(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
定期借家契約内容を記憶する定期借家契約内容データベース装置と、前記定期借家から借主が退去する退去の確定処理をする退去処理サーバと、前記定期借家契約に関係する関係者の各端末機器とをインターネットを介して接続してなる定期借家契約管理システムであって、
前記退去処理サーバは、
前記定期借家の貸主が、特定の借主に対しては再契約を拒否し、それ以外の借主に対しては再契約を認める旨の意思表示を、前記貸主の端末機器から受信する貸主意思表示受信部と、
当該貸主意思表示受信部が受信した貸主の意思表示の内容を前記定期借家契約内容データベース装置に格納する貸主意思格納部と、
前記定期借家契約の最終月の家賃の支払いが第一期限日までになされたか否かに関する第一期限支払い情報を受信する第一期限支払い情報受信部と、
当該第一期限支払い情報受信部が受信した家賃の第一期限支払い情報を前記定期借家契約内容データベース装置に格納する第一期限支払い情報格納部と、
前記定期借家契約内容データベース装置を参照して、定期借家契約の借主を、貸主が再契約を拒否する借主であって前記第一期限日までに家賃を支払った借主(カテゴリー1)、貸主が再契約を拒否する借主であって前記第一期限日までに家賃を支払わなかった借主(カテゴリー2)、貸主が再契約を認める借主であって前記第一期限日までに家賃を支払った借主(カテゴリー3)、貸主が再契約を認める借主であって前記第一期限日までに家賃を支払わなかった借主(カテゴリー4)の4つのカテゴリーに分けるカテゴリー分類部と、
前記カテゴリー1に属する借主には、家賃受領の旨及び退去手続の案内を通知し、前記カテゴリー2に属する借主には、家賃督促及び退去手続の案内を通知し、前記カテゴリー3に属する借主には、家賃受領の旨及び再契約意思確認の案内を通知し、前記カテゴリー4に属する借主には、家賃督促及び再契約意思確認の案内を通知する借主への通知部と、
前記カテゴリー3に属する借主が再契約の意思表示をし、または前記カテゴリー4に属する借主が当初契約期間内であって、前記第一期限日に銀行の引落がされたか否かのデータの集計がなされて銀行から管理会社の手元に情報が集まるまでにかかる期間を経過した後に設定される第二期限日までに支払う意思と再契約の意思表示をする旨を前記借主の端末機器から受信する借主意思表示受信部と、
前記借主意思表示受信部が受信した前記意思表示の真贋を判定する真贋判定部と、
前記真贋判定部が、前記意思表示が本物であると判定したときに、前記定期借家契約内容データベース装置に、当該意思表示を格納する借主意思表示格納部と、
前記定期借家契約の最終月の家賃の支払いが前記第二期限日までになされたか否かに関する第二期限支払い情報を受信する第二期限支払い情報受信部と、
当該第二期限支払い情報受信部が受信した家賃の前記第二期限支払い情報を前記定期借家契約内容データベース装置に格納する第二期限支払い情報格納部と、
前記カテゴリー3の借主については借主の再契約の意思表示をもって再契約の合意がなされたとし、前記カテゴリー4の借主については借主の再契約の意思表示及び前記第二期限日までに支払いがなされたことを確認して再契約の合意がなされたとして、前記定期借家契約内容データベース装置に再契約の旨を格納する再契約確定部と、
前記再契約確定部が再契約を確定させなかった借主に対しては、契約期間終了時に退去を確定する退去確定部と
を備え、
前記定期借家契約の契約期間終了とともに退去を実現することを特徴とする定期借家契約管理システム。
前記定期借家契約の家賃は、借主が家賃管理会社に支払うものであり、前記第一期限支払い情報及び前記第二期限支払い情報は、家賃管理会社から前記退去処理サーバに送信されて、前記退去処理サーバが受信するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に定期借家契約管理システム。
前記第一期限日、前記第二期限日のいずれもが、前記定期借家契約の最終月が始まる前に設定されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載した定期借家契約管理システム。
前記借主意思表示受信部は、前記借主の端末機器に複数の意思表示をそれぞれ示す複数の図柄を表示させ、前記借主がそれらの中から一つの図柄を選択して前記退去処理サーバに送信することを受けて、前記借主の意思表示を受信することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載する定期借家契約管理システム。
前記借主意思表示受信部は、前記借主が電話をかけてくるのに応じて、自動音声により対応し、対話形式にしたがって前記借主が番号をプッシュすることにより前記借主の意思表示を受信することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の定期借家契約管理システム。
前記再契約確定部が、借主の退去を確定した場合に、その確定の事実に基づいて、前記定期借家契約の物件の退去手続の依頼を弁護士を含む関係者の各端末に通知することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の定期借家契約管理システム。
