特許第6982848号(P6982848)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6982848防水継手カバーと接続管に使用する防臭具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982848
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】防水継手カバーと接続管に使用する防臭具
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/122 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   E03C1/122 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-135604(P2017-135604)
(22)【出願日】2017年7月11日
(65)【公開番号】特開2019-19455(P2019-19455A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000118590
【氏名又は名称】伊藤鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 光男
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−156141(JP,A)
【文献】 特開2008−308824(JP,A)
【文献】 特開2006−118652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気管と連通し接続される排水通気用防水継手の上端部に接続された防水継手カバーに近接する防臭カバーと、
前記通気管及排水通気用防水継手と連通し、前記防水継手カバーとさらに連通するように配置された接続管と接し、かつ前記防水継手カバーと接するパッキンと、
前記防臭カバーを、前記防水継手カバーを介して前記排水通気用防水継手に取り付け、さらに前記パッキンを、当該防水継手カバーと前記接続管と、の間の機密性を保つように取り付ける接続具と、を有し、
前記接続具を前記防臭カバーに取り付けることで、前記防臭カバーと、前記防水継手カバーと、前記排水通気用防水継手とを固定し、その前記防水継手カバーと、前記接続管との隙間に配置した防臭具。
【請求項2】
前記防臭カバーの内部に、前記パッキンを配置するために断面視段差状のパッキン配置部をさらに有する請求項1記載の防臭具。
【請求項3】
前記接続具はボルトとナットを有する請求項1または2記載の防臭具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気を導入し、排水を確実に行うための排水管の上端部であって建物の屋外に設置される排水通気用継手の接続する防水継手カバーと、その防水継手カバーと接続する接続管と、の隙間からの臭気の流出を防止するための防臭具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の排水を行うために、特に高層建物においては、その排水を良好にするために外気を導入することが必要である。たとえば建物の屋上において、その屋上の床を構成するコンクリートスラブを貫通するように通気管を立設し、その通気管の先端を屋外に開放することで、管内に負圧が生じたときに、この通気管を介して管内に空気を取り入れるようにし、排水を良好にしている。
【0003】
この場合に、屋外に設置した通気管に排水通気用防水継手を設置しさらに接続管を配置し、その端部に、臭気の流出を防止するために防臭器具を取り付けている。たとえば、特開平11−303169号公報において、排水たて管に接続される通気管に接続する防臭器具である防臭装置が開示されている。またそれ以外にもドルゴ通気弁(商品名)を配置する場合がある。
【0004】
このように、排水たて管に接続される通気管に接続する防臭器具あるいはドルゴ通気弁(商品名)を配置することで、臭気の流出をある程度防止することができる。
【0005】
もっとも、従来はその建物の屋上に人が立ち入るということは少なく、したがって、上述の防臭器具が配置されていれば、多少の臭気が流出した場合であっても、建物の屋上から離れるとその臭気が分散され、仮に通気管から臭気が流出したとしても特に問題とならない。
【0006】
一方で、上記建物の屋上の有効利用が行われ、その屋上に人が立ち入るようになっている。たとえば、屋上を緑化することで、いわゆる屋上庭園や屋上菜園として活用したり、または、休憩場所として活用するようになっている。
【0007】
その場合に、建物の屋上に屋上の床を構成するコンクリートスラブを貫通するように排気管を立設し、その排気管に、排水通気用防水継手を設置し、さらに防水継手カバーを取り付け、その防水継手カバーに接続管を配置し、その接続管の端部に防臭器具が配置されている場合であっても、上述のとおり人がその屋上に立ち入ることから、臭気が流出すると問題となる場合がある。これは、防臭器具が原因ではなく、排水通気用防水継手と、防水継手カバーと接続管とのいずれかの接続部分から臭気が流出していることが見出されている。
【0008】
しかしながら、その防水継手カバーと接続管とが接続されている排水通気用防水継手を全部交換して、新たな防臭具を組み込むということもできるが、その交換する数が多く費用がかさみ、工事期間も長く現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−303169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、既存の排水通気用防水継手と防水継手カバー及び接続管を活用しつつ、簡易な構成の防臭具を提供することを目的とする。
