(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二ステップにおいては、UV(UltraViolet)インクジェット印刷、スクリーン印刷、または、スプレー塗装によって前記凹凸構造上に前記図柄層を形成する
請求項15〜19のいずれか1項に記載の照明装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。また、下記の実施の形態において、「ほぼ」という表現がある場合、この表現には、製造誤差または寸法公差等を含むという意味もある。
【0012】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸方向は、導光体の厚み方向として説明される。例えば、照明装置の製造方法の説明においては、Z軸−側が、上側(上方)と表現され、Z軸+側は、下側(下方)と表現される。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。
【0013】
(実施の形態1)
[実施の形態1に係る照明装置の構成]
まず、実施の形態1に係る照明装置の構成について、
図1〜
図3を用いて説明する。
図1及び
図2は、実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図である。
図1は、光源が発光していないときの照明装置の外観斜視図であり、
図2は、光源が発光しているときの照明装置の外観斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置の模式断面図である。
【0014】
図1〜
図3に示される、実施の形態に係る照明装置10は、サインまたは看板等に用いられる照明装置である。照明装置10は、光源11と、導光体12と、図柄層14と、下地層15と、コーティング層16とを備える。導光体12には、装飾加工が施されている。具体的には、導光体12の裏面である第二主面12cには、凹凸構造13が設けられ、かつ、凹凸構造13上に凹凸構造13に沿って図柄を構成する図柄層14が設けられている。ユーザは、導光体12の表面である第一主面12b側からこの図柄を視認することができる。第一主面12bは、第二主面12cと異なり、平坦である。
【0015】
ここで、凹凸構造13は、図柄に対応したものである。
図1に示されるように光源11が発光していないときには、図柄は比較的平坦なものとして視認される。これに対し、
図2に示されるように、光源11が発光しているときには、凹凸構造13により、図柄は、光源11が発光していないときよりも立体的に視認される。つまり、光源11が発光しているときに導光体12を第一主面12b側から見ると、凹凸構造13により図柄が立体的に見える。
【0016】
図柄層14及び凹凸構造13は、例えば、画像データに基づいて形成される。図柄層14及び凹凸構造13がCG(Computer Graphics)による3Dモデリングにより形成されれば、照明装置10は、単なるレプリカの枠を超えて、直接スキャンできないマテリアル、非実在マテリアル、絵画表現、彫刻表現、及び、CG表現などを実物のように再現することができる。
【0017】
このように、照明装置10は、表側の第一主面12bが平坦でありながら、図柄に立体的な質感を与えることができる。つまり、照明装置10は、表示対象の図柄の質感を向上することができる。照明装置10においては、第一主面12bが平坦であるため、第一主面12bに埃などの異物が溜まりにくい。また、照明装置10は、第一主面12bが平坦であるため、第一主面12bに異物が付着しても清掃が容易である。以下、このような照明装置10の各構成要素について説明する。
【0018】
光源11は、導光体12の端面12aに向けて光を発する。光源11は、例えば、長尺状の基板に、SMD(Surface Mount Device)型のLED素子が複数実装されたSMD型の発光モジュールであり、白色光を発する。なお、光源11の具体的構成、及び、発光色は、特に限定されない。光源11は、例えば、端面12aと対向配置される。
【0019】
導光体12は、透光性を有する板材である。導光体12は、具体的には、透明の導光板である。導光体12は、例えば、平板状であるが、湾曲した板状であってもよい。導光体12は、例えば、アクリル樹脂によって形成されるが、その他の透光性を有する樹脂、または、ガラス等の無機物によって形成されてもよい。導光体12は、端面12a、第一主面12b、及び、第二主面12cを有する。
【0020】
端面12aは、光源11が発する光が入射する入射面である。端面12aは、例えば、平面であるが、曲面であってもよい。また、端面12aは、表面加工されていてもよい。
