(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記空隙部が形成された前記突起部の断面形状は、半円形状よりも大きな略半円形状であって、前記複数の突起部は、前記集塵カップの外周を覆うように配列されていることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
前記空隙部が形成された前記突起部の断面形状は、扇台形状であって、前記複数の突起部は、前記集塵カップの外周を覆うように配列されていることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
前記軸のうち、前記第1の軸とは異なる前記軸の先端に接続され、集塵装置とは処理内容が異なる少なくとも1つのワーク処理関連装置を備えたことを特徴とする請求項4に記載のワーク処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態のワーク処理装置の全体斜視図である。
【
図2】第1実施形態のワーク処理装置の全体側面図である。
【
図4】第1実施形態の集塵装置における集塵カップのエア吸入口における正面断面図である。
【
図5】第1実施形態の集塵装置における集塵カップ(ピストン戻し状態)の正面断面図である。
【
図6】第1実施形態の集塵装置における集塵カップの平面図である。
【
図7】第1実施形態の集塵装置におけるピストンの斜視図である。
【
図8】第1実施形態の集塵装置における集塵カップ(ピストン突出状態)の正面断面図である。
【
図9】第1実施形態のワーク処理装置のブロック図である。
【
図10】第1実施形態のメインコントローラのブロック図である。
【
図11】第1実施形態のワーク処理装置におけるワーク処理プログラムのフローチャートである。
【
図12】第1実施形態の集塵装置における集塵装置駆動プログラムのフローチャートである。
【
図13】第1実施形態の回転部(初期位置)の正面図である。
【
図14】第1実施形態の回転部(カメラ位置)の正面図である。
【
図15】第1実施形態の回転部(集塵位置・ピストン戻し状態)の正面図である。
【
図16】第1実施形態の回転部(集塵位置・ピストン突出状態)の正面図である。
【
図17】第2実施形態の集塵装置における集塵カップの平面図である。
【
図18】第2実施形態の集塵装置におけるピストンの斜視図である。
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態のワーク処理装置の全体斜視図であり、
図2は、第1実施形態のワーク処理装置の全体側面図であり、
図3は、第1実施形態の回転部近傍の断面図である。
【0028】
図1及び
図2に示すように、本実施形態のワーク処理装置1は、多関節ロボット3と、その多関節ロボット3の先端に回転可能に接続された回転部7と、回転部7の軸9a(本発明の「第1の軸」に相当)の先端に接続された集塵装置11(本発明の「集塵カップ」にも相当する)と、回転部7の軸9bの先端に接続されたCCDカメラ13と、集塵装置11を駆動するためのエアコンプレッサー55(本発明の「第1の駆動手段」及び「第2の駆動手段」に相当)と、多関節ロボット3、CCDカメラ13、エアコンプレッサー55の動作を制御する制御盤43(
図4参照)とを備える。
【0029】
なお、本実施形態のワーク処理装置1は、
図1及び
図2に示すように、ワークWに対して切削等の加工を施すためのワーク加工装置を装着していないことから、ワークWの処理は、ワーク処理装置1と、ワーク処理装置1とは別のワーク加工装置との協働作業によって進められるものとして説明する。
【0030】
また、本実施形態の制御盤43は、
図1には記載されていないが、ワーク処理装置1から離れた壁面に設置されているのであり、したがって、ワーク処理装置1の操作者は、壁面のところへ移動して制御盤43の操作パネル49を操作することによりワーク処理装置1を動作させることとなる。
【0031】
多関節ロボット3は、ロボットコントローラ51(
図4参照)からの指令によって動作する一般の5軸の多関節ロボットであり、回転部7の位置及び角度を自在に変えるとともに、回転部7を回転させて集塵装置11またはCCDカメラ13をワークWに対向させるものである。
【0032】