前記退去処理サーバは、借主と貸主とに対し、第三者の立場である役務提供者が管理運営するサーバであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載する定期借家契約管理システム。
【背景技術】
【0002】
アパート、マンション、一軒家など建物の賃貸借契約には、従来からある普通建物賃貸借契約(普通借家契約)と、西暦2000年3月から認められた定期建物賃貸借契約(定期借家契約)とがある。
普通借家契約では、契約期間は1年以上で設定する。通常は、契約期間を2年とすることが多い。契約期間を1年未満とした場合には、期間の定めのない契約となる。
普通借家契約では、借り主からの中途解約に関する特約を定めることができる。解約の予告期間を定めたり、直ちに解約する場合に支払う金銭の額について定めていることが多い。
普通借家契約では、借り主が引き続き住むことを希望している場合には、貸主からの解約や、契約期間終了時の更新の拒絶は、原則的にできない。
【0003】
一方、定期借家契約は、契約の更新がない契約であり、契約期間が終了した時点で確定的に契約が終了し、貸主は確実に明け渡しを受けることができる。契約期間は自由に定めることができる。
定期借家契約では、契約期間を確定的に定めた上で、契約することが必要である。また、契約書とは別にあらかじめ書面(重要事項説明書)を交付して、契約の更新がなく、期間の満了とともに契約が終了することを借り主に説明しなければならない。貸主がこの説明を怠ったときは、その契約は定期借家としての効力はなくなり、普通借家契約となる。
居住用建物の定期借家契約では、契約期間中に、借り主に転勤、療養、親族の介護など、やむを得ない事情が発生し、その住宅に住み続けることが困難となった場合には、借り主から解約の申し入れができる。この場合、解約の申し入れの日から、1ヶ月が経過すれば、契約が終了する。この解約権を行使できるのは、床面積が200平方メートル未満の住宅に居住している借り主に限られる。中途解約に関して個別に特約を結ぶことは可能である。
定期借家契約の契約終了時については、契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借り主に契約が終了することを通知する必要がある。貸主と借り主が合意すれば、再契約することは可能である。
【0004】
賃貸住宅の借主が継続して賃料を納めない場合に、賃貸契約をすみやかに解除させることを実現する方法として「不動産管理方法」が提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示される技術においては、保証金保障機構、保証・補償会社が関与して滞納賃料の支払い原状回復費用の支払いなどをすみやかに行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は、退去の確定がなされてからの処理を早く行うためのものであって、退去の確定自体を早めることはできない。
それに対し、定期借家契約においては、たとえば3ヶ月という契約期間を定めるので、当該契約期間が終了する時点で退去を確定させることができ、早期の退去手続が可能となる。
一方、借主としては、引き続き住み続けたいという要望がある。また、貸主としても家賃の支払いの遅れがなく、生活上のマナー違反などもない場合には、引き続き契約し続けても構わないという事情がある。
定期借家法(借地借家法38条)の定めるところでは、再契約が可能であるが、再契約の際には、再度契約をすることと、契約書とは別にあらかじめ書面を交付して、定期借家の特殊性を借主に説明しなければならない。
【0007】
再契約の場合に、借主が引き続き当該物件に住むためには、契約終了前に当事者間の合意がなされなくてはならない。契約終了後は、借主に退去義務が発生してしまい、当初の定期借家契約の終了から、再契約の成立までの期間をどう考えるかの問題が生じてしまうからである。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、契約終了前に再契約手続を早く行うことを可能とし、再契約しない場合には、早期に退去手続を開始できる定期借家契約管理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記解決しようとする課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、定期借家契約において、賃料支払いの時期と契約終了の時期とを半月ずらすこと、そして賃料支払いの督促に当たって事前に再契約の可否についての貸主の意思を確認し、賃料支払いの督促の際に借主の意思表示を確認して、その場で再契約の是非の手続を完了させることにより、入居者(借主)の一報に基づく再契約又は退去をスムーズに行うことが可能であることに想到した。
すなわち、本発明は、借主本人からの意思表示により、貸主との間で迅速な合意を実現し、退去する手続きを早期に開始可能な定期借家契約管理システムを提供するものである。
【0010】
本発明の定期借家契約管理システムは、
