血管内に圧力下において送達される。この状態における塞栓剤の送達は、下流の圧力変化をもたらしており、その圧力変化により、当初、フィルタバルブの上流側に比べてフィルタバルブの遠位のより高い圧力が、血管壁に対して急速に密封し、更に全ての注入圧力を下流に向ける。その開位置において、フィルタバルブは、近位の「逆流」方向においてフィルタバルブを越えて上流に塞栓剤が流れることを停止させる。また、フィルタバルブが閉じた形状であり且つフィルタバルブの遠位に塞栓を送達するので、送達される用量の100%は、即ち、任意の用量がフィルタバルブ内に残る潜在的可能性なしで、患者に提供される。更に、展開されたフィルタバルブの近位面の形状は、下流方向においてフィルタバルブを通過する、血液に対して減少された抵抗を提示するが、しかし異なる向きにおいて及び血管壁に対して実質的に垂直であるものにおいて、遠位の対面する面を提示しており、更に逆流を防止するように上流方向における流れに対して大きな抵抗を有する。
【0031】
ここで図8A−8Cを参照すると、上記の放射線不透過性の第1、第2及び第3のマーカーバンド326、328、330は、フィルタバルブの体内の形態を決定することを容易にする。図8Aを参照すると、単なる一例として、3つのマーカーバンド326、328、330が離間して示される場合に、フィルタバルブ314は、非展開形態にあることを指示可能である。図8Bにおいて、第3のマーカーバンド330が、第2のマーカーバンド328に実質的により近くに偏倚した状態で、フィルタバルブ314は、内側カテーテル308が外側カテーテル302に対して幾分後退させられた状態において、部分的な展開形態にあることが指示可能である。図8Cは、第2のマーカーバンドが第3のマーカーバンド330(図8B)を隠す状態で、十分な展開形状を指示しており、X線透視下で、2つのバンド326、328を示すであろう。マーカーバンドの別の相対的関係は、フィルタバルブの状態に対するX線透視表示を提供することが可能である。
【0032】
図9を参照すると、フィルタバルブが非展開形態において、血管内の治療部位に前進する時に、非常に小さい圧力差(例えば、333Pa(2.5mmHg))が、フィルタバルブの近位側と遠位側との間に生成される。フィルタバルブが部分的に開放された時、即ち、展開されるが、しかし血管壁まで伸張しない(「25%」展開されたように図9に示される)時に、小さいがしかし比較的より大きな圧力差(例えば、666Pa(5mmHg))が、フィルタバルブの遠位側と近位側との間に生成される。フィルタバルブが血管壁に接触する(「50%」展開されて示される)ようにフィルタバルブが十分に開放される場合に、より大きな圧力差(例えば、1333Pa(10mmHg))が、フィルタバルブの近位側と遠位側との間に生成される。フィルタバルブが十分に開かれて更に注入液が内側カテーテルのオリフィスを介してフィルタバルブの遠位の位置に注入される場合に、かなりより大きな圧力差(例えば、1333Pa(10mmHg)〜2666Pa(20mmHg))が、フィルタバルブの近位側と遠位側との間に生成される。図10A−10Cを参照すると、生成される圧力差の範囲は、フィルタバルブの下流の異なる直径の血管を選択的に治療するように使用可能である。図10Aを参照すると、フィルタバルブの近位側と遠位側との間の圧力降下及び有意な生成流により、注入液は、少なくとも、最大の標的血管370に向かって下流方向に向けられる。次に図10Bを参照すると、注入液の流体圧を上昇させて圧力差の増大を生成することにより、初期の注入圧における灌流に抵抗する、追加のより小さい標的分枝血管372が、灌流される。最後に、図10Cを参照すると、圧力差を再度増大させることにより、より小さな標的分枝血管374さえもが、灌流可能である。同様に、治療が、特定の血管だけに限定されることが意図される範囲において、遠位圧力は、より小さい血管を灌流するのに必要であるものより下に制限可能である。
【0033】
本発明の一形態によれば、塞栓治療工程が患者からの取り外しのために完了した後に、バルブは、その閉鎖位置に構成可能であることが好ましい。患者からの治療後の取り外しのための一形態において、バルブは、展開形態において簡単に引き抜かれる。別の形態において、内側カテーテル308は、治療後にフィルタバルブに潜在的に残ってもよい、塞栓剤を含むように、遠位のフィルタバルブ348の一部又は全てを近位のバルブ346内に反転させるように、外側カテーテル302に対して更に後退させられる。更に別の形態において、図6Dに示すように、内側カテーテルは、治療後にフィルタバルブに潜在的に残ってもよい、任意の塞栓剤を十分に含むように、外側カテーテル302内にフィルタバルブ314全体を反転させるように、外側カテーテルに対して更に後退させられる(矢印386の方向において)。
【0034】
ここで、以前に組み込まれた米国特許第8,696,698号において説明したように、3つのパラメータが、展開されたフィルタバルブの性能及び性質を規定することを支援しており:即ち、バルブの半径方向(外向き)の力と、バルブが閉から開へ条件を変更する時定数と、フィルタバルブの孔径と、である。