多関節ロボット3は、基台21に対して下腕部25を旋回させるための第1回転軸23と、下腕部25に対して中腕部29を前後に回動させるための第2回転軸27と、中腕部29に対して上腕部33を上下に回動させるための第3回転軸31と、上腕部33に対して第1手首部37を上下に回動させるための第4回転軸35と、第1手首部37に対して回転部7を同軸に回転させるための第5回転軸39との5軸を備える。
【0033】
多関節ロボット3は、ケーブル(図示せず)によって制御盤43内のロボットコントローラ51に電気的に接続されており、ロボットコントローラ51は、制御盤43内でメインコントーラ41に電気的に接続されている。
【0034】
回転部7は、多関節ロボット3の先端に固定されており、より詳細には、第5回転軸39に固定されている。したがって、回転部7は、第5回転軸39の回転動作に伴って、同軸上の+θ方向及び−θ方向に回転するように構成されている(
図13参照)。
【0035】
集塵装置11は、略中空円筒状の形状を呈し、その先端に形成された開口部20から、加工後のワークWの表面に付着した粉塵を集塵するものである。また、集塵装置11は、
図3に示すように、開口部20及び空隙部19を介して集塵パイプ15に連通している。
【0036】
なお、
図3は、空隙部19及び開口部20の連通状態を図示しており、それ以外の断面部分は詳細を示さず、斜線を施してある。
【0037】
また、集塵パイプ15の先端は、集塵ボックス5に接続されているが、集塵ボックス5は、第5回転軸39に対してベアリングを介して回転可能に係合されており、第5回転軸39の回転によって、回転部7は回転するものの、集塵ボックス5が回転することはない。
【0038】
また、
図1には、集塵パイプ15とエアコンプレッサー55との接続状態については記載されていないが、集塵パイプ15の基端は、多関節ロボット3の上腕部33に固定されたパイプ止め17内に挿入された後、エアコンプレッサー55に接続されており、集塵装置11は、コンプレッサー55の吸引力によって集塵するように構成されている。
【0039】
また、集塵装置11には、後述するピストン65a〜65s(
図13参照)を駆動するためのピストン押し出し口56aと、ピストン戻し口56bとが備えられており、ピストン押し出し口56aには、チューブ22aの一方の端部が接続され、チューブ22aの他方の端部は、エアコンプレッサー55に接続されている。また、ピストン戻し口56bには、チューブ22bの一方の端部が接続され、チューブ22bの他方の端部は、エアコンプレッサー55に接続されている。
【0040】
ここで、集塵装置11の詳細な構成及び動作について説明する。
【0041】
図4は、第1実施形態の集塵装置における集塵カップのエア吸入口における正面断面図であり、
図5は、第1実施形態の集塵装置における集塵カップ(ピストン戻し状態)の正面断面図であり、
図6は、第1実施形態の集塵装置における集塵カップの平面図である。
【0042】
また、
図7は、第1実施形態の集塵装置におけるピストンの斜視図であり、
図8は、第1実施形態の集塵装置における集塵カップ(ピストン突出状態)の正面断面図である。
【0043】
図4乃至
図6に示されるように、集塵装置11は、ベース52と、そのベース52に基端が接続された中空円筒形状の内側管体67と、ベース52に基端が接続され、内側管体67と同軸に配置され、内側管体67よりも外径の大きな中空円筒形状の外側管体63と、内側管体67と外側管体63との間に集塵装置11の外周を覆うように配列され、集塵装置11の先端から突出可能なように配置された16本のピストン65a〜65s(本発明の「突起部」に相当)と、ベース52に固定され、ピストン65a〜65sを集塵装置11の先端から突出させるためにエアを注入するためのピストン押し出し口56aと、外側管体63に固定され、集塵装置11の先端から突出したピストン65a〜65sを集塵装置11内に収納させるためにエアを注入するためのピストン戻し口56bとから構成されている。
【0044】
ベース52は、その内部に、後述するピストン65a〜65sの配列に沿って断面円形に形成された第1の空隙部61aと、ピストン65a〜65sの各々に対応して、ピストン65a〜65sの各々に向けて形成された複数の孔(図示せず)とを備えた断面円形の筐体である。
【0045】
内側管体67は、基端がベース52に接続され、その内面は、中空円筒形状であって、その外面は、
