(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第一実施形態、第二実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
なお、本明細書でいう「面」とは、幾何学的に完全な平面であることを要するものではなく、凹部または凸部が形成されていることを許容する。また、本明細書でいう「フィルム」とは、シートや膜状物など、一般的に厚みの薄い形状物を広く含む。即ち、シート、フィルムまたは膜状物等の称呼の違いにより個別の厚みの大小を規定するものではない。
【0016】
[第一実施形態]
図1は本発明の第一実施形態にかかる伸縮配線モジュール100を上面側(
図2の上方側)から目視した平面図であり、
図2は
図1のX1−X1線断面図であり、
図3は
図1のY1−Y1線断面図である。はじめに、第一実施形態の概要について説明する。便宜上、
図1の紙面奥側並びに
図2及び
図3の下方側を下面側、
図1の紙面手前側並びに
図2及び
図3の上方側を上面側と呼称する場合がある。ただし、これは構成要素の相対的な位置関係を説明するために便宜的に規定するものであり、重力方向の上下とは必ずしも一致しない。
【0017】
伸縮配線モジュール100は、伸縮性配線基板10と外部機器40とを備えている。伸縮性配線基板10は、伸縮性配線部14及びその伸縮性配線部14に繋がる外部接続端子部15を有している。
図3等では、説明の便宜上、外部接続端子部15が伸縮性配線部14の上に積層された部分を示しているが、外部接続端子部15は、伸縮性配線部14の一部であってもよいし、伸縮性配線部14の一部とその上に積層形成される導電性被膜とを示してもよい。外部機器40は、伸縮性配線基板10とは別体で形成されており、表面外側に端子部42を有している。端子部42は、外部機器40の表面外側に形成されていればよく、外部機器40の筐体41の表面に露出形成されていてもよいし、筐体41から表面外側に伸びる突出部(図示せず)の先端に形成されていてもよい。そして、伸縮性配線基板10の外部接続端子部15上には導電性粘着剤22が設けられ、外部機器40が伸縮性配線基板10に着脱可能に取り付けられると共に、端子部42と外部接続端子部15とが導電性粘着剤22によって電気的及び機械的に接続されている。
【0018】
ここで、
図1から
図3の例では、外部機器40の端子部42の数と等しい3つの外部接続端子部15が設けられているが、伸縮性配線基板10は、1以上の外部接続端子部15を有していればよい。同様に、外部機器40は、1以上の端子部42を有していればよい。また、端子部42の数と外部接続端子部15との数とは一致していてもよいし、一致していなくてもよい。但し、端子部42及び外部接続端子部15がそれぞれ複数存在する場合には、一つの端子部42に一つの外部接続端子部15が接続されるように、各端子部42及び各外部接続端子部15の位置がそれぞれ決められる。即ち、伸縮性配線基板10は、外部機器40の端子部42の数及びピッチに合致した外部接続端子部15を備えてもよい。
【0019】
また、外部機器40の伸縮性配線基板10への着脱可能な取り付けには、
図2及び
図3に例示される固定強化用粘着剤24のような他の手段(係止部のような構造であってもよい)が作用してもよいし、導電性粘着剤22のみで実現されてもよい。
ここで、外部機器40の伸縮性配線基板10への「着脱可能な取り付け」とは、取り付け後、伸縮性配線基板10から外部機器40を再利用可能な程度で取り外せることができることを意味する。
【0020】
導電性粘着剤22は、端子部42と外部接続端子部15との間を導通させ得る導電性(電気伝導性)と、端子部42と外部接続端子部15との間を機械的に接続し得る粘着性とを有する。なお、ここで、「機械的に接続する」とは、導電性粘着剤22が端子部42と外部接続端子部15との間にあって両者を直接接続する構成ばかりでなく、端子部42と外部接続端子部15との間を例えば配線等の他の部材を介在して接続することをも含むものとする。導電性粘着剤22の粘着性は、端子部42と外部接続端子部15とを分離させた後に、再度、端子部42と外部接続端子部15とを接続可能な程度の粘着性を意味する。つまり、接続時に端子部42と外部接続端子部15との間の信号に混入するノイズを最小限に留め得る固定強度を持ちつつ、端子部42と外部接続端子部15とを剥がす際に少なくとも端子部42を傷つけず、剥がした後に表面に残った残がいの除去でも端子部42を傷つけないような特性を有することが望ましい。例えば、導電性粘着剤22は、アクリル系重合体やウレタン系樹脂などのような粘着樹脂に金属フィラー、カーボンフィラーなどのような導電性フィラーを混錬させて形成される。
【0021】
以上のように構成された伸縮配線モジュール100では、伸縮性配線基板10と外部機器40とを極めて容易に接続することができる。加えて、外部機器40と伸縮性配線基板10とは着脱可能に接続されるため、伸縮性配線基板10を使い捨てとし、伸縮性配線基板10を取り換えながら伸縮配線モジュール100を繰り返し利用するといった利用形態が可能となる。また、外部機器40と伸縮性配線基板10とは、端子部42と外部接続端子部15との間の導電性粘着剤22を介した接続により、低ノイズの信号をやりとりすることができる。
【0022】
以下、第一実施形態に係る伸縮配線モジュール100について更に詳細に説明する。
図1等で例示されるように、第一実施形態に係る伸縮配線モジュール100は、生体貼り付け型の伸縮配線(基板)モジュールとして利用可能である。この利用形態では、伸縮性配線基板10は、その伸縮性により生体の体表面の動きに柔軟に追従する。また、伸縮性配線基板10に取り付けられる外部機器40は、端子部42を介して伸縮性配線基板10の外部接続端子部15と電気的に接続される電子機器であり、伸縮性配線基板10から生体信号を取得する又は生体側へ電流を印加することができる。
伸縮配線モジュール100の利用形態は、このような生体貼り付け型に限定されない。例えば、伸縮配線モジュール100は、ロボットや各種デバイス、装置類、ウェアラブル用品に装着して用いられてもよい。なお、説明を分かり易くするために、以下の説明では、生体に張り付けて利用される場合が例示される。また、外部機器40についても、伸縮性配線基板10と電気的に接続される電子機器であれば、その機能などについては何ら制限されない。
【0023】
〈伸縮性配線基板〉
図4は、外部機器40が取り付けられる前の伸縮性配線基板10を上面側(
図6の上方側)から目視した平面図であり、
図5は、導電性粘着剤22、固定強化用粘着剤24及び生体ゲル26を除いた伸縮性配線基板10を上面側(
図6の上方側)から目視した平面図であり、
図6は、
図4のZ−Z線断面図である。便宜上、
図4及び
図5の紙面奥側並びに
図6の下方側を下面側、
図4及び
図5の紙面手前側並びに
図6の上方側を上面側と呼称する場合がある。但し、これは構成要素の相対的な位置関係を説明するために便宜的に規定するものであり、重力方向の上下とは必ずしも一致しない。また、
図4において導電性粘着剤22、固定強化用粘着剤24及び生体ゲル26は便宜的に斜線により示されている。
【0024】
伸縮性配線基板10は、第一の伸縮性基材11、第二の伸縮性基材12、伸縮性配線部14、外部接続端子部15、電極部16、ガイド部18を有する。以降、第一の伸縮性基材11及び第二の伸縮性基材12は、伸縮性基材11及び伸縮性基材12と略称する。
