特許第6982832号(P6982832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982832火災警報器、火災警報システム、異常判断方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982832
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】火災警報器、火災警報システム、異常判断方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20211206BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   G08B17/00 G
   G08B25/10 A
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-101801(P2018-101801)
(22)【出願日】2018年5月28日
(65)【公開番号】特開2019-207502(P2019-207502A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2020年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】阪本 浩司
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−034372(JP,A)
【文献】 特開2013−009149(JP,A)
【文献】 特開2014−056419(JP,A)
【文献】 特開2005−327034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00−31/00
G08C15/00
H04L12/28
H04M11/00
H04Q9/00
H04W84/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの子機と無線通信を行い、前記少なくとも1つの子機に対して親機として動作する火災警報器であって、
定期的または不定期的に前記少なくとも1つの子機を監視することで、前記少なくとも1つの子機に異常があるか否かを判断する第1監視部と、
前記第1監視部が前記少なくとも1つの子機に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する第1報知部と、を備え、
前記第1監視部は、前記少なくとも1つの子機のうちのいずれかの子機から電池切れを示す信号を受信した後は、前記監視において、当該子機からの電波を受信できなくても、当該子機に異常があると判断しない、
火災警報器。
【請求項2】
前記第1監視部は、前記子機から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内に当該子機からの電波を受信できない場合には、当該子機に異常があると判断する、
請求項1記載の火災警報器。
【請求項3】
前記火災警報器は、さらに、前記少なくとも1つの子機のうち電池切れを示す信号を送信した子機のアドレス情報と、電池切れを示す情報とを紐づけた情報を格納する格納部を備え、
前記第1監視部は、前記監視をする際に、電波を受信できない子機のアドレス情報と前記格納部に格納されたアドレス情報とを照合することで、前記少なくとも1つの子機に異常があるか否かを判断する、
請求項1または2記載の火災警報器。
【請求項4】
前記火災警報器は、さらに、外部機器に前記少なくとも1つの子機の異常を示す情報を出力する第1外部出力部を備える、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の火災警報器。
【請求項5】
前記第1外部出力部は、前記少なくとも1つの子機のうちのいずれかの子機から電池切れを示す信号を受信した場合に、前記外部機器に当該子機が電池切れであることを示す情報を出力する、
請求項4記載の火災警報器。
【請求項6】
前記第1外部出力部は、前記少なくとも1つの子機のうちのいずれかの子機から電池切れを示す信号を受信した後に、当該子機からの電波を受信できないときには、前記外部機器に当該子機が不動作状態であることを示す情報を出力する、
請求項4または5記載の火災警報器。
【請求項7】
前記火災警報器は、さらに、前記火災警報器が電池切れになった場合に、前記少なくとも1つの子機に対して電池切れを示す信号を送信する通知部を備える、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の火災警報器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの子機は、
定期的または不定期的に前記火災警報器を監視することで、前記火災警報器に異常があるか否かを判断する第2監視部と、
前記第2監視部が前記火災警報器に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する第2報知部と、を備え、
前記第2監視部は、前記火災警報器から電池切れを示す信号を受信した後は、前記火災警報器からの電波を受信できなくても、前記監視において、前記火災警報器に異常があると判断しない、
請求項7記載の火災警報器。
【請求項9】
前記第2監視部は、前記火災警報器から電池切れを示す信号を受信した時点から、所定期間内に前記火災警報器からの電波を受信できない場合には、前記火災警報器に異常があると判断する、
請求項8記載の火災警報器。
【請求項10】
前記少なくとも1つの子機は、さらに、外部機器に前記火災警報器の異常を示す情報を出力する第2外部出力部を備える、
請求項8または9記載の火災警報器。
【請求項11】
前記第2外部出力部は、前記火災警報器から電池切れを示す信号を受信した場合に、前記外部機器に前記火災警報器が電池切れであることを示す情報を出力する、
請求項10記載の火災警報器。
【請求項12】
前記第2外部出力部は、前記火災警報器から電池切れを示す信号を受信した後に、前記火災警報器からの電波を受信できないときには、前記外部機器に前記火災警報器が不動作状態であることを示す情報を出力する、
請求項10または11記載の火災警報器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの子機は、複数の子機であり、
前記複数の子機のそれぞれは、さらに、前記火災警報器からの電波を受信できない場合に、他の子機から情報を入手する子機情報入手部を備える、