【0021】
第一主面12bは、導光体12のうちユーザによって視認される表面である。第一主面12bは、平面である。言い換えれば、第一主面12bは、平坦である。
【0022】
第二主面12cは、導光体12の裏面である。第二主面12cは、第一主面12bと背向する面である。第一主面12bと異なり、第二主面12cには、凹凸構造13が設けられている。
【0023】
凹凸構造13は、光源11が発光しているときに図柄層14によって構成される図柄に立体的な質感を与えるための構造である。凹凸構造13は、図柄の内容に対応して凸凹している。つまり、凹凸構造13の凹凸パターンは、図柄に対応してカスタマイズされ、図柄が異なる複数の照明装置10間では、凹凸構造13の凹凸パターンも異なる。バックライトなどとして用いられる導光体の凹凸構造と異なり、凹凸構造13は、導光体12内の輝度の均一化を目的とするものではなく、導光体12内の輝度を図柄に応じて異ならせることを目的とするものである。凹凸構造13によれば、図柄に奥行感を与えることができる。
【0024】
図柄層14は、凹凸構造13上に、凹凸構造13に沿って設けられる。図柄層14は、例えば、凹凸構造13上にほぼ均一な膜厚で形成される。図柄層14は、図柄を構成する。ここでの図柄は、広義の図柄を意味し、写真及びCGなどを含む。図柄層14は、例えば、透光性を有するインクによって形成される。
【0025】
下地層15は、図柄層14上に形成された、図柄層14よりも遮光性の高い層である。下地層15は、例えば、白色または黒色などの単一色のインクによって形成される。下地層15は、例えば、図柄層14上にほぼ均一な膜厚で形成される。下地層15によれば、光源11の非発光時の図柄層14の光透過性を抑え、図柄の発色を鮮やかにする効果が得られる。また、下地層15によれば、光源11が発光しているときに視認される図柄の立体感を高めることができる。また、下地層15は、図柄層14を汚れまたは傷等から保護する機能も有する。
【0026】
コーティング層16は、照明装置10の使用条件(言い換えれば、使用環境)に応じて形成される層である。コーティング層16は、透光性を有する。コーティング層16は、例えば、第一主面12bにほぼ均一な膜厚で形成される。コーティング層16は、具体的には、第一主面12bへの傷防止のためのハードコート層(言い換えれば、保護層)である。コーティング層16は、第一主面12bにおける光の反射抑制機能を有していてもよい。
【0027】
[実施の形態1に係る照明装置の製造方法]
次に、照明装置10の製造方法について説明する。
図4は、照明装置10の製造方法のフローチャートである。
【0028】
まず、導光体12の元となる導光部材の第二主面12cに凹凸構造13が形成される(S11)。これにより、導光体12が作製される。ステップS11は、第一ステップの一例である。凹凸構造13は、例えば、切削装置による切削によって形成される。より具体的には、凹凸構造13は、切削装置によるNC(Numerical Control)切削によって形成される。
【0029】
切削装置は、例えば、後述のステップS12において凹凸構造13に印刷または塗布される図柄の画像データを取得し、第二主面12cのうち、当該画像データにおいて輝度の高い部分に相当する領域ほど深く切削する。この結果、導光体12の厚みは、画像データにおいて輝度が高い部分ほど薄くなる。より具体的には、導光体12の厚みは、画像データにおける輝度値に反比例する。例えば、
図3では、輝度が比較的低い部分の厚みt1は、輝度が比較的高い部分の厚みt2よりも分厚い。
【0030】
導光体12は、画像データにおける輝度に応じて相対的に厚みが異なればよい。導光体12の厚みの絶対値については、経験的または実験的に適宜定められればよい。また、精細な立体感を与えるためには、画像データにおける画素を最小単位として導光体12の厚みが細かく変更されればよい。
【0031】
なお、凹凸構造13は、NC切削以外の工法により形成されてもよい。例えば、凹凸構造13は、金型を用いた射出成型によって形成されてもよい。また、凹凸構造13は、レーザ加工によって形成されてもよい。
【0032】
次に、ステップS11において作製された導光体12の凹凸構造13上に図柄層14が形成される(S12)。ステップS12は、第二ステップの一例である。図柄層14は、例えば、印刷装置によるUV(UltraViolet)インクジェット印刷によって形成される。UVインクジェット印刷とは、紫外線硬化型のインクを用いたインクジェット印刷を意味する。印刷装置は、例えば、図柄の画像データを取得し、画像データにおける色(例えば、色相及び彩度)に基づいて図柄を凹凸構造13上に印刷する。ステップS12には、インクの塗布工程、及び、塗布されたインクへの紫外光の照射工程が含まれる。