【0025】
第一実施形態における伸縮性配線基板10は、伸縮性基材11及び12が積層された多層構造を有する。伸縮性基材11及び12は、面内方向の少なくとも一方向に伸縮が可能なシート状の部材である。望ましくは、伸縮性基材11及び12は、面内方向の二方向に伸縮が可能である。伸縮性基材11及び12の面内方向の伸縮性は等方性でもよく、または面内の複数方向への伸縮性が互いに異なる異方性でもよい。
伸縮性基材11及び12を構成する好ましい素材としては、ニトリルゴム、ラテックスゴム、ウレタン系エラストマー、またはシリコーン系エラストマーなどのエラストマー材料を挙げることができるが、これに限定されない。特に、医療用に用いられるウレタン系エラストマーシートを用いることで、人体の皮膚に貼り付けた場合でも高い安全性を得ることができる。
伸縮性基材11及び12の厚みは特に限定されないが、伸縮性配線基板10を適用する対象物(対象面)(例えば、生体表面)の伸縮の動きを阻害しないという観点からは、たとえば、厚みは100μm以下であることが好ましい。伸縮性基材11及び12の厚みは、より望ましくは25μm以下であり、更に望ましくは10μm以下である。
但し、伸縮性配線基板10は、伸縮性基材11及び伸縮性基材12の多層構造ではなく、電極部16を生体面方向に露出しない形態などでは、単層の伸縮性基材と伸縮性の保護層とから形成されてもよい。
【0026】
伸縮性配線部14は、伸縮性基材11及び12の片面又は両面にパターン形成された伸縮性の導電パターンである。第一実施形態の伸縮性配線部14は、伸縮性基材11及び12の対向面に形成されている。具体的には、伸縮性配線部14は、伸縮性基材12の上面に形成され外部接続端子部15と繋がる伸縮性配線部14aと、伸縮性基材11の下面に形成され電極部16と繋がる伸縮性配線部14bとから構成されている。伸縮性配線部14a及び14bは、その端部同士で接合しており、導通している。伸縮性配線部14a及び14bは、その端部同士が融合一体化していることが好ましい。伸縮性配線部14のパターン形状は特に限定されない。第一実施形態の伸縮性配線部14は、3本のライン形状を示す。
【0027】
伸縮性配線部14は、導電材料を含んで構成されており導電性を有する。当該導電材料としては、銀、金、白金、カーボン、銅、アルミニウム、コバルトもしくはニッケル、またはこれらの合金などの導電性の良好な材料を選択することができる。導電材料の形状は特に限定されないが、顆粒または粉体などの粒子状とすることができる。粒子形状は特に限定されず、球状、針状、フレーク状、ナノワイヤ状などとすることができる。粒子のアスペクト比は、たとえば1以上100以下、特には1以上50以下とすることができる。ここで、アスペクト比とは、三次元体の最長寸法と最短寸法の比を意味する。伸縮性配線部14を構成する粒子のアスペクト比を5以上20以下とすることで、伸縮性配線基板10が面内方向に伸長して伸縮性配線部14が長さ方向に変形した場合の抵抗変化を低く抑制することができる。
【0028】
伸縮性配線部14はさらに樹脂バインダを含むことが好ましい。即ち、第一実施形態の伸縮性配線部14は、樹脂材料に導電性粒子が分散して配合された導電性材料で形成されている。伸縮性配線部14が樹脂バインダを含むことにより、伸縮性配線基板10の伸縮によって伸縮性配線部14が破断することが抑制される。樹脂バインダとしては、たとえばウレタンやポリエステル等の樹脂を主成分とするバインダ、シリコーンゴムなどの熱可塑性のエラストマー材料を挙げることができるが、これに限定されない。樹脂バインダとしては、塗膜化された状態における伸縮性配線部14の弾性率が伸縮性基材11及び12の弾性率に比して同等か、又はより小さくなるように低ヤング率のものを選定することが望ましい。エラストマー材料は一種類で用いてもよく、または複数種類のエラストマー材料を混合して用いてもよい。
【0029】
伸縮性配線部14の形成方法は特に限定されないが、たとえば印刷法により形成することができる。即ち、伸縮性配線部14a及び14bは、伸縮性を有する導電性ペーストを伸縮性基材11又は12に印刷塗布して形成された印刷パターンである。具体的な印刷法は特に限定されないが、たとえば、スクリーン印刷方法、インクジェット印刷方法、グラビア印刷方法、オフセット印刷方法などを例示することができる。このうち、微細解像性や厚膜安定性の観点から、スクリーン印刷が好適に用いられる。印刷法で伸縮性配線部14を形成する場合、上述した導電性粒子および樹脂バインダならびに有機溶剤を含む導電性ペーストを調製して印刷法に供するとよい。伸縮性配線部14に、銀などの金属粒子を主成分とする伸縮性の導電性ペーストを用いることによって、たとえば50%以上70%以下程度の伸び率を実現することができ、伸長特性に優れた配線の形成が可能となる。
【0030】
伸縮性配線部14a及び14bの端部同士を重ね合わせた状態で、伸縮性基材11と伸縮性基材12とをヒートプレスすることで、これらの配線同士及び基材同士を同一プロセスでそれぞれ一体化することができる。即ち、第一実施形態では、伸縮性基材11と伸縮性基材12との各対向面が直接に接合され、伸縮性配線部14aと伸縮性配線部14bとの端部同士が融合一体化する。伸縮性配線部14は、伸縮性基材11と伸縮性基材12との間に包埋状態で形成される。
第一実施形態では、伸縮性配線部14a及び14bは、共に熱可塑性の樹脂バインダを含む導電性ペーストの印刷塗布により形成されることが望ましい。これにより、伸縮性配線部14a及び14bが共に融着性を有することになるため、両方の接合箇所において樹脂バインダ及び導電性粒子同士が融合一体化され、その接合箇所における界面抵抗の発生を抑制することができる。但し、伸縮性配線部14a及び14bのいずれか一方は、樹脂バインダとして熱硬化性樹脂を用いてもよい。この場合、一方の融着性により、伸縮性配線部14a及び14bは接合可能である。
【0031】
伸縮性配線部14の厚み寸法及び幅寸法は、伸縮性配線部14の無負荷時の抵抗率及び伸縮性基材11及び12の伸張時の抵抗変化のほか、伸縮性配線基板10の全体の厚み寸法および幅寸法の制約に基づいて決定することができる。伸縮性基材11及び12の伸張時の寸法変化に追従させて良好な伸縮性を確保するという観点からは、伸縮性配線部14の幅寸法は、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。伸縮性配線部14を構成する個々の配線の厚み寸法は、25μm以下とすることができ。望ましくは10μm以上15μm以下である。
【0032】
伸縮性配線部14は、一方の端部で電極部16と繋がっており、他方の端部で外部接続端子部15と繋がっている。第一実施形態では、伸縮性配線部14bにおける伸縮性配線部14aとの接合端部とは逆の端部が電極部16として形成されている。
【0033】
電極部16は、伸縮性基材11の片面(下面)にパターン形成された導電パターンである。第一実施形態の電極部16は、伸縮性基材11の下面に略方形状に形成されており、生体電位などを測定するセンサ電極として利用される。但し、電極部16の数及び形状については図示される数及び形状に制限されない。また、各電極部16は、複数の電極からそれぞれ形成され、近接センサ又はタッチセンサとして利用されてもよい。