請求項8乃至12のいずれか1項に記載の火災警報器。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の火災警報器と、
前記少なくとも1つの子機と、を備える、
火災警報システム。
【請求項15】
少なくとも1つの子機と、前記少なくとも1つの子機と無線通信を行い、前記少なくとも1つの子機に対して親機として動作する火災警報器との通信の異常を判断する異常判断方法であって、
定期的または不定期的に前記少なくとも1つの子機を監視することで、前記少なくとも1つの子機に異常があるか否かを判断するステップと、
前記判断するステップにおいて、前記少なくとも1つの子機に異常があると判断した場合に、当該異常を報知するステップと、を含み、
前記判断するステップでは、前記監視において、前記少なくとも1つの子機のうちのいずれかの子機から電池切れを示す信号を受信した後は、当該子機からの電波を受信できなくても、当該子機に異常があると判断しない、
異常判断方法。
【請求項16】
請求項15に記載の異常判断方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災警報器、火災警報システム、火災警報システムにおける通信の異常判断方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、親機および複数の子機からなり、親機と複数の子機とが無線通信を行う火災警報システムがある。親機および複数の子機は、それぞれ火災を検知するセンサを備える。部屋ごとに設置されたこのような親機および複数の子機間でセンサの検知結果についての無線通信が行われることで、親機および複数の子機が連動して火災警報を行うシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。これにより、火災が発生した部屋とは別の部屋に存在する人にも火災の発生を知らせることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−4826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような火災警報システムにおいて、複数の子機は、電池切れの状態(電池残量が所定以下の状態)になると、電池切れであることを自身が有するスピーカにより発話する。例えば、複数の子機のうちの一の子機が電池切れの状態になったとする。一の子機は電池切れであることを発話する。例えば、火災警報システムが適用された施設の住人が長期間不在の場合には、一の子機は発話をし続けるため、一の子機の電池が消耗され、やがて動作不可能な状態に陥る。
【0005】
また、親機は定期的に複数の子機を監視しており、具体的には、複数の子機に対して子機の状態を返信させるコマンドを含む監視信号を送信し、監視信号を受信した子機は自己の状態を返信する。例えば、親機は監視信号を送信した子機から返信がないと、当該子機に異常があることを自身が有するスピーカにより発話する。上述したように、電池切れにより動作不可能な状態にある一の子機は監視信号に対する返信をできないため、親機は一の子機に異常があることを発話する。住人が長期間不在であり、親機も発話をし続けるため、親機の電池が消耗され、やがて動作不可能な状態に陥る。
【0006】
また、複数の子機は、親機から定期的に監視信号が送信されてくることを認識しており、親機から監視信号が送信されてこない場合には、親機に異常があることを発話する。上述したように、電池切れにより動作不可能な状態にある親機は監視信号を送信できないため、上記一の子機を除く複数の子機は、親機に異常があることを発話する。住人が長期間不在であり、当該複数の子機も発話をし続けるため、当該複数の子機の電池が消耗され、やがて動作不可能な状態に陥る。
【0007】
このように、火災警報システムおける親機および複数の子機は連鎖して電池を消耗してしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、電池消耗の連鎖を抑制できる火災警報器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る火災警報器は、少なくとも1つの子機と無線通信を行い、前記少なくとも1つの子機に対して親機として動作する火災警報器であって、定期的または不定期的に前記少なくとも1つの子機を監視することで、前記少なくとも1つの子機に異常があるか否かを判断する第1監視部と、前記第1監視部が前記少なくとも1つの子機に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する第1報知部と、を備え、前記第1監視部は、前記少なくとも1つの子機のうちのいずれかの子機から電池切れを示す信号を受信した後は、前記監視において、当該子機からの電波を受信できなくても、当該子機に異常があると判断しない。
【0010】
本発明の一態様に係る火災警報システムは、上記の火災警報器と、前記少なくとも1つの子機と、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る異常判断方法は、少なくとも1つの子機と、前記少なくとも1つの子機と無線通信を行い、前記少なくとも1つの子機に対して親機として動作する火災警報器との通信の異常を判断する異常判断方法であって、定期的または不定期的に前記少なくとも1つの子機を監視することで、前記少なくとも1つの子機に異常があるか否かを判断するステップと、前記判断するステップにおいて、前記少なくとも1つの子機に異常があると判断した場合に、当該異常を報知するステップと、を含み、前記判断するステップでは、前記監視において、前記少なくとも1つの子機のうちのいずれかの子機から電池切れを示す信号を受信した後は、当該子機からの電波を受信できなくても、当該子機に異常があると判断しない。
【0012】
本発明の一態様に係るプログラムは、上記の異常判断方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様に係る火災警報器等によれば、電池消耗の連鎖を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施の形態に係る火災警報システムの一例を示す構成図である。
図2図2は、実施の形態に係る火災警報器および子機の一例を示す構成図である。
図3図3は、実施の形態に係る火災警報器の基本動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態に係る火災警報器の異常判断動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態に係る子機の基本動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態に係る子機の異常判断動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成要素については同じ符号を付している。
