(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ストッパ部材が、前記ネジの頭部を囲んでおり、前記ホイールカバーが前記通常位置から前記着脱位置に向けて回転する際に、前記カバー部の前記側面と当接するスリーブを有している、請求項3のグラインダ。
前記ストッパ部材が、前記ホイールカバーの下面と係合しており、かつ前記ホイールカバーが前記通常位置から前記着脱位置に向けて回転する際に、前記カバー部の前記側面と当接するフックを有している、請求項3のグラインダ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施例1のグラインダ2を前方左方下方から見た斜視図である。
【
図3】実施例1のグラインダ2のホイールカバー12の外観を示す斜視図である。
【
図4】実施例1のグラインダ2の、ホイールカバー12とストッパ部材78を取り付ける前の状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図5】実施例1のグラインダ2の、ホイールカバー12を取り付けた後、ホイールカバー12が着脱位置にある状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図6】実施例1のグラインダ2の、ホイールカバー12を取り付けた後、ホイールカバー12が通常位置にある状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図7】実施例1のグラインダ2の、ホイールカバー12を取り付けた後、さらにストッパ部材78を取り付けた状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図8】実施例1のグラインダ2の、ストッパ部材78の取り付け箇所の横断面図である。
【
図9】実施例2のグラインダ102を前方左方下方から見た斜視図である。
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図10】実施例2のグラインダ102の、ストッパ部材104の外観を示す斜視図である。
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図11】実施例2のグラインダ102の、ホイールカバー12とストッパ部材104を取り付ける前の状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図12】実施例2のグラインダ102の、ホイールカバー12を取り付けた後、ホイールカバー12が着脱位置にある状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図13】実施例2のグラインダ102の、ホイールカバー12を取り付けた後、ホイールカバー12が通常位置にある状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図14】実施例2のグラインダ102の、ホイールカバー12を取り付けた後、さらにストッパ部材104を取り付けた状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図15】実施例3のグラインダ202を前方左方から見た斜視図である。
【
図16】実施例3のグラインダ202のホイールカバー204の外観を示す斜視図である。
【
図17】実施例3のグラインダ202の、ストッパ部材206の外観を示す斜視図である。
【
図18】実施例3のグラインダ202の、ホイールカバー204を取り付ける前の状態を、後方左方下方から見た斜視図である。
【
図19】実施例3のグラインダ202の、ホイールカバー204を取り付けた後の状態を、後方左方下方から見た斜視図である。
【
図20】実施例4のグラインダ302を前方左方から見た斜視図である。
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図21】実施例4のグラインダ302のホイールカバー304の外観を示す斜視図である。
【
図22】実施例4のグラインダ302の、ストッパ部材306の外観を示す斜視図である。
【
図23】実施例4のグラインダ302の、ホイールカバー304を取り付ける前の状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図24】実施例4のグラインダ302の、ホイールカバー304を取り付けた後、ホイールカバー304が着脱位置にある状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図25】実施例4のグラインダ302の、ホイールカバー304を取り付けた後、ホイールカバー304が着脱位置にある状態を、後方右方から見た斜視図である。
【
図26】実施例4のグラインダ302の、ホイールカバー304を取り付けた後、ホイールカバー304が通常位置にある状態を、後方右方から見た斜視図である。
【
図27】実施例4のグラインダ302の、ホイールカバー304を取り付けた後、ホイールカバー304がストッパ部材306と係合した状態を、後方右方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ホイールカバーが、前記スピンドルケースに対して、前記スピンドルの回転軸周りに回転可能であってもよく、着脱位置において前記スピンドルの回転軸に沿ってスライドさせることで着脱可能であってもよく、前記ストッパ部材が、前記ホイールカバーが通常位置から着脱位置まで回転することを禁止してもよい。