【0035】
好適な実施の形態において、先ず、内側及び外側カテーテルが、フィルタバルブの近位端に対してフィルタバルブの遠位端を移動させるように移動させられ、それによりバルブを展開形態に収縮及び拡張させる場合に、フィルタバルブは、展開形態に拡張する。しかし、一旦展開すると、フィルタバルブは、内側カテーテルの遠位オリフィスにおける圧力が血液の圧力より大きい場合に、血管壁に向かって十分に拡張する(即ち、開状態に達する)。血液が、内側カテーテルオリフィスにおける圧力よりも高い圧力の状態で、上流に又は遠位方向に向かって近位において流れている場合に、フィルタバルブはまた、展開されるがしかし閉じた状態にある(フィルタバルブが血管壁から後退した状態)。また、フィルタバルブにおける拡張の半径方向の力(即ち、バルブの遠位の表面領域上における遠位の血管内の圧力の力に加えて、フィルタバルブ自体の拡張力)が、フィルタバルブにおける圧縮の半径方向の力(即ち、フィルタバルブの近位の表面領域上の近位の血管内の圧力の力)よりも大きい場合に、フィルタバルブは、バルブが開放形態を呈するように、十分に拡張する。従って、フィルタバルブの拡張の半径方向の力は、下流の遠位方向における通常の血流が、展開されたフィルタバルブを開状態に到達することを防止するように低くなるように選択される(以下でより詳細に説明されるように)。この低い拡張力は、拡張のかなりより高い半径方向の力を有する、従来技術のステント、ステントグラフト、遠位の保護フィルタ及び別の血管装置の拡張力とは異なる。拡張力は、拡張力が内側カテーテルを外側カテーテルに対して移動させないであろうように十分に低く、その様な相対運動が、装置の使用者によってのみ実施されることが好ましいことが理解される。
【0036】
編組の拡張の半径方向の力は、Jedwab(ジョドワブ)及びクレールにより、下式として開示されており(アプライド(適用された)バイオマテリアル(生体適合材料)の定期刊行物、Vol.4、77−85、1993)、その後DeBeuleにより更新される(DeBeule等、バイオメカニクス(生体工学)及びバイオメディカル(生体医学)エンジニアリング(工学)におけるコンピュータ方法、2005)。
【数1】
ここで、K1、K2、K3は、下式により与えられる定数である。
【数2】
【0037】
更に、IとIpは、表面及び編組フィラメントの極慣性モーメントであり、Eはフィラメントの弾性のヤング率であり、Gはフィラメントのせん断係数である。最初の編組角度(β0)と最終的な編組角度(β)とステント径(D0)とフィラメント数(n)と共にこれらの材料特性は、編組されたバルブの半径方向の力に影響を与える。
【0038】
一つの例示の実施の形態において、フィルタバルブ314は、24本のポリエチレンテレフタレート(PET)フィラメント350により構成されており、各々(フィラメント)は、0.1mmの直径を有し、直径8mmのマンドレル(心棒)及び130度の編組角度に予め形成される(即ち、フィラメントは、ばね付勢されるか、又はバルブが十分に展開された状態を呈し更に円錐台形状の形態において開いた場合に、お互いに対して130度の角度を呈するように形状記憶を有する)。フィラメント350は、200MPaよりも大きいヤング率を有することが好ましく、フィルタバルブ314は、十分に展開位置において40mN未満の半径方向の力を有することが好ましい(即ち、ここで、フィラメントはそれらの形状記憶を呈する)。フィルタバルブ314は、20mN未満の十分に展開された位置における半径方向の力を有することがより好ましく、更にフィルタバルブは、展開位置において約10mNの半径方向の力を有することが更により好ましい(ここで、用語「約」は、本明細書で使用されるように、平均±20%までに定義される)。
【0039】
一実施の形態において、内側カテーテルの遠位オリフィス(開口部)358において注入圧力を受ける場合に、フィルタバルブ314は、0.067秒の血液の粘度にほぼ等しい粘度(即ち、約3.2mPa・s(cP))を有する、静的流体(例えば、グリセリン)において、下流への流体通過を可能にする展開位置(閉)と、流体通過を防止する展開位置(開)との間において移動する。本明細書における目的のために、静的流体において閉位置から開位置に移動するのに要する時間は、「時定数」と呼ばれる。本発明の別の形態によれば、フィルタバルブ314は、血液の粘度を有する流体におけるフィルタバルブ314の時定数が0.01秒と1.00秒との間にあるように構成される。フィルタバルブ314は、血液の粘度を有する流体におけるフィルタバルブの時定数が、0.05と0.50秒の間にあるように構成されることがより好ましい。フィルタバルブ314の時定数は、上記のパラメータの一つ以上を変更することにより調整されてもよい(例えば、フィラメントの数、フィラメントの弾性係数、フィラメントの直径等)。
【0040】