電極部16は、伸縮性配線部14と同様に伸縮性を有してもよいし、伸縮性配線部14よりも面内剛性が高く実質的に伸縮性を有していなくてもよい。但し、電極部16は、伸縮性配線部14と同一の導電性材料で伸縮性配線部14と同一プロセスで印刷形成することが好ましい。これにより、電極部16においても優れた伸長特性を得ることができ、また少ない工程数で伸縮性配線基板10を得ることができる。
【0034】
外部接続端子部15は、外部機器40と電気的に接続するために、伸縮性配線基板10の片面に設けられた端子である。外部接続端子部15は、導電性粘着剤22との密着強度が高くなるように樹脂材料で形成されることが好ましい。第一実施形態では、外部接続端子部15は、伸縮性配線部14aの端部と任意で積層形成される導電性の被膜とで構成されており、伸縮性基材11の開口17と重なる位置に配置されている。
図3等では、説明の便宜上、外部接続端子部15が伸縮性配線部14の上に積層された部分を示しているが、外部接続端子部15は、伸縮性配線部14の一部であってもよいし、伸縮性配線部14の一部とその上に積層形成される導電性被膜とを示してもよい。
外部接続端子部15は、導電性の被膜を含む場合、印刷形成された伸縮性配線部14の端部に、カーボンペーストなどの導電性の被膜を積層することで、外部接続端子部15を生成することができる。カーボンペーストは非金属性のカーボンを導電性粒子として用いるためイオンマイグレーションの抑制が期待できる。上述とは異なり、導電性被膜を含まない場合、外部接続端子部15は、上記の導電性ペーストやカーボンペーストを用いて伸縮性配線部14の端部を特定の形状にすることで形成されてもよい。
【0035】
更に、第一実施形態の伸縮性配線基板10では、
図4に示されるように、各外部接続端子部15上に導電性粘着剤22がそれぞれ設けられている。
具体的には、導電性粘着剤22は、外部接続端子部15と略等しい寸法で、かつ互いに離間した状態で設けられている。各導電性粘着剤22の寸法は、外部接続端子部15の寸法以下であることが好ましく、例えば、各導電性粘着剤22は、直径が1mm以上5mm以下の円形状又は少なくとも1辺の長さが1mm以上5mm以下の矩形状にそれぞれ形成されている。このように導電性粘着剤22の形状及び寸法に余裕を持たせることにより、伸縮性配線基板10と外部機器40との位置合わせの精度を緩和させることができる。結果、取り付け位置に多少ズレが生じたとしても、伸縮性配線基板10と外部機器40との電気的な接続に支障をきたさないようにすることができる。
導電性粘着剤22の材料特性については上述したとおりである。
【0036】
ガイド部18は、伸縮性基材11(伸縮性配線基板10)の上面の上方に、外部機器40の取り付け位置を提示する。言い換えれば、ガイド部18は、伸縮性基材11における外部機器40の取り付け位置の近傍に設けられている。第一実施形態のガイド部18は、
図1、
図4等に例示されているように、伸縮性基材11の上面から突出するように立設されている。ガイド部18は、平面視において、複数の帯状に外部機器40の取り付け位置を周回配置されている。これにより、ユーザは、ガイド部18に従って外部機器40を位置合わせして伸縮性配線基板10に取り付ける(貼り付ける)だけで、伸縮性配線基板10の外部接続端子部15と外部機器40の端子部42とを電気的及び機械的に接続し、伸縮配線モジュール100を利用することができる。このように、ガイド部18によれば、伸縮配線モジュール100の利用準備が極めて容易になる。
【0037】
ガイド部18は、伸縮性基材11及び12と同様に伸縮性を有してもよいし、伸縮性基材11及び12よりも剛性が高く実質的に伸縮性を有していなくてもよく、その材料は任意である。例えば、ガイド部18は、伸縮性基材11及び12と同じ伸縮性材料により形成される。また、ガイド部18は、外部接続端子部15と同じ材料で形成されてもよい。これによれば、外部接続端子部15とガイド部18とを同工程で形成することができるため、お互いの位置精度を高水準化できるというメリットがある。
【0038】
ガイド部18の実現形態は、上述の例に限定されない。例えば、ガイド部18は、平面視における外部機器40の外周の少なくとも一辺又は二以上の点を指し示す位置及び形状に形成されていてもよい。また、外部機器40の筐体41の表面に設けられた1以上のマークと位置合わせをするためのマークとして、ガイド部18が形成されてもよい。具体的には、外部機器40に設けられた矢印マークと、矢印を合わせることで位置合わせが可能となるように、ガイド部18も同様の矢印マークとして形成されてもよい。ガイド部18は、伸縮性基材11の上面の上方から視認可能なように、伸縮性基材11の上面又は下面に印刷されていてもよい。
【0039】
更に、第一実施形態の伸縮性配線基板10では、伸縮性基材11(伸縮性配線基板10)における外部機器40と対向する主面(上面)の少なくとも一部の領域に固定強化用粘着剤24が設けられている。具体的には、伸縮性基材11の上面における外部機器40と接合し得る領域であって、導電性粘着剤22と重複しない領域に、固定強化用粘着剤24が設けられている。第一実施形態では、固定強化用粘着剤24は、ガイド部18で囲まれる内側の領域のうち、導電性粘着剤22と離間した領域に設けられている。
これにより、伸縮性配線基板10と外部機器40とが固定強化用粘着剤24により強固に支持及び固定されるため、伸縮配線モジュール100を貼付した人が動いたとしても、脱落などせず、伸縮配線モジュール100の機能を持続させることができる。
【0040】
固定強化用粘着剤24は、外部機器40を伸縮性配線基板10に強固に固定するために設けられる。よって、固定強化用粘着剤24においては、導電性は不要であるが、外部機器40と伸縮性配線基板10とが着脱可能となる程度の粘着性は必要である。固定強化用粘着剤24の粘着性についても、導電性粘着剤22の粘着性と同様に、外部機器40が伸縮性配線基板10から取り外された後に、再度、外部機器40を伸縮性配線基板10に取り付けることができる程度の粘着性を意味する。
固定強化用粘着剤24の粘着力は、導電性粘着剤22の粘着力よりも強いことが好ましい。例えば、固定強化用粘着剤24が導電性粘着剤22と同じ粘着性材料により形成される場合、必然的に導電性粘着剤22よりも固定強化用粘着剤24の粘着力のほうが強くなる可能性がある。これは、導電性粘着剤22には導電性材料が含まれることから、粘着性材料の比率が低くなるからである。
また、固定強化用粘着剤24は、導電性粘着剤22と同じ材質であり、かつ、導電性粘着剤22と同じ製造工程で形成されてもよい。このようにすれば、製造工程を短縮することができる。但し、導電性を有することになるため、固定強化用粘着剤24は、伸縮性配線部14と接合せず、かつ、導電性粘着剤22及び外部接続端子部15と完全に離間した位置に設けられる必要がある。
但し、印刷法等の手段によって、固定強化用粘着剤24を任意の形状にパターンニングできる場合には、導電性粘着剤22が形成された領域を除いた外周と接するように形成してもよい。
【0041】
固定強化用粘着剤24の密着強度は、外部機器40に対するよりも伸縮性基材11(伸縮性配線基板10)に対するほうが高いことが望ましい。導電性粘着剤22の密着度についても、同様に、外部機器40の端子部42に対するよりも外部接続端子部15に対するほうが高いことが望ましい。ここでの密着強度とは、単位面積あたりの引き剥がすときの力の強さの程度を示す指標である。