【0009】
上記の構成によれば、ホイールカバーが通常位置から着脱位置まで回転することをストッパ部材が禁止することで、ユーザによるホイールカバーの取り外しを防止することができる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材が、前記ホイールカバーが通常位置から着脱位置に向けて回転する際に、前記ホイールカバーの側面と当接する形状に形成されていてもよく、前記ストッパ部材が、前方側の前記ネジによって共締めされていてもよい。
【0011】
通常、ホイールカバーが通常位置にある場合、ホイールカバーは後方に位置している。従って、ホイールカバーをスピンドルケースに取り付けた後、ホイールカバーを着脱位置から通常位置まで回転させた状態で、前方側のネジによってストッパ部材を共締めすることで、簡素な形状のストッパ部材を用いて、ホイールカバーが通常位置から着脱位置まで回転することを禁止することができる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材が、前記ネジの頭部を囲んでおり、前記ホイールカバーが通常位置から着脱位置に向けて回転する際に、前記ホイールカバーの側面と当接するスリーブを有していてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、簡素な形状のスリーブによって、ホイールカバーが通常位置から着脱位置まで回転することを禁止することができる。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記スリーブにキャップが挿入されていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、ストッパ部材を共締めしたネジが、スリーブとキャップによって外部から遮蔽されるので、ユーザがストッパ部材を取り外すことを防止することができる。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材が、前記ホイールカバーの下面と係合しており、かつ前記ホイールカバーが通常位置から着脱位置に向けて回転する際に、前記ホイールカバーの側面と当接するフックを有していてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、フックによって、ホイールカバーが通常位置から着脱位置まで回転することを禁止することができるとともに、通常位置にあるホイールカバーのスライド方向への移動も禁止することができる。
【0018】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材を共締めする前記ネジが特殊ネジであってもよい。
【0019】
上記の構成によれば、ストッパ部材を共締めするネジとして、市販の工具では取り外しができない特殊ネジが用いられているので、ユーザがストッパ部材を取り外すことを防止することができる。
【0020】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ホイールカバーが、突起を備えていてもよく、前記ストッパ部材が、前記突起と係合する弾性片を備えていてもよく、前記ホイールカバーが着脱位置から通常位置に向けて回転する際には、前記弾性片が弾性変形して前記ホイールカバーの回転を許容してもよく、前記ホイールカバーが通常位置から着脱位置に向けて回転する際には、前記弾性片が前記突起と係合して前記ホイールカバーの回転を禁止してもよい。
【0021】
上記の構成によれば、ストッパ部材によって、ホイールカバーの着脱位置から通常位置への回転が許容されるものの、通常位置から着脱位置への回転が禁止される。この場合、ホイールカバーを取り付ける前に、ストッパ部材をスピンドルケースに取り付けておくことができるので、ストッパ部材を取り付ける際の作業性が向上する。
【0022】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材の前記弾性片が、後方側に配置されていてもよく、前記ストッパ部材が、後方側の前記ネジによって共締めされていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、グラインダの使用時に切削粉がストッパ部材の弾性片に付着して、ホイールカバーの通常の回転動作に影響を及ぼすことを防止することができる。また、上記の構成によれば、ストッパ部材を共締めするネジが、通常位置にあるホイールカバーによって遮蔽されるので、ユーザがストッパ部材を取り外す事を防止することができる。
【0024】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材を共締めする前記ネジが特殊ネジであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、ストッパ部材を共締めするネジとして、市販の工具では取り外しができない特殊ネジが用いられているので、ユーザがストッパ部材を取り外すことを防止することができる。