【0033】
なお、図柄層14は、UVインクジェット印刷以外の工法により形成されてもよい。例えば、図柄層14は、スクリーン印刷によって形成されてもよい。また、図柄層14は、スプレー塗装によって形成されてもよい。
【0034】
次に、ステップS12において形成された図柄層14上に下地層15が形成される(S13)。ステップS13は、第三ステップの一例である。下地層15は、例えば、印刷装置によるUVインクジェット印刷によって形成される。印刷装置は、例えば、図柄層14の全面に図柄層14よりも遮光性の高い単一色のインクを塗布し、紫外光の照射によって硬化する。なお、下地層15が図柄層14の全面を覆うことは必須ではなく、下地層15は、図柄層14の少なくとも一部を覆えばよい。
【0035】
なお、下地層15は、UVインクジェット印刷以外の工法により形成されてもよい。例えば、下地層15は、スクリーン印刷によって形成されてもよい。また、下地層15は、スプレー塗装によって形成されてもよい。
【0036】
また、コーティング層16は、
図4の製造方法が行われる前にあらかじめ導光体12に形成されていてもよいし、ステップS13の後に形成されてもよい。コーティング層16は、ステップS11及びステップS12の間、または、ステップS12及びステップS13の間に形成されてもよい。
【0037】
[変形例1]
導光体12の端面12aには、光源11が発する光に所定の光学特性を与える光学構造が設けられてもよい。以下の変形例では、このような照明装置について説明する。
図5は、実施の形態1の変形例1に係る照明装置の模式断面図である。
【0038】
図5に示される照明装置10aが備える導光体12の端面12aには、光源11が発する光をコリメートする光学構造12dが設けられている。コリメートとは、光源11が発する光を実質的に平行化することを意味する。光学構造12dは、導光体12と一体形成されている。
【0039】
このような光学構造12dによれば、導光体12内に光源11が発する光を行き渡らせることができる。
【0040】
[変形例2]
また、
図6は、実施の形態1の変形例2に係る照明装置の模式断面図である。
図6に示される照明装置10bが備える導光体12の端面12aには、光源11が発する光を散乱する光学構造12eが設けられている。光学構造12eは、具体的には、異方散乱性を有する。光学構造12eは、導光体12と一体形成されている。光学構造12eは、光を散乱することができればよく、具体的な態様については特に限定されない。
【0041】
このような光学構造12eによれば、光源11が発する光を散乱して導光体12内に導くことができる。つまり、端面12aに入射する光の均一性を高めることにより、導光体12内に光源11が発する光を行き渡らせることができる。
【0042】
なお、変形例1及び変形例2では、光源11が発する光をコリメートまたは散乱する光学構造について説明されたが、導光体12の端面12aには、光源11が発する光を集光する光学構造が設けられてもよい。
【0043】
[変形例3]
また、照明装置10は、導光体12と別体の光学構造を備えてもよい。
図7は、このような実施の形態1の変形例3に係る照明装置の模式断面図である。
図7に示される照明装置10cにおいては、導光体12の端面12a及び光源11の間に光学構造
17が位置する。光学構造
17は、光源11が発する光に所定の光学特性を与える。光学構造
17は、例えば、コリメートレンズであり、光源11が発する光をコリメートする。これにより照明装置10cにおいても照明装置10aと同様の効果が得られる。
【0044】
また、光学構造
17は、散乱レンズであり、光源11が発する光を散乱してもよい。これにより、照明装置10cにおいても照明装置10bと同様の効果が得られる。また、光学構造
17は、集光レンズであり、光源11が発する光を集光してもよい。
【0045】
[変形例4]
また、照明装置10の端面12aは、湾曲面であってもよい。
図8は、このような実施の形態1の変形例4に係る照明装置の模式断面図である。
【0046】
図8に示される照明装置10dが備える導光体12の端面12fは、湾曲面である。端面12aは、具体的には、X軸方向から見た場合の断面形状がZ軸+側に向かって突出する放物線状である。これにより、光源11を第二主面12c側に配置することができる。なぜなら、第二主面12c側に配置された光源11が発する光は、端面12fと空気との界面で反射して導光体12内へ向かうからである。
【0047】
なお、端面12aは、X軸方向から見た場合の断面形状がZ軸−側に向かって突出する放物線状であってもよく、この場合、光源11を第一主面12b側に配置することができる。光源11の光軸は、例えば、第一主面12bと直交する。
