(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態に係る頭皮ケア装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0011】
[構成]
まず、実施の形態に係る頭皮ケア装置10について説明する。
図1は、実施の形態に係る頭皮ケア装置10を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る頭皮ケア装置10を示す平面図である。
図3は、実施の形態に係る頭皮ケア装置10を示す断面斜視図である。
図4は、実施の形態に係る頭皮ケア装置10を示す断面図である。
図4は、
図2におけるIV−IV切断線を含む切断面を見た断面図である。
図3においても、
図4と同じ切断面を示す断面斜視図である。
【0012】
頭皮ケア装置10は、ユーザの頭皮に対して施術突起732、832を接触させて刺激を付与することで頭皮をケアする頭皮ケア装置である。具体的には、
図1〜
図4に示すように、頭皮ケア装置10は、装置本体部30と、装置本体部30に組み付けられたヘッド部40とを備えている。
【0013】
装置本体部30は、中空の本体ハウジング31を備えている。本体ハウジング31には、ヘッド部40を駆動するための駆動源32、電池33、回路基板34及びギアユニット35などが収容されている。本体ハウジング31の一端部は開放されており、この部分にヘッド部40が組み付けられている。本体ハウジング31の他端部は、ユーザによって把握される部位である。本体ハウジング31の他端部は、ユーザが把握しやすいように、全体として滑らかな凸曲面状に形成されている。また、本体ハウジング31には、電源のON/OFFを切り替えるための電源ボタン(図示省略)が設けられている。
【0014】
駆動源32は、ヘッド部40に備わる複数の出力軸71、81を回転させるための駆動源である。具体的には、駆動源32はモータである。駆動源32の動力がギアユニット35を介して各出力軸71、81に伝達される。複数の出力軸71、81とギアユニット35との詳細については、後述する。
【0015】
電池33は、例えば充電池であり、駆動源32に対して電力を供給する。回路基板34には、駆動源32を駆動するための複数の回路部品(図示省略)が実装されている。複数の回路部品には、マイコンが含まれており、このマイコンが頭皮ケア装置10の各駆動部を制御する制御部である。また、複数の回路部品には、スイッチ素子が含まれている。スイッチ素子は、電源ON/OFF用であり、電源ボタンが押下されることで、電池からの電力供給のON/OFFを切り替えるための制御信号を制御部に出力する。制御部は、この制御信号に基づいて駆動源32に対する電力供給のON/OFFを切り替えて、駆動源32の駆動/停止を切り替える。
【0016】
ヘッド部40は、ユーザの頭皮に対して刺激を付与するための複数の施術子(第一施術子73及び第二施術子83)を備えた部位である。ヘッド部40は、平面視した場合の形状が略長方形状となっている。ここで、「平面視」とは、ヘッド部40における中心(
図2における点P参照)の法線方向から当該ヘッド部40を見ることを言う。平面視した場合におけるヘッド部40の各角部はR形状となっている。
【0017】
ヘッド部40は、カバー部48と、6つの施術部60とを備えている。
【0018】
カバー部48は、ヘッド部40の外表面をなすカバー体である。カバー部48は、装置本体部30に対して着脱自在となっている。カバー部48は、その一部が6つの施術部60のそれぞれに備わる施術子(第一施術子73、第二施術子83)の一部を構成している。カバー部48は、例えばシリコンゴム等の可撓性の材料により形成されている。
【0019】
6つの施術部60は、4つの第一施術部70と、2つの第二施術部80とを含んでいる。4つの第一施術部70のそれぞれは、ヘッド部40を平面視した場合の、当該ヘッド部40の各角部に配置されている。2つの第二施術部80は、ヘッド部40を平面視した場合の、当該ヘッド部40の各長辺の中央に対応する位置に配置されている。つまり、6つの施術部60は、2行3列の行列状に配置されていて、一列目及び三列目が第一施術部70であり、2列目が第二施術部80である。ヘッド部40において、一列目に対応する部位を第一部位401、二列目に対応する部位を第二部位402、三列目に対応する部位を403とする。第一部位401と第三部位403とは、第二部位402を挟んで配置されている。第一部位401と第三部位403とのそれぞれの表面は、第二部位402の表面に対して傾斜している。具体的には、第一部位401、第二部位402及び第三部位403のそれぞれの表面とが全体として凹状となるように、第一部位401及び第三部位403のそれぞれの表面が、第二部位402の表面に対して傾斜している。より具体的には、第一部位401の表面と第二部位402の表面とがなす角度は、90度以上180度未満である。同様に、第三部位403の表面と第二部位402の表面とがなす角度は、90度以上180度未満である。
【0020】
第一部位401及び第三部位403のそれぞれには、平面視円形状の一対の第一凹部61が設けられている。この場合の平面視とは、第一部位401もしくは第三部位403の表面を平面視することを言う。各第一凹部61内には、各第一施術部70が収容されている。各第一凹部61における内周面及び底部は、カバー部48によって構成されている。