【0026】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ホイールカバーが、前記スピンドルケースに対して、前記スピンドルの回転軸周りに回転可能であってもよく、着脱位置において前記スピンドルの回転軸に沿ってスライドさせることで着脱可能であってもよく、前記ストッパ部材が、着脱位置にある前記ホイールカバーを前記スピンドルの回転軸に沿ってスライドさせて取り外すことを禁止してもよい。
【0027】
上記の構成によれば、着脱位置にあるホイールカバーをスピンドルの回転軸に沿ってスライドさせて取り外すことをストッパ部材が禁止することで、ユーザによるホイールカバーの取り外しを防止することができる。
【0028】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ホイールカバーが、突起を備えていてもよく、前記ストッパ部材が、前記突起と係合する弾性片を備えていてもよく、前記ホイールカバーを前記スピンドルケースに取り付ける際には、前記弾性片が弾性変形して前記ホイールカバーのスライドを許容してもよく、前記ホイールカバーを前記スピンドルケースから取り外す際には、前記弾性片が前記突起と係合して前記ホイールカバーのスライドを禁止してもよい。
【0029】
上記の構成によれば、ストッパ部材によって、ホイールカバーを取り付ける際のホイールカバーのスライドが許容されるものの、ホイールカバーを取り外す際のホイールカバーのスライドが禁止される。この場合、ホイールカバーを取り付ける前に、ストッパ部材をスピンドルケースに取り付けておくことができるので、ストッパ部材を取り付ける際の作業性が向上する。
【0030】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材の弾性片が、後方側に配置されていてもよく、前記ストッパ部材が、後方側の前記ネジによって共締めされていてもよい。
【0031】
上記の構成によれば、グラインダの使用時に切削粉がストッパ部材の弾性片に付着して、ホイールカバーの通常の回転動作に影響を及ぼすことを防止することができる。また、上記の構成によれば、ストッパ部材を共締めするネジが、通常位置にあるホイールカバーによって遮蔽されるので、ユーザがストッパ部材を取り外す事を防止することができる。
【0032】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ストッパ部材を共締めする前記ネジが特殊ネジであってもよい。
【0033】
上記の構成によれば、ストッパ部材を共締めするネジとして、市販の工具では取り外しができない特殊ネジが用いられているので、ユーザがストッパ部材を取り外すことを防止することができる。
【0034】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1のグラインダ2は、モータハウジング4と、リヤハウジング6と、ギヤハウジング8と、スピンドルケース10と、ホイールカバー12を備えている。
【0035】
モータハウジング4の内部には、モータ14が収容されている。モータ14は、前後方向に伸びる出力軸16を有している。出力軸16は、ベアリング18,20を介して、モータハウジング4に回転可能に支持されている。
【0036】
リヤハウジング6は、モータハウジング4の後方に取り付けられている。リヤハウジング6の内部には、電源回路22が収容されている。電源回路22には、外部の電源から電源コード24を介して電力が供給される。電源回路22は、ユーザがスイッチ26(
図2等参照)をオンに操作すると、モータ14に電力を供給し、ユーザがスイッチ26をオフに操作すると、モータ14への電力の供給を停止する。モータ14は、電源回路22から供給される電力によって、出力軸16を回転させる。
【0037】
ギヤハウジング8は、モータハウジング4の前方に取り付けられている。ギヤハウジング8の内部には、互いに噛み合うように配置された第1ベベルギヤ28と第2ベベルギヤ30が収容されている。第1ベベルギヤ28は、出力軸16の前方端部に固定されている。第2ベベルギヤ30は、上下方向に伸びるスピンドル32の上方端部に固定されている。以下では、第1ベベルギヤ28と第2ベベルギヤ30を総称して、単にベベルギヤ34ともいう。ベベルギヤ34は、モータ14の回転をスピンドル32に伝達する。ギヤハウジング8は、ベアリング35を介して、スピンドル32の上方端部を保持している。
図2、
図8等に示すように、ギヤハウジング8はモータハウジング4に対して、前後方向に伸びる4つのネジ36a、36b、36c、36dによって固定されている。
【0038】
図1に示すように、スピンドルケース10は、ギヤハウジング8の下方に取り付けられている。スピンドルケース10は、ベアリング38,40を介して、スピンドル32を保持している。スピンドル32は、上下方向に沿った回転軸に関して、スピンドルケース10に対して回転可能である。スピンドル32の下方端部には、インナフランジIFとアウタフランジOFを介して、研削ホイールGWを取り付け可能である。グラインダ2において、モータ14が回転すると、スピンドル32とともに研削ホイールGWが回転軸周りに回転することで、ワークの研削を行うことができる。
図2、
図4、
図8等に示すように、スピンドルケース10はギヤハウジング8に対して、上下方向に伸びる4つのネジ41a、41b、41c、41dによって固定されている。
【0039】
図1に示すように、スピンドルケース10には、ホイールカバー12が取り付けられている。ホイールカバー12は、研削ホイールGWの少なくとも一部を覆う形状に形成されている。本実施例では、ホイールカバー12は、研削ホイールGWの略半周にわたる部分を覆う形状に形成されている。