【0048】
なお、端面12fと同様の機能が別体の光学構造によって実現されてもよい。例えば、照明装置10において、端面12fと同様の機能を有するプリズムが導光体12の端面12a及び光源11の間に配置されてもよい。
【0049】
[実施の形態1の効果等]
以上説明したように、照明装置10は、光源11と、光源11が発する光が入射する端面12a、第一主面12b、及び、凹凸構造13が設けられた、第一主面12bと背向する第二主面12cを有する導光体12と、凹凸構造13上に設けられた、図柄を構成する図柄層14と、第一主面12bに設けられたコーティング層16とを備える。凹凸構造13は、図柄に応じたものである。
【0050】
これにより、照明装置10は、表示対象の図柄の質感を向上することができる。照明装置10は、具体的には、光源11を発光させることにより、表示対象の図柄の立体感を向上することができる。
【0051】
また、照明装置10a及び照明装置10bにおいては、導光体12の端面12aには、光源11が発する光を集光、拡散、またはコリメートする光学構造が設けられる。
【0052】
これにより、導光体12と一体の光学構造により集光、拡散、またはコリメートされた光によって表示対象の図柄の質感を向上することができる。
【0053】
また、照明装置10cは、さらに、端面12a及び光源11の間に位置し、光源11が発する光を集光、拡散、またはコリメートする光学構造
17を備える。
【0054】
これにより、導光体12と別体の光学構造により集光、拡散、またはコリメートされた光によって表示対象の図柄の質感を向上することができる。
【0055】
また、例えば、光源11が発光しているときに導光体12を第一主面12b側から見ると、凹凸構造13により図柄が立体的に視認される。
【0056】
これにより、照明装置10は、表示対象の図柄の質感を向上することができる。照明装置10は、具体的には、光源11を発光させることにより、表示対象の図柄の立体感を向上することができる。
【0057】
また、照明装置10dにおいては、端面12fは、湾曲面である。
【0058】
これにより、光源11を第一主面12b側または第二主面12c側に配置することができる。
【0059】
また、例えば、端面12fは、断面形状が放物線状の湾曲面である。
【0060】
これにより、光源11を第一主面12b側または第二主面12c側に配置することができる。
【0061】
また、例えば、照明装置10は、さらに、図柄層14上に形成された、図柄層14よりも遮光性の高い下地層15を備える。
【0062】
これにより、導光体12の裏側への光の透過が抑制されることで図柄の質感をさらに高めることができる。
【0063】
また、例えば、第一主面12bは、平坦である。
【0064】
これにより、第一主面12bに埃などの異物が溜まりにくい。第一主面12bに異物が付着しても清掃が容易である効果が得られる。
【0065】
また、照明装置10の製造方法は、光源11が発する光が入射する端面12a、第一主面12b、及び、凹凸構造13が設けられた、第一主面12bと背向する第二主面12cを有する導光体12を作製する第一ステップと、作製された導光体12の凹凸構造13上に、図柄を構成する図柄層14を形成する第二ステップとを含む。凹凸構造13は、図柄に応じたものである。
【0066】
このような製造方法は、表示対象の図柄の質感を向上することができる照明装置10を製造することができる。
【0067】
また、照明装置10の製造方法のステップS11においては、導光部材に凹凸構造13を形成することにより、導光体12を作製し、凹凸構造13は、切削、金型を用いた射出成型、または、レーザ加工によって形成される。
【0068】
これにより、単一の導光部材の加工により導光体12を作製することができる。
【0069】
また、照明装置10の製造方法のステップS12においては、UVインクジェット印刷、スクリーン印刷、または、スプレー塗装によって凹凸構造13上に図柄層14を形成する。
【0070】
これにより、印刷または塗装によって凹凸構造13上に図柄層を形成することができる。
【0071】
また、凹凸構造13は、図柄の画像データに基づいて形成され、導光体12の厚みは、画像データにおいて輝度が高い部分ほど薄い。
【0072】
これにより、表示対象の図柄の質感を向上するための凹凸構造13を形成することができる。
【0073】
(実施の形態2)
[実施の形態2に係る照明装置の構成]
上記実施の形態1では、導光体12は、単一の導光部材の切削等により作製されたが、導光体12の構造及び作製方法は、実施の形態1に限定されない。例えば、照明装置10は、複数の透光性部材が積層された構造の導光体を備えてもよい。