【0021】
第二部位402には、平面視円形状の一対の第二凹部62が設けられている。この場合の平面視とは、第二部位402の表面を平面視することを言う。各第二凹部62内には、各第二施術部80が収容されている。各第二凹部62における内周面及び底部は、カバー部48によって構成されている。
【0022】
次に、第一施術部70について詳細に説明する。
図5及び
図6は、実施の形態に係る第一施術部70の概略構成を示す断面図である。
図6は、
図5に示すVI−VI切断線を含む切断面を見た断面図である。
【0023】
図5及び
図6に示すように、第一施術部70は、出力軸71と、基台72と、第一施術子73とを備えている。
【0024】
出力軸71は、駆動源32により回転駆動される回転軸である。出力軸71は、ギアユニット35に対して回転自在に連結されており、当該ギアユニット35から伝達された駆動源32の動力によって回転駆動する。出力軸71は、基台72の一端部に設けられていて、当該基台72を回転させるための回転軸でもある。
【0025】
基台72は、出力軸71からの動力を第一施術子73に伝達して、当該第一施術子73を偏心回転させるリンク部材である。本実施の形態では、基台72は金属によって形成されているが、樹脂によって形成されていてもよい。基台72は、連結部721と、台座部722とを一体的に備えている。
【0026】
連結部721は、台座部722の底部から突出した部位であり、出力軸71が固定されている。台座部722は、第一施術子73が取り付けられる部位であり、略円柱状に形成されている。台座部722の外周面には、金属製の線バネ723が収容される溝部724が周方向に沿って設けられている。なお、線バネ723は、樹脂製であってもよい。また、台座部722の上面からは軸体725が突出している。この軸体725及び線バネ723が第一施術子73に係合することで、第一施術子73が台座部722に取り付けられた状態となる。線バネ723の付勢力に抗うように、第一施術子73を軸体725から引き抜けば、当該第一施術子73を台座部722から取り外すことも可能である。つまり、台座部722に対しては、第一施術子73が着脱自在に取り付けられている。
【0027】
ここで、軸体725は、第一施術子73の底部の中心に挿通されており、第一施術子73の軸心とも言える。軸体725は、出力軸71とは軸方向視で異なる位置に配置されている。また、軸体725と出力軸71とは平行に配置されている。このため、出力軸71が回転して基台72を回転させると、第一施術子73は、出力軸71に対して偏心回転することで、出力軸71に対して直交する駆動平面H1に対して平行に駆動される。
【0028】
第一施術子73は、基部731と、複数の施術突起732とを一体的に備えている。複数の施術突起732は、カバー部48の一部であり、シリコンゴムなどの可撓性を有する材料から形成されている。基部731は、施術突起732よりも剛性の高い樹脂から形成されている。基部731と、複数の施術突起732(つまりカバー部48)とは、二色成形にて一体的に構成されている。
【0029】
以下、基部731及び施術突起732について詳細に説明する。
【0030】
基部731は、略円柱状の部材であり、その天面には、複数の施術突起732の軸となる複数の突起(図示省略)が設けられている。また、基部731の底面には、基台72の台座部722が挿入される挿入凹部733が設けられている。この挿入凹部733の天面には、軸体725の先端部が挿通される挿通穴734が形成されている。また、挿入凹部733の内周面には、線バネ723が係合する溝部735が周方向に沿って設けられている。線バネ723は、台座部722の溝部724と、基部731の溝部735とにより形成された空間内に配置されることで台座部722と基部731との組み付けを規制する。具体的には、線バネ723は、軸体725の軸方向における台座部722及び基部731の相対的な移動を規制しているが、これらの周方向における相対的な回転は規制していない。つまり、組み付け時においても、基部731は台座部722に対して回転自在となっている。この回転を必要以上に規制しないために、線バネ723と、基部731の溝部735との間に隙間S1が設けられている。この隙間S1によって、線バネ723と基部731との間に摩擦が生じにくくなり、基部731が台座部722に対してスムーズに回転できるようになっている。
【0031】
複数の施術突起732は、基部731の複数の突起をそれぞれ覆うように設けられている。施術突起732は、その先端部がユーザの頭皮に当接する部位である。上述したように施術突起732は、可撓性を有する材料から形成されている。このため、頭皮に当接した状態で第一施術子73が偏心回転したとしても、施術突起732の弾性変形によって頭皮を傷つけることなく刺激を与えることができる。
【0032】
また、複数の施術突起732の周囲には、カバー部48の一部である追従変形部49が設けられている。追従変形部49は、第一凹部61をなす部位である。つまり、追従変形部49は、施術突起732の突出方向とは逆方向に凹状をなしており、駆動平面H1に平行な方向に弾性変形可能に構成されている。このため、第一施術子73が偏心回転して、駆動平面H1に対して平行に駆動されたとしても、追従変形部49が弾性変形しながら追従する。つまり、第一施術子73の偏心回転は、追従変形部49によって許容されている。