【0017】
(実施の形態)
以下、実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る火災警報システム1の一例を示す構成図である。
【0019】
火災警報システム1は、住宅等の施設に適用され、火災を検知し、火災が発生したことを報知するシステムである。なお、火災警報システム1は、オフィス、商業施設等の施設に適用されてもよい。火災警報システム1は、それぞれ火災検知センサを備える火災警報器10および少なくとも1つの子機20からなる。火災警報器10および少なくとも1つの子機20は、例えば、施設の天井等に設置されるが、壁等に設置されてもよい。本実施の形態では、少なくとも1つの子機20は、複数の子機20である。火災警報器10は、少なくとも1つの子機20に対して親機として動作する。なお、少なくとも1つの子機20に対して親機として動作するとは、例えば、親機が中心となって少なくとも1つの子機20の制御等を行うことをいう。例えば、親機がビーコン信号をブロードキャストし、少なくとも1つの子機20は受信した当該ビーコン信号に応じて動作することで、火災警報器10は、少なくとも1つの子機20に対して親機として動作する。もしくは、親機が少なくとも1つの子機20に対してそれぞれユニキャストで制御信号を送信することで、火災警報器10は、少なくとも1つの子機20に対して親機として動作する。なお、火災警報器10と少なくとも1つの子機20とは、火災警報器10が親機となる点以外は、基本的に互いに同じ機能(火災検知機能、火災報知機能等)を有する。例えば、火災警報器10と子機20とは、互いに異なる製品(つまり、互いに異なる品番を有する製品)であるが、互いに同じ製品であってもよく、この場合には、同じ仕様の複数の機器から親機として振る舞う火災警報器10と子機20とがユーザにより選択されてもよい。
【0020】
火災警報器10と少なくとも1つの子機20とは、無線通信を行う。例えば、火災警報器10と少なくとも1つの子機20とは、いわゆるペアリングがなされているため、互いに無線通信を行うことができる。例えば、火災警報システム1は、火災警報器10をネットワークの中心とするスター型のネットワークトポロジーを有する。これにより、火災警報器10および少なくとも1つの子機20がそれぞれ備える火災検知センサのいずれかが火災の発生を検知した場合、火災の発生を示す検知情報が火災警報器10および少なくとも1つの子機20で共有されて、火災警報器10および少なくとも1つの子機20は連動して火災警報を行うことができる。例えば、火災が発生した部屋とは別の部屋に存在する人にも異常を知らせることが可能となる。なお、上記ネットワークトポロジーはスター型に限らない。例えば、複数の子機20間の通信は、火災警報器10を介して行われなくてもよく、後述する子機情報入手部29によって、複数の子機20同士で直接通信が行われてもよい。
【0021】
火災警報システム1における無線通信には、妨害波が少なく、信頼性の高い通信が可能なセキュリティ用途の帯域が用いられる必要がある。例えば、日本国内では火災警報用途の無線通信には、小電力セキュリティシステムの無線局に使用される426.25MHz以上426.8375MHz以下の周波数帯が用いられる。
【0022】
次に、火災警報システム1を構成する火災警報器10および子機20の構成について、図2を用いて説明する。
【0023】
図2は、実施の形態に係る火災警報器10および子機20の一例を示す構成図である。図2では、火災警報器10および子機20がそれぞれ備える、火災を検知するセンサの図示を省略している。センサが火災を検知する方法は特に限定されない。例えば、センサは、光学式の煙検知センサであってもよく、光の乱反射を利用して火災の際の煙を検知することで火災を検知してもよい。また、例えば、センサは、熱検知センサであってもよく、火災の際の熱を検知することで火災を検知してもよい。また、例えば、センサは、一酸化炭素検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって発生する一酸化炭素の濃度を検知することで火災を検知してもよい。また、例えば、センサは、赤外線検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって放射される赤外線を検知することで火災を検知してもよい。
【0024】
火災警報器10は、制御部11、報知部15、通信部16、メモリ17および電池18を備える。また、上述したように、火災警報器10および子機20は、火災を検知し、火災が発生したことを報知するという基本的に互いに同じ機能を有する。このため、子機20も、火災警報器10と同じように、制御部21、報知部25、通信部26、メモリ27および電池28を備える。火災警報器10における各構成要素と子機20における各構成要素とは、それぞれ基本的には同じような機能を有するため、以下これらを並行して説明する。
【0025】
通信部16および26は、火災警報器10と少なくとも1つの子機20とが無線通信を行うための通信インタフェースであり、アンテナおよび無線信号の送受信回路等を含む。通信部16は、制御部11からの指示により少なくとも1つの子機20との無線通信を行い、通信部26は、制御部21からの指示により火災警報器10との無線通信を行う。
【0026】
制御部11は、報知部15、通信部16およびメモリ17を制御する処理部である。制御部21は、報知部25、通信部26およびメモリ27を制御する処理部である。制御部11および21は、例えば、マイコン(マイクロコンピュータ)により実現される。制御部11および21(マイコン)は、例えば、プログラムを保持するROM、一時的な記憶領域としてのRAM、プログラムを実行するプロセッサ、A/Dコンバータ及びD/Aコンバータ等の入出力回路、カウンタ・タイマ等で構成されるLSIである。例えば、制御部11および21における時刻は同期されている。制御部11は、機能構成要素として、監視部12、通知部13および外部出力部14を備える。これらの機能構成要素は、制御部11がプログラムを実行することにより実現される。また、制御部21は、機能構成要素として、監視部22、通知部23、外部出力部24に加え子機情報入手部29を備える。これらの機能構成要素は、制御部21がプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