図9は、このような実施の形態2に係る照明装置の模式断面図である。なお、以下の実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明については適宜省略される。
【0074】
図9に示される照明装置10eは、光源11と、導光体20と、図柄層14と、下地層15と、コーティング層16とを備える。
【0075】
導光体20は、光源11が発する光が入射する端面20a、平坦な第一主面20b、及び、第一主面20bと背向する、凹凸構造13が設けられた第二主面20cを有する。導光体20は、透光層21、及び、フィルム層22が積層された構造を有する。
【0076】
透光層21は、透光性を有する板材である。透光層21は、具体的には、透明の導光板である。透光層21は、例えば、平板状であるが、湾曲した板状であってもよい。透光層21は、アクリル樹脂によって形成されるが、その他の透光性を有する樹脂によって形成されてもよい。透光層21は、導光体20のうち第一主面20b側の部分であり、第一主面20bは、透光層21の一部である。
【0077】
フィルム層22は、透光性を有するシート状の部材であり、透光層21よりも高い可撓性を有する材料によって形成される。フィルム層22は、例えば、透明なポリエチレンテレフタレート樹脂によって形成されるが、その他の透光性を有する樹脂によって形成されてもよい。フィルム層22は、導光体20のうち第二主面20c側の部分であり、第二主面20cは、フィルム層22の一部である。凹凸構造13は、フィルム層22に設けられる。
【0078】
導光体20は、透光層21及びフィルム層22の貼り合わせにより作製される。フィルム層22の厚みは、例えば、透光層21よりも薄い。
図9では図示されないが、透光層21及びフィルム層22の間には、透光層21及びフィルム層22を接着する接着層が配置される。
【0079】
[実施の形態2に係る照明装置の製造方法]
次に、照明装置10eの製造方法について説明する。
図10は、照明装置10eの製造方法のフローチャートである。
【0080】
まず、フィルム層22の元となるフィルムに、凹凸構造13が形成される(S21)。凹凸構造13は、例えば、熱エンボス加工によって形成される。熱エンボス加工は、例えば、ローラーを有する加工装置によって行われる。凹凸構造13が熱エンボス加工によって形成される場合、フィルムには、熱可塑性の樹脂が採用される。実施の形態1と同様に、凹凸構造13は、図柄に応じたものであり、フィルムの厚みは、画像データにおいて輝度が高い部分ほど薄くなる。凹凸構造13が形成されたフィルムは、フィルム層22に相当する部材である。
【0081】
次に、凹凸構造13が形成されたフィルムを導光部材に貼りつける(S22)。この場合、フィルムの凹凸構造13が形成されていない面が接着面となる。導光部材は、透光層21に相当する板材である。これにより、透光層21及びフィルム層22が積層された導光体20が作製される。ステップS21及びステップS22は、第一ステップの一例である。
【0082】
次に、ステップS21及びステップS22において作製された導光体20の凹凸構造13上に図柄層14が形成され(S23)、ステップS23において形成された図柄層14上に下地層15が形成される(S24)。ステップS23は、第二ステップの一例であり、ステップS24は、第三ステップの一例である。
【0083】
[実施の形態2の効果等]
以上説明したように、照明装置10eが備える導光体20は、第一主面20b側の透光層21と、透光層21よりも高い可撓性を有する第二主面20c側のフィルム層22とを有する。凹凸構造13は、フィルム層22に設けられる。
【0084】
これにより、透光層21、及び、フィルム層22を積層することで凹凸構造13を有する導光体20を実現することができる。
【0085】
また、照明装置10eの製造方法のステップS21及びステップS22においては、熱エンボス加工によってフィルムに凹凸構造13を形成し、凹凸構造13が形成されたフィルムを導光部材に貼りつけることにより導光体20を作製する。
【0086】
これにより、導光部材にフィルムを貼り付けることにより導光体20を作製することができる。
【0087】
(実施の形態3)
[実施の形態3に係る照明装置の構成]
上記実施の形態2では、2つの透光性部材が積層された構造の導光体20を備える照明装置10eについて説明されたが、照明装置は、3つの透光性部材が積層された構造を有していてもよい。
図11は、このような実施の形態3に係る照明装置の模式断面図である。なお、以下の実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明については適宜省略される。