【0033】
図4に示すように、4つの第一施術部70のうち、第一部位401に配置される一対の第一施術部70は、駆動平面H1が、第一部位401の表面に対して平行となるように設けられている。また、4つの第一施術部70のうち、第三部位403に配置される一対の第一施術部70は、駆動平面H1が、第三部位403の表面に対して平行となるように設けられている。
【0034】
次に、第二施術部80について詳細に説明する。
図7及び
図8は、実施の形態に係る第二施術部80の概略構成を示す断面図である。
図8は、
図7に示すVIII−VIII切断線を含む切断面を見た断面図である。
【0035】
図7及び
図8に示すように、第二施術部80は、出力軸81と、基台82と、第二施術子83と、出入部90とを備えている。
【0036】
出力軸81は、駆動源32により回転駆動される回転軸である。出力軸81は、ギアユニット35に対して回転自在に連結されており、当該ギアユニット35から伝達された駆動源32の動力によって回転駆動する。出力軸81は、基台82の一端部に設けられていて、当該基台82を回転させるための回転軸でもある。
【0037】
基台82は、出力軸81からの動力を出入部90を介して第二施術子83に伝達して、当該第二施術子83を偏心回転させるリンク部材である。本実施の形態では基台82は金属により形成されている場合を例示するが、樹脂により形成されていてもよい。基台82は、連結部821と、台座部822とを一体的に備えている。
【0038】
連結部821は、台座部822の底部から突出した部位であり、出力軸81が固定されている。台座部822は、出入部90が取り付けられる部位であり、略円柱状に形成されている。台座部822の外周面には、例えば線バネなどの金属製の爪部材823が収容される溝部824が周方向に沿って設けられている。なお、爪部材823は、樹脂製であってもよい。
【0039】
第二施術子83は、基部831と、複数の施術突起832とを一体的に備えている。複数の施術突起832は、カバー部48の一部であり、シリコンゴムなどの可撓性を有する材料から形成されている。基部831は、施術突起832よりも剛性の高い樹脂から形成されている。基部831と、複数の施術突起832(つまりカバー部48)とは、二色成形にて一体的に構成されている。
【0040】
以下、基部831及び施術突起832について詳細に説明する。
【0041】
基部831は、略円柱状の部材であり、その天面には、複数の施術突起832の軸となる複数の突起833が設けられている。また、基部831の底面には、出入部90を出入させるための凹部834が設けられている。この凹部834の天面には、出入部90に備わる軸体92の先端部が挿入された穴部835が形成されている。穴部835は、出入部90の出入方向に沿って延設されている。また、穴部835及び軸体92は、第二施術子83の中心に配置された突起833の内方に設けられている。このため軸体92は第二施術子83の軸心とも言える。穴部835及び軸体92は、出力軸81とは軸方向視で異なる位置に配置されている。また、軸体92と出力軸81とは平行に配置されている。このため、出力軸81が回転して基台82を回転させると、第二施術子83は、出力軸81に対して偏心回転することで、出力軸81に対して直交する駆動平面H2に対して平行に駆動される。
【0042】
凹部834の壁部には、出入部90の出入方向に沿って開口したガイド口836が設けられている。ガイド口836は、周方向に沿って複数設けられている。ガイド口836は、出入方向の両端部が閉塞されている。ガイド口836は、出入部90に備わる支持部91を出入方向に案内するための部位である。
【0043】
複数の施術突起832は、基部831の複数の突起833をそれぞれ覆うように設けられている。施術突起832は、その先端部がユーザの頭皮に当接する部位である。上述したように施術突起832は、可撓性を有する材料から形成されている。このため、頭皮に当接した状態で第二施術子83が偏心回転したとしても、施術突起832の弾性変形によって頭皮を傷つけることなく刺激を与えることができる。
【0044】
また、複数の施術突起832の周囲には、カバー部48の一部である追従変形部50が設けられている。追従変形部50は、第二凹部62をなす部位である。つまり、追従変形部50は、施術突起832の突出方向とは逆方向に凹状をなしており、駆動平面H2に平行な方向に弾性変形可能に構成されている。このため、第二施術子83が偏心回転して、駆動平面H2に対して平行に駆動されたとしても、追従変形部50が弾性変形しながら追従する。つまり、第二施術子83の偏心回転は、追従変形部50によって許容されている。
【0045】
また、追従変形部50は、駆動平面H2に直交する方向(出入方向)に対しても弾性変形可能に構成されている。後述するように第二施術子83は、ヘッド部40に対して出入するが、追従変形部50は、第二施術子83の出入動作に追従して弾性変形する。つまり、第二施術子83の出入動作は、追従変形部50によって許容されている。
【0046】
出入部90は、第二施術子83と基台82との間に設けられており、第二施術子83をヘッド部40に対して出入りさせる部位である。つまり、第二施術子83は、ヘッド部40に対して出入自在な出入施術子の一例である。具体的には、出入部90は、支持部91と、軸体92と、付勢部材93とを備えている。