監視部12は、定期的または不定期的に少なくとも1つの子機20を監視することで、少なくとも1つの子機20に異常があるか否かを判断する第1監視部である。具体的には、監視部12は、定期的(例えば24時間ごと等)に少なくとも1つの子機20に対して子機20の状態を返信させるコマンドを含む監視信号を送信する(通信部16に送信させる)。子機20の状態とは、例えば、子機20が備える上記センサおよび報知部25の状態(正常か異常か)、子機20の電池残量の状態等のことである。監視部12は、例えば、これらが異常であることを示す返信をした子機20に異常があると判断する。また、監視部12は、監視信号に対して返信をしなかった(言い換えると、電波を受信できなかった)子機20に異常があると判断する。
【0028】
監視部22は、定期的または不定期的に火災警報器10を監視することで、火災警報器10に異常があるか否かを判断する第2監視部である。具体的には、監視部22は、定期的(例えば24時間ごと等)に火災警報器10から監視信号が送信されてくることを認識しており、火災警報器10の監視とは、定期的または不定期的に火災警報器10から監視信号が送信されてくるのを監視することを意味する。監視部22は、例えば、定期的なタイミングに火災警報器10から監視信号が送信されてこない場合に、火災警報器10に異常があると判断する。例えば、監視部22は、定期的なタイミングに火災警報器10から監視信号が送信されてこない場合に、すぐに火災警報器10に異常があると判断してもよい。また、例えば、監視部22は、定期的なタイミングに火災警報器10から監視信号が送信されてこず、その後所定期間(例えば1時間等)待っても、送信されてこない場合に、火災警報器10に異常があると判断してもよい。また、例えば、監視部22は、定期的なタイミングに火災警報器10から監視信号が送信されてこないことが所定の回数繰り返された場合に、火災警報器10に異常があると判断してもよい。
【0029】
通知部13は、火災警報器10が電池切れになった場合に、少なくとも1つの子機20に対して電池切れを示す信号を送信する(通信部16に送信させる)。同じように、通知部23は、子機20が電池切れになった場合に、火災警報器10に対して電池切れを示す信号を送信する(通信部26に送信させる)。電池切れとは、電池残量が所定以下になることを意味する。例えば、制御部11および21(マイコン)が有するA/Dコンバータによって、電池残量を測定することができる。例えば、制御部11および21は、所定時間(例えば1時間等)ごとに電池残量を測定する。制御部11および21は、例えば、3.0Vの電池に対して、電池残量が2.8V以下となったときに、電池切れと判断する。ただし、電池切れと判断される電圧は、火災警報器10および子機20が不動作状態となる電圧よりも高い。このため、火災警報器10および子機20は、電池切れとなった後、所定期間(例えば1ヵ月等)は、通常通り動作することができる。火災警報器10および子機20が不動作状態になることを、完全に電池切れとなるとも表現する。
【0030】
外部出力部14は、外部機器に少なくとも1つの子機の異常を示す情報を出力する(通信部16に送信させる)第1外部出力部である。同じように、外部出力部24は、外部機器に火災警報器10の異常を示す情報を出力する(通信部26に送信させる)第2外部出力部である。外部機器は、例えば、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末である。なお、外部機器は、携帯端末に限らず、IoT(Internet of Things)機器であればよい。例えば、通信部16および26は、ゲートウェイを介して外部機器と通信可能に接続されている。なお、火災警報器10と子機20との間のネットワークと、火災警報器10とゲートウェイとの間のネットワークとが互いに異なるプロトコルである場合には、通信部16は、子機20との通信用のアンテナおよび送受信回路とは別にゲートウェイとの通信用のアンテナおよび送受信回路を備えていてもよい。同じように、通信部26は、火災警報器10との通信用のアンテナおよび送受信回路とは別にゲートウェイとの通信用のアンテナおよび送受信回路を備えていてもよい。これにより、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって火災警報器10または少なくとも1つの子機20の異常を確認できる。
【0031】
子機20の制御部21が備える子機情報入手部29については、後述する。
【0032】
報知部15は、監視部12が少なくとも1つの子機20に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する第1報知部である。同じように、報知部25は、監視部22が火災警報器10に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する第2報知部である。なお、報知部15および25は、火災が発生したときに、火災の発生を報知するものでもある。報知部15および25が異常または火災の発生を報知する方法は特に限定されない。例えば、報知部15および25は、スピーカまたはブザーであってもよく、異常または火災の発生を音声またはブザー音により報知してもよい。例えば、報知部15および25は、火災が発生した際には火災が発生したことを報知する。また、報知部15は、子機20に異常がある場合には子機20の異常の内容を報知する。例えば、報知部15は、通信部16が子機20からの電波を受信できない場合には、子機20との間に通信異常があることを報知(発話)する。また、報知部25は、火災警報器10に異常がある場合には火災警報器10の異常の内容を報知する。例えば、報知部25は、通信部26が火災警報器10からの電波を受信できない場合には、火災警報器10との間に通信異常があることを報知(発話)する。例えば、通信異常等の発話は、数10秒ごとに行われることが多いため、電池消耗量が大きい。
【0033】