定期借家契約内容を記憶する定期借家契約内容データベース装置と、前記定期借家から借主が退去する退去の確定処理をする退去処理サーバと、前記定期借家契約に関係する関係者の各端末機器とをインターネットを介して接続してなる定期借家契約管理システムであって、
前記退去処理サーバは、
前記定期借家の貸主が、特定の借主に対しては再契約を拒否し、それ以外の借主に対しては再契約を認める旨の意思表示を、前記貸主の端末機器から受信する貸主意思表示受信部と、
当該貸主意思表示受信部が受信した貸主の意思表示の内容を前記定期借家契約内容データベース装置に格納する貸主意思格納部と、
前記定期借家契約の最終月の家賃の支払いが第一期限日までになされたか否かに関する第一期限支払い情報を受信する第一期限支払い情報受信部と、
当該第一期限支払い情報受信部が受信した家賃の第一期限支払い情報を前記定期借家契約内容データベース装置に格納する第一期限支払い情報格納部と、
前記定期借家契約内容データベース装置を参照して、定期借家契約の借主を、貸主が再契約を拒否する借主であって第一期限までに家賃を支払った借主(カテゴリー1)、貸主が再契約を拒否する借主であって第一期限までに家賃を支払わなかった借主(カテゴリー2)、貸主が再契約を認める借主であって第一期限までに家賃を支払った借主(カテゴリー3)、貸主が再契約を認める借主であって第一期限までに家賃を支払わなかった借主(カテゴリー4)の4つのカテゴリーに分けるカテゴリー分類部と、
前記カテゴリー1に属する借主には、家賃受領の旨及び退去手続の案内を通知し、前記カテゴリー2に属する借主には、家賃督促及び退去手続の案内を通知し、前記カテゴリー3に属する借主には、家賃受領の旨及び再契約意思確認の案内を通知し、前記カテゴリー4に属する借主には、家賃督促及び再契約意思確認の案内を通知する借主への通知部と、
前記カテゴリー3に属する借主が再契約の意思表示をし、または前記カテゴリー4に属する借主が当初契約期間内の第二期限日までに支払う意思と再契約の意思表示をする旨を前記借主の端末機器から受信する借主意思表示受信部と、
前記借主意思表示受信部が受信した前記意思表示の真贋を判定する真贋判定部と、
前記真贋判定部が、前記意思表示が本物であると判定したときに、前記定期借家契約内容データベース装置に、当該意思表示を格納する借主意思表示格納部と、
前記定期借家契約の最終月の家賃の支払いが前記第二期限日までになされたか否かに関する第二期限支払い情報を受信する第二期限支払い情報受信部と、
当該第二期限支払い情報受信部が受信した家賃の第二期限支払い情報を前記定期借家契約内容データベース装置に格納する第二期限支払い情報格納部と、
前記カテゴリー3の借主については借主の再契約の意思表示をもって再契約の合意がなされたとし、前記カテゴリー4の借主については借主の再契約の意思表示及び前記第二期限日までに支払いがなされたことを確認して再契約の合意がなされたとして、前記定期借家契約内容データベース装置に再契約の旨を格納する再契約確定部と、
前記再契約確定部が再契約を確定させなかった借主に対しては、契約期間終了時に早期に退去を確定する退去確定部と
を備え、
前記定期借家契約の契約期間終了とともに早期に退去を実現することを特徴とする。
これにより、再契約を適法に行いつつ、再契約しなかった借主の退去の早期実現をすることができる。
【0011】
前記貸主意思表示受信部が受信する貸主の意思表示は、あらかじめ公表された客観的な基準によるものとし、当該客観的な基準は、前記定期借家の借主にも契約時に知らされるものであることを特徴とする。これにより、借主は、自分が再契約の基準を満たすか否かをあらかじめ客観的に知ることができる。
【0012】
前記定期借家契約の家賃は、借主が家賃管理会社に支払うものであり、前記第一期限支払い情報及び前記第二期限支払い情報は、家賃管理会社から前記退去処理サーバに送信されて、前記退去処理サーバが受信するものであることを特徴とする。これにより、多くの定期借家契約について一括して処理することが可能となる。
【0013】
前記第一期限日、前記第二期限日のいずれもが、前記定期借家契約の最終月が始まる前に設定されることを特徴とする。これにより通常必要とされる「前家賃」を充足することが可能となる。
【0014】
前記第一期限日を暦の上での月末とし、前記第二期限日を第一期限日から10日以上あとに設定すべく、前記定期借家契約の月の始まりを暦の上の月の半ばとすることを特徴とする。これにより、家賃管理会社の家賃回収システムにおいて、普通借家契約と同様のやりかたで定期借家契約を扱うことが可能となる。
【0015】
前記借主意思表示受信部は、前記借主の端末機器に複数の意思表示をそれぞれ示す複数の図柄を表示させ、前記借主がそれらの中から一つの図柄を選択して前記退去処理サーバに送信することを受けて、前記借主の意思表示を受信することを特徴とする。これにより、借主の意思表示がより容易く行える。
【0016】
前記借主意思表示受信部は、前記借主が電話をかけてくるのに応じて、自動音声により対応し、対話形式にしたがって前記借主が番号をプッシュすることにより前記借主の意思表示を受信することを特徴とする。これにより、借主は、パソコンやスマホなどを持っていなくても、意思表示ができる。
【0017】
前記退去処理サーバは、
前記再契約確定部が再契約とした借主以外の借主で契約期間が終了した借主については、退去手続を開始した旨を前記定期借家契約の関係者の各端末機器へ送信する関係者送受信部を