【0047】
支持部91は、軸体92の軸方向が出入方向となるように、第二施術子83を出入自在に支持している。支持部91は、略円筒状に形成されており、その中間位置に底板901が設けられている。底板901の中央部には、貫通孔913が形成されている。支持部91には、底板901を挟んで第一穴部911と第二穴部912とが設けられている。
【0048】
第一穴部911は、支持部91における台座部822側の端部に設けられている。第一穴部911には、基台82の台座部822が挿入されている。第一穴部911の内周面には、爪部材823が係合する溝部914が周方向に沿って設けられている。爪部材823は、台座部822の溝部824と、支持部91の溝部914とにより形成された空間内に配置されることで台座部822と支持部91との組み付けを規制する。具体的には、爪部材823は、出入方向における台座部822及び支持部91の相対的な移動を規制しているが、これらの周方向における相対的な回転は規制していない。つまり、組み付け時においても、支持部91は台座部822に対して回転自在となっている。この回転を必要以上に規制しないために、爪部材823と、台座部822の溝部824との間に隙間S2が設けられている。この隙間S2によって、爪部材823と台座部822との間に摩擦が生じにくくなり、支持部91が台座部822に対してスムーズに回転できるようになっている。
【0049】
また、爪部材823の付勢力に抗うように、支持部91を軸体92から引き抜けば、当該第二施術子83を台座部822から取り外すことも可能である。つまり、台座部822に対しては、第二施術子83及び支持部91などが着脱自在に取り付けられている。
【0050】
第二穴部912は、支持部91における第二施術子83側の端部に設けられている。第二穴部912内には、軸体92及び付勢部材93が配置されている。軸体92は、底板901の貫通孔913及び付勢部材93を貫通した状態で台座部822に取り付けられている。軸体92の先端部は、第二施術子83の穴部835内に配置されている。軸体92の先端部は、穴部835内に対して出入方向に沿ってスライド自在となっている。これにより、軸体92は、第二施術子83の出入をガイドするようになっている。
【0051】
付勢部材93は、例えばコイルバネなどの弾性部材である。付勢部材93は、出入方向における支持部91の底板901と第二施術子83との間に配置されている。付勢部材93は、第二施術子83に対して、突出する方向への力を付勢している。
【0052】
また、支持部91における第二施術子83側の端部には、その外周面に複数の係止突起915が設けられている。複数の係止突起915は、第二施術子83の複数のガイド口836のそれぞれに対応する位置に配置されている。各係止突起915は、各ガイド口836内に配置された状態で、当該ガイド口836によって出入方向に案内される。各係止突起915は、各ガイド口836の内周面に対して摺動しながら案内される。また、各係止突起915は、例えば第二施術子83が頭皮に当接していないとき(無負荷時)には、各ガイド口836内で第二施術子83に引っかかっているので、付勢部材93による付勢力で第二施術子83が支持部91から抜けることを防止している。
【0053】
図9は、実施の形態に係る第二施術部80の第二施術子83がヘッド部40内に入り込んだ状態を示す断面図である。具体的には
図9は
図8に対応する図である。
【0054】
第二施術部80は、無負荷時においては
図7及び
図8に示すように第二施術子83がヘッド部40から突出した状態となっている。第二施術部80の第二施術子83が頭皮に当接すると、
図8に示すように、第二施術子83が付勢部材93を押圧しながら、支持部91に近接するように動作する。この動作時においては、支持部91の各係止突起915が、第二施術子83の各ガイド口836によって案内されているので、第二施術子83はスムーズに動作する。この動作によって、第二施術子83がヘッド部40内に入り込むことになる。
【0055】
また、付勢部材93の付勢力は常に第二施術子83に作用しているので、頭皮ケア装置10自体が頭皮上を移動したり、第二施術子83が偏心回転したとしても、第二施術子83は頭皮の形状に追従して出入動作を行う。これにより、施術時においては、頭皮に対する第二施術子83の密着性が高められている。
【0056】
また、施術が完了して、頭皮ケア装置10が頭皮から離れると、付勢部材93の付勢力によって、第二施術子83はヘッド部40から突出する方向に動作する。このときにおいても、支持部91の各係止突起915が、第二施術子83の各ガイド口836によって案内されているので、第二施術子83はスムーズに動作する。
【0057】
図4に示すように、2つの第二施術部80は、駆動平面H2が第二部位402の表面に対して平行となるように設けられている。上述したように、第二部位402の表面に対して、第一部位401及び第三部位403のそれぞれの表面は傾斜している。このため、4つの第一施術部70のそれぞれの駆動平面H1は、2つの第二施術部80の駆動平面H2に対して傾いている。このように、4つの第一施術部70のそれぞれの駆動平面H1が、2つの第二施術部80の駆動平面H2に対して傾いているので、頭皮の形状に対応するように各第一施術子73及び各第二施術子83を頭皮に対して正対させることができる。これにより、各第一施術子73及び各第二施術子83における頭皮に対する密着性を高めることができ、頭皮のケア効果(例えばマッサージ効果及び洗浄効果など)を高めることが可能である。