メモリ17および27は、ROM、RAM等であり、メモリ17および27が、制御部11および21が実行するプログラムを記憶していてもよい。メモリ17は、少なくとも1つの子機20のうち電池切れを示す信号を送信した子機20のアドレス情報と、電池切れを示す情報とを紐づけた情報を格納する格納部である。子機20が電池切れになった場合に、通知部23が火災警報器10に対して送信する電池切れを示す信号には、当該電池切れとなった子機のアドレス情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレスまたは論理アドレス等)が含まれる。制御部11は、通信部16が電池切れを示す信号を受信した際に、当該アドレス情報と電池切れを示す情報とを紐づけてメモリ17に格納する。また、メモリ27は、通信部26が火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した場合に、火災警報器10が電池切れであることを示す情報を格納する。少なくとも1つの子機に対して親機(火災警報器10)は1台であるため、メモリ27は、火災警報器10のアドレス情報を格納する必要がない。なお、メモリ27は、メモリ17と同じように、電池切れを示す信号を送信した火災警報器10のアドレス情報と、電池切れを示す情報とを紐づけた情報を格納してもよい。
【0034】
電池18および28は、火災警報器10および子機20を駆動させるための電源である。電池18および28は、例えば、リチウム電池等であるが、その種類については特に限定されない。
【0035】
次に、火災警報器10の動作について図3および図4を用いて説明する。
【0036】
図3は、実施の形態に係る火災警報器10の基本動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
監視部12は、少なくとも1つの子機20を監視することで(ステップS11)、少なくとも1つの子機20に異常があるか否かを判断し(ステップS12)、報知部15は、監視部12が少なくとも1つの子機20に異常があると判断した場合に(ステップS12でYes)、当該異常を報知する(ステップS13)。ここで、監視部12は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を通信部16が受信した後は、当該電池切れを示す信号を送信した子機20の監視において、当該子機20からの電波を受信できなくても、当該子機20に異常があると判断しない。これについて、図4を用いて説明する。
【0038】
図4は、実施の形態に係る火災警報器10の異常判断動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、監視部12(通信部16)は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信する(ステップS21)。上述したように、電池切れになった子機20が備える通知部23は、火災警報器10に対して電池切れを示す信号を送信するため、監視部12は、当該電池切れを示す信号を受信することができる。
【0040】
このとき、電池切れを示す信号を送信した子機20のアドレス情報と、電池切れを示す情報とを紐づけた情報がメモリ17に格納される。
【0041】
また、外部出力部14は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信した場合に、外部機器に当該子機20が電池切れであることを示す情報を出力する。これにより、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって当該子機20の電池切れを確認できる。
【0042】
監視部12は、子機20から電池切れを示す信号を受信した後も、定期的に当該子機20を監視し、当該子機20から監視信号に対する返信を受信できるか(言い換えると、当該子機20からの電波を受信できるか)否かを判定する(ステップS22)。上述したように、子機20は、電池切れとなった後も所定期間(例えば1ヵ月)は通常に動作するので、子機20の電池切れ後の所定期間内における、電池切れを要因としない通信異常を判断することができる。
【0043】
監視部12は、当該子機20から電波を受信できる場合(ステップS22でYes)、子機20に異常があると判断しない(ステップS23)。言い換えると、報知部15は、子機20の異常を報知しない。ただし、監視部12は、電波に当該子機20に異常がある旨の情報が含まれている場合には、当該子機20に当該異常があると判断してもよく、報知部15は当該異常を報知してもよい。
【0044】
監視部12は、当該子機20から電波を受信できる場合(ステップS22でYes)、電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内か否かを判定する(ステップS24)。制御部11(マイコン)が有するカウンタ・タイマ等の機能により、ステップS24での処理が可能となる。
【0045】
監視部12は、少なくとも1つの子機20から電池切れを示す信号を受信した後であっても、子機20から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内に当該子機20からの電波を受信できない場合には(ステップS24でYes)、当該子機20に異常があると判断する(ステップS25)。言い換えると、報知部15は、子機20の異常を報知する。当該子機20は、電池切れとなった後の所定期間も通常動作が可能であるのに、所定期間内に当該子機20からの電波を受信できないということは、当該子機20は電池切れ以外の要因により監視信号に対する返信をできない異常な状態になっている可能性があるためである。なお、監視部12は、定期的に少なくとも1つの子機を監視する際に、電波を受信できない子機20のアドレス情報とメモリ17に格納されたアドレス情報とを照合することで、少なくとも1つの子機20(電波を受信できない子機20)に異常があるか否かを判断する。これにより、電波を受信できない子機20が、電池切れを示す信号を送信した子機20であるか否かを判断できる。
【0046】
一方で、監視部12は、子機20から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間経過後に当該子機20からの電波を受信できない場合には(ステップS24でNo)、当該子機20に異常がないと判断する(ステップS23)。言い換えると、報知部15は、子機20の異常を報知しない。所定期間経過後に当該子機20からの電波を受信できないということは、当該子機20は電池が完全に切れて、不動作状態になっているといえる。
【0047】
これにより、監視部12が子機20に電池切れによる通信異常があると判断しなくなり、報知部15が当該異常を報知することが抑制される。報知部15が当該異常を報知することが抑制されることで、火災警報器10の電池を消耗してしまうことを抑制できる。このように、電池消耗の連鎖、具体的には、火災警報器10が電池切れの子機20に連鎖して電池を消耗してしまうことを抑制できる。
【0048】