本発明の一形態によれば、展開されたフィルタバルブは、開き、更に急速に変化する圧力条件の存在の下での塞栓剤の高い捕捉効率を達成するように十分に素早く閉じる。より具体的には、図6Cに示すように、内側及び外側カテーテルが血管壁362に対してフィルタバルブを開くように移動する状態で、内側カテーテル308の遠位オリフィス358(展開されたフィルタバルブ314の遠位)における圧力が血管362内の圧力よりも高く増大する場合に、フィルタバルブの周囲と血管壁との間のシールは、増加させられて、従って、逆流塞栓を阻止する。圧力が、血液中の音速(1540m/s)において、血管系を通して伝達されること、及びバルブが、血管内の圧力変化に対応して開閉することを留意することが重要である。拡張可能なフィルタバルブが圧力変化に応答するので、フィルタバルブは、血液中の塞栓の流速(0.1m/s)に比べてはるかにより速く反応し、それにより任意の塞栓の逆流を防止する。
【0041】
当業者により理解されるであろうように、フィラメント350の編組の幾何学形状及び材料特性は、フィルタバルブの半径方向の力及び時定数に密接に関連する。本発明の一形態によれば、フィルタバルブが、異なる直径及び流れ条件の種々の血管において有用であるので、各実施例は、固有の最適性を有することができる。単なる一例として、一実施の形態において、フィルタバルブ314は、10本のフィラメント350を有するがその一方で、別の実施の形態において、フィルタバルブは、40本のフィラメント350を有する。任意の適切な数のフィラメントが、使用可能である。フィラメントの直径は、0.025mmから0.127mmの範囲において選択されることが好ましいが、しかし別の直径が使用されてもよい。ピッチ角(即ち、十分に開いた展開位置において編組フィラメントが呈する交差角)は、100度から150度の範囲において選択されることが好ましいが、しかし別のピッチ角が使用されてもよい。フィラメントのヤング率は、少なくとも100MPaであることが好ましく、更に少なくとも200MPaであることがより好ましい。
【0042】
フィルタバルブ314は、血液がフィルタバルブを介して通過する際に、血流中の塞栓剤を捕捉する(フィルタ)のに十分に小さい、孔径を有するように選択される。大きな塞栓剤(例えば、500μm)が使用される場合に、塞栓剤がバルブを通過することを防止するように、フィラメントが単独でフィルタとして直接的に作用することが可能であってもよい(フィラメントが、例えば、500μm未満の孔を提示する前提で)。これとは別に、被覆364が、フィラメント350に加えられることが好ましく、フィルタ機能を提供するように、形成された編組構造に加えられることがより好ましい。その様な別のポリマー(重合体)フィルタは、より小さい塞栓剤が使用される場合に特に有用である。ポリマーフィルタは、噴霧、紡糸、電界紡糸、接着剤による接合、熱融合、編組の機械的な捕獲、溶融接合、浸漬被覆又は任意の別の所望の方法により編組構造上に設置可能である。ポリマーコーティング364は、ePTFE等の孔を有する材料と、レーザ穿孔を有するポリウレタン等の、追加された孔を有する、固体材料とのいずれかであり得るか、あるいはフィルタ被覆は、編組上に配置された、非常に細いフィラメントのウェブ(織物)であり得る。被覆364が、細いフィラメントのウェブである場合には、フィルタの特徴的な孔径は、フィルタを介して異なる直径のビーズを通過させることを試みることにより、及びどの直径のビーズが大量にフィルタを介して通過可能であるかを見つけることにより決定可能である。非常に細いフィラメントは、静電場の補助により、又は静電場の不在下で、又は両方により、米国特許第4,738,740号に記載の回転マンドレル上において紡糸可能である。このように形成されたフィルタは、接着剤を用いて編組構造に接着可能であるか、又は編組は、マンドレルに、及び編組の上又は下に紡糸されるか又は編組を基本的に捕捉するように編組の上及び下の両方に紡糸される、フィルタに、設置可能である。フィルタ364は、噴霧又は電界紡糸と、孔がレーザ穿孔されるか又は二次操作により形成される、その後の二次手順と、により形成される、幾つかの孔を有することができる。好適な実施の形態において、静電的に沈着又は紡糸可能な材料は、好適な材料が編組自体に接合可能である状態で、編組上にフィルタを形成するように使用される。フィルタは、ポリウレタン、ペレタン(PELLETHANE:ポリウレタンの同義語)、ポリオレフィン、ポリエステル、フルオロポリマー、アクリルポリマー、アクリレート、ポリカーボネート又は別の適切な材料により製作されてもよい。ポリマーは、湿潤状態で編組上に紡糸され、従って、ポリマーが溶媒に可溶であることが望ましい。好適な実施の形態において、フィルタは、ジメチルアセトアミド中において可溶性である、ポリウレタンから形成される。ポリマー材料は、静電紡糸法のための5−10%の固形分の、及び湿式紡糸法のための15−25%の固形分の好適な濃度により、液体状態で編組上に紡糸(スピンコート)される。
【0043】