図1に示す例では、ホイールカバー12は、研削ホイールGWの後方の部分を覆う位置に配置されている。ホイールカバー12によって、グラインダ2の使用時に、研削ホイールGWからユーザに向けて研削粉が飛ぶことを防止することができる。
【0040】
図3に示すように、ホイールカバー12は、バンド部42と、カバー部44を備えている。バンド部42は、帯状の平板を円筒形状に湾曲させた湾曲部46と、湾曲部46の両端から外側に向けて伸びる一対の平板部48と、一対の平板部48の間隔を調整する調整ネジ50を備えている。カバー部44は、内側円筒部52と、円錐台部54と、外側円筒部56を備えている。内側円筒部52と外側円筒部56は、断面が略半円である円筒形状に形成されている。円錐台部54は、内側円筒部52の下端と、外側円筒部56の上端を接続する円錐台形状に形成されている。バンド部42とカバー部44は、内側円筒部52の外周面と湾曲部46の内周面を溶接することによって、互いに固定されている。バンド部42の内周面には、リブ58が形成されている。内側円筒部52の内周面には、リブ60、62が形成されている。ホイールカバー12には、当接片64が設けられている。当接片64は、円錐台部54の一方の端部の側面と、一方の平板部48の下面に溶接されている。当接片64は、湾曲部46の内周面および内側円筒部52の内周面よりも内側に突出している。
【0041】
図4に示すように、スピンドルケース10には、スピンドル32の回転軸方向(すなわち上下方向)に沿って下方に突出する略円筒形状のカバー取り付け部66が形成されている。カバー取り付け部66の下端近傍の外周面には、外側に突出するフランジ68が形成されている。フランジ68には、ホイールカバー12のリブ58,60,62に対応して、切り欠き70,72,74が形成されている。ホイールカバー12は、リブ58,60,62を切り欠き70,72,74と位置合わせした状態で、カバー取り付け部66が湾曲部46および内側円筒部52の内側に入り込むように、ホイールカバー12をスピンドルケース10に対して上方向にスライドさせることで、スピンドルケース10に取り付けることができる。リブ58,60,62が切り欠き70,72,74に位置合わせされた状態における、スピンドルケース10に取り付けられた後のホイールカバー12の位置を、以下では着脱位置ともいう。スピンドルケース10に取り付けられたホイールカバー12は、カバー取り付け部66の周りに回転可能である。言い換えると、ホイールカバー12は、スピンドルケース10に対して、スピンドル32の回転軸方向(すなわち上下方向)周りに回転可能である。ホイールカバー12をスピンドルケース10に対して着脱位置から回転させると、リブ58,60,62がフランジ68と係合することで、ホイールカバー12のスピンドルケース10に対する下方向へのスライドが禁止される。この場合、ホイールカバー12はスピンドルケース10から取り外すことができない。ホイールカバー12をスピンドルケース10に対して着脱位置まで回転させると、リブ58,60,62と切り欠き70,72,74が位置合わせされて、ホイールカバー12のスピンドルケース10に対する下方向へのスライドが許容される。この場合、ホイールカバー12はスピンドルケース10から取り外すことができる。
【0042】
カバー取り付け部66の下面には、下方に突出する突起76が形成されている。突起76は、ホイールカバー12の当接片64と当接して、ホイールカバー12が回転可能な角度を規制する。スピンドルケース10に取り付けられたホイールカバー12は、着脱位置から、当接片64が突起76と当接する位置まで回転可能である。グラインダ2のユーザは、ホイールカバー12を回転可能な範囲で所望の位置まで回転させた上で、調整ネジ50を締めることで、ホイールカバー12のスピンドルケース10に対する位置を固定することができる。以下では、グラインダ2を使用する際の、スピンドルケース10に対するホイールカバー12の位置を、通常位置ともいう。調整ネジ50が締められると、湾曲部46および内側円筒部52がカバー取り付け部66に押圧されて、ホイールカバー12のスピンドルケース10に対する回転が禁止される。調整ネジ50が緩められると、湾曲部46および内側円筒部52がカバー取り付け部66に押圧されなくなり、ホイールカバー12のスピンドルケース10に対する回転が許容される。
【0043】
図4に示すように、本実施例のグラインダ2では、スピンドルケース10に対するホイールカバー12の取り付けは、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるためのネジ41a、41b、41c、41dのうち、前方左方のネジ41aが締結されておらず、他のネジ41b、41c、41dが締結された状態で行われる。この状態から、リブ58,60,62と切り欠き70,72,74を位置合わせして、ホイールカバー12をスピンドルケース10に対して上方向にスライドさせることで、
図5に示すように、ホイールカバー12がスピンドルケース10に取り付けられる。この時のホイールカバー12の位置は、着脱位置である。その後、
図6に示すように、ホイールカバー12を下方から見て反時計周りに回転させて、ホイールカバー12を着脱位置から通常位置に回転させる。その後、
図7に示すように、ストッパ部材78をネジ41aとともに取り付ける。ストッパ部材78は、ホイールカバー12が通常位置から着脱位置(