固定強化用粘着剤24の密着強度は、外部機器40が接続されていない製造工程において伸縮性基材11に固定強化用粘着剤24を塗布した状態で乾燥又は硬化させることで、上述のようにすることができる。同様に、導電性粘着剤22の密着強度についても、外部機器40が接続されていない製造工程において外部接続端子部15に導電性粘着剤22を塗布した状態で乾燥又は硬化させることで、上述のようにすることができる。言い換えると、このような製造工程により、各粘着剤における外部機器40側の界面の平滑度が伸縮性配線基板10側の平滑度よりも低くなる(粗度が高くなる)ため、上述のような密着強度の関係を実現することができるということもできる。
また、各粘着剤の密着度の上記関係は、材料の親和性においても実現可能である。即ち、外部機器40の端子部42が金などのメッキ加工されている場合、外部接続端子部15をエラストマー等の樹脂材料を含んで形成することで、樹脂材料を含む導電性粘着剤22と外部接続端子部15との親和性を高くし、上記密着度の関係を実現することができる。
第一実施形態の伸縮配線モジュール100では、外部機器40は、伸縮性配線基板10に着脱可能に取り付けられること、即ち、取り付け後、伸縮性配線基板10から取り外され得ることが前提となる。この前提において、上述のような密着度によれば、取り外した後において、導電性粘着剤22及び固定強化用粘着剤24が、外部機器40側よりも伸縮性配線基板10側のほうに残留し易くすることができる。結果、外部機器40の端子部42の洗浄を不要又は少なくすることができ、端子部42の損傷を低減させることができ、ひいては、外部機器40の再利用を簡便にすることができ、その再利用回数を増加させることができる。
【0042】
導電性粘着剤22が外部機器40の端子部42に残留したときのために、導電性粘着剤22に含まれる粘着剤には、エタノール、メタノール、プロパノールなどのアルコール溶解性の母材が用いられることが好ましい。これにより、取り外し後にアルコール製剤により端子部42を拭き取ることで、端子部42を傷つけることなく、残留した導電性粘着剤22を端子部42から簡単に除去することができる。
固定強化用粘着剤24には、導電性粘着剤22と同じ粘着剤が利用されてもよいし、他の粘着剤が用いられてもよい。端子部42と外部接続端子部15との間の導電状態を維持するためにも、端子部42に残留した導電性粘着剤22は完全に除去されることが望ましい。しかしながら、端子部42以外の外部機器40の筐体41に残留した導電性粘着剤22は、再利用時における外部機器40と新たな伸縮性配線基板10との固定を阻害しない程度に、残留したままであってもよい。
【0043】
固定強化用粘着剤24は、導電性粘着剤22と同様に、印刷やディスペンス等によりパターン形成される。例えば、個々の厚みを100μm以下とすることで、良好なパターンニングが可能となる。
【0044】
第一実施形態の伸縮配線モジュール100は、人や動物などの生体に貼付されるため、電極部16の表面には、生体ゲル26が設けられている。生体ゲル26は、生体と電極部16との間の導通を確保可能であればよく、既存のものでよい。例えば、生体ゲル26には、保水されたいわゆるハイドロゲルなどが利用可能である。
第一実施形態における伸縮性配線基板10は、3つの電極部16を有するマルチチャンネルタイプの生体センサであるため、
図4に示されるとおり、個々の生体ゲル26は、個々の電極部16間が短絡しないように、相互に離間した状態で設けられている。
また、伸縮性配線基板10と生体との貼付強度を高めるために、伸縮性基材12における生体と対向する主面(下面)に、生体ゲル26とは別に、固定用の生体ゲル(図示せず)が設けられていることが好ましい。この場合、固定用の生体ゲルは、伸縮性基材12の下面における個々の電極部16と離間した領域の略全域又はその少なくとも一部に設けられる。
【0045】
伸縮性配線基板10に外部機器40が取り付けられて伸縮配線モジュール100として利用される前の段階では、第一実施形態における伸縮性配線基板10には、少なくとも導電性粘着剤22が設けられた外部接続端子部15を覆う剥離シート(例えば、
図8の符号30参照)が設けられていてもよい。これにより、外部機器40を伸縮性配線基板10に取り付けるまでの間、導電性粘着剤22を保護することができる。ユーザは、伸縮性配線基板10から剥離シートをはがした後、外部接続端子部15と外部機器40の端子部42とを導電性粘着剤22を介して接続させればよい。
また、伸縮性配線基板10に予め固定強化用粘着剤24が設けられている場合には、伸縮性基材11におけるその固定強化用粘着剤24が設けられた領域を覆うように、剥離シートが設けられることが好ましい。
【0046】
剥離シートは、一般的な紙又は樹脂フィルムにより形成される。例えば、剥離シートにおける導電性粘着剤22及び固定強化用粘着剤24に接する表面には、剥離容易性を確保するために、ポリエチレン等の樹脂やシリコーンがラミネートされた剥離層が設けられてもよい。剥離シートが樹脂フィルムで形成される場合、フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルなどが利用される。また、剥離シートの厚み、形状などは任意である。剥離シートは、導電性粘着剤22が設けられた外部接続端子部15及び固定強化用粘着剤24を覆う一枚のシートであってもよいし、複数のシートであってもよい。
【0047】
外部機器40が取り付けられる前の伸縮性配線基板10では、伸縮性基材11の上面からの固定強化用粘着剤24の高さが、導電性粘着剤22のその上面からの高さよりも低い状態とすることが好ましい。これにより、固定強化用粘着剤24で伸縮性配線基板10と外部機器40とが密着する力により外部機器40の端子部42と外部接続端子部15との間をより強固に接続することができる。
また、ガイド部18についても、利用される前の段階で予め伸縮性配線基板10に設けられていることが望ましい。これにより、簡単に伸縮性配線基板10に外部機器40を取り付けることができる。なお、ガイド部18が凸形状を有する場合には、ガイド部18の伸縮性基材11の上面からの高さは、導電性粘着剤22及び固定強化用粘着剤24のその上面からの高さよりも低いことが好ましい。
【0048】
〈外部機器〉
図7は、外部機器40を端子部42の形成面(下面)側から斜めに目視した斜視図である。
図7に示されるとおり、外部機器40は、筐体41、端子部42を有する。
端子部42は、伸縮性配線基板10と電気的に接続するために、外部機器40の筐体41における伸縮性配線基板10に対向する面(下面)の外側に設けられた端子である。
図7の例では、3個の端子部42が設けられているが、端子部42の数は制限されない。端子部42の数は、伸縮性配線基板10の外部接続端子部15の数と等しくてもよいし、異なっていてもよい。
端子部42は、一般的な電気機器の端子電極と同じ材質であればよい。例えば、端子部42は、端子面に金やすずのメッキ処理が施されることで形成される。端子部42の形状及び材質については、伸縮性配線基板10の外部接続端子部15と接続可能なものであれば、特に制限されない。但し、外部機器40の再利用性を高めるためには、端子部42は、耐久性の高い素材で形成され、加工されていることが望ましい。
【0049】
