(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983021
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】難燃性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 33/00 20060101AFI20211206BHJP
C08K 5/49 20060101ALI20211206BHJP
C08K 5/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
C08L33/00
C08K5/49
C08K5/00
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-189177(P2017-189177)
(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公開番号】特開2019-65095(P2019-65095A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】常岡 秀典
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 良太朗
【審査官】
飛彈 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−176729(JP,A)
【文献】
特開2004−263131(JP,A)
【文献】
特開2005−179642(JP,A)
【文献】
特開2006−274515(JP,A)
【文献】
特開2018−058916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 33/00
C08K 5/49
C08K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移温度が0℃以上であるアクリル系樹脂エマルジョン、および、
フェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物の乳化分散体を含有し、
固形分を基準として、前記アクリル系樹脂エマルジョン100重量部に対して、
フェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物を25〜500重量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【請求項2】
前記フェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物の乳化分散体が、ノニオン性界面活性剤を用いてフェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物を乳化させたものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項3】
固形分を基準として、前記アクリル系樹脂エマルジョン100重量部に対して、フェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物を50〜500重量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性樹脂組成物に関するものであり、より詳しくは繊維製品を加工した際の色移行やほつれの抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からシートやフロアマットなどの自動車内装材にはポリエステル繊維が用いられている。自動車内装材は火災時に容易に燃焼しないことが求められているため、難燃材を添加した難燃性樹脂組成物で繊維を処理することによって難燃性を付与している。
代表的な難燃剤としてデカブロムジフェニルオキサイド(DBDPO)や三酸化アンチモン(Sb
2O
3)が用いられてきたが、ハロゲン化合物は火災時にダイオキシンなどの有害物質を生成するおそれがあるため、使用が避けられるようになっている。また、アンチモンは不純物として鉛などの重金属を含むため、同様に使用が避けられるようになっている。
【0003】
そこで、各種リン化合物が有力な選択肢として注目され、実際広く用いられている。中でも、ポリリン酸アンモニウムは難燃性に優れ、他のリン化合物よりも安全性が高く、ブリードアウトにしくいといった特長を有するため、自動車内装用繊維製品の難燃剤として用いられている。
【0004】
一方、シートが高温多湿の条件下におかれたり、水や温水をシート上にこぼしたりした場合、ポリリン酸アンモニウムが水溶性のため表面に溶出し、「きわ付き」と呼ばれるシミやぬめりを生じることがある。また、繊維生地の染色に用いられる染料が乗員の衣服に付着する色移りや、糸がほつれ易い等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
本発明者らは特許文献1において、アクリル系樹脂エマルジョンおよびウレタン樹脂エマルジョンから選ばれる少なくとも一種の樹脂エマルジョン(a)、ポリエステル樹脂エマルジョン(b)、液状リン系難燃剤(c)、および芳香族基を有する界面活性剤(d)を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を提案しており、きわ付きを低減しつつ優れた難燃性を付与できている。一方、樹脂エマルジョン以外の成分量を多くせざるを得ないため、樹脂エマルジョンによる繊維生地への色移行の抑制や抜糸強度の付与により糸のほつれを抑制する効果が相対的に低下してしまう点に改善の余地があった。
【特許文献1】特願第2016-195072号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ハロゲン化合物を使用せず、従前の製品と同等以上の優れた難燃性を維持しつつ、水濡れ時に生じる外観不良や色移行を低減でき、さらに難燃剤の使用量低減によって糸のほつれが生じにくい難燃化樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ガラス転移温度が0℃以上であるアクリル系樹脂エマルジョン、および
、フェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物の乳化分散体を含有