本発明の一形態によれば、フィルタ被覆364は、10μmと500μmとの間の特徴的孔径を有する。フィルタは、15μmと100μmとの間の特徴的孔径を有することがより好ましい。フィルタは、更に好適には、40μm未満の、及びより好適には、20μmと40μmとの間の特徴的孔径を有する。フィルタは、塞栓剤がそこ(フィルタ)を通過することを阻止しながら、加圧された血液及び造影剤がそこ(フィルタ)を通過することを可能にする、特徴的孔径を備えることが最も望ましい。バルブの遠位からバルブの近位端に向かう方向において逆流する血液及び造影剤がフィルタを介して通過することを可能にすることにより、造影剤は、標的部位が十分に塞栓されて更に塞栓工程の臨床的終点を識別するように機能可能である時点を指示するように使用されてもよい。従って、本発明の一形態によれば、バルブは、臨床的終点の指標として、造影剤の逆流を可能にする一方で、同時に、塞栓剤の逆流を防止する。また、血液がフィルタ材料を介して逆流することを可能にすることにより、比較的遅い速度においてさえも、バルブの遠位側の背圧は低減可能である。
【0044】
フィルタバルブはまた、親水性被覆、疎水性被覆又は血液中のタンパク質がフィルタに及び具体的にはフィルタの孔内に付着する方法に影響を与える、別の被覆を備えることが好ましい。より具体的には、被覆は、血液タンパク質の付着に耐性がある。成功裏に使用されてきた一つの被覆は、NJ(ニュージャージー)、ブランチバーグ(Branchburg)のHydromer社から入手可能である、ANTI-FOG COATING(防曇被覆)7-TS-13であり、それは、例えば、浸漬、噴霧、ロール(巻き付け)又はフロー(流し)被覆によりフィルタに適用可能である。
【0045】
孔径の適切な設計及び適切な被覆の使用により、血液中のタンパク質は、使用中において孔をほとんど即座に充填するであろう。被覆された多孔質フィルタ上のタンパク質は、孔が血管圧力よりも高い初期流体圧を受ける時にタンパク質で充填されるように、圧力安全弁として動作するが、しかしタンパク質は、孔から移動して、孔は、例えば指定された閾値圧力等の、より高い圧力において血流に対して開放される。指定された閾値圧力は、組織及び器官への損傷、及び患者への損傷を防止するように決定される。従って、このシステムは、患者にとって安全でない可能性のある、非常に高い圧力を制限しながら、血管圧力よりも高い圧力を可能にする。このように、システムは、バルーン(風船)を含む、別の閉塞装置では可能ではない、圧力調整を提供する。上記の利点にもかかわらず、血液又は造影剤のいずれかが任意の決定された圧力の下で上流の「逆流」方向において通過可能にするように、フィルタが構成されることは、本発明の要件ではない。
【0046】
開いた状態において、血液中のタンパク質が、フィルタバルブの孔を急速に充填可能であることが認識される。しかし、上述したように、閾値圧力が到達されるはずであれば、フィルタバルブは、塞栓剤の通過を依然として遮断しながら、血液がフィルタバルブの孔を介して逆流することを可能にするように設計される。例示的な閾値圧力は、フィルタバルブの遠位表面上において180mmHgであるが、しかし装置は、別の閾値圧力に適応するように設計可能である。その様なことは、閾値圧力を受けた時にフィルタ孔内から血液タンパク質の除去を容易にする、フィルタ上の適切な被覆の使用により、少なくとも部分的に達成可能である。これは、装置が挿入される血管が、そうでなければ損傷をもたらすことが可能であろう、圧力を受けることを防止する。それにもかかわらず、血液及び造影剤がバルブを介して逆流することを可能にすることは必要ではない。
【0047】
実施の形態において、フィルタ被覆350は、フィルタバルブ314の近位及び遠位部346、348が均一な被覆構造体を有する状態で、フィラメントの同質の被覆として提供されることが好ましい。フィルタバルブ314が閉じた形状の形態で提供される際に、その近位端346が外側カテーテル302に融合され且つその遠位端348が内側カテーテル308に融合された状態で、血管から及びフィルタを介して通過する、任意の流体又は薬剤が、フィルタの2つの同様な層、即ち、フィルタバルブの近位側における層及びフィルタバルブの遠位側における層、を介して通過しなければならないことが理解される。
【0048】
本発明の一形態によれば、フィルタバルブは、その遠位部に対してその近位部において異なる半径方向の力を有する。半径方向の力におけるこの差は、流れの方向に依存する、挙動(即ち、バルブの挙動)を可能にする。図11−16に記載されるように、以下のように、遠位部が、近位部よりも小さい半径方向の力を有することが好ましい。
【0049】