図6に示されるように、ピストン65a〜65sの各々の円筒形状の外周に合わせて、複数の断面円形の凹部が円周上に配置された形状を呈しており、ピストン65a〜65sの各々が一定方向に突出するように形成されている。
【0046】
外側管体63は、中空円筒形状であって、基端がベース52に接続され、先端の内面には、開口部20の中心に向かって段部54が断面環状に形成されており、後述するピストン65a〜65sの各々が突出する際に、ピストン65a〜65sの階段部62b〜62sが段部54に衝突するように構成されており、ピストン65a〜65sの集塵装置11の先端からの突出量を制限している。
【0047】
ピストン65a〜65sの各々は、前述のように、内側管体67と外側管体63との間に配置され、
図7に示されるように、中実円筒状の形状の一部を切り欠いた形状を呈している。
【0048】
その一つのピストン65aを例に取り説明すると、ピストン65aは、断面円形の底面部64aを有する中実円筒形状の基部66aと、中実円筒形状の基部66aの一部(半円筒形状より小さい体積である)を長手方向に切り欠いた、先端部68aを有する突出部69aとから構成されており、突出部69aの断面形状は、円の一部を曲線(円弧形状)で切り欠いた、半円形より若干大きい略半円形になっている。
【0049】
なお、基部66aと突出部69aとの間には、階段部62aが形成されており、その形状は、円形状から突出部69aの断面形状を除いた形状に等しい。
【0050】
また、ピストン65a以外のピストン65b〜65sの各々も、ピストン65aと同様の形状を呈しており、断面円形の底面部64b〜64sを有する中実円筒形状の基部66b〜66sと、中実円筒形状の基部66b〜66sの一部(半円筒形状より小さい体積である)を長手方向に切り欠いた、先端部68b〜68sを有する突出部69b〜69sとから構成されており、突出部69b〜69sの断面形状は、円の一部を曲線(円弧形状)で切り欠いた、半円形より若干大きい略半円形状になっている。
【0051】
また、基部66b〜66sと突出部69b〜69sとの間には、階段部62b〜62sが形成されており、その形状は、円形状から突出部69b〜69sの断面形状を除いた形状に等しい。
【0052】
ピストン65a〜65sの各々は、基部66a〜66sの底面部64a〜64sがベース52に対向するように、内側管体67と外側管体63との間に摺動可能に配置され、かつ、先端部68a〜68sの円弧部が開口部20の中心に向くように配置されている。
【0053】
ピストン押し出し口56aは、
図4に示されるように、ベース52に固定され、エアコンプレッサー55から送られたエアを、チューブ22aを介して、ベース52の内部に形成された第1の空隙部61aに注入するための注入口である。
【0054】
すなわち、ピストン押し出し口56aからエアが注入されると、エアは、ベース52内の第1の空隙部61a及び複数の孔(図示せず)に入り、ピストン65a〜65sの各々の底面部64a〜64sを押圧して、外側管体63と、内側管体67と、ピストン65a〜65sの各々の底面部64a〜64sとの間に第3の空隙部56を形成しながら、ピストン65a〜65sの各々を集塵装置11の先端から突出させる。
【0055】
なお、
図5は、ピストン押し出し口56aを介してエアが注入されていない状態を示し、
図8は、ピストン押し出し口56aを介してエアが注入された状態を示している。
【0056】
ピストン戻し口56bは、
図4に示されるように、外側管体63に固定され、エアコンプレッサー55から送られたエアを、チューブ22bを介して、内側管体67と外側管体63とピストンの突出部69a〜69sとによって形成される第2の空隙部61bに注入するための注入口である。
【0057】
すなわち、ピストン戻し口56bからエアが注入されると、エアは、外側管体63とピストン65a〜65sの各々の突出部69a〜69sとの間の第2の空隙部61bに入り、ピストン65a〜65sの各々の階段部62b〜62sを押圧して、第2の空隙部61bの体積を増大させながら、ピストン65a〜65sの各々を集塵装置11内に収納させる。
【0058】
なお、
図8は、ピストン戻し口56bを介してエアが注入されていない状態を示し、
図5は、ピストン戻し口56bを介してエアが注入された状態を示している。
【0059】
CCDカメラ13は、ワークWの表面を撮像することによって、データ上のワークWの配置位置を補正したり、集塵装置11によって集塵された後のワークWの表面を撮像することによって、ワークWの加工状態を検査したりするために使用される。CCDカメラ13は、制御盤43の画像コントローラ53(