筐体41の形状及び材質についても特に制限されない。但し、筐体41における伸縮性配線基板10と対向する面(下面)は凹形状に形成されていることが好ましい。第一実施形態における伸縮配線モジュール100が生体表面に貼付される際に、伸縮性配線基板10は、その伸縮性により生体の凸曲面に沿って追従可能である。筐体41の下面を凹形状とすることで、凸状に追従した伸縮性配線基板10の形状と近似するため、伸縮配線モジュール100の装着感及び不快感を低減することができると共に、伸縮性配線基板10の外部接続端子部15と外部機器40の端子部42との接続性を高めることができる。
端子部42が筐体41の表面から外側に突出した位置に設けられる場合には、筐体41の下面の形状には関わらず、各端子部42の面又は面内の点(例えば、中心点)が凹形状に位置するように、各端子部42が設けられてもよい。
凹形状は、例えば、伸縮性配線基板10が貼付される箇所の生体曲面に対応する曲率に設定される。生体曲面に対する追従性を高めるために伸縮性配線基板10が細長に形成されている場合、当該曲率は、例えば、伸縮性配線基板10の短辺(
図1の上辺及び下辺)よりも曲率半径が大きい曲率に設定される。
【0050】
〈製造方法〉
次に、第一実施形態の伸縮性配線基板10及び伸縮配線モジュール100の製造方法(以下、共に本方法と表記する場合もある)について説明する。
【0051】
図8は、第一実施形態における伸縮性配線基板10の製造工程を示す模式図である。
伸縮性配線基板10の製造方法は、伸縮性基材11又は12の少なくとも一方側の主面に伸縮性配線部14a又は14bを形成する工程(配線形成行程)と、伸縮性配線部14a又は14bと繋がる外部接続端子部15を形成する工程(端子形成行程)と、外部接続端子部15上に導電性粘着剤22を配設する工程(粘着剤配設行程)と、外部接続端子部15上に形成された導電性粘着剤22を剥離シート30で覆う工程(シート行程)とを少なくとも含む。各工程の実施タイミングの先後は任意である。
【0052】
次に、本方法について詳細に説明する。
配線形成工程では、伸縮性基材11及び12を準備し、各主面に対して印刷法により導電性ペーストを塗布して伸縮性配線部14a及び14bを形成する。第一実施形態では、伸縮性基材11の下面に対して導電性ペーストを塗布することにより、伸縮性配線部14bが形成され、伸縮性基材12の上面に対して導電性ペーストを塗布することにより、伸縮性配線部14aが形成される。伸縮性を有する伸縮性基材11及び12のハンドリング性を高めるため、伸縮性基材11の上面及び伸縮性基材12の下面は、紙材料などで作成したセパレータ(図示せず)を被着した状態で、上記配線形成工程が実施されてもよい。
【0053】
次に、伸縮性基材11と伸縮性基材12との接合工程が実施される。
この接合工程では、まず、伸縮性基材11における伸縮性配線部14bが形成された主面(下面)と伸縮性基材12における伸縮性配線部14aが形成された主面(上面)とを向かい合わせた状態で、伸縮性基材11と伸縮性基材12とを位置合わせする。このとき、伸縮性基材11の開口17の位置と、外部接続端子部15の位置又は伸縮性配線部14aの先端部(外部接続端子部15が形成される部分)の位置とが合わされる。同様に、伸縮性基材12の開口19の位置と電極部16の位置とが合わされる。
【0054】
続いて、伸縮性基材11及び伸縮性基材12を加熱または加圧して、伸縮性基材11と伸縮性基材12との対向面を直接に接合し、伸縮性配線部14a及び14bの一部同士を融合一体化させる。このとき、更に、伸縮性基材11と伸縮性基材12とがエラストマー材料の粘着性により直接に貼合される。より具体的には、伸縮性基材11と伸縮性基材12とを加熱および加圧して互いに融着させることにより接合する。加熱手段には、加熱ロールによるラミネート手法や、加熱プレスの手段を採用することができる。加圧プレスは大気中で行ってもよく、または真空中で行ってもよい。これにより、伸縮性基材11と伸縮性基材12とは互いの熱融着性によって機械的に接合されるとともに、伸縮性配線部14a及び14bも互いの熱融着性によって機械的及び電気的に接続される。このため、接着剤や粘着剤を用いることなく、伸縮性配線部14a及び14b、並びに伸縮性基材11及び12をそれぞれ直接的に接続することができる。この結果、極めて簡便に接続作業が完了する。
【0055】
端子形成行程では、伸縮性配線部14aの先端部に、カーボンペーストの印刷などの手法により任意に導電性被膜を積層することで、外部接続端子部15を形成してもよい。第一実施形態では、後行程において伸縮性配線部14a及び14bが融合一体化されるため、外部接続端子部15は、伸縮性配線部14a及び14bと電気的に繋がっている。
外部接続端子部15が導電性被膜を含む場合、ガイド部18の形成も端子形成工程と同工程で行われてもよい。この場合、ガイド部18を外部接続端子部15の導電性被膜と同じ材質とする。これにより、お互いの位置精度を高水準化できる。但し、ガイド部18と外部接続端子部15の導電性被膜とは別工程で形成されてもよい。例えば、ガイド部18は、上述の接合工程の前に形成されていてもよいし、外部接続端子部15の導電性被膜の形成前又は形成後に別途形成されてもよい。
また、端子形成行程は、接合工程の後に実行されてもよいし、接合工程の前に実行されてもよい。
【0056】
その後、粘着剤配設工程が実行される。
第一実施形態では、この工程により、導電性粘着剤22が、伸縮性基材11の開口17を通じて外部接続端子部15に塗布され、伸縮性基材11の上面より上方に盛り上がった状態で乾燥、硬化形成される。同様に、固定強化用粘着剤24が、伸縮性基材11の上面における導電性粘着剤22と離間した領域に塗布され乾燥、硬化形成される。このように、各粘着剤を塗布後、乾燥又は硬化させることで、固定強化用粘着剤24の密着強度を、外部機器40に対してよりも伸縮性基材11(伸縮性配線基板10)に対して高くすることができる。導電性粘着剤22の密着度についても、同様に、外部機器40の端子部42に対してよりも外部接続端子部15に対してのほうが高くすることができる。
また、外部機器40の端子部42と外部接続端子部15との接続性を向上させるために、伸縮性基材11の上面からの固定強化用粘着剤24の高さが、導電性粘着剤22のその上面からの高さよりも低い状態に形成されることが好ましい。
また、導電性粘着剤22と固定強化用粘着剤24とが同じ材質で形成される場合には、同一行程により、導電性粘着剤22及び固定強化用粘着剤24を形成することができる。これにより、製造工程を簡易化することができる。
【0057】
続いて、シート工程が実行される。本工程において、導電性粘着剤22及び固定強化用粘着剤24を覆うように、剥離シート30が伸縮性基材11の上面に配設される。第一実施形態では、剥離シート30は、伸縮性基材11の上面の略全域を覆うように、取り付けられる。
また、図示されていないが、伸縮性基材12の下面にも剥離シートが配設されてもよい。この場合、剥離シートは、電極部16上に生体ゲル26が設けられた状態で、取り付けられてもよいし、生体ゲル26が設けられていない状態で、取り付けられてもよい。
【0058】
図9は、伸縮配線モジュール100の製造行程を示す模式図である。
伸縮配線モジュール100の製造工程では、上述のような工程で製造された伸縮性配線基板10と、伸縮性配線基板10とは別体の外部機器40とが準備されて、位置合わせ工程及び接続行程が少なくとも実行される。