また、外部出力部14は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信した後に、当該子機20からの電波を受信できないときには、外部機器に当該子機20が不動作状態であることを示す情報を出力する。これにより、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって当該子機20の電池が完全に切れたことを確認できる。
【0049】
次に、子機20の動作について図5および図6を用いて説明する。
【0050】
図5は、実施の形態に係る子機20の基本動作の一例を示すフローチャートである。
【0051】
監視部22は、火災警報器10を監視することで(ステップS31)、火災警報器10に異常があるか否かを判断し(ステップS32)、報知部25は、監視部22が火災警報器10に異常があると判断した場合に(ステップS32でYes)、当該異常を報知する(ステップS33)。ここで、監視部22は、火災警報器10から電池切れを示す信号を通信部26が受信した後は、火災警報器10の監視において、火災警報器10からの電波を受信できなくても、火災警報器10に異常があると判断しない。これについて、図6を用いて説明する。
【0052】
図6は、実施の形態に係る子機20の異常判断動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
まず、監視部22(通信部26)は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信する(ステップS41)。上述したように、電池切れになった火災警報器10が備える通知部13は、少なくとも1つの子機20に対して電池切れを示す信号を送信するため、監視部22は、当該電池切れを示す信号を受信することができる。
【0054】
このとき、火災警報器10が電池切れであることを示す情報がメモリ17に格納される。
【0055】
また、外部出力部24は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した場合に、外部機器に火災警報器10が電池切れであることを示す情報を出力する。これにより、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって火災警報器10の電池切れを確認できる。
【0056】
監視部22は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した後も、定期的に火災警報器10を監視し、火災警報器10から監視信号が送信されてくるか(言い換えると、火災警報器10からの電波を受信できるか)否かを判定する(ステップS42)。上述したように、火災警報器10は、電池切れとなった後も所定期間(例えば1ヵ月)は通常に動作するので、火災警報器10の電池切れ後の所定期間内における、電池切れを要因としない通信異常を判断することができる。
【0057】
監視部22は、火災警報器10から電波を受信できる場合(ステップS42でYes)、火災警報器10に異常があると判断しない(ステップS43)。言い換えると、報知部25は、火災警報器10の異常を報知しない。ただし、監視部22は、当該電波に火災警報器10に異常がある旨の情報が含まれている場合には、火災警報器10に当該異常があると判断してもよい。
【0058】
監視部22は、火災警報器10から電波を受信できる場合(ステップS42でYes)、電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内か否かを判定する(ステップS44)。制御部21(マイコン)が有するカウンタ・タイマ等の機能により、ステップS44での処理が可能となる。
【0059】
監視部22は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内に火災警報器10からの電波を受信できない場合には(ステップS44でYes)、火災警報器10に異常があると判断する(ステップS45)。言い換えると、報知部25は、火災警報器10の異常を報知する。火災警報器10は、電池切れとなった後の所定期間も通常動作が可能であるのに、所定期間内に火災警報器10からの電波を受信できないということは、火災警報器10は電池切れ以外の要因により監視信号を送信できない異常な状態になっている可能性があるためである。
【0060】
一方で、監視部22は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間経過後に火災警報器10からの電波を受信できない場合には(ステップS44でNo)、火災警報器10に異常がないと判断する(ステップS43)。言い換えると、報知部25は、火災警報器10の異常を報知しない。所定期間経過後に火災警報器10からの電波を受信できないということは、火災警報器10は電池が完全に切れて、不動作状態になっているといえる。
【0061】
これにより、監視部22が火災警報器10に電池切れによる通信異常があると判断しなくなり、報知部25が当該異常を報知することが抑制される。報知部25が当該異常を報知することが抑制されることで、子機20の電池を消耗してしまうことを抑制できる。このように、電池消耗の連鎖、具体的には、子機20が電池切れの火災警報器10に連鎖して電池を消耗してしまうことを抑制できる。
【0062】
また、外部出力部24は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した後に、火災警報器10からの電波を受信できないときには、外部機器に火災警報器10が不動作状態であることを示す情報を出力する。これにより、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって火災警報器10の電池が完全に切れたことを確認できる。
【0063】
また、本実施の形態では、少なくとも1つの子機20は、複数の子機20であり、複数の子機20のそれぞれは、火災警報器10からの電波を受信できない場合に、他の子機20から情報を入手する子機情報入手部29を備える。火災警報システム1は、火災警報器10をネットワークの中心とするスター型のネットワークトポロジーを有するため、火災警報器10の電池が完全に切れた場合に、火災警報の連動ができなくなってしまい得る。
【0064】
