(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係るユニットルーム2の接続構造は、
図1に示すように、少なくとも一対のユニットルーム2と、一対のユニットルーム2の各々に形成された開口部412と、開口部412の周縁同士を接続する接続枠6とを備えている。
【0011】
接続枠6は、開口部412の周縁のうちの下縁部を接続する下枠61を有する。下枠61は、
図3に示すように幅方向の端面を有している。下枠61は、端面が、各ユニットルーム2に形成された縦面331に対向した状態で設置されている。ここで、本開示でいう「下枠61の端面」とは、下枠6の幅方向のうちの一方の端面を意味する。
【0012】
本実施形態では、下枠61と縦面331との間の少なくとも一部に、くさび部材7が配置されている。くさび部材7は、本実施形態では、縦面331と下枠61の端面との間に打ち込まれることで、下枠61に対して、ユニットルーム2から下枠61に向かう方向の外力を与える。外力が与えられた下枠61は、くさび部材7とは反対側の端面が、縦面331に対して押し付けられる(ここでは、別のくさび部材7を介して押し付けられる)。これにより、下枠61は縦面331に対して上下方向の位置が保持される。この結果、下枠61の反り、がたつき又は浮き上がり等を抑えることができる。
【0013】
(2)詳細
以下、本実施形態に係るユニットルーム2の接続構造の詳細を説明する。ここで、本開示では、複数のユニットルーム2を、
図1に示すように、順番に、第1のユニットルーム20,第2のユニットルーム21として定義する。また、第1のユニットルーム20から第2のユニットルーム21に向かう水平方向を第1の方向D1とし、第1の方向D1とは反対方向を第2の方向D2として定義する。また、第1の方向D1及び第2の方向D2に直交しかつ水平面に沿う方向を第3の方向D3(双方向)として定義する。
【0014】
なお、本開示でいう水平面は、ユニットルーム2を設置する面(設置面)に平行な面をいい、水平方向は、設置面に平行な方向を意味する。したがって、本開示でいう水平面は、必ずしも地球の重力に対して直交していなくてもよい。
【0015】
本実施形態に係るユニットルーム2の接続構造は、一対のユニットルーム2と、接続枠6と、くさび部材7(
図3)とを備えている。
【0016】
(2.1)ユニットルーム
ユニットルーム2は、所定の設備を有する部屋であり、本実施形態では、ユニットバスルームである。所定の設備は、本実施形態では、浴槽22、シャワー装置23及び手すり421である。ただし、本開示では、所定の設備はシャワー装置23のみであってもよいし、洗面台,便器又はサウナ装置等であってもよい。また、本開示では、複数のユニットルーム2のうちの一のユニットルーム2を、浴槽22及びシャワー装置23を有する部屋とし、他の一のユニットルーム2を、シャワーのみを有するユニットルーム2等としてもよい。すなわち、すべてのユニットルーム2が共通した設備を備えていなくてもよい。
【0017】
一対のユニットルーム2は、隣り合っており、第1の方向D1に並んでいる。ここで、本実施形態に係る第1のユニットルーム20及び第2のユニットルーム21は、互いに対称に形成されている。各ユニットルーム2は、床パン3と、床パン3の周囲に立ち上げられた複数の壁パネル4と、複数の壁パネル4の上端部に設置された天井パネル5とを備えている。
【0018】
床パン3は、ユニットルーム2の床面を構成する防水パンである。床パン3の上面は、ユニットルーム2の床面である。床パン3は、本実施形態では、上方から見て(平面視)矩形状に形成されており、例えば、合成樹脂製である。床パン3は、本実施形態では、洗い場を構成する洗い場部35と、浴槽22を設置する浴槽設置部36とに区画されており、床パン3の外周部には、床パン3の上面から立ち上げられた立上部31が形成されている。ただし、立上部31は、接続枠6に対応する部分と、出入口に対応する部分には設けられていない。
【0019】
なお、床パン3の下面には、複数のアジャスターフット(図視せず)が取り付けられており、床パン3は、設置面に対して、複数のアジャスターフットを介して設置されている。
【0020】
壁パネル4は、ユニットルーム2の壁面を構成する。壁パネル4は、立上部31の上端部に載った状態で、立上部31に取り付けられている。本実施形態では、