【0011】
第1観点における防臭具は、通気管と連通し接続される排水通気用防水継手の上端部に接続された防水継手カバーに近接する防臭カバーと、通気管及排水通気用防水継手と連通し、防水継手カバーとさらに連通するように配置された接続管と接し、かつ防水継手カバーと接するパッキンと、防臭カバーを、防水継手カバーを介して排水通気用防水継手に取り付け、さらにパッキンを、防水継手カバーと接続管と、の間の機密性を保つように取り付けるための接続具と、を有し、接続具を防臭カバーに取り付けることで、防臭カバーと、防水継手カバーと、排水通気用防水継手とを固定し、その防水継手カバーと、前記接続管との隙間に配置したというものである。
【0012】
第2観点における防臭具は、第1観点において、防臭カバーの内部に、パッキンを配置するために断面視段差状のパッキン配置部をさらに有するというものである。
【0013】
第3観点における防臭具は、第1観点または第2観点において、接続具はボルトとナットを有するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、既存の排水通気用防水継手を活用しつつ、簡易な構成の防臭具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】防臭具を取り付けた排水通気用防水継手と、防水継手カバー等の正面図。
図2図1の断面図。
図3】Aは、排水通気用防水継手の平面図、Bは、排水通気用防水継手の正面図、Cは、排水通気用防水継手の断面図。
図4】Aは、ガスケットの平面図、Bは、ガスケットの断面図、Cは、ガスケットの正面図。
図5】Aは、防水継手カバーの平面図、Bは、防水継手カバーの断面図、Cは、防水継手カバーの正面図。
図6】Aは、接続管の平面図、Bは、接続管の断面図。
図7】Aは、防臭カバーの平面図、Bは、防臭カバーの断面図、Cは、防臭カバーの正面図。
図8】Aは、パッキンの平面図、Bは、パッキンの断面図。
図9】Aは、接続具の平面図、Bは、接続具の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まずは本実施例の防臭具10の説明をする前に、建物の排水の流れを良好にするために通気管100から外気を導入するための構成について簡単に説明する。通気管100は、建物の屋内から屋外(特に建物の屋上)において敷設されているコンクリートスラブGを貫通し上方に突出するようにするように配置されている。また、その通気管100に端部に排水通気用防水継手110を取り付け、その排水通気用防水継手110に、防水継手カバー120を取り付け、その防水継手カバー120に接続管130を取り付け、その接続管130に、防臭器具200を取り付けている(図1、2参照)。
【0017】
また、通気管100に端部に排水通気用防水継手110を取り付ける際は、環状の通気パッキン105を介して取り付けられている。なお、従来は、通気管100と、通気パッキン105と、排水通気用防水継手110と、防水継手カバー120と、接続管130と、防臭器具200と、を有し本実施例の防臭具10を取り付けていない状態で使用したため臭気が流出するという問題が生じていた。すなわち図1、2から、後述する防臭具10を取り除いた状態で臭気が流出するという問題が生じていたのである。
【0018】
また、通気管100は、排水通気用防水継手110における下向きの凹状の排水通気用防水継手取り付け部111に取り付けられるが、横向きの凹状を呈し、かつ柔軟性を有する通気パッキン105を取り付けるための通気パッキン取り付け部112に、その環状の通気パッキン105を嵌合するように取り付け、その通気パッキン105の内側に、通気管100を配置する。このように配置することで、通気管100の内部100aと、排水通気用防水継手110の内部110aと、それぞれの内部は連通しつつ、さらに、通気管100と、排水通気用防水継手110は、柔軟性を有する通気パッキン105によって機密性が保たれ、これら通気管100と、排水通気用防水継手110との間から臭気が漏れる可能性は低いものとなる。
【0019】
また、排水通気用防水継手110の上端部113は、ガスケット配置部114を有し、後述するガスケット125を配置するために3個のガスケット取り付け孔115を、平面視放射状に120度ごとずらして配置している。このガスケット配置部114に、ガスケット125を配置し、このガスケット125を介して、防水継手カバー120が、3つの継手ボルト孔113aに配置する後述する接続具40におけるボルト41によって固定することができる。この継手ボルト孔113aの内部はメネジ状に螺子切りされている(図3参照)。
【0020】
また、ガスケット125はほぼ環状の本体部分121を有し、さらに平面視放射状に120度ごとずらして配置されたガスケットボルト孔125aをその環状の本体部分121から3方向に突出するように構成されている(図4参照)。
【0021】
防水継手カバー120は、排水通気用防水継手110との内部110aと、接続管130との内部130aと、連通するように取り付けるものであり、その防水継手カバー120は、下方円筒部121と、上方円筒部125と、から構成されている。また、内開口部124により、下方円筒部121と上方円筒部125とは、連通するように構成されている。下方円筒部121は、文字通り下向きに開口する開口部122を有し、排水通気用防水継手110の上端部113が、その開口部122内に配置されるのに充分な径を有している。また、下方円筒部121の上端部123には、平面視放射状に120度ごとずらして配置された防水継手カバーボルト孔123aを3個有している(図5参照)。
【0022】
また、上方円筒部125も文字通り上向きに開口する上方開口部126を有する。上方開口部126は、円筒形状を呈する接続管130がその内部に配置するのに充分な径を有し、接続管130の端部が、上方円筒部125の底に相当する内底部127に当接し、ボルト孔128に螺号するボルト129によって固定されている。