そこで、子機情報入手部29は、他の子機20から、他の子機20が備える火災検知センサの検知結果を直接取得する(通信部26に受信させる)。これにより、火災警報器10が不動作状態であっても、火災の発生を示す検知情報が複数の子機20間で共有されて、複数の子機20は連動して火災警報を行うことができる。なお、子機情報入手部29は、火災警報器10からの電波を受信できる場合であっても、他の子機20から情報を入手してもよい。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態に係る火災警報器10は、少なくとも1つの子機20と無線通信を行い、少なくとも1つの子機20に対して親機として動作する火災警報器である。火災警報器10は、定期的に少なくとも1つの子機20を監視することで、少なくとも1つの子機20に異常があるか否かを判断する監視部12と、監視部12が少なくとも1つの子機20に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する報知部15と、を備える。監視部12は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信した後は、当該監視において、当該子機20からの電波を受信できなくても、当該子機20に異常があると判断しない。
【0066】
これによれば、監視部12が子機20に電池切れによる通信異常があると判断しなくなり、報知部15が当該異常を報知することが抑制される。報知部15が当該異常を報知することが抑制されることで、火災警報器10の電池を消耗してしまうことを抑制できる。このように、電池消耗の連鎖、具体的には、火災警報器10が電池切れの子機20に連鎖して電池を消耗してしまうことを抑制できる。
【0067】
また、監視部12は、子機20から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内に当該子機20からの電波を受信できない場合には、当該子機20に異常があると判断してもよい。
【0068】
これによれば、例えば、子機20は電池切れとなった後も所定期間(例えば1ヵ月)は通常に動作するので、当該子機20の電池切れ後の所定期間内における、電池切れを要因としない通信異常を判断することができる。
【0069】
また、火災警報器10は、さらに、少なくとも1つの子機20のうち電池切れを示す信号を送信した子機20のアドレス情報と、電池切れを示す情報とを紐づけた情報を格納するメモリ17を有し、監視部12は、定期的に前記監視をする際に、電波を受信できない子機20のアドレス情報とメモリ17に格納されたアドレス情報とを照合することで、少なくとも1つの子機20に異常があるか否かを判断してもよい。
【0070】
これによれば、監視部12は、電波を受信できない子機20が、電池切れを示す信号を送信した子機20であるか否かを判断できる。
【0071】
また、火災警報器10は、さらに、外部機器に少なくとも1つの子機20の異常を示す情報を出力する外部出力部14を備えていてもよい。
【0072】
これによれば、例えば火災警報システム1が適用された施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって少なくとも1つの子機20の異常を確認できる。
【0073】
また、外部出力部14は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信した場合に、外部機器に当該子機20が電池切れであることを示す情報を出力してもよい。
【0074】
これによれば、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって子機20の電池切れを確認できる。
【0075】
また、外部出力部14は、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信した後に、当該子機20からの電波を受信できないときには、外部機器に当該子機20が不動作状態であることを示す情報を出力してもよい。
【0076】
これによれば、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって子機20の電池が完全に切れたことを確認できる。
【0077】
また、火災警報器10は、さらに、火災警報器10が電池切れになった場合に、少なくとも1つの子機20に対して電池切れを示す信号を送信する通知部13を備えていてもよい。そして、少なくとも1つの子機20は、定期的に火災警報器10を監視することで、火災警報器10に異常があるか否かを判断する監視部22と、監視部22が火災警報器10に異常があると判断した場合に、当該異常を報知する報知部25と、を備えていてもよい。監視部22は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した後は、火災警報器10からの電波を受信できなくても、当該監視において、火災警報器10に異常があると判断しなくてもよい。
【0078】
これによれば、監視部22が火災警報器10に電池切れによる通信異常があると判断しなくなり、報知部25が当該異常を報知することが抑制される。報知部25が当該異常を報知することが抑制されることで、子機20の電池を消耗してしまうことを抑制できる。このように、電池消耗の連鎖、具体的には、子機20が電池切れの火災警報器10に連鎖して電池を消耗してしまうことを抑制できる。
【0079】
また、監視部22は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した時点から、所定期間内に火災警報器10からの電波を受信できない場合には、火災警報器10に異常があると判断してもよい。
【0080】
これによれば、例えば、火災警報器10は電池切れとなった後も所定期間(例えば1ヵ月)は通常に動作するので、火災警報器10の電池切れ後の所定期間内における、電池切れを要因としない通信異常を判断することができる。
【0081】
また、少なくとも1つの子機20は、さらに、外部機器に火災警報器10の異常を示す情報を出力する外部出力部24を備えていてもよい。
【0082】
これによれば、例えば火災警報システム1が適用された施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって火災警報器10の異常を確認できる。
【0083】
また、外部出力部24は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した場合に、外部機器に火災警報器10が電池切れであることを示す情報を出力してもよい。
【0084】
これによれば、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって火災警報器10の電池切れを確認できる。
【0085】
また、外部出力部24は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信した後に、火災警報器10からの電波を受信できないときには、外部機器に火災警報器10が不動作状態であることを示す情報を出力してもよい。