ここで図11を参照すると、マイクロバルブ装置400の遠位端における別のフィルタバルブ414が示される。フィルタバルブ414は、フィルタバルブ全体が被覆された、異質のフィルタ被覆を具備する。被覆450は、フィルタバルブの近位部426におけるより小さな孔と、遠位部428におけるより大きい孔とを具備する。単なる一例として、より小さな孔が、1ミクロンまでの程度にあり得るが、他方で、より大きな孔が30ミクロンまでの程度であり得る。孔寸法における相違は、遠位部と比較して、近位部においてより大きな半径方向の力を提供するように、近位部において同じフィラメントの被覆のより多くを及び遠位部において比較的より少なくを設置することにより提供されてもよい。半径方向の力における差は、フィルタバルブが逆流に比べて順流において異なる性能を有することを可能にする。順流において、装置は、それの周囲の流体を可能にする円錐形状を保持する。逆流において、非常に弱い構造は、内側で折り畳まれて、流体圧力が血管壁に対して装置を密封することを可能にし、更に逆流を減少させる。
【0050】
ここで図12を参照すると、マイクロバルブ装置500の遠位端におけるフィルタバルブ514の更に別の実施の形態が示される。フィルタバルブ514は、フィルタバルブ全体が被覆される、異質のフィルタ被覆を具備する。被覆550は、フィルタバルブの近位部526に設けられた、非多孔質膜と、遠位部528における多孔性フィラメント被覆と、を具備する。非多孔質膜は、膜を通過する流れを可能にせず、従って順流において装置の周りの順行性の流れを増加させる。遠位部における多孔質膜は、塞栓剤が逆流することをより効果的に阻止するように、逆流において壁に対してフィルタバルブを拡張させる、装置を通る流れを可能にする。
【0051】
ここで図13を参照すると、フィルタバルブ614の別の実施の形態が示される。フィルタバルブは、近位部のその内面692において非多孔質膜被覆690と、フィルタバルブの少なくとも遠位部、及び好適にはフィルタバルブ全体、の外面においてフィルタ被覆650と、を有する。遠位部の多孔質膜が、血管をシール(密封)し更に塞栓剤の逆流を阻止するように、半径方向の強度を低下させ、逆流においてフィルタバルブへの流入を可能にする一方で、近位部上における非多孔質膜と多孔質膜との両方の組み合わせは、順流における順行性の流れ及び半径方向の強度を増大させる。
【0052】
ここで図14を参照すると、フィルタバルブ714の別の実施の形態が示される。フィルタバルブは、可変な編組角度を有する、即ち、フィルタバルブの異なる部分において異なる編組角度を有する、構成を有する。図示の実施の形態においては、編組角度は、近位端においてより小さく、遠位端においてより大きくなる。例えば792における、より小さい編組角度は、60−90度の範囲にあることが好ましく、及び例えば794における、より大きい編組角度は、110度より大きいことが好ましい。より小さい編組角度は、より小さい編組角度よりも大きな剛性を有しており、逆流に比べて順流において異なる動作挙動を再度提供する。装置の可変な編組角度の形態は、本明細書に記載の任意の別の実施の形態と共に使用可能である。
【0053】
ここで図15を参照すると、上記の装置300に関して実質的に説明されたような、フィルタバルブ814の別の実施の形態が示される。フィルタバルブ814は、その近位部826においてより厚い編組827を有する点と、その遠位部828において比較的より薄い編組829を有する点と、において区別される。所謂より薄い編組829は、近位部826におけるものと同様な網組形態の、又は近位部におけるものと類似の寸法の編組フィラメントの、個別により薄い編組フィラメント831の構造の結果であってもよいが、しかし近位構造におけるより密な格子構造において及びフィルタバルブの遠位部を横切ってより広くより低密度の格子構造において、又はこれらの2つの構造的な設計要素の組合せにおいて提示されてもよい。また、近位及び遠位部のフィラメントはそうでなければ、差別化された半径方向の力(近位部におけるより大きな力により)を発揮するように設計されてもよい。一例として、近位部における編組のフィラメントは、所望のように動作するように、寸法又は間隔に関係なく、増大された弾力性又はばね力を有するように選択可能である。近位及び遠位部826、828は、フィルタバルブの最大直径833の周りの周囲により限界を定められることが好ましい。近位及び遠位部826、828は、同質のフィルタ被覆(図4及び5に関して上記で説明された)又は異質のフィルタ被覆(図11−13に関して上記で説明された)のいずれか、及び共通の(図4及び5に関して上記で説明された)又は異なる(図14に関して上記で説明された)編組角度のいずれかを有していてもよい。
【0054】