さらに有することを特徴とする。これにより、借主の退去に関する情報について、貸主、事業運営会社、不動産管理会社など関係者への周知がなされる。
【0018】
前記再契約確定部が、借主の退去を確定した場合に、その確定の事実に基づいて、前記定期借家契約の物件の退去手続の依頼を弁護士を含む関係者の各端末に通知することを特徴とする。これにより借主が不法に居座る場合の対応が迅速になされ得る。
これにより、に基づいて、退去をいち早く実現することが可能となる。
【0019】
本発明の定期借家契約管理システムにおける前記退去処理サーバは、借主と貸主(賃貸物件オーナー)とに対して第三者の立場の役務提供者が管理運営するサーバであることを特徴とする。これにより、借主とオーナーとのいずれの利益にも偏らない中立の立場での判断が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明の定期借家契約管理システムによれば、定期借家契約を3ヶ月の契約とすることができるので、滞納したまま居座る不当(不法)入居者を3ヶ月で合法的退去へ導くことも可能となる。
また、賃貸保証会社の家賃滞納保証期間を3ヶ月で終了させることができる。
滞納した状態で居座り続ける不当入居者を退去させるのに裁判で10ヶ月から12ヶ月かかっていたが、そのような負担が必要なくなる。
その結果、保証会社の保証料金を高く設定する必要がなくなる。
過去に滞納経験がある人など、信用状況の悪い人でも、入居可能となり、再起できるチャンスを得られる。
西暦2000年以降、定期借家契約が用いられる割合は、1割に満たない。本発明によれば、再契約が容易になされるので、貸主が「家賃滞納しないなら再契約を約束する」ことを表明することで入居希望者が増大し、空き家が有効活用される。
入居者側から言うと、ほとんどの人が入居審査を通る。保証人が不要となる。これまで住所不定であった人でも、入居できて、住民票取得が可能となる(シェアハウスタイプの場合)。入居の際の初期費用がかなり抑えられる(シェアハウスタイプの場合)。ここで、シェアハウスは、一つの住居を複数人で共有して暮らす賃貸物件のことである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の定期借家契約管理システムを実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1から
図8までは、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0023】
≪定期借家契約管理システムの構成≫
図1は、本発明の一実施形態にかかる定期借家契約管理システムの概要を示す図である。
図1において、退去処理サーバ10及び各端末機器がインターネット(
図1の中央に描いた楕円状のもの)を介して互いに通信可能な状態で接続されている。本実施形態の退去管理システムは、本システムの管理者が保有し管理する退去処理サーバ10が中心となって、不動産会社端末30、管理会社端末40、オーナー(賃貸物件のオーナー)端末31、そして、場合によっては、弁護士端末50のそれぞれと情報通信を行い、情報処理を行うことでその諸機能が実現されるものである。
【0024】
ここで、本システムの管理者は、定期借家契約の再契約手続のサービス及び退去サービスを借主、不動産管理会社、物件オーナーに対して提供し、そのサービス提供のために不動産管理会社、家賃管理会社、保証会社、弁護士などと提携する。そのサービス提供のために、独立して運営管理するサーバである退去処理サーバ10を用いる。
退去処理サーバ10を管理する主体は、独立した運営者である以外に、不動産管理会社、家賃管理会社又は家賃保証会社であってもかまわない。
退去処理サーバ10を運営する会社は、物件オーナーからサブリースを受けて入居者に定期借家で物件を貸す会社であってもよい。その場合、物件オーナーからサブリースを受ける主体は、退去処理サーバの運営会社と保証会社とが共同でもよい。また、退去処理サーバの運営会社と不動産管理会社が共同でサブリースを受ける主体となってもよい。
【0025】
この定期借家契約管理システムが扱う定期借家契約は、その核となる内容は、賃貸物件のオーナーが借主に不動産物件を使用させ、その対価として賃料を受け取る賃貸契約であり、契約期間をたとえば3ヶ月と限定し、契約期間が終了後退去することが前提となるが、特約条項として家賃の延滞がなければ、再契約することができるという内容をもつものである。以下、契約期間を3ヶ月として説明する。
ここで、再契約は、契約期間が終了する前にのみなされ得る。契約が終了してしまうと、借主が引き続き当該物件を使用したいと考える場合でも、退去義務が生じてしまう。一旦退去してからの契約は、新規の契約であって、ここにいう再契約にはあたらないものとする。ここにいう再契約は、厳密に言えば新たな契約であるが、更新ではなく、当事者間の合意に基づいて、退去前に次の定期借家契約を成立させることにより、退去せずに入居し続けることを実現するものをいう。
そこで、コンピュータシステムを用いることで契約期間内にスピーディーかつスムーズに再契約手続を行えるようにすることが本発明の主眼である。