図5に示すホイールカバー12の位置)に向けて、下方から見て時計回りに回転する際に、ホイールカバー12の側面と当接する形状に形成されている。このため、ストッパ部材78が取り付けられた後は、ホイールカバー12は通常位置から着脱位置まで回転することが禁止される。これによって、ユーザによってホイールカバー12がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0044】
図8に示すように、ストッパ部材78は、スリーブ80と、キャップ82を備えている。スリーブ80は、上方に底面を有し下方が開口した有底円筒形状の部材である。スリーブ80の上方の底面には、ネジ41aを挿通するための孔80aが形成されている。スリーブ80は、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるためのネジ41aによって、上方の底面の孔80aを介して共締めすることによって、スピンドルケース10に取り付けられる。キャップ82は、スリーブ80がネジ41aによって共締めされた後に、スリーブ80の下方の開口に嵌合して、ネジ41aの頭部を外部から遮蔽する。これによって、ユーザによってネジ41aが取り外されることを防止し、ストッパ部材78がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0045】
(実施例2)
本実施例のグラインダ102は、実施例1のグラインダ2と同様の構成を備えている。以下では、実施例1のグラインダ2と相違する点のみについて詳細に説明する。
【0046】
図9に示すように、本実施例のグラインダ102は、実施例1のストッパ部材78の代わりに、ストッパ部材104を備えている。
図10に示すように、ストッパ部材104は、支持部106と、支持部106と一体的に形成されたフック108を備えている。支持部106には、ネジ41a、41bを挿通するための孔106a、106bが形成されている。フック108は、支持部106から下方に向けて突出する当接部110と、当接部110の上端から後方に向けて突出する上側係合部112と、当接部110の下端から後方に向けて突出する下側係合部114を備えている。
図9に示すように、ストッパ部材104は、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるためのネジ41a、41b、41c、41dのうち、前方の2つのネジ41a、41bによって、支持部106の孔106a、106bを介して共締めすることによって、スピンドルケース10に取り付けられている。フック108の当接部110は、ホイールカバー12が通常位置から着脱位置に向けて回転する際に、ホイールカバー12の側面と当接する形状に形成されている。フック108の上側係合部112はホイールカバー12の湾曲部46の上面と係合する形状に形成されている。上側係合部112によって、ホイールカバー12の湾曲部46の上方向への移動が拘束される。フック108の下側係合部114はホイールカバー12の湾曲部46の下面と係合する形状に形成されている。下側係合部114によって、ホイールカバー12の湾曲部46の下方向への移動が拘束される。
【0047】
図11に示すように、本実施例のグラインダ102では、スピンドルケース10に対するホイールカバー12の取り付けは、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるためのネジ41a、41b、41c、41dのうち、前方の2つのネジ41a、41bが締結されておらず、後方の2つのネジ41c、41dが締結された状態で行われる。この状態から、リブ58,60,62と切り欠き70,72,74を位置合わせして、ホイールカバー12をスピンドルケース10に対して上方向にスライドさせることで、
図12に示すように、ホイールカバー12がスピンドルケース10に取り付けられる。その後、
図13に示すように、ホイールカバー12を下方から見て反時計周りに回転させて、ホイールカバー12を着脱位置から通常位置に回転させる。その後、
図14に示すように、ストッパ部材104をネジ41a、41bとともに取り付ける。ストッパ部材104は、ホイールカバー12が通常位置から着脱位置(
図12に示すホイールカバー12の位置)に向けて、下方から見て時計回りに回転する際に、ホイールカバー12の側面と当接する。このため、ストッパ部材104が取り付けられた後は、ホイールカバー12は通常位置から着脱位置まで回転することが禁止される。これによって、ユーザによってホイールカバー12がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0048】
本実施例のグラインダ102では、ストッパ部材104を共締めするネジ41a、41bの一方または両方を、市販の工具では取り外しができない特殊ネジとしてもよい。これによって、ユーザによってネジ41aおよび/またはネジ41bが取り外されることを防止し、ストッパ部材104がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。なお、特殊ネジとしては、例えば、ねじ頭の穴形状が六角星形のもの、三角形のもの、Y字形のものなどを用いることができる。
【0049】
(実施例3)
本実施例のグラインダ202は、実施例1のグラインダ2と同様の構成を備えている。以下では、実施例1のグラインダ2と相違する点のみについて詳細に説明する。