図4参照)に電気的に接続されており、画像コントローラ53からの指令に基づき、画像を撮像し、撮像した画像データを、画像コントローラ53を介してメインコントローラ41内の画像データテーブル57c(
図5参照)に格納する。
【0060】
エアコンプレッサー55は、集塵パイプ15を介して集塵装置11からエアを吸入することによって、加工後のワークWの表面に付着した粉塵を集塵するとともに、ピストン押し出し口56aまたはピストン戻し口56bにエアを注入することによって、ピストン65a〜65sを集塵装置11の先端から突出またはその突出を戻す機能を果たす。
【0061】
次に、本実施形態のワーク処理装置1のブロック図について説明する。
【0062】
図9は、第1実施形態のワーク処理装置のブロック図であり、
図10は、第1実施形態のメインコントローラのブロック図である。
【0063】
図9において、制御盤43は、ワーク処理装置1全体の動作を制御するものであり、電源45と、ワークWに加工等の処理を施す外部装置47と、多関節ロボット3と、CCDカメラ13と、エアコンプレッサー55とに電気的に接続されており、メインコントローラ41と、多関節ロボット3を制御するロボットコントローラ51と、CCDカメラ13を制御する画像コントローラ53と、装置の操作者からの入力を受け付ける操作パネル49とを備える。
【0064】
また、
図10において、メインコントローラ41は、CPU(中央演算処理装置)58と、そのCPU58に入出力可能に接続されたRAM(Random Access Memory)57と、CPU58に入出力可能に接続されたROM(Read Only Memory)59とを備える。
【0065】
RAM57は、多関節ロボット3の位置を記憶したロボットアーム位置データ57aと、ワーク処理装置1が実行する処理の順序を記憶したワーク処理手順データテーブル57bと、CCDカメラ139によって撮像された画像データを記憶した画像データテーブル57cと、を備える。
【0066】
また、ROM59は、本実施形態のワーク処理装置1全体の動作を司るワーク処理プログラム59aを備える。
【0067】
次に、上述した構成のワーク処理装置1の動作について説明する。
【0068】
図11は、第1実施形態のワーク処理装置におけるワーク処理プログラムのフローチャートであり、
図12は、第1実施形態の集塵装置における集塵装置駆動プログラムのフローチャートである。
【0069】
また、
図13は、第1実施形態の回転部(初期位置)の正面図であり、
図14は、第1実施形態の回転部(カメラ位置)の正面図であり、
図15は、第1実施形態の回転部(集塵位置・ピストン戻し状態)の正面図であり、
図16は、第1実施形態の回転部(集塵位置・ピストン突出状態)の正面図である。
【0070】
なお、本実施形態のワーク処理装置1は、前述した通り、ワークWに対して切削等の加工を施すためのワーク加工装置を装着しておらず、ワークWの処理は、ワーク処理装置1と、ワーク処理装置1とは別のワーク加工装置との協働作業によって進められる。
【0071】
また、本実施形態のワーク処理装置1の処理手順は、最初の第1処理がワークWの撮像処理、次の第2処理が、他のワーク加工装置の加工処理終了後のワークWの集塵処理、最後の第3処理がワークWの集塵結果撮像処理として説明する。
【0072】
先ず、装置の操作者が制御盤43の電源スイッチを入れた後、操作パネル49上の操作ボタンを押下すると、ワーク処理装置1は、RAM57のワーク処理手順データテーブル57bから、ワークWに対して処理する手順データを読み取る(S1)。本実施形態の手順データは、前述した通り、第1処理がワークWの撮像処理、第2処理が、他のワーク加工装置の加工処理終了後のワークWの集塵処理、第3処理がワークWの集塵結果撮像処理である。
【0073】
そして、ワーク処理装置1は、RAM57のロボットアーム位置データ57aを退避位置からセット位置に変更することによって多関節ロボット3を動作させ、回転部7を、初期位置である退避位置からワークWに対向する位置へセットする(S3)。なお、その際の回転部7とワークWとの位置関係は、初期状態では、
図13のようになっており、集塵装置11及びCCDカメラ13は、ワークWに対向していない。
【0074】