一方、再契約を行わない借主については、退去手続をスピーディに進めることが可能となる。
【0026】
契約期間を3ヶ月とするにあたって、本発明における定期借家契約管理システムでは、契約期間を半月ずらすこととする。たとえば、9月分の家賃は、9月16日から10月15日まで当該建物を使用することの対価として借主が前月までに貸主に支払う。
9月分の家賃の支払期限は、第一期限日を8月28日として、その日に銀行引き落としがかかるようにする。家賃管理会社(保証会社)が通常の普通借家契約で家賃を引き落とす日が28日としているので、それに合わせて銀行引き落としをかけるのが便利だからである。
【0027】
銀行の引き落としがされたか否かのデータの集計がなされて銀行から管理会社の手元に情報が集まるまで10日ほどかかる。そこで、第二期限日をたとえば9月10日として引き落としで着なかった借主からの銀行振り込みを待つこととする。第二期限日に間に合うように借主が支払う場合には、9月10日は、9月16日よりも6日前であるので、前家賃を守っていることとなる。したがって、滞納のない借主であることを維持できる。
極論すれば、9月15日までに家賃を支払うことで、滞納のない借主である条件をクリアできると考えて、再契約手続を進めることができる。どこまで認めるかは、事務手続きの煩雑さとの関係で調整することになる。
【0028】
定期借家契約の再契約は、貸主と借主との合意を電子的に確認してその結果をデータベースに格納することによってなされ得る。貸主の意思表示の選択肢としては、2つほど考えられる。第一の選択肢は、滞納ない借主に対してはすべて再契約を認めるというもの。第二の選択肢は、滞納ない借主に対しては基本的に再契約を認めるが、夜間騒音、ゴミ出しなどのマナーの問題がある場合は認めないというもの。二つ目の選択肢を選ぶ場合には、できるだけ基準を明確にして、それを契約時に双方が納得することが必要であると思われる。
【0029】
貸主側で再契約を拒否する借主がいる場合には、事前に退去処理サーバ10(のなかのデータベース装置)に登録しておく。定期借家契約の最終月の家賃の支払いが第一期限日までになされたか否かと、借主が再契約を拒否する対象となっているか否かをデータベース装置を参照して、退去処理サーバ10は、借主を4つのカテゴリーに分類する。
カテゴリー1は、貸主が再契約を拒否する借主であって、第一期限日までに家賃を支払った借主。カテゴリー2は、貸主が再契約を拒否する借主であって、第一期限日までに家賃を支払わなかった借主。カテゴリー3は、貸主が再契約を認める借主であって、第一期限日までに家賃を支払った借主。カテゴリー4は、貸主が再契約を認める借主であって、第一期限日までに家賃を支払わなかった借主である。
【0030】
退去処理サーバ10は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3、カテゴリー4にそれぞれ属する借主に対して、電子メールを送り、再契約可能な借主から再契約の意思表示が契約期間内になされた場合は、それを格納し、再契約の合意がなされたとして扱う。
借主から再契約の意思表示は、退去処理サーバ10から借主に送られた電子メールのURLをクリックして、借主端末(スマホ)20又は借主端末(パソコン)21によって借主が退去処理サーバ10にアクセスして、定期借家契約の再契約を希望する旨の意思表示を行うことによってなされる。具体的には、退去処理サーバ10が、複数の選択肢を示し、借主がその中から一つを選択することによってなされ得る。複数の選択肢は、たとえば、「当初の契約終了時に退去します。」、「再契約を希望します。最終月の家賃は何月何日に支払いました。」、「再契約を希望します。最終月の家賃はまだ支払っていませんが何月何日に支払います。」などが考えられる。これらの選択肢は、文字のままであると借主本人があわてて読み間違えるおそれがある。そこで、図案化したもの(図柄)にして、退去処理サーバ10が、借主端末に表示し、借主が通知内容を選択しやすくするのが望ましい。
【0031】
借主から再契約の意思表示を行う手段は、上述したような退去処理サーバのサイトへアクセスして書き込む手段のほかに、借主から退去処理サーバへの電子メールを用いるやりかたも考えられる。電子メールの場合であっても、受け取る側のサーバが、文字列検索により、所定の文字列が含まれていることを検知して自動処理をすることができる。
また、スマホやパソコンを使わずに、電話機から行うことも考えられる。電話機から、退去処理サーバ10に電話をかけると、退去処理サーバ10は、自動音声により対応し、必要な本人確認を行った後、対話形式で入力を促す。選択肢が3つあるなら、「選択肢1ならボタン1を、選択肢2ならボタン2を、選択肢3ならボタン3を押してください」という形で、自動音声を流し、それを受けて借主が電話機のプッシュボタンを押すことにより、入力を促すことができる。
【0032】
退去処理サーバ10は、これらの手続により、貸主と借主の合意がなされたことをデータベースに登録することで定期借家契約の再契約がなされたとして扱う。そしてこの旨を借主、貸主にメールで伝える。必要ならば、書面でも伝えることとしてもよい。
このようにして、再契約が成立するので、簡便な手続で借主は継続的に当該物件を使用し続けることが可能となる。