【0050】
図15に示すように、本実施例のグラインダ202は、実施例1のホイールカバー12の代わりに、ホイールカバー204を備えている。また、本実施例のグラインダ202は、実施例1のストッパ部材78の代わりに、ストッパ部材206を備えている。
【0051】
図16に示すように、ホイールカバー204は、実施例1のホイールカバー12とほぼ同様の構成を備えている。実施例1のホイールカバー12とは異なり、本実施例のホイールカバー204には、湾曲部46の上端から外側に向けて突出する突起208が形成されている。突起208は、ホイールカバー204が着脱位置にある時に、後述するストッパ部材206の弾性片216と係合する位置に形成されている。
【0052】
図17に示すように、ストッパ部材206は、支持部210と、支持部210から下方に向けて突出する円筒壁212と、円筒壁212の下端から下方に向けて突出する円弧壁214を備えている。支持部210には、ネジ41a、41b、41c、41dが挿通するための孔210a、210b、210c、210dが形成されている。円筒壁212は、ホイールカバー204の湾曲部46の外側を囲う形状に形成されている。円弧壁214には、上端が内側に向けて突出する弾性片216が形成されている。
【0053】
図18に示すように、本実施例のグラインダ202では、スピンドルケース10に対するストッパ部材206の取り付けは、ホイールカバー204をスピンドルケース10に取り付ける前に行われる。ストッパ部材206は、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるための4つのネジ41a、41b、41c、41dによって、支持部210の孔210a、210b、210c、210dを介して共締めすることによって、スピンドルケース10に取り付けられている。ストッパ部材206がスピンドルケース10に取り付けられた状態において、円弧壁214は後方に配置されており、弾性片216も後方に配置されている。
【0054】
ホイールカバー204をスピンドルケース10に取り付ける際には、リブ58,60,62を切り欠き70,72,74と位置合わせして、ホイールカバー204をスピンドルケース10に対して上方向にスライドさせる。この際に、ホイールカバー204の突起208がストッパ部材206の弾性片216に内側下方から当接する。この場合、弾性片216が外側に弾性変形するので、ホイールカバー204のスピンドルケース10に対する上方向へのスライドが許容される。これによって、
図19に示すように、ホイールカバー204がスピンドルケース10に対して取り付けられる。その後、ホイールカバー204を下方から見て反時計周りに回転させて、ホイールカバー204を着脱位置から通常位置に回転させることで、グラインダ202を通常通り使用することができる。
【0055】
本実施例のグラインダ202では、ホイールカバー204が着脱位置にある時に、ホイールカバー204をスピンドルケース10から取り外そうとすると、ホイールカバー204の突起208がストッパ部材206の弾性片216に内側上方から当接する。この場合、弾性片216は外側に弾性変形することなく、突起208と弾性片216が係合して、ホイールカバー204のスピンドルケース10に対する下方向へのスライドが禁止される。これによって、ユーザによってホイールカバー204がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0056】
本実施例のグラインダ202では、ストッパ部材206の弾性片216が後方に配置されている。このため、ホイールカバー204が通常位置にある場合に、弾性片216はホイールカバー204によって研削ホイールGWから遮蔽される。これによって、グラインダ202の使用時に、切削粉が弾性片216に飛ぶことを防止することができる。弾性片216に切削粉が付着してホイールカバー204の通常の回転動作に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0057】
本実施例のグラインダ202では、ストッパ部材206を共締めするネジ41a、41b、41c、41dの一部または全部を、市販の工具では取り外しができない特殊ネジとしてもよい。これによって、ユーザによってネジ41a、41b、41c、41dが取り外されることを防止し、ストッパ部材206がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0058】
(実施例4)
本実施例のグラインダ302は、実施例1のグラインダ2と同様の構成を備えている。以下では、実施例1のグラインダ2と相違する点のみについて詳細に説明する。
【0059】
図20に示すように、本実施例のグラインダ302は、実施例1のホイールカバー12の代わりに、ホイールカバー304を備えている。また、本実施例のグラインダ302は、実施例1のストッパ部材78の代わりに、ストッパ部材306を備えている。
【0060】
図21に示すように、ホイールカバー304は、実施例1のホイールカバー12とほぼ同様の構成を備えている。実施例1のホイールカバー12とは異なり、本実施例のホイールカバー304には、湾曲部46の上端から外側に向けて突出する突起308が形成されている。突起308は、ホイールカバー204を通常位置から着脱位置に回転させる際に、後述するストッパ部材306の弾性片316と当接する位置に形成されている。