【0088】
図11に示される照明装置10fは、光源11と、導光体30と、図柄層14と、下地層15と、コーティング層16とを備える。
【0089】
導光体30は、光源11が発する光が入射する端面30a、平坦な第一主面30b、及び、第一主面30bと背向する、凹凸構造13が設けられた第二主面30cを有する。導光体30は、第一透光層31、第二透光層32、及び、フィルム層33が積層された構造を有する。
【0090】
第一透光層31は、透光性を有する板材である。第一透光層31は、具体的には、透明の導光板である。第一透光層31は、例えば、平板状であるが、湾曲した板状であってもよい。第一透光層31は、アクリル樹脂によって形成されるが、その他の透光性を有する樹脂によって形成されてもよい。第一透光層31は、導光体30のうち第一主面30b側の部分であり、第一主面30bは、第一透光層31の一部である。
【0091】
第二透光層32は、透光性を有する部材である。第二透光層32には、後述の2つの製造方法ごとに異なる材料が採用される。第二透光層32には、例えば、透明の樹脂が採用される。第二透光層32は、導光体30のうち第二主面30c側の部分であり、第二主面30cは、第二透光層32の一部である。凹凸構造13は、第二透光層32に設けられる。
【0092】
フィルム層33は、透光性を有するシート状の部材であり、第一透光層31及び第二透光層32のそれぞれよりも高い可撓性を有する材料によって形成される。フィルム層33は、例えば、透明なポリエチレンテレフタレート樹脂によって形成されるが、その他の透光性を有する樹脂によって形成されてもよい。フィルム層33は、第一透光層31及び第二透光層32の間に位置する部分である。
【0093】
導光体30は、第一透光層31、及び、第二透光層32が形成されたフィルム層33の貼り合わせにより作製される。フィルム層33の厚みは、例えば、第一透光層31及び第二透光層32のそれぞれよりも薄い。
図11では図示されないが、第一透光層31及びフィルム層33の間には、第一透光層31及びフィルム層33を接着する第一接着層が設けられる。
【0094】
[実施の形態3に係る照明装置の第一の製造方法]
次に、照明装置10fの製造方法について説明する。まず、第二透光層32が透光材料の積層印刷によって形成される場合の製造方法について説明する。
図12は、照明装置10fの第一の製造方法のフローチャートである。
【0095】
まず、フィルム層33の元となるフィルムに、透光材料が積層印刷される(S31)。透光材料は、印刷装置によるUVインクジェット印刷によって積層される。印刷装置は、例えば、図柄の画像データを取得し、積層される透光材料に画像データにおける輝度に応じた凹凸を与える。これにより、フィルム上に凹凸構造13が設けられた第二透光層32が形成される。この場合の透光材料には、例えば、紫外線硬化性を有する透光材料であって、インクジェット印刷に適した透光材料が採用される。
【0096】
次に、第二透光層32が形成されたフィルムを導光部材に貼りつける(S32)。この場合、フィルムの第二透光層32が形成されていない面が接着面となる。導光部材は、第一透光層31に相当する板材である。これにより、第一透光層31、第二透光層32、及び、フィルム層33が積層された導光体30が作製される。ステップS31及びステップS32は、第一ステップの一例である。
【0097】
次に、ステップS31及びステップS32において作製された導光体30の凹凸構造13上に図柄層14が形成され(S33)、ステップS33において形成された図柄層14上に下地層15が形成される(S34)。ステップS33は、第二ステップの一例であり、ステップS34は、第三ステップの一例である。
【0098】
[実施の形態3に係る照明装置の第二の製造方法]
次に、透光材料が賦形されることによって第二透光層32が形成される場合の製造方法について説明する。
図13は、照明装置10fの第二の製造方法のフローチャートである。
【0099】
まず、フィルム層33の元となるフィルム上に、第二透光層32の元となる樹脂層が形成される(S41)。樹脂層には、透光性を有する樹脂材料が採用される。また、樹脂層には、紫外線硬化性または熱硬化性を有する樹脂材料が採用される。
【0100】
次に、樹脂層が賦形されることにより、凹凸構造13が形成される(S42)。賦形には、例えば、画像データにおける輝度に応じた凹凸を樹脂層に与える金型が用いられる。樹脂層は、賦形された後、紫外線の照射、または、加熱によって硬化される。これにより、フィルム上に凹凸構造13が設けられた第二透光層32が形成される。
【0101】