そして、ワーク処理装置1は、第1処理である撮像処理を読み込み(S5)、第1処理の撮像処理の実行を指令して(S7)、CCDカメラ13をワークWへ対向するように回転部7を回転させる(S9)。なお、回転後の回転部7とワークWとの位置関係は、
図14のようになっており、CCDカメラ13がワークWに対向している。
【0075】
その後、ワークWの表面をCCDカメラ13によって撮像し、ワークWの設置位置の位置ズレ等を補正データとして外部装置47である他のワーク加工装置に送信する(S11)。外部装置47である他のワーク加工装置においては、ワーク処理装置1からの補正データを受け、その補正データに基づいて加工位置を補正し、ワークWを加工し、ワークWに加工部100が形成される。
【0076】
外部装置47である他のワーク加工装置の加工処理の完了を待って、ワーク処理装置1の処理が終了したか否かが判断される(S15)。具体的には、RAM57のワーク処理手順データテーブル57bが終了したか否かが判断される。
【0077】
本実施形態では、ワーク処理手順データテーブル57bに、未だ、第2処理であるワークWの集塵処理が格納されているため(S15:No.)、第2処理であるワークWの集塵処理を読み込み(S13)、第2処理の集塵処理の実行を指令し(S7)、集塵装置11をワークWへ対向するように回転部7を回転させる(S9)。なお、回転後の回転部7とワークWとの位置関係は、
図15のようになっており、集塵装置11がワークWの加工部100近傍に対向している。
【0078】
そして、外部装置47である他の加工装置によるワーク加工処理によって発生した、ワークWの表面に付着した粉塵を集塵装置11によって集塵するが、本実施形態の集塵処理においては、
図12の集塵装置駆動プログラムが実行される。
【0079】
集塵装置11がワークWの加工部100近傍に対向すると、エアコンプレッサー55からチューブ22aを介してピストン押し出し口56aにエアが注入され、
図8に示されるように、ピストン65a〜65sの各々が集塵装置11の先端から突出する(S31)。なお、
図16には、集塵装置11がワークWの加工部100近傍に対向し、ピストン65a〜65sの各々が集塵装置11の先端から突出した状態と示している。
【0080】
そして、集塵装置11を駆動させて、外部装置47である他の加工装置によるワーク加工処理によって発生した、ワークWの表面に付着した粉塵を集塵装置11によって集塵し(S33)、所定の集塵時間の経過を待つ(S35)。
【0081】
所定の集塵時間が経過した場合には(S35:Yes)、ピストン押し出し口56aへのエアの注入を止め、エアコンプレッサー55からチューブ22bを介してピストン戻し口56bにエアが注入され、
図5に示されるように、ピストン65a〜65sの各々が集塵装置11内に収納され(S37)、処理は終了する(S39)。
【0082】
そして、ワーク処理装置1の処理が終了したか否かが判断される(S15)。本実施形態では、ワーク処理手順データテーブル57bに、未だ、第3処理であるワークWの集塵結果撮像処理が格納されているため(S15:No.)、第3処理であるワークWの集塵結果撮像処理を読み込み(S13)、第3処理の集塵結果撮像処理の実行を指令し(S7)、CCDカメラ13をワークWへ対向するように回転部7を回転させる(S9)。なお、回転後の回転部7とワークWとの位置関係は、
図14と同様な形態となっており、CCDカメラ13がワークWの加工部100近傍に対向している。
【0083】
その後、ワークWの表面をCCDカメラ13によって撮像し、粉塵がワークWから取り除かれたことを確認する。一方、万が一、ワークWの集塵処理が不十分な場合には、集塵装置11による集塵を繰り返し、ワークWの表面に付着した粉塵を取り除くように処理される。
【0084】
そして、ワーク処理装置1の処理が終了したか否かが判断される(S15)。本実施形態の場合には、RAM57のワーク処理手順データテーブル57bに残りの手順データが無いため、処理終了と判断され(S15:Yes)、回転部7を
図7に示すように、初期状態の戻し(S17)、RAM57のロボットアーム位置データ57aをセット位置から退避位置に変更することによって、多関節ロボット3をワークWから離間させ、退避位置に戻して(S19)、ワーク処理を完了させ、操作パネルのスイッチを待つ(S21)。
【0085】