図2に示すように、複数の壁パネル4として、第1壁41と、第2壁42と、第3壁43と、第4壁44とを備えている。
【0021】
第1壁41は、ユニットルーム2の壁パネル4のうち、隣接する他のユニットルーム2に対向する壁パネルである。第1壁41は、本実施形態では、第3の方向D3に離れた2つの小壁411と、2つの小壁411の間に形成された開口部412とを備えている。
【0022】
開口部は、ユニットルーム2の出入口とは別に形成された開口部であり、隣接する他のユニットルーム2への連絡口となる。開口部412は、第1壁41を第1の方向D1に貫通する。開口部412は、本実施形態では、2つの小壁411の対向する端面、天井パネル5の下面及び床パン3の上面で囲まれる部分であり、矩形状に形成されている。開口部412は、浴室内に面する浴室内側開口面と、隣接するユニットルーム2に面する浴室外側開口面とを備えている。なお、本開示では、開口部は、第1壁41に形成された貫通部の周縁及び床パン3の上面で囲まれた部分により構成されてもよい。この場合、貫通部は、第1壁41において、下方向,第1の方向D1及び第2の方向D2に開放する。
【0023】
開口部412は、隣接するユニットルーム2の開口部412に対向する。すなわち、本実施形態では、浴室外側開口面同士が互いに平行となり、開口部412の周縁部が互いに平行に形成される。
【0024】
第2壁42は、第1壁41に対向する。第2壁42は、本実施形態では、浴槽22が隣接する。また、第2壁42には、浴槽22よりも上方に手すり421が固定されている。第2壁42は、第3の方向D3及び上下方向に平行である。
【0025】
第3壁43は、第1壁41及び第2壁42に直交する。第3壁43は、本実施形態では、シャワー装置23が取り付けられている。第3壁43は、第1の方向D1(第2の方向D2)及び上下方向に平行である。
【0026】
第4壁44は、第3壁43に対し、第3の方向D3に離れて対向する。第4壁44は、出入口用の開口部441を有している。出入口用の開口部441には、複数の開閉扉が取り付けられる。本実施形態では、開閉扉は、引き戸442である。
【0027】
(2.2)接続枠
接続枠6は、第1の方向D1に隣り合う一対のユニットルーム2の間に配置され、開口部412同士を接続する。本実施形態に係る接続枠6は、
図1に示すように、下枠61と、一対の縦枠62と、上枠63とを備え、矩形枠状に形成されている。接続枠6は、例えば、アルミニウム等の金属、合成樹脂又はカーボン等により構成される。
【0028】
下枠61は、開口部412の下縁部同士を接続する。下枠61は、第1の方向D1(第2の方向D2)に幅を有し、第3の方向D3に延びている。下枠61は、一対の縦枠62の間に配置されて、一対の縦枠62にねじ留めされる。
【0029】
本開示でいう、下枠61で一対の開口部412の下縁部同士を接続するとは、互いに離れている開口部412の下縁部同士を、下枠61で続け合わせることを意味し、開口部412の下縁部に対して下枠61が固定されているかどうかは問わない。また、本実施形態では、下枠61と床パン3の上面とが面一の状態で、開口部412の下縁部同士が接続されるが、本開示では、下枠61と床パン3の上面とは面一でなくてもよい。
【0030】
図3に示すように、下枠61は、本実施形態では、下枠本体610と、下枠本体610に取り付けられるカバー611とを備えている。下枠本体610は、下枠61の主体を構成する部分である。下枠本体610は、第1の方向D1(第2の方向D2)に幅を有し、第3の方向D3に延びている。下枠本体610は、一対の縦枠62の間に配置されて、一対の縦枠62にねじ留めされる。下枠本体610は、上面が開口した複数の凹部612を有している。
【0031】
カバー611は、平板状に形成されており、下枠本体610に対して着脱可能である。カバー611は、複数の凹部612を覆うようにして配置される。
【0032】
本実施形態では、縦枠62及び上枠63でも、一対の開口部412同士を接続している。本実施形態では、縦枠62及び上枠63が、各開口部412の対応する縁に対して、固定されている。なお、本開示では、接続枠6は、縦枠62及び上枠63は、一対の開口部412に対して固定されていなくてもよい。
【0033】
(2.3)接続構造の詳細
本実施形態に係るユニットルーム2の接続構造は、