【0086】
これによれば、例えば施設の住人が不在の場合でも、住人は外部機器(携帯端末等)によって火災警報器10の電池が完全に切れたことを確認できる。
【0087】
また、少なくとも1つの子機20は、複数の子機20であり、複数の子機20のそれぞれは、さらに、火災警報器10からの電波を受信できない場合に、他の子機20から情報を入手する子機情報入手部29を備えていてもよい。
【0088】
これによれば、火災警報器10が不動作状態であっても、火災の発生を示す検知情報が複数の子機20間で共有されて、複数の子機20は連動して動作することができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る火災警報システム1は、火災警報器10と、少なくとも1つの子機20と、を備える。
【0090】
これによれば、電池消耗の連鎖を抑制できる火災警報システム1を提供できる。
【0091】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る火災警報器10について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0092】
例えば、上記実施の形態では、監視部12は、定期的(例えば24時間ごと等)に少なくとも1つの子機20を監視したが、不定期的(例えばランダムなタイミング)に少なくとも1つの子機20を監視してもよい。また、監視部22は、定期的に火災警報器10を監視したが、不定期的に火災警報器10を監視してもよい。
【0093】
例えば、上記実施の形態では、監視部12は、子機20から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内に当該子機20からの電波を受信できない場合には、当該子機20に異常があると判断したが、このような処理が行われなくてもよい。つまり、監視部12は、子機20から電池切れを示す信号を受信した時点から所定期間内に当該子機20からの電波を受信できない場合に、当該子機20に異常がないと判断してもよい。
【0094】
また、例えば、上記実施の形態では、メモリ17は、少なくとも1つの子機20のうち電池切れを示す信号を送信した子機20のアドレス情報と、電池切れを示す情報とを紐づけた情報を格納したが、格納しなくてもよい。
【0095】
また、例えば、上記実施の形態では、火災警報器10は、外部出力部14を備えたが、備えていなくてもよい。
【0096】
また、例えば、上記実施の形態では、火災警報器10は、通知部13を備えたが、備えていなくてもよい。つまり、子機20は、火災警報器10から電池切れを示す信号を受信しなくてもよく、電池消耗の連鎖を抑制する機能を有していなくてもよい。
【0097】
また、例えば、上記実施の形態では、少なくとも1つの子機20は、外部出力部24を備えたが、備えていなくてもよい。
【0098】
また、例えば、上記実施の形態では、少なくとも1つの子機20は、子機情報入手部29を備えたが、備えていなくてもよい。
【0099】
また、例えば、上記実施の形態では、少なくとも1つの子機20は、複数の子機20であったが、1つであってもよい。
【0100】
また、例えば、火災警報システム1における火災警報器10が子機20として振る舞い、少なくとも1つの子機20のいずれかが火災警報器10として振る舞ってもよい。
【0101】
また、本発明は、火災警報器10として実現できるだけでなく、火災警報器10を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む異常判断方法として実現できる。
【0102】
具体的には、異常判断方法は、少なくとも1つの子機20と、少なくとも1つの子機20と無線通信を行い、少なくとも1つの子機20に対して親機として動作する火災警報器10との通信の異常を判断する方法である。異常判断方法は、図3に示されるように、定期的に少なくとも1つの子機20を監視することで、少なくとも1つの子機20に異常があるか否かを判断するステップ(ステップS11、ステップS12)と、当該判断するステップにおいて、少なくとも1つの子機20に異常があると判断した場合に(ステップS12でYes)、当該異常を報知するステップ(ステップS13)と、を含む。図4に示されるように、当該判断するステップでは、当該監視において、少なくとも1つの子機20のうちのいずれかの子機20から電池切れを示す信号を受信した後は(ステップS21)、当該子機20からの電波を受信できなくても(ステップS22でNo)、当該子機20に異常があると判断しない(ステップS23)。
【0103】
また、本発明は、火災警報システム1として実現できるだけでなく、火災警報システム1を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む方法として実現できる。
【0104】
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD−ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0105】
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0106】
また、上記実施の形態の火災警報器10および火災警報システム1に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態の火災警報器10および火災警報システム1に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
【0108】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0109】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、火災警報器10および火災警報システム1に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0110】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
1 火災警報システム
10 火災警報器
12 監視部(第1監視部)
13、23 通知部
14 外部出力部(第1外部出力部)
15 報知部(第1報知部)
17 メモリ(格納部)
20 子機
22 監視部(第2監視部)
24 外部出力部(第2外部出力部)
25 報知部(第2報知部)
29 子機情報入手部
図1
図2
図3
図4
図5
図6