【0058】
また、上述したように第一施術子73の軸体725と出力軸71とが平行であるために、駆動時においても頭皮に対して第一施術子73をより正対させやすい。一方、第二施術子83の軸体92と出力軸81とが平行であるために、駆動時においても頭皮に対して第二施術子83をより正対させやすい。これらのことから、第一施術子73及び第二施術子83における頭皮に対する密着性を高め、頭皮のケア効果を高めることができる。
【0059】
また、
図2に示すように、4つの第一施術部70及び2つの第二施術部80は、ヘッド部40を平面視した際の当該ヘッド部40の中心を通る中心線(第一中心線L1)を基準とした線対称に配置されている。ここで、4つの第一施術部70のうち、第一部位401に配置された2つの第一施術部70と、第三部位403に配置された2つの第一施術部70とは、第一中心線L1を挟んで対向する一対の第一施術部70を二組なしている。この第一中心線L1を挟んで対向する一対の第一施術部70は、それぞれの駆動平面H1が第一中心線L1を基準とした線対称に傾いている(
図4参照)。つまり、第一部位401に配置された第一施術部70の駆動平面H1と、第二施術部80の駆動平面H2とがなす角度は、第三部位403に配置された第一施術部70の駆動平面H1と、第二施術部80の駆動平面H2とがなす角度と同じである。
【0060】
このように、第一中心線L1を挟んで対向する一対の第一施術部70のそれぞれの駆動平面H1が第一中心線L1を基準とした線対称に傾いているので、当該一対の第一施術部70に備わる各第一施術子73への負荷が均等化される。これにより、駆動時において頭皮ケア装置10が安定化するので、ユーザが頭皮ケア装置10を頭皮に対して押さえやすくなり、頭皮のケア効果をより高めることができる。
【0061】
次に、ギアユニット35について説明する。
図3及び
図4に示すように、ギアユニット35は、本体ハウジング31内に収容されている。
【0062】
図10は、実施の形態に係るギアユニット35の背面側を示す平面図である。
図11は、実施の形態に係るギアユニット35の表面側を示す平面図である。ここで、「表面」とは本体ハウジング31における開放された一端部側であり、「背面」とは本体ハウジング31における他端部側である。なお、
図10及び
図11に示す矢印は、各歯車701〜716の回転方向を示している。
【0063】
図10及び
図11に示すように、ギアユニット35は、モータ基台351と、複数の歯車701〜716とを備えている。複数の歯車701〜716は、駆動源32の動力を複数の出力軸71、81に伝達するための動力経路をなしている。
【0064】
モータ基台351は、平板状の板材であり、本体ハウジング31の中間部に配置されている(
図4参照)。モータ基台351の背面には、駆動源32、電池33が支持されている。また、モータ基台351の背面には、3個の歯車701〜703が回転自在に支持されている。具体的には、歯車701は、駆動源32の回転軸に取り付けられた歯車321に噛み合っている。歯車702は、歯車701に対して噛み合っている。歯車703は、歯車702に噛み合っている。歯車703の回転軸は、モータ基台351の表面側に突出している。
【0065】
モータ基台351の表面には、13個の歯車704〜716が回転自在に支持されている。具体的には、歯車704は、表面側に突出した歯車703の回転軸に対して取り付けられている。歯車705は、歯車704に対して噛み合っている。歯車706は、歯車705に対して噛み合っている。歯車707は、歯車706に対して噛み合っている。歯車708は、歯車706に対して噛み合っている。歯車709は、歯車705に対して噛み合っている。歯車710は、歯車709に対して噛み合っている。歯車711は、歯車710に対して噛み合っている。歯車712は、歯車710に対して噛み合っている。歯車713は、歯車710に対して噛み合っている。歯車714は、歯車713に対して噛み合っている。歯車715は、歯車714に対して噛み合っている。歯車716は、歯車714に対して噛み合っている。
【0066】
ここで、歯車704、705、706、709、710、711、712、713、714の回転軸は、それぞれ平行となっている。
【0067】
歯車707、708の回転軸は、第三部位403に配置された一対の第一施術部70のそれぞれの出力軸71である。また、歯車707、708はねじ歯車であり、その回転軸が、第三部位403に配置された第一施術部70の駆動平面H1に対応するように、歯車706の回転軸に対して傾斜している。つまり、歯車707、708の回転軸は、第三部位403に配置された第一施術部70の駆動平面H1に対して直交している。
【0068】
歯車715、716の回転軸は、第一部位401に配置された一対の第一施術部70のそれぞれの出力軸71である。また、歯車715、716はねじ歯車であり、その回転軸が、第一部位401に配置された第一施術部70の駆動平面H1に対応するように、歯車714の回転軸に対して傾斜している。つまり、歯車715、716の回転軸は、第一部位401に配置された第一施術部70の駆動平面H1に対して直交している。