本実施形態の集塵装置11によれば、ワークWに対向し、そのワークW近傍の粉塵を吸引する、中空状の集塵カップ11を備えた集塵装置11において、集塵カップ11は、その集塵カップ11の断面周囲に沿って配列され、ワークWに向かって突出可能な複数のピストン65a〜65sと、それら複数のピストン65a〜65sをワークWに向かって突出させるエアコンプレッサー55と、ワークWに向かって突出した複数のピストン65a〜65sを、ワークWから離間させるエアコンプレッサー55と、を備えているので、ワークの面が湾曲している場合においても、集塵カップの断面周囲に沿って配列された複数のピストンがワークに当接し、集塵性能を向上させることができるとともに、集塵カップがどのように傾いた場合においても、ピストンを迅速に集塵カップに収納させることができる。
【0086】
また、本実施形態の集塵装置11によれば、エアコンプレッサー55は、集塵カップ11の断面周囲に沿って配置され、複数のピストン65a〜65sの断面の一部を削除して形成された第2の空隙部61bと、その第2の空隙部61bにエアを注入するエアコンプレッサー55と、から構成されているので、集塵カップがどのように傾いたとしても、簡単な構造によって、ピストンを迅速に集塵カップに収納させることができる。
【0087】
また、本実施形態の集塵装置11によれば、第2の空隙部61bが形成されたピストン65の断面形状は、半円形状よりも大きな略半円形状であって、複数のピストン65a〜65sは、集塵カップ11の外周を覆うように配列されているので、集塵性能をさらに向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態のワーク処理装置1によれば、多関節ロボット3と、その多関節ロボット3の先端に回転可能に接続され、多関節ロボット3に対して放射状に延びる複数の軸を有する回転部7と、軸のうち、少なくとも1つの第1の軸9aの先端に接続された集塵装置11と、を備えているので、集塵位置近傍における集塵装置を含めたワーク処理装置全体を小型化することができ、集塵カップの集塵位置を多関節ロボットによって容易に変更させることができる。
【0089】
また、本実施形態のワーク処理装置1によれば、軸のうち、第1の軸9aとは異なる軸9bの先端に接続され、集塵装置11とは処理内容が異なるCCDカメラ13を備えているので、集塵処理を含めた複数種類のワーク処理を容易に行うことができる。
【0090】
また、本実施形態のワーク処理装置1によれば、集塵装置11は、第1の軸9aの先端に接続された集塵カップ11と、多関節ロボット3に接続され、集塵カップ11に連通し、集塵カップ11によって集塵された粉塵を捕集する集塵パイプ15と、を備えているので、集塵パイプを多関節ロボットに固定したまま、集塵カップのみを回転させることによって、集塵パイプの耐久性を向上させることができる。
【0091】
さらに、本実施形態のワーク処理装置1によれば、CCDカメラ13は、回転部7の回転円周上、集塵カップ11に隣接して配置されているので、ワークの位置を検出して迅速に集塵作業を行うことができ、集塵後のワークの状態を迅速に確認することができる。
【0092】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0093】
図17は、第2実施形態の集塵装置における集塵カップの平面図であり、
図18は、第2実施形態の集塵装置におけるピストンの斜視図である。
【0094】
以下、本発明の第2実施形態について説明するが、第1実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0095】
なお、本実施形態のワーク処理装置10は、第1実施形態のワーク処理装置1とは、ピストンの断面形状が異なる。すなわち、第1実施形態のピストンの断面形状は、半円形状よりも大きな略半円形状であったのに対し、本実施形態のピストンの断面形状は、扇台形状である。
【0096】
図17及び
図18に示すように、本実施形態のワーク処理装置10は、多関節ロボット30と、その多関節ロボット30の先端に回転可能に接続された回転部7と、回転部7の軸9a(本発明の「第1の軸」に相当)の先端に接続された集塵装置71(本発明の「集塵カップ」にも相当する)と、回転部7の軸9bの先端に接続されたCCDカメラ13と、集塵装置71を駆動するためのエアコンプレッサー55(本発明の「第1の駆動手段」及び「第2の駆動手段」に相当)と、多関節ロボット30、CCDカメラ13、エアコンプレッサー55の動作を制御する制御盤43(