位置合わせ工程では、外部接続端子部15と端子部42とが対向する位置に、伸縮性配線基板10と外部機器40との位置合わせが行われる。このとき、伸縮性配線基板10は、生体などの被着面に既に取り付けられていてもよいし、取り付けられていなくてもよい。
【0059】
続いて、接続行程において、外部機器40を伸縮性配線基板10に押し付け、端子部42と外部接続端子部15とを導電性粘着剤22によって電気的及び機械的に接続する。第一実施形態では、伸縮性基材11の上面における外部機器40と接合し得る領域に固定強化用粘着剤24が設けられているため、本工程により、外部機器40の筐体41と固定強化用粘着剤24とが当接し、外部機器40と伸縮性配線基板10とがより強固に固定される。なお、上記記載の「外部機器を伸縮性配線基板に押し付ける」とは、外部機器を直接伸縮性基板に押し付けるものばかりでなく、外部機器と直接伸縮性基板との間に他の部材を介在させて押し付ける」ものをも含む。
【0060】
このように、第一実施形態によれば、伸縮性配線基板10と外部機器40とを、位置合わせ後押し付けるという簡単な作業で伸縮配線モジュール100が利用可能となる。即ち、第一実施形態によれば、ユーザビリティの高い伸縮配線モジュール100を実現することができる。
【0061】
[変形例]
上述の実施形態では、伸縮性配線基板10は、伸縮性基材11及び12が積層された多層構造を有していた。しかしながら、伸縮性配線基板10の構造はそのような例に限定されない。例えば、
図10及び
図11に示すように、伸縮性配線基板10は、伸縮性配線部が設けられている一枚の伸縮性基材が折り畳まれた状態で保護層に包埋された構造を有していてもよい。
図10は、外部機器40が取り付けられる前の、変形例における伸縮性配線基板10を上面側(
図6の上方側)から目視した平面図であり、
図11は、
図10のW−W線断面図である。なお、
図10において導電性粘着剤22、固定強化用粘着剤24及び生体ゲル26は便宜的に斜線により示されている。
【0062】
本変形例では、一枚のシート状の伸縮性基材50の一主面に伸縮性配線部14が設けられており、その伸縮性基材50が伸縮性配線部14を外側にして折り畳まれることにより、第一基材部51と第二基材部52との積層状態を形成している。更に、伸縮性配線部14の各先端部には、外部接続端子部15と電極部16とが設けられており、その折り畳みにより、外部接続端子部15と電極部16とが伸縮性基材50を挟んで反対方向に配設されている。このような構成とすることで、伸縮性配線部14の形成を一度の工程ですませることができる。
加えて、第二基材部52の外面には保護層54が設けられており、その保護層54の開口に外部接続端子部15が配置されている。第一基材部51の外面には保護層56が設けられており、その保護層56の開口に電極部16が配置されている。
伸縮性配線基板10を形成する他の要素、即ち、ガイド部18、導電性粘着剤22、固定強化用粘着剤24及び生体ゲル26については、上述の実施形態と同様である。また、伸縮性基材50及び伸縮性配線部14の材質については、上述の実施形態と同様でよい。
【0063】
保護層54及び56は、絶縁性かつ伸縮性の材料から構成されることが好ましい。保護層54及び56には、たとえばエラストマー材料を用いることができ、伸縮性基材50と共通の樹脂材料を用いてもよい。これにより、伸縮性配線基板10の伸縮性を損なうことなく伸縮性配線部14を保護することができる。保護層54及び56は、エラストマー系のペーストを伸縮性基材50に塗布および乾燥させて作成することができる。このほか、予めシート状に作成されて開口が形成された保護層54及び56を、伸縮性基材50に対して貼付してもよく、または接着剤を用いて接合してもよい。保護層54及び56の厚みは特に限定されないが、伸縮性配線基板10の伸縮性を妨げないという観点からは、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。
【0064】
また、上述の実施形態及び上述の変形例では、伸縮性配線部14が、伸縮性基材11及び12、又は、保護層54及び56に包埋されていたが、伸縮性配線部14は伸縮性配線基板10の表面に形成されていてもよい。例えば、上述の変形例において、保護層54及び56が存在ない構造が採用されてもよい。この場合には、導電性粘着剤22は、伸縮性配線部14と離間した位置に設けられる必要がある。また、固定強化用粘着剤24が導電性を有する場合には、固定強化用粘着剤24は、伸縮性配線部14及び外部接続端子部15並びに導電性粘着剤22と離間した位置に設けられる必要がある。
【0065】
本発明の伸縮配線モジュール100及び伸縮性配線基板10等の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0066】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態では、第一実施形態で図示及び説明した部材には第二実施形態で使用した符号と同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。また、第二実施形態では、伸縮基板モジュールを、生体に貼り付けて使用する例を挙げて説明する。
〈伸縮基板モジュール〉
図12は、伸縮基板モジュール200を上面側(
図13、
図14の上方側)から目視した平面図であり、
図13は
図12のX2−X2線断面図である。
図14は、
図12のY2−Y2線断面図である。
第二実施形態の伸縮基板モジュール200は、外部機器40の端子部42と、導電性粘着剤72aとが、接続中継基板70を介して電気的、機械的に接続される点で第一実施形態の伸縮基板モジュール100と相違する。ここでは、先ず、第二実施形態の概要について説明する。第二実施形態においても、便宜上、
図12の紙面奥側並びに
図13及び
図14の下方側を下面側、
図12の紙面手前側並びに
図13及び
図14の上方側を上面側と呼称する場合がある。ただし、これは構成要素の相対的な位置関係を説明するために便宜的に規定するものであり、重力方向の上下とは必ずしも一致しない。
【0067】
図12から
図14に示すように、伸縮基板モジュール200は、伸縮性配線基板10と外部機器40とを備えている。伸縮性配線基板10は、第一実施形態と同様に、伸縮性配線部14及びその伸縮性配線部14に繋がる外部接続端子部15(
図3)を有している。外部機器40は、伸縮性配線基板10とは別体で形成されており、表面外側に端子部42を有している。第二実施形態では、伸縮性配線基板10と外部機器40との間に、接続中継基板70が配置されている。
接続中継基板70は、本体71を有し、本体71の上面側(表面71a)に導電性粘着剤72a、72bがパターン状に形成されていて、導電性粘着剤72aは外部機器40の下面側を本体71の上面側に固定し、導電性粘着剤72bは、外部機器40の端子部42を本体71の上面側に固定すると共に、外部接続端子部15と端子部42とを電気的、機械的に接続している。
【0068】
〈接続中継基板〉
伸縮基板モジュール200の接続中継基板70は、上記したように、外部接続端子部15と、外部機器40との間に挿入されている。接続中継基板70は、本体71の外部機器40に向かう面である表面71aと、外部接続端子部15に向かう面である裏面71bとを有している。