【0069】
このように、歯車707、708、715、716が、駆動平面H1に対応するように傾斜した出力軸71に対して動力を伝達するねじ歯車であるので、傾斜した出力軸71に対する動力伝達を、簡単な構成で実現することができる。これにより、ギアユニット35を小さくすることができ、結果的に、頭皮ケア装置10の薄型化を図ることができる。
【0070】
また、歯車711、712の回転軸は、第二部位402に配置された一対の第二施術部80のそれぞれの出力軸81である。また、上述したように歯車711、712の回転軸は、歯車710の回転軸に対して平行であるので、第二部位402に配置された第二施術部80の駆動平面H2に対して直交している。
【0071】
ギアユニット35では、各出力軸71、81の回転が以下に示す条件を満たすように、複数の歯車の設置個数、大きさ、回転方向、噛み合いの組み合わせなどが決定されている。
【0072】
図12は、実施の形態に係る各第一施術子73及び各第二施術子83の回転範囲及び回転方向を示す模式図である。なお、
図12は、ヘッド部40を平面視した模式図であるが、各第一施術子73の傾きは便宜上解消されている。つまり、
図12では、各第一施術子73及び各第二施術子83の軸心は平行な状態で図示している。
【0073】
図12では、ヘッド部40を平面視した場合における当該ヘッド部40の中心を通る第一中心線L1と、当該ヘッド部40の中心を通り、第一中心線L1に直交する第二中心線L2とを図示している。
【0074】
図12では、各第一施術子73が偏心回転する第一回転範囲R1と、各第二施術子83が偏心回転する第二回転範囲R2とを太線で図示している。
【0075】
また、
図12では、各第一施術子73及び各第二施術子83のそれぞれの回転方向を矢印Y1〜Y6で図示している。第一回転範囲R1の回転中心C1は、第一施術部70の出力軸71に対応している。第二回転範囲R2の回転中心C2は、第二施術部80の出力軸81に対応している。
【0076】
第一回転範囲R1及び第二回転範囲R2のそれぞれの内方には、各第一施術子73及び各第二施術子83の所定タイミング毎の位置を、線種を変えて図示している。具体的には、初期位置である第一位置における各第一施術子73及び各第二施術子83は、実線で示し符号も「73a、83a」としている。第一位置から90度回転した第二位置での各第一施術子73及び各第二施術子83は、破線で示し符号も「73b、83b」としている。第二位置から90度回転した第三位置での各第一施術子73及び各第二施術子83は、一点鎖線で示し符号も「73c、83c」としている。第三位置から90度回転した場合の各第一施術子73及び各第二施術子83は、二点鎖線で示し符号も「73d、83d」としている。各第一施術子73及び各第二施術子83は、第一位置、第二位置、第三位置及び第四位置を通過しながら、繰り返し偏心回転する。
【0077】
なお、各第一施術子73及び各第二施術子83の偏心回転の回転速度は、いずれも同じとなっている。このため、第一位置、第二位置、第三位置及び第四位置のそれぞれを通過するタイミングは、各第一施術子73及び各第二施術子83において同じである。
【0078】
ここで、4つの第一施術子73は、ヘッド部40を平面視した場合に四角形のそれぞれの角となるように配置されている。
図12において上側に配置された一対の第一施術部70を一組目の第一施術子73とし、下側に配置された一対の第一施術子73を二組目の第一施術子73とする。
【0079】
一組目の第一施術子73は、第一中心線L1を挟んで対向するように配置されている。また一組目の第一施術子73は、それぞれの回転方向Y1、Y2が逆方向となっている。具体的には、
図12において、一組目の第一施術子73のうち、左側の第一施術子73は、左(73a)、下(73b)、右(73c)、上(73d)という順で偏心回転する。一方、一組目の第一施術子73のうち、右側の第一施術子73は、右(73a)、下(73b)、左(73c)、上(73d)という順で偏心回転する。つまり、一組目の第一施術子73は、第一中心線L1を基準とした線対称に偏心回転する。このように一組目の第一施術子73が偏心回転するので、一組目の第一施術子73が頭皮と擦れることで生じる装置側の負荷を抑制することができる。
【0080】
二組目の第一施術子73は、第一中心線L1を挟んで対向するように配置されている。また二組目の第一施術子73は、それぞれの回転方向Y3、Y4が逆方向となっている。具体的には、
図12において、二組目の第一施術子73のうち、左側の第一施術子73は、右(73a)、上(73b)、左(73c)、下(73d)という順で偏心回転する。一方、二組目の第一施術子73のうち、右側の第一施術子73は、左(73a)、上(73b)、右(73c)、下(73d)という順で偏心回転する。つまり、二組目の第一施術子73は、第一中心線L1を基準とした線対称に偏心回転する。このように二組目の第一施術子73が偏心回転するので、二組目の第一施術子73が頭皮と擦れることで生じる負荷を抑制することができる。
【0081】
また、ヘッド部40における第一部位401に配置された一対の第一施術子73は、第二中心線L2を挟んで対向するように配置されている。この第一部位401の一対の第一施術子73は、それぞれの回転方向Y1、Y3が同方向となっている。ここで、