【0033】
図2は、
図1に示す退去処理サーバ10の内部構成を概略的に示す図である。
図2において、退去処理サーバは、借主とオーナー(不動産会社、サブリースを受けた会社を含む)と退去サービス業者(退去処理サーバを運営管理する会社、家賃管理会社、保証会社が運営する場合を含む)との三者間でユーザ(借主)の納得の上で締結された定期借家契約の内容を記憶し、その後の貸主の再契約許可又は拒否に関する意思、借主の家賃の支払い状況(延滞の有無)に関する情報、借主の支払いの意思、再契約の意思、などを記憶する定期借家契約内容データベース装置51、借主の属性情報(氏名、メールアドレス、本人確認のための情報など)を記憶する借主情報データベース装置52、賃貸物件の属性情報(所在地、間取り、広さ、普通借家契約の対象か、定期借家契約の対象か、など)を記憶する物件情報データベース装置53、賃貸物件の所有者の属性情報(氏名、住所、など)を記憶するオーナー情報データベース装置54、賃貸物件を管理する不動産会社の属性情報(住所、担当者名、メールアドレスなど)を記憶する不動産会社情報データベース装置55、賃料の保証をする保証会社の属性情報(住所、担当者名、メールアドレスなど)を記憶する管理会社(保証会社)情報データベース装置56、退去が決定した後に清掃を担当する清掃業者の属性情報(住所、担当者、受注の可否など)清掃業者情報データベース装置57、退去が決定した後に修復(原状回復)を担当する修復業者の属性情報(住所、担当者、受注の可否など)を記憶する修復業者データベース装置58、借主が契約終了後も居座る場合に法的手段を講ずる弁護士の属性情報(住所、担当者、受注の可否など)を記憶する弁護士情報データベース装置59からなるデータベース群を有している。
【0034】
定期借家契約内容データベース装置51は、退去処理サーバ10とは別に、不動産会社が管理する別のサーバに備えて、退去処理サーバ10からのアクセスが可能にすることも可能である。退去処理サーバ10の運営会社が不動産会社とは異なる場合には、別のサーバとすることが自然である。
【0035】
また、退去処理サーバ10は、以下の構成を有する。
貸主が借主に対して再契約を認めるか否かの意思(たとえば、滞納のない借主には再契約を認めるがそれ以外は拒否する、又は騒音、ゴミだしなどのマナーが悪い借主、また契約書禁止事項に違反した借主については再契約を拒否し、マナーがよく滞納もない借主には再契約を認める、など)を示す意思表示を受信する貸主意思表示受信部61。
貸主の意思表示の真贋を適切なセキュリティ手段を介して確認した上でそれを定期借家契約内容データベース装置51に格納する貸主意思表示格納部62。
定期借家契約の最終月(三ヶ月契約ならば三ヶ月目)の家賃の支払いが契約終了の半月前に設定した第一期限日までになされたか否かに関する第一期限支払い情報を受信する第一期限支払い情報受信部63。
受信した第一期限支払い情報を定期借家契約内容データベース装置51に格納する第一期限支払い情報格納部64。
定期借家契約内容データベース51に格納された貸主意思と第一期限支払い情報とを参照して、貸主の意思による再契約の可否と、第一期限までに支払いしたか否かの是非との組み合わせにより、借主をカテゴリー1からカテゴリー4までの4つのカテゴリーに分類するカテゴリー分類部65。
4つのカテゴリーの借主それぞれに、家賃受領又は家賃督促と、退去手続案内又は再契約意思確認の案内を通知する借主への通知部66。
定期借家契約の再契約意思確認の案内を受けた借主からの意思表示を受信する借主意思表示受信部67。
たとえばID、パスワードなど、適切なセキュリティ手段を介して借主の意思の真贋を判定する借主の意思の真贋判定部68。
本物と判断された借主の意思を定期借家契約内容データベース装置51に格納する借主意思表示格納部69。
定期借家契約の最終月の家賃の支払いが第二期限までになされたか否かに関する第二期限支払い情報を受信する第二期限支払い情報受信部70。
受信した第二期限支払い情報を定期借家契約内容データベース装置51に格納する第二期限支払い情報格納部71。
貸主の意思と借主の意思とが合致したことを確認し、滞納のないことを確認した上で定期借家契約内容データベース装置51に再契約の旨を格納する再契約確定部72。
再契約をしない借主又は再契約をできない借主に対して、定期借家契約の契約期間終了とともに退去を実現する退去確定部73。
退去が確定した定期借家物件の関係者の各端末機器に対して退去手続を開始した旨を通知する関係者送受信部74。
本システムの利用を受ける契約者(貸主、借主など)を登録する契約者登録処理部(不図示)。
賃料支払が滞っている借主及び当該借主からの賃料支払の有無を監視する賃料支払監視部(不図示)。
毎月の賃料の支払いの際に借主へのメッセージを送る月次処理部(不図示)。
退去の確定後に、清掃業者・修復業者への依頼をする事後処理部。
【0036】
これらのソフトウエア群を退去処理サーバ10は有している。
ここで、○○部とは、退去処理サーバ(コンピュータ)10のCPUが必要なソフトウェアをそのつど読み込んで実現するものである。したがって、○○部は、物の発明の構成要素である。
【0037】