ここで図16を参照すると、上記の300に関して実質的に説明されるような、装置のためのフィルタバルブ914の別の実施の形態が示される。フィルタバルブ914は、ポリマーフィルタ材料927で被覆されることが好ましい、近位のフィラメント状編組部926と、ポリマーフィルタ材料928を具備する、遠位部と、を具備する。近位及び遠位部926、928は、フィルタバルブの最大直径933の周りの周囲により区画されることが好ましい。この実施の形態によれば、遠位部928は網組無しであり、即ち、任意の自己拡張型フィラメント状構造を具備しない。フィルタバルブ914は、マンドレル(図示せず)において近位部926のためのフィラメント状編組を配置することと、近位の編組の上に及び編組無しの遠位部928の構造のためのマンドレル(そこには網組は設けられない)において更に遠位に、多孔質ポリマー膜状材料を噴霧被覆することと、により形成されてもよい。治療後に、構造体は、マンドレルから取り外される。一旦フィルタバルブ914の近位部926が、外側カテーテル904に結合され、フィルタバルブ914の遠位部928が、内側カテーテル908に結合されると、フィルタバルブは、好適な特性を有する。遠位部928において、フィルタバルブ914は、織物とほぼ同様に構成される。即ち、内側カテーテル908が、外側カテーテル904に対して前進して更に遠位部928が張力下に設置される場合に、フィルタバルブ914の遠位部928は、張力下において強いが、しかし内側カテーテル908が、外側カテーテル904に対して後退して更に遠位部928が圧縮下に設置された場合に、フィルタバルブの遠位部は、圧縮力下においてフロッピーである(柔らかい)。
【0055】
ここで図17A−18を参照すると、上記の装置300に関して実質的に説明された、フィルタバルブ1014の別の実施の形態が示される。フィルタバルブ1014は、図18において最も良く分かるように、その近位部1026におけるフィラメント1027aの編組構造1027と、遠位部1028におけるフィラメント1029aの螺旋構成1029と、を有する点で区別される。編組構造1027は、フィラメントの接合部において交差角を画定するように、お互いの上及び下で交差する、例えば織られた形態の、フィラメント1027aを具備する。以下に説明するように、その様なより少ないフィラメント1029aが、好適には遠位部1028において別のフィラメントの上と下で交差することなく伸張する、編組構造1027に比べてより少ないフィラメント1029aを、螺旋構成1029が具備するので、遠位部は、所望の力を発揮するために編組されないことが好ましい。近位及び遠位部1026、1028は、フィルタバルブ1014の最大直径1033の周りの周囲により限界を定められることが好ましい。編組構造1027及び螺旋構造1029の各々は、好適には装置300における被覆350に関して上述されるような、フィルタ被覆1050を備える。近位及び遠位部の各々におけるストランド(糸状体)数と、それぞれのフィラメントの長さと、それぞれのフィラメントの直径と、それぞれの材料とを含む、編組されていて且つ螺旋状に配置されたフィラメント1027a、1029aは、血管内における意図的な結果得られる適用された半径方向の力に関して個別に又は集合的に最適化可能である。単なる一例として、遠位螺旋状構成は、3、6、12又は20本の螺旋巻き付けられたフィラメントを具備してもよい。また、遠位部1028において螺旋状に配置されたフィラメント1029aは、遠位部の周りに均等に円周方向に離間配置可能であり、即ち、各フィラメント1029aは、その2つの周囲のフィラメント(図18)の間において等距離で変位するか、又はフィラメントが、お互いの間において又はフィラメントのグループ間において(図19)可変な相対的変位を有するように、グループ(群)1131において配置されていて且つ螺旋状に構成された、フィラメント1129aを有することができる。一例として、図19は、2本のフィラメントのグループ1131を示すが、しかし3、4及び6本のグループ、又はフィラメントの異なる数のグループの組み合わせもまた、本開示の範囲内において企図される。また、螺旋状の配置の時計回り(CW)方向が、図17A−18に示される一方で、図19に示されるように、フィラメントが、反時計回り(CCW)の形態において、又はフィラメント1129aの幾つかがCW方向において伸びて、更にフィラメント1129bの残りの部分が、CCW方向において伸びるように構成されてもよいことが理解される。しかし、幾つかのフィラメントがCW及びCCW方向の各々において伸びる場合に、その様なフィラメントは、干渉を防止するように反対方向回転のグループ又はセット(式)の間において(図示のように)、あるいはフィラメントが反対方向のフィラメントの上と下で交差しないように遠位部の別個の「平面」又は層において、伸びることが好ましい。
【0056】
フィルタバルブ1014は、近位の編組部分のフィラメント構造を無傷に維持しながら、編組フィラメント状管状構造体の提供と、特定のフィラメントの選択的な除去及び編組フィラメント状管状構造体の遠位部における残りのフィラメントの螺旋状の巻き付け操作と、により形成されてもよい。その後に、得られたフィラメント状構造体は、被覆されたフィルタである。その様な構造体において、近位部の編組構造を画定するフィラメント及び遠位部の螺旋状巻き付け構造を画定するフィラメントは、連続してもよいことが理解される。このように、この構造体において、本明細書において説明される、近位フィラメントは、その様なフィラメントの近位部とみなされるべきである一方で、本明細書において説明される、遠位フィラメントは、その様な同一のフィラメントの遠位部と見なされるべきである。これとは別に、近位及び遠位部1026、1028のフィラメント状構造体は、別々に形成されて、その後接合され、次いでフィルタ被覆1050により被覆されてもよい。別の製造方法もまた、使用されてもよい。