図4参照)とを備える。
【0097】
また、
図17及び
図18に示されるように、集塵装置71は、ベース52と、そのベース52に基端が接続された中空円筒形状の内側管体77と、ベース52に基端が接続され、内側管体77と同軸に配置され、内側管体77よりも外径の大きな中空円筒形状の外側管体73と、内側管体77と外側管体73との間に集塵装置71の外周を覆うように配列され、集塵装置71の先端から突出可能なように配置された16本のピストン75a〜75s(本発明の「突起部」に相当)と、ベース52に固定され、ピストン75a〜75sを集塵装置71の先端から突出させるためにエアを注入するためのピストン押し出し口56aと、外側管体73に固定され、集塵装置71の先端から突出したピストン75a〜75sを集塵装置71内に収納させるためにエアを注入するためのピストン戻し口56bとから構成されている。
【0098】
内側管体77は、基端がベース52に接続され、その内面は、中空円筒形状であって、その外面は、
図17に示されるように、ピストン75a〜75sの各々の外周に合わせて、複数の凹部が円周上に配置された形状を呈しており、ピストン75a〜75sの各々が一定方向に突出するように形成されている。
【0099】
外側体73は、中空円筒形状であって、基端がベース52に接続され、先端の内面には、開口部20の中心に向かって段部54が断面環状に形成されており、後述するピストン75a〜75sの各々が突出する際に、ピストン75a〜75sの階段部72b〜72sが段部54に衝突するように構成されており、ピストン75a〜75sの集塵装置71の先端からの突出量を制限している。
【0100】
ピストン75a〜75sの各々は、前述のように、内側管体77と外側管体73との間に配置され、
図18に示されるように、扇台形状の一部を切り欠いた形状を呈している。
【0101】
その一つのピストン75aを例に取り説明すると、ピストン75aは、扇台形状の底面部74aを有する中実柱状の基部76aと、中実柱状の基部76aの一部を長手方向に切り欠いた、先端部78aを有する突出部79aとから構成されており、突出部79aの断面形状は、扇台形状の一部を曲線(円弧形状)で切り欠いた形状になっている。
【0102】
なお、基部76aと突出部79aとの間には、階段部72aが形成されており、その形状は、扇台形状から突出部79aの断面形状を除いた形状に等しい。
【0103】
また、ピストン75a以外のピストン75b〜75sの各々も、ピストン75aと同様の形状を呈しており、断面扇台形状の底面部74b〜74sを有する中実柱状の基部76b〜76sと、中実柱状の基部76b〜76sの一部を長手方向に切り欠いた、先端部78b〜78sを有する突出部79b〜79sとから構成されており、突出部79b〜79sの断面形状は、円の一部を曲線(円弧形状)で切り欠いた形状になっている。
【0104】
また、基部76b〜76sと突出部79b〜79sとの間には、階段部72b〜72sが形成されており、その形状は、円形状から突出部79b〜79sの断面形状を除いた形状に等しい。
【0105】
ピストン75a〜75sの各々は、基部76a〜76sの底面部74a〜74sがベース52に対向するように、内側管体77と外側管体73との間に摺動可能に配置され、かつ、先端部78a〜78sの円弧部が開口部20の中心に向くように配置されている。
【0106】
ピストン押し出し口76a(図示せず)は、ベース52に固定され、エアコンプレッサー55から送られたエアを、チューブ22aを介して、ベース52の内部に形成された第1の空隙部61aに注入するための注入口である。
【0107】
すなわち、ピストン押し出し口76aからエアが注入されると、エアは、ベース52内の第1の空隙部61a及び複数の孔(図示せず)に入り、ピストン75a〜75sの各々の底面部74a〜74sを押圧して、外側管体73と、内側管体77と、ピストン75a〜75sの各々の底面部74a〜74sとの間に第3の空隙部56を形成しながら、ピストン75a〜75sの各々を集塵装置71の先端から突出させる。
【0108】
なお、ピストン押し出し口76aを介してエアが注入されていない状態は、
図5と同様であり、ピストン押し出し口76aを介してエアが注入された状態は、
図8と同様である。
【0109】
ピストン戻し口76bは、