図14に示すように、接続中継基板70は、表面71aと裏面71bとの間に設けられて、外部接続端子部15と外部機器40とを導通させる配線部80bと、表面71a及び裏面71bに設けられ、配線部80bと導通する中継用端子部80aと、を備えている。そして、中継用端子部80aには、中継用端子部80aを外部接続端子部15または外部機器40に電気的に接続する導電性粘着剤72b、73bがそれぞれ設けられている。導電性粘着剤72b、73bは、配線部80b及び中継用端子部80aを介して外部接続端子部15と外部機器40との間を電気的及び機械的に接続している。また、第二実施形態では、導電性粘着剤72b、73bの周囲には、導電性粘着剤72a、73aが設けられている。
図15は、
図12に示した伸縮基板モジュール200のうち、外部機器40を取り除いた状態を示す図であって、外部機器40の下にある接続中継基板70の表面71a側を示している。また、
図16は、伸縮基板モジュール200、接続中継基板70、伸縮性配線基板10の接続を説明するための図である。
図15、
図16に示すように、接続中継基板70の表面71a側には、外部接続端子部15に対応する位置に導電性粘着剤72bが、その周辺に導電性粘着剤72aが塗布されている。
図14に示したように、導電性粘着剤72bは、後述する絶縁カバー75の開口に入り込んでいて、中継用端子部80aと接触する。また、中継用端子部80aは、配線部80bを介して裏面71bの側の中継用端子部80aと接続している。この中継用端子部80aには導電性粘着剤73bが接触する。さらに、接続中継基板70の後述する開口を介して導電性粘着剤73bが外部接続端子部15と接続する。このため、伸縮基板モジュール200は、電極部16から入力された生体等の信号を、伸縮性配線部14、外部接続端子部15、端子部42の順で伝えて外部機器40に入力することができる。
【0069】
図17(a)、
図17(b)及び
図17(c)は、接続中継基板70の分解斜視図である。
図17(a)は、接続中継基板70の表面71a及び裏面71bに塗布されている導電性粘着剤78を示している。導電性粘着剤78は、例えば、アクリル系重合体やウレタン系樹脂などのような粘着樹脂に金属フィラー、カーボンフィラーなどのような導電性フィラーを混錬させて形成される。導電性粘着剤78の塗布厚は、例えば、5μm以上、10μm以下の範囲が好ましい。
図17(b)は、導電性粘着剤78が塗布される絶縁カバー75を示している。絶縁カバー75の厚さは、例えば、10μm以上、40μm以下が好ましく、さらに、15μmから18μmが好ましい。絶縁カバー75の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエステル、その他、一般的なFPC(Flexible Print Circuit)用のポリイミド製カバーレイなどが利用される。さらにまた、伸縮性配線基板10に使用される伸縮性基材11または12を用いてもよく、この場合、加熱および加圧の簡易な手段によって絶縁カバー75を形成できる点で利点がある。
図17(c)は、配線基板77を示している。配線基板77は、基材79に、中継用端子部80aと配線部80bとを有する配線80が印刷等によって形成された基材である。なお、基材79及び配線80については、伸縮性の有無を問わない。
基材79は、第一領域71cと、この第一領域に隣接する第二領域71dを有している。ここで、第一領域71cは、
図13、
図14に示した本体71の表面71a下にある領域とする。また、第二領域71dは、
図13に示した本体71の裏面71b下にある領域とする。基材79の厚さは、例えば、12.5μm以上、100μm以下が好ましく、60μ以上、85μm以下がより好ましい。ただし、
絶縁カバー75と配線基板77は、凡そ同じサイズを有している。第二実施形態では、絶縁カバー75が配線基板77の上面側を覆うように絶縁カバー75と配線基板77とが重なり合う。さらに、配線基板77と重なった状態の絶縁カバー75の上側面に、導電性粘着剤を塗布することによって導電性粘着剤78を形成する。
【0070】
図18(a)、
図18(b)及び
図18(c)は、
図17(a)から
図17(c)で説明したように組立てられた状態の配線基板77、絶縁カバー75及び導電性粘着剤78から接続中継基板70を形成する工程を説明するための図である。
図18(a)に示すように、配線基板77、絶縁カバー75及び導電性粘着剤78は、一体化してシート状になっている。
図18(b)に示すように、第二実施形態では、
図18(a)に示したシート状の配線基板77、絶縁カバー75及び導電性粘着剤78を、基材79の第一領域と第二領域との境界B−Bを境にして、基材79が内側に入るように折り曲げる。なお、このとき、第二実施形態では、基材79の間に両面テープ81を挿入し、基材79の対抗する面同士が離れないように接着する。このとき、両面テープ81に換えて、塗布型の粘着剤や接着剤を用いてもよい。第二実施形態では、
図18(c)に示すように、このような工程によって接続中継基板70を作製することができる。上記の配線基板77及び絶縁カバー75の厚さは、
図18(a)に示した配線基板77及び絶縁カバー75を折り曲げる際の取り扱いを考慮して決められる。
【0071】
〈接続中継基板の製造方法〉
次に、第二実施形態の接続中継基板の製造方法について説明する。この製造方法では、
図17(
c)に示した第一領域71cから第二領域71dに亘って形成される配線部80bを有する基材79と、配線部80bに続く中継用端子部80aと重ねられる開口74a、74bを有する絶縁シート部材である絶縁カバー75とを貼り合せる貼合わせ工程を含んでいる。さらに、第二実施形態は、絶縁カバー75のうち、基材79と貼り合わされている面に対する裏面に、導電性粘着剤72a、72b、73a、73bを設ける導電性粘着剤形成工程と、前記した貼合わせ工程において貼り合わされた基材及び絶縁シート部材を、基材79の第一領域71cと第二領域71dとの境界B−Bを境に、基材79が内側に入るように折り曲げる折り曲げ工程と、を含んでいる。
より具体的には、
図17(b)に示した絶縁カバー75と、
図17(c)に示した基材79とを貼り合せる。貼り合わせは、配線基板77の第一領域71cにある中継用端子部80aに絶縁カバー75の開口74aが重なり、第二領域71dにある中継用端子部80aに絶縁カバー75の開口74bが重なるように行われる。また、貼り合わせは、例えば、絶縁カバー75及び基材79を加熱および加圧して互いに融着させることによって行うことができる。加熱手段には、加熱ロールによるラミネート手法や、加熱プレスの手段を採用することができる。なお、このような貼合わせ工程は、絶縁カバー75及び基材79が図示しないセパレータを被着した状態で行ってもよい。
【0072】
次に、第二実施形態では、貼り合わせられて、かつ二つ折りになっていない絶縁カバー75及び基材79を、絶縁カバー75を上面側にした状態にする。そして、上面側に導電性粘着剤を第一領域71cと第二領域71dとに一度に塗布する。このような工程により、第二実施形態では、第一領域71c上の絶縁カバー75の開口74aを除く領域に導電性粘着剤72aが塗布され、開口74aから露出している中継用端子部80a上に導電性粘着剤72bが塗布される。また、第二領域71d上の絶縁カバー75の開口74bを除く領域に導電性粘着剤73aが塗布され、開口74bから露出している中継用端子部80a上に導電性粘着剤73bが塗布される。この際、導電性粘着剤は、導電性粘着剤72a、72b、73a、73bの上面が同一の高さに塗布されて、かつ開口74a、74bの中に入り込む。開口74a、74bの中に入り込んだ導電性粘着剤は、絶縁カバー75下の中継用端子部80aと電気的に接続される。