【0061】
図22に示すように、ストッパ部材306は、支持部310と、支持部310から下方に向けて突出する円弧壁312と、円弧壁312から内側に向けて突出するガイド部314を備えている。ガイド部314の一方の端部には、先端が上方に向けて突出する弾性片316が形成されている。支持部310には、ネジ41c、41dが挿通するための孔310a、310bが形成されている。ガイド部314には、支持部310の孔310a、310bを介してネジ41c、41dを共締めする際に工具を挿通するための孔314a、314bが形成されている。
【0062】
図23に示すように、本実施例のグラインダ302では、スピンドルケース10に対するストッパ部材306の取り付けは、ホイールカバー304をスピンドルケース10に取り付ける前に行われる。ストッパ部材306は、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるためのネジ41a、41b、41c、41dのうち、後方の2つのネジ41c、41dによって、支持部310の孔310a、310bを介して共締めすることによって、スピンドルケース10に取り付けられている。ストッパ部材306がスピンドルケース10に取り付けられた状態において、ストッパ部材306は後方に配置されており、弾性片316も後方に配置されている。
【0063】
ホイールカバー304をスピンドルケース10に取り付ける際には、リブ58,60,62を切り欠き70,72,74と位置合わせして、ホイールカバー304をスピンドルケース10に対して上方向にスライドさせることで、
図24に示すように、ホイールカバー304がスピンドルケース10に取り付けられる。この時、
図25に示すように、ホイールカバー304の突起308は、ストッパ部材306の外側に配置されている。ホイールカバー304を下方から見て反時計周りに回転させて、着脱位置から通常位置へ向けて回転させる際には、ホイールカバー304の突起308が、ストッパ部材306の弾性片316に上方外側から当接する。この場合、弾性片316が下側に弾性変形するので、ホイールカバー304のスピンドルケース10に対する回転が許容される。これによって、
図26に示すように、ホイールカバー304の突起308がストッパ部材306の内側に入り込み、ホイールカバー304が通常位置まで回転する。
【0064】
ホイールカバー304を通常位置から着脱位置へ向けて、下方から見て時計回りに回転させる際には、
図27に示すように、ホイールカバー304の突起308がストッパ部材306の弾性片316に上方内側から当接する。この場合、弾性片316は下側に弾性変形することなく、突起308と弾性片316が係合して、ホイールカバー304のスピンドルケース10に対する回転が禁止される。これによって、ユーザによってホイールカバー204がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0065】
本実施例のグラインダ302では、ストッパ部材306が後方に配置されている。このため、ホイールカバー304が通常位置にある場合に、ストッパ部材306はホイールカバー304によって研削ホイールGWから遮蔽される。これによって、グラインダ302の使用時に、切削粉がストッパ部材306に飛ぶことを防止することができる。ストッパ部材306に切削粉が付着してホイールカバー304の通常の回転動作に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0066】
本実施例のグラインダ302では、スピンドルケース10をギヤハウジング8に取り付けるための4つのネジ41a、41b、41c、41dのうち、後方の2つのネジ41c、41dによって、ストッパ部材306が共締めされている。このため、ホイールカバー304が通常位置にある場合に、ストッパ部材306を共締めするネジ41c、41dがホイールカバー304によって覆われる。このため、ユーザによってネジ41c、41dが取り外されることを防止し、ストッパ部材306がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0067】
本実施例のグラインダ302では、ストッパ部材306を共締めするネジ41c、41dの一方または両方を、市販の工具では取り外しができない特殊ネジとしてもよい。これによって、ユーザによってネジ41c、41dが取り外されることを防止し、ストッパ部材306がスピンドルケース10から取り外されることを防止することができる。
【0068】
なお、上記の各実施例では、ホイールカバー12、204、304の構成として、調整ネジ50を締め付けることでスピンドルケース10に対する位置を固定し、調整ネジ50を緩めることでスピンドルケース10に対する位置の固定を解除する構成について説明した。これとは異なり、ホイールカバー12、204、304は、例えばレバー操作によってスピンドルケース10に対する位置の固定および固定解除を行う構成としてもよい。あるいは、ホイールカバー12、204、304とスピンドルケース10に、周方向に所定の間隔で互いに係合するラッチ機構を設けて、ラッチ機構での係合および係合解除によってスピンドルケース10に対する位置の固定および固定解除を行う構成としてもよい。
【0069】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。