図3に示すように、床パン3に設けられた支持部32を有している。支持部32は、床パン3に設けられて下枠61を支持する部分である。支持部32は、開口部412の下縁部を構成する。支持部32は、縦片33と、載置片34とを備えている。
【0034】
縦片33は、床パン3の外周端部のうちの開口部412側の端部から下方に突出する。縦片33の厚み方向の両側の面のうち、接続枠6側の面を縦面331とする。縦面331は、下枠61の端面に対向する。
【0035】
載置片34は、下枠61が載せられる部分である。第1のユニットルーム20に対応する載置片34は、縦片33の下端部から第1の方向D1に突出する。また、第2のユニットルーム21に対応する載置片34は、縦片33の下端部から第2の方向D2に突出する。第1のユニットルーム20の床パン3の載置片34と、第2のユニットルーム21の床パン3の載置片34とは、同一平面上に位置し、かつ互いに離れている。本実施形態では、載置片34は、下枠61に対し、固着具により固定されない。なお、ここでいう固着具には、例えば、ねじ、ボルト又はリベット等が挙げられる。
【0036】
第1のユニットルーム20の支持部32、及び第2のユニットルーム21の支持部32の上方には、下枠61が配置される。2つの支持部32の上方に下枠61が配置されると、下枠61の上面は、床パン3の上面に対して面一となる。
【0037】
ここで、本開示でいう「下枠61の上面が床パン3の上面に対して面一である」とは、下枠61の上面と床パン3の上面とが、同一平面上に位置する場合だけでなく、僅かに高さの差がある場合も含むものとする。すなわち、本開示において、「下枠61の上面が床パン3の上面に対して面一である」とは、厳密な意味での面一を意味するのではなく、バリアフリー構造として、段差がない効果が得られる範囲であれば、「面一」の範疇であるとする。
【0038】
本実施形態に係るユニットルーム2は、第1のユニットルーム20の縦面331と下枠61の第2の方向D2の端面との間、及び第2のユニットルーム21の縦面331と下枠61の第1の方向D1の端面との間のそれぞれに、くさび部材7が配置されている。
【0039】
(2.4)くさび部材
くさび部材7は、第1のユニットルーム20又は第2のユニットルーム21の縦面331と下枠61との間に挟まれる部材である。くさび部材7が縦面331と下枠61との間に挟まれることで、縦面331に対する下枠61の移動又は変形を抑え、下枠61の反り、がたつき又は浮き上がり等を抑えることができる。くさび部材7は、本実施形態では、合成樹脂により構成されるが、本開示では、金属製、カーボン製等であってもよい。くさび部材7は、
図4に示すように、本体部71と、変形可能部72と、化粧部73とを備えている。
【0040】
ここで、本開示でいう「くさび部材7」とは、一端から他端にいくに従って薄くしたような、断面三角形状のいわゆる「くさび」形状の部材を意味するのではなく、単に「縦面331と下枠61との間に挟まれる部材」であることを意味するに過ぎない。したがって、本開示では、くさび部材7の形状は特に限られない。
【0041】
本体部71は、くさび部材7において、縦面331と下枠61の端面との間に挟まれる部分であって、主体をなす部分である。本体部71は、本実施形態では、上下方向に延びた平板状に形成されている。本体部71の下端部は、下方向にいくほど厚みが小さくなっている。本体部71は、開口部412の下縁部の全長にわたる長さを有しており、すなわち、くさび部材は、開口部412の下縁部の全長にわたる。本体部71は、硬質樹脂、金属又はカーボン等により構成される。
【0042】
変形可能部72は、本体部71の厚さ方向の少なくとも一方の面に形成されて、本体部71よりも柔軟に形成されている。変形可能部72は、くさび部材7が縦面331と下枠61の端面との間に差し入れられるときに、一定以上の力で差し入れることができるように、厚み等が設定されている。言い換えると、本開示では、変形可能部72は、くさび部材7が縦面331と下枠61の端面との間に圧入可能となるように設定されている。
【0043】
変形可能部72は、本実施形態では、複数のヒレ721により構成されており、本体部71の厚さ方向の両側に設けられている。各ヒレ721は、本体部71から離れるほど上方に位置するように傾斜している。各ヒレ721は、軟質樹脂やゴム等により構成されており、弾性変形可能である。複数のヒレ721は、くさび部材7が、縦面331と下枠61の端面との間に圧入されると、本体部71の移動に伴い、弾性変形する。このとき、くさび部材7は、下枠61の端面に対して、くさび部材7から下枠61の端面に向かう方向の外力を与える。