図12においては、第一部位401の一対の第一施術子73のうち、上方の第一施術子73は、左(73a)、下(73b)、右(73c)、上(73d)という順で偏心回転する。一方、第一部位401の一対の第一施術子73のうち、下方の第一施術子73は、右(73a)、上(73b)、左(73c)、下(73d)という順で偏心回転する。つまり、第一部位401の一対の第一施術子73は、180度の位相差で同方向に偏心回転する。このように、第一部位401の一対の第一施術子73は、180度の位相差で同方向に偏心回転しているので、これら一対の第一施術子73が近づいたり離れたりする。つまり、一対の第一施術子73で頭皮を摘む動作を実現することができる。なお、この位相差は、180度以外の位相差であってもよい。
【0082】
また、ヘッド部40における第三部位403に配置された一対の第一施術子73は、第二中心線L2を挟んで対向するように配置されている。この第三部位403の一対の第一施術子73は、それぞれの回転方向Y2、Y4が同方向となっている。ここで、
図12においては、第三部位403の一対の第一施術子73のうち、上方の第一施術子73は、右(73a)、下(73b)、左(73c)、上(73d)という順で偏心回転する。一方、第三部位403の一対の第一施術子73のうち、下方の第一施術子73は、左(73a)、上(73b)、右(73c)、下(73d)という順で偏心回転する。つまり、第三部位403の一対の第一施術子73は、180度の位相差で同方向に偏心回転する。このように、第三部位403の一対の第一施術子73は、180度の位相差で同方向に偏心回転しているので、これら一対の第一施術子73が近づいたり離れたりする。つまり、一対の第一施術子73で頭皮を摘む動作を実現することができる。なお、この位相差は、180度以外の位相差であってもよい。
【0083】
2つの第二施術子83は、ヘッド部40を平面視した場合に4つの第一施術子73よりも内側に配置されている。2つの第二施術子83は、第二中心線L2を挟んで対向するように配置されている。2つの第二施術子83は、それぞれの回転方向Y5、Y6が同方向となっている。ここで、
図12においては、2つの第二施術子83のうち、上方の第二施術子83は、下(73a)、右(73b)、上(73c)、左(73d)という順で偏心回転する。一方、2つの第二施術子83のうち、下方の第二施術子83は、上(83a)、左(83b)、下(83c)、右(83d)という順で偏心回転する。つまり、2つの第二施術子83は、180度の位相差で同方向に偏心回転する。このように、2つの第二施術子83は、180度の位相差で同方向に偏心回転しているので、これら2つの第二施術子83が近づいたり離れたりする。つまり、2つの第二施術子83で頭皮を摘む動作を実現することができる。なお、この位相差は、180度以外の位相差であってもよい。
【0084】
図12に示すように、4つの第一施術子73のそれぞれの第一回転範囲R1は同じ大きさであり、2つの第二施術子83のそれぞれの第二回転範囲R2は同じ大きさである。また、各第一施術子73の第一回転範囲R1は、各第二施術子83の第二回転範囲R2よりも大きい。つまり、四角形の一つの角をなす第一施術子73の第一回転範囲R1は、当該四角形の内側に配置された第二施術子83の第二回転範囲R2よりも大きい。このように第二施術子83よりも外方に位置する第一施術子73は、第二施術子83よりも大きく偏心回転するので、施術突起732による頭皮への刺激を広範囲に付与することができる。
【0085】
具体的には、第一回転範囲R1は、回転中心C1を中心として第一施術子73が偏心回転する際に、当該第一施術子73の最外縁が示す円である。第二回転範囲R2は、回転中心C2を中心として第二施術子83が偏心回転する際に、当該第二施術子83の最外縁が示す円である。つまり、第一回転範囲R1の直径が第二回転範囲R2の直径よりも大きいことで、第一回転範囲R1が第二回転範囲R2よりも大きくなっている。この関係性を満たすように、第一回転範囲R1を決める要素及び第二回転範囲R2を決める要素が設定されている。
【0086】
第一回転範囲R1を決める要素としては、例えば、出力軸71の軸方向視における第一施術子73の大きさ及び形状、同方向視における軸体725と出力軸71との間隔などが挙げられる。
【0087】
第二回転範囲R2を決める要素としては、例えば、出力軸81の軸方向視における第二施術子83の大きさ及び形状、同方向視における軸体92と出力軸81との間隔などが挙げられる。
【0088】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る頭皮ケア装置10は、駆動源32を収容した装置本体部30と、装置本体部30に組み付けられたヘッド部40とを備え、ヘッド部40は、駆動源32により駆動される少なくとも4つの出力軸71、81と、少なくとも4つの出力軸71、81のそれぞれに対応するように設けられ、出力軸71、81の駆動に基づいて、当該出力軸71、81に対して直交する方向に駆動される少なくとも4つの施術子(第一施術子73及び第二施術子83)と、少なくとも4つの施術子のそれぞれに対して、出力軸71、81からの動力を伝達して、当該施術子を出力軸71、81に対して偏心回転させる少なくとも4つの基台72、82とを備え、少なくとも4つの施術子は、ヘッド部40を平面視した場合に、多角形のそれぞれの角となるように配置された複数の第一施術子73と、ヘッド部40における複数の第一施術子73よりも内側に配置された少なくとも一つの第二施術子83とを含み、第一施術子73が偏心回転する第一回転範囲R1は、第二施術子83が偏心回転する第二回転範囲R2よりも大きい。