し、固形分を基準として、前記アクリル系樹脂エマルジョン100重量部に対して、フェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物を25〜500重量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の難燃性樹脂組成物は、ハロゲン化合物を使用せずに従前の製品と同等以上の難燃性を維持しつつ、水濡れ時に生じる外観不良や色移行を低減でき、さらに色移行の抑制や抜糸強度を効果的に付与できるため、自動車内装用シートなどの難燃性が要求される繊維製品の加工用途に適する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の難燃性樹脂組成物は、バインダー成分としてアクリル系樹脂エマルジョンを含有する。アクリル系樹脂エマルジョンは、界面活性剤の存在下でアクリル系単量体を公知の方法で乳化重合することにより得られるものである。
【0010】
アクリル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル単量体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニル系単量体、アクロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン系単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレートなどの水酸基含有単量体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有単量体、無水マレイン酸等のエチレン系カルボン酸無水物、モノブチルマレイン酸などのエチレン系ジカルボン酸のモノアルキルエステル、およびこれらのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩などのエチレン系カルボン酸塩類、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのエチレン系カルボン酸の酸アミド類、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのエチレン系カルボン酸とアミノ基を有するアルコールとのエステル類などを単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、必要に応じてさらにジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレートなどの多官能単量体を用いることができる。
【0011】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル塩類及びその誘導体類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル硫酸エステル類等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、ポリオキシエチルアルキルアミン等のカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。また、反応性不飽和基を有する界面活性剤も使用することができる。
界面活性剤は単量体の全量に対して通常0.1〜10重量%用いられ、乳化重合の反応適性や、得られるアクリル系樹脂エマルジョンの各種安定性及び耐水性等の観点から約0.5〜7重量%用いるのが好ましい。
【0012】
乳化重合を行う際、重合開始剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの水性ラジカル重合開始剤またはこれらの混合物を用いることができる。重合開始剤の使用量は、重合性単量体全量に対して通常は0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
また、還元剤の存在下で重合開始剤を用いることにより、レドックス系を形成することができる。そのような還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、L−アスコルビン酸、酒石酸などのカルボン酸類が挙げられる。還元剤の使用量は重合性単量体全量に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
【0013】
乳化重合は、例えば、還流冷却管、温度計、攪拌機、モノマー滴下孔などを備えた反応容器に水と一部の乳化剤を添加して60℃以上に昇温し、残りの乳化剤、水および単量体を配合・攪拌して予め乳化した乳化液と、重合開始剤の水溶液とを攪拌しつつ滴下して進行させることができる。
【0014】
このような方法で得られたアクリル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度は0℃以上である必要があり、より好ましくはガラス転移温度20℃以上である。0℃未満の場合、色移行が生じたり抜糸強度が低下したりするため好ましくない。単量体の組成は前記ガラス転移温度の範囲内において、繊維製品に付加したい機能に応じて適宜選択される。
【0015】
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、液状リン系難燃剤の乳化分散体を含有する。液状リン系難燃剤はリンを含有し、常温で液体である難燃剤である。特に制限されないが有機リン化合物が好ましく、その中でも特に芳香族系リン酸エステル単量体、芳香族系リン酸エステル縮合体であって、分子中にリンを0.1重量%以上含有するものが好ましい。前記芳香族リン酸エステル縮合体の中でも、更にフェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物(BDP)などが好ましい。
【0016】
液状リン系難燃剤を乳化分散する方法は特に制限されないが、色移行や貯蔵安定性の低下が起こりにくくするため、界面活性剤を用いて乳化することが好ましく、ノニオン性界面活性剤を用いることがより好ましい。また、液状リン系難燃剤100重量部に対して、乳化に用いる界面活性剤の量は3〜15重量部程度である。
【0017】
液状リン系難燃剤の配合量は、固形分を基準として前記樹脂エマルジョン(a)100重量部に対して、25〜500重量部が好ましい。25重量部以上とすることで難燃性が顕著に向上し、500重量部以下とすることで、風合いや抜糸強度を損ねるおそれがない。
【0018】
本発明の難燃性樹脂組成物には前記配合成分の他、本発明の優れた効果を妨げない範囲において、さらに各種添加剤を配合できる。例えば、水酸化アルミニウム、ホウ素系化合物、メラミン系化合物、ジルコニウム系化合物などの難燃剤、イソシアネート化合物などの架橋剤、増粘剤などが挙げられる。
また、無機充填剤、分散剤、増粘剤、湿潤剤、発泡剤、整泡剤、消泡剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤などが使用できる。
【0019】
以上のようにして得られた本発明の難燃性樹脂組成物の固形分、pH及び粘度は、いずれも特に限定されるものではないが、該組成物の沈降安定性等の観点より、一般に固形分は30〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、pHは5〜10、好ましくは6〜10、粘度(BH型粘度計、20℃、10rpm)は10,000〜60,000mPa・s、好ましくは10,000〜40,000mPa・sである。
【0020】
本発明の難燃性樹脂組成物をカーシート生地などの繊維材のバッキング層として用いることにより、難燃性に優れたカーシートを得ることができる。カーシート生地としては、火災時有害ガスの発生のないもの、防縮加工剤などの処理剤としてホルムアルデヒドを生じることのない処理剤を使用したものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリルなどの合成繊維、羊毛などの天然繊維又はそれらの混紡が挙げられる。
【0021】
本発明の難燃性樹脂組成物のバッキング層としての塗布量は、固形分で10〜200g/m
2、好ましくは20〜150g/m
2である。塗布量が10g/m
2未満では難燃性が不十分となるおそれがあり、200g/m
2を超える場合は風合いを損ない、経済的にも好ましくない。
【0022】
以下、本発明について実施例、参考例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。
【実施例】
【0023】
液状リン系難燃剤の乳化分散体の調製
反応容器に液状リン系難燃剤としてフェノール、4,4´−(プロパン−2,2−ジシル)ジフェノール及びトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物であるFP−600(ADEKA社製、商品名)100重量部を添加し、次いで水21重量部にノニオン性界面活性剤であるアデカトールPC−10(ADEKA社製、商品名)6重量部およびエマルゲンA−500(花王社製、商品名)2重量部を溶解させた界面活性剤水溶液を添加した。攪拌により乳化を開始後、水36重量部を除々に添加することで固形分を調整し、さらにアルカリ増粘剤であるV−280(アイカ工業製、商品名)およびアンモニア水溶液を加えて粘度を調整することにより、FP−600の含有量が60重量%である乳化分散体Aを得た。
【0024】
難燃性樹脂組成物の調製
アクリル系樹脂エマルジョンであるUNA−1(アイカ工業社製、固形分50%、ガラス転移温度60℃、商品名)を固形分として100重量部および乳化分散体AをFP−600の含有量として100重量部とを混合し、さらにV−280およびアンモニア水溶液を加えることによって粘度を15,000mPa・sに調整することにより、実施例1の難燃性樹脂組成物を得た。
【0025】
実施例1で用いた材料の他、アクリル系樹脂エマルジョンであるT−154−1(アイカ工業社製、固形分50%、Tg−40℃、商品名)およびT−154−2(アイカ工業社製、固形分50%、Tg−20℃、商品名)、未乳化の液状リン系難燃剤であるFP−600を用いて、表1記載の配合で混合した後にV−280およびアンモニア水溶液を加えることによって粘度を15,000mPa・sに調整することにより、比較例1〜6の各難燃性樹脂組成物を調製し、以下の方法で評価を行った。
【0026】
難燃性
薄物ファブリック(目付200g/m
2)にドクターナイフで乾燥重量50g/m
2になるように各難燃性樹脂組成物を塗布した。その後、140℃で熱風乾燥を行って含水率を5%未満にした後、23℃、50%RH雰囲気下で1晩養生することにより試験体を作成した。試験体を35cm×20cmに裁断したものを試料片とした。
自動車内装分野向け難燃規格であるFMVSS−302に従い、作成した試料片について水平法により燃焼試験を行なった。試験は6点行い、平均燃焼速度(mm/分)および標準偏差(σ)について、燃焼速度+4σ=100以下であるものを合格とした。
【0027】
貯蔵安定性
各難燃性樹脂組成物の初期粘度(測定時温度 23℃)を測定後、ガラス瓶に封入して30℃雰囲気下で1ヶ月間保存した後に再度粘度を測定し、保存前の粘度と比較して以下のように評価した。
○:初期粘度から50%未満の増粘
×:初期粘度から50%以上の増粘
【0028】
きわ付き試験
薄物ファブリック(目付200g/m
2)にドクターナイフで乾燥重量70g/m
2になるように各難燃性樹脂組成物を塗布した。その後、140℃で熱風乾燥を行って含水率を5%未満にした後、23℃、50%RH雰囲気下で1晩養生することにより試験体を作成した。ウレタンフォーム上に樹脂塗布面(裏面)が下になるように試験体を置き、上(表面)から常温の蒸留水を垂らした。23℃、50%RH雰囲気下で24時間自然乾燥を行った後、表面側よりシミの有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
○:外観変化なし
×:水濡れに伴うシミが認められる
【0029】
色移行試験
薄物ファブリック(目付200g/m
2)にドクターナイフで乾燥重量70g/m
2になるように各難燃性樹脂組成物を塗布した。その後、140℃で熱風乾燥を行って含水率を5%未満にした後、23℃、50%雰囲気下で1晩養生することにより試験体を作成した。試験体を一辺6cmの四角形に裁断し、塗布面に綿布を置き、さらにその上に直径4cmの円状の底面を有する1kgの重りを乗せ、雰囲気温度50℃、湿度90%条件下に24時間静置させた。その後、塗布面に接していた綿布の状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:綿布に薄物ファブリック由来の染料の移行なし
×:綿布に薄物ファブリック由来の染料が移行している
【0030】
ほつれ試験
薄物ファブリック(目付200g/m
2)にドクターナイフで乾燥重量50g/m
2になるように各難燃性樹脂組成物を塗布した。その後、140℃で熱風乾燥を行って含水率を5%未満にした後、23℃、50%雰囲気下で1晩養生することにより試験体を作成した。試験体を一片20cmの四角形に裁断したものを試験片とした。試験片から縦、横のそれぞれの方向から糸を1本抜き出し、それぞれ3gの荷重を30秒間を掛け、ほつれ量を測定した。
○:ほつれ量が縦・横とも5mm未満
×:ほつれ量が縦・横のいずれかでも5mm越
【0031】
【表1】
【0032】
実施例1の各難燃性樹脂組成物を用いた場合、難燃剤の使用量が多くなくても難燃性、貯蔵安定性および水濡れ時の外見も良好であり、さらに色移行やほつれも抑制されていた。一方、比較例の難燃性樹脂組成物を用いた場合、いずれかの性能が不十分であった。