【0044】
化粧部73は、縦面331と下枠61の端面との間の隙間を上方から覆う部分である。化粧部73は、本体部71の上端部に設けられている。化粧部73は、本実施形態では、本体部71と同じ材料で構成されている。化粧部73の下面は、本体部71を差し入れる方向(上下方向)に対して直交しており、化粧部73の上面は、化粧部73の下面に対して傾いている。化粧部73の先端は、本体部71が縦面331と下枠61の端面との間に配置された状態において、本体部71から床パン3側に突出しており、床パン3の上面に接触する。
【0045】
図3に示すように、第1のユニットルーム20の縦面331と下枠61の端面との間にくさび部材7が差し入れられると、下枠61は第1の方向D1に移動し、下枠61の第1の方向D1の端面が、第2のユニットルーム21の縦面331に押し付けられる。また、本実施形態では、第2のユニットルーム21の縦面331と、下枠61の端面との間にも、別のくさび部材7が差し入れられる。すなわち、下枠61は、各端面が、くさび部材7を介して、対応する縦面331に押し付けられるため、第2のユニットルーム21の縦面331及び第1のユニットルーム20の縦面331に対して、位置保持される。このとき、縦面331と下枠61の端面との間は、上方から化粧部73によって覆われる。このため、縦面331と下枠61の端面との間の隙間が目立つのを抑えることができる。
【0046】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を説明する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0047】
(3.1)くさび部材の変形例1
図5Aには、変形例1に係るくさび部材7を示す。変形例1に係るくさび部材7は、上記実施形態1に係るくさび部材7とは、変形可能部72が、本体部71の一方の面にのみ形成されている点で異なっている。変形例1に係るくさび部材7は、実施形態に係るくさび部材7と同様に、複数のヒレ721により構成される。
【0048】
なお、変形可能部72は、本体部71の縦面331に対向する面に形成されてもよいし、本体部71の下枠61の端面に対向する面に形成されてもよい。
【0049】
これによっても、上記実施形態に係るくさび部材7と同様、縦面331と下枠61の端面との間に、適切な圧力で、くさび部材7を配置することができ、下枠61の反り、がたつき又は浮き上がり等を抑えることができる。
【0050】
(3.2)くさび部材の変形例2
図5Bには、変形例2に係るくさび部材7を示す。変形例2に係るくさび部材7は、化粧部73を有していない点で、上記実施形態1に係るくさび部材7とは異なっている。変形例2に係るくさび部材7は、縦面331と下枠61の端面との間に差し入れられるときに、上記実施形態と同様に、適切な力で圧入される。したがって、下枠61に適切な外力を与えることができ、下枠61の反り、がたつき又は浮き上がり等を抑えることができる。
【0051】
もちろん、本変形例に係るくさび部材7は、化粧部73を有していないため、縦面331と下枠61の端面との間の隙間を覆うことができず、当該隙間が見えてしまう。このため、くさび部材7を差し入れた後に、例えば、シリコーンコーキング等で、縦面331と下枠61の端面との間の隙間を埋めることが好ましい。
【0052】
(3.3)くさび部材の変形例3
図5Cには、変形例3に係るくさび部材7を示す。変形例3に係るくさび部材7は、変形可能部72が、ヒレ721ではなく、低反発フォーム等の柔軟体で構成されている点で、上記実施形態1に係るくさび部材7とは異なっている。
【0053】
本変形例のくさび部材7は、本体部71の厚み方向の両面に対して、変形可能部72が形成されている。
【0054】
くさび部材7が縦面331と下枠61の端面との間に差し入れられると、変形可能部72が変形しながら追従する。このとき、くさび部材7は圧入されることで、下枠61に適切な外力を与えることができ、下枠61の反り、がたつき又は浮き上がり等を抑えることができる。
【0055】
(3.4)その他の変形例
その他、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0056】