このような工程によれば、絶縁カバー75の両面に導電性粘着剤を一度に塗布することができ、接続中継基板の製造工程に係る処理時間が短縮でき、処理工程の数をも低減することが可能になる。また、処理自体も簡易化されて製品の歩留まりを高めることができる。
【0073】
次に、第二実施形態では、折り曲げ工程を実施し、導電性粘着剤が塗布された絶縁カバー75及び基材79を折り曲げる。絶縁カバー75及び基材79を折り曲げることにより、絶縁カバー75が基材79を覆い、絶縁カバー75と基材79との間に配線80が挟み込まれるようになる。また、折り曲げられたことによって接するようになる基材79の面が基材79や絶縁カバー75の弾性によって開くことが懸念される場合には、基材79の間に両面テープ81を貼り付けてもよい。
【0074】
以上説明した第二実施形態によれば、外部機器40を伸縮性配線基板10に接続中継基板70を介して極めて簡易に接続することができる。
また、第二実施形態は、以上説明した構成に限定されるものではない。例えば、第二実施形態の伸縮基板モジュール200及び伸縮性配線基板10等の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0075】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)伸縮性配線部及び該伸縮性配線部に繋がる外部接続端子部を有する伸縮性配線基板と、前記伸縮性配線基板とは別体であり、表面外側に端子部が形成された外部機器と、を備え、前記伸縮性配線基板の前記外部接続端子部上には導電性粘着剤が設けられ、前記外部機器が前記伸縮性配線基板に着脱可能に取り付けられると共に、前記端子部と前記外部接続端子部とが前記導電性粘着剤によって電気的及び機械的に接続されている、伸縮基板モジュール。
(2)前記伸縮性配線基板の前記外部機器と対向する主面の少なくとも一部の領域に固定強化用粘着剤が設けられ、前記端子部と前記外部接続端子部とが前記導電性粘着剤によって接続されると共に、前記外部機器が、少なくとも前記領域において、前記固定強化用粘着剤によって前記伸縮性配線基板と接合されている、(1)に記載の伸縮基板モジュール。
(3)前記固定強化用粘着剤が設けられる前記領域は、前記主面における前記外部接続端子部とは離間した領域である、(2)に記載の伸縮基板モジュール。
(4)前記導電性粘着剤及び前記固定強化用粘着剤の密着強度は、前記外部機器又は前記外部機器の前記端子部に対するよりも前記伸縮性配線基板又は前記伸縮性配線基板の前記外部接続端子部に対するほうが高い、(2)又は(3)に記載の伸縮基板モジュール。
(5)前記外部機器の前記伸縮性配線基板と対向する面は凹形状に形成されている、(1)から(4)のいずれか一つに記載の伸縮基板モジュール。
(6)前記外部接続端子部上に予め塗布された前記導電性粘着剤は、直径が1mm以上5mm以下の円形状又は少なくとも1辺の長さが1mm以上5mm以下の矩形状を有する、(1)から(5)のいずれか一つに記載の伸縮基板モジュール。
(7)前記伸縮性配線基板は、前記外部機器の取り付け位置の近傍に設けられたガイド部を更に有する、(1)から(6)のいずれか一つに記載の伸縮基板モジュール。
(8)前記外部接続端子部と前記外部機器との間に挿入される接続中継基板を有し、前記接続中継基板は、前記外部機器に向かう面である表面と、前記外部接続端子部に向かう面である裏面との間に設けられて、前記外部接続端子部と前記外部機器とを導通させる配線部と、前記表面及び前記裏面に設けられ、前記配線部と接続される中継用端子部と、を有し、前記導電性粘着剤は、前記中継用端子部上にそれぞれ設けられており、前記配線部及び前記中継用端子部を介して前記外部接続端子部と前記外部機器との間を電気的及び機械的に接続する、(1)から(3)のいずれか一つに記載の伸縮基板モジュール。
(9)伸縮性基材と、伸縮性配線部と、前記伸縮性配線部に繋がる外部接続端子部と、前記外部接続端子部上に設けられた導電性粘着剤と、少なくとも前記導電性粘着剤が設けられた前記外部接続端子部を覆う剥離シートと、を備える伸縮性配線基板。
(10)前記伸縮性基材の一主面上の少なくとも一部の領域に設けられた固定強化用粘着剤、を更に備え、前記剥離シートは、前記固定強化用粘着剤が設けられた前記領域を更に覆う、(9)に記載の伸縮性配線基板。
(11)前記伸縮性基材の前記一主面からの前記固定強化用粘着剤の高さは、前記一主面からの前記導電性粘着剤の高さよりも低い、(10)に記載の伸縮性配線基板。
(12)前記外部接続端子部に電気的に接続される端子部を有する外部機器の取り付け位置を提示するガイド部、を更に備える(9)から(11)のいずれか一つに記載の伸縮性配線基板。
(13)前記外部接続端子部上に配置される接続中継基板を有し、前記接続中継基板は、前記外部接続端子部に向かう面である第一面と、当該第一面に対する裏面となる第二面との間に設けられ、前記外部接続端子部と接続される配線部と、前記第一面及び前記第二面に設けられ、前記配線部と接続する中継用端子部と、を有し、前記導電性粘着剤は、前記中継用端子部を挟んで前記外部接続端子部上に設けられる、(9)から(12)のいずれか一つに記載の伸縮性配線基板。
(14)伸縮性基材の少なくとも一方側の主面に伸縮性配線部を形成する工程と、前記伸縮性配線部と繋がる外部接続端子部を形成する工程と、前記外部接続端子部上に導電性粘着剤を配設する工程と、前記外部接続端子部上に設けられた前記導電性粘着剤を剥離シートで覆う工程と、を含む伸縮性配線基板の製造方法。
(15)伸縮性基材、伸縮性配線部、前記伸縮性配線部に繋がる外部接続端子部及び前記外部接続端子部上に設けられた導電性粘着剤、を備える伸縮性配線基板と、前記伸縮性配線基板とは別体であり、表面外側に端子部が形成された外部機器と、を備える伸縮基板モジュールの製造方法において、前記外部接続端子部と前記端子部とが対向する位置に、前記伸縮性配線基板と前記外部機器との位置合わせを行う工程と、前記外部機器を前記伸縮性配線基板に押し付け、前記端子部と前記外部接続端子部とを前記導電性粘着剤によって電気的及び機械的に接続する工程と、を含む伸縮基板モジュールの製造方法。
(16)前記伸縮基板モジュールは、前記外部接続端子部と前記外部機器との間に挿入される接続中継基板を有し、前記接続中継基板を製造する工程は、第1領域と、当該第1領域に隣接する第2領域を有し、前記第1領域から前記第2領域に亘って形成される配線部を有する基材部と、前記配線部に続く中継用端子部と重ねられる開口部を有する絶縁シート部材とを貼り合せる貼合わせ工程と、前記絶縁シート部材のうち、前記基材部と貼り合わされている面に対する裏面に、前記導電性粘着剤を設ける導電性粘着剤形成工程と、
前記貼合わせ工程において貼り合わされた前記基材部及び前記絶縁シート部材を、前記第1領域と前記第2領域との境界を境に、前記基材部が内側に入るように折り曲げる折り曲げ工程と、を含む、(15)の伸縮基板モジュールの製造方法。