【0023】
さらにその、接続管130は内部130aを有する円筒状を呈するものであり(図6参照)、上述のとおり、防臭器具200に接続されている。この防臭器具200は、市販されている森永エンジニアリング株式会社製のドルゴ通気弁が好ましく、接続管130からの臭気の流出を、この防臭器具200によって防止することができる(図1、2参照)。
【0024】
しかしながら、研究の結果本実施例の防臭具10を取り付けていない状態、すなわち従来の状態で使用すると臭気が漂うことが判明し、この原因は、防水継手カバー120と接続管130との隙間Sから臭気が流出していることが見出され、この臭気の流出を防止すべく本実施例の防臭具10を開発したものである。
【0025】
具体的に本実施例の防臭具10は、防臭カバー20と、パッキン30と、接続具40とを有している(図1、2参照)。防臭カバー20は、円筒形状の筒部21を有し、その天井部22に筒部21と同心円状の開口部23を有している。また、天井部22の周囲に、後述する接続部40を取り付けるための取り付け孔部25を複数有している。本実施例の場合は、3つ有しており、平面視放射状に中心角120度ごとに配置されている。また、防臭カバー20は鋳鉄製が好ましい(図7参照)。
【0026】
開口部23は、上述する接続管130が挿入されるのに充分な径を有し、その開口部23の下部に、後述する環状のパッキン30を配置するための断面視段差状のパッキン配置部24を有する。パッキン配置部24は、開口部23の下部の内部においてその開口部23を周回するように配置されている。
【0027】
パッキン30は、いわゆるOリングであり、弾力性を有する二トリルゴム製が好ましい。パッキン30の径は、上述の接続管130の径と同様であることが好ましい(図8参照)。パッキン30の太さは5.7ミリメートルが好ましい。
【0028】
接続具40は、ボルト41とナット45とを有する。ボルト41の外周面には、オネジを有し、そのナット45の内側には、メネジを有しそれらが互いに螺合するように構成されている(図9参照)。
【0029】
上記構成の防臭具10を、防水継手カバー120と、その防水継手カバー120に接続管130を取り付け、その接続管130に、防臭器具200を取り付けた排水通気用防水継手110から、その防臭器具200を取り外し、接続管130にパッキン30を取り付ける。
【0030】
防臭具10におけるパッキン30を下方に引き下げ、防水継手カバー120に載置する。すなわち、防水継手カバー120における上方円筒部125の上方開口部126に、パッキン30を配置する。
【0031】
パッキン30は、接続管130と、排水通気用防水継手110との隙間Sを埋めるように配置される。すなわち、接続管130と、排水通気用防水継手110における上方円筒部125の上方開口部126とに接するように配置される。
【0032】
この状態で、防臭カバー20を防水継手カバー120に近接した位置に取り付ける。すなわち、防臭カバー20の開口部23内に、接続管130が入るように取り付け、円筒形状の筒部21を、防水継手カバー120における下方円筒部121の上端部123に近接する位置に配置する。このとき、防臭カバー20における断面視段差状のパッキン配置部24に、パッキン30が配置される。
【0033】
この状態で、接続具40を取り付ける。具合的には、接続具40における3つのボルト41を、防臭カバー20における天井部22の周囲に配置した3つ有する取り付け孔部25にそれぞれ挿入するとともに、防水継手カバー120における下方円筒部121の上端部123において、放射状に120度ごとずらして配置された3つ有する防水継手カバーボルト孔123aにそれぞれ挿入し、さらに、排水通気用防水継手110の上端部113に配置された3つ有する継手ボルト孔113aに螺合する。その後、3つのナット45を、ボルト41の上端に取り付け、その3つのナット45を締め付けると、防臭カバー20が、下方に移動することで、パッキン30が押圧される。
【0034】
パッキン30は、上記のとおり、防臭カバー20における断面視段差状のパッキン配置部24に、パッキン30が配置されているので、徐々に、そのパッキン30は、接続管130と、防水継手カバー120との隙間Sに移動し、接続管130と、防水継手カバー120との隙間Sをそのパッキン30で押圧するように配置される(図2参照)。これにより、その接続管130と、防水継手カバー120との隙間Sの機密性を担保することができる。詳述すれば、接続管130と、防水継手カバー120における上方円筒部125の上方開口部126と、との隙間Sを埋めるように配置される。従って、この隙間Sから臭気が流出することをパッキン30が防止することができる。すなわち接続具40を防臭カバー20に取り付けることで、その防臭カバー20と、防水継手カバー120と、排水通気用防水継手110とを固定し、その防水継手カバー120と、接続管130との間に配置したパッキン40が押圧され、その隙間Sを生めることができるのである。
【0035】
このように、すでに建物の屋上に設置されている既存の排水通気用防水継手110と防水継手カバー120及び接続管130を活用しつつ、簡易な構成の防臭具10を取り付けることで、コストをいたずらに増やすことなく確実に臭気の流出を防止しつつ、防臭効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 防臭具
20 防臭カバー
21 筒部
22 天井部
23 開口部
24 パッキン配置部
30 パッキン
40 接続具
41 ボルト
45 ナット
100 通気管
110 排水通気用防水継手
120 防水継手カバー
130 接続管
200 防臭器具
G コンクリートスラブ
S 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9