図1に示す不動産会社端末は、借主の賃料支払の延滞情報など賃貸契約の実行に関連する一切のデータを蓄積しており(図示せず)、退去処理サーバからの要求に応じて送信する。処理の円滑のために、不動産会社端末を不動産会社サーバとして構成して、退去処理サーバと連携して動作を行わせることもできる。複数のサーバを設けて連係動作を行わせる場合には、退去処理サーバが有する機能の一部を他のサーバに行わせてもよい。
【0038】
図1に示す管理会社端末は、賃料の支払に関連する一切のデータを蓄積しており(図示せず)、退去処理サーバからの要求に応じて送信する。処理の円滑のために、管理会社端末をサーバとして構成して、退去処理サーバと連携して動作を行わせることもできる。
図1に示す管理会社端末は、1個のみ描いてあるが、複数の保証会社が関連し得るので、複数の保証会社端末が関与するものとしてもよい。
【0039】
図1に示す借主端末20、21は、借主が保有又は使用するコンピュータ端末であり、典型的には、インターネット通信が可能なパーソナルコンピュータあるいはスマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末である。本発明の実施のためには、退去処理サーバのサイトを閲覧可能なブラウザを有するか、電子メールのやり取りができる端末機器であればよい。借主端末22は、退去処理サーバ10に電話を掛けて、自動音声の案内にしたがってトーン信号を発信して借主の意思表示を退去処理サーバ10に伝える端末機器であり、トーン信号を出力可能な電話機である。スマートフォンであってもよい。
オーナー端末は、
図1では、携帯電話を描いたが、電子メールのやり取りができる端末機器であればよい。
清掃業者端末、修復業者端末は、清掃、修復の業務を請け負うためのメールのやり取りができる端末機器であればよい。
【0040】
≪定期借家契約管理システムの動作≫
本実施形態の定期借家契約管理システムの全体的な動作の概要として、まず、
図1及び
図2に示す退去処理サーバ10が実行する処理の流れを説明する。
【0041】
図3は、
図1及び
図2に示す退去処理サーバが実行処理の流れを概略的に示すフロー図である。
図4は、その際の退去処理サーバの各機能部と、各端末機器(またはサーバ)との通信の手順を概略的に示すシーケンス図である。
【0042】
図3及び
図4において、貸主が再契約の意思表示をまず行う(ステップ301)。この意思表示は、家賃滞納がない借主に対してはすべて再契約を認めるというやり方があり得る。騒音問題、ゴミだしマナーの問題などがある借主、契約書禁止事項に違反した借主は認めないとすることもできる。定期借家契約管理サーバ側がこの貸主からの再契約の意思表示を受け付ける期限をたとえば、契約終了月の家賃を納めるべき第一期限日までとして、それまでに貸主からの意思表示がない場合は、家賃滞納なしの借主はすべて再契約可能と扱うように前もって合意しておくことができる。
【0043】
貸主からの再契約についての意思表示があり(ステップ301であり)、それが間違いなく本人からのものであることを確認すると(ステップ302でOK)、その内容を定期借家契約内容データベース装置51に登録する(ステップ303)。真贋の判定は、用いた端末の情報、メールアドレス、ID、パスワードの照合などによることができる。
【0044】
第一期限支払情報は、たとえば銀行口座からの引き落とし情報として、銀行から家賃管理会社に送られる。家賃管理会社は、その情報を退去処理サーバ10に引き渡す(ステップ304)。退去処理サーバ10が家賃管理会社の管理するものとして設置される場合には、銀行から直接的に退去処理サーバ10に第一期限支払情報が送られるようにすることもできる。真贋の判定を、用いたコンピュータの情報、ID、パスワードの照合などにより行う(ステップ305)。本物であると確認すると(ステップ305でオッケー)、第一期限支払情報を定期借家契約データベース装置51に登録する(ステップ306)。
【0045】
ここで、第一支払期限日は、第二支払期限日まで2週間以上の余裕をもって設定されるものとする。銀行の引き落とし情報が得られるまでたとえば10日間がかかったとして、その後第二支払期限日を設定しても、第二支払期限日までに支払えば、滞納にはならないように配慮される。
これを実現するために、普通借家契約とは、契約期間を半月ずらすことが考えられる。9月分とは、9月16日から10月15日までの家賃のことだと扱うと、9月分の家賃を8月28日に銀行引き落としをかけるとし、その8月28日が第一支払期限日とする。銀行の引き落とし情報が得られるのは、9月10日だとすると、その情報が得られてから督促を受けてすぐに支払えば、9月15日までに支払うことができて、いわゆる「前家賃」の状態を保持できることになる。
【0046】
貸主の意思及び第一期限支払情報がDBに登録された時点で、退去処理サーバ10は、定期借家契約内容データベース装置51にアクセスして、当該データベースを参照して、再契約に関する貸主の意思及び借主が第一期限支払日までに家賃を支払ったか否かの情報を取得する(ステップ307)。そして、それらの情報に基づいて借主を4つのカテゴリーに分類する。
【0047】