本開示において、開口部412の開口面は、開口部412を開閉可能なカーテン又は引き戸等が設けられてもよい。引き戸が設置される場合、下枠61の上面にレールが形成されてもよい。
【0057】
上記実施形態に係るくさび部材7は、変形可能部72を有していたが、本開示では、変形可能部72はなくてもよい。変形可能部72が設けられない場合、本体部71の厚さを調整することで、くさび部材7の圧入の程度を調整してもよい。
【0058】
上記実施形態に係るくさび部材7は、開口部412の下縁部の全長にわたって形成されたが、本開示では、開口部412の下縁部に断続的に形成されたり、下縁部の長手方向の一部にのみ形成されたりしてもよい。すなわち、本開示では、くさび部材7は、縦面331と下枠61の端面との間の少なくとも一部に配置されていればよい。また、上記実施形態では、くさび部材7は、第1のユニットルーム20の縦面331と下枠61の端面、及び第2のユニットルーム21の縦面331と下枠61の端面の2か所に配置されたが、いずれか一方の箇所のみに配置されてもよい。
【0059】
上記実施形態では、2つのユニットルーム2を接続する構造であったが、本開示では、3つ以上のユニットルーム2を接続してもよい。
【0060】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係るユニットルーム(2)の接続構造は、隣り合う一対のユニットルーム(2)と、一対の開口部(412)と、接続枠(6)とを備える。一対の開口部(412)は、一対のユニットルーム(2)の各々に形成されて互いに対向する。接続枠(6)は、一対のユニットルーム(2)の間に配置され、一対の開口部(412)の周縁同士を接続する。接続枠(6)は一対の開口部(412)の下縁部同士を接続する下枠(61)を有する。下縁部は下枠(61)の端面に対向する縦面(331)を有する。縦面(331)と下枠(61)の端面との間の少なくとも一部にくさび部材(7)が配置されている。
【0061】
この態様によれば、くさび部材(7)によって、下枠(61)の端面に対して、縦面(331)から下枠(61)の端面に向かう外力を与えることができる。これにより、下枠(61)の変形(例えば、反り、がたつき又は浮き上がり等)を抑えることができる。
【0062】
第2の態様に係るユニットルーム(2)の接続構造は、第1の態様において、くさび部材(7)は、本体部(71)と、本体部(71)において縦面(331)又は下枠(61)の端面に対向する面に形成され、本体部(71)よりも柔軟な変形可能部(72)とを有している。
【0063】
この構成によれば、縦面(331)と下枠(61)の端面との間の寸法に応じて、くさび部材(7)を縦面(331)と下枠(61)の端面との間に差し入れる力の程度(圧入の程度)を設定しやすい。
【0064】
第3の態様に係るユニットルーム(2)の接続構造は、第1又は第2の態様において、くさび部材(7)は、縦面(331)と下枠(61)の端面との間の隙間を上方から覆う化粧部(73)を有する。
【0065】
この構成によれば、くさび部材(7)を縦面(331)と下枠(61)の端面との間に差し入れるだけで、縦面(331)と下枠(61)の端面との間の隙間を覆うことができる。このため、縦面(331)と下枠(61)の端面との間の隙間をコーキング等で覆う処理の手間を省くことができる。
【0066】
第4の態様に係るユニットルーム(2)の接続構造は、第1〜第3のいずれかの態様において、くさび部材(7)は、下縁部の全長にわたって形成されている。
【0067】
この構成によれば、下縁部の全長にわたって、くさび部材(7)による保持力を及ぼすことができ、一層、下枠(61)の変形を抑えることができる。
【0068】
第5の態様に係るユニットルーム(2)の接続構造は、第1〜4のいずれかの態様において、一対のユニットルーム(2)の各々は、下枠(61)が載せられる載置片(34)を有する。載置片(34)と下枠(61)とは、固着具により固定されていない。
【0069】
この構成によれば、載置片(34)と下枠(61)とを固着具で固定する作業の手間を省くことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
【0070】
第2〜第5の態様に係る構成については、本開示に係るユニットルーム(2)の接続構造に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。