【0089】
これによれば、第二施術子83よりも外方に位置する第一施術子73が、第二施術子83よりも大きく偏心回転するので、第一施術子73による頭皮への刺激を広範囲に付与することができる。これにより、頭皮に対するケア効果を高めた頭皮ケア装置10を提供することができる。
【0090】
ここで、2つの第二施術子83の第二回転範囲R2を第一回転範囲R1と同等にすることも考えられるが、この場合、ヘッド部40の大型化、つまり頭皮ケア装置10自体の大型化を招いてしまう。本実施の形態に係る頭皮ケア装置10は、洗髪時にユーザが片手で把握して操作するものである。使用時においては、頭皮ケア装置10に水やシャンプーが付着していて、頭皮ケア装置10が滑りやすくなっている。このような使用状況であるがゆえに、頭皮ケア装置10の大型化は好ましくない。本実施の形態に係る頭皮ケア装置10であれば、大型化を抑制して操作性を高めつつ、高い頭皮のケア効果を得ることができる。
【0091】
また、ヘッド部40の角部に配置された第一施術子73が第二施術子83よりも大きく偏心回転するので、ユーザに対して、頭部の全体が大きく動く印象を与えることができる。したがって、ユーザは高い頭皮のケア効果を実感することができる。
【0092】
また、複数の第一施術子73は、ヘッド部40を平面視した際の中心を通る第一中心線L1を挟んで対向する一対の第一施術子73を備え、第一中心線L1を挟んで対向する一対の第一施術子73は、第一中心線L1を基準とした線対称に偏心回転する。
【0093】
これによれば、第一中心線L1を挟んで対向する一対の第一施術子73が、第一中心線L1を基準とした線対称に偏心回転するので、第一施術子73が頭皮と擦れることで生じる装置側の負荷を抑制することができる。これにより、使用時に頭皮ケア装置10自体がバタつくことを抑えることができる。したがって、頭皮ケア装置10の操作性を高めることができる。
【0094】
また、複数の第一施術子73は、ヘッド部40を平面視した際の中心を通り、かつ第一中心線L1に直交する第二中心線L2を挟んで対向する一対の第一施術子73を備え、第二中心線L2を挟んで対向する一対の第一施術子73は、それぞれ所定の位相差で同方向に偏心回転する。
【0095】
これによれば、第二中心線L2を挟んで対向する一対の第一施術子73が所定の位相差で同方向に偏心回転しているので、これら一対の第一施術子73は近づいたり離れたりする。つまり、一対の第一施術子73で頭皮を摘む動作を実現することができる。これにより、頭皮を揉みしだくような刺激を付与することができ、頭皮ケアの効果をより高めることができる。
【0096】
また、少なくとも一つの第二施術子83は、第二中心線L2を挟んで対向する一対の第二施術子83を備え、第二中心線L2を挟んで対向する一対の第二施術子83は、それぞれ所定の位相差で同方向に偏心回転する。
【0097】
これによれば、第二中心線L2を挟んで対向する一対の第二施術子83が所定の位相差で同方向に偏心回転しているので、これら一対の第二施術子83は近づいたり離れたりする。つまり、一対の第二施術子83で頭皮を摘む動作を実現することができる。これにより、頭皮を揉みしだくような刺激を付与することができ、頭皮ケアの効果をより高めることができる。
【0098】
[その他]
以上、本発明に係る頭皮ケア装置10について上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0099】
例えば、上記実施の形態では、4つの第一施術子73と、2つの第二施術子83とが設けられた頭皮ケア装置10を例示した。しかしながら、複数の第一施術子73は3つ以上であればよい。換言すると、複数の第一施術子73は、多角形の角をなす個数であればよい。つまり、複数の第一施術子73がなす多角形は、三角形であってもよいし、五角形以上の多角形であってもよい。一方、第二施術子83は、複数の第一施術子73の内側に配置されているのであれば、少なくとも一つであればよい。このように、頭皮ケア装置10に備わる施術子(第一施術子73及び第二施術子83)は、少なくとも4つであればよい。なお、出力軸71、81及び基台72、82の設置個数も、第一施術子73及び第二施術子83の設置個数に対応させればよい。つまり、頭皮ケア装置10に備わる出力軸71、81及び基台72、82のそれぞれの設置個数は、少なくとも4つであればよい。
【0100】
また、本実施の形態では、複数の第一施術子73が四角形の角をなし、ヘッド部40の平面視形状が略四角形という具合に、複数の第一施術子73がなす多角形と、ヘッド部40の平面視形状とが対応している場合を例示した。しかしながら、複数の第一施術子73がなす多角形と、ヘッド部40の平面視形状とが異なっていてもよい。例えば、複数の第一施術子73が四角形の角をなしている場合には、ヘッド部40の平面視形状は、四角形以外の多角形であっても、円形であってもよい。
【0101】
その他、実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。