図17に示されるように、外側管体73に固定され、エアコンプレッサー55から送られたエアを、チューブ22bを介して、内側管体77と外側管体73とピストンの突出部79a〜79sとによって形成される第2の空隙部61bに注入するための注入口である。
【0110】
すなわち、ピストン戻し口76bからエアが注入されると、エアは、外側管体73とピストン75a〜75sの各々の突出部79a〜79sとの間の第2の空隙部61bに入り、ピストン75a〜75sの各々の階段部72b〜72sを押圧して、第2の空隙部61bの体積を増大させながら、ピストン75a〜75sの各々を集塵装置71内に収納させる。
【0111】
なお、ピストン戻し口66bを介してエアが注入されていない状態は、
図8と同様であり、ピストン戻し口66bを介してエアが注入された状態は、
図5と同様である。
【0112】
本実施形態の集塵装置71によれば、ワークWに対向し、そのワークW近傍の粉塵を吸引する、中空状の集塵カップ71を備えた集塵装置71において、集塵カップ71は、その集塵カップ71の断面周囲に沿って配列され、ワークWに向かって突出可能な複数のピストン75a〜75sと、それら複数のピストン75a〜75sをワークWに向かって突出させるエアコンプレッサー55と、ワークWに向かって突出した複数のピストン75a〜75sを、ワークWから離間させるエアコンプレッサー55と、を備えているので、ワークの面が湾曲している場合においても、集塵カップの断面周囲に沿って配列された複数のピストンがワークに当接し、集塵性能を向上させることができるとともに、集塵カップがどのように傾いた場合においても、ピストンを迅速に集塵カップに収納させることができる。
【0113】
また、本実施形態の集塵装置71によれば、エアコンプレッサー55は、集塵カップ71の断面周囲に沿って配置され、複数のピストン75a〜75sの断面の一部を削除して形成された第2の空隙部61bと、その第2の空隙部61bにエアを注入するエアコンプレッサー55と、から構成されているので、集塵カップがどのように傾いたとしても、簡単な構造によって、ピストンを迅速に集塵カップに収納させることができる。
【0114】
また、本実施形態の集塵装置71によれば、第2の空隙部61bが形成されたピストン65の断面形状は、扇台形状であって、複数の突ピストン75a〜75sは、集塵カップ71の外周を覆うように配列されているので、集塵性能をさらに向上させることができる。
【0115】
また、本実施形態のワーク処理装置10によれば、多関節ロボット30と、その多関節ロボット30の先端に回転可能に接続され、多関節ロボット30に対して放射状に延びる複数の軸を有する回転部7と、軸のうち、少なくとも1つの第1の軸9aの先端に接続された集塵装置71と、を備えているので、集塵位置近傍における集塵装置を含めたワーク処理装置全体を小型化することができ、集塵カップの集塵位置を多関節ロボットによって容易に変更させることができる。
【0116】
また、本実施形態のワーク処理装置10によれば、軸のうち、第1の軸9aとは異なる軸9bの先端に接続され、集塵装置71とは処理内容が異なるCCDカメラ13を備えているので、集塵処理を含めた複数種類のワーク処理を容易に行うことができる。
【0117】
また、本実施形態のワーク処理装置10によれば、集塵装置71は、第1の軸9aの先端に接続された集塵カップ71と、多関節ロボット30に接続され、集塵カップ71に連通し、集塵カップ71によって集塵された粉塵を捕集する集塵パイプ15と、を備えているので、集塵パイプを多関節ロボットに固定したまま、集塵カップのみを回転させることによって、集塵パイプの耐久性を向上させることができる。
【0118】
さらに、本実施形態のワーク処理装置10によれば、CCDカメラ13は、回転部7の回転円周上、集塵カップ11に隣接して配置されているので、ワークの位置を検出して迅速に集塵作業を行うことができ、集塵後のワークの状態を迅速に確認することができる。
【0119】
以上、本発明の各種実施形態におけるワーク処理装置について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【0120】
また、上述の実施形態においては、回転部に装着されるワーク処理関連装置を、集塵装置及びCCDカメラの2種類として説明してきたが、それらに限られるものではなく、回転部に装着されるワーク処理関連装置は、ドリル、リーマー、エンドミル、レーザー加工機等の一般使用されているワーク処理関連装置であっても良い。