【0057】
使用時において、上述したように、フィルタバルブ1014が、外側及び内側カテーテル1004、1008の遠位端に設けられた状態で、内側カテーテル1008は、患者に挿入するために、図17Aに示すように、フィルタバルブ104の直径を減少させるように、外側カテーテル1004に対して遠位に移動する。この形態は、治療の処置位置までのガイドワイヤ上における追従を容易にする。フィルタバルブの遠位部1028の螺旋状フィラメント構造は、装置の遠位端においてより低い外形を提供する。治療部位において一度、ガイドワイヤは、取り外し可能である。その後、使用者は、治療のための準備において近位の編組部1026に対して遠位端部1028を後退させるように、外側カテーテル1004に対して内側カテーテル1008を近位において移動を開始する(図17B)。遠位部1028の十分な後退時において、螺旋状フィラメント「支柱」1029aは、周囲がその最大の潜在的な直径1033(図17C)に達する、即ち血管壁に接触するまで、編組部分1028を正反対に半径方向外側に駆動して、半径方向外側に押す。この時点において、螺旋状フィラメント「支柱」は、回転方向に反転を開始し、フィルタバルブの編組近位部内において基本的に引っ張る。このように、本実施の形態において、ヒンジ点は、螺旋から編組への移行において形成される。また、フィルタバルブ1014は、螺旋状フィラメント遠位部1028に比べて、編組近位部1026においてより高い潜在的力を有する。
【0058】
図11−19の各実施の形態において、フィルタバルブの遠位部は、フィルタバルブの近位部に対して大幅に減少された半径方向の力を発揮しており、そのことは、フィルタバルブの機能をバルブとして最適化する結果を生じる。血管内の流体の順流(逆流)において、流体が拡張された近位部の近位側に接触するので、流体は、フィルタバルブの周囲を流れる。対照的に、血管内の流体の後方向又は逆方向(上流)の流れにおいて、流体が、拡張された遠位部の遠位側に接触するので、流体は、フィルタバルブ内に、即ちその周りにではなく、流入する。その様な上流の流れにおいて、特定の流体、即ち血液が、フィルタバルブの二層フィルタ材料を介して流れることができる一方で、フィルタ材料の孔は、対象の別の治療剤及び塞栓剤を捕捉するように、十分に小さい寸法である。
【0059】
任意の実施の形態において、医師は、標的位置までガイドワイヤアウト上においてマイクロバルブ装置の内側カテーテルに追従して進め、更にその後、ガイドワイヤを取り除く。塞栓剤はその後、マイクロバルブの遠位に前記薬剤を送達するように、内側カテーテルを介して注入され、更に装置は、意図するように且つ特定の構造設計に従って使用される。その後、注入後に、患者から装置を取り外す必要がある場合に、医師は、取り外しのためにマイクロバルブ装置を準備又は構成するために2つの選択肢を有する。内側カテーテルは、その直径を減少させるためにマイクロバルブの折り畳みをもたらして身体の血管からのその取り外しを容易にするように、外側カテーテルの遠位端に対して前方に押すか又はそうでなければ移動可能である。これとは別に、薬剤の注入後に、内側カテーテルは、外側カテーテル内においてマイクロバルブ装置の少なくとも一部及び好適には全てを保持し、更に患者からの装置のその後の引き抜き時において、外側カテーテル内のマイクロバルブのその様な部分において任意の塞栓剤を捕捉するように、近位に引き抜かれて更に外側カテーテルの遠位端内において反転させられることができる。第2の選択肢は、放射性塞栓剤について好ましく、その場合、取り外し中において放射性塞栓を拡散させる可能性が、そうでなければ存在し得る。
【0060】
本明細書に記載の任意の実施の形態において、バルブの構成要素は、展開及び後退において摩擦を減少させるように被覆されてもよい。構成要素はまた、バルブに沿って血栓形成を減少させるか又は治療剤、生物製剤又は塞栓と互換性を持つように被覆されてもよい。構成要素は、塞栓剤が後退において血管から取り除かれるように、塞栓剤の結合を増大させるように被覆されてもよい。
【0061】
本発明の一形態によれば、カテーテル本体及びメッシュ(網目)は、X線透視下における容易な可視化のために個別に印付けされてもよい。カテーテル本体は、当該分野で公知の任意の手段、例えば、カテーテルチューブ(管)内に放射線不透過性材料を配合すること等、を用いて印付け可能である。放射線不透過性材料は、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス又は別の材料であり得る。これとは別に又は付加的に、放射線不透過性媒体は、編組及びフィルタの材料中に配合可能である。あるいは前述のように、一つ以上のフィラメントは、白金イリジウム等の放射線不透過性材料により作られるように選択されてもよい。