次に、第二透光層32が形成されたフィルムを導光部材に貼りつける(S43)。この場合、フィルムの第二透光層32が形成されていない面が接着面となる。導光部材は、第一透光層31に相当する板材である。これにより、第一透光層31、第二透光層32、及び、フィルム層33が積層された導光体30が作製される。ステップS41〜ステップS43は、第一ステップの一例である。
【0102】
次に、ステップS41〜ステップS43において作製された導光体30の凹凸構造13上に図柄層14が形成され(S44)、ステップS44において形成された図柄層14上に下地層15が形成される(S45)。ステップS44は、第二ステップの一例であり、ステップS45は、第三ステップの一例である。
【0103】
[実施の形態3の効果等]
以上説明したように、照明装置10fが備える導光体30は、第一主面30b側の第一透光層31と、第二主面30c側の第二透光層32と、第一透光層31及び第二透光層32の間に位置する、第一透光層31よりも高い可撓性を有するフィルム層33とを有する。凹凸構造13は、第二透光層32に設けられる。
【0104】
これにより、第一透光層31、第二透光層32、及び、フィルム層33を積層することで凹凸構造13を有する導光体30を実現することができる。
【0105】
また、照明装置10fの製造方法のステップS31及びステップS32においては、フィルムに透光材料を積層印刷することで凹凸構造13を形成し、凹凸構造13が形成されたフィルムを導光部材に貼りつけることにより導光体30を作製する。
【0106】
これにより、フィルムに透光材料を積層印刷し、かつ、導光部材に当該フィルムを貼り付けることにより導光体30を作製することができる。
【0107】
また、照明装置10fの製造方法のステップS41〜ステップS43においては、フィルム上に樹脂層を形成し、樹脂層を賦形することによって凹凸構造13を形成し、凹凸構造13を含む樹脂層が形成されたフィルムを導光部材に貼りつけることにより導光体30を作製する。
【0108】
これにより、フィルム上の樹脂層を賦形し、かつ、導光部材に当該フィルムを貼り付けることにより導光体30を作製することができる。
【0109】
(実施の形態4)
上記実施の形態1〜3では、照明装置が備える導光体は平板状であったが、照明装置は、湾曲した板状の導光体を備えてもよい。
図14は、このような実施の形態4に係る照明装置の外観斜視図である。
【0110】
図14に示される照明装置10gは、光源41と、導光体42とを備える。導光体42は、湾曲した板状である。導光体42は、光源41が発する光が入射する端面42a、第一主面42b、及び、凹凸構造13が設けられた、第一主面42bと背向する第二主面(図示せず)を有する。また、図示されないが、照明装置10gは、図柄層14なども備える。
【0111】
このように、照明装置10gが備える導光体42は、湾曲した板状である。
【0112】
これにより、照明装置10gは、曲面に沿って形成された図柄に立体的な質感を与えることができる。
【0113】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0114】
例えば、上記実施の形態では、光源は、SMD構造の発光モジュールであったが、COB(Chip On Board)構造の発光モジュールであってもよい。COB構造の発光モジュールにおいては、LEDチップが発光素子として用いられ、基板上にLEDチップが直接実装され、当該LEDチップが蛍光体粒子を含有する透光性樹脂材によって封止される。また、光源は、LEDチップと、当該LEDチップと離れた位置に配置された蛍光体粒子を含む樹脂部材とを有するリモートフォスファー型の発光モジュールであってもよい。
【0115】
また、光源は、LEDを用いた構成に限定されない。光源には、例えば、半導体レーザまたは有機EL(Electro Luminescence)等、LED以外の固体発光素子が用いられてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態の導光体の模式断面図に示される積層構造は一例である。本発明の特徴的な機能を実現できる他の積層構造を有する導光体も本発明に含まれる。導光体においては、例えば、上記実施の形態で説明された機能と同様の機能を実現できる範囲で、上記実施の形態の積層構造の層間に別の層が設けられていてもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、導光体が有する積層構造の各層を構成する主たる材料について例示しているが、導光体が有する積層構造の各層には、上記実施の形態の積層構造と同様の機能を実現できる範囲で他の材料が含まれてもよい。
【0118】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。