カテゴリー1は、貸主が再契約を拒否する借主であって、第一期限日までに家賃を支払った借主。カテゴリー2は、貸主が再契約を拒否する借主であって、第一期限日までに家賃を支払わなかった借主。カテゴリー3は、貸主が再契約を認める借主であって、第一期限日までに家賃を支払った借主。カテゴリー4は、貸主が再契約を認める借主であって、第一期限日までに家賃を支払わなかった借主である。
そして、それぞれのカテゴリーに属する借主に対して、カテゴリー1に対して
図5(a)、カテゴリー2に対して
図5(b)、カテゴリー3に対して
図5(c)、カテゴリー4に対して
図5(d)の内容のメールを送る(ステップ309)。
【0048】
メールを受けた借主は、再契約が可能な場合は、再契約するか退去するかの意思表示を行う(ステップ310)。この意思表示は、受けたメールへの返信によるか、受けたメールに紐付けられた退去処理サーバ側のウェブページにおいて、対応するボタンを押すことによって行うか、または電話による自動音声の応答により対話形式でプッシュ信号の入力を借主が行うことによってなされ得る。
借主の意思表示がなされ(ステップ310であり)、その真贋が確認されて本物だとわかると(ステップ311でオッケー)、当該借主の意思が定期借家契約内容データベース装置51に登録される(ステップ312)。
【0049】
第二期限支払情報が銀行から又は家賃管理会社から届く(ステップ313)と、その真贋が判定された上で(ステップ314でオッケー)、定期借家契約内容データベース装置51に登録される(ステップ315)。
定期借家契約内容データベース装置51を参照して(ステップ316)、貸主の意思、借主の意思、第一期限支払情報、第二期限支払情報を総合的に判定して、貸主の意思と借主の意思の合致及び家賃の滞納がないことの確認を経て、再契約の旨を確定する(ステップ317)。そして、その旨を定期借家契約内容データベース装置51に登録する(ステップ318)。
【0050】
さらに、定期借家契約内容データベース装置51を参照して(ステップ319)、契約終了の時期が到来する借主であって、再契約をしなかった借主に対して退去を確定し(ステップ320)、その旨を定期借家契約内容データベース装置51に登録する(ステップ321)。
再契約又は退去の旨を借主及び関係者にメール発信する(ステップ322)。退去すべき借主の情報を弁護士に連絡する(ステップ323)。居座る借主への対応(警察への連絡、訴訟提起など)をするためである。清掃・修復業者にそれぞれ依頼メールを出す(ステップ324)。
【0051】
図4は、
図1及び
図2に示す退去処理サーバが処理を行う際の退去処理サーバの各部と、ユーザ端末及び各種サーバとの通信形態を概略的に示すシーケンス図である。
図3の説明と合わせて参照することで、情報のやりとりがどの端末との間でなされるかが理解される。
【0052】
図5は、4つのカテゴリーに属する借主に対してそれぞれ送るメールの文面又は当該メールに含まれたURLをクリックして退去処理サーバ側のウェブページに飛んだ際に、示されるウェブページを示す。
家賃支払の督促に関しては、振込みの日付を入力して送信することで、退去処理サーバ側に借主の振込み意思が伝えられる。
再契約を希望するか、退去を希望するかについては、それぞれのボタンを押すことで、退去処理サーバ側に借主の意思が伝えられる。
【0053】
図6は、電話の自動音声により対話形式で借主とのやりとりをする例を示す図である。所定の電話番号に借主が電話すると最初に流れる音声は、
図6(a)に示すものである。借主が電話を掛けるのに使った番号をサーバ側が取得して、本人確認をし、借主が借りている物件、そして借主の名前を確認する対話を行う。
借主が電話を掛けるのに用いたのが、登録した電話番号からのものでない場合は、
図6(a)に示すように、登録した電話番号を入力させ、生年月日と4桁の暗証番号を入力させることにより、本人確認を実行する。
ここで用いる電話機は、プッシュ入力が可能なものとする。
【0054】
図6(c)は、再契約か退去かの意思表示をサーバ側が求めて、それに対して借主が再契約を希望する旨の意思表示をする際の内容である。
図6(d)は、再契約か退去かの意思表示をサーバ側が求めて、それに対して借主が退去を希望する旨の意思表示をする際の内容である。
図6(e)は、家賃の督促をする場合のやり取りをする内容である。振り込み予定の月日を借主が入力するように促す対話内容である。
【0055】
以上述べたように、本システムは、特に定期借家契約の再契約の処理とそれと連動する退去処理に特徴を有するものである。しかし、本発明の定期借家契約管理は、貸主と借主との合意をすみやかに成立させることが可能なものであるから、再契約以外の契約変更にも応用可能である。
【0056】
上の説明では、本システムの退去処理サーバが、借主の賃料支払い状況をも把握可能であるように説明したが、不動産会社のサーバを別に立てて、不動産会社のサーバが借主の賃料支払い状況を把握可能として、退去処理サーバは、不動産会社のサーバと連携して異常退去処理を実行するように構成してもよい。
【0057】
以上、本発明の定期借家契約管理システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態における各サーバの構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。