【0062】
各実施の形態において、内側カテーテルは、単一管腔又は多腔カテーテルであってもよい。カテーテルは、塞栓剤を送達するために使用される、少なくとも1つの管腔を有することが好ましく、そして1つ以上の追加の管腔が、もし所望されるならば、ガイドワイヤ又は別の装置の通路のために提供可能であり、あるいは流体を投与するために、例えば、塞栓剤の投与後に動脈を洗い流すために備えられてもよい。
【0063】
上記の装置及び方法は、身体の血管内において体液(例えば、血液)の近位及び遠位流れを可能にしていて且つ近位方向においてバルブを通過する注入剤の逆流を防止する、システムを主に対象としてきた。バルブはまた、遠位方向において血流を減少させるように最適化されてもよいことが理解される。任意の実施の形態において、フィルタバルブの半径方向の力は、編組角度を調整することにより調整可能である。半径方向の力を調整することは、血流が50%より高くまで減少することを可能にする。一例として、130度より大きい編組角度を提供することは、約150度の編組角度が50−60%で血流を遅くする状態で、遠位方向においてバルブを通過する血流を大幅に減少させる。別の編組角度は、遠位の血流において異なる減少をもたらすことができる。減少された遠位の血流は、遠位の血流が脳及び脊髄動静脈奇形の治療のために減少される、「ウェッジ(楔)」技術の代わりに使用可能である。一旦血流がバルブにより減速されると、シアノアクリル等の接着剤が、標的部位において適用可能である。
【0064】
上記の説明は、治療剤を注入するための装置の使用を主に目的としてきたが、装置は、治療剤の送達が主要な機能ではない場合にさえも、重要な機能性を有することが理解される。一例として、装置は、血栓を回収するように、更に除去された塞栓粒子が患者の血液内に逃げることを防止するように使用可能である。簡潔には、血栓回収装置は、血栓を解放し更に回収するように、内側カテーテル308を通過可能である。フィルタバルブ314は、血栓及び塞栓粒子の噴霧がフィルタバルブを超えて血管内に通過することを防止するように動作する。その後、血栓が捕捉された時に、任意の塞栓粒子と共に血栓は、フィルタバルブが、上述ものと同様の方法において患者から取り外すために外側カテーテル内へ反転される際に、フィルタバルブ内に含まれることができる。その様な使用のために、内側カテーテルは、単一の管腔又は複数の管腔、即ち、血栓回収装置のために1つ及び追加の装置又は治療剤の注入のために1つ以上、を具備してもよい。
【0065】
血管内の塞栓剤の逆流を減少又は防止するための装置及び方法の複数の実施の形態が、本明細書に記載及び例示されてきた。本発明の特定の実施の形態を説明してきたが、本発明は、当該技術分野が許容するようにその範囲において広範であり更に明細書は同様に読まれることが意図されるので、本発明は、特定の実施の形態に限定されることは意図されない。従って、種々の材料が、バルブフィラメントと、バルブフィルタと、内側及び外側カテーテルとに関して列挙されてきたが、別の材料が、様々な実施の形態の各々において、組み合わせにおいて及び限定なしで、バルブフィラメント、バルブフィルタ、内側及び外側カテーテルの各々について、使用され得ることが理解されるであろう。また、本発明は、人間の特定の動脈に関して説明されてきたが、本発明が、人間及び動物の、ダクト(導管)を含む、任意の血管及び別の血管への適用を有し得ることが理解されるであろう。具体的には、装置はまた、肝臓、腎臓又は膵臓癌等の、腫瘍の治療において使用可能である。更に、装置の近位端が、当技術分野において周知の形態を含む、種々の形態のいずれかをとることができるので、実施の形態は、装置の遠位端に関して説明されてきた。単なる一例として、近位端は、内側カテーテルに接続された1つのハンドルと、外側カテーテルに接続された別のハンドルと、を有する、2つのハンドルを具備可能である。もう一方のハンドルに対する第1の方向における一方のハンドルの動きは、治療部位への前進のために非展開形態においてフィルタバルブを伸張するように使用可能であり、及び対向する第2の方向におけるそのハンドルの動きは、フィルタバルブを展開するように使用可能である。ハンドル構成に応じて、フィルタバルブの展開は、ハンドルがお互いから又はお互いに向かって離れるように移動された時に発生可能である。周知のように、ハンドルは、お互いに対しての直線運動又は回転運動を提供するように構成可能である。所望であれば、お互いに対するハンドルの動きが、視覚的に較正されて、更にバルブが開かれる、範囲の指標を与えることができるように、内側カテーテルの近位端は、カテーテルに沿う間隔において、ハッシュマーク(記号)又は別の印を備えることができる。従って、更に別の修正が、特許請求されたその精神及び範囲から逸脱することなく、提供された本発明になされ得るであろうことは、当業